説明

文字入力装置及び文字入力プログラム

【課題】インプットメソッドにおいてユーザの利便性を高める文字入力を行うこと。
【解決手段】文字入力装置1は、インプットメソッド101による文字変換のための辞書を格納する辞書格納部103と、関連元文字と当該関連元文字に関連する関連文字とを対応付けて格納する関連文字格納部105と、インプットメソッド101に入力された入力文字を取得する入力文字取得部102と、入力文字に基づいて辞書を用いた文字変換により辞書変換文字を取得する辞書変換文字取得部104と、関連文字格納部105から入力文字と一致する関連元文字に対応付いた関連文字を取得する関連文字取得部106と、辞書変換文字と関連文字取得部106により取得された関連文字とをインプットメソッド101の変換候補として表示する変換候補表示部107と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力装置及び文字入力プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、文字入力を行うためのコンピュータソフトウェアとしてインプットメソッド(IME(Input Method Editor)やFEP(Front End Processor)等とも呼ばれる)が知られている。インプットメソッドは、例えば、キーボードを備えるコンピュータにおいて、日本語や中国語等、使用文字数が多い言語の文字を入力する際に利用される。一般的に、インプットメソッドを利用して文字を入力する場合、その文字数以上の回数のキー操作を行う必要がある。
【0003】
一方、特許文献1では、少ない入力文字数で、それよりも多い漢字を変換候補の中から選択できるようにすることを目的とした漢字の変換方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−5808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された上記変換方法は、具体的には、入力した文字がn個であるときに、辞書データの中から、先頭の読みが当該n個の文字と同じ漢字群を検索し、変換候補としてリストアップする。しかしながら、上記変換方法では、先頭の読みが入力した文字と同じ漢字群が変換候補として追加されるだけであり、変換候補のバリエーションとしては少ない。従って、上記変換方法では、ユーザは少ないバリエーションの変換候補の中から入力文字を選択する必要があり、ユーザの利便性は低いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたもので、インプットメソッドにおいてユーザの利便性を高める文字入力を行うことができる文字入力装置及び文字入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の文字入力装置は、インプットメソッドによる文字変換のための辞書を格納する辞書格納手段と、関連元文字と、当該関連元文字に関連する関連文字とを対応付けて格納する関連文字格納手段と、インプットメソッドに入力された入力文字を取得する入力文字取得手段と、入力文字に基づいて辞書を用いた文字変換により辞書変換文字を取得する辞書変換文字取得手段と、関連文字格納手段から、入力文字と一致する関連元文字に対応付いた関連文字を取得する関連文字取得手段と、辞書変換文字と、関連文字取得手段により取得された関連文字とを、インプットメソッドの変換候補として表示する変換候補表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の文字入力プログラムは、インプットメソッドによる文字変換のための辞書を格納する辞書格納手段と、関連元文字と、当該関連元文字に関連する関連文字とを対応付けて格納する関連文字格納手段と、を備えるコンピュータに、インプットメソッドに入力された入力文字を取得する入力文字取得ステップと、入力文字に基づいて辞書を用いた文字変換により辞書変換文字を取得する辞書変換文字取得ステップと、関連文字格納手段から、入力文字と一致する関連元文字に対応付いた関連文字を取得する関連文字取得ステップと、辞書変換文字と、関連文字取得ステップにおいて取得された関連文字とを、インプットメソッドの変換候補として表示する変換候補表示ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0009】
