説明

文書画像表示装置、文書画像表示装置の制御方法、プログラム及び文書画像データ

【課題】 文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成した画像要素データを含んで構成されるような文書画像データについて、文書画像が完全に表示される前にユーザがその全体像を把握できるように図る文書画像表示装置を提供すること。
【解決手段】 文書画像データ取得部60は、文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データを取得する。表示制御部61は、文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示部60に表示させるようにして、文書画像を表示部60に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は文書画像表示装置、文書画像表示装置の制御方法、プログラム及び文書画像データに関する。
【背景技術】
【0002】
文書画像のデータには、文字(テキスト)部分や、自然画などの部分(絵柄部分)など、互いに性状の異なる多くの画像要素が含まれ得る。こうした画像要素は、その性状の相違から、例えば圧縮処理において異なる方式での圧縮が適していたりするなど、画像要素ごとに異なる画像処理を行うことが好ましい場合がある。このため、文書画像のデータを、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成した画像要素データを含んで構成するようにすることが行われている。
【0003】
ところで、画像データの表示方法として、JPEG(Joint Picture Experts Group)圧縮処理された画像データのプログレッシブ表示が知られている(特許文献1)。かかる表示方法によれば、画像が完全に表示される前であっても、ユーザがその全体像を把握できるよう図ることができる。
【特許文献1】特開平10−108180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成した画像要素データを含んで構成されるような文書画像データについても、以上の画像データの表示方法のように、文書画像が完全に表示される前にユーザがその全体像を把握できるようにすることが望まれている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成した画像要素データを含んで構成されるような文書画像データについて、文書画像が完全に表示される前にユーザがその全体像を把握できるように図る文書画像表示装置、文書画像表示装置の制御方法、プログラム及び文書画像データを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る文書画像表示装置は、文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データを取得する文書画像データ取得手段と、前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示手段に表示させるようにして、前記文書画像を前記表示手段に表示させる文書画像表示制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る文書画像表示装置の制御方法は、文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データを取得する文書画像データ取得ステップと、前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示手段に表示させるようにして、前記文書画像を前記表示手段に表示させる文書画像表示制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るプログラムは、文書画像表示装置として、例えばパーソナルコンピュータなどのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データを取得する文書画像データ取得手段、及び、前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示手段に表示させるようにして、前記文書画像を前記表示手段に表示させる文書画像表示制御手段、として前記コンピュータを機能させるプログラムである。
【0009】
本発明では、文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データが取得される。そして、文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像が、該文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示手段に表示されるようにして、該文書画像が表示手段に表示される。このため、文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成した画像要素データを含んで構成されるような文書画像データについて、文書画像が完全に表示される前にユーザがその全体像を把握できるように図るできるようになる。
【0010】
