説明

文書を偽造から保護する方法および装置

文書をセキュリティ保護する方法は、第1のマーキング手段を用いて、文書の第1の面に第1のマーク(205、210)を形成する第1のステップと、第2のマーキング手段を用いて、文書の別の面に、或いは文書の厚みに、第2のマーク(215)を形成する第2のステップとを含んでいる。文書をバックライトで照らすと、2つのマークは重ね合わせされている。上記マークのうち少なくとも一方(215)は、その複写を、当該マークを形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが所定の値よりも大きくなるような、マークである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書を偽造から保護する方法および装置に関するものである。それは、平面状であって、少なくとも部分的に透けて見える、例えば、紙、プラスチック、布、またはガラスでできた、あらゆる文書あるいは製品に特に適用されるものである。
【0002】
本発明は、複写に敏感に反応するコードを、画像、基板、そして特に紙幣の透かしに挿入する方法、さらには、それらのコードからデータを読取りおよび抽出する方法を提案するものである。
【背景技術】
【0003】
有価文書、紙幣、および交通切符などのチケットの例に限った場合、それらを模倣するために、偽造者は極めて精巧な技術的手段を用いることが知られている。例えば、マイクロ文字付きの場合もある金属線を組み込んだり、透かしまたはホログラムを入れたり、あるいは用紙に繊維を漉き込んだりするなど、新しい保護対策が導入されるたびに、偽造者は、その付加された特徴をシミュレートまたは再現する手段によって対処する。また、それらの文書の真正性を確認するための手段を配布することは、その複雑さおよびコスト的な理由と、それらの配布によりもたらされる可能性のあるセキュリティリスクの理由の両方によって、不可能である。確かに、偽造者がそれらを得ることで、それらがどのように動作するのかを知って、真性文書と偽造文書との類似性をさらに高めることが可能であろう。
【0004】
有価文書を保護するために、また、オリジナルの有価文書と複写との区別を可能にするために用いられる手段のうち、最もよく知られている最も古いものの1つが、用紙に透かしを入れることである。透かしは、用紙の製造段階で作られて、用紙の一部を直接形成している。従って、それらは、用紙の摩耗によって消えたり損傷したりすることがなく、このため、かなりの摩耗に耐える必要がある特に紙幣のための、有効な保護手段となっている。
【0005】
透かしを作るためのいくつかの方法がある。例えば、小規模生産では、局部的に繊維の量を減らしてシートを形成することによって、透かし効果が生み出される。この目的のためには、所望の形状を有する鉄または黄銅の簡単なワイヤを、紙パルプを受けるフレームに固定するだけでよい。円筒網による透かし技術は、紙幣、パスポート、またはその他の有価文書に最もよく使われる技法である。この種の透かしは、グレースケール画像に相当する階調を取り入れたものであり、紙パルプを圧迫する円筒の表面の浮き出た面によって作られる。
【0006】
原理的には、透かしは第1レベルの保護手段であり、つまり、それによって、文書の所有者は、その真正性を純感覚的に判断することができる。一般的には、文書が目と光源との間に配置されて、紙の厚さまたは繊維密度で決まる透明度によって画像が見えるようになる。
【0007】
不都合なことに、透かしを作る技術は、それらをシミュレートする技術と共に、大衆化されている。例えば、特許文献1は、文書の両面の印刷を同期させて、文書の2つの面の網点スクリーンの位相を局部的にずらすことで、透かしのような効果をシミュレートする技術を開示している。その文書を光源に当てて見ると、画像が見えて、その中では、明るい領域は網点スクリーンが重なっている位置に対応し、暗い領域は網点スクリーンがずれている位置に対応している。この技法は、透かしのような効果を、より低いコストで、より製造量が少ない文書に対して利用することを可能にしており(生成される画像を印刷ごとに変えることもできる)、これは、保護された文書の作成にとって効果的に思えるが、偽造者にとっても有益となり得て、これにより透かしをシミュレートする安価な方法を得ることになる。実際に、セキュリティ文書の所有者の多くは、透過光により生じる画像が、従来の透かしにより作られたものであるのか、局部的に位相をずらした同期印刷によるものであるのか、あるいは、このような効果をシミュレートする他の方法によるものであるのか、見分けがつかない。
【0008】
透かしを作る技術、あるいはシミュレートする技術が大衆化することによって、その安全性が低下する。透かしをもつ文書の安全性を向上させるため、特に用紙の厚さや局部繊維密度を変化させることにより、透かしに機械可読情報を組み込むための様々な方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7286682号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これらの不都合を改善することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のため、第1の態様によれば、本発明は、文書をセキュリティ保護する方法を対象とするものであって、該方法は、
− 第1のマーキング手段を用いて、文書の第1の面に第1のマークを形成する、第1のステップと、
