説明

文書リンク変換サーバ、文書リンク変換システム及び文書リンク変換方法

【課題】文書ファイルを開くために必要なソフトウェアがインストールされていない携帯電話において、HTML文書からリンクされた文書を閲覧する。
【解決手段】文書リンク変換システム100は、Webページのアクセス要求をした携帯電話10の機種情報に応じて、要求されたWebページのHTMLを変換し(ステップS23)、携帯電話10に送信する。携帯電話10において文書が指定されると、文書閲覧用アプリケーションを携帯電話10に送信し、さらに指定された文書の閲覧用画像を生成し、携帯電話10に送信する。携帯電話10は、受信した文書閲覧用アプリケーションを用いて閲覧用画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文書リンク変換サーバ、文書リンク変換システム及び文書リンク変換方法に係り、特に、HTML等のコンテンツファイルからリンクされた文書ファイルを閲覧させるための文書リンク変換サーバ、文書リンク変換システム及び文書リンク変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話からHTML文書を閲覧する際に、HTML文書を携帯電話に最適化する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、分割した文書データの各ページに他のページへのリンクを示すリンク情報を付加すると共に、他のページの見出し、他のページにおける先頭の語句、あるいは他のページを代表する語句を付与する技術が記載されている。特許文献1の技術によれば、文書データが分割されている場合であっても、ユーザが文書データの閲覧を容易にすることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−351736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
HTML文書内に、wordファイルやpdfファイル等の文書リンクを設定することにより、ブラウザ上から直接これらの文書を閲覧、編集することが一般的になっている。しかし、これらの文書を閲覧、編集するために必要なソフトウェアがインストールされていない、もしくはインストールすることができない携帯電話では、HTML文書内の文書リンクから、これらのファイルを閲覧することはできない。特許文献1に記載の技術においても、HTML文書内の文書リンクからwordファイルやpdfファイルを閲覧することはできない。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、文書ファイルを開くために必要なソフトウェアがインストールされていない携帯電話に対して、HTML文書からリンクされた文書を閲覧させるための文書リンク変換サーバ、文書リンク変換システム及び文書リンク変換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために請求項1に記載の文書リンク変換サーバは、アクセス元からの要求に応じてウェブページを取得する手段と、文書リンク変換ルールに基づいて前記ウェブページ内の文書リンクを変換する手段と、前記アクセス元に、前記変換したウェブページを提供する手段と、前記アクセス元において前記変換したウェブページから選択された文書リンクの情報を取得する手段と、前記取得した文書リンクの情報に基づいて、該文書リンクの文書データの閲覧用画像データを生成する手段と、前記閲覧用画像データを前記アクセス元に提供する手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、アクセス元からの要求に応じて取得したウェブページの文書リンクを変換してからアクセス元に提供し、アクセス元において文書リンクが選択されると、選択された文書データの閲覧用画像データを生成して提供するようにしたので、文書ファイルを開くために必要なソフトウェアがインストールされていない端末を用いて文書を閲覧させることができる。
【0009】
請求項2に示すように請求項1に記載の文書リンク変換サーバにおいて、端末種別に応じた文書リンク変換ルールを管理する管理手段と、前記アクセス元の端末種別を認識する手段と、前記認識した端末種別に応じて前記管理手段から文書リンク変換ルールを取得する手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
これにより、アクセス元の端末種別に応じてウェブページ内の文書リンクを変換することができる。
【0011】
請求項3に示すように請求項1又は2に記載の文書リンク変換サーバにおいて、前記生成した閲覧用画像データを記録する手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
これにより、一度生成した閲覧用画像データを再利用することができる。
【0013】
