説明

文書管理システム及び文書管理方法

【課題】管理対象文書を、公開先として指定した組織とともに、閲覧が必要な関連組織にも効率的に設定するための文書管理システム及び文書管理方法を提供する。
【解決手段】文書管理システム20の制御部31は、ユーザ端末10から文書登録依頼を受信すると、管理対象文書、公開先の登録処理を実行する。制御部31は、登録した管理対象文書に対して公開制限フラグが関連付けられている場合には、上位組織及び公開先の特定処理を実行し、関連公開先の登録処理を実行する。文書管理システム20の制御部41は、インデックスの登録処理において、公開制限する管理対象文書については、公開組織コード及び公開等級コードを、インデックスレコードに含めて記録する。制御部41は、検索条件の組織識別子と、検索条件のキーワードとが記録されたインデックスレコードを抽出することにより、検索処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、公開範囲を特定した管理対象文書を管理するための文書管理システム及び文書管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数人で情報を共有するために、電子文書を公開することがある。電子文書の内容によっては、特定者や特定組織のみに公開する場合もある。このような公開制限の電子文書を管理する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この文献に記載の技術では、ユーザは、書類を登録する場合、この書類に対してアクセスを許可する範囲の設定を行なう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−179179号公報(第1頁、図7及び図18)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、特定者や特定組織のみに公開するために、公開許可範囲を個別に設定する場合、設定が煩雑になる可能性がある。特に、対象者や対象組織が多い場合、負担が大きい。また、特定者や特定組織に公開を設定する場合、上長や上位組織の所属者等の関係者についての設定を考慮しておく必要がある。例えば、特定者や特定組織の所属者に公開を設定する場合、その上長や上位組織の所属者が閲覧できる状態にすべきである。しかしながら、その上長や上位組織の所属者についての設定を失念すると、これら関係者が閲覧できなくなるという課題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、管理対象文書を、公開先として指定した組織とともに、閲覧が必要な関連組織にも効率的に設定するための文書管理システム及び文書管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザの所属組織を特定するための所属組織情報を記憶したユーザ組織情報記憶手段と、各組織の関連組織情報を記憶した組織情報記憶手段と、管理対象文書データを記憶する文書情報記憶手段と、管理対象文書データの公開先組織を特定するための公開先情報を記憶する公開先情報記憶手段と、管理対象文書データの公開を管理する制御手段とを備え、ユーザ端末に接続された文書管理システムであって、前記制御手段が、ユーザ端末から管理対象文書データを受信して前記文書情報記憶手段に記録し、この管理対象文書データの公開先組織を特定して、前記公開先情報記憶手段に登録する手段と、前記登録した公開先組織の関連組織を、前記組織情報記憶手段を用いて特定し、前記関連組織情報を前記公開先情報記憶手段に登録する手段と、ユーザ端末から管理対象文書データのダウンロード指示を受信した場合には、このユーザ端末のユーザの所属組織を、前記ユーザ組織情報記憶手段を用いて特定し、この所属組織が前記管理対象文書データの公開先組織として前記公開先情報記憶手段に登録されている場合には、前記ユーザ端末に、前記管理対象文書データを送信する処理を実行する手段とを備えていることを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の文書管理システムにおいて、前記管理対象文書データの文書識別子に対して、この管理対象文書データを検索するためのインデック
ス情報を記憶するインデックス情報記憶手段を更に備え、前記制御手段が、新たな管理対象文書データが前記文書情報記憶手段に登録された場合、前記管理対象文書データに関する検索用情報と、この管理対象文書データの公開先組織の識別情報とを含めたインデックス情報を生成し、前記インデックス情報記憶手段に登録する手段と、前記ユーザ端末から検索条件を受信した場合、前記インデックス情報記憶手段を用いて、前記検索条件に一致する管理対象文書データであって、公開先組織の識別情報に、前記ユーザ端末のユーザの所属組織情報が含まれている管理対象文書データの文書識別子を検索し、抽出した文書識別子を一覧表示した検索結果を前記ユーザ端末に送信する手段とを更に備えていることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の文書管理システムにおいて、管理対象文書データを送信したユーザの所属組織情報を含めた送信実績を記録する履歴情報記憶手段を更に備え、前記インデックス情報には、文書識別子を検索する順番を特定する情報に関連付けられて公開先組織の識別情報が記録されており、前記制御手段が、ユーザ端末に対して管理対象文書データを送信した場合には、ユーザの所属組織情報を含めた送信実績を履歴情報記憶手段に記録する手段と、前記履歴情報記憶手段から送信実績を取得し、この送信実績に応じて、前記履歴情報記憶手段に記憶された各インデックス情報の前記公開先組織の識別情報の順番を並べ替えて更新する手段とを更に備えていることを要旨とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の文書管理システムにおいて、前記公開先情報記憶手段には、前記公開先組織の識別情報に関連付けて、この管理対象文書データの閲覧状況情報が記録されており、前記制御手段が、前記ユーザ端末に前記管理対象文書データを送信した場合、このユーザの所属組織を特定し、前記公開先情報記憶手段において、この所属組織に対応した閲覧状況が未読の場合には、閲覧状況を既読に変更する既読記録手段とを更に備えていることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の文書管理システムにおいて、前記制御手段が、前記ユーザ組織情報記憶手段において、前記ユーザ端末のユーザについて複数の所属組織が登録されている場合には、前記ユーザ端末に、特定した所属組織を含めた組織選択画面を送信する手段と、前記ユーザ端末から前記組織選択画面において選択された組織を、このユーザの所属組織として特定する手段と、前記所属組織が公開先組織として前記公開先情報記憶手段に登録されている管理対象文書に関するデータを前記ユーザ端末