散水装置
【課題】部品点数の低減、組立工数の低減及び簡素化によってコスト低減を図る。
【解決手段】散水装置21の散水部23を、水を噴射させる噴射ノズル36と、内周面にねじ山62を有し回転することで噴射ノズル36に対して相対的に移動する回転ヘッド37と、この回転ヘッド37に固定され一体になって回転することで噴射ノズル36との相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッド38とからなる。回転ヘッド37の内周面のねじ山62を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形した。本体部35と噴射ノズル36との間には、位置決め用嵌合部としての位置決め用切欠き40と位置決め用嵌合凸部50を設けた。板バネ部31Cは回動支持軸31Aと一体成形した。
【解決手段】散水装置21の散水部23を、水を噴射させる噴射ノズル36と、内周面にねじ山62を有し回転することで噴射ノズル36に対して相対的に移動する回転ヘッド37と、この回転ヘッド37に固定され一体になって回転することで噴射ノズル36との相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッド38とからなる。回転ヘッド37の内周面のねじ山62を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形した。本体部35と噴射ノズル36との間には、位置決め用嵌合部としての位置決め用切欠き40と位置決め用嵌合凸部50を設けた。板バネ部31Cは回動支持軸31Aと一体成形した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースの先端に取り付けられて、噴射する水の状態を適宜調整しながら散水作業を行う散水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の散水装置としては、図2に示す構成のものが一般に知られている。この散水装置は主に、手で持って散水装置を支持するための取っ手部1と、拡散、ストレート、シャワー等の各種の散水状態で水を噴射する散水部2とから構成されている。散水部2は、本体部3と、この本体部3に取り付けられて直接に水を噴射する噴射ノズル(図示せず)と、この噴射ノズルの外周に設けられたねじ部に螺合され回転することで噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッド4と、この回転ヘッド4に固定され一体になって回転することで噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッド5とから構成されている。回転ヘッド4は、図3に示すように、噴射ノズルに直接に螺合されて全体を支持する支持筒部11と、先端に取り付けられるシャワーヘッド5の全体に水を供給するためのヘッド室12とから構成されている。
【0003】
支持筒部11の内側には、噴射ノズルのねじ部に螺合するねじ山14が形成されている。このねじ部14は、360度を越えて2列に重なるように形成されている。
【0004】
また、取っ手部1には、散水部2から噴出される水の量を調整するためのレバー15が取り付けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記構成の散水装置では、支持筒部11内のねじ山14が360度を越えて2列に重なるように形成されているため、回転ヘッド4が型成形されるときには、型を支持筒部11の軸芯方向に移動させると共に、回転させる必要がある。即ち、型を回転させながら往復動作させる必要があり、製造工程が複雑化してしまう。このため、製造コストが嵩んでしまうという問題点がある。
【0006】
また、噴射ノズルは、本体部3に対して正確に位置合わせしてから取り付けなければならず、その位置合わせ作業が煩雑で、作業性が悪いという問題点がある。
【0007】
一方、レバー15にはストッパが設けられているものもある。このストッパは、噴射ノズルから水を連続的に出すために、レバー15を引いた状態で固定するために用いるもので、各種のものがある。通常このストッパは、レバー15を固定しないときには、待機状態となる。レバー15を待機状態にする手段としては、一般に別部材のスプリングを設け、レバー15を待機位置に付勢する手段がとられている。ところが、別部材としてスプリングを設けると、部品点数が増えると共に組立工数も増え、コストが嵩むという問題点がある。
【0008】
本発明は以上述べたような問題点に鑑みてなされたもので、部品点数及び組立工数を減らし、かつ組立行程を簡素化してコストの低減を図った散水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するために第1の発明に係る散水装置は、複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、前記散水部が、供給された水を噴射させる噴射ノズルと、内周面にねじ山を有し回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、前記回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形したことを特徴とする。
【0010】
回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形すると、回転ヘッドを型成形する際に、型を回転させる必要がなくなる。即ち、型を回転ヘッドの筒部の軸芯方向への往復動だけで、回転ヘッドを成形することができる。
【0011】
第2の発明に係る散水装置は、複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、前記散水部が、本体部と、この本体部に取り付けられ供給された水を噴射させる噴射ノズルと、回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、前記噴射ノズルと本体部との間に、これらを相互に取り付ける際に正確な位置決めを行う位置決め用嵌合部を設けたことを特徴とする。
【0012】
噴射ノズルと本体部との間に決め用嵌合部を設けることで、これらを相互に取り付ける際に容易に正確な位置決めを行う。
【0013】
第3の発明に係る散水装置は、複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、前記散水部への水の供給量を調整する調整弁と、この調整弁の開度を調整するレバーと、このレバーを特定位置で固定して調整弁を解放状態に維持するストッパとを備え、前記ストッパが、このストッパ自身を本体側に回動可能に支持する回動支持軸と、この回動支持軸に一体的に支持された状態で前記レバー側に設けられた切欠きに嵌合してこのレバーを特定位置で固定支持する切欠き嵌合軸と、この切欠き嵌合軸を待機状態に付勢する板バネ部とからなり、前記板バネ部が前記回動支持軸に一体成形されたことを特徴とする。
【0014】
板バネ部を回動支持軸に一体成形して、部品点数及び組立工数を減らす。
【発明の効果】
【0015】
(1) 型を回転ヘッドの筒部の軸芯方向への往復動だけで、回転ヘッドを成形することができるため、組立行程の簡素化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
【0016】
