説明

整髪料組成物

【課題】きしみ感やべたつきがない使用感でありながら、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性に優れる整髪料組成物の提供。
【解決手段】(a)疎水化処理された酸化チタン、酸化亜鉛などの微粒子金属酸化物を0.1〜5質量%、(b)パラフィン、キャンデリラロウなどの融点50℃以上の油剤に、(c)25℃で固形状のHLB12以上のノニオン性界面活性剤を含有するO/W乳化型の整髪料組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水化処理された微粒子金属酸化物、融点50℃以上の油剤を含有することを特徴とする整髪料組成物に関するものであり、更に詳しくは、きしみ感やべたつきがない使用感でありながら、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性に優れる整髪料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、整髪料組成物には、求める使用感やスタイリング性、スタイリングの持続力、再整髪性、耐湿性などの多くの機能を有することが可能であるが、最も重要な機能であるスタイリング力を付与するために、皮膜形成性のある高分子や樹脂が汎用され、ジェルやフォームやスプレーなど様々な剤型に用いられてきた(例えば、特許文献1〜3参照)。一方、固形油を含有して、スタイリング力を付与することも知られており、様々な油剤を組み合わせて含有したり、更に皮膜形成性のある高分子や樹脂も併用することが検討されてきた。固形油は、仕上がりの固い整髪性樹脂などに比べ、ヘアスタイルが崩れた際の戻し易さ、即ち、再整髪性に優れることより、乳化剤型の整髪料組成物に多く用いられてきている(例えば、特許文献4〜6参照)。
しかしながら、固形油を多く含有すると、べたつき感が生じたり、セット力の持続性が損なわれる場合があった。このため、油性成分を含有した乳化剤型の整髪料組成物において、べたつき感などの感触改良のために粉体を併用する検討(例えば、特許文献7、8参照)がなされてきた。
一方で微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛などの微粒子金属酸化物は、紫外線遮断効果に優れる特性を有することから、日焼け止め化粧料への配合検討は数多くなされているが、整髪料組成物への応用検討はなされていない。
【特許文献1】特開平09−2922号公報
【特許文献2】特開平09−25220号公報
【特許文献3】特開平09−143038号公報
【特許文献4】特開2007−230926号公報
【特許文献5】特開2007−70233号公報
【特許文献6】特開2009−256257号公報
【特許文献7】特開2004−67572公報
【特許文献8】特開2009−173602公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したとおり、特許文献1〜6記載の整髪料組成物は、整髪性樹脂や、固形油などの特定の剤を用いることにより整髪力を向上させる技術がほとんどであり、使用性においては十分でないものであった。これに対して特許文献7の技術は、粉体として0.5〜30μm程の粒子径の大きなタルク、マイカ、カオリンや無水ケイ酸を含有することでなめらかな感触が得られるものの、べたつきを完全に抑えることは出来なかった。また特許文献8の技術は、粉体として1〜10μm程の粒子径の酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛などを含有することでなめらかな感触が得られるものの、粉体特有の白さが目立ち、べたつきを完全に抑えることが出来ない状況であった。
すなわち、従来より整髪料組成物に含有されている粉体等は、べたつき等を感じるなど使用性においては十分ではなく、またその含有量を上げることでは、整髪力が低減する場合もあり、顔料級の粒子径を有する粉体においては整髪力、使用感の両者を満足させることが出来なかった。さらに微粒子粉体に関しては、粉体特有のきしみ感などもあり、整髪料組成物に用いることは全く知られていない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる実情に鑑み、本発明者は鋭意検討した結果、整髪料組成物に配合する油剤のべたつきを抑制するためには、きしみ感を有する微粒子粉体が効果的であることを見出し、同時に微粒子粉体の有するきしみ感を抑制するためには、油剤のべたつきが特に適しているとの知見を見出した。そして、この油剤と微粒子粉体の効果を相互に作用するためには、微粒子粉体の表面を疎水化処理することが、油剤との親和性をあげるために重要であるとの知見を得た。そして、さらに検討を重ねる中で、微粒子粉体の中でも、微粒子金属酸化物が整髪料としての種々の効果に特に優れることを見出した。
【0005】
すなわち本発明は、次の成分(a)及び(b);
(a)疎水化処理された微粒子金属酸化物 0.1〜5質量%
(b)融点50℃以上の油剤
を含有する整髪料組成物により上記課題が解決できるとの知見が得られ、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
【0006】