に送信する手段とを更に備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の文書管理システムにおいて、前記管理対象文書データに対して付加された添付ファイルを記憶する添付ファイル記憶手段と、前記管理対象文書データに対して付加されたすべての添付ファイルを1つのファイルに圧縮した圧縮ファイルを記憶する圧縮ファイル記憶手段とを更に備え、前記制御手段が、前記ユーザ端末から前記管理対象文書データとともに添付ファイルを受信した場合には、この添付ファイルを、前記管理対象文書データと対応付け可能な状態で前記添付ファイル記憶手段に登録する手段と、前記ユーザ端末から、管理対象文書データに付加されている複数の添付ファイルの一括ダウンロード要求を受信した場合には、前記ダウンロード要求の対象となる添付ファイルの圧縮ファイルを前記圧縮ファイル記憶手段において検索し、圧縮ファイルが登録されていない場合には、前記管理対象文書データの添付ファイルを前記添付ファイル記憶手段から取得して、新たに圧縮ファイルを生成し、前記圧縮ファイル記憶手段に登録し、前記ユーザ端末に圧縮ファイルを送信することを要旨とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、ユーザの所属組織を特定するための所属組織情報を記憶したユーザ組織情報記憶手段と、各組織の関連組織情報を記憶した組織情報記憶手段と、管理
対象文書データを記憶する文書情報記憶手段と、管理対象文書データの公開先組織を特定するための公開先情報を記憶する公開先情報記憶手段と、制御手段とを備え、ユーザ端末に接続された文書管理システムを用いて、前記管理対象文書データの公開を管理する文書管理方法であって、前記制御手段が、ユーザ端末から管理対象文書データを受信して前記文書情報記憶手段に記録し、この管理対象文書データの公開先組織を特定して、前記公開先情報記憶手段に登録する段階と、前記登録した公開先組織の関連組織を、前記組織情報記憶手段を用いて特定し、前記関連組織情報を前記公開先情報記憶手段に登録する段階と、ユーザ端末から管理対象文書データのダウンロード指示を受信した場合には、このユーザ端末のユーザの所属組織を、前記ユーザ組織情報記憶手段を用いて特定し、この所属組織が前記管理対象文書データの公開先組織として前記公開先情報記憶手段に登録されている場合には、前記ユーザ端末に、前記管理対象文書データを送信する処理を実行する段階とを実行することを要旨とする。
【0013】
(作用)
請求項1、7に記載の発明によれば、制御手段は、ユーザ端末から管理対象文書データを受信して文書情報記憶手段に記録し、この管理対象文書データの公開先組織を特定して、公開先情報記憶手段に登録する。制御手段は、登録した公開先組織の関連組織を、組織情報記憶手段を用いて特定し、関連組織情報を公開先情報記憶手段に登録する。制御手段は、ユーザ端末から管理対象文書データのダウンロード指示を受信した場合には、このユーザ端末のユーザの所属組織を、ユーザ組織情報記憶手段を用いて特定し、この所属組織が管理対象文書データの公開先組織として公開先情報記憶手段に登録されている場合には、ユーザ端末に、管理対象文書データを送信する処理を実行する。これにより、管理対象文書データを公開する組織としてユーザに設定されて登録した組織だけでなく、この組織の関連組織についても、登録者の負担をかけることなく公開に設定することができる。そして、関連組織の利用者も確実に管理対象文書を閲覧することができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、新たな管理対象文書データが文書情報記憶手段に登録された場合、管理対象文書データに関する検索用情報と、この管理対象文書データの公開先組織の識別情報とを含めたインデックス情報を生成し、インデックス情報記憶手段に登録する。制御手段は、ユーザ端末から検索条件を受信した場合、インデックス情報記憶手段を用いて、検索条件に一致する管理対象文書データであって、公開先組織の識別情報に、ユーザ端末のユーザの所属組織情報が含まれている管理対象文書データの文書識別子を検索し、抽出した文書識別子を一覧表示した検索結果をユーザ端末に送信する。これにより、アクセス制限がされた管理対象文書を検索する場合であっても、インデックス情報から公開制限の有無を判定することができるので、公開制限された文書を高速に検索することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、制御手段は、ユーザ端末に対して管理対象文書データを送信した場合には、ユーザの所属組織情報を含めた送信実績を履歴情報記憶手段に記録する。制御手段は、履歴情報記憶手段から送信実績を取得し、この送信実績に応じて、履歴情報記憶手段に記憶された各インデックス情報の公開先組織の識別情報の順番を並べ替えて更新する。これにより、インデックス情報において、システムの利用実績が多い組織等を先に配置するように並び替えるので、送信実績を考慮して、公開先組織における検索を効率よく行なうことができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、制御手段は、ユーザ端末に管理対象文書データを送信した場合、このユーザの所属組織を特定し、公開先情報記憶手段において、この所属組織に対応した閲覧状況が未読の場合には、閲覧状況を既読に変更する。これにより、ユーザにおける閲覧状況を把握することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、制御手段は、ユーザ組織情報記憶手段において、ユーザ端末のユーザについて複数の所属組織が登録されている場合には、ユーザ端末に、特定した所属組織を含めた組織選択画面を送信し、ユーザ端末から組織選択画面において選択された組織を、このユーザの所属組織として特定する。制御手段は、この所属組織が公開先組織として前記公開先情報記憶手段に登録されている管理対象文書に関するデータを前記ユーザ端末に送信する。これにより、兼務者のユーザは、選択した所属組織に対して公開されている管理文書を閲覧することができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、制御手段が、ユーザ端末から管理対象文書データとともに添付ファイルを受信した場合には、この添付ファイルを、管理対象文書データと対応付け可能な状態で添付ファイル記憶手段に登録する。制御手段は、ユーザ端末から、管理対象文書データに付加されている複数の添付ファイルの一括ダウンロード要求を受信した場合には、ダウンロード要求の対象となる添付ファイルの圧縮ファイルを圧縮ファイル記憶手段において検索し、圧縮ファイルが登録されていない場合には、管理対象文書データの添付ファイルを添付ファイル記憶手段から取得して、新たに圧縮ファイルを生成し、圧縮ファイル記憶手段に登録し、ユーザ端末に圧縮ファイルを送信する。これにより、添付ファイルについての初めての一括ダウンロード要求を受信した場合に、圧縮ファイルを生成するので、効率よく圧縮ファイルを生成して保存することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、管理対象文書を、公開先として指定した組織とともに、閲覧が必要な関連組織にも効率的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態におけるシステムの構成を説明する概略構成図。