このような本発明の文字入力装置及び文字入力プログラムによれば、辞書格納手段に、インプットメソッドによる文字変換のための辞書が格納され、関連文字格納手段に、関連元文字と、当該関連元文字に関連する関連文字とが対応付けて格納される。そして、インプットメソッドに入力された入力文字に基づいて、辞書格納手段に格納された辞書を用いた文字変換により辞書変換文字が取得されると共に、関連文字格納手段から、当該入力文字と一致する関連元文字に対応付いた関連文字が取得される。そして、取得された辞書変換文字と関連文字とがインプットメソッドの変換候補として表示される。このように、本発明においては、辞書変換文字以外に、関連文字がインプットメソッドの変換候補として表示される。それにより、変換候補のバリエーションが増え、ユーザは数多くの変換候補の中から入力文字を選択することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0010】
また、本発明においては、関連文字は、関連元文字に関連する広告を示す文字であってもよい。
【0011】
この発明によれば、インプットメソッドの変換候補として、入力文字に関連する広告を示す文字が表示されるため、ユーザは文字を入力している時点で興味のある広告内容を見ることができ、ユーザの利便性を高めることができる。また、例えば、検索サイトにおける検索用文字の入力時に、変換候補として表示された広告を示す文字の入力を確定し、検索を行うことができ、それにより、ユーザは興味のある広告内容に関する検索を行うことができるため、ユーザの利便性を高めることができる。また、広告主にとっても広告内容に興味のあるユーザに対して直接広告を提供することができるため、高い広告効果が期待できる。
【0012】
また、本発明においては、関連文字と、当該関連文字に関連する関連情報とを対応付けて格納する関連情報格納手段と、関連情報格納手段から、関連文字取得手段により取得された関連文字に対応付いた関連情報を取得する関連情報取得手段と、関連情報取得手段により取得された関連情報を表示する関連情報表示手段と、を更に備えてもよい。
【0013】
この発明によれば、関連文字に関連する関連情報が更に表示される。それにより、ユーザは文字入力時に、関連文字だけでなく、関連文字に関連する関連情報も見ることができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0014】
また、本発明においては、関連情報表示手段は、変換候補のうち変換候補表示手段により表示された関連文字が選択されている際に、関連情報を表示してもよい。
【0015】
この発明によれば、インプットメソッドの変換候補のうち変換候補表示手段により表示された関連文字が選択されている際に、当該関連文字の関連情報が表示され続ける。つまり、変換候補から関連文字が選択された時に当該関連文字の関連情報が表示され、当該関連文字が選択されている間は当該関連情報が表示され続ける。それにより、関連情報がユーザの視界により確実に入ることになり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0016】
また、本発明においては、関連文字と、当該関連文字に関連する関連情報と、当該関連情報に関連する関連情報文字とを対応付けて格納する関連情報格納手段と、関連情報格納手段から、関連文字取得手段により取得された関連文字に対応付いた関連情報及び関連情報文字を取得する関連情報取得手段と、インプットメソッドの文字変換の確定文字を出力する確定文字出力手段と、を更に備え、変換候補表示手段は、関連情報取得手段により取得された関連情報を変換候補として表示し、確定文字出力手段は、変換候補のうち変換候補表示手段により表示された関連情報が確定された際に、関連情報取得手段により当該関連情報と共に取得された関連情報文字を確定文字として出力してもよい。
【0017】
この発明によれば、関連文字に関連する関連情報がインプットメソッドの変換候補として表示され、変換候補のうち当該関連情報が確定された際に、当該関連情報に関連する関連情報文字が確定文字として出力される。このように、関連情報が変換候補として表示されることで、変換候補のバリエーションが増え、ユーザは数多くの変換候補の中から入力文字を選択することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。また、例えば関連情報が文字を含まない情報の場合でも、当該関連情報が確定された際に当該関連情報に関連する関連情報文字が確定文字として出力されるため、確実に文字入力を行うことができる。
【0018】
また、本発明においては、関連情報は、関連文字により示される広告を示す画像又は映像であってもよい。
【0019】
