説明

文字入力方法、文字入力装置および文字入力プログラム

【課題】文字入力モードをあらかじめ設定したりすることなく、所望の文字の入力が可能な文字入力方法を提供する。
【解決手段】テンキー1を数字または記号を入力するキーとし、上下左右カーソルキー2を直前のテンキー1の押下により入力された数字または記号を当該テンキー1に割り付けた文字に切り替えて表示する文字切替キーとして割り当てる。なお、上下左右カーソルキー2のいずれかのキーを連続押下した場合、押下回数に応じて直前に押下されたテンキー1に割り付けた複数の文字の中から順番にまたは逆順に選択される文字に切り替えて表示する。例えば、右カーソルキーまたは左カーソルキーを、押下回数に応じて直前に押下されたテンキー1に割り付けたかな文字を順番にまたは逆順に切り替えるキーとし、下カーソルキーまたは上カーソルキーを、押下回数に応じて直前に押下されたテンキー1に割り付けた英字を順番にまたは逆順に切り替えるキーとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力方法、文字入力装置および文字入力プログラムに関し、特に、テンキー、左右上下のカーソルキーを利用した文字入力方法、文字入力装置および文字入力プログラムに関する。携帯電話機のみならず、かな文字(あいうえお)キーや英字キー(ABC)を配置するだけのスペースがない携帯用業務端末、PDA(Personal Digital Assistants)、固定電話機等にも好適に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
従来より携帯端末等の電子機器においては、文字入力の際の打鍵数の増加を抑えながら、かつ、文字入力キーや制御キーの個数を節減して、省スペース化を図ろうとする工夫が種々行われてきている。例えば特許文献1の特開2002−323949号公報「キーボードを用いた文書入力システムと該システムを備えた電子機器」においては、携帯電話機等の小型化が必須の携帯端末にも適用することを可能とするために、数字、英字、かな文字等を入力するための5個のデータキーと、文字入力モード指定用や電話発着信・保留用、メール送受信用等の制御情報を入力するための13個の制御キーのみを用いる例が記載されている。
【0003】
該特許文献1に記載された電子機器における文字入力方法は次のように操作することになる。すなわち、まず、制御キーのメニューキーを打鍵して、メニュー画面を開き、その中から文字入力モードを指定する項目をデータキーのいずれかを打鍵して選択する。次いで、文字入力モードをひらがな、カタカナ、英字、数字等の順番に切り替えて指定することができる制御キーを、所望する文字入力モードに切り替わるまで連続して打鍵する。この操作によって、文字入力モードが確定する。
【0004】
しかる後、5個のデータキーのいずれかを1ないし複数回打鍵することによって、打鍵されたデータキーに割り付けられている文字群の中から、先に設定している文字入力モードに該当する文字群を選択して、打鍵回数分に応じた文字を抽出する指示を行う。この操作によって、所望の文字が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−323949号公報(第5−7頁)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1のような従来の技術においては、文字を入力するための入力キーの個数を削減して省スペース化を図ることが可能になるという利点はあるものの、あらかじめ文字入力モードを設定するための操作を行ってから、所望する文字の入力操作を行うことが必要であり、打鍵数が多くなり、操作性に問題がある。
【0007】
(本発明の目的)
本発明の目的は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、テンキーと上下左右カーソルキーのみを用いて、文字入力モードをあらかじめ設定したり変更したりすることなく、所望の文字の入力を可能とする文字入力方法、文字入力装置および文字入力プログラムを提供することを、その目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の課題を解決するため、本発明による文字入力方法、文字入力装置および文字入力プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0009】
(1)本発明による文字入力方法は、テンキーと上下左右カーソルキーとを用いて所望する任意の文字を入力する文字入力方法であって、前記テンキーを、数字または記号を入力するためのキーとし、前記上下左右カーソルキーを、直前の前記テンキーの押下操作により入力された数字または記号を当該テンキーにあらかじめ割り付けられている文字に切り替えて表示する文字切替キーとして割り当てることを特徴とする。
【0010】
