説明

整髪方法

【課題】ふんわり感のあるスタイルが長時間持続する整髪方法の提供。
【解決手段】(A)髪の交差を増大させることで髪の体積を増大させること、及び(B)皮膜強度評価法により測定した皮膜強度が800gf/cm2以上であるエアゾール式毛髪化粧料を適用すること、を含む整髪方法。前記(B)で用いるエアゾール式毛髪化粧料としては、皮膜形成性ポリマーを含有することが好ましい。該皮膜形成性ポリマーとしては、(メタ)アクリルアミド系モノマーの共重合体であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふんわり感のあるスタイルが長時間持続する整髪方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、整髪に用いるエアゾール式毛髪化粧料は、皮膜形成性ポリマーの固着力を用いて、髪を固定するものが一般的である。このような毛髪化粧料は、整髪力が得られるものの、仕上がった髪がべたついたり、ごわつく、硬いなどの問題がある。また、ふわっとした仕上がりを長時間持続することもできない。
特許文献1には、アニオン系ポリマーとカチオン系ポリマーを含有するケラチン物質の処理用組成物が記載されている。この組成物は、毛髪にも適用でき、整髪剤として使用した場合には、整髪力が得られるが、シャンプーによる洗い落ち性が悪いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭53−139734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、ふんわり感のあるスタイルが長時間持続する整髪方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、髪の交差を増大させることで髪の体積を増大させることと、特定のエアゾール式毛髪化粧料を適用することにより、ふんわり感のあるスタイルを長時間保持できることを見出した。
【0006】
本発明は、(A)髪の交差を増大させることで髪の体積を増大させること、及び
(B)皮膜強度評価法により測定した皮膜強度が800gf/cm2以上であるエアゾール式毛髪化粧料を適用すること、
を含む整髪方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、整髪力に優れ、ふんわり感のあるスタイルを長時間保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】髪が囲う空間体積を示す図である。
【図2】長軸の方向が揃っている毛髪の状態を示す図である。
【図3】長軸の方向が直交している毛髪の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
美しいヘアスタイルを作るための有効な方法として、本発明においては、(A)髪の交差を増大させることにより髪の体積を増大させることが必要である。
ここで本明細書において「髪の体積を増大させる」とは、毛髪同士が囲う空間体積を増大させることを指し、2次元で説明すると、図1に示す網掛け部の領域のことをいう。
頭髪の状態として、毛髪個々の長軸の方向が揃っている場合(図2)と直交している場合(図3)とを最も極端な状態と考えると、現実の頭髪はこれらの間の状態にある。本発明において、交差の増大とは、図2から図3に向かって髪の状態を変えることを指し、図2から図3に向かって僅かでも変化すれば、髪の交差を増大させることに含まれる概念であり、両者の中間的な状態に変えるものも含む概念である。
【0010】
このようにすることによって、効果的に髪の体積を増大させることができ、ふんわり感のある美しいヘアスタイルを作ることができる。
そして、このようにして作ったヘアスタイルに、(B)皮膜強度評価法により測定した皮膜強度が800gf/cm2以上であるエアゾール式毛髪化粧料を適用することで、美しいヘアスタイルを長く保持して楽しむことができる。
【0011】
〈髪の交差を増大させることで髪の体積を増大させる手法〉
本発明において、対象とする頭髪は、直毛であってもくせ毛であっても、あるいは直毛をパーマによってくせ付けているもの(カーリーヘア、ウエービーヘア)でも、あるいはくせ毛をストレートパーマによって直毛化しているものであっても良い。また、髪が水で濡らされている状態であっても乾いた状態であっても良いが、乾いた状態がより好ましい。あらかじめヘアケア剤やトリートメントなどを付けたものであっても付けていないものであっても良い。染毛をしていてもしていなくても良い。また、髪の長さは限定されず、束ねても結んでいない状態で髪が耳、眉、首に達しないショートヘアから、髪の先が胸や腰よりも下に達するロングヘアまで、いずれでも構わない。
【0012】
次に髪の交差を増大させることで髪の体積を増大させることの具体例を挙げる。
(1)頭髪の毛先側から根元側に向かって、くしやブラシや手指で髪を梳かす、あるいはしごく動作(一般には「逆毛を立てる」と呼ばれる動作)によって髪の長軸の方向をより無差別な向きに変える。
【0013】
(2)できるだけ髪の根元に近い部分で頭髪を束ね(好ましくは耳よりも高い位置で束ね)、ヘアピンなどで留めるかゴム紐などで縛って、束ねた髪が散逸しないようにする。次いで束ねたところよりも毛先側の髪に対して、指やくしやブラシで髪の長軸方向が様々になるように方向を付ける(いわゆる「散らす」)。あるいは束ねた部分よりも毛先側の髪に対して逆毛を立てるのも良い。この場合の束ねる位置は特に限定されず、頭頂部、後頭部、側頭部のいずれであっても良い。また、束の数はいくつであっても良い。
【0014】
(3)ヘアアイロンやヘアカーラーを使って、髪にカールやウエーブを付ける。このカールやウエーブを指でほぐして髪の長軸方向がより様々になるように方向を付ける。このカールに対して指でほぐす前に逆毛立てを行うのも良い。ここでカールを付ける部分は、髪を束ねて束ねた部分よりも毛先側の部分であっても、束ねたり結んだりしないで降ろした状態の部分であってもよい。また、頭頂部、後頭部、側頭部、耳よりも上、耳よりも下のいずれであっても良い。
【0015】
これら(1)〜(3)の方法は単独で、あるいは組み合わせて用いても良いし、他の整髪方法と併せて用いても良い。
こうして髪の交差を増大させる方法と、(B)皮膜強度評価法により測定した皮膜強度が800gf/cm2以上であるエアゾール式毛髪化粧料を適用することとを用いることで、美しいヘアスタイルを長く保持して楽しむことができる。
【0016】
