整備情報表示装置、整備情報表示方法、及びプログラム
【課題】整備対象の全体と部分の整備情報を表示可能な整備情報表示装置を提供する。
【解決手段】整備対象の全体特徴情報と、整備対象の全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部11と、整備対象の部分の部分特定情報と、整備対象の部分の部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部12と、撮影指示を受け付ける受付部13と、受け付けられた撮影指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部14と、撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部16と、全体特徴情報が特定された場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、部分特定情報が特定された場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部21とを備える。
【解決手段】整備対象の全体特徴情報と、整備対象の全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部11と、整備対象の部分の部分特定情報と、整備対象の部分の部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部12と、撮影指示を受け付ける受付部13と、受け付けられた撮影指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部14と、撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部16と、全体特徴情報が特定された場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、部分特定情報が特定された場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部21とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整備対象に関する情報を表示する整備情報表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、整備対象機器に装着された発光型RFIDタグを用いて、整備対象機器に関連する表示情報の表示位置を算出し、その算出した表示位置に表示情報を表示する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−18188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例においては、整備対象機器に対応する表示情報を表示することはできるが、それよりも細かい表示を行うことができないという問題がある。例えば、整備対象装置の全体に対して、整備等の際に注意しなければならない事項や、整備の手順等を表示することはできるが、その装置の部分について、整備に関する情報を表示することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、整備対象そのものについてだけでなく、整備対象の部分についても整備に関する情報を表示することができる整備情報表示装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による整備情報表示装置は、整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部と、撮影の指示を受け付ける受付部と、受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部と、撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部と、特定部が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部と、を備えたものである。
このような構成により、整備対象に対して、全体整備情報を表示することができ、整備対象の部分に対して、部分整備情報を表示することができる。その結果、整備対象の細かい部分についても、詳細な整備の情報を表示することができるようになり、整備対象の整備を適切に支援することができるようになる。
【0007】
また、本発明による整備情報表示装置では、表示部は、特定部が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を、撮影部が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分に対応付けて表示し、特定部が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を、撮影部が取得した撮影画像における部分特定情報で特定される部分に対応付けて表示してもよい。
このような構成により、表示された整備に関する情報が、撮影されたどの部分に対応するものであるのかを容易に把握することができるようになる。
【0008】
また、本発明による整備情報表示装置では、全体特徴情報は、整備対象の全体の画像であってもよい。
このような構成により、整備対象の全体の画像と、撮影画像との適合を判断することによって、整備対象の全体に対応する整備の情報を表示することができるようになる。
【0009】
また、本発明による整備情報表示装置では、部分特定情報は、整備対象の部分に関する特徴の情報であってもよい。
【0010】
また、本発明による整備情報表示装置では、部分特定情報は、整備対象の部分の画像であってもよい。
このような構成により、整備対象の部分の画像と、撮影画像との適合を判断することによって、整備対象の部分に対応する整備の情報を表示することができるようになる。
【0011】
また、本発明による整備情報表示装置では、前記受付部は、拡大・縮小の指示も受け付けるものであり、前記表示部は、前記撮影部が撮影した撮影画像を表示するものであり、
前記表示部が表示する撮影画像は、前記受付部が受け付けた拡大・縮小の指示に応じてズームイン・ズームアウトが行われ、前記部分特定情報は、整備対象の全体における領域を示す情報であり、前記特定部は、撮影画像と適合する全体特徴情報を特定した後に、当該全体特徴情報に適合する部分の一部にズームインされた場合に、当該ズームインされた領域を示す部分特定情報を特定してもよい。
このような構成により、整備対象の全体の特定の後に整備対象の部分が特定されるため、整備対象の部分をいきなり特定する場合よりも精度の高い特定が可能となる。
【0012】
また、本発明による整備情報表示装置では、全体整備情報は、整備の手順に関する情報であってもよい。
このような構成により、例えば、まず、整備対象の全体に対応して、全体整備情報である整備の手順に関する情報を表示し、その後に、整備対象の各部分に対応して、部分整備情報である設定等の細かい情報を表示することができうる。
【0013】
また、本発明による整備情報表示装置では、受付部は、整備対象に対する整備の終了をも受け付けるものであり、整備対象を識別する整備対象識別情報と、整備対象から次の整備対象までのルートを示すルート情報とを有する整備ルート情報が1以上記憶される整備ルート情報記憶部をさらに備え、表示部は、受付部が整備の終了を受け付けた場合に、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示をも行ってもよい。
このような構成により、整備ルート情報に応じて、順次、整備対象の位置をナビゲートすることができるようになり、整備業務を支援することができる。
【0014】
また、本発明による整備情報表示装置では、同じ整備対象に対応する、全体特徴情報と部分特定情報とを対応付ける情報である親子関係情報が記憶される親子関係情報記憶部をさらに備え、前記特定部は、撮影画像(これを第1の撮影画像とする)と適合する全体特徴情報を特定した後に、当該撮影画像と別の撮影画像(第2の撮影画像とする)に適合する部分特定情報の特定を行う場合には、前記第2の撮影画像に適合する部分特定情報を、前記第1の撮影画像と適合した全体特徴情報と親子関係情報で対応付けられる部分特定情報から特定してもよい。
このような構成により、異なる整備対象に類似する部分が存在する場合であっても、その部分特定情報の特定時の誤判断を低減させることができるようになり、より正確な部分整備情報の表示が可能となる。また、適合の判断を行う部分特定情報が絞り込まれることになるため、処理スピードも向上することになる。なお、第2の撮影画像は第1の撮影画像の直後に撮影された撮影画像であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。後者の場合には、例えば、いずれかの全体特徴情報に適合する撮影画像が取得されると、その撮影画像が第1の撮影画像となり、その後、いずれかの全体特徴情報に適合する撮影画像が取得されるまでは、取得された撮影画像はすべて第2の撮影画像となってもよい。したがって、例えば、第1の撮影画像が取得された後に、別の撮影画像が取得された場合に、その撮影画像がいずれかの全体特徴情報と適合するかどうか判断し、適合するときには、その撮影画像が新たに第1の撮影画像となり、適合しないときには、その撮影画像を第2の撮影画像として、第1の撮影画像と適合した全体特徴情報に対応する部分特定情報から、第2の撮影画像に適合する部分特定情報の特定を行ってよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明による整備情報表示装置等によれば、整備対象の全体についても、また部分についても整備の情報を表示でき、整備対象の整備を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1による整備情報表示装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態による整備情報表示装置の動作を示すフローチャート
【図3】同実施の形態による整備情報表示装置の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態における全体情報の一例を示す図
【図5】同実施の形態における全体特徴情報の一例を示す図
【図6】同実施の形態における部分情報の一例を示す図
【図7】同実施の形態における部分特定情報の一例を示す図
【図8】同実施の形態における整備ルート情報の一例を示す図
【図9】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図10】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図11】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図12】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図13】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図14】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図15】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図16】同実施の形態における親子関係情報の一例を示す図
【図17】同実施の形態における全体特徴情報における複数の部分に対応した領域の一例を示す図
【図18】同実施の形態における部分情報の他の一例を示す図
【図19】同実施の形態における3次元の整備情報の一例を示す図
【図20】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【図21】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による整備情報表示装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による整備情報表示装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による整備情報表示装置は、整備対象の全体及び部分に対して、整備に関する情報を表示するものである。
【0019】
図1は、本実施の形態による整備情報表示装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による整備情報表示装置1は、全体情報記憶部11と、部分情報記憶部12と、受付部13と、撮影部14と、撮影画像記憶部15と、特定部16と、現在位置取得部17と、地図情報記憶部18と、整備ルート情報記憶部19と、表示部21とを備える。なお、整備情報表示装置1は、例えば、撮影機能や地図表示機能、ナビゲーション機能等を有する携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)であってもよく、PND(Personal Navigation Device)であってもよい。
【0020】
全体情報記憶部11では、1以上の全体情報が記憶される。全体情報は、整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、その整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する情報である。1個の全体情報に含まれる全体特徴情報と、全体整備情報とは、同じ整備対象に対応する情報である。整備とは、例えば、保守であってもよく、維持や管理のために行われる処理であってもよく、修理であってもよく、整備対象を整えるためのその他の処理であってもよい。整備対象とは、何らかの整備の対象となるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、ある装置や機械であってもよく、ビル等の建築物やプラント等であってもよい。また、整備対象は、プラントやシステム等の全体であってもよく、あるいは、一部であってもよい。例えば、大規模なプラントの配管部分が整備対象であってもよく、そのプラント用の電源装置が整備対象であってもよい。また、A装置、B装置、C装置からなるシステムにおける各装置が整備対象であってもよい。全体特徴情報は、撮影画像において整備対象を特定するために用いられる情報であり、例えば、整備対象の全体の画像であってもよく、その整備対象の全体の画像から抽出された、その整備対象の特徴量(例えば、輪郭を示す情報や、コーナー検出等によって検出されたコーナー点や、線の端点、分岐点、交差点等である特徴点を示す情報などの画像のパターンマッチングで用いられる整備対象の特徴を示す情報)であってもよい。全体整備情報は、整備対象の全体に対応する整備に関する情報であり、例えば、整備の手順に関する情報であってもよく、整備対象の全体に対応する内部構造を示す情報であってもよく、整備対象の全体に対応する設定値や、出力に関する理論値や標準値、整備に関するその他の情報であってもよい。整備の手順に関する情報は、例えば、整備を行う部分の順番を示すものであってもよく、整備で行う処理を順番に示すものであってもよく、その他の整備の手順に関する情報であってもよい。また、整備対象の全体に対応する内部構造を示す情報は、例えば、内部構造を示す2次元の画像であってもよく、内部構造に対応した3次元コンピュータグラフィックスの情報であってもよく、その他の内部構造を示す情報であってもよい。設定値は、例えば、整備対象に設定する値であってもよい。また、理論値や標準値は、例えば、整備対象が出力する値の理論的な理想値や、経験に基づいた標準的な値であってもよい。また、全体整備情報は、例えば、整備の処理を開始するときに入力しなければならないパスワード等であってもよい。なお、全体情報は、通常、全体特徴情報と全体整備情報とを一対一に対応付ける情報であるが、全体情報は、複数の全体特徴情報と、1個の全体整備情報とを対応付ける情報であってもよい。すなわち、全体特徴情報と、全体整備情報とは、多対一の関係であってもよい。例えば、複数方向の画像に対応した複数の全体特徴情報と、1個の全体整備情報とが対応付けられていてもよい。その場合には、例えば、1個の全体情報に、複数の全体特徴情報と、1個の全体整備情報とが含まれていてもよい。例えば、ある整備対象について、正面の画像である全体特徴情報、右側面の画像である全体特徴情報、左側面の画像である全体特徴情報、平面(上面)の画像である全体特徴情報、背面の画像である全体特徴情報と、全体整備情報とを有する全体情報が存在してもよい。
【0021】
全体情報記憶部11に1以上の全体情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上の全体情報が全体情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上の全体情報が全体情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上の全体情報が全体情報記憶部11で記憶されるようになってもよい。全体情報記憶部11での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。全体情報記憶部11は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。また、全体特徴情報や全体整備情報は、全体特徴情報や全体整備情報そのものであってもよく、あるいは、全体特徴情報等が格納されている位置を示すポインタやアドレスであってもよい。他の情報についても同様であるとする。
【0022】
部分情報記憶部12では、1以上の部分情報が記憶される。部分情報は、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、その整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する情報である。1個の部分情報に含まれる部分特定情報と、部分整備情報とは、同じ整備対象の部分に対応する情報である。整備対象の部分は、整備対象の少なくとも一部である。例えば、整備対象が装置や機械である場合に、その装置や機械を構成する一つのユニットが整備対象の部分であってもよい。また、例えば、整備対象がプラントの電源装置である場合に、その電源装置の表示パネルが整備対象の部分であってもよい。部分特定情報は、例えば、整備対象の部分に関する特徴の情報であってもよい。その整備対象の部分に関する特徴の情報は、整備対象の全体が部分となった以外、全体特徴情報と同様の情報である。その整備対象の部分に関する特徴の情報は、撮影画像において整備対象の部分を特定するために用いられる情報であり、例えば、整備対象の部分の画像であってもよく、その整備対象の部分の画像から抽出された、その整備対象の部分の特徴量であってもよい。また、部分整備情報は、整備対象の部分に対応する整備に関する情報であり、整備対象の全体が部分となった以外、全体整備情報と同様のものである。部分整備情報は、例えば、整備対象の部分に対応する内部構造を示す情報であってもよく、整備対象の部分に対応する設定値や、出力に関する理論値や標準値、整備に関するその他の情報であってもよい。なお、部分情報も全体情報と同様に、通常、部分特定情報と部分整備情報とを一対一に対応付ける情報であるが、部分情報は、複数の部分特定情報と、1個の部分整備情報とを対応付ける情報であってもよい。すなわち、部分特定情報と、部分整備情報とは、多対一の関係であってもよい。例えば、複数方向の画像に対応した複数の部分特定情報と、1個の部分整備情報とが対応付けられていてもよい。その場合には、例えば、1個の部分情報に、複数の部分特定情報と、1個の部分整備情報とが含まれていてもよい。例えば、ある整備対象の部分について、正面の画像である部分特定情報、右側面の画像である部分特定情報、左側面の画像である部分特定情報、平面(上面)の画像である部分特定情報、背面の画像である部分特定情報と、部分整備情報とを有する部分情報が存在してもよい。