(2)本発明による文字入力装置は、テンキーと上下左右カーソルキーとを用いて所望する任意の文字を入力する文字入力装置であって、前記テンキーを、数字または記号を入力するためのキーとし、前記上下左右カーソルキーを、直前の前記テンキーの押下操作により入力された数字または記号を当該テンキーにあらかじめ割り付けられている文字に切り替えて表示する文字切替キーとして割り当てることを特徴とする。
【0011】
(3)本発明による文字入力プログラムは、前記(2)に記載の文字入力方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の文字入力方法、文字入力装置および文字入力プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。
【0013】
テンキーのうちいずれかのキーを押下操作して、該キーに該当する数字または記号を表示した後、押下操作したテンキーに対応して割り付けられているかな文字、英字等のうち、所望のかな文字、英字等が割り付けられている順番に応じて順次または逆順に定まる押下回数だけ、文字切替キー機能を有する上下左右カーソルキーを押下操作することによって、表示されている数字または記号を所望のかな文字、英字等に切り替えて表示することができるので、かな文字(あいうえお)キーや英字キー(ABC)を配置するだけのスペースがない文字入力装置の場合であっても、かな文字、英字、数字等のいずれを入力するかを指定する文字入力モードを設定したり、変更したりする手間が不要であり、効率的に文字入力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る文字入力装置の構成例を示す模式図である。
【図2】図1の文字入力装置のテンキーの各キーに割り付けられている文字・記号と上下左右カーソルキーの各キーに割り当てた文字切替キー機能とについてあらかじめ設定しているキー設定テーブルの一例を示すテーブルである。
【図3】図1の文字入力装置における文字入力時の動作の一例を説明するための遷移テーブルである。
【図4】図1の文字入力装置のテンキーの各キーに割り付けられている文字・記号と上下左右カーソルキーの各キーに割り当てた文字切替キー機能とについてあらかじめ設定しているキー設定テーブルの図2とは異なる例を示すテーブルである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による文字入力方法、文字入力装置および文字入力プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による文字入力方法および文字入力装置について説明するが、かかる文字入力方法をコンピュータにより実行可能な文字入力プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、文字入力プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。
【0016】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。従来技術においては、携帯電話機等のように、かな文字(あいうえお)キーや英字キー(ABC)を配置するだけのスペースがない文字入力装置において、テンキーを用いて文字を入力する場合、文字入力モードを決定してから入力しなければならないのが面倒である。例えば「4」キーを3回押すと、かな入力モードに設定していた場合には「つ」が表示され、英字モードに設定していた場合には「I」が表示され、数字モードに設定していた場合には「444」が表示される。
【0017】
本発明は、入力する文字種別としてかな文字、英字、数字の各モード等のいずれかの文字種別を指定するような文字入力モードを設けていないので、文字入力モードを気にしないで、文字の入力を行うことができることを特徴としている。
【0018】
より具体的には、本発明は、次のように、テンキーと上下左右カーソルキーとの組合せによって、数字または記号を表示するテンキーを押下した直後に、上下左右のカーソルキーを押下操作することによって、テンキーの押下によって表示した文字を変更することができることを特徴としている。
【0019】
例えば、右カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられているかな文字が順番に表示される。左カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられているかな文字が逆順に表示される。一方、下カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられている英字が順番に表示される。上カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられている英字が逆順番に表示される。
【0020】