一方、(B)エアゾール式毛髪化粧料は、下記評価法により測定した皮膜強度が800gf/cm2以上であるが、好ましくは1000gf/cm2以上、より好ましくは1500gf/cm2以上であり、特に2000gf/cm2以上、更には2300gf/cm2以上であるのが好ましい。皮膜強度がこの範囲内であれば、ふんわり感のあるヘアスタイルを、より長時間持続させることができる。一方で、下記評価法により測定した皮膜強度が8000gf/cm2以下、特には6000gf/cm2以下、更には5000gf/cm2以下、更には4000gf/cm2以下が好ましい。皮膜強度がこの範囲内であれば、適用した髪の感触も良好となる。
【0017】
なお、皮膜強度の測定は、以下の評価法により行うものとする。
〈サンプル作成〉
(1)エアゾール式毛髪化粧料を容器に噴射し、スターラーで2時間攪拌して噴射剤を取り除いた後の原液を捕集する(もし原液が直接入手できる場合はこの部分の操作を省略する)。捕集した原液15gを直径7.5cmのシャーレ(例えば、テフロン(登録商標)のような皮膜が剥がれやすい材質のものが好ましい)に入れ、25℃65%Rhにて3日間蒸発乾固させる。
(2)シャーレごと25℃98%Rhに設定した恒温ボックスに30分入れる。
(3)柔らかくなった皮膜をスパーテル等でシャーレから剥がす。
(4)剥がれない場合には(2)、(3)を繰り返す。
(5)皮膜を3.0mm×30.0mmの大きさに切り出す。
(6)例えばテフロン(登録商標)のような皮膜が付着しにくい材質のシートに切り出した皮膜を重らないよう並べ、さらに皮膜が付着しにくい材質のシート、プラスチック製シートを重ね、乾燥中に皮膜が反らないように上から重りを載せる。
(7)一日後、シックネスゲージ(テクロック社製、SMD−565)にて皮膜中央部の厚さを計測する(N=5)。
【0018】
〈サンプルの破断強度測定〉
(1)切り出した皮膜を、20℃98%Rhに設定した恒温ボックスに2時間静置する。
(2)皮膜を恒温ボックスより取り出し、ただちに引張圧縮試験機(ミネベア社製、TMD−200N)にて皮膜破断強度を測定する(チャック間距離:2cm、チャック挟み長さ:0.5cm、引っ張りスピード:200mm/min)。
(3)先に測定した皮膜の厚さから皮膜の断面積を算出する。
(4)皮膜破断強度を断面積で割って、破断応力を算出し(N=5)、皮膜強度とする。
【0019】
このような毛髪化粧料は、皮膜形成性ポリマーを含有する。
皮膜形成性ポリマーとしては、合成ポリマー、天然ポリマー、変性した天然ポリマーのいずれでも良く、アニオン性、両性、カチオン性、非イオン性いずれの静電的性質のものでも良い。それらを単独であるいは複数を混合して用いても良い。ここで皮膜形成性ポリマーとは、以下に示す評価法により破断強度が100gf/cm2以上、更には200gf/cm2以上、特に300gf/cm2以上のポリマーのことをいう。
評価法:
評価する特定のポリマーを、皮膜の厚さが200〜400μmになるような濃度でエタノールに溶解させたもの15gを直径7.5cmのシャーレ(例えば、テフロン(登録商標)のような皮膜が剥がれやすい材質のものが好ましい)に入れ、25℃65%Rhにて3日間蒸発乾固させる以外は、前述の皮膜強度評価法と同様に評価する。
以下に皮膜形成性ポリマーを例示する。
【0020】
<アニオン性の皮膜形成性ポリマー>
・クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸のいずれかを構成単位として含むアニオン性の皮膜形成性ポリマー:
クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸のいずれかを構成単位として含んでいれば特に限定されないが、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニルアルコール類の1種以上と共重合されているものが好ましく、メチルビニルエーテル/マレイン酸アルキルコポリマー(ISP社製のガントレッツES-225,同ES-425,同SP-215等)、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー(ナショナル・スターチ社製のレジン28-1310等)、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニルコポリマー(ナショナル・スターチ社製のレジン28-2930等)、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニルコポリマー(BASF社製のルビセットCAP等)、ビニルアルコール/イタコン酸コポリマー(クラレ社製のKM-118等)がより好ましく、メチルビニルエーテル/マレイン酸アルキルコポリマー、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニルコポリマーが更に好ましい。
【0021】
・(メタ)アクリル酸を構成単位として含むアニオン性の皮膜形成性ポリマー:
(メタ)アクリル酸を構成単位として含むビニルポリマーであれば特に限定されないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルあるいはN−アルキル(メタ)アクリルアミドと1種以上との共重合体が好ましい。
より好ましくは、アクリル酸/エチルアクリレート/N-t-ブチルアクリルアミドコポリマー(BASF社製のウルトラホールド8,ウルトラホールド・ストロング等)、オクチルアクリルアミド/アクリル酸コポリマー(ナショナル・スターチ社製のアンフォーマーV-42等)、アクリレート/メタクリレート/アクリル酸/メタクリル酸コポリマー(ユニオンカーバイド社製のアマホールドDR25等)、アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミドコポリマー(互応化学工業社製のプラスサイズL9540B(当該ポリマーの2−アミノ−2−メチル−1−プロピルアルコール中和物)等)、アクリレーツ/C1−18アルキルアクリレーツ/C1−8アルキルアクリルアミドコポリマー(互応化学工業社製のプラスサイズL9909B(当該ポリマーの2−アミノ−2−メチル−1−プロピルアルコール中和物)等)が挙げられ、アクリレート/メタクリレート/アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、アクリレーツ/C1−18アルキルアクリレーツ/C1−8アルキルアクリルアミドコポリマーがより好ましい。
【0022】
・カルボキシ基、硫酸基のいずれかを有する天然のアニオン性の皮膜形成性ポリマー:
カルボキシ基、硫酸基のいずれかを有する天然多糖類であれば特に限定されないが、カラギーナン(三菱レーヨン社製ソアギーナLX22,同ML210等)、キサンタンガム(大日本製薬社製エコーガムT等)などが好ましく、カラギーナンが更に好ましい。
【0023】