【0023】
部分情報記憶部12に1以上の部分情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上の部分情報が部分情報記憶部12で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上の部分情報が部分情報記憶部12で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上の部分情報が部分情報記憶部12で記憶されるようになってもよい。部分情報記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。部分情報記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0024】
受付部13は、撮影の指示を受け付ける。撮影の指示は、例えば、1個の静止画像を撮影するための指示であってもよく、撮影が連続して行われる場合には、撮影の開始の指示であってもよい。受付部13は、例えば、シャッターボタンの押下により撮影の指示を受け付けてもよく、タッチパネル等において撮影の指示を受け付けてもよく、音声による撮影の指示を受け付けてもよく、その他の方法によって撮影の指示を受け付けてもよい。シャッターボタンは、例えば、デジタルスチルカメラのように、専用のボタンであってもよく、あるいは、携帯電話のように、他の機能と共用されるボタンであってもよい。また、受付部13は、拡大・縮小の指示も受け付けてもよい。その拡大・縮小は、撮影の拡大・縮小の指示であってもよく、表示の拡大・縮小の指示であってもよい。また、受付部13は、整備対象に対する整備の終了をも受け付けてもよい。また、受付部13は、その他の受け付けを行ってもよい。例えば、受付部13は、特定部16による処理を行う旨の指示を受け付けてもよい。受付部13は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された撮影の指示等を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された撮影の指示等を受信してもよい。なお、受付部13は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0025】
撮影部14は、受付部13が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する。撮影部14は、その取得した撮影画像を撮影画像記憶部15に蓄積する。撮影画像は、例えば、静止画像であってもよく、あるいは、動画像であってもよい。また、撮影部14は、例えば、CCDや、CMOS等の撮像素子や、光学レンズ等を用いることによって、撮影画像を取得する。撮影部14は、受付部13が受け付けた拡大・縮小の指示に応じたズームイン・ズームアウトを行ってもよい。また、撮影画像のデータ形式は問わない。例えば、JPEGであってもよく、TIFFであってもよく、RAWデータであってもよい。撮影を行って撮影画像を取得する方法については、デジタルカメラ等によってすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0026】
撮影画像記憶部15では、撮影部14が取得した撮影画像が記憶される。その撮影画像は、前述のように、撮影部14によって蓄積されたものである。撮影画像記憶部15での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。撮影画像記憶部15は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0027】
特定部16は、撮影部14が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影部14が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する。撮影画像と適合する全体特徴情報や部分特定情報は、撮影画像の少なくとも一部と適合する全体特徴情報や部分特定情報であればよい。その適合は、いわゆるパターンマッチングの技術を用いて行われることになる。すなわち、撮影画像と全体特徴情報等との類似度が算出され、類似度がしきい値以上である場合に、両者が適合すると判断されてもよい。なお、全体特徴情報や、部分特定情報が画像である場合には、特定部16は、その画像から輪郭や特徴点等の特徴量を抽出し、撮影画像から抽出した特徴量と比較することによって、適合するかどうかの判断を行ってもよく、あるいは、画像そのものを比較することによって、適合するかどうかの判断を行ってもよい。また、全体特徴情報や、部分特定情報が、画像の特徴量である場合には、特定部16は、その特徴量である全体特徴情報等と、撮影画像から抽出した特徴量とを比較することによって、適合するかどうかの判断を行ってもよい。また、特定部16は、撮影画像が、全体特徴情報または部分特定情報と適合した場合に、その適合した撮影画像の領域の特定をも行ってもよい。例えば、特定部16は、その領域を示す情報を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。その領域を示す情報は、その領域の輪郭を示す情報であってもよい。なお、特定部16は、まず、撮影画像と適合する全体特徴情報が存在するかどうか判断し、存在する場合には部分特定情報に関する特定は行わず、存在しない場合に、撮影画像と適合する部分特定情報が存在するかどうか判断してもよい。また、撮影部14によって、整備対象の全体の撮影が行われた後に、その整備対象の部分の撮影が行われると決まっている場合には、特定部16は、まず整備対象の全体の撮影画像に対して全体特徴情報の特定を行い、その後に、整備対象の部分の撮影画像に対して部分特定情報の特定を行ってもよい。その部分特定情報の特定の際に、全体特徴情報の特定において撮影画像と適合するとされた全体特徴情報と同じ整備対象に関する部分特定情報のみを用いて、部分特定情報の特定を行ってもよい。このようにすることで、まず、全体特徴情報によって整備対象を絞り込むことができ、その後に、その整備対象における部分を絞り込むことができる。例えば、異なる整備対象であったとしても、それらの整備対象の部分同士が類似していることもありうる。そのため、部分特定情報のみを用いた特定を行った場合には、誤った特定を行う可能性がありうる。一方、そのような場合でも、整備対象の絞り込みを行った後に、その整備対象における部分の絞り込みを行うことによって、より誤りの少ない、適切な特定を行うことができるようになる。なお、特定部16による処理は、画像のパターンマッチングの処理としてすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0028】
現在位置取得部17は、整備情報表示装置1の現在位置を取得する。その現在位置の取得は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いてなされてもよく、ジャイロなどの自律航法装置を用いてなされてもよく、その両方を用いることによって互いの欠点を補うようにしてもよい。現在位置取得部17は、例えば、屋外であればGPSを用いて現在位置を取得し、屋内であれば自律航法により、3次元加速度センサやジャイロ等を用いて整備情報表示装置1の移動を検出し、その検出した加速度や角速度を積分することによって移動方向や移動距離を算出し、現在位置を取得してもよい。また、現在位置取得部17は、屋内において、RFID(Radio Frequency Identification)や無線LAN、Bluetooth(登録商標)等を用いて3点測量を行うことによって現在位置を取得してもよく、人感センサやカメラ等のように、屋内の所定の場所に固定された機器を介して現在位置を取得してもよい。また、現在位置取得部17は、三次元方位センサ(三次元コンパス)を含み、3次元での向きも取得してもよい。なお、現在位置の取得方法は、これらに限定されないことは言うまでもない。例えば、携帯電話の最寄りの基地局を利用した現在位置の取得等を行ってもよい。また、現在位置取得部17が取得する現在位置は、例えば、緯度と経度を示す座標であってもよく、その他の座標であってもよい。本実施の形態では、現在位置が緯度・経度である場合について説明する。
【0029】
地図情報記憶部18では、地図に関する情報である地図情報が記憶される。地図情報は、例えば、地図の画像情報であってもよい。この画像情報は、例えば、ラスタデータ(ビットマップデータ)であってもよく、ベクタデータであってもよい。また、画像情報がラスタデータである場合には、地図情報に、複数の縮尺に対応した画像情報が含まれていてもよい。例えば、同じ地域について、縮尺の大きい画像情報、縮尺の中ぐらいの画像情報、縮尺の小さい画像情報が地図情報に含まれていてもよい。また、地図情報は、タイル状に分割された地図を示すものであり、それらを適宜組み合わせることによって、様々な領域の地図を表示することができるようになっていてもよい。ここで、「地図」は、地形図や、地勢図、地質図、土地利用図、住宅地図、路線図、道路地図、ガイドマップ等であってもよい。また、その地図情報は、ルート探索を行うことができるものである。すなわち、地図情報は、例えば、道路の位置を示すものであってもよい。また、その地図情報は、道路の属性(例えば、制限速度や、主要な道路であるのか、脇道であるのかなど)を知ることができるようになっているものであってもよい。また、例えば、この地図情報は、ナビゲーションで用いられるKIWIフォーマットのものであってもよい。また、「地図」は、地形や道路等が把握可能な航空写真や衛星写真、それらに記号や文字等が記入されたものなどであってもよい。地図情報において、地図の各地点と、座標(位置)との対応を知ることができるようになっているものとする。座標とは、ある基準点を原点とした座標(この座標は、例えば、距離でもよい)であってもよく、緯度・経度であってもよく、その他の位置を識別できる情報であってもよい。地図情報に、その座標そのものが含まれていてもよい。本実施の形態では、座標が緯度・経度である場合について説明する。また、「地図」は複数階を有する建物の各階に応じた見取り図や鳥瞰図であってもよい。その場合には、地図情報は、地図の各地点と、高さ(標高)方向も含む3次元の座標(位置)との対応を知ることができるようになっているものとする。高さ方向の座標は、例えば、高さの距離(メートル等)で示されてもよく、あるいは、階数で示されてもよい。また、この地図情報には、地名や、山や川などの地形に関する文字情報が含まれていてもよい。また、この地図情報において、北などの特定の方位がどちらであるのかが設定されていてもよい。なお、地図情報は、2次元のオンライン地図や電子地図等として公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0030】
地図情報記憶部18に地図情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図情報が地図情報記憶部18で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された地図情報が地図情報記憶部18で記憶されるようになってもよい。また、地図情報記憶部18での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。地図情報記憶部18は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0031】
整備ルート情報記憶部19では、1以上の整備ルート情報が記憶される。整備ルート情報は、整備対象を識別する整備対象識別情報と、その整備対象から次の整備対象までのルートを示すルート情報とを有する情報である。ルート情報は、例えば、始点から終点までのルートを構成する多数の点の位置を示す情報であってもよい。その位置には、高さ(標高)方向の座標が含まれてもよい。すなわち、その位置は、3次元の座標の情報であってもよい。そのルート情報は、例えば、手作業で作成されてもよく、あるいは、経路探索の手法等を用いて自動的に作成されてもよい。後者の場合には、ルート情報は、例えば、整備情報表示装置1の使用中に生成され、蓄積されたものであってもよい。例えば、図示しないルート情報生成部が、整備の終了した整備対象の位置から次の整備対象までのルート情報を経路探索の手法を用いて生成し、その生成したルート情報と、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報とを含む整備ルート情報を整備ルート情報記憶部19に蓄積してもよい。その経路探索において、例えば、ダイクストラ法が用いられてもよく、A*アルゴリズムが用いられてもよく、ベルマン−フォード法が用いられてもよく、ワーシャル−フロイド法が用いられてもよく、その他のアルゴリズムが用いられてもよく。このルートの生成の処理は、すでに公知であり、その詳細な説明を省略する。例えば、オンラインマップにおいて、始点の緯度・経度と、終点の緯度・経度を入力すると、その始点から終点までのルートが表示されるものがある(例えば、「http://maps.google.co.jp/maps」等を参照のこと)。また、本実施の形態では、整備ルート情報記憶部19において、2以上の整備ルート情報が記憶される場合について説明する。整備対象識別情報は、例えば、整備対象の名称であってもよく、整備対象のIDであってもよく、あるいは、その他の整備対象を識別可能な情報であってもよい。整備ルート情報記憶部19で記憶されている整備ルート情報において、例えば、整備情報表示装置1のユーザが整備をする整備対象の順番が分かるようになっていてもよい。例えば、整備の順番に整備ルート情報が並んでいてもよく、あるいは、整備ルート情報に、整備の順番を示す情報が含まれていてもよい。また、整備が終了したかどうかを示すフラグ等の情報が整備ルート情報に含まれていてもよく、あるいは、含まれていなくてもよい。
【0032】
整備ルート情報記憶部19に1以上の整備ルート情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上の整備ルート情報が整備ルート情報記憶部19で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上の整備ルート情報が整備ルート情報記憶部19で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上の整備ルート情報が整備ルート情報記憶部19で記憶されるようになってもよい。整備ルート情報記憶部19での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。整備ルート情報記憶部19は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0033】
表示部21は、特定部16が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部16が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する。なお、表示部21は、特定部16が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を、撮影部14が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分に対応付けて表示し、特定部16が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を、撮影部14が取得した撮影画像における部分特定情報で特定される部分に対応付けて表示してもよい。または、表示部21は、撮影画像とは別個に全体整備情報や部分整備情報を表示してもよい。ここで、対応付けて表示するとは、結果として対応が分かるようになればよく、例えば、全体整備情報が、撮影部14が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分の上に表示されてもよく、全体整備情報と、撮影部14が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分とが線やその他の図形でリンク付けられて表示されてもよい。また、表示部21は、撮影部14が撮影した撮影画像を表示してもよい。また、表示部21は、受付部13が受け付けた拡大・縮小の指示に応じて、表示している撮影画像を拡大・縮小してもよい。また、表示部21は、撮影部14が撮影を行う際に、その撮影対象の表示を行ってもよい。どのような撮影が行われるのかをユーザが確認できるようにするためである。また、表示部21は、受付部13が整備の終了を受け付けた場合に、その整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示を行ってもよい。整備対象識別情報に対応するルート情報とは、整備対象識別情報と同じ整備ルート情報に含まれるルート情報のことである。そのルート情報に関する表示として、表示部21は、ルート情報の示すルートに対応する図形(通常、線状の図形である)を、地図上に表示してもよく、いわゆる直感ナビ(登録商標)のように、撮影部14が撮影した撮影画像上に目的地までのルートを案内する画像を重ねて表示してもよく、その他のルート情報を用いたナビゲーションを行ってもよい。表示部21は、地図を表示する場合に、表示対象となる領域の地図情報のみを地図情報記憶部18から読み出して表示するものとする。地図情報を表示するとは、地図情報における地図の画像を表示することである。なお、その地図の画像には、地名や、北を示す方位図形、縮尺を示す縮尺表示等が表示されてもよい。また、表示部21は、整備情報表示装置1の位置を示すマークを地図上に表示してもよい。そのマークは、現在位置取得部17が取得した現在位置に応じて表示されてもよい。また、表示部21が、ルート情報の示すルートを地図上に表示する場合には、ルートの全体を表示してもよく、あるいは、現在位置の近辺のルートのみを表示してもよい。この表示部21は、例えば、携帯電話やスマートフォン、PDA等のディスプレイのように、手で保持するものであってもよく、あるいは、ヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0034】
なお、表示部21は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示対象の表示は、別の装置においてなされてもよい。その場合には、表示部21は、装置の外部に対して表示対象の情報を送信するものであってもよい。また、表示部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0035】