あるいは、左右のカーソルキーの文字切替キー機能を入れ替えて、左カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられているかな文字が順番に表示され、右カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられているかな文字が逆順に表示されるようにしても良い。また、上下のカーソルキーの文字切替キー機能を入れ替えて、上カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられている英字が順番に表示され、下カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられている英字が逆順番に表示されるようにしても良い。
【0021】
あるいは、左右カーソルキーと上下カーソルキーとの文字切替キー機能を入れ替えて、下または上カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられているかな文字が順番にまたは逆順に表示され、右または左カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられている英字が順番にまたは逆順に表示されるようにしても良い。
【0022】
あるいは、かな文字と英字とを分離することなく、かな文字と英字とをまとめて順番に表示するようにしても良く、たとえば、下または上カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられているかな文字と英字とが順番にまたは逆順に表示されるようにしても良い。
【0023】
さらには、右または左カーソルキーを押すと、押下回数に応じて、直前に押下されたテンキーに対応して割り付けられているかな文字と英字とが順番にまたは逆順に表示されるようにしても良い。
【0024】
(実施形態の構成例)
次に、本発明に係る文字入力装置の構成例について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る文字入力装置の構成例を示す模式図であり、携帯電話機等の携帯端末と同様に、文字入力装置として、かな文字(あいうえお)キーや英字キー(ABC)を配置するだけのスペースがなく、テンキー1と上下左右カーソルキー2と決定キー3とが備えられている場合を示している。
【0025】
図1に示すように、テンキー1は、「1」、「2」、〜、「9」、「0」までの10個の置数キーと「*」、「#」の記号キーの合計12個のキーからなっており、「1」、「2」、〜、「9」、「0」までの10個の置数キーそれぞれには、「あ」行〜「わ」行までの10行のかな文字が5個ずつ(ただし、小文字やカタカナ文字も含むとさらに多くなる)割り付けられるとともに、複数個(3〜4個)の英字(大文字、小文字を合わせると6〜8個)と複数個の記号とが割り付けられている。また、「*」、「#」の記号キーそれぞれにも、複数個の記号が割り付けられている。ただし、テンキー1の各キーは、押下操作によって、各キーの左上に刻印されているそれぞれのキーに対応する数字「1」、「2」、〜、「9」、「0」または記号「*」、「#」が表示されるだけであって、各キーの右上や下側に刻印されているかな文字や英字、記号が表示されることはない。
【0026】
一方、図1に示す上下左右カーソルキー2は、テンキー1の各キーに割り付けられている数字、かな文字、英字、記号を、割り付けられている順番にあるいは逆順に切り替えていく機能を有する文字切替キーである。例えば、テンキー1のいずれかのキーの直前の押下操作によって表示された数字「1」、「2」、〜、「9」、「0」または記号「*」、「#」を、当該キーの右上や下側に刻印されているかな文字や英字、記号に変更して表示したい場合には、当該キーに割り付けられている順番にあるいは逆順に応じた回数だけ、上下左右カーソルキー2のうちのいずれかのキーを押下操作することによって、表示された数字「1」、「2」、〜、「9」、「0」または記号「*」、「#」を変更して、所望の文字(かな文字や英字、記号)に切り替えて表示させることができる。
【0027】
以下に説明する実施形態においては、上下左右カーソルキー2の文字切替キー機能として、次のように割り当てている場合について説明する。上下左右カーソルキー2のうち、右カーソルキーは、押下回数に応じて、テンキー1の各キーに割り付けられている数字または記号とかな文字(促音等の小文字も含む)とを割り付けた順番に切り替えていくかな文字順次切替キーであり、左カーソルキーは、押下回数に応じて、テンキー1の各キーに割り付けられている数字または記号とかな文字(促音等の小文字も含む)とを割り付けた順番とは逆順に切り替えていくかな文字逆順切替キーである。また、上下左右カーソルキー2のうち、下カーソルキーは、押下回数に応じて、テンキー1の各キーに割り付けられている数字または記号と英字(大文字、小文字)または記号とを割り付けた順番に切り替えていく英字順次切替キーであり、上カーソルキーは、押下回数に応じて、テンキー1の各キーに割り付けられている数字または記号と英字(大文字、小文字)または記号とを割り付けた順番とは逆順に切り替えていく英字逆順切替キーである。
【0028】
ただし、本発明に係る文字入力装置における上下左右カーソルキー2の文字切替キー機能は、かかる場合のみに限るものではない。
【0029】
