説明

文字入力装置、文字入力方法、文字入力プログラム及び記録媒体

【課題】操作が簡単な文字入力技術を提供する。
【解決手段】入力検出部410、クロスバー表示制御部420、入力候補文字記録部430、入力文字決定部440、及びファンクション制御部450の機能が文字入力制御部400に形成される。ゾーン表示制御部420内には、縦クロスバー表示制御部421、横クロスバー表示制御部422、カーソル表示制御部423、文字入力ゾーン表示制御部424の機能が形成される。縦クロスバー表示制御部421、横クロスバー表示制御部422は、文字入力ゾーンの文字入力位置に入力領域531が重畳されるように縦クロスバー510、横クロスバー520を表示する。入力文字決定部440は、操作装置200からの所定の入力を受けて、入力領域531に表示されている入力候補文字を入力文字として決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置、文字入力方法、文字入力プログラム及び記録媒体に関し、主に、例えばゲーム用コントローラ等の簡素な入力装置によって文字入力を行うことを可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、文字入力を行うための入力装置としてキーボードが用いられている。アルファベットやひらがな、カタカナ、記号等の種類は数十種類以上にわたり、また、カタカナ、漢字等を含めるとその種類は非常に多くなることから、通常のキーボードには、文字や記号を入力するための多数のキーが配置されている。
このように多数のキーを配置する必要があることから、入力を行うために必要とされる領域を広くとることが必要となる。従って、キーボードにはある程度の大きさが必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、ゲーム機のコントローラや携帯電話等においては、これらのコントローラや携帯電話自体が通常のキーボードよりもずっと小さく、入力のための領域を広くとることはできない。
【0004】
このことから、従来、このようなコントローラや携帯電話等で文字入力を行うには、例えばアルファベットやひらがな等の入力候補文字をマトリクス状に並べた文字パレットを画面に表示し、コントローラや携帯電話に設けられた十字キー(あるいは入力用スティック等)と、この十字キーとは別に設けられた決定キーと、により文字入力を行う技術が知られている。
【0005】
しかし、この従来技術においては、たとえばひらがなの場合は、“あ〜ん”の51文字の文字パレットを、アルファベットであれば“a〜z”の28文字の文字パレットを画面に表示する必要があり、この中から入力対象となる文字を素早く選択状態として決定することは難しく、この入力方法に熟練しても、文字入力速度を高めることは困難である。
【0006】
一方、携帯電話等では、0〜9の数字キーと*キーや#キー等を含んだテンキーのそれぞれに、アルファベットや記号をそれぞれ3〜4種類程度割り当てて、一つのキーを押すたびに入力候補文字を切り替え、決定キーによって入力文字を決定することで文字入力を行う技術も知られている。
この技術においては、画面に多数の文字候補を表示する必要がなく、また、ある程度早く入力を行うことも可能であるという利点がある。しかし、ある程度熟練するまでは、文字入力に長時間を要してしまうという難点がある。
【0007】
以上のことから、本発明は、操作が簡単な文字入力技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、それぞれ所定のディスプレイ装置に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段と、を備え、前記ゾーン表示制御手段は、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせ、前記文字入力決定手段は、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定し、更に、前記ゾーン表示制御手段は、前記入力文字として決定される入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行う、文字入力装置を提供する。
【0009】
また、本発明によれば、それぞれ所定のディスプレイ装置の表示画面領域に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置の表示画面領域に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段と、をそれぞれ備えた文字入力装置で実行される文字入力方法であって、前記ゾーン表示制御手段が、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせるステップと、前記文字入力決定手段が、前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定するステップと、を有し、更に、前記ゾーン表示制御手段が、前記共有領域に表示された入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字うちの所定の一つが前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行う、文字入力方法も提供される。
【0010】
更に、本発明によれば、コンピュータを、それぞれ所定のディスプレイ装置の表示画面領域に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置の表示画面領域に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段として機能させるとともに、前記ゾーン表示制御手段は、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせるものであり、前記文字入力決定手段は、前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定するものであり、更に、前記ゾーン表示制御手段は、前記共有領域に表示された入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字うちの所定の一つが前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うものとされたコンピュータプログラムも提供される。
【0011】
更に、本発明によれば、コンピュータを、それぞれ所定のディスプレイ装置の表示画面領域に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置の表示画面領域に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段として機能させるとともに、前記ゾーン表示制御手段は、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせるものであり、前記文字入力決定手段は、前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定するものであり、更に、前記ゾーン表示制御手段は、前記共有領域に表示された入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字うちの所定の一つが前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うものとされたコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ可読記録媒体も提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る文字入力方法をビデオゲーム機で実施することで、このビデオゲーム機を文字入力装置として動作させた場合の実施の形態を説明する。なお、この実施形態ではビデオゲーム機を使用したが、本発明に係る文字入力方法を、パーソナルコンピュータや携帯電話、PDA等で実施することで、これらパーソナルコンピュータ等を文字入力装置として動作させることも可能であることは、当業者であれば容易に理解されよう。
このビデオゲーム機は、CD−ROMやDVD−ROM、ハードディスク等のディスクに記録されたプログラムによって、ディスプレイ装置にプレイヤキャラクタ及びその所持物、プレイヤキャラクタの周辺のオブジェクト等のゲームに関する画像を表現するための処理を実行し、また、名前入力や会話画面等の文字入力が要求される場面においては、文字入力を行うための画面を表示して、このビデオゲーム機を文字入力装置として動作させることを可能とする。なお、このCD−ROMやDVD−ROM、ハードディスク等にゲームに関するプログラムを記録せずに、単にこのビデオゲーム機を文字入力装置として動作させるためのプログラムのみを記録することで、このビデオゲーム機を文字入力装置として用いることも勿論可能である。
【0013】