また、全体情報記憶部11と、部分情報記憶部12と、撮影画像記憶部15と、地図情報記憶部18と、整備ルート情報記憶部19とのうち、任意の二以上の記憶部は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、全体情報を記憶している領域が全体情報記憶部11となり、部分情報を記憶している領域が部分情報記憶部12となる。
【0036】
次に、整備情報表示装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受付部13は、撮影の指示を受け付けたかどうか判断する。そして、撮影の指示を受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS104に進む。
【0037】
(ステップS102)撮影部14は、撮影を行い、撮影画像を取得する。
【0038】
(ステップS103)撮影部14は、取得した撮影画像を撮影画像記憶部15に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
なお、撮影部14が撮影を連続して行う場合や、動画像を撮影する場合には、ステップS102,S103の処理が繰り返して実行されてもよい。また、動画像が撮影される場合には、その動画像が蓄積されることになるが、連続した撮影を行うだけであって、動画像を撮影するのではない場合には、最新の撮影画像のみが撮影画像記憶部15に蓄積されてもよい。
【0039】
(ステップS104)特定部16は、全体特徴情報や、部分特定情報の特定を行うかどうか判断する。例えば、受付部13が、その特定を行う旨の指示を受け付けた場合に、その特定の処理を行うと判断してもよく、撮影部14が撮影画像の取得を行った場合に、その特定の処理を行うと判断してもよく、その他のタイミングで、その特定の処理を行うと判断してもよい。
【0040】
(ステップS105)特定部16は、全体特徴情報等の特定の処理を行う。この処理の詳細については、図3のフローチャートを用いて後述する。この処理で用いられる撮影画像は、通常、最新の撮影画像である。また、撮影画像が動画である場合にも、通常、その動画を構成する最新のフレームが、この処理で用いられる。
【0041】
(ステップS106)特定部16は、ステップS105において、全体特徴情報または部分特定情報の特定を行うことができたかどうか判断する。そして、特定を行うことができた場合には、ステップS107に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、ステップS101に戻る際に、撮影画像に対応する整備情報が存在しなかった旨が表示されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0042】
(ステップS107)表示部21は、ステップS105において、特定部16が全体特徴情報を特定した場合には、その全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部16が部分特定情報を特定した場合には、その部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する。その表示は、例えば、その全体特徴情報等に適合する撮影画像の部分に対応付けられた表示であってもよい。撮影部14による撮影が連続して行われている場合には、その全体特徴情報等に適合する撮影画像の部分が表示画面上で移動することがある。その場合には、例えば、その移動に応じて、全体整備情報等の表示される位置も移動されてもよい。
【0043】
(ステップS108)受付部13は、整備対象に対する整備の終了を受け付けたかどうか判断する。そして、その整備の終了を受け付けた場合には、ステップS109に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。ここで、受付部13は、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報をも受け付けてもよい。
【0044】
(ステップS109)表示部21は、整備ルート情報記憶部19を参照し、整備の終了された整備対象を識別する整備対象識別情報を含む整備ルート情報が存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS110に進み、存在しない場合には、ステップS101に戻る。なお、ステップS101に戻る際に、すべての整備が完了した旨が表示されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0045】
(ステップS110)表示部21は、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示を行う。この表示は、例えば、ユーザがルート情報の目的地に到達するまで、行われてもよい。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、撮影画像の蓄積が行われた後に特定の処理が行われる場合には、ステップS103からステップS105に進んでもよい。また、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0046】
図3は、図2のフローチャートにおける特定の処理(ステップS105)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS201)特定部16は、カウンタiを1に設定する。
【0047】
(ステップS202)特定部16は、全体情報記憶部11で記憶されているi番目の全体特徴情報と、撮影画像とが適合するかどうか判断する。そして、適合する場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS203に進む。
【0048】
(ステップS203)特定部16は、カウンタiを1だけインクリメントする。
【0049】
(ステップS204)特定部16は、i番目の全体特徴情報が存在するかどうか判断する。そして、i番目の全体特徴情報が存在する場合には、ステップS202に戻り、そうでない場合には、ステップS206に進む。
【0050】
(ステップS205)特定部16は、i番目の全体特徴情報を特定する。全体特徴情報の特定は、例えば、その特定対象の全体特徴情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、その全体特徴情報に対応付けて特定した旨を示すフラグ等を設定することであってもよい。なお、特定部16は、全体特徴情報と適合する撮影画像の部分を示す情報の特定も行ってもよい。そして、図2のフローチャートに戻る。
【0051】
(ステップS206)特定部16は、カウンタiを1に設定する。
【0052】
(ステップS207)特定部16は、部分情報記憶部12で記憶されているi番目の部分特定情報と、撮影画像とが適合するかどうか判断する。そして、適合する場合には、ステップS210に進み、そうでない場合には、ステップS208に進む。
【0053】
(ステップS208)特定部16は、カウンタiを1だけインクリメントする。
【0054】
(ステップS209)特定部16は、i番目の部分特定情報が存在するかどうか判断する。そして、i番目の部分特定情報が存在する場合には、ステップS207に戻り、そうでない場合には、図2のフローチャートに戻る。図2のフローチャートに戻る場合には、撮影画像に対して、全体特徴情報等が特定されなかったことになる。
【0055】
(ステップS210)特定部16は、i番目の部分特定情報を特定する。部分特定情報の特定は、例えば、その特定対象の部分特定情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、その部分特定情報に対応付けて特定した旨を示すフラグ等を設定することであってもよい。なお、特定部16は、部分特定情報と適合する撮影画像の部分を示す情報の特定も行ってもよい。そして、図2のフローチャートに戻る。
【0056】
次に、本実施の形態による整備情報表示装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、整備情報表示装置1は、撮影機能付きのタブレットPC(Personal Computer)であるとする。また、この具体例では、整備対象がコピー機であって、ユーザが、ある工場における各部署のコピー機を整備する場合について説明する。また、この具体例では、全体情報記憶部11において、図4で示される複数の全体情報が記憶されているものとする。図4において、全体情報を識別する全体IDと、全体特徴情報と、全体整備情報とが対応付けられている。この具体例では、全体特徴情報と全体整備情報とが一対一に対応付けられているものとする。例えば、全体ID「1」の1番目の全体情報(1番目のレコード)において、全体特徴情報「F001」と、整備の手順を示す全体整備情報「手順1:…… 手順2:……」とが対応付けられている。その全体特徴情報は、整備対象の全体の画像を識別する情報であるとする。そして、その情報で識別される画像自体は、別途、全体情報記憶部11において記憶されているものとする。但し、説明の便宜上、全体特徴情報「F001」で識別される画像を、全体特徴情報「F001」と呼ぶこともある。他の全体特徴情報についても同様である。その全体特徴情報「F001」は、図5で示される整備対象の全体の画像であるとする。したがって、その図5で示される整備対象については、その画像「F001」に対応する全体整備情報の示す手順に従って整備を行うことになる。
【0057】
また、この具体例では、部分情報記憶部12において、図6で示される複数の部分情報が記憶されているものとする。図6において、部分情報を識別する部分IDと、部分特定情報と、部分整備情報とが対応付けられている。この具体例では、部分特定情報と部分整備情報とが一対一に対応付けられているものとする。例えば、部分ID「1」の1番目の部分情報(1番目のレコード)において、部分特定情報「P001」と、部分整備情報「標準AAA値:…… 標準BBB値:……」とが対応付けられている。その部分特定情報は、整備対象の部分の画像を識別する情報であるとする。そして、その情報で識別される画像自体は、別途、部分情報記憶部12において記憶されているものとする。但し、説明の便宜上、部分特定情報「P001」で識別される画像を、部分特定情報「P001」と呼ぶこともある。他の部分特定情報についても同様である。その部分特定情報「P001」や「P002」は、図7で示される、整備対象の部分の画像であるとする。したがって、その図7(a)で示される整備対象の部分については、その画像「P001」に対応する部分整備情報「標準AAA値:…… 標準BBB値:……」に応じた標準AAA値等となるように、整備が行われることになる。その部分整備情報によって、標準の値を知ることができるため、異常値を容易に発見することができるようになる。
【0058】
また、この具体例では、整備ルート情報記憶部19において、図8で示される複数の整備ルート情報が記憶されているものとする。図8において、整備対象識別情報と、ルート情報とが対応付けられている。例えば、1番目の整備ルート情報(1番目のレコード)において、整備対象識別情報「ABC室コピー機」と、ルート情報R001とが対応付けられている。そのルート情報R001は、「ABC室コピー機」で識別される整備対象から、次の整備対象識別情報である「XYZ室コピー機」で識別される整備対象までのルートを示すルート情報であるとする。そのルート情報R001は、例えば、(X101,Y101,1F)、(X102,Y102,1F)、(X103,Y103,1F)…(X110,Y110,3F)…という情報であってもよい。そのルート情報R001を構成する各座標(X101,Y101,1F)等は、2次元の座標情報と、階数を示す高さ方向の座標とを含む情報である。
【0059】
まず、ユーザが、整備情報表示装置1であるタブレットPCを持って、ABC室のコピー機の位置まで行き、その整備情報表示装置1を操作して、整備ルート情報を表示させる処理を開始させたとする。そして、整備情報表示装置1のタッチパネルの反対側に存在するカメラの撮影画像をタッチパネルで確認し、図9のようにコピー機が表示された際に、タッチパネル上の「撮影」ボタンをタップしたとする。すると、その操作に応じて、受付部13は、撮影の指示を受け付け、撮影部14に撮影の指示を受け付けた旨を渡す(ステップS101)。すると、撮影部14は、その時点での撮影画像を取得し、撮影画像記憶部15に蓄積する(ステップS102,S103)。なお、その撮影画像は、図9でタッチパネルに表示されている画像である。また、ユーザが撮影を行うと、タッチパネルの表示は、その撮影時の画像で固定されるものとする。
【0060】
次に、ユーザが画面上の「特定」ボタンをタップすると、受付部13は、特定の処理を開始する指示を受け付けて、図示しない経路により特定部16に渡す。特定部16は、その指示を受け取ると、特定を行うタイミングであると判断し(ステップS104)、特定の処理を行う(ステップS105)。具体的には、特定部16は、図4で示される全体情報を参照し、1番目の全体特徴情報「F001」が、撮影画像と適合するかどうか判断する(ステップS201,S202)。この場合には、全体特徴情報が図5で示される「F001」であり、撮影画像が図9でタッチパネルに表示されているものであるため、特定部16は、適合すると判断し、全体特徴情報「F001」を撮影画像と適合するものとして特定し、その全体特徴情報「F001」が含まれる全体情報を識別する全体ID「1」と、その全体特徴情報の画像に対応する撮影画像における領域を示す情報とを表示部21に渡す(ステップS205,S106)。すると、表示部21は、全体ID「1」で識別される全体情報から全体整備情報を読み出し、その全体整備情報を、特定部16から受け取った全体特徴情報「F001」に対応する領域に重ねて表示する(ステップS107)。その結果、図10で示されるように、コピー機の画像の上に、全体整備情報が表示されることになる。そして、ユーザは、この表示を見ながら、順次、処理を行うことによって、整備を行うことができる。
【0061】
その整備において、ユーザが、整備対象であるコピー機の特定の部分について整備情報を知りたくなったとする。そして、ユーザが、タッチパネル上の「撮影」ボタンをタップしたとする。すると、整備情報表示装置1が撮影モードとなり、カメラの撮影画像がタッチパネルに表示されるようになる。そして、ユーザは、その表示を確認しながら、整備情報を知りたい部分がタッチパネルに表示された図11で示される状態で、「撮影」ボタンを再度、タップすると、上述の説明と同様に、撮影画像の取得と蓄積が行われる(ステップS101〜S103)。なお、その撮影画像は、図11で表示されている画像である。その後、ユーザが、「特定」ボタンをタップすると、上述の説明と同様に、特定の処理が行われる(ステップS104,S105)。この場合には、全体情報において、撮影画像と適合する全体特徴情報が存在しなかったとする(ステップS201〜S204)。すると、特定部16は、図6で示される部分情報を参照し、1番目の部分特定情報「P001」が、撮影画像と適合するかどうか判断する(ステップS206,S207)。この場合には、部分特定情報が図7(a)で示される「P001」であり、撮影画像が図11でタッチパネルに表示されているものであるため、特定部16は、適合すると判断し、その部分特定情報「P001」が含まれる部分情報を識別する部分ID「1」と、その部分特定情報の画像に対応する撮影画像における領域を示す情報とを表示部21に渡す(ステップS210,S106)。すると、表示部21は、部分ID「1」で識別される部分情報から部分整備情報を読み出し、その部分整備情報を、特定部16から受け取った部分特定情報「P001」に対応する領域に重ねて表示する(ステップS107)。その結果、図12で示されるように、コピー機のある部分の画像の上に、部分整備情報が表示されることになる。そして、ユーザは、この表示を見ながら、その部分についての検査値が標準値とあっているかどうかを確認することなどによって、整備を行うことができる。このようにして、順次、整備対象であるコピー機の整備が行われていく。
【0062】
その後、そのコピー機の整備がすべて終了したとする。そして、そのときに、タッチパネル上の「終了」ボタンをタップしたとする。すると、表示部21は、整備ルート情報記憶部19から整備対象識別情報の一覧を読み出して表示する。その一覧の表示において、ユーザが、「ABC室コピー機」をタップしたとする。すると、受付部13は、整備対象識別情報「ABC室コピー機」で識別される整備対象に関する整備の終了を受け付けたと判断し、整備対象識別情報「ABC室コピー機」と、整備の終了した旨とを表示部21に渡す(ステップS108)。表示部21は、整備の終了した旨等を受け取ると、整備ルート情報記憶部19で記憶されている複数の整備ルート情報を参照し、受け取った整備対象識別情報「ABC室コピー機」を含む整備ルート情報が存在するかどうか判断する。図8では、整備対象識別情報「ABC室コピー機」を含む整備ルート情報(1番目のレコード)が存在するため、ルート情報が存在すると判断し(ステップS109)、そのルート情報R001を読み出す。そして、表示部21は、ルート情報R001を読み出すと、そのルート情報R001の示すルートに対応する地図の画像を地図情報記憶部18から読み出し、その地図上に、ルート情報R001に対応するルートの図形を表示した画像を、図13で示されるように、タッチパネルに表示する(ステップS110)。ユーザは、この表示を見ることによって、次にどこに行けばよいのかを容易に知ることができるようになる。そして、その目的地に到着すると、そこにおいても、整備対象を撮影し、その整備対象に対応付けて表示された整備情報を見ることによって、適切な整備を行うことができるようになる。なお、ユーザが目的地に至るまで、図13で示されるルート上に現在位置に応じた図形を表示することによってナビゲーションを行ってもよく、あるいは、ナビゲーションを行わないでルートの表示のみを行ってもよい。
【0063】
なお、図13では、ルート情報が地図上に表示される場合について説明したが、そうでなくてもよい。前述のように、ユーザがタッチパネルの反対側に存在するカメラの撮影画像をタッチパネルに表示させ、その表示上において、直感ナビ(登録商標)のように目的地までのルートの案内画像を表示してもよい。その場合には、表示部21は、例えば、ルート情報と、現在位置取得部17が取得した現在位置及び整備情報表示装置1の方向とを用いて、ルート情報の示すルート上の現在の地点を特定し、その特定した現在の地点から目的地に向かうルートに応じた方向を特定する。そして、撮影画像上に、その特定した方向に応じた文字列「前進」「右方向」「左方向」「反対を向く」「3階へ」や記号「→」「←」「↑」「↓」等を表示することによって、ユーザを目的地までナビゲートしてもよい。その場合には、例えば、図14で示される表示がなされることになる。なお、特定した方向に応じた文字列や記号は、あらかじめ図示しない記録媒体で記憶されており、表示部21は、特定した方向に応じた画像を読み出して撮影画像上に表示してもよい。その撮影画像と、特定した方向に応じた文字列や記号との表示は、目的地に着くまで行われることになる。
