説明

文書処理装置、文書処理方法、及び、プログラム

【課題】状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することが可能な文書処理装置を提供すること。
【解決手段】文書処理装置100は、文書に対して文書危険度を算出し(101)、ディレクトリに対してディレクトリ危険度を算出し(102)、ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の中間状態、のいずれであるかをディレクトリ危険度に基づいて特定し(103)、文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい危険状態、及び、当該危険状態以外の非危険状態、のいずれであるかを、上記特定されたディレクトリの状態と、文書危険度と、に基づいて特定する(104)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書を記憶する記憶装置を備える文書処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文字列、及び/又は、図形等を含む文書(を表す情報)を記憶する記憶装置を備える文書処理装置が知られている。この種の文書処理装置の一つとして、特許文献1に記載の文書処理装置は、階層(ツリー)構造を有する複数のディレクトリ(フォルダ)を含むファイルシステムを有する。
【0003】
文書処理装置は、各文書をいずれかのディレクトリに配置した状態にて当該文書を記憶する。文書処理装置は、ディレクトリ毎に、当該ディレクトリからの情報の漏えいのしやすさを表すディレクトリ危険度を算出する。そして、文書処理装置は、算出されたディレクトリ危険度が高い順に並べてディレクトリの一覧を表示する。これによれば、ユーザは、情報が漏えいしやすいディレクトリを容易に認識することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−209649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、文書からの情報の漏えいのしやすさを表す文書危険度は、文書に含まれる情報によって異なる。例えば、文書がテキストデータである場合、文書がバイナリデータである場合よりも、情報が漏えいしやすい。従って、情報が漏えいしにくいディレクトリに配置されている文書であっても、文書危険度が比較的高い場合には、当該文書の状態は、情報が漏えいしやすい危険状態である、と言うことができる。
【0006】
しかしながら、上記文書処理装置は、ディレクトリ毎にディレクトリ危険度に応じた情報を出力しているので、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができない虞があった。
【0007】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができない場合が生じること」を解決することが可能な文書処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である文書処理装置は、階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える装置である。
【0009】
更に、この文書処理装置は、
上記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出する文書危険度算出手段と、
上記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出するディレクトリ危険度算出手段と、
上記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、上記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定するディレクトリ状態特定手段と、
上記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、上記特定されたディレクトリの状態と、上記算出された文書危険度と、に基づいて特定する文書状態特定手段と、
を備える。
【0010】
また、本発明の他の形態である文書処理方法は、
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える文書処理装置に適用され、
上記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出し、
上記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出し、
上記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、上記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定し、
上記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、上記特定されたディレクトリの状態と、上記算出された文書危険度と、に基づいて特定する方法である。
【0011】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える情報処理装置に、
上記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出する文書危険度算出手段と、
上記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出するディレクトリ危険度算出手段と、
上記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、上記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定するディレクトリ状態特定手段と、
