文書処理装置
【課題】 どの機種に接続しても運用が可能で、機器管理の負担を軽減でき、既存機器を有効活用したい等のユーザ環境に応じた柔軟な運用を可能にする。
【解決手段】 文書処理装置20の制御部27において、属性情報取得処理部2715は、外部I/F部21を介して接続されている複合機10から、機種情報、スキャナ機能情報、印刷機能情報、オプション装備状況情報等の属性情報を取得して所定形式で属性情報記憶部2716に記憶し、管理システム271内のマネージメント処理部2711が、ユーザインタフェースシステム273内の各UIアプリケーションや、アプリケーションシステム275内の各拡張機能処理用アプリケーションの動作を、属性情報記憶部2716内に記憶された属性情報に応じて制御する。
【解決手段】 文書処理装置20の制御部27において、属性情報取得処理部2715は、外部I/F部21を介して接続されている複合機10から、機種情報、スキャナ機能情報、印刷機能情報、オプション装備状況情報等の属性情報を取得して所定形式で属性情報記憶部2716に記憶し、管理システム271内のマネージメント処理部2711が、ユーザインタフェースシステム273内の各UIアプリケーションや、アプリケーションシステム275内の各拡張機能処理用アプリケーションの動作を、属性情報記憶部2716内に記憶された属性情報に応じて制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続され、該多機能文書処理装置の機能を拡張する処理を行う文書処理装置に係わり、詳しくは、機種の異なる多機能文書処理装置に接続されてもその機種に合致した拡張機能の処理を正常実行可能な拡張処理用文書処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写(コピー)機能、ファクシミリ(FAX)通信機能、ネットワークプリンタ等の印刷(プリント)機能あるいは文書読取(スキャン)機能を有する多機能複写機(以下、複合機)が広く知られており、昨今では、オフィス環境のネットワーク化に伴い、例えば、紙の原稿をスキャンして電子文書として保存する、あるいは、受信したFAX画像を添付して電子メールで配信するなどの機能を拡張することが重要になってきている。
【0003】
また、複合機を利用するユーザシーンでも、文書のスキャンやプリントなどネットワークを介した利用が増加しており、複合機の管理や運用を補助するソフトウェアも重要になってきている。
【0004】
これらの多様化する機能の全てを複合機だけで実現することは困難であるため、複合機に外部機器を接続し、利便性を高めるシステムが各種提案されている。
【0005】
このように、複合機に外部機器を接続して複合機の機能を拡張するシステムにおける利便性向上対策について、下記特許文献1には、ネットワーク上に文書処理用のサーバを設置して様々な機能を提供すると共に、ネットワークに接続された複数の複合機を効率的に運用する技術が開示されている。
【0006】
この公知技術では、複合機に加えてサーバの管理・運用が必要とされ、多数の複合機を利用する環境でない限りはユーザの機器管理の負担は軽減されない。
【0007】
また、下記特許文献2には、外部機器を、特定の複合機に最適化された仕様で接続する技術が開示されている。この公知技術では、対象機種外の複合機に対しては、提供する機能が同一であっても別仕様の外部機器が必要とされる。
【0008】
また、下記特許文献3には、接続デバイスの属性を示す情報を取得するデバイス属性情報取得部とを備え、接続デバイスの属性を示す情報に基づいてデバイスの動作を制御する技術が開示されている。
【0009】
また、下記特許文献4には、プリンタの起動時にプリンタに関する静的な情報を外部機器に送信する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−169666号公報
【特許文献2】特開2000−333026号公報
【特許文献3】特開2004−112520号公報
【特許文献4】特許第3121002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、複合機に接続して該複合機の機能を拡張する外部機器の構成に関して、従来は、接続される複合機の仕様に対して最適化された形でシステムが構成されており、機種・機能が異なる複合機には接続できないのが一般的であった。
【0011】
一方で、複合機を利用するユーザは、例えば、プリントとスキャンはカラー機で、コピーとファクスは白黒機でというように、複数の複合機を用途によって使い分けている場合がある。
【0012】
こうした運用シーンを考慮すると、スキャン文書の後処理やペーパーレスFAXの文書電子化等で外部機器を利用する時、同じような機能を有する場合であっても、カラー複合機と白黒複合機それぞれに異なる外部機器を用意しなければならず、ユーザによる外部機器の管理が煩雑になるという問題点があった。
【0013】
また、外部機器が故障した時、あるいは、外部機器の利用頻度がさほど高くない場合、必要に応じて外部機器を適切な複合機に接続することによって運用したいという要求がある。
【0014】
更に、旧機種の複合機を破棄した場合、あるいは、新たに複合機を導入した場合、既に保有している外部機器を有効に活用したいという要求もある。
【0015】
かかる要求に対して、接続される複合機の仕様に対して最適化された形で外部機器の処理機能を設計している従来システムでは、外部機器の故障時、複合機の破棄、新規導入時等に既存の外部機器を有効活用できないという問題点があった。
【0016】
本発明は、上記問題点を解消し、どの機種に接続しても拡張機能の正常運用が可能で、ユーザの機器管理の負担を軽減できると共に、既存機器を有効活用したい等、ユーザ環境に応じた柔軟な運用を可能にする外部機器たる文書処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続され、該多機能文書処理装置の機能を拡張する処理を行う文書処理装置において、接続する前記多機能文書処理装置から当該多機能文書処理装置の属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記多機能文書処理装置の拡張機能に係わる処理を行なう拡張機能処理アプリケーションを含む複数のアプリケーションを有し、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報に応じて、前記複数のアプリケーションの動作を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報を所定の形式で保持する属性情報保持手段を具備することを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記属性情報保持手段に保持された前記所定形式の属性情報を参照して、前記複数のアプリケーションの処理動作を異ならせるように制御することを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のいずれか記載の発明において、前記制御手段は、ネットワークを通じた情報処置端末からのアクセスに応じて、前記拡張機能を利用するためのユーザインタフェース(UI)画面を該情報処置端末に提供するUIアプリケーションを有し、該UIアプリケーションは、前記属性情報を参照し、前記情報処理端末で表示可能な構造化文書言語で構成され、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成する処理手段と、前記画面ファイルに基づき表示される前記UI画面上で、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作のみを受付ける処理手段とを具備することを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至4のいずれか記載の発明において、文書情報を読み取る読取手段、ファクシミリ通信手段、前記読取手段による読取文書情報または前記ファクシミリ通信によるファクシミリ受信文書情報を印刷する印刷手段を有する前記多機能文書処理装置に接続され、前記属性情報取得手段は、前記属性情報として、前記多機能文書処理装置の機種情報、前記多機能文書処理装置の記憶部の記憶容量情報、前記読取手段の読取機能情報、前記印刷手段の印刷機能情報、前記読取手段及び印刷手段に対応するオプション装備状況情報のうちの少なくとも1つを取得することを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記制御手段は、前記多機能文書処理装置における前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報の蓄積領域から該各文書情報を受信して自装置内で処理する文書処理アプリケーションを有し、該文書処理アプリケーションは、前記属性情報を参照して、前記蓄積領域からの前記各文書情報の受信に係わる通信パラメータの制御を行なうことを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記文書処理アプリケーションは、前記属性情報を参照して、前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報のフォーマット変換またはイメージ加工処理の少なくとも1つの処理を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明は、上記請求項項5乃至7のいずれか記載の発明において、前記UIアプリケーションは、前記読取手段のオプション機能設定に用いる読取設定UI画面を提供する読取設定UIアプリケーションを含み、該読取設定UIアプリケーションは、前記属性情報を参照して生成される前記読取設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記読取手段のオプション機能のみの設定を受付けることを特徴とする。
【0025】
請求項9記載の発明は、上記請求項5乃至8のいずれか記載の発明において、前記UIアプリケーションは、前記印刷手段のオプション機能設定に用いる印刷設定UI画面を提供する印刷設定UIアプリケーションを含み、該印刷設定UIアプリケーションは、前記属性情報を参照して生成される前記印刷設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記印刷手段のオプション機能のみの設定を受付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、接続する多機能文書処理装置から当該多機能文書処理装置の属性情報を取得し、該取得した属性情報に応じて、文書処理装置内の複数のアプリケーションの動作を制御するため、該文書処理装置を別の多機能文書処理装置に接続しても、該接続される多機能文書処理装置から取得した機種情報等の属性情報に応じて文書処理装置の動作を異ならせることでその時に接続されている多機能文書処理装置の拡張機能を正常動作させることができ、多機能文書処理装置の機種と文書処理装置の機種が合うかを確認してから接続するといった機器管理の負担を大幅に軽減できる。
また、既存の文書処理装置を必要に応じて多機能文書処理装置に接続して運用したい、あるいは、新規導入した多機能文書処理装置に既存の文書処理装置を接続して運用したい等、ユーザの環境に応じた柔軟な運用も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係わる文書処理システムの全体構成を示す概念図である。
【0029】
このシステムは、コピー、FAX通信、プリンタ、スキャナという複数の文書処理機能を有する多機能複写機を適用した複合機10と、該複合機10の外部に専用インタフェースを介して接続され、該複合機10の上記複数の機能と連携した複数の拡張機能に係わる処理を行う外部機器である文書処理装置20と、文書処理装置20の処理機能を利用するために用いるクライアントPC(パーソナル・コンピュータ:特許請求の範囲における情報処理端末)30とを例えばLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)によって構成されるネットワーク40を介して接続して構成される。
【0030】
図2は、このシステムにおける複合機10の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、この複合機10は、公衆回線網の通信回線との間でFAX通信に係わる通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部11、複数のキーを有する操作パネルと液晶表示部等から成り、操作パネルのキー押下により各種機能〔コピー、FAX、プリンタ、スキャナ〕の実行指示等を入力すると共に、操作ガイダンスや実行機能の動作状態等の各種情報を液晶表示部に表示する操作/表示部12、原稿上の画像を読み取る読取部(スキャナ)13、読取部13により読み取られた画像データ(スキャン文書情報),FAX通信により受信された画像データ(受信FAX文書情報),クライアントPC30からの印刷指示に基づき文書処理装置20から転送される文書情報等の情報を記録媒体(印刷用紙)に印刷する画像形成部14、文書処理装置20との間でデータ(スキャン文書情報、受信FAX文書情報等)やコマンドの送受を行う外部インタフェース(I/F)部15、スキャン文書情報や、受信FAX文書情報等の各種情報を記憶する記憶部16、コピー、FAX、プリンタ、スキャナ等の各機能に係わる該当各部の動作制御等、装置全体の制御を行なう制御部17を備えて構成される。
【0032】
この複合機10において、記憶部16には、各々宛先情報が割り振られた複数の親展ボックス(特許請求の範囲における蓄積領域:以下、BOX)161(161a,161b,161c,…)が設けられる。
【0033】
制御部17は、上述したコピー、FAX、プリンタ、スキャナの各機能に係わる通常の制御の他、文書処理装置20の後述する拡張機能処理用の各アプリケーションとの連携動作が関連付け設定されている場合には、読取部13で読み取ったスキャン文書情報、FAX通信により受信した受信FAX文書情報を該当する宛先のBOX161に蓄積する制御を行なう。
【0034】
そして、複合機10に外部I/F部15を介して接続される文書処理装置10では、複合機10の各BOX161にスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報が蓄積された場合、クライアントPC30からの事前の設定に従って、各種拡張機能処理用のアプリケーションが、各々、該文書情報にアクセスして該文書情報の処理を実行する。
【0035】
この文書処理装置20における各拡張機能処理用アプリケーションによる文書情報処理の例としては、例えば、BOX161に蓄積された文書情報を電子メール(E−mail)等により配信する文書配信処理(図7参照)、BOX161に蓄積された文書情報を自装置20の記憶部25(図3参照)内の保管領域(保管用フォルダ251)に保管する文書保管処理(図8参照)がある。
【0036】