・カルボキシ基、スルホン酸基のいずれかを有するポリエステル:
特に限定されないが、水分散性ポリエステル(イーストマン・コダック社製AQ38S,AQ55S等)好ましい。
【0024】
アニオン性の皮膜形成性ポリマーとしては、メチルビニルエーテル/マレイン酸アルキルコポリマー、アクリレーツ/ジアセトンアクリルアミドコポリマー、アクリレーツ/C1−18アルキルアクリレーツ/C1−8アルキルアクリルアミドコポリマーが特に好ましい。
【0025】
<両性の皮膜形成性ポリマー>
特に限定されないが、合成ポリマーが好ましく、ビニルポリマーがさらに好ましい。ここで両性ポリマーとは、アニオン性モノマー1種以上とカチオン性モノマー1種以上とを構成単位として含む共重合体と、モノマー構造の中にアニオン部分とカチオン部分との両方を有するいわゆるベタインモノマーの一種以上を構成単位として含む共重合体の双方を含有する。
中でも、ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド/アクリル酸コポリマー(カルゴン社製のマーコート3331等)、N-メタクリロイルオキシエチル-N,N-ジメチルアンモニウム-α-N-メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキルエステルコポリマー(三菱化学社製のユカフォーマーM-75,同SM等);オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ナショナル・スターチ社製のアンフォマー28-4910等)などが好ましく、なかでもオクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマーが特に好ましい。
【0026】
<カチオン性の皮膜形成性ポリマー>
特に限定されないが、4級アンモニウム構造あるいは3級アミン構造あるいは2級アミン構造あるいは1級アミン構造の1種以上を有するビニルポリマー、あるいは4級アンモニウム構造あるいは3級アミン構造あるいは2級アミン構造あるいは1級アミン構造を有する天然多糖類か天然多糖類の変性物が好ましい。
【0027】
・ビニルポリマー:
2級アミノ基、3級アミノ基あるいは4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリル酸エステル、2級アミノ基、3級アミノ基あるいは4級アンモニウム基を有する(メタ)アクリルアミド、N−置換アリルアミン類、N−置換アリルアンモニウム類から選ばれる1種以上を構成単位として有するビニルポリマーが挙げられる。中でも、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(特開平2-180911号公報の実施例に記載のポリマー)、アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(特開平8-291206号公報の実施例に記載のポリマー)、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロリド(カルゴン社製のマーコート100等)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー(カルゴン社製のマーコート等)、アクリルアミド/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー(カルゴン社製のマーコート550,同2200等)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドンコポリマー(BASF社製のルビコートFC370,同FC550,同FC905,同HM552等)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー(ISP社製のガフカットHS-100等)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマーのジエチル硫酸塩(ISP社製のガフカット734,同755N,同755等)、ビニルアルコール/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー(クラレ社製のC-318等)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(ISP社製のコポリマー845,同937,同958等)、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタムコポリマー(ISP社製のコポリマーVC-713等)、ビニルアルコール/ビニルアミンコポリマー(エアープロダクト社製のVA-120-HCl等)が好ましい。
【0028】
・天然多糖類か天然多糖類の変性物:
ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー(ナショナル・スターチ社:セルコートH-100,同L-200等)、ヒドロキシエチルセルロース/2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ユニオンカーバイド社製のポリマーJR-400等)、グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(ヘンケル社製のコスメディア・グアC-261N,ローネ-ポウレンク社:ジャグアーC-17等)、ヒドロキシプロピルキトサン(一丸ファルコス社製のキトフィルマーHV-10等)、キトサン-dl-ピロリドンカルボン酸塩(ユニオンカーバイド社製のカイトマーPC等)が好ましい。ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリドコポリマー(ナショナル・スターチ社製のセルコートH-100,同L-200等)、ヒドロキシエチルセルロース/2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ユニオンカーバイド社製のポリマーJR-400等)、グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(ヘンケル社製のコスメディア・グアC-261N,ローネ-ポウレンク社製のジャグアーC-17等)が好ましい。
【0029】
カチオン性皮膜形成性ポリマーの中では、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体がさらに好ましい。
【0030】
これら皮膜形成性ポリマーのうち、特に(B1)並びに(B2)から選ばれる1種以上の共重合体が好ましい。
【0031】
(B1)(a)一般式(1)
【0032】
【化1】