上記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、上記特定されたディレクトリの状態と、上記算出された文書危険度と、に基づいて特定する文書状態特定手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成されることにより、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る文書処理装置の機能を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る文書処理装置のCPUが実行する権限度算出プログラムを示したフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態に係る文書処理装置が算出する文書危険度及びディレクトリ危険度を概念的に示した説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る文書処理装置のCPUが実行する状態特定プログラムを示したフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態に係る文書処理装置が算出する文書危険度及びディレクトリ危険度を概念的に示した説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る文書処理装置のCPUが実行する配置処理実行プログラムを示したフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る文書処理装置の機能を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る、文書処理装置、文書処理方法、及び、プログラム、の各実施形態について図1〜図7を参照しながら説明する。
【0015】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る文書処理装置1は、情報処理装置としてのパーソナル・コンピュータである。なお、文書処理装置1は、サーバ装置、携帯電話端末、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance、Personal Digital Assistant)、カーナビゲーション端末、又は、ゲーム端末等であってもよい。
【0016】
文書処理装置1は、図示しない中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)、記憶装置(メモリ及びハードディスク駆動装置(HDD;Hard Disk Drive))、入力装置及び出力装置を備える。文書処理装置1は、階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有する。
【0017】
記憶装置は、ファイルシステムに従って、複数のディレクトリの1つに配置されたファイルを記憶する。各ディレクトリは、名前(ディレクトリ名)を有する。また、各ディレクトリに対して、当該ディレクトリへのアクセス(読み出し、及び、書き込み等)を許可するユーザを定めるアクセス権限が設定されている。同様に、各ファイルは、名前(ファイル名)を有する。また、各ファイルに対して、当該ファイルへのアクセス(読み出し、及び、書き込み等)を許可するユーザを定めるアクセス権限が設定されている。
【0018】
出力装置は、ディスプレイを有する。出力装置は、CPUから出力された画像情報に基づいて、文字及び図形等からなる画像をディスプレイに表示させる。
入力装置は、キーボード及びマウスを有する。文書処理装置1は、キーボード及びマウスを介して、ユーザの操作に基づく情報が入力されるように構成されている。
【0019】
文書処理装置1は、記憶装置に記憶されているプログラムをCPUが実行することにより、後述する機能を実現するように構成されている。
【0020】
(機能)
図1は、上記のように構成された文書処理装置1の機能を表すブロック図である。
文書処理装置1の機能は、文書記憶部11と、文書危険度算出部(文書危険度算出手段)12と、キーワード記憶部13と、ディレクトリ危険度算出部(ディレクトリ危険度算出手段)14と、ディレクトリ状態特定部(ディレクトリ状態特定手段)15と、状態記憶部16と、文書状態特定部(文書状態特定手段)17と、危険文書通知部(危険文書通知手段)18と、危険ディレクトリ通知部(危険ディレクトリ通知手段)19と、指示情報受付部(指示情報受付手段)20と、配置処理実行部(配置処理実行手段)21と、配置処理抑制部(第1の配置処理抑制手段、及び、第2の配置処理抑制手段)22と、を含む。なお、文書記憶部11、キーワード記憶部13、及び、状態記憶部16のそれぞれは、記憶装置により実現される機能である。
【0021】
文書記憶部11は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリの1つに配置されたファイルとしての文書(文書を表す文書情報)を記憶する。文書は、文字列を含む。なお、文書処理装置1は、メタデータとして文字列を含み、且つ、静止画像又は動画像を表す画像情報を文書として用いるように構成されていてもよい。
【0022】
文書危険度算出部12は、文書記憶部11に記憶されている文書のそれぞれに対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度(文書危険度)を算出する。本例では、文書危険度算出部12は、上述した特許文献1に記載の方法を用いて文書危険度を算出する。
【0023】
具体的には、文書危険度算出部12は、文書が予め設定されたキーワードを含むか否か(キーワードマッチ)という基準と、文書が予め設定された正規表現を含むか否かという基準と、文書が予め設定された画像(例えば、図形、及び、グラフ等)を含むか否かという基準と、文書に対して設定されているアクセス権限と、に基づいて文書危険度を算出する。例えば、文書危険度算出部12は、文書へのアクセスが許可されたユーザの数が多くなるほど高くなる値を文書危険度として算出する。
【0024】
キーワード記憶部13は、ユーザにより入力装置を介して入力されたキーワードを記憶する。キーワード記憶部13は、キーワードと、補正の方向を表す補正方向情報と、を対応付けて記憶している。補正の方向は、ディレクトリ危険度を大きくする方向、又は、ディレクトリ危険度を小さくする方向、である。
【0025】
ディレクトリ危険度算出部14は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度(ディレクトリ危険度)を算出する。
【0026】
本例では、先ず、ディレクトリ危険度算出部14は、ディレクトリ危険度を算出する処理の対象となるディレクトリに配置された文書に対して文書危険度算出部12によって算出された文書危険度の平均値を、当該ディレクトリに対するディレクトリ危険度として算出する。
【0027】
更に、ディレクトリ危険度算出部14は、ディレクトリの名前が、キーワード記憶部13に記憶されているキーワードを含む場合、当該ディレクトリに対して算出されたディレクトリ危険度を補正する。ディレクトリ危険度算出部14は、キーワードと対応付けて記憶されている補正方向情報が表す補正の方向に従ってディレクトリ危険度を補正する。本例では、ディレクトリ危険度算出部14は、予め設定された補正量だけディレクトリ危険度を補正する(増加又は減少させる)。