【図2】本発明の実施形態の各記憶部に記録されたデータの説明図であって、(a)は社員テーブル記憶部、(b)は組織テーブル記憶部、(c)は文書テーブル記憶部、(d)は公開範囲テーブル記憶部、(e)はインデックステーブル記憶部、(f)は関連付けテーブル記憶部。
【図3】本発明の実施形態の文書管理システムで用いられる画面遷移図。
【図4】本発明の実施形態の文書登録処理の前半の処理手順の流れ図。
【図5】本発明の実施形態の文書登録処理の後半の処理手順の流れ図。
【図6】本発明の実施形態のインデックス生成処理の処理手順の流れ図。
【図7】本発明の実施形態の文書検索処理の処理手順の流れ図。
【図8】本発明の実施形態の文書閲覧処理の処理手順の流れ図。
【図9】本発明の実施形態の文書管理システムで用いられる画面の説明図であって、(a)はログイン切り替え画面、(b)は文書登録処理で用いられる画面、(c)は一覧・検索画面、(d)は文書詳細画面。
【図10】本発明の変形例におけるインデックス更新処理の処理手順の流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図9に従って説明する。本実施形態では、会社内で社員が登録し閲覧する管理対象文書を管理するための文書管理システム及び文書管理方法として説明する。本実施形態では、管理対象文書を、登録者が指定した公開先組織のみならず、この公開先組織の関連組織(例えば、上位組織)にも公開する。
【0022】
本実施形態では、図1に示すように、文書管理システム20には、ネットワークを介して、ユーザ端末10が接続されている。ユーザ端末10は、管理対象文書を登録したり出力したりするためにユーザが使用するコンピュータ端末である。ユーザ端末10は、ネットワークを介してデータを送信する機能や、受信したデータを表示する機能等を有する。
このため、このユーザ端末10は、図示しないCPU、RAM、ROMの他、キーボード、マウス等の入力手段、ディスプレイ等の出力手段、通信手段等を有する。
【0023】
本実施形態の文書管理システム20は、登録サーバ30及び検索サーバ40を備えている。そして、登録サーバ30の後述する制御部31と検索サーバ40の後述する制御部41とが連動することにより、文書管理システム20の制御手段として機能する。
【0024】
登録サーバ30は、ユーザ端末10からのアクセスがあった場合のユーザ認証処理やユーザ端末10からの指示に応じて文書登録処理を行なうコンピュータシステムである。本実施形態では、ユーザ端末10からのアクセスを、文書管理システム20において受け付ける。
【0025】
この登録サーバ30は、制御部31、社員テーブル記憶部32、組織テーブル記憶部33、文書テーブル記憶部34、公開範囲テーブル記憶部35及び添付ファイル記憶部36を備える。制御部31は、アクセスしてきたユーザ端末10のユーザ(社員)の認証処理、管理対象文書データ等の登録処理を行なうための各種データの管理処理等を行なう制御手段として機能する。制御部31は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有する。そして、後述する処理を実行する。このための登録プログラムを実行することにより、制御部31は、アクセス受入手段310、文書登録手段311、登録通知手段312、人事連携手段313を備える。
【0026】
アクセス受入手段310は、アクセスしたユーザ端末10のユーザのユーザ認証処理やユーザの所属組織の特定処理を実行する。アクセス受入手段310は、ユーザ認証されたユーザ特定情報(ここでは、後述する社員コードや組織識別子)を一時記憶するメモリを備えている。
【0027】
文書登録手段311は、ユーザ端末10からの文書登録依頼に基づいて、管理対象文書を登録する処理を実行する。この場合、文書登録手段311は、管理対象文書の登録とともに、この管理対象文書に付加された添付ファイル、この管理対象文書の公開範囲に関するデータを登録する。文書登録手段311は、関連組織(本実施形態では、上位組織)情報を一時記憶するメモリを備えている。
【0028】
登録通知手段312は、管理対象文書が登録されたときに、メール送信対象者に対して通知する処理を実行する。
人事連携手段313は、人事管理サーバ(図示せず)から人事異動情報や組織変更情報を取得した場合に、これに連携して、社員テーブル記憶部32及び組織テーブル記憶部33のデータを更新する処理を実行する。
【0029】
社員テーブル記憶部32はユーザ組織情報記憶手段として機能する。この社員テーブル記憶部32には、文書管理システム20を利用するユーザ(社員)に関する社員レコード320が記録されている。この社員レコード320は、新たに社員の情報が登録された場合に記録される。社員レコード320には、図2(a)に示すように、社員コード、氏名、所属組織コード、職務コード、等級コード、メール送信先、更新日に関するデータが記録されている。
【0030】
社員コードデータ領域には、各社員を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
氏名データ領域には、この社員の氏名に関するデータが記録されている。
所属組織コードデータ領域には、この社員が属する所属組織を特定するための所属組織コード(組織識別子)に関するデータが記録されている。この組織識別子は、支部、部門
及び課をそれぞれ識別する識別子が結合されて構成されている。
【0031】
職務コードデータ領域には、この社員の職務を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
等級コードデータ領域には、この社員の等級を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
メール送信先データ領域には、この社員のメールアドレスに関するデータが記録されている。
更新日データ領域には、この社員レコード320が更新された年月日に関するデータが記録されている。
【0032】
組織テーブル記憶部33は組織情報記憶手段として機能する。この組織テーブル記憶部33には、社内の各組織に関する組織レコード330が記録されている。この組織レコード330は、組織編成が登録された場合に記録される。組織レコード330には、図2(b)に示すように、上位組織コード、組織名、下位組織コードに関するデータが記録されている。
【0033】