【0033】
(式中、R1 は水素原子又はメチル基を、R2 及びR3 は同一又は異なって水素原子又は炭素数4〜12のアルキル基を示すが、R2 とR3 が共に水素原子となることはない)
で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマー 30〜80質量%、
(b)一般式(2)
【0034】
【化2】

【0035】
(式中、R1 は前記と同じものを示し、R4 及びR5 は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す)
で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマー 2〜50質量%、
(c)一般式(3)
【0036】
【化3】

【0037】
(式中、R1 は前記と同じものを示し、R6 は炭素数2又は3のアルキレン基を、R7 及びR8 は同一又は異なってメチル基又はエチル基を示す。aは0又は1の数を示す)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー又は(メタ)アクリルアミド系モノマー 0〜30質量%、及び
(d)一般式(4)
【0038】
【化4】

【0039】
(式中、R1 は前記と同じものを示し、R9 及びR10は同一又は異なって炭素数2〜4のアルキレン基を、R11は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示す。b及びcはそれぞれ0〜50の数を示すが、b及びcが同時に0となることはない)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー 0〜40質量%
の共重合体、
(B2)(a)一般式(5)
【0040】
【化5】

【0041】
(式中、R12 は水素原子又はメチル基を、R13 及びR14 は同一又は異なって水素原子又は炭素数4〜12のアルキル基を示すか、R13 とR14 が一緒になって隣接する窒素原子と共に環を形成する)
で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマー 30〜80質量%、
(b)一般式(6)
【0042】
【化6】

【0043】
(式中、R12 は前記と同じものを示し、R15は炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸エステル系モノマー 5〜45質量%、
(c)一般式(7)
【0044】
【化7】

【0045】
(式中、R12 は前記と同じものを示し、R16 は炭素数2又は3のアルキレン基を、R17 及びR18 は同一又は異なってメチル基又はエチル基を示す。aは0又は1の数を示す)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー又は(メタ)アクリルアミド系モノマー 2〜30質量%、及び
(d)一般式(8)
【0046】
【化8】