(2) 回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形したので、回転ヘッドを型成形する際に、型を回転させる必要がなくなる。これにより、組立行程の簡素化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
【0017】
(3) 噴射ノズルと本体部との間に決め用嵌合部を設けたので、これらを相互に取り付ける際に容易に正確な位置決めを行うことができ、位置決め作業が簡素化して組立作業性が向上する。これにより、コスト低減を図ることができる。
【0018】
(4) 板バネ部を回動支持軸に一体成形したので、部品点数及び組立工数を減らすことができ、コスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る散水装置の回転ヘッドを示す側面断面図、図4は本実施形態に係る散水装置を示す側面断面図、図5は取っ手本体を示す側面断面図、図6はレバーを示す側面断面図、図7は止水ピストンを示す側面図、図8は止水ピストンを示す平面図、図9は可動ピストンを示す側面図、図10はストッパを示す側面図、図11はストッパを示す平面図、図12は噴射ノズルを示す側面図、図13は噴射ノズルを示す側面断面図、図14は噴射ノズルの先端部を示す要部拡大断面図、図15はミストキャップを示す側面図、図16はミストキャップを示す平面図、図17は回転ヘッドを示す平面図、図18は散水部の先端部分を示す要部拡大断面図、図19はヘッドカバーを示す側面図、図20はヘッドカバーを示す側面断面図、図21は噴霧、拡散、ストレート及びシャワーの各散水状態での噴射ノズルと回転ヘッドとシャワーヘッドとの相対位置関係を示す側面断面図である。
【0020】
[構成]
本実施形態に係る散水装置21は図4に示すように主に、手で持って散水装置21を支持するための取っ手部22と、拡散、ストレート、シャワー等の各種の散水状態で水を噴射する散水部23とから構成されている。この散水装置21は、全体を合成樹脂で成形されている。なお、散水装置21の外観形状は、図2に示す従来の散水装置と同様である。
【0021】
取っ手部22は図4、図5及び図6に示すように主に、取っ手本体24とレバー25とグリップキャップ26とから構成されている。
【0022】
取っ手本体24は、散水部23の本体部35と一体的に成形され、手で握って散水装置21を支持すると共に内部に水を通す部分である。この取っ手本体24は、水を通す内部流路24Aと、この内部流路24Aの途中に設けられた止水ピストン28の弁座部24Bと、この弁座部24Bに当接した止水ピストン28を開閉させるための可動ピストン29を内部に収納して摺動可能に支持するピストン支持筒24Cと、装着されるレバー25を両側から挟むように配設されてレバー25を回動可能に支持する二枚の支持板24Dとから構成されている。二枚の支持板24Dには、レバー25を回動可能に支持するための支持孔24Eと、後述するストッパ31を回動可能に支持するストッパ支持孔24Fと、ストッパ31の回動角度を規制する円弧状の長孔24Gとが形成されている。
【0023】
レバー25は、取っ手本体24に回動可能に取り付けられ、手前に引く量(握る強さ)を調整することで、取っ手本体24内を通る水量(ノズルから噴射させる水量)を調整するものである。このレバー25の上部には回動用突起25Aが設けられている。この回動用突起25Aが、取っ手本体24の支持板24Dに設けられた支持孔24Eに挿入されることで、レバー25が二枚の支持板24Dに回動可能に支持されるようになっている。レバー25の上端部にはストッパ受け25Bが形成されている。このストッパ受け25Bは、ストッパ31が嵌合して外れないように半円形状に切り欠いて構成されている。このストッパ受け25Bにストッパ31が嵌合することで、レバー25を所定の角度で(レバー25を一定量だけ引いた状態で)支持するようになっている。
【0024】
グリップキャップ26は、図4に示すように、取っ手本体24の基端嵌合部27(図中の下端部)に取り付けられ、一端が水道の蛇口に接続されたホース(図示せず)の他端が差し込まれるものである。このグリップキャップ26は具体的には、ホース内に圧入されるホース側圧入部26Aと、取っ手本体24の基端嵌合部27に圧入される基端部側圧入部26Bとから構成されている。
【0025】
止水ピストン28は、図4、図7及び図8に示すように、内部流路24A内に装着されている。この内部流路24Aは、弁座部24Bを境に下方が大径に、上方が小径に形成されている。止水ピストン28は、内部流路24Aの上方の小径流路に位置する小径挿入部28Aと、内部流路24Aの下方の大径流路に位置する大径挿入部28Bと、小径挿入部28Aと大径挿入部28Bとの間に設けられてOリング28Cを嵌合支持するOリング溝28Dとから構成されている。Oリング溝28Dに嵌合支持されたOリング28Cは、前記弁座部24Bに当接することで、内部流路24A内の水の流れを止めるようになっている。大径挿入部28Bには、可動ピストン29が斜めから挿入されるピストン孔28Eが形成されている。可動ピストン29がピストン支持筒24C内で押し込まれると、その先端がピストン孔28E内において斜め下方向へ移動して止水ピストン28が下方へ押し下げられ、Oリング28Cが弁座部24Bから離れて水が流れるようになっている。なお、止水ピストン28の小径挿入部28Aは断面形状が十字状に形成され、大径挿入部28Bは断面形状がほぼ楕円状に形成され、水はこれらと内部流路24Aとの隙間を流れるようになっている。
【0026】
可動ピストン29は、図4及び図9に示すように、レバー25の内側面に当接して押される頭部29Aと、ピストン支持筒24C内に挿入されて摺動可能に支持される胴体部29Bと、この胴体部29Bのほぼ中央に設けられたOリング溝29Cとから構成されている。Oリング溝29CにはOリング30が装着され、ピストン支持筒24Cの内周面に当接して前記内部流路24Aを水密にシールしている。胴体部29Bの先端部は、円錐状の傾斜が設けられている。この傾斜角度は可動ピストン29と止水ピストン28とのなす角に合わせて設定され、胴体部29Bの先端部が斜め方向から止水ピストン28のピストン孔28E内に押し込まれたときに、その先端部がピストン孔28Eの内周面と整合するようになっている。頭部29Aは半球状に形成されている。これは、レバー25の頭部受け面25C(図6参照)と当接した状態でレバー25を引くときのずれを吸収して、可動ピストン29を軸芯方向に押圧できるようにするためである。このため、頭部受け面25Cも窪んだ円形状に形成されている。
【0027】
なお、前記止水ピストン28と可動ピストン29とで、散水部23への水の供給量を調整する調整弁が構成されている。
【0028】
ストッパ31は、図4、図5、図10及び図11に示すように、取っ手本体24の支持板24Dに回動可能に取り付けられ、一定角度だけ引かれたレバー25をその状態で維持するときに用いるものである。ストッパ31は、取っ手本体24の支持板24Dに設けられたストッパ支持孔24Fに嵌合してストッパ31自身を回動可能に支持される回動支持軸31Aと、この回動支持軸31Aと並行に配設され長孔24Gに嵌合してこの長孔24Gの長さの分だけストッパ31の回動を許容すると共に両端部を手で持ってレバー25のストッパ受け25Bに引っ掛ける切欠き嵌合軸31Bと、前記回動支持軸31Aから前記切欠き嵌合軸31Bと逆方向に延出して配設された板バネ部31Cとから構成されている。回動支持軸31Aと切欠き嵌合軸31Bとの間には、これを一定間隔をおいて支持する支持棒部31Dと補強板部31Eが設けられている。切欠き嵌合軸31Bの両端には、2つの長孔24Gからそれぞれ両側外部に延出され手で持つことができるように拡径しかつ外側面を傾斜させた拡径部31Fが形成されている。板バネ部31Cは、回動支持軸31Aや切欠き嵌合軸31B等と一体的成形されている。この板バネ部31Cの側面形状はほぼV字型になっている。この板バネ部31Cは、合成樹脂の持つ弾性を利用してバネとしての機能を持たせている。このストッパ31は、回動支持軸31Aがストッパ支持孔24Fに回動可能に嵌合して板バネ部31Cの先端が散水部23の本体部35側に当接した状態で、この板バネ部31Cによって切欠き嵌合軸31Bが上方(散水部23の本体部35側)へ付勢されている。なお、切欠き嵌合軸31Bをストッパ受け25Bに嵌合させるときは、板バネ部31Cに付勢力に抗して押し下げることになる。