【0028】
ところで、ディレクトリの状態は、当該ディレクトリの名前と強い相関を有する。従って、このように文書処理装置1を構成することにより、高い精度にてディレクトリ危険度を算出することができる。
【0029】
更に、ディレクトリ危険度算出部14は、ディレクトリに対して算出されるディレクトリ危険度を、権限度に基づいて補正する。権限度は、ディレクトリに対して設定され、且つ、当該ディレクトリに配置された文書へのアクセスしやすさを表す値である。
【0030】
本例では、権限度は、当該ディレクトリへのアクセスが許可されたユーザの数を、文書処理装置1を利用するユーザの総数により除した値である。即ち、権限度は、0から1までの実数である。権限度が大きくなることは、当該ディレクトリへのアクセスが許可されたユーザの数が多くなることに対応している。
【0031】
具体的には、先ず、ディレクトリ危険度算出部14は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して権限度を算出する。そして、ディレクトリ危険度算出部14は、ディレクトリに対して算出(補正)されたディレクトリ危険度に、当該ディレクトリに対して算出された権限度を乗じた値に、当該ディレクトリ危険度を補正する。これにより、ディレクトリ危険度は、アクセスが許可されたユーザの数が少ないディレクトリに対するディレクトリ危険度ほど小さくなるように補正される。
【0032】
ところで、ディレクトリの状態は、当該ディレクトリに配置された文書へのアクセスしやすさと強い相関を有する。従って、このように文書処理装置1を構成することにより、高い精度にてディレクトリ危険度を算出することができる。
【0033】
更に、ディレクトリ危険度算出部14は、ディレクトリに対して算出されるディレクトリ危険度を、当該ディレクトリの上位のディレクトリに対して算出されるディレクトリ危険度に基づいて補正する。
【0034】
具体的には、ディレクトリ危険度算出部14は、最上位のディレクトリから下位へ向かって順に、各ディレクトリに対して、補正処理を行う。この補正処理は、補正処理の対象となるディレクトリに対して算出されたディレクトリ危険度(対象危険度)が、当該ディレクトリの上位のディレクトリに対して算出されたディレクトリ危険度(上位危険度)よりも小さい場合に、対象危険度を上位危険度と同じ値に補正する処理である。
【0035】
ところで、ディレクトリの状態は、当該ディレクトリの上位のディレクトリの状態と強い相関を有する。従って、このように文書処理装置1を構成することにより、高い精度にてディレクトリ危険度を算出することができる。
【0036】
ディレクトリ状態特定部15は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して、当該ディレクトリの状態が、危険状態、安全状態、及び、中間状態のいずれであるかを、ディレクトリ危険度算出部14により算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定する。
【0037】
危険状態は、ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である。安全状態は、ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である。中間状態は、危険状態及び安全状態以外の状態である。
【0038】
本例では、ディレクトリ状態特定部15は、ディレクトリに対して算出されたディレクトリ危険度が、予め設定された第1の閾値(本例では、0.8)よりも大きい場合、当該ディレクトリの状態が危険状態であると特定する。また、ディレクトリ状態特定部15は、ディレクトリに対して算出されたディレクトリ危険度が、予め設定された第2の閾値(本例では、0.2)よりも小さい場合、当該ディレクトリの状態が安全状態であると特定する。第2の閾値は、第1の閾値よりも小さい値である。
【0039】
状態記憶部16は、ディレクトリ状態特定部15により特定されたディレクトリの状態を表すディレクトリ状態情報を記憶する。
【0040】
文書状態特定部17は、文書記憶部11に記憶されている文書のそれぞれに対して、当該文書の状態が、危険状態、及び、非危険状態、のいずれであるかを、ディレクトリ状態特定部15により特定されたディレクトリの状態と、文書危険度算出部12により算出された文書危険度と、に基づいて特定する。危険状態は、文書から情報が漏えいしやすい状態である。非危険状態は、危険状態以外の状態である。
【0041】
具体的には、文書状態特定部17は、第1の条件〜第3の条件のいずれか1つが成立する場合、状態を特定する処理の対象となる文書(処理対象文書)の状態が危険状態であると特定し、第1の条件〜第3の条件のいずれもが成立しない場合、処理対象文書の状態が非危険状態であると特定する。
【0042】
第1の条件は、処理対象文書が配置されたディレクトリの状態が、危険状態又は中間状態であると特定され、且つ、処理対象文書に対して算出された文書危険度が、当該ディレクトリに対して算出されたディレクトリ危険度よりも大きい、という条件である。
第2の条件は、処理対象文書が配置されたディレクトリの状態が、危険状態であると特定された、という条件である。
第3の条件は、処理対象文書に対して算出された文書危険度が予め設定された文書危険閾値(本例では、0.9)よりも大きい、という条件である。
【0043】
状態記憶部16は、文書状態特定部17により特定された文書の状態を表す文書状態情報を記憶する。
【0044】
危険文書通知部18は、状態記憶部16に記憶されている文書状態情報に基づいて、状態が危険状態であると文書状態特定部17により特定された文書をユーザに通知する。具体的には、危険文書通知部18は、状態が危険状態であると特定された文書を特定するための情報(例えば、ファイルのパス等)と、状態が危険状態である旨を表す情報と、を対応付けて出力装置を介して出力する。これによれば、状態が危険状態である文書をユーザに認識させることができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0045】
危険ディレクトリ通知部19は、状態記憶部16に記憶されているディレクトリ状態情報に基づいて、状態が危険状態であるとディレクトリ状態特定部15により特定されたディレクトリをユーザに通知する。
【0046】
具体的には、危険ディレクトリ通知部19は、状態が危険状態であると特定されたディレクトリを特定するための情報(例えば、ディレクトリのパス等)と、状態が危険状態である旨を表す情報と、を対応付けて出力装置を介して出力する。これによれば、状態が危険状態であるディレクトリをユーザに認識させることができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0047】
