説明

文書情報管理装置及びその処理方法とプログラム、携帯端末

【課題】有効期限のある文書情報を期限前に容易に把握することができる文書情報管理装置を提供する。
【解決手段】受信した文書情報に期限情報が格納されているかを判定し、文書情報に期限情報が格納されている場合に当該期限情報を読み取って、文書情報とを対応付けて管理する。そして、文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された文書情報を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末などにおいて受信した文書情報を管理する文書情報管理装置及びその処理方法とプログラム、携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末の電子メールアドレスをウェブサイトに登録することにより、当該ウェブサイトを運営する店舗やサービス業者からの定期的な情報を電子メールによって受信できるメールマガジンと呼ばれるサービスが存在する。このようなメールマガジンの配信を受けるためにウェブサイトがインターネット上に公開するウェブページにおいて電子メールアドレスを登録することで、店舗やサービス業者から、クーポン券やセール情報などが掲載された電子メールを受信することができる。ところで、これらクーポン券やセール情報は、有効期限を持っているものがほとんどで、後日使いたい内容であれば、この電子メールを保護設定にしたり、専用のフォルダへ移動したりして管理している。
【0003】
しかしながら、保存メール数が多くなった場合、目的のメールを探すのに時間がかかったり、有効期限を過ぎてしまった不要メールを削除したいが、どのメールの内容が期限切れなのか容易にはわからないため、探すのが不快な作業となっている。
なお、このような電子メールを管理する関連技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−039633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決することのできる文書情報管理装置及びその処理方法とプログラム、携帯端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、受信した文書情報に期限情報が格納されているかを判定する期限情報有無判定部と、前記文書情報に前記期限情報が格納されている場合に当該期限情報を読み取って、前記文書情報とを対応付けて管理する文書情報管理部と、前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を表示する文書情報一覧表示部と、を備えることを特徴とする文書情報管理装置である。
【0007】
また本発明は、文書情報管理装置の処理方法であって、受信した文書情報に期限情報が格納されているかを判定し、前記文書情報に前記期限情報が格納されている場合に当該期限情報を読み取って、前記文書情報とを対応付けて管理し、前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を表示することを特徴とする処理方法である。
【0008】
また本発明は、文書情報管理装置のコンピュータを、受信した文書情報に期限情報が格納されているかを判定する期限情報有無判定手段、前記文書情報に前記期限情報が格納されている場合に当該期限情報を読み取って、前記文書情報とを対応付けて管理する文書情報管理手段、前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を表示する文書情報一覧表示手段、として機能させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、文書情報から抽出した期限情報により、期限切れの文書情報の削除、有効期限がいつなのか管理/表示を行うため、有効期限のある文書情報を期限前に容易に把握することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図2】携帯端末のフローチャートを示す第1の図である。
【図3】電子メールの期限情報テーブルを示す図である。
【図4】携帯端末のフローチャートを示す第2の図である。
【図5】管理フォルダに登録された電子メールの情報の一覧を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態による文書情報管理装置を図面を参照して説明する。
本実施形態においては文書情報管理装置が携帯端末(携帯電話など)に備えられている場合の例を用いて説明する。
図1は同実施形態による携帯端末の構成を示すブロック図である。
この図において、符号10は携帯端末であり、当該携帯端末は無線通信の処理を行う無線部1、携帯端末10の各処理部や機能を制御する制御部2、情報を表示する表示部4、ユーザの操作入力を検出する操作部5、各種情報を記憶するメモリ6、音を出力するスピーカ7、着信通知を行うために振動するバイブレータ8を備えている。
【0012】
より詳細には、無線部1は、通話や電子メールの無線通信信号の送受信などを行う処理部であり、制御部2と接続されている。制御部2はCPUが携帯端末10のアプリケーションプログラム(電子メールソフトプログラムなど)を起動することによって構成される処理部であって、電子メール処理部21、文書情報管理部22、文書情報一覧表示部23の処理部を有する。表示部4は、LCDやLCDバックライト、着信LEDなどで構成された表示用デバイスであり制御部2に接続され、携帯端末10の各種情報の表示を行う。
【0013】
操作部5は、携帯端末10の入力装置であり、ダイヤルや各種機能ボタンなどを備えている。メモリ6は、携帯端末10を動作させるために必要な各種プログラムおよび設定値、ID情報、電話帳データ、画像データ、受信メール等を保存しており、読み出し/書き込みを行うことができる。スピーカ7は、音声またはメール着信時の音楽鳴動やハンズフリー時の音声再生、操作部5の確認音鳴動などを行う。バイブレータ8は、携帯端末10のマナーモード設定時など振動でユーザに報知を行う。
【0014】
図2は携帯端末のフローチャートを示す第1の図である。
図3は電子メールの期限情報テーブルを示す図である。