【0029】
散水部23は、噴射する水を、拡散、ストレート、シャワー等の各種の散水状態にするためのものである。この散水部23は、図4に示すように、本体部35と噴射ノズル36と回転ヘッド37とシャワーヘッド38とから構成されている。
【0030】
本体部35は、図4及び図5に示すように、取っ手部22と一体的に成形された円筒体によって構成されている。本体部35の一端(図中の右側端部)は塞がれており、他端は開口している。この開口縁部の下方には、噴射ノズルと本体部との間に、これらを相互に取り付ける際に正確な位置決めを行う位置決め用嵌合部としての位置決め用切欠き40が設けられている。この位置決め用切欠き40は、後述する噴射ノズル36の位置決め用嵌合凸部50が嵌合することで、この噴射ノズル36が本体部35に対して正確に位置決めされる。
【0031】
噴射ノズル36は、図4、図12、図13及び図14に示すように、本体部側嵌合部45と回転ヘッド側嵌合部46とノズル先端部47とから構成されている。本体部側嵌合部45は、本体部35の内径とほぼ同じ寸法の外径に形成された挿入筒部48と、本体部35の外径と同じ寸法の外径に形成され挿入筒部48が本体部35の開口縁部から内部に圧入された状態で開口縁部に当接するフランジ部49と、このフランジ部49に一体的に形成され本体部35の位置決め用切欠き40に嵌合して正確な位置決めがなされる位置決め用嵌合部としての位置決め用嵌合凸部50とから構成されている。回転ヘッド側嵌合部46は、筒体で構成され、回転ヘッド37内に挿入される。回転ヘッド側嵌合部46の外周には、雄ねじ51が設けられ、この雄ねじ51に回転ヘッド37が螺合するようになっている。雄ねじ51の基端部(フランジ部49側の端部)にはOリング溝52が設けられている。このOリング溝52に取り付けられるOリング53は、噴射ノズル36と回転ヘッド37との間を水密にシールした状態で、噴射ノズル36と回転ヘッド37との相対的な回転及びそれに伴う前後への相対的な移動を許容している。
【0032】
ノズル先端部47は、回転ヘッド側嵌合部46を大幅に縮径した円筒体で構成されている。このノズル先端部47の先端には、この部分をさらに縮径して形成され、シャワーヘッド38の噴射口68に挿入される噴射突起部47Aが形成されている。この噴射突起部47Aには、水を霧状にして噴射させるための噴霧孔54が形成されている。この噴霧孔54の上流側には、後述するミストキャップ57によって形成された渦流をその状態を保ったまま噴霧孔54に導くためのテーパ状導入口55が形成されている。さらに噴霧孔54の下流側には、渦流のまま噴霧孔54に流入した水を、その渦流を保ったまま霧状に噴射させるためのテーパ状噴射口56が形成されている。この噴霧孔54の部分は、ノズル先端部47を縮径して形成され、そのテーパ状段部47Bは、シャワーヘッド38の噴射口68の内側に当接することで、ノズル先端部47とスリーブ67との間の水の流れを遮断できるようになっている。噴射突起部47Aの先端には拡散用フランジ部47Cが形成されている。この拡散用フランジ部47Cは、噴射突起部47Aの先端部を拡径して形成され、噴射突起部47Aがシャワーヘッド38の噴射口68に挿入された状態で、この部分を通過して噴射される水が周囲に拡散されるようになっている。
【0033】
テーパ状導入口55の上流側には、図14、図15及び図16に示すように、ミストキャップ57が取り付けられている。このミストキャップ57は、圧肉の円盤状に形成され、その外周面に渦流を作るための斜め溝58が形成されている。この斜め溝58は、対向して2つ設けられ、外周面において同じ方向に傾斜させて切り欠いた溝によって構成されている。このミストキャップ57は、ノズル先端部47内において、上流側から水圧がかかる方向(水の流れの方向である下流方向)に沿って、テーパ状導入口55に面する位置まで圧入されている。ノズル先端部47のうち、ミストキャップ57の配設位置の上流位置には、外部に水を流す連通孔59が設けられている。
【0034】
回転ヘッド37は、図1、図4及び図17に示すように、噴射ノズル36の回転ヘッド側嵌合部46に螺合して全体を支持する支持筒部60と、先端に取り付けられるシャワーヘッド38全体に水を供給するためのヘッド室61とから構成されている。支持筒部60は、噴射ノズル36の回転ヘッド側嵌合部46よりも僅かに大きい程度の内径を有する円筒体で形成され、その内側に、回転ヘッド側嵌合部46の雄ねじ51に螺合するねじ山62が形成されている。このねじ山62は、120度間隔で3分割して成形され、各ねじ山62が2列以上に重ならないようになっている。これにより、回転ヘッド37が型成形されるときに、支持筒部60の軸芯方向にのみ移動する型によって成形できるように、即ち型を回転しないで往復動作のみで成形できるようになっている。ヘッド室61の先端開口部の外周面には、シャワーヘッド38が螺合するねじ部63が設けられている。
【0035】
シャワーヘッド38は、図18に示すように、ヘッド室61内に溜まった水をシャワー状に噴射させるための多数の小孔を設けた散水板65と、この散水板65の外周に一体成形され前記ヘッド室61のねじ部63に螺合してシャワーヘッド38を回転ヘッド37に固定する固定リング66と、散水板65の中央部の内側に一体成形され前記噴射ノズル36のノズル先端部47を内部に挿入するスリーブ67とから構成されている。散水板65の中央部には、スリーブ67と連通して水を噴射させるた噴射口68が設けられている。この噴射口68の内周縁部の内側と外側には、水の流れを整えるためのテーパが設けられている。スリーブ67の内側端部(図1中の右側端部)には、Oリング69,70を隣接して2つ設けるための二筋のOリング溝71が形成されている。このOリング溝71に装着されたOリング69,70は、ノズル先端部47の連通孔59と整合したときに、この連通孔59を完全に塞ぐことができる程度の幅に配設されている。スリーブ67の端部には、Oリング溝71に装着されたOリング69,70を外側から支持してリングキャップ72が取り付けられている。
【0036】
なお、図19及び図20の73は回転ヘッド37にシャワーヘッド38が螺合して固定された状態で、これらを覆うヘッドカバーである。このヘッドカバー73は、柔軟性のあるゴム等によって構成されている。ヘッドカバー73の内周面は、回転ヘッド37及びシャワーヘッド38に整合するように段差を付けて形成されている。
【0037】
[作用]
以上のように構成された散水装置21は、一端を蛇口に接続されたホースの他端を、グリップキャップ26のホース側圧入部26Aに圧入してホースと接続する。この状態で蛇口を空けて水を散水装置21内に供給する。供給された水は、レバー25が引かれていない状態で止水ピストン28まで供給される。レバー25が引かれ、可動ピストン29を介して止水ピストン28が空けられると、水は内部流路24Aから散水部23の本体部35内に流入し、噴射ノズル36のノズル先端部47内を通ってその先端部まで供給される。
