説明

文書印刷システム

【課題】機密領域が重なっていてもそれぞれの領域を特定することが可能な文書印刷システムを提供する。
【解決手段】機密文書印刷制御ビューア110は、オリジナル文書データに対して固有の文書データIDを付加して文書データd10として出力すると共に、機密領域と、機密種別とを、文書データIDに対応付けてデータベース群310に記憶させる。プリンタ複合機210は、印刷要求者のユーザIDに基づいて権限レベルを決定するユーザ認証部212と、権限レベルと、機密領域および機密種別とに基づいて秘匿加工内容を示す加工種別を決定する加工処理決定部213と、機密を要する領域に対して秘匿加工が施されると共に印刷文書IDが埋め込まれるように印刷文書を印刷するプリンタ部214とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機密情報や個人情報を含む文書を印刷およびコピーを行う文書印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の文書印刷システムにおいて、機密情報や個人情報を含む文書を印刷またはコピーした後、印刷物または複写物の取り違えや放置等により、情報漏洩が発生する懸念がある。
【0003】
印刷物からの機密情報の漏洩を防止する策として、例えば、特許文献1には、文書中の文字列検索やOCR(Optical Character Recognition)処理の結果から機密情報や個人情報を特定し、その機密種別に応じて印刷可否や出力先を変更する技術が開示されている。この技術においては、文書管理システムを利用して機密情報の特定や印刷可否の制御等を実施している。しかし、特許文献1に開示された技術は、文書データに基づきプリンタによって印刷を行う際に加工等を行うものであり、印刷物をコピーする場合の考慮がなされておらず、機密情報の漏洩防止には不十分である。印刷物のコピー要求はプリンタでしか判断できない。このため、機密情報の印刷を行える権限を持ったユーザの印刷物がコピーされ、結果として文書管理システムでの情報漏洩を防止する仕組みの効果が無くなってしまうという問題点がある。そこで、機密文書の印刷時だけでなく、機密文書を含んだ印刷物をコピーする際にもコピー要求者の権限レベル、印刷物に含まれる機密種別の内容に応じて機密領域に対してデータ加工を行うことが望まれる。
【0004】
印刷物に加え、コピーされた複写物(コピー印刷物)からの機密情報の漏洩を防止する策は、例えば、特許文献2、3に開示されている。
【0005】
特許文献2に開示された技術においては、機密種別、機密領域、権限レベルに応じたデータ加工種別を印刷文書IDに関連付けて定義している。しかし、特許文献2の機密定義情報には、機密種別のみが含まれている。このため、特許文献2の技術は、機密種別に応じた印刷およびコピーを文書単位でしか実行できない。
【0006】
一方、特許文献3に開示された技術は、機密定義情報として、権限レベル、機密領域(一文書内の各場所)、機密領域毎の機密種別等を含んでいる。一文書内の場所毎に権限レベル、機密種別に応じた印刷およびコピーを実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−252231号公報
【特許文献2】特開2007−122315号公報
【特許文献3】特開2008−028449号公報
【特許文献4】特開2010−158024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献3に開示された技術は、印刷した紙のどの領域が機密領域であるかを特定する手段として、地紋を利用している。このような実現方法では、文書中の機密領域が重複しているような場合、印刷時に地紋が重なってしまい、コピー時の機密領域の読み取りがうまく行えないという問題点がある。
【0009】
例えば、表を機密領域としたとき、表の一部分の秘密レベルを既存のものより上げるような場合では機密領域を重ねる設定、即ち、既に設定している機密領域の一部に、さらに上のレベルの機密領域を重ねる設定を行う必要があるが、特許文献3に開示された技術は、それを実行することができない。
【0010】
それ故、本発明の課題は、機密領域が重なっていてもそれぞれの領域を特定することが可能な文書印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、機密を要する文書データの印刷と、機密を要する印刷文書のコピーを実行する文書印刷システムにおいて、機密文書印刷制御ビューアと、プリンタ複合機と、データベース群とを有し、前記機密文書印刷制御ビューアは、印刷要求および印刷要求者のユーザIDと共に入力されるオリジナル文書データに対して固有の文書データIDを付加して文書データとして出力すると共に、印刷文書における機密を要する領域を示す機密領域と、機密領域毎の機密の度合いを示す機密種別とを、前記文書データIDに対応付けて更新可能に前記データベース群に記憶させ、前記プリンタ複合機は、前記機密文書印刷制御ビューアから印刷要求と共に転送された印刷要求者のユーザIDに基づいて、印刷要求者の権限レベルを決定し、前記機密文書印刷制御ビューアからユーザIDと共に転送された印刷要求者の印刷要求に応じて、印刷文書に固有の印刷文書IDを、前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に記憶させ、さらに、前記機密文書印刷制御ビューアから入力された前記文書データに付加されている前記文書データIDに基づいて、該文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得するユーザ認証部と、決定された印刷要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定する加工処理決定部と、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記文書データに応じた印刷文書を印刷するプリンタ部とを有することを特徴とする文書印刷システムが得られる。
