数式入力装置及びプログラム
【課題】コピーされた複数の数式構成部分を容易にペーストする。
【解決手段】関数電卓は、入力された数式とカラーチャート31とを表示する。利用者が数式中の何れかの数式構成部分と、カラーチャート31の表示色とを指定すると、指定された数式構成部分及び色が対応付けられて色別コピーバッファに記憶される。利用者がカラーチャート31の各表示色のうち、数式構成部分に対応付けられた何れかの色と入力位置とを指定すると、色別コピーバッファで指定色に対応付けられた数式構成部分を指定位置に入力し、入力された数式構成部分を、色別コピーバッファで当該数式構成部分に対応付けられた対応色で識別表示させる。
【解決手段】関数電卓は、入力された数式とカラーチャート31とを表示する。利用者が数式中の何れかの数式構成部分と、カラーチャート31の表示色とを指定すると、指定された数式構成部分及び色が対応付けられて色別コピーバッファに記憶される。利用者がカラーチャート31の各表示色のうち、数式構成部分に対応付けられた何れかの色と入力位置とを指定すると、色別コピーバッファで指定色に対応付けられた数式構成部分を指定位置に入力し、入力された数式構成部分を、色別コピーバッファで当該数式構成部分に対応付けられた対応色で識別表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数式入力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関数電卓などの数式入力装置においては、入力済みの複数の数式構成部分を別々にコピーしてクリップボードに保存し、所望の数式構成部分をペーストすることができるようになっている(例えば特許文献1参照)。より詳細には、この特許文献1記載の技術では、コピーされた数式構成部分を番号に対応付けて保存しておき、ユーザによって番号が指定されると、指定番号に対応する数式構成部分をカーソル位置にペーストするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−252231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、記憶された数式構成部分の内容と、その番号との対応関係をユーザが覚えておくか、或いは、一旦ディスプレイに表示させる必要があるため、容易にペースト操作を行うことができない。
【0005】
本発明の課題は、コピーされた複数の数式構成部分を容易にペーストすることのできる数式入力装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定手段と、
前記数式・色指定手段により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶手段と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定手段と、
前記色・入力位置指定手段による指定色に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定手段による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コピーされた複数の数式構成部分を容易にペーストすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】色別コピーバッファを示す図である。
【図4】計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図6】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】第2実施形態における色別コピーバッファを示す図である。
【図10】第2実施形態における計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図13】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図14】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
[1.第1実施形態]
まず、第1実施形態における電子機器の構成を説明する。
【0011】
[1.1 外観構成]
図1は、本発明に係る電子機器を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0012】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、DELキー24等を備えている。
【0013】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の演算子や括弧などの入力操作を受けるキーである。
【0014】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0015】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後には演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。DELキー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0016】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0017】
[1.2 機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0018】
この図に示すように、関数電卓1は、入力部14と、表示部15と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0019】
入力部14は、上述の入力キー群2やタッチパネル30を備えており、押下されたキーやタッチパネル30の位置に対応する操作信号をCPU11に出力するようになっている。
【0020】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。
【0021】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。例えば、本実施の形態におけるRAM12は、ワークエリアとして色別コピーバッファ120などを有するようになっている。
【0022】
色別コピーバッファ120には、図3に示すように、複数種類の色の何れかに対し、後述の計算処理(図4参照)においてコピー対象とされた数式構成部分が対応付けて記憶されるようになっている。ここで、数式構成部分とは、数式内に含まれる一纏まりの部分であり、1つの記号(文字や数字を含む)から構成されても良いし、2以上の連続する記号から構成されても良い。
【0023】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての計算プログラム130を記憶している。
【0024】
計算プログラム130は、後述の計算処理(図4参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0025】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0026】
[1.3 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
【0027】
図4は、計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この計算処理は、ユーザにより入力部14を介して計算処理の実行指示が入力されると、記憶部13から計算プログラム130が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該計算プログラム130とCPU11との協働によって実行される。
【0028】
この図に示すように、計算処理においては、まずCPU11は、色別コピーバッファ120における各色で表されたカラーチャート31(図5参照)をディスプレイ3に表示させるとともに、ユーザ操作を検知し(ステップS1)、検知されたユーザ操作が数式の入力操作であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、本実施の形態においては、数式の入力操作には、数式の編集操作が含まれる。
【0029】
このステップS2においてユーザ操作が数式の入力操作であると判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU11は、入力操作に応じた数式構成部分をディスプレイ3のカーソル位置に入力して表示させる(ステップS3)。
【0030】
次に、CPU11は、色別コピーバッファ120に数式構成部分が記憶されているか否かを判定し(ステップS4)、記憶されていないと判定した場合(ステップS4;No)にはステップS1に移行する。
【0031】
また、ステップS4において色別コピーバッファ120に数式構成部分が記憶されていると判定した場合(ステップS4;Yes)には、CPU11は、色付きで識別表示された数式構成部分(色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分)内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれるか否か、つまりカーソル位置を含む数式構成部分が色付きで識別表示されているか否かを判定する(ステップS5)。ここで、数式構成部分が色付きで識別表示されるとは、本実施の形態においては、数式構成部分がカラーチャート31における何れかの色で識別表示されることを言い、好ましくは数式構成部分がカラーチャート31の色でマーカ表示されることを言う。但し、数式構成部分自体がカラーチャート31の色で表示されても良いし、数式構成部分がカラーチャート31の色の下線付きで表示されても良い。
【0032】
このステップS5において色付きで識別表示された数式構成部分内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれないと判定した場合(ステップS5;No)には、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120に記憶された各数式構成部分とを比較する(ステップS6)。
【0033】
次に、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120に記憶された各数式構成部分とに共通の数式構成部分が存在するか否かを判定し(ステップS7)、存在しないと判定した場合(ステップS7;No)にはステップS1に移行する。
【0034】
また、ステップS7において入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120に記憶された各数式構成部分とに共通の数式構成部分が存在すると判定した場合(ステップS7;Yes)には、CPU11は、共通の数式構成部分のうち、最長の数式構成部分に色別コピーバッファ120で対応付けられた対応色を検出し、入力済みの数式における当該数式構成部分(共通かつ最長の数式構成部分)を当該対応色の色付きで識別表示させ(ステップS8)、ステップS1に移行する。
【0035】
また、上述のステップS5において色付きで識別表示された数式構成部分内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれると判定した場合(ステップS5;Yes)には、CPU11は、ステップS3での入力編集(修正)後の当該数式構成部分(カーソル位置の含まれる色付きの数式構成部分)を指定範囲として設定した後(ステップS10)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において編集(修正)前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色を指定色として設定し(ステップS11)、後述のステップS21に移行する。ここで、本実施の形態においては、数式構成部分が範囲指定されると、当該数式構成部分がコピー対象として記憶されることとなる。これにより、色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分が編集(修正)される場合には、編集後の数式構成部分は、後述のステップS21以降の処理において、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120により編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて、改めて色別コピーバッファ120に記憶されることとなる。なお、このステップS11において設定される指定色としては、編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色の補色などを用いることができる。
【0036】
また、上述のステップS2においてユーザ操作が数式の入力操作でないと判定した場合(ステップS2;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式構成部分の範囲指定操作、及びカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0037】
このステップS20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、CPU11は、指定範囲の数式構成部分を指定色に対応付けて色別コピーバッファ120に記憶させる(ステップS21)。
【0038】
次に、CPU11は、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分と、その同内容(同値。等価)の数式構成部分とをそれぞれ指定色で識別表示させ(ステップS23)、ステップS1に移行する。これにより、色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分の対応色によって、当該数式構成部分と同内容の各数式構成部分が識別表示されることとなる。
【0039】
また、上述のステップS20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作でないと判定した場合(ステップS20;No)には、CPU11は、ユーザ操作がカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及び、その色領域についてのドラッグ操作(またはカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及びペースト位置の指定操作)であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、本実施の形態においては、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、色領域がドラッグされると、その色に対応する数式構成部分がドラッグ操作による指定位置(ドラッグ操作の終了位置)にペーストされることとなる。同様に、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、ペースト位置の指定操作が行われると、その色に対応する数式構成部分が指定位置にペーストされることとなる。
【0040】
このステップS31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)であると判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU11は、色別コピーバッファ120において指定色に対応付けられた数式構成部分を指定位置(ドラッグ操作またはペースト位置指定操作による指定位置)にペーストして入力(挿入)する(ステップS32)。
【0041】
次に、CPU11は、ペーストされた数式構成部分を指定色、つまり色別コピーバッファ120において当該数式構成部分に対応付けられた対応色で識別表示させる(ステップS33)。
【0042】
次に、CPU11は、色付きで識別表示されていた数式構成部分内にペースト位置が含まれるか否か、つまりペースト位置を含む数式構成部分が色付きで識別表示されているか否かを判定し(ステップS34)、含まれないと判定した場合(ステップS34;No)にはステップS1に移行する。
【0043】
また、ステップS34において色付きで識別表示されていた数式構成部分内にペースト位置が含まれると判定した場合(ステップS34;Yes)には、CPU11は、当該数式構成部分と、ペーストされた数式構成部分とを乗算された状態に表示させるとともに、乗算後の数式構成部分を指定範囲に設定して(ステップS35)、ステップS11に移行する。なお、ステップS35においてCPU11は、色付きで識別表示されていた数式構成部分と、ペーストされた数式構成部分とが同一である場合には、この数式構成部分を累乗形式に変換して表示させる。これにより、累乗形式で入力表示された数式構成部分は、ステップS11以降の処理において、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120により累乗形式への変換前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて、改めて色別コピーバッファ120に記憶されることとなる。
【0044】
また、上述のステップS31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)でないと判定した場合(ステップS31;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式構成部分の指定操作及び因数分解の実行操作であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0045】
このステップS41においてユーザ操作が数式構成部分の指定操作及び因数分解の実行操作であると判定した場合(ステップS41;Yes)には、CPU11は、表示された数式のうち、ユーザ操作により指定された数式構成部分を因数分解して表示させる(ステップS42)。なお、数式構成部分を因数分解する手法としては、従来より公知の手法を用いることができる。
【0046】
次に、CPU11は、色付きで識別表示されていた数式構成部分が因数分解されたか否かを判定し(ステップS43)、色付きで識別表示されていた数式構成部分が因数分解されていないと判定した場合(ステップS43;No)には、ステップS1に移行する。
【0047】
また、ステップS43において色付きで識別表示されていた数式構成部分が因数分解されたと判定した場合(ステップS43;Yes)には、CPU11は、因数分解後の数式構成部分を指定範囲として設定した後(ステップS44)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において因数分解前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色を指定色として設定し(ステップS45)、ステップS21に移行する。これにより、色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分が因数分解される場合には、因数分解後の数式構成部分は、ステップS21以降の処理において、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120により因数分解前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて、改めて色別コピーバッファ120に記憶されることとなる。なお、ステップS45において設定される指定色としては、編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色の同系色などを用いることができる。
【0048】
また、上述のステップS41においてユーザ操作が数式構成部分の指定及び因数分解の実行の操作でないと判定した場合(ステップS41;No)には、CPU11は、ユーザ操作が終了操作であるか否かを判定する(ステップS51)。
【0049】
そして、このステップS51においてユーザ操作が終了操作でないと判定した場合(ステップS51;No)には、CPU11は、ユーザ操作に応じた処理を行う一方、ユーザ操作が終了操作であると判定した場合(ステップS51;Yes)には計算処理を終了する。
【0050】
[1.4 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1の動作を具体的に説明する。なお、以下の動作例で参照する図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、この領域に対する符号の対応色(「Lb」:水色(Light blue)、「B」:青色(Blue)、「P」:ピンク(Pink)、「R」:赤色(Red)、「Y」:黄色「Yellow」、「V」:バイオレット(Violet))によって当該領域内の文字が表示されていることを示している。
【0051】
(動作例1)
まず図5(a)に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0052】
