説明

文字、数字又は絵柄表示用標記部

【課題】持ち運び可能な品物に、所有者、使用者等に応じて文字、数字又は絵柄を表示しやすくするため目印となる文字、数字又は絵柄表示用標記部を提供する。
【解決手段】飲料用容器1の収納ケース2の外面の少なくとも一部に線を文字、数字又は絵柄をあらわすように一定の幾何学的法則により標記用模様部本体8を組み合わせた標記用模様部7を有する。外面の素材はペン等で記載できるように表面状態が形成されている。標記用模様部7に基づきアルファベット文字、数字又は絵柄を一定の規則に基づき記入できるようにする。標記用模様部本体8の分割部にしたがってインク等で地色を消すようにして別の色で、ローマ字での名前の記載だけではなく、イニシャル、背番号、アイコン等自分で考え創造することを楽しむことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料用容器、弁当箱又はそれらを収納するケース等の持ち運び可能な品物に、所有者、使用者等管理者に応じてひらがな、カタカナ、漢字等文字や、漢数字、アラビア数字、ローマ数字等数字や、絵の模様や図案等絵柄を表示するため、目印となる文字、数字又は絵柄表示用標記部に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、断熱容器は、例えば両手で持てる大きさの内筒と外筒間に断熱部(図示せず)を備えた断熱構造の平面円筒形の容器本体と、該容器本体の上部開口に着脱可能に装着される栓体とで構成されている(例えば特許文献1)。
【0003】
また、飲料用容器の収納ケースとして、容器本体の注ぎ口を開口部から突出させて断熱容器を収納する有底筒状の収納ケースからなる飲料用容器の収納ケースも知られている(例えば特許文献2)。
【0004】
さらに、内ケースと外ケースとの間に断熱構造を有し、上部収容口を備えた断熱容器と、該上部収容口から断熱容器内に収容可能な主容器と、該主容器の上部開口を覆う断熱構造の蓋部材とを備えた保温弁当箱も知られている(例えば特許文献3)。
【0005】
また、食品容器と、底面部と左面部と前面部と右面部と後面部と該後面部の上辺に起伏自在に接続され上部開口を閉塞可能な上蓋板部とからなり食品容器を収納する収納具と、上蓋板部の上方に握り部が配置され取付部を前面部、後面部にそれぞれ接続する持ち手とを備え、これらはポリエステル布等からなる外生地と内生地との間にポリエチレン等発泡材による断熱材を設け、可撓性であって、さらに断熱性を有するようになっている携帯用食品容器収納具も知られている(例えば特許文献4)。
【0006】
一方、名前、数字、絵柄を表示するため、目印となる文字、数字又は絵柄表示用標記部として、アイロンビーズ玩具が知られている。このアイロンビーズ玩具は、本体部と当該本体部に装着する基板を有し、前記基板は、耐熱性の合成樹脂素材によって形成され表面に等間隔に配列された小径の凸状体を複数個有し、当該凸状体に加熱によって溶融する性質を有した小円筒体を装着可能にし、使用者は、本体部に対して基板が装着された状態で、小円筒体を凸状体に対して差し込むように複数並べ、所定の絵や模様を形成することができるというものである(例えば特許文献5)。
【0007】
また、従来において、幼児、低学年向け製品以外には「お名前記入欄」、「お名前表示欄」がない商品が多く、使用者が自分のボトルやそのポーチを識別できなかった。このため、製品に直に書き込む、別途ラベルを貼り付ける。若しくはキーホルダーのようなアクセサリーを取り付け、自分のものと分かる記号性をつける等、使用者が自ら工夫する必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−179384号公報
【特許文献2】特開2009−184678号公報
【特許文献3】特開2005−110734号公報
【特許文献4】特開2011−167312号公報
【特許文献5】特開2005−34429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術においては、所有者又は使用者等の管理者を特定するために、名前等を示す文字又は電話番号等を示す数字或いは絵柄を書き込み等によりあらわすような手段は設けられていなかった。
【0010】
さらに、防犯上の観点から、他人の目に触れる場所に直接名前を表示することが躊躇され、名前を書けない場合もある。また、個人の使用だけではなく、チーム、学校等団体での使用シーンでも同様の状況が起こっている。他と区別して自分のものと分かる名前や記号が無いと、引率者等が使用者を識別することが困難であり、忘れ物や落し物になってしまい、持ち主の元に戻りにくくなる。
【0011】