【0012】
前記プリンタ複合機は、コピー要求およびコピー要求者のユーザIDの入力と共にあてがわれた、前記印刷文書IDが埋め込まれた印刷文書を読み取ることにより、前記印刷文書IDが付加された文書データとして前記ユーザ認証部に出力するスキャナ部をさらに有し、前記ユーザ認証部は、前記スキャナ部から入力された前記文書データに付加されている前記印刷文書IDに基づいて、これに対応付けられた前記文書データIDを前記データベース群から取得し、コピー要求と共に入力されたコピー要求者のユーザIDに基づいて、コピー要求者の前記権限レベルを決定し、ユーザIDと共に入力されたコピー要求者のコピー要求に応じて、前記印刷文書IDを、取得した前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に更新的に記憶させ、さらに、取得した前記文書データIDに基づいて、前記スキャナ部から出力された前記文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得し、前記加工処理決定部は、決定されたコピー要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、前記加工種別を決定し、前記プリンタ部は、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記スキャナ部から出力された前記文書データに応じたコピー印刷文書を印刷するものであってもよい。
【0013】
前記データベース群は、前記文書データIDと、前記機密領域と、前記機密種別と、前記印刷文書IDとを対応付けて更新可能に記憶する印刷文書テーブルと、前記機密種別と、前記権限レベルと、前記加工種別とを対応付けて更新可能に記憶する機密種別テーブルと、前記ユーザIDと、前記権限レベルとを対応付けて更新可能に記憶するユーザデータベースとを含んでいてもよい。
【0014】
前記印刷文書IDは、フィンガープリント方式または地紋方式で印刷文書に埋め込まれてもよい。
【0015】
また、本発明によれば、機密を要する文書データの印刷と、機密を要する印刷文書のコピーを実行する文書印刷方法において、機密文書印刷制御ビューアと、プリンタ複合機と、データベース群とを用い、前記機密文書印刷制御ビューアにより、印刷要求および印刷要求者のユーザIDと共に入力されるオリジナル文書データに対して固有の文書データIDを付加して文書データとして出力すると共に、印刷文書における機密を要する領域を示す機密領域と、機密領域毎の機密の度合いを示す機密種別とを、前記文書データIDに対応付けて更新可能に前記データベース群に記憶させ、前記プリンタ複合機は、ユーザ認証部と、加工処理決定部と、プリンタ部とを有し、前記ユーザ認証部により、前記機密文書印刷制御ビューアから印刷要求と共に転送された印刷要求者のユーザIDに基づいて、印刷要求者の権限レベルを決定し、前記機密文書印刷制御ビューアからユーザIDと共に転送された印刷要求者の印刷要求に応じて、印刷文書に固有の印刷文書IDを、前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に記憶させ、さらに、前記機密文書印刷制御ビューアから入力された前記文書データに付加されている前記文書データIDに基づいて、該文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得し、前記加工処理決定部により、決定された印刷要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定し、前記プリンタ部により、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記文書データに応じた印刷文書を印刷することを特徴とする文書印刷方法が得られる。
【0016】
前記プリンタ複合機は、スキャナ部をさらに有し、前記スキャナ部により、コピー要求およびコピー要求者のユーザIDの入力と共にあてがわれた、前記印刷文書IDが埋め込まれた印刷文書を読み取ることにより、前記印刷文書IDが付加された文書データとして前記ユーザ認証部に出力し、前記ユーザ認証部により、前記スキャナ部から入力された前記文書データに付加されている前記印刷文書IDに基づいて、これに対応付けられた前記文書データIDを前記データベース群から取得し、コピー要求と共に入力されたコピー要求者のユーザIDに基づいて、コピー要求者の前記権限レベルを決定し、ユーザIDと共に入力されたコピー要求者のコピー要求に応じて、前記印刷文書IDを、取得した前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に更新的に記憶させ、さらに、取得した前記文書データIDに基づいて、前記スキャナ部から出力された前記文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得し、前記加工処理決定部により、決定されたコピー要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、前記加工種別を決定し、前記プリンタ部により、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記スキャナ部から出力された前記文書データに応じたコピー印刷文書を印刷してもよい。
