説明

数量的データ分析の運動補償及び治療

装置は、診断用スキャナ(102)及び処理プランナ(112)を含む。処理プランナ(112)は、対象に付与される処理を計画する。処理装置(114)は、処理計画にしたがって前記対象を処理する。処理スキャナ(108)は、処理セッションの間に前記対象を走査する。運動モデラー(116)は、前記対象の運動をモデル化するように処理走査からの情報を使用する。運動補償された数量的データ生成器(1004)は、前記対象の特徴を示す運動補償された数量的データを生成するように、診断(102)又は他のスキャナ(特徴ジオメトリ(1008)及び特徴運動(1006)情報と同様に)からのデータを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、対象への処理の適用に関連した運動追跡に関する。本願は、運動対象から得られる画像データの数量化にも関する。本願は、陽電子放射断層撮影(PET)データの数量化への特定の適用を見出した。本願はまた、医療治療の適用に関連して主な運動の実時間追跡を提供するためのPETデータの使用への特定の適用を見出した。
【背景技術】
【0002】
手術、化学療法及び放射線療法は、伝統的に医学腫瘍学の3つの主要な処理オプションであった。放射線療法の場合、強度調整された放射線療法(IMRT)装置は、処理オプションとして広範囲にわたり受け入れられた。近年、陽子又はイオンのような粒子を用いた粒子療法が、注意をひいている。放射線及び粒子療法の背後の原理は、付与される用量を最小化し、よって損傷を最小化しながら、健康な組織を囲むように、エネルギーの局所的な堆積によって腫瘍又は他の病変の死を誘導することであった。
【0003】
医学画像及び処理計画技術の進歩は、空間的に様々な処理計画の発展にも至った。このように、処理計画は、特定の状況の要件に合わせて、例えば、病変の比較的より積極的すなわち用量耐性領域に比較的より高い用量を付与することによって、より密接に調整されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
比較的静止した又は静的病変の場合、治療供給システムは、比較的高い空間精度を持つ所望の用量を概して供給することができる。しかしながら、残念なことに、定期的な呼吸又は心臓運動のような運動は、病変が運動目標として示されることがありえる。この種の運動の効果を補償し、臨床目標ボリュームが所望の用量を受けることを確実にするため、前記用量が比較的大きなボリュームに付与される、計画マージンが確立された。しかしながら、残念なことに、この種のアプローチは、付与されなければ健康であろう組織に有害でありえる。さらに、この種の運動はまた、空間的に変動する用量が腫瘍の所望の領域に付与される、精度を低減する傾向がある。
【0005】
内部微小な運動(すなわち、特定の処理部分の供給の間に起こる運動)を扱ういくつかのアプローチが、記述されている。呼吸でゲートして制御する供給において、用量供給は、測定された呼吸フェーズに従って(例えば、用量供給は、完全な呼気に対応する時間に限られるように)ゲートで制御された。他の技術では、X線管及びフラットパネルx線検出器は、線形加速器との既知の物理的な関係において、取り付けられ、当該検出器は内部解剖的なランドマークを示す。当該検出器は、解剖的運動を追跡し、よって腫瘍が、処理の間、生理的プロセス(例えば呼吸)のためどのように運動するのかの指示を提供する。他のアプローチにおいて、電磁トランスポンダが、治療部位において、又は、治療部位近くに移植される。トランスポンダ信号は、ローカライザによって検出され、位置情報が、処理の前にアイソセンターに患者の処理目標を登録するため、セラピストへの位置インストラクションを生成するために用いられる。処理の間、あらかじめ定められた閾値を越える位置についてのシフトを実時間でグラフをハイライトしながら、その定められた位置から前記目標のシフトを識別するために局地化情報を使用することが提案された。
【0006】
前述の技術の各々は、さまざまな欠点がある。例えば、ゲートで制御された用量供給は、拡張された処理時間になってしまう。さらに、この種のアプローチの空間精度は、目標領域の位置及び運動が推定される精度に依存する。目標の位置が1つの呼吸サイクルから次まで変化するので空間精度も低減される。x線検出器ベースの技術は、全般的な、非治療的なX線服用の適用を必要とし、また適切な解剖学的ランドマーク、位置及び運動を識別する能力にも依存し、これらは目標の病変のものと異なるかもしれない。トランスポンダ・ベースの技術は、浸潤性移植手順を必要とし、同様に位置及び運動が目標の位置のものに一致する位置にトランスポンダを移植する能力に依存する。
【0007】
上記議論は所望の処理が供給される精度に集中しているが、適切な処理の識別及び選択も重要な考慮となる。PETイメージングにおいて、平均標準取り込み値(SUV)は、疑わしい病状の数量的評価又は興味がある他の特徴を提供するために用いられてきた。SUVが、他の数量的及び質的な情報とともに、病状の又は興味がある他の特徴の評価(例えば、腫瘍が悪性であるか良好かどうかの評価)及び/又は処理の適当なコースの選択に影響するので、臨床医又は他のユーザに比較的正確なSUV情報を提供することが、通常望ましい。
【0008】
平均SUVは、特徴の測定された活動、付与される放射線用量及び患者重量のような要因の関数として、通常計算されている。潜在する放射線崩壊の統計的性質のため、所与のボクセルで測定される活動は、比較的雑音が多くあり、よって計算されるSUVの変動に至る。これらの変動の効果を減らすため、同じ解剖学的又は形態学的な構造に帰属しているボクセルは、比較的より大きな関心領域(ROI)を得るために結合される。より大きいROI上の活動は、このようにSUVを計算するために用いられる。残念なことに、画像獲得の間、より大きいROIの運動は活動測定の精度を劣化させ、SUV計算の精度を減らす。
【0009】
本出願の態様は、これらの事項その他に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本出願の一つの態様によると、装置は、処理目標が処理セッション中運動する当該処理目標を含む対象を示す投影データを取得するスキャナを含む。前記装置はまた、前記処理目標の運動をモデル化するために、前記処理セッション中に取得された投影データを使用する運動モデラーと、前記処理セッション中に前記目標を処理する処理装置とを含む。前記処理装置は、運動モデルの関数として適用された処理の空間的位置を変える。
【0011】
他の態様によると、コンピュータ可読格納媒体は、プロセッサにより実行されるとき、当該プロセッサが方法を実施させる命令を含む。前記方法は、対象の運動する目標に付与される処理のセッション中に、前記対象の関心領域で発生する放射線崩壊を示す投影データを選択するステップと、前記関心領域の特徴を識別するため、選択された投影データを使用するステップと、前記特徴の前記運動をモデル化するステップと、前記選択するステップ、前記選択された投影データを使用するステップ及びモデル化するステップを複数回前記処理のセッション中繰り返すステップとを有する。
【0012】
他の態様によると、方法は、対象の画像データを生成するステップと、目標の運動を表わす前記対象の関心領域を識別するように、生成された前記画像データを使用するステップとを含む。前記方法は更に、前記関心領域を示す前記対象の撮像検査で得られた生データを選択するステップと、前記目標の運動をモデル化するように選択された前記生のデータを使用するステップと、運動のモデルの関数として、前記目標へ付与するための処理の特性を調整するステップと、前記選択するステップ、前記選択された生のデータを使用するステップ、及び前記目標の運動と協働して前記特性を調整するために処理セッション中に実質的に実時間で調整するステップを繰り返すステップとを含む。
【0013】
他の態様によると、運動追跡装置は、周期的な生理的運動に従属する対象の病変に付与される処理のセッション中、前記対象の放射線崩壊を示す生のデータを取得する手段を含む。当該装置は、前記処理セッションの間、実質的に実時間の3つの空間的次元での前記病変の特性特徴の運動を追跡するために前記生データを処理する手段も含む。
【0014】
他の態様によると、装置は、対象の検査の間に検出された放射線崩壊を表わす空間的に変動する活動データを使用する運動補償された数量的データ生成器と、前記対象を示す数量的データを生成するための運動補償関数部とを有する。前記運動補償関数部は前記数量的データを生成するために前記活動データを使用する計算における運動アーティファクトで生じたエラーを補償する。
【0015】
他の態様によると、コンピュータ可読格納媒体は、コンピュータにより実行されるとき、当該コンピュータにより方法を実施させる命令を含む。当該方法は、対象の特徴を示す運動補償された数量的データを生成するために、前記対象の放射線崩壊を表わす空間的に変動する活動データを使用するステップを含む。当該使用するステップは、前記空間的に変動する活動データにおける運動アーティファクトにより導入されるエラーを補償する運動補償関数部を適用するステップを含む。
【0016】
他の態様によると、方法は、対象の病状を示す数量的データを生成するため放射線崩壊を示す空間的に変動する活動データを使用するステップと、前記空間的に変動する活動データの運動アーティファクトにより生じるエラーを補償する運動補償関数部にしたがって、前記数量的データを調整するステップとを含む。
【0017】
他の態様によると、方法は、対象を示す第1の画像データをユーザに提示するステップを含む。前記画像データは、複数の特徴を含む。当該方法は、第1の特徴を選択するステップと、第1の特徴を示す数量的データを生成するステップと、第2の特徴を選択するステップと、第2の特徴の運動を補償する運動補償された再構成を実施するステップとを含む。
【0018】
他の態様によると、装置は、対象を示す第1の画像データをユーザに提示する手段を含む。前記画像データは、複数の特徴を含む。前記装置はまた、第1の特徴を選択する手段と、第1の特徴を示す数量的データを生成する手段と、第2の特徴を選択する手段と、第2の特徴の運動を補償する運動補償された再構成を実施する手段とを含む。
【0019】
他の態様によると、運動補償された数量的データ生成器は、運動補償された数量的データを生成するために、対象の放射線崩壊の空間的分布を表わすデータを使用する。前記運動補償された数量的データ生成器は、前記空間的分布を表わす前記データ内の運動アーティファクトを補償するために、運動補償を適用する。
【0020】
本出願のなお更なる態様は、当業者によって以下の詳細な説明を読んで理解することによりわかるだろう。
【0021】
本発明は、さまざまな部品及び部品の配置、並びにさまざまなステップ及びステップの配置の形式でなされる。図面は、好ましい実施例を例示するためにだけあって、本発明を制限するものとして解釈されない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、診断及び処理システムのブロック図である。
【図2】図2は、運動モデラーのブロック図である。
【図3】図3は、中間画像を表す。
【図4】図4は、中間画像を生成するための技術の態様を表す。
【図5】図5は、運動追尾方法を表す。
【図6】図6は、運動モデラーのブロック図である。
【図7】図7は、ベクトルを表す。
【図8】図8は、測定された活動上の運動の効果を表す。
【図9】図9は、運動補償関数を表す。
【図10】図10は、運動補償された数量的データ生成器を表す。
【図11A】図11Aは、運動補償された数量的データ生成器を表す。
【図11B】図11Bは、データ構造を表す。
【図12】図12は、運動補償された数量的データ生成器を表す。