次に、図2、図3を用いて携帯端末1が電子メールを受信した際の処理について説明する。
まず、携帯端末10が電子メールを受信する(ステップS101)。当該受信した電子メールは電子メール処理部21がメモリ6に仮想的に構成された受信フォルダとしての記憶領域へ記録する。ここでユーザは、操作部5を用いて受信した電子メールを管理フォルダへ移動する操作を行う。すると制御部2の文書情報管理部22は、ユーザの操作に基づいて、受信フォルダに記録されている電子メールの識別情報(メールNo.,タイトルなど)をメモリ6に仮想的に構築された管理フォルダの記憶領域へ登録(コピーまたは移動)する(ステップS102)。この際、電子メールの識別情報だけでなく、電子メールのデータそのものが登録されるようにしてもよい。次に、制御部2の文書情報管理部22は、管理フォルダに受信メールの識別情報が登録されたことを検出すると、当該受信メール内の情報から期限情報を読み出す(ステップS103)。
【0015】
電子メールはテキストデータや、HTMLデータなどの文書情報を含んで構成されている。なお、その他の画像情報が含んで構成されるデータであってもよい。文書情報管理部22は電子メール内から期限情報を読み出すに当たり、例えば、年月日の文字列が電子メールを構成する文書情報内に格納されているかを判定する処理や、スラッシュ(/)やドット(.)と数字が組み合わされた文字列が電子メールを構成する文書情報内に格納されているかを判定する処理や、“期限”等の期限情報をあらわす文字列が電子メールを構成する文書情報内に格納されているかを判定する処理等を用いて、期限情報を読み取る。“期限”という文字列を利用する場合には、その後の数字を取得したり、/と数字が組み合わされた文字列を利用する場合には、当該/と数字の組み合わせからなる文字列の先頭から終了までを取得したりすることにより、期限情報を読み取ることができる。
【0016】
そして、文書情報管理部22は、管理フォルダへ識別情報を登録した電子メールから期限情報を読み取ることができると、管理フォルダへ移動した電子メールの識別情報と、当該読み取った期限情報とを対応付けて管理フォルダ内に登録する(ステップS104)。
また、文書情報管理部22は、読み取った期限情報と現在日時の情報とを比較して、期限満了までに要する期間を算出し、当該機関の情報を表示情報として、電子メールの識別情報と期限情報との対応関係にさらに対応付けて登録する(ステップS105)。
【0017】
図3は管理フォルダのデータ例を示す図である。
図3で示すように管理フォルダには、ユーザが操作によって管理フォルダへ移動させると指示した電子メールの識別情報と、その電子メールに格納されている期限情報と、期限満了期間を示す表示情報とが対応付けられて登録される。
【0018】
図4は携帯端末のフローチャートを示す第2の図である。
図5は管理フォルダに登録された電子メールの情報の一覧を示す図である。
次に、図4,図5を用いて管理フォルダに登録された電子メールの情報の更新処理の処理フローについて説明する。
制御部2は、定期的に管理フォルダに登録されている情報の更新処理を行う。この更新処理においては、文書情報一覧表示部23がメモリ6内の管理フォルダに登録された1つ目の電子メールの情報のうち、期限情報を読み取って(ステップS201)、現在日時と比較することにより、期限満了かを判定する(ステップS202)。そして、期限満了であれば、その電子メールの情報(識別情報、期限情報、表示情報の対応関係)を管理フォルダ内から削除する(ステップS203)。
【0019】
また、期限満了で無い場合には、文書情報一覧表示部23は、有効期限が本日であるかを有効期限と現在日時とを比較することで行い(ステップS204)、有効期限が本日である場合には管理フォルダに登録されている表示情報を、「Now」に更新し(ステップS205)、本日で無い場合には、管理フォルダに登録されている表示情報を、新たな有効期限満了までに要する期間の情報(例えば、1週間であれば“1W”など)へ更新する(ステップS206)。そして、管理フォルダに登録されている全ての電子メールについて処理を行ったかを判定する(ステップS207)。また全ての電子メールについて処理を行っていない場合には、次の電子メールの処理に移行する。そして、文書情報一覧表示部23は、ユーザより表示指示を受けた場合には、管理フォルダに登録されている電子メールの情報を表示部4に表示する。このとき文書情報一覧表示部23は、管理フォルダで管理されている電子メールの情報のうち、期限満了前(本日が期限のものを含む)の電子メールの識別情報と、表示情報(満了までに要する期間の情報)の一覧を表示する。ユーザは、何れかの電子メールの情報を選択することで、文書情報管理部22は選択された電子メールの識別情報を電子メール処理部21へ通知する。すると電子メール処理部21は、その識別情報に対応する電子メールのデータ画面を出力する。
【0020】
図5は、図3で示す管理フォルダの情報を表示した場合の例であるが、図3において登録されていたメールNo.02の電子メールの情報が期限満了によって削除された場合の例である。図5で示すように、元々、図3のメールNo.3として登録された電子メールの情報が、図5においてはメールNo.2の情報として表示されている。そして、図5で示すように、文書情報一覧表示部23は、有効期限が本日で表示情報として「Now」が登録されている電子メールの情報についてはハイライト表示し、それ以外の電子メールの情報についてはハイライト表示の制御を停止して、有効期限が満了となってしまう可能性のある情報を強調してユーザに通知する。
【0021】
上述の処理において、文書情報一覧表示部23は、管理フォルダに登録された電子メールの情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された文書情報を、期限満了を示す期限情報に対応付けられて管理された文書情報または期限情報が格納されていない文書情報と異なる状態で表示している。つまり上述の処理においては期限満了前の電子メールを表示し、期限満了後の電子メールを削除している。
【0022】