この発明によれば、関連情報として、関連文字により示される広告を示す画像又は映像が表示される。それにより、ユーザの視界に関連情報がより確実に入ることになり、ユーザの利便性を高めることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、インプットメソッドにおいてユーザの利便性を高める文字入力を行うことができる文字入力装置及び文字入力プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る文字入力装置1の構成概要図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る文字入力装置1のハードウェア構成図である。
【図3】辞書格納部に格納されたテーブルデータの一例を示す図である。
【図4】関連文字格納部に格納されたテーブルデータの一例を示す図である。
【図5】関連情報格納部に格納されたテーブルデータの一例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る文字入力装置1の実施例1を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る文字入力装置1の実施例2を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る文字入力装置1の実施例3を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る文字入力装置1の実施例4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明にかかる文字入力装置及び文字入力プログラムの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
(文字入力装置1の構成)
まず、本発明の一実施形態に係る文字入力装置1の構成について、文字入力装置1の構成概要図である図1を参照しながら説明する。文字入力装置1は、ソフトウェアの機能としてインプットメソッド101を備え、ユーザがインプットメソッド101を利用して、入力した文字の文字変換が可能な携帯電話端末である。インプットメソッド101は、文字入力装置1のOS(Operating System)に予め組み込まれているインプットメソッドや、ユーザが追加でインストールするインプットメソッドであってもよい。なお、文字入力装置1は、携帯電話端末に限定されず、インプットメソッド101を備えるPC(Personal Computer)等であってもよい。
【0024】
図2は文字入力装置1のハードウェア構成図である。図2に示すように、文字入力装置1は、物理的には、CPU201、ROM202及びRAM203等の主記憶装置、外部の他の装置との間でデータの送受信を行うための通信モジュール204、キーボードや画面やタッチパネル等の入出力デバイス205、補助記憶装置206等を含む通常の携帯電話端末として構成される。後述する文字入力装置1の各機能は、CPU201、ROM202、RAM203等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU201の制御の元で通信モジュール204、入出力デバイス205を動作させると共に、ROM202、RAM203や補助記憶装置206におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。
【0025】
図1に戻り、文字入力装置1は、機能的には、上述のインプットメソッド101、入力文字取得部102(特許請求の範囲における「入力文字取得手段」に相当)、辞書格納部103(特許請求の範囲における「辞書格納手段」に相当)、辞書変換文字取得部104(特許請求の範囲における「辞書変換文字取得手段」に相当)、関連文字格納部105(特許請求の範囲における「関連文字格納手段」に相当)、関連文字取得部106(特許請求の範囲における「関連文字取得手段」に相当)、変換候補表示部107(特許請求の範囲における「変換候補表示手段」に相当)、関連情報格納部108(特許請求の範囲における「関連情報格納手段」に相当)、関連情報取得部109(特許請求の範囲における「関連情報取得手段」に相当)、関連情報表示部110(特許請求の範囲における「関連情報表示手段」に相当)及び確定文字出力部111(特許請求の範囲における「確定文字出力手段」に相当)を備えて構成される。以下、文字入力装置1の各構成要素について詳細に説明する。
【0026】