この他、文書処理装置20では、複合機10の拡張機能に係わる処理として、該複合機10で実施されるコピー、FAX、プリンタ、スキャナ等の各機能のログ情報(実行結果の記録)を取得して履歴情報として集計、管理すると共に、該履歴情報の集計結果をクライアントPC30で閲覧可能にせしめる履歴管理処理(図9参照)、複合機10の読取部13を駆動するスキャナドライバ、画像形成部14を駆動するプリンタドライバをネットワークを介して取得して最新のドライバに更新すると共に、クライアントPC30からの取得要求に応じて該最新ドライバを当該クライアントPC30に配布するドライバ配布処理(図10参照)も実行する。
【0037】
図3は、このシステムにおける文書処理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、文書処理装置20は、複合機10との専用インタフェースである外部インタフェース(I/F)部21、ネットワーク40との通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部23、ハードディスクドライブ(HDD)装置によって構成される記憶部25、装置全体の制御を行なう制御部27を具備して構成される。
【0039】
この文書処理装置20において、制御部27は、複合機10におけるスキャナやFAX等の機能に連携して当該複合機10の機能拡張処理を行う拡張機能処理用のアプリケーション(上述した文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布の各処理を行うアプリケーション)を含む複数のアプリケーションを実装して成り、これら複数のアプリケーションにより、複合機10の拡張機能に係わる各種の動作制御を実行する。
【0040】
本発明の特徴的な構成として、制御部27には、接続される複合機10と所定のプロトコル手順に従って交信することにより、該複合機10から、当該複合機10の機種情報、HDD(記憶部16)やメモリの記憶容量情報、読取部13の読取機能(スキャナがカラー対応か白黒対応かグレー対応か等)情報、画像形成部14の印刷機能(カラー印刷対応か白黒印刷対応か等)情報、読取部13及び画像形成部14各々のオプション装備状況(スキャナに関しては両面スキャン可能かどうか。プリントに関しては、ステープル,パンチ,両面印刷,出力先トレイ選択に対応しているかどうか。等)情報等の属性情報を取得する属性情報取得手段27aが備わり、該属性情報取得手段27aにより取得された属性情報に応じて、当該制御部27内に実装される上述した複数のアプリケーション(上記文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布の各処理を行うアプリケーションを含む)の動作を制御する仕組みになっている。
【0041】
図4は、文書処理装置20の制御部27の機能構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、制御部27は、サブシステムとして、マネージメント(管理)システム271、ユーザインタフェース(以下、UI)システム273、アプリケーションシステム275を備えている。
【0043】
管理システム271は、文書処理装置20のハードウェア及びソフトウェアの稼動状態を管理するサブシステムであり、マネージメント処理部2711、外部通信処理部2712、エラー通知処理部2713、属性情報取得処理部2715、属性情報記憶部2716を備えている。
【0044】
マネージメント処理部2711は、文書処理装置20(制御部27)内で稼動するアプリケーション(UIシステム273内及びアプリケーションシステム275内の各アプリケーション)の起動や、ハードウェア及びソフトウェアの動作状態の監視を行う。
【0045】
外部通信処理部2712は、文書処理装置20と複合機10との間の文書入出力及び該文書入出力を制御するための通信を行う処理部であり、スキャン文書情報や受信FAX文書情報の取得(複合機10の各ボックス161からの受信)、複合機10への印刷時の文書出力を行う。
【0046】
エラー通知処理部2713は、上述したマネージメント処理部2711での管理機能で稼動状態の異常が検出された場合に、文書処理装置20においてその旨を警告するためのビープ音を鳴動せしめたり、エラーメッセージをユーザのクライアントPC30に送信する等の通知処理を行う。
【0047】
属性情報取得処理部2715は、図3に示した属性情報取得手段27aに相当するものであり、複合機10との間で所定のプロトコル手順を実施して該複合機10の各部の処理能力等に関する属性情報を取得する処理を行う。
【0048】
UIシステム273は、クライアントPC30でのWebブラウザ279を用いた所定のブラウザ操作によって文書処理装置20を利用するための各種UI操作を受付けるサブシステムであり、文書処理装置20のシステム設定のための操作画面の表示と該設定画面上での操作に基づくシステム設定受付け処理を行うアプリケーション(図中、UIアプリ1)2731、文書処理装置20で稼動する各種アプリケーションを利用するための操作画面の表示と該操作画面上での操作に基づくアプリケーション利用受け付け処理を行うアプリケーション(同、UIアプリ2)2732、文書処理装置20の管理システム271上で稼動する各種アプリケーションの設定を行うための操作画面の表示と該操作画面上での操作に基づく管理システム利用設定受付処理を行うアプリケーション(同、UIアプリ3)2733等が備わる。
【0049】
アプリケーションシステム275は、文書処理装置20がOS(オペレーティング・システム)277上で稼動する各種アプリケーションにより複合機10の拡張機能に係わる処理を提供するサブシステムであり、当該アプリケーションとしては、複合機10のBOX161に蓄積されたスキャン文書情報若しくは受信FAX文書情報を読み出してメールあるいはネットワーク配信する文書配信処理を行う「文書配信」アプリケーション2751、同じく、文書をBOX161から読み出して記憶部25に蓄積する文書保管処理を行う「文書保管」アプリケーション2752、複合機10で実行されるコピー、FAX、プリンタ、スキャナの各機能に係わる実行記録であるログ情報を取得して履歴情報として保持、管理すると共に、クライアントPC30からのアクセスに応じて、該履歴情報の一覧を送出してクライアントPC30で閲覧可能にせしめる履歴管理処理を行う「履歴管理」アプリケーション2753、複合機10のスキャナドライバやプリンタドライバを対象に各々最新のドライバをネットワーク40を介して取得して保持、管理すると共に、クライアントPC30からのアクセスに応じて該最新ドライバを該クライアントPC30に配布するドライバ配布処理を行う「ドライバ」配布アプリケーション2754等が備わる。
【0050】
かかる制御部27の構成と各部(特に、アプリケーションシステム275)の機能説明からも分かるように、文書処理装置20では、複合機10においてBOX161に蓄積されたスキャン文書情報や受信FAX文書情報の配信あるいは保管、複合機10における各機能の処理履歴の管理、最新のドライバの取得並びに配布等の拡張機能に関する処理を複合機10に代わって実行することで、複合機10におけるこれら拡張機能の処理負担を軽減するように動作する。
【0051】
特に、本発明の文書処理装置20では、制御部27において、属性情報取得処理部2715が、接続されている複合機10から事前に属性情報を取得しておき、UIアプリケーション273及びアプリケーションシステム275内の各アプリケーションが、該取得された属性情報に応じて、文書処理装置20の動作を異ならせるように各拡張機能の動作制御を実施することにより、当該文書処理装置20がどのような機種の複合機10に接続された場合でも、該複合機10の機種等に対応した適正な拡張機能動作を行なえるようにしている。
【0052】
次に、複合機10への接続時における文書処理装置20の処理動作について説明する。
【0053】
図5は、複合機10に文書処理装置20が接続された状態における両者間の通信制御シーケンスを示す図である。
【0054】
図5において、複合機10に対して文書処理装置20が、互いの外部I/F部15,21間をケーブル等の接続手段を用いて接続された状態で、複合機10の電源スイッチが電源オン状態(ステップS101)に操作されると、これを検出した複合機10の制御部17は、WOL(Wake on LAN)方式の起動指示信号であるマジック・パケット(Magic Packet)を外部I/F部15を通じて文書処理装置20に対して送出する(ステップS102)。
【0055】
一方、文書処理装置20では、外部I/F部21を通じて上記マジックパケットを受信すると(ステップS201)、制御部27がOS277を起動し(ステップS202)、管理システム271の各部を起動状態に制御する(ステップS203)。
【0056】
次いで、管理システム271の属性情報取得処理部2715は、複合機10に対して所定のプロトコルによる属性情報取得制御を開始する。
【0057】
この制御において、属性情報取得処理部2715は、まずはじめに、プロトコル手順1(プロトコル11)により、機種確認取得要求を複合機10に送出する(ステップS204)。
【0058】
これに対し、複合機10は、外部I/F部15を通じて上記機種確認取得要求を受信すると(ステップS103)、制御部17が、例えば、自回路内の図示しない情報管理部に予め記憶している自装置10の機種情報を、プロトコル応答手順1(プロトコル12)により、外部I/F部15を通じて文書処理装置20に送出する(ステップS104)。
【0059】
一方、文書処理装置20は、外部I/F部21を通じて上記機種情報を受信すると(ステップS205)、属性情報取得処理部2715が、この機種情報を取得すると共に、該機種情報を参照して自装置20の対応機種か否かをチェックする(ステップS206)。
【0060】
ここで、対応機種でないと判定された場合(ステップS206NO)、属性情報取得処理部2715は、接続不可報知等を含む否対応処理(ステップS221)を実行し、以後の処理動作を停止する。
【0061】
これに対して、対応機種であると判定された場合(ステップS206YES)、属性情報取得処理部2715は、接続されている複合機10の前提となるサービスが起動されているかどうかをチェックする(ステップS207)。
【0062】
ここで、複合機10の前提となるサービスが起動されている場合(ステップS207YES)、次いで、属性情報取得処理部2715は、プロトコル手順2(プロトコル21)により、外部I/F部21を通じて、デバイス情報取得要求を複合機10に送出する(ステップS208)。
【0063】
これに対し、複合機10は、外部I/F部15を通じて上記デバイス情報取得要求を受信すると(ステップS105)、制御部17が、情報管理部に予め記憶している自装置10のデバイス情報の中から当該プロトコル21に対応付けられたデバイス情報を読出し、該デバイス情報を、プロトコル応答手順2(プロトコル22)により、外部I/F部15を通じて文書処理装置20に送出する(ステップS106)。
【0064】
一方、文書処理装置20は、外部I/F部21を通じて上記デバイス情報を受信すると(ステップS209)、属性情報取得処理部2715が、該デバイス情報を取得し、次いで、プロトコル手順3(プロトコル31)により、外部I/F部21を通じて、デバイス情報取得要求を複合機10に送出する(ステップS210)。
【0065】
これに対し、複合機10は、外部I/F部15を通じて上記デバイス情報取得要求を受信すると(ステップS107)、制御部17が、情報管理部に予め記憶している自装置10のデバイス情報の中からプロトコル31に対応付けられたデバイス情報を読み出し、該デバイス情報を、プロトコル応答手順3(プロトコル32)により、外部I/F部15を通じて文書処理装置20に送出する(ステップS108)。
【0066】
一方、文書処理装置20は、外部I/F部21を通じて上記プロトコル応答手順3により上記デバイス情報を受信すると(ステップS211)、属性情報取得処理部2715が、この受信したデバイス情報を、上記プロトコル12により取得した機種情報並びに上記プロトコル22により取得したデバイス情報と共に、属性情報記憶部2716に記憶する(ステップS212)。
【0067】
上記プロトコル中、プロトコル手順22において、複合機10は、文書処理装置20からのデバイス情報取得要求に対して、情報管理部に記憶している自装置のデバイス情報の中から、例えば、スキャナがカラーあるいは白黒のいずれに対応しているかを示すスキャナ機能情報、プリンタがカラーあるいは白黒のいずれに対応しているかを示すプリンタ機能情報、ステープル機能やパンチ機能等の有無を示すフィニッシャ機能情報、スキャナあるいはプリンタが両面読み取りあるいは両面印刷に対応しているかどうかを示す両面機能有無情報等を読み出して文書処理装置20に送出する。
【0068】
また、プロトコル手順32において、複合機10は、文書処理装置20からのデバイス情報取得要求に対して、情報管理部に記憶している自装置のデバイス情報の中から、例えば、サイドトレイやタンデムトレイの有無を示す印刷オプション機能情報、HDD(記憶部16)の有無やメモリサイズを示す記憶機能情報を読み出して文書処理装置20に送出する。
【0069】
これにより、属性情報取得処理部2715は、上記プロトコル12で複合機10の機種情報を取得した後、上記プロトコル22及び32で上記デバイス情報を各々取得し、ステップS212において、これら取得した機種情報及びデバイス情報を複合機10の属性情報として属性情報記憶部2716に記憶する。
【0070】
その後、文書処理装置20の制御部27では、マネージメント処理部2711が、例えば、複合機10におけるスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報のBOX161への蓄積や、クライアントPC30からの履歴情報取得要求、あるいはドライバの更新処理要求等のイベントが発生したかどうかを監視し(ステップS213)、イベントが発生した場合(ステップS213YES)、該イベントに対応した各UIアプリケーション2731,2732,2733,…や、各拡張機能処理用アプリケーション2751,2752,2753,2754を起動させて該当する拡張機能の処理を行う。
【0071】
その際、マネージメント処理部2711は、これら各アプリケーションによって、各々、属性情報記憶部2716に記憶されている属性情報を参照して該当するイベントに対する拡張機能(文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布)の制御動作が実行されるように統合制御する。
【0072】
また、この統合制御によって、UIシステム273内の各UIアプリケーション2731,2732,2733,…は、各々、文書処理装置20内の属性情報記憶部2716内に保持される属性情報を参照して、ネットワーク40上のクライアントPC30で表示可能な構造化文書言語で構成され、複合機10で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成し、該画面ファイルに基づき表示されるUI画面上で、複合機10で対応可能な操作のみを受付ける処理を行う。