【0017】
前記データベース群は、前記文書データIDと、前記機密領域と、前記機密種別と、前記印刷文書IDとを対応付けて更新可能に記憶する印刷文書テーブルと、前記機密種別と、前記権限レベルと、前記加工種別とを対応付けて更新可能に記憶する機密種別テーブルと、前記ユーザIDと、前記権限レベルとを対応付けて更新可能に記憶するユーザデータベースとを含んでいてもよい。
【0018】
前記印刷文書IDを、フィンガープリント方式または地紋方式で印刷文書に埋め込むようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明による文書印刷システムは、機密領域が重なっていてもそれぞれの領域を特定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例による文書印刷システムを示すブロック図である。
【図2】図1に示された文書印刷システムにおけるデータベース群の(a)は印刷文書テーブルの記憶内容を、(b)は機密種別テーブルの記憶内容を、(c)はユーザデータベースの記憶内容をそれぞれ示す概念図である。
【図3】(a)および(b)は、本発明の実施例によるコピー動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明による文書印刷システムは、機密を要する文書データの印刷と、機密を要する印刷文書のコピーを実行するものである。
【0022】
特に、文書印刷システムは、機密文書印刷制御ビューアと、プリンタ複合機と、データベース群とを有している。
【0023】
機密文書印刷制御ビューアは、印刷要求および印刷要求者のユーザIDと共に入力されるオリジナル文書データに対して、固有の文書データIDを付加して文書データとして出力すると共に、印刷文書における機密を要する領域を示す機密領域と、機密領域毎の機密の度合いを示す機密種別とを、文書データIDに対応付けて更新可能にデータベース群に記憶させる。
【0024】
プリンタ複合機は、ユーザ認証部と、加工処理決定部と、プリンタ部とを有している。
【0025】
ユーザ認証部は、機密文書印刷制御ビューアから印刷要求と共に転送された印刷要求者のユーザIDに基づいて、印刷要求者の権限レベルを決定し、機密文書印刷制御ビューアからユーザIDと共に転送された印刷要求者の印刷要求に応じて、印刷文書に固有の印刷文書IDを、文書データIDに対応付けてデータベース群に記憶させ、さらに、機密文書印刷制御ビューアから入力された文書データに付加されている文書データIDに基づいて、文書データの機密領域および機密種別をデータベース群から取得する。
【0026】
加工処理決定部は、決定された印刷要求者の権限レベルと、取得した機密領域および機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定する。
【0027】
プリンタ部は、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書IDが埋め込まれるように、文書データに応じた印刷文書を印刷する。
【0028】
本発明による文書印刷システムは、機密領域が重なっていてもそれぞれの領域を特定することが可能である。
【0029】
尚、本発明において、印刷文書IDが印刷物に埋め込まれるとは、視覚的に情報が判別不可能な状態で印刷されることを云う。ただし、所謂バーコード等、汎用の機器を用いることで比較的容易に情報を判別可能なものではないことが好ましい。
【0030】
即ち、本発明は、印刷文書の機密領域の特定手段として、印刷物に埋め込まれた印刷文書IDに基づいて、元来の秘密を要する文書データを特定し、この文書データから機密領域を特定する。そのため、機密領域が重なっていてもそれぞれの領域を特定することが可能である。
【0031】
つまり、本発明は、文書データの中の機密領域のそれぞれにどのような加工を施すか個別に設定する必要がなく、機密領域に加えて機密種別を定義するだけで、印刷要求者やコピー要求者の権限レベルに応じた機密領域の加工処理を実現できる。
【0032】
より具体的には、本発明においては、文書データの印刷時に、以下のような流れで処理を行い、印刷文書内の機密領域に適切な加工を施す。
【0033】
(1)機密文書印刷制御ビューアから、機密領域と機密種別とが対応づけられた文書データIDを付加した文書データの印刷要求を行う。
【0034】
(2)データベース群には、機密領域と機密種別が文書データIDに対応付けて更新可能に記憶される。尚、印刷しようとしている文書データの文書データIDの記憶内容と、既にデータベース群に記憶されている文書データIDの記憶内容とが異なる場合は、新しく文書データIDの採番を行う。