入力文字取得部102は、インプットメソッド101に入力された入力文字を取得する。具体的には、ユーザがインプットメソッド101を利用して文字変換を行う際に入力した入力文字を取得する。例えば、ユーザがインプットメソッド101を利用して「ノートPC」という文字を入力しようとした際に、入力文字取得部102は、「の」や「のー」や「のーと」等、ユーザが文字を入力したタイミングで、それまでユーザにより入力され、文字変換が確定していない入力文字を取得する。なお、本実施形態で説明する各種「文字」は、1文字の文字、及び2文字以上の文字から成るいわゆる文字列を含む。例えば、上記の例で言うと、「の」、「のー」及び「のーと」はそれぞれ入力文字である。
【0027】
辞書格納部103は、インプットメソッド101による文字変換のための辞書を格納する。辞書格納部103は、具体的には、インプットメソッド101に予め組み込まれている辞書データベースである。図3は、辞書格納部103により格納されたテーブルデータ例を示す図である。図3に示すテーブルデータ例では、文字変換の変換前の文字「のー」に対して、変換後の文字(すなわち辞書変換文字)として「ノー」、「ノート」、「ノートPC」及び「ノースリーブ」の4つの文字が対応付けて格納されている。図3に示すテーブルデータ例のように、辞書格納部103は、変換前の文字を単純にそのまま文字変換した文字(具体的には「ノー」)だけでなく、変換前の文字を先頭に含む文字(具体的には「ノート」、「ノートPC」及び「ノースリーブ」)も変換後の文字として格納する。これにより、後述の辞書変換文字取得部104は、辞書格納部103に格納された辞書を用いて、いわゆる入力予測を行った辞書変換文字を取得することができる。
【0028】
辞書変換文字取得部104は、入力文字取得部102により取得された入力文字に基づいて、辞書格納部103により格納された辞書を用いた文字変換により辞書変換文字を取得する。例えば、入力文字取得部102により入力文字「のー」が取得されると、辞書変換文字取得部104は、図3に示すテーブルデータ例の辞書を用い、辞書変換文字として「ノー」、「ノート」、「ノートPC」及び「ノースリーブ」の何れか、あるいはそれらの組み合わせを取得する。
【0029】
関連文字格納部105は、関連元文字と、当該関連元文字に関連する関連文字とを対応付けて格納する。関連元文字は、任意の文字である。図4は、関連文字格納部105により格納されたテーブルデータ例を示す図である。図4に示すテーブルデータ例では、関連元文字「のー」に対して、「ABCNote」及び「いぇす」が対応付けて格納され、関連元文字「つう」に対して、「A社.com」が対応付けて格納されている。図4に示すテーブルデータ例の通り、関連文字は、関連元文字と異なる文字であったり、関連元文字の読みを先頭に含まない文字であったり、関連元文字の読みを含まない文字であったりする。
【0030】
なお、関連文字は、関連元文字に関連する広告を示す文字であってもよい。具体的には、図4に示すデータテーブル例の関連文字のうち、「ABCNote」及び「A社.com」が広告を示す文字である。例えば関連元文字「のー」は、ユーザが直後の文字入力で「ノートパソコン」を入力する可能性のある文字であり、「ノートパソコン」に関連する広告を示す文字が、ノートパソコンの製品名「ABCNote」である。同様に、例えば関連元文字「つう」は、ユーザが直後の文字入力で「通販」を入力する可能性のある文字であり、「通販」に関連する広告を示す文字が、通販事業を展開する会社名「A社.com」である。
【0031】
関連文字取得部106は、関連文字格納部105から、入力文字取得部102により取得された入力文字と一致する関連元文字に対応付いた関連文字を取得する。例えば、入力文字取得部102により入力文字「のー」が取得されると、関連文字取得部106は、図4に示すテーブルデータ例から、関連文字として「ABCNote」及び「いぇす」の何れか、またはそれらの組み合わせを取得する。
【0032】
変換候補表示部107は、辞書変換文字取得部104により取得された辞書変換文字と、関連文字取得手段により取得された関連文字とを、インプットメソッド101の変換候補として表示する。図6(b)に示す変換候補Iは、変換候補表示部107により表示された、辞書変換文字と関連文字とを含む変換候補の一例である。図6の説明については後述する。
【0033】
変換候補表示部107は、辞書変換文字取得部104により取得された辞書変換文字と、後述の関連情報取得部109により取得された関連情報とを変換候補として表示してもよい。図9(a)に示す変換候補Iは、変換候補表示部107により表示された、辞書変換文字と関連情報とを含む変換候補の一例である。図9の説明については後述する。
【0034】
