説明

文字表示装置

【課題】文字入力に係る操作に基づき文字を表示する文字表示装置において、簡単かつ容易な操作により文字を修正して表示することができる文字表示装置を提供する。
【解決手段】接触を検出する接触検出部20と、文字を表示する表示部30と、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過した場合、所定の文字群に属する文字を所定の順序で選定して、その選定した文字を表示するように表示部30を制御する制御部10と、を備える文字表示装置1において、制御部10は、接触の位置がその線に所定の方向で並行した場合、所定の文字群に属する文字を所定の順序とは逆の順序で選定して、この選定した文字を表示するように表示部30を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字表示装置に関するものである。特に、本発明は、文字入力に係る操作に基づき文字を表示する文字表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、日常生活において、操作者が様々な電気製品(家庭用電化製品など)の操作を行う際に、端末に対して文字入力に係る操作を行う場面がある。特に、操作者が携帯電話などの小型の端末を用いて文字入力に係る操作を行う際には、「マルチタップ」と呼ばれる操作の方式が多く採用されている。
【0003】
マルチタップとは、例えばテンキーの各数字キー等に、それぞれ平仮名の各行(例えば「あ行(=あ・い・う・え・お)」や「か行(=か・き・く・け・こ)」など)の複数の文字を割り当てて、それらのキーに対する操作者の押下を受け付ける方式である。この方式を採用する文字表示装置は、同一のキーに対する操作者の複数回連続した押下を受け付けることにより、その押下回数に応じて、各キーに割り当てられた複数の文字を、順次選定して表示する。
【0004】
すなわち、例えば、操作者が「あ行」のキーを1回押下すると「あ」が表示され、2回連続で押下すると「あ」が「い」に変化して表示され、3回連続だと「あ」→「い」→「う」のように変化して表示される。このように、操作者が同じキーを連続して押下すると、キーを押すごとに順番に次の文字が選定されて表示される。このマルチタップ入力方式は、「かなめくり」、「トグル打ち」などと称されることもあるが、本願では「マルチタップ」と記す。
【0005】
このマルチタップは、操作者に求められる操作が直感的で非常に分かりやすい方式であるため、現在ほとんどの携帯電話に採用されている。しかしながら、このマルチタップは、キーの押下回数の観点から見ると、文字入力に係る操作を行う際に操作者がキーを押下する回数が非常に多くなってしまうという欠点がある。
【0006】
ところで、近年、携帯電話などの携帯端末の入力部として、タッチパネルを備えたものが急増している。このタッチパネルは、多くの場合、操作者の指などによる接触を検出するタッチセンサを、液晶ディスプレイなどの表示部の前面に配置して構成する。そのため、このようなタッチパネルにおいては、表示部にキーボードやボタンなどを表示して、直接、当該表示の位置に対する操作者の指やスタイラスなどによる接触を受け付ける。
【0007】
タッチパネルを採用した入力装置は、操作者に求める操作を極めて直感的で分かりやすいものにすることができる。したがって、このような入力装置により、操作性を向上させることができる。また、タッチパネルを採用した端末は、操作者の操作を受け付けるに際し、キーボードやボタンなどを、画像により表示部に表示する。このため、機械式のキーとは異なり、操作者の操作を受け付ける態様に応じて自由自在にユーザインタフェースを構成することができる。このような事情のもと、タッチパネルを採用した端末機器は、近年、携帯電話機にとどまらず、デジタルカメラやデジタルオーディオ再生機、あるいは携帯ゲーム機など、広範な広がりをみせている。
【0008】
タッチパネルを備える携帯電話のような携帯端末においても、文字入力に係る操作を行う方式として、上述したマルチタップが採用されていることが多い。マルチタップ方式では、文字入力に係る操作の際に操作者がキーをタッチ操作しなければならない回数が非常に多くなることは上述したとおりである。特に、操作ミスにより意図しない文字が表示された場合、操作ミスした文字を削除して、改めて操作をやり直す必要があることから、一連の操作において操作者がキーをタッチしなければならない回数は一層多くなることが懸念される。これは、操作者にとって、相当な手間および負担になるものと考えられる。それだけでなく、操作者がタッチ操作を行うに際し手間および負担がかかるということは、そのような操作を行うために相応の時間も要することになる。
【0009】
そこで、タッチパネルを用いてマルチタップ方式に相当する操作を行う際に、タッチ操作の回数を低減させて、なおかつ操作ミスも低減させることが期待できる文字表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
上記特許文献1に記載の文字表示装置は、タッチパネルに対する操作者の操作を受け付ける際に、通常のタッチ操作を受け付けるだけでなく、タッチパネル上でドラッグ操作(なぞる操作)を行うようなスライド操作も受け付ける。この文字表示装置は、スライド操作を行う操作者の指などによる接触をタッチパネルが検出し、その接触位置の軌跡が成す折り返しの回数に応じて、マルチタップ方式に対応する処理を行うものである。
【0011】
図12は、特許文献1に記載の文字表示装置の動作を説明する概略図である。
【0012】
図12に示す文字表示装置100は、接触検出部200と、この接触検出部200が受け付けた操作の結果を表示する表示部300を備えている。接触検出部200はタッチパネルで構成され、この接触検出部200には、テンキーの各数字キーに平仮名の各行を対応させたキー群400が表示されている。この接触検出部200は、操作者の指の接触、すなわち操作者によるタッチ操作の有無および接触の位置を検出する。接触検出部200が操作者の指などによる接触を検出すると、文字表示装置100の制御部(図示せず)は、接触検出部200において接触が検出された位置の座標に基づき、当該座標に対応する1つの仮名文字の「行」(あ行、か行、さ行等)を決定する。
【0013】
また、文字表示装置100の制御部(図示せず)は、接触検出部200が検出した接触位置の座標をバッファに記録し、各座標を記録した順に繋ぎ合わせた軌跡に「折り返し」があるか否かを判定する。ここで「折り返し」とは、操作者が接触検出部200上を接触したままドラッグする操作を行っている最中に、そのドラッグ操作の進行方向の角度を変えることにより、接触検出部200により検出される接触位置の座標の軌跡が成す角度が、所定以上に変化する操作をいう。
【0014】
この文字表示装置100は、接触検出部200に対する最初のタッチ操作に基づいて、その位置のキーに対応する文字グループ(平仮名の「行」)を決定する。以後、文字表示装置100は、最初の接触が検出されたまま折り返しが判定されるたびに、当該文字グループに属する文字を順次変更して表示する。この文字グループには、各「行」の平仮名の文字が含まれている。
【0015】
例えば、図12に示すように、キー群400のうち「た」行のキーに対する接触が検出されると、「た」行の文字グループが決定される。この「た」行の文字グループには、「た・ち・つ・て・と」の仮名文字が含まれる。「た」行のキーに対する接触が最初に検出されると、文字表示装置100は、決定された文字グループ(「た」行)に含まれる最初の文字である「た」の文字を表示部300に表示する。以後、タッチ操作が「折り返し」と判定されるたびに、文字表示装置100は、この文字グループ内の文字を、「ち」→「つ」→「て」→「と」のように、順次、表示部300に表示する。
【0016】