例えば、前述の左右カーソルキーのかな文字順次切替キーとかな文字逆順切替キーとの割り当てを逆にして、右カーソルキーをかな文字逆順切替キーに割り当て、左カーソルキーをかな文字順次切替キーに割り当てても良いし、前述の上下カーソルキーの英字順次切替キーと英字逆順切替キーとの割り当てを逆にして、下カーソルキーを英字逆順切替キーに割り当て、上カーソルキーを英字順次切替キーに割り当てても良い。
【0030】
あるいは、上下左右カーソルキー2のうち、左右カーソルキーと上下カーソルキーとの割り当てを逆にして、右カーソルキーを英字順次切替キーまたは英字逆順切替キーに割り当て、左カーソルキーを英字逆順切替キーまたは英字順次切替キーに割り当て、一方、下カーソルキーのかな文字順次切替キーまたはかな文字逆順切替キーに割り当て、上カーソルキーのかな文字逆順切替キーまたはかな文字順次切替キーに割り当てるようにしても良い。
【0031】
あるいは、上下左右カーソルキー2の文字切替キー機能として、場合によっては、逆順に表示する機能を削除して、順方向の表示のみにし、右カーソルキー、左カーソルキーのいずれも、かな文字順次切替キーのみに割り当て、下カーソルキー、上カーソルキーのいずれも、英字順次切替キーのみに割り当てるようにしても良いし、あるいは、順方向の割り当てを左右カーソルキーと上下カーソルキーとで逆にして、右カーソルキー、左カーソルキーのいずれも、英字順次切替キーのみに割り当て、下カーソルキー、上カーソルキーのいずれも、かな文字順次切替キーのみに割り当てるようにしても良い。
【0032】
あるいは、上下左右カーソルキー2の文字切替キー機能として、かな文字順次(逆順)切替キーと英字順次(逆順)切替キーとに分離するのではなく、テンキー1の各キーに割り付けられている数字、記号、かな文字、英字の全ての文字を割り付けた順番に(または、割り付けた順番とは逆順に)、切り替えて表示するようにしても良い。
【0033】
例えば、テンキー1の各キーに数字または記号、かな文字、英字または記号の順に割り付けられている場合、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、右カーソルキーまたは下カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号からかな文字、英字または記号の順番に順次切り替えて表示していき、また、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、左カーソルキーまたは上カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号から英字または記号、かな文字の順番に(つまり割り付けた順番とは逆順に)切り替えて表示していくようにしても良い。
【0034】
ここで、右カーソルキーまたは下カーソルキー、左カーソルキーまたは上カーソルキーとの両者の文字切替キー機能を入れ替えて、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、左カーソルキーまたは上カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号からかな文字、英字または記号の順番に順次切り替えて表示していき、また、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、右カーソルキーまたは下カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号から英字または記号、かな文字の順番に(つまり割り付けた順番とは逆順に)切り替えて表示していくようにしても良い。
【0035】
または、前述のような、右カーソルキーまたは下カーソルキーと左カーソルキーまたは上カーソルキーとの組合せではなく、左右カーソルキーと上下カーソルキーとの組合せにして、例えば、テンキー1の各キーに数字または記号、かな文字、英字または記号の順に割り付けられている場合、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、右カーソルキーまたは左カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号からかな文字、英字または記号の順番に順次切り替えて表示していき、また、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、下カーソルキーまたは上カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号から英字または記号、かな文字の順番に(つまり割り付けた順番とは逆順に)切り替えて表示していくようにしても良い。
【0036】