図1はこの実施形態において、ディスクに記録された文字入力プログラムを実行することで文字入力装置として動作するビデオゲーム機の全体構成図である。ビデオゲーム機は、図示しないディスプレイ装置に接続されるゲーム機本体100と、このゲーム機本体100に接続コード202及びコネクタ203を介して接続された操作装置200とを備えている。なお、図示の例ではゲーム機本体100と操作装置200との間の入出力をケーブルを介して行っているが、これらを無線接続して入出力を行っても良い。
【0014】
操作装置200のゲーム機本体100への接続は、装置本体201から引き出された接続コード202を介して行われる。この接続コード202の先端にはコネクタ203が設けられ、このコネクタ203をゲーム機本体100の一側面に設けたジャックに挿入することで、操作装置200がゲーム機本体100に接続されるようになっている。なお、接続コード202を用いずに、操作装置200とゲーム機本体100との間の入出力を無線で行うようにしてもよい。この場合は、例えば、操作装置200とゲーム機本体100とに無線の送受信機をそれぞれ設けるようにする。
<ゲーム機本体>
【0015】
ゲーム機本体100は、図2に示すように、主制御部110、画像処理部120、音響制御部130、ディスク制御部140、通信制御部150、インタフェース部160及び上記各部110〜160を双方向通信可能に接続するためのメインバスBを具備している。主制御部110は、CPU、割込制御やDMA(ダイレクトメモリアクセス)転送制御等を行う周辺デバイスコントローラ、プログラム等を一時的に記録するためのRAM(メインメモリ)、装置各部の統括的な管理や制御を行う制御プログラム等が格納されたROM等を備えている。CPUは、CD−ROM、DVD−ROMあるいはハードディスク等に記録されている制御プログラムをメインメモリに展開して、後述する複数の機能を実現するものである。
【0016】
画像処理部120は、表示対象となる画像データの座標変換等を行うジオメトリ・トランスファ・エンジン、主制御部110からの描画指示に基づいてポリゴンやスプライト(三角形、四角形等の多角形)等の組み合わせから成るゲーム画像の描画処理を行うグラフィックス・プロセッシング・ユニット、描画処理されたゲーム画像を一時的に記録するフレームバッファ、必要に応じて画像データのデコード処理を行う画像デコーダ等を備えている。ディスプレイ装置DPは、フレームバッファに記録されている画像を読み出して表示する。このような描画処理及びフレームバッファへの記録を連続的に行うことにより、動画要素を含むゲーム画像、例えばキャラクタの動きや表情の変化等をディスプレイ装置DPに表示できるようになっている。
【0017】
音響制御部130は、主制御部110の制御によって楽曲再生を行うサウンド再生処理プロセッサ、楽曲データを一時的に記録するためのサウンドバッファ等を有している。スピーカSPには、このサウンドバッファに記録されている楽曲データが出力される。
【0018】
ディスク制御部140は、CD−ROM、DVD−ROMあるいはハードディスク等のディスクに記録されたプログラムやデータを主制御部110が認識できるように再生する(以下、再生されたデータを「再生データ」と称する)ためのディスクドライブ装置、再生データにエラー訂正(ECC)符号が付加されている場合に、それを復号するCD−ROMデコーダ、ディスクドライブ装置からの再生データをメインメモリに記録させる前に一時的に記録するバッファ等を備えている。
【0019】
通信制御部150は、メインバスBを介して主制御部110との間の通信制御を行う通信制御デバイスを具備している。この通信制御部150には、操作装置200と、不揮発性記録媒体の一例となる交換自在のメモリカードMCが離脱自在に装着されるようになっている。操作装置200で操作された内容は、同期式通信によって通信制御デバイスに送信される。通信制御デバイスは、操作装置200から送られた操作内容を主制御部110に送信する。これにより、操作者の意図が主制御部110に伝えられ、主制御部110は、実行しているプログラムに基づいて操作者の意図に応じた処理を行うことができるようになる。
【0020】
インタフェース部160は、外部電子機器が接続されるとともに、接続された外部電子機器から外部データを取り込むものである。入力装置として例えばキーボードをこのインタフェース部160を通じてゲーム機本体100に接続することができる。
<操作装置>
【0021】
図3は、操作装置200の正面図である。操作装置200の装置本体201には、その上面に第1の操作部210,第2の操作部220が設けてあり、その側面には、第3の操作部230,第4の操作部240が設けてある。
第1の操作部210は、押圧操作用の十字キー211を備え、この十字キー211によって操作子を形成している。この第1の操作部210は、上記のディスク等に記録されたプログラムによりその機能が設定できる。
第2の操作部220は、押圧操作用の円柱状をした4個の操作ボタン221〜224を備えている。各操作ボタン221〜224には、その頭部に識別マークとして△、○、×、□がそれぞれ付されており、各操作ボタン221〜224に割り当てられる機能を識別しやすくしてある。この第2の操作部220は、ディスクに記録されたプログラムによりその機能が設定できる。
【0022】
第3の操作部230は、上下に並ぶ押圧操作用の2個の操作ボタン231を備える。同様に、第4の操作部240も、上下に並ぶ押圧操作用の2個の操作ボタン241を備えている。第3,第4の操作部230,240も、ディスクに記録されたプログラムによりその機能が設定できる。
操作装置本体201には、さらに、ジョイスティック251が設けてあり、当該ジョイスティックの軸方向、つまり操作装置200の上面に対して垂直方向に押し込み操作により入力を行うことが可能である。ジョイスティック251のコントローラ側の端部には、図示しないスイッチが設けられ、上述の押し込み操作がなされた場合には信号P1が出力されるようになっている。同様にジョイスティック252のコントローラ側の端部には、図示しないスイッチが設けられ、上述の押し込み操作がなされた場合には信号P2が出力されるようになっている。このように、ジョイスティック251,252は、ともに、所定の距離以上コントローラの内部に向かって押し込まれたことの検出ができるようになっている。
<文字入力装置>
【0023】
ゲーム機本体100は、上記のように構成される操作装置200からの入力を通信制御部150を通じて受けとる。このゲーム機本体100は、ディスクをディスク制御部140に装着した状態で電源投入またはリセット処理が行われると、主制御部110のCPUがROMに記録されているOSを実行する。OSが実行されると、CPUは、動作確認等の装置全体の初期化を行うとともに、ディスク制御部140を制御して、ディスクに記録されているゲームプログラムや文字入力プログラムをメインメモリに展開して実行する。
【0024】
CPU、メモリ、及びメモリに展開されたプログラムによって図4に示されるような機能ブロックが形成され、文字入力制御部400が実現される。この文字入力制御部400は、操作装置200からの入力に応答して、図5等に示される、縦クロスバー510(第1入力候補文字列表示ゾーン)及び横クロスバー520(第2入力候補文字列表示ゾーン)の表示制御と、入力する文字の決定と、を行う。
この縦クロスバー510は、境界線L1により囲まれたゾーンにより形成されるとともにその内部に第1入力候補文字が一列に表示される。横クロスバー520は、境界線L2により囲まれたゾーンにより形成されるとともにその内部に第2入力候補文字が一列に表示される。
【0025】
図4に示されるように、この文字入力制御部400には、入力検出部410、ゾーン表示制御部420(ゾーン表示制御手段)、入力候補文字記録部430、入力文字決定部440(入力文字決定手段)、及びファンクション制御部450の機能が形成される。ゾーン表示制御部420内には、縦クロスバー表示制御部421、横クロスバー表示制御部422、カーソル表示制御部423、文字入力ゾーン表示制御部424の機能が形成される。
なお、文字入力ゾーンの表示は必ずしも文字入力プログラムにおいて実行する必要はなく、ゲームプログラム等において文字入力が必要とされる場合に文字入力プログラムを呼び出し、ゲームプログラムにおいて表示される文字入力ゾーンに対して文字入力を行うようにしてもよい。この場合、文字入力ゾーン表示制御部424の機能を形成する必要はない。この例は、<ゲームプログラムから文字入力プログラムの呼び出し>として後述する。
【0026】
入力検出部410は、操作装置200からの入力を検出し、ゾーン表示制御部420、入力文字決定部440、及びファンクション制御部450は、それぞれ入力検出部410で検出された入力に応じた動作を行って文字入力処理を実行する。
【0027】
このように形成された文字入力制御部400によってディスプレイ装置に表示される画面を図5に示す。
図5に示されるように、ディスプレイ装置の表示画面領域D内には、ゾーン表示制御部420内の縦クロスバー表示制御部421及び横クロスバー表示制御部422は、縦クロスバー510と横クロスバー520とが、両者が共有領域532を共有してクロスするように表示される。
【0028】