【0073】
これにより、ユーザがクライアントPC30でWebブラウザ279を利用して各UIアプリケーション2731,2732,2733,…により表示される操作画面を見た時、該操作画面上には、文書処理装置20に保持されている複合機10の属性情報(機種情報、デバイス情報)が示す装置機能に対応した項目のみの設定が可能な操作画面が表示されることになり、ユーザに対して設定操作の利便性を提供できると共に、対応不能な機能に対する無駄な設定を規制することができる。
【0074】
次に、属性情報記憶部2716に記憶された属性情報に基づく、各アプリケーション2751,2752,2753,2754による拡張機能処理動作について説明する。
【0075】
文書処理装置20での各アプリケーション2751,2752,2753,2754による拡張機能処理動作を実行するためには、クライアントPC30からWebブラウザ279を利用して各拡張機能に関する設定を行う必要がある。
【0076】
図6は、Webブラウザ279を用いて該当UIアプリケーションの処理により表示されるトップメニュー画面310の表示例を示す図である。
【0077】
ユーザは、トップメニュー画面310上に表示される「文書配信」、「文書保管」、「利用状況」及び「ドライバ取得」の各拡張機能メニューの中から所望の拡張機能を選択し、該選択した拡張機能に関するパラメータ等の設定を行うことができる。
【0078】
例えば、「文書配信」に関しては、スキャン文書や受信FAX文書毎にメール送信若しくはネットワーク送信を行うこと、スキャン文書や受信FAX文書毎の送信先、送信後に当該送信文書を文書処理装置20の記憶部25(保管用フォルダ251)に保管するかどうか等の設定を行うことができる。
【0079】
また、「文書保管」に関しては、スキャン文書や受信FAX文書毎に文書処理装置20の記憶部25内の保管用フォルダ251に保管すること、この場合における複合機10の各BOX161と保管先である保管用フォルダ251との対応付け(紐付け)等の設定を行うことができる。
【0080】
また、「利用状況」に関しては、複合機10により実施された各機能ジョブのログ情報を取得する時刻や取得間隔等を設定することができる。
【0081】
また、「ドライバ取得」に関しては、取得しようとするドライバの種別や、取得時刻あるいは取得間隔等を設定することができる。
【0082】
かかる設定後の対応各アプリケーションによる拡張機能処理動作について以下に説明する。
【0083】
図7は、文書処理装置20の制御部27に実装される「文書配信」アプリケーション2751により実施される文書配信処理動作の流れを示す概念図である。
【0084】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS70)によって、事前に、「文書配信」に係わる各種設定(ステップS71)を行った後、複合機10において、読取部13により原稿が読み取られる(ステップS72a)毎に、該スキャン文書情報画が適宜に画像処理(イメージ加工処理やフォーマット変換等:ステップS73)されたうえで、指定された各BOX161内に蓄積される(ステップS74)。
【0085】
かかる複合機10のスキャン動作に対して、文書処理装置20では、複合機10のBOX161内に文書情報が蓄積されると、「文書配信」アプリケーション2751が起動される。
【0086】
ここで、「文書配信」アプリケーション2751は、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS75)してそこに蓄積されているスキャン文書情報を読み出し(ステップS76)、上記設定に従い、該スキャン文書情報を予め設定された配信先へ配信するサービスを実行する(ステップS77)。
【0087】
この時、配信先としてメールアドレスが設定されていれば、上記スキャン文書情報をメールに添付し、当該メールアドレスを有するクライアントPC30等へとメール送信する(ステップS771)。
【0088】
また、配信先としてネットワーク40上のIPアドレスが設定されている場合は、上記スキャン文書情報を当該IPアドレスを有する配信先(クライアントPC30やサーバ等)へとネットワーク40を介して転送する(ステップS772)。
【0089】
同様に、複合機10において、通信I/F部11により相手FAXから文書情報が受信される(ステップS72b)毎に、該受信された受信FAX文書情報が適宜に画像処理(ステップS73)されたうえで、この時の宛先に対応する各BOX161内に蓄積される(ステップS74)と、文書処理装置20では、「文書配信」アプリケーション2751が起動され、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS75)してそこに蓄積されている受信FAX文書情報を読み出し(ステップS76)、上記設定に従い、該受信FAX文書情報を予め設定された配信先へ配信するサービスを実行する(ステップS77:S771/S772)。
【0090】
この文書配信処理において、「文書配信」アプリケーション2751は、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、該属性情報に応じた文書配信動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0091】
例えば、上記属性情報中のスキャナ能力情報を参照し、複合機10の読取部13がカラー読取能力を有するか白黒読取能力を有するかに応じてスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報のフォーマット変換の処理方法を変更する制御を行なう。
【0092】
具体例を挙げると、上記属性情報中のスキャナ能力情報を基に、複合機10の読取部13がカラー読取能力有りと認識された場合には、スキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報を例えばPDF(Portable Document Format)にフォーマット変換する一方で、読取部13が白黒読取能力しかないと認識された場合には、スキャン文書あるいは受信FAX文書を上記PDF以外の処理方式でフォーマット変換する等の処理動作を選択的に実施する。
【0093】
また、イメージ加工については、上記属性情報を参照し、その中の読取部13の読取能力情報から片面読取能力しかないか両面読取能力があるかを認識し、両面読取能力がある場合には、裏面に白紙の頁が混じっている場合に白紙頁を除去する一方、片面読取能力しかない場合には当該処理を行わないといった処理動作を適応実施することができる。
【0094】
また、「文書配信」アプリケーション2751は、上記属性情報中の複合機10のHDD(記憶部16)容量やメモリ容量を参照し、これらの記憶容量に応じて、複合機10のBOX161からスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報を読み出す(受信する)ポーリング間隔を適宜可変制御することができる。
【0095】
また、「文書配信」アプリケーション2751は、上記属性情報における、複合機10の読取部13の読取能力(カラー対応か、白黒対応か)、及び複合機10のHDD容量やメモリ容量とに基づき、カラー対応の場合には、スキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報を白黒対応の場合よりも記憶容量の大きなBOX161に蓄積するといったBOX番号変更制御も実施することができる。
【0096】
図8は、文書処理装置20の制御部27に実装される「文書保管」アプリケーション2752により実施される文書保管処理動作の流れを示す概念図である。
【0097】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS80)によって、事前に、「文書保管」に係わる各種設定(ステップS81)を行った後、複合機10において、読取部13により原稿が読み取られる(ステップS82a)毎に、該スキャン文書情報が適宜に画像処理(イメージ加工処理やフォーマット変換等:ステップS83)されたうえで、指定された各BOX161内に蓄積される(ステップS84)。
【0098】
かかる複合機10のスキャン動作に対して、文書処理装置20では、複合機10のBOX161内に文書情報が蓄積されると、「文書保管」アプリケーション2752が起動される。
【0099】
ここで、「文書保管」アプリケーション2752は、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS85)してそこに蓄積されているスキャン文書情報を読み出し(ステップS86)、上記設定に従い、該スキャン文書情報を予め設定された保管先へ保管するサービスを実行する(ステップS87)。
【0100】
この例では、文書処理装置20のHDD(記憶部25)内に複数の保管用フォルダ251(251a,251b,251c,…)から成る保管領域が設けられており、「文書保管」アプリケーション2752は、複合機10から取得したスキャン文書情報を、上記設定に従い、上記記憶領域内の該当する保存用フォルダ251に保管する処理(ステップS871)を行う。
【0101】
同様に、複合機10において、通信I/F部11により相手FAXから文書情報が受信される(ステップS82b)毎に、該受信されたFAX文書情報が適宜に画像処理(ステップS83)されたうえで、この時の宛先に対応する各BOX161内に蓄積される(ステップS84)と、文書処理装置20では、「文書保管」アプリケーション2752が起動され、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS85)してそこに蓄積されている受信FAX文書情報を読み出し(ステップS86)、上記設定に従い、該受信FAX文書情報を予め設定された保管先(フォルダ251)へ保管するサービスを実行する(ステップS87:S871)。
【0102】
その後、クライアントPC30から所定のブラウザ操作(文書閲覧操作)を経てネットワーク40を通じた文書閲覧要求があると、文書処理装置20のUIシステム273の該当するUIアプリケーションが、記憶部25の保管領域内の全保管用フォルダ251の一覧画面(検索用画面)をWebブラウザ279上に表示する処理を行い、これにより、ユーザによる文書処理装置20の保管文書の閲覧(保管文書の確認:ステップS88)並びに検索を可能にする。
【0103】
ここで、上記UIアプリケーションは、特定のクライアントPC30に限定せず、ネットワーク40上の多数のクライアントPC30からの文書閲覧要求を受付けて上記検索用画面を表示することにより、複数のクライアントPC30によるネットワーク40上での文書共有化サービスを提供する。
【0104】
また、クライアントPC30における上記文書閲覧操作に基づく文書閲覧の後、該クライアントPC30により上記一覧画面上の所望の文書情報に対する印刷指示操作がなされると、UIシステム273の該当するUIアプリケーションが、当該印刷指示された文書情報を保管用フォルダ251から読出し、複合機10に転送して画像形成部14により印刷出力(プリント:ステップS89参照)させる処理を行う。
【0105】
この印刷処理において、上記UIアプリケーションは、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に記憶されている複合機10の属性情報を参照し、該属性情報に応じた印刷処理動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0106】
この印刷処理において、上記UIアプリケーションは、例えば、複合機10の属性情報のうちの印刷能力情報(画像形成部14が白黒印刷対応かカラー印刷対応か等の情報)を参照し、該印刷能力に応じて印刷指示対象の文書情報を加工して複合機10に渡してやる等の動作制御を行なう。
【0107】
図9は、文書処理装置20の制御部27に実装される「履歴管理」アプリケーション2753により実施される履歴管理処理動作の流れを示す概念図である。
【0108】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS90)によって、事前に、「履歴管理」に係わる各種設定(ステップS91)を行う。
【0109】
その後、「履歴管理」アプリケーション2753は、上記設定に従い、該設定要件のうちの、例えば、ログ情報取得時刻に達すると、複合機10の例えば制御部27内に設けられるログ情報記憶領域にアクセス(ステップS92)してそこに蓄積されているログ情報(当該時刻までの各機能動作の実行状況の記録)を読み出し(ステップS93)、該読み出したログ情報を基に、複合機10における各機能動作の処理履歴を集計するサービスを実行する(ステップS94:S941)。
【0110】
その後、クライアントPC30から所定のブラウザ操作(履歴閲覧操作)を経て履歴閲覧要求があると、文書処理装置20のUIシステム273の該当するUIアプリケーションが、上記ステップS941での履歴集計結果をWebブラウザ279上に一覧表示する処理を行い、これにより、ユーザによる当該履歴集計結果の閲覧(利用状況の確認:ステップS95)を可能にする。
【0111】
この履歴管理処理において、「履歴管理」アプリケーション2753は、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、例えば、複合機10の種別に応じて、各々異なる一覧フォームで履歴集計結果を生成する等、当該属性情報に応じた履歴管理動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0112】
図10は、文書処理装置20の制御部27に実装される「ドライバ配布」アプリケーション2754により実施されるドライバ配布処理動作の流れを示す概念図である。
【0113】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS10)によって、事前に、「ドライバ配布」に係わる各種設定(ステップS11)を行う。
【0114】
その後、「ドライバ配布」アプリケーション2754は、上記設定に従い、例えば、定期的にネットワーク40経由でドライバ(プリンタドライバ、スキャナドライバ)を取得し(ステップS12)、既に保持している(例えば、記憶部25内の所定の記憶領域内に)該当する各ドライバを最新バージョンのドライバに更新するサービスを実行する(ステップS13:S131)。
【0115】
その後、クライアントPC30から所定のブラウザ操作(ドライバダウンロード操作)を経てドライバ取得要求があると、文書処理装置20のユーザインタフェースシステム273の該当するUIアプリケーションが、上記ステップS131で更新した最新のドライバ要求元のクライアントPC30に配信(配布)する処理を行い、これにより、ユーザによる最新のドライバの入手(ステップS15)を可能にする。
【0116】