【図13】図13は、運動補償された数量的データ生成器を表す。
【図14】図14は、方法を表す。
【図15】図15は、特徴分析システムを表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、システム100は、第1のスキャナすなわち診断用スキャナ102、処理プランナ112、処理装置114及び第2のスキャナすなわち処理スキャナ108を含む。
【0024】
第1のスキャナ102は、検査の下、対象の内部を示す画像データを提供し、スキャナ・モダリティが、撮像されている対象の特徴、撮像され及び/又は処理されるべき領域などの要因に基づいて選択されている。好適なスキャナの例としては、対象(コンピュータ断層撮影(CT)、MRI、超音波(US)又は対象の構造に関する情報を提供するスキャナと同様に)に関する機能的な情報を提供する、陽電子放射断層撮影(PET)、単一光子排出断層撮影(SPECT)及び機能的な磁気共鳴映像法(fMRI)スキャナを含む。複数のモダリティからの情報が望ましいので、複数のスキャナが、備えられてもよい。複合型スキャナ、例えば組み合わされたPET/CT、SPECT/CT及びPET/MRスキャナも、考察される。
【0025】
図示されているように、第1のスキャナ102は、分析、反復的であるか、他の適切な再構築技術を使用して、検査の下、対象を示す容積データ又は像空間データを生成するため、画像検査の間に生成される生のすなわち投影データを再構成する再構成器106を含む。第1のスキャナ102が複数のモダリティを含むので、複数の再構成器106も備えてもよい。一つの実施例では、第1のスキャナ102及び再構成器106は、診断良質な画像を生成するために協働する。
【0026】
処理プランナ112は、処理目標に付与されるべき処理を計画するために、第1のスキャナ102からの画像データ及び/又は他の関連した情報を使用する。例えば、放射線腫瘍学において用いられる放射線治療プランシステム(RTP)の場合、処理計画は概して、腫瘍又は他の病変に付与されるべき空間的に様々な放射線量を含む。
【0027】
図1にて図示されるように、処理スキャナ108は、PETスキャナである。PETスキャナは、従来は、一般にリング、又は円筒形の検査領域120の周りに配置された複数の感光性の検出器118を含む。PET検査に関しては、陽電子を発している放射線を含むトレーサが、検査の下、対象に導入される。放射線が壊変するにつれて、発された陽電子は、陽電子対消滅として知られているように電子と相互に作用し、当該対消滅は、時間的に一致する511キロ電子ボルト(keV)のガンマ線の対を生成し、当該対は、反応のライン(LOR)122に沿って、実質的に逆の方向に進行する。スキャナ108が飛行時間(TOF)PETスキャナであるので、飛行時間検出器は、一致する光子の到達時間を測定し、結果として生じる情報は、LOR122に沿って対消滅の位置を推定するために用いられる。
【0028】
処理スキャナ108は、処理セッション又はセッションの一部中に検出される対消滅を示す生のすなわち投影データを生成するため、処理装置114と協働して動作する。リスト・モード獲得の場合、データは、所与の走査の間に検出される多くの対消滅のリストを含み、前記リストの項目は、LOR122の位置及び方向づけ、LOR122(特にTOFシステムの場合)に沿ったイベントの位置、対消滅が検出された時間、及び他の関連した情報を示す情報を概して含む。投影データは運動追跡のために主に使われるので、スキャナ108によってできる投影データは、診断画像を作るには不十分な品質でもよいことに留意されたい。
【0029】
再構成器110は、適切な反復的な、分析的な、又は他の再構成技術を使用して、生データを再構成するために備えられ、それ故、例えばモニタ、フィルム等を経た人間の認知可能な形の表示のために、対象を示す容積画像データを生成する。
【0030】
更に以下に記載されているように、運動モデラー116は、処理セッションの間、さもなければ処理目標の運動を追跡するための処理装置114による処理の応用の間、処理スキャナ108によって得られる投影データを使用する。より詳しくは、運動追跡は、処理セッションの進行にわたって目標を追跡するために、実質的に実時間に好ましくは実行される。
【0031】
運動が3つの空間次元においてモデル化されるので、運動トラック又はモデルは、以下の関係に従って表されることができる:
式1
P(t)=(x(t)、y(t)、z(t))
ここで、P(t)は、時間の関数として目標の又は他の関心領域の位置であり、x(t)、y(t)及びz(t)は、それぞれのx、y及びz軸に沿った関心領域の位置を表す。前記運動モデルは、絶対的位置以外に関して(例えば、位置の違い、速度、加速等に関して)及び他の所望の座標系に関して表されてもよい。
【0032】
処理領域119が少なくとも部分的に検査領域120に対応するようスキャナに関係して位置する処理装置114は、所望の処理を対象に付与するために、処理プランナ112及び運動モデラー116からの情報を使用する。より詳しくは、処理装置114は、付与された処理中、実質的に実時間において処理目標の運動を補償するため、運動モデルP(t)からの運動情報を使用する。
【0033】
図1にて図示したように、処理装置114は、付与された処理が処理プランナ112によって計算されたものに近いように、例えば、付与された量の空間的、時間的及び/又は、他の特性を変調することによって、対象に付与される処理の強度又は他の特徴を変調するモジュレータ121を含む。
【0034】
また腫瘍学の外部の放射線療法の実施例に関係して、処理装置114は、強度変調された放射線療法装置を含んでもよい。この種の装置は、概して、所望の放射線量を腫瘍に付与するために付与放射エネルギーを変調するため用いられるマルチリーフコリメータを含む。他の処理装置(線形加速器、粒子治療装置、無線周波数除去又は他の装置を含むが、これに限定されるものではない)及び高いフィールド超音波処理装置も、考察される。
【0035】
対象は、部分的に分けられた治療の場合複数の処理セッションのうちの1つである付与される処理に関連して、処理装置114及び処理スキャナ120のそれぞれの処理領域119、120に登録されるか又はさもなければ位置付けされる。処理されるべき対象及び当該処理の性質に応じて、この種の位置付けは、一部の対象(例えば、患者の頭部に付与されるべき治療の場合、共形フェースマスク)、他の制限又は他の適切な技術にかなう位置決め装置により基準マーカを介して容易となる。前記処理に関連して患者を最適に配置するため、他の位置決め補助と連動して単独で、運動モデルP(t)からの情報も使用されてもよい。
【0036】
ここで図2に戻って、運動モデラー116は、グルーパー252、フィルタ254、特性プロセッサ258及び位置決定器282を含む。上記の如く、運動モデラー116は、データが走査の間に得られるにつれて、実質的に実時間において、処理スキャナ108から、生のすなわち投影データを受信する。
【0037】
グルーパー252は、処理スキャナ108からの投影データを時間的グループにグループ化する。前記データが例えばリスト・モードPETデータを含むので、モデル化される運動の性質及びレート、所望の時間的解像度、対消滅カウント率、運動モデラー116の速度、並びに処理装置114が操縦できるか又はさもなければ付与される治療法をモジュレートできる率のような要素の関数として、グループの期間が通常確立されて、グルーパー252は、さまざまなLORを時間的グループにグループ化する。一つの実施例では、前記グループは、LORの数がグループによって異なって、各々同じ時間的期間を持つ。他の実施例では、時間的期間がグループで異なって、各グループは同じ数のLORを含む。他の実施例では、LORの時間的期間及び数は、制限範囲内で、変化することができる。
【0038】
フィルタ254は、好ましくは目標を含むユーザが決定した又は自動的に決定された関心領域(ROI)を横切らない投影データをフィルタリングするか又は無視する(すなわち、逆に言えば、横切る投影データを選択する)。また腫瘍アプリケーションのPETデータの実施例において、フィルタ254は、治療される腫瘍を含むROIと交差するこれらのLORを選択する。TOFデータが利用できるので、対消滅が前記ROIの外におそらくあるLORは放棄される。
【0039】
特性プロセッサ258は、特性特徴(例えばフィルタリングされたグループの投影データの質量中心又は他の中心機能)を決定する。図2の実施例に示すように、特性プロセッサ258のコントローラ260は、簡略化された再構成システム243にアクセスする。簡略化された再構成器243は、時間的グループに対応する部分的な画像を生成するために、フィルタリングされた投影データのさまざまなグループの局所的に圧迫された逆投影法を実行する。前記部分的な画像は、格納部品278(例えばメモリ)に格納される。
【0040】
一つの実施例ではさまざまな投影がROI256のボクセルを横切る距離が計算され、簡略化された再構成器243が計算された距離の関数としてボクセル値を更新する。簡略化された、それ故比較的より速い実施態様において、所与のボクセルの値はインクリメントされるか、さもなければ投影がボクセルを横切るたびに一様に増加する。これは、LOR264が、ROI256のボクセル266、268、270、272、274、及び276を横切るPETシステムの実施例の場合の図4に再び図示されている。利用できる場合、簡略化された再構成器243によって作られるボクセル加重がTOFデータを考慮してもよい点に留意する。
【0041】
図2に戻って、特性特徴生成器280は、質量中心、活動の中央又は部分的な画像の他の特性特徴を計算する。選択された簡略化された再構成技術に応じて、ROI256の外側の領域を示す投影データの効果を減らすため、前記特性特徴を計算するときに、前記ROIのボクセルのサブセットだけを考慮することが望ましい。これは、例えば、前記ROIの最大のボクセル値に対するユーザにより選択されたか又は他の所望のパーセンテージより少ない値を持つボクセルが考慮されない閾値化技術を介して達成される。
【0042】
運動決定器282は、運動モデルP(t)を生成するために、特性特徴データを使用し、前記運動モデルは処理装置114にアクセス可能な又はそうでなければ処理装置114に供給されるコンピュータ可読のメモリに保存される。運動決定器282は、例えば、一つ以上の過去の運動測定値を使用して1次又は高次の外挿推定を実行することによって、病変の将来の位置又は運動を予測するために運動データを使用することに注意されたい。明らかなように、前記プロセスは、走査中に得られる複数の時間的グループの各々から、実質的に実時間で繰り返される。
【0043】
図3は、ROI356の1つの実施例及び10個の連続した時間的グループに関連して簡略化された再構成器243によって生成される複数の中間画像3621―10を表し、運動モデルPn(t)は、グループごとに通常生成されるだろうことは理解されている。図3の実施例において、腫瘍320は、ROI356の一般に円形の、時計回りの運動を受ける。10個の中間画像362及び運動モデルPn(t)が説明のために図3に示されるが、他の数の時間的グループ及び/又は中間画像も生成されてもよい。図3がROI356の画像スライスを表すことも理解されるだろう。ROI356がボリュームを含むので、当該ボリュームをカバーしている中間画像が再構成されるだろう。
【0044】
図6は、類似の参照符号が図2に関係した上述のものと同様の項目を説明して、運動モデラー116の別の実施例を表す。
【0045】
図示するように、特性プロセッサ258は、フィルタ254によって生成されるフィルタリングされた投影データを受信するベクトル解析部品696を含む。またPETイメージングにおいて生成されるLORにおいて、各LORは、LOR上の点