また、入力候補文字記録部430は、入力候補文字と、これらの入力候補文字が行列要素として行列配置されてなる行列を表す情報が記録された行列配置情報と、が記録される。このように入力候補文字を行列要素とする行列の一例を図6に示す。この例に示す行列では、ひらがな51音及び「BS」、「変換」、「モード」という入力候補文字が8行10列にマトリクス配置されている。なお、「や」、「ゆ」、「よ」が配置された列、及び「わ」、「を」、「ん」が配置された列に関してはひらがなが3音しかなく、他の列においてはひらがなが5音あることから、「や」と「ゆ」の間、「ゆ」と「よ」の間、「わ」と「を」の間、及び「を」と「ん」の間にそれぞれスペースを入れることで、この列における行列要素の数を他の列における行列要素の数と同数に揃えた。なお、スペースの代わりに他の文字や記号等を用いることも可能である。
【0029】
なお、この実施形態では、「BS」(バックスペース)、「変換」(日本語かな漢字変換)、「モード」(ひらがな、カタカナ、漢字、英数モード切替)等の、縦クロスバー及び横クロスバー内に表示されるファンクション実行コードも「文字」と同様に扱い、これらのコードも入力候補文字記録部430に記録される。また、ひらがな、カタカナ、アルファベット等の文字や算術記号、括弧、単位などの記号やその他の入力全般をまとめて文字入力と表記する。
【0030】
縦クロスバー表示制御部421は、入力候補文字記録部430から、入力候補文字及び行列配置情報を読み出して、図6に示される行列における一つの列を縦クロスバー510内に表示する。また、縦クロスバー制御部421は、操作装置200からの所定の入力を受けて、縦クロスバー510内部に表示された入力候補文字を、縦クロスバー510内で、図6の列方向又は行方向にスクロールさせる。例えば、十字キー211からの上方向入力、下方向入力を受けて、縦クロスバー510内に表示された入力候補文字をそれぞれ上方向、下方向(図6に示される行列における列方向)にスクロールさせる。
【0031】
横クロスバー表示制御部422は、入力候補文字記録部430から、入力候補文字及び行列配置情報を読み出して、図6に示される行列における一つの行を横クロスバー520内に表示する。また、横クロスバー制御部422は、操作装置200からの所定の入力を受けて、横クロスバー520内部に表示された入力候補文字を、横クロスバー520内で、図6の行方向又は列方向にスクロールさせる。例えば、十字キー211からの左方向入力、右方向入力を受けて、横クロスバー520内に表示された入力候補文字をそれぞれ左方向、右方向(図6に示される行列における行方向)にスクロールさせる。
【0032】
カーソル表示制御部423は、所定の文字に対してカーソルを表示することで、当該文字の強調表示を行う。
【0033】
文字入力ゾーン表示制御部424は、文字入力ゾーン540の表示制御を行う。図5の例では、文字入力ゾーン540は横クロスバー520と平行であり、かつ、文字入力ゾーンの文字入力位置に入力領域531が重畳されるように縦クロスバー510、横クロスバー520が表示されている。なお、図5の例では文字入力ゾーンには入力済みの文字列が一行のみ表示されているが、入力された文字列を文字入力ゾーン内で折り返して複数行を表示するようにしてもよい。
【0034】
入力文字決定部440は、操作装置200からの所定の入力、この例では操作装置200の操作ボタン221からの入力が入力検出部410で検出されたことを受けて、入力領域531に表示されている入力候補文字を入力文字として決定する。
ここで、入力領域531は、上述の共有領域532、共有領域532に表示された文字の上に隣接する入力候補文字(図5における「し」)が表示される領域、又は共有領域532に表示された文字の下に隣接する入力候補文字(図5における「せ」)が表示される領域、のうちから選択される一つの領域のことである。なお、この例では文字入力ゾーンが横書きであることから、共有領域532に表示された文字の上又は下の領域を入力領域531としたが、例えば文字入力ゾーンが縦書きである場合には、共有領域532に表示された文字の右又は左の領域を入力領域531とすることもできる。
【0035】
ファンクション制御部450は、図5の縦クロスバー510内においてそれぞれ符号511,512で示される「BS」、「変換」や、横クロスバー520内においてそれぞれ符号521,522,523で示される「BS」、「変換」、「モード」等のファンクションコードが入力領域531に表示された状態で上記所定の入力である操作ボタン221からの入力がなされると、表示されたファンクションコードに対応した処理、例えば「変換」が入力された場合にはひらがな入力モードとカタカナ入力モードあるいは英数入力モードとの切替が行われる。
【0036】
なお、横クロスバー520においては「モード」が表示されているのに対し、縦クロスバー510においては「モード」は表示されていないが、これは、単に図5の例では縦クロスバー510の表示領域内に「モード」が入っていないことによるものである。操作装置200からの入力により縦クロスバー510内の文字をスクロールさせることで、縦クロスバー510内にも「モード」を表示することが可能である。
<文字入力装置の動作>
【0037】
以下、ゲーム機本体100で文字入力プログラムを実行して、ゲーム機本体100を文字入力装置として動作させる例における文字入力装置の動作を説明する。なお、ゲーム機本体100でゲームプログラムを実行中に文字入力が必要となる場面においてこの文字入力プログラムを呼び出して文字入力を行うこともでき、これは後述する他の実施形態で説明する。
【0038】
図5を参照し、本実施形態に係る文字入力装置により表示される文字入力画面を通じての文字入力動作の詳細を説明する。図5において、縦クロスバー510は境界線L1により囲まれたゾーンであり、この実施形態では縦長の矩形として表示されている。横クロスバー520は境界線L2により囲まれたゾーンであり、この実施形態では横長の矩形として表示され、これら縦クロスバー510及び横クロスバー520が共有領域532においてクロスして表示される。この共有領域532には、縦クロスバー510及び横クロスバー520に表示される入力候補文字のうちの一文字が表示される。
【0039】
本実施形態では、入力文字決定部440が、共有領域532に表示される入力候補文字の下方に隣接する入力候補文字を入力文字として決定して文字入力ゾーン540に出力する。この入力文字として決定される入力候補文字が表示される領域は入力領域531として図5に示されている。ゾーン表示制御部420は、入力文字として決定される文字が文字入力ゾーン540における文字入力位置に重畳するように縦クロスバー510、横クロスバー520、文字入力ゾーン540を表示する。
【0040】
縦クロスバー制御部421は、入力候補文字記録部430から入力候補文字及び行列配置情報を読み出して、図6に示される行列における一つの列を縦クロスバー510内に表示する。図5においては、「さ、し、す、せ、そ」及びそれぞれ符号511,512で示される「BS」、「変換」が表示されている。
横クロスバー制御部422は、入力候補文字記録部430から入力候補文字及び行列配置情報を読み出して、図6に示される行列における一つの行を横クロスバー520内に表示する。図5においては、「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ」が表示され、かつ、縦クロスバー510と同様にそれぞれ符号521,522,523で示される「BS」、「変換」、「モード」が表示されている。
【0041】
共有領域532には、縦クロスバー510において表示される入力候補文字と、横クロスバー520における表示される入力候補文字のいずれかが表示されるが、この実施形態では、縦クロスバー510における入力候補文字(図5においては「す」)を表示するものとした。
図5において、操作装置200の操作ボタン221からの入力があると、入力文字決定部440は、入力領域531に表示された入力候補文字(図5の例では「せ」)を入力文字として決定し、文字入力ゾーンに出力する。
【0042】
所望の文字の入力を行う場合、操作装置200の十字キーを通じて上下左右の各方向の入力を行って上述のように縦クロスバー510及び横クロスバー520内の入力候補文字を適宜スクロールさせることで、所望の文字を入力領域531に表示させる。その後に、操作ボタン221の入力を行うことで、所望の文字が文字入力ゾーン540に出力される。
【0043】
以下、十字キー211からの入力により所望の文字を入力領域531に表示する過程を説明する。
十字キー211の上方向入力又は下方向入力側を受けた場合、ゾーン表示制御部420は、横クロスバー520内における表示は変化させず、縦クロスバー510内においては、境界線L1で囲まれたゾーン内で入力候補文字をそれぞれ図6に示される行列の列方向(図5の表示画面における上方向又は下方向)に一文字分スクロールさせるよう動作する(第1表示制御動作)。上述のように、以下の説明において、縦クロスバー510内及び横クロスバー520内における文字表示自体は、それぞれ縦クロスバー制御部421、横クロスバー制御部422により実行される。
【0044】
この動作に伴い、共有領域532に表示される文字も変化する。例えば、図5の状態で上方向入力があると、入力領域531には、それまで表示されていた“せ”に代えて、図6に示される行列において“せ”の下に表示されている“そ”が表示される。再度上方向入力がなされると、図6に示される行列において“そ”の下に表示されているファンクションコードである“BS”が表示される。