このドライバ配布処理において、「ドライバ配布」アプリケーション2754は、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、例えば、複合機10の種別に対応したドライバのみを取得、更新する等、当該属性情報に応じたドライバ配布処理動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0117】
なお、このシステムを利用するユーザは、必要に応じて、クライアントPC30で文書閲覧操作を行い、文書処理装置20の保管用フォルダ251に蓄積された文書を閲覧して所望の文書を検索(図8におけるステップS88参照)した後、その時点までに取得(図10におけるステップS15参照)されているプリンタドライバを用いて当該文書に対する印刷指示操作を行うことで、該印刷対象の文書データを文書処理装置20から複合機10に転送して画像形成部14により印刷出力(プリント:図8におけるステップS89参照)することができる。
【0118】
この場合、ユーザは、クライアントPC30において、文書処理装置20のUIシステム273内の該当するUIアプリケーション(印刷設定アプリケーション)によりWebブラウザ279を用いて提供される印刷設定画面を用いて印刷パラメータの設定や印刷開始指示を行うことになる。
【0119】
その際、印刷設定アプリケーションは、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、クライアントPC30で表示可能な構造化文書言語で構成された画面ファイル(すなわち、当該複合機10の能力の範囲内の印刷設定を受付け可能な印刷設定画面に対応する画面ファイル)を生成し、該画面ファイルを基に上記印刷設定画面を表示する。
【0120】
これにより、クライアントPC30には、その時点で文書処理装置20が接続されている複合機10の能力の範囲内の印刷設定を受付け可能な印刷設定画面が表示される。
【0121】
図11は、本発明に係わる文書処理装置20のUIシステム273(印刷設定アプリケーション)によってクライアントPC30に提供(表示)される印刷設定画面の表示例を示す図である。
【0122】
図11において、同図(a)は、文書処理装置20が接続中の複合機10(便宜的に、10A)から取得した属性情報(デバイス情報)「印刷能力:(カラー,両面)、オプション:(ステープル機能有り、パンチ機能有り)」に基づいて上記印刷設定アプリケーションによって表示される印刷設定画面320aの表示例を示し、図11(b)は、同一の文書処理装置20が別機種の複合機10(便宜的に、10B)に接続された時に該複合機10Bから取得した属性情報(デバイス情報)「印刷能力:(白黒,片面)、オプション:(ステープル機能無し、パンチ機能無し)」に基づいて上記印刷設定アプリケーションによって表示される印刷設定画面320bの表示例を示している。
【0123】
図11(a)に示す印刷設定画面320aでは、印刷範囲、印刷部数の設定欄の他、接続されている複合機10Aの属性情報に従って、該複合機10Aに備わる印刷機能の全てについて設定が行えるように、「印刷色:白黒/カラー」、「印刷面:両面/片面」、「オプション:ステープル処理/パンチ処理」の全ての設定欄が通常表示(設定可能な状態の表示)されるのに対して、図11(b)に示す印刷設定画面320bでは、印刷範囲、印刷部数の設定欄が通常表示され、かつ接続されている複合機10Bの属性情報に従って、該複合機10Bに備わる印刷機能(白黒/片面)の設定欄「印刷色:白黒」、「印刷面:片面」が通常表示されるが、該複合機10Bが持たない印刷機能(カラー/両面)並びにオプション機能(ステープル処理/パンチ処理)の各設定欄「印刷色:カラー」、「印刷面:両面」、「オプション:ステープル処理/パンチ処理」はグレー表示(同図に斜線で示す)され、設定不能な状態となっている。
【0124】
なお、印刷設定画面は図11に示す画面構成に限らず、図11の構成に更にプリンタドライバの選択設定欄や、印刷パラメータの設定に付随する禁則制御の設定欄を備える画面構成を有するもの等、種々のものが考えられるが、この場合も同様、上記印刷設定アプリケーションは、属性情報記憶部2716に記憶されている複合機10の属性情報を参照して、当該複合機10が対応可能な項目の設定欄のみを通常表示(設定可能に表示)するようにすれば良い。
【0125】
また、図11においては、文書処理装置20のUIシステム273内の印刷設定アプリケーションが、接続されている複合機10から取得した属性情報(機種情報、デバイス情報)に基づいて行う印刷設定画面の表示例を示しているが、UIシステム273内の他のUIアプリケーションにおいても、取得済みの属性情報を参照して、その時点で文書処理装置20が接続されている複合機10の能力の範囲内で条件設定を受付け可能な設定画面の表示を行うように制御する。
【0126】
例えば、ユーザは、クライアントPC30において、取得したスキャナドライバを用いて複合機10のスキャナ(読取部13)のオプション設定も行うことができるが、その際、スキャナ設定画面を提供するUIアプリケーション(スキャナ設定アプリケーション)においても、接続されている複合機10から取得した属性情報中のスキャナ能力情報(白黒/カラー/グレー/両面)を参照し、該能力の範囲内で受付け可能なスキャナ設定画面の表示を行う。
【0127】
上述したように、本発明に係わる文書処理装置20によれば、接続されている複合機10から読取部13のスキャナ機能やプリンタ部(画像形成部14)のプリンタ機能等のデバイス情報や機種情報等の属性情報を取得し、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、各アプリケーションが上記属性情報に応じて動作を異ならせて各拡張機能の処理動作〔例えば、複合機10からの文書受信時の通信パラメータ(ポーリング間隔、BOX番号)、文書処理(イメージ加工、フォーマット変換)、プリンタ(画像形成部14)のオプション設定(プリンタドライバ、パラメータ設定、それに付随する禁則制御)、スキャナ(読取部13)のオプション設定(白黒/カラー/グレイ)等〕を制御するように適応動作させるものであり、これにより、文書処理装置20を異なる機種の複合機10にその都度接続するような場合でも、該複合機10の機能属性に合わせた拡張機能の正常運用が可能となり、ユーザの機器(文書処理装置20)管理の負担を軽減できると共に、ユーザの環境に応じた柔軟な運用を実現できる。
【0128】
併せて、本発明では、文書処理装置20に実装された印刷設定アプリケーションやスキャナ設定アプリケーション等が、複合機10から取得した属性情報を参照し、クライアントPC30で表示可能な構造化文書言語で構成され、複合機10で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成する処理と、この生成した画面ファイルに基づき表示されるUI画面(印刷設定/スキャン設定画面等)上で、複合機10で対応可能な操作のみを受付ける処理とを行うため、ユーザは、クライアントPC30を用いて、その時点で文書処理装置20が接続されている複合機10の能力の範囲内で印刷設定等の各種設定を受付け可能となり、ユーザに対して設定操作の利便性を提供できると共に、対応不能な機能に対する無駄な設定操作を排除できる。
【0129】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0130】
例えば、本発明において、文書処理装置20は、上述した文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布の拡張機能に限らず、複合機10の拡張機能を肩代わりしてその分の処理負荷を軽減し得るより多様な拡張機能に対応した各アプリケーションを搭載し得るものである。
【0131】
また、上記実施形態では、文書処理装置20の接続対象(機能拡張対象)として、スキャナ、コピー、FAX、プリンタ等の機能を有する多機能複写機(複合機)を例に挙げているが、本発明の文書処理装置20は、当該複合機以外の、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置全般を接続対象としてその機能拡張運用に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、多機能複写機等、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続してその機能を拡張する文書処理装置に適用でき、接続する多機能文書処理装置から属性情報を取得し、該属性情報に応じて、自装置内の各アプリケーションの動作を制御することにより、機種の異なる多機能文書処理装置に接続してもその機種に合致した拡張機能の正常運用ができ、機器管理の負担を軽減できると共に、ユーザ環境に応じた柔軟な運用が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明に係わる文書処理システムの全体構成を示す概念図。
【図2】複合機の機能構成を示すブロック図。
【図3】文書処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図4】文書処理装置の制御部の機能構成を示すブロック図。
【図5】複合機と文書処理装置間の通信制御シーケンスを示す図。
【図6】Webブラウザを用いたトップメニュー画面の表示例を示す図。
【図7】文書処理装置における文書配信処理動作の流れを示す概念図。
【図8】文書処理装置における文書保管処理動作の流れを示す概念図。
【図9】文書処理装置における複合機の履歴管理処理動作の流れを示す概念図。
【図10】文書処理装置におけるドライバ配布処理動作の流れを示す概念図。
【図11】クライアントPCに対する印刷設定画面の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0134】
10…複合機、11…通信インタフェース(I/F)部、12…操作/表示部、13…読取部、14…画像形成部、15…外部インタフェース(I/F)部、16…記憶部、161(161a,161b,161c,…)…BOX(蓄積領域)、17…制御部、20…文書処理装置、21…外部インタフェース(I/F)部、23…通信インタフェース(I/F)部、25…記憶部、251(251a,251b,251c,…)…保管用フォルダ、27…制御部、27a…属性情報取得手段、271…管理システム、2711…マネージメント処理部、2712…外部通信処理部、2713…エラー通知処理部、2715…属性情報取得処理部、2716…属性情報記憶部、273…ユーザインタフェース(UI)システム、2731,2732,2733…UIアプリケーション、275…アプリケーションシステム、2751…文書配信アプリケーション、2752…文書保管アプリケーション、2753…履歴管理アプリケーション、2754…ドライバ配布アプリケーション、277…OS(オペレーティング・システム)、279…Webブラウザ、30…クライアントPC(パーソナル・コンピュータ)、40…ネットワーク、310…トップメニュー画面、320a,320b…印刷設定画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続され、該多機能文書処理装置の機能を拡張する処理を行う文書処理装置に係わり、詳しくは、機種の異なる多機能文書処理装置に接続されてもその機種に合致した拡張機能の処理を正常実行可能な拡張処理用文書処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写(コピー)機能、ファクシミリ(FAX)通信機能、ネットワークプリンタ等の印刷(プリント)機能あるいは文書読取(スキャン)機能を有する多機能複写機(以下、複合機)が広く知られており、昨今では、オフィス環境のネットワーク化に伴い、例えば、紙の原稿をスキャンして電子文書として保存する、あるいは、受信したFAX画像を添付して電子メールで配信するなどの機能を拡張することが重要になってきている。
【0003】
また、複合機を利用するユーザシーンでも、文書のスキャンやプリントなどネットワークを介した利用が増加しており、複合機の管理や運用を補助するソフトウェアも重要になってきている。
【0004】
これらの多様化する機能の全てを複合機だけで実現することは困難であるため、複合機に外部機器を接続し、利便性を高めるシステムが各種提案されている。
【0005】
このように、複合機に外部機器を接続して複合機の機能を拡張するシステムにおける利便性向上対策について、下記特許文献1には、ネットワーク上に文書処理用のサーバを設置して様々な機能を提供すると共に、ネットワークに接続された複数の複合機を効率的に運用する技術が開示されている。
【0006】
この公知技術では、複合機に加えてサーバの管理・運用が必要とされ、多数の複合機を利用する環境でない限りはユーザの機器管理の負担は軽減されない。
【0007】
また、下記特許文献2には、外部機器を、特定の複合機に最適化された仕様で接続する技術が開示されている。この公知技術では、対象機種外の複合機に対しては、提供する機能が同一であっても別仕様の外部機器が必要とされる。
【0008】
また、下記特許文献3には、接続デバイスの属性を示す情報を取得するデバイス属性情報取得部とを備え、接続デバイスの属性を示す情報に基づいてデバイスの動作を制御する技術が開示されている。
【0009】
また、下記特許文献4には、プリンタの起動時にプリンタに関する静的な情報を外部機器に送信する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2002−169666号公報
【特許文献2】特開2000−333026号公報
【特許文献3】特開2004−112520号公報
【特許文献4】特許第3121002号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したように、複合機に接続して該複合機の機能を拡張する外部機器の構成に関して、従来は、接続される複合機の仕様に対して最適化された形でシステムが構成されており、機種・機能が異なる複合機には接続できないのが一般的であった。
【0011】
一方で、複合機を利用するユーザは、例えば、プリントとスキャンはカラー機で、コピーとファクスは白黒機でというように、複数の複合機を用途によって使い分けている場合がある。
【0012】
こうした運用シーンを考慮すると、スキャン文書の後処理やペーパーレスFAXの文書電子化等で外部機器を利用する時、同じような機能を有する場合であっても、カラー複合機と白黒複合機それぞれに異なる外部機器を用意しなければならず、ユーザによる外部機器の管理が煩雑になるという問題点があった。
【0013】
また、外部機器が故障した時、あるいは、外部機器の利用頻度がさほど高くない場合、必要に応じて外部機器を適切な複合機に接続することによって運用したいという要求がある。
【0014】
更に、旧機種の複合機を破棄した場合、あるいは、新たに複合機を導入した場合、既に保有している外部機器を有効に活用したいという要求もある。
【0015】
かかる要求に対して、接続される複合機の仕様に対して最適化された形で外部機器の処理機能を設計している従来システムでは、外部機器の故障時、複合機の破棄、新規導入時等に既存の外部機器を有効活用できないという問題点があった。