及びその方向を記述する単位ベクトル

によって記載できるとみなされる。図7は、この種の2つのLOR、点

及び単位ベクトル

によって記載されている第1のLOR98及び点

及び単位ベクトル

によって記載されている第2のLOR100を例示する。
【0046】


は、第1の98及び第2の100のLORを接続している最も短い線分102の中心を表す。
式2

ここでdはLOR98及び100を接続している線分の長さであり、
式3

nは、LOR98及び100を接続している線分の方向に指している単位ベクトルであり、
式4

bは、以下によって定義される。
式5

図6に戻って、ベクトル解析部品696は、LORのn個の連続した対に対して一まとまりの点{C1、C2...Cn}を生成し、このことにより点の雲を生成する。平行のLOR又はx軸と直角をなすLORが別々に処理されることに注意されたい。
【0047】
特性特徴生成器280は、前記点の雲の中心、質量又は他の所望の特性特徴を決定する。所望ならば、質量中心を決定するとき、中心から離れた点は無視されてもよい。運動決定器282は、運動モデルP(t)を生成するために、再び特性特徴データを使用する。
【0048】
関心領域の運動を決定するための適切な技術は、「Local Motion Compensation Based on List Mode Data」と名付けられ、2006年2月28日に出願の共同所有された米国暫定特許出願番号第60/777,469号においても開示されていて、この出願は全て参照としてここにはっきり含まれる。運動モデルP(t)は、再構成された画像の運動を補償するために、再構成器110により用いられてもよい。例えば、PETスキャナからのデータの場合、運動モデルP(t)は、検出された運動を補償するため、ROIで起こるイベントを示すLORの位置を移すために用いることができる。それから、獲得したデータセットの全て又は所望の部分が、再構成される。
【0049】
バリエーションが、考察される。第1の102及び第2の108のスキャナが別々の装置として記述されているが、これらは全く同一の装置でもよい。第2のスキャナ108は、PETスキャナに制限されず、SPECT又は他のモダリティ・スキャナ、複合型モダリティ・スキャナ等でもよい。上記の技術はまた、腫瘍以外の医療用途に適用できるし、処理を運動対象に適用することが望ましい工業的に又は他の非医学的なアプリケーションに適用できる。
【0050】
また、上記の機能の一部又は全部が単一デバイスに結合されるか、又は複数の装置に分けられることができる点に注意されたい。例えば、運動モデラー116の一部もしくは全部は、スキャナ108の一部として実施されてもよく、再構成器106、110は、スキャナ102、108の一部として以外に実行されてもよい。当業者によっても理解されるように、上記のさまざまな技術は、適切なコンピュータ可読のメディアに保存されるコンピュータ可読命令により実行されてもよい。コンピュータプロセッサによって実行されるとき、命令はコンピュータプロセッサに、記載された技術を実行させる。
【0051】
上記の技術は、生のすなわち投影データが複数のごみ箱にソートされるか又は捨てられるような収集に適用されてもよい。この種の実施において、グルーパー252は、所望の時対応する再度捨てられたデータを収集するため、データ収集時に、又は、それに関連して動作するだろう。
【0052】
運動モデルを確立するために効果的に対象の特異性病変又は他の特徴を識別することが比較的困難であるという状況があるだろう。例えば、病変又は他の目標は、対象の運動によってぼやけて、斯様なぼやけはホットスポットの平均強度を減らす傾向にある。強度の減少は、潜在的に病変の非識別につながるか又はさもなければその検出を難しくする。従って、運動修正は、病変を含む又はその疑いが知られた領域に適用される。前記運動修正が比較的より弱い領域を強化する傾向があり、よって疑惑の領域の識別を補助するので、運動修正データは、所望の目標領域を識別するために分析される。
【0053】
前記ROIは、第2のすなわち運動ROIで確立されてもよく、当該ROI運動の運動は、目標の運動の適切な代用として役立つ。この種の装置は、目標に対する親和性を持つトレーサが比較的低い強度ホットスポットを生じる状況に、特によく適していて、処理スキャナ108が前記目標を撮像することに特にはよく適してはいないモダリティであるが、前記トレーサは、第2のROIに対して親和性を持つ。
【0054】
動作は、図5に関して記載されている。
【0055】
診断走査は502で得られ、処理計画は504で確立される。
【0056】
前記対象は、506で処理のため準備される。前記目標のための親和性を持つトレーサは、前記対象に導入される。また医学腫瘍のPETスキャナの実施例において、ガン病変の比較的より高い代謝率を示すFDGのようなトレーサは、患者の体内に導入される。患者も、目標が処理119及び検査120領域に最適に置かれるように、配置される。この点に関しては、処理スキャナ108は、前記対象の最初のスキャンを行うために用いられ、結果として生じる画像データが前記対象の位置決めを援助し及び/又はROIを決定するために用いられる。
【0057】
明らかなように、目標は、付与される処理のコース上の全体的か、周期的であるか、又は他の運動に従属してもよい。また患者の実施例としては、運動は、定期的な生理的運動(例えば呼吸であるか心臓運動、著しい患者の運動、例えば膀胱又は大腸を満たす生理的方法によって生じる位置シフト)又は他の原因に起因してもよい。
【0058】
処理スキャンは、508で行われる。投影データは、510で時間的にグループ化され、グループ化されたデータは、512でフィルタリングされ、特性特徴が514で識別され、前記特性特徴の位置が、516で決定される。518に示されるように、516を通るステップ508は、処理セッション中に実質的に実時間で繰り返される。
【0059】
運動補償された処理が520で付与され、特性特徴の決定された位置は、例えば、前記特性特徴の決定された位置との時間的協調して、付与された粒子、光子ビーム又はその他付与された処理をステアリング又はゲート制御することによって、前記目標の運動を補償するため用いられる。前記処理が付与され、前記処理スキャンが、時間的に並行して行われる(すなわち、検査及び処理のために最適に配置される対象を持って)一方、画像獲得及び処理アプリケーションは、ゲート制御されてもよいので、獲得及び処理が実行される時間の期間は相互に排他的、又は部分的に重複する等であることが理解されるだろう。
【0060】
一時的に図1に戻ると、処理プランナ112は、所望の処理を展開するために、スキャナ102からの画像データ及び/又は他の関連した情報を使用する。PET又はSPECTスキャナにおいて、例えば、前記情報は、数量的データ(例えば測定された活動の関数として、計算される平均SUV)を含んでもよい。実施例の平均SUV計算は、以下の通りに表されることができる。
式6

ここで、VROIはSUVが計算されるROIに帰属するボクセルのセットであり、|VROI|は関連するボリューム測定値であり、α(x)はボリューム又は像空間内の位置xでの測定された活動である。SUV計算に通常含まれるその他の要因(例えば放射線用量、患者の重量など)が説明の明快さのため式6から省略され、当業者によって直ちに組み込まれることができることは、留意されたい。
【0061】
式6は、以下の通りに書き直されることができる:
式7