また、さらに成分(c)25℃で固形状のHLB12以上のノニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする前記整髪料組成物を提供するものである。またO/W乳化型であることを特徴とする整髪料組成物を提供するものである。また成分(a)が油相中に分散していることを特徴とする整髪料組成物を提供するものである。また、成分(b)が、パラフィン及び/又はキャンデリラロウから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする整髪料組成物を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の整髪料組成物は、きしみ感やべたつきがない使用感でありながら、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性に優れる整髪料組成物に優れるものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明の整髪料組成物に用いられる成分(a)の疎水化処理された微粒子金属酸化物は主として使用時のべたつきを抑え、ヘアスタイルの持続性等に寄与する。
【0009】
本発明の成分(a)の疎水化処理された微粒子金属酸化物は微粒子金属酸化物としては、化粧料に利用可能な金属酸化物であれば特に制限はなく、具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化セリウム等が挙げられる。これらの中でも酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウムからなる群から選ばれる一種又は二種以上が好ましい。
【0010】
本発明における疎水化処理とは、粉体表面に化学的もしくは物理的に吸着させ、粉体表面を疎水性にする処理をいうが、このような処理剤は、通常、化粧品に汎用されるものであれば特に限定されることなく使用することができる。本発明において、処理剤の疎水化のレベルは接触角によって定義され、接触角測定装置(Dropmaster DM500 協和界面科学株式会社製)、液滴法(θ/2法)を用いて、精製水2.0μLを処理剤の塗膜をひいたサンプル面に滴下した後、1.0秒後の接触角を測定することができる。本発明においては、接触角が65°以上であり、好ましくは70°以上を示す処理剤がよい。具体的には、脂肪酸、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、(ジメチコン/メチコン)コポリマー、反応性のシリコーン、反応性シラン、反応性アルキルチタン、高粘度シリコーン、架橋型シリコーン、アクリル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂等のシリコーン化合物、金属石鹸、ポリイソブチレン、ワックス、油脂等の油剤、パーフルオロアルキルリン酸(塩)、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸等のフッ素化合物、PVP−ヘキサデセンのコポリマー等のPVP変性ポリマー等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。特に好ましくは、脂肪酸、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、(ジメチコン/メチコン)コポリマー、トリエトキシカプリリルシラン、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン、パーフルオロアルキルリン酸(塩)、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸等のフッ素化合物といった処理剤があげられる。本発明において疎水化するための処理量は粉体に対して0.5〜30質量%(以下、単に「%」と略す)が好ましく、より好ましくは3〜20%の範囲である。
【0011】
また、本発明における微粒子なる用語は、粉体の平均粒子径が10〜200nmのものを意味しており、この範囲のものを用いることにより、毛髪に対する整髪力を付与する観点及び、本発明品を毛髪に適用した際の、不必要な白さを与えず、さらに20〜100nmの範囲のもの効果として特に好ましいものとすることができる。
なお、本発明における粉体の平均粒子径は島津製作所社製のナノ粒子径分布測定装置SALD−7100を用いて測定したものである。
成分(b)の平均粒子径が200nmを超えると、可視光の反射が高くなるため化粧膜に白さを感じる場合があるため、整髪料組成物として違和感を与えることもあるため好ましくなく、さらに本願発明の効果であるスタイリング力においても、優位な効果を示さない。本発明で用いられる成分(a)の未処理の母粉体としての市販品として、酸化チタンとして、石原産業社製のTTO−55N(一次粒子径30〜50nm)、テイカ社製のMT−500B(一次粒子径35nm)、酸化亜鉛として住友大阪セメント社製のZnO350(10〜30nm)、テイカ社製のMZ−500(一次粒子径25nm)などが挙げられる。これらの微粒子金属酸化物を前記の処理剤を用いて処理することで、成分(a)とすることができるが、市販品のものを利用することも可能である。具体的には、石原産業社製のTTO−55C(一次粒子径30〜50nm)、テイカ社製のMT−500SAS(一次粒子径35nm)、酸化亜鉛としてテイカ社製のMZY−505S(一次粒子径25nm)などが挙げられる。
【0012】
本発明の整髪料組成物における成分(a)の含有量は、0.1〜5%が好ましく0.5〜4%がより好ましく、更に好ましくは2〜3%である。成分(a)をこの範囲で含有すると、後述する成分(b)の固形油によるべたつき感をより抑えることができ、ヘアスタイルの持続性に優れた整髪料組成物を得ることができる。
【0013】