− 第2のマーキング手段を用いて、文書の別の面に、或いは文書の厚みに、第2のマークを形成する、第2のステップと、を含み、
− 上記第1と第2の2つのマークは重ね合わせされており、
− 上記2つのマークの少なくとも一方は、その複写を、当該マークを形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが所定の値よりも大きくなるような、マークであることを、特徴としている。
【0012】
第2の態様によれば、本発明は、文書をセキュリティ保護する方法を対象とするものであって、該方法は、
− 第1のマーキング手段を用いて、文書の第1の面に、第1のドット・マトリクスを表す第1のマークを形成する、第1のステップと、
− 第2のマーキング手段を用いて、文書の別の面に、或いは文書の厚みに、第2のドット・マトリクスを表す第2のマークを形成する、第2のステップと、を含み、
− 上記第1と第2の2つのマークは重ね合わせされており、
− 上記2つのマークの少なくとも一方は、そのマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値よりも大きいアドホックエラー・レートを示すものであることを、特徴としている。
【0013】
これらの規定のそれぞれによって、バックライトで照らしたときの、重ね合わせされたマークの画像におけるエラーレートは、2つのマークの特徴と、それらのマーキングにより生成される予測不可能なエラーのものとを、組み合わせたものとなる。このようにして、文書の各マークの複写を検出する性能が高められている。
【0014】
特定の特徴によれば、本発明による方法は、少なくとも1つのマークの、色付き或いは色のない領域が、色のない或いは異なる色の領域と混同されるエラー確率が、マーキング手段によるマーキングのパラメータ値に応じて推定されるステップと、2つの所定値の間にある確率に対応するパラメータ値を選択するステップと、を含んでいる。
【0015】
特定の特徴によれば、上記所定値は、22%の値を挟む値である。
【0016】
これらの規定のそれぞれによって、上記マークのうち少なくとも一方の複写防止性能が向上し、さらには最適化される。
【0017】
特定の特徴によれば、上記マークの少なくとも一方は、冗長をもつように符号化された、当該文書の識別子を保持している。
【0018】
このようなマークによって、その識別コードを読取ることにより、文書を迅速に識別することができる。
【0019】
特定の特徴によれば、上記マークは補色になっている。
【0020】
これらの規定によると、透かしたときに、オリジナルは黒の領域からなるのに対し、複写は、マークがあまりうまく重ね合わせされていないことによって、色付きの領域を示すことになる。
【0021】
特定の特徴によれば、上記マークの少なくとも一方は、ハッチングされたセルを含むものである。このように、ハッチングにより、セルにおいて高解像度を示し、情報は低解像度で保持することが可能であり、これによって、より安価なリーダーでの読取りが可能であり、なぜなら、ハッチングではなく、そのセルのみを読取ればよいからである。
【0022】
特定の特徴によれば、符号化メッセージを表している、両方のマークでマーキングされていない要素を除いて、上記マークのうち一方の色付きの各要素が、他方のマークのマーキングされていないところに重ね合わせされている。
【0023】
このようにして、メッセージまたは識別子を、例えばマーキングされていない位置によって、符号化することができる。
【0024】
特定の特徴によれば、上記マークは矩形領域からなるマトリクスで構成されており、上記マークのうちの一方は、透かして見ると、他方のマークの色のない領域の中心に重ね合わせされた色付きの領域で構成されている。
【0025】
複写では、これらの色付き領域が中心からずれることによって、その複写の検出が可能である。
【0026】
第3の態様によれば、本発明は、文書をセキュリティ保護するための装置を対象とするものであって、該装置は、
− 文書の第1の面に、第1のマークをマーキングする、第1の手段と、
− 文書の別の面に、或いは文書の厚みに、第2のマークをマーキングする、第2の手段と、を含み、
− 上記マーキング手段は、上記第1と第2の2つのマークを重ね合わせするように構成されており、
− 上記マーキング手段の少なくとも一方は、これにより形成されるマークの、複写を、同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが所定の値よりも大きくなるような、マークを形成するように構成されていることを、特徴としている。
【0027】
第4の態様によれば、本発明は、文書をセキュリティ保護するための装置を対象とするものであって、該装置は、
− 文書の第1の面に、第1のドット・マトリクスを表す第1のマークをマーキングする、第1の手段と、
− 文書の別の面に、或いは文書の厚みに、第2のドット・マトリクスを表す第2のマークをマーキングする、第2の手段と、を含み、
− 上記2つのマーキング手段は、上記第1と第2の2つのマークを重ね合わせするように構成されており、
− 上記2つのマーキング手段の少なくとも一方は、このマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、上記マークの少なくとも一方を、所定の値よりも大きいアドホックエラー・レートを示すものとして形成するように構成されていることを、特徴としている。
【0028】