【0035】
(3)プリンタ複合機にてユーザ認証(ユーザIDの取得)を行い、印刷要求者の予め設定されている権限レベルを取得する。
【0036】
(4)プリンタ複合機はまた、印刷要求者の権限レベルと、機密領域および機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定する。尚、秘匿加工内容は、例えば、黒塗りなどである。
【0037】
(5)プリンタ複合機はさらに、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書IDが埋め込まれるように、文書データに応じた印刷文書を印刷する。尚、印刷文書IDの埋め込みは、例えば、特許文献4に開示された技術で利用されているようなフィンガープリントまたは地紋技術を用いて印刷する。
【0038】
本発明においてはまた、印刷文書のコピー時に、以下のような流れで処理を行い、コピー印刷文書(複写文書、コピー文書)内の機密領域に適切な加工を施す。
【0039】
(1)機密を要する印刷文書をプリンタ複合機によってスキャンする。
【0040】
(2)スキャン時に印刷物に埋め込まれた印刷文書IDをも読み取る。
【0041】
(3)印刷文書IDに基づいてデータベース群を参照して、印刷物の文書データIDを特定し、文書データIDに対応付けられた機密領域および機密種別を取得する。
【0042】
(4)プリンタ複合機にてユーザ認証(ユーザIDの取得)を行い、印刷要求者の予め設定されている権限レベルを取得する。
【0043】
(5)プリンタ複合機はまた、印刷要求者の権限レベルと、機密領域および機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定する。尚、秘匿加工内容は、例えば、黒塗りなどである。
【0044】
(6)プリンタ複合機はさらに、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書IDが埋め込まれるように、スキャンした文書データに応じたコピー印刷文書を印刷する。尚、印刷文書IDの埋め込みは、例えば、特許文献4に開示された技術で利用されているようなフィンガープリントまたは地紋技術を用いて印刷する。
【0045】
以上の処理を実施することによって、文書データの印刷の際だけでなく、印刷文書のコピーの際にも、機密領域に対して権限レベルと機密種別に応じた加工処理を実施し、印刷文書、kコピー印刷文書のセキュリティを高める効果が得られる。
【0046】
以下、図面を参照して、本発明のより具体的な実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0047】
図1を参照すると、本発明の実施例1による文書印刷システムは、機密を要する文書データの印刷と、機密を要する印刷文書のコピーを実行するものである。
【0048】
特に、文書印刷システムは、機密文書印刷制御ビューア110と、プリンタ複合機210と、データベース群310とを有している。
【0049】
機密文書印刷制御ビューア110は、機密定義情報付加部111により、印刷要求および印刷要求者のユーザIDと共に入力される、文書コンテンツを含むオリジナル文書データに対して、固有の文書データIDを付加して文書データd10として出力する。これと共に、機密文書印刷制御ビューア110は、印刷文書における機密を要する領域を示す機密領域と、機密領域毎の機密の度合いを示す機密種別とを、文書データIDに対応付けて更新可能にデータベース群310に記憶させる。
【0050】
プリンタ複合機210は、ユーザ認証部212と、加工処理決定部213と、プリンタ部214とを有している。
【0051】
ユーザ認証部212は、機密文書印刷制御ビューア110から印刷要求と共に転送された印刷要求者のユーザIDに基づいて、印刷要求者の権限レベルを決定する。ユーザ認証部212はまた、機密文書印刷制御ビューア110からユーザIDと共に転送された印刷要求者の印刷要求に応じて、印刷文書に固有の印刷文書IDを、文書データIDに対応付けてデータベース群310に記憶させる。ユーザ認証部212はさらに、機密文書印刷制御ビューア110から入力された文書データd10に付加されている文書データIDに基づいて、文書データd10の機密領域および機密種別をデータベース群310から取得する。
【0052】
加工処理決定部213は、決定された印刷要求者の権限レベルと、取得した機密領域および機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定する。
【0053】
プリンタ部214は、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書IDがタグの形態で埋め込まれるように(印刷文書IDタグD22)、文書データd10に応じた印刷文書D20を印刷する。尚、プリンタ部214は、加工処理決定部213で決定された加工種別に基づいて加工処理を施した印刷データの生成を行う印刷データ生成部214aと、印刷データからプリントアウトするための画像データを生成するラスタライザ214bとを含んでいる。
【0054】
尚、本発明において、印刷文書IDが印刷物に埋め込まれるとは、視覚的に情報が判別不可能な状態で印刷されることを云う。ただし、所謂バーコード等、汎用の機器を用いることで比較的容易に情報を判別可能なものではないことが好ましい。具体的には、印刷文書IDは、例えば、フィンガープリント方式または地紋方式で印刷文書に埋め込まれる。