【0045】
図5の状態から、十字キー211からの上方向入力により縦クロスバー510の境界線L1で囲まれたゾーン内で入力候補文字が一文字分上(図6に示される行列における列方向上向き)にスクロールした状態を図7に示す。
図7に示されるように、横クロスバー520では、共有領域532を除いてはその内部に表示される文字列は図5の状態から変化していない。一方、縦クロスバー510では、その内部に示される文字列が、図5の状態から一文字分上にスクロールして表示されている。
【0046】
一方、図5の状態で、下方向入力があると、入力領域531には、それまで表示されていた“せ”に代えて、図6に示される行列において“せ”の上に表示されている“す”が表示される。
以上のように、十字キーの上方向又は下方向入力を行うことで、縦クロスバー内に表示された入力候補文字のうちから任意の入力候補文字を入力領域531に表示させることができる。従って、所望の入力候補文字が縦クロスバー510内の任意の位置に表示された状態で、上記のように十字キーの上方向又は下方向入力を行うことで、当該所望の文字の入力を行うことができる。例えば「せ」の入力を行う場合、図6において「さしすせそ」が含まれる列を縦クロスバー510内に表示させ、十字キーの上方向又は下方向入力を行って「せ」を入力領域531に表示させることで、「せ」の入力を行うことができる。
なお、上スクロール操作、下スクロール操作に操作装置200からのどの入力を割り当てるかは任意に定めることができる。例えば、上記例とは逆に、上方向へのスクロール操作に対して下方向入力を割り当て、下方向へのスクロール操作に上方向入力を割り当てても良く、更に、上方向へのスクロール操作、下方向へのスクロール操作に対してユーザが任意の入力を割り当て可能とすることも可能である。同様に、後述する入力候補文字を変化させるため等の操作に対しても、本実施形態に記載したような入力の割り当てに限らず、任意の割り当てを行うことが可能である。
同様に、以下に説明する左右方向に入力文字をスクロールさせる操作に対しても、操作装置200からのどの入力を割り当てるかを任意に定めることができる。例えば、以下の説明において左方向入力を右方向入力に、右方向入力を左方向入力にそれぞれ入れ替えることも可能である。
【0047】
十字キー211の左方向入力又は右方向入力側を受けた場合、ゾーン表示制御部420は、縦クロスバー510内に表示された入力候補文字及び横クロスバー520内に表示された入力候補文字を、図6に示される行列における列方向(図5における左方向又は右方向)に一文字分スクロールさせるよう動作する(第2表示制御動作)。これにより、縦クロスバー510内及び横クロスバー520内に表示された各入力候補文字は、十字キー211からの左方向入力を受けた場合はそれぞれ図6の行列において当該入力候補文字の右に隣接する入力候補文字へと表示が変更される。同様に、横クロスバー520内に表示された各入力候補文字は、十字キー211からの右方向入力を受けた場合はそれぞれ図6の行列において当該入力候補文字の左に隣接する入力候補文字へと表示が変更される。
【0048】
従って、十字キー211の上方向入力又は下方向入力を行った場合とは異なり、十字キー211の左方向入力又は右方向入力側を受けた場合は、縦クロスバー510と横クロスバー520との両者において、その内部に表示される文字列がともにスクロールされる。以下にその詳細を示す。
図5において十字キー211の左方向入力があると、縦クロスバー510内及び横クロスバー520内の入力候補文字は、それぞれ図5の画面上で左(図6の行列における列方向左)にスクロールされて一文字分左にずれて表示される。その結果、横クロスバー520内の「た」が共有領域に移動することになる。
これにより、図5において縦クロスバー510内には図6に示される行列において「さしすせそ」が含まれる列の入力候補文字が示されていたのに対し、左方向入力後は、上記のようにスクロールが行われることで、図6に示される行列において、「さしすせそ」が含まれる列の右隣の列である「たちつてと」が含まれる列の入力候補文字入力が表示されるようになる。
【0049】
また、共有領域532には縦クロスバー510において表示される入力候補文字を表示するので、横クロスバー520における「た」は表示されず、縦クロスバー510において共有領域532に位置する入力候補文字である「つ」が表示される。入力領域531には、図5の状態における「せ」に代えて、図8に示されるように「て」が表示される。
これとは逆に、十字キー211の右方向入力がなされると、縦クロスバー510内の入力候補文字は、上記のようにスクロールが行われることで、それまでの図6に示される行列における「さしすせそ」が含まれる列の入力候補文字が表示されていたのに対し、「かきくけこ」が含まれる列の入力候補文字が表示される。また、共有領域532には、“す”に代えて“く”が表示され、入力領域531には“せ”に代えて“て”が表示される。
以上のように、第2表示制御動作では、縦クロスバー510内及び横クロスバー520内に表示される入力候補文字が図6に示される行列の行方向の左又は右にスクロールして表示される。
【0050】
次に、このように所望の文字が入力領域531位置に表示された後に、操作ボタン221からの入力により当該所望の文字を入力する際における文字入力ゾーンと文字入力領域との位置関係を説明する。
【0051】
図5の状態において文字決定入力を受けて「せ」を入力文字として決定した場合、文字入力ゾーン540内において入力済みの文字として表示されている「わたしは、」という文字列に、決定された文字である「せ」を加える必要がある。
この場合、
(1)ディスプレイ装置DPの表示画面領域D上に対する入力領域531に表示された入力候補文字の相対位置を固定(つまり縦クロスバーと横クロスバーとをそれぞれ固定)して、文字入力ゾーン540を縦クロスバー510に対して少なくとも一文字分相対移動させる、
(2)ディスプレイ装置DPの表示画面領域D上において文字入力ゾーン540を固定し、入力領域531を文字入力ゾーン540に対して少なくとも一文字分相対移動させる(従って縦クロスバー510及び横クロスバー520をともに少なくとも一文字分相対移動させる)、
という二通りの動作が可能である。いずれの例においても、少なくとも一文字分相対移動を行うのは、入力された文字が重なってしまうことを防ぐためである。
【0052】
図9に、図5の状態から文字決定入力を受けて(1)の動作により「せ」を入力した状態を示す。図5において縦クロスバー510のディスプレイ上の位置を実線Y、文字列表示ゾーンの左端の位置を点線yで示している。図9に示されるように、入力後における縦クロスバー510及び入力領域531の画面上での表示位置は、図5と同様に実線Yの位置のままとなっている。一方、文字入力ゾーン540の左端の表示位置は、点線yから左側に一文字分ずれている。
図10に、図5の状態から文字決定入力を受けて(2)の動作により「せ」を入力した状態を示す。図10に示されるように、入力後における縦クロスバー510及び入力領域531の画面上での表示位置は、図5の実線Yの位置から右に一文字分ずれている。一方、文字入力ゾーン540の左端の表示位置は、点線yの位置のままとなっている。
【0053】
また、入力ゾーン、縦クロスバー510、横クロスバー520ともに、これらの移動を行った場合、画面からはみ出た分に関しては表示をしない。例えば(2)の例において、横クロスバー520は図5の状態から左側に移動していくが、図11に示されるように、横クロスバー520において画面外に出た入力候補文字「あ」、「か」については画面表示を行わない。
【0054】
次に、図5〜11の例ではひらがな入力を行う例を示したが、ローマ字習熟者用に、横クロスバー520における「あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ」の表示に変えて、「A、K、S、T、N、H、M、Y、R、W」と表示を行うようにしても良い。これにより、ローマ字入力習熟者は、ローマ字表記により、より直感的に入力候補文字の選択を行うことができる。この例を図12に示す。図12の例では、縦クロスバー510と横クロスバー520とに、ローマ字表記に加えてひらがな表記も併記している。
また、本実施形態では、各図に示されるように「BS」、「変換」、「モード」というファンクションコードを表示している。日本語入力を行う場合のひらがな、カタカナ、英数字等の入力モードの切替、CAPSロック、カーソル移動モードの切替等は、これらファンクションコードを選択することで行う。
【0055】
日本語入力を行う際の濁音入力に関しては、操作装置200において入力が割り当てられていない操作部、例えば操作装置200における操作部221のうち、下側の操作部(図3において×が表示された操作部)を濁音入力に割り当てることができ、この操作部を押圧することで、さ行、か行、た行、は行を濁音状態とするようにしてもよい。また、半濁音についても、同様に、例えば操作装置200における操作部221のうち上側の操作部(図3において四角が表示された操作部)を半濁音入力に割り当てることができる。この場合、文字入力処理に必要となる入力の種類が、この濁音専用、半濁音専用の入力により二種類増加することになる。