第5の態様によれば、本発明は、コンピュータシステムに取り込み可能なコンピュータプログラムを対象とするものであって、該プログラムは、上記で簡単に述べた本発明による方法の実施を可能にする命令を含むものである。
【0029】
第6の態様によれば、本発明は、コンピュータまたはマイクロプロセッサによる読み出しが可能なデータ記憶媒体を対象とするものであって、該データ記憶媒体は、取り外しが可能または不可能なものであって、コンピュータプログラムの命令を記憶しており、それは、上記で簡単に述べた本発明による方法の実施を可能にするものであることを特徴としている。
【0030】
第7の態様によれば、本発明は、文書を対象とするものであって、該文書は、
− 文書の第1の面にある、第1のマークと、
− 文書の別の面に、或いは文書の厚みにあって、第1のマークに重ね合わせされている、第2のマークと、を含み、
− 上記2つのマークの少なくとも一方は、その複写を、同じ解像度のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが所定の値よりも大きくなるような、マークである。
【0031】
第8の態様によれば、本発明は、文書を対象とするものであって、該文書は、
− 文書の第1の面にある、第1のマークと、
− 文書の別の面に、或いは文書の厚みにあって、第1のマークに重ね合わせされている、第2のマークと、を含み、
− 上記2つのマークの少なくとも一方は、それを形成したマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値よりも大きいアドホックエラー・レートを示すものである。
【0032】
本発明の第2の態様による方法、本発明の第3および第4の態様による装置、当該コンピュータプログラム、当該記憶媒体、および当該文書についての、利点、目的、および特定の特徴は、上記で簡単に述べた本発明の第1の態様によるセキュリティ保護方法についてのものと同様であり、ここでは繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明のその他の利点、目的、および特徴は、限定するものではなく、例示目的で、以下で添付の図面を参照して行なわれる説明により、明らかになるであろう。
【図1】図1は、文書を透かして見た、第1の文書の第1面の印刷部を、模式的に、拡大して示している。
【図2】図2は、透けて見える、図1に示す第1の文書の透かしを、模式的に、拡大して示している。
【図3】図3は、直接見た、図1および図2に示す第1の文書の第2面の印刷部を、模式的に、拡大して示している。
【図4】図4は、第1の実施形態に係る第1の文書をバックライトで透かして見たときの、図1および図3の印刷部と図2の透かしとの重ね合わせを、模式的に、拡大して示している。
【図5】図5は、文書を透かして見た、第2の文書の第1面の印刷部を、模式的に、拡大して示している。
【図6】図6は、透けて見える、図5に示す第2の文書の透かしを、模式的に、拡大して示している。
【図7】図7は、直接見た、図5および図6に示す第2の文書の第2面の印刷部を、模式的に、拡大して示している。
【図8】図8は、第2の実施形態に係る第2の文書をバックライトで透かして見たときの、図5および図7の印刷部と図6の透かしとの重ね合わせを、模式的に、拡大して示している。
【図9】図9は、第3の実施形態に係る第3の文書の2つの面を部分的に示している。
【図10】図10は、第4の実施形態に係る第4の文書の2つの面を部分的に示している。
【図11】図11は、第5の実施形態に係る第5の文書の2つの面を部分的に示している。
【図12】図12および図13は、第6の実施形態に係る第6の文書の2つの面を部分的に示している。
【図13】図12および図13は、第6の実施形態に係る第6の文書の2つの面を部分的に示している。
【図14】図14および図15は、第7の実施形態に係る第7の文書の2つの面を部分的に示している。
【図15】図14および図15は、第7の実施形態に係る第7の文書の2つの面を部分的に示している。
【図16】図16および図17は、第8の実施形態に係る第8の文書の2つの面を部分的に示している。
【図17】図16および図17は、第8の実施形態に係る第8の文書の2つの面を部分的に示している。
【図18】図18は、透かしを模式的に示している。
【図19】図19は、実施形態9による、図18の透かしの変化を模式的に示している。
【図20】図20は、実施形態10による、図18の透かしの変化を模式的に示している。
【図21】図21は、実施形態11による、図18の透かしの変化を模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0034】
説明全体を通して、印刷部および透かしは、白の背景に黒で表示している。しかし、透かしは、さらに低いコントラストを示すものであり、印刷部は、白を背景としてグレーとするか、あるいは別の色を背景としてカラーとすることが可能である。
【0035】
図1に示す、例えばバックライトにより第1の文書を透かして見える、第1面の印刷部は、水平な直線セグメント105と垂直な直線セグメント110とを含んでいる。
【0036】
図2に示す、例えばバックライトにより第1の文書を透かして見える、透かし115は、その複写を、この透かし115を形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが、所定の値、例えば30%よりも大きくなるような、マークである。
【0037】