【0016】
本発明は、上記問題点を解消し、どの機種に接続しても拡張機能の正常運用が可能で、ユーザの機器管理の負担を軽減できると共に、既存機器を有効活用したい等、ユーザ環境に応じた柔軟な運用を可能にする外部機器たる文書処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続され、該多機能文書処理装置の機能を拡張する処理を行う文書処理装置において、接続する前記多機能文書処理装置から当該多機能文書処理装置の属性情報を取得する属性情報取得手段と、前記多機能文書処理装置の拡張機能に係わる処理を行なう拡張機能処理アプリケーションを含む複数のアプリケーションを有し、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報に応じて、前記複数のアプリケーションの動作を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明において、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報を所定の形式で保持する属性情報保持手段を具備することを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明において、前記制御手段は、前記属性情報保持手段に保持された前記所定形式の属性情報を参照して、前記複数のアプリケーションの処理動作を異ならせるように制御することを特徴とする。
【0020】
請求項4記載の発明は、上記請求項1乃至3のいずれか記載の発明において、前記制御手段は、ネットワークを通じた情報処置端末からのアクセスに応じて、前記拡張機能を利用するためのユーザインタフェース(UI)画面を該情報処置端末に提供するUIアプリケーションを有し、該UIアプリケーションは、前記属性情報を参照し、前記情報処理端末で表示可能な構造化文書言語で構成され、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成する処理手段と、前記画面ファイルに基づき表示される前記UI画面上で、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作のみを受付ける処理手段とを具備することを特徴とする。
【0021】
請求項5記載の発明は、上記請求項1乃至4のいずれか記載の発明において、文書情報を読み取る読取手段、ファクシミリ通信手段、前記読取手段による読取文書情報または前記ファクシミリ通信によるファクシミリ受信文書情報を印刷する印刷手段を有する前記多機能文書処理装置に接続され、前記属性情報取得手段は、前記属性情報として、前記多機能文書処理装置の機種情報、前記多機能文書処理装置の記憶部の記憶容量情報、前記読取手段の読取機能情報、前記印刷手段の印刷機能情報、前記読取手段及び印刷手段に対応するオプション装備状況情報のうちの少なくとも1つを取得することを特徴とする。
【0022】
請求項6記載の発明は、上記請求項5記載の発明において、前記制御手段は、前記多機能文書処理装置における前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報の蓄積領域から該各文書情報を受信して自装置内で処理する文書処理アプリケーションを有し、該文書処理アプリケーションは、前記属性情報を参照して、前記蓄積領域からの前記各文書情報の受信に係わる通信パラメータの制御を行なうことを特徴とする。
【0023】
請求項7記載の発明は、上記請求項6記載の発明において、前記文書処理アプリケーションは、前記属性情報を参照して、前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報のフォーマット変換またはイメージ加工処理の少なくとも1つの処理を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項8記載の発明は、上記請求項項5乃至7のいずれか記載の発明において、前記UIアプリケーションは、前記読取手段のオプション機能設定に用いる読取設定UI画面を提供する読取設定UIアプリケーションを含み、該読取設定UIアプリケーションは、前記属性情報を参照して生成される前記読取設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記読取手段のオプション機能のみの設定を受付けることを特徴とする。
【0025】
請求項9記載の発明は、上記請求項5乃至8のいずれか記載の発明において、前記UIアプリケーションは、前記印刷手段のオプション機能設定に用いる印刷設定UI画面を提供する印刷設定UIアプリケーションを含み、該印刷設定UIアプリケーションは、前記属性情報を参照して生成される前記印刷設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記印刷手段のオプション機能のみの設定を受付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、接続する多機能文書処理装置から当該多機能文書処理装置の属性情報を取得し、該取得した属性情報に応じて、文書処理装置内の複数のアプリケーションの動作を制御するため、該文書処理装置を別の多機能文書処理装置に接続しても、該接続される多機能文書処理装置から取得した機種情報等の属性情報に応じて文書処理装置の動作を異ならせることでその時に接続されている多機能文書処理装置の拡張機能を正常動作させることができ、多機能文書処理装置の機種と文書処理装置の機種が合うかを確認してから接続するといった機器管理の負担を大幅に軽減できる。
また、既存の文書処理装置を必要に応じて多機能文書処理装置に接続して運用したい、あるいは、新規導入した多機能文書処理装置に既存の文書処理装置を接続して運用したい等、ユーザの環境に応じた柔軟な運用も可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明に係わる文書処理システムの全体構成を示す概念図である。
【0029】
このシステムは、コピー、FAX通信、プリンタ、スキャナという複数の文書処理機能を有する多機能複写機を適用した複合機10と、該複合機10の外部に専用インタフェースを介して接続され、該複合機10の上記複数の機能と連携した複数の拡張機能に係わる処理を行う外部機器である文書処理装置20と、文書処理装置20の処理機能を利用するために用いるクライアントPC(パーソナル・コンピュータ:特許請求の範囲における情報処理端末)30とを例えばLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)によって構成されるネットワーク40を介して接続して構成される。
【0030】
図2は、このシステムにおける複合機10の機能構成を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、この複合機10は、公衆回線網の通信回線との間でFAX通信に係わる通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部11、複数のキーを有する操作パネルと液晶表示部等から成り、操作パネルのキー押下により各種機能〔コピー、FAX、プリンタ、スキャナ〕の実行指示等を入力すると共に、操作ガイダンスや実行機能の動作状態等の各種情報を液晶表示部に表示する操作/表示部12、原稿上の画像を読み取る読取部(スキャナ)13、読取部13により読み取られた画像データ(スキャン文書情報),FAX通信により受信された画像データ(受信FAX文書情報),クライアントPC30からの印刷指示に基づき文書処理装置20から転送される文書情報等の情報を記録媒体(印刷用紙)に印刷する画像形成部14、文書処理装置20との間でデータ(スキャン文書情報、受信FAX文書情報等)やコマンドの送受を行う外部インタフェース(I/F)部15、スキャン文書情報や、受信FAX文書情報等の各種情報を記憶する記憶部16、コピー、FAX、プリンタ、スキャナ等の各機能に係わる該当各部の動作制御等、装置全体の制御を行なう制御部17を備えて構成される。
【0032】
この複合機10において、記憶部16には、各々宛先情報が割り振られた複数の親展ボックス(特許請求の範囲における蓄積領域:以下、BOX)161(161a,161b,161c,…)が設けられる。
【0033】
制御部17は、上述したコピー、FAX、プリンタ、スキャナの各機能に係わる通常の制御の他、文書処理装置20の後述する拡張機能処理用の各アプリケーションとの連携動作が関連付け設定されている場合には、読取部13で読み取ったスキャン文書情報、FAX通信により受信した受信FAX文書情報を該当する宛先のBOX161に蓄積する制御を行なう。
【0034】
そして、複合機10に外部I/F部15を介して接続される文書処理装置10では、複合機10の各BOX161にスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報が蓄積された場合、クライアントPC30からの事前の設定に従って、各種拡張機能処理用のアプリケーションが、各々、該文書情報にアクセスして該文書情報の処理を実行する。
【0035】
この文書処理装置20における各拡張機能処理用アプリケーションによる文書情報処理の例としては、例えば、BOX161に蓄積された文書情報を電子メール(E−mail)等により配信する文書配信処理(図7参照)、BOX161に蓄積された文書情報を自装置20の記憶部25(図3参照)内の保管領域(保管用フォルダ251)に保管する文書保管処理(図8参照)がある。
【0036】
この他、文書処理装置20では、複合機10の拡張機能に係わる処理として、該複合機10で実施されるコピー、FAX、プリンタ、スキャナ等の各機能のログ情報(実行結果の記録)を取得して履歴情報として集計、管理すると共に、該履歴情報の集計結果をクライアントPC30で閲覧可能にせしめる履歴管理処理(図9参照)、複合機10の読取部13を駆動するスキャナドライバ、画像形成部14を駆動するプリンタドライバをネットワークを介して取得して最新のドライバに更新すると共に、クライアントPC30からの取得要求に応じて該最新ドライバを当該クライアントPC30に配布するドライバ配布処理(図10参照)も実行する。
【0037】
図3は、このシステムにおける文書処理装置20の機能構成を示すブロック図である。
【0038】
図3に示すように、文書処理装置20は、複合機10との専用インタフェースである外部インタフェース(I/F)部21、ネットワーク40との通信インタフェースを司る通信インタフェース(I/F)部23、ハードディスクドライブ(HDD)装置によって構成される記憶部25、装置全体の制御を行なう制御部27を具備して構成される。
【0039】
この文書処理装置20において、制御部27は、複合機10におけるスキャナやFAX等の機能に連携して当該複合機10の機能拡張処理を行う拡張機能処理用のアプリケーション(上述した文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布の各処理を行うアプリケーション)を含む複数のアプリケーションを実装して成り、これら複数のアプリケーションにより、複合機10の拡張機能に係わる各種の動作制御を実行する。
【0040】
本発明の特徴的な構成として、制御部27には、接続される複合機10と所定のプロトコル手順に従って交信することにより、該複合機10から、当該複合機10の機種情報、HDD(記憶部16)やメモリの記憶容量情報、読取部13の読取機能(スキャナがカラー対応か白黒対応かグレー対応か等)情報、画像形成部14の印刷機能(カラー印刷対応か白黒印刷対応か等)情報、読取部13及び画像形成部14各々のオプション装備状況(スキャナに関しては両面スキャン可能かどうか。プリントに関しては、ステープル,パンチ,両面印刷,出力先トレイ選択に対応しているかどうか。等)情報等の属性情報を取得する属性情報取得手段27aが備わり、該属性情報取得手段27aにより取得された属性情報に応じて、当該制御部27内に実装される上述した複数のアプリケーション(上記文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布の各処理を行うアプリケーションを含む)の動作を制御する仕組みになっている。
【0041】
図4は、文書処理装置20の制御部27の機能構成を示すブロック図である。
【0042】
図4に示すように、制御部27は、サブシステムとして、マネージメント(管理)システム271、ユーザインタフェース(以下、UI)システム273、アプリケーションシステム275を備えている。
【0043】
管理システム271は、文書処理装置20のハードウェア及びソフトウェアの稼動状態を管理するサブシステムであり、マネージメント処理部2711、外部通信処理部2712、エラー通知処理部2713、属性情報取得処理部2715、属性情報記憶部2716を備えている。
【0044】
マネージメント処理部2711は、文書処理装置20(制御部27)内で稼動するアプリケーション(UIシステム273内及びアプリケーションシステム275内の各アプリケーション)の起動や、ハードウェア及びソフトウェアの動作状態の監視を行う。
【0045】
外部通信処理部2712は、文書処理装置20と複合機10との間の文書入出力及び該文書入出力を制御するための通信を行う処理部であり、スキャン文書情報や受信FAX文書情報の取得(複合機10の各ボックス161からの受信)、複合機10への印刷時の文書出力を行う。
【0046】
エラー通知処理部2713は、上述したマネージメント処理部2711での管理機能で稼動状態の異常が検出された場合に、文書処理装置20においてその旨を警告するためのビープ音を鳴動せしめたり、エラーメッセージをユーザのクライアントPC30に送信する等の通知処理を行う。
【0047】
属性情報取得処理部2715は、図3に示した属性情報取得手段27aに相当するものであり、複合機10との間で所定のプロトコル手順を実施して該複合機10の各部の処理能力等に関する属性情報を取得する処理を行う。
【0048】
UIシステム273は、クライアントPC30でのWebブラウザ279を用いた所定のブラウザ操作によって文書処理装置20を利用するための各種UI操作を受付けるサブシステムであり、文書処理装置20のシステム設定のための操作画面の表示と該設定画面上での操作に基づくシステム設定受付け処理を行うアプリケーション(図中、UIアプリ1)2731、文書処理装置20で稼動する各種アプリケーションを利用するための操作画面の表示と該操作画面上での操作に基づくアプリケーション利用受け付け処理を行うアプリケーション(同、UIアプリ2)2732、文書処理装置20の管理システム271上で稼動する各種アプリケーションの設定を行うための操作画面の表示と該操作画面上での操作に基づく管理システム利用設定受付処理を行うアプリケーション(同、UIアプリ3)2733等が備わる。
【0049】