指示情報受付部20は、ユーザにより入力装置を介して入力された指示情報を受け付ける。指示情報は、配置文書としての文書を複数のディレクトリの1つである配置先ディレクトリに新たに配置する旨を指示する情報である。
【0048】
配置処理実行部21は、指示情報受付部20により指示情報が受け付けられた場合、配置文書を配置先ディレクトリに新たに配置するための配置処理を実行する。具体的には、配置処理実行部21は、配置先ディレクトリに配置されたファイルとしての配置文書を文書記憶部11に記憶させる処理を配置処理として実行する。
【0049】
配置処理抑制部22は、配置文書の状態が危険状態であると特定され、且つ、配置先ディレクトリの状態が危険状態又は中間状態であると特定された場合、配置処理実行部21による配置処理の実行を抑制(本例では、禁止)する。
これによれば、状態が危険状態である文書が増加することを防止することができる。
【0050】
更に、配置処理抑制部22は、配置先ディレクトリの状態が危険状態であると特定された場合、配置処理実行部21による配置処理の実行を抑制(本例では、禁止)する。
これによれば、状態が危険状態である文書が増加することを防止することができる。
【0051】
加えて、配置処理抑制部22は、配置処理の実行を抑制した場合に、その旨をユーザに通知する。具体的には、配置処理抑制部22は、配置処理の実行を抑制した場合に、その旨を表す抑制通知情報を出力装置を介して出力する。
【0052】
(作動)
次に、上述した文書処理装置1の作動について説明する。
文書処理装置1のCPUは、図2にフローチャートにより示した権限度算出プログラムを実行するようになっている。
【0053】
具体的に述べると、文書処理装置1は、権限度算出プログラムの処理を開始すると、ユーザにより入力装置を介して入力されたキーワード及び補正方向情報を受け付ける。そして、文書処理装置1は、受け付けたキーワード及び補正方向情報を互いに対応付けて記憶装置に記憶させる(即ち、キーワードを設定する)(ステップS101)。
【0054】
次いで、文書処理装置1は、ユーザにより入力装置を介して入力され、且つ、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対するアクセス権限を表すアクセス権限情報を受け付ける。そして、文書処理装置1は、受け付けたアクセス権限情報を記憶装置に記憶させる(即ち、アクセス権限を設定する)(ステップS102)。
【0055】
そして、文書処理装置1は、記憶されているアクセス権限情報に基づいて、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して権限度を算出する(ステップS103)。例えば、図3の(A)に示したように、文書処理装置1は、ディレクトリAに対する権限度として0.9を算出する。
その後、文書処理装置1は、権限度算出プログラムの処理を終了する。
【0056】
更に、文書処理装置1のCPUは、図4にフローチャートにより示した状態特定プログラムを実行するようになっている。
【0057】
具体的に述べると、文書処理装置1は、状態特定プログラムの処理を開始すると、記憶装置に記憶されている文書のそれぞれに対して、文書危険度を算出する(ステップS201)。例えば、文書処理装置1は、図3の(B)に示したように、ディレクトリAに配置された文書1に対する文書危険度として0.7を算出し、文書2に対する文書危険度として0.5を算出する。
【0058】
次いで、文書処理装置1は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して、当該ディレクトリに配置された文書に対して算出された文書危険度の平均値を、当該ディレクトリに対するディレクトリ危険度として算出する(ステップS202)。例えば、文書処理装置1は、図3の(B)に示したように、ディレクトリAに対するディレクトリ危険度として0.8を算出する。
【0059】
次いで、文書処理装置1は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して、当該ディレクトリの名前と、記憶装置に記憶されているキーワード及び補正方向情報と、に基づいて、ステップS202にて算出されたディレクトリ危険度を補正する(ステップS203)。
【0060】
次いで、文書処理装置1は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して、ステップS203にて補正されたディレクトリ危険度を、当該ディレクトリに対して算出された権限度に基づいて補正する(ステップS204)。例えば、文書処理装置1は、図3の(C)に示したように、ディレクトリAに対するディレクトリ危険度として0.72を算出する。
【0061】
そして、文書処理装置1は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して、ステップS204にて補正されたディレクトリ危険度を、当該ディレクトリの上位のディレクトリに対して算出されたディレクトリ危険度に基づいて補正する(ステップS205)。
【0062】
次いで、文書処理装置1は、ファイルシステムを構成する複数のディレクトリのそれぞれに対して、当該ディレクトリの状態が、危険状態、安全状態、及び、中間状態のいずれであるかを、ステップS205にて補正されたディレクトリ危険度に基づいて特定する(ステップS206)。
【0063】
いま、図5に示したように、ディレクトリAに対するディレクトリ危険度が0.9であり、ディレクトリBに対するディレクトリ危険度が0.08であり、ディレクトリCに対するディレクトリ危険度が0.5である場合を想定する。また、上述したように、第1の閾値が0.8であり、第2の閾値が0.2である場合を想定する。この場合、文書処理装置1は、ディレクトリAの状態が危険状態であり、ディレクトリBの状態が安全状態であり、ディレクトリCの状態が中間状態である、と特定する。
【0064】
そして、文書処理装置1は、記憶装置に記憶されている文書のそれぞれに対して、当該文書の状態が、危険状態、及び、非危険状態、のいずれであるかを、ステップS206にて特定されたディレクトリの状態と、ステップS201にて算出された文書危険度と、に基づいて特定する(ステップS207)。
【0065】
いま、図5に示したように、文書10に対する文書危険度が1.0であり、文書28に対する文書危険度が0.7である場合を想定する。また、上述したように、文書危険閾値が0.9である場合を想定する。
【0066】