透かし115は、そのマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値、例えば20%よりも大きい、アドホックエラー・レートを示すものであることが好ましい。
【0038】
図3に示す、第1の文書を直接見た場合の第2面の印刷部は、水平な直線セグメント125と垂直な直線セグメント120とを含んでいる。
【0039】
図4に示すように、例えばバックライトにより透かして見た場合の、両面の印刷部105、110、120、および125は、矩形の2つの隅角部を形成しており、その矩形は透かし115における関心領域を画定していて、この領域には周知の方法によりメッセージが符号化されている。セグメント105、110、120および125を含む線により画定される矩形の外の透かし115部分は、第2のメッセージを保持していることが好ましい。メッセージの各々は、例えばシリアル番号といった第1の文書の識別子を表すものと考えられ、また、その型、その製造場所、およびその製造日を表すものである場合も考えられる。
【0040】
容易に理解されるように、2つの面の印刷部と透かしとを正しく位置合わせできないであろう贋造者または偽造者は、文書の識別あるいは認証を可能にする認識可能メッセージを含む文書を製造することができないことになる。
【0041】
図5に示す、例えばバックライトにより第2の文書を透かして見える、第1面の印刷部は、水平な直線セグメント205と垂直な直線セグメント210とを含んでいる。
【0042】
図6に示す、例えばバックライトにより第2の文書を透かして見える、透かし215は、その複写を、この透かし215を形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが、所定の値、例えば30%よりも大きくなるような、マークである。
【0043】
透かし215は、そのマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値、例えば20%よりも大きい、アドホックエラー・レートを示すものであることが好ましい。
【0044】
図7に示す、第2の文書を直接見た場合の第2面の印刷部は、水平な直線セグメント225と垂直な直線セグメント220とを含んでいる。
【0045】
図8に示すように、例えばバックライトにより透かして見た場合の、両面の印刷部205、210、220、および225は、矩形の2つの隅角部を形成しており、その矩形は透かし215における関心領域を画定していて、この領域には周知の方法によりメッセージが符号化されている。セグメント205、210、220および225を含む線により画定される矩形の外の透かし215部分は、第2のメッセージを保持していることが好ましい。当該メッセージの各々は、例えばシリアル番号といった第2の文書の識別子を表すものと考えられ、また、その型、その製造場所、およびその製造日を表すものである場合も考えられる。
【0046】
容易に理解されるように、2つの面の印刷部と透かしとを正しく位置合わせできないであろう贋造者または偽造者は、文書の識別あるいは認証を可能にする認識可能メッセージを含む文書を製造することができないことになる。
【0047】
図4と図8とを比較すると、図4では、両面の印刷部105、110、120、および125は、それらにより画定される矩形の一部分を成しているのに対して、図8では、両面の印刷部205、210、220、および225は、少なくともその一部分が、それらにより画定される矩形の外にあることがわかる。図5〜図8に示す第2の文書を偽造することは、図1〜図4に示す第1の文書のよりも、さらに困難である。
【0048】
図9に、第3の文書の2つの面に形成された2つの印刷部を示しており、これらの印刷部のうちの一方は透かして見たものである。印刷部305は、印刷部310の陰画になっていることがわかる。印刷部305および310の各々は、その複写を、この印刷部を形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが、所定の値、例えば25%よりも大きくなるような、マークである。
【0049】
これらの印刷部305および310の各々は、そのマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値、例えば15%よりも大きい、アドホックエラー・レートを示すものであることが好ましい。
【0050】
印刷部305および310の少なくとも一方は、冗長(好ましくは、誤り訂正符号、または“巡回冗長検査”のための“CRC”)をもつように符号化された、第3の文書の識別子を含んでいる。
【0051】
このような場合、偽造者は、印刷部305および310を再現することができないことになる。また、これらの印刷部305および310が十分な品質で再現されたとしても、重ね合わせされていないことによって、透かしたときに、黒い背景の上に明るい領域が現れることになる。第3の文書の偽造を検出することは、このように、特に簡単である。
【0052】
変形例では、2つの印刷部は、それら2つの一方を透かして見ると一致しており、すなわち、一方の各要素は他方の要素に重ね合わせされているが、ただし、それらは補色となっている。この場合、オリジナルを透かして見ると、白の背景上の黒ドットで構成されているように見えるが、一方、複写は色付きの領域を示すことになる。
【0053】
図11は、複写防止マーク325および330の少なくとも一方の基本セルが、グレーであるか、あるいはハッチングされている変形例を示している。
【0054】