関連情報格納部108は、関連文字と、当該関連文字に関連する関連情報とを対応付けて格納する。また、関連情報格納部108は、関連文字と、当該関連文字に関連する関連情報と、当該関連情報に関連する関連情報文字とを対応付けて格納してもよい。ここで、関連情報とは、関連文字に関連する文字であってもよいし、関連文字により示される広告を示す画像又は映像であってもよいし、当該画像又は当該映像のファイルを識別するファイル名であってもよい。また、関連情報文字は、例えば、関連情報を説明する文字等、関連情報に関連する内容に基づく文字である。
【0035】
図5は、関連情報格納部108により格納されたテーブルデータ例を示す図である。図5に示すテーブルデータ例では、関連文字「ABCNote」に対して、関連情報「abcnote_pic.jpg」と関連情報文字「ABCNote広告用写真」の組が対応付けられ、さらに、関連情報「abcnote_banner.png」と関連情報文字「ABCNoteバナー」の組が対応付けて格納されている。ここで、「abcnote_pic.jpg」や「abcnote_banner.png」は、関連文字「ABCNote」により示される広告を示す画像のファイル名であり、当該ファイル名により画像が一意に識別される。
【0036】
関連情報取得部109は、関連情報格納部108から、関連文字取得部106により取得された関連文字に対応付いた関連情報を取得する。また、関連情報取得部109は、関連情報格納部108から、関連文字取得部106により取得された関連文字に対応付いた関連情報及び関連情報文字を取得してもよい。例えば、関連文字取得部106により関連文字「ABCNote」が取得されると、関連情報取得部109は、図5に示すテーブルデータ例から、関連情報として「abcnote_pic.jpg」が示す画像及び関連情報文字として「ABCNote広告用写真」の組と、関連情報として「abcnote_banner.png」が示す画像及び関連情報文字として「ABCNoteバナー」の組との何れか、またはそれらの組み合わせを取得する。
【0037】
関連情報表示部110は、関連情報取得部109により取得された関連情報を表示する。例えば、関連情報表示部110は、文字入力装置1の画面の所定の領域に、関連情報を表示する。なお、関連情報表示部110は、変換候補のうち変換候補表示部107により表示された関連文字が選択されている際に、当該関連文字に関連する関連情報を表示してもよい。
【0038】
確定文字出力部111は、インプットメソッド101の文字変換の確定文字を出力する。ここで確定文字とは、インプットメソッド101の変換候補のうちユーザが特定の変換候補を、インプットメソッド101が最終的に出力する文字として確定した際の確定した文字である。インプットメソッド101の変換候補のうちユーザが特定の変換候補を確定した場合、確定文字出力部111は、通常は、確定した変換候補を確定文字として出力するが、確定した変換候補以外の特定の文字を出力してもよい。例えば、確定文字出力部111は、変換候補のうち変換候補表示部107により表示された関連情報が確定された際に、関連情報取得部109により当該関連情報と共に取得された関連情報文字を確定文字として出力してもよい。
【0039】
なお、辞書格納部103、関連文字格納部105及び関連情報格納部108は、それぞれ物理的に異なるRAM203や補助記憶装置206等に情報を格納してもよいし、物理的に同じRAM203や補助記憶装置206等に情報を格納してもよい。
【0040】
(文字入力プログラムの構成)
次に、本発明の一実施形態に係る文字入力プログラムの構成について説明する。文字入力プログラムは、インプットメソッド101と辞書格納部103と関連文字格納部105と関連情報格納部108とを備えるコンピュータに、インプットメソッド101に入力された入力文字を取得する入力文字取得ステップ(文字入力装置1における入力文字取得部102の処理と同様)と、入力文字取得ステップにおいて取得された入力文字に基づいて、辞書格納部103により格納された辞書を用いた文字変換により辞書変換文字を取得する辞書変換文字取得ステップ(文字入力装置1における辞書変換文字取得部104の処理と同様)と、関連文字格納部105から、入力文字取得ステップにおいて取得された入力文字と一致する関連元文字に対応付いた関連文字を取得する関連文字取得ステップ(文字入力装置1における関連文字取得部106の処理と同様)と、辞書変換文字取得ステップにおいて取得された辞書変換文字と、関連文字取得ステップにおいて取得された関連文字とを、インプットメソッド101の変換候補として表示する変換候補表示ステップ(文字入力装置1における変換候補表示部107の処理と同様)と、を実行させる。
【0041】