【0047】
(式中、R12 は前記と同じものを示し、R19 及びR20は同一又は異なって炭素数2〜4のアルキレン基を、R21は水素原子又はメチル基を示す。b及びcはそれぞれ0〜50の数を示すが、b及びcが同時に0となることはない)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー 0〜30質量%
の共重合体。
【0048】
これらのうち、(B1)における(a)一般式(1)で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えばN−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)アクリルアミド、N−1−メチルウンデシル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。中でも、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−2−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド等のN−分岐アルキル(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の30〜80質量%、好ましくは40〜70質量%用いられる。
【0049】
(b)一般式(2)で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。中でも、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等が特に好ましい。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の2〜50質量%、好ましくは10〜35質量%用いられる。
【0050】
(c)一般式(3)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系及び(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の0〜30質量%、好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%用いられる。
【0051】
また、(d)一般式(4)で表わされるモノマーは、ポリオキシアルキレン鎖を有する(メタ)アクリル酸エステルである。式中、R11は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基であり、好ましくは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、最も好ましくはメチル基である。かかる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(4)としては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリオキシアルキレン鎖は、C2-4アルキレンオキシドのホモポリマー又はコポリマーであり、コポリマーの場合はエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。アルキレンオキシドの重合度はガスクロマトグラフィーにて分析することができ、平均値で1〜50であるものが好ましい。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の0〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、更に好ましくは10〜25質量%用いられる。
【0052】
(B1)の共重合体としては、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N−メチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N−メチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート
が好ましく、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0053】
また、(B2)における(a)一般式(5)で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えば(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリンが挙げられ、中でもN−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ラウリル(メタ)アクリルアミドが特に好ましい。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の30〜80質量%、好ましくは40〜70質量%用いられる。
【0054】
(b)一般式(6)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルが挙げられる。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の5〜45質量%、好ましくは10〜40質量%用いられる。
【0055】
(c)一般式(7)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系及び(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、例えばN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の2〜30質量%、好ましくは5〜20質量%用いられる。
【0056】
また、(d)一般式(8)で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。ポリオキシアルキレン鎖は、C2-4アルキレンオキシドのホモポリマー又はコポリマーであり、コポリマーの場合はエチレンオキシド、プロピレンオキシド等のブロック共重合体でもランダム共重合体でもよい。アルキレンオキシドの重合度はガスクロマトグラフィーにて分析することができ、平均値で1〜50であるものが好ましい。
これらは単独又は2種以上を組み合わせて、モノマー全体の0〜30質量%、好ましくは5〜15質量%用いられる。
【0057】
(B2)の共重合体としては、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート/メチル(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレート、
N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート、
N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート/n−ブチル(メタ)アクリレート、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/エチル(メタ)アクリレート
が好ましく、
N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド/N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド/メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート/エチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0058】
(B1)及び(B2)の共重合体は、それぞれ上記のようなモノマーを組み合わせ、例えば、特開平8-291206号公報、又は特開平2-180911号公報に記載の方法により、製造することができる。
【0059】
得られる共重合体の重量平均分子量(ゲルろ過クロマトグラフィー(ポリエチレングリコール換算)による)は、重合条件を選択すれば1,000〜1,000,000に制御でき、本発明においては、重量平均分子量10,000〜500,000、特に20,000〜200,000のものが好ましい。
【0060】
かくして得られる共重合体は、水溶性付与のために、その3級アミノ基を無機酸又は有機酸で中和して使用することができる。この場合、全3級アミノ基の50%以上を中和するのが好ましい。
【0061】
無機酸としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸等が;有機酸としては、例えば酢酸、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、リンゴ酸等が挙げられる。
【0062】
また、共重合体中のアミノ基は、適当な4級化剤を用いて4級化することもできる。この場合は全3級アミノ基の50%以上を4級化することが好ましい。
【0063】
かかる4級化剤としては、例えばジメチル硫酸、ジエチル硫酸等の硫酸ジアルキル;塩化メチル、臭化プロピル、塩化ベンジル等のハロゲン化アルキルやハロゲン化アラルキルなどが挙げられる。
【0064】
このような4級化共重合体は、モノマー(3)又は(7)を4級化剤にて4級化を行った後に共重合させる方法によっても得ることができる。
【0065】
また、エアゾール式毛髪化粧料に用いる皮膜形成性ポリマーとしては、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンが挙げられる。ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンとしては、例えば、分子内に式(9a)
【0066】
【化9】

【0067】
(式中、Rは水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3である)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントと、オルガノポリシロキサンのセグメントとを有し、オルガノポリシロキサンのセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、前記式(9a)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントが結合してなるものが好ましい。かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントとオルガノポリシロキサンのセグメントとの質量比は、好ましくは1/50〜20/1、より好ましくは1/40〜20/1であり、分子量は、好ましくは500〜500,000、より好ましくは1,000〜300,000である。また、Rはメチル基又はエチル基が好ましい。
【0068】
前記オルガノポリシロキサンのセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個にヘテロ原子を含むアルキレン基としては、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられ、特に窒素原子を含む炭素数2〜5のアルキレン基が好ましい。
【0069】
かかるポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンの好ましい例としては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、重量平均分子量約20,000〜200,000で、分子中のポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)セグメントの割合が約3〜50質量%のポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン(INCI名:ポリシリコーン−9(花王社))が好ましい。
【0070】
上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)変性シリコーンは、公知の方法、例えば特開平7−133352号公報に記載の方法により製造することができ、例えば以下の方法で合成される。まず、前記式(9a)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントは、式(9b)で表される環状イミノエーテル化合物をカチオン開環重合することにより得られる。
【0071】
【化10】