図10に、第4の文書の2つの面に形成された2つの印刷部を示しており、これらの印刷部のうちの一方は透かして見たものである。印刷部315は、ドット322を除いて、印刷部320の陰画になっていることがわかる。ドット322は、両面の印刷部において透けたままであって、第4の文書の識別子を符号化して表している。このように、両方のマークでマーキングされていない要素であって、例えばマークの位置315および320など、符号化メッセージを表しているものを除いて、マークのうち一方の各要素が、他方のマークのマーキングされていないところに重ね合わせされている。
【0055】
印刷部315および320の各々は、その複写を、この印刷部を形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが、所定の値、例えば25%よりも大きくなるような、マークである。
【0056】
これらの印刷部315および320の各々は、そのマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値、例えば15%よりも大きい、アドホックエラー・レートを示すものであることが好ましい。
【0057】
印刷部315および320の少なくとも一方は、冗長(誤り訂正符号“CRC”)をもつように符号化された、第4の文書の識別子を含んでいる。
【0058】
このような場合、偽造者は、印刷部315および320のどちらも再現することができないことになる。また、これらの印刷部が十分な品質で再現されたとしても、重ね合わせされていないことによって、透かしたときに、両方の印刷部に共通の透けた領域に含まれているメッセージが現れず、また、黒い背景の上に明るい領域が現れることになる。第4の文書の偽造を検出することは、このように、極めて簡単である。
【0059】
図12および図13では、印刷部のうちの一方340が、透かして見ると、他方の印刷部335の明るい領域の中心に重ね合わせされた暗いドットで構成されている場合を示している。さらに一般化した実施形態では、両マークは矩形領域からなるマトリクスで構成されており、マークのうちの一方は、透かして見ると、他方のマークの色のない領域の中心に重ね合わせされた色付きの領域で構成されている。
【0060】
図14および図15では、印刷部345および350の各々が、印刷部のうちの一方を透かして見たときに、他方の印刷部の明るい領域に重ね合わせされた暗い領域で構成されている場合を示している。
【0061】
図16および図17では、印刷部のうちの一方360が、透かして見たときに、他方の印刷部355において並置された明るい領域の中心間に形成された直線に重ね合わせされた、暗い線で構成されている場合を示している。
【0062】
図12〜図17に示している印刷部の各々は、その複写を、この印刷部を形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが、所定の値、例えば25%よりも大きくなるような、マークである。これらの印刷部の各々は、そのマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値、例えば15%よりも大きい、アドホックエラー・レートを示すものであることが好ましい。印刷部の少なくとも1つは、電子認証コードであることが好ましい。
【0063】
以下では“DAC”とも呼ばれる、電子認証コード(Digital Authentication Code)は、例えば印刷により、あるいは媒体を局所的に加工することにより、媒体の上にマーキングされて、その一旦マーキングされた画像は複写されると、その特性の一部であって一般的には取り込んだ画像から自動的に測定可能である特性が変更されるように設計された、デジタル画像である。電子認証コードは、一般的に、複写される際の転写の影響による1つまたは複数の信号の劣化に基づくものであり、信号は、複写の影響を受ける測定可能な特性をもつ画素により保持されている。一部の種類の電子認証コードは、それを含んでいる文書の識別または追跡を可能にするための情報を、さらに含むこともできる。
【0064】
以下に説明するものを含む、いくつかの種類の電子認証コードがある。
【0065】
以下では“CDP”とも呼ばれる、複写検出パターン(Copy Detection Pattern)は、高密度画像であって、一般的には擬似ランダム性をもつものである。その読取り原理は、オリジナルの複写検出パターンと、例えばイメージセンサにより取り込まれた複写検出パターンとの間の、類似(または相違)指数を測定するための画像比較に基づいている。取り込み画像が複写である場合は、オリジナルである場合に比較して、その類似指数は低くなる。
【0066】
以下では“SIM”とも呼ばれる、セキュリティ保護情報マトリクス(Secured Information Matrix)は、2次元バーコードのように、大量の情報をロバストな方法で保持するように設計された画像である。しかしながら、セキュリティ保護情報マトリクスは、2次元バーコードと違って、複写に敏感に反応するものである。読取りの際には、そのマトリクスから抽出された符号化メッセージについてエラーレートが測定され、これは複写の場合にオリジナルよりも高くなるレートであって、これによってオリジナルの印刷とそれらの複写とを区別することが可能である。
【0067】