アプリケーションシステム275は、文書処理装置20がOS(オペレーティング・システム)277上で稼動する各種アプリケーションにより複合機10の拡張機能に係わる処理を提供するサブシステムであり、当該アプリケーションとしては、複合機10のBOX161に蓄積されたスキャン文書情報若しくは受信FAX文書情報を読み出してメールあるいはネットワーク配信する文書配信処理を行う「文書配信」アプリケーション2751、同じく、文書をBOX161から読み出して記憶部25に蓄積する文書保管処理を行う「文書保管」アプリケーション2752、複合機10で実行されるコピー、FAX、プリンタ、スキャナの各機能に係わる実行記録であるログ情報を取得して履歴情報として保持、管理すると共に、クライアントPC30からのアクセスに応じて、該履歴情報の一覧を送出してクライアントPC30で閲覧可能にせしめる履歴管理処理を行う「履歴管理」アプリケーション2753、複合機10のスキャナドライバやプリンタドライバを対象に各々最新のドライバをネットワーク40を介して取得して保持、管理すると共に、クライアントPC30からのアクセスに応じて該最新ドライバを該クライアントPC30に配布するドライバ配布処理を行う「ドライバ」配布アプリケーション2754等が備わる。
【0050】
かかる制御部27の構成と各部(特に、アプリケーションシステム275)の機能説明からも分かるように、文書処理装置20では、複合機10においてBOX161に蓄積されたスキャン文書情報や受信FAX文書情報の配信あるいは保管、複合機10における各機能の処理履歴の管理、最新のドライバの取得並びに配布等の拡張機能に関する処理を複合機10に代わって実行することで、複合機10におけるこれら拡張機能の処理負担を軽減するように動作する。
【0051】
特に、本発明の文書処理装置20では、制御部27において、属性情報取得処理部2715が、接続されている複合機10から事前に属性情報を取得しておき、UIアプリケーション273及びアプリケーションシステム275内の各アプリケーションが、該取得された属性情報に応じて、文書処理装置20の動作を異ならせるように各拡張機能の動作制御を実施することにより、当該文書処理装置20がどのような機種の複合機10に接続された場合でも、該複合機10の機種等に対応した適正な拡張機能動作を行なえるようにしている。
【0052】
次に、複合機10への接続時における文書処理装置20の処理動作について説明する。
【0053】
図5は、複合機10に文書処理装置20が接続された状態における両者間の通信制御シーケンスを示す図である。
【0054】
図5において、複合機10に対して文書処理装置20が、互いの外部I/F部15,21間をケーブル等の接続手段を用いて接続された状態で、複合機10の電源スイッチが電源オン状態(ステップS101)に操作されると、これを検出した複合機10の制御部17は、WOL(Wake on LAN)方式の起動指示信号であるマジック・パケット(Magic Packet)を外部I/F部15を通じて文書処理装置20に対して送出する(ステップS102)。
【0055】
一方、文書処理装置20では、外部I/F部21を通じて上記マジックパケットを受信すると(ステップS201)、制御部27がOS277を起動し(ステップS202)、管理システム271の各部を起動状態に制御する(ステップS203)。
【0056】
次いで、管理システム271の属性情報取得処理部2715は、複合機10に対して所定のプロトコルによる属性情報取得制御を開始する。
【0057】
この制御において、属性情報取得処理部2715は、まずはじめに、プロトコル手順1(プロトコル11)により、機種確認取得要求を複合機10に送出する(ステップS204)。
【0058】
これに対し、複合機10は、外部I/F部15を通じて上記機種確認取得要求を受信すると(ステップS103)、制御部17が、例えば、自回路内の図示しない情報管理部に予め記憶している自装置10の機種情報を、プロトコル応答手順1(プロトコル12)により、外部I/F部15を通じて文書処理装置20に送出する(ステップS104)。
【0059】
一方、文書処理装置20は、外部I/F部21を通じて上記機種情報を受信すると(ステップS205)、属性情報取得処理部2715が、この機種情報を取得すると共に、該機種情報を参照して自装置20の対応機種か否かをチェックする(ステップS206)。
【0060】
ここで、対応機種でないと判定された場合(ステップS206NO)、属性情報取得処理部2715は、接続不可報知等を含む否対応処理(ステップS221)を実行し、以後の処理動作を停止する。
【0061】
これに対して、対応機種であると判定された場合(ステップS206YES)、属性情報取得処理部2715は、接続されている複合機10の前提となるサービスが起動されているかどうかをチェックする(ステップS207)。
【0062】
ここで、複合機10の前提となるサービスが起動されている場合(ステップS207YES)、次いで、属性情報取得処理部2715は、プロトコル手順2(プロトコル21)により、外部I/F部21を通じて、デバイス情報取得要求を複合機10に送出する(ステップS208)。
【0063】
これに対し、複合機10は、外部I/F部15を通じて上記デバイス情報取得要求を受信すると(ステップS105)、制御部17が、情報管理部に予め記憶している自装置10のデバイス情報の中から当該プロトコル21に対応付けられたデバイス情報を読出し、該デバイス情報を、プロトコル応答手順2(プロトコル22)により、外部I/F部15を通じて文書処理装置20に送出する(ステップS106)。
【0064】
一方、文書処理装置20は、外部I/F部21を通じて上記デバイス情報を受信すると(ステップS209)、属性情報取得処理部2715が、該デバイス情報を取得し、次いで、プロトコル手順3(プロトコル31)により、外部I/F部21を通じて、デバイス情報取得要求を複合機10に送出する(ステップS210)。
【0065】
これに対し、複合機10は、外部I/F部15を通じて上記デバイス情報取得要求を受信すると(ステップS107)、制御部17が、情報管理部に予め記憶している自装置10のデバイス情報の中からプロトコル31に対応付けられたデバイス情報を読み出し、該デバイス情報を、プロトコル応答手順3(プロトコル32)により、外部I/F部15を通じて文書処理装置20に送出する(ステップS108)。
【0066】
一方、文書処理装置20は、外部I/F部21を通じて上記プロトコル応答手順3により上記デバイス情報を受信すると(ステップS211)、属性情報取得処理部2715が、この受信したデバイス情報を、上記プロトコル12により取得した機種情報並びに上記プロトコル22により取得したデバイス情報と共に、属性情報記憶部2716に記憶する(ステップS212)。
【0067】
上記プロトコル中、プロトコル手順22において、複合機10は、文書処理装置20からのデバイス情報取得要求に対して、情報管理部に記憶している自装置のデバイス情報の中から、例えば、スキャナがカラーあるいは白黒のいずれに対応しているかを示すスキャナ機能情報、プリンタがカラーあるいは白黒のいずれに対応しているかを示すプリンタ機能情報、ステープル機能やパンチ機能等の有無を示すフィニッシャ機能情報、スキャナあるいはプリンタが両面読み取りあるいは両面印刷に対応しているかどうかを示す両面機能有無情報等を読み出して文書処理装置20に送出する。
【0068】
また、プロトコル手順32において、複合機10は、文書処理装置20からのデバイス情報取得要求に対して、情報管理部に記憶している自装置のデバイス情報の中から、例えば、サイドトレイやタンデムトレイの有無を示す印刷オプション機能情報、HDD(記憶部16)の有無やメモリサイズを示す記憶機能情報を読み出して文書処理装置20に送出する。
【0069】
これにより、属性情報取得処理部2715は、上記プロトコル12で複合機10の機種情報を取得した後、上記プロトコル22及び32で上記デバイス情報を各々取得し、ステップS212において、これら取得した機種情報及びデバイス情報を複合機10の属性情報として属性情報記憶部2716に記憶する。
【0070】
その後、文書処理装置20の制御部27では、マネージメント処理部2711が、例えば、複合機10におけるスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報のBOX161への蓄積や、クライアントPC30からの履歴情報取得要求、あるいはドライバの更新処理要求等のイベントが発生したかどうかを監視し(ステップS213)、イベントが発生した場合(ステップS213YES)、該イベントに対応した各UIアプリケーション2731,2732,2733,…や、各拡張機能処理用アプリケーション2751,2752,2753,2754を起動させて該当する拡張機能の処理を行う。
【0071】
その際、マネージメント処理部2711は、これら各アプリケーションによって、各々、属性情報記憶部2716に記憶されている属性情報を参照して該当するイベントに対する拡張機能(文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布)の制御動作が実行されるように統合制御する。
【0072】
また、この統合制御によって、UIシステム273内の各UIアプリケーション2731,2732,2733,…は、各々、文書処理装置20内の属性情報記憶部2716内に保持される属性情報を参照して、ネットワーク40上のクライアントPC30で表示可能な構造化文書言語で構成され、複合機10で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成し、該画面ファイルに基づき表示されるUI画面上で、複合機10で対応可能な操作のみを受付ける処理を行う。
【0073】
これにより、ユーザがクライアントPC30でWebブラウザ279を利用して各UIアプリケーション2731,2732,2733,…により表示される操作画面を見た時、該操作画面上には、文書処理装置20に保持されている複合機10の属性情報(機種情報、デバイス情報)が示す装置機能に対応した項目のみの設定が可能な操作画面が表示されることになり、ユーザに対して設定操作の利便性を提供できると共に、対応不能な機能に対する無駄な設定を規制することができる。
【0074】
次に、属性情報記憶部2716に記憶された属性情報に基づく、各アプリケーション2751,2752,2753,2754による拡張機能処理動作について説明する。
【0075】
文書処理装置20での各アプリケーション2751,2752,2753,2754による拡張機能処理動作を実行するためには、クライアントPC30からWebブラウザ279を利用して各拡張機能に関する設定を行う必要がある。
【0076】
図6は、Webブラウザ279を用いて該当UIアプリケーションの処理により表示されるトップメニュー画面310の表示例を示す図である。
【0077】
ユーザは、トップメニュー画面310上に表示される「文書配信」、「文書保管」、「利用状況」及び「ドライバ取得」の各拡張機能メニューの中から所望の拡張機能を選択し、該選択した拡張機能に関するパラメータ等の設定を行うことができる。
【0078】
例えば、「文書配信」に関しては、スキャン文書や受信FAX文書毎にメール送信若しくはネットワーク送信を行うこと、スキャン文書や受信FAX文書毎の送信先、送信後に当該送信文書を文書処理装置20の記憶部25(保管用フォルダ251)に保管するかどうか等の設定を行うことができる。
【0079】
また、「文書保管」に関しては、スキャン文書や受信FAX文書毎に文書処理装置20の記憶部25内の保管用フォルダ251に保管すること、この場合における複合機10の各BOX161と保管先である保管用フォルダ251との対応付け(紐付け)等の設定を行うことができる。
【0080】
また、「利用状況」に関しては、複合機10により実施された各機能ジョブのログ情報を取得する時刻や取得間隔等を設定することができる。
【0081】
また、「ドライバ取得」に関しては、取得しようとするドライバの種別や、取得時刻あるいは取得間隔等を設定することができる。
【0082】
かかる設定後の対応各アプリケーションによる拡張機能処理動作について以下に説明する。
【0083】
図7は、文書処理装置20の制御部27に実装される「文書配信」アプリケーション2751により実施される文書配信処理動作の流れを示す概念図である。
【0084】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS70)によって、事前に、「文書配信」に係わる各種設定(ステップS71)を行った後、複合機10において、読取部13により原稿が読み取られる(ステップS72a)毎に、該スキャン文書情報画が適宜に画像処理(イメージ加工処理やフォーマット変換等:ステップS73)されたうえで、指定された各BOX161内に蓄積される(ステップS74)。
【0085】
かかる複合機10のスキャン動作に対して、文書処理装置20では、複合機10のBOX161内に文書情報が蓄積されると、「文書配信」アプリケーション2751が起動される。
【0086】
ここで、「文書配信」アプリケーション2751は、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS75)してそこに蓄積されているスキャン文書情報を読み出し(ステップS76)、上記設定に従い、該スキャン文書情報を予め設定された配信先へ配信するサービスを実行する(ステップS77)。
【0087】
この時、配信先としてメールアドレスが設定されていれば、上記スキャン文書情報をメールに添付し、当該メールアドレスを有するクライアントPC30等へとメール送信する(ステップS771)。
【0088】
また、配信先としてネットワーク40上のIPアドレスが設定されている場合は、上記スキャン文書情報を当該IPアドレスを有する配信先(クライアントPC30やサーバ等)へとネットワーク40を介して転送する(ステップS772)。
【0089】
同様に、複合機10において、通信I/F部11により相手FAXから文書情報が受信される(ステップS72b)毎に、該受信された受信FAX文書情報が適宜に画像処理(ステップS73)されたうえで、この時の宛先に対応する各BOX161内に蓄積される(ステップS74)と、文書処理装置20では、「文書配信」アプリケーション2751が起動され、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS75)してそこに蓄積されている受信FAX文書情報を読み出し(ステップS76)、上記設定に従い、該受信FAX文書情報を予め設定された配信先へ配信するサービスを実行する(ステップS77:S771/S772)。
【0090】
この文書配信処理において、「文書配信」アプリケーション2751は、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、該属性情報に応じた文書配信動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0091】
例えば、上記属性情報中のスキャナ能力情報を参照し、複合機10の読取部13がカラー読取能力を有するか白黒読取能力を有するかに応じてスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報のフォーマット変換の処理方法を変更する制御を行なう。