【0038】
このとき、回転ヘッド37を回して図21(A)の噴霧状態に調整されると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれることはなく、ノズル先端部47とスリーブ67との間に解放されているが、ノズル先端部47のテーパ状段部47Bがシャワーヘッド38の噴射口68の内側に当接してこの部分を塞いでいるので、そこでの水の流れは許容されず、噴霧孔54からのみ水が噴射される。ノズル先端部47内の水は、ミストキャップ57を通過して渦流になり、テーパ状導入口55から噴霧孔54に導かれ、テーパ状噴射口56から霧状に噴射される。
【0039】
回転ヘッド37を回して図21(B)の拡散状態にされると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれることはなく、ノズル先端部47とスリーブ67との間に解放される。さらに、ノズル先端部47のテーパ状段部47Bとシャワーヘッド38の噴射口68との間も解放される。これにより、ノズル先端部47内の水は、噴霧孔54から噴射されると共に、テーパ状段部47Bと噴射口68との間からも噴射される。このとき、噴霧孔54からの噴射量は噴射口68からの噴射量よりも遙かに多く、噴射口68から噴射する水は、噴射突起部47Aの拡散用フランジ部47Cで周囲に広げられ、拡散状態になる。
【0040】
回転ヘッド37を回して図21(C)のストレート状態にされると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれず、解放されている。さらに、ノズル先端部47の噴射突起部47Aはシャワーヘッド38の噴射口68から抜けて、この噴射口68が大きく解放される。これにより、ノズル先端部47内の水は、テーパ状段部47Bと噴射口68との間を介して噴射口68から多量に噴射する。このとき噴射する水は拡散用フランジ部47Cで広げられることもないため、そのままストレート状態になる。
【0041】
回転ヘッド37を回して図21(D)のシャワー状態にされると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれず、回転ヘッド37のヘッド室61に解放されている。これにより、ノズル先端部47内の水は、ヘッド室61内に充満し、シャワーヘッド38の散水板65からシャワー状に噴射する。
【0042】
また、水を出し続けるときには、ストッパ31でレバー25を固定する。具体的には、レバー25を引いて、ストッパ31の拡径部31Fを持って下方に押し下げる。この状態でレバー25を緩めると、レバー25のストッパ受け25Bにストッパ31の切欠き嵌合軸31Bが嵌合し、レバー25が固定される。これにより、レバー25を手で持たなくても、水が各種の散水状態で連続的に噴射される。
【0043】
[効果]
以上のように構成された散水装置21では、回転ヘッド37の内周面のねじ山62を、2列以上に重ならないように、360度以内で3分割して成形したので、回転ヘッド37を型成形する際に、型を回転させる必要がなくなる。これにより、組立行程の簡素化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
【0044】
また、本体部35と噴射ノズル36との間に決め用嵌合部としての切欠き40と嵌合凸部50を設けたので、本体部35と噴射ノズル36とを相互に取り付ける際に容易に正確な位置決めを行うことができ、位置決め作業が簡素化して組立作業性を向上させることができる。この結果、コスト低減を図ることができる。
【0045】
さらに、板バネ部31Cを回動支持軸31Aに一体成形したので、部品点数及び組立工数を減らすことができ、コスト低減を図ることができる。
【0046】
[変形例]
(1) 前記実施形態では、回転ヘッド37の支持筒部60の内側面に設けられるねじ山62を120度毎に3箇所で分割したが、1又は2カ所で分割しても、また4カ所以上で分割してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る散水装置の回転ヘッドを示す側面断面図である。
【図2】従来の散水装置を示す側面図である。
【図3】従来の散水装置の回転ヘッドを示す側面断面図である。
【図4】本発明に係る散水装置を示す側面断面図である。
【図5】取っ手本体を示す側面断面図である。
【図6】レバーを示す側面断面図である。
【図7】止水ピストンを示す側面図である。
【図8】止水ピストンを示す平面図である。
【図9】可動ピストンを示す側面図である。
【図10】ストッパを示す側面図である。
【図11】ストッパを示す平面図である。
【図12】噴射ノズルを示す側面図である。
【図13】噴射ノズルを示す側面断面図である。
【図14】噴射ノズルの先端部を示す要部拡大断面図である。
【図15】ミストキャップを示す側面図である。
【図16】ミストキャップを示す平面図である。
【図17】回転ヘッドを示す平面図である。
【図18】散水部の先端部分を示す要部拡大断面図である。
【図19】ヘッドカバーを示す側面図である。
【図20】ヘッドカバーを示す側面断面図である。
【図21】各散水状態での噴射ノズルと回転ヘッドとシャワーヘッドとの相対位置関係を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0048】
21:散水装置、22:取っ手部、23:散水部、24:取っ手本体、25:レバー、28:止水ピストン、29:可動ピストン、31:ストッパ、31A:回動支持軸、31B:切欠き嵌合軸,31C:板バネ部、36:噴射ノズル、37:回転ヘッド、38:シャワーヘッド、40:位置決め用切欠き、47:ノズル先端部、50:位置決め用嵌合凸部、54:噴霧孔、55:テーパ状導入口、56:テーパ状噴射口、57:ミストキャップ、59:連通孔、61:ヘッド室、62:ねじ山、65:散水板、66:固定リング、67:スリーブ、68:噴射口、73:ヘッドカバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホースの先端に取り付けられて、噴射する水の状態を適宜調整しながら散水作業を行う散水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の散水装置としては、図2に示す構成のものが一般に知られている。この散水装置は主に、手で持って散水装置を支持するための取っ手部1と、拡散、ストレート、シャワー等の各種の散水状態で水を噴射する散水部2とから構成されている。散水部2は、本体部3と、この本体部3に取り付けられて直接に水を噴射する噴射ノズル(図示せず)と、この噴射ノズルの外周に設けられたねじ部に螺合され回転することで噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッド4と、この回転ヘッド4に固定され一体になって回転することで噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッド5とから構成されている。回転ヘッド4は、図3に示すように、噴射ノズルに直接に螺合されて全体を支持する支持筒部11と、先端に取り付けられるシャワーヘッド5の全体に水を供給するためのヘッド室12とから構成されている。
【0003】