ここで、右カーソルキーまたは左カーソルキー、下カーソルキーまたは上カーソルキーとの両者の文字切替キー機能を入れ替えて、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、下カーソルキーまたは上カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号からかな文字、英字または記号の順番に順次切り替えて表示していき、また、テンキー1のいずれかのキーの押下操作をした後、右カーソルキーまたは左カーソルキーを押下操作すると、押下回数に応じて、当該キーに割り付けられている数字または記号から英字または記号、かな文字の順番に(つまり割り付けた順番とは逆順に)切り替えて表示していくようにしても良い。
【0037】
また、数字や英字を全角だけでなく半角でも入力できるようにしても良いし、かな文字だけでなく、カタカナ文字(全角、半角)も含めて入力できるようにしても良いし、英字だけではなく、他の言語の文字も含めて入力できるようにしても良い。
【0038】
(実施形態の動作の説明)
次に、図1に示す文字入力装置の動作について、その一例を、図2および図3を用いて説明する。図2は、図1の文字入力装置のテンキー1の各キーに割り付けられている文字・記号と上下左右カーソルキー2の各キーに割り当てた文字切替キー機能とについてあらかじめ設定しているキー設定テーブルの一例を示すテーブルである。図3は、図1の文字入力装置における文字入力時の動作の一例を説明するための遷移テーブルであり、図2のように割り当てたキー設定テーブルを用いて「へいせい22ねん」という文字入力を行った場合のキー押下操作順序の例を示している。
【0039】
まず、図2のキー設定テーブルについて説明する。図2に示すキー設定テーブルにおいては、テンキーの一部を例示しており、テンキー1の置数キー「1」、「2」、〜、「9」、「0」、記号キー「*」、「#」のうち、置数キー「1」、「2」、〜、「9」、「0」の各キーの部分について、それぞれの各キーに順番に割り付けられている文字・記号を、かな文字と英字とに分けて順番に示している。例えば、置数キー「1」に割り付けられているかな文字については、「1」、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」、「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」の順番に割り付けられており、置数キー「1」に割り付けられている英字については、英字用の記号として「1」、「.」、「@」、「−」、「_」の順番に割り付けられている。また、置数キー「2」に割り付けられているかな文字については、「2」、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の順番に割り付けられており、置数キー「2」に割り付けられている英字については、「2」、「A」、「B」、「C」、「a」、「b」、「c」の順番に割り付けられている。
【0040】
また、図2に示す例においては、上下左右カーソルキー2の各キーに割り当てた文字切替キー機能として、前述したように、右カーソルキーがかな文字順次切替キーであり、左カーソルキーがかな文字逆順切替キーであり、下カーソルキーが英字順次切替キーであり、上カーソルキーが英字逆順切替キーである場合を示している。
【0041】
つまり、図2の右カーソルキー欄11に示すように、例えば、テンキー1の置数キー「1」の場合、右カーソルキーの押下回数に応じて、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」、「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」の順番にかな文字の表示が「1」から順次切り替わって表示されることになり、左カーソルキーの押下回数に応じて、「ぉ」、「ぇ」、「ぅ」、「ぃ」、「ぁ」、「お」、「え」、「う」、「い」、「あ」の順番にかな文字の表示が「1」から逆順に切り替わって表示されることになる。
【0042】
また、図2の下カーソルキー欄12に示すように、例えば、テンキー1の置数キー「2」の場合、下カーソルキーの押下回数に応じて、「A」、「B」、「C」、「a」、「b」、「c」の順番に英字の表示が「2」から順次切り替わって表示されることになり、上カーソルキーの押下回数に応じて、「c」、「b」、「a」、「C」、「B」、「A」の順番に英字の表示が「2」から逆順に切り替わって表示されることになる。
【0043】
すなわち、図2の右カーソルキー欄11または下カーソルキー欄12に示すように、例えば、テンキー1の置数キー「2」をまず押下操作すると、先頭の文字(数字)「2」が表示される。しかる後、文字順次切替キーである右カーソルキーを2回続けて押下操作すると、図2の「置数キー」が「2」の場合におけるかな文字の割り付け順番が、図2の右カーソルキー欄11に示すように、「2」、「か」、「き」、「く」、「け」、「こ」の順番であるので、「2」が最初の文字「か」の表示に切り替わった後、さらに、「か」がその次の文字「き」に切り替わって表示されることになる。
【0044】