なお、文字入力プログラムは、文字入力装置1における関連情報取得部109、関連情報表示部110及び確定文字出力部111の処理と同様の処理を上述のコンピュータに実行させてもよい。
【0042】
(文字入力装置1の実施例1)
次に、文字入力装置1の実施例1について、図6を参照しながら説明する。なお、以降の実施例では、辞書格納部103により図3に示すデータテーブル例が格納され、関連文字格納部105により図4に示すデータテーブル例が格納され、関連情報格納部108により図5に示すデータテーブル例が格納されているものとする。
【0043】
図6(a)は、文字入力装置1においてWebブラウザを起動し、検索サイトを表示した際の画面を示す図である。図6(a)において、検索ワードを入力するためのテキストボックスTに、文字の挿入箇所を示すキャレットCが表示されており、画面下部には、文字入力のためインプットメソッド101によりソフトウェアキーボードSが表示されている。
【0044】
図6(b)は、図6(a)の状態において、ユーザがソフトウェアキーボードSを利用して文字「のー」を入力した際の画面を示す図である。図6(b)において、ソフトウェアキーボードSの上側に接する形式で変換候補Iが表示されている。図6(b)において、変換候補Iとして、辞書変換文字取得部104により取得された辞書変換文字である「ノート」、「ノートPC」及び「ノースリーブ」、また、関連文字取得部106により取得された関連文字である「ABCNote」が表示されている。
【0045】
図6(c)は、図6(b)の状態において、変換候補Iのうちユーザが「ABCNote」を確定文字として確定した際の画面を示す図である。図6(c)において、テキストボックスTに確定文字である「ABCNote」が挿入されており、変換候補Iは非表示となっている。
【0046】
(文字入力装置1の実施例2)
次に、文字入力装置1の実施例2について、図7を参照しながら説明する。図7は、図6(b)の状態において、変換候補Iのうちユーザが「ABCNote」を選択した際の画面を示す図である。なお、変換候補の選択とは、変換候補のうち一つの変換候補にフォーカスが当たっている状態であり、かつ、変換候補が確定文字として確定していない状態である。
【0047】
図7において、関連情報取得部109により取得された、関連文字「ABCNote」に対応付いた関連情報「abcnote_pic.jpg」が示すABCNoteの広告用写真が、関連情報表示部110によりソフトウェアキーボードS部分にシースルーで表示されている。なお、ABCNoteの広告用写真は、変換候補Iのうち「ABCNote」が選択されている間のみ表示される。
【0048】
(文字入力装置1の実施例3)
次に、文字入力装置1の実施例3について、図8を参照しながら説明する。図8は、図6(a)の状態において、テキストボックスTにユーザが文字「つう」を入力し、変換候補Iに表示された関連文字「A社.com」を選択した際の画面を示す図である。図8において、文字入力装置1の画面下部にバナーBが表示されている。バナーBの画像は、関連情報取得部109により取得された、関連文字「A社.com」に対応付いた関連情報「abcnote_banner.png」が示すA社のバナー画像である。バナー画像にA社サイトへのリンクを張っておき、バナー画像をタップした際に、リンク先であるA社サイトを表示するようにしてもよい。なお、A社のバナー画像は、変換候補Iのうち「A社.com」が選択されている間のみ表示される。
【0049】
(文字入力装置1の実施例4)
次に、文字入力装置1の実施例4について、図9を参照しながら説明する。図9は、図6(a)の状態において、テキストボックスTにユーザが文字「つう」を入力した際の画面を示す図である。図9において、変換候補Iに、関連情報取得部109により取得された関連情報「abcnote_banner.png」が示すA社のバナー画像が表示されている。
【0050】
図9(b)は、図9(a)の状態において、ユーザが変換候補IのうちA社のバナー画像を確定した際の画面を示す図である。図9(b)において、関連情報取得部109により関連情報「abcnote_banner.png」と共に取得された関連情報文字「A社」が、確定文字出力部111により確定文字として出力されている。
【0051】
図9(c)は、実施例4の変形例であり、図9(b)と同様に、図9(a)の状態において、ユーザが変換候補IのうちA社のバナー画像を確定した際の画面を示す図である。図9(c)において、確定文字出力部111によりA社のバナー画像自体がキャレット位置に挿入されている。本変形例は、HTML文書等のように文字と画像とを混在させた文書を作成することができる文書の入力時に適用することができる。