請求項4に示すように請求項3に記載の文書リンク変換サーバにおいて、前記認識した端末種別毎に前記閲覧用画像データを記録することを特徴とする。
【0014】
これにより、一度生成した閲覧用画像データを再利用する場合に、データの読み出しが容易になる。
【0015】
請求項5に示すように請求項1から4に記載の文書リンク変換サーバにおいて、前記生成手段は、文書データのページ毎に閲覧用画像データを生成し、前記閲覧用画像データを前記アクセス元に提供する手段は、ページ毎に前記閲覧用画像データを提供することを特徴とする。
【0016】
これにより、必要なページについてだけ閲覧用画像データを送受信することができ、通信負荷を減らすことができる。
【0017】
前記目的を達成するために請求項6に記載の文書リンク変換システムは、ウェブページの閲覧を要求する手段と、前記要求したウェブページのデータを取得する手段と、前記データに基づいてウェブページを表示手段に表示する手段と、前記表示したウェブページに存在するリンク情報から文書リンクを選択する手段と、前記選択した文書リンクに該当する文書の閲覧用画像データを取得する手段と、前記取得した閲覧用画像データを前記表示手段に表示する手段とを備えた携帯端末と、前記要求されたウェブページを取得する手段と、端末種別に応じた文書リンク変換ルールを管理する管理手段と、前記携帯端末の端末種別を認識する手段と、前記認識した端末種別に応じて前記管理手段から文書リンク変換ルールを取得する手段と、前記取得した文書リンク変換ルールにしたがって前記ウェブページ内の文書リンクを変換する手段と、前記変換したウェブページを前記携帯端末に送信する手段と、前記携帯端末において前記変換したウェブページから選択された文書リンクの情報を取得する手段と、前記取得した文書リンクの情報にしたがって、該文書リンクの文書データの閲覧用画像データを生成する手段と、前記生成した閲覧用画像データを前記携帯端末に提供する手段とを備えたサーバと、を備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、携帯端末からの要求に応じて取得したウェブページの文書リンクを変換してからアクセス元に提供し、携帯端末において文書リンクが選択されると、選択された文書データの閲覧用画像データを生成して携帯端末に提供するようにしたので、文書ファイルを開くために必要なソフトウェアがインストールされていない携帯端末を用いて文書を閲覧させることができる。
【0019】
請求項7に示すように請求項6に記載の文書リンク変換システムにおいて、前記携帯端末は、文書閲覧用アプリケーションを用いて閲覧用画像データを前記表示手段に表示することを特徴とする。
【0020】
これにより、適切に閲覧用画像データを表示することができる。
【0021】
請求項8に示すように請求項7に記載の文書リンク変換システムにおいて、前記文書閲覧用アプリケーションは、閲覧終了後に前記閲覧用画像データを再表示不可能に消去することを特徴とする。
【0022】
これにより、閲覧画像データについてのセキュリティを確保することができる。
【0023】
請求項9に示すように請求項7又は8に記載の文書リンク変換システムにおいて、前記文書閲覧用アプリケーションは、前記サーバから前記携帯端末に提供されることを特徴とする。
【0024】
これにより、携帯端末は適切に文書閲覧用アプリケーションを取得することができる。
【0025】
前記目的を達成するために請求項10に記載の文書リンク変換方法は、アクセス元からの要求に応じてウェブページを取得する工程と、文書リンク変換ルールに基づいて前記ウェブページ内の文書リンクを変換する工程と、前記アクセス元に、前記変換したウェブページを提供する工程と、前記アクセス元において前記変換したウェブページから選択された文書リンクの情報を取得する工程と、前記取得した文書リンクの情報に基づいて、該文書リンクの文書データの閲覧用画像データを生成する工程と、前記閲覧用画像データを前記アクセス元に提供する工程とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、文書ファイルを開くために必要なソフトウェアがインストールされていない携帯電話に対して、HTML文書からリンクされた文書を閲覧させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】文書リンク変換システム100の全体構成の一例を示す図
【図2】文書リンク変換システム100の処理について示すフローチャート
【図3】変換前の文書リンクと変換後の文書リンクを示す図
【図4】ドキュメント変換サーバ24のデータベース構成について示す図
【図5】文書リンク変換システム100の処理について示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に従って本発明を実施するための形態について説明する。
【0029】
<第1の実施形態>