また、本発明の一態様は、前記文書画像データは、前記文書画像における各画像要素の表示位置を特定するための位置特定情報を含み、前記文書画像表示制御手段は、前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を前記表示手段に表示させる順序を、前記文書画像データに含まれる位置特定情報に基づいて決定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、前記文書画像データは、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づいて決定された、各画像要素データの表示順序を示す表示順序情報を含み、前記文書画像表示制御手段は、前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像データに含まれる表示順序情報に基づく順序で前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る文書画像データは、文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを、該文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で含んで構成される文書画像データである。
【0013】
また、本発明に係る文書画像データは、文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データと、該文書画像における各画像要素に係る面積に基づいて決定された各画像要素データの表示順序を示す表示順序情報と、を含んで構成される文書画像データである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施の一形態について図面に基づき詳細に説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る文書画像表示装置の全体構成を示す図である。文書画像表示装置10は、例えばパーソナルコンピュータなどのコンピュータによって構成され、同図に示すように、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、入力部14とを含んでいる。
【0016】
制御部11は、記憶部12に格納されているプログラムに従って動作しており、例えば複数ページを有する文書データを表示部13に表示させる処理を実行する。
【0017】
記憶部12は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体と当該情報記憶媒体に対してデータを書き込み、又は当該情報記憶媒体かデータを読み出す装置(例えばハードディスク装置やメモリ装置)によって実現される。記憶部12は、制御部11によって実行されるプログラムを記憶する。また、記憶部12は、制御部11の処理の過程で必要となる種々のデータを記憶するワークメモリとしても動作する。
【0018】
表示部13は、例えばディスプレイ装置によって実現され、制御部11から入力される指示に従って画像の表示を行う。入力部14は、例えばマウスやキーボードなどの入力装置によって実現され、ユーザの操作を受け付ける。
【0019】
本実施の形態に係る文書画像表示装置10では、複数のページからなる文書データを表示するための文書表示プログラムが実行される。
【0020】
ここで、この文書表示プログラムの対象となる文書データについて説明する。
【0021】
文書表示プログラムで扱われる文書データは、複数のページからなる文書のデータであり、各ページごとの画像データ(各ページの画像を表す画像データ)を含んで構成される。
【0022】
図2は、文書データの各ページの画像(文書画像)の一例を示している。同図に示すように、文書データの各ページの画像には、文字部分20、線画部分21、写真部分22などの画像要素が含まれ得る。こうした画像要素は互いに性状が異なることから、例えば圧縮処理において異なる方式での圧縮が適していたりするなど、画像要素ごとに異なる画像処理を行うことが好ましい場合が多い。このため、文書表示プログラムの対象となる文書データでは、各ページごとの画像データがそのページに含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データ(すなわち、そのページの画像に含まれる各画像要素に対応する画像要素データ)の集合(画像要素データ群)として構成されている。
【0023】
具体的には、例えば図3に示すように、各ページの画像データ(文書画像データ)は、文字部分20を表す画像要素データ30(以下、文字レイヤデータ30と呼ぶ。)と、線画部分21を表す画像要素データ31(以下、線画レイヤデータ31と呼ぶ。)と、写真部分22を表す画像要素データ32(以下、写真レイヤデータ32と呼ぶ。)との少なくとも1つを含んで構成される、階層構造形式の画像データとなっている。
【0024】
これらの文字レイヤデータ30,線画レイヤデータ31,写真レイヤデータ32は、各々に係る画像要素の属性(性状)に応じた圧縮方式で圧縮されている。例えば、文字部分20を表示するための文字レイヤデータ30は、かかる画像要素に適した2値系圧縮方式(例えば、G4,JBIG,JBIG2などの圧縮方式)によって圧縮された画像データとなっている。また、線画部分21を表示するための線画レイヤデータ31や、写真部分22を表示するための写真レイヤデータ32は、かかる画像要素に適した多値系圧縮方式(例えば、JPEG,JPEG2000などの圧縮方式)によって圧縮された画像データとなっている。
【0025】
文書画像データには、以上のレイヤデータの他に、文書画像の下地部分を表す下地画像データが含まれる。また、各画像要素の外接矩形の座標情報(文書画像における各画像要素の表示位置を特定するための情報)が含まれる。
【0026】
次に、文書表示プログラムによって表示される画面について説明する。
【0027】