しかる後、テンキー1の置数キー「9」を押下操作すると、「き9」が表示される。さらに、かな文字逆順切替キーである左カーソルキーを1回押下操作すると、図2の「置数キー」が「9」の場合におけるかな文字の割り付け順番が、図2の右カーソルキー欄11に示すように、「9」、「ら」、「り」、「る」、「れ」、「ろ」の順番であるので、カーソル位置に表示している「9」の文字が逆順の最初のかな文字「ろ」に変更されて、「き9」が「きろ」に切り替わって表示されることになる。
【0045】
しかる後、テンキー1の置数キー「7」を押下操作すると、「きろ7」が表示される。さらに、英字順次切替キーである下カーソルキーを1回押下操作すると、図2の「置数キー」が「7」の場合における英字の割り付け順番が、図2の下カーソルキー欄12に示すように、「7」、「P」、「Q」、「R」、「S」、「p」、「q」、「r」、「s」の順番であるので、カーソル位置に表示している「7」の文字が最初の英字「P」に変更されて、「きろ7」が「きろP」に切り替わって表示されることになる。
【0046】
しかる後、テンキー1の置数キー「6」を押下操作すると、「きろP6」が表示される。さらに、英字逆順切替キーである上カーソルキーを2回続けて押下操作すると、図2の「置数キー」が「6」の場合における英字の割り付け順番が、図2の下カーソルキー欄12に示すように、「6」、「M」、「N」、「O」、「m」、「n」、「o」、の順番であるので、カーソル位置に表示している「6」の文字が逆順の最初の英字「o」に変更された後、さらに、逆順のその次の英字「n」に変更されて、「きろP6」が、「きろPo」から最終的には「きろPn」に切り替わって表示されることになる。
【0047】
次に、図3の遷移テーブルを用いて、「へいせい22ねん」という文字入力を図2のキー設定テーブルにしたがって行う場合のキー押下操作順序について説明する。図3の遷移テーブルは、文字入力装置のテンキー1または上下左右カーソルキー2の押下操作順序を示す順番欄21、押下操作するキーを示すキー入力欄22、表示される文字を示す表示欄23からなっている。
【0048】
図3の遷移テーブルの順番欄21の「1」に示すように、まず、テンキー1の置数キー「6」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「6」が表示される。しかる後、かな文字逆順切替キーである左カーソルキーを2回連続して押下操作すると、まず、順番欄21の「2」に示すように、カーソル位置に表示している「6」が逆順の最初のかな文字「ほ」の表示に切り替わった後、さらに、順番欄21の「3」に示すように、「ほ」が逆順のその次のかな文字「へ」の表示に切り替わる。
【0049】
しかる後、順番欄21の「4」に示すように、テンキー1の置数キー「1」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「へ1」が表示される。さらに、かな文字順次切替キーである右カーソルキーを2回連続して押下操作すると、まず、順番欄21の「5」に示すように、カーソル位置に表示している「1」が最初のかな文字「あ」の表示に切り替わって「へあ」の表示になった後、さらに、順番欄21の「6」に示すように、「あ」がその次のかな文字「い」の表示に切り替わって「へい」の表示になる。
【0050】
しかる後、順番欄21の「7」に示すように、テンキー1の置数キー「3」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「へい3」が表示される。さらに、かな文字逆順切替キーである左カーソルキーを2回連続して押下操作すると、まず、順番欄21の「8」に示すように、カーソル位置に表示している「3」が逆順の最初のかな文字「そ」の表示に切り替わって「へいそ」の表示になった後、さらに、順番欄21の「9」に示すように、「そ」が逆順のその次のかな文字「せ」の表示に切り替わって「へいせ」の表示になる。
【0051】
しかる後、順番欄21の「10」に示すように、テンキー1の置数キー「1」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「へいせ1」が表示される。さらに、かな文字順次切替キーである右カーソルキーを2回連続して押下操作すると、まず、順番欄21の「11」に示すように、カーソル位置に表示している「1」が最初のかな文字「あ」の表示に切り替わって「へいせあ」の表示になった後、さらに、順番欄21の「12」に示すように、「あ」がその次のかな文字「い」の表示に切り替わって「へいせい」の表示になる。
【0052】
しかる後、順番欄21の「13」に示すように、テンキー1の置数キー「2」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「へいせい2」が表示される。さらに、順番欄21の「14」に示すように、テンキー1の置数キー「2」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「へいせい22」が表示される。このように、テンキー1を押下操作した後に、上下左右カーソルキー2を押下操作していない場合は、テンキー1の先頭に割り付けられている数字または記号が表示されることになる。
【0053】