そこで、本発明は、持ち運び可能な品物に、所有者、使用者等管理者に応じて文字、数字又は絵柄を表示しやすくするため目印となる文字、数字又は絵柄表示用標記部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、持ち運び可能な物品に、所有者、使用者等管理者に応じて文字、数字又は絵柄を表示するため、目印となる文字、数字又は絵柄表示用標記部であって、前記物品の外面の少なくとも一部に線若しくは点を文字、数字又は絵柄をあらわすように一定の幾何学的法則により組み合わせた模様を有し、前記外面の素材はペン等筆記具で記載できるように表面状態が形成されており、該模様に基づき文字、数字又は絵柄を一定の規則に基づき記入できることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、前記模様は前記物品の外面に対して凸又は凹状であることを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、請求項2において、前記模様に線状、円状等の構成部品を係合することで文字、数字又は絵柄を標記できることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、請求項3において、少なくとも前記凸又は凹状部分は耐熱性のある素材で、前記構成部品を加熱溶着させることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、請求項1〜4において、前記物品が飲料、食料を収容する携帯用断熱容器であることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、請求項1〜4において、前記物品が弁当箱であることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、請求項1〜4において、前記物品がクーラーボックス、クーラーバッグなどの携帯用の保冷又は保温用容器であることを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明の文字、数字又は絵柄表示用標記部は、請求項1〜7において、
前記模様は、複数の標記本体部を複数並設したもので、
前記標記本体部は、一方に配置され前記一方とその反対側の他方を結ぶ方向と交差する一側及びその反対側にある他側の向きで分割された一側の一方辺分割部及び他側の一方辺分割部と、
他方に配置され一側及び他側の向きで分割された一側の他方辺分割部及び他側の他方辺分割部と、
一側に配置され一方と他方に分割された一方の一側辺分割部及び他方の一側辺分割部と、
他側に配置され一方と他方に分割された一方の他側辺分割部及び他方の他側辺分割部と、
前記一側の一方辺分割部及び他側の一方辺分割部との中間と前記一側の他方辺分割部及び他側の他方辺分割部との中間とを結ぶように一方と他方向きで一方と他方に分割された一方の中間辺分割部及び他方の中間辺分割部と、
前記一方の一側辺分割部及び他方の一側辺分割部との中間と前記一方の他側辺分割部及び他方の他側辺分割部との中間とを結ぶように一側及び他側向きで一側、他側に分割された一側の中間辺分割部及び他側の中間辺分割部と、
前記一側の一方分割部及び一方の一側辺分割部との第一の角部中間と他側の他方辺分割部及び他方の他側辺分割部との第二の角部中間とを結ぶように一方、他方に分割された一側斜め一方向き方向の一方分割部及び他方分割部と、
前記他側の一方辺分割部及び一方の他側辺分割部との第三の角部中間と一側の他方辺分割部及び下方の一側辺分割部との第四の角部中間とを結ぶように上下に分割された他側斜め一方向き方向の一方分割部及び他方分割部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明によれば、一定の幾何学的法則により組み合わせた模様にしたがって文字、数字又は絵柄を簡単にあらわすことができる。
【0021】
請求項2の発明によれば、一定の幾何学的法則により構成組み合わせた模様にしたがって文字、数字又は絵柄を、凸又は凹状の箇所を利用して簡単にあらわすことができる。
【0022】
請求項3の発明によれば、油性ペンなどを利用した書き込みとは異なり、構成部品を係合することで簡単に表示を形成することができ、またそのやり直しも容易である。
【0023】
請求項4の発明によれば、構成部品を加熱溶着させることで、文字、数字又は絵柄を確実に保持することができる。
【0024】