この場合、文書処理装置1は、状態が危険状態であるディレクトリAに配置されているため、文書1〜文書9のそれぞれの状態が危険状態であると特定する。更に、文書処理装置1は、文書危険度が文書危険閾値よりも大きいため、文書10の状態が危険状態であると特定する。加えて、文書処理装置1は、状態が中間状態であるディレクトリCに配置され、且つ、ディレクトリCのディレクトリ危険度よりも文書危険度が大きいため、文書28の状態が危険状態であると特定する。
【0067】
次いで、文書処理装置1は、ステップS207にて、状態が危険状態であると特定された文書をユーザに通知する(ステップS208)。そして、文書処理装置1は、ステップS206にて、状態が危険状態であると特定されたディレクトリをユーザに通知する(ステップS209)。その後、文書処理装置1は、状態特定プログラムの処理を終了する。
【0068】
更に、文書処理装置1のCPUは、図6にフローチャートにより示した配置処理実行プログラムを実行するようになっている。
【0069】
具体的に述べると、文書処理装置1は、配置処理実行プログラムの処理を開始すると、指示情報を受け付けるまで待機する(ステップS301)。そして、文書処理装置1は、ユーザにより入力された指示情報を受け付けると、「Yes」と判定してステップS302へ進む。
【0070】
次いで、文書処理装置1は、指示情報が表す配置先ディレクトリの状態が危険状態であると特定されたか否かを判定する(ステップS302)。
いま、配置先ディレクトリの状態が危険状態であると特定された場合を想定する。この場合、文書処理装置1は、「Yes」と判定してステップS304へ進み、抑制通知情報を出力装置を介して出力する。
【0071】
そして、文書処理装置1は、配置処理を実行することなくステップS301へ戻り、ステップS301〜ステップS305の処理を繰り返し実行する。
【0072】
次に、配置先ディレクトリの状態が危険状態でないと特定された場合を想定する。この場合、文書処理装置1は、ステップS302にて「No」と判定してステップS303へ進む。
【0073】
そして、文書処理装置1は、配置先ディレクトリの状態が中間状態であると特定され、且つ、配置文書の状態が危険状態であると特定されたか否かを判定する(ステップS303)。
いま、配置先ディレクトリの状態が中間状態であると特定され、且つ、配置文書の状態が危険状態であると特定された場合を想定する。この場合、文書処理装置1は、「Yes」と判定してステップS304へ進み、抑制通知情報を出力装置を介して出力する。
【0074】
そして、文書処理装置1は、配置処理を実行することなくステップS301へ戻り、ステップS301〜ステップS305の処理を繰り返し実行する。
【0075】
次に、配置先ディレクトリの状態が安全状態であると特定された場合、又は、配置文書の状態が非危険状態であると特定された場合、を想定する。この場合、文書処理装置1は、ステップS303にて「No」と判定してステップS305へ進む。
【0076】
そして、文書処理装置1は、配置処理を実行する。その後、文書処理装置1は、ステップS301へ戻り、ステップS301〜ステップS305の処理を繰り返し実行する。
【0077】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る文書処理装置1によれば、情報が漏えいしにくいディレクトリに配置されている文書であっても、文書危険度が比較的高い場合には、当該文書の状態が、情報が漏えいしやすい危険状態である、と特定することができる。即ち、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0078】
更に、第1実施形態に係る文書処理装置1は、ディレクトリの状態が、危険状態又は中間状態であると特定された場合において、当該ディレクトリに配置された文書に対して算出された文書危険度が、当該ディレクトリに対して算出された前記ディレクトリ危険度よりも大きいとき、当該文書の状態が危険状態であると特定する。
【0079】
ところで、ディレクトリの状態が安全状態でない場合において、当該ディレクトリに配置された文書の文書危険度が当該ディレクトリのディレクトリ危険度よりも大きいとき、当該文書から情報が漏えいしやすい。従って、文書処理装置1によれば、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0080】
更に、第1実施形態に係る文書処理装置1は、ディレクトリの状態が、危険状態であると特定された場合、当該ディレクトリに配置された文書の状態が危険状態であると特定する。
ところで、ディレクトリの状態が危険状態である場合、ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい。従って、文書処理装置1によれば、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0081】
更に、第1実施形態に係る文書処理装置1は、文書に対して算出された文書危険度が予め設定された文書危険閾値よりも大きい場合、当該文書の状態が危険状態であると特定する。
ところで、文書が配置されたディレクトリの状態にかかわらず、文書危険度が比較的大きい文書から、情報が漏えいしやすい。従って、文書処理装置1によれば、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0082】
なお、第1実施形態の変形例に係る文書処理装置1の機能は、危険文書通知部18及び危険ディレクトリ通知部19を含んでいなくてもよい。また、第1実施形態の変形例に係る文書処理装置1の機能は、配置処理抑制部22を含んでいなくてもよい。
【0083】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る文書処理装置について図7を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る文書処理装置100は、階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える装置である。
【0084】
更に、この文書処理装置100は、
上記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出する文書危険度算出部(文書危険度算出手段)101と、
上記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出するディレクトリ危険度算出部(ディレクトリ危険度算出手段)102と、
上記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、上記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定するディレクトリ状態特定部(ディレクトリ状態特定手段)103と、