図1(a)は、本実施形態における文書リンク変換システム100の全体構成の一例を示す図であり、図1(b)は、図1(a)中に示した各番号に該当する処理内容を示す表である。
【0030】
図1(a)に示すように、文書リンク変換システム100は、ユーザが使用する携帯電話10、イントラネット20内に設置された社内Webシステム21、文書管理ストレージ22、中継サーバ23、ドキュメント変換サーバ24、閲覧用画像管理ストレージ25から構成される文書リンク変換サーバ110、インターネット30上に存在するWebシステム31、文書管理ストレージ32等から構成される。
【0031】
携帯電話10と文書リンク変換サーバ110とは、ネットワークを介して所定のプロトコルにしたがって通信可能に接続されている。このネットワークは、インターネットの他、専用通信回線やVPNを用いてもよい。文書リンク変換サーバ110は、ユーザの携帯電話10から要求されたWebページについて、文書リンクを変換してから携帯電話10に送信する。
【0032】
携帯電話10は、図示しない通信部や表示部を備え、通常の携帯電話に必要な機能(例えば、音声通話に必要な機能、電子メール等の送受信に必要な機能、Webサイトの閲覧に必要な機能)を備えている。
【0033】
イントラネット20は、社内の独立したネットワークであり、社内Webシステム21、中継サーバ23、ドキュメント変換サーバ24との間で通信可能に接続されている。
【0034】
社内Webシステム21は、イントラネット20を統括管理し、クライアントからの要求に応じた各種サービスを行う。また、文書リンクが張られた社内で閲覧可能なWebサイト(HTML文書等)を保持している。
【0035】
文書管理ストレージ22は、wordファイルやpdfファイルを含む多数の社内文書が記録されたハードディスク装置などの大容量記憶装置である。文書管理ストレージ22には、社内Webシステム21が保持しているHTML文書等の文書リンクの文書ファイルが記録されており、社内Webシステム21からアクセス可能に構成されている。
【0036】
中継サーバ23は、携帯電話10と社内Webシステム21との通信を中継するサーバであり、通信相手の携帯電話10の機種判定を行うと共に、携帯電話10から要求されたWebページの変換処理を行う。この変換処理の詳細については、後述する。
【0037】
また、中継サーバ23は、携帯電話10とインターネット30を介した社外のWebシステム31との通信を中継する。Webシステム31は、インターネットを介してWeb上でサービスを提供するシステムであり、中継サーバ23は、Webシステム31を介して文書管理ストレージ32から文書ファイルを取得することも可能である。
【0038】
ドキュメント変換サーバ24は、携帯電話10から要求された文書ファイルに基づいて閲覧用画像の生成を行う。この閲覧用画像の生成の詳細についても、後述する。
【0039】
閲覧用画像管理ストレージ25は、ドキュメント変換サーバ24において生成された閲覧用画像を記録するための大容量記憶装置であり、文書管理ストレージ22の大容量記憶装置と共用してもよい。
【0040】
なお、図1(a)においては、携帯電話10は1つだけ記載されているが、文書リンク変換システム100と通信可能な携帯電話10は多数存在し、それぞれ個別に中継サーバ23を介して通信が可能である。また、社外のWebシステム31もインターネット30中に多数存在する。
【0041】
次に、このように構成された文書リンク変換システム100の動作について、図2を用いて説明する。
【0042】
ユーザは、携帯電話10の図示しない操作部を用いて、閲覧したいWebページを指定する。携帯電話10の図示しない通信部は、文書リンク変換サーバ110の中継サーバ23に対して、指定されたWebページのアクセス要求を行うとともに、携帯電話10の機種情報を送信する(ステップS11)。
【0043】
中継サーバ23は、この送信されたWebページのアクセス要求と機種情報を取得し(ステップS21)、取得した機種情報に基づいて、携帯電話10のアクセス権限を判別する。携帯電話10が管理者機能にて登録した携帯電話である場合には、図示しない機種管理データベースを照合し、取得した機種情報に応じたWebページの変換ルールを取得する(ステップS22)。携帯電話の機種によって、閲覧不可能な文書ファイルが異なり、また後述する最適な文書閲覧アプリケーションが異なるからである。
【0044】
次に、中継サーバ23は、取得したWebページのアクセス要求に基づいて、当該WebページのHTML文書を取得する。該当するWebページが、イントラネット20の社内Webシステム21に存在する場合には当該社内Webシステム21から、インターネット30の外部のWebシステム31に存在する場合には、該当するWebシステム31から取得する。
【0045】
さらに、中継サーバ23は、ステップS22で取得した機種情報に応じたWebページの変換ルールに基づいて、アクセス要求されたWebページのHTML文書を変換する(ステップS23)。即ち、アクセス要求されたWebページのHTML文書に記載された構文を解析し、当該機種において閲覧不可能な文書ファイルへのリンクが記載されている場合には、該当するリンクの箇所に文書取得情報を埋め込む。