請求項5の発明によれば、飲料、食料を収容する携帯用断熱容器において、一定の幾何学的法則により組み合わせた模様にしたがって文字、数字又は絵柄をあらわすことで、自分の容器と他人の容器を簡単に識別でき、自分の容器を他人が持っていって、誤って飲料や食料を飲まれたり、食されたりするようなことを阻止することができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、弁当箱において、一定の幾何学的法則により組み合わせた模様にしたがって文字、数字又は絵柄をあらわすことで、例えば同じような弁当箱が並べられていても、例えば自分の弁当箱と他人の弁当箱や、アレルギー対策の食材を収容した弁当と、それ以外の弁当を簡単に識別できる。
【0026】
請求項7の発明によれば、クーラーボックスや、クーラーバッグなどの携帯用の保冷又は保温用容器において、一定の幾何学的法則により組み合わせた模様によって、クラブやチームを識別するための文字、数字又は絵柄を簡単にあらわすことができる。
【0027】
請求項7の発明によれば、それぞれの分割部を選択して表示することで、複雑な形状でも表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例1を示す正面図である。
【図2】同標記本体部を示す正面図である。
【図3】同表示状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施例2を示す平面図である。
【図5】同断面図である。
【図6】本発明の実施例3を示す正面図である。
【図7】同断面図である。
【図8】本発明の実施例4を示す標記本体部を示す正面図である。
【図9】本発明の実施例5を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例6を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0030】
図1〜3で示す実施例1は、持ち運び可能な物品である携帯用の飲料用容器1を収納するためのポーチ等と称する縫製物からなる布製の収納ケース2であって、容器本体3の注ぎ口を覆った栓4或いはコップを、収納ケース2の開口部5から突出させるようにして収納できるように有底筒状に形成されている。そして、その外面には地色、例えば青色と異なる色、例えば黒色からなる正面が円環状な模様部6が視認できるように形成されており、この円環状模様部6の内側に文字、数字又は絵柄を表示可能な目印として記す標記用模様部7を地色と異なる色によって視認できるように、印刷、編み、成形など適宜手段により表示できるように形成されている。
【0031】
前記標記用模様部7は、線若しくは点を文字、数字又は絵柄をあらわすように一定の幾何学的法則により組み合わせたものであり、前記外面の素材はペン等で記載できるように表面状態が形成されており、該標記用模様部7に基づきアルファベット文字、数字又は絵柄を一定の規則に基づき記入できるようになっている。
【0032】
実施例の標記用模様部7は、一つのフォント状の標記用模様部本体8を、一方、その反対側の他方、一方と他方を結ぶ方向に交差、実施例では直交する一側、この一側と反対側の他側である、上下左右方向に複数並設したものであって、標記用模様部本体8は正面がほぼ矩形枠状であり、実施例では一方が他方よりも他側に傾斜して、以下のように分割されている。尚、図中9は開口部5の締め付け用バンド、10は開口部5に設けられた吊り下げ用バンド(図示せず)の接続用リングである。
【0033】
前記標記用模様部7は複数の標記用模様部本体8を複数並設したもので、前記標記用模様部本体8は、それぞれ短直線状をなした
一方に配置され前記一方とその反対側の他方を結ぶ方向と交差する一側及び他側の向きで分割された一側の一方辺分割部11及び他側の一方辺分割部12と、
他方に配置され一側及び他側の向きで分割された一側の他方辺分割部13及び他側の他方辺分割部14と、
一側に配置され一方と他方に分割された一方の一側辺分割部15及び他方の一側辺分割部16と、
他側に配置され一方と他方に分割された一方の他側辺分割部17及び他方の他側辺分割部18と、
前記一側の一方辺分割部11及び他側の一方辺分割部12との中間と前記一側の他方辺分割部13及び他側の他方辺分割部14との中間とを結ぶように一方と他方向きで一方と他方に分割された一方の中間辺分割部19及び他方の中間辺分割部20と、
前記一方の一側辺分割部15及び他方の一側辺分割部16との中間と前記一方の他側辺分割部17及び他方の他側辺分割部18との中間とを結ぶように一側及び他側向きで一側、他側に分割された一側の中間辺分割部21及び他側の中間辺分割部22と、
前記一側の一方分割部11及び一方の一側辺分割部15との第一の角部中間と他側の他方辺分割部14及び他方の他側辺分割部18との第二の角部中間とを結ぶように一方、他方に分割された一側斜め一方向き方向の一方分割部23及び他方分割部24と、
