説明

文書作成装置

【目的】本発明の目的は、書式設定画面を利用して書式設定を行なう文書作成装置において、書式設定に必要な入力操作の効率化を図ることができる装置を提供することにある。
【構成】CPU1はキーボード2による書式設定の指示に応じて、例えば書式設定項目の指定用紙サイズに応じた印刷範囲の標準値、指定文字サイズに応じた文字パターン、指定改行量に応じた文字パターン列等のイメージデータを含む書式設定画面のレイアウトを設定し、その書式設定画面をディスプレイ4のウィンドウ画面に表示する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウィンドウ表示機能を備えた文書作成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本語ワードプロセッサ等の文書作成装置では、文書作成・編集処理を実行する上で、印刷様式を設定するための書式設定の機能が設けられている。
【0003】書式設定を行なう場合には、用紙サイズ、1行字数、1頁行数、文字サイズ、改行量等の書式項目からなる書式設定画面をディスプレイの画面上に表示し、カーソルにより各項目毎に設定する方式が一般的である。
【0004】ところで、書式設定画面は、通常では例えば文書入力画面とは別の画面である。このため、キーボードの機能キーの操作により、文書入力画面から書式設定画面に、画面を切換えるための入力操作が必要である。
【0005】また、書式項目の中には、単なる数値だけでは、具体的なイメージを把握することが困難であり、実際に印刷した後に、不適当な場合には再設定を行なう場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の書式設定方式では、文書入力画面とは別の書式設定画面を表示することにより、各種の書式項目が設定される。このため、画面切換え操作が必要となり、入力操作の効率化を妨げる要因の一つである。また、例えば文字サイズのように、書式項目の中には、単なる数値だけでは、具体的なイメージを把握することが困難なものがある。このため、不適当な場合の再設定の頻度が高くなり、前記と同様に、入力操作の効率化を妨げる要因となっている。
【0007】本発明の目的は、書式設定画面を利用して書式設定を行なう文書作成装置において、書式設定に必要な入力操作の効率化を図ることができる装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ウィンドウ表示機能を利用して書式設定画面を表示する文書作成装置において、書式設定項目のメッセージと所定の項目に対応するイメージデータを含む書式設定画面を表示する制御手段を備えている。
【0009】
【作用】本発明では、制御手段は入力手段による書式設定の指示に応じて、例えば書式設定項目の指定用紙サイズに応じた印刷範囲の標準値、指定文字サイズに応じた文字パターン、指定改行量に応じた文字パターン列等のイメージデータを含む書式設定画面のレイアウトを設定し、ウィンドウ画面に表示する。
【0010】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0011】図1は、同実施例に係わる文書作成装置の要部を示すブロック図である。本装置は、制御部(CPU)1、キーボード2、ディスプレイ4、フロッピーディスク装置(FDD)6、プリンタ8、ROM(リードオンリメモリ)10およびRAM(リード/ライトメモリ)11を備えている。
【0012】CPU1は、装置全体の制御、文書作成・編集処理、カーソル制御および本発明に係わる書式設定機能を実行するマイクロプロセッサである。キーボード2は各種文字キー及び各種機能キー以外に、カーソルキー2a、選択/実行キー2b及び機能キー2cを有する。キーボードコントローラ3は、キーボード2のインターフェースを構成し、キーボード2のキー入力に応じたキーコードを出力する。
【0013】ディスプレイ4は、表示コントローラ5の制御により、文書入力画面およびウィンドウ画面等を表示するための画面を有する。FDD6は、ディスクコントローラ(FDC)7の制御により、CPU1から転送される文書データ等をファイルする外部記憶装置である。
【0014】プリンタ8は、印刷制御部9の制御により作成された文書データを印刷する。ROM10は、CPU1の動作を決定するプログラム10aおよび文字パターン10b等を格納している。RAM11は、書式設定用のメッセージデータを格納するエリア11a、書式設定画面のレイアウト内容を格納するためのエリア11b、拡大文字パターンを格納するエリア11c、改行量に対応するパターンデータを格納するエリア11dおよび印刷範囲に相当するパターンデータを格納するエリア11eを有する。
【0015】次に、同実施例の動作を説明する。