ここで、a(x)は、測定時間Tの間の位置xでの測定された活動αの時間的平均である。
式8

【0062】
図8にここで戻ると、データ収集の間に発生している運動は、活動測定の不正確さ及びSUVの過小評価を導く。図8では、横座標すなわちx軸は、位置、すなわち画像又は計測空間の位置xを表す一方、縦座標すなわちy軸は、正規化された活動測定を表す。この説明のために、病変のような関心の特徴は、寸法802及びそのボリュームにわたって一様である正規化された活動α(x)=1を持つとみなされるだろう。
【0063】
曲線804は、病変が静止している場合における測定された活動α(x)を表し、他のエラー源は説明の明確のため無視されている。しかしながら、プロフィール806、808、810で示すように、活動測定α(x)は、病変運動によって影響されるだろう。プロフィール806は、運動の振幅が寸法802に等しい第1の状況を例示する。見て分かるように、測定された活動α(x)は、点812での実際の活動α(x)に等しい。プロフィール808は、運動の振幅が病変の寸法802より大きい第2の状況を例示する。見てわかるように、測定された活動α(x)のピークの値は実際の活動α(x)未満である。プロフィール810は、運動の振幅が病変の寸法より小さい第3の状況を例示する。見てわかるように、測定された活動α(x)は位置814の範囲に対する実際の活動α(x)に対応する。
【0064】
これらの変化は、運動アーティファクト(例えば減少したコントラスト及びぼやけ)につながる。第3の状況において、例えば、画像データは、測定された活動の時間的平均a(x)が大部分正しい中央領域を含む。しかしながら、中央領域(例えば、寸法814)の寸法は、過少に示されるだろう。いくらかより少ない中央領域(例えば、寸法814の外側であるが寸法802内部の領域)において、測定された活動の時間的平均a(x)は、実際の活動α(x)より低いだろう。さらにより少ない中央領域(例えば、寸法802の外側の領域)において、測定された活動α(x)(従って測定された活動の時間的平均a(x))は、実際の活動α(x)より大きい。さまざまな曲線804、806、808、810の分析から理解されるように、これらの運動効果の大きさは、病変サイズ及び運動特性の関数として、変化する。
【0065】
さらに、これらの運動効果は、適当なROIの識別を難しくする。例えば、病変サイズ及び運動が曲線810においてと同程度に表されるので、ROIの寸法が寸法814以下である場合、SUVは、正しく計算されるだろう。しかしながら、曲線806(例えば、病変が比較的より小さくて及び/又は運動が比較的より大きい場合)によって表される状況が接近するにつれて、寸法814は、減少する傾向があり、よって、SUV計算における統計ノイズを増加させる傾向がある。これに対し、ROIの寸法が寸法814より大きい場合、SUVは、過小評価されるだろう。曲線808によって表される状況が接近するにつれて、測定された活動α(x)が実際の活動α(x)と一致するROIは定められない。
【0066】
図8のさまざまな実施例において見られるように、計算された平均SUVは、選択されたROIの寸法によって分けられるそれぞれの曲線804、806、808、810の下の領域である。病変のサイズ及び運動並びに選択されたROIのサイズ及び位置に再び依存して、測定された活動の時間的平均a(x)が実際値未満である若干の確率があるので、式6に従って平均SUVを計算することは、SUVを過小評価する。
【0067】
病変のジオメトリ及び運動又は関心の他の特徴に関する情報が利用できると仮定するならば、運動補償された数量的なデータが生成できる。運動補償された平均SUV計算の第1の実施例が、振幅Aを持つ正弦波運動を受けて、活動α(x)=1及び半径r=1を持つ例示的均一な球体に対して説明されるだろう。特徴の中央の位置Pは、(正規化した)時刻

の関数として、記載できる:
式9
P=P(t)=y0+Asin(2πt)、
ここで、y0は前記球体の平均位置である。
【0068】
本実施例のために、選択されたROIは、半径rを持つ球体であるとみなされる。上記の式6の平均SUV計算は、以下の通りに表されることができる:
式10

ここで、|VROI|はROIのボリュームであり(すなわち本実施例に対しては4πr/3である)、V(t)は、位置P(t)及びROIの球体の交差のボリュームである。V(t)は球面及び/又は非球面ジオメトリ両方に対して容易に計算できることが理解されるだろう。
【0069】
式10からの値Sは、式6に従って計算されるSUVに適用されることができる運動補償された関数として見られることもでき、よって、運動補償された平均SUVを生成する:
式11

【0070】
前述の実施例のように、特徴が半径r=7mm及び振幅A=10mmを持つとみなされるだろう。なお、医学画像で、10mmの振幅は、隔膜の近くの病変(例えば、肺及び肝臓に存在する病変)において一般的である。このような場合には、上記の式6又は7に従って計算される平均SUVは、約2.5倍に過小評価されるだろう。
式12
SUVmean(r=7mm、A=10mm)=0.395
式6又は7に従って計算される平均SUVに約2.5の補償係数を乗算することは、運動補償された平均SUVを生じる。
【0071】
前述のことは、図9を参照してさらに一般的に例示され、ここで、横座標は、mmに対する対象の特徴の振幅Aを表し、縦座標は、式10で先に述べた通りに計算された運動補償された関数Sを表す。曲線902、904、906、908、910、912は、それぞれ5、7.5、10、15、20、及び30mmの半径持つ対象の特徴に対して式10に従って生成される運動補償された関数Sを例示する。見てわかるように、運動振幅Aが増加し、特徴サイズが減少するので、必要な運動補償は増加する傾向がある。
【0072】
第2の実施例の運動補償された平均SUV計算が、ここで説明される。説明の明快さのために、病変又は他の特徴は、小さい病変に対してはほぼ真である一様な活動αを持つとみなされるだろう。空間的に均一でない活動を持つより大きな病変又は特徴に対しては、病変又は特徴は、活動が実質的に一様である小区域に再分割されることができる。
【0073】
PET、SPECT又は他の検査において測定される病変(又は、小区域)の活動は、以下の通りに表される:
式13
Δ(x)=α・p(x)
ここで、Δ(x)は測定された活動であり、p(x)は、病変(又は、小区域)の活動が位置xにある間の獲得時間の一部である。関数p(x)(位置xでの病変の確率密度を表す)は、上記の通りに病変運動及び幾何学情報に基づいて計算される。
【0074】
明らかなように、目的は、通常、実際の活動αを決定することである。それ故、式13は、書き直されることができる:
式14

他の投射図から見ると、このとき、確率密度p(x)は、データ収集の間、病変の運動を補償する空間的に様々な運動補償された関数として役立つことができる。
【0075】
式11との類似によって、運動補償された平均SUVは、以下の通りに計算できる:
式15