本発明の整髪料組成物に用いられる成分(b)の融点50℃以上の油剤は使用時のきしみ感のなさや、整髪力等に寄与するものであり、通常化粧料に使用可能なものであれば特に制限されず、炭化水素類、エステル類、ロウ類、油脂類、高級アルコール等が使用できる。具体的には、固形パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス、ムルチワックス、ミツロウ、ゲイロウ、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、シア脂等を例示することができ、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、融点60℃以上の固形パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ムルチワックス、ミツロウなどが好ましい。更には融点70℃以上の固形パラフィンワックス、キャンデリラワックスが特に好ましく、これらを用いることでより使用時にきしみ感がなく、高い整髪力が得られる。
成分(b)の融点は上限としては、特に限定されるものではないが、概ね95℃迄のものが例示できる。これはさらに高融点の油剤であっても、効果としては十分整髪力に優れるものとできることがある。
成分(b)はこれらから1種又は2種以上を用いることができるが、2種以上を併用することにより、特に高い整髪力を発揮することが出来るためにより好ましい。
本発明においては固形パラフィンワックスとキャンデリラワックスとの併用が特に好ましいものである。
【0014】
本発明の整髪料組成物における成分(b)の含有量は、0.5〜10%が好ましく、優れた使用感を得るには、2〜8%がより好ましい。成分(b)をこの範囲で含有すると、より高い整髪力が得られる。
【0015】
本発明は、上記した成分(a)と成分(b)を必須に含有する整髪料組成物であり、各々の機能をもつ成分を組合せることにより得られるものである。この成分を使用する際には、塗布時の滑らかさや伸び広がりの観点から、乳化組成物にして用いることが好ましい。乳化組成物には、O/W型、W/O型のいずれでも構わず、さらには、O/W/O型、W/O/W型等の多層型とすることも可能であるが、優れた使用感を得るには、O/W型が特に好ましい。このO/W型とする際に、乳化剤が必要となるが、それに用いられる乳化剤としては、本発明においては、成分(c)が挙げられる。
【0016】
また、本発明は、上記した成分(a)と成分(b)を必須に含有する整髪料組成物であり、各々を組合せることにより得られるものであるが、特定の比率範囲とすることでより効果的なものとでき、好ましくは(a)/(b)が0.01〜1.2の範囲であり、より好ましくは、0.5〜1の範囲のものである。
【0017】
本発明の整髪料組成物に用いられる成分(c)25℃で固形状のHLB12以上のノニオン性界面活性剤はべたつきのない使用感、高い整髪力等に寄与するものである。
【0018】
本発明の整髪料組成物に用いられる成分(c)25℃で固形状のHLB12以上のノニオン界面活性剤としては、通常化粧料に使用可能なものであれば特に制限されず、例えば、POE(12)セチルエーテル(HLB12)、POE(15)セチルエーテル(HLB13)、POE(17)セチルエーテル(HLB13)、POE(20)セチルエーテル(HLB14)、POE(25)セチルエーテル(HLB15)、POE(30)セチルエーテル(HLB15)、POE(15)オレイルエーテル(HLB12)、POE(20)オレイルエーテル(HLB13)、POE(23)オレイルエーテル(HLB14)、POE(50)オレイルエーテル(HLB15)、POE(15)ステアリルエーテル(HLB12)、POE(20)ステアリルエーテル(HLB13)、POE(25)ステアリルエーテル(HLB14)、POE(30)ステアリルエーテル(HLB15)、POE(40)ステアリルエーテル(HLB16)、POE(10)ラウリルエーテル(HLB12)、POE(12)ラウリルエーテル(HLB13)、POE(15)ラウリルエーテル(HLB14)、POE(20)ラウリルエーテル(HLB15)、POE(25)ラウリルエーテル(HLB16)、POE(30)ラウリルエーテル(HLB16)、POE(50)ラウリルエーテル(HLB17)、POE(15)イソステアリルエーテル(HLB12)、POE(20)ラウリルエーテル(HLB13)、POE(25)ラウリルエーテル(HLB14)、POE(16)オクチルドデシルエーテル(HLB12)、POE(20)オクチルドデシルエーテル(HLB13)、POE(25)オクチルドデシルエーテル(HLB14)、POE(20)ベヘニルエーテル(HLB13)、POE(30)ベヘニルエーテル(HLB14)、POE(20)デシルテトラデシルエーテル(HLB12)、POE(25)デシルテトラデシルエーテル(HLB13)、POE(20)コレステリルエーテル(HLB12)、POE(24)コレステリルエーテル(HLB13)、POE(30)コレステリルエーテル(HLB14)等のPOEアルキルエーテル類、POE(10)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル(HLB12)、POE(12)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル(HLB12)、POE(15)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル(HLB13)、POE(20)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル(HLB14)、POE(30)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル(HLB15)、等のPOEポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、POE(20)モノステアレート(HLB14)、POE(30)モノステアレート(HLB15)、POE(40)モノステアレート(HLB16)、POE(150)モノステアレート(HLB18)、POE(20)モノイソステアレート(HLB14)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、