【0064】
なお、この具体例では、全体整備情報や部分整備情報として、文字列の情報が表示される場合について説明したが、そうでなくてもよい。全体整備情報や部分整備情報が画像であり、その画像が整備対象の全体または部分の上に重ねて表示されてもよい。例えば、図15で示されるように、コピー機のある部分に対応付けて、その内部構造を示す画像である部分整備情報が表示されてもよい。この表示を見ることによって、ユーザは、整備対象の内部構成等を知ることができ、それを参照しながら、適宜、整備を行うことができる。
【0065】
また、この具体例では、全体情報と部分情報とが関係なく独立して用いられる場合について説明したが、前述のように、特定された全体特徴情報に対応する部分特定情報を用いて、全体の特定の後の部分の特定を行ってもよい。その場合には、例えば、図16で示されるように、同じ整備対象に対応する、全体情報と部分情報とを対応付ける情報である親子関係情報が図示しない記録媒体(この記録媒体は、親子関係情報記憶部であってもよい)で記憶されており、特定部16は、それを用いて、部分特定情報の特定を行ってもよい。図16において、全体IDと、部分IDとが対応付けられている。全体IDは、全体情報を識別するものであり、部分IDは、部分情報を識別するものである。この親子関係情報によって、同じ整備対象についての全体情報と、部分情報とが対応付けられることになる。なお、通常、親子関係情報において、全体IDと部分IDとは一対多の関係となるが、例えば、全体情報記憶部11において、全体特徴情報と全体整備情報とが多対一の関係である場合には、親子関係情報において、全体IDと部分IDとは多対多の関係となってもよい。また、親子関係情報は、少なくとも、同じ整備対象に対応する、全体特徴情報と部分特定情報とを対応付ける情報であれば、その他の形式の情報であってもよい。この親子関係情報が存在する場合には、例えば、全体ID「1」で識別される全体情報に含まれる全体特徴情報が特定された後の特定の処理において、撮影画像が各全体特徴情報と適合しなかった場合(ステップS204の「N」の場合)には、特定部16は、図17で示される親子関係情報を参照し、直前に特定された全体特徴情報を含む全体情報に対応する全体ID「1」に対応する部分ID「1」「2」「3」「4」…を読み出し、その部分ID「1」「2」「3」「4」…に対応する部分情報のみを用いて、部分特定情報の特定を行うようにしてもよい。このようにすることで、前述のように、異なる整備対象に似た部分が存在する場合であっても、その部分特定情報の特定時の誤判断を少なくすることができる。なお、取得された撮影画像に対して、全体特徴情報が適合するまでは、直前に特定された全体特徴情報に対応する部分特定情報を用いて、撮影画像に適合する部分特定情報の特定を行ってもよい。また、親子関係情報は、結果として、同じ整備対象の全体と部分との親子関係を示すことができるのであれば、その他の情報であってもよい。例えば、親子関係情報は、同じ整備対象に対応する、全体特徴情報と部分特定情報とを対応付ける情報であってもよい。
【0066】
また、この具体例では、「撮影」ボタンのタップに応じて撮影がなされる場合について説明したが、前述のように、連続して撮影が行われ、その最新の撮影画像に対して、全体特徴情報等の特定が連続して行われてもよい。
【0067】
以上のように、本実施の形態による整備情報表示装置1によれば、整備対象に対して、全体整備情報を表示することができ、整備対象の部分に対して、部分整備情報を表示することができる。その結果、整備対象の細かい部分についても、詳細な整備の情報を表示することができるようになり、整備対象の整備を適切に支援することができるようになる。また、整備対象の位置に関するナビゲーションを行うことができることにより、整備業務そのものの支援をも行うことができるようになる。
【0068】
なお、本実施の形態において、部分特定情報は、整備対象の全体における領域を示す情報であってもよい。すなわち、整備対象の全体における一部の領域を示す情報が1個の部分特定情報であってもよい。例えば、図17で示されるように、整備対象であるコピー機の全体が、6個の領域に分けられており、各領域を示す情報が、部分特定情報となっていてもよい。その部分特定情報は、例えば、整備対象の全体の画像(例えば、全体特徴情報であってもよい)における領域の輪郭を示す情報(例えば、領域の輪郭を示す複数の座標からなる情報等)であってもよい。部分情報における部分特定情報は、例えば、図18で示されるように、全体特徴情報と、領域情報とを有していてもよい。ここで、全体特徴情報は、例えば、整備対象の全体の画像を識別する情報である。そして、領域情報は、その整備対象の全体の画像における領域を示す情報である。例えば、領域情報R001は、図17における領域1を示す情報であり、領域情報R002は、図17における領域2を示す情報であってもよい。また、その部分特定情報を用いた特定を行う場合には、表示部21は、撮影部14が撮影した撮影画像を表示するものであるとする。また、受付部13は、拡大・縮小の指示も受け付けるものであるとする。その拡大・縮小は、撮影部14が撮影する撮影画像の拡大・縮小であってもよく、あるいは、表示部21が表示している撮影画像の拡大・縮小であってもよい。いずれの場合であっても、結果として、表示部21が表示する撮影画像は、受付部13が受け付けた拡大・縮小の指示に応じてズームイン・ズームアウトが行われることになる。そして、特定部16は、撮影画像と適合する全体特徴情報を特定した後に、その全体特徴情報に適合する部分の一部にズームインされた場合に、そのズームインされた領域を示す部分特定情報を特定してもよい。例えば、図9で示されるように整備対象であるコピー機の全体が表示されており、その後に、撮影または表示の拡大が行われることによって、図11で示されるように、図17の領域1の部分にズームインが行われたとする。その場合には、特定部16は、まず、全体特徴情報「F001」の特定を行う(その際に、前述の具体例のように、その全体特徴情報に応じた全体整備情報が表示されてもよい)。その後に、特定部16は、ズームインされた全体特徴情報「F001」における領域を特定し、その領域と重複の割合が大きい、その全体特徴情報「F001」を有する部分特定情報に含まれる領域情報を特定する。ズームインされた全体特徴情報「F001」における領域の特定は、例えば、ズームイン後の画像と、整備対象の全体の画像とのパターンマッチングを行うことによって行われてもよく、整備対象の全体の画像における特徴点をズームイン時に追跡することによって行われてもよく、あるいは、その他の方法によって行われてもよい。この場合には、領域情報R001が重複の割合が最も大きかったとする。すると、特定部16は、その領域情報R001を含む部分特定情報を特定する。その結果、その部分特定情報に対応する部分整備情報が、図12で示されるように表示されることになる。
【0069】
また、本実施の形態において、全体整備情報や部分整備情報は、前述のように、3次元コンピュータグラフィックスの情報であってもよい。その場合の処理について、簡単に説明する。例えば、全体整備情報が3次元コンピュータグラフィックスの情報であるとする。その全体整備情報は、3次元のモデリングされた情報であってもよい。そして、例えば、ユーザは、まず整備対象の正面の画像を図19(a)で示されるように撮影する。そして、その撮影画像を用いて、全体特徴情報の特定を行う。また、その撮影時の整備情報表示装置1の向きを基準として、現在位置取得部17等が有する三次元方位センサ等を用いて、整備情報表示装置1の向きを算出する。その後、例えば、図19(b)で示される撮影画像を撮影すると、三次元方位センサ等は、その時点の整備情報表示装置1の基準からの向きを算出する。そして、表示部21は、その向きを視線方向として、全体整備情報のモデルをレンダリングすることによって、図19(c)で示される2次元の画像を取得する。その後、表示部21は、図19(b)で示される撮影画像と、図19(c)で示される、レンダリング後の全体整備情報とを重ねて表示することにより、図19(d)で示される表示を行う。このようにして、3次元の内部構造を整備対象に重ねて表示することができる。この場合には、図19(d)で示されるように、撮影画像と、全体整備情報との両方について、背面側も透過するように表示してもよい。または、図12や図15のように、レンダリング後の画像を前面側に表示し、撮影画像を背面側に表示するようにしてもよい。また、部分整備情報が3次元コンピュータグラフィックスの情報である場合にも、同様にして、3次元の表示を行うことができる。
【0070】
また、本実施の形態では、整備情報表示装置1が現在位置取得部17や地図情報記憶部18を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、直感ナビ(登録商標)のように、地図情報を表示しないでナビゲーションを行う場合には、整備情報表示装置1が地図情報記憶部18を備えていなくてもよい。また、現在位置を用いたナビゲーションを行わず、図13で示されるように、単にルートのみを示す場合には、整備情報表示装置1は現在位置取得部17を備えていなくてもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、ルート情報に関する表示をも行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。ルート情報に関する表示を行わない場合には、整備情報表示装置1は、現在位置取得部17や、地図情報記憶部18、整備ルート情報記憶部19を備えていなくてもよい。
【0072】
また、本実施の形態では、全体整備情報や部分整備情報を、その全体整備情報に対応する撮影画像の部分や、その部分整備情報に対応する撮影画像の部分に対応付けて表示する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。表示部21は、撮影情報の対応する部分とは関係なく全体整備情報や部分整備情報を表示してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。例えば、全体情報記憶部11、部分情報記憶部12、特定部16とはサーバに存在し、それら以外の構成要素はクライアントに存在し、そのサーバ・クライアント間での通信を行いながら、上記実施の形態で説明したような整備情報の表示が行われてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0076】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0077】
また、上記実施の形態において、整備情報表示装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
【0078】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における整備情報表示装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部とにアクセス可能なコンピュータを、撮影の指示を受け付ける受付部、受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部、特定部が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部として機能させるためのプログラムである。
【0079】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を受け付ける受付部や、情報を表示する表示部などにおける入力デバイスや表示デバイスなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0080】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0081】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0082】
図20は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による整備情報表示装置1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0083】
図20において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0084】
図21は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図21において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0085】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による整備情報表示装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0086】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による整備情報表示装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0087】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上より、本発明による整備情報表示装置等によれば、整備対象の全体についても、また部分についても整備の情報を表示できるという効果が得られ、例えば、整備情報を表示する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 整備情報表示装置
11 全体情報記憶部
12 部分情報記憶部
13 受付部
14 撮影部
15 撮影画像記憶部
16 特定部
17 現在位置取得部
18 地図情報記憶部
19 整備ルート情報記憶部
21 表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、整備対象に関する情報を表示する整備情報表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、整備対象機器に装着された発光型RFIDタグを用いて、整備対象機器に関連する表示情報の表示位置を算出し、その算出した表示位置に表示情報を表示する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−18188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例においては、整備対象機器に対応する表示情報を表示することはできるが、それよりも細かい表示を行うことができないという問題がある。例えば、整備対象装置の全体に対して、整備等の際に注意しなければならない事項や、整備の手順等を表示することはできるが、その装置の部分について、整備に関する情報を表示することはできなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、整備対象そのものについてだけでなく、整備対象の部分についても整備に関する情報を表示することができる整備情報表示装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による整備情報表示装置は、整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部と、撮影の指示を受け付ける受付部と、受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部と、撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部と、特定部が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部と、を備えたものである。
このような構成により、整備対象に対して、全体整備情報を表示することができ、整備対象の部分に対して、部分整備情報を表示することができる。その結果、整備対象の細かい部分についても、詳細な整備の情報を表示することができるようになり、整備対象の整備を適切に支援することができるようになる。
【0007】
また、本発明による整備情報表示装置では、表示部は、特定部が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を、撮影部が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分に対応付けて表示し、特定部が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を、撮影部が取得した撮影画像における部分特定情報で特定される部分に対応付けて表示してもよい。
このような構成により、表示された整備に関する情報が、撮影されたどの部分に対応するものであるのかを容易に把握することができるようになる。
【0008】
また、本発明による整備情報表示装置では、全体特徴情報は、整備対象の全体の画像であってもよい。
このような構成により、整備対象の全体の画像と、撮影画像との適合を判断することによって、整備対象の全体に対応する整備の情報を表示することができるようになる。
【0009】
また、本発明による整備情報表示装置では、部分特定情報は、整備対象の部分に関する特徴の情報であってもよい。
【0010】
また、本発明による整備情報表示装置では、部分特定情報は、整備対象の部分の画像であってもよい。
このような構成により、整備対象の部分の画像と、撮影画像との適合を判断することによって、整備対象の部分に対応する整備の情報を表示することができるようになる。
【0011】
また、本発明による整備情報表示装置では、前記受付部は、拡大・縮小の指示も受け付けるものであり、前記表示部は、前記撮影部が撮影した撮影画像を表示するものであり、
前記表示部が表示する撮影画像は、前記受付部が受け付けた拡大・縮小の指示に応じてズームイン・ズームアウトが行われ、前記部分特定情報は、整備対象の全体における領域を示す情報であり、前記特定部は、撮影画像と適合する全体特徴情報を特定した後に、当該全体特徴情報に適合する部分の一部にズームインされた場合に、当該ズームインされた領域を示す部分特定情報を特定してもよい。
このような構成により、整備対象の全体の特定の後に整備対象の部分が特定されるため、整備対象の部分をいきなり特定する場合よりも精度の高い特定が可能となる。
【0012】
また、本発明による整備情報表示装置では、全体整備情報は、整備の手順に関する情報であってもよい。
このような構成により、例えば、まず、整備対象の全体に対応して、全体整備情報である整備の手順に関する情報を表示し、その後に、整備対象の各部分に対応して、部分整備情報である設定等の細かい情報を表示することができうる。
【0013】
また、本発明による整備情報表示装置では、受付部は、整備対象に対する整備の終了をも受け付けるものであり、整備対象を識別する整備対象識別情報と、整備対象から次の整備対象までのルートを示すルート情報とを有する整備ルート情報が1以上記憶される整備ルート情報記憶部をさらに備え、表示部は、受付部が整備の終了を受け付けた場合に、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示をも行ってもよい。