病変が獲得の間に通過した全領域をROIが含む場合、統計信頼が改善される。
式16

バリエーションは、可能である。例えば、ROIは、p(x)が閾値τより大きいサブセット

だけを含むように頭を切って短くできる。
式17

この種の実施は、確率密度p(x)の見積り値が低い値で比較的信頼できない状況において特に魅力的である。振幅に関して比較的大きい病変又は他の特徴に対して、閾値τは1に又はその近くに設定でき、この場合ROIは、図8の領域814に対応する。
【0076】
運動補償された数量的データ計算を実行する装置が、図10に関して説明される。図示するように、運動補償された数量的データ生成器1004は、対象の特徴を示す運動補償された数量的データ1010を生成するために、PET、SPECT又は対象の他の検査の間に検出された放射線崩壊を表わす空間的に変化する活動データ1002、特徴運動情報1006及び特徴的ジオメトリ情報1008を使用する。前記対象が検査の間運動をするにつれて、それゆえに、空間的に様々なデータの運動アーティファクトが生じ、データ生成器1004が、数量的データの計算におけるエラーを誘導する運動アーティファクトを補償する。運動修正した数量的データ1010及び/又は他の関連した情報は、ユーザ・インタフェース1012(例えばコンピュータ実行のグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI))を介してユーザに提示される。
【0077】
特徴ジオメトリ1008は、さまざまなソースから情報を使用して推定される。一つの例として、適切な画像診断法(例えばCT、MR、US、X線、複合型画像診断法又は他のイメージング又は非イメージング検査モダリティ)を使用して行った対象の検査からのデータは、特徴のサイズ及び/又は形状を推定するために用いられる。特徴ジオメトリ1008も、活動データ1002から推定される。ユーザ・インタフェース(例えばユーザ・インタフェース1012又は他の適切な評価技術)を介して、手動でユーザによって、分割化又は他の特徴検出アルゴリズムを使用して、特徴ジオメトリ1008の評価が自動的に、又は、半自動的に実行されてもよいことに注意されたい。
【0078】
他の実施例として、特徴シミュレータが、活動データ1002にある特徴のものと類似の幾何学的な及び/又は運動特性を持つシミュレーションされた特徴を生成するために用いられる。さらに別の実施例として、特徴ジオメトリ1008は、関心の特徴についての演繹的な知識に基づいて推定されてもよい。腫瘍において、例えば、特により小さい病変の場合、球面ジオメトリは、病変の形状に合理的な近いものを提供できる。評価は、組み合わせてさまざまなソースからの情報を使用することにも注意されたい。
【0079】
特徴運動1006は、同様に、さまざまなソースからの情報を使用して推定される。一つの例として、運動1006は、関連した運動に適当である運動モニタを経由して推定される。医学的背景において、適切なセンサは、呼吸、心臓及び/又は、他の周期的であるか総体である運動のモニタを含む。運動は、適切なイメージング又は対象の他の検査からのデータ、対象及びその運動特性等についての演繹的な知識を使用して、推定されてもよい。
【0080】
運動補償された数量的データ生成器の第1の実行が、図11Aに関係して説明される。図示するように、運動補償された数量的データ生成器は、数量的データ生成器1102及び運動補償器1104を含む。数量的データジェネレータ1004は、運動によって誘発されたエラーを含む数量的データを生成する。また、前記数量的データが平均SUVを含む実施例において、前記平均SUVは、式6又は7に関係して、上記の通りに計算される。特徴ジオメトリ1008が図10に関連して上記の通りに推定されることに注意されたい。
【0081】
データ生成器1102から数量的データを受け取る運動補償器1104は、運動補償された数量的データ1010を生成するために、補償関数1106と協働して動作する。一つの実施例では、前記運動補償器は、式10に関して上記の通りに適切な運動補償関数Sを計算する。図11Bに図式的に図示される他の実施態様で、補償関数1106は、適切なコンピュータ可読のメモリに格納される参照テーブル又は他のデータ構造1150から得られる。より詳しくは、データ構造1150は、式10及び図9に関して上記の通りに計算される複数の運動補償値1152を含む。運動補償値1152は、特徴運動、特徴サイズ、特徴形状及び/又は他の関連した変数に従ってインデックスを付けられるか、又はアクセスされる。前記データ構造のさまざまなエントリ1152間の補間が、所望通り実行される。特徴運動1006が図10に関連して上記の通りに推定されることに注意されたい。
【0082】
例えば式11に関連して上記の通りの実施例のように、運動補償器1104は、補償関数1106を数量的データに適用する。運動補償された数量的データ1010は、単独で、又は、他の関連したデータと組み合わせて、ユーザ・インタフェース1012を介して、臨床医又は他のユーザに提示される。このように、例えば、前記数量的データは、活動データ1002、数量的データ生成器1102からの数量的データ、特徴ジオメトリ1008、補償係数又は特徴形状又は運動の表現の一つ以上と並行して提示される。他のバリエーションとして、ユーザは、病変サイズ又は運動、補償値又は他の関連したデータを入力して、確認して及び/又は、修正する機会を与えられる。
【0083】
運動補償された数量的データ生成器の他の実行が、図12に関係して説明される。図示するように、運動補償された数量的データ生成器1202は、運動補償された数量的データ1010を生成するため最尤生成器1204と連動して動作する。
【0084】
最尤生成器1204は、画像獲得の間、病変又は他の特徴が、例えば、上記の通りに確率密度p(x)を計算することによって、活動データ1002の空間内のさまざまな位置を訪れる確率又は最尤を決定するために、特徴ジオメトリ情報1008及び/又は特徴運動情報1006を使用する。運動補償された数量的データ生成器1202は、運動補償された数量的データを生成するために、活動データ1002及び最尤情報を使用する。最尤情報は、このように、活動データ1002の運動アーティファクトを補償する運動補償関数として役立つ。運動補償された数量的データ1010が運動補償された平均SUVを含むので、前記SUVは、式15に関して上記の通りに計算できる。前記特徴は複数の小区域を含むので、前記SUVの計算は、前記小区域の各々に対して実行され、結果は複合SUVを生成するために結合されることに留意されたい。運動補償された数量的データ1010及び/又は他の関連した情報は、ユーザ・インタフェース1012を介してユーザに提示される。
【0085】
運動補償されたデータ生成器の他の実施は、図13に関連して説明される。図示するように、システムは、図12に関して上述されたのと同様である。当該システムも、活動データ1002に存在する特徴1302に近い、シミュレーションされた、すなわち仮想特徴を生成する特徴シミュレータ1304を含む。一つの実施例では、特徴シミュレータ1304は、特徴パラメータ(例えば特徴活動情報、特徴ジオメトリ情報1308及び/又は実際の特徴1302に近い仮想特徴を作る特徴運動情報1306)を識別する。この種のシミュレーションは、例えば、適切な最適関数に従って活動、ジオメトリ1308及び/又は運動1306パラメータを反復して調整することによって、実行される。他の実施において、パラメータ1306、1308は、ユーザ・インタフェース1012を介してユーザによって調整され、シミュレーションされた特徴は、ユーザによる評価のため実際の特徴1302に関して、最適に示される。適切なシミュレーション技術は、名称が両方とも「Virtual Lesion Quantification」である2005年5月3日に出願の共有する米国の暫定特許出願番号第60/677,172号であって、2006年11月19日に公開された国際特許公開公報WO 2006/117706A1にも記述されて発表されていて、これらの出願及び公報は参照され全体として本願明細書に組み込まれるものとする。特徴シミュレータ1304及びそのオペレータインタフェースがデータ生成器1202及び/又は最尤生成器1204以外の異なるコンピュータで行ってもよいことに注意されたい。
【0086】
動作は、図14に関して説明される。
【0087】
検査の下、患者又は他の対象を示す活動データは、例えば核医学画像スキャンを介して、1402で得られる。少なくとも一部の対象は、前記走査の間、周期的又は全体的運動をする。
【0088】
1404で、活動データに存在する関心の一つ以上の特徴のジオメトリ及び/又は運動が、推定される。
【0089】
1406で、活動、ジオメトリ及び/又は運動情報が、関心の特徴を示す運動補償された数量的データを生成するために用いられる。前記運動補償されたデータは、データ取得及び/又は評価ステップから取り除かれる時間と場所で生成されることに注意されたい。
【0090】
1408で、前記運動補償されたデータが、人間の認知可能な形式にて示される。
【0091】
1410で、前記運動補償されたデータが、対象への付与のための適切な処理を計画するために用いられる。
【0092】
計画された処理が、付与される(1412)。一つの実施例では、当該処理は、上述の運動追跡を含む。他の実施例では、この種の追跡は、使用されない。前記処理は、処理計画動作から取り除かれる時間と場所で付与されてもよいことに注意されたい。
【0093】
前述の技術の他のアプリケーションが、図15に関して説明される。図示するように、システムは、コンピュータ補助検出(CAD)システム1502、特徴セレクタ1508、運動補償された再構成器1510、及び運動補償された数量的データ生成器1004を含む。
【0094】
CADシステム1502は、対象を示す画像データ1500に存在する疑わしい病変、病理学的又は他の特徴1506を識別する。画像データ1500は、複数の画像モダリティ、例えば複合型PET/CT、PET/MR、SPECT/CT又は他のシステムを使用して、生成されたデータを含むことに注意されたい。画像データ1500は、運動アーティファクトを含む。
【0095】
図示の例において、CADシステム1502は、例えば獲得したCT又はX線減衰データに基づいて、疑わしい小さな結節を識別する既知の肺結節検出システムとして設定される。場合によっては、CADシステム1502は、複数の疑わしい特徴1506を識別してもよい。これらの特徴は、信頼の様々な程度でもって識別されてもよいし、又は、さもなければ臨床医又は他のユーザにとっての様々な関心のものでもよい。
【0096】
一般に1504に示されるように、画像データ1500及び/又は識別された特徴1506の一つ以上が、例えばコンピュータ実行されるGUIを介して、ユーザに示される。提示された活動データが、呼吸又は他の運動のため運動アーティファクトを含むことに注意されたい。画像データ1500が多くのこの種の特徴1506を含み、このうちの幾つかは臨床医にとって興味が少ないので、特徴1506の全ての運動補償された再構成を実行することは、コンピュータ資源及び時間、システム複雑さ等に関して正当化されない。
【0097】
特徴セレクタ1508は、分析のためさまざまな特徴を選択する。一つの実施例では、全て又は第1のサブセットの特徴1506が、選択され、運動補償された数量的データ生成器1004が、データ収集の間、それらの特徴の運動に対する補償を含む運動補償された数量的データを生成する。特徴1506の第2のサブセットも選択され、運動補償された再構成器1510は、データ取得中にこれらの特徴1506の運動に対する補償を含む特徴の再構成を実行する。適切な運動補償された再構成技術は、例えば、2007年7月26日にMotion Correction in Nuclear Imagingという名称で出願した米国特許出願シリアル番号第60/951,968号に開示されていて、この出願はここに参照として組み込まれる。数量的データ及び運動補償された再構成は、ユーザインタフェースを介して所望のフォーマットで提示される。
【0098】
種々の特徴選択技術が考察されることに留意されたい。例えば、第1及び第2の特徴サブセットに含まれるべき特徴1506は、サイズ、活動又は他の特徴1506特徴、CADシステム1502が特定の特徴1506を疑わしいものと信頼度を持って識別した当該信頼度及び/又は他の選択基準の評価に基づいて、自動的に選択されてもよい。前記選択基準は、より更なる又はより詳細な評価(例えば、曖昧である又は特に疑わしい特徴)をより必要とするような特徴が第2のサブセットに含まれるように、通常確立されることに留意されたい。他の例として、第1及び/又は第2のサブセットに含まれるべき特徴1506がユーザにより識別され、よって選択される。特徴1506が医者又は他のユーザにより識別される場合、CADシステム1502は省略されてもよいことに留意されたい。