支持筒部11の内側には、噴射ノズルのねじ部に螺合するねじ山14が形成されている。このねじ部14は、360度を越えて2列に重なるように形成されている。
【0004】
また、取っ手部1には、散水部2から噴出される水の量を調整するためのレバー15が取り付けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、前記構成の散水装置では、支持筒部11内のねじ山14が360度を越えて2列に重なるように形成されているため、回転ヘッド4が型成形されるときには、型を支持筒部11の軸芯方向に移動させると共に、回転させる必要がある。即ち、型を回転させながら往復動作させる必要があり、製造工程が複雑化してしまう。このため、製造コストが嵩んでしまうという問題点がある。
【0006】
また、噴射ノズルは、本体部3に対して正確に位置合わせしてから取り付けなければならず、その位置合わせ作業が煩雑で、作業性が悪いという問題点がある。
【0007】
一方、レバー15にはストッパが設けられているものもある。このストッパは、噴射ノズルから水を連続的に出すために、レバー15を引いた状態で固定するために用いるもので、各種のものがある。通常このストッパは、レバー15を固定しないときには、待機状態となる。レバー15を待機状態にする手段としては、一般に別部材のスプリングを設け、レバー15を待機位置に付勢する手段がとられている。ところが、別部材としてスプリングを設けると、部品点数が増えると共に組立工数も増え、コストが嵩むという問題点がある。
【0008】
本発明は以上述べたような問題点に鑑みてなされたもので、部品点数及び組立工数を減らし、かつ組立行程を簡素化してコストの低減を図った散水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した課題を解決するために第1の発明に係る散水装置は、複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、前記散水部が、供給された水を噴射させる噴射ノズルと、内周面にねじ山を有し回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、前記回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形したことを特徴とする。
【0010】
回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形すると、回転ヘッドを型成形する際に、型を回転させる必要がなくなる。即ち、型を回転ヘッドの筒部の軸芯方向への往復動だけで、回転ヘッドを成形することができる。
【0011】
第2の発明に係る散水装置は、複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、前記散水部が、本体部と、この本体部に取り付けられ供給された水を噴射させる噴射ノズルと、回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、前記噴射ノズルと本体部との間に、これらを相互に取り付ける際に正確な位置決めを行う位置決め用嵌合部を設けたことを特徴とする。
【0012】
噴射ノズルと本体部との間に決め用嵌合部を設けることで、これらを相互に取り付ける際に容易に正確な位置決めを行う。
【0013】
第3の発明に係る散水装置は、複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、前記散水部への水の供給量を調整する調整弁と、この調整弁の開度を調整するレバーと、このレバーを特定位置で固定して調整弁を解放状態に維持するストッパとを備え、前記ストッパが、このストッパ自身を本体側に回動可能に支持する回動支持軸と、この回動支持軸に一体的に支持された状態で前記レバー側に設けられた切欠きに嵌合してこのレバーを特定位置で固定支持する切欠き嵌合軸と、この切欠き嵌合軸を待機状態に付勢する板バネ部とからなり、前記板バネ部が前記回動支持軸に一体成形されたことを特徴とする。
【0014】
板バネ部を回動支持軸に一体成形して、部品点数及び組立工数を減らす。
【発明の効果】
【0015】
(1) 型を回転ヘッドの筒部の軸芯方向への往復動だけで、回転ヘッドを成形することができるため、組立行程の簡素化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
【0016】
(2) 回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形したので、回転ヘッドを型成形する際に、型を回転させる必要がなくなる。これにより、組立行程の簡素化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
【0017】
(3) 噴射ノズルと本体部との間に決め用嵌合部を設けたので、これらを相互に取り付ける際に容易に正確な位置決めを行うことができ、位置決め作業が簡素化して組立作業性が向上する。これにより、コスト低減を図ることができる。
【0018】
(4) 板バネ部を回動支持軸に一体成形したので、部品点数及び組立工数を減らすことができ、コスト低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係る散水装置の回転ヘッドを示す側面断面図、図4は本実施形態に係る散水装置を示す側面断面図、図5は取っ手本体を示す側面断面図、図6はレバーを示す側面断面図、図7は止水ピストンを示す側面図、図8は止水ピストンを示す平面図、図9は可動ピストンを示す側面図、図10はストッパを示す側面図、図11はストッパを示す平面図、図12は噴射ノズルを示す側面図、図13は噴射ノズルを示す側面断面図、図14は噴射ノズルの先端部を示す要部拡大断面図、図15はミストキャップを示す側面図、図16はミストキャップを示す平面図、図17は回転ヘッドを示す平面図、図18は散水部の先端部分を示す要部拡大断面図、図19はヘッドカバーを示す側面図、図20はヘッドカバーを示す側面断面図、図21は噴霧、拡散、ストレート及びシャワーの各散水状態での噴射ノズルと回転ヘッドとシャワーヘッドとの相対位置関係を示す側面断面図である。
【0020】
[構成]
本実施形態に係る散水装置21は図4に示すように主に、手で持って散水装置21を支持するための取っ手部22と、拡散、ストレート、シャワー等の各種の散水状態で水を噴射する散水部23とから構成されている。この散水装置21は、全体を合成樹脂で成形されている。なお、散水装置21の外観形状は、図2に示す従来の散水装置と同様である。
【0021】
取っ手部22は図4、図5及び図6に示すように主に、取っ手本体24とレバー25とグリップキャップ26とから構成されている。
【0022】
取っ手本体24は、散水部23の本体部35と一体的に成形され、手で握って散水装置21を支持すると共に内部に水を通す部分である。この取っ手本体24は、水を通す内部流路24Aと、この内部流路24Aの途中に設けられた止水ピストン28の弁座部24Bと、この弁座部24Bに当接した止水ピストン28を開閉させるための可動ピストン29を内部に収納して摺動可能に支持するピストン支持筒24Cと、装着されるレバー25を両側から挟むように配設されてレバー25を回動可能に支持する二枚の支持板24Dとから構成されている。二枚の支持板24Dには、レバー25を回動可能に支持するための支持孔24Eと、後述するストッパ31を回動可能に支持するストッパ支持孔24Fと、ストッパ31の回動角度を規制する円弧状の長孔24Gとが形成されている。