上位組織コードデータ領域には、各組織を特定するための識別子(支部、部門、課を特定する組織識別子)に関するデータが記録されている。
組織名データ領域には、この組織(上位組織)の名称に関するデータが記録されている。
下位組織コードデータ領域には、この上位組織の直下の下位組織を特定するための識別子(組織識別子)に関するデータが記録されている。
【0034】
文書テーブル記憶部34は文書情報記憶手段として機能する。この文書テーブル記憶部34には、管理対象文書に関する文書レコード340が記録される。この文書レコード340は、後述する文書登録処理が実行された場合に生成されて記録される。文書レコード340には、図2(c)に示すように、文書コード、文書番号、種類コード、公開範囲設定、タイトル、コメント、登録者コード、登録組織コード、登録日時、添付ファイル数に関するデータが記録される。
【0035】
文書コードデータ領域には、各管理対象文書を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、この文書コードは、登録された年月日及び時刻と登録者コードから構成されている。
【0036】
文書番号データ領域には、登録組織において、この管理対象文書に付与された整理番号に関するデータが記録される。
種類コードデータ領域には、この管理対象文書の種類を特定するための識別子に関するデータが記録される。本実施形態では、種類コードとして、「通達」、「通知」、「事務連絡」、「依頼」、「申請」、「照会」、「報告」、「その他」のいずれかの文書種類を特定する識別子を用いる。
【0037】
公開範囲設定データ領域には、この管理対象文書の公開が制限されているか否かを示すフラグ(全公開フラグ又は公開制限フラグ)に関するデータが記録される。
タイトルデータ領域には、この管理対象文書のタイトルに関するデータが記録される。
【0038】
コメントデータ領域には、この管理対象文書に対するコメントに関するデータが記録される。
登録者コードデータ領域には、この管理対象文書を登録した登録者の社員コードに関するデータが記録される。
【0039】
登録組織コードデータ領域には、この登録者が所属する組織識別子に関するデータが記録される。
登録日時データ領域には、この管理対象文書が登録された年月日及び時刻に関するデータが記録される。
【0040】
添付ファイル数データ領域には、この管理対象文書に付加された添付ファイルの数に関するデータが記録される。なお、登録された管理対象文書に対して添付ファイルが付加されていない場合には、「0」が記録される。
【0041】
公開範囲テーブル記憶部35は公開先情報記憶手段として機能する。この公開範囲テーブル記憶部35には、公開が制限された管理対象文書について閲覧可能な組織に関する公開範囲レコード350が記録される。なお、公開対象の組織が複数ある場合には、組織毎に公開範囲レコード350が記録される。本実施形態では、公開対象の組織には、ユーザが指定した指定公開先の組織と、この指定公開先の組織に関連する関連公開先の組織とが含まれる。この公開範囲レコード350は、後述する文書登録処理が実行された場合に生成されて記録される。公開範囲レコード350には、図2(d)に示すように、文書コード、公開組織コード、公開等級コード、通知設定、閲覧状況に関するデータが記録される。
【0042】
文書コードデータ領域には、各管理対象文書を特定するための文書コードに関するデータが記録される。
公開組織コードデータ領域には、この管理対象文書の公開先組織を特定するための組織識別子に関するデータが記録される。
【0043】
公開等級コードデータ領域には、この管理対象文書の公開対象の社員の等級を特定するための識別子に関するデータが記録される。
通知設定データ領域には、この管理対象文書が公開されたことの通知の要否を判定するためのフラグ(通知フラグ又非通知フラグ)に関するデータが記録される。通知する場合には通知フラグが記録され、通知しない場合には非通知フラグが記録される。本実施形態では、更に、後述する関連組織の公開範囲レコード350においては、通知設定データ領域には、対象外フラグが記録される。
【0044】
閲覧状況データ領域には、この管理対象文書を閲覧したか否かを判断するためのフラグ(未読フラグ又は既読フラグ)に関するデータが記録される。更に、後述する関連組織の公開範囲レコード350においては、閲覧状況データ領域には、対象外フラグが記録される。
【0045】
添付ファイル記憶部36は添付ファイル記憶手段として機能する。この添付ファイル記憶部36には、管理対象文書に付加された添付ファイルが記録される。この添付ファイルは、後述する登録処理において、添付ファイルを取得した場合に記録される。添付ファイルは、ファイル名を保持しており、添付ファイル記憶部36内の特定の領域(パスにより示される領域)に格納される。
【0046】
一方、図1に示す検索サーバ40は、ユーザ端末10から受信した検索条件に基づいて、管理対象文書の検索処理を行なうコンピュータシステムである。この検索サーバ40は、検索処理に用いるインデックスの作成処理を行なう。更に、検索サーバ40は、ユーザ端末10からのダウンロード指示に応じて、管理対象文書や添付ファイルをユーザ端末10に送信する処理を行なう。
【0047】
この検索サーバ40は、制御部41、インデックステーブル記憶部42、関連付けテーブル記憶部43、添付ファイル記憶部44及び圧縮ファイル記憶部45を備える。
この制御部41は、管理対象文書データの検索処理や閲覧処理を行なうための各種データの管理処理等を行なう制御手段として機能する。制御部41は、図示しないCPU、RAM、ROM等を有する。そして、後述する処理を実行する。このための検索プログラムを実行することにより、制御部41は、検索手段411、閲覧管理手段412、インデックス登録手段413を備える。
【0048】
検索手段411は、ユーザ端末10から受信した検索条件に基づいて、インデックステーブル記憶部42を用いて管理対象文書を検索する処理を実行する。このために、検索手段411は、アクセス受入手段310から受信した関連組織(本実施形態では、上位組織)情報を一時記憶するメモリを備えている。
【0049】
閲覧管理手段412は、既読記録手段として機能し、管理対象文書の閲覧の管理処理を実行する。閲覧管理手段412は、ユーザ端末10からの指示に応じて、管理対象文書の詳細や添付ファイル等をユーザ端末10に送信し、閲覧状況を管理する。この閲覧管理手段412は、ユーザ端末10から受信した文書コードや添付ファイルダウンロード要求データを一時記憶するメモリを備えている。
【0050】
インデックス登録手段413は、登録サーバ30の文書テーブル記憶部34や公開範囲テーブル記憶部35のデータに基づいて、検索処理に用いるインデックス情報を作成して、インデックステーブル記憶部42に登録する処理を実行する。
【0051】