図12は、「とうきょう」の文字が入力された後、キー群400の「た」行のキーに接触が検知され、そのまま接触検出部200上で4回の折り返しが行われた様子を示している。図12の接触検出部200上に示す折れ線は、操作者のタッチ操作の折り返しによる軌跡を認識できるように、実線にて示したものである。図12は、「とうきょう」の文字の後に、最初の接触による「た」の文字がまず表示部300に表示され、以後、タッチ操作が折り返しと判定されるたびに文字の表示が順次変化して、現在は「と」の文字が表示されている様子を示している。所望の文字が表示部300に表示されたら、操作者は接触検出部200に対する接触を解除する(つまり指を接触検出部200から離す)ことにより、表示されている文字を入力文字として確定する。
【0017】
このように、特許文献1に記載の文字表示装置によれば、各文字を入力する操作を行うに際し、どの文字も原則1回のタッチ操作をスライドさせることにより、文字入力に係る操作を行うことができる。したがって、この文字表示装置は、文字入力の操作を行う際に操作者がキーを押下しなければならない回数をかなり低減することができる。
【0018】
また、この文字表示装置によれば、最初のタッチ操作により文字グループが決定されたら、その後、操作者は、接触検出部200の任意の位置でスライド操作を行うことができる。そのため、操作者は、最初のタッチ操作さえミスせずに正確な位置を接触すれば、その後は接触検出部200を注視することなく操作を行うことができる。したがって、操作者は、文字グループ(すなわち「行」)を決定する最初のタッチ操作の時だけ入力部を注視すれば、それ以後は入力結果が表示される表示部のみを注視していても、操作ミスをしてしまう恐れはほとんどない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開2008−269456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記特許文献1に記載の文字表示装置は、上述した「折り返し」を、接触検出部200が検出する接触の位置の座標の軌跡が成す角度に基づいて判定する。この「折り返し」の判定においては、まず、時間的に連続する3点の接触座標が成す角度θ1を算出する。例えば、所定の時間間隔で入力部が検出する接触の座標を点a→点b→点cの順とした場合、点bを頂点として辺abおよび辺bcが成す角度がθ1である。
【0021】
さらに、特許文献1に記載の文字表示装置は、検出した軌跡の微妙なブレのような、ノイズとみなせる接触に対処するための措置も講じている。すなわち、折り返しの判定において、上述した3点のさらに前後の点の接触座標が成す角度θ2も算出する。例えば、上述した接触座標の検出が、その前後の点を含めると、点z→点a→点b→点c→点dの順であった場合、点bを頂点として辺zbおよび辺bdが成す角度がθ2である。
【0022】
このようにして算出したθ1およびθ2が共に所定の角度θ0(例えば90度)以下である場合は、「折り返し」であると判定する。この基準に従って折り返しが判定された場合、特許文献1に記載の文字表示装置は、マルチタップに対応する処理を行う。
【0023】
しかしながら、特許文献1に記載の文字表示装置は、角度を用いて折り返しの判定を行うため、所定の角度以下となるスライド操作が正確に行われなければ、接触の軌跡が折り返しと判定されない。例えば、操作者は鋭い角度を成す折り返しのスライド操作を行ったつもりでいても、実際に入力部に検出された軌跡が(細かく見ると)曲線であった場合などは、操作者の意図通りの入力はなされない。特に、操作者が素早いスライド操作を行う場合は、入力部に検出される軌跡は鋭い角度を成す折り返しになり易いが、逆に操作者が丁寧にゆっくりスライド操作を行う場合は、入力部に検出される軌跡は曲線になり易い。
【0024】
また、操作者がタッチ操作を行う際の動作は、非常に個人差が大きいものである。したがって、操作者が自然な動作で折り返しを行う角度にも、操作者ごとにかなり個人差があると考えられる。特許文献1に記載の文字表示装置においては、折り返しの判定が自分のスライド操作のやり方に合わないと操作者が感じる場合、その折り返しの度合いを操作者ごとに調整しなければならない。このような調整は、電気製品などの取り扱いに抵抗を感じる操作者にとっては、手間なものである。
【0025】
また、文字表示装置が小型の端末の場合、操作者は移動しながら、あるいは他の動作を行いながら端末を操作することが多い。このような場合、操作者は端末に対するスライド操作に意識を集中できないことも多いため、自らの意図通りの正確な操作を行うことができるとは限らない。特に、幼児やお年寄りが操作する文字表示装置の場合や、身体の不自由な人が操作することが想定される例えば医療分野で使用される文字表示装置の場合、操作者に正確なスライド操作を要求することは難しい。
【0026】
そこで、本願出願人は、操作者がタッチパネルに対して行うスライド操作に対する判定の精度を向上することができる文字入力装置を発明し、日本国特許庁に既に特許出願している(特願2009−128195号)。
【0027】
この先の出願に係る文字入力装置は、入力部(タッチセンサ)上に文字送り線を規定し、操作者のスライド入力がこの線を通過したと判定した場合に、上述したマルチタップの処理を行う。すなわち、この文字入力装置は、最初のタッチ操作に応じて例えば「あ」の文字を表示した後、操作者のスライド操作による接触が維持されたままの場合、その接触の位置が文字送り線を通過するのを検知するごとに、「あ」の文字を、「い」、「う」、「え」などの順番で変更して表示する。このように、この文字入力装置は、操作者がタッチセンサ上でスライド操作を行う際に、スライド操作を折り返す操作をいかなる角度で行ったとしても、接触の位置が文字送り線を通過しさえすれば、文字入力に係る操作として受け付ける。したがって、この文字入力装置は、操作者に厳格な操作を求めなくとも、確実に文字入力に係る操作を受け付けて、対応する処理を行うことができる。
【0028】
しかしながら、上記出願においては、この文字入力装置に対して操作者が文字入力に係る操作を行っている最中に、操作ミスをしてしまった場合の対処を特に開示していない。つまり、操作者がタッチセンサ上でスライド操作を行う際に当該スライド操作をし過ぎてしまったため、操作者が表示させたい文字よりも先の文字を表示させてしまった場合、どのように対処するかが問題となる。例えば、操作者が「あ行」の「う」の文字を表示させたい場合、キーに対してタッチ操作を行って「あ」の文字を表示させた後、スライド操作によって文字送り線を2回通過すべきところ、誤って3回通過してしまい、「い」→「う」→「え」と文字を変化させてしまうことが想定される。
【0029】
このような操作ミスをした場合、通常、操作者は、操作ミスに基づいて表示された文字を「クリア」キーなどの操作により消去してから、正しい文字を表示させるべく、文字入力に係る操作をやり直すのが一般的である。しかしながら、上記出願においては、もともとキーを何度も操作しなければならないという手間を低減させることを主な目的の1つとしているものである。そのため、このような操作ミスを修正するための操作も、できるだけ少ない手順で行うことができるのが望ましい。
【0030】
特に、携帯電話などの小型の携帯端末は、その性質上、操作者が持ち歩きながら、または他の動作をしながら操作されることが多いため、大型の入力端末などに比べて、操作ミスが発生する頻度も高くなることが想定される。そのため、このような文字入力装置において、上述したような操作ミスを簡単に修正する措置は、極めて有用であるといえる。
【0031】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、文字入力に係る操作に基づき文字を表示する文字表示装置において、簡単かつ容易な操作により文字を修正して表示することができる文字表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成する第1の観点に係る文字表示装置の発明は、
接触を検出する接触検出部と、
文字を表示する表示部と、
前記接触検出部が検出する接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を所定の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御する制御部と、