また、上述の処理に限らず、期限満了後の電子メールの情報についても期限満了前の電子メールとともに一覧に表示して、期限満了前の電子メールのみをハイライト表示するようにしてもよい。このとき、期限満了日が本日である電子メールとその期限満了日が後日の電子メールを異なる色や輝度によってハイライト表示するようにしてもよい。
【0023】
また、受信した電子メールの情報の管理フォルダへの移動(登録)の処理を、ユーザの操作なしに自動で行うようにしてもよい。この場合、電子メール内に期限情報が含まれている場合には、自動で管理フォルダへ移動(登録)するなどの処理を行う。
【0024】
また、上述の処理においては、ユーザが受信した電子メールを管理フォルダに移動させる操作をしているが、電子メールの受信フォルダに格納したまま、電子メールの受信を契機に、文書情報管理部22が期限情報の読み取りや、期限情報と電子メールの情報の対応付けの処理を受信フォルダ内で行い、また文書情報一覧表示部22が、受信フォルダ内の電子メールの表示にあたり、上述の処理を行うようにしてもよい。
【0025】
上述の処理によれば、電子メールから抽出した期限情報により、期限切れ不要メールの削除、有効期限がいつなのか管理/表示するため、有効期限のある電子メールを期限前に容易に把握することができるようになる。
【0026】
なお、上述の携帯端末などの文書情報管理装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0027】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0028】
1・・・無線部
2・・・制御部
4・・・表示部
5・・・操作部
6・・・メモリ
7・・・スピーカ
8・・・バイブレータ
21・・・電子メール処理部
22・・・文書情報管理部
23・・・文書情報一覧表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信した文書情報に期限情報が格納されているかを判定する期限情報有無判定部と、
前記文書情報に前記期限情報が格納されている場合に当該期限情報を読み取って、前記文書情報とを対応付けて管理する文書情報管理部と、
前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を表示する文書情報一覧表示部と、
を備えることを特徴とする文書情報管理装置。
【請求項2】
前記文書情報一覧表示部は、前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を、期限満了を示す期限情報に対応付けられて管理された文書情報または期限情報が格納されていない文書情報と異なる状態で表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の文書情報管理装置。
【請求項3】
前記文書情報が電子メールであり、前記文書情報一覧が前記電子メールの受信一覧または送信一覧であり、
前記文書情報一覧表示部は、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を、期限満了を示す期限情報に対応付けられて管理された文書情報または期限情報が格納されていない文書情報と異なる状態で表示するにあたり、前記受信一覧または送信一覧に表示された電子メールのうち、前記期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された電子メールをハイライト表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の文書情報管理装置。
【請求項4】
前記文書情報管理部は、前記期限情報が示す期限までの満了期間を算出し、
前記文書情報一覧表示部が、前記期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された電子メールに対応付けて前記満了期間までに要する情報を表示する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の文書情報管理装置。
【請求項5】
前記文書情報管理部は、前記管理する文書情報と期限情報とを、前記電子メールの受信フォルダとは異なるフォルダに登録して管理する
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の文書情報管理装置。
【請求項6】
前記請求項1〜請求項5に記載の文書情報管理装置を備えた携帯端末。
【請求項7】
文書情報管理装置の処理方法であって、
受信した文書情報に期限情報が格納されているかを判定し、
前記文書情報に前記期限情報が格納されている場合に当該期限情報を読み取って、前記文書情報とを対応付けて管理し、
前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を表示する
ことを特徴とする処理方法。
【請求項8】
前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を、期限満了を示す期限情報に対応付けられて管理された文書情報または期限情報が格納されていない文書情報と異なる状態で表示する
ことを特徴とする請求項7に記載の処理方法。
【請求項9】
文書情報管理装置のコンピュータを、
受信した文書情報に期限情報が格納されているかを判定する期限情報有無判定手段、
前記文書情報に前記期限情報が格納されている場合に当該期限情報を読み取って、前記文書情報とを対応付けて管理する文書情報管理手段、
前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を表示する文書情報一覧表示手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
前記文書情報一覧表示手段は、前記文書情報一覧の表示処理時において、期限満了前の期限を示す期限情報に対応付けられて管理された前記文書情報を、期限満了を示す期限情報に対応付けられて管理された文書情報または期限情報が格納されていない文書情報と異なる状態で表示する
ことを特徴とする請求項9に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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