図4は、文書表示プログラムによって表示されるページ一覧画面の一例を示している。このページ一覧表示画面は、文書表示プログラムが起動され、表示対象の文書データが特定された場合に表示される。同図に示すように、このページ一覧画面には、ページアイコン40と、カーソル41とが表示される。
【0028】
ページアイコン40は、文書データの各ページに対応している。このページ一覧画面では、ページアイコン40として、各ページに含まれる画像要素のうちの最も面積が大きいもののみが表示されるようになっている。例えば、図2に示すページの場合であれば、写真部分22、すなわち写真レイヤデータ32に基づく画像(サムネイル画像)がページアイコン40として表示される。なお、ページ一覧画面には、すべてのページについてページアイコン40が表示されるようにしてもよいし、一部のページについてページアイコン40が表示されるようにしてもよい。
【0029】
カーソル41は、マウス(入力部14)に対する操作に応じて画面上を移動する。ページ一覧画面では、ユーザがカーソル41を所望のページアイコン40上に移動させ、マウスをクリックすると(すなわち、所望のページアイコン40をクリックすると)、ページ参照画面が表示され、そのページアイコン40に対応するページの画像が表示される。
【0030】
図5は、文書表示プログラムによって表示されるページ参照画面の一例を示している。同図に示すように、このページ参照画面には、文書画像表示領域51と、カーソル51と、前ボタン52と、次ボタン53と、ページ一覧ボタン54とが含まれている。
【0031】
文書画像表示領域50には、文書データの各ページの画像(文書画像)が表示される。カーソル51は、マウス(入力部14)に対する操作に応じて画面上を移動する。このページ参照画面では、ユーザがカーソル51を文書表示領域50上に移動させ、マウスをクリックすると(すなわち、文書表示領域50をクリックすると)、現在表示中のページの次のページの画像が文書表示領域50に表示されるようになっている。同様に、ユーザが次ボタン53をクリックした場合にも、次のページの画像が文書表示領域50に表示されるようになっている。また、ユーザが前ボタン52をクリックすると、現在表示中のページの前のページの画像が文書表示領域50に表示されるようになっている。また、ユーザがページ一覧ボタン54をクリックすると、ページ一覧画面(図4)が表示される。
【0032】
このページ参照画面では、文書画像表示領域50に表示対象ページの画像が表示される場合、各画像要素に係る面積の大きい順で、各画像要素が表示されるようになっている。すなわち、最も面積の大きいものから順に表示されるようになっている。例えば、例えば図5の場合であれば(図2に示すページの画像が表示される場合であれば)、まず最初に写真部分57が表示され、その次に線画部分56が表示され、最後に文字部分55が表示されるようになっている。このため、文書画像が完全に表示される前であっても、ユーザが表示対象のページの特徴を把握できるようになっている。以下、この点に関する構成について詳しく説明する。
【0033】
図6は、文書画像表示装置10において実現される機能ブロックのうち、本発明に関連するものを中心として示している。同図に示すように、文書画像表示装置10は、文書画像データ取得部60と、表示制御部61と、表示部62とを含んで構成される。これらの機能は、コンピュータにより読み取り可能な情報記憶媒体や通信ネットワークによって供給されるプログラムが制御部11によって実行されることによって実現される。
【0034】
[1.文書画像データ取得部]
文書画像データ取得部60は、文書画像を表す画像データとして、図3において説明したように構成される文書画像データを取得する。文書画像データ取得部60は、例えば文書画像データが記憶部12(ハードディスク装置など)に記憶されている場合には、文書画像データを記憶部12から読み出す。また例えば、文書画像表示装置10と通信可能な文書管理装置に文書画像データが記憶されている場合には、文書管理装置に記憶されている文書画像データを取得する。例えば、文書画像データ取得部60は、文書画像データ配信要求(文書データ配信要求)を文書管理装置に送信し、該文書データ取得要求に応じて文書管理装置から送信される文書画像データ(文書データ)を受信する。
【0035】
具体的には、文書画像データ取得部60は、ページ一覧画面(図4)においてページアイコン40がクリックされた場合や、ページ参照画面(図5)において文書画像表示領域50、前ボタン52、次ボタン53がクリックされた場合に、文書表示領域50の表示対象となるページの画像データ(文書画像データ)を取得する。
【0036】
[2.文書画像表示制御部]
表示制御部61は、文書画像データ取得部60において取得された文書画像データに基づいて、文書画像を表示部62に表示させる。特に、表示制御部61は、文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示部62に表示させるようにして、文書画像を表示部62に表示させる。
【0037】
例えば、表示制御部61は、文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を表示部62に表示させる順序を、各画像要素の外接矩形の座標情報(位置特定情報)に基づいて決定するようにしてもよい。なお、かかる座標情報は文書画像データに含まれているものである。
【0038】