【0046】
図3は、変換前のHTML文書に記載された文書リンクと、変換後のHTML文書に記載された文書リンクを示す図である。同図に示すように、URLがhttp://aaa.jpのページの変換前のHTML文書には、「報告書1」という表示に対して「houkoku1.doc」という文書ファイルへのリンクが設定されている。この「houkoku1.doc」という文書ファイルはwordファイルであり、ユーザの携帯電話10の機種では閲覧ができない文書ファイルである。
【0047】
ここで、中継サーバ23は、このリンク先のファイル「houkoku1.doc」の箇所に、「app1」というIDのアプリケーションを起動するためのタグを埋め込む。このアプリケーション「app1」は、事前にobjectコマンドで定義されているものであり、「報告書1」の表示が選択された場合に携帯電話10にダウンロードされ、起動するように設定されている。また、アプリケーション「app1」は、起動後にはhoukoku1.docに対応する閲覧用データを取得し、携帯電話10の表示部に表示を行う。
【0048】
中継サーバ23は、要求されたWebページに対応するデータとして、この変換されたHTML文書を携帯電話10に送信する(ステップS24)。
【0049】
携帯電話10は、この変換されたHTML文書を受信し、図示しない表示部にブラウザを用いて表示する。このように、ユーザは、要求されたWebページ(HTML文書)の閲覧を行うことができる(ステップS12)。
【0050】
この状態において、表示されたWebページにリンクが張られている文書ファイルを選択することが可能である。ユーザは、携帯電話10の図示しない操作部を用いて、所望の文書ファイルを選択する(ステップS13)。
【0051】
文書ファイルへのリンクが選択されると、携帯電話10は、該当する文書リンクに埋め込まれている文書取得情報(図3に示すdata情報)を送信する。文書リンク変換サーバ110のドキュメント変換サーバ24は、この文書取得情報を取得する(ステップS25)。文書取得情報には、取得すべき文書ファイルと文書閲覧アプリケーションについての情報が記載されている。
【0052】
ドキュメント変換サーバ24は、文書閲覧アプリケーションを取得し、文書閲覧アプリケーションにステップS25において取得した文書取得情報を付加する(ステップS26)。さらに、この文書閲覧アプリケーションを携帯電話10に送信する(ステップS27)。
【0053】
図4は、ドキュメント変換サーバ24のデータベース構成について示す図である。同図に示すように、携帯電話の機種情報に関連付けられて、文書閲覧アプリケーションのダウンロード元、及び後述する閲覧用データ(閲覧用画像)の管理場所が記録されている。ドキュメント変換サーバ24は、このデータベースの文書閲覧アプリケーションのダウンロード元の情報に基づいて、文書閲覧アプリケーションを取得する。
【0054】
携帯電話10は、この文書閲覧アプリケーションを受信し(ステップS14)、受信後すぐに起動する(ステップS15)。さらに、起動された文書閲覧アプリケーションから、アプリケーションに付加された文書取得情報をサーバに送信し、文書データを要求する(ステップS16)。
【0055】
この文書情報を取得したドキュメント変換サーバ24は、該当する文書データを取得する(ステップS28)。該当する文書データが、イントラネット20のストレージ22に記録されている場合は社内Webシステムを介してストレージ22から取得し、インターネット30の外部のストレージ32に記録されている場合には、そのストレージ32を管理しているWebシステムを介してストレージ32から取得する。
【0056】
この取得した文書データから、ドキュメント変換サーバ24は、この文書の1ページ目の閲覧用画像を生成する(ステップS29)。閲覧用画像は、携帯電話10の表示部に表示可能なように、機種に応じてJPG形式やBMP形式で生成される。また、ドキュメント変換サーバ24は、この閲覧用画像をストレージ25に記録する。このとき、図4に示すデータベースの閲覧用画像の管理場所に基づいて、閲覧用画像を記録する。
【0057】
なお、このように機種に応じた管理場所に閲覧用画像を記録するため、同機種の携帯電話から同じ文書の閲覧要求があった場合には、閲覧用画像の生成を行わずに、この管理場所に記録されている閲覧用画像を取得してもよい。
【0058】
最後に、この1ページ目の閲覧用画像を携帯電話10へ送信する(ステップS30)。
【0059】
この閲覧用画像を受信した携帯電話10は、文書閲覧アプリケーションを用いてこの閲覧用画像を図示しない表示部に表示する(ステップS17)。携帯電話10は、wordファイルやpdfファイルの文書の表示はできないが、表示可能な形式の閲覧用画像が送られてくるため、文書閲覧アプリケーションにより表示部に表示することが可能である。