POE(40)硬化ヒマシ油(HLB12)、POE(50)硬化ヒマシ油(HLB13)、POE(60)硬化ヒマシ油(HLB14)、POE(80)硬化ヒマシ油(HLB15)、POE(100)硬化ヒマシ油(HLB15)等のPOE硬化ヒマシ油誘導体、POE(40)ソルビタンオレエート(HLB16)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE(50)グリセリルトリオレエート(HLB12)、POE(60)グリセリルトリオレエート(HLB13)、POE(40)グリセリルモノイソステアレート(HLB15)、POE(50)グリセリルモノイソステアレート(HLB16)、POE(60)グリセリルモノイソステアレート(HLB16)、等のPOEグリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン誘導体等を例示することができ、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。これらの中でも、POE(20)セチルエーテル(HLB14)、POE(25)セチルエーテル(HLB15)、POE(30)セチルエーテル(HLB15)、POE(23)オレイルエーテル(HLB14)、POE(50)オレイルエーテル(HLB15)、POE(25)ステアリルエーテル(HLB14)、POE(30)ステアリルエーテル(HLB15)、POE(40)ステアリルエーテル(HLB16)、POE(15)ラウリルエーテル(HLB14)、POE(20)ラウリルエーテル(HLB15)、POE(25)ラウリルエーテル(HLB16)、POE(30)ラウリルエーテル(HLB16)、POE(50)ラウリルエーテル(HLB17)、POE(25)ラウリルエーテル(HLB14)、POE(25)オクチルドデシルエーテル(HLB14)、POE(30)ベヘニルエーテル(HLB14)、POE(30)コレステリルエーテル(HLB14)、POE(20)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル(HLB14)、POE(30)ポリオキシプロピレン(2)デシルエーテル(HLB15)、POE(20)モノステアレート(HLB14)、POE(30)モノステアレート(HLB15)、POE(40)モノステアレート(HLB16)、POE(150)モノステアレート(HLB18)、POE(20)モノイソステアレート(HLB14)、POE(60)硬化ヒマシ油(HLB14)、POE(80)硬化ヒマシ油(HLB15)、POE(100)硬化ヒマシ油(HLB15)、POE(40)ソルビタンオレエート(HLB16)、POE(40)グリセリルモノイソステアレート(HLB15)、POE(50)グリセリルモノイソステアレート(HLB16)、POE(60)グリセリルモノイソステアレート(HLB16)などが特に好ましく、より優れたべたつきのない使用感、高い整髪力が得られる。なお、本発明において、HLBとは、界面活性剤の親水性と親油性のバランスを表す値であり、具体的には、下記の川上の式で求めることができる。
HLB=7+11.7log(Mw/Mo)
(ここでMwは親水基部の分子量、Moは新油基部の分子量をそれぞれ表す。)
【0019】
本発明における成分(c)の含有量は、0.5〜8%が好ましく、べたつきのない使用感、高い整髪力を得るには、1〜5%がより好ましい。成分(c)をこの範囲で含有すると、べたつきのない使用感、高い整髪力を有する整髪料組成物を得ることができる。
【0020】
本発明の成分(a)は、成分(b)と共に整髪料組成物に含有されることを特徴としており、成分(a)は水中、油中のいずれに分散されていても本発明の効果を得ることが可能であるが、油中に分散しているものであれば特に好ましいものとすることができる。これは成分(b)と同じ油相に存在することにより塗布時の滑らかさや伸びの効果として相乗的に作用するからである。
【0021】
本発明の整髪料組成物には、上記成分(a)〜(c)以外の通常、化粧料に使用される成分、成分(a)以外の粉体、成分(b)の融点50℃以上の油剤以外の室温で液状またはペースト状の炭化水素油、エステル油、高級アルコール、ワックス等の油剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、成分(c)以外のノニオン性界面活性剤、紫外線吸収剤、増粘剤、多価アルコール、糖類、低級アルコール等の水性成分、抗菌剤、防腐剤、pH調整剤、清涼剤、ビタミン類、美容成分、香料、粉体等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
【0022】
成分(a)の微粒子金属酸化物以外の粉体として通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。特にポリエチレンテレフタレート微粉砕粉末などの有機粉体、部分架橋型オルガノポリシロキサンなどのシリコンエラストマー、タルク、マイカといった板状の無機粉体などは、本発明においてさらにべたつきのない使用感を得ることが可能となる。具体的にはスノーリーフS(オーケン社製)、KSP−100(信越化学工業社製)、ハイフィラーK−5(松村産業社製)などが挙げられる。
【0023】