【0072】
これらの環状イミノエーテルは、例えばLiebigs Ann.Chem.,p996〜p1009(1974)に記載の方法に従って製造することができる。これらの化合物は、開環重合のモノマーとして1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組合わせて用いてもよい。
【0073】
上記環状イミノエーテルを開環重合させる重合開始剤は、例えばトルエンスルホン酸アルキルエステル、硫酸ジアルキルエステル、トリフルオロメタンスルホン酸アルキルエステル又はアルキルハライド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これら開始剤は単独あるいは混合物で用いることができる。
【0074】
これらの開始剤を用いて前記式(9b)で表される環状イミノエーテル化合物を開環重合させることにより、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)の分子鎖を得ることができるが、この分子鎖は単独重合体鎖でも共重合体鎖でもよく、該共重合体鎖はランダム共重合体鎖でもブロック共重合体鎖でもよい。
【0075】
上記ポリ(N−アシルアルキレンイミン)の分子鎖の分子量は、好ましくは150〜50,000、より好ましくは500〜10,000である。
【0076】
本発明で用いる変性シリコーンは、式(9b)で表される環状イミノエーテル化合物を開環重合させることにより生成する重合活性種と、これと反応し得る官能基を有するオルガノポリシロキサンとを反応させることにより得ることができる。
【0077】
上記重合活性種と反応し得る官能基としては、一級、二級又は三級アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシレート基等が挙げられるが、中でもアミノ基が好適である。分子内にアミノ基を含有するオルガノポリシロキサンは分子量が300〜400,000が好ましいが、より好ましくは800〜250,000である。
【0078】
アミノ基を含有するオルガノポリシロキサンと、環状イミノエーテルのカチオン重合で得たポリ(N−アシルアルキレンイミン)の反応性末端との反応は以下のようにして行うことができる。
【0079】
開始剤を極性溶媒、好適にはアセトニトリル、バレロニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、酢酸エチル、酢酸メチル等の単独溶媒、あるいは必要に応じて他の溶媒との混合溶媒に溶かし、40〜150℃、好適には60〜100℃に昇温する。そこに上記一般式(9b)で表される環状イミノエーテルを一括投入、あるいは反応が激しい場合には滴下し、重合を行う。重合の進行はガスクロマトグラフィーなどの分析機器でモノマーである環状イミノエーテルの残存量を定量することにより追跡することができる。環状イミノエーテルが消費され重合が終了しても、生長末端の活性種は反応性を維持している。ポリマーを単離することなく、引き続き、このポリマー溶液と分子内にアミノ基を含有するオルガノポリシロキサンとを混合し、5〜100℃、好ましくは20〜60℃の条件で反応させる。混合割合は所望により適宜選ぶことができるが、オルガノポリシロキサン中のアミノ基1モルに対してポリ(N−アシルアルキレンイミン)0.1〜1.3モル当量の割合で反応させるのが好ましい。
【0080】
以上の如き反応によって、ポリジメチルシロキサンにポリ(N−アシルアルキレンイミン)セグメントの付いたブロックコポリマー又はグラフトポリマーを得ることができる。
【0081】
エアゾール式毛髪化粧料(B)において、皮膜形成性ポリマーは、1種以上を用いることができ、前述の皮膜形成性ポリマーの中から2種以上を含有することが好ましく、更には前述の皮膜形成性ポリマーの中からのみ選択されることが好ましい。皮膜形成性ポリマーは、毛髪化粧料の原液中(以下同じ)に0.6〜24質量%、特に1.3〜20質量%、更に2.0〜16質量%含有するのが、高い整髪力とシャンプー落ち性、感触の良さ、噴射剤との相溶性のバランスの観点から好ましい。
【0082】
毛髪化粧料には、更にエタノール及び/又は水が含有される。これらの含有量は、化粧料に含まれる共重合体や可塑剤の溶解性や噴霧状態を良好にする観点から、原液中の70〜99質量%が好ましく、更には80〜97質量%、特に85〜95質量%が好ましい。
【0083】
溶剤類や非イオン界面活性剤の中には、皮膜形成ポリマーを軟化させ破断強度を下げるものがある(これらを一般に可塑剤とも言う)。この溶剤類には炭素数3以上で水酸基を分子内に有する溶剤、エステル系の溶剤、N−ヒドロキシエチルカルボン酸アミド、非イオン界面活性剤がある。
炭素数3以上で水酸基を分子内に有する溶剤としては、具体的には、プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エトキシエチルアルコール、フェノキシエタノール等の一価アルコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、イソペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(重合度9)、ポリエチレングリコール600等の多価アルコールが挙げられる。
エステル系油剤としては、(カプリル/カプリン酸)トリグリセリド、オレイン酸トリグリセリド等の脂肪酸トリグリセリド、ネオペンチルグリコールジパルミテート、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル等の二価アルコールの脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル等の一価アルコールの脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0084】
N−ヒドロキシエチルカルボン酸アミドとしては、N−アセチルエタノールアミド等が挙げられる。
また、非イオン界面活性剤としては、具体的には、オレイン酸モノグリセライド、カプリル酸モノグリセライド等の脂肪酸モノグリセリド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド等の脂肪酸ジエタノールアミド、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート等のポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、イソステアリルグリセリルエーテル、イソデシルグリセリルエーテル等のアルキルグリセリルエーテル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等の脂肪酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレン(9)トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。
【0085】
皮膜形成性ポリマーの破断強度を高く保ちつつ、脆い皮膜を形成するポリマーに対しては、脆さを改善する観点から、上記の溶剤類や非イオン界面活性剤は原液中に0〜5質量%含有するのが好ましく、0〜2質量%がさらに好ましく、0〜1質量%が更に好ましく、更には含有しないことが好ましい。
【0086】
また、毛髪化粧料は、通常の毛髪化粧料に使用される各種成分、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、前述以外の非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、pH調整剤、ビタミン類、蛋白質、アミノ酸類、生薬類、防腐剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤等を、目的に応じて含有することができる。