【0055】
さらに、プリンタ複合機210は、コピー要求およびコピー要求者のユーザIDの入力と共にあてがわれた、印刷文書ID(印刷文書IDタグD12)が埋め込まれた印刷文書D10を読み取ることにより、印刷文書IDが付加された文書データとしてユーザ認証部212に出力するスキャナ部211をさらに有している。
【0056】
プリンタ複合機210のユーザ認証部212は、スキャナ部211から入力された文書データに付加されている印刷文書IDに基づいて、これに対応付けられた文書データIDをデータベース群310から取得する。ユーザ認証部212はまた、コピー要求と共に入力されたコピー要求者のユーザIDに基づいて、コピー要求者の権限レベルを決定し、ユーザIDと共に入力されたコピー要求者のコピー要求に応じて、印刷文書IDを、取得した文書データIDに対応付けてデータベース群310に更新的に記憶させる。ユーザ認証部212はさらに、取得した文書データIDに基づいて、スキャナ部211から出力された文書データの機密領域および機密種別をデータベース群310から取得する。
【0057】
プリンタ複合機210の加工処理決定部213は、決定されたコピー要求者の権限レベルと、取得した機密領域および機密種別とに基づいて、加工種別を決定する。
【0058】
プリンタ複合機210のプリンタ部214は、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書IDが埋め込まれるように、スキャナ部211から出力された文書データに応じたコピー印刷文書を印刷する。
【0059】
さらに図2(a)〜(c)を参照すると、データベース群310は、印刷文書テーブル311と、機密種別テーブル312と、ユーザデータベース313とを含んでいる。
【0060】
図2(a)に示されるように、印刷文書テーブル311は、文書データIDと、機密領域と、機密種別と、印刷文書IDとを対応付けて更新可能に記憶する。尚、機密領域としては、文書における表、グラフ、文書段落等のオブジェクト単位ではなく、文書における座標指定「x1,y1−x2,y2」とすることにより、複数の機密領域が重なっていても、各領域に異なる加工種別を設定することができるようになる。
【0061】
図2(b)に示されるように、機密種別テーブル312は、機密種別と、権限レベルと、加工種別とを対応付けて更新可能に記憶する。
【0062】
図2(c)に示されるように、ユーザデータベース313は、ユーザIDと、権限レベルとを対応付けて更新可能に記憶する。
【0063】
次に、図1、図2(a)〜(c)、ならびに図3(a)および(b)を参照して、本文書印刷システムの動作(本発明による文書印刷方法)について説明する。
【0064】
[文書データの印刷]
(1)まず、機密文書印刷制御ビューア110により、印刷要求および印刷要求者「部長N」のユーザIDと共に入力される、文書コンテンツを含むオリジナル文書データに対して固有の文書データID「001」を付加して文書データd10として出力する。これと共に、機密文書印刷制御ビューア110により、印刷文書における機密を要する領域を示す機密領域「x1,y1−x2,y2」と、機密領域毎の機密の度合いを示す機密種別「予算データ」とを、文書データID「001」に対応付けてデータベース群310の印刷文書テーブル311(図2(a))に記憶させる。
【0065】
(2)次いで、プリンタ複合機210のユーザ認証部212により、機密文書印刷制御ビューア110から印刷要求と共に転送された印刷要求者「部長N」のユーザIDに基づいて、データベース群310のユーザデータベース313(図2(c))を参照して、印刷要求者「部長N」の権限レベル「事業部長レベル」を決定する。
【0066】
(3)これと共に、ユーザ認証部212により、機密文書印刷制御ビューア110からユーザIDと共に転送された印刷要求者「部長N」の印刷要求に応じて、印刷文書に固有の印刷文書ID「PRINTERA-00001」を、文書データID「001」に対応付けてデータベース群310の印刷文書テーブル311に記憶させる。
【0067】
(4)さらに、プリンタ複合機210のユーザ認証部212により、機密文書印刷制御ビューア110から入力された文書データd10に付加されている文書データID「001」に基づいて、文書データd10の機密領域「x1,y1−x2,y2」および機密種別「予算データ」をデータベース群310の印刷文書テーブル311から取得する。
【0068】
(5)次に、加工処理決定部213により、データベース群310の印刷文書テーブル311機密種別テーブル312(図2(b))を参照して、決定された印刷要求者「部長N」の権限レベル「事業部長レベル」と、取得した機密領域「x1,y1−x2,y2」および機密種別「予算データ」とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別「可視印刷」を決定する。
【0069】
(6)そして、プリンタ部214により、決定された加工種別「可視印刷」が示す秘匿加工(可視印刷)が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書ID「PRINTERA-00001」(印刷文書IDタグD22)が埋め込まれるように、文書データd10に応じた印刷文書D20を印刷する。