成分(b)の融点50℃以上の油剤以外の液状またはペースト状油剤としては、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ワセリン等の炭化水素油、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、カプリン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2ーエチルヘキシル、パルミチン酸イソセチル、ステアリン酸2ーエチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、2ーエチルヘキサン酸セチル、2ーエチルヘキサン酸セトステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソペラルゴン酸2ーエチルヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソパルミチン酸2ーエチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリン酸グリセリル、トリ2ーエチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2ーエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン等のエステル油、ヤシ油、オリーブ油、米胚芽油、米ヌカ油、ヒマシ油、マカデミアンナッツ油、オリーブ油、アボカド油、サフラワー油、サンフラワー油等の植物油脂、ホホバ油などの液状ワックス、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロデカン等のフッ素系油等を例示することができる。
【0024】
成分(c)の25℃で固形状のHLB12以上のノニオン性界面活性剤以外の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤として、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアミノアルコール脂肪酸誘導体等のアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム塩、イミダゾリウム塩等、両性界面活性剤としては、脂肪酸アルキルベタイン、イミダゾリニウムベタイン等、ノニオン性界面活性剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロ等が挙げられる。
【0025】
水溶性高分子としては、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、セット剤として汎用されるアニオン性高分子としては、例えばアクリル酸・アクリル酸エチル・N−tert−ブチルアクリルアミド共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、ビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸ブチル共重合体、酢酸ビニル・クロトン酸共重合体等を例示することができる。また両性高分子としては、N−メタクリロイルエチルN,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル・アクリル酸オクチルアミド共重合体、アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体等を例示することができる。カチオン性高分子としては、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体ジエチル硫酸塩、塩化ジアリルジメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化グリシジルトリメチルアンモニウム・ヒドロキシエチルセルロース、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体等が例示することができる。非イオン性高分子としては、例えばポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等を例示することができる。
【0026】
水性成分としては、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコ−ル、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、エチルアルコール、イソプロパノール等の低級アルコール等がある。
【0027】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられ、防腐剤としては、パラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0028】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0029】
ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0030】
かくして得られる本発明の整髪料組成物は、他の成分との併用や、容器の機構により、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、ムース状、エアゾール状の種々の形態にて実施することができ、例えば、ヘアワックス、ヘアクリーム、ヘアミルク、ヘアトリートメント、枝毛コート剤、或いは噴射剤を用いてヘアフォーム、エアゾール製品等の種々の毛髪用製品への用途が挙げられる。
【0031】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【実施例1】
【0032】
本発明品1〜9及び比較品1〜14:整髪料組成物
表1〜表3に示す整髪料を下記製造方法により調製し、(イ)使用時のきしみ感のなさ、(ロ)使用時のべたつきのなさ、(ハ)整髪力、(ニ)ヘアスタイルの持続性の各項目について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、評点と判定の結果も併せて表1〜表3に示した。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