【0087】
毛髪化粧料は、更に噴射剤を用いて、エアゾール式毛髪化粧料とされる。
噴射剤以外の成分(以下、原液とする)と、噴射剤との質量割合は、(原液)/(噴射剤)=70/30〜30/70、特に60/40〜40/60であるのが、作業性良く、かつ整髪力を得る上で好ましい。
【0088】
エアゾール式毛髪化粧料は、原液と噴射剤とを耐圧容器に充填することにより製造される。エアゾール式毛髪化粧料は、ヘアフォームやヘアムース(泡状)、ヘアスプレー(霧状)のいずれであってもよいが、ヘアスプレーが好ましい。
【0089】
原液は、30℃における粘度が15mPa・s以下、特に10mPa・s以下であるのが、原液を微細な液滴として噴射するために好ましい。なお、ここでの粘度とは、ブルックフィールド型粘度計(ローター BLアダプター,回転数30rpm,60秒間,30℃)により測定した値をいう。
【0090】
また、噴射剤としては、液化天然ガス(LPG)、ジメチルエーテル(DME)、炭酸ガス、窒素ガス、これらの混合物等が挙げられる。また、HFC-152a等の代替フロンを使用することもできる。
また、耐圧容器内の圧力は、良好な噴射特性と良好な粘着特性を得る観点から、25℃の温度で0.12〜0.45MPaになるように調整するのが好ましい。
【0091】
耐圧容器に使用するバルブは、ステム孔径φ0.33〜0.46mm,ハウジング下孔径φ0.33〜0.65mm×ベーパータップ径φ0〜0.64mmが好ましい。水を含む処方系では、特にステム孔径φ0.33〜0.42mm、ハウジング下孔径φ0.33〜0.42mm、かつベーパータップ無しが好ましく、非水系では、特にステム孔径φ0.40〜0.46mm、ハウジング下孔径φ0.42〜0.65mm×ベーパータップ孔径φ0.33〜0.46mmが好ましい。
【0092】
毛髪化粧料は、容器から噴射したときの液滴の平均粒径が10〜60μm、更には15〜50μm、特に20〜40μmであるのが、整髪力、剤塗布による事前の保持性、髪が固定できるまでの時間のバランスが良いので好ましい。
平均粒径は、Sympatec GmbH, system-Partikel-technik社のレーザー回折式粒子径分布測定装置HELOS SYSTEMを使用し、測定レンジR4(焦点距離200mm,粒度測定範囲0.5/1.8〜350μm)で、レーザー光へ直接スプレーして測定(測定距離15cm)したときの体積累積分布50%の値であるものとする。
【0093】
このような(B)エアゾール式毛髪化粧料を適用する方法としては、特に限定されないが、例えば毛髪から10cm以上離れた距離からスプレーする、同じ場所に1秒以上連続してスプレーしない(動かしながらまんべんなくスプレーする)等して、特定の場所に大量の剤を付けないことで、感触を良くすることが好ましい。
【0094】
本発明においては、(A)髪の交差を増大させることにより髪の体積を増大させた後、(B)エアゾール式毛髪化粧料を適用しても良いし、(B)エアゾール式毛髪化粧料を適用した後、(A)髪の交差を増大させることにより髪の体積を増大させても良い。特に、(A)髪の交差を増大させることにより髪の体積を増大させた後、(B)エアゾール式毛髪化粧料を適用するのが、簡単に逆毛を立てられ、手早くヘアスタイルを作ってなおかつ持続させる効果を出す上で好ましい。
このように整髪することにより、髪を「交差状」に接着することができ、ふんわり感のあるスタイルを長時間保持することができる。
【実施例】
【0095】
合成例
以下の合成例において、オルガノポリシロキサンセグメントの含有率とはプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルから求めた値であり、また最終生成物の重量平均分子量は計算値である。ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)より求めた、数平均分子量である。
カラム :K−804L(昭和電工社製、GPCカラム)を2本直列
溶離液 :1mmol/LファーミンDM20(花王社製)/クロロホルム
流量 :1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出器 :RI
サンプル量:5mg/mL,100μL
ポリスチレン換算
【0096】
硫酸ジエチル0.8g(0.005モル)と2−エチル−2−オキサゾリン12.8g(0.14モル)を脱水した酢酸エチル29gに溶解し、窒素雰囲気下8時間加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。数平均分子量を、GPCにより測定すると、2700であった。ここに、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量100000、アミン当量20000)100gの33%酢酸エチル溶液を一括して加え、10時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状半固体(111g、収率98%)として得た。最終生成物のオルガノポリシロキサンセグメントの含有率は88質量%、重量平均分子量は114000であった。溶媒としてメタノールを使用した塩酸による中和滴定の結果、アミノ基は残存していないことがわかった。
【0097】
実施例1〜7及び比較例1〜2
常法に従って、表1に示すヘアスプレー原液を調製し、噴射剤と共に、表1に示す原液/噴射剤(質量比)で、下記バルブ及びボタンを備えたエアゾール容器に充填して、エアゾール式毛髪化粧料を製造した。得られた毛髪化粧料について、皮膜強度を測定した。また、これらを用い、整髪を行い、高湿度下でのボリューム維持について評価した。結果を表1に併せて示す。なお、表中の評価結果は、専門パネラー5人の平均値として示した。
バルブ:ステム孔径φ0.60mm,ハウジング下孔径φ0.65mm×ベーパータップ孔径φ0.42mm
ボタン:口径φ0.50mm(メカニカルブレークアップ付き):(三谷バルブ社)
【0098】
(評価方法)
高湿度下でのボリューム維持:
おろした前髪は唇からあごまでに達する長さであり、おろした横および後ろの髪は耳たぶから30〜40cm下に達する長さである、いわゆるロングヘアであって、髪には過去1年間に毛染めを幾度か施しており、過去2年間にパーマをかけていない女性を専門パネラーとし、次の手法による評価を行った。
すなわち、(1)〜(4)の手順に従ってパネラーが自身の頭にボリュームを出したヘアスタイルをつくり、評価対象のヘアスプレーを塗布して、常温常湿下で30分間静かに椅子に座って頭髪を乾かした。その後、30℃98%RHの恒湿室に入って1時間静かに椅子に座って過ごし、ヘアスタイルの持ちを次の基準に沿って評価した。
【0099】
(1)下を向いて、耳よりも頭頂側で髪をまとめてゴムでしっかり結ぶ。その後、顔を上げて毛束を放射状に引っ張るように広げる。
(2)結んだ髪全体に指先で逆毛をたてることで髪を交差状にし、ボリュームをだす。
(3)ボリュームをつぶさないように毛先を結び目に巻きつけ、ふんわりしたお団子状ヘアを作る。巻き付けたところを数箇所ピンで留めて固定する。
(4)お団子全体に3秒間、襟足に2秒間スプレーする。おくれ毛から飛び出している毛を軽く押さえて整える。
【0100】
(評価基準)
4:作ったヘアスタイル全体にわたって、ふわっとしたボリュームが保たれた。
3:お団子の頂上にごく僅かなボリュームのダウンが見られるが、ほとんど気にならず、ヘアスタイル全体としてはふわっとしたボリュームが保たれた。
2:お団子の頂上や周辺部にいくらかボリュームダウンが見られてヘアスタイル全体としても若干ボリュームが減っていることはわかるが、ふわっとしたヘアスタイルの美しさが損なわれるほどではなく、許容できる。
1:全体的にボリュームが減ってしまって、最初に作ったヘアスタイルのふわっとした美しさが失われてしまっている。
【0101】
【表1】