【0070】
[印刷文書のコピー(事業部長レベル)]
(1)まず、プリンタ複合機210のスキャナ部211により、コピー要求およびコピー要求者「部長N」のユーザIDの入力と共にあてがわれた、印刷文書ID「PRINTERA-00001」(印刷文書IDタグD12)が埋め込まれた印刷文書D10を読み取ることにより、印刷文書ID「PRINTERA-00001」が付加された文書データとしてユーザ認証部212に出力する。
【0071】
(2)ユーザ認証部212により、スキャナ部211から入力された文書データに付加されている印刷文書ID「PRINTERA-00001」に基づいて、これに対応付けられた文書データID「001」をデータベース群310の印刷文書テーブル311(図2(a))から取得する。
【0072】
(3)次いで、ユーザ認証部212により、コピー要求と共に入力されたコピー要求者「部長N」のユーザIDに基づいて、データベース群310のユーザデータベース313(図2(c))を参照して、コピー要求者「部長N」の権限レベル「事業部長レベル」を決定する。
【0073】
(4)これと共に、ユーザ認証部212により、ユーザIDと共に入力されたコピー要求者「部長N」のコピー要求に応じて、印刷文書ID「PRINTERA-00001」を、取得した文書データID「001」に対応付けてデータベース群310の印刷文書テーブル311に記憶させる。
【0074】
(5)さらに、プリンタ複合機210のユーザ認証部212により、取得した文書データID「001」に基づいて、スキャナ部から出力された文書データの機密領域「x1,y1−x2,y2」および機密種別「予算データ」をデータベース群310の印刷文書テーブル311から取得する。
【0075】
(6)次に、加工処理決定部213により、データベース群310の印刷文書テーブル311機密種別テーブル312(図2(b))を参照して、決定されたコピー要求者「部長N」の権限レベル「事業部長レベル」と、取得した機密領域「x1,y1−x2,y2」および機密種別「予算データ」とに基づいて、加工種別「可視印刷」を決定する。
【0076】
(7)そして、プリンタ部214により、決定された加工種別「可視印刷」が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書ID「PRINTERA-00001」(印刷文書IDタグD22)が埋め込まれるように、スキャナ部から出力された文書データに応じたコピー印刷文書D20を印刷する(図3(a))。
【0077】
[印刷文書のコピー(主任・担当レベル)]
(1)まず、プリンタ複合機210のスキャナ部211により、コピー要求およびコピー要求者「担当C」のユーザIDの入力と共にあてがわれた、印刷文書ID「PRINTERA-00001」(印刷文書IDタグD12)が埋め込まれた印刷文書D10を読み取ることにより、印刷文書ID「PRINTERA-00001」が付加された文書データとしてユーザ認証部212に出力する。
【0078】
(2)ユーザ認証部212により、スキャナ部211から入力された文書データに付加されている印刷文書ID「PRINTERA-00001」に基づいて、これに対応付けられた文書データID「001」をデータベース群310の印刷文書テーブル311(図2(a))から取得する。
【0079】
(3)次いで、ユーザ認証部212により、コピー要求と共に入力されたコピー要求者「担当C」のユーザIDに基づいて、データベース群310のユーザデータベース313(図2(c))を参照して、コピー要求者「担当C」の権限レベル「主任・担当レベル」を決定する。
【0080】
(4)これと共に、ユーザ認証部212により、ユーザIDと共に入力されたコピー要求者「担当C」のコピー要求に応じて、印刷文書ID「PRINTERA-00001」を、取得した文書データID「001」に対応付けてデータベース群310の印刷文書テーブル311に記憶させる。
【0081】
(5)さらに、プリンタ複合機210のユーザ認証部212により、取得した文書データID「001」に基づいて、スキャナ部から出力された文書データの機密領域「x1,y1−x2,y2」および機密種別「予算データ」をデータベース群310の印刷文書テーブル311から取得する。
【0082】
(6)次に、加工処理決定部213により、データベース群310の印刷文書テーブル311機密種別テーブル312(図2(b))を参照して、決定されたコピー要求者「担当C」の権限レベル「主任・担当レベル」と、取得した機密領域「x1,y1−x2,y2」および機密種別「予算データ」とに基づいて、加工種別「黒塗り印刷」を決定する。
【0083】
(7)そして、プリンタ部214により、決定された加工種別「黒塗り印刷」が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に印刷文書ID「PRINTERA-00001」(印刷文書IDタグD22’)が埋め込まれるように、スキャナ部から出力された文書データに応じたコピー印刷文書D20’を印刷する(図3(b))。
【実施例2】
【0084】
本発明の実施例2は、印刷文書ID中に、どのプリンタ(プリンタ複合機)による印刷物なのか分かるような文字列を含有する点が実施例1と異なる。このため、実施例1と同一または同様部については、実施例1の説明および図面を援用し、詳細な説明を省略する。