上記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、上記特定されたディレクトリの状態と、上記算出された文書危険度と、に基づいて特定する文書状態特定部(文書状態特定手段)104と、
を備える。
【0085】
これによれば、情報が漏えいしにくいディレクトリに配置されている文書であっても、文書危険度が比較的高い場合には、当該文書の状態が、情報が漏えいしやすい危険状態である、と特定することができる。即ち、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0086】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0087】
なお、上記各実施形態において文書処理装置の各機能は、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されていたが、回路等のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0088】
また、上記各実施形態においてプログラムは、記憶装置に記憶されていたが、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0089】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0090】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0091】
(付記1)
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える文書処理装置であって、
前記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出する文書危険度算出手段と、
前記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出するディレクトリ危険度算出手段と、
前記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、前記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定するディレクトリ状態特定手段と、
前記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、前記特定されたディレクトリの状態と、前記算出された文書危険度と、に基づいて特定する文書状態特定手段と、
を備える文書処理装置。
【0092】
これによれば、情報が漏えいしにくいディレクトリに配置されている文書であっても、文書危険度が比較的高い場合には、当該文書の状態が、情報が漏えいしやすい危険状態である、と特定することができる。即ち、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0093】
(付記2)
付記1に記載の文書処理装置であって、
前記文書状態特定手段は、前記ディレクトリの状態が、前記危険状態又は前記中間状態であると特定された場合において、当該ディレクトリに配置された文書に対して算出された前記文書危険度が、当該ディレクトリに対して算出された前記ディレクトリ危険度よりも大きいとき、当該文書の状態が前記危険状態であると特定するように構成された文書処理装置。
【0094】
ところで、ディレクトリの状態が安全状態でない場合において、当該ディレクトリに配置された文書の文書危険度が当該ディレクトリのディレクトリ危険度よりも大きいとき、当該文書から情報が漏えいしやすい。従って、上記のように文書処理装置を構成することにより、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0095】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の文書処理装置であって、
前記文書状態特定手段は、前記ディレクトリの状態が、前記危険状態であると特定された場合、当該ディレクトリに配置された文書の状態が前記危険状態であると特定するように構成された文書処理装置。
【0096】
ところで、ディレクトリの状態が危険状態である場合、ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい。従って、上記のように文書処理装置を構成することにより、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0097】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記文書状態特定手段は、前記文書に対して算出された前記文書危険度が予め設定された文書危険閾値よりも大きい場合、当該文書の状態が前記危険状態であると特定するように構成された文書処理装置。
【0098】
ところで、文書が配置されたディレクトリの状態にかかわらず、文書危険度が比較的大きい文書から、情報が漏えいしやすい。従って、上記のように文書処理装置を構成することにより、状態が危険状態である文書を高い精度にて特定することができる。
【0099】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
状態が前記危険状態であると特定された前記文書をユーザに通知する危険文書通知手段を備える文書処理装置。
【0100】
これによれば、状態が危険状態である文書をユーザに認識させることができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0101】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
状態が前記危険状態であると特定された前記ディレクトリをユーザに通知する危険ディレクトリ通知手段を備える文書処理装置。
【0102】
これによれば、状態が危険状態であるディレクトリをユーザに認識させることができる。この結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0103】
(付記7)
付記1乃至付記6のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
ユーザにより入力され、且つ、配置文書としての前記文書を前記複数のディレクトリの1つである配置先ディレクトリに新たに配置する旨を指示する指示情報を受け付ける指示情報受付手段と、
前記指示情報が受け付けられた場合、前記配置文書を前記配置先ディレクトリに新たに配置するための配置処理を実行する配置処理実行手段と、