次に、ユーザが数式「x=2y+1」,「2y+1=7x+5」、「z^2=5」を入力すると(ステップS2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップS3)。
【0053】
次に、ユーザが数式構成部分「2y+1」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「ピンク」の指定操作を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「2y+1」が指定色「ピンク」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。次に、図5(b)に示すように、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「2y+1」(図中、1行目の数式部分を参照)と、その同内容の数式構成部分「2y+1」(図中、2行目の数式部分を参照)とがそれぞれ指定色「ピンク」で識別表示される(ステップS23)。なお、本動作例においては、数式構成部分が色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されると、カラーチャート31における当該色の領域が太線で囲まれて識別表示されるようになっている。
【0054】
次に、図5(c)に示すように、ユーザがカラーチャート31の表示色「ピンク」の指定操作、及び、「ピンク」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップS31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「ピンク」に対応付けられた数式構成部分「2y+1」が指定位置にペーストされて入力(挿入)され(ステップS32)、ペーストされた数式構成部分「2y+1」が指定色「ピンク」で識別表示される(ステップS33)。なお、本動作例においては、色領域についてドラッグ操作を行うと、色別コピーバッファ120において当該色に対応付けられた数式構成部分がポインタ近傍に表示されるようになっている(図中の下端部の「2y+1」を参照)。
【0055】
次に、図6(a)に示すように、ユーザが改めてカラーチャート31の表示色「ピンク」の指定操作、及び、「ピンク」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップS31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「ピンク」に対応付けられた数式構成部分「2y+1」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップS32)。
【0056】
次に、色付きで識別表示されていた数式構成部分「2y+1」内にペースト位置が含まれると判定され(ステップS34;Yes)、当該数式構成部分「2y+1」と、ペーストされた数式構成部分「2y+1」とが累乗形式に変換されて表示されるとともに、乗算後の数式構成部分「(2y+1)2」が指定範囲に設定される(ステップS35)。
【0057】
次に、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において編集前の数式構成部分「2y+1」に対応付けられた対応色「ピンク」とは異なる色「水色」が指定色として設定され(ステップS11)、指定範囲の数式構成部分「(2y+1)2」が指定色「水色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるとともに(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「(2y+1)2」が指定色「水色」で識別表示される(ステップS23)。
【0058】
また、図5(c)に示した状態から、ユーザが数式構成部分「2y+1」の編集操作を行うと(ステップS2;Yes)、図6(b),(c)に示すように、操作に応じて数式構成部分「2y+1」の「y」が「x」に変更されて表示される(ステップS3)。
【0059】
次に、色付きで識別表示された数式構成部分「2x+1」内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれると判定され(ステップS5;Yes)、当該数式構成部分「2x+1」が指定範囲として設定された後(ステップS10)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において編集前の数式構成部分「2y+1」に対応付けられた対応色「ピンク」とは異なる色「青」が指定色として設定される(ステップS11)。そして、指定範囲の数式構成部分「2x+1」が指定色「青」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるとともに(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「2x+1」が指定色「青」で識別表示される(ステップS23)。
【0060】
次に、図6(c)に示すように、ユーザがカラーチャート31の表示色「青」の指定操作、及び、「青」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップS31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「青」に対応付けられた数式構成部分「2x+1」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップS32)。
【0061】
(動作例2)
まず図7に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0062】
次に、図中の1行目に示すように、ユーザが数式「x2−9=6x−18」を入力すると(ステップS2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップS3)。なお、この図では、数式の表示状態が変更された場合に、変更前後の数式を上下に並べて図示している。
【0063】
次に、ユーザが「x2−9」の数式構成部分について範囲指定を行って色「赤」の指定を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「x2−9」が指定色「赤」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「x2−9」が指定色「赤」で識別表示される(ステップS23)。
【0064】
同様に、ユーザが「6x−18」の数式構成部分について範囲指定を行って色「青」の指定を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「6x−18」が指定色「青」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「6x−18」が指定色「青」で識別表示される(ステップS23)。
【0065】
次に、ユーザが数式構成部分「x2−9」の指定操作及び因数分解の実行操作を行うと(ステップS41;Yes)、図中の2行目に示すように、指定された数式構成部分「x2−9」が「(x+3)(x−3)」に因数分解されて表示される(ステップS42)。次に、色付きで識別表示されていた数式構成部分「x2−9」が因数分解されたと判定され(ステップS43;Yes)、因数分解後の数式構成部分「(x+3)(x−3)」が指定範囲として設定された後(ステップS44)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において因数分解前の数式構成部分「x2−9」に対応付けられた対応色「赤」とは異なる色「ピンク」が指定色として設定される(ステップS45)。そして、指定範囲の数式構成部分「(x+3)(x−3)」が指定色「ピンク」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶され(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「(x+3)(x−3)」が指定色「ピンク」で識別表示される(ステップS23)。
【0066】
同様に、ユーザが数式構成部分「6x−18」の指定操作及び因数分解の実行操作を行うと(ステップS41;Yes)、指定された数式構成部分「6x−18」が「6(x−3)」に因数分解されて表示される(ステップS42)。次に、色付きで識別表示されていた数式構成部分「6x−18」が因数分解されたと判定され(ステップS43;Yes)、因数分解後の数式構成部分「6(x−3)」が指定範囲として設定された後(ステップS44)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において因数分解前の数式構成部分「6x−18」に対応付けられた対応色「青」とは異なる色「水色」が指定色として設定される(ステップS45)。そして、指定範囲の数式構成部分「6(x−3)」が指定色「水色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶され(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「6(x−3)」が指定色「水色」で識別表示される(ステップS23)。
【0067】
次に、図中の3行目に示すように、ユーザが数式「(x+3)(x−3)=6(x−3)」における右辺を左辺に移動させた後(ステップS51;No)、「x−3」の数式構成部分について範囲指定を行って色「黄色」の指定を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「x−3」が指定色「黄色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「x−3」(式中、左側の部分)と、その同内容の数式構成部分(式中、右側の部分)とがそれぞれ指定色「黄色」で識別表示される(ステップS23)。なお、本動作例では、このとき数式構成部分「(x+3)」はバイオレットで識別表示されるようになっている。
【0068】
そして、図中の4〜6行目に示すように、ユーザが数式「(x+3)(x−3)−6(x−3)=0」を「(x−3){(x+3)−6}=0」、「(x−3)(x−3)=0」、「(x−3)2=0」のように順に整理すると(ステップS51;No)、変更後の数式中の数式構成部分「x−3」が対応色「黄色」で識別表示される。
【0069】
以上、本実施の形態によれば、図4のステップS20〜S23,S31〜S33や図5等に示したように、ユーザ操作に基づいて、表示された数式における何れかの数式構成部分と、カラーチャート31による何れかの表示色とが指定されると、指定された数式構成部分及び色が対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるとともに、指定された数式構成部分が指定色によって識別表示され、この状態からユーザ操作に基づいてカラーチャート31の各表示色のうち、数式構成部分に対応付けられた何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とが指定されると、指定色に対応付けられた数式構成部分が指定位置に入力され、入力された数式構成部分が当該数式構成部分の対応によって識別表示されるので、色で識別表示された数式構成部分が数式中に存在する場合には、その色をカラーチャート31で指定して、入力位置を指定することにより、同じ数式構成部分を指定位置にペーストすることができる。従って、コピーされた数式構成部分が数式中に複数存在する場合であっても、各数式構成部分の識別色をカラーチャート31で指定することにより、当該数式構成部分をペーストすることができるため、コピーされた複数の数式構成部分を従来よりも容易にペーストすることができる。
【0070】
また、図4のステップS23や図5(b)等に示したように、表示制御された数式のうち、色別コピーバッファ120によって記憶された各数式構成部分が対応色によって識別表示されるので、各数式構成部分がカラーチャート31における何れの色に対応しているのかを容易に把握することができる。
【0071】
また、図4のステップS41〜S45や図7等に示したように、色別コピーバッファ120にされた数式構成部分が因数分解される場合には、因数分解後の数式構成部分が色別コピーバッファ120に記憶されるので、色別コピーバッファ120により記憶された数式構成部分が因数分解される場合には、因数分解後の数式構成部分を自動的に色別コピーバッファ120に記憶させることができる。また、因数分解後の数式構成部分がカラーチャート31による各表示色のうち、因数分解前の数式構成部分に対応付けられた対応色の同系色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるので、因数分解後の数式構成部分と同内容の各数式構成部分がそれぞれ同一色(因数分解前の数式構成部分の対応色の同系色)で識別表示されることとなる。従って、因数分解前後の数式構成部分を意識的に関連付けて数式を確認することができる。
【0072】
また、図4のステップS35や図6(a)等に示したように、ペースト位置に既に表示されている数式構成部分と、色別コピーバッファ120によりペースト操作の際の指定色に対応付けられた数式構成部分とが同一である場合に、この数式構成部分が累乗形式に変換して入力され、累乗形式で入力された数式構成部分がカラーチャート31による各表示色のうち、累乗形式への変換前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるので、累乗形式への変換後の数式構成部分と同内容の各数式構成部分をそれぞれ同一色で識別表示させることができる。
【0073】
また、図4のステップS10〜S11や図6(b)等に示したように、色別コピーバッファ120により記憶された数式構成部分が編集(修正)される場合に、編集後の数式構成部分がカラーチャート31による各表示色のうち、編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるので、編集後の数式構成部分と同内容の各数式構成部分をそれぞれ同一色で識別表示させることができる。
【0074】
[2.第2実施形態]
続いて、第2実施形態における電子機器の構成を説明する。なお、上記の第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
[2.1 機能構成]
本実施の形態における関数電卓1Aは、図2に示すように、RAM12A及び記憶部13Aを備えている。
【0076】
RAM12Aは、ワークエリアとして色別コピーバッファ120Aなどを有するようになっている。この色別コピーバッファ120Aには、図9に示すように、複数種類の色の何れかに対し、後述の計算処理(図10参照)においてコピー対象とされた数式構成部分が対応付けて記憶されるようになっている。また、計算処理において当該数式構成部分に対し変数が等号で結ばれて入力されている場合には、当該数式構成部分に対応付けて当該変数も色別コピーバッファ120Aに記憶されるようになっている。なお、本実施の形態における変数は、1つの文字から構成されて数式内に含まれるため、数式構成部分でもある。
【0077】
記憶部13Aは、本発明に係るプログラムとしての計算プログラム130Aを記憶している。この計算プログラム130Aは、後述の計算処理(図10参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0078】
[2.2 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1Aの動作について説明する。
【0079】
図10は、計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この計算処理は、ユーザにより入力部14を介して計算処理の実行指示が入力されると、記憶部13から計算プログラム130Aが読み出されてRAM12Aに適宜展開される結果、当該計算プログラム130AとCPU11との協働によって実行される。
【0080】
この図に示すように、計算処理においては、まずCPU11は、色別コピーバッファ120Aにおける各色で表されたカラーチャート31をディスプレイ3に表示させるとともに、ユーザ操作を検知し(ステップT1)、検知されたユーザ操作が数式の入力操作であるか否かを判定する(ステップT2)。ここで、本実施の形態においては、数式の入力操作には、数式の編集(修正)操作が含まれない。
【0081】
このステップT2においてユーザ操作が数式の入力操作であると判定した場合(ステップT2;Yes)には、CPU11は、入力操作に応じた数式構成部分をディスプレイ3のカーソル位置に入力して表示させる(ステップT3)。
【0082】
次に、CPU11は、色別コピーバッファ120Aに数式構成部分が記憶されているか否かを判定し(ステップT4)、記憶されていないと判定した場合(ステップT4;No)にはステップT1に移行する。
【0083】
また、ステップT4において色別コピーバッファ120Aに数式構成部分が記憶されていると判定した場合(ステップT4;Yes)には、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とを比較する(ステップT6)。
【0084】
次に、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分が存在するか否かを判定し(ステップT7)、存在しないと判定した場合(ステップT7;No)には、後述のステップT8に移行する。なお、このステップT7において同値の数式構成部分には、変数が含まれない。
【0085】
また、ステップT7において入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価。同内容)の数式構成部分が存在すると判定した場合(ステップT7;Yes)には、CPU11は、同値の数式構成部分のうち、最長の数式構成部分に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色を検出し、入力済みの数式における当該数式構成部分(同値かつ最長の数式構成部分)を当該対応色の色付きで識別表示させる(ステップT8)。
【0086】
次に、CPU11は、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数を参照し、入力済みの数式に、何れかの変数が存在するか否かを判定し(ステップT9)、存在しないと判定した場合(ステップT9;No)には、ステップT1に移行する。
【0087】
また、ステップT9において、入力済みの数式に、何れかの変数が存在すると判定した場合(ステップT9;Yes)には、CPU11は、該当の変数に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色を検出し、入力済みの数式における当該変数を当該対応色の色付きで識別表示させ(ステップT10)、ステップT1に移行する。
【0088】
また、上述のステップT2においてユーザ操作が数式の入力操作でないと判定した場合(ステップT2;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式の修正(編集)操作であるか否かを判定する(ステップT12)。なお、本実施の形態においては、数式の修正(編集)操作には、入力済みの数式内での数式構成部分の移動操作が含まれる。
【0089】
このステップT12においてユーザ操作が数式の修正(編集)操作であると判定した場合(ステップT12;Yes)には、CPU11は、修正操作に応じた数式をディスプレイ3に表示させる(ステップT13)。
【0090】
次に、CPU11は、色付きで識別表示された数式構成部分(色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分)が修正されたか否かを判定し(ステップT14)、修正されていないと判定した場合(ステップT14;No)には、上述のステップT4に移行する。
【0091】
また、ステップT14において色付きで識別表示された数式構成部分が修正されたと判定した場合(ステップT14;Yes)には、CPU11は、修正前の数式構成部分と修正後の数式構成部分とが同値(等価。同内容)であるか否かを判定し(ステップT15)、同値であると判定した場合(ステップT15;Yes)には上述のステップT4に移行する。
【0092】
また、ステップT15において修正前の数式構成部分と修正後の数式構成部分とが同値でないと判定した場合(ステップT15;No)には、CPU11は、修正後の数式構成部分に付されている色を消すことで、当該数式構成部分の識別表示を解除して表示内容を更新し(ステップT16)、上述のステップT4に移行する。ここで、修正前後の数式構成部分が同値でなくなる場合としては、修正前の数式構成部分に新たな記号(文字や数字を含む)が挿入される場合や、修正前の数式構成部分における一部分が移動されて分離されてしまう場合などが挙げられる。
【0093】