このような構成により、整備ルート情報に応じて、順次、整備対象の位置をナビゲートすることができるようになり、整備業務を支援することができる。
【0014】
また、本発明による整備情報表示装置では、同じ整備対象に対応する、全体特徴情報と部分特定情報とを対応付ける情報である親子関係情報が記憶される親子関係情報記憶部をさらに備え、前記特定部は、撮影画像(これを第1の撮影画像とする)と適合する全体特徴情報を特定した後に、当該撮影画像と別の撮影画像(第2の撮影画像とする)に適合する部分特定情報の特定を行う場合には、前記第2の撮影画像に適合する部分特定情報を、前記第1の撮影画像と適合した全体特徴情報と親子関係情報で対応付けられる部分特定情報から特定してもよい。
このような構成により、異なる整備対象に類似する部分が存在する場合であっても、その部分特定情報の特定時の誤判断を低減させることができるようになり、より正確な部分整備情報の表示が可能となる。また、適合の判断を行う部分特定情報が絞り込まれることになるため、処理スピードも向上することになる。なお、第2の撮影画像は第1の撮影画像の直後に撮影された撮影画像であってもよく、あるいは、そうでなくてもよい。後者の場合には、例えば、いずれかの全体特徴情報に適合する撮影画像が取得されると、その撮影画像が第1の撮影画像となり、その後、いずれかの全体特徴情報に適合する撮影画像が取得されるまでは、取得された撮影画像はすべて第2の撮影画像となってもよい。したがって、例えば、第1の撮影画像が取得された後に、別の撮影画像が取得された場合に、その撮影画像がいずれかの全体特徴情報と適合するかどうか判断し、適合するときには、その撮影画像が新たに第1の撮影画像となり、適合しないときには、その撮影画像を第2の撮影画像として、第1の撮影画像と適合した全体特徴情報に対応する部分特定情報から、第2の撮影画像に適合する部分特定情報の特定を行ってよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明による整備情報表示装置等によれば、整備対象の全体についても、また部分についても整備の情報を表示でき、整備対象の整備を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1による整備情報表示装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態による整備情報表示装置の動作を示すフローチャート
【図3】同実施の形態による整備情報表示装置の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態における全体情報の一例を示す図
【図5】同実施の形態における全体特徴情報の一例を示す図
【図6】同実施の形態における部分情報の一例を示す図
【図7】同実施の形態における部分特定情報の一例を示す図
【図8】同実施の形態における整備ルート情報の一例を示す図
【図9】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図10】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図11】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図12】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図13】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図14】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図15】同実施の形態における表示の一例を示す図
【図16】同実施の形態における親子関係情報の一例を示す図
【図17】同実施の形態における全体特徴情報における複数の部分に対応した領域の一例を示す図
【図18】同実施の形態における部分情報の他の一例を示す図
【図19】同実施の形態における3次元の整備情報の一例を示す図
【図20】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【図21】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明による整備情報表示装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0018】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による整備情報表示装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による整備情報表示装置は、整備対象の全体及び部分に対して、整備に関する情報を表示するものである。
【0019】
図1は、本実施の形態による整備情報表示装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による整備情報表示装置1は、全体情報記憶部11と、部分情報記憶部12と、受付部13と、撮影部14と、撮影画像記憶部15と、特定部16と、現在位置取得部17と、地図情報記憶部18と、整備ルート情報記憶部19と、表示部21とを備える。なお、整備情報表示装置1は、例えば、撮影機能や地図表示機能、ナビゲーション機能等を有する携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)であってもよく、PND(Personal Navigation Device)であってもよい。
【0020】
全体情報記憶部11では、1以上の全体情報が記憶される。全体情報は、整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、その整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する情報である。1個の全体情報に含まれる全体特徴情報と、全体整備情報とは、同じ整備対象に対応する情報である。整備とは、例えば、保守であってもよく、維持や管理のために行われる処理であってもよく、修理であってもよく、整備対象を整えるためのその他の処理であってもよい。整備対象とは、何らかの整備の対象となるものであれば、どのようなものであってもよい。例えば、ある装置や機械であってもよく、ビル等の建築物やプラント等であってもよい。また、整備対象は、プラントやシステム等の全体であってもよく、あるいは、一部であってもよい。例えば、大規模なプラントの配管部分が整備対象であってもよく、そのプラント用の電源装置が整備対象であってもよい。また、A装置、B装置、C装置からなるシステムにおける各装置が整備対象であってもよい。全体特徴情報は、撮影画像において整備対象を特定するために用いられる情報であり、例えば、整備対象の全体の画像であってもよく、その整備対象の全体の画像から抽出された、その整備対象の特徴量(例えば、輪郭を示す情報や、コーナー検出等によって検出されたコーナー点や、線の端点、分岐点、交差点等である特徴点を示す情報などの画像のパターンマッチングで用いられる整備対象の特徴を示す情報)であってもよい。全体整備情報は、整備対象の全体に対応する整備に関する情報であり、例えば、整備の手順に関する情報であってもよく、整備対象の全体に対応する内部構造を示す情報であってもよく、整備対象の全体に対応する設定値や、出力に関する理論値や標準値、整備に関するその他の情報であってもよい。整備の手順に関する情報は、例えば、整備を行う部分の順番を示すものであってもよく、整備で行う処理を順番に示すものであってもよく、その他の整備の手順に関する情報であってもよい。また、整備対象の全体に対応する内部構造を示す情報は、例えば、内部構造を示す2次元の画像であってもよく、内部構造に対応した3次元コンピュータグラフィックスの情報であってもよく、その他の内部構造を示す情報であってもよい。設定値は、例えば、整備対象に設定する値であってもよい。また、理論値や標準値は、例えば、整備対象が出力する値の理論的な理想値や、経験に基づいた標準的な値であってもよい。また、全体整備情報は、例えば、整備の処理を開始するときに入力しなければならないパスワード等であってもよい。なお、全体情報は、通常、全体特徴情報と全体整備情報とを一対一に対応付ける情報であるが、全体情報は、複数の全体特徴情報と、1個の全体整備情報とを対応付ける情報であってもよい。すなわち、全体特徴情報と、全体整備情報とは、多対一の関係であってもよい。例えば、複数方向の画像に対応した複数の全体特徴情報と、1個の全体整備情報とが対応付けられていてもよい。その場合には、例えば、1個の全体情報に、複数の全体特徴情報と、1個の全体整備情報とが含まれていてもよい。例えば、ある整備対象について、正面の画像である全体特徴情報、右側面の画像である全体特徴情報、左側面の画像である全体特徴情報、平面(上面)の画像である全体特徴情報、背面の画像である全体特徴情報と、全体整備情報とを有する全体情報が存在してもよい。
【0021】
全体情報記憶部11に1以上の全体情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上の全体情報が全体情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上の全体情報が全体情報記憶部11で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上の全体情報が全体情報記憶部11で記憶されるようになってもよい。全体情報記憶部11での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。全体情報記憶部11は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。また、全体特徴情報や全体整備情報は、全体特徴情報や全体整備情報そのものであってもよく、あるいは、全体特徴情報等が格納されている位置を示すポインタやアドレスであってもよい。他の情報についても同様であるとする。
【0022】
部分情報記憶部12では、1以上の部分情報が記憶される。部分情報は、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、その整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する情報である。1個の部分情報に含まれる部分特定情報と、部分整備情報とは、同じ整備対象の部分に対応する情報である。整備対象の部分は、整備対象の少なくとも一部である。例えば、整備対象が装置や機械である場合に、その装置や機械を構成する一つのユニットが整備対象の部分であってもよい。また、例えば、整備対象がプラントの電源装置である場合に、その電源装置の表示パネルが整備対象の部分であってもよい。部分特定情報は、例えば、整備対象の部分に関する特徴の情報であってもよい。その整備対象の部分に関する特徴の情報は、整備対象の全体が部分となった以外、全体特徴情報と同様の情報である。その整備対象の部分に関する特徴の情報は、撮影画像において整備対象の部分を特定するために用いられる情報であり、例えば、整備対象の部分の画像であってもよく、その整備対象の部分の画像から抽出された、その整備対象の部分の特徴量であってもよい。また、部分整備情報は、整備対象の部分に対応する整備に関する情報であり、整備対象の全体が部分となった以外、全体整備情報と同様のものである。部分整備情報は、例えば、整備対象の部分に対応する内部構造を示す情報であってもよく、整備対象の部分に対応する設定値や、出力に関する理論値や標準値、整備に関するその他の情報であってもよい。なお、部分情報も全体情報と同様に、通常、部分特定情報と部分整備情報とを一対一に対応付ける情報であるが、部分情報は、複数の部分特定情報と、1個の部分整備情報とを対応付ける情報であってもよい。すなわち、部分特定情報と、部分整備情報とは、多対一の関係であってもよい。例えば、複数方向の画像に対応した複数の部分特定情報と、1個の部分整備情報とが対応付けられていてもよい。その場合には、例えば、1個の部分情報に、複数の部分特定情報と、1個の部分整備情報とが含まれていてもよい。例えば、ある整備対象の部分について、正面の画像である部分特定情報、右側面の画像である部分特定情報、左側面の画像である部分特定情報、平面(上面)の画像である部分特定情報、背面の画像である部分特定情報と、部分整備情報とを有する部分情報が存在してもよい。
【0023】
部分情報記憶部12に1以上の部分情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上の部分情報が部分情報記憶部12で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上の部分情報が部分情報記憶部12で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上の部分情報が部分情報記憶部12で記憶されるようになってもよい。部分情報記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。部分情報記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0024】
受付部13は、撮影の指示を受け付ける。撮影の指示は、例えば、1個の静止画像を撮影するための指示であってもよく、撮影が連続して行われる場合には、撮影の開始の指示であってもよい。受付部13は、例えば、シャッターボタンの押下により撮影の指示を受け付けてもよく、タッチパネル等において撮影の指示を受け付けてもよく、音声による撮影の指示を受け付けてもよく、その他の方法によって撮影の指示を受け付けてもよい。シャッターボタンは、例えば、デジタルスチルカメラのように、専用のボタンであってもよく、あるいは、携帯電話のように、他の機能と共用されるボタンであってもよい。また、受付部13は、拡大・縮小の指示も受け付けてもよい。その拡大・縮小は、撮影の拡大・縮小の指示であってもよく、表示の拡大・縮小の指示であってもよい。また、受付部13は、整備対象に対する整備の終了をも受け付けてもよい。また、受付部13は、その他の受け付けを行ってもよい。例えば、受付部13は、特定部16による処理を行う旨の指示を受け付けてもよい。受付部13は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された撮影の指示等を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された撮影の指示等を受信してもよい。なお、受付部13は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、受付部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0025】
撮影部14は、受付部13が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する。撮影部14は、その取得した撮影画像を撮影画像記憶部15に蓄積する。撮影画像は、例えば、静止画像であってもよく、あるいは、動画像であってもよい。また、撮影部14は、例えば、CCDや、CMOS等の撮像素子や、光学レンズ等を用いることによって、撮影画像を取得する。撮影部14は、受付部13が受け付けた拡大・縮小の指示に応じたズームイン・ズームアウトを行ってもよい。また、撮影画像のデータ形式は問わない。例えば、JPEGであってもよく、TIFFであってもよく、RAWデータであってもよい。撮影を行って撮影画像を取得する方法については、デジタルカメラ等によってすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0026】
撮影画像記憶部15では、撮影部14が取得した撮影画像が記憶される。その撮影画像は、前述のように、撮影部14によって蓄積されたものである。撮影画像記憶部15での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。撮影画像記憶部15は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0027】
特定部16は、撮影部14が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影部14が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する。撮影画像と適合する全体特徴情報や部分特定情報は、撮影画像の少なくとも一部と適合する全体特徴情報や部分特定情報であればよい。その適合は、いわゆるパターンマッチングの技術を用いて行われることになる。すなわち、撮影画像と全体特徴情報等との類似度が算出され、類似度がしきい値以上である場合に、両者が適合すると判断されてもよい。なお、全体特徴情報や、部分特定情報が画像である場合には、特定部16は、その画像から輪郭や特徴点等の特徴量を抽出し、撮影画像から抽出した特徴量と比較することによって、適合するかどうかの判断を行ってもよく、あるいは、画像そのものを比較することによって、適合するかどうかの判断を行ってもよい。また、全体特徴情報や、部分特定情報が、画像の特徴量である場合には、特定部16は、その特徴量である全体特徴情報等と、撮影画像から抽出した特徴量とを比較することによって、適合するかどうかの判断を行ってもよい。また、特定部16は、撮影画像が、全体特徴情報または部分特定情報と適合した場合に、その適合した撮影画像の領域の特定をも行ってもよい。例えば、特定部16は、その領域を示す情報を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。その領域を示す情報は、その領域の輪郭を示す情報であってもよい。なお、特定部16は、まず、撮影画像と適合する全体特徴情報が存在するかどうか判断し、存在する場合には部分特定情報に関する特定は行わず、存在しない場合に、撮影画像と適合する部分特定情報が存在するかどうか判断してもよい。また、撮影部14によって、整備対象の全体の撮影が行われた後に、その整備対象の部分の撮影が行われると決まっている場合には、特定部16は、まず整備対象の全体の撮影画像に対して全体特徴情報の特定を行い、その後に、整備対象の部分の撮影画像に対して部分特定情報の特定を行ってもよい。その部分特定情報の特定の際に、全体特徴情報の特定において撮影画像と適合するとされた全体特徴情報と同じ整備対象に関する部分特定情報のみを用いて、部分特定情報の特定を行ってもよい。このようにすることで、まず、全体特徴情報によって整備対象を絞り込むことができ、その後に、その整備対象における部分を絞り込むことができる。例えば、異なる整備対象であったとしても、それらの整備対象の部分同士が類似していることもありうる。そのため、部分特定情報のみを用いた特定を行った場合には、誤った特定を行う可能性がありうる。一方、そのような場合でも、整備対象の絞り込みを行った後に、その整備対象における部分の絞り込みを行うことによって、より誤りの少ない、適切な特定を行うことができるようになる。なお、特定部16による処理は、画像のパターンマッチングの処理としてすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0028】