インデックステーブル記憶部42はインデックス情報記憶手段として機能する。このインデックステーブル記憶部42には、検索処理に用いるインデックスレコード420が記録される。このインデックスレコード420は、文書テーブル記憶部34に新たなデータが登録されたことを検知した場合に生成されて記録される。インデックスレコード420には、図2(e)に示すように、文書コード、文書番号、公開範囲設定、全公開組織、文書検索本文、種類コード、タイトル、コメント、登録者コード、登録者氏名、登録組織コード、登録組織名、登録日時、添付ファイル数に関するデータが記録される。
【0052】
文書コードデータ領域には、文書レコード340と同様に、各管理対象文書を特定するための識別子(文書コード)に関するデータが記録される。
文書番号データ領域には、文書レコード340と同様に、登録組織において、この管理対象文書に付与された整理番号に関するデータが記録される。
【0053】
公開範囲設定データ領域には、文書レコード340と同様に、この管理対象文書の公開が制限されているか否かを示すフラグ(全公開フラグ又は公開制限フラグ)に関するデータが記録される。
【0054】
全公開組織データ領域には、この管理対象文書の公開対象の組織を特定するための識別子(組織識別子)に関するデータが記録される。複数の組織に対して管理対象文書を公開する場合には、公開対象のすべての組織を特定する組織識別子が記録される。具体的には、公開組織コードと公開等級コードとのセットを、区切り文字でそれぞれ並べて格納されている。
【0055】
文書検索本文データ領域には、この管理対象文書を検索するときに用いるキーワードに関するデータが記録される。本実施形態では、管理対象文書のコメントに含まれる語句に対応する複数のキーワードが記録される。
種類コードデータ領域、タイトルデータ領域、コメントデータ領域、登録者コードデー
タ領域、登録組織コードデータ領域、登録日時データ領域、添付ファイル数データ領域には、文書レコード340と同様に、各種データが記録される。
登録者氏名データ領域、登録組織名データ領域には、この管理対象文書の登録者の氏名及び所属組織名に関するデータが記録される。
【0056】
関連付けテーブル記憶部43には、管理対象文書に対する添付ファイルの関連付けを特定するための関連付けレコード430が記録される。この関連付けレコード430は、後述する文書登録処理において、添付ファイルの登録指示を受けた場合に記録される。関連付けレコード430には、図2(f)に示すように、文書コード、枝番、添付パス、ファイル名に関するデータが記録される。
【0057】
文書コードデータ領域には、各管理対象文書(本文)を特定するための文書コードに関するデータが記録される。
枝番データ領域には、この管理対象文書の添付ファイルに付与された番号に関するデータが記録される。
【0058】
添付パスデータ領域には、この枝番によって特定される添付ファイルが格納された領域を特定するためのデータが記録される。本実施形態では、添付ファイル記憶部44内の格納領域を示すパスに関するデータが記録される。
【0059】
ファイル名データ領域には、この添付ファイルの名称に関するデータが記録される。
添付ファイル記憶部44は添付ファイル記憶手段として機能する。この添付ファイル記憶部44には、管理対象文書に付加された添付ファイルと同じファイルが記録される。この添付ファイルは、登録サーバ30の添付ファイル記憶部36に新たな添付ファイルが登録された場合に記録される。添付ファイルは、ファイル名を保持しており、添付ファイル記憶部44内の特定の領域(パスにより示される領域)に格納される。
【0060】
圧縮ファイル記憶部45は圧縮ファイル記憶手段として機能する。この圧縮ファイル記憶部45には、各管理対象文書に付加された添付ファイルのすべてを1つにまとめて圧縮した圧縮ファイルが記憶される。この圧縮ファイルは、一括ダウンロードが初めて行われる場合に生成して登録される。この圧縮ファイルは、添付ファイルが付加された各管理対象文書を特定するための文書コードに関連付けられて記憶される。
【0061】
次に、本実施形態の文書管理処理について説明する。ここでは、全体の手順(図3)、文書登録処理(図4及び図5)、インデックス生成処理(図6)、文書検索処理(図7)、文書閲覧処理(図8)の順に説明する。
【0062】
(全体の手順)
まず、図3を用いて、全体の手順を説明する。
ユーザ端末10を用いて、文書管理システム20にアクセスする場合、ディスプレイに、統合管理メニュー画面110を表示させる。管理対象文書を登録したり、閲覧したりする場合には、この統合管理メニュー画面110において文書管理処理メニューを選択する。この場合、文書管理システム20は、ユーザ端末10のディスプレイに、初期表示の一覧・検索画面130を表示する。
【0063】
なお、兼務者がアクセスした場合には、文書管理システム20は、ユーザ端末10のディスプレイに、組織選択画面としてのログイン切り替え画面120を表示する。このログイン切り替え画面120は、ユーザの所属組織の切り替えを行なうために用いられる。このログイン切り替え画面120の詳細は後述する。
【0064】
そして、兼務者によりログイン時の所属組織が選択された場合、文書管理システム20は、ユーザ端末10のディスプレイに、初期表示の一覧・検索画面130を表示する。
この初期表示の一覧・検索画面130には、一覧・検索タブ、文書登録タブ、管理文書一覧タブ及び環境設定タブが含まれている。
【0065】
一覧・検索タブが選択された状態での一覧・検索画面130は、管理対象文書の検索処理を行なうために用いられる。一覧・検索画面130には、タイプ別の文書一覧表を表示する表示領域、出力ボタン、検索条件を入力する検索条件入力欄及び検索ボタンが設けられている。
【0066】
文書登録タブが選択された場合には、ユーザ端末10は、文書登録画面140に切り替わる。文書登録画面140は、後述するように、登録する管理対象文書を入力するために用いられる。
【0067】
文書登録画面140において登録する管理対象文書の設定を完了した場合、ユーザ端末10は、公開設定画面150をディスプレイに表示する。公開設定画面150は、後述するように、登録する管理対象文書や添付ファイルの公開範囲(公開先の組織や等級)を設定するために用いられる。
【0068】
公開設定画面150において公開範囲の設定を完了した場合、ユーザ端末10は、登録確認画面160をディスプレイに表示する。登録確認画面160の登録ボタンが選択された場合には、文書管理システム20は、管理対象文書及び公開範囲の登録処理を行なう。
【0069】
一方、一覧・検索タブが選択された状態で、一覧・検索画面130の検索条件入力欄に検索条件が入力され、検索ボタンが選択された場合、文書管理システム20は一覧・検索画面170を表示する。この一覧・検索画面170には、後述するように、画面の表示領域に、検索条件に一致した管理対象文書の文書種類やタイトル等を一覧表示する。
【0070】
そして、一覧表示された各管理対象文書のタイトルが選択された場合には、文書管理システム20は、ユーザ端末10のディスプレイに、文書詳細画面180を表示する。文書詳細画面180は、後述するように、選択された管理対象文書の内容を表示するために用いられる。