【0023】
レバー25は、取っ手本体24に回動可能に取り付けられ、手前に引く量(握る強さ)を調整することで、取っ手本体24内を通る水量(ノズルから噴射させる水量)を調整するものである。このレバー25の上部には回動用突起25Aが設けられている。この回動用突起25Aが、取っ手本体24の支持板24Dに設けられた支持孔24Eに挿入されることで、レバー25が二枚の支持板24Dに回動可能に支持されるようになっている。レバー25の上端部にはストッパ受け25Bが形成されている。このストッパ受け25Bは、ストッパ31が嵌合して外れないように半円形状に切り欠いて構成されている。このストッパ受け25Bにストッパ31が嵌合することで、レバー25を所定の角度で(レバー25を一定量だけ引いた状態で)支持するようになっている。
【0024】
グリップキャップ26は、図4に示すように、取っ手本体24の基端嵌合部27(図中の下端部)に取り付けられ、一端が水道の蛇口に接続されたホース(図示せず)の他端が差し込まれるものである。このグリップキャップ26は具体的には、ホース内に圧入されるホース側圧入部26Aと、取っ手本体24の基端嵌合部27に圧入される基端部側圧入部26Bとから構成されている。
【0025】
止水ピストン28は、図4、図7及び図8に示すように、内部流路24A内に装着されている。この内部流路24Aは、弁座部24Bを境に下方が大径に、上方が小径に形成されている。止水ピストン28は、内部流路24Aの上方の小径流路に位置する小径挿入部28Aと、内部流路24Aの下方の大径流路に位置する大径挿入部28Bと、小径挿入部28Aと大径挿入部28Bとの間に設けられてOリング28Cを嵌合支持するOリング溝28Dとから構成されている。Oリング溝28Dに嵌合支持されたOリング28Cは、前記弁座部24Bに当接することで、内部流路24A内の水の流れを止めるようになっている。大径挿入部28Bには、可動ピストン29が斜めから挿入されるピストン孔28Eが形成されている。可動ピストン29がピストン支持筒24C内で押し込まれると、その先端がピストン孔28E内において斜め下方向へ移動して止水ピストン28が下方へ押し下げられ、Oリング28Cが弁座部24Bから離れて水が流れるようになっている。なお、止水ピストン28の小径挿入部28Aは断面形状が十字状に形成され、大径挿入部28Bは断面形状がほぼ楕円状に形成され、水はこれらと内部流路24Aとの隙間を流れるようになっている。
【0026】
可動ピストン29は、図4及び図9に示すように、レバー25の内側面に当接して押される頭部29Aと、ピストン支持筒24C内に挿入されて摺動可能に支持される胴体部29Bと、この胴体部29Bのほぼ中央に設けられたOリング溝29Cとから構成されている。Oリング溝29CにはOリング30が装着され、ピストン支持筒24Cの内周面に当接して前記内部流路24Aを水密にシールしている。胴体部29Bの先端部は、円錐状の傾斜が設けられている。この傾斜角度は可動ピストン29と止水ピストン28とのなす角に合わせて設定され、胴体部29Bの先端部が斜め方向から止水ピストン28のピストン孔28E内に押し込まれたときに、その先端部がピストン孔28Eの内周面と整合するようになっている。頭部29Aは半球状に形成されている。これは、レバー25の頭部受け面25C(図6参照)と当接した状態でレバー25を引くときのずれを吸収して、可動ピストン29を軸芯方向に押圧できるようにするためである。このため、頭部受け面25Cも窪んだ円形状に形成されている。
【0027】
なお、前記止水ピストン28と可動ピストン29とで、散水部23への水の供給量を調整する調整弁が構成されている。
【0028】
ストッパ31は、図4、図5、図10及び図11に示すように、取っ手本体24の支持板24Dに回動可能に取り付けられ、一定角度だけ引かれたレバー25をその状態で維持するときに用いるものである。ストッパ31は、取っ手本体24の支持板24Dに設けられたストッパ支持孔24Fに嵌合してストッパ31自身を回動可能に支持される回動支持軸31Aと、この回動支持軸31Aと並行に配設され長孔24Gに嵌合してこの長孔24Gの長さの分だけストッパ31の回動を許容すると共に両端部を手で持ってレバー25のストッパ受け25Bに引っ掛ける切欠き嵌合軸31Bと、前記回動支持軸31Aから前記切欠き嵌合軸31Bと逆方向に延出して配設された板バネ部31Cとから構成されている。回動支持軸31Aと切欠き嵌合軸31Bとの間には、これを一定間隔をおいて支持する支持棒部31Dと補強板部31Eが設けられている。切欠き嵌合軸31Bの両端には、2つの長孔24Gからそれぞれ両側外部に延出され手で持つことができるように拡径しかつ外側面を傾斜させた拡径部31Fが形成されている。板バネ部31Cは、回動支持軸31Aや切欠き嵌合軸31B等と一体的成形されている。この板バネ部31Cの側面形状はほぼV字型になっている。この板バネ部31Cは、合成樹脂の持つ弾性を利用してバネとしての機能を持たせている。このストッパ31は、回動支持軸31Aがストッパ支持孔24Fに回動可能に嵌合して板バネ部31Cの先端が散水部23の本体部35側に当接した状態で、この板バネ部31Cによって切欠き嵌合軸31Bが上方(散水部23の本体部35側)へ付勢されている。なお、切欠き嵌合軸31Bをストッパ受け25Bに嵌合させるときは、板バネ部31Cに付勢力に抗して押し下げることになる。
【0029】
散水部23は、噴射する水を、拡散、ストレート、シャワー等の各種の散水状態にするためのものである。この散水部23は、図4に示すように、本体部35と噴射ノズル36と回転ヘッド37とシャワーヘッド38とから構成されている。
【0030】
本体部35は、図4及び図5に示すように、取っ手部22と一体的に成形された円筒体によって構成されている。本体部35の一端(図中の右側端部)は塞がれており、他端は開口している。この開口縁部の下方には、噴射ノズルと本体部との間に、これらを相互に取り付ける際に正確な位置決めを行う位置決め用嵌合部としての位置決め用切欠き40が設けられている。この位置決め用切欠き40は、後述する噴射ノズル36の位置決め用嵌合凸部50が嵌合することで、この噴射ノズル36が本体部35に対して正確に位置決めされる。
【0031】
噴射ノズル36は、図4、図12、図13及び図14に示すように、本体部側嵌合部45と回転ヘッド側嵌合部46とノズル先端部47とから構成されている。本体部側嵌合部45は、本体部35の内径とほぼ同じ寸法の外径に形成された挿入筒部48と、本体部35の外径と同じ寸法の外径に形成され挿入筒部48が本体部35の開口縁部から内部に圧入された状態で開口縁部に当接するフランジ部49と、このフランジ部49に一体的に形成され本体部35の位置決め用切欠き40に嵌合して正確な位置決めがなされる位置決め用嵌合部としての位置決め用嵌合凸部50とから構成されている。回転ヘッド側嵌合部46は、筒体で構成され、回転ヘッド37内に挿入される。回転ヘッド側嵌合部46の外周には、雄ねじ51が設けられ、この雄ねじ51に回転ヘッド37が螺合するようになっている。雄ねじ51の基端部(フランジ部49側の端部)にはOリング溝52が設けられている。このOリング溝52に取り付けられるOリング53は、噴射ノズル36と回転ヘッド37との間を水密にシールした状態で、噴射ノズル36と回転ヘッド37との相対的な回転及びそれに伴う前後への相対的な移動を許容している。
【0032】