【0060】
その後、該当文書のページ遷移を行う操作が行われた場合には、携帯電話10は、該当するページの画像を再び要求する。この場合は、既に携帯電話10には文書閲覧アプリケーションがダウンロードされているため、ドキュメント変換サーバ24は、要求されたページについての閲覧用画像だけを送信すればよい。
【0061】
このように、必要なページについてだけ閲覧用画像データを送受信することにより、不要なページの閲覧用画像データを通信する必要がなく、文書リンク変換サーバ110の負荷を軽減することができる。なお、ドキュメント変換サーバ24は、必要であれば、文書ファイルの全ページ分の閲覧用画像データをまとめて携帯電話10に送信してもよい。
【0062】
文書閲覧アプリケーションは、閲覧用画像データをページ単位で管理、閲覧可能に構成されており、ユーザは、PCで文書ファイルを閲覧するのと同様に、閲覧用画像データをページ毎に、ページ順に閲覧することが可能である。
【0063】
さらに、この文書閲覧アプリケーションは、閲覧した画像を携帯電話10内に保存させない機能を備えており、閲覧画像についてのセキュリティを確保している。即ち、表示用のメモリに記憶された閲覧画像は、閲覧(表示)を終了すると共に消去され、携帯電話10内に残ることがない。なお、インターネット30の外部のストレージ32から取得した文書データは、社内のストレージ22から取得した文書とは異なり、セキュリティについての問題は考える必要が無いため、メモリから消去しなくてもよい。
【0064】
このように、HTML文書内に、携帯電話から閲覧できないwordファイルやpdfファイルのリンクが存在する場合であっても、サーバにおいてリンク先を変更し、文書リンクが選択された場合には文書ファイルを画像に変換して携帯電話に送信することで、携帯電話においてこれらのファイルと同様の内容を閲覧することが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態では、要求されたWebページがHTML文書である場合について説明したが、XML、SML等のコンテンツファイルであっても本発明を適用することが可能である。
【0066】
また、本実施形態では、要求された文書について、ページごとに閲覧用画像を生成して送信したが、文書が選択された際に全ページについて閲覧用画像を生成し、全ての閲覧用画像を送信してもよい。この場合においても、閲覧を終了した後は携帯電話10内には閲覧用画像は残さない。
【0067】
さらに、本実施形態では、Webページの変換ルールは機種情報に応じて存在しているが、機種によらずに一定の変換ルールを用いてもよい。この場合は、文書データへのリンクは、文書データの所在情報を付帯してドキュメント変換サーバ24へリンクさせるように変換する。文書リンクが選択された場合には、ドキュメント変換サーバ24において携帯電話10の機種を判別し、判別した機種情報に対応した文書閲覧アプリケーションを携帯電話10に送信すればよい。
【0068】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の文書リンク変換システム100の動作について、図5を用いて説明する。なお、図2のフローチャートと共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第2の実施形態では、携帯電話10は、文書閲覧アプリケーションを用いずに、文書データに対応するhtml文書等の文書閲覧VIEWを図示しない表示部に表示する。
【0069】
携帯電話10による文書リンクの選択に応じて、ドキュメント変換サーバ24が選択された文書ファイルの閲覧用画像を生成するまでは、第1の実施形態と同様である(ステップS21〜S29)。
【0070】
第2の実施形態の文書リンク変換システム100は、その後、文書閲覧VIEWを生成し(ステップS51)、携帯電話10へ送信する(ステップS52)。
【0071】
携帯電話10は、この文書閲覧VIEWを受信し、図示しない表示部に受信した文書閲覧VIEWを表示する(ステップS42)。ユーザは、この文書閲覧VIEWを閲覧することにより、指定したwordファイルやpdfファイルと同様の内容を閲覧することができる。
【0072】
その後、ユーザによって該当文書のページ遷移を行う操作が行われた場合には、携帯電話10は、遷移先のページの文書閲覧VIEWを要求する。ドキュメント変換サーバ24は、要求されたページについての文書閲覧VIEWを生成し、送信する(ステップS53)。
【0073】
このように構成することで、文書閲覧アプリケーションを用いない場合であっても、ユーザは、文書閲覧VIEWを閲覧することにより、指定したwordファイルやpdfファイルと同様の内容を閲覧することができる。
【0074】
本明細書においては、ユーザが使用する機器について携帯電話10を例に説明したが、本発明は、PDAやデジタルカメラ等の、Web接続可能であるがwordファイルやpdfファイルが閲覧不可能な機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