また、上述のステップT12においてユーザ操作が数式の修正(編集)操作でないと判定した場合(ステップT12;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式構成部分の範囲指定操作、及びカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作であるか否かを判定する(ステップT20)。
【0094】
このステップT20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作であると判定した場合(ステップT20;Yes)には、CPU11は、指定範囲の数式構成部分を指定色に対応付けて色別コピーバッファ120Aに記憶させる(ステップT21)。
【0095】
次に、CPU11は、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分と、その同内容(同値。等価)の数式構成部分(但し、ここでは指定範囲の数式構成部分と同値の変数を含まない)とをそれぞれ指定色で識別表示させる(ステップT23)。これにより、色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分の対応色によって、当該数式構成部分と同内容の各数式構成部分が識別表示されることとなる。
【0096】
次に、CPU11は、指定範囲の数式構成部分と等号で結ばれた変数が入力されているか否かを判定し(ステップT24)、入力されていないと判定した場合(ステップT24;No)には、上述のステップT1に移行する。
【0097】
また、ステップT24において指定範囲の数式構成部分と等号で結ばれた変数が入力されていると判定した場合(ステップT24;Yes)には、CPU11は、当該変数を指定範囲の数式構成部分に対応付けて色別コピーバッファ120Aに記憶させる(ステップT25)。
【0098】
次に、CPU11は、当該変数を指定範囲の数式構成部分の対応色によって識別表示させ(ステップT26)、上述のステップT1に移行する。より詳細には、このステップT26においてCPU11は、指定範囲の数式構成部分と等号で結ばれた変数と、入力済みの同変数とをそれぞれ識別表示させる。
【0099】
また、上述のステップT20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作でないと判定した場合(ステップT20;No)には、CPU11は、ユーザ操作がカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及び、その色領域についてのドラッグ操作(またはカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及びペースト位置の指定操作)であるか否かを判定する(ステップT31)。ここで、本実施の形態においては、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、色領域がドラッグされると、その色に対応する数式構成部分がドラッグ操作による指定位置(ドラッグ操作の終了位置)にペーストされることとなる。同様に、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、ペースト位置の指定操作が行われると、その色に対応する数式構成部分が指定位置にペーストされることとなる。
【0100】
このステップT31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)であると判定した場合(ステップT31;Yes)には、CPU11は、色別コピーバッファ120Aにおいて指定色に対応付けられた数式構成部分を指定位置(ドラッグ操作またはペースト位置指定操作による指定位置)にペーストして入力(挿入)する(ステップT32)。なお、上述のステップT1において入力済みの数式構成部分に対して上書きする旨の操作と、色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)とが行われている場合(例えば入力済みの数式構成部分を範囲指定した後、色指定操作及びドラッグ操作を行った場合や、入力済みの数式構成部分をペースト位置として範囲指定して色指定操作を行った場合など)には、このステップT32においてCPU11は、ペースト先として範囲指定された数式構成部分を、色別コピーバッファ120Aにおいて指定色に対応付けられた数式構成部分に置き換える。
【0101】
次に、CPU11は、ペーストされた数式構成部分を指定色、つまり色別コピーバッファ120Aにおいて当該数式構成部分に対応付けられた対応色で識別表示させ(ステップT33)、ステップT1に移行する。
【0102】
また、上述のステップT31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)でないと判定した場合(ステップT31;No)には、CPU11は、ユーザ操作が色付きの数式構成部分に対する指定操作、例えば色付きの数式構成部分に対するタッチ操作であるか否かを判定する(ステップT41)。なお、このステップT41における数式構成部分には、変数は含まれない。
【0103】
このステップT41においてユーザ操作が色付きの数式構成部分に対する指定操作であると判定した場合(ステップT41;Yes)には、CPU11は、指定された数式構成部分に対し、色別コピーバッファ120A内で変数が対応付けられているか否かを判定し(ステップT42)、対応付けられていないと判定した場合(ステップT42;No)には、ステップT1に移行する。
【0104】
また、ステップT42において指定された数式構成部分に対し、色別コピーバッファ120A内で変数が対応付けられていると判定した場合(ステップT42;Yes)には、CPU11は、指定された数式構成部分を、当該変数に置き換えるとともに、当該数式構成部分の対応色で当該変数を識別表示させ(ステップT43)、ステップT1に移行する。
【0105】
また、ステップT41においてユーザ操作が色付きの数式構成部分に対する指定操作でないと判定した場合(ステップT41;No)には、CPU11は、ユーザ操作が色付きの変数に対する指定操作、例えば色付きの変数に対するタッチ操作であるか否かを判定する(ステップT45)。
【0106】
このステップT45においてユーザ操作が色付きの変数に対する指定操作であると判定した場合(ステップT45;Yes)には、CPU11は、指定された変数を、当該変数に対して色別コピーバッファ120A内で対応付けられた数式構成部分に置き換えるとともに、当該数式構成部分の対応色で当該数式構成部分を識別表示させ(ステップT46)、ステップT1に移行する。
【0107】
また、上述のステップT45においてユーザ操作が色付きの変数に対する指定操作でないと判定した場合(ステップT45;No)には、CPU11は、ユーザ操作が終了操作であるか否かを判定する(ステップT51)。
【0108】
そして、このステップT51においてユーザ操作が終了操作でないと判定した場合(ステップT51;No)には、CPU11は、ユーザ操作に応じた処理を行う一方、ユーザ操作が終了操作であると判定した場合(ステップT51;Yes)には計算処理を終了する。
【0109】
[2.3 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1Aの動作を具体的に説明する。なお、以下の動作例で参照する図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、この領域に対する符号の対応色(「Lb」:水色(Light blue)、「B」:青色(Blue)、「P」:ピンク(Pink)、「R」:赤色(Red)、「Y」:黄色「Yellow」、「V」:バイオレット(Violet)、「O」:オレンジ「Orange」)によって当該領域内の文字が表示されていることを示している。
【0110】
(動作例1)
まず図11(a)に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0111】
次に、ユーザが数式「a+b=A」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0112】
次に、ユーザが数式構成部分「a+b」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「バイオレット」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。
【0113】
次に、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」で識別表示される(ステップT23)。
【0114】
次に、指定範囲の数式構成部分「a+b」と等号で結ばれた変数「A」が入力されていると判定され(ステップT24;Yes)、当該変数「A」が指定範囲の数式構成部分「a+b」に対応付けられて色別コピーバッファ120Aに記憶される(ステップT25)。
【0115】
次に、図11(b)に示すように、当該変数「A」が指定範囲の数式構成部分「a+b」の対応色「バイオレット」によって識別表示される(ステップT26)。
【0116】
次に、図11(c)に示すように、ユーザが数式「(a+b+c)2」,「=(A+c)2」,「=A2+2Ac+c2」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0117】
次に、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とが比較された後(ステップT6)、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分「a+b」が存在すると判定され(ステップT7;Yes)、この数式構成部分「a+b」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「バイオレット」が検出されて、入力済みの数式「(a+b+c)2」,「=(A+c)2」,「=A2+2Ac+c2」における当該数式構成部分「a+b」が当該対応色「バイオレット」の色付きで識別表示される(ステップT8)。
【0118】
次に、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「(a+b+c)2」,「=(A+c)2」,「=A2+2Ac+c2」に、変数「A」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「A」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「バイオレット」が検出され、入力済みの数式における当該変数「A」が当該対応色「バイオレット」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0119】
次に、図11(d)に示すように、ユーザが色付きの数式構成部分「a+b」(ここでは2行目の「a+b」)に対するタッチ操作を行うと(ステップT41;Yes)、タッチ指定された数式構成部分「a+b」に対し、色別コピーバッファ120A内で変数「A」が対応付けられていると判定され(ステップT42;Yes)、指定された数式構成部分「a+b」が当該変数「A」に置き換えられるとともに、当該数式構成部分「a+b」の対応色「バイオレット」で当該変数「A」が識別表示される(ステップT43)。
【0120】
次に、ユーザが色付きの変数「A」(ここでは2行目の「A」)に対するタッチ操作を行うと(ステップT45;Yes)、図11(c)に示すように、タッチ指定された変数「A」が当該変数「A」に対して色別コピーバッファ120A内で対応付けられた数式構成部分「a+b」に置き換えられるとともに、当該数式構成部分「a+b」の対応色「バイオレット」で当該数式構成部分「a+b」が識別表示される(ステップT46)。
【0121】
次に、図12(a)に示すように、ユーザが数式「=(」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0122】
次に、ユーザがカラーチャート31の表示色「バイオレット」の指定操作、及び、「バイオレット」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップT31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「バイオレット」に対応付けられた数式構成部分「a+b」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップT32)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b」が入力されたことになる。そして、ペーストされた数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」で識別表示される(ステップT33)。
【0123】
次に、ユーザが数式「)2+2(」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b)2+2(」が入力されたことになる。
【0124】
次に、ユーザがカラーチャート31の表示色「バイオレット」の指定操作、及び、「バイオレット」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップT31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「バイオレット」に対応付けられた数式構成部分「a+b」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップT32)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b)2+2(a+b」が入力されたことになる。そして、ペーストされた数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」で識別表示される(ステップT33)。
【0125】
次に、図12(b)に示すように、ユーザが数式「)c+c2」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b)2+2(a+b)c+c2」が入力されたことになる。
【0126】
次に、ユーザが数式構成部分「(a+b)2」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「オレンジ」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「(a+b)2」が指定色「オレンジ」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「(a+b)2」が指定色「オレンジ」で識別表示される(ステップT23)。
【0127】
同様に、ユーザが数式構成部分「2(a+b)c」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「青色」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「2(a+b)c」が指定色「青色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「2(a+b)c」が指定色「青色」で識別表示される(ステップT23)。
【0128】
次に、図12(c)に示すように、ユーザが数式「=a2+2ab+b2+2ac+2bc+c2」を数式の6行目として入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。なお、この図12(c)と、後述の図12(d)とでは、カラーチャート31の図示を省略している。
【0129】
次に、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とが比較された後(ステップT6)、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分「a2+2ab+b2」,「2ac+2bc」が存在すると判定される(ステップT7;Yes)。そして、数式構成部分「a2+2ab+b2」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「オレンジ」が検出されて、入力済みの数式における当該数式構成部分「a2+2ab+b2」が当該対応色「オレンジ」の色付きで識別表示される(ステップT8)。同様に、数式構成部分「2ac+2bc」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「青色」が検出されて、入力済みの数式における当該数式構成部分「2ac+2bc」が当該対応色「青色」の色付きで識別表示される(ステップT8)
【0130】
次に、ユーザが数式の7行目として、数式の6行目と同じ内容を入力すると(ステップT2;Yes)、この7行目の数式は6行目の数式と同様に表示される(ステップT3、ステップT8)。
【0131】
次に、図12(d)に示すように、ユーザが数式の修正(編集)操作を行って数式構成要素を並び替えると(ステップT12;Yes)、修正操作に応じた数式「=a2+b2+c2+2ac+2bc+2ab」がディスプレイ3に表示される(ステップT13)。
【0132】
次に、色付きで識別表示された数式構成部分「a2+2ab+b2」が修正されたと判定され(ステップT14;Yes)、修正前の数式構成部分「a2+2ab+b2」が修正後の数式構成部分(ここでは「a2+b2」と「+2ab」)と同値(等価。同内容)でないと判定されて(ステップT15;No)、修正後の数式構成部分「a2+b2」,「+2ab」に付されている色「オレンジ」が消されて表示内容が更新される(ステップT16)。なお、このとき、修正前の数式構成部分「2ac+2bc」は修正後の数式構成部分「2ac+2bc」と同値(等価。同内容)であると判定されて(ステップT15;Yes)、修正後の数式構成部分「2ac+2bc」はそのまま「青色」の色付きで識別表示される。
【0133】
(動作例2)
まず図13(a)に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0134】
次に、ユーザが変数「x」,「y」についての連立方程式の数式「2x+y=8」,「3x−4y=1」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0135】
次に、ユーザが連立方程式を解くために1つ目の数式「2x+y=8」を変数「y」について解き、数式「y=8−2x」を3行目の数式として入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0136】
次に、ユーザが数式構成部分「8−2x」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「赤色」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「8−2x」が指定色「赤色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。
【0137】
次に、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「8−2x」が指定色「赤色」で識別表示される(ステップT23)。
【0138】
次に、指定範囲の数式構成部分「8−2x」と等号で結ばれた変数「y」が入力されていると判定され(ステップT24;Yes)、当該変数「y」が指定範囲の数式構成部分「8−2x」に対応付けられて色別コピーバッファ120Aに記憶される(ステップT25)。
【0139】
次に、図13(b)に示すように、当該変数「y」が指定範囲の数式構成部分「8−2x」の対応色「赤色」によって識別表示される(ステップT26)。
【0140】
次に、図13(c)に示すように、ユーザが2番目の数式「3x−4y=1」を4行目の数式として改めて入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0141】
次に、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「3x−4y=1」に、変数「y」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「y」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出され、入力済みの数式における当該変数「y」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0142】
次に、ユーザが入力済みの数式「3x−4y=1」における数式構成部分「y」をペースト位置として範囲指定した後、カラーチャート31における「赤色」を指定すると、図13(d)に示すように、ペースト先として範囲指定された数式構成部分「y」が、色別コピーバッファ120Aにおいて指定色「赤色」に対応付けられた数式構成部分「8−2x」に置き換えられ、数式「3x−4(8−2x)=1」が4行目に表示される(ステップT32)。但し、この操作を行わずに、ユーザが色付きの変数「y」(ここでは4行目の「y」)に対するタッチ操作を行うと(ステップT45;Yes)、タッチ指定された変数「y」が当該変数「y」に対して色別コピーバッファ120A内で対応付けられた数式構成部分「8−2x」に置き換えられるとともに、当該数式構成部分「8−2x」の対応色「赤色」で当該数式構成部分「8−2x」が識別表示されるため(ステップT46)、図13(d)と同じ内容が表示されることとなる。