【0099】
前述の運動補償された技術は、病変の数量化又は呼吸及び/若しくは心臓運動に従属する器官にある他の特徴への特別な応用を見出す。この種の器官の非限定的な実施例としては、肝臓、肺及び心臓が挙げられるがこれらに限られない。前記技術は、周期運動に従属しない他の器官又は領域にも適用できる。例えば、前立腺は、膀胱の充填、腸のガスの蓄積などに起因する運動に従属してもよい。上記の技術がSUV計算に限定されず、特徴(例えば低酸素、アポトーシス及び潅流)を示す運動補償された数量的データの生成にも適用できることも、理解されるだろう。
【0100】
前記技術は、実時間運動追跡を使用する処理技術に関連する使用に限定されず、化学療法、目標の放射線療法、分子治療、内部及び/又は外部の放射線療法及びこの種の追跡がない場合の他の処理モダリティに関連して使用されてもよい。
【0101】
当業者によっても理解されるように、上記のさまざまな技術は、適切なコンピュータ可読のメディアに保存されるコンピュータ可読の指示として行ってもよい。コンピュータプロセッサによって実行されるとき、前記指示はコンピュータプロセッサに記載されている技術を実行させる。
【0102】
本発明は、好ましい実施例を参照して説明された。変更態様及び変更は、前の詳細な説明を読んで理解すると、他のものへ起こってもよい。本発明は、請求項又は当該請求項と同等のものの範囲内にあるすべてのこの種の変更態様及び変更を含むものとして解釈されることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理セッション中、運動する処理目標を含む対象を示す投影データを取得するスキャナと、前記処理目標の運動をモデル化するために、前記処理セッション中に取得された投影データを使用する運動モデラーと、前記処理セッション中に前記処理目標を処理する処理装置とを有し、前記処理装置は、運動モデルの関数として、付与される処理の空間的位置を変える、装置。
【請求項2】
前記投影データは、前記目標内の放射線崩壊を示すデータを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記投影データは、リストモード陽子対消滅データである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記運動モデラーは前記目標の前記運動をモデル化し、前記処理装置は略実時間で前記処理の前記空間的位置を変えることにより、前記付与される処理の前記空間的位置が、前記目標の空間的位置を追跡する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記運動モデラーは、前記処理セッション中に、複数回活動の中心の運動をモデル化する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記運動モデラーは、空間3次元で前記目標の運動をモデル化する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記運動モデラーは、前記目標の運動に対する代用として役立つ領域の運動をモデル化する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記対象の関心領域を示す投影データを識別するため、前記投影データをフィルタリングするフィルタと、前記関心領域の特徴を識別するため、フィルタリングされた前記投影データを処理する特徴プロセッサとを含み、前記フィルタ及び前記特徴プロセッサは、前記処理セッション中に、複数回の各々で前記特徴を識別するように動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記処理セッション中に、複数回前記フィルタリングされた投影データを再構成する再構成器を含む請求項8に記載の装置であって、前記特徴プロセッサは、前記特徴を識別するために再構成されたデータを使用する、装置。
【請求項10】
前記フィルタは、前記関心領域を交差する投影データを識別する、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記投影データは応答のラインを含み、前記運動モデラーは前記応答のラインの間の距離を計算する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記運動モデラーは、位置、速度及び加速度の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
プロセッサにより実行されるとき、当該プロセッサが方法を実施させる命令を含む、コンピュータ可読格納媒体であって、前記方法は、対象の運動する目標に付与される処理のセッション中に、前記対象の関心領域で発生する放射線崩壊を示す投影データを選択するステップと、前記関心領域の特徴を識別するため選択された投影データを使用するステップと、前記特徴の前記運動をモデル化するステップと、前記選択するステップ、前記選択された投影データを使用するステップ及び前記モデル化するステップを複数回前記処理のセッション中繰り返すステップとを有する、コンピュータ可読格納媒体。
【請求項14】
前記処理を付与する処理装置にアクセス可能なコンピュータ可読メモリに前記運動モデルを格納するステップを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項15】
前記投影データがレビンされた投影データを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項16】
前記投影データを選択するステップは、前記関心領域と交差しない投影データを捨てるステップを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項17】
前記目標は病変を含み、前記特性特徴は前記病変の特性特徴を含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項18】
選択された前記投影データを使用するステップは、前記選択された投影データを背面投影するステップと、前記特性特徴を識別するため背面投影されたデータを使用するステップとを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項19】
前記投影データは陽電子対消滅を示す応答のラインを含み、前記選択された投影データを使用するステップは応答の第1のラインと応答の第2のラインとの間の距離を決定するステップを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項20】
前記特性特徴の運動をモデル化するステップは、前記特性特徴の空間的位置を決定するステップを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項21】
前記特性特徴の運動をモデル化するステップは、前記特性特徴の予期される運動を予想するように、前記処理中に生成される運動モデルを使用するステップを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項22】
前記繰り返すステップは、投影データを選択するステップと、選択された投影データを使用するステップと、前記特性特徴の運動を追跡するために実質的に実時間で複数の回数モデル化するステップとを繰り返すことを含む、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項23】
前記運動は、全体的な対象運動、非周期的な生理的運動及び周期的な生理的運動の少なくとも一つによるものである、請求項13に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項24】
対象の画像データを生成するステップと、目標の運動を表わす前記対象の関心領域を識別するように、生成された前記画像データを使用するステップと、前記関心領域を示す前記対象の撮像検査で得られた生データを選択するステップと、前記目標の運動をモデル化するように選択された前記生のデータを使用するステップと、運動のモデルの関数として、前記目標へ付与するための処理の特性を調整するステップと、前記選択するステップ、前記選択された生のデータを使用するステップ、及び前記目標の運動と協働して前記特性を調整するために処理セッション中に実質的に実時間で調整するステップを繰り返すステップとを有する、方法。
【請求項25】
前記生成された画像データを使用するステップは、ボリュームを含む前記関心領域を示すユーザ入力を受けるステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記関心領域は前記目標を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記生のデータは投影を含み、前記選択するステップは前記関心領域と交差しない投影を捨てるステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
生のデータが放射線崩壊を示すデータを含み、選択された生のデータを使用することは関心領域の活動の中心を決定するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
調整するステップは、付与される処理の空間的位置を調整するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
周期的な生理的運動に従属する対象の病変に付与される処理のセッション中、前記対象の放射線崩壊を示す生のデータを取得する手段と、前記処理セッションの間、実質的に実時間の3つの空間的次元での前記病変の特性特徴の運動を追跡するように前記生データを処理する手段とを有する、運動追跡装置。
【請求項31】
追跡された運動の関数として、エネルギーの局地的堆積を介して、前記処理セッション中、前記病変を処理する手段を含む請求項30に記載の装置。
【請求項32】
対象の目標に付与される処理のセッションの間に取得される生のデータであって、前記対象の関心領域を示す当該生のデータを前記セッションの間に選択するステップであって、前記関心領域の運動が前記目標の運動を表わす当該選択するステップと、前記目標の運動をモデル化するために選択された生のデータを使用するステップと、前記運動のモデルの関数として、前記付与される処理の特性を調整するステップと、前記処理のセッション中、これら選択するステップ、使用するステップ及び調整するステップを繰り返すステップとを有する方法。
【請求項33】
前記関心領域が前記目標を含む請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記処理は、前記目標へのエネルギーの局地的付与を含み、前記調整するステップは前記エネルギーが付与される空間的位置を調整するステップを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
対象の検査の間に検出された放射線崩壊を表わす空間的に変動する活動データを使用する運動補償された数量的データ生成器と、前記対象を示す数量的データを生成するための運動補償関数部とを有し、前記運動補償関数部は、前記数量的データを生成するために前記活動データを使用する計算における運動アーティファクトで生じたエラーを補償する、装置。
【請求項36】
前記数量的データは、標準取り込み値を含む、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記対象を示す第1の数量的データを生成するため前記活動データを使用する数量的データ生成器と、前記第1の数量的データに前記運動補償関数部を適用する運動補償器とを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
前記運動補償関数部を含むルックアップテーブルとコンピュータ可読格納媒体とを含み、前記ルックアップテーブルが前記媒体により格納される、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記運動補償された数量的データは、前記対象の特徴を示し、前記運動補償器は前記特徴の運動及びジオメトリの関数として運動補償関数部を計算させる、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記運動補償関数部は、空間的に変動する最尤関数部(p(x))を含む、請求項35に記載の装置。
【請求項41】
前記数量的データは、関数部