を備える文字表示装置において、
前記制御部は、前記接触の位置が前記線に所定の方向で並行した場合、前記所定の文字群に属する文字を前記所定の順序とは逆の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御することを特徴とするものである。
【0033】
第2の観点に係る発明は、第1の観点に係る文字表示装置において、
前記制御部は、前記接触の位置が所定の距離進行した軌跡と、前記線とが所定値以下の角度を成す場合、前記接触の位置が前記線に所定の方向で並行したと判定するものである。
【0034】
また、上記目的を達成する第3の観点に係る文字表示装置の発明は、
接触を検出する接触検出部と、
文字を表示する表示部と、
前記接触検出部が検出する接触の位置が所定の文字群に対応する第1群の線を通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を所定の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御する制御部と、
を備える文字表示装置において、
前記制御部は、前記接触の位置が前記第1群の線に平行でない第2群の線を通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を前記所定の順序とは逆の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御することを特徴とするものである。
【0035】
第4の観点に係る発明は、第3の観点に係る文字表示装置において、
前記制御部は、前記接触の位置が前記第1群の線に平行でない第2群の線を所定の方向で通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を前記所定の順序とは逆の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御するものである。
【発明の効果】
【0036】
本発明の文字表示装置によれば、表示される文字を順次変更することができるのみならず、操作ミスをしてしまった際にも、表示された文字を簡単な方法で修正することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施の形態に係る文字表示装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】第1実施の形態による所定の文字群に対応する線を表示した例を示す図である。
【図3】第1実施の形態による所定の文字群の例を説明する図である。
【図4】第1実施の形態による所定の文字群の他の例を説明する図である。
【図5】第1実施の形態による文字表示動作に係る処理を説明するフローチャートである。
【図6】第1実施の形態による所定の方向での並行についての判定の例を説明する図である。
【図7】第1実施の形態による文字表示装置の動作の例を説明する図である。
【図8】第1実施の形態による文字表示装置の動作の他の例を説明する図である。
【図9】第2実施の形態による所定の文字群に対応する第1群の線および第2群の線を表示した例を示す図である。
【図10】第2実施の形態による文字表示動作に係る処理を説明するフローチャートである。
【図11】第2実施の形態による文字表示装置の動作の例を説明する図である。
【図12】従来の文字表示装置による動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照して説明する。以下の各実施の形態においては、本発明の文字表示装置の一例として、例えば携帯電話やPDAなどのタッチパネルを有する携帯端末を想定して説明する。しかしながら、本発明の文字表示装置は携帯端末に限定されるものではなく、銀行のATMや駅の乗車券販売機など、タッチパネルを有する任意の端末にも適用できる。
【0039】
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る文字表示装置の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0040】
図1に示すように、第1実施の形態に係る文字表示装置1は、制御部10と、接触検出部20と、表示部30と、記憶部40と、を備えている。制御部10は、文字表示装置1の全体の動作を制御する。また、この制御部10は、文字選定部12を含んでいる。
【0041】
接触検出部20は、本実施の形態では、タッチパネルまたはタッチセンサなど、操作者の指またはスタイラス等の接触を検出することが可能なセンサにより構成される。この接触検出部20は、抵抗膜方式、静電容量方式など、公知の任意の方式のものを利用することができる。操作者は、指またはスタイラスなどのペン型入力デバイスなどを用いて、この接触検出部20に接触することにより、文字入力に係る操作を行う。接触検出部20は、例えば静電容量方式の場合、操作者の指などによるタッチ操作が行われると、タッチ操作により接触された位置の電荷の変化を検出して、この検出結果を制御部10に出力する。この出力に基づいて、制御部10は、接触検出部20上における接触の位置を特定することができる。
【0042】
表示部30は、本実施の形態では、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイなどで構成する。この表示部30は、制御部10の文字選定部12により選定された文字を表示する。また、後述するように、表示部30はさらに、操作者がタッチ操作を行う際に、キーやボタンなどのオブジェクトも描画して表示する。
【0043】
本実施の形態では、接触検出部20を透過型の部材で構成し、表示部30の前面に重ねて配置することにより、接触検出部20および表示部30でタッチパネルを構成している。したがって、本実施の形態のタッチパネルにおいては、表示部30がキーやボタンなどのオブジェクトを描画して表示することにより、当該オブジェクトの位置に対応する接触検出部20の位置が操作者によりタッチ操作されると、制御部10は、タッチ操作されたオブジェクトに予め対応付けられている処理を行う。
【0044】
記憶部40は、各種アプリケーションおよび入力された各種情報などを記憶するとともに、ワークメモリなどとしても機能する。特に、本実施の形態においては、記憶部40は、文字表示装置1において表示部30に表示する各種文字のフォントなどを予め記憶しておく。
【0045】
次に、本実施の形態に係る文字表示装置において、操作者によるタッチ操作が行われる際に用いる、所定の文字群に対応する線について説明する。
【0046】
本実施の形態においては、タッチパネルの表示部30に、従来の文字入力に用いたテンキーの数字キーに代えて、またはそれら数字キーとともに、所定の文字群に対応する「線」を表示する。ここで、「所定の文字群」とは、従来のマルチタップ方式で各キーに割り当てられている文字群と同じものとすることができる。すなわち、本実施の形態では、表示部30に表示された上記線のそれぞれは、例えば平仮名の各行の文字群に対応するようにできる。
【0047】
図2は、タッチパネルの表示部30に、平仮名の各行の文字群に対応する線を表示した例をいくつか示した図である。図2(A)〜(D)は全て、「あ行」、「か行」、「さ行」など、それぞれ平仮名の「行」を構成する文字群に対応する線を表示している。なお、図2(A)〜(D)は、それぞれ所定の文字群に対応する線のデザインが異なるのみであり、操作者がこれらを用いて行う操作、および当該操作に基づく文字表示装置1の処理などは、どの例においても同じである。これらは、あくまでも「所定の文字群に対応する線」のいくつかの例を示したに過ぎず、他にも種々のデザインの線を想定することができる。本実施の形態において、この線は、操作者が接触検出部20上で接触の位置を移動させるタッチ操作(以下、「スライド操作」とも称する)を行う際に、当該線を通過したことの基準とするためのものである。したがって、このような基準となり得るものであれば、任意の形態の線を用いることができる。このように、上述したような線を表示部30に表示して、その前面に配置された接触検出部20は、操作者によるタッチ操作の移動、すなわちスライド操作による接触を検出する。