【0085】
図1を援用して参照すると、本発明の実施例2による文書印刷システムは、実施例1と同様に、機密文書印刷制御ビューア110と、プリンタ複合機210と、データベース群310とを有している。
【0086】
プリンタ複合機210は、スキャナ部211と、ユーザ認証部212と、加工処理決定部213と、プリンタ部214とを有している。プリンタ部214は、印刷データ生成部214aと、ラスタライザ214bとを含んでいる。
【0087】
データベース群310は、印刷文書テーブル311と、機密種別テーブル312と、ユーザデータベース313とを含んでいる。
【0088】
図2(a)〜(c)を援用して説明すると、印刷文書テーブル311は、文書データIDと、機密領域と、機密種別と、印刷文書IDとを対応付けて更新可能に記憶する。機密種別テーブル312は、機密種別と、権限レベルと、加工種別とを対応付けて更新可能に記憶する。ユーザデータベース313は、ユーザIDと、権限レベルとを対応付けて更新可能に記憶する。
【0089】
本実施例においては特に、印刷文書に固有の印刷文書ID中に、どのプリンタ(プリンタ複合機)による印刷物なのかを判別するための文字列を含有させることにより、印刷文書テーブル312を参照して、印刷文書がどのプリンタによって印刷されたのかを確認することができるようになる。
【0090】
以上、幾つかの実施例を参照して本発明を説明したが、本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得る様々な変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施例の構成の一部または全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
以上説明した実施例に限定されることなく、本発明は、特許請求の範囲に記載された技術範囲内であれば、種々の変形が可能であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
110 機密文書印刷制御ビューア
111 機密定義情報付加部
210 プリンタ複合機
212 ユーザ認証部
213 加工処理決定部
214 プリンタ部
214a 印刷データ生成部
214b ラスタライザ
310 データベース群
311 印刷文書テーブル
312 機密種別テーブル
313 ユーザデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機密を要する文書データの印刷と、機密を要する印刷文書のコピーを実行する文書印刷システムにおいて、
機密文書印刷制御ビューアと、プリンタ複合機と、データベース群とを有し、
前記機密文書印刷制御ビューアは、印刷要求および印刷要求者のユーザIDと共に入力されるオリジナル文書データに対して固有の文書データIDを付加して文書データとして出力すると共に、印刷文書における機密を要する領域を示す機密領域と、機密領域毎の機密の度合いを示す機密種別とを、前記文書データIDに対応付けて更新可能に前記データベース群に記憶させ、
前記プリンタ複合機は、
前記機密文書印刷制御ビューアから印刷要求と共に転送された印刷要求者のユーザIDに基づいて、印刷要求者の権限レベルを決定し、前記機密文書印刷制御ビューアからユーザIDと共に転送された印刷要求者の印刷要求に応じて、印刷文書に固有の印刷文書IDを、前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に記憶させ、さらに、前記機密文書印刷制御ビューアから入力された前記文書データに付加されている前記文書データIDに基づいて、該文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得するユーザ認証部と、
決定された印刷要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定する加工処理決定部と、
決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記文書データに応じた印刷文書を印刷するプリンタ部とを有することを特徴とする文書印刷システム。
【請求項2】
前記プリンタ複合機は、コピー要求およびコピー要求者のユーザIDの入力と共にあてがわれた、前記印刷文書IDが埋め込まれた印刷文書を読み取ることにより、前記印刷文書IDが付加された文書データとして前記ユーザ認証部に出力するスキャナ部をさらに有し、
前記ユーザ認証部は、前記スキャナ部から入力された前記文書データに付加されている前記印刷文書IDに基づいて、これに対応付けられた前記文書データIDを前記データベース群から取得し、コピー要求と共に入力されたコピー要求者のユーザIDに基づいて、コピー要求者の前記権限レベルを決定し、ユーザIDと共に入力されたコピー要求者のコピー要求に応じて、前記印刷文書IDを、取得した前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に更新的に記憶させ、さらに、取得した前記文書データIDに基づいて、前記スキャナ部から出力された前記文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得し、
前記加工処理決定部は、決定されたコピー要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、前記加工種別を決定し、