【0092】
具体例を挙げると、上記属性情報中のスキャナ能力情報を基に、複合機10の読取部13がカラー読取能力有りと認識された場合には、スキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報を例えばPDF(Portable Document Format)にフォーマット変換する一方で、読取部13が白黒読取能力しかないと認識された場合には、スキャン文書あるいは受信FAX文書を上記PDF以外の処理方式でフォーマット変換する等の処理動作を選択的に実施する。
【0093】
また、イメージ加工については、上記属性情報を参照し、その中の読取部13の読取能力情報から片面読取能力しかないか両面読取能力があるかを認識し、両面読取能力がある場合には、裏面に白紙の頁が混じっている場合に白紙頁を除去する一方、片面読取能力しかない場合には当該処理を行わないといった処理動作を適応実施することができる。
【0094】
また、「文書配信」アプリケーション2751は、上記属性情報中の複合機10のHDD(記憶部16)容量やメモリ容量を参照し、これらの記憶容量に応じて、複合機10のBOX161からスキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報を読み出す(受信する)ポーリング間隔を適宜可変制御することができる。
【0095】
また、「文書配信」アプリケーション2751は、上記属性情報における、複合機10の読取部13の読取能力(カラー対応か、白黒対応か)、及び複合機10のHDD容量やメモリ容量とに基づき、カラー対応の場合には、スキャン文書情報あるいは受信FAX文書情報を白黒対応の場合よりも記憶容量の大きなBOX161に蓄積するといったBOX番号変更制御も実施することができる。
【0096】
図8は、文書処理装置20の制御部27に実装される「文書保管」アプリケーション2752により実施される文書保管処理動作の流れを示す概念図である。
【0097】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS80)によって、事前に、「文書保管」に係わる各種設定(ステップS81)を行った後、複合機10において、読取部13により原稿が読み取られる(ステップS82a)毎に、該スキャン文書情報が適宜に画像処理(イメージ加工処理やフォーマット変換等:ステップS83)されたうえで、指定された各BOX161内に蓄積される(ステップS84)。
【0098】
かかる複合機10のスキャン動作に対して、文書処理装置20では、複合機10のBOX161内に文書情報が蓄積されると、「文書保管」アプリケーション2752が起動される。
【0099】
ここで、「文書保管」アプリケーション2752は、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS85)してそこに蓄積されているスキャン文書情報を読み出し(ステップS86)、上記設定に従い、該スキャン文書情報を予め設定された保管先へ保管するサービスを実行する(ステップS87)。
【0100】
この例では、文書処理装置20のHDD(記憶部25)内に複数の保管用フォルダ251(251a,251b,251c,…)から成る保管領域が設けられており、「文書保管」アプリケーション2752は、複合機10から取得したスキャン文書情報を、上記設定に従い、上記記憶領域内の該当する保存用フォルダ251に保管する処理(ステップS871)を行う。
【0101】
同様に、複合機10において、通信I/F部11により相手FAXから文書情報が受信される(ステップS82b)毎に、該受信されたFAX文書情報が適宜に画像処理(ステップS83)されたうえで、この時の宛先に対応する各BOX161内に蓄積される(ステップS84)と、文書処理装置20では、「文書保管」アプリケーション2752が起動され、複合機10のBOX161にアクセス(ステップS85)してそこに蓄積されている受信FAX文書情報を読み出し(ステップS86)、上記設定に従い、該受信FAX文書情報を予め設定された保管先(フォルダ251)へ保管するサービスを実行する(ステップS87:S871)。
【0102】
その後、クライアントPC30から所定のブラウザ操作(文書閲覧操作)を経てネットワーク40を通じた文書閲覧要求があると、文書処理装置20のUIシステム273の該当するUIアプリケーションが、記憶部25の保管領域内の全保管用フォルダ251の一覧画面(検索用画面)をWebブラウザ279上に表示する処理を行い、これにより、ユーザによる文書処理装置20の保管文書の閲覧(保管文書の確認:ステップS88)並びに検索を可能にする。
【0103】
ここで、上記UIアプリケーションは、特定のクライアントPC30に限定せず、ネットワーク40上の多数のクライアントPC30からの文書閲覧要求を受付けて上記検索用画面を表示することにより、複数のクライアントPC30によるネットワーク40上での文書共有化サービスを提供する。
【0104】
また、クライアントPC30における上記文書閲覧操作に基づく文書閲覧の後、該クライアントPC30により上記一覧画面上の所望の文書情報に対する印刷指示操作がなされると、UIシステム273の該当するUIアプリケーションが、当該印刷指示された文書情報を保管用フォルダ251から読出し、複合機10に転送して画像形成部14により印刷出力(プリント:ステップS89参照)させる処理を行う。
【0105】
この印刷処理において、上記UIアプリケーションは、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に記憶されている複合機10の属性情報を参照し、該属性情報に応じた印刷処理動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0106】
この印刷処理において、上記UIアプリケーションは、例えば、複合機10の属性情報のうちの印刷能力情報(画像形成部14が白黒印刷対応かカラー印刷対応か等の情報)を参照し、該印刷能力に応じて印刷指示対象の文書情報を加工して複合機10に渡してやる等の動作制御を行なう。
【0107】
図9は、文書処理装置20の制御部27に実装される「履歴管理」アプリケーション2753により実施される履歴管理処理動作の流れを示す概念図である。
【0108】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS90)によって、事前に、「履歴管理」に係わる各種設定(ステップS91)を行う。
【0109】
その後、「履歴管理」アプリケーション2753は、上記設定に従い、該設定要件のうちの、例えば、ログ情報取得時刻に達すると、複合機10の例えば制御部27内に設けられるログ情報記憶領域にアクセス(ステップS92)してそこに蓄積されているログ情報(当該時刻までの各機能動作の実行状況の記録)を読み出し(ステップS93)、該読み出したログ情報を基に、複合機10における各機能動作の処理履歴を集計するサービスを実行する(ステップS94:S941)。
【0110】
その後、クライアントPC30から所定のブラウザ操作(履歴閲覧操作)を経て履歴閲覧要求があると、文書処理装置20のUIシステム273の該当するUIアプリケーションが、上記ステップS941での履歴集計結果をWebブラウザ279上に一覧表示する処理を行い、これにより、ユーザによる当該履歴集計結果の閲覧(利用状況の確認:ステップS95)を可能にする。
【0111】
この履歴管理処理において、「履歴管理」アプリケーション2753は、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、例えば、複合機10の種別に応じて、各々異なる一覧フォームで履歴集計結果を生成する等、当該属性情報に応じた履歴管理動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0112】
図10は、文書処理装置20の制御部27に実装される「ドライバ配布」アプリケーション2754により実施されるドライバ配布処理動作の流れを示す概念図である。
【0113】
この処理を実行するためには、上述した方法によりWebブラウザ279を利用したクライアントPC30でのブラウザ操作(ステップS10)によって、事前に、「ドライバ配布」に係わる各種設定(ステップS11)を行う。
【0114】
その後、「ドライバ配布」アプリケーション2754は、上記設定に従い、例えば、定期的にネットワーク40経由でドライバ(プリンタドライバ、スキャナドライバ)を取得し(ステップS12)、既に保持している(例えば、記憶部25内の所定の記憶領域内に)該当する各ドライバを最新バージョンのドライバに更新するサービスを実行する(ステップS13:S131)。
【0115】
その後、クライアントPC30から所定のブラウザ操作(ドライバダウンロード操作)を経てドライバ取得要求があると、文書処理装置20のユーザインタフェースシステム273の該当するUIアプリケーションが、上記ステップS131で更新した最新のドライバ要求元のクライアントPC30に配信(配布)する処理を行い、これにより、ユーザによる最新のドライバの入手(ステップS15)を可能にする。
【0116】
このドライバ配布処理において、「ドライバ配布」アプリケーション2754は、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、例えば、複合機10の種別に対応したドライバのみを取得、更新する等、当該属性情報に応じたドライバ配布処理動作制御を実施する(図5におけるステップS214の処理に相当)。
【0117】
なお、このシステムを利用するユーザは、必要に応じて、クライアントPC30で文書閲覧操作を行い、文書処理装置20の保管用フォルダ251に蓄積された文書を閲覧して所望の文書を検索(図8におけるステップS88参照)した後、その時点までに取得(図10におけるステップS15参照)されているプリンタドライバを用いて当該文書に対する印刷指示操作を行うことで、該印刷対象の文書データを文書処理装置20から複合機10に転送して画像形成部14により印刷出力(プリント:図8におけるステップS89参照)することができる。
【0118】
この場合、ユーザは、クライアントPC30において、文書処理装置20のUIシステム273内の該当するUIアプリケーション(印刷設定アプリケーション)によりWebブラウザ279を用いて提供される印刷設定画面を用いて印刷パラメータの設定や印刷開始指示を行うことになる。
【0119】
その際、印刷設定アプリケーションは、属性情報記憶部2716に保存されている複合機10の属性情報を参照し、クライアントPC30で表示可能な構造化文書言語で構成された画面ファイル(すなわち、当該複合機10の能力の範囲内の印刷設定を受付け可能な印刷設定画面に対応する画面ファイル)を生成し、該画面ファイルを基に上記印刷設定画面を表示する。
【0120】
これにより、クライアントPC30には、その時点で文書処理装置20が接続されている複合機10の能力の範囲内の印刷設定を受付け可能な印刷設定画面が表示される。
【0121】
図11は、本発明に係わる文書処理装置20のUIシステム273(印刷設定アプリケーション)によってクライアントPC30に提供(表示)される印刷設定画面の表示例を示す図である。
【0122】
図11において、同図(a)は、文書処理装置20が接続中の複合機10(便宜的に、10A)から取得した属性情報(デバイス情報)「印刷能力:(カラー,両面)、オプション:(ステープル機能有り、パンチ機能有り)」に基づいて上記印刷設定アプリケーションによって表示される印刷設定画面320aの表示例を示し、図11(b)は、同一の文書処理装置20が別機種の複合機10(便宜的に、10B)に接続された時に該複合機10Bから取得した属性情報(デバイス情報)「印刷能力:(白黒,片面)、オプション:(ステープル機能無し、パンチ機能無し)」に基づいて上記印刷設定アプリケーションによって表示される印刷設定画面320bの表示例を示している。
【0123】
図11(a)に示す印刷設定画面320aでは、印刷範囲、印刷部数の設定欄の他、接続されている複合機10Aの属性情報に従って、該複合機10Aに備わる印刷機能の全てについて設定が行えるように、「印刷色:白黒/カラー」、「印刷面:両面/片面」、「オプション:ステープル処理/パンチ処理」の全ての設定欄が通常表示(設定可能な状態の表示)されるのに対して、図11(b)に示す印刷設定画面320bでは、印刷範囲、印刷部数の設定欄が通常表示され、かつ接続されている複合機10Bの属性情報に従って、該複合機10Bに備わる印刷機能(白黒/片面)の設定欄「印刷色:白黒」、「印刷面:片面」が通常表示されるが、該複合機10Bが持たない印刷機能(カラー/両面)並びにオプション機能(ステープル処理/パンチ処理)の各設定欄「印刷色:カラー」、「印刷面:両面」、「オプション:ステープル処理/パンチ処理」はグレー表示(同図に斜線で示す)され、設定不能な状態となっている。
【0124】
なお、印刷設定画面は図11に示す画面構成に限らず、図11の構成に更にプリンタドライバの選択設定欄や、印刷パラメータの設定に付随する禁則制御の設定欄を備える画面構成を有するもの等、種々のものが考えられるが、この場合も同様、上記印刷設定アプリケーションは、属性情報記憶部2716に記憶されている複合機10の属性情報を参照して、当該複合機10が対応可能な項目の設定欄のみを通常表示(設定可能に表示)するようにすれば良い。
【0125】
また、図11においては、文書処理装置20のUIシステム273内の印刷設定アプリケーションが、接続されている複合機10から取得した属性情報(機種情報、デバイス情報)に基づいて行う印刷設定画面の表示例を示しているが、UIシステム273内の他のUIアプリケーションにおいても、取得済みの属性情報を参照して、その時点で文書処理装置20が接続されている複合機10の能力の範囲内で条件設定を受付け可能な設定画面の表示を行うように制御する。
【0126】
例えば、ユーザは、クライアントPC30において、取得したスキャナドライバを用いて複合機10のスキャナ(読取部13)のオプション設定も行うことができるが、その際、スキャナ設定画面を提供するUIアプリケーション(スキャナ設定アプリケーション)においても、接続されている複合機10から取得した属性情報中のスキャナ能力情報(白黒/カラー/グレー/両面)を参照し、該能力の範囲内で受付け可能なスキャナ設定画面の表示を行う。
【0127】
上述したように、本発明に係わる文書処理装置20によれば、接続されている複合機10から読取部13のスキャナ機能やプリンタ部(画像形成部14)のプリンタ機能等のデバイス情報や機種情報等の属性情報を取得し、管理システム271のマネージメント処理部2711の統合管理下で、各アプリケーションが上記属性情報に応じて動作を異ならせて各拡張機能の処理動作〔例えば、複合機10からの文書受信時の通信パラメータ(ポーリング間隔、BOX番号)、文書処理(イメージ加工、フォーマット変換)、プリンタ(画像形成部14)のオプション設定(プリンタドライバ、パラメータ設定、それに付随する禁則制御)、スキャナ(読取部13)のオプション設定(白黒/カラー/グレイ)等〕を制御するように適応動作させるものであり、これにより、文書処理装置20を異なる機種の複合機10にその都度接続するような場合でも、該複合機10の機能属性に合わせた拡張機能の正常運用が可能となり、ユーザの機器(文書処理装置20)管理の負担を軽減できると共に、ユーザの環境に応じた柔軟な運用を実現できる。