【0048】
本実施の形態による文字表示装置1は、接触検出部20が検出する操作者のタッチ操作による接触の位置が、表示部30に表示された上述した線に対応する位置を通過した場合、従来のマルチタップ方式においてキーに対する操作が行われた際と同様の動作を行う。すなわち、文字表示装置1は、接触検出部20が検出する接触の位置が、所定の文字群に対応する線を通過したと判定した場合、通過した回数に応じて、その線に対応する文字群に属する文字を、順番に変化させて表示する。
【0049】
ここで、接触の位置が「所定の文字群に対応する線を通過する」とは、接触の位置が移動することにより画成される軌跡が、当該線を通過することを意味する。つまり、接触の位置が、この線上で検出された後に当該線以外の位置に移動したことが検出された場合や、逆に、接触の位置が、この線以外の位置で検出された後に当該線上で検出された場合を意味する。また、所定の時間間隔を置いて連続して検出された2点の接触の位置の間に当該線が存在した場合を、接触の位置が「所定の文字群に対応する線を通過する」場合とすることもできる。すなわち、操作者が行う動作の観点からみると、このような動作は、操作者の指またはスタイラスのようなペン型入力デバイスなどが、当該線を通過する動作を行うことを意味する。
【0050】
なお、本実施の形態においては、上述したような線を表示部30に表示する例について説明したが、これらの線は接触検出部20に対応して規定されているものであれば、必ずしも表示部30に表示する必要はない。例えば、表示部30は、上述のようにして選定された「文字」のみを表示して、所定の文字群に対応する「線」は表示しないようにもできる。この場合、所定の文字群に対応する線は、例えば接触検出部20の上に塗料などを用いて印刷処理などの加工を施すことが考えられる。このようにすれば、接触検出部20は、必ずしも表示部30に重ねて配置してタッチパネルを構成する必要はなく、接触検出部20と表示部30とを別々の箇所に配置することもできる。また、図2(A)〜(D)において、本発明による文字入力に熟練した操作者であれば、上述した線がどの位置に表示されているのかは、表示部30を見なくとも分かると考えられる。このため、文字表示装置1は、表示部30に上述した線が表示されていない状態であったとしても、当該線が表示されているものとして、接触検出部20の検出に基づいて処理を行ってもよい。
【0051】
図3は、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過した場合に選定される、所定の文字群に属する文字を説明する図である。
【0052】
本実施の形態において、文字を順次「選定する」とは、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過したと判定された回数に応じて、従来のマルチタップ方式と同じ思想に基づいて、順次、変化させて表示するための仮名文字などを選定することを意味する。図3に示す平仮名の各「行」(「あ行」、「か行」、「さ行」など)は、それぞれ図2に示した「所定の文字群に対応する線」のそれぞれに対応する。本実施の形態では、これら各「行」に属する文字を「所定の文字群」と記す。例えば「た行」の文字群には「た・ち・つ・て・と」の各仮名文字が属する。本実施の形態においては、これらの文字つまり所定の文字群を、接触の位置が当該線を通過したと判定された回数に応じて上から下に順次変化させることを、「所定の順序で選定する」と記す。なお、本実施の形態において、記憶部40は、これらの文字のフォントおよび選定される所定の順序などを記憶する。
【0053】
例えば、本実施の形態では、文字表示装置1は、接触検出部20が検出する接触の位置が「た行」の文字群に対応する線を第1回目に通過したと判定したら、「た行」の文字群に属する文字のうち、選定順序が最初(1番目)の「た」の文字を選定して表示する。また、文字表示装置1は、接触の位置が線を第1回目に通過した後、当該接触が維持されたまま第2回目に通過したと判定されると、「た行」の文字群に属する文字を所定の順序で選定して表示する。すなわち、この場合、文字表示装置1は、表示されている文字を、「た行」の文字群に属する文字のうち、選定順序が2番目の「ち」の文字の表示に変化させる。なお、各「行」の文字群に属する文字の選定順序が最後の順序に達した場合、所定の順序に従う場合の次の選定順序は、最初に戻るものとすることができる。例えば、文字表示装置1は、「か」行最後の「こ」の文字が表示部30に表示された段階で、接触の位置が「か行」の文字群に対応する線を通過したと判定した場合、「か行」の文字群に属する文字のうち、選定順序が最初(1番目)の「か」の文字を表示する。このように、本実施の形態では、文字表示装置1は、接触検出部20が検出する接触の位置が上述した線を通過する回数に応じて、所定の文字群に属する文字を所定の順序で選定して表示する。
【0054】
図4は、図3にて説明した所定の文字群に属する文字の他の例を説明する図である。本実施の形態による文字表示装置1は、従来のマルチタップ方式による操作と同様に、英文字および数字などの文字を「所定の文字群」として、上述した線に割り当てることもできる。このような文字を所定の文字群として上述した線に対応させる場合、例えば図2に示したような所定の文字群に対応する線には、仮名文字ではなく英字が対応していることを示す表示を行うのが好適である。例えば、図2(A)〜(D)において、「あ」、「か」、「さ」などの文字は、それぞれ「1」、「A」、「D」などの文字に変更して表示するのが好適である。
【0055】
次に、本実施の形態による文字の選定および表示を行うための処理の流れについて説明する。
【0056】
図5は、第1実施の形態による文字表示動作に係る処理を説明するフローチャートである。図5に示すフローチャートにおいて、第1実施の形態による文字表示動作に係る処理は、操作者が自らの指先またはスタイラスなどでタッチ操作を開始したことにより、接触検出部20が接触を検出した時点から開始する。
【0057】
本実施の形態による文字表示処理が開始すると、まず、制御部10は、接触検出部20が検出する接触の位置が、所定の文字群に対応する線を通過したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11にて、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過したと判定された場合、制御部10は、接触の位置が通過したと判定された線に対応する文字が、既に選定済みか否かを判定する(ステップS12)。ここで、接触の位置が通過したと判定された線に対応する文字が選定済みでない場合とは、接触検出部20に接触が検出されてから、当該接触の位置が最初に前記線を通過したと判定される場合である。なお、接触検出部20に接触が検出されてから所定の文字群に対応する線を最初に通過する場合、それ以前には、当該接触の位置は前記線を通過していないため、当該接触が検出されてから表示部30に表示された文字はまだ存在しない。
【0058】
ステップS12において、接触の位置が通過したと判定された線に対応する文字が選定済みでない場合、制御部10の文字選定部12は、当該線に対応する文字群に属する文字のうち、最初の文字を選定する(ステップS13)。すなわち、接触の位置が、例えば「な行」の文字群に対応する線を通過した判定されたのであれば、「な」行最初の「な」の文字を選定する。ステップS13において文字が選定されたら、制御部10は、当該選定された文字を表示部30に表示する(ステップS14)。
【0059】