【0071】
一方、管理文書一覧タブが選択された場合には、ユーザ端末10は、管理文書一覧画面200をディスプレイに表示する。管理文書一覧画面200には、このユーザが閲覧できる管理対象文書の文書種類やタイトル等が一覧表示されており、各管理対象文書に対応して詳細ボタン及び状況ボタンが含まれている。ここで、詳細ボタンが選択された場合には、文書管理システム20は、ユーザ端末10のディスプレイに、後述する文書詳細画面180を表示する。
【0072】
一方、状況ボタンが選択された場合には、文書管理システム20は、ユーザ端末10のディスプレイに、閲覧状況一覧画面210を表示する。閲覧状況一覧画面210は、この管理対象文書の公開先組織における閲覧状況を一覧表示する。
【0073】
また、環境設定タブが選択された場合には、ユーザ端末10は、環境設定画面220をディスプレイに表示する。この環境設定画面220には、公開グループ設定画面230と兼任ユーザ設定画面240とを切り替えるボタンが含まれている。ここで、公開グループ設定画面230は、公開するグループを予め設定するために用いられる。兼任ユーザ設定画面240は、兼任者を設定するために用いられる。
【0074】
(文書登録処理)
次に、図4及び図5を用いて、文書登録処理について説明する。ユーザ端末10を利用する場合、端末へのログインを行なう。このログインには、社員コードを用いる。そして、ユーザ端末10のディスプレイに、統合管理メニュー画面110を表示させる。
【0075】
ここで、統合管理メニュー画面110の文書管理処理メニューが選択された場合、ユーザ端末10は、文書管理システム20にアクセスする。ここで、ユーザ端末10は、端末ログイン時に取得した社員コードを、文書管理システム20に送信する。
【0076】
この場合、文書管理システム20の登録サーバ30の制御部31は、ユーザ認証処理を実行する(ステップS1−1)。具体的には、制御部31のアクセス受入手段310は、受信した社員コードが社員テーブル記憶部32に登録されているかどうかを確認する。登録されていない場合には、ログインを拒否する。一方、受信した社員コードが社員テーブル記憶部32に登録されている場合には、ユーザ認証を完了して、受信した社員コードを、メモリに一時的に記憶する。
【0077】
次に、登録サーバ30の制御部31は、ユーザの所属組織の特定処理を実行する(ステップS1−2)。具体的には、制御部31のアクセス受入手段310は、受信した社員コードが記録された社員レコード320を抽出する。ユーザが複数組織の兼務者でない場合には、1つの社員レコード320を抽出する。この場合、アクセス受入手段310は、この社員レコード320の所属組織コード及び等級コードを一時的にメモリに記憶する。
【0078】
一方、複数組織の兼務者の場合には、複数の社員レコード320を抽出することになる。この場合には、アクセス受入手段310は、ログイン切り替え画面データをユーザ端末10に送信する。このログイン切り替え画面データには、抽出した社員レコード320の所属組織コード及び職務コードを含める。
【0079】
ユーザ端末10は、ログイン切り替え画面120を表示する。このログイン切り替え画面120は、図9(a)に示すように、ラジオボタン、組織(所属部署)、職務及び等級が並んだ所属選択欄と決定ボタンとが含まれている。
【0080】
ここで、ログイン切り替え画面120において、ログイン時の所属組織に対応するラジオボタンを選択して決定ボタンを押下する。ユーザ端末10は、選択された所属組織の所属組織コードと対応する等級コードとを登録サーバ30に送信する。この場合、登録サーバ30のアクセス受入手段310は、取得した所属組織コード及び等級コードを一時的にメモリに記憶する。
【0081】
次に、登録サーバ30の制御部31は、検索画面表示処理を実行する(ステップS1−3)。具体的には、制御部31のアクセス受入手段310は、この組織識別子を関連付けた一覧・検索画面データをユーザ端末10に送信する。ユーザ端末10は、初期表示の一覧・検索画面130を表示する。
【0082】
新たに文書登録を行なう場合には、この一覧・検索画面130の文書登録タブを選択する。この場合、ユーザ端末10は、図9(b)に示す文書登録画面140をディスプレイに表示する。この文書登録画面140には、登録する管理対象文書の種類を選択する選択欄、管理対象文書の文書番号、タイトル、コメントを入力する入力欄、添付ファイルを添付する添付欄、追加・削除ボタン及び次ページボタンが含まれている。ここで、登録する管理対象文書の種類を選択し、管理対象文書の文書番号、タイトル及びコメントを入力する。また、添付ファイルがある場合には、追加・削除ボタンを用いて添付ファイルを添付欄に表示する。必要事項の入力を完了した場合、次ページボタンを選択する。この場合、
ユーザ端末10は、公開設定画面150をディスプレイに表示する。
【0083】
この公開設定画面150には、管理対象文書について公開制限するか否かを選択するラジオボタン、公開組織検索欄、検索ボタン、検索された組織を表示する組織一覧表示欄、公開先として設定する公開先一覧表示欄、公開先追加ボタン、戻りボタンと次ページボタンが含まれている。ここで、組織を検索する場合には、公開組織検索欄に組織検索条件(支部、部門、課、等級に関する条件)を入力して検索ボタンを選択する。この場合、ユーザ端末10は、組織表示要求を登録サーバ30に送信する。この場合、組織表示要求には、公開設定画面150において入力された組織検索条件を含める。
【0084】
登録サーバ30の制御部31は、組織検索処理を実行する(ステップS1−4)。具体的には、制御部31の文書登録手段311は、受信した組織検索条件に合致する(組織検索条件の支部、部門、課を含む)組織レコード330を、組織テーブル記憶部33から抽出する。
【0085】
次に、登録サーバ30の制御部31は、組織一覧表示処理を実行する(ステップS1−5)。具体的には、制御部31の文書登録手段311は、抽出した組織レコード330の上位組織コード(支部、部門及び課)を、公開設定画面150の組織一覧表示欄に表示する。この場合、文書登録手段311は、公開設定画面150において、表示された組織のそれぞれに、各組織の組織識別子を関連付けておく。また、文書登録手段311は、組織検索条件として入力された条件を、公開設定画面150の組織一覧表示欄に表示する。
【0086】
ここで、公開設定画面150において表示された組織一覧のうち、公開先とする組織を選択して、公開先追加ボタンを選択する。この場合、ユーザ端末10は、選択された組織を公開先一覧表示欄に表示する。この公開先一覧表示欄には、各組織に対応して、メール配信を設定するためのチェックボックス(図示せず)が設けられている。メール配信が必要な組織についてはチェックボックスにチェックを付ける。そして、公開先として所望の全組織を選択した場合には、次ページボタンを選択する。この場合、ユーザ端末10は、登録確認画面160を表示する。この登録確認画面160には、登録する管理対象文書の種類の種類コード、タイトル、コメント及び添付ファイルと、この管理対象文書の公開先及びメール配信先の組織一覧と、戻りボタンと登録ボタンとを含める。