【0143】
次に、図14(a)、(b)に示すように、ユーザが2番目の数式「3x−4y=1」における変数「y」に「y=8−2x」を代入し、変数「x」について解を求める数式「3x−32+8x=1」,「11x=33」,「x=3」を5〜7行目の数式として入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0144】
なお、このときユーザが5行目の数式「3x−32+8x=1」を入力する代わりに、4行目の数式「3x−4(8−2x)=1」を改めて入力して、この5行目の数式「3x−4(8−2x)=1」を「3x−32+8x=1」に修正しても、図14(a)と同じ内容が表示されることとなる。即ち、ユーザが5行目の数式「3x−32+8x=1」を入力する代わりに、4行目の数式「3x−4(8−2x)=1」を改めて入力すると(ステップT2;Yes)、この5行目の数式は4行目の数式と同様に表示される(ステップT3、ステップT8)。次に、ユーザが数式の修正(編集)操作を行って数式構成要素を並び替えると(ステップT12;Yes)、修正操作に応じた数式「3x−32+8x=1」がディスプレイ3に表示される(ステップT13)。そして、色付きで識別表示された数式構成部分「(8−2x)」が修正されたと判定され(ステップT14;Yes)、修正前の数式構成部分「(8−2x)」が修正後の数式構成部分(ここでは「8x」など)と同値(等価。同内容)でないと判定されて(ステップT15;No)、修正後の数式構成部分「8x」などに付されている色「赤色」が消されて表示内容が更新される(ステップT16)。
【0145】
次に、図14(c)に示すように、ユーザが数式「y=8−2x」を改めて入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0146】
次に、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とが比較された後(ステップT6)、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分「8−2x」が存在すると判定され(ステップT7;Yes)、この数式構成部分「8−2x」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出されて、入力済みの数式「y=8−2x」における当該数式構成部分「8−2x」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT8)。
【0147】
次に、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「y=8−2x」に、変数「y」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「y」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出され、入力済みの数式における当該変数「y」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0148】
次に、図14(d)に示すように、ユーザが数式「y=8−2x」における変数「x」に「x=3」を代入し、変数「y」について解を求める数式「y=8−2×3」,「y=2」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。そして、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「y=8−2×3」,「y=2」に、変数「y」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「y」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出され、入力済みの数式における当該変数「y」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0149】
以上、本実施の形態によれば、図10のステップT20〜T23,T31〜T33や図11〜図14等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とが指定されると、指定された数式構成部分と色とが対応づけて色別コピーバッファ120Aに記憶されて、ディスプレイ3に表示された数式のうち、色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分がその対応色で識別表示され、色別コピーバッファ120Aにより数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とが指定されると、指定色に対応付けられた数式構成部分が指定位置にペーストされるとともに、当該指定色で識別表示されるので、色で識別表示された数式構成部分が数式中に存在する場合には、その色を指定して、入力位置を指定することにより、同じ数式構成部分を指定位置にペーストすることができる。従って、コピーされた数式構成部分が数式中に複数存在する場合であっても、各数式構成部分の識別色を指定することにより、当該数式構成部分をペーストすることができるため、コピーされた複数の数式構成部分を従来よりも容易にペーストすることができる。
【0150】
また、図10のステップT23や図11〜図14等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式のうち、色別コピーバッファ120Aにより記憶された数式構成部分と同値の各数式構成部分が当該数式構成部分の対応色で識別表示されるので、同値の数式構成部分を容易に把握することができる。
【0151】
また、図10のステップT16や図12(d)等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式が修正された結果、修正前の数式構成部分と、修正後の数式構成部分とが同値でなくなった場合に、当該修正後の数式構成部分についての識別表示が解除されて、表示内容が更新されるので、修正前の数式構成部分と、修正によって同値でなくなった数式構成部分とが同じ色で識別表示されてしまうのを防止することができる。従って、同値の数式構成部分を容易に把握することができる。
【0152】
また、図10のステップT10,T26や図11(b)、図13(b)等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式から、色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分に対して等号で結ばれた変数が検出される場合には、当該変数が当該数式構成部分に対応付けて記憶され、ディスプレイ3に表示された数式のうち、数式構成部分に対応付けて記憶された変数が当該数式構成部分の対応色でそれぞれ識別表示されるので、数式構成部分と同値の変数を容易に把握することができる。
【0153】
また、図10のステップT43や図11(d)等に示したように、ディスプレイ3に識別表示された何れかの数式構成部分が指定されると、指定された数式構成部分に対して変数が対応付けられている場合に、当該数式構成部分が当該変数に置換されて表示されるので、数式構成部分と同値の変数についての入力を容易化することができる。
【0154】
また、図10のステップT46や図11(d)等に示したように、ディスプレイ3に識別表示された何れかの変数が指定されると、指定された変数が、当該変数に対して対応付けられた数式構成部分に置換されて表示されるので、変数と同値の数式構成部分についての入力を容易化することができる。
【0155】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0156】
例えば、本発明に係る数式入力装置を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る計算プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0157】
また、ユーザが数式構成部分の範囲指定を行って、カラーチャート31の表示色の指定を行う場合に、カラーチャート31内で何れかの色領域を指定することとして説明したが、図8(a),(b)に示すように、範囲指定された数式構成部分の近傍にカラーチャート31の各列を抽出して拡大表示させ、この拡大表示された何れかの色領域を指定することで色指定を行うこととしても良い。ここで、図8(a)は、数式構成部分「2y+1」が範囲指定されたときに、その近傍にカラーチャート31の左端の列が拡大表示された状態を図示しており、図8(b)は、図8(a)に示した状態からユーザがポインタを右方向に動かしたときに、カラーチャート31における左端から2番目の列が拡大表示された状態を図示している。
【0158】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定手段と、
前記数式・色指定手段により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶手段と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定手段と、
前記色・入力位置指定手段による指定色に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定手段による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付手段と、
を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項2>
請求項1に記載の数式入力装置において、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分と同値の各数式構成部分を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
<請求項3>
請求項1または2に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段と、
前記数式表示手段に識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正された結果、修正前の数式構成部分と、修正後の数式構成部分とが同値でなくなった場合に、当該修正後の数式構成部分についての識別表示を解除して、前記数式表示手段に表示内容を更新させる修正数式部分識別表示解除手段を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の数式入力装置において、
カラーチャートを表示するカラーチャート表示手段を備え、
前記数式・色指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
<請求項5>
請求項4に記載の数式入力装置において、
前記色・入力位置指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することで、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
<請求項6>
請求項1〜5の何れか一項に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式表示手段により識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正される場合に、修正後の数式構成部分を、複数色のうち、当該数式・色対応情報記憶手段により修正前の数式構成部分に対応付けて記憶された対応色とは異なる色に対応付けて記憶することを特徴とする数式入力装置。
<請求項7>
請求項1〜6の何れか一項に記載の数式入力装置において、
前記数式表示手段により表示された数式から、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数を検出する変数検出手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数が前記変数検出手段によって検出される場合に、当該変数を当該数式構成部分に対応付けて記憶し、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された変数を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色でそれぞれ識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
<請求項8>
請求項7に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの数式構成部分を指定する数式構成部分指定手段と、
前記数式構成部分指定手段により指定された数式構成部分に対して前記数式・色対応記憶手段により変数が対応付けて記憶されている場合に、当該数式構成部分を当該変数に置換して表示させる数式構成部分・変数置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項9>
請求項7または8に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの変数を指定する変数指定手段と、
前記変数指定手段により指定された変数を、当該変数に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分に置換して表示させる変数・数式構成部分置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項10>
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定機能と、
前記数式・色指定機能により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶機能と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶機能により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶機能により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御機能と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶機能により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定機能と、
前記色・入力位置指定機能による指定色に対して前記数式・色対応記憶機能により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定機能による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0159】
1,1A 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12,12A RAM
13,13A 記憶部
14 入力部
15 表示部
130,130A 計算プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、数式入力装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、関数電卓などの数式入力装置においては、入力済みの複数の数式構成部分を別々にコピーしてクリップボードに保存し、所望の数式構成部分をペーストすることができるようになっている(例えば特許文献1参照)。より詳細には、この特許文献1記載の技術では、コピーされた数式構成部分を番号に対応付けて保存しておき、ユーザによって番号が指定されると、指定番号に対応する数式構成部分をカーソル位置にペーストするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−252231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、記憶された数式構成部分の内容と、その番号との対応関係をユーザが覚えておくか、或いは、一旦ディスプレイに表示させる必要があるため、容易にペースト操作を行うことができない。
【0005】
本発明の課題は、コピーされた複数の数式構成部分を容易にペーストすることのできる数式入力装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定手段と、
前記数式・色指定手段により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶手段と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定手段と、
前記色・入力位置指定手段による指定色に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定手段による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コピーされた複数の数式構成部分を容易にペーストすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】関数電卓の概略構成を示す平面図である。
【図2】関数電卓の機能構成を示すブロック図である。
【図3】色別コピーバッファを示す図である。
【図4】計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図6】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図7】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図8】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図9】第2実施形態における色別コピーバッファを示す図である。
【図10】第2実施形態における計算処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図12】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図13】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【図14】ディスプレイの表示内容を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態の一例を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0010】
[1.第1実施形態]
まず、第1実施形態における電子機器の構成を説明する。
【0011】
[1.1 外観構成]
図1は、本発明に係る電子機器を適用した関数電卓1の概略構成を示す平面図である。
この図に示すように、関数電卓1は、各種キー群を有する入力キー群2と、ディスプレイ3と、を備えている。
【0012】
入力キー群2は、ユーザから数値や演算記号等の数式構成要素の入力操作を受けたり、各種処理の指示操作を受けたりするためのキー群であり、それぞれ固有の機能を割り当てられた複数のキーを備えている。本実施の形態においては、入力キー群2は、テンキー20や演算記号キー21、カーソルキー22、EXEキー23、DELキー24等を備えている。
【0013】
このうち、テンキー20は数値の入力操作を受けるキーであり、演算記号キー21は四則演算の演算子や括弧などの入力操作を受けるキーである。
【0014】
カーソルキー22は、ディスプレイ3内で編集対象位置や選択対象位置を示すカーソルを所定の方向に移動させる場合等に押下されるキーであり、本実施の形態においては、上下左右の4方向について入力可能に構成されている。
【0015】
EXEキー23は、処理の実行指示や決定指示の入力操作を受けるキーであり、例えば数式の入力後には演算処理の実行を指示するキーとして機能するようになっている。DELキー24は、ディスプレイ3に表示されている数値や演算記号などの削除操作を受けるキーである。
【0016】
ディスプレイ3は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等により構成されており、入力キー群2などの操作に応じた文字や符号、数式、演算結果などの他、関数電卓1を使用するために必要な各種データを表示するようになっている。なお、本実施の形態におけるディスプレイ3には、タッチパネル30が表示画面全面に亘って一体的に設けられている。
【0017】
[1.2 機能構成]
続いて、関数電卓1の機能構成を説明する。
図2は、関数電卓1の概略的な機能構成を示すブロック図である。
【0018】