例えば隠顕インクなど特別な方法でマーキングされていない限り、複写検出パターンおよびセキュリティ保護情報マトリクスは、目で見ることができるものである。また、複写検出パターンおよびセキュリティ保護情報マトリクスを、目に見えない方法でマーキングすることは、コストまたは製造上の制約によって、必ずしも可能であるとは限らない。複写防止マークが目に見えるものであることは、美的観点から、また場合によっては、偽造者がその存在を知っていることで安全性の観点から、欠点となり得る。
【0068】
自然には目に見えない、あるいは少なくとも気づかれにくい、電子認証コードもある。
【0069】
例えば、印刷画像に埋め込まれる(“透かし”という名前で知られる)一部のデジタルマークは、例えば写真複写により印刷画像が複製されると損傷するように設計されている。電子透かしの劣化度は、オリジナルの印刷では複写の場合より低いので、これを測定することで、それらの複写を検出することが可能である。
【0070】
複写に対する感度が様々に異なるいくつかの透かしを組み合わせて、それぞれのエネルギーレベルを比較することにより、複写を検出することが可能である。しかしながら、文書の製造プロセスに電子透かしを組み入れることは、より複雑であり、これによってその使用が制限される。実際、複写検出パターンやセキュリティ保護情報マトリクスとは異なり、電子透かしを単純に画像に“追加”することはできない。電子透かしは、実際には、追加されるメッセージとオリジナル画像の複雑な関数であり、電子透かしのエネルギーは、オリジナル画像のマスキング特性に従って局所的に調整される。
【0071】
文書または製品に電子透かしを組み込むことは、ソース画像を中央のマーキング/印刷装置に送ることを意味しており、そこで電子透かしが組み込まれて、透かし付きの画像が返送される。この手順は、ファイルのサイズがしばしば非常に大きくなることと、関連する画像のセキュリティの問題のため、ほとんど実用的ではない。これに対して、複写検出パターンまたはセキュリティ保護情報マトリクスのマーキング/印刷の場合は、ソース画像を中央のマーキング/印刷装置に送る必要はない。逆に、複写検出パターンまたはセキュリティ保護情報マトリクスの画像は、一般的に非常にサイズが小さく、例えば数キロバイトであって、これが画像ファイルの所有者に送られて、文書または製品に添付される。
【0072】
さらに、電子透かしは、その安定した読取りが特に難しく、これによって、オリジナルの文書に対してその複写を判定することが、より不確実となる。実際、エラーのリスクは、一般的に、複写検出パターンやセキュリティ保護情報マトリクスによる場合よりも、電子透かしによる場合のほうが著しく高い。
【0073】
また、国際公開第2006/087351号およびスイス未審査特許第694233号の文献に記載されているような、非対称変調による空間マーキング(Asymmetric Modulation Spatial Marking)の方法もあり、これは以下では“AMSM”とも呼ばれる。AMSMによって、電子透かしと同様に、目に見えない、あるいは少なくとも目立たないマーキングが可能である。AMSMは、一般的には、マーキングされる文書に追加層として追加されるドット・パターンである。例えば、オフセット印刷工程の場合には、AMSMのみを保持する追加プレートが、文書に刷り重ねられる。このようにして、AMSMは、電子透かしよりも簡単に文書の製造工程に組み込まれ、ソース画像を中央のマーキング/印刷装置に送る必要はない。
【0074】
本発明の目的は、複写することが極めて困難であるか、さらには不可能であるような、透かしを作成することを可能にする方法を提案することである。特に、透かしの形態でDACを文書に組み込む方法、および、それらのDACを読取りするための方法が記載される。
【0075】
特定の実施形態を以下で説明する。
【0076】
透かしの起点として、グレースケールまたは2値のフィギュラティブ画像を受け取る。この画像は、画像処理ソフトウェアで利用可能にデジタル化されているものとする。例示目的で、図18に2値の透かし405を示している。DACは、複数の可能な方法で、フィギュラティブ画像に関連付けられる。その方法は、非網羅的に、
− DACは“稠密な”SIMであるか、または、図19に示すように、CDP410が、画像の中に統合されることなく分かれて挿入されている。
− DACは“電子透かし”であるか、または、図20に示すように、AMSM415が、画像の中に組み込まれている。
− DACは、それほど稠密ではないSIM420であって、これは、符号化される領域の値を、図21に示すようにその大きさレベルで、あるいは、深さレベルで変調することにより、フィギュラティブ画像に組み込まれている。
【0077】
国際出願番号FR2007/001246に記載しているように、用紙に組み込まれた透かしの読取りにおいて、一定の制限値の範囲内のエラーレートを得ることが目的とされる。留意すべきことは、このエラーレートは、“完璧な”読取りを前提としたものであるということであり、例えば、透過光での透かしの読取りが行われる場合について得られるエラーレートよりも、一般的に低いものである。
【0078】
実際には、プロフェッショナルな偽造者は、例えば電子顕微鏡を用いて、用紙の透かし、厚さ、および/または密度の正確な測定値を得ることが可能であるということも、想定しなければならない。この場合、本質的に複写に敏感なコードが利用される。つまり、複写を作り出す過程において、自動的かつ必然的に、コードの値の劣化が生じることになる。
【0079】