ステップS14において文字を表示したら、制御部10は、接触選出部20がまだ接触を検出しているか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15において接触選出部20がもはや接触を検出していない場合、制御部10は、操作者のタッチ操作が解除されたと判断して、文字表示動作に係る処理をひとまず終了する。しかしながら、ステップS15において接触選出部20がまだ接触を検出している場合、制御部10は、操作者のタッチ操作がまだ継続していると判断して、ステップS11に戻って処理を続行する。
【0060】
一方、ステップS12において、接触の位置が通過したと判定された線に対応する文字が既に選定済みである場合、文字選定部12は、ステップS16に移行して処理を行う。ここで、接触の位置が通過したと判定された線に対応する文字が既に選定済みである場合とは、すなわち、接触検出部20に接触が検出されてから、当該接触の位置が前記線を通過したと判定されたのが最初でない(2回目以降の)場合である。この場合、既に選定されて表示部30に表示されている文字が存在する。
【0061】
ステップS16においては、文字選定部12は、既に選定されて表示部30に表示されている文字が属する文字群のうち、当該既に選定されて表示されている文字の次の順序の文字を選定する。例えば、既に選定されて表示されている文字が「な」の文字の場合、次の文字である「に」を選定する(図3参照)。ステップS16において文字が選定されたら、制御部10は、当該選定された文字を、表示部30に表示してから(ステップS14)、ステップS15に移行して、上述した処理を続行する。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、操作者は、図2に示したような所定の文字群に対応する線を通過するスライド操作を行うことにより、従来のマルチタップ方式に対応する文字の選定および表示を、極めて簡単かつ確実に行うことができる。
【0063】
一方、ステップS11において、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過したと判定されない場合、制御部10は、所定の文字群に対応する線のうち任意のものに当該接触の位置が所定の方向で並行したか否かを判定する(ステップS17)。
【0064】
ここで、「接触の位置」が前記「線に所定の方向で並行した」とは、接触検出部20が検出する接触の位置が、所定の文字群に対応する線のうち任意のものに対して、おおよそ平行に近い軌跡を形成することを意味する。例えば、図6に示すように、接触の位置が移動することにより画成される軌跡が、所定の文字群に対応する線のうち任意の線に対して、所定値θ以下の角度を成す場合に、「接触の位置」が前記「線に所定の方向で並行した」場合と判定することができる。なお、図6は、簡略化のために、図2(A)に示した所定の文字群に対応する線のうち「あ行」のものだけを示している。
【0065】
この場合、接触の位置がある程度並行した場合のみを、「並行した」と判定するために、制御部10は、接触の位置が所定の距離a以上進行した軌跡と、前記線とが所定値θ以下の角度を成す場合に、接触の位置が前記線に所定の方向で並行したと判定する。このような判定により、操作者のタッチ操作がブレて接触の位置が縦方向に少しだけ移動したことを接触検出部20が検出したような場合に、制御部10がステップS17における「並行」と誤判定してしまうことを回避できる。なお、上述した軌跡が曲線であった場合は、例えば軌跡の始点と当該始点から所定の距離a進行した点とを結ぶ直線が、前記所定の文字群に対応する線と所定値θ以下の角度を成す場合に、接触の位置が前記線に所定の方向で並行したと判定する。
【0066】
ステップS17において、接触の位置が所定の文字群に対応する線のうち任意のものに所定の方向で並行した場合、文字選定部12は、既に選定して表示部30に表示されている文字が属する文字群のうち、当該既に選定されて表示されている文字の前の順序の文字を選定する(ステップS18)。例えば、既に選定されて表示されている文字が「す」の文字の場合、順序が「す」の前の文字である「し」を選定する(図3参照)。すなわち、制御部10(文字選定部12)は、接触の位置が上述した線に所定の方向で並行した場合、所定の文字群に属する文字を所定の順序とは逆の順序で選定して、その選定した文字を表示するように表示部30を制御する。ステップS18において文字が選定されたら、制御部10は、当該選定された文字を、表示部30に表示してから(ステップS14)、ステップS15に移行して、上述した処理を続行する。
【0067】
なお、ステップS17において、表示部30に文字を表示していない場合は、順序が前の文字を選定すべき文字も存在しないため、制御部10は、ステップS18では特定の処理を行わず、その後のステップS14においても文字を表示しない。
【0068】
このように、本実施の形態によれば、操作者が、所定の文字群に対応する線を通過するスライド操作を行うことにより、文字表示装置1は、従来のマルチタップ方式に対応する文字の選定および表示を行うことができる。また、操作者は、誤操作により誤った文字が表示された場合でも、その修正を極めて簡単かつ容易に行うことができる。すなわち、操作者は、上述した線を通過するスライド操作を行うことにより通常の文字を表示させることができ、また誤操作により誤った文字を表示してしまった場合には、前記線のいずれかに並行するスライド操作を行うことにより、表示した文字を修正することができる。
【0069】
図7〜8は、本実施の形態による文字表示装置1の動作を説明する図である。
【0070】
図7〜8は、簡略化のために、図2(A)に示した所定の文字群に対応する線のうち「あ行」のものだけを示している。このように、所定の文字群に対応する線をタッチパネルの表示部30に表示して、この表示に対して行われる操作者のタッチ操作およびスライド操作による接触を、タッチパネルの接触検出部20が検出する。
【0071】
なお、図7において、各矢印は、操作者のスライド操作が画成する軌跡を示している。また、図7に示す白丸の印(○)は、操作者のスライド操作による接触の位置が「あ」行の文字群に対応する線を通過したと判定されたことに応じて、文字が選定されるとともに表示されたことを表す。このように、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過したと判定された際には、操作者に認識可能なように、表示部30上に目印となる表示を行うこともできる。また、このような表示の代わりに、あるいはこのような表示と共に、制御部10は、音を発したり、あるいは振動を発生させたりして、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過したと判定されたことを操作者に報知することもできる。図7に示すカッコ内の仮名文字は、線を通過したとの判定に応じて、表示部30において入力文字が表示される箇所に表示すべき仮名文字を説明するために示すものである。
【0072】
図7(A)において、操作者のタッチ操作による接触が最初に接触検出部20に検出された状態(矢印の始点に接触した状態)では、文字は何も表示されない(まだ所定の文字群「あ行」に対応する線の通過が判定されていないため)。このように、接触検出部20が接触を検出したままの状態で、操作者が、図7(A)に示す矢印に沿って接触の位置をスライドさせる操作を行ったとする。当該接触の位置が「あ行」に対応する線を通過したと判定されたら、文字表示装置1は、この時点で初めて表示部30に「あ」の文字を表示する。このように「あ」の文字が表示された状態で、操作者のタッチ操作による接触が接触検出部20に検出されなくなったら(すなわち図7(A)に示す矢印の終点の位置で操作者がタッチ操作をやめたら)、「あ」の文字を確定する。
【0073】
一方、図7(A)に示す状態で接触が維持されたまま、図7(B)に示すように、スライド操作による接触の位置が画成する軌跡の方向が反転して、再び「あ行」に対応する線を通過したとする。このようにして、当該接触の位置が再び線を通過したと判定されると、文字表示装置1は、図7(B)に示すように、その時点で表示部30に表示されている文字を「あ」から「い」に変化させる。このように「い」の文字が表示された状態で、操作者のタッチ操作による接触が接触検出部20に検出されなくなったら(すなわち図7(B)に示す矢印の終点の位置で操作者がタッチ操作をやめたら)、「い」の文字を確定する。