現在位置取得部17は、整備情報表示装置1の現在位置を取得する。その現在位置の取得は、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いてなされてもよく、ジャイロなどの自律航法装置を用いてなされてもよく、その両方を用いることによって互いの欠点を補うようにしてもよい。現在位置取得部17は、例えば、屋外であればGPSを用いて現在位置を取得し、屋内であれば自律航法により、3次元加速度センサやジャイロ等を用いて整備情報表示装置1の移動を検出し、その検出した加速度や角速度を積分することによって移動方向や移動距離を算出し、現在位置を取得してもよい。また、現在位置取得部17は、屋内において、RFID(Radio Frequency Identification)や無線LAN、Bluetooth(登録商標)等を用いて3点測量を行うことによって現在位置を取得してもよく、人感センサやカメラ等のように、屋内の所定の場所に固定された機器を介して現在位置を取得してもよい。また、現在位置取得部17は、三次元方位センサ(三次元コンパス)を含み、3次元での向きも取得してもよい。なお、現在位置の取得方法は、これらに限定されないことは言うまでもない。例えば、携帯電話の最寄りの基地局を利用した現在位置の取得等を行ってもよい。また、現在位置取得部17が取得する現在位置は、例えば、緯度と経度を示す座標であってもよく、その他の座標であってもよい。本実施の形態では、現在位置が緯度・経度である場合について説明する。
【0029】
地図情報記憶部18では、地図に関する情報である地図情報が記憶される。地図情報は、例えば、地図の画像情報であってもよい。この画像情報は、例えば、ラスタデータ(ビットマップデータ)であってもよく、ベクタデータであってもよい。また、画像情報がラスタデータである場合には、地図情報に、複数の縮尺に対応した画像情報が含まれていてもよい。例えば、同じ地域について、縮尺の大きい画像情報、縮尺の中ぐらいの画像情報、縮尺の小さい画像情報が地図情報に含まれていてもよい。また、地図情報は、タイル状に分割された地図を示すものであり、それらを適宜組み合わせることによって、様々な領域の地図を表示することができるようになっていてもよい。ここで、「地図」は、地形図や、地勢図、地質図、土地利用図、住宅地図、路線図、道路地図、ガイドマップ等であってもよい。また、その地図情報は、ルート探索を行うことができるものである。すなわち、地図情報は、例えば、道路の位置を示すものであってもよい。また、その地図情報は、道路の属性(例えば、制限速度や、主要な道路であるのか、脇道であるのかなど)を知ることができるようになっているものであってもよい。また、例えば、この地図情報は、ナビゲーションで用いられるKIWIフォーマットのものであってもよい。また、「地図」は、地形や道路等が把握可能な航空写真や衛星写真、それらに記号や文字等が記入されたものなどであってもよい。地図情報において、地図の各地点と、座標(位置)との対応を知ることができるようになっているものとする。座標とは、ある基準点を原点とした座標(この座標は、例えば、距離でもよい)であってもよく、緯度・経度であってもよく、その他の位置を識別できる情報であってもよい。地図情報に、その座標そのものが含まれていてもよい。本実施の形態では、座標が緯度・経度である場合について説明する。また、「地図」は複数階を有する建物の各階に応じた見取り図や鳥瞰図であってもよい。その場合には、地図情報は、地図の各地点と、高さ(標高)方向も含む3次元の座標(位置)との対応を知ることができるようになっているものとする。高さ方向の座標は、例えば、高さの距離(メートル等)で示されてもよく、あるいは、階数で示されてもよい。また、この地図情報には、地名や、山や川などの地形に関する文字情報が含まれていてもよい。また、この地図情報において、北などの特定の方位がどちらであるのかが設定されていてもよい。なお、地図情報は、2次元のオンライン地図や電子地図等として公知であり、その詳細な説明を省略する。
【0030】
地図情報記憶部18に地図情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して地図情報が地図情報記憶部18で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された地図情報が地図情報記憶部18で記憶されるようになってもよい。また、地図情報記憶部18での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。地図情報記憶部18は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0031】
整備ルート情報記憶部19では、1以上の整備ルート情報が記憶される。整備ルート情報は、整備対象を識別する整備対象識別情報と、その整備対象から次の整備対象までのルートを示すルート情報とを有する情報である。ルート情報は、例えば、始点から終点までのルートを構成する多数の点の位置を示す情報であってもよい。その位置には、高さ(標高)方向の座標が含まれてもよい。すなわち、その位置は、3次元の座標の情報であってもよい。そのルート情報は、例えば、手作業で作成されてもよく、あるいは、経路探索の手法等を用いて自動的に作成されてもよい。後者の場合には、ルート情報は、例えば、整備情報表示装置1の使用中に生成され、蓄積されたものであってもよい。例えば、図示しないルート情報生成部が、整備の終了した整備対象の位置から次の整備対象までのルート情報を経路探索の手法を用いて生成し、その生成したルート情報と、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報とを含む整備ルート情報を整備ルート情報記憶部19に蓄積してもよい。その経路探索において、例えば、ダイクストラ法が用いられてもよく、A*アルゴリズムが用いられてもよく、ベルマン−フォード法が用いられてもよく、ワーシャル−フロイド法が用いられてもよく、その他のアルゴリズムが用いられてもよく。このルートの生成の処理は、すでに公知であり、その詳細な説明を省略する。例えば、オンラインマップにおいて、始点の緯度・経度と、終点の緯度・経度を入力すると、その始点から終点までのルートが表示されるものがある(例えば、「http://maps.google.co.jp/maps」等を参照のこと)。また、本実施の形態では、整備ルート情報記憶部19において、2以上の整備ルート情報が記憶される場合について説明する。整備対象識別情報は、例えば、整備対象の名称であってもよく、整備対象のIDであってもよく、あるいは、その他の整備対象を識別可能な情報であってもよい。整備ルート情報記憶部19で記憶されている整備ルート情報において、例えば、整備情報表示装置1のユーザが整備をする整備対象の順番が分かるようになっていてもよい。例えば、整備の順番に整備ルート情報が並んでいてもよく、あるいは、整備ルート情報に、整備の順番を示す情報が含まれていてもよい。また、整備が終了したかどうかを示すフラグ等の情報が整備ルート情報に含まれていてもよく、あるいは、含まれていなくてもよい。
【0032】
整備ルート情報記憶部19に1以上の整備ルート情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して1以上の整備ルート情報が整備ルート情報記憶部19で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された1以上の整備ルート情報が整備ルート情報記憶部19で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された1以上の整備ルート情報が整備ルート情報記憶部19で記憶されるようになってもよい。整備ルート情報記憶部19での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。整備ルート情報記憶部19は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0033】
表示部21は、特定部16が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部16が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する。なお、表示部21は、特定部16が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を、撮影部14が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分に対応付けて表示し、特定部16が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を、撮影部14が取得した撮影画像における部分特定情報で特定される部分に対応付けて表示してもよい。または、表示部21は、撮影画像とは別個に全体整備情報や部分整備情報を表示してもよい。ここで、対応付けて表示するとは、結果として対応が分かるようになればよく、例えば、全体整備情報が、撮影部14が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分の上に表示されてもよく、全体整備情報と、撮影部14が取得した撮影画像における全体特徴情報に適合する部分とが線やその他の図形でリンク付けられて表示されてもよい。また、表示部21は、撮影部14が撮影した撮影画像を表示してもよい。また、表示部21は、受付部13が受け付けた拡大・縮小の指示に応じて、表示している撮影画像を拡大・縮小してもよい。また、表示部21は、撮影部14が撮影を行う際に、その撮影対象の表示を行ってもよい。どのような撮影が行われるのかをユーザが確認できるようにするためである。また、表示部21は、受付部13が整備の終了を受け付けた場合に、その整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示を行ってもよい。整備対象識別情報に対応するルート情報とは、整備対象識別情報と同じ整備ルート情報に含まれるルート情報のことである。そのルート情報に関する表示として、表示部21は、ルート情報の示すルートに対応する図形(通常、線状の図形である)を、地図上に表示してもよく、いわゆる直感ナビ(登録商標)のように、撮影部14が撮影した撮影画像上に目的地までのルートを案内する画像を重ねて表示してもよく、その他のルート情報を用いたナビゲーションを行ってもよい。表示部21は、地図を表示する場合に、表示対象となる領域の地図情報のみを地図情報記憶部18から読み出して表示するものとする。地図情報を表示するとは、地図情報における地図の画像を表示することである。なお、その地図の画像には、地名や、北を示す方位図形、縮尺を示す縮尺表示等が表示されてもよい。また、表示部21は、整備情報表示装置1の位置を示すマークを地図上に表示してもよい。そのマークは、現在位置取得部17が取得した現在位置に応じて表示されてもよい。また、表示部21が、ルート情報の示すルートを地図上に表示する場合には、ルートの全体を表示してもよく、あるいは、現在位置の近辺のルートのみを表示してもよい。この表示部21は、例えば、携帯電話やスマートフォン、PDA等のディスプレイのように、手で保持するものであってもよく、あるいは、ヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0034】
なお、表示部21は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、液晶ディスプレイなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示対象の表示は、別の装置においてなされてもよい。その場合には、表示部21は、装置の外部に対して表示対象の情報を送信するものであってもよい。また、表示部21は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0035】
また、全体情報記憶部11と、部分情報記憶部12と、撮影画像記憶部15と、地図情報記憶部18と、整備ルート情報記憶部19とのうち、任意の二以上の記憶部は、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、例えば、全体情報を記憶している領域が全体情報記憶部11となり、部分情報を記憶している領域が部分情報記憶部12となる。
【0036】
次に、整備情報表示装置1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)受付部13は、撮影の指示を受け付けたかどうか判断する。そして、撮影の指示を受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS104に進む。
【0037】
(ステップS102)撮影部14は、撮影を行い、撮影画像を取得する。
【0038】
(ステップS103)撮影部14は、取得した撮影画像を撮影画像記憶部15に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
なお、撮影部14が撮影を連続して行う場合や、動画像を撮影する場合には、ステップS102,S103の処理が繰り返して実行されてもよい。また、動画像が撮影される場合には、その動画像が蓄積されることになるが、連続した撮影を行うだけであって、動画像を撮影するのではない場合には、最新の撮影画像のみが撮影画像記憶部15に蓄積されてもよい。
【0039】
(ステップS104)特定部16は、全体特徴情報や、部分特定情報の特定を行うかどうか判断する。例えば、受付部13が、その特定を行う旨の指示を受け付けた場合に、その特定の処理を行うと判断してもよく、撮影部14が撮影画像の取得を行った場合に、その特定の処理を行うと判断してもよく、その他のタイミングで、その特定の処理を行うと判断してもよい。
【0040】
(ステップS105)特定部16は、全体特徴情報等の特定の処理を行う。この処理の詳細については、図3のフローチャートを用いて後述する。この処理で用いられる撮影画像は、通常、最新の撮影画像である。また、撮影画像が動画である場合にも、通常、その動画を構成する最新のフレームが、この処理で用いられる。
【0041】
(ステップS106)特定部16は、ステップS105において、全体特徴情報または部分特定情報の特定を行うことができたかどうか判断する。そして、特定を行うことができた場合には、ステップS107に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。なお、ステップS101に戻る際に、撮影画像に対応する整備情報が存在しなかった旨が表示されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0042】
(ステップS107)表示部21は、ステップS105において、特定部16が全体特徴情報を特定した場合には、その全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部16が部分特定情報を特定した場合には、その部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する。その表示は、例えば、その全体特徴情報等に適合する撮影画像の部分に対応付けられた表示であってもよい。撮影部14による撮影が連続して行われている場合には、その全体特徴情報等に適合する撮影画像の部分が表示画面上で移動することがある。その場合には、例えば、その移動に応じて、全体整備情報等の表示される位置も移動されてもよい。
【0043】
(ステップS108)受付部13は、整備対象に対する整備の終了を受け付けたかどうか判断する。そして、その整備の終了を受け付けた場合には、ステップS109に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。ここで、受付部13は、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報をも受け付けてもよい。
【0044】
(ステップS109)表示部21は、整備ルート情報記憶部19を参照し、整備の終了された整備対象を識別する整備対象識別情報を含む整備ルート情報が存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS110に進み、存在しない場合には、ステップS101に戻る。なお、ステップS101に戻る際に、すべての整備が完了した旨が表示されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0045】
(ステップS110)表示部21は、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示を行う。この表示は、例えば、ユーザがルート情報の目的地に到達するまで、行われてもよい。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートにおいて、撮影画像の蓄積が行われた後に特定の処理が行われる場合には、ステップS103からステップS105に進んでもよい。また、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0046】
図3は、図2のフローチャートにおける特定の処理(ステップS105)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS201)特定部16は、カウンタiを1に設定する。
【0047】
(ステップS202)特定部16は、全体情報記憶部11で記憶されているi番目の全体特徴情報と、撮影画像とが適合するかどうか判断する。そして、適合する場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS203に進む。
【0048】
(ステップS203)特定部16は、カウンタiを1だけインクリメントする。
【0049】
(ステップS204)特定部16は、i番目の全体特徴情報が存在するかどうか判断する。そして、i番目の全体特徴情報が存在する場合には、ステップS202に戻り、そうでない場合には、ステップS206に進む。
【0050】
(ステップS205)特定部16は、i番目の全体特徴情報を特定する。全体特徴情報の特定は、例えば、その特定対象の全体特徴情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、その全体特徴情報に対応付けて特定した旨を示すフラグ等を設定することであってもよい。なお、特定部16は、全体特徴情報と適合する撮影画像の部分を示す情報の特定も行ってもよい。そして、図2のフローチャートに戻る。
【0051】
(ステップS206)特定部16は、カウンタiを1に設定する。
【0052】
(ステップS207)特定部16は、部分情報記憶部12で記憶されているi番目の部分特定情報と、撮影画像とが適合するかどうか判断する。そして、適合する場合には、ステップS210に進み、そうでない場合には、ステップS208に進む。
【0053】
(ステップS208)特定部16は、カウンタiを1だけインクリメントする。
【0054】