劣化につながることが可能なコードの値を決定するため、まず初めに、フィギュラティブ画像を用いて、あるいは用いることなく、テスト透かしが生成され、その中に、それぞれ所定の大きさおよび/または所定の深さをもつ複数の領域が含められる。この透かしを用いて一定量の用紙が製造され、そして、紙繊維の厚さまたは密度の平均値とばらつきが、所定の領域の各々について測定される。これは、光で透かした領域をグレースケールで測定すると容易である場合があり、その値は、紙繊維の厚さまたは密度が減少すると高くなる(領域が明るくなる)。
【0080】
領域の大きさまたは深さの2つの可能な値がある場合を考えてみる。この場合、所定の大きさおよび深さをもつ領域が所定の大きさおよび/または深さをもつ別の領域と混同される、エラーの確率が推定される。最適である約22%に近い混同確率を与える値のペアがいくつか保持され、また、所定の限界、例えば5〜40%、好ましくは10〜35%、より好ましくは15〜30%の範囲内のものがすべて保持される。
【0081】
このようにして、少なくとも1つのマークの、色付き或いは色のない領域が、色のない或いは異なる色の領域と混同されるエラー確率が、マーキング手段によるマーキングのパラメータ値に応じて推定されるステップが実行され、さらに、好ましくは22%の値を挟む2つの所定値の間にある確率に対応する各パラメータ値を選択するステップが実行される。
【0082】
DACは、そのDACに固有の方法によって、フィギュラティブ画像に組み込まれる(上記参照)。例えば、位置のセットが鍵によって予め決められている場合は、それらの位置において、浮き出しにされる領域の深さおよび/または表面が、局所的に割り当てが望まれる値に対応させて、変更される。信号が2値変調される場合は、表面の2つの可能な値が予め決定される。
【0083】
検出は、デジタル画像のDACに対して通常行なわれるのと同様にして実行される。しかしながら、デジタル化は、透かしの取り込みに適した方法で行なうことができる。例えば、フラットベッド・スキャナを透過スキャンモードで用いることができる。留意すべきことは、画像を反転させる必要があるかもしれないということである。より正確な表面の測定は、電子顕微鏡などの器具を用いて行なうことができる。
【0084】
変形例では、
− 上記の方法は、多値信号、さらには連続信号に拡張される。
− DACは、特許文献1に記載の両面印刷方法により生成される。この場合、変調による局部位相変動は、印刷位置の自然変動の大きさ程度の範囲内とされる。例えば、その変動がおよそ100ミクロンである場合、透かしの自然劣化を得るため、この大きさをシミュレートした透かしが作成される。
− DACは、例えばセルサイズを変化させることにより、劣化速度が様々に異なるものが生成される。この場合、劣化速度の比率によって、DACの特性(オリジナルまたは複写)の指標が与えられる。これによって、経年劣化または摩耗がある場合に、よりロバストである指標が、得られる。
− 位置決めをより正確にするため、印刷された印を利用して、透かしにDACが配置される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書をセキュリティ保護する方法であって、
第1のマーキング手段を用いて、前記文書の第1の面に第1のマークを形成する、第1のステップと、
第2のマーキング手段を用いて、前記文書の別の面に、或いは前記文書の厚みに、第2のマークを形成する、第2のステップと、を含み、
前記第1と第2の2つのマークは重ね合わせされており、
前記2つのマークの少なくとも一方は、その複写を、当該マークを形成するために用いたものと同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが所定の値よりも大きくなるような、マークであること、を特徴とする方法。
【請求項2】
文書をセキュリティ保護する方法であって、
第1のマーキング手段を用いて、前記文書の第1の面に、第1のドット・マトリクスを表す第1のマークを形成する、第1のステップと、
第2のマーキング手段を用いて、前記文書の別の面に、或いは前記文書の厚みに、第2のドット・マトリクスを表す第2のマークを形成する、第2のステップと、を含み、
前記第1と第2の2つのマークは重ね合わせされており、
前記2つのマークの少なくとも一方は、そのマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値よりも大きいアドホックエラー・レートを示すものであること、を特徴とする方法。
【請求項3】
少なくとも1つのマークの、色付き或いは色のない領域が、色のない或いは異なる色の領域と混同されるエラー確率が、マーキング手段によるマーキングのパラメータ値に応じて推定されるステップと、
2つの所定値の間にある確率に対応するパラメータ値を選択するステップと、を含む、請求項1または2のいずれか1つに記載の方法。
【請求項4】
前記所定値は、22%の値を挟む値である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記マーク(305、310)の少なくとも一方は、冗長をもつように符号化された、前記文書の識別子を保持している、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記マークは補色になっている、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記マーク(325、330)の少なくとも一方は、ハッチングされたセルを含むものである、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