具体的には、表示制御部61は、各画像要素の外接矩形の座標情報を文書画像データから読み出す。そして、各画像要素ごとにその外接矩形の面積を算出する。そして、各画像要素ごとに算出した面積に基づいて、各画像要素データに基づく画像を表示部62に表示させる順序(表示順)を決定する。例えば、算出した面積が大きい画像要素から順に表示されるように表示順を決定する。なお、各画像要素ごとにその外接矩形に含まれる実画素数を算出し、各画像要素ごとに算出した実画素数に基づいて表示順を決定するようにしてもよい。例えば、算出した実画素数の大きい画像要素から順に表示されるように表示順を決定するようにしてもよい。
【0039】
表示制御部61は、画像要素データの表示順を決定したら、その表示順に従って、各画像要素データに基づく画像を表示部62に表示させていく。具体的には次のように処理を行う。なお、ここでは、画像要素データの表示順が写真レイヤデータ32、線画レイヤデータ31、文字レイヤデータ30と決定されたこととして説明する。
【0040】
表示制御部61は、まず文書画像データから下地画像データを読み出して、下地の画像データを生成する。次に、表示制御部61は、写真レイヤデータ32を文書画像データから取り出して伸長し、写真部分22の外接矩形の座標情報に基づいて、下地の画像データ上の対応する位置に、当該伸長した画像データを上書きした画像データを生成する。そして、表示制御部61は、この画像データを表示部62に表示させる。
【0041】
ここで、写真部分22に複数のオブジェクト(オブジェクト領域)が含まれる場合、表示制御部61は、オブジェクト領域の座標情報に基づく表示順で、各オブジェクト(各オブジェクト領域)を表示部62に表示させるようにしてもよい。例えば、各オブジェクトの外接矩形の基準座標値(例えば左上座標値)を取得し、その基準座標値の小さい順で各オブジェクトを表示部62に表示させるようにしてもよい。また例えば、各オブジェクトの外接矩形の面積を取得し、その面積の大きい順で各オブジェクトを表示部62に表示させるようにしてもよい。なお、線画レイヤデータ31に基づく画像や文字レイヤデータ30に基づく画像を表示させる場合についても同様にしてよい。
【0042】
次に、表示制御部61は、線画レイヤデータ31を文書画像データから取り出して伸長し、線画部分21の外接矩形の座標情報に基づいて、上記生成した画像データ上の対応する位置に、当該伸長した画像データを上書きした画像データを生成する。そして、表示制御部61は、当該上書きした画像データを表示部62に表示させる。
【0043】
次に、表示制御部61は、文字レイヤデータ30を文書画像データから取り出して伸長し、文字部分20の外接矩形の座標情報に基づいて、上記生成した画像データ上の対応する位置に、当該伸長した画像データを上書きした画像データを生成する。そして、表示制御部61は、当該上書きした画像データを表示部62に表示させる。こうして、表示部62には文書画像が表示される。
【0044】
なお、文書データのデータ構成を例えば図7や図8に示すようにすることによって、表示制御部61における処理がより簡易に実現されるようにしてもよい。なお、図7及び図8は、図2に示すように、写真部分22、線画部分21、文字部分20の順で面積が大きいような文書画像の文書画像データの例を示している。
【0045】
例えば図7に示すように、文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを、該文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で含ませて、文書画像データを構成するようにしてもよい。なお、ヘッダデータには、例えば各画像要素の外接矩形の座標情報などが含まれる。
【0046】
この場合、表示制御部61は、文書画像データの先頭から順にヘッダデータ、下地画像データ、各画像要素データを取り出していき、その画像要素データに基づく画像を表示部62に表示させていくようにすればよい。こうすれば、表示制御部61において、各画像要素データの表示順を決定する必要がなくなり、表示制御部61における処理負担を軽減することができるようになる。
【0047】
また、例えば図8に示すように、文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データと、該文書画像における各画像要素に係る面積に基づいて決定された各画像要素データの表示順序を示す表示順序情報とを含ませて、文書画像データを構成するようにしてもよい。この場合、ヘッダデータには各画像要素の外接矩形の座標情報などとともに、例えば図9に示すような表示順序情報が含まれるようにすればよい。同図に示すように、この表示順序情報は、表示順序を示す情報と、画像要素データの読み出し開始位置とを対応づけてなるものとなっている。このように、表示順序情報は、表示順序を示す情報と、その順序で読み出すべき画像要素データを特定する情報とを対応づけてなるものとすればよい。
【0048】
この場合、表示制御部61は、文書画像データからまずヘッダデータを取り出し、そこから表示順序情報を読み出す。そして、下地画像データを読み出した後は、表示順序情報に定められた順序で所定の読み出し開始位置から画像要素データを読み出していき、その画像要素データに基づく画像を表示部62に表示させていくようにすればよい。こうすれば、表示制御部61において、各画像要素データの表示順を決定する必要がなくなり、表示制御部61における処理負担を軽減することができるようになる。
【0049】
以上に説明したように、文書画像表示装置10は、文書画像を表示する場合、該文書画像に含まれる画像要素のうち、相対的に面積の大きい画像要素から順に表示する。このため、文書画像が完全に表示される前であっても、ユーザが文書画像の全体的な特徴を把握できるよう図ることができる。
【0050】