【0128】
併せて、本発明では、文書処理装置20に実装された印刷設定アプリケーションやスキャナ設定アプリケーション等が、複合機10から取得した属性情報を参照し、クライアントPC30で表示可能な構造化文書言語で構成され、複合機10で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成する処理と、この生成した画面ファイルに基づき表示されるUI画面(印刷設定/スキャン設定画面等)上で、複合機10で対応可能な操作のみを受付ける処理とを行うため、ユーザは、クライアントPC30を用いて、その時点で文書処理装置20が接続されている複合機10の能力の範囲内で印刷設定等の各種設定を受付け可能となり、ユーザに対して設定操作の利便性を提供できると共に、対応不能な機能に対する無駄な設定操作を排除できる。
【0129】
この他、本発明は、上記し、且つ図面に示す実施例に限定することなく、その要旨を変更しない範囲内で適宜変形して実施できるものである。
【0130】
例えば、本発明において、文書処理装置20は、上述した文書配信、文書保管、履歴管理、ドライバ配布の拡張機能に限らず、複合機10の拡張機能を肩代わりしてその分の処理負荷を軽減し得るより多様な拡張機能に対応した各アプリケーションを搭載し得るものである。
【0131】
また、上記実施形態では、文書処理装置20の接続対象(機能拡張対象)として、スキャナ、コピー、FAX、プリンタ等の機能を有する多機能複写機(複合機)を例に挙げているが、本発明の文書処理装置20は、当該複合機以外の、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置全般を接続対象としてその機能拡張運用に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、多機能複写機等、多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続してその機能を拡張する文書処理装置に適用でき、接続する多機能文書処理装置から属性情報を取得し、該属性情報に応じて、自装置内の各アプリケーションの動作を制御することにより、機種の異なる多機能文書処理装置に接続してもその機種に合致した拡張機能の正常運用ができ、機器管理の負担を軽減できると共に、ユーザ環境に応じた柔軟な運用が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明に係わる文書処理システムの全体構成を示す概念図。
【図2】複合機の機能構成を示すブロック図。
【図3】文書処理装置の機能構成を示すブロック図。
【図4】文書処理装置の制御部の機能構成を示すブロック図。
【図5】複合機と文書処理装置間の通信制御シーケンスを示す図。
【図6】Webブラウザを用いたトップメニュー画面の表示例を示す図。
【図7】文書処理装置における文書配信処理動作の流れを示す概念図。
【図8】文書処理装置における文書保管処理動作の流れを示す概念図。
【図9】文書処理装置における複合機の履歴管理処理動作の流れを示す概念図。
【図10】文書処理装置におけるドライバ配布処理動作の流れを示す概念図。
【図11】クライアントPCに対する印刷設定画面の表示例を示す図。
【符号の説明】
【0134】
10…複合機、11…通信インタフェース(I/F)部、12…操作/表示部、13…読取部、14…画像形成部、15…外部インタフェース(I/F)部、16…記憶部、161(161a,161b,161c,…)…BOX(蓄積領域)、17…制御部、20…文書処理装置、21…外部インタフェース(I/F)部、23…通信インタフェース(I/F)部、25…記憶部、251(251a,251b,251c,…)…保管用フォルダ、27…制御部、27a…属性情報取得手段、271…管理システム、2711…マネージメント処理部、2712…外部通信処理部、2713…エラー通知処理部、2715…属性情報取得処理部、2716…属性情報記憶部、273…ユーザインタフェース(UI)システム、2731,2732,2733…UIアプリケーション、275…アプリケーションシステム、2751…文書配信アプリケーション、2752…文書保管アプリケーション、2753…履歴管理アプリケーション、2754…ドライバ配布アプリケーション、277…OS(オペレーティング・システム)、279…Webブラウザ、30…クライアントPC(パーソナル・コンピュータ)、40…ネットワーク、310…トップメニュー画面、320a,320b…印刷設定画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続され、該多機能文書処理装置の機能を拡張する処理を行う文書処理装置において、
接続する前記多機能文書処理装置から当該多機能文書処理装置の属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記多機能文書処理装置の拡張機能に係わる処理を行なう拡張機能処理アプリケーションを含む複数のアプリケーションを有し、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報に応じて、前記複数のアプリケーションの動作を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする文書処理装置。
【請求項2】
前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報を所定の形式で保持する属性情報保持手段
を具備することを特徴とする請求項1記載の文書処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記属性情報保持手段に保持された前記所定形式の属性情報を参照して、前記複数のアプリケーションの処理動作を異ならせるように制御する
ことを特徴とする請求項2記載の文書処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
ネットワークを通じた情報処置端末からのアクセスに応じて、前記拡張機能を利用するためのユーザインタフェース(UI)画面を該情報処置端末に提供するUIアプリケーションを有し、
該UIアプリケーションは、
前記属性情報を参照し、前記情報処理端末で表示可能な構造化文書言語で構成され、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成する処理手段と、
前記画面ファイルに基づき表示される前記UI画面上で、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作のみを受付ける処理手段と
を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の文書処理装置。
【請求項5】
文書情報を読み取る読取手段、ファクシミリ通信手段、前記読取手段による読取文書情報または前記ファクシミリ通信によるファクシミリ受信文書情報を印刷する印刷手段を有する前記多機能文書処理装置に接続され、
前記属性情報取得手段は、
前記属性情報として、前記多機能文書処理装置の機種情報、前記多機能文書処理装置の記憶部の記憶容量情報、前記読取手段の読取機能情報、前記印刷手段の印刷機能情報、前記読取手段及び印刷手段に対応するオプション装備状況情報のうちの少なくとも1つを取得する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の文書処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記多機能文書処理装置における前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報の蓄積領域から該各文書情報を受信して自装置内で処理する文書処理アプリケーションを有し、
該文書処理アプリケーションは、
前記属性情報を参照して、前記蓄積領域からの前記各文書情報の受信に係わる通信パラメータの制御を行なう
ことを特徴とする請求項5記載の文書処理装置。
【請求項7】
前記文書処理アプリケーションは、
前記属性情報を参照して、前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報のフォーマット変換またはイメージ加工処理の少なくとも1つの処理を行う
ことを特徴とする請求項6記載の文書処理装置。
【請求項8】
前記UIアプリケーションは、
前記読取手段のオプション機能設定に用いる読取設定UI画面を提供する読取設定UIアプリケーションを含み、
該読取設定UIアプリケーションは、
前記属性情報を参照して生成される前記読取設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記読取手段のオプション機能のみの設定を受付ける
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか記載の文書処理装置。
【請求項9】
前記UIアプリケーションは、
前記印刷手段のオプション機能設定に用いる印刷設定UI画面を提供する印刷設定UIアプリケーションを含み、
該印刷設定UIアプリケーションは、
前記属性情報を参照して生成される前記印刷設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記印刷手段のオプション機能のみの設定を受付ける
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか記載の文書処理装置。
【請求項1】
多種類の文書処理機能を有する多機能文書処理装置に接続され、該多機能文書処理装置の機能を拡張する処理を行う文書処理装置において、
接続する前記多機能文書処理装置から当該多機能文書処理装置の属性情報を取得する属性情報取得手段と、
前記多機能文書処理装置の拡張機能に係わる処理を行なう拡張機能処理アプリケーションを含む複数のアプリケーションを有し、前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報に応じて、前記複数のアプリケーションの動作を制御する制御手段と
を具備することを特徴とする文書処理装置。
【請求項2】
前記属性情報取得手段により取得された前記属性情報を所定の形式で保持する属性情報保持手段
を具備することを特徴とする請求項1記載の文書処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記属性情報保持手段に保持された前記所定形式の属性情報を参照して、前記複数のアプリケーションの処理動作を異ならせるように制御する
ことを特徴とする請求項2記載の文書処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
ネットワークを通じた情報処置端末からのアクセスに応じて、前記拡張機能を利用するためのユーザインタフェース(UI)画面を該情報処置端末に提供するUIアプリケーションを有し、
該UIアプリケーションは、
前記属性情報を参照し、前記情報処理端末で表示可能な構造化文書言語で構成され、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作内容を含む画面ファイルを生成する処理手段と、
前記画面ファイルに基づき表示される前記UI画面上で、前記多機能文書処置装置で対応可能な操作のみを受付ける処理手段と
を具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の文書処理装置。
【請求項5】
文書情報を読み取る読取手段、ファクシミリ通信手段、前記読取手段による読取文書情報または前記ファクシミリ通信によるファクシミリ受信文書情報を印刷する印刷手段を有する前記多機能文書処理装置に接続され、
前記属性情報取得手段は、
前記属性情報として、前記多機能文書処理装置の機種情報、前記多機能文書処理装置の記憶部の記憶容量情報、前記読取手段の読取機能情報、前記印刷手段の印刷機能情報、前記読取手段及び印刷手段に対応するオプション装備状況情報のうちの少なくとも1つを取得する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の文書処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記多機能文書処理装置における前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報の蓄積領域から該各文書情報を受信して自装置内で処理する文書処理アプリケーションを有し、
該文書処理アプリケーションは、
前記属性情報を参照して、前記蓄積領域からの前記各文書情報の受信に係わる通信パラメータの制御を行なう
ことを特徴とする請求項5記載の文書処理装置。
【請求項7】
前記文書処理アプリケーションは、
前記属性情報を参照して、前記読取文書情報またはファクシミリ受信文書情報のフォーマット変換またはイメージ加工処理の少なくとも1つの処理を行う
ことを特徴とする請求項6記載の文書処理装置。
【請求項8】
前記UIアプリケーションは、
前記読取手段のオプション機能設定に用いる読取設定UI画面を提供する読取設定UIアプリケーションを含み、
該読取設定UIアプリケーションは、
前記属性情報を参照して生成される前記読取設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記読取手段のオプション機能のみの設定を受付ける
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか記載の文書処理装置。
【請求項9】
前記UIアプリケーションは、
前記印刷手段のオプション機能設定に用いる印刷設定UI画面を提供する印刷設定UIアプリケーションを含み、
該印刷設定UIアプリケーションは、
前記属性情報を参照して生成される前記印刷設定UI面上で、前記多機能文書処理装置で対応可能な前記印刷手段のオプション機能のみの設定を受付ける
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか記載の文書処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−190161(P2006−190161A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2570(P2005−2570)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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