【0056】
一方、図13に示されるように、濁点550を“か行”、“さ行”、“た行”、“は行”にそれぞれ配置し、かつ、半濁点551を“は行”にそれぞれ配置しておき、濁音あるいは半濁音を入力するときは、それぞれ濁点、半濁点を入力領域531に合わせた状態で文字決定入力を行うようにすることで、濁音、半濁音の入力を行うことができる。
より詳細には、濁点550を入力領域に合わせた状態で文字決定入力を行うことで、縦クロスバー510に表示されていた「さ、し、す、せ、そ」という清音が、「ざ、じ、ず、ぜ、ぞ」という濁音となって表示される。この状態、「ざ、じ、ず、ぜ、ぞ」のうち入力したい文字を入力領域531に合わせて文字決定入力を行うことで、所望の濁音を入力することができる。
図13は、「ぜ」を入力する場合を示しており、さ行における濁点550を入力領域531に合わせて文字決定入力を行った後に、入力領域531に「ぜ」をあわせた状態を示している。この状態で文字決定入力を行うことにより、「ぜ」を入力することができる。また、上記のように濁点550が選択済みとなっていることから、図13に示されるように、濁点550と半濁点551のうち濁点550に関して強調表示がなされている。
濁音を入力した後に、再度濁点550を入力領域531に合わせて文字決定入力を行うことで、「ざ、じ、ず、ぜ、ぞ」という濁音が「さ、し、す、せ、そ」という清音に戻される。
また、所定の入力、この例では操作ボタン222からの入力があると、濁点550が選択された状態、いわゆるトグル状態となって、カーソル表示制御部423が濁音551を強調表示するようにし、このトグル状態では清音が濁音となるようにしてもよい。この場合、操作ボタン222からの入力を行うことでトグル状態を解除し、濁音を清音に戻すようにすることができる。
【0057】
他の形態として、図14に示されるように、濁音560、半濁音561を横クロスバー520に予め配置し、濁音あるいは半濁音を入力するときは、それぞれ濁音、半濁音を入力領域531に合わせた状態で文字決定入力を行うようにすることで、濁音、半濁音の入力を行うことができる。図14においては、横クロスバー520において濁音560を入力領域531に合わせて文字決定入力を行った後に、入力領域531に「ぜ」をあわせた状態を示している。また、上記のように濁音が選択済みとなっていることから、図14に示されるように、濁音560と半濁音561のうち濁音560に関して強調表示がなされている。
また、この形態では、あ行、な行、ま行、や行、ら行、わ行のように、濁音がつけられない行に関しては、これらの行の表示を薄くするとともに選択不能状態とし、文字選択動作においてはこれらの行がスキップされるようにして無駄な移動を省くようにした。
更に他の例として、図15に示されるように、濁音の行(が行、ざ行、だ行、ば行)や半濁音(ぱ行を予め横クロスバー520内に配置しておくこともできる。
【0058】
以上の形態では、共有領域532に、縦クロスバー510内の入力候補文字を例を示したが、共有領域532に、横クロスバー520内の入力候補文字を表示することもできる。この例を図16に示す。
図16に示されるように、共有領域532には、横クロスバー520内で表示される、図6に示す行列における「あかさたな〜」の行内における入力候補文字である「さ」が表示されている。
この例では、縦クロスバー510内の最上部には「さ」、その下の表示領域には「し」、その下の表示領域には「す」が示され、その下の表示領域は共有領域532であるので、上述のように、横クロスバー520内に表示される入力候補文字である「さ」が表示されている。
このように、縦クロスバー510内では、図6に示される行列において表示されている列(「さしすせそ〜」の列)における「さ」、「し」、「す」が表示され、その下の共有領域では、横クロスバー520内に表示されている行(「あかさたな」の行)における「さ」が表示されている。
【0059】
従って、図16に示される例では、共有領域532の下の領域、即ち入力領域531には、縦クロスバー510内に表示されている列において既に表示された文字(「さ」、「し」、「す」)の次の文字、この例では「せ」を表示している。
なお、他の形態として、縦クロスバー510内で共有領域531に対応する文字(この例では「せ」)は、横クロスバー520内に表示される文字(この例では「さ」)によってオーバーレイされているものとして、共有領域532の下の入力領域531には、オーバーレイされた文字である「せ」の次の文字、即ち「そ」を表示するように構成してもよい。
【0060】
また、学習機能等により、それまでの入力文字の履歴や辞書等から、ユーザが次に入力するであろう文字を推測し、縦クロスバー510内及び横クロスバー520内の入力候補文字の内、入力されると推測された入力候補文字を強調表示することもできる。
なお、この例では、ゾーン表示制御部420がメインメモリに入力文字の履歴を記録するための記録部を形成し、記録された入力文字の履歴から学習を行って次に入力される入力候補文字の推測を行うようにした。
図5の状態において、文字入力ゾーン540には「わたしは、せ」という文字列が入力済みであり、学習機能等により、次に入力される入力候補文字が「れ」であると推測される場合を例に説明する。この場合、ゾーン表示制御部420は、「れ」が縦クロスバー510と横クロスバー520の少なくとも一方に表示されているかを検出する。この例では、「れ」は縦クロスバー510、横クロスバー520のいずれにも表示されておらず、そのままでは、推測される入力候補文字を強調表示することはできない。
【0061】
本実施形態では、このような次に入力されると推測される入力候補文字が縦クロスバー510内及び横クロスバー520内に表示されていない場合には、図17に示されるように、ゾーン表示制御部420は、縦クロスバー510、横クロスバー520とは別に、図6に示される行列において、推測される入力候補文字が含まれる列が表示されるように、境界線L3により囲まれた縦長の矩形ゾーンにより形成される推測文字表示バー570を表示する。なお、この例では、推測文字表示バー570は、図6に示した行列における、推測された入力候補文字を含む行又は列のいずれかを表示するようにした。
なおかつ、次に入力されると推測される入力候補文字を、図17の符号571に示されるように強調表示する。この強調表示は、ゾーン表示制御部420内のカーソル表示制御部423によりなされる。
【0062】
また、次に入力されると推測される入力候補文字が縦クロスバー510内又は横クロスバー520内に表示されている場合には、単に当該入力候補文字を強調表示する。なお、この場合でも、上述のような推測文字表示バー570を、縦クロスバー510や横クロスバー520、文字入力ゾーン540と識別可能に表示するようにしても良い。このように推測される入力候補文字の強調表示は、入力領域531における強調表示と識別可能な形態で行うことが好ましい。
好ましくは、操作装置200のうち他の入力に使われていない操作部からの入力、例えば操作ボタン224からの入力を行うことで、次に入力すると推測される入力候補文字を入力領域531に合わせるようにする。これにより、推測された入力候補文字を容易に入力領域531に合わせて入力することができる。
更に好ましくは、上述の例のような推測された入力候補文字の強調表示と、次に入力すると推測される入力候補文字を操作ボタン224の入力により入力領域531に合わせることと、の双方を行うことで、推測された入力候補文字を確認したうえで、その推測された入力候補文字を容易に入力領域531に合わせて文字入力を行うことができる。
【0063】
次に、文字入力ゾーン540の位置の他の例を図18に示す。図18に示されるように、この例では、文字入力ゾーン540を横クロスバー520と重ねている。このように重ねる場合には、文字入力ゾーン内の文字と横クロスバー520内の文字との文字の表示方法を変えることで、両者を識別可能な状態で表示することが好ましい。例えば文字入力ゾーン540における入力済みの文字(入力領域531の左側の文字)のα値を下げて入力済み文字列が見えやすいようにする、どちらかの文字を三次元表示にする、表示色を変える等の方法により、これらの文字を互いに識別可能とする。
【0064】
この例においては、共有領域532と入力領域531とが一致するので、入力候補文字の選択を行う際に画面が簡素となり、視認性が良くなることで、入力候補文字の選択をより容易に行うことができる。
図18の例では、横クロスバー520と文字入力ゾーン540とが重なって表示されるが、横クロスバー520と文字入力ゾーン540のいずれか一方を縦クロスバー510に対して所定の傾斜角をなすように表示し、他方を図18と同様に直交させて表示することで、両者が重ならないように表示することもできる。
この場合、入力領域531と共有領域532とを一致させても、縦クロスバー510及び横クロスバー520内に表示される入力候補文字列及び文字入力ゾーンに入力される文字列がいずれも重畳しなくなる。
【0065】
例えば、横クロスバー520が縦クロスバー510に対して所定の傾斜角を成してクロスするように、横クロスバー520をV字型、U字型、逆U字型、/型、\型等に表示する例が挙げられる。この例では、縦クロスバー510、横クロスバー520及び文字入力ゾーン540が共有領域532で一文字を共有するにも拘わらず、これらのゾーン内に表示される文字列は互いに重ならなくなる。