にしたがって生成された平均標準取り込み値を含む、請求項35に記載の装置。
【請求項42】
前記数量的データは、前記対象の特徴を表わす数量的データを含み、前記対象の前記特徴に近似するシミュレーションされた特徴を生成する特徴シミュレータを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項43】
前記数量的データは、前記対象の特徴を表わすデータを含み、前記特徴のジオメトリ及び運動を評価する手段を含む、請求項35に記載の装置。
【請求項44】
前記運動アーティファクトは、前記対象の生理的運動により生じるぼやけを含む、請求項35に記載の装置。
【請求項45】
コンピュータにより実行されるとき、対象の特徴を示す運動補償された数量的データを生成するために、前記対象の放射線崩壊を表わす空間的に変動する活動データを使用するステップを含む方法を当該コンピュータにより実施させる命令を含むコンピュータ可読格納媒体であって、当該使用するステップは、前記空間的に変動する活動データにおける運動アーティファクトにより導入されるエラーを補償する運動補償関数部(p(x))を適用するステップを含む、コンピュータ可読格納媒体。
【請求項46】
前記方法は、第1の数量的データを生成するため前記活動データを使用するステップと、前記運動補償関数部を第1の数量的データに適用するステップとを含む、請求項45に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項47】
前記方法は、第1の数量的データと前記運動補償された数量的データとをユーザに提示するステップを含む、請求項46に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項48】
前記方法は、前記補償関数部の値を決定するように前記活動データを生成するために使用される投影データの取得の間、前記特徴の推定される運動を使用するステップを含む、請求項45に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項49】
前記方法は、前記補償関数部の値を決定するため、前記特徴の推定されるボリュームを使用するステップを含む、請求項45に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項50】
前記方法は、空間的に変動する補償関数部(p(x))にしたがって、前記空間的に変動する活動データにおける複数の位置に対して、前記空間的に変動する活動データを調整するステップを含む、請求項45に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項51】
前記方法は、前記空間的に変動する補償関数部を生成するために、特徴運動情報及び特徴ジオメトリ情報を使用するステップを含む、請求項50に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項52】
p(x)が前記空間的に変動する補償関数部であり、τが閾値である、関数