前記他側の一方辺分割部12及び一方の他側辺分割部17との第三の角部中間と一側の他方辺分割部13及び下方の一側辺分割部16との第四の角部中間とを結ぶように上下に分割された他側斜め一方向き方向の一方分割部25及び他方分割部26とを備えている。
【0034】
そして、標記用模様部本体8を複数並設することで、
前記一側の一方辺分割部11及び他側の一方辺分割部12に、一方に隣接する標記用模様部本体8Aの一側の他方辺分割部13A及び他側の他方辺分割部14Aを重ね合わせ、
前記一側の他方辺分割部13及び他側の他方辺分割部14に、他方に隣接する標記用模様部本体8Bの一側の一方辺分割部11B及び他側の一方辺分割部12Bを重ね合わせ、
前記一方の一側辺分割部15及び他方の一側辺分割部16に、一側に隣接する標記用模様部本体8Cの一方の他側辺分割部17C及び他方の他側辺分割部18Cを重ね合わせるように配置し、
前記分割部11〜26のいずれかを筆記用具のインク等着色材29で塗りつぶして第一の表示部27、第二の表示部28としている。
【0035】
第一の表示部27、第二の表示部28は、前記分割部11〜26のいずれかを表示部の一部とするものであり、分割部11〜26は、内側に地色を表すことができるように縁を閉ループ状に配置された地色と異なる、例えば無彩色である黒色の線状部30を印刷或いは縫い目、或いは編み絵柄等によって形成されており、この線状部30に囲まれた内側を、地色と異なる色、例えば白色のペン先からのインクで塗りつぶすことで地色よりも異なる色の面積を広くして線状部30よりも視認しやすい表示部を形成することができる。
【0036】
そして、分割部11〜26のいずれかを表示部とするとき、例えば第一の表示部27となるローマ字の「W」は、一側辺分割部15、一側辺分割部16、他側辺分割部17、他側辺分割部18、他方分割部24、他方分割部26の内側にあらわれている地色や線状部30を、無彩色である白色のインクなど着色材29で塗りつぶして「W」を表示部とする。
【0037】
また、第二の表示部28となる数字「1」は一方辺分割部11、他方辺分割部13、他方辺分割部14、中間辺分割部19、中間辺分割部20の内側にあらわれている地色や線状部30を、無彩色である白色のインクで塗りつぶして「1」を表示部とする。
【0038】
尚、隣接する各分割部11〜26の端部相互には隙間31が形成されている。この隙間はなくともよい。標記用模様部7においては、図3に示すようにローマ字「A」〜「Z」、数字「0」〜「9」をあらわすことができるほかに、符号32で示す漢字「川」や符号33で示す「チューリップ」の絵柄模様等もあらわすことができる。
【0039】
以上のように、前記実施例では縫製物において、その外面の少なくとも一部に線を文字、数字又は絵柄をあらわすように一定の幾何学的法則により標記用模様部本体8を組み合わせた標記用模様部7を有し、前記外面の素材はペン等で記載できるように表面状態が形成されており、該標記用模様部7に基づきアルファベット文字、数字又は絵柄を一定の規則に基づき記入できるようにしたことで、分割部11〜26にしたがってインク等で地色を消すようにして別の色で、ローマ字での名前の記載だけではなく、イニシャル、背番号、アイコン等自分で考え創造することを楽しむことができる。また、新規で部品を追加する必要が無く、コストアップを防ぐことができる。しかも、地柄のグラフィックを塗りつぶさずとも使用者はそのまま使用できる。未処理のグラフィック、テクスチャー、パターンは、そのままグラフィックとして成立することができる。この結果、キッズ、クラブユース等のシーンで、多くの類似品の中から使用者が自分自身の所有物だと直ぐに認識できる。
【0040】
さらに、収納ケース2を油性ペンなどのにじまない材料にしたり、収納ケース2の表面をコーティングすることによって、名前、イニシャル等の記載時に油性ペンのインクの滲みを抑え、ガイドにあわせ塗り書くので単に書くより綺麗に書き込むことができる。しかも、それぞれの分割部を凹凸の刻印や凹凸の印刷により書き込みのし易さ、グリップ性能の向上を図ることもできる。
【実施例2】
【0041】
以下に他の実施例について説明する。尚、実施例1と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。図4、5は実施例2を示しており、実施例2は樹脂製の飲料用容器41における栓体42の天面に注出口(図示せず)を覆う蓋体43がヒンジ部44を介して起伏自在に設けられており、そして、天面における蓋体43と反対側に標記用模様部7Aを設ける。この標記用模様部7の前述の各分割部は天面に印刷或いはシボ加工等により、天面と色調を異なるようにして形成されており、標記用模様部7中の選択された分割部に別パーツで、分割部とほぼ同じ大きさの貼り付け部材であるステッカー45を貼り付けることで、実施例の場合には数字「3」を表した表示部としている。