【0087】
ここで、登録確認画面160の登録ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、文書登録依頼を、文書管理システム20に送信する。この文書登録依頼には、管理対象文書の種類、タイトル、コメント及び添付ファイルと、この管理対象文書の公開範囲設定と、公開先一覧表示欄に表示された組織の組織識別子及び等級と、各公開先の組織識別子に対応した通知設定とを含める。
【0088】
文書登録依頼を受信した登録サーバ30の制御部31は、管理対象文書、指定公開先の登録処理を実行する(ステップS1−6)。具体的には、制御部31の文書登録手段311は、現在の年月日及び時刻と、メモリに記憶していた社員コードとから文書コードを生成する。次に、文書登録手段311は、この文書コードを含む文書レコード340を生成して、文書テーブル記憶部34に記録する。この場合、文書登録手段311は、文書登録依頼の文書の種類コード、文書番号、タイトル、コメント、公開範囲設定をこの文書レコード340に記録する。更に、文書登録手段311は、メモリに記憶していた社員コード及び所属コードを、それぞれ文書レコード340の登録者コードデータ領域及び登録組織コードデータ領域に記録する。また、文書登録手段311は、現在の年月日及び時刻を、この文書レコード340の登録日時データ領域に記録する。
【0089】
更に、文書登録依頼に添付ファイルが含まれていた場合、文書登録手段311は、文書
登録依頼に含まれる添付ファイルの数を、この文書レコード340に含める。次に、文書登録手段311は、添付ファイルを、添付ファイル記憶部36に記録し、検索サーバ40を介して、添付ファイル記憶部44に記録する。更に、文書登録手段311は、各添付ファイルに対して枝番を付与し、この枝番を記録した関連付けレコード430を生成する。各関連付けレコード430には、添付ファイル記憶部44における各添付ファイルのパス(添付パス)と、ファイル名と、文書コードとを含める。そして、文書登録手段311は、この関連付けレコード430を関連付けテーブル記憶部43に記録する。
【0090】
次に、文書登録手段311は、公開先の組織毎に公開範囲レコード350を生成して、公開範囲テーブル記憶部35に記録する。この場合、文書登録手段311は、公開範囲レコード350に、文書登録依頼に含まれる各公開先の組織識別子を公開組織コードデータ領域に記録し、これに対応する等級コードを公開等級コードデータ領域に記録する。更に、文書登録手段311は、公開範囲レコード350に、文書登録依頼に含まれる公開先の通知設定と文書コードとを記録する。なお、この段階では、閲覧状況データ領域には、未読フラグを記録しておく。
【0091】
そして、登録サーバ30の制御部31は、公開制限されているか否かを判定する(ステップS1−7)。具体的には、制御部31は、文書レコード340の公開範囲設定データ領域に記録されているフラグによって判定する。ここで、制御部31は、公開範囲設定データ領域に全公開フラグが記録されている場合(ステップS1−7において「NO」の場合)には、文書登録処理を終了する。
【0092】
一方、登録サーバ30の制御部31は、文書レコード340の公開範囲設定データ領域に公開制限フラグが記録されており、公開制限されている場合(ステップS1−7において「YES」の場合)には、以下のステップS1−8〜S1−10の処理を実行する。この場合、制御部31は、公開先として記録された各組織(処理対象の組織)の組織識別子毎にS1−8〜S1−10の処理を繰り返す。
【0093】
登録サーバ30の制御部31は、公開設定に基づいて上位組織の特定処理を実行する(ステップS1−8)。具体的には、制御部31の文書登録手段311は、処理対象の組織の組織識別子を下位組織コードとする組織レコード330を抽出する。そして、抽出した組織レコード330の上位組織コードの組織識別子を下位組織コードとする組織レコード330を抽出する。この処理を、上位組織の組織レコード330を抽出しなくなるまで繰り返す。文書登録手段311は、抽出したすべての組織レコード330の上位組織コード(組織識別子)を、上位組織としてメモリに一時的に記憶する。
【0094】
次に、登録サーバ30の制御部31は、公開設定に基づいて公開先の等級の特定処理を実行する(ステップS1−9)。具体的には、制御部31の文書登録手段311は、ユーザによって公開設定された等級(処理対象の組織の組織識別子に関連付けられた等級)コード以上の等級コードを、公開先として特定する。
【0095】
そして、登録サーバ30の制御部31は、関連公開先の登録処理を実行する(ステップS1−10)。具体的には、制御部31の文書登録手段311は、上位組織についての公開範囲レコード350を生成して、公開範囲テーブル記憶部35に記録する。この場合、文書登録手段311は、文書コードと、ステップS1−8において上位組織として特定した組織の組織識別子と、ステップS1−9において特定した等級コードとを、公開範囲レコード350に記録する。ここで、関連公開先については、公開通知や閲覧状況の管理は行わない。このため、通知設定データ領域、閲覧状況データ領域に対象外フラグを記録する。
【0096】
次に、登録サーバ30の制御部31は、メール送信対象者の特定処理を実行する(ステップS2−1)。具体的には、制御部31の登録通知手段312は、この文書について、通知設定データ領域に通知フラグが記録された公開範囲レコード350を公開範囲テーブル記憶部35から抽出する。そして、登録通知手段312は、公開範囲レコード350の公開組織コード及び公開等級コード以上の等級コードが記録された社員レコード320を社員テーブル記憶部32から抽出する。そして、登録通知手段312は、抽出した各社員レコード320のメールアドレスを特定する。
【0097】
次に、登録サーバ30の制御部31は、重複アドレスがあるか否かについての判定処理を実行する(ステップS2−2)。具体的には、登録サーバ30の制御部31の登録通知手段312は、ステップS2−1において特定したメールアドレスの中に同じメールアドレスが含まれているか否かを判定する。ここで、重複アドレスがない場合(ステップS2−2において「NO」の場合)には、登録通知手段312は、次のステップS2−3をスキップする。
【0098】
一方、重複アドレスがある場合(ステップS2−2において「YES」の場合)には、登録サーバ30の制御部31は、重複アドレスの削除処理を実行する(ステップS2−3)。具体的には、制御部31の登録通知手段312は、同じメールアドレスが複数含まれている場合には、このメールアドレスを1つだけ残して、他の同じメール送信先を削除する。