この例として、図19に、横クロスバー520をV字型に表示することで縦クロスバー510に対して横クロスバー520内が所定の傾斜角をもってクロスさせた例を示す。
【0066】
図19の例において、縦クロスバー510に関しては、その表示態様は他の例と何ら変更されておらず、従って、縦クロスバー510内での入力候補文字のスクロールは、他の例と同様に行うことができる。
横クロスバー520は、他の例においては水平方向に直線表示されているのに対し、図19の例ではV字型に表示されている。しかし、横クロスバー520に関しても、実質的には他の例と同様にスクロールが行われる。具体的には、横クロスバー520内に表示された各入力候補文字は、十字キー211からの左方向入力を受けた場合はそれぞれ図6の行列において当該入力候補文字の右に隣接する入力候補文字へと表示が変更される。同様に、横クロスバー520内に表示された各入力候補文字は、十字キー211からの右方向入力を受けた場合はそれぞれ図6の行列において当該入力候補文字の左に隣接する入力候補文字へと表示が変更される。
【0067】
図20に、図19の状態において十字キー211から左方向入力を行った後の縦クロスバー510、横クロスバー520、及び文字入力ゾーン540の表示を示す。図20に示されるように、横クロスバー520と文字入力ゾーン540と例でも、他の例と同様に、入力候補文字が左方向にスクロールしていることが示される。
このように、図19及び図20に示される例では、ゾーン表示制御部420は、縦クロスバー510内に表示される入力候補文字列と、文字入力ゾーン540に入力された文字列と、がほぼ直交するように縦クロスバー510を表示している。なおかつ、ゾーン表示制御部420は、横クロスバー520内に表示される入力候補文字列が、縦クロスバー510内に表示される入力候補文字列と所定の傾斜角をなすように表示しており、これら縦クロスバー510及び横クロスバー520内に表示される各入力候補文字列及び文字入力ゾーン540に入力された文字列がいずれも重畳しないようにされている。
【0068】
次に、既に入力した文字の修正あるいは文字の追加を行う場合には、入力領域531を、文字入力ゾーン540内の既に入力した文字列内の位置に移動させる必要がある。図21、図22に示す例では、参照符号580で示されるカーソル移動用の「cur」を横クロスバー520内に配置し、所定の入力、この例では操作ボタン223からの入力があると、cur580がトグル状態となり、カーソル表示制御部423がcur580を強調表示する。
cur580がトグル状態となって強調表示されている間は、十字キー211からの上下左右の各方向入力に対して、縦クロスバー510及び横クロスバー520が上下左右に平行移動し、これにより、入力領域531を文字入力ゾーン540内の所望の位置に移動できるようにした(第3表示制御動作)。cur580がトグル状態の間は、十字キー211からの入力に対して、上述した第1表示制御動作及び第2制御動作は行わず、従って、縦クロスバー510内及び横クロスバー520内において、入力候補文字はスクロールされない。なお、再度操作ボタン223からの入力があると、トグル状態は解除され、cur580の強調表示も終了される。
【0069】
図21において、入力領域531は、図中において符号541で示される、文字入力ゾーン540において最後に入力された文字である「、」の右に隣接する位置にある。この状態から、図中において符号542で示される、入力済みである「た」と「し」との間の位置に文字を追加する場合、入力領域531を、この符号542で示される位置に移動させる必要がある。
この場合、cur580をトグル状態としたうえで、十字キー211からの左方向入力を行って、図中のcur580を画面上で3文字分左に移動させる。上述のように、cur580がトグル状態となって強調表示されているこの状態では、十字キー211からの上下左右の各方向入力に対して、縦クロスバー510及び横クロスバー520が上下左右に平行移動するので、入力領域も3文字分左に移動する。その結果、入力領域531を、符号542で示される、「た」と「し」の間に合わせることができる。この状態を図22に示す。
【0070】
図22において、再度操作ボタン223からの入力を行うことで、トグル状態が解除され、十字キー211からの上下左右の各方向の入力を行うことで、入力候補文字を縦クロスバー510内又は横クロスバー520内でスクロールすることができる状態に戻る。これにより、所望の入力候補文字を入力領域531内に表示させたうえで操作ボタン221の入力を行うことで、入力領域531に表示された所望の入力候補文字を、入力ゾーン540における「た」と「し」の間に入力することができる。これにより、文字入力ゾーン540における入力済みの文字に対して、文字の追加を行うことができる。
なお、上記の例では、操作ボタン(この例では操作ボタン223)からの入力を行うことで上記のような第3表示制御動作を行うようにしたが、他の実施形態として、操作ボタンからの入力を用いずに第3表示制御動作を行うこともできる。
この実施形態では、入力候補文字の選択時と同様に、図21におけるcur580を入力領域531に合わせた状態で文字決定入力を行うことで、第3表示制御動作が行われる。従って、この状態では、十字キー211からの上下左右の各方向入力に対して、縦クロスバー510及び横クロスバー520が上下左右に平行移動し、これにより、入力領域531を文字入力ゾーン540内の所望の位置に移動できるようになる。
このように第3表示制御動作が行われている間は、入力領域531にはcur580がそのまま合わされたままとなる。従って、入力領域531を文字入力ゾーン540内の所望の位置に合わせた状態でも入力領域531にはcur580が表示されたままとなっている。この状態で文字決定入力を行うことで、第3表示制御動作が解除されて通常の文字入力状態に戻るので、入力領域531を文字入力ゾーン540内の所望の位置に合わせた状態で、上下左右の各方向入力に応じて上述した第1表示制御動作、第2表示制御動作がそれぞれ行われ、文字入力を行うことができる。
【0071】
なお、他の形態として、このようなカーソル移動用のcur580を表示することに代えて、所定の入力、例えば操作装置200における操作ボタン231あるいは241を押している間は、上述の第3表示制御動作を行って入力領域531を文字入力ゾーン540内の所望の位置に移動させるようにしてもよい。
また、上記各実施形態においては、濁点550により清音の濁音化という機能を実行し、半濁点551により清音の半濁音化という機能を実行し、cur580により、表示制御動作の変更という機能を実行している。このように、本発明においては、入力候補文字種の変更や表制御動作の変更等の特殊な機能を実行するための記号(以下、機能記号と表記する)を入力候補文字とともに表示することで、これらの機能を実行することが可能となっている。
これら濁点等に限らず、「あ、い、う、え、お」を「ぁ、ぃ、ぅ、ぇ、ぉ」というように小さい文字にする、アルファベットにおいて大文字又は小文字を指定する、拗音や促音を入力する等の機能を実行することが要求される場合でも、濁音等の例と同様に、これら特定の機能を実行するための機能記号を入力候補文字とともに表示することで、種々の特殊な機能を実行することが可能である。
この場合、濁音等の例と同様に、
(1)機能記号を入力領域531にあわせて文字決定入力を行うことで機能を実行し、再度機能記号を入力領域531にあわせて文字決定入力を行うことで機能の実行を終了する、
(2)特定の入力、例えば特定の操作ボタンの入力により、機能記号がトグル状態になってその機能を実行され、再度特定の操作入力がなされると、機能の実行を終了する、
という二通りの動作が可能である。
これら濁音化や表示制御動作の変更等の機能の実行は、ゾーン表示制御部420で行うが、ファンクション制御部450で機能の実行を行うようにしてもよい。
【0072】
<ゲームプログラムから文字入力プログラムの呼び出し>
以上説明した例では、文字入力制御部400に入力検出部410に文字入力ゾーン表示制御部424の機能を形成し、文字入力プログラムにおいて文字入力ゾーンを表示する構成としている。
【0073】
しかし、前述したように、文字入力ゾーンの表示は必ずしも文字入力プログラムにおいて実行する必要はない。ゲームプログラム等において文字入力が必要とされる場合に、当該ゲームプログラム等において、文字が入力される領域やウィンドウを表示するとともに文字入力プログラムを呼び出し、文字入力プログラムでは、このような文字が入力される領域やウィンドウに対して、入力文字決定部440において入力文字として決定された文字を出力することもできる。
この場合、図4に示される文字入力制御部において、文字入力ゾーン表示制御部424の機能を形成する必要はない。
【0074】
以下、ゲームプログラムを例にとって、ゲームプログラムで文字が入力される領域やウィンドウ(以下、単に文字入力ゾーンと表記する)を表示し、文字入力プログラムを呼び出す例を説明する。