【0042】
以上のように、前記実施例では分割部とほぼ同じ大きさのステッカー45を貼り付けることで、実施例1と同様にステッカー45で地色を消すようにして別の色で、ローマ字で名前等自分で考え創造することを楽しむことができる。また、インクで手が汚れるようなことなく子供でも簡単に表示部を形成することができる。
【実施例3】
【0043】
図6、7は実施例3を示しており、実施例3は樹脂製の飲料用容器であって、筒型の容器本体51と、容器本体51の上部開口に設けられる栓体52の天面に注出口(図示せず)を覆う蓋体53がヒンジ部(図示せず)を介して起伏自在に設けられており、また、容器本体51には左右において軸支され容器本体51を吊り下げ状態で保持可能な取手55を備えている。図中、56は閉蓋するためのストッパーである。
【0044】
そして、樹脂製の容器本体51の全面或いは一部に標記用模様部7Bを設ける。容器本体51における少なくとも標記用模様部7Bの箇所は耐熱性のある素材によって形成されており、分割部は凹状部分57(又凸状部)によって一体的に形成されている。実施例では、分割部は刻印状の凹状部分57によって形成されており、この凹状部分57に、別パーツの線状、円状等の文字、数字を形成するエレメントとなる構成部品58を嵌め込むことで、ローマ字「N」の表示部としている。尚、凹状部分57に嵌め込んだ文字、数字構成部品58を加熱溶着させることで、表示部を固定している。
【0045】
また、凹状部分57を筆記具(図示せず)により地色と異なる色のインク等着色材59で塗りつぶすことで、数字「1」の表示部としている。
【0046】
以上のように、前記実施例では分割部を凹状部分57として、分割部に文字、数字構成部品58を嵌めこむことで表示部を形成するので、油性ペンで書き込みとは異なり、やり直しが容易である。また、凹状部分57に筆記用具の先を当てて凹状部分57をなぞりながらインク等着色材59で正確に塗りつぶしを行うことができる。さらに、表面に凹状部分57が形成されているので、手との滑り止め作用を奏することができる。
【実施例4】
【0047】
図8は実施例4を示しており、実施例4では標記用模様部の7個の分割部61A〜61Gを「8」の字状に配置しており、実施例では5箇所の箇所を着色して数字「2」を表示している。
【0048】
このため、実施例4の一つのフォント状の標記用模様部本体60を、上下方向を一方、他方とし、左右方向を一側、他側としたとき、一方、その反対側の他方、一方と他方を結ぶ方向に交差、実施例では直交する一側、この一側と反対側の他側である、上下左右方向に複数並設したものであって、標記用模様部本体60は正面がほぼ矩形枠状であり、実施例では一方が他方よりも他側に傾斜して、以下のように分割されている。
【0049】
前記標記用模様部本体60は、それぞれ短直線状をなした
一方に配置され前記一方とその反対側の他方を結ぶ方向と交差する一側及び他側の向きの一方辺部61Aと、
他方に配置され一側及び他側の向きの他方辺部61Bと、
一側に配置され一方と他方の向きの一側辺部61Cと、
他側に配置され一方と他方の他側辺部61Dとを備え、
そして、標記用模様部本体60を複数並設することで、
一方辺部61Aに一方の模様部本体60Aの他方辺分割部61B´を重ね合わせ、
他方辺部61Bに他方の模様部本体60Bの一方辺分割部61A´を重ね合わせ、
一側辺部61Cに一側の模様部本体60Cの他側辺部61D´を重ね合わせ、
他側辺部61Dに他側の模様部本体60Dの一側辺部61C´を重ね合わせたものであり、一方辺分割部61A、他側辺部61D、他方辺分割部61B、模様部本体60Bの一側辺部61C´´、他方辺分割部61B´´などを塗りつぶしなどで「2」を表示している。
【0050】
このような模様部本体60を並設すると共に、一方辺部61Aなどを選択して簡易的な表示を行うことができる。
【実施例5】
【0051】
図9は実施例5を示しており、実施例5では弁当箱70の蓋71の上面に模様部本体8´を並設したものである。したがって、自分の弁当箱70と他人のものとを簡単に識別でき、自分のものを他人持っていって、誤って食されたりするようなことを阻止することができる。
【実施例6】
【0052】
図10は実施例6を示しており、実施例6ではクーラーバッグ80の蓋81の上面に模様部本体8´´を並設したものである。したがって、クラブやチームを識別するための文字、数字又は絵柄をクーラーバッグ80に簡単にあらわすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように本発明は、飲料用容器やその収納ケースのほかに、弁当箱やクーラーボックスの収納ケース等各種の用途に適用できる。また、他に樹脂又は金属等で形成された容器や、外出時に携帯する袋、バッグ等の縫製物などにも利用することができる。