【0052】
(文字入力装置1の作用及び効果)
続いて、文字入力装置1の作用及び効果について説明する。なお、文字入力プログラムについても同様の効果が得られる。
【0053】
文字入力装置1によれば、辞書格納部103に、インプットメソッド101による文字変換のための辞書が格納され、関連文字格納部105に、関連元文字と、当該関連元文字に関連する関連文字とが対応付けて格納される。そして、インプットメソッド101に入力された入力文字に基づいて、辞書格納部103に格納された辞書を用いた文字変換により辞書変換文字が取得されると共に、関連文字格納部105から、当該入力文字と一致する関連元文字に対応付いた関連文字が取得される。そして、取得された辞書変換文字と関連文字とがインプットメソッドの変換候補として表示される。このように、本発明においては、辞書変換文字以外に、関連文字がインプットメソッド101の変換候補として表示される。それにより、変換候補のバリエーションが増え、ユーザは数多くの変換候補の中から入力文字を選択することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0054】
また、文字入力装置1によれば、関連文字は、関連元文字に関連する広告を示す文字であってもよい。その場合、インプットメソッド101の変換候補として、入力文字に関連する広告を示す文字が表示されるため、ユーザは文字を入力している時点で興味のある広告内容を見ることができ、ユーザの利便性を高めることができる。また、例えば、検索サイトにおける検索用文字の入力時に、変換候補として表示された広告を示す文字の入力を確定し、検索を行うことができ、それにより、ユーザは興味のある広告内容に関する検索を行うことができるため、ユーザの利便性を高めることができる。また、広告主にとっても広告内容に興味のあるユーザに対して直接広告を提供することができるため、高い広告効果が期待できる。
【0055】
また、文字入力装置1によれば、関連文字に関連する関連情報が更に表示される。それにより、ユーザは文字入力時に、関連文字だけでなく、関連文字に関連する関連情報も見ることができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0056】
また、文字入力装置1によれば、インプットメソッド101の変換候補のうち変換候補表示部107により表示された関連文字が選択されている際に、当該関連文字の関連情報が表示され続ける。つまり、変換候補から関連文字が選択された時に当該関連文字の関連情報が表示され、当該関連文字が選択されている間は当該関連情報が表示され続ける。それにより、関連情報がユーザの視界により確実に入ることになり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0057】
また、文字入力装置1によれば、関連文字に関連する関連情報がインプットメソッド101の変換候補として表示され、変換候補のうち当該関連情報が確定された際に、当該関連情報に関連する関連情報文字が確定文字として出力される。このように、関連情報が変換候補として表示されることで、変換候補のバリエーションが増え、ユーザは数多くの変換候補の中から入力文字を選択することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。また、例えば関連情報が文字を含まない情報の場合でも、当該関連情報が確定された際に当該関連情報に関連する関連情報文字が確定文字として出力されるため、確実に文字入力を行うことができる。
【0058】
また、文字入力装置1によれば、関連情報として、関連文字により示される広告を示す画像又は映像が表示される。それにより、ユーザの視界に関連情報がより確実に入ることになり、ユーザの利便性を高めることができる。
【0059】
また、文字入力装置1によれば、インプットメソッド101の変換候補として広告情報を表示することや、関連情報表示部110により広告情報を表示することができるため、通常の検索であろうと、会員制サイトであろうと、メールであろうと、文字入力をトリガーとしてユーザにアプローチをかけることができる。また、例えば、インプットメソッド101を検索サイト等で利用しようとするユーザは、元々が検索ワードの関連情報を調べようとしているため、高い広告効果が見込める。なお、文字入力装置1は、大量の通信を利用しているユーザや、安い定額プランを利用しているユーザほど多くの広告を表示してもよい。
【0060】