(ステップS209)特定部16は、i番目の部分特定情報が存在するかどうか判断する。そして、i番目の部分特定情報が存在する場合には、ステップS207に戻り、そうでない場合には、図2のフローチャートに戻る。図2のフローチャートに戻る場合には、撮影画像に対して、全体特徴情報等が特定されなかったことになる。
【0055】
(ステップS210)特定部16は、i番目の部分特定情報を特定する。部分特定情報の特定は、例えば、その特定対象の部分特定情報を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよく、あるいは、その部分特定情報に対応付けて特定した旨を示すフラグ等を設定することであってもよい。なお、特定部16は、部分特定情報と適合する撮影画像の部分を示す情報の特定も行ってもよい。そして、図2のフローチャートに戻る。
【0056】
次に、本実施の形態による整備情報表示装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、整備情報表示装置1は、撮影機能付きのタブレットPC(Personal Computer)であるとする。また、この具体例では、整備対象がコピー機であって、ユーザが、ある工場における各部署のコピー機を整備する場合について説明する。また、この具体例では、全体情報記憶部11において、図4で示される複数の全体情報が記憶されているものとする。図4において、全体情報を識別する全体IDと、全体特徴情報と、全体整備情報とが対応付けられている。この具体例では、全体特徴情報と全体整備情報とが一対一に対応付けられているものとする。例えば、全体ID「1」の1番目の全体情報(1番目のレコード)において、全体特徴情報「F001」と、整備の手順を示す全体整備情報「手順1:…… 手順2:……」とが対応付けられている。その全体特徴情報は、整備対象の全体の画像を識別する情報であるとする。そして、その情報で識別される画像自体は、別途、全体情報記憶部11において記憶されているものとする。但し、説明の便宜上、全体特徴情報「F001」で識別される画像を、全体特徴情報「F001」と呼ぶこともある。他の全体特徴情報についても同様である。その全体特徴情報「F001」は、図5で示される整備対象の全体の画像であるとする。したがって、その図5で示される整備対象については、その画像「F001」に対応する全体整備情報の示す手順に従って整備を行うことになる。
【0057】
また、この具体例では、部分情報記憶部12において、図6で示される複数の部分情報が記憶されているものとする。図6において、部分情報を識別する部分IDと、部分特定情報と、部分整備情報とが対応付けられている。この具体例では、部分特定情報と部分整備情報とが一対一に対応付けられているものとする。例えば、部分ID「1」の1番目の部分情報(1番目のレコード)において、部分特定情報「P001」と、部分整備情報「標準AAA値:…… 標準BBB値:……」とが対応付けられている。その部分特定情報は、整備対象の部分の画像を識別する情報であるとする。そして、その情報で識別される画像自体は、別途、部分情報記憶部12において記憶されているものとする。但し、説明の便宜上、部分特定情報「P001」で識別される画像を、部分特定情報「P001」と呼ぶこともある。他の部分特定情報についても同様である。その部分特定情報「P001」や「P002」は、図7で示される、整備対象の部分の画像であるとする。したがって、その図7(a)で示される整備対象の部分については、その画像「P001」に対応する部分整備情報「標準AAA値:…… 標準BBB値:……」に応じた標準AAA値等となるように、整備が行われることになる。その部分整備情報によって、標準の値を知ることができるため、異常値を容易に発見することができるようになる。
【0058】
また、この具体例では、整備ルート情報記憶部19において、図8で示される複数の整備ルート情報が記憶されているものとする。図8において、整備対象識別情報と、ルート情報とが対応付けられている。例えば、1番目の整備ルート情報(1番目のレコード)において、整備対象識別情報「ABC室コピー機」と、ルート情報R001とが対応付けられている。そのルート情報R001は、「ABC室コピー機」で識別される整備対象から、次の整備対象識別情報である「XYZ室コピー機」で識別される整備対象までのルートを示すルート情報であるとする。そのルート情報R001は、例えば、(X101,Y101,1F)、(X102,Y102,1F)、(X103,Y103,1F)…(X110,Y110,3F)…という情報であってもよい。そのルート情報R001を構成する各座標(X101,Y101,1F)等は、2次元の座標情報と、階数を示す高さ方向の座標とを含む情報である。
【0059】
まず、ユーザが、整備情報表示装置1であるタブレットPCを持って、ABC室のコピー機の位置まで行き、その整備情報表示装置1を操作して、整備ルート情報を表示させる処理を開始させたとする。そして、整備情報表示装置1のタッチパネルの反対側に存在するカメラの撮影画像をタッチパネルで確認し、図9のようにコピー機が表示された際に、タッチパネル上の「撮影」ボタンをタップしたとする。すると、その操作に応じて、受付部13は、撮影の指示を受け付け、撮影部14に撮影の指示を受け付けた旨を渡す(ステップS101)。すると、撮影部14は、その時点での撮影画像を取得し、撮影画像記憶部15に蓄積する(ステップS102,S103)。なお、その撮影画像は、図9でタッチパネルに表示されている画像である。また、ユーザが撮影を行うと、タッチパネルの表示は、その撮影時の画像で固定されるものとする。
【0060】
次に、ユーザが画面上の「特定」ボタンをタップすると、受付部13は、特定の処理を開始する指示を受け付けて、図示しない経路により特定部16に渡す。特定部16は、その指示を受け取ると、特定を行うタイミングであると判断し(ステップS104)、特定の処理を行う(ステップS105)。具体的には、特定部16は、図4で示される全体情報を参照し、1番目の全体特徴情報「F001」が、撮影画像と適合するかどうか判断する(ステップS201,S202)。この場合には、全体特徴情報が図5で示される「F001」であり、撮影画像が図9でタッチパネルに表示されているものであるため、特定部16は、適合すると判断し、全体特徴情報「F001」を撮影画像と適合するものとして特定し、その全体特徴情報「F001」が含まれる全体情報を識別する全体ID「1」と、その全体特徴情報の画像に対応する撮影画像における領域を示す情報とを表示部21に渡す(ステップS205,S106)。すると、表示部21は、全体ID「1」で識別される全体情報から全体整備情報を読み出し、その全体整備情報を、特定部16から受け取った全体特徴情報「F001」に対応する領域に重ねて表示する(ステップS107)。その結果、図10で示されるように、コピー機の画像の上に、全体整備情報が表示されることになる。そして、ユーザは、この表示を見ながら、順次、処理を行うことによって、整備を行うことができる。
【0061】
その整備において、ユーザが、整備対象であるコピー機の特定の部分について整備情報を知りたくなったとする。そして、ユーザが、タッチパネル上の「撮影」ボタンをタップしたとする。すると、整備情報表示装置1が撮影モードとなり、カメラの撮影画像がタッチパネルに表示されるようになる。そして、ユーザは、その表示を確認しながら、整備情報を知りたい部分がタッチパネルに表示された図11で示される状態で、「撮影」ボタンを再度、タップすると、上述の説明と同様に、撮影画像の取得と蓄積が行われる(ステップS101〜S103)。なお、その撮影画像は、図11で表示されている画像である。その後、ユーザが、「特定」ボタンをタップすると、上述の説明と同様に、特定の処理が行われる(ステップS104,S105)。この場合には、全体情報において、撮影画像と適合する全体特徴情報が存在しなかったとする(ステップS201〜S204)。すると、特定部16は、図6で示される部分情報を参照し、1番目の部分特定情報「P001」が、撮影画像と適合するかどうか判断する(ステップS206,S207)。この場合には、部分特定情報が図7(a)で示される「P001」であり、撮影画像が図11でタッチパネルに表示されているものであるため、特定部16は、適合すると判断し、その部分特定情報「P001」が含まれる部分情報を識別する部分ID「1」と、その部分特定情報の画像に対応する撮影画像における領域を示す情報とを表示部21に渡す(ステップS210,S106)。すると、表示部21は、部分ID「1」で識別される部分情報から部分整備情報を読み出し、その部分整備情報を、特定部16から受け取った部分特定情報「P001」に対応する領域に重ねて表示する(ステップS107)。その結果、図12で示されるように、コピー機のある部分の画像の上に、部分整備情報が表示されることになる。そして、ユーザは、この表示を見ながら、その部分についての検査値が標準値とあっているかどうかを確認することなどによって、整備を行うことができる。このようにして、順次、整備対象であるコピー機の整備が行われていく。
【0062】
その後、そのコピー機の整備がすべて終了したとする。そして、そのときに、タッチパネル上の「終了」ボタンをタップしたとする。すると、表示部21は、整備ルート情報記憶部19から整備対象識別情報の一覧を読み出して表示する。その一覧の表示において、ユーザが、「ABC室コピー機」をタップしたとする。すると、受付部13は、整備対象識別情報「ABC室コピー機」で識別される整備対象に関する整備の終了を受け付けたと判断し、整備対象識別情報「ABC室コピー機」と、整備の終了した旨とを表示部21に渡す(ステップS108)。表示部21は、整備の終了した旨等を受け取ると、整備ルート情報記憶部19で記憶されている複数の整備ルート情報を参照し、受け取った整備対象識別情報「ABC室コピー機」を含む整備ルート情報が存在するかどうか判断する。図8では、整備対象識別情報「ABC室コピー機」を含む整備ルート情報(1番目のレコード)が存在するため、ルート情報が存在すると判断し(ステップS109)、そのルート情報R001を読み出す。そして、表示部21は、ルート情報R001を読み出すと、そのルート情報R001の示すルートに対応する地図の画像を地図情報記憶部18から読み出し、その地図上に、ルート情報R001に対応するルートの図形を表示した画像を、図13で示されるように、タッチパネルに表示する(ステップS110)。ユーザは、この表示を見ることによって、次にどこに行けばよいのかを容易に知ることができるようになる。そして、その目的地に到着すると、そこにおいても、整備対象を撮影し、その整備対象に対応付けて表示された整備情報を見ることによって、適切な整備を行うことができるようになる。なお、ユーザが目的地に至るまで、図13で示されるルート上に現在位置に応じた図形を表示することによってナビゲーションを行ってもよく、あるいは、ナビゲーションを行わないでルートの表示のみを行ってもよい。
【0063】
なお、図13では、ルート情報が地図上に表示される場合について説明したが、そうでなくてもよい。前述のように、ユーザがタッチパネルの反対側に存在するカメラの撮影画像をタッチパネルに表示させ、その表示上において、直感ナビ(登録商標)のように目的地までのルートの案内画像を表示してもよい。その場合には、表示部21は、例えば、ルート情報と、現在位置取得部17が取得した現在位置及び整備情報表示装置1の方向とを用いて、ルート情報の示すルート上の現在の地点を特定し、その特定した現在の地点から目的地に向かうルートに応じた方向を特定する。そして、撮影画像上に、その特定した方向に応じた文字列「前進」「右方向」「左方向」「反対を向く」「3階へ」や記号「→」「←」「↑」「↓」等を表示することによって、ユーザを目的地までナビゲートしてもよい。その場合には、例えば、図14で示される表示がなされることになる。なお、特定した方向に応じた文字列や記号は、あらかじめ図示しない記録媒体で記憶されており、表示部21は、特定した方向に応じた画像を読み出して撮影画像上に表示してもよい。その撮影画像と、特定した方向に応じた文字列や記号との表示は、目的地に着くまで行われることになる。
【0064】
なお、この具体例では、全体整備情報や部分整備情報として、文字列の情報が表示される場合について説明したが、そうでなくてもよい。全体整備情報や部分整備情報が画像であり、その画像が整備対象の全体または部分の上に重ねて表示されてもよい。例えば、図15で示されるように、コピー機のある部分に対応付けて、その内部構造を示す画像である部分整備情報が表示されてもよい。この表示を見ることによって、ユーザは、整備対象の内部構成等を知ることができ、それを参照しながら、適宜、整備を行うことができる。
【0065】
また、この具体例では、全体情報と部分情報とが関係なく独立して用いられる場合について説明したが、前述のように、特定された全体特徴情報に対応する部分特定情報を用いて、全体の特定の後の部分の特定を行ってもよい。その場合には、例えば、図16で示されるように、同じ整備対象に対応する、全体情報と部分情報とを対応付ける情報である親子関係情報が図示しない記録媒体(この記録媒体は、親子関係情報記憶部であってもよい)で記憶されており、特定部16は、それを用いて、部分特定情報の特定を行ってもよい。図16において、全体IDと、部分IDとが対応付けられている。全体IDは、全体情報を識別するものであり、部分IDは、部分情報を識別するものである。この親子関係情報によって、同じ整備対象についての全体情報と、部分情報とが対応付けられることになる。なお、通常、親子関係情報において、全体IDと部分IDとは一対多の関係となるが、例えば、全体情報記憶部11において、全体特徴情報と全体整備情報とが多対一の関係である場合には、親子関係情報において、全体IDと部分IDとは多対多の関係となってもよい。また、親子関係情報は、少なくとも、同じ整備対象に対応する、全体特徴情報と部分特定情報とを対応付ける情報であれば、その他の形式の情報であってもよい。この親子関係情報が存在する場合には、例えば、全体ID「1」で識別される全体情報に含まれる全体特徴情報が特定された後の特定の処理において、撮影画像が各全体特徴情報と適合しなかった場合(ステップS204の「N」の場合)には、特定部16は、図17で示される親子関係情報を参照し、直前に特定された全体特徴情報を含む全体情報に対応する全体ID「1」に対応する部分ID「1」「2」「3」「4」…を読み出し、その部分ID「1」「2」「3」「4」…に対応する部分情報のみを用いて、部分特定情報の特定を行うようにしてもよい。このようにすることで、前述のように、異なる整備対象に似た部分が存在する場合であっても、その部分特定情報の特定時の誤判断を少なくすることができる。なお、取得された撮影画像に対して、全体特徴情報が適合するまでは、直前に特定された全体特徴情報に対応する部分特定情報を用いて、撮影画像に適合する部分特定情報の特定を行ってもよい。また、親子関係情報は、結果として、同じ整備対象の全体と部分との親子関係を示すことができるのであれば、その他の情報であってもよい。例えば、親子関係情報は、同じ整備対象に対応する、全体特徴情報と部分特定情報とを対応付ける情報であってもよい。
【0066】
また、この具体例では、「撮影」ボタンのタップに応じて撮影がなされる場合について説明したが、前述のように、連続して撮影が行われ、その最新の撮影画像に対して、全体特徴情報等の特定が連続して行われてもよい。
【0067】
以上のように、本実施の形態による整備情報表示装置1によれば、整備対象に対して、全体整備情報を表示することができ、整備対象の部分に対して、部分整備情報を表示することができる。その結果、整備対象の細かい部分についても、詳細な整備の情報を表示することができるようになり、整備対象の整備を適切に支援することができるようになる。また、整備対象の位置に関するナビゲーションを行うことができることにより、整備業務そのものの支援をも行うことができるようになる。
【0068】
なお、本実施の形態において、部分特定情報は、整備対象の全体における領域を示す情報であってもよい。すなわち、整備対象の全体における一部の領域を示す情報が1個の部分特定情報であってもよい。例えば、図17で示されるように、整備対象であるコピー機の全体が、6個の領域に分けられており、各領域を示す情報が、部分特定情報となっていてもよい。その部分特定情報は、例えば、整備対象の全体の画像(例えば、全体特徴情報であってもよい)における領域の輪郭を示す情報(例えば、領域の輪郭を示す複数の座標からなる情報等)であってもよい。部分情報における部分特定情報は、例えば、図18で示されるように、全体特徴情報と、領域情報とを有していてもよい。ここで、全体特徴情報は、例えば、整備対象の全体の画像を識別する情報である。そして、領域情報は、その整備対象の全体の画像における領域を示す情報である。例えば、領域情報R001は、図17における領域1を示す情報であり、領域情報R002は、図17における領域2を示す情報であってもよい。また、その部分特定情報を用いた特定を行う場合には、表示部21は、撮影部14が撮影した撮影画像を表示するものであるとする。また、受付部13は、拡大・縮小の指示も受け付けるものであるとする。その拡大・縮小は、撮影部14が撮影する撮影画像の拡大・縮小であってもよく、あるいは、表示部21が表示している撮影画像の拡大・縮小であってもよい。いずれの場合であっても、結果として、表示部21が表示する撮影画像は、受付部13が受け付けた拡大・縮小の指示に応じてズームイン・ズームアウトが行われることになる。そして、特定部16は、撮影画像と適合する全体特徴情報を特定した後に、その全体特徴情報に適合する部分の一部にズームインされた場合に、そのズームインされた領域を示す部分特定情報を特定してもよい。例えば、図9で示されるように整備対象であるコピー機の全体が表示されており、その後に、撮影または表示の拡大が行われることによって、図11で示されるように、図17の領域1の部分にズームインが行われたとする。その場合には、特定部16は、まず、全体特徴情報「F001」の特定を行う(その際に、前述の具体例のように、その全体特徴情報に応じた全体整備情報が表示されてもよい)。その後に、特定部16は、ズームインされた全体特徴情報「F001」における領域を特定し、その領域と重複の割合が大きい、その全体特徴情報「F001」を有する部分特定情報に含まれる領域情報を特定する。ズームインされた全体特徴情報「F001」における領域の特定は、例えば、ズームイン後の画像と、整備対象の全体の画像とのパターンマッチングを行うことによって行われてもよく、整備対象の全体の画像における特徴点をズームイン時に追跡することによって行われてもよく、あるいは、その他の方法によって行われてもよい。この場合には、領域情報R001が重複の割合が最も大きかったとする。すると、特定部16は、その領域情報R001を含む部分特定情報を特定する。その結果、その部分特定情報に対応する部分整備情報が、図12で示されるように表示されることになる。
【0069】