前記プリンタ部は、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記スキャナ部から出力された前記文書データに応じたコピー印刷文書を印刷する請求項1に記載の文書印刷システム。
【請求項3】
前記データベース群は、
前記文書データIDと、前記機密領域と、前記機密種別と、前記印刷文書IDとを対応付けて更新可能に記憶する印刷文書テーブルと、
前記機密種別と、前記権限レベルと、前記加工種別とを対応付けて更新可能に記憶する機密種別テーブルと、
前記ユーザIDと、前記権限レベルとを対応付けて更新可能に記憶するユーザデータベースとを含んでいる請求項1または2に記載の文書印刷システム。
【請求項4】
前記印刷文書IDは、フィンガープリント方式または地紋方式で印刷文書に埋め込まれる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の文書印刷システム。
【請求項5】
機密を要する文書データの印刷と、機密を要する印刷文書のコピーを実行する文書印刷方法において、
機密文書印刷制御ビューアと、プリンタ複合機と、データベース群とを用い、
前記機密文書印刷制御ビューアにより、印刷要求および印刷要求者のユーザIDと共に入力されるオリジナル文書データに対して固有の文書データIDを付加して文書データとして出力すると共に、印刷文書における機密を要する領域を示す機密領域と、機密領域毎の機密の度合いを示す機密種別とを、前記文書データIDに対応付けて更新可能に前記データベース群に記憶させ、
前記プリンタ複合機は、ユーザ認証部と、加工処理決定部と、プリンタ部とを有し、
前記ユーザ認証部により、前記機密文書印刷制御ビューアから印刷要求と共に転送された印刷要求者のユーザIDに基づいて、印刷要求者の権限レベルを決定し、前記機密文書印刷制御ビューアからユーザIDと共に転送された印刷要求者の印刷要求に応じて、印刷文書に固有の印刷文書IDを、前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に記憶させ、さらに、前記機密文書印刷制御ビューアから入力された前記文書データに付加されている前記文書データIDに基づいて、該文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得し、
前記加工処理決定部により、決定された印刷要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、機密を要する領域に対する秘匿加工内容を示す加工種別を決定し、
前記プリンタ部により、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記文書データに応じた印刷文書を印刷することを特徴とする文書印刷方法。
【請求項6】
前記プリンタ複合機は、スキャナ部をさらに有し、
前記スキャナ部により、コピー要求およびコピー要求者のユーザIDの入力と共にあてがわれた、前記印刷文書IDが埋め込まれた印刷文書を読み取ることにより、前記印刷文書IDが付加された文書データとして前記ユーザ認証部に出力し、
前記ユーザ認証部により、前記スキャナ部から入力された前記文書データに付加されている前記印刷文書IDに基づいて、これに対応付けられた前記文書データIDを前記データベース群から取得し、コピー要求と共に入力されたコピー要求者のユーザIDに基づいて、コピー要求者の前記権限レベルを決定し、ユーザIDと共に入力されたコピー要求者のコピー要求に応じて、前記印刷文書IDを、取得した前記文書データIDに対応付けて前記データベース群に更新的に記憶させ、さらに、取得した前記文書データIDに基づいて、前記スキャナ部から出力された前記文書データの前記機密領域および前記機密種別を前記データベース群から取得し、
前記加工処理決定部により、決定されたコピー要求者の権限レベルと、取得した前記機密領域および前記機密種別とに基づいて、前記加工種別を決定し、
前記プリンタ部により、決定された加工種別が示す秘匿加工が機密を要する領域に対して施されると共に前記印刷文書IDが埋め込まれるように、前記スキャナ部から出力された前記文書データに応じたコピー印刷文書を印刷する請求項5に記載の文書印刷方法。
【請求項7】
前記データベース群は、
前記文書データIDと、前記機密領域と、前記機密種別と、前記印刷文書IDとを対応付けて更新可能に記憶する印刷文書テーブルと、
前記機密種別と、前記権限レベルと、前記加工種別とを対応付けて更新可能に記憶する機密種別テーブルと、
前記ユーザIDと、前記権限レベルとを対応付けて更新可能に記憶するユーザデータベースとを含んでいる請求項5または6に記載の文書印刷方法。
【請求項8】
前記印刷文書IDを、フィンガープリント方式または地紋方式で印刷文書に埋め込む請求項5乃至7のいずれか一項に記載の文書印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−209860(P2012−209860A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75495(P2011−75495)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】