10…携帯電話、20…イントラネット、21…社内Webシステム、22…文書管理ストレージ、23…中継サーバ、24…ドキュメント変換サーバ、25…閲覧用画像管理ストレージ、30…インターネット、31…Webシステム、32…文書管理ストレージ、100…文書リンク変換システム、110…文書リンク変換サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセス元からの要求に応じてウェブページを取得する手段と、
文書リンク変換ルールに基づいて前記ウェブページ内の文書リンクを変換する手段と、
前記アクセス元に、前記変換したウェブページを提供する手段と、
前記アクセス元において前記変換したウェブページから選択された文書リンクの情報を取得する手段と、
前記取得した文書リンクの情報に基づいて、該文書リンクの文書データの閲覧用画像データを生成する手段と、
前記閲覧用画像データを前記アクセス元に提供する手段と、
を備えたことを特徴とする文書リンク変換サーバ。
【請求項2】
端末種別に応じた文書リンク変換ルールを管理する管理手段と、
前記アクセス元の端末種別を認識する手段と、
前記認識した端末種別に応じて前記管理手段から文書リンク変換ルールを取得する手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の文書リンク変換サーバ。
【請求項3】
前記生成した閲覧用画像データを記録する手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の文書リンク変換サーバ。
【請求項4】
前記認識した端末種別毎に前記閲覧用画像データを記録することを特徴とする請求項3に記載の文書リンク変換サーバ。
【請求項5】
前記生成手段は、文書データのページ毎に閲覧用画像データを生成し、
前記閲覧用画像データを前記アクセス元に提供する手段は、ページ毎に前記閲覧用画像データを提供することを特徴とする請求項1から4に記載の文書リンク変換サーバ。
【請求項6】
ウェブページの閲覧を要求する手段と、
前記要求したウェブページのデータを取得する手段と、
前記データに基づいてウェブページを表示手段に表示する手段と、
前記表示したウェブページに存在するリンク情報から文書リンクを選択する手段と、
前記選択した文書リンクに該当する文書の閲覧用画像データを取得する手段と、
前記取得した閲覧用画像データを前記表示手段に表示する手段と、
を備えた携帯端末と、
前記要求されたウェブページを取得する手段と、
端末種別に応じた文書リンク変換ルールを管理する管理手段と、
前記携帯端末の端末種別を認識する手段と、
前記認識した端末種別に応じて前記管理手段から文書リンク変換ルールを取得する手段と、
前記取得した文書リンク変換ルールにしたがって前記ウェブページ内の文書リンクを変換する手段と、
前記変換したウェブページを前記携帯端末に送信する手段と、
前記携帯端末において前記変換したウェブページから選択された文書リンクの情報を取得する手段と、
前記取得した文書リンクの情報にしたがって、該文書リンクの文書データの閲覧用画像データを生成する手段と、
前記生成した閲覧用画像データを前記携帯端末に提供する手段と、
を備えたサーバと、
を備えたことを特徴とする文書リンク変換システム。
【請求項7】
前記携帯端末は、文書閲覧用アプリケーションを用いて閲覧用画像データを前記表示手段に表示することを特徴とする請求項6に記載の文書リンク変換システム。
【請求項8】
前記文書閲覧用アプリケーションは、閲覧終了後に前記閲覧用画像データを再表示不可能に消去することを特徴とする請求項7に記載の文書リンク変換システム。
【請求項9】
前記文書閲覧用アプリケーションは、前記サーバから前記携帯端末に提供されることを特徴とする請求項7又は8に記載の文書リンク変換システム。
【請求項10】
アクセス元からの要求に応じてウェブページを取得する工程と、
文書リンク変換ルールに基づいて前記ウェブページ内の文書リンクを変換する工程と、
前記アクセス元に、前記変換したウェブページを提供する工程と、
前記アクセス元において前記変換したウェブページから選択された文書リンクの情報を取得する工程と、
前記取得した文書リンクの情報に基づいて、該文書リンクの文書データの閲覧用画像データを生成する工程と、
前記閲覧用画像データを前記アクセス元に提供する工程と、
を備えたことを特徴とする文書リンク変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−53890(P2011−53890A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201731(P2009−201731)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】