この図に示すように、関数電卓1は、入力部14と、表示部15と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、CPU(Central Processing Unit)11と、を備えて構成されている。
【0019】
入力部14は、上述の入力キー群2やタッチパネル30を備えており、押下されたキーやタッチパネル30の位置に対応する操作信号をCPU11に出力するようになっている。
【0020】
表示部15は、上述のディスプレイ3を備えており、CPU11からの表示信号に従って各種情報をディスプレイ3に表示するようになっている。
【0021】
RAM12は、情報を一時的に格納する揮発性のメモリであり、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納する複数のワークエリアを有する。例えば、本実施の形態におけるRAM12は、ワークエリアとして色別コピーバッファ120などを有するようになっている。
【0022】
色別コピーバッファ120には、図3に示すように、複数種類の色の何れかに対し、後述の計算処理(図4参照)においてコピー対象とされた数式構成部分が対応付けて記憶されるようになっている。ここで、数式構成部分とは、数式内に含まれる一纏まりの部分であり、1つの記号(文字や数字を含む)から構成されても良いし、2以上の連続する記号から構成されても良い。
【0023】
記憶部13は、ROM(Read Only Memory)等により構成される不揮発性のメモリであり、各種プログラム及び各種データを記憶している。具体的には、記憶部13は、本発明に係るプログラムとしての計算プログラム130を記憶している。
【0024】
計算プログラム130は、後述の計算処理(図4参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0025】
CPU11は、関数電卓1の各部を中央制御する。具体的には、CPU11は、記憶部13に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM12に展開し、RAM12に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
【0026】
[1.3 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1の動作について説明する。
【0027】
図4は、計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この計算処理は、ユーザにより入力部14を介して計算処理の実行指示が入力されると、記憶部13から計算プログラム130が読み出されてRAM12に適宜展開される結果、当該計算プログラム130とCPU11との協働によって実行される。
【0028】
この図に示すように、計算処理においては、まずCPU11は、色別コピーバッファ120における各色で表されたカラーチャート31(図5参照)をディスプレイ3に表示させるとともに、ユーザ操作を検知し(ステップS1)、検知されたユーザ操作が数式の入力操作であるか否かを判定する(ステップS2)。ここで、本実施の形態においては、数式の入力操作には、数式の編集操作が含まれる。
【0029】
このステップS2においてユーザ操作が数式の入力操作であると判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU11は、入力操作に応じた数式構成部分をディスプレイ3のカーソル位置に入力して表示させる(ステップS3)。
【0030】
次に、CPU11は、色別コピーバッファ120に数式構成部分が記憶されているか否かを判定し(ステップS4)、記憶されていないと判定した場合(ステップS4;No)にはステップS1に移行する。
【0031】
また、ステップS4において色別コピーバッファ120に数式構成部分が記憶されていると判定した場合(ステップS4;Yes)には、CPU11は、色付きで識別表示された数式構成部分(色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分)内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれるか否か、つまりカーソル位置を含む数式構成部分が色付きで識別表示されているか否かを判定する(ステップS5)。ここで、数式構成部分が色付きで識別表示されるとは、本実施の形態においては、数式構成部分がカラーチャート31における何れかの色で識別表示されることを言い、好ましくは数式構成部分がカラーチャート31の色でマーカ表示されることを言う。但し、数式構成部分自体がカラーチャート31の色で表示されても良いし、数式構成部分がカラーチャート31の色の下線付きで表示されても良い。
【0032】
このステップS5において色付きで識別表示された数式構成部分内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれないと判定した場合(ステップS5;No)には、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120に記憶された各数式構成部分とを比較する(ステップS6)。
【0033】
次に、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120に記憶された各数式構成部分とに共通の数式構成部分が存在するか否かを判定し(ステップS7)、存在しないと判定した場合(ステップS7;No)にはステップS1に移行する。
【0034】
また、ステップS7において入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120に記憶された各数式構成部分とに共通の数式構成部分が存在すると判定した場合(ステップS7;Yes)には、CPU11は、共通の数式構成部分のうち、最長の数式構成部分に色別コピーバッファ120で対応付けられた対応色を検出し、入力済みの数式における当該数式構成部分(共通かつ最長の数式構成部分)を当該対応色の色付きで識別表示させ(ステップS8)、ステップS1に移行する。
【0035】
また、上述のステップS5において色付きで識別表示された数式構成部分内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれると判定した場合(ステップS5;Yes)には、CPU11は、ステップS3での入力編集(修正)後の当該数式構成部分(カーソル位置の含まれる色付きの数式構成部分)を指定範囲として設定した後(ステップS10)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において編集(修正)前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色を指定色として設定し(ステップS11)、後述のステップS21に移行する。ここで、本実施の形態においては、数式構成部分が範囲指定されると、当該数式構成部分がコピー対象として記憶されることとなる。これにより、色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分が編集(修正)される場合には、編集後の数式構成部分は、後述のステップS21以降の処理において、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120により編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて、改めて色別コピーバッファ120に記憶されることとなる。なお、このステップS11において設定される指定色としては、編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色の補色などを用いることができる。
【0036】
また、上述のステップS2においてユーザ操作が数式の入力操作でないと判定した場合(ステップS2;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式構成部分の範囲指定操作、及びカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作であるか否かを判定する(ステップS20)。
【0037】
このステップS20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、CPU11は、指定範囲の数式構成部分を指定色に対応付けて色別コピーバッファ120に記憶させる(ステップS21)。
【0038】
次に、CPU11は、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分と、その同内容(同値。等価)の数式構成部分とをそれぞれ指定色で識別表示させ(ステップS23)、ステップS1に移行する。これにより、色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分の対応色によって、当該数式構成部分と同内容の各数式構成部分が識別表示されることとなる。
【0039】
また、上述のステップS20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作でないと判定した場合(ステップS20;No)には、CPU11は、ユーザ操作がカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及び、その色領域についてのドラッグ操作(またはカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及びペースト位置の指定操作)であるか否かを判定する(ステップS31)。ここで、本実施の形態においては、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、色領域がドラッグされると、その色に対応する数式構成部分がドラッグ操作による指定位置(ドラッグ操作の終了位置)にペーストされることとなる。同様に、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、ペースト位置の指定操作が行われると、その色に対応する数式構成部分が指定位置にペーストされることとなる。
【0040】
このステップS31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)であると判定した場合(ステップS31;Yes)には、CPU11は、色別コピーバッファ120において指定色に対応付けられた数式構成部分を指定位置(ドラッグ操作またはペースト位置指定操作による指定位置)にペーストして入力(挿入)する(ステップS32)。
【0041】
次に、CPU11は、ペーストされた数式構成部分を指定色、つまり色別コピーバッファ120において当該数式構成部分に対応付けられた対応色で識別表示させる(ステップS33)。
【0042】
次に、CPU11は、色付きで識別表示されていた数式構成部分内にペースト位置が含まれるか否か、つまりペースト位置を含む数式構成部分が色付きで識別表示されているか否かを判定し(ステップS34)、含まれないと判定した場合(ステップS34;No)にはステップS1に移行する。
【0043】
また、ステップS34において色付きで識別表示されていた数式構成部分内にペースト位置が含まれると判定した場合(ステップS34;Yes)には、CPU11は、当該数式構成部分と、ペーストされた数式構成部分とを乗算された状態に表示させるとともに、乗算後の数式構成部分を指定範囲に設定して(ステップS35)、ステップS11に移行する。なお、ステップS35においてCPU11は、色付きで識別表示されていた数式構成部分と、ペーストされた数式構成部分とが同一である場合には、この数式構成部分を累乗形式に変換して表示させる。これにより、累乗形式で入力表示された数式構成部分は、ステップS11以降の処理において、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120により累乗形式への変換前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて、改めて色別コピーバッファ120に記憶されることとなる。
【0044】
また、上述のステップS31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)でないと判定した場合(ステップS31;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式構成部分の指定操作及び因数分解の実行操作であるか否かを判定する(ステップS41)。
【0045】
このステップS41においてユーザ操作が数式構成部分の指定操作及び因数分解の実行操作であると判定した場合(ステップS41;Yes)には、CPU11は、表示された数式のうち、ユーザ操作により指定された数式構成部分を因数分解して表示させる(ステップS42)。なお、数式構成部分を因数分解する手法としては、従来より公知の手法を用いることができる。
【0046】
次に、CPU11は、色付きで識別表示されていた数式構成部分が因数分解されたか否かを判定し(ステップS43)、色付きで識別表示されていた数式構成部分が因数分解されていないと判定した場合(ステップS43;No)には、ステップS1に移行する。
【0047】
また、ステップS43において色付きで識別表示されていた数式構成部分が因数分解されたと判定した場合(ステップS43;Yes)には、CPU11は、因数分解後の数式構成部分を指定範囲として設定した後(ステップS44)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において因数分解前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色を指定色として設定し(ステップS45)、ステップS21に移行する。これにより、色別コピーバッファ120に記憶された数式構成部分が因数分解される場合には、因数分解後の数式構成部分は、ステップS21以降の処理において、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120により因数分解前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて、改めて色別コピーバッファ120に記憶されることとなる。なお、ステップS45において設定される指定色としては、編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色の同系色などを用いることができる。
【0048】
また、上述のステップS41においてユーザ操作が数式構成部分の指定及び因数分解の実行の操作でないと判定した場合(ステップS41;No)には、CPU11は、ユーザ操作が終了操作であるか否かを判定する(ステップS51)。
【0049】
そして、このステップS51においてユーザ操作が終了操作でないと判定した場合(ステップS51;No)には、CPU11は、ユーザ操作に応じた処理を行う一方、ユーザ操作が終了操作であると判定した場合(ステップS51;Yes)には計算処理を終了する。
【0050】
[1.4 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1の動作を具体的に説明する。なお、以下の動作例で参照する図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、この領域に対する符号の対応色(「Lb」:水色(Light blue)、「B」:青色(Blue)、「P」:ピンク(Pink)、「R」:赤色(Red)、「Y」:黄色「Yellow」、「V」:バイオレット(Violet))によって当該領域内の文字が表示されていることを示している。
【0051】
(動作例1)
まず図5(a)に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0052】
次に、ユーザが数式「x=2y+1」,「2y+1=7x+5」、「z^2=5」を入力すると(ステップS2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップS3)。
【0053】
次に、ユーザが数式構成部分「2y+1」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「ピンク」の指定操作を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「2y+1」が指定色「ピンク」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。次に、図5(b)に示すように、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「2y+1」(図中、1行目の数式部分を参照)と、その同内容の数式構成部分「2y+1」(図中、2行目の数式部分を参照)とがそれぞれ指定色「ピンク」で識別表示される(ステップS23)。なお、本動作例においては、数式構成部分が色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されると、カラーチャート31における当該色の領域が太線で囲まれて識別表示されるようになっている。
【0054】
次に、図5(c)に示すように、ユーザがカラーチャート31の表示色「ピンク」の指定操作、及び、「ピンク」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップS31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「ピンク」に対応付けられた数式構成部分「2y+1」が指定位置にペーストされて入力(挿入)され(ステップS32)、ペーストされた数式構成部分「2y+1」が指定色「ピンク」で識別表示される(ステップS33)。なお、本動作例においては、色領域についてドラッグ操作を行うと、色別コピーバッファ120において当該色に対応付けられた数式構成部分がポインタ近傍に表示されるようになっている(図中の下端部の「2y+1」を参照)。
【0055】
次に、図6(a)に示すように、ユーザが改めてカラーチャート31の表示色「ピンク」の指定操作、及び、「ピンク」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップS31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「ピンク」に対応付けられた数式構成部分「2y+1」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップS32)。
【0056】
次に、色付きで識別表示されていた数式構成部分「2y+1」内にペースト位置が含まれると判定され(ステップS34;Yes)、当該数式構成部分「2y+1」と、ペーストされた数式構成部分「2y+1」とが累乗形式に変換されて表示されるとともに、乗算後の数式構成部分「(2y+1)2」が指定範囲に設定される(ステップS35)。
【0057】
次に、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において編集前の数式構成部分「2y+1」に対応付けられた対応色「ピンク」とは異なる色「水色」が指定色として設定され(ステップS11)、指定範囲の数式構成部分「(2y+1)2」が指定色「水色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるとともに(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「(2y+1)2」が指定色「水色」で識別表示される(ステップS23)。
【0058】
また、図5(c)に示した状態から、ユーザが数式構成部分「2y+1」の編集操作を行うと(ステップS2;Yes)、図6(b),(c)に示すように、操作に応じて数式構成部分「2y+1」の「y」が「x」に変更されて表示される(ステップS3)。
【0059】
次に、色付きで識別表示された数式構成部分「2x+1」内にカーソル位置(入力位置、編集位置)が含まれると判定され(ステップS5;Yes)、当該数式構成部分「2x+1」が指定範囲として設定された後(ステップS10)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において編集前の数式構成部分「2y+1」に対応付けられた対応色「ピンク」とは異なる色「青」が指定色として設定される(ステップS11)。そして、指定範囲の数式構成部分「2x+1」が指定色「青」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるとともに(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「2x+1」が指定色「青」で識別表示される(ステップS23)。
【0060】
次に、図6(c)に示すように、ユーザがカラーチャート31の表示色「青」の指定操作、及び、「青」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップS31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「青」に対応付けられた数式構成部分「2x+1」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップS32)。