また、本実施の形態において、全体整備情報や部分整備情報は、前述のように、3次元コンピュータグラフィックスの情報であってもよい。その場合の処理について、簡単に説明する。例えば、全体整備情報が3次元コンピュータグラフィックスの情報であるとする。その全体整備情報は、3次元のモデリングされた情報であってもよい。そして、例えば、ユーザは、まず整備対象の正面の画像を図19(a)で示されるように撮影する。そして、その撮影画像を用いて、全体特徴情報の特定を行う。また、その撮影時の整備情報表示装置1の向きを基準として、現在位置取得部17等が有する三次元方位センサ等を用いて、整備情報表示装置1の向きを算出する。その後、例えば、図19(b)で示される撮影画像を撮影すると、三次元方位センサ等は、その時点の整備情報表示装置1の基準からの向きを算出する。そして、表示部21は、その向きを視線方向として、全体整備情報のモデルをレンダリングすることによって、図19(c)で示される2次元の画像を取得する。その後、表示部21は、図19(b)で示される撮影画像と、図19(c)で示される、レンダリング後の全体整備情報とを重ねて表示することにより、図19(d)で示される表示を行う。このようにして、3次元の内部構造を整備対象に重ねて表示することができる。この場合には、図19(d)で示されるように、撮影画像と、全体整備情報との両方について、背面側も透過するように表示してもよい。または、図12や図15のように、レンダリング後の画像を前面側に表示し、撮影画像を背面側に表示するようにしてもよい。また、部分整備情報が3次元コンピュータグラフィックスの情報である場合にも、同様にして、3次元の表示を行うことができる。
【0070】
また、本実施の形態では、整備情報表示装置1が現在位置取得部17や地図情報記憶部18を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、直感ナビ(登録商標)のように、地図情報を表示しないでナビゲーションを行う場合には、整備情報表示装置1が地図情報記憶部18を備えていなくてもよい。また、現在位置を用いたナビゲーションを行わず、図13で示されるように、単にルートのみを示す場合には、整備情報表示装置1は現在位置取得部17を備えていなくてもよい。
【0071】
また、本実施の形態では、ルート情報に関する表示をも行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。ルート情報に関する表示を行わない場合には、整備情報表示装置1は、現在位置取得部17や、地図情報記憶部18、整備ルート情報記憶部19を備えていなくてもよい。
【0072】
また、本実施の形態では、全体整備情報や部分整備情報を、その全体整備情報に対応する撮影画像の部分や、その部分整備情報に対応する撮影画像の部分に対応付けて表示する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。表示部21は、撮影情報の対応する部分とは関係なく全体整備情報や部分整備情報を表示してもよい。
【0073】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。例えば、全体情報記憶部11、部分情報記憶部12、特定部16とはサーバに存在し、それら以外の構成要素はクライアントに存在し、そのサーバ・クライアント間での通信を行いながら、上記実施の形態で説明したような整備情報の表示が行われてもよい。
【0074】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0076】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0077】
また、上記実施の形態において、整備情報表示装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
【0078】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における整備情報表示装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部とにアクセス可能なコンピュータを、撮影の指示を受け付ける受付部、受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部、特定部が全体特徴情報を特定した場合には、全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、特定部が部分特定情報を特定した場合には、部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部として機能させるためのプログラムである。
【0079】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を受け付ける受付部や、情報を表示する表示部などにおける入力デバイスや表示デバイスなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0080】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0081】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0082】
図20は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による整備情報表示装置1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0083】
図20において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0084】
図21は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図21において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0085】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による整備情報表示装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0086】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による整備情報表示装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0087】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上より、本発明による整備情報表示装置等によれば、整備対象の全体についても、また部分についても整備の情報を表示できるという効果が得られ、例えば、整備情報を表示する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 整備情報表示装置
11 全体情報記憶部
12 部分情報記憶部
13 受付部
14 撮影部
15 撮影画像記憶部
16 特定部
17 現在位置取得部
18 地図情報記憶部
19 整備ルート情報記憶部
21 表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、当該整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、
整備対象の部分を特定する部分特定情報と、当該整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部と、
撮影の指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部と、
前記撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、前記撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部と、
前記特定部が全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、前記特定部が部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部と、を備えた整備情報表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記特定部が全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を、前記撮影部が取得した撮影画像における当該全体特徴情報に適合する部分に対応付けて表示し、前記特定部が部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を、前記撮影部が取得した撮影画像における当該部分特定情報で特定される部分に対応付けて表示する、請求項1記載の整備情報表示装置。
【請求項3】
前記全体特徴情報は、整備対象の全体の画像である、請求項1または請求項2記載の整備情報表示装置。
【請求項4】
前記部分特定情報は、整備対象の部分に関する特徴の情報である、請求項1から請求項3のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項5】
前記部分特定情報は、整備対象の部分の画像である、請求項4記載の整備情報表示装置。
【請求項6】
前記受付部は、拡大・縮小の指示も受け付けるものであり、
前記表示部は、前記撮影部が撮影した撮影画像を表示するものであり、
前記表示部が表示する撮影画像は、前記受付部が受け付けた拡大・縮小の指示に応じてズームイン・ズームアウトが行われ、
前記部分特定情報は、整備対象の全体における領域を示す情報であり、
前記特定部は、撮影画像と適合する全体特徴情報を特定した後に、当該全体特徴情報に適合する部分の一部にズームインされた場合に、当該ズームインされた領域を示す部分特定情報を特定する、請求項1から請求項3のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項7】
前記全体整備情報は、整備の手順に関する情報である、請求項1から請求項6のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項8】
前記受付部は、整備対象に対する整備の終了をも受け付けるものであり、
整備対象を識別する整備対象識別情報と、当該整備対象から次の整備対象までのルートを示すルート情報とを有する整備ルート情報が1以上記憶される整備ルート情報記憶部をさらに備え、
前記表示部は、前記受付部が整備の終了を受け付けた場合に、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示をも行う、請求項1から請求項7のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項9】
整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、当該整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、当該整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部と、受付部と、撮影部と、特定部と、表示部とを用いて処理される整備情報表示方法であって、
前記受付部が、撮影の指示を受け付ける受付ステップと、
前記撮影部が、前記受付ステップで受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影ステップと、
前記特定部が、前記撮影ステップで取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、前記撮影ステップで取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定ステップと、
前記表示部が、前記特定ステップで全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、前記特定ステップで部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示ステップと、を備えた整備情報表示方法。
【請求項10】
整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、当該整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、当該整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部とにアクセス可能なコンピュータを、
撮影の指示を受け付ける受付部、
前記受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、前記撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部、
前記特定部が全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、前記特定部が部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、当該整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、
整備対象の部分を特定する部分特定情報と、当該整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部と、
撮影の指示を受け付ける受付部と、
前記受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部と、
前記撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、前記撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部と、
前記特定部が全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、前記特定部が部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部と、を備えた整備情報表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記特定部が全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を、前記撮影部が取得した撮影画像における当該全体特徴情報に適合する部分に対応付けて表示し、前記特定部が部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を、前記撮影部が取得した撮影画像における当該部分特定情報で特定される部分に対応付けて表示する、請求項1記載の整備情報表示装置。
【請求項3】
前記全体特徴情報は、整備対象の全体の画像である、請求項1または請求項2記載の整備情報表示装置。
【請求項4】
前記部分特定情報は、整備対象の部分に関する特徴の情報である、請求項1から請求項3のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項5】
前記部分特定情報は、整備対象の部分の画像である、請求項4記載の整備情報表示装置。
【請求項6】
前記受付部は、拡大・縮小の指示も受け付けるものであり、
前記表示部は、前記撮影部が撮影した撮影画像を表示するものであり、
前記表示部が表示する撮影画像は、前記受付部が受け付けた拡大・縮小の指示に応じてズームイン・ズームアウトが行われ、
前記部分特定情報は、整備対象の全体における領域を示す情報であり、
前記特定部は、撮影画像と適合する全体特徴情報を特定した後に、当該全体特徴情報に適合する部分の一部にズームインされた場合に、当該ズームインされた領域を示す部分特定情報を特定する、請求項1から請求項3のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項7】
前記全体整備情報は、整備の手順に関する情報である、請求項1から請求項6のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項8】
前記受付部は、整備対象に対する整備の終了をも受け付けるものであり、
整備対象を識別する整備対象識別情報と、当該整備対象から次の整備対象までのルートを示すルート情報とを有する整備ルート情報が1以上記憶される整備ルート情報記憶部をさらに備え、
前記表示部は、前記受付部が整備の終了を受け付けた場合に、整備の終了した整備対象を識別する整備対象識別情報に対応するルート情報に関する表示をも行う、請求項1から請求項7のいずれか記載の整備情報表示装置。
【請求項9】
整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、当該整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、当該整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部と、受付部と、撮影部と、特定部と、表示部とを用いて処理される整備情報表示方法であって、
前記受付部が、撮影の指示を受け付ける受付ステップと、
前記撮影部が、前記受付ステップで受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影ステップと、
前記特定部が、前記撮影ステップで取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、前記撮影ステップで取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定ステップと、
前記表示部が、前記特定ステップで全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、前記特定ステップで部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示ステップと、を備えた整備情報表示方法。
【請求項10】
整備対象の全体に関する特徴の情報である全体特徴情報と、当該整備対象の整備に関する情報である全体整備情報とを有する全体情報が1以上記憶される全体情報記憶部と、整備対象の部分を特定する部分特定情報と、当該整備対象の部分の整備に関する情報である部分整備情報とを有する部分情報が1以上の記憶される部分情報記憶部とにアクセス可能なコンピュータを、
撮影の指示を受け付ける受付部、
前記受付部が受け付けた撮影の指示に応じて撮影を行い、撮影画像を取得する撮影部が取得した撮影画像と適合する全体特徴情報、または、前記撮影部が取得した撮影画像と適合する部分特定情報を特定する特定部、
前記特定部が全体特徴情報を特定した場合には、当該全体特徴情報に対応する全体整備情報を表示し、前記特定部が部分特定情報を特定した場合には、当該部分特定情報に対応する部分整備情報を表示する表示部として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−198791(P2012−198791A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62897(P2011−62897)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
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