また、文字入力装置1によれば、文字入力装置1のベンダーやネットワーク回線提供者は、インプットメソッド101の変換候補として表示する広告情報や、関連情報表示部110により表示される広告情報を販売することができる。また、定額制の課金システムでも、ユーザからではなく別のスポンサーからお金を回収することで、ユーザに文字変換を行ってもらうほど従量的な収益となる。
【符号の説明】
【0061】
1…文字入力装置、2…文字入力プログラム、101…インプットメソッド、102…入力文字取得部、103…辞書格納部、104…辞書変換文字取得部、105…関連文字格納部、106…関連文字取得部、107…変換候補表示部、108…関連情報格納部、109…関連情報取得部、110…関連情報表示部、111…確定文字出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプットメソッドによる文字変換のための辞書を格納する辞書格納手段と、
関連元文字と、当該関連元文字に関連する関連文字とを対応付けて格納する関連文字格納手段と、
前記インプットメソッドに入力された入力文字を取得する入力文字取得手段と、
前記入力文字に基づいて前記辞書を用いた文字変換により辞書変換文字を取得する辞書変換文字取得手段と、
前記関連文字格納手段から、前記入力文字と一致する前記関連元文字に対応付いた前記関連文字を取得する関連文字取得手段と、
前記辞書変換文字と、前記関連文字取得手段により取得された前記関連文字とを、前記インプットメソッドの変換候補として表示する変換候補表示手段と、
を備える文字入力装置。
【請求項2】
前記関連文字は、前記関連元文字に関連する広告を示す文字であることを特徴とする請求項1に記載の文字入力装置。
【請求項3】
前記関連文字と、当該関連文字に関連する関連情報とを対応付けて格納する関連情報格納手段と、
前記関連情報格納手段から、前記関連文字取得手段により取得された前記関連文字に対応付いた前記関連情報を取得する関連情報取得手段と、
前記関連情報取得手段により取得された前記関連情報を表示する関連情報表示手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の文字入力装置。
【請求項4】
前記関連情報表示手段は、前記変換候補のうち前記変換候補表示手段により表示された前記関連文字が選択されている際に、前記関連情報を表示することを特徴とする請求項3に記載の文字入力装置。
【請求項5】
前記関連文字と、当該関連文字に関連する関連情報と、当該関連情報に関連する関連情報文字とを対応付けて格納する関連情報格納手段と、
前記関連情報格納手段から、前記関連文字取得手段により取得された前記関連文字に対応付いた前記関連情報及び前記関連情報文字を取得する関連情報取得手段と、
前記インプットメソッドの文字変換の確定文字を出力する確定文字出力手段と、
を更に備え、
前記変換候補表示手段は、前記関連情報取得手段により取得された前記関連情報を前記変換候補として表示し、
前記確定文字出力手段は、前記変換候補のうち前記変換候補表示手段により表示された前記関連情報が確定された際に、前記関連情報取得手段により当該関連情報と共に取得された前記関連情報文字を前記確定文字として出力する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の文字入力装置。
【請求項6】
前記関連情報は、前記関連文字により示される広告を示す画像又は映像であることを特徴とする請求項3〜5の何れか一項に記載の文字入力装置。
【請求項7】
インプットメソッドによる文字変換のための辞書を格納する辞書格納手段と、
関連元文字と、当該関連元文字に関連する関連文字とを対応付けて格納する関連文字格納手段と、
を備えるコンピュータに、
前記インプットメソッドに入力された入力文字を取得する入力文字取得ステップと、
前記入力文字に基づいて前記辞書を用いた文字変換により辞書変換文字を取得する辞書変換文字取得ステップと、
前記関連文字格納手段から、前記入力文字と一致する前記関連元文字に対応付いた前記関連文字を取得する関連文字取得ステップと、
前記辞書変換文字と、前記関連文字取得ステップにおいて取得された前記関連文字とを、前記インプットメソッドの変換候補として表示する変換候補表示ステップと、
を実行させるための文字入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−105440(P2013−105440A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250830(P2011−250830)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】