【0074】
一方、図7(B)に示す状態で接触が維持されたまま、図7(C)に示すように、スライド操作による接触の位置が画成する軌跡の方向がさらに反転して、「あ行」に対応する線を再び通過したとする。このように、当該接触の位置がさらに線を通過したと判定されると、文字表示装置1は、図7(C)に示すように、その時点で表示部30に表示されている文字を「い」から「う」に変化させる。このように「う」の文字が表示された状態で、操作者のタッチ操作による接触が接触検出部20に検出されなくなったら(すなわち図7(C)に示す矢印の終点の位置で操作者がタッチ操作をやめたら)、「う」の文字を確定する。
【0075】
この後は、接触が維持されたまま、当該接触の位置が画成する軌跡が「あ行」に対応する線を通過したと判定されるたびに、「あ行」に対応する文字群に属する文字を、順次変更して表示する。なお、前述したように、文字群に属する最後の順序の文字が表示された後で、さらに当該接触の位置が画成する軌跡が「あ行」に対応する線を通過したと判定された場合、文字群に属する最初の順序の文字に戻って、順次変更する表示を繰り返す。
【0076】
このように、本実施の形態では、制御部10は、接触検出部20が検出する接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過する回数に応じて、その所定の文字群に属する文字を所定の順序で選定して、その選定した文字を表示部30に表示する。したがって、文字入力に係る操作を操作者が行う際に、マルチタップ方式に対応する動作が行われる基準となるのは、接触の位置が所定の線を通過するか否かであって、接触の位置の途中の軌跡は問題にならない。そのため、例えば図7(D)に示すように、操作者が非常に緩い角度でスライド操作の方向を変化させる接触を行ったり、図7(E)に示すように円を描くようにして接触の位置をスライドさせる操作を行っても、正確にマルチタップ方式に対応する動作が行われる。また、例えば図7(F)に示すように、接触の位置が図7(B)とは逆方向に線を通過したとしても、同じ結果が出力される。
【0077】
このように文字入力に係る操作を行っている最中に、例えば操作者がスライド操作を誤って、接触の位置が所定の文字群に対応する線を、予定よりも多い回数、通過させてしまう場合も想定される。接触の位置を所定の文字群に対応する線に通過させる回数が足りない場合には、操作者は、さらに接触の位置を当該線に通過させる操作を行えばよい。しかしながら、接触の位置が所定の文字群に対応する線に通過する回数を多くしてしまった場合には問題となる。このような場合でも、本実施の形態による文字表示装置1であれば、その修正を極めて簡単かつ容易に行うことができる。
【0078】
図8は、文字表示装置1による文字の修正に係る操作および対応する動作を説明する図である。なお、図7と同様に図8においても、カッコ内の仮名文字は、表示部30において入力文字が表示される箇所に表示すべき仮名文字を説明するために示すものである。
【0079】
図8(A)〜(C)においては、操作者は接触の位置が「あ」行の文字群に対応する線を1回通過するスライド操作を行おうとしていたにもかかわらず、誤って2回通過するスライド操作を行ってしまった場合に行うべき修正を説明している。この場合、操作者は、接触の位置が「あ」行の文字群に対応する線を1回通過するスライド操作を行い、「い」の文字を表示させるべきところ、誤って2回通過するスライド操作を行ってしまったため、「う」の文字が表示部30に表示される。
【0080】
このような場合、操作者は、所定の文字群に対応する線に所定の方向で接触の位置を並行させるスライド操作を行うようにする。このような操作に応じて、接触検出部20が検出する接触の位置が前記線に所定の方向で並行したと判定した場合、文字表示装置1は、前記所定の文字群に属する文字を通常の順序とは逆の順序で選定して、表示部30に表示する。この場合、もともと表示部30には「う」の文字が表示されていたため、「う」の文字が属する文字群「あ」行の文字を、通常の順序とは逆に「う」から「い」の順序で選定して、もともと表示されていた文字「う」に代えて表示部30に表示する。
【0081】
図8(A)は、表示部30に「う」の文字が表示されている状態で、操作者が下から上の方向に、「あ」行の文字群に対応する線に接触の位置を並行させるスライド操作を行ったことにより、「う」の文字が「い」の文字に修正された様子を表している。上述したように、接触の位置が前記線に所定の方向で「並行」するとは、接触の位置が移動することにより画成される軌跡が、所定の文字群に対応する線のうち任意の線に対して、所定値θ以下の角度を成すことを条件とすることができる。したがって、その接触の位置の移動は、必ずしも図8(A)に示すような厳密な「並行」でなくとも、例えば図8(B)のように曲線状であっても、または図8(C)のように上から下への方向の移動であっても、上記条件を満たす「並行」と判定して文字の修正を行うことができる。
【0082】
図8(D)においては、操作者は接触の位置が「あ」行の文字群に対応する線を3回通過するスライド操作を行おうとしていたにもかかわらず、誤って5回通過するスライド操作を行ってしまった場合に行うべき修正を説明している。この場合、操作者は、接触の位置が「あ」行の文字群に対応する線を3回通過するスライド操作を行い、「う」の文字を表示させるべきところ、誤って5回通過するスライド操作を行ってしまったため、「お」の文字が表示部30に表示される。
【0083】
このような場合、操作者は、所定の文字群に対応する線に所定の方向で接触の位置を並行させるスライド操作を2回行うようにする。このような操作に応じて、接触検出部20が検出する接触の位置が前記線に所定の方向で2回並行したと判定した場合、文字表示装置1は、前記所定の文字群に属する文字を通常の順序とは逆の順序で2回分選定して、表示部30に表示する。この場合、もともと表示部30には「お」の文字が表示されていたため、「お」の文字が属する文字群「あ」行の文字を、通常の順序とは逆に「お」から「え」、さらに「え」から「う」の順序で選定して、もともと表示されていた文字に代えて表示部30に表示する。このような状態で、操作者が接触の位置を当該線に所定の方向で並行させるスライド操作をさらに行った場合、図8(E)に示すように、「う」の文字はさらに「い」の文字に修正される。
【0084】
なお、例えば「あ」行の文字を修正する場合には、操作者が「あ」行の文字群に対応する線に接触の位置を並行させるスライド操作を行うことにより、文字表示装置1が「あ」行の文字を修正する。しかしながら、例えば「あ」行の文字を修正する場合であっても、操作者が、他の行の文字群に対応する線、すなわち所定の文字群に対応する線のうち任意のものに接触の位置を並行させるスライド操作を行うことにより、文字表示装置1が「あ」行の文字を修正しても良い。また、接触の位置が所定の文字群に対応する線に並行したことを判定する際には、当該所定の文字群に対応する線から所定の距離以内で並行する移動があった場合にのみ、本実施の形態による文字の修正処理が行われるようにする、などの条件を付加することもできる。
【0085】
このように、本実施の形態の文字表示装置1によれば、操作者は、従来のマルチタップ方式に対応する文字の選定および表示を容易かつ確実に行うことができるとともに、誤操作をした場合でも、表示した文字を極めて簡単かつ容易に修正することができる。
【0086】
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態に係る文字表示装置について説明する。
【0087】