(製造方法)
A:成分1〜15を80℃に加熱する。
B:成分16〜20を80℃に加熱する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分21を添加し、均一混合して、整髪料組成物を得た。
【0037】
〔評価項目(イ)〜(ニ)の評価方法〕
化粧品評価専門パネル20名に、本発明品及び比較品の整髪料組成物を使用してもらい、(イ)使用時のきしみ感のなさ、(ロ)使用時のべたつきのなさ、(ハ)整髪力、(ニ)ヘアスタイルの持続性の各項目について、各自が以下の評価基準(A)に従って5段階に官能評価し、更に全パネルの評点の平均点を以下の判定基準(B)に従って判定した。
【0038】
評価基準(A):
[評価結果] :[評点]
非常に良好: 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準(B):
[評点の平均点] :[判定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満: ○
1.5以上〜3.5未満: △
1.5未満 : ×
【0039】
表1〜表3の結果から明らかなように、本発明品1〜9の整髪料組成物は、比較品1〜14に比べ、いずれも使用時のきしみ感のなさやべたつきのなさ、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性にも優れた良好なものであった。一方、成分(a)を含有せず未処理の微粒子金属酸化物を含有した比較品1,6、平均粒子径の大きい疎水化処理された金属酸化物を含有した比較品2,3、成分(a)の含有量が少ない比較品4、成分(a)の含有量の多い比較品5は、成分(a)の代わりに他のシリカといった微粒子粉体を含有した比較品7,8、平均粒子径の大きなシリカを含有した比較品9、成分(b)の融点50℃以上の油剤の代わりに低融点ワックスや液状油を含有した比較品10〜12、成分(c)25℃で固形状のHLB12以上のノニオン性界面活性剤の代わりにHLB12未満のノニオン界面活性剤を含有した比較品13,14はきしみ感のなさ、べたつきのなさ、整髪力、ヘアスタイルの持続性の全ての項目において劣るものであった。これに対して本発明品は、使用時のきしみ感のなさやべたつきのなさ、整髪力、ヘアスタイルの持続性の全ての項目に優れた良好なものであった。
【0040】
実施例2:ヘアワックス(水中油型)
(成分) (%)
1.N−ステアロイル−N−メチルタウリンナトリウム 1
2.グリセリン 5
3.メチルパラベン 0.1
4.1,3−ブチレングリコール 5
5.セチルアルコール 1
6.ステアリルアルコール 1
7.パラフィンワックス (融点70℃) 3
8.キャンデリラワックス (融点75℃) 2
9.マイクロクリスタリンワックス (融点80℃) 4
10.流動パラフィン 0.5
11.パルミチン酸セチル 0.5
12.POE(20)ベヘニルエーテル(HLB13) 0.5
13.酸化チタン(*13) 3
14.カルボキシビニルポリマー 2
15.水酸化ナトリウム 0.3
16.エタノール 3
17.香料 0.5
18.精製水 残量
(*13:平均粒子径35nm、トリエトキシカプリリルシラン5%処理)
【0041】
(製造方法)
A:成分1〜4、18を80℃に加熱し、混合する。
B:成分5〜13を80℃に加熱し、混合する。
C:AにBを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分14〜17を順次添加し、均一混合して、ヘアワックスを得た。
【0042】
本発明の実施品である実施例のヘアワックスは使用時のきしみ感のなさやべたつきのなさ、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性にも優れた良好なものであった。
【0043】
実施例3:ヘアクリーム(水中油型)
(成分) (%)
1.N−ステアロイル−L−グルタミン酸 0.7
2.ジプロピレングリコール 5
3.メチルパラベン 0.1
4.1,3−ブチレングリコール 5
5.ベヘニルアルコール 0.3
6.ミリスチルアルコール 0.2
7.ミツロウ(融点65℃) 1
8.カルナウバワックス(融点80℃) 2
9.セレシンワックス(融点70℃) 1
10.シア脂 0.5
11.ジメチルポリシロキサン(10mPa・s) 0.5
12.POE(40)硬化ヒマシ油(HLB12) 0.5
13.酸化亜鉛(*14) 3
14.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 1
15.エタノール 5
16.香料 0.1
17.モノエタノールアミン 0.3
18.精製水 残量
(*14:平均粒子径25nm、トリイソステアリン酸イソプロピルチタン10%処理)
【0044】
(製造方法)
A:成分1〜13を80℃に加熱し、混合する。
B:成分17、18を80℃に加熱し、混合する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分14〜16を順次添加し、均一混合して、ヘアクリームを得た。
【0045】
本発明のヘアワックスは使用時のきしみ感のなさやべたつきのなさ、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性にも優れた良好なものであった。
【0046】
実施例4:ヘアクリーム(水中油型)
(成分) (%)
1.ステアリン酸 1.5
2.パラフィンワックス(融点70℃) 5
3.マイクロクリスタリンワックス(融点80℃) 1
4.モノステアリン酸グリセリル 0.5
5.POE(30)コレステリルエーテル(HLB14) 0.3