符号化メッセージを表している、両方のマークでマーキングされていない要素を除いて、前記マークのうち一方の色付きの各要素が、他方のマークのマーキングされていないところに重ね合わせされている、請求項1ないし7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記マークは矩形領域からなるマトリクスで構成されており、前記マークのうちの一方(340)は、透かして見ると、他方のマーク(335)の色のない領域の中心に重ね合わせされた色付きの領域で構成されている、請求項1ないし8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
文書をセキュリティ保護するための装置であって、
前記文書の第1の面に第1のマークをマーキングする、第1の手段と、
前記文書の別の面に、或いは前記文書の厚みに、第2のマークをマーキングする、第2の手段と、を含み、
前記2つのマーキングする手段は、前記2つのマークを重ね合わせするように構成されており、
前記2つのマーキングする手段の少なくとも一方は、これにより形成されるマークの、複写を、同一のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが所定の値よりも大きくなるような、マークを形成するように構成されていること、を特徴とする装置。
【請求項11】
文書をセキュリティ保護するための装置であって、
前記文書の第1の面に、第1のドット・マトリクスを表す第1のマークをマーキングする、第1の手段と、
前記文書の別の面に、或いは前記文書の厚みに、第2のドット・マトリクスを表す第2のマークをマーキングする、第2の手段と、を含み、
前記2つのマーキングする手段は、前記2つのマークを重ね合わせするように構成されており、
前記2つのマーキングする手段の少なくとも一方は、このマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、前記マークの少なくとも一方を、所定の値よりも大きいアドホックエラー・レートを示すものとして形成するように構成されていること、を特徴とする装置。
【請求項12】
コンピュータシステムに取り込み可能なコンピュータプログラムであって、該プログラムは、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の方法の実施を可能にする命令を含むものである、コンピュータプログラム。
【請求項13】
コンピュータまたはマイクロプロセッサによる読み出しが可能で、取り外しが可能または不可能な、データ記憶媒体であって、コンピュータプログラムの命令を記憶しており、それは、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の方法の実施を可能にするものであることを特徴とする、データ記憶媒体。
【請求項14】
文書であって、
当該文書の第1の面にある、第1のマークと、
当該文書の別の面に、或いは当該文書の厚みにあって、前記第1のマークに重ね合わせされている、第2のマークと、を含み、
前記2つのマークの少なくとも一方は、その複写を、同じ解像度のマーキング手段を用いて作った場合に、ドットごとに測定されるエラーレートが所定の値よりも大きくなるような、マークであること、を特徴とする文書。
【請求項15】
文書であって、
当該文書の第1の面にある、第1のマークと、
当該文書の別の面に、或いは当該文書の厚みにあって、前記第1のマークに重ね合わせされている、第2のマークと、を含み、
前記2つのマークの少なくとも一方は、それを形成したマーキング手段のアドホックで予測不可能な物理現象の結果として、所定の値よりも大きいアドホックエラー・レートを示すものであること、を特徴とする文書。
【請求項16】
前記マーク(305、310)の少なくとも一方は、冗長をもつように符号化された、当該文書の識別子を保持している、請求項14または15のいずれか1つに記載の文書。
【請求項17】
前記マークは補色になっている、請求項14ないし16のいずれか1つに記載の文書。
【請求項18】
前記マーク(325、330)の少なくとも一方は、ハッチングされたセルを含むものである、請求項14ないし17のいずれか1つに記載の文書。
【請求項19】
符号化メッセージを表している、両方のマークでマーキングされていない要素を除いて、前記マークのうち一方の色付きの各要素が、他方のマークのマーキングされていないところに重ね合わせされている、請求項14ないし18のいずれか1つに記載の文書。
【請求項20】
前記マークは矩形領域からなるマトリクスで構成されており、前記マークのうちの一方(340)は、透かして見ると、他方のマーク(335)の色のない領域の中心に重ね合わせされた色付きの領域で構成されている、請求項14ないし19のいずれか1つに記載の文書。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−517921(P2012−517921A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550617(P2011−550617)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000136
【国際公開番号】WO2010/094859
【国際公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(509331593)
【Fターム(参考)】