ノズル先端部47は、回転ヘッド側嵌合部46を大幅に縮径した円筒体で構成されている。このノズル先端部47の先端には、この部分をさらに縮径して形成され、シャワーヘッド38の噴射口68に挿入される噴射突起部47Aが形成されている。この噴射突起部47Aには、水を霧状にして噴射させるための噴霧孔54が形成されている。この噴霧孔54の上流側には、後述するミストキャップ57によって形成された渦流をその状態を保ったまま噴霧孔54に導くためのテーパ状導入口55が形成されている。さらに噴霧孔54の下流側には、渦流のまま噴霧孔54に流入した水を、その渦流を保ったまま霧状に噴射させるためのテーパ状噴射口56が形成されている。この噴霧孔54の部分は、ノズル先端部47を縮径して形成され、そのテーパ状段部47Bは、シャワーヘッド38の噴射口68の内側に当接することで、ノズル先端部47とスリーブ67との間の水の流れを遮断できるようになっている。噴射突起部47Aの先端には拡散用フランジ部47Cが形成されている。この拡散用フランジ部47Cは、噴射突起部47Aの先端部を拡径して形成され、噴射突起部47Aがシャワーヘッド38の噴射口68に挿入された状態で、この部分を通過して噴射される水が周囲に拡散されるようになっている。
【0033】
テーパ状導入口55の上流側には、図14、図15及び図16に示すように、ミストキャップ57が取り付けられている。このミストキャップ57は、圧肉の円盤状に形成され、その外周面に渦流を作るための斜め溝58が形成されている。この斜め溝58は、対向して2つ設けられ、外周面において同じ方向に傾斜させて切り欠いた溝によって構成されている。このミストキャップ57は、ノズル先端部47内において、上流側から水圧がかかる方向(水の流れの方向である下流方向)に沿って、テーパ状導入口55に面する位置まで圧入されている。ノズル先端部47のうち、ミストキャップ57の配設位置の上流位置には、外部に水を流す連通孔59が設けられている。
【0034】
回転ヘッド37は、図1、図4及び図17に示すように、噴射ノズル36の回転ヘッド側嵌合部46に螺合して全体を支持する支持筒部60と、先端に取り付けられるシャワーヘッド38全体に水を供給するためのヘッド室61とから構成されている。支持筒部60は、噴射ノズル36の回転ヘッド側嵌合部46よりも僅かに大きい程度の内径を有する円筒体で形成され、その内側に、回転ヘッド側嵌合部46の雄ねじ51に螺合するねじ山62が形成されている。このねじ山62は、120度間隔で3分割して成形され、各ねじ山62が2列以上に重ならないようになっている。これにより、回転ヘッド37が型成形されるときに、支持筒部60の軸芯方向にのみ移動する型によって成形できるように、即ち型を回転しないで往復動作のみで成形できるようになっている。ヘッド室61の先端開口部の外周面には、シャワーヘッド38が螺合するねじ部63が設けられている。
【0035】
シャワーヘッド38は、図18に示すように、ヘッド室61内に溜まった水をシャワー状に噴射させるための多数の小孔を設けた散水板65と、この散水板65の外周に一体成形され前記ヘッド室61のねじ部63に螺合してシャワーヘッド38を回転ヘッド37に固定する固定リング66と、散水板65の中央部の内側に一体成形され前記噴射ノズル36のノズル先端部47を内部に挿入するスリーブ67とから構成されている。散水板65の中央部には、スリーブ67と連通して水を噴射させるた噴射口68が設けられている。この噴射口68の内周縁部の内側と外側には、水の流れを整えるためのテーパが設けられている。スリーブ67の内側端部(図1中の右側端部)には、Oリング69,70を隣接して2つ設けるための二筋のOリング溝71が形成されている。このOリング溝71に装着されたOリング69,70は、ノズル先端部47の連通孔59と整合したときに、この連通孔59を完全に塞ぐことができる程度の幅に配設されている。スリーブ67の端部には、Oリング溝71に装着されたOリング69,70を外側から支持してリングキャップ72が取り付けられている。
【0036】
なお、図19及び図20の73は回転ヘッド37にシャワーヘッド38が螺合して固定された状態で、これらを覆うヘッドカバーである。このヘッドカバー73は、柔軟性のあるゴム等によって構成されている。ヘッドカバー73の内周面は、回転ヘッド37及びシャワーヘッド38に整合するように段差を付けて形成されている。
【0037】
[作用]
以上のように構成された散水装置21は、一端を蛇口に接続されたホースの他端を、グリップキャップ26のホース側圧入部26Aに圧入してホースと接続する。この状態で蛇口を空けて水を散水装置21内に供給する。供給された水は、レバー25が引かれていない状態で止水ピストン28まで供給される。レバー25が引かれ、可動ピストン29を介して止水ピストン28が空けられると、水は内部流路24Aから散水部23の本体部35内に流入し、噴射ノズル36のノズル先端部47内を通ってその先端部まで供給される。
【0038】
このとき、回転ヘッド37を回して図21(A)の噴霧状態に調整されると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれることはなく、ノズル先端部47とスリーブ67との間に解放されているが、ノズル先端部47のテーパ状段部47Bがシャワーヘッド38の噴射口68の内側に当接してこの部分を塞いでいるので、そこでの水の流れは許容されず、噴霧孔54からのみ水が噴射される。ノズル先端部47内の水は、ミストキャップ57を通過して渦流になり、テーパ状導入口55から噴霧孔54に導かれ、テーパ状噴射口56から霧状に噴射される。
【0039】
回転ヘッド37を回して図21(B)の拡散状態にされると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれることはなく、ノズル先端部47とスリーブ67との間に解放される。さらに、ノズル先端部47のテーパ状段部47Bとシャワーヘッド38の噴射口68との間も解放される。これにより、ノズル先端部47内の水は、噴霧孔54から噴射されると共に、テーパ状段部47Bと噴射口68との間からも噴射される。このとき、噴霧孔54からの噴射量は噴射口68からの噴射量よりも遙かに多く、噴射口68から噴射する水は、噴射突起部47Aの拡散用フランジ部47Cで周囲に広げられ、拡散状態になる。
【0040】
回転ヘッド37を回して図21(C)のストレート状態にされると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれず、解放されている。さらに、ノズル先端部47の噴射突起部47Aはシャワーヘッド38の噴射口68から抜けて、この噴射口68が大きく解放される。これにより、ノズル先端部47内の水は、テーパ状段部47Bと噴射口68との間を介して噴射口68から多量に噴射する。このとき噴射する水は拡散用フランジ部47Cで広げられることもないため、そのままストレート状態になる。
【0041】
回転ヘッド37を回して図21(D)のシャワー状態にされると、ノズル先端部47の連通孔59はOリング69,70で塞がれず、回転ヘッド37のヘッド室61に解放されている。これにより、ノズル先端部47内の水は、ヘッド室61内に充満し、シャワーヘッド38の散水板65からシャワー状に噴射する。
【0042】
また、水を出し続けるときには、ストッパ31でレバー25を固定する。具体的には、レバー25を引いて、ストッパ31の拡径部31Fを持って下方に押し下げる。この状態でレバー25を緩めると、レバー25のストッパ受け25Bにストッパ31の切欠き嵌合軸31Bが嵌合し、レバー25が固定される。これにより、レバー25を手で持たなくても、水が各種の散水状態で連続的に噴射される。