6.セトステアリルアルコール 1
7.ミツロウ(融点65℃) 1
8.メチルフェニルポリシロキサン 0.5
9.酸化チタン(*15) 3
10.アミノ変性シリコーンエマルジョン 0.5
11.PEG−60ブチルアモジメチコンエマルジョン 0.5
12.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 1.5
13.プロピレングリコール 5
14.エタノール 2
15.1,2−ペンタンジオール 0.1
16.カチオン化ヒアルロン酸 0.1
17.香料 0.1
18.トリエタノールアミン 1.6
19.精製水 残量
(*15:平均粒子径35nm、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸7%処理)
【0047】
(製造方法)
A:成分1〜9を80℃に加熱し、混合する。
B:成分18、19を80℃に加熱し、混合する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分10〜17を順次添加し、均一混合して、ヘアクリームを得た。
【0048】
本発明のヘアワックスは使用時のきしみ感のなさやべたつきのなさ、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性にも優れた良好なものであった。
【0049】
実施例5:ヘアクリーム(水中油型)
(成分) (%)
1.水素添加大豆リン脂質 2.5
2.パラフィンワックス(融点70℃) 5
3.マイクロクリスタリンワックス(融点80℃) 1
4.モノステアリン酸グリセリル 0.5
5.POE(40)モノステアレート(HLB16) 0.3
6.ベヘニルアルコール 1
7.ミツロウ(融点65℃) 1
8.メチルフェニルポリシロキサン 0.5
9.酸化亜鉛(*14) 3
10.アミノ変性シリコーンエマルジョン 0.5
11.PEG−60ブチルアモジメチコンエマルジョン 0.5
12.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 1.5
13.プロピレングリコール 5
14.エタノール 2
15. ポリエチレングリコール(平均分子量1500) 3
16. ソルビトール 1
17.1,2−ペンタンジオール 0.1
18.カチオン化ヒアルロン酸 0.1
19.香料 0.1
20.2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 1
21.精製水 残量
【0050】
(製造方法)
A:成分1〜9を80℃に加熱し、混合する。
B:成分20、21を80℃に加熱し、混合する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分10〜19を順次添加し、均一混合して、ヘアクリームを得た。
【0051】
本発明のヘアワックスは使用時のきしみ感のなさやべたつきのなさ、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性にも優れた良好なものであった。
【0052】
実施例6:ヘアミスト(水中油型)
(成分) (%)
1.水素添加大豆リゾリン脂質 1.5
2.水素添加大豆リン脂質 1.5
3.マイクロクリスタリンワックス(融点80℃) 1
4.モノステアリン酸グリセリル 0.1
5.POE(30)コレステリルエーテル(HLB14) 0.5
6.ステアリルアルコール 0.1
7.酸化チタン(*15) 1
8. 酸化チタン(*13) 1
9.アミノ変性シリコーンエマルジョン 0.5
10.PEG−60ブチルアモジメチコンエマルジョン 0.5
11.プロピレングリコール 5
12.エタノール 2
13. ポリエチレングリコール(平均分子量20000) 1
14. ソルビトール 1
15. エリスリトール 1
16.1,2−ペンタンジオール 0.1
17.グリコシルトレハロース 0.1
18.香料 0.1
19.精製水 残量
【0053】
(製造方法)
A:成分1〜8を80℃に加熱し、混合する。
B:成分19を80℃に加熱し、混合する。
C:BにAを添加し、乳化する。
D:Cを冷却する。
E:Dに成分9〜18を順次添加し、均一混合し、ミスト容器に充填して、ヘアミストを得た。
【0054】
本発明のヘアミストは使用時のきしみ感のなさやべたつきのなさ、整髪力に優れ、ヘアスタイルの持続性にも優れた良好なものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分(a)及び(b);
(a)疎水化処理された微粒子金属酸化物 0.1〜5質量%
(b)融点50℃以上の油剤
を含有することを特徴とする整髪料組成物。
【請求項2】
さらに成分(c)25℃で固形状のHLB12以上のノニオン性界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1記載の整髪料組成物。
【請求項3】
O/W乳化型であることを特徴とする請求項1又は2記載の整髪料組成物。
【請求項4】
成分(a)が油中に分散していることを特徴とする請求項1〜3の何れかの項記載の整髪料組成物。
【請求項5】
成分(b)が、パラフィン及び/又はキャンデリラロウから選ばれる一種又は二種以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかの項記載の整髪料組成物。

【公開番号】特開2012−193171(P2012−193171A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−38478(P2012−38478)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】