第2実施の形態に係る文字表示装置は、上述した第1実施の形態に係る文字表示装置1において、制御部10の動作および処理を変更するものである。したがって、第2実施の形態に係る文字表示装置は、第1実施の形態で説明した文字表示装置1と同じ構成により実施することができるため、上述した第1実施の形態と同じ説明は、適宜省略する。
【0088】
第2実施の形態においては、上述した第1実施の形態で説明した「所定の文字群に対応する線」を、便宜的に「第1群の線」と記す。この第1群の線に加えて、第2実施の形態においては、さらに「第2群の線」を規定する。第2実施の形態においては、この第2群の線を接触の位置が通過した場合に、第1実施の形態で説明したのと同様の文字の修正を行う。
【0089】
図9は、タッチパネルの表示部30に、第1群の線(平仮名の各行の文字群に対応する線)および第2群の線を表示した例をいくつか示した図である。図9(A)〜(D)は、それぞれ前述した図2(A)〜(D)に対して、さらに第2群の線を付加したものである。なお、これらも、あくまでも第1群の線および第2群の線のいくつかの例を示したに過ぎず、他にも種々のデザインの線を想定することができる。図9(A)〜(D)のそれぞれにおいて、「あ行」、「か行」、「さ行」など、それぞれ平仮名の「行」を構成する文字群に対応する線である縦方向の実線が「第1群の線」を示している。また、図9(A)〜(D)のそれぞれにおいて、これら第1群の線と直交するように規定されている横方向の破線が「第2群の線」を示している。なお、これら第1群の線および第2群の線は、必ずしも表示部30に表示されている必要はない。
【0090】
本実施の形態において、第2群の線は、操作者が接触検出部20上で接触の位置を移動させるスライド操作を行う際に、当該線を通過したことの基準とするためのものである。したがって、このような基準となり得るものであれば、任意の形態の線を用いることができる。このように、上述したような線を表示部30に表示して、その前面に配置された接触検出部20は、操作者によるタッチ操作の移動、すなわちスライド操作による接触を検出する。なお、図9においては、第1群の線と第2群の線とは直交している態様を示してあるが、これらが直交していることは必須の要件ではなく、平行していなければ任意のデザインとすることができる。
【0091】
次に、本実施の形態による文字の選定および表示を行うための処理の流れについて説明する。
【0092】
図10は、第2実施の形態による文字表示動作に係る処理を説明するフローチャートである。図10に示す処理は、図5にて説明したフローチャートにおいて、主にステップS11およびステップS17の処理を変更するものである。したがって、それ以外の説明において重複となる内容は適宜省略する。図10に示すフローチャートにおいて、第2実施の形態による文字表示動作に係る処理は、操作者が自らの指先またはスタイラスなどでタッチ操作を開始したことにより、接触検出部20が接触を検出した時点から開始する。
【0093】
本実施の形態による文字表示処理が開始すると、まず、制御部10は、接触検出部20が検出する接触の位置が、所定の文字群に対応する第1群の線を通過したか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21にて、接触の位置が所定の文字群に対応する第1群の線を通過したと判定された場合、制御部10は、第1実施の形態と同様に、ステップS12以下の処理を行う。すなわち、第2実施の形態においても、接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過した際の処理については、第1実施の形態と同様の処理を行う。
【0094】
一方、ステップS21において、接触の位置が所定の文字群に対応する第1群の線を通過したと判定されない場合、制御部10は、当該接触の位置が上述した第2群の線を通過したか否かを判定する(ステップS22)。
【0095】
ここで、「接触の位置」が「第2群の線を通過」したとは、接触検出部20が検出する接触の位置が形成する軌跡が、上述した第2群の線のうち任意のものを通過することを意味する。例えば、図11に示すように、接触の位置が移動することにより画成される軌跡が、所定の文字群に対応する第1群の線に平行でない第2群の線のうち任意の線を通過した場合と判定することができる。したがって、接触の位置が「か行」や「さ行」の箇所における第2群の線を通過しても同じ効果が得られる。なお、図11(A)〜(C)は、簡略化のために、図9(A)に示した第1群の線および第2群の線のうち、「あ行」のものだけを示している。
【0096】
ステップS22において、接触の位置が第2群の線のうち任意のものを通過した場合、文字選定部12は、既に選定して表示部30に表示されている文字が属する文字群のうち、当該既に選定されて表示されている文字の前の順序の文字を選定する(ステップS18)。例えば、既に選定されて表示されている文字が「う」の文字の場合、順序が「う」の前の文字である「い」を選定する(図3参照)。すなわち、制御部10(文字選定部12)は、接触の位置が第2群の線を通過した場合、所定の文字群に属する文字を所定の順序とは逆の順序で選定して、その選定した文字を表示するように表示部30を制御する。ステップS18において文字が選定されたら、制御部10は、当該選定された文字を、表示部30に表示してから(ステップS14)、ステップS15に移行して、上述した処理を続行する。
【0097】
一方、ステップS22において、接触の位置が第2群の線のうち任意のものを通過したことが判定されない場合、制御部10は、ステップS21に戻って処理を続行する。他の処理は、上述した第1実施の形態で説明したものと同様に行う。
【0098】
このように、本実施の形態によれば、操作者は、スライド操作を行うことにより、従来のマルチタップ方式に対応する文字の選定および表示を行いつつ、誤操作により誤った文字が表示された場合でも、その修正を極めて簡単かつ容易に、しかも確実に行うことができる。すなわち、操作者は、第1群の線を通過するスライド操作を行うことにより通常の文字を表示させることができ、また誤操作により誤った文字を表示してしまった場合には、第2群の線を通過するスライド操作を行うことにより、表示した文字を修正することができる。
【0099】
図11は、第2実施の形態による文字表示装置1による文字の修正に係る操作および対応する動作を説明する図である。
【0100】
図11は、簡略化のために、図9(A)に示した所定の文字群に対応する線のうち一部のみを示している。各種記号などは、図7および図8において説明したのと同様の意味を示す。このように、所定の文字群に対応する第1群の線と、さらに第2群の線とをタッチパネルの表示部30に表示して、この表示に対して行われる操作者のタッチ操作およびスライド操作による接触を、タッチパネルの接触検出部20が検出する。
【0101】
図11(A)および(B)においては、操作者は接触の位置が「あ」行の文字群に対応する第1群の線を1回通過するスライド操作を行おうとしていたにもかかわらず、誤って2回通過するスライド操作を行ってしまった場合に行うべき修正を説明している。この場合、操作者は、接触の位置が「あ」行の文字群に対応する線を1回通過するスライド操作を行い、「い」の文字を表示させるべきところ、誤って2回通過するスライド操作を行ってしまったため、「う」の文字が表示部30に表示される。
【0102】
このような場合、操作者は、図11にて破線で示した第2群の線を接触の位置が通過するようなスライド操作を行うようにする。このような操作に応じて、接触検出部20が検出する接触の位置が第2群の線を通過したと判定した場合、文字表示装置1は、前記所定の文字群に属する文字を通常の順序とは逆の順序で選定して、表示部30に表示する。この場合、もともと表示部30には「う」の文字が表示されていたため、「う」の文字が属する文字群「あ」行の文字を、通常の順序とは逆に「う」から「い」の順序で選定して、もともと表示されていた文字「う」に代えて表示部30に表示する。
【0103】