ゲーム機本体100のCPUは、ディスク制御部140を制御して、CD−ROMやハードディスク等のディスクに記録されているゲームプログラムをメインメモリに展開して実行し、図23に示されるような機能ブロックを形成してゲーム制御部600が実現される。
【0075】
図23に示されるように、このゲームプログラム600内には、ゲーム実行部601、文字入力プログラム呼び出し部602、ゲーム画面表示部603が形成される。
ゲーム実行部601は、ゲームプレイヤーからの操作装置200を通じた入力に応答してゲームを実行し、ゲーム画面表示部602は、ゲーム実行部601において実行されるゲームの画面表示を行う。ゲームの進行において文字入力が必要とされると、文字入力プログラム呼び出し部603が先に説明した文字入力プログラムを呼び出すとともに、ゲーム実行部601において文字入力ゾーン540を表示する。
この例における文字入力処理の動作を図24のフローチャートを参照して説明する。
【0076】
図24において、ゲーム実行部601は、ゲームを実行し(S101)、ゲームの進行において文字入力を行うか否かを判定する(S102)。文字入力を行わない場合(S101N)は、S101に戻る。文字入力を行う場合(S101Y)、ゲーム画面表示部602がゲーム画面のα値及び輝度を下げ(S103)、文字入力プログラム呼び出し部603が文字入力プログラムを呼び出す(S104)。
その後、呼び出された文字入力プログラムにより、縦クロスバー510及び横クロスバー520が、また、ゲーム実行部601により文字入力ゾーン540がゲーム画面にそれぞれオーバーレイ表示され(S105)、上述したように文字入力処理が実行される(S106)。これにより、文字入力プログラムは、決定した入力文字をゲーム実行部601に送出し、ゲーム実行部601が文字入力ゾーン540にこの送出された文字を表示する。
【0077】
ゲーム実行部601は、文字入力処理が終了したか否かを判定し(S107)、終了していない場合(S107N)にはS106に戻って文字入力処理を続行する。文字入力を終了した場合(S107Y)には、文字入力プログラムの呼び出しを終了し、縦クロスバー510、横クロスバー520、文字入力ゾーン540のオーバーレイ表示も解除し(S108)、ゲームに戻る(S109)。
【0078】
以上のように、本実施形態に示した文字入力装置及び文字入力方法においては、文字入力に必要とされる入力の種類が少ないので、文字入力操作の習得が容易である。また、例えばジョイスティック251における上、下、左及び右の入力を上記説明における上方向入力、下方向入力、左方向入力及び右方向入力にそれぞれ割り当て、かつ、ジョイスティック251の押し込みボタンを文字決定入力に割り当てることで、操作装置200におけるジョイスティック251の部分だけで、文字入力を行うことができる。
更に、ポイント文字選択カーソルと、文字入力位置がほぼ一致していることから、入力時の目線移動が少なく、目が疲れにい。また、文字選択とカーソル移動でいらいらすることも回避される。加えて、カーソルと選択ボタンだけで、直感的な文字列入力をおこなうことができるので、初心者でも容易に文字入力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】文字入力装置として動作するビデオゲーム機の全体構成の説明図。
【図2】ゲーム機本体の主要構成説明図。
【図3】操作装置の正面図。
【図4】文字入力制御部の機能構成説明図。
【図5】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図6】入力候補文字を行列要素とする行列の説明図。
【図7】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図8】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図9】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図10】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図11】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図12】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図13】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図14】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図15】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図16】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図17】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図18】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図19】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図20】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図21】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図22】縦クロスバー及び横クロスバーを用いた文字入力決定の説明図。
【図23】文字入力プログラムを呼び出すゲーム制御部600の機能構成図。
【図24】文字入力処理の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0080】
100 ゲーム機本体
110 主制御部
120 画像処理部
130 音響制御部
140 ディスク制御部
150 通信制御部
160 インタフェース部
200 操作装置
203 コネクタ
210 操作部
211 十字キー
240 操作部
241 操作ボタン
251 ジョイスティック
252 ジョイスティック
400 文字入力制御部
410 入力検出部
420 ゾーン表示制御部
421 縦クロスバー表示制御部
422 横クロスバー表示制御部
423 カーソル表示制御部
424 文字入力ゾーン表示制御部
430 入力候補文字記録部
440 入力文字決定部
450 ファンクション制御部
510 縦クロスバー
520 横クロスバー
531 入力領域
532 共有領域
540 文字入力ゾーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ所定のディスプレイ装置の表示画面領域に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、
入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置の表示画面領域に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段と、を備え、
前記ゾーン表示制御手段は、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせ、
前記文字入力決定手段は、前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定し、
更に、前記ゾーン表示制御手段は、前記共有領域に表示された入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字うちの所定の一つが前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行う、
文字入力装置。
【請求項2】
前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び前記第2入力候補文字列表示ゾーンに表示される入力候補文字と、これらの入力候補文字が行列要素として行列配置されてなる行列を表す行列配置情報と、が記録された入力候補文字記録部とを備え、
前記ゾーン表示制御手段は、前記入力候補文字記録部に記録された入力候補文字及び行列配置情報を読み出して、第1入力候補文字列表示ゾーン内に前記行列における一つの列を表示し、第2入力候補文字列表示ゾーン内に前記行列における一つの行を表示し、
更に、前記ゾーン表示制御手段は、前記入力手段からの入力に応答して、
(1)前記第1入力候補文字列表示ゾーン内に表示された入力候補文字列を前記行列における列方向にスクロールさせるとともに第2入力候補文字列表示ゾーン内の入力候補文字列はスクロールさせないように動作する第1表示制御動作と、
(2)前記第1入力候補文字列表示ゾーン内及び第2入力候補文字列表示ゾーン内に表示された入力候補文字列をいずれも前記行列における行方向にスクロールさせるように動作する第2表示制御動作と、
を実行可能である、
請求項1記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記ゾーン表示制御手段は、前記文字入力ゾーン内の入力済みの文字と、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内の入力候補文字と、がそれぞれ識別可能となるように各ゾーンの表示を行う、