【0043】
[効果]
以上のように構成された散水装置21では、回転ヘッド37の内周面のねじ山62を、2列以上に重ならないように、360度以内で3分割して成形したので、回転ヘッド37を型成形する際に、型を回転させる必要がなくなる。これにより、組立行程の簡素化を図ることができ、コスト低減を図ることができる。
【0044】
また、本体部35と噴射ノズル36との間に決め用嵌合部としての切欠き40と嵌合凸部50を設けたので、本体部35と噴射ノズル36とを相互に取り付ける際に容易に正確な位置決めを行うことができ、位置決め作業が簡素化して組立作業性を向上させることができる。この結果、コスト低減を図ることができる。
【0045】
さらに、板バネ部31Cを回動支持軸31Aに一体成形したので、部品点数及び組立工数を減らすことができ、コスト低減を図ることができる。
【0046】
[変形例]
(1) 前記実施形態では、回転ヘッド37の支持筒部60の内側面に設けられるねじ山62を120度毎に3箇所で分割したが、1又は2カ所で分割しても、また4カ所以上で分割してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る散水装置の回転ヘッドを示す側面断面図である。
【図2】従来の散水装置を示す側面図である。
【図3】従来の散水装置の回転ヘッドを示す側面断面図である。
【図4】本発明に係る散水装置を示す側面断面図である。
【図5】取っ手本体を示す側面断面図である。
【図6】レバーを示す側面断面図である。
【図7】止水ピストンを示す側面図である。
【図8】止水ピストンを示す平面図である。
【図9】可動ピストンを示す側面図である。
【図10】ストッパを示す側面図である。
【図11】ストッパを示す平面図である。
【図12】噴射ノズルを示す側面図である。
【図13】噴射ノズルを示す側面断面図である。
【図14】噴射ノズルの先端部を示す要部拡大断面図である。
【図15】ミストキャップを示す側面図である。
【図16】ミストキャップを示す平面図である。
【図17】回転ヘッドを示す平面図である。
【図18】散水部の先端部分を示す要部拡大断面図である。
【図19】ヘッドカバーを示す側面図である。
【図20】ヘッドカバーを示す側面断面図である。
【図21】各散水状態での噴射ノズルと回転ヘッドとシャワーヘッドとの相対位置関係を示す側面断面図である。
【符号の説明】
【0048】
21:散水装置、22:取っ手部、23:散水部、24:取っ手本体、25:レバー、28:止水ピストン、29:可動ピストン、31:ストッパ、31A:回動支持軸、31B:切欠き嵌合軸,31C:板バネ部、36:噴射ノズル、37:回転ヘッド、38:シャワーヘッド、40:位置決め用切欠き、47:ノズル先端部、50:位置決め用嵌合凸部、54:噴霧孔、55:テーパ状導入口、56:テーパ状噴射口、57:ミストキャップ、59:連通孔、61:ヘッド室、62:ねじ山、65:散水板、66:固定リング、67:スリーブ、68:噴射口、73:ヘッドカバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、
前記散水部が、供給された水を噴射させる噴射ノズルと、内周面にねじ山を有し回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、
前記回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形したことを特徴とする散水装置。
【請求項2】
複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、
前記散水部が、本体部と、この本体部に取り付けられ供給された水を噴射させる噴射ノズルと、回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、
前記噴射ノズルと本体部との間に、これらを相互に取り付ける際に正確な位置決めを行う位置決め用嵌合部を設けたことを特徴とする散水装置。
【請求項3】
複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、
前記散水部への水の供給量を調整する調整弁と、この調整弁の開度を調整するレバーと、このレバーを特定位置で固定して調整弁を解放状態に維持するストッパとを備え、
前記ストッパが、このストッパ自身を本体側に回動可能に支持する回動支持軸と、この回動支持軸に一体的に支持された状態で前記レバー側に設けられた切欠きに嵌合してこのレバーを特定位置で固定支持する切欠き嵌合軸と、この切欠き嵌合軸を待機状態に付勢する板バネ部とからなり、
前記板バネ部が前記回動支持軸に一体成形されたことを特徴とする散水装置。
【請求項1】
複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、
前記散水部が、供給された水を噴射させる噴射ノズルと、内周面にねじ山を有し回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、
前記回転ヘッドの内周面のねじ山を、2列以上に重ならないように、360度以内の範囲で成形したことを特徴とする散水装置。
【請求項2】
複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、
前記散水部が、本体部と、この本体部に取り付けられ供給された水を噴射させる噴射ノズルと、回転することで前記噴射ノズルに対して相対的に移動する回転ヘッドと、この回転ヘッドに固定され一体になって回転することで前記噴射ノズルとの相対位置が調整されて散水状態が切り換わるシャワーヘッドとを備えてなり、
前記噴射ノズルと本体部との間に、これらを相互に取り付ける際に正確な位置決めを行う位置決め用嵌合部を設けたことを特徴とする散水装置。
【請求項3】
複数の散水状態で水を噴射させることができる散水部を備えた散水装置において、
前記散水部への水の供給量を調整する調整弁と、この調整弁の開度を調整するレバーと、このレバーを特定位置で固定して調整弁を解放状態に維持するストッパとを備え、
前記ストッパが、このストッパ自身を本体側に回動可能に支持する回動支持軸と、この回動支持軸に一体的に支持された状態で前記レバー側に設けられた切欠きに嵌合してこのレバーを特定位置で固定支持する切欠き嵌合軸と、この切欠き嵌合軸を待機状態に付勢する板バネ部とからなり、
前記板バネ部が前記回動支持軸に一体成形されたことを特徴とする散水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2006−315006(P2006−315006A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223896(P2006−223896)
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【分割の表示】特願平9−3788の分割
【原出願日】平成9年1月13日(1997.1.13)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月21日(2006.8.21)
【分割の表示】特願平9−3788の分割
【原出願日】平成9年1月13日(1997.1.13)
【出願人】(391001457)アイリスオーヤマ株式会社 (146)
【Fターム(参考)】
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