に対するボリュームにわたって調整された空間的に変動する活動データを積分するステップを含む、請求項50に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項53】
前記空間的に変動する補償関数部は空間的に変動する確率密度を含む、請求項50に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項54】
前記方法は、前記特徴をシミュレートするステップと、前記特徴のパラメータを推定するため前記シミュレーションの結果を使用するステップとを含む、請求項45に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項55】
前記パラメータは、特徴運動又は特徴ジオメトリを含む、請求項53に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項56】
前記特徴は、肺病変又は肝臓病変を含む、請求項45に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項57】
対象の病状を示す数量的データを生成するため放射線崩壊を示す空間的に変動する活動データを使用するステップと、前記空間的に変動する活動データの運動アーティファクトにより導入されるエラーを補償する運動補償関数部にしたがって、前記数量的データを調整するステップとを有する方法。
【請求項58】
前記調整するステップの前に前記使用するステップを実施することを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記調整するステップは、最尤関数に従って、測定された活動値を調整するステップを含む、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記病変は前立腺病変を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項61】
対象の検査中に、検出される放射線崩壊から生成される活動データに関連して使用されるとき、前記対象の特徴を示す数量的データを生成するために、前記活動データを使用する計算における運動アーティファクトによるエラーを補償する、複数の運動補償値を含むデータ構造を含む、コンピュータ可読格納媒体。
【請求項62】
前記データ構造内の前記運動補償値が、前記特徴の運動にしたがって、インデックスを付けられる、請求項61に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項63】
前記データ構造内の前記運動補償値が、前記特徴のサイズにしたがって、インデックスを付けられる、請求項62に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項64】
前記データ構造内の前記運動補償値が、前記特徴の形状にしたがって、インデックスを付けられる、請求項62に記載のコンピュータ可読格納媒体。
【請求項65】
複数の特徴を含む、対象を示す第1の画像データをユーザに提示するステップと、第1の特徴を選択するステップと、第1の特徴を示す数量的データを生成するステップと、第2の特徴を選択するステップと、第2の特徴の運動を補償する運動補償された再構成を実施するステップとを有する方法。
【請求項66】
前記第2の特徴を選択するステップは、ユーザにより識別される特徴を選択するステップを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
特徴の特性を評価するステップを含む請求項65に記載の方法であって、前記第2の特徴を選択するステップは、前記評価の結果に基づいて、第2の特徴を選択するステップを含む、方法。
【請求項68】
前記特徴は、疑わしい肺病変を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項69】
前記特徴を識別するためにコンピュータ補助検出システムを使用するステップを含む、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
前記数量的データは、運動補償取り込み値を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
複数の特徴を含む、対象を示す第1の画像データをユーザに提示する手段と、第1の特徴を選択する手段と、第1の特徴を示す数量的データを生成する手段と、第2の特徴を選択する手段と、第2の特徴の運動を補償する運動補償された再構成を実施する手段とを有する装置。
【請求項72】
運動補償された数量的データを生成するために、対象の放射線崩壊の空間的分布を表わすデータを使用する運動補償された数量的データ生成器であって、前記空間的分布を表わす前記データ内の運動アーティファクトを補償するために、運動補償を適用する、運動補償された数量的データ生成器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2010−517672(P2010−517672A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549069(P2009−549069)
【出願日】平成19年10月16日(2007.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/081456
【国際公開番号】WO2008/127368
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】