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0051】
例えば、本発明が対象とするのは複数のページ(文書画像)からなる文書データに限られず、本発明は一の文書画像や、複数の文書画像を含んでなる文書画像群を対象とすることができるものである。
【0052】
また例えば、表示すべき1つのオブジェクトを予め面積の異なる複数のレイヤに分割し、面積によって表示されるレイヤ順に、例えば、オブジェクトの外形画像から内側の画像まで数段階に分けることにより、外形画像から順にプログレッシブに表示させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本実施の形態に係る文書画像表示装置の構成を示す図である。
【図2】文書画像の一例を示す図である。
【図3】文書画像データの構成を示す図である。
【図4】ページ一覧画面の一例を示す図である。
【図5】ページ参照画面の一例を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る文書画像表示装置の機能ブロック図である。
【図7】文書画像データのデータ構成を示す図である。
【図8】文書画像データのデータ構成を示す図である。
【図9】表示順序情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10 文書画像表示装置、11 制御部、12 記憶部、13 表示部、14 入力部、20,55 文字部分、21,56 線画部分、22,57 写真部分、30 文字レイヤデータ、31 線画レイヤデータ、32 写真レイヤデータ、40 ページアイコン、41,51 カーソル、50 文書画像表示領域、52 前ボタン、53 次ボタン、54 ページ一覧ボタン、60 文書画像データ取得部、61 表示制御部、62 表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データを取得する文書画像データ取得手段と、
前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示手段に表示させるようにして、前記文書画像を前記表示手段に表示させる文書画像表示制御手段と、
を含むことを特徴とする文書画像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文書画像表示装置において、
前記文書画像データは、前記文書画像における各画像要素の表示位置を特定するための位置特定情報を含み、
前記文書画像表示制御手段は、前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を前記表示手段に表示させる順序を、前記文書画像データに含まれる位置特定情報に基づいて決定する、
ことを特徴とする文書画像表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の文書画像表示装置において、
前記文書画像データは、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づいて決定された、各画像要素データの表示順序を示す表示順序情報を含み、
前記文書画像表示制御手段は、前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像データに含まれる表示順序情報に基づく順序で前記表示手段に表示させる、
ことを特徴とする文書画像表示装置。
【請求項4】
文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データを取得する文書画像データ取得ステップと、
前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示手段に表示させるようにして、前記文書画像を前記表示手段に表示させる文書画像表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする文書画像表示装置の制御方法。
【請求項5】
文書画像表示装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを含んで構成される文書画像データを取得する文書画像データ取得手段、及び、
前記文書画像データに含まれる各画像要素データに基づく画像を、前記文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で表示手段に表示させるようにして、前記文書画像を前記表示手段に表示させる文書画像表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項6】
文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データを、該文書画像における各画像要素に係る面積に基づく順序で含んで構成される文書画像データ。
【請求項7】
文書画像を表す画像データであって、該文書画像に含まれる画像要素ごとに分けて生成された画像要素データと、該文書画像における各画像要素に係る面積に基づいて決定された各画像要素データの表示順序を示す表示順序情報と、を含んで構成される文書画像データ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−93904(P2006−93904A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−274294(P2004−274294)
【出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】