【符号の説明】
【0054】
2 収納ケース
7 標記用模様部
8 8´ 8´´ 模様部本体
11 一方辺分割部
12 一方辺分割部
13 他方辺分割部
14 他方辺分割部
15 一側辺分割部
16 一側辺分割部
17 他側辺分割部
18 他側辺分割部
19 中間辺分割部
20 中間辺分割部
21 中間辺分割部
22 中間辺分割部
33 絵柄模様
41 飲料用容器
57 凹状部分
58 構成部品
70 弁当箱
80 クーラーボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
持ち運び可能な物品に、所有者、使用者等管理者に応じて文字、数字又は絵柄を表示するため、目印となる文字、数字又は絵柄表示用標記部であって、前記物品の外面の少なくとも一部に線若しくは点を文字、数字又は絵柄をあらわすように一定の幾何学的法則により組み合わせた模様を有し、前記外面の素材はペン等筆記具で記載できるように表面状態が形成されており、該模様に基づき文字、数字又は絵柄を一定の規則に基づき記入できることを特徴とする文字、数字又は絵柄表示用標記部。
【請求項2】
前記模様は前記物品の外面に対して凸又は凹状であることを特徴とする請求項1記載の文字、数字又は絵柄表示用標記部。
【請求項3】
前記模様に線状、円状等の構成部品を係合することで文字、数字又は絵柄を標記できることを特徴とする請求項2記載の文字、数字又は絵柄表示用標記部。
【請求項4】
少なくとも前記凸又は凹状部分は耐熱性のある素材で、前記構成部品を加熱溶着させることを特徴とする請求項3記載の文字、数字又は絵柄表示用標記部。
【請求項5】
前記物品が飲料、食料を収容する携帯用断熱容器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の文字、数字又は絵柄表示用標記部。
【請求項6】
前記物品が弁当箱であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の文字、数字又は絵柄表示用標記部。
【請求項7】
前記物品がクーラーボックス、クーラーバッグなどの携帯用の保冷又は保温用容器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の文字、数字又は絵柄表示用標記部。
【請求項8】
前記模様は、複数の標記本体部を複数並設したもので、
前記標記本体部は、一方に配置され前記一方とその反対側の他方を結ぶ方向と交差する一側及びその反対側にある他側の向きで分割された一側の一方辺分割部及び他側の一方辺分割部と、
他方に配置され一側及び他側の向きで分割された一側の他方辺分割部及び他側の他方辺分割部と、
一側に配置され一方と他方に分割された一方の一側辺分割部及び他方の一側辺分割部と、
他側に配置され一方と他方に分割された一方の他側辺分割部及び他方の他側辺分割部と、
前記一側の一方辺分割部及び他側の一方辺分割部との中間と前記一側の他方辺分割部及び他側の他方辺分割部との中間とを結ぶように一方と他方向きで一方と他方に分割された一方の中間辺分割部及び他方の中間辺分割部と、
前記一方の一側辺分割部及び他方の一側辺分割部との中間と前記一方の他側辺分割部及び他方の他側辺分割部との中間とを結ぶように一側及び他側向きで一側、他側に分割された一側の中間辺分割部及び他側の中間辺分割部と、
前記一側の一方分割部及び一方の一側辺分割部との第一の角部中間と他側の他方辺分割部及び他方の他側辺分割部との第二の角部中間とを結ぶように一方、他方に分割された一側斜め一方向き方向の一方分割部及び他方分割部と、
前記他側の一方辺分割部及び一方の他側辺分割部との第三の角部中間と一側の他方辺分割部及び下方の一側辺分割部との第四の角部中間とを結ぶように上下に分割された他側斜め一方向き方向の一方分割部及び他方分割部とを備えたことを特徴とする
請求項1〜7のいずれか1項に記載の文字、数字又は絵柄表示用標記部。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−86804(P2013−86804A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225870(P2011−225870)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(591261602)サーモス株式会社 (76)
【Fターム(参考)】