【0102】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)髪の交差を増大させることで髪の体積を増大させること、及び
(B)皮膜強度評価法により測定した皮膜強度が800gf/cm2以上であるエアゾール式毛髪化粧料を適用すること、
を含む整髪方法。
【請求項2】
(B)で用いるエアゾール式毛髪化粧料が、皮膜形成性ポリマーを含有する請求項1記載の整髪方法。
【請求項3】
(B)で用いるエアゾール式毛髪化粧料が、(B1)並びに(B2)から選ばれる1種以上の共重合体を含有するものである請求項1又は2記載の整髪方法。
(B1)(a)一般式(1)
【化1】

(式中、R1 は水素原子又はメチル基を、R2 及びR3 は同一又は異なって水素原子又は炭素数4〜12のアルキル基を示すが、R2 とR3 が共に水素原子となることはない)
で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマー 30〜80質量%、
(b)一般式(2)
【化2】

(式中、R1 は前記と同じものを示し、R4 及びR5 は同一又は異なって水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す)
で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマー 2〜50質量%、
(c)一般式(3)
【化3】

(式中、R1 は前記と同じものを示し、R6 は炭素数2又は3のアルキレン基を、R7 及びR8 は同一又は異なってメチル基又はエチル基を示す。aは0又は1の数を示す)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー又は(メタ)アクリルアミド系モノマー 0〜30質量%、及び
(d)一般式(4)
【化4】

(式中、R1 は前記と同じものを示し、R9 及びR10は同一又は異なって炭素数2〜4のアルキレン基を、R11は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基を示す。b及びcはそれぞれ0〜50の数を示すが、b及びcが同時に0となることはない)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー 0〜40質量%
の共重合体、
(B2)(a)一般式(5)
【化5】

(式中、R12 は水素原子又はメチル基を、R13 及びR14 は同一又は異なって水素原子又は炭素数4〜12のアルキル基を示すか、R13 とR14 が一緒になって隣接する窒素原子と共に環を形成する)
で表わされる(メタ)アクリルアミド系モノマー 30〜80質量%、
(b)一般式(6)
【化6】

(式中、R12 は前記と同じものを示し、R15は炭素数1〜4のアルキル基を示す)
で表される(メタ)アクリル酸エステル系モノマー 5〜45質量%、
(c)一般式(7)
【化7】

(式中、R12 は前記と同じものを示し、R16 は炭素数2又は3のアルキレン基を、R17 及びR18 は同一又は異なってメチル基又はエチル基を示す。aは0又は1の数を示す)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー又は(メタ)アクリルアミド系モノマー 2〜30質量%、及び
(d)一般式(8)
【化8】

(式中、R12 は前記と同じものを示し、R19 及びR20は同一又は異なって炭素数2〜4のアルキレン基を、R21は水素原子又はメチル基を示す。b及びcはそれぞれ0〜50の数を示すが、b及びcが同時に0となることはない)
で表わされる(メタ)アクリル酸エステル系モノマー 0〜30質量%
の共重合体
【請求項4】
(A)髪の交差を増大させることで髪の体積を増大させた後、
(B)皮膜強度評価法により測定した皮膜強度が800gf/cm2以上であるエアゾール式毛髪化粧料を適用する整髪方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−1287(P2010−1287A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−122996(P2009−122996)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】