を備える文書処理装置。
【0104】
(付記8)
付記7に記載の文書処理装置であって、
前記配置文書の状態が前記危険状態であると特定され、且つ、前記配置先ディレクトリの状態が前記危険状態又は前記中間状態であると特定された場合、前記配置処理の実行を抑制する第1の配置処理抑制手段を備える文書処理装置。
【0105】
これによれば、状態が危険状態である文書が増加することを防止することができる。
【0106】
(付記9)
付記7又は付記8に記載の文書処理装置であって、
前記配置先ディレクトリの状態が前記危険状態であると特定された場合、前記配置処理の実行を抑制する第2の配置処理抑制手段を備える文書処理装置。
【0107】
これによれば、状態が危険状態である文書が増加することを防止することができる。
【0108】
(付記10)
付記1乃至付記9のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記ディレクトリ危険度算出手段は、前記ディレクトリに配置された前記文書に対して算出された前記文書危険度の平均値を、当該ディレクトリに対する前記ディレクトリ危険度として算出するように構成された文書処理装置。
【0109】
(付記11)
付記1乃至付記10のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記ディレクトリ危険度算出手段は、ユーザにより入力されたキーワードを受け付けるとともに、前記ディレクトリの名前が、当該受け付けられたキーワードを含む場合、当該ディレクトリに対して算出された前記ディレクトリ危険度を補正するように構成された文書処理装置。
【0110】
ところで、ディレクトリの状態は、当該ディレクトリの名前と強い相関を有する。従って、上記のように文書処理装置を構成することにより、高い精度にてディレクトリ危険度を算出することができる。
【0111】
(付記12)
付記1乃至付記11のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記ディレクトリ危険度算出手段は、前記ディレクトリに対して算出される前記ディレクトリ危険度を、当該ディレクトリの上位のディレクトリに対して算出される前記ディレクトリ危険度に基づいて補正するように構成された文書処理装置。
【0112】
ところで、ディレクトリの状態は、当該ディレクトリの上位のディレクトリの状態と強い相関を有する。従って、上記のように文書処理装置を構成することにより、高い精度にてディレクトリ危険度を算出することができる。
【0113】
(付記13)
付記1乃至付記12のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記ディレクトリ危険度算出手段は、前記ディレクトリに対して算出される前記ディレクトリ危険度を、当該ディレクトリに対して設定され、且つ、当該ディレクトリに配置された前記文書へのアクセスしやすさを表す権限度に基づいて補正するように構成された文書処理装置。
【0114】
ところで、ディレクトリの状態は、当該ディレクトリに配置された前記文書へのアクセスしやすさと強い相関を有する。従って、上記のように文書処理装置を構成することにより、高い精度にてディレクトリ危険度を算出することができる。
【0115】
(付記14)
付記1乃至付記13のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記ディレクトリ状態特定手段は、前記ディレクトリに対して算出された前記ディレクトリ危険度が、予め設定された第1の閾値よりも大きい場合、当該ディレクトリの状態が前記危険状態であると特定し、一方、当該ディレクトリ危険度が、予め設定され且つ当該第1の閾値よりも小さい第2の閾値よりも小さい場合、当該ディレクトリの状態が前記安全状態であると特定するように構成された文書処理装置。
【0116】
(付記15)
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える文書処理装置に適用され、
前記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出し、
前記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出し、
前記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、前記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定し、
前記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、前記特定されたディレクトリの状態と、前記算出された文書危険度と、に基づいて特定する、文書処理方法。
【0117】
(付記16)
付記15に記載の文書処理方法であって、
前記ディレクトリの状態が、前記危険状態又は前記中間状態であると特定された場合において、当該ディレクトリに配置された文書に対して算出された前記文書危険度が、当該ディレクトリに対して算出された前記ディレクトリ危険度よりも大きいとき、当該文書の状態が前記危険状態であると特定する、文書処理方法。
【0118】
(付記17)
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える情報処理装置に、
前記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出する文書危険度算出手段と、
前記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出するディレクトリ危険度算出手段と、
前記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、前記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定するディレクトリ状態特定手段と、
前記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、前記特定されたディレクトリの状態と、前記算出された文書危険度と、に基づいて特定する文書状態特定手段と、
を実現させるためのプログラム。
【0119】
(付記18)
付記17に記載のプログラムであって、
前記文書状態特定手段は、前記ディレクトリの状態が、前記危険状態又は前記中間状態であると特定された場合において、当該ディレクトリに配置された文書に対して算出された前記文書危険度が、当該ディレクトリに対して算出された前記ディレクトリ危険度よりも大きいとき、当該文書の状態が前記危険状態であると特定するように構成されたプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、文書を記憶する記憶装置を備える文書処理装置等に適用可能である。