しかる後、順番欄21の「15」に示すように、テンキー1の置数キー「5」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「へいせい225」が表示される。さらに、かな文字逆順切替キーである左カーソルキーを2回連続して押下操作すると、まず、順番欄21の「16」に示すように、カーソル位置に表示している「5」が逆順の最初のかな文字「の」の表示に切り替わって「へいせい22の」の表示になった後、さらに、順番欄21の「17」に示すように、「の」が逆順のその次のかな文字「ね」の表示に切り替わって「へいせい22ね」の表示になる。
【0054】
しかる後、順番欄21の「18」に示すように、テンキー1の置数キー「0」を押下操作すると、表示欄23に示すように、「へいせい22ね0」が表示される。さらに、かな文字順次切替キーである右カーソルキーを3回連続して押下操作すると、まず、順番欄21の「19」に示すように、カーソル位置に表示している「0」が最初のかな文字「わ」の表示に切り替わって「へいせい22ねわ」の表示になった後、さらに、順番欄21の「20」に示すように、「わ」がその次のかな文字「を」の表示に切り替わって「へいせい22ねを」の表示になり、さらに、順番欄21の「21」に示すように、「を」がその次のかな文字「ん」の表示に切り替わって「へいせい22ねん」の表示になる。
【0055】
(実施形態の効果の説明)
以上に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。
【0056】
本実施形態においては、かな文字、英字、数字等の入力文字種別を指定する入力モードをあらかじめ入力したり変更したりしなりしなくても、所望する文字を表示させることができるという効果が得られる。その理由は、テンキー1による数字または記号の入力後に、文字切替キー機能を有する上下左右カーソルキー2を用いて、テンキー1にて入力した数字または記号を所望するかな文字や英字や記号に変更することができるためである。
【0057】
すなわち、本実施形態による文字入力方法の場合、テンキー1のうちいずれかのキーを押下操作した後、文字切替キー機能を有する上下左右カーソルキー2について、かな文字順次切替キーである右カーソルキーまたはかな文字逆順切替キーである左カーソルキーの押下回数に応じて、押下操作したテンキーに対応して割り付けられているかな文字を、割り付け順にまたは割り付け逆順に、切り替えて表示し、また、英字順次切替キーである下カーソルキーまたは英字逆順切替キーである上カーソルキーの押下回数に応じて、押下操作したテンキーに対応して割り付けられている英字を、割り付け順にまたは割り付け逆順に、切り替えて表示することができるので、かな文字(あいうえお)キーや英字キー(ABC)を配置するだけのスペースがない文字入力装置の場合であっても、かな文字、英字、数字のいずれを入力するかをあらかじめ指定する文字入力モードを設定したり、変更したりする手間が不要であり、効率的に文字入力を行うことができる。
【0058】
なお、前述の図2のキー設定テーブルにおいては、文字切替キー機能を有する上下左右カーソルキー2について、左右カーソルキーをかな文字切替キー機能として利用し、上下カーソルキーを英字切替キー機能として利用する場合を示したが、前述したように、本発明はかかる場合に限るものではなく、例えば、図4のキー設定テーブルに示すように、かな文字、英字のすべてについて、テンキー1の各キーに割り付けられている順番にしたがって、右カーソルキーまたは左カーソルキー(あるいは、図示していないが、下カーソルキーまたは上カーソルキー)の押下回数に応じて、順次または逆順に、文字を切り替えて表示するようにしても良い。
【0059】
図4は、図1の文字入力装置のテンキー1の各キーに割り付けられている文字・記号と上下左右カーソルキー2の各キーに割り当てた文字切替キー機能とについてあらかじめ設定しているキー設定テーブルの図2とは異なる例を示すテーブルである。図4のキー設定テーブルにおいては、図2のキー設定テーブルの場合のように、右カーソルキー欄11、下カーソルキー欄12に二分する代わりに、数字、かな文字、英字のすべてを、右カーソルキー欄31にまとめて設定している場合を示している。
【0060】
つまり、図4のキー設定テーブルにおいては、テンキー1のいずれかのキーを押下することによって、数字または記号を表示させた後、右カーソルキーまたは左カーソルキーの押下操作のみで(あるいは、下カーソルキーまたは上カーソルキーの押下操作のみで)、押下回数に応じて、順次または逆順に、テンキー1の当該キーに割り付けられているかな文字、英字または記号に切り替えて表示することができる。
【0061】
以上、本発明の好適実施例の構成を説明した。しかし、斯かる実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【符号の説明】
【0062】
1 テンキー
2 上下左右カーソルキー
3 決定キー
11 右カーソルキー欄
12 下カーソルキー欄
21 順番欄
22 キー入力欄
23 表示欄