【0016】先ず、キーボード2の所定の機能キー2cの操作により、CPU1は、図3に示すように、書式設定画面をディスプレイ4に表示する動作を実行する(図2R>2のステップS1)。このとき、ディスプレイ4は、例えば文書入力画面を表示しており、キーボード2からの指示に応じて書式設定画面を、文書入力画面のウィンドウ画面として表示する。
【0017】CPU1は、指示された書式設定画面の各項目に対応するメッセージデータをRAM11のエリア11aに格納する。具体的には、図3に示すように、用紙サイズ、1行字数、1頁行数、文字サイズ等の書式設定項目に対応するメッセージが格納される。
【0018】CPU1は、RAM11のエリア11aからメッセージデータを読出し(ステップS2)、このメッセージデータとイメージデータとを配列したレイアウト内容を作成して、RAM11のエリア11bに格納する。CPU1は作成したレイアウト内容を、ディスプレイ4の画面上のウィンドウ画面内に表示するように制御する。イメージデータは、文字サイズに相当する文字パターンであり、用紙サイズに対応する1頁分のレイアウト表示イメージデータであり、また改行量に相当する文字パターン列である。各イメージデータは、それぞれRAM11のエリア11c〜11eに格納される。
【0019】ここで、書式設定の具体的動作として、キーボード2のカーソルキー2aの操作により、用紙サイズ(例えばA4)が設定されると(ステップS2のYES)、用紙に対する印刷範囲に相当する1頁分のレイアウト表示イメージデータを設定画面上に表示する。さらに、1行字数、1頁行数の各標準値を表示する(ステップS3)。
【0020】さらに、文字サイズ(例えば標準を10ポイントとする)が設定されると(ステップS4のYES)、指定された文字パターンを表示する(ステップS5)。具体的には、図3に示すように、指定されたサイズの文字パターン「あ」をイメージとして表示する。また、改行量が設定されると(ステップS6のYES)、指定された改行量の文字パターン列からなるイメージデータを表示する(ステップS7)。具体的には、図3に示すように、複数行の文字パターン「A」をイメージとして表示する。このような各項目をカーソルにより指定し、キーボード2の選択/実行キー2bを操作すると(ステップS8のYES)、CPU1は書式設定処理を実行することになる(ステップS9)。
【0021】このようにして、書式設定画面をウィンドウ表示機能を利用して、ウィンドウ画面内に表示する。したがって、例えば文書入力画面から書式設定画面に画面切換えを行なう必要がないため、書式設定における入力操作の効率化を図ることができる。さらに、書式設定画面上に、文字サイズ等の所定項目に対応して、単に数値だけでなく、項目内容に応じたイメージデータを表示することにより、設定項目の内容を具体的に把握することができる。
【0022】なお、文書入力画面のウィンドウ表示を利用して書式設定を行なう場合に、現在作成中の文書データの書式が変更されることになる。そこで、図4に示すように、作成中の文書がFDD6に未保存であることを指示するメッセージを、ウィンドウ表示するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、書式設定画面をウィンドウ表示機能を利用して表示する。したがって、書式設定画面のための画面切換え操作は不要となる。また、書式設定画面上に、文字サイズ等の所定項目の項目内容に応じたイメージデータを表示することにより、設定項目の内容を具体的に把握することができる。したがって、不適当な書式設定の頻度を低下させることができるため、結果的に書式設定における入力操作の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる文書作成装置の要部を示すブロック図。
【図2】同実施例の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】同実施例の動作を説明するための表示画面の一例を示す概念図。
【図4】同実施例の動作を説明するための表示画面の一例を示す概念図。
【符号の説明】
1…CPU、2…キーボード、4…ディスプレイ、10…ROM、11…RAM。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ウィンドウ表示機能を備えた文書作成装置において、書式設定の指示を入力するための入力手段と、この入力手段による書式設定の指示に応じて、書式設定項目のメッセージと所定の項目に対応するイメージデータを含む書式設定画面のレイアウトを設定し、ウィンドウ画面に表示する制御手段とを具備したことを特徴とする文書作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平5−94443
【公開日】平成5年(1993)4月16日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平3−278550
【出願日】平成3年(1991)9月30日
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)