【0099】
そして、登録サーバ30の制御部31は、メール送信処理を実行する(ステップS2−4)。具体的には、制御部31の登録通知手段312は、各メールアドレスに対して、公開通知メールを送信する。この公開通知メールには、管理対象文書の種類、文書番号、タイトル、公開範囲組織一覧と、登録者の氏名と、この管理対象文書にアクセスするためのアクセス先情報(インデックステーブル記憶部42において、後述するインデックスレコード420の格納先を示すURL)とを含める。
【0100】
(インデックス生成処理)
次に、図6を用いて、インデックス生成処理を説明する。このインデックス生成処理は、定期的に(例えば、5分毎に)実行される。
【0101】
文書管理システム20の検索サーバ40の制御部41は、新たに登録された文書データの抽出処理を実行する(ステップS3−1)。具体的には、制御部41のインデックス登録手段413は、文書テーブル記憶部34に記録されている文書レコード340の登録日時から、新たに登録された文書データを抽出する。
【0102】
次に、検索サーバ40の制御部41は、抽出した文書データ毎に、インデックス登録処理を実行する(ステップS3−2)。具体的には、制御部41のインデックス登録手段413は、この文書コードを含むインデックスレコード420を生成して、インデックステーブル記憶部42に記録する。この場合、インデックス登録手段413は、このインデックスレコード420に、文書レコード340の文書番号、公開範囲設定、種類コード、タイトル、コメント、登録者コード、登録組織コード、登録日時、添付ファイル数を含める。更に、インデックス登録手段413は、登録者コードに対応する氏名を社員テーブル記憶部32から取得して、このインデックスレコード420に含める。インデックス登録手段413は、登録組織コードに対応する組織名称を組織テーブル記憶部33から取得して、登録組織名として、このインデックスレコード420に含める。
【0103】
そして、インデックス登録手段413は、タイトル及びコメントに含まれる語句(例えば名詞)を複数、抽出して、インデックスレコード420の文書検索本文データ領域に記
録する。更に、このインデックスレコード420の公開範囲設定データ領域に全公開フラグが記録されている場合には、インデックス登録手段413は、全公開であることを示すフラグデータを、このインデックスレコード420の全公開組織データ領域に記録する。
【0104】
一方、このインデックスレコード420の公開範囲設定データ領域に公開制限フラグが記録されている場合には、インデックス登録手段413は、この文書コードが記録されたすべての公開範囲レコード350を公開範囲テーブル記憶部35から抽出する。インデックス登録手段413は、抽出した各公開範囲レコード350の公開組織コード及び公開等級コードのすべてを、このインデックスレコード420の全公開組織データ領域に記録する。
【0105】
(文書検索処理)
次に、図7を用いて、文書検索処理について説明する。ここで、文書管理システム20は、文書登録処理(ステップS1−1〜S1−3)と同様に、ユーザ認証処理、ユーザの所属組織の特定処理及び検索画面表示処理を実行する(ステップS4−1〜S4−3)。
【0106】
そして、ユーザは、ディスプレイに表示された一覧・検索画面130に、検索条件(公開対象の組織と管理対象文書の種類とキーワード)を入力して、検索ボタンを選択する。この場合、ユーザ端末10は、登録サーバ30に検索依頼を送信する。この検索依頼には、検索条件(選択された組織の組織識別子、種類コード及びキーワード)が含まれる。
【0107】
登録サーバ30は、検索依頼を受信した場合には、この検索依頼を検索サーバ40に転送する。この場合、登録サーバ30は、メモリに記憶していたユーザの社員コード及び所属部署の組織識別子を検索サーバ40に送信する。
【0108】
検索サーバ40の制御部41は、組織、種類、キーワードの取得処理を実行する(ステップS4−4)。具体的には、制御部41の検索手段411は、ユーザ端末10において設定された検索条件を取得する。また、検索手段411は、登録サーバ30から受信したユーザの社員コード及び組織識別子をメモリに記録する。
【0109】
次に、検索サーバ40の制御部41は、検索処理を実行する(ステップS4−5)。具体的には、制御部41の検索手段411は、受信した検索条件の種類コード、組織識別子、キーワードが、それぞれ種類コードデータ領域、全公開組織データ領域、文書検索本文データ領域に記録されたインデックスレコード420を抽出する。更に、検索手段411は、抽出したインデックスレコード420の全公開組織データ領域に、ユーザの組織識別子及び等級コードが含まれているインデックスレコード420を、検索結果として抽出する。
【0110】
次に、検索サーバ40の制御部41は、一覧表示処理を実行する(ステップS4−6)。具体的には、制御部41の検索手段411は、抽出した検索結果をユーザ端末10に送信する。この検索結果には、抽出した各インデックスレコード420の文書コード、文書番号、種類コード、組織識別子及びタイトルが含まれる。ユーザ端末10は、図9(c)に示すように、一覧・検索画面170を、ディスプレイに表示する。この一覧・検索画面170には、検索結果における文書番号と、種類コードに対応する文書種類と、組織識別子に対応する登録組織と、タイトルとが含まれており、各管理対象文書のタイトルが選択可能な形態で表示されている。また、各管理対象文書のタイトルには、文書コードが関連付けられている。なお、一覧・検索画面170の出力ボタンが選択された場合、ユーザ端末10は、検索結果(検索された管理対象文書の一覧リスト)を出力する。
【0111】
(文書閲覧処理)
次に、図8を用いて、文書閲覧処理について説明する。
一覧・検索画面170において1つの管理対象文書のタイトルが選択された場合、又は文書登録処理において送信された公開通知メールにおけるアクセス先情報が選択された場合、ユーザ端末10は、検索サーバ40に文書詳細要求を送信する。この場合、ユーザ端末10は、選択された管理対象文書の文書コードを文書詳細要求に含める。
【0112】
検索サーバ40の制御部41は、文書詳細表示処理を実行する(ステップS5−1)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、ユーザ端末10から受信した文書詳細要求の文書コードをメモリに記憶する。次に、閲覧管理手段412は、取得した文書コードを含むインデックスレコード420をインデックステーブル記憶部42から抽出する。そして、閲覧管理手段412は、抽出したインデックスレコード420を用いて文書詳細画面データを生成する。この文書詳細画面データには、抽出したインデックスレコード420の文書番号と、文書種類(種類コード)とを含める。
【0113】
ここで、このインデックスレコード420に記録された添付ファイル数が「0」でない場合には、閲覧管理手段412は、この文書コードを含む関連付