請求項1又は2記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記文字入力決定手段は、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定し、
前記ゾーン表示制御手段は、前記第1入力候補文字列表示ゾーンに表示される入力候補文字列と、前記文字入力ゾーンに入力された文字列と、が略直交するように前記第1入力候補文字列表示ゾーンを表示し、かつ、
前記ゾーン表示制御手段は、前記第2入力候補文字列表示ゾーンに表示される入力候補文字列が、前記第1入力候補文字列表示ゾーンに表示される入力候補文字列と所定の傾斜角をなすように表示することで、これら各入力候補文字及び前記文字入力ゾーンに入力された文字列がいずれも重畳しないようにする、請求項3記載の文字入力装置。
【請求項5】
前記ゾーン表示制御手段は、前記入力文字決定手段で入力文字の決定動作が行われる前後で、前記ディスプレイ装置の前記表示画面領域に対する前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの相対位置を固定して表示する、
請求項1記載の文字入力装置。
【請求項6】
前記ゾーン表示制御手段は、前記入力文字決定手段で入力文字の決定動作が行われると、前記ディスプレイ装置の前記表示画面領域上で、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンを、前記文字入力ゾーンに対して少なくとも一文字分相対移動させて表示する、
請求項1記載の文字入力装置。
【請求項7】
前記ゾーン表示制御手段は、
特定の機能を実行するための機能記号を前記入力候補文字とともに表示し、
前記機能記号が前記入力文字として決定されると、前記特定の機能を実行し、前記機能記号が前記入力文字として再度決定されると前記特定の機能の実行を終了する、
請求項1記載の文字入力装置。
【請求項8】
前記ゾーン表示制御手段は、
特定の機能を実行するための機能記号を前記入力候補文字とともに表示し、
前記入力手段からの所定の入力に応答して前記特定の機能を実行し、前記入力手段から当該所定の入力が再度なされると、これに応答して、前記特定の機能の実行を終了する、
請求項1記載の文字入力装置。
【請求項9】
前記ゾーン表示制御手段は、
入力文字の履歴から学習を行うことで、次に入力される入力候補文字を推測し、
前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記推測された入力候補文字を、
1)前記共有領域に表示するか、又は、
2)前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示する、
請求項1記載の文字入力装置。
【請求項10】
前記ゾーン表示制御手段は、
入力文字の履歴から学習を行うことで、次に入力される入力候補文字を推測し、
前記推測された入力候補文字が前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとの少なくとも一方に表示されているか否かを検出し、いずれにも表示されていない場合には、前記入力候補文字記録部に記録された入力候補文字及び行列配置情報を読み出して、前記行列における前記推測された入力候補文字を含む行又は列を前記表示画面領域内に表示する、
請求項2記載の文字入力装置。
【請求項11】
前記ゾーン表示制御手段は、
入力文字の履歴から学習を行うことで、次に入力される入力候補文字を推測し、
前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記推測された入力候補文字を、
1)前記共有領域に表示するか、又は、
2)前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示する、
請求項1記載の文字入力装置。
【請求項12】
前記入力領域内に表示される入力候補文字を強調表示する強調表示手段を備えたことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の文字入力装置。
【請求項13】
それぞれ所定のディスプレイ装置の表示画面領域に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、
入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置の表示画面領域に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段と、をそれぞれ備えた文字入力装置で実行される文字入力方法であって、
前記ゾーン表示制御手段が、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせるステップと、
前記文字入力決定手段が、前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定するステップと、を有し、
更に、前記ゾーン表示制御手段が、前記共有領域に表示された入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字うちの所定の一つが前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行う、文字入力方法。
【請求項14】
コンピュータを、それぞれ所定のディスプレイ装置の表示画面領域に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置の表示画面領域に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段として機能させるとともに、
前記ゾーン表示制御手段は、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせるものであり、
前記文字入力決定手段は、前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定するものであり、
更に、前記ゾーン表示制御手段は、前記共有領域に表示された入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字うちの所定の一つが前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うものとされたコンピュータプログラム。
【請求項15】
コンピュータを、それぞれ所定のディスプレイ装置の表示画面領域に表示されるとともにその内部に入力候補文字が一列に表示される第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うゾーン表示制御手段と、入力手段からの入力に応答して前記入力候補文字のうちから入力文字の決定を行うとともに、前記決定された入力文字を、前記ディスプレイ装置の表示画面領域に表示される所定の文字入力ゾーンへと送出する入力文字決定手段として機能させるとともに、
前記ゾーン表示制御手段は、前記第1入力候補文字列表示ゾーンと前記第2入力候補文字列表示ゾーンとを、両者が前記入力候補文字の一文字が表示される共有領域を共有してクロスした状態で表示し、前記入力手段からの入力に応答して、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの少なくとも一方について、当該表示ゾーン内に表示された前記入力候補文字をスクロールさせるものであり、
前記文字入力決定手段は、前記入力手段からの所定の入力に応答して、前記共有領域に表示された入力候補文字を入力文字として決定するか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字のうちの所定の一つを入力文字として決定するものであり、
更に、前記ゾーン表示制御手段は、前記共有領域に表示された入力候補文字が前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるか、又は、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーン内で前記共有領域に表示された入力候補文字に隣接して表示される入力候補文字うちの所定の一つが前記文字入力ゾーンに重畳して表示されるように、前記第1入力候補文字列表示ゾーン及び第2入力候補文字列表示ゾーンの表示制御を行うものとされたコンピュータプログラムが記録されたコンピュータ可読記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−110313(P2009−110313A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282462(P2007−282462)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(395015319)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (871)
【Fターム(参考)】