【0061】
(動作例2)
まず図7に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0062】
次に、図中の1行目に示すように、ユーザが数式「x2−9=6x−18」を入力すると(ステップS2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップS3)。なお、この図では、数式の表示状態が変更された場合に、変更前後の数式を上下に並べて図示している。
【0063】
次に、ユーザが「x2−9」の数式構成部分について範囲指定を行って色「赤」の指定を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「x2−9」が指定色「赤」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「x2−9」が指定色「赤」で識別表示される(ステップS23)。
【0064】
同様に、ユーザが「6x−18」の数式構成部分について範囲指定を行って色「青」の指定を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「6x−18」が指定色「青」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「6x−18」が指定色「青」で識別表示される(ステップS23)。
【0065】
次に、ユーザが数式構成部分「x2−9」の指定操作及び因数分解の実行操作を行うと(ステップS41;Yes)、図中の2行目に示すように、指定された数式構成部分「x2−9」が「(x+3)(x−3)」に因数分解されて表示される(ステップS42)。次に、色付きで識別表示されていた数式構成部分「x2−9」が因数分解されたと判定され(ステップS43;Yes)、因数分解後の数式構成部分「(x+3)(x−3)」が指定範囲として設定された後(ステップS44)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において因数分解前の数式構成部分「x2−9」に対応付けられた対応色「赤」とは異なる色「ピンク」が指定色として設定される(ステップS45)。そして、指定範囲の数式構成部分「(x+3)(x−3)」が指定色「ピンク」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶され(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「(x+3)(x−3)」が指定色「ピンク」で識別表示される(ステップS23)。
【0066】
同様に、ユーザが数式構成部分「6x−18」の指定操作及び因数分解の実行操作を行うと(ステップS41;Yes)、指定された数式構成部分「6x−18」が「6(x−3)」に因数分解されて表示される(ステップS42)。次に、色付きで識別表示されていた数式構成部分「6x−18」が因数分解されたと判定され(ステップS43;Yes)、因数分解後の数式構成部分「6(x−3)」が指定範囲として設定された後(ステップS44)、カラーチャート31の各表示色のうち、色別コピーバッファ120において因数分解前の数式構成部分「6x−18」に対応付けられた対応色「青」とは異なる色「水色」が指定色として設定される(ステップS45)。そして、指定範囲の数式構成部分「6(x−3)」が指定色「水色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶され(ステップS21)、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「6(x−3)」が指定色「水色」で識別表示される(ステップS23)。
【0067】
次に、図中の3行目に示すように、ユーザが数式「(x+3)(x−3)=6(x−3)」における右辺を左辺に移動させた後(ステップS51;No)、「x−3」の数式構成部分について範囲指定を行って色「黄色」の指定を行うと(ステップS20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「x−3」が指定色「黄色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップS21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「x−3」(式中、左側の部分)と、その同内容の数式構成部分(式中、右側の部分)とがそれぞれ指定色「黄色」で識別表示される(ステップS23)。なお、本動作例では、このとき数式構成部分「(x+3)」はバイオレットで識別表示されるようになっている。
【0068】
そして、図中の4〜6行目に示すように、ユーザが数式「(x+3)(x−3)−6(x−3)=0」を「(x−3){(x+3)−6}=0」、「(x−3)(x−3)=0」、「(x−3)2=0」のように順に整理すると(ステップS51;No)、変更後の数式中の数式構成部分「x−3」が対応色「黄色」で識別表示される。
【0069】
以上、本実施の形態によれば、図4のステップS20〜S23,S31〜S33や図5等に示したように、ユーザ操作に基づいて、表示された数式における何れかの数式構成部分と、カラーチャート31による何れかの表示色とが指定されると、指定された数式構成部分及び色が対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるとともに、指定された数式構成部分が指定色によって識別表示され、この状態からユーザ操作に基づいてカラーチャート31の各表示色のうち、数式構成部分に対応付けられた何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とが指定されると、指定色に対応付けられた数式構成部分が指定位置に入力され、入力された数式構成部分が当該数式構成部分の対応によって識別表示されるので、色で識別表示された数式構成部分が数式中に存在する場合には、その色をカラーチャート31で指定して、入力位置を指定することにより、同じ数式構成部分を指定位置にペーストすることができる。従って、コピーされた数式構成部分が数式中に複数存在する場合であっても、各数式構成部分の識別色をカラーチャート31で指定することにより、当該数式構成部分をペーストすることができるため、コピーされた複数の数式構成部分を従来よりも容易にペーストすることができる。
【0070】
また、図4のステップS23や図5(b)等に示したように、表示制御された数式のうち、色別コピーバッファ120によって記憶された各数式構成部分が対応色によって識別表示されるので、各数式構成部分がカラーチャート31における何れの色に対応しているのかを容易に把握することができる。
【0071】
また、図4のステップS41〜S45や図7等に示したように、色別コピーバッファ120にされた数式構成部分が因数分解される場合には、因数分解後の数式構成部分が色別コピーバッファ120に記憶されるので、色別コピーバッファ120により記憶された数式構成部分が因数分解される場合には、因数分解後の数式構成部分を自動的に色別コピーバッファ120に記憶させることができる。また、因数分解後の数式構成部分がカラーチャート31による各表示色のうち、因数分解前の数式構成部分に対応付けられた対応色の同系色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるので、因数分解後の数式構成部分と同内容の各数式構成部分がそれぞれ同一色(因数分解前の数式構成部分の対応色の同系色)で識別表示されることとなる。従って、因数分解前後の数式構成部分を意識的に関連付けて数式を確認することができる。
【0072】
また、図4のステップS35や図6(a)等に示したように、ペースト位置に既に表示されている数式構成部分と、色別コピーバッファ120によりペースト操作の際の指定色に対応付けられた数式構成部分とが同一である場合に、この数式構成部分が累乗形式に変換して入力され、累乗形式で入力された数式構成部分がカラーチャート31による各表示色のうち、累乗形式への変換前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるので、累乗形式への変換後の数式構成部分と同内容の各数式構成部分をそれぞれ同一色で識別表示させることができる。
【0073】
また、図4のステップS10〜S11や図6(b)等に示したように、色別コピーバッファ120により記憶された数式構成部分が編集(修正)される場合に、編集後の数式構成部分がカラーチャート31による各表示色のうち、編集前の数式構成部分に対応付けられた対応色とは異なる色に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶されるので、編集後の数式構成部分と同内容の各数式構成部分をそれぞれ同一色で識別表示させることができる。
【0074】
[2.第2実施形態]
続いて、第2実施形態における電子機器の構成を説明する。なお、上記の第1実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0075】
[2.1 機能構成]
本実施の形態における関数電卓1Aは、図2に示すように、RAM12A及び記憶部13Aを備えている。
【0076】
RAM12Aは、ワークエリアとして色別コピーバッファ120Aなどを有するようになっている。この色別コピーバッファ120Aには、図9に示すように、複数種類の色の何れかに対し、後述の計算処理(図10参照)においてコピー対象とされた数式構成部分が対応付けて記憶されるようになっている。また、計算処理において当該数式構成部分に対し変数が等号で結ばれて入力されている場合には、当該数式構成部分に対応付けて当該変数も色別コピーバッファ120Aに記憶されるようになっている。なお、本実施の形態における変数は、1つの文字から構成されて数式内に含まれるため、数式構成部分でもある。
【0077】
記憶部13Aは、本発明に係るプログラムとしての計算プログラム130Aを記憶している。この計算プログラム130Aは、後述の計算処理(図10参照)をCPU11に実行させるためのプログラムである。
【0078】
[2.2 関数電卓の動作]
続いて、関数電卓1Aの動作について説明する。
【0079】
図10は、計算処理の動作を説明するためのフローチャートである。なお、この計算処理は、ユーザにより入力部14を介して計算処理の実行指示が入力されると、記憶部13から計算プログラム130Aが読み出されてRAM12Aに適宜展開される結果、当該計算プログラム130AとCPU11との協働によって実行される。
【0080】
この図に示すように、計算処理においては、まずCPU11は、色別コピーバッファ120Aにおける各色で表されたカラーチャート31をディスプレイ3に表示させるとともに、ユーザ操作を検知し(ステップT1)、検知されたユーザ操作が数式の入力操作であるか否かを判定する(ステップT2)。ここで、本実施の形態においては、数式の入力操作には、数式の編集(修正)操作が含まれない。
【0081】
このステップT2においてユーザ操作が数式の入力操作であると判定した場合(ステップT2;Yes)には、CPU11は、入力操作に応じた数式構成部分をディスプレイ3のカーソル位置に入力して表示させる(ステップT3)。
【0082】
次に、CPU11は、色別コピーバッファ120Aに数式構成部分が記憶されているか否かを判定し(ステップT4)、記憶されていないと判定した場合(ステップT4;No)にはステップT1に移行する。
【0083】
また、ステップT4において色別コピーバッファ120Aに数式構成部分が記憶されていると判定した場合(ステップT4;Yes)には、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とを比較する(ステップT6)。
【0084】
次に、CPU11は、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分が存在するか否かを判定し(ステップT7)、存在しないと判定した場合(ステップT7;No)には、後述のステップT8に移行する。なお、このステップT7において同値の数式構成部分には、変数が含まれない。
【0085】
また、ステップT7において入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価。同内容)の数式構成部分が存在すると判定した場合(ステップT7;Yes)には、CPU11は、同値の数式構成部分のうち、最長の数式構成部分に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色を検出し、入力済みの数式における当該数式構成部分(同値かつ最長の数式構成部分)を当該対応色の色付きで識別表示させる(ステップT8)。
【0086】
次に、CPU11は、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数を参照し、入力済みの数式に、何れかの変数が存在するか否かを判定し(ステップT9)、存在しないと判定した場合(ステップT9;No)には、ステップT1に移行する。
【0087】
また、ステップT9において、入力済みの数式に、何れかの変数が存在すると判定した場合(ステップT9;Yes)には、CPU11は、該当の変数に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色を検出し、入力済みの数式における当該変数を当該対応色の色付きで識別表示させ(ステップT10)、ステップT1に移行する。
【0088】
また、上述のステップT2においてユーザ操作が数式の入力操作でないと判定した場合(ステップT2;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式の修正(編集)操作であるか否かを判定する(ステップT12)。なお、本実施の形態においては、数式の修正(編集)操作には、入力済みの数式内での数式構成部分の移動操作が含まれる。
【0089】
このステップT12においてユーザ操作が数式の修正(編集)操作であると判定した場合(ステップT12;Yes)には、CPU11は、修正操作に応じた数式をディスプレイ3に表示させる(ステップT13)。
【0090】
次に、CPU11は、色付きで識別表示された数式構成部分(色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分)が修正されたか否かを判定し(ステップT14)、修正されていないと判定した場合(ステップT14;No)には、上述のステップT4に移行する。
【0091】
また、ステップT14において色付きで識別表示された数式構成部分が修正されたと判定した場合(ステップT14;Yes)には、CPU11は、修正前の数式構成部分と修正後の数式構成部分とが同値(等価。同内容)であるか否かを判定し(ステップT15)、同値であると判定した場合(ステップT15;Yes)には上述のステップT4に移行する。
【0092】
また、ステップT15において修正前の数式構成部分と修正後の数式構成部分とが同値でないと判定した場合(ステップT15;No)には、CPU11は、修正後の数式構成部分に付されている色を消すことで、当該数式構成部分の識別表示を解除して表示内容を更新し(ステップT16)、上述のステップT4に移行する。ここで、修正前後の数式構成部分が同値でなくなる場合としては、修正前の数式構成部分に新たな記号(文字や数字を含む)が挿入される場合や、修正前の数式構成部分における一部分が移動されて分離されてしまう場合などが挙げられる。
【0093】
また、上述のステップT12においてユーザ操作が数式の修正(編集)操作でないと判定した場合(ステップT12;No)には、CPU11は、ユーザ操作が数式構成部分の範囲指定操作、及びカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作であるか否かを判定する(ステップT20)。
【0094】
このステップT20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作であると判定した場合(ステップT20;Yes)には、CPU11は、指定範囲の数式構成部分を指定色に対応付けて色別コピーバッファ120Aに記憶させる(ステップT21)。
【0095】
次に、CPU11は、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分と、その同内容(同値。等価)の数式構成部分(但し、ここでは指定範囲の数式構成部分と同値の変数を含まない)とをそれぞれ指定色で識別表示させる(ステップT23)。これにより、色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分の対応色によって、当該数式構成部分と同内容の各数式構成部分が識別表示されることとなる。
【0096】
次に、CPU11は、指定範囲の数式構成部分と等号で結ばれた変数が入力されているか否かを判定し(ステップT24)、入力されていないと判定した場合(ステップT24;No)には、上述のステップT1に移行する。
【0097】
また、ステップT24において指定範囲の数式構成部分と等号で結ばれた変数が入力されていると判定した場合(ステップT24;Yes)には、CPU11は、当該変数を指定範囲の数式構成部分に対応付けて色別コピーバッファ120Aに記憶させる(ステップT25)。
【0098】
次に、CPU11は、当該変数を指定範囲の数式構成部分の対応色によって識別表示させ(ステップT26)、上述のステップT1に移行する。より詳細には、このステップT26においてCPU11は、指定範囲の数式構成部分と等号で結ばれた変数と、入力済みの同変数とをそれぞれ識別表示させる。
【0099】
また、上述のステップT20においてユーザ操作が範囲指定操作及び表示色の指定操作でないと判定した場合(ステップT20;No)には、CPU11は、ユーザ操作がカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及び、その色領域についてのドラッグ操作(またはカラーチャート31による何れかの表示色の指定操作、及びペースト位置の指定操作)であるか否かを判定する(ステップT31)。ここで、本実施の形態においては、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、色領域がドラッグされると、その色に対応する数式構成部分がドラッグ操作による指定位置(ドラッグ操作の終了位置)にペーストされることとなる。同様に、カラーチャート31の表示色の指定操作の後、ペースト位置の指定操作が行われると、その色に対応する数式構成部分が指定位置にペーストされることとなる。
【0100】
このステップT31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)であると判定した場合(ステップT31;Yes)には、CPU11は、色別コピーバッファ120Aにおいて指定色に対応付けられた数式構成部分を指定位置(ドラッグ操作またはペースト位置指定操作による指定位置)にペーストして入力(挿入)する(ステップT32)。なお、上述のステップT1において入力済みの数式構成部分に対して上書きする旨の操作と、色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)とが行われている場合(例えば入力済みの数式構成部分を範囲指定した後、色指定操作及びドラッグ操作を行った場合や、入力済みの数式構成部分をペースト位置として範囲指定して色指定操作を行った場合など)には、このステップT32においてCPU11は、ペースト先として範囲指定された数式構成部分を、色別コピーバッファ120Aにおいて指定色に対応付けられた数式構成部分に置き換える。
【0101】
次に、CPU11は、ペーストされた数式構成部分を指定色、つまり色別コピーバッファ120Aにおいて当該数式構成部分に対応付けられた対応色で識別表示させ(ステップT33)、ステップT1に移行する。
【0102】
また、上述のステップT31においてユーザ操作が色指定操作及びドラッグ操作(または色指定操作及びペースト位置の指定操作)でないと判定した場合(ステップT31;No)には、CPU11は、ユーザ操作が色付きの数式構成部分に対する指定操作、例えば色付きの数式構成部分に対するタッチ操作であるか否かを判定する(ステップT41)。なお、このステップT41における数式構成部分には、変数は含まれない。
【0103】
このステップT41においてユーザ操作が色付きの数式構成部分に対する指定操作であると判定した場合(ステップT41;Yes)には、CPU11は、指定された数式構成部分に対し、色別コピーバッファ120A内で変数が対応付けられているか否かを判定し(ステップT42)、対応付けられていないと判定した場合(ステップT42;No)には、ステップT1に移行する。
【0104】
また、ステップT42において指定された数式構成部分に対し、色別コピーバッファ120A内で変数が対応付けられていると判定した場合(ステップT42;Yes)には、CPU11は、指定された数式構成部分を、当該変数に置き換えるとともに、当該数式構成部分の対応色で当該変数を識別表示させ(ステップT43)、ステップT1に移行する。