【符号の説明】
【0121】
1 文書処理装置
11 文書記憶部
12 文書危険度算出部
13 キーワード記憶部
14 ディレクトリ危険度算出部
15 ディレクトリ状態特定部
16 状態記憶部
17 文書状態特定部
18 危険文書通知部
19 危険ディレクトリ通知部
20 指示情報受付部
21 配置処理実行部
22 配置処理抑制部
100 文書処理装置
101 文書危険度算出部
102 ディレクトリ危険度算出部
103 ディレクトリ状態特定部
104 文書状態特定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える文書処理装置であって、
前記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出する文書危険度算出手段と、
前記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出するディレクトリ危険度算出手段と、
前記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、前記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定するディレクトリ状態特定手段と、
前記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、前記特定されたディレクトリの状態と、前記算出された文書危険度と、に基づいて特定する文書状態特定手段と、
を備える文書処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文書処理装置であって、
前記文書状態特定手段は、前記ディレクトリの状態が、前記危険状態又は前記中間状態であると特定された場合において、当該ディレクトリに配置された文書に対して算出された前記文書危険度が、当該ディレクトリに対して算出された前記ディレクトリ危険度よりも大きいとき、当該文書の状態が前記危険状態であると特定するように構成された文書処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の文書処理装置であって、
前記文書状態特定手段は、前記ディレクトリの状態が、前記危険状態であると特定された場合、当該ディレクトリに配置された文書の状態が前記危険状態であると特定するように構成された文書処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
前記文書状態特定手段は、前記文書に対して算出された前記文書危険度が予め設定された文書危険閾値よりも大きい場合、当該文書の状態が前記危険状態であると特定するように構成された文書処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
状態が前記危険状態であると特定された前記文書をユーザに通知する危険文書通知手段を備える文書処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の文書処理装置であって、
ユーザにより入力され、且つ、配置文書としての前記文書を前記複数のディレクトリの1つである配置先ディレクトリに新たに配置する旨を指示する指示情報を受け付ける指示情報受付手段と、
前記指示情報が受け付けられた場合、前記配置文書を前記配置先ディレクトリに新たに配置するための配置処理を実行する配置処理実行手段と、
を備える文書処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の文書処理装置であって、
前記配置文書の状態が前記危険状態であると特定され、且つ、前記配置先ディレクトリの状態が前記危険状態又は前記中間状態であると特定された場合、前記配置処理の実行を抑制する第1の配置処理抑制手段を備える文書処理装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の文書処理装置であって、
前記配置先ディレクトリの状態が前記危険状態であると特定された場合、前記配置処理の実行を抑制する第2の配置処理抑制手段を備える文書処理装置。
【請求項9】
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える文書処理装置に適用され、
前記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出し、
前記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出し、
前記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、前記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定し、
前記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、前記特定されたディレクトリの状態と、前記算出された文書危険度と、に基づいて特定する、文書処理方法。
【請求項10】
階層構造を有する複数のディレクトリを含むファイルシステムを有するとともに、当該複数のディレクトリの1つに配置された文書を記憶する記憶装置を備える情報処理装置に、
前記文書に対して、当該文書に含まれる情報の漏えいしやすさを表す危険度である文書危険度を算出する文書危険度算出手段と、
前記ディレクトリに対して、当該ディレクトリに配置された文書からの情報の漏えいしやすさを表す危険度であるディレクトリ危険度を算出するディレクトリ危険度算出手段と、
前記ディレクトリの状態が、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、当該ディレクトリに配置された文書から情報が漏えいしにくい状態である安全状態、及び、当該危険状態及び当該安全状態以外の状態である中間状態、のいずれであるかを、前記算出されたディレクトリ危険度に基づいて特定するディレクトリ状態特定手段と、
前記文書の状態が、当該文書から情報が漏えいしやすい状態である危険状態、及び、当該危険状態以外の状態である非危険状態、のいずれであるかを、前記特定されたディレクトリの状態と、前記算出された文書危険度と、に基づいて特定する文書状態特定手段と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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