図11(A)は、表示部30に「う」の文字が表示されている状態で、操作者が下から上の方向に、接触の位置が第2群の線を通過するようにスライド操作を行ったことにより、「う」の文字が「い」の文字に修正された様子を表している。上述したように、本実施の形態では、接触の位置が第2群の線を通過したと判定された場合に、文字の修正が行われる。したがって、接触の位置の移動は、その軌跡が成す角度とは関係なく、例えば図11(B)のように斜めに第2群の線を通過する場合であっても、文字の修正が行われる。
【0104】
図11(C)においては、操作者は接触の位置が「あ」行の文字群に対応する線を3回通過するスライド操作を行おうとしていたにもかかわらず、誤って5回通過するスライド操作を行ってしまった場合に行うべき修正を説明している。この場合、操作者は、接触の位置が「あ」行の文字群に対応する第1群の線を3回通過するスライド操作を行い、「う」の文字を表示させるべきところ、誤って5回通過するスライド操作を行ってしまったため、「お」の文字が表示部30に表示される。
【0105】
このような場合、操作者は、第2群の線を通過するスライド操作を2回行うようにする。このような操作に応じて、接触検出部20が検出する接触の位置が第2群の線を2回通過したと判定された場合、文字表示装置1は、前記所定の文字群に属する文字を通常の順序とは逆の順序で2回分選定して、表示部30に表示する。この場合、もともと表示部30には「お」の文字が表示されていたため、「お」の文字が属する文字群「あ」行の文字を、通常の順序とは逆に「お」から「え」、さらに「え」から「う」の順序で選定して、もともと表示されていた文字に代えて表示部30に表示する。
【0106】
なお、例えば「あ」行の文字を修正する場合に、操作者が「あ」行の文字群に対応する第1群の線に平行でない第2群の線に接触の位置を通過させるスライド操作を行うことにより、文字表示装置1は「あ」行の文字を修正する。しかしながら、例えば「あ」行の文字を修正する場合であっても、操作者が、他の行の文字群に対応する第2群の線、すなわち第2群の線のうち任意のものに接触の位置を通過させるスライド操作を行うことにより、文字表示装置1は「あ」行の文字を修正しても良い。したがって、例えば、図11(C)に示したような場合の修正を行うために、図11(D)に示すように、操作者が第2群の線のうち2本以上のものにまたがって接触の位置が通過するスライド操作を行ったとしても、文字表示装置1は、図11(C)と同様の修正ができる。図11(D)は、表示部30に「お」の文字が表示された状態で、接触の位置が最初に第2群の線を通過した際に「お」の文字が「え」に修正され、そのまま続いて接触の位置が次の第2群の線を通過した際に「え」の文字が「う」に修正された様子を示している。
【0107】
ここで説明した例においては、接触の位置が第2群の線を通過する方向については特に規定せずに、方向に関係なく接触の位置が第2群の線を通過した場合に、文字の修正が行われる態様について説明した。しかしながら、この方向について、接触の位置が所定の方向で第2群の線を通過した場合にのみ、上述した文字の修正に係る処理が行われるようにすることもできる。すなわち、この場合、処理部10は、接触の位置が第1群の線に平行でない第2群の線を所定の方向で通過した場合にのみ、所定の文字群に属する文字をその所定の順序とは逆の順序で選定して、この選定した文字を表示するように表示部30を制御する。ここでいう「第2群の線を所定の方向で通過した場合」とは、例えば図11(A)および(B)のように、接触の位置が第2群の線を下から上の方向に通過した場合のことを意味する。このような例においては、図11(C)に示したような態様のスライド操作を行ったとしても、第2群の線を2回通過したとは判定されずに、下から上の方向に1回だけ通過したと判定され、通常の順序とは逆の順序で1回分だけ文字が選定されて、表示部30に表示される。なお、当然、接触の位置が第2群の線を上から下の方向に通過した場合のことを、「第2群の線を所定の方向で通過した場合」と規定してもよい。
【0108】
このように、本実施の形態の文字表示装置1によれば、操作者は、従来のマルチタップ方式に対応する文字の選定および表示を容易かつ確実に行うことができるとともに、誤操作をした場合でも、表示した文字を極めて簡単かつ容易に、しかも確実に修正することができる。
【0109】
なお、本発明は、上述した各実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変更または変形が可能である。例えば、上述した各実施の形態においては、説明の便宜上、制御部10が文字選定部12を含むものとして記したが、本発明を具現化する機器の構成に応じて、これら各機能部を別個のものとして構成することもできる。また、本発明を具現化する機器の構成に応じて、文字選定部12の機能を、制御部10が兼ねる構成にすることもできる。
【0110】
また、上述した各実施の形態においては、表示部30に選定された文字が表示された状態で、接触検出部20が接触を検出しなくなった場合に、当該表示された文字を確定する態様を想定して説明した。しかしながら、接触検出部20が接触を検出しているままの状態であっても、所定の時間が経過したら、当該表示された文字を確定するようにもできる。
【符号の説明】
【0111】
1 文字表示装置
10 制御部
12 文字選定部
20 接触検出部
30 表示部
40 記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触を検出する接触検出部と、
文字を表示する表示部と、
前記接触検出部が検出する接触の位置が所定の文字群に対応する線を通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を所定の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御する制御部と、
を備える文字表示装置において、
前記制御部は、前記接触の位置が前記線に所定の方向で並行した場合、前記所定の文字群に属する文字を前記所定の順序とは逆の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御することを特徴とする文字表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記接触の位置が所定の距離進行した軌跡と、前記線とが所定値以下の角度を成す場合、前記接触の位置が前記線に所定の方向で並行したと判定する、請求項1に記載の文字表示装置。
【請求項3】
接触を検出する接触検出部と、
文字を表示する表示部と、
前記接触検出部が検出する接触の位置が所定の文字群に対応する第1群の線を通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を所定の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御する制御部と、
を備える文字表示装置において、
前記制御部は、前記接触の位置が前記第1群の線に平行でない第2群の線を通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を前記所定の順序とは逆の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御することを特徴とする文字表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記接触の位置が前記第1群の線に平行でない第2群の線を所定の方向で通過した場合、前記所定の文字群に属する文字を前記所定の順序とは逆の順序で選定して、当該選定した文字を表示するように前記表示部を制御することを特徴とする、請求項3に記載の文字表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−8722(P2012−8722A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142961(P2010−142961)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】