【0105】
また、ステップT41においてユーザ操作が色付きの数式構成部分に対する指定操作でないと判定した場合(ステップT41;No)には、CPU11は、ユーザ操作が色付きの変数に対する指定操作、例えば色付きの変数に対するタッチ操作であるか否かを判定する(ステップT45)。
【0106】
このステップT45においてユーザ操作が色付きの変数に対する指定操作であると判定した場合(ステップT45;Yes)には、CPU11は、指定された変数を、当該変数に対して色別コピーバッファ120A内で対応付けられた数式構成部分に置き換えるとともに、当該数式構成部分の対応色で当該数式構成部分を識別表示させ(ステップT46)、ステップT1に移行する。
【0107】
また、上述のステップT45においてユーザ操作が色付きの変数に対する指定操作でないと判定した場合(ステップT45;No)には、CPU11は、ユーザ操作が終了操作であるか否かを判定する(ステップT51)。
【0108】
そして、このステップT51においてユーザ操作が終了操作でないと判定した場合(ステップT51;No)には、CPU11は、ユーザ操作に応じた処理を行う一方、ユーザ操作が終了操作であると判定した場合(ステップT51;Yes)には計算処理を終了する。
【0109】
[2.3 動作例]
続いて、図面を参照しつつ、上述した関数電卓1Aの動作を具体的に説明する。なお、以下の動作例で参照する図中、ディスプレイ3の表示画面において破線で囲まれている領域は、この領域に対する符号の対応色(「Lb」:水色(Light blue)、「B」:青色(Blue)、「P」:ピンク(Pink)、「R」:赤色(Red)、「Y」:黄色「Yellow」、「V」:バイオレット(Violet)、「O」:オレンジ「Orange」)によって当該領域内の文字が表示されていることを示している。
【0110】
(動作例1)
まず図11(a)に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0111】
次に、ユーザが数式「a+b=A」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0112】
次に、ユーザが数式構成部分「a+b」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「バイオレット」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。
【0113】
次に、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」で識別表示される(ステップT23)。
【0114】
次に、指定範囲の数式構成部分「a+b」と等号で結ばれた変数「A」が入力されていると判定され(ステップT24;Yes)、当該変数「A」が指定範囲の数式構成部分「a+b」に対応付けられて色別コピーバッファ120Aに記憶される(ステップT25)。
【0115】
次に、図11(b)に示すように、当該変数「A」が指定範囲の数式構成部分「a+b」の対応色「バイオレット」によって識別表示される(ステップT26)。
【0116】
次に、図11(c)に示すように、ユーザが数式「(a+b+c)2」,「=(A+c)2」,「=A2+2Ac+c2」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0117】
次に、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とが比較された後(ステップT6)、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分「a+b」が存在すると判定され(ステップT7;Yes)、この数式構成部分「a+b」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「バイオレット」が検出されて、入力済みの数式「(a+b+c)2」,「=(A+c)2」,「=A2+2Ac+c2」における当該数式構成部分「a+b」が当該対応色「バイオレット」の色付きで識別表示される(ステップT8)。
【0118】
次に、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「(a+b+c)2」,「=(A+c)2」,「=A2+2Ac+c2」に、変数「A」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「A」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「バイオレット」が検出され、入力済みの数式における当該変数「A」が当該対応色「バイオレット」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0119】
次に、図11(d)に示すように、ユーザが色付きの数式構成部分「a+b」(ここでは2行目の「a+b」)に対するタッチ操作を行うと(ステップT41;Yes)、タッチ指定された数式構成部分「a+b」に対し、色別コピーバッファ120A内で変数「A」が対応付けられていると判定され(ステップT42;Yes)、指定された数式構成部分「a+b」が当該変数「A」に置き換えられるとともに、当該数式構成部分「a+b」の対応色「バイオレット」で当該変数「A」が識別表示される(ステップT43)。
【0120】
次に、ユーザが色付きの変数「A」(ここでは2行目の「A」)に対するタッチ操作を行うと(ステップT45;Yes)、図11(c)に示すように、タッチ指定された変数「A」が当該変数「A」に対して色別コピーバッファ120A内で対応付けられた数式構成部分「a+b」に置き換えられるとともに、当該数式構成部分「a+b」の対応色「バイオレット」で当該数式構成部分「a+b」が識別表示される(ステップT46)。
【0121】
次に、図12(a)に示すように、ユーザが数式「=(」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0122】
次に、ユーザがカラーチャート31の表示色「バイオレット」の指定操作、及び、「バイオレット」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップT31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「バイオレット」に対応付けられた数式構成部分「a+b」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップT32)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b」が入力されたことになる。そして、ペーストされた数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」で識別表示される(ステップT33)。
【0123】
次に、ユーザが数式「)2+2(」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b)2+2(」が入力されたことになる。
【0124】
次に、ユーザがカラーチャート31の表示色「バイオレット」の指定操作、及び、「バイオレット」の色領域についてのドラッグ操作を行うと(ステップT31;Yes)、色別コピーバッファ120において指定色「バイオレット」に対応付けられた数式構成部分「a+b」が指定位置にペーストされて入力(挿入)される(ステップT32)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b)2+2(a+b」が入力されたことになる。そして、ペーストされた数式構成部分「a+b」が指定色「バイオレット」で識別表示される(ステップT33)。
【0125】
次に、図12(b)に示すように、ユーザが数式「)c+c2」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。これにより、ディスプレイ3の5行目には、数式「=(a+b)2+2(a+b)c+c2」が入力されたことになる。
【0126】
次に、ユーザが数式構成部分「(a+b)2」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「オレンジ」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「(a+b)2」が指定色「オレンジ」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「(a+b)2」が指定色「オレンジ」で識別表示される(ステップT23)。
【0127】
同様に、ユーザが数式構成部分「2(a+b)c」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「青色」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「2(a+b)c」が指定色「青色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。そして、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「2(a+b)c」が指定色「青色」で識別表示される(ステップT23)。
【0128】
次に、図12(c)に示すように、ユーザが数式「=a2+2ab+b2+2ac+2bc+c2」を数式の6行目として入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。なお、この図12(c)と、後述の図12(d)とでは、カラーチャート31の図示を省略している。
【0129】
次に、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とが比較された後(ステップT6)、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分「a2+2ab+b2」,「2ac+2bc」が存在すると判定される(ステップT7;Yes)。そして、数式構成部分「a2+2ab+b2」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「オレンジ」が検出されて、入力済みの数式における当該数式構成部分「a2+2ab+b2」が当該対応色「オレンジ」の色付きで識別表示される(ステップT8)。同様に、数式構成部分「2ac+2bc」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「青色」が検出されて、入力済みの数式における当該数式構成部分「2ac+2bc」が当該対応色「青色」の色付きで識別表示される(ステップT8)
【0130】
次に、ユーザが数式の7行目として、数式の6行目と同じ内容を入力すると(ステップT2;Yes)、この7行目の数式は6行目の数式と同様に表示される(ステップT3、ステップT8)。
【0131】
次に、図12(d)に示すように、ユーザが数式の修正(編集)操作を行って数式構成要素を並び替えると(ステップT12;Yes)、修正操作に応じた数式「=a2+b2+c2+2ac+2bc+2ab」がディスプレイ3に表示される(ステップT13)。
【0132】
次に、色付きで識別表示された数式構成部分「a2+2ab+b2」が修正されたと判定され(ステップT14;Yes)、修正前の数式構成部分「a2+2ab+b2」が修正後の数式構成部分(ここでは「a2+b2」と「+2ab」)と同値(等価。同内容)でないと判定されて(ステップT15;No)、修正後の数式構成部分「a2+b2」,「+2ab」に付されている色「オレンジ」が消されて表示内容が更新される(ステップT16)。なお、このとき、修正前の数式構成部分「2ac+2bc」は修正後の数式構成部分「2ac+2bc」と同値(等価。同内容)であると判定されて(ステップT15;Yes)、修正後の数式構成部分「2ac+2bc」はそのまま「青色」の色付きで識別表示される。
【0133】
(動作例2)
まず図13(a)に示すように、計算処理が実行されると、カラーチャート31がディスプレイ3に表示される。
【0134】
次に、ユーザが変数「x」,「y」についての連立方程式の数式「2x+y=8」,「3x−4y=1」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0135】
次に、ユーザが連立方程式を解くために1つ目の数式「2x+y=8」を変数「y」について解き、数式「y=8−2x」を3行目の数式として入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0136】
次に、ユーザが数式構成部分「8−2x」の範囲指定操作、及びカラーチャート31の表示色「赤色」の指定操作を行うと(ステップT20;Yes)、指定範囲の数式構成部分「8−2x」が指定色「赤色」に対応付けられて色別コピーバッファ120に記憶される(ステップT21)。
【0137】
次に、ディスプレイ3に表示されている数式のうち、範囲指定された数式構成部分「8−2x」が指定色「赤色」で識別表示される(ステップT23)。
【0138】
次に、指定範囲の数式構成部分「8−2x」と等号で結ばれた変数「y」が入力されていると判定され(ステップT24;Yes)、当該変数「y」が指定範囲の数式構成部分「8−2x」に対応付けられて色別コピーバッファ120Aに記憶される(ステップT25)。
【0139】
次に、図13(b)に示すように、当該変数「y」が指定範囲の数式構成部分「8−2x」の対応色「赤色」によって識別表示される(ステップT26)。
【0140】
次に、図13(c)に示すように、ユーザが2番目の数式「3x−4y=1」を4行目の数式として改めて入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0141】
次に、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「3x−4y=1」に、変数「y」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「y」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出され、入力済みの数式における当該変数「y」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0142】
次に、ユーザが入力済みの数式「3x−4y=1」における数式構成部分「y」をペースト位置として範囲指定した後、カラーチャート31における「赤色」を指定すると、図13(d)に示すように、ペースト先として範囲指定された数式構成部分「y」が、色別コピーバッファ120Aにおいて指定色「赤色」に対応付けられた数式構成部分「8−2x」に置き換えられ、数式「3x−4(8−2x)=1」が4行目に表示される(ステップT32)。但し、この操作を行わずに、ユーザが色付きの変数「y」(ここでは4行目の「y」)に対するタッチ操作を行うと(ステップT45;Yes)、タッチ指定された変数「y」が当該変数「y」に対して色別コピーバッファ120A内で対応付けられた数式構成部分「8−2x」に置き換えられるとともに、当該数式構成部分「8−2x」の対応色「赤色」で当該数式構成部分「8−2x」が識別表示されるため(ステップT46)、図13(d)と同じ内容が表示されることとなる。
【0143】
次に、図14(a)、(b)に示すように、ユーザが2番目の数式「3x−4y=1」における変数「y」に「y=8−2x」を代入し、変数「x」について解を求める数式「3x−32+8x=1」,「11x=33」,「x=3」を5〜7行目の数式として入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0144】
なお、このときユーザが5行目の数式「3x−32+8x=1」を入力する代わりに、4行目の数式「3x−4(8−2x)=1」を改めて入力して、この5行目の数式「3x−4(8−2x)=1」を「3x−32+8x=1」に修正しても、図14(a)と同じ内容が表示されることとなる。即ち、ユーザが5行目の数式「3x−32+8x=1」を入力する代わりに、4行目の数式「3x−4(8−2x)=1」を改めて入力すると(ステップT2;Yes)、この5行目の数式は4行目の数式と同様に表示される(ステップT3、ステップT8)。次に、ユーザが数式の修正(編集)操作を行って数式構成要素を並び替えると(ステップT12;Yes)、修正操作に応じた数式「3x−32+8x=1」がディスプレイ3に表示される(ステップT13)。そして、色付きで識別表示された数式構成部分「(8−2x)」が修正されたと判定され(ステップT14;Yes)、修正前の数式構成部分「(8−2x)」が修正後の数式構成部分(ここでは「8x」など)と同値(等価。同内容)でないと判定されて(ステップT15;No)、修正後の数式構成部分「8x」などに付されている色「赤色」が消されて表示内容が更新される(ステップT16)。
【0145】
次に、図14(c)に示すように、ユーザが数式「y=8−2x」を改めて入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。
【0146】
次に、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とが比較された後(ステップT6)、入力済みの数式から抽出可能な各数式構成部分と、色別コピーバッファ120Aに記憶された各数式構成部分とに同値(等価)の数式構成部分「8−2x」が存在すると判定され(ステップT7;Yes)、この数式構成部分「8−2x」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出されて、入力済みの数式「y=8−2x」における当該数式構成部分「8−2x」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT8)。
【0147】
次に、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「y=8−2x」に、変数「y」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「y」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出され、入力済みの数式における当該変数「y」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0148】
次に、図14(d)に示すように、ユーザが数式「y=8−2x」における変数「x」に「x=3」を代入し、変数「y」について解を求める数式「y=8−2×3」,「y=2」を入力すると(ステップT2;Yes)、入力操作に応じた数式がディスプレイ3のカーソル位置に入力されて表示される(ステップT3)。そして、色別コピーバッファ120Aに記憶された各変数が参照されて、入力済みの数式「y=8−2×3」,「y=2」に、変数「y」が存在すると判定される(ステップT9;Yes)。そして、該当の変数「y」に色別コピーバッファ120Aで対応付けられた対応色「赤色」が検出され、入力済みの数式における当該変数「y」が当該対応色「赤色」の色付きで識別表示される(ステップT10)。
【0149】
以上、本実施の形態によれば、図10のステップT20〜T23,T31〜T33や図11〜図14等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とが指定されると、指定された数式構成部分と色とが対応づけて色別コピーバッファ120Aに記憶されて、ディスプレイ3に表示された数式のうち、色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分がその対応色で識別表示され、色別コピーバッファ120Aにより数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とが指定されると、指定色に対応付けられた数式構成部分が指定位置にペーストされるとともに、当該指定色で識別表示されるので、色で識別表示された数式構成部分が数式中に存在する場合には、その色を指定して、入力位置を指定することにより、同じ数式構成部分を指定位置にペーストすることができる。従って、コピーされた数式構成部分が数式中に複数存在する場合であっても、各数式構成部分の識別色を指定することにより、当該数式構成部分をペーストすることができるため、コピーされた複数の数式構成部分を従来よりも容易にペーストすることができる。
【0150】
また、図10のステップT23や図11〜図14等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式のうち、色別コピーバッファ120Aにより記憶された数式構成部分と同値の各数式構成部分が当該数式構成部分の対応色で識別表示されるので、同値の数式構成部分を容易に把握することができる。
【0151】