31 右カーソルキー欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テンキーと上下左右カーソルキーとを用いて所望する任意の文字を入力する文字入力方法であって、前記テンキーを、数字または記号を入力するためのキーとし、前記上下左右カーソルキーを、直前の前記テンキーの押下操作により入力された数字または記号を当該テンキーにあらかじめ割り付けられている文字に切り替えて表示する文字切替キーとして割り当てることを特徴とする文字入力方法。
【請求項2】
前記文字切替キーとして割り当てた前記上下左右カーソルキーのいずれかのキーを連続して押下操作した場合、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられている複数の文字の中から順番にまたは逆順に選択される文字に切り替えて表示することを特徴とする請求項1に記載の文字入力方法。
【請求項3】
前記文字切替キーとして割り当てた前記上下左右カーソルキーのうち、右カーソルキーまたは左カーソルキーを、あるいは、左カーソルキーまたは右カーソルキーを、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられているかな文字を割り付けた順番に切り替えるかな文字順次切替キーまたは逆順に切り替えるかな文字逆順切替キーとし、下カーソルキーまたは上カーソルキーを、あるいは、上カーソルキーまたは下カーソルキーを、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられている英字を割り付けた順番に切り替える英字順次切替キーまたは逆順に切り替える英字逆順切替キーとすることを特徴とする請求項2に記載の文字入力方法。
【請求項4】
前記文字切替キーとして割り当てた前記上下左右カーソルキーのうち、下カーソルキーまたは上カーソルキーを、あるいは、上カーソルキーまたは下カーソルキーを、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられているかな文字を割り付けた順番に切り替えるかな文字順次切替キーまたは逆順に切り替えるかな文字逆順切替キーとし、右カーソルキーまたは左カーソルキーを、あるいは、左カーソルキーまたは右カーソルキーを、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられている英字を割り付けた順番に切り替える英字順次切替キーまたは逆順に切り替える英字逆順切替キーとすることを特徴とする請求項2に記載の文字入力方法。
【請求項5】
前記文字切替キーとして割り当てた前記上下左右カーソルキーのうち、下カーソルキーまたは上カーソルキーを、あるいは、上カーソルキーまたは下カーソルキーを、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられているかな文字および英字を割り付けた順番に切り替えるかな文字英字順次切替キーまたは逆順に切り替えるかな文字英字逆順切替キーとすることを特徴とする請求項2に記載の文字入力方法。
【請求項6】
前記文字切替キーとして割り当てた前記上下左右カーソルキーのうち、右カーソルキーまたは左カーソルキーを、あるいは、左カーソルキーまたは右カーソルキーを、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられているかな文字および英字を割り付けた順番に切り替えるかな文字英字順次切替キーまたは逆順に切り替えるかな文字英字逆順切替キーとすることを特徴とする請求項2または6に記載の文字入力方法。
【請求項7】
テンキーと上下左右カーソルキーとを用いて所望する任意の文字を入力する文字入力装置であって、前記テンキーを、数字または記号を入力するためのキーとし、前記上下左右カーソルキーを、直前の前記テンキーの押下操作により入力された数字または記号を当該テンキーにあらかじめ割り付けられている文字に切り替えて表示する文字切替キーとして割り当てることを特徴とする文字入力装置。
【請求項8】
前記文字切替キーとして割り当てた前記上下左右カーソルキーのいずれかのキーを連続して押下操作した場合、押下回数に応じて、直前に押下操作された前記テンキーにあらかじめ割り付けられている複数の文字の中から順番にまたは逆順に選択される文字に切り替えて表示することを特徴とする請求項7に記載の文字入力装置。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれかに記載の文字入力方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする文字入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−239317(P2011−239317A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110831(P2010−110831)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】