また、図10のステップT16や図12(d)等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式が修正された結果、修正前の数式構成部分と、修正後の数式構成部分とが同値でなくなった場合に、当該修正後の数式構成部分についての識別表示が解除されて、表示内容が更新されるので、修正前の数式構成部分と、修正によって同値でなくなった数式構成部分とが同じ色で識別表示されてしまうのを防止することができる。従って、同値の数式構成部分を容易に把握することができる。
【0152】
また、図10のステップT10,T26や図11(b)、図13(b)等に示したように、ディスプレイ3に表示された数式から、色別コピーバッファ120Aに記憶された数式構成部分に対して等号で結ばれた変数が検出される場合には、当該変数が当該数式構成部分に対応付けて記憶され、ディスプレイ3に表示された数式のうち、数式構成部分に対応付けて記憶された変数が当該数式構成部分の対応色でそれぞれ識別表示されるので、数式構成部分と同値の変数を容易に把握することができる。
【0153】
また、図10のステップT43や図11(d)等に示したように、ディスプレイ3に識別表示された何れかの数式構成部分が指定されると、指定された数式構成部分に対して変数が対応付けられている場合に、当該数式構成部分が当該変数に置換されて表示されるので、数式構成部分と同値の変数についての入力を容易化することができる。
【0154】
また、図10のステップT46や図11(d)等に示したように、ディスプレイ3に識別表示された何れかの変数が指定されると、指定された変数が、当該変数に対して対応付けられた数式構成部分に置換されて表示されるので、変数と同値の数式構成部分についての入力を容易化することができる。
【0155】
なお、上記の実施の形態における関数電卓1の各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
【0156】
例えば、本発明に係る数式入力装置を関数電卓1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る計算プログラム130は、関数電卓1に対して着脱可能なメモリカード、CD等に記憶されることとしてもよい。
【0157】
また、ユーザが数式構成部分の範囲指定を行って、カラーチャート31の表示色の指定を行う場合に、カラーチャート31内で何れかの色領域を指定することとして説明したが、図8(a),(b)に示すように、範囲指定された数式構成部分の近傍にカラーチャート31の各列を抽出して拡大表示させ、この拡大表示された何れかの色領域を指定することで色指定を行うこととしても良い。ここで、図8(a)は、数式構成部分「2y+1」が範囲指定されたときに、その近傍にカラーチャート31の左端の列が拡大表示された状態を図示しており、図8(b)は、図8(a)に示した状態からユーザがポインタを右方向に動かしたときに、カラーチャート31における左端から2番目の列が拡大表示された状態を図示している。
【0158】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定手段と、
前記数式・色指定手段により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶手段と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定手段と、
前記色・入力位置指定手段による指定色に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定手段による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付手段と、
を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項2>
請求項1に記載の数式入力装置において、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分と同値の各数式構成部分を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
<請求項3>
請求項1または2に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段と、
前記数式表示手段に識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正された結果、修正前の数式構成部分と、修正後の数式構成部分とが同値でなくなった場合に、当該修正後の数式構成部分についての識別表示を解除して、前記数式表示手段に表示内容を更新させる修正数式部分識別表示解除手段を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の数式入力装置において、
カラーチャートを表示するカラーチャート表示手段を備え、
前記数式・色指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
<請求項5>
請求項4に記載の数式入力装置において、
前記色・入力位置指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することで、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
<請求項6>
請求項1〜5の何れか一項に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式表示手段により識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正される場合に、修正後の数式構成部分を、複数色のうち、当該数式・色対応情報記憶手段により修正前の数式構成部分に対応付けて記憶された対応色とは異なる色に対応付けて記憶することを特徴とする数式入力装置。
<請求項7>
請求項1〜6の何れか一項に記載の数式入力装置において、
前記数式表示手段により表示された数式から、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数を検出する変数検出手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数が前記変数検出手段によって検出される場合に、当該変数を当該数式構成部分に対応付けて記憶し、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された変数を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色でそれぞれ識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
<請求項8>
請求項7に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの数式構成部分を指定する数式構成部分指定手段と、
前記数式構成部分指定手段により指定された数式構成部分に対して前記数式・色対応記憶手段により変数が対応付けて記憶されている場合に、当該数式構成部分を当該変数に置換して表示させる数式構成部分・変数置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項9>
請求項7または8に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの変数を指定する変数指定手段と、
前記変数指定手段により指定された変数を、当該変数に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分に置換して表示させる変数・数式構成部分置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
<請求項10>
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定機能と、
前記数式・色指定機能により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶機能と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶機能により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶機能により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御機能と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶機能により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定機能と、
前記色・入力位置指定機能による指定色に対して前記数式・色対応記憶機能により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定機能による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0159】
1,1A 関数電卓
2 入力キー群
3 ディスプレイ
11 CPU
12,12A RAM
13,13A 記憶部
14 入力部
15 表示部
130,130A 計算プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定手段と、
前記数式・色指定手段により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶手段と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定手段と、
前記色・入力位置指定手段による指定色に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定手段による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付手段と、
を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の数式入力装置において、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分と同値の各数式構成部分を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段と、
前記数式表示手段に識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正された結果、修正前の数式構成部分と、修正後の数式構成部分とが同値でなくなった場合に、当該修正後の数式構成部分についての識別表示を解除して、前記数式表示手段に表示内容を更新させる修正数式部分識別表示解除手段を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の数式入力装置において、
カラーチャートを表示するカラーチャート表示手段を備え、
前記数式・色指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
【請求項5】
請求項4に記載の数式入力装置において、
前記色・入力位置指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することで、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式表示手段により識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正される場合に、修正後の数式構成部分を、複数色のうち、当該数式・色対応情報記憶手段により修正前の数式構成部分に対応付けて記憶された対応色とは異なる色に対応付けて記憶することを特徴とする数式入力装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の数式入力装置において、
前記数式表示手段により表示された数式から、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数を検出する変数検出手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数が前記変数検出手段によって検出される場合に、当該変数を当該数式構成部分に対応付けて記憶し、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された変数を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色でそれぞれ識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
【請求項8】
請求項7に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの数式構成部分を指定する数式構成部分指定手段と、
前記数式構成部分指定手段により指定された数式構成部分に対して前記数式・色対応記憶手段により変数が対応付けて記憶されている場合に、当該数式構成部分を当該変数に置換して表示させる数式構成部分・変数置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの変数を指定する変数指定手段と、
前記変数指定手段により指定された変数を、当該変数に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分に置換して表示させる変数・数式構成部分置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項10】
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定機能と、
前記数式・色指定機能により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶機能と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶機能により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶機能により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御機能と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶機能により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定機能と、
前記色・入力位置指定機能による指定色に対して前記数式・色対応記憶機能により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定機能による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定手段と、
前記数式・色指定手段により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶手段と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御手段と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定手段と、
前記色・入力位置指定手段による指定色に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定手段による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付手段と、
を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の数式入力装置において、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分と同値の各数式構成部分を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段と、
前記数式表示手段に識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正された結果、修正前の数式構成部分と、修正後の数式構成部分とが同値でなくなった場合に、当該修正後の数式構成部分についての識別表示を解除して、前記数式表示手段に表示内容を更新させる修正数式部分識別表示解除手段を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の数式入力装置において、
カラーチャートを表示するカラーチャート表示手段を備え、
前記数式・色指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
【請求項5】
請求項4に記載の数式入力装置において、
前記色・入力位置指定手段は、
ユーザ操作に基づいて、前記カラーチャート内で何れかの色を指定することで、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色を指定することを特徴とする数式入力装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式を修正する数式修正手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式表示手段により識別表示された数式構成部分が前記数式修正手段により修正される場合に、修正後の数式構成部分を、複数色のうち、当該数式・色対応情報記憶手段により修正前の数式構成部分に対応付けて記憶された対応色とは異なる色に対応付けて記憶することを特徴とする数式入力装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項に記載の数式入力装置において、
前記数式表示手段により表示された数式から、前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数を検出する変数検出手段を備え、
前記数式・色対応記憶手段は、
前記数式・色対応記憶手段により記憶された数式構成部分に等号で結ばれた変数が前記変数検出手段によって検出される場合に、当該変数を当該数式構成部分に対応付けて記憶し、
前記数式部分色識別表示制御手段は、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶手段により数式構成部分に対応付けて記憶された変数を、当該数式・色対応記憶手段により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色でそれぞれ識別表示させることを特徴とする数式入力装置。
【請求項8】
請求項7に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの数式構成部分を指定する数式構成部分指定手段と、
前記数式構成部分指定手段により指定された数式構成部分に対して前記数式・色対応記憶手段により変数が対応付けて記憶されている場合に、当該数式構成部分を当該変数に置換して表示させる数式構成部分・変数置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項9】
請求項7または8に記載の数式入力装置において、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により識別表示された何れかの変数を指定する変数指定手段と、
前記変数指定手段により指定された変数を、当該変数に対して前記数式・色対応記憶手段により対応付けて記憶された数式構成部分に置換して表示させる変数・数式構成部分置換手段と
を備えることを特徴とする数式入力装置。
【請求項10】
ユーザ操作に基づいて数式を入力する数式入力手段と、
前記数式入力手段によって入力された数式を表示する数式表示手段と、
を備えるコンピュータに、
ユーザ操作に基づいて、前記数式表示手段により表示された数式における何れかの数式構成部分と、複数色のうちの何れかの色とを指定する数式・色指定機能と、
前記数式・色指定機能により指定された数式構成部分と色とを対応づけて記憶する数式・色対応記憶機能と、
前記数式表示手段に表示された数式のうち、前記数式・色対応記憶機能により記憶された数式構成部分を、前記数式・色対応記憶機能により当該数式構成部分に対応付けて記憶された色で識別表示させる数式部分色識別表示制御機能と、
ユーザ操作に応じて、前記数式・色対応記憶機能により数式構成部分に対応付けて記憶された何れかの色と、新たな数式構成部分の入力されるべき位置とを指定する色・入力位置指定機能と、
前記色・入力位置指定機能による指定色に対して前記数式・色対応記憶機能により対応付けて記憶された数式構成部分を、当該色・入力位置指定機能による指定位置にペーストするとともに、当該指定色で識別表示させる色数式部分貼付機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−30146(P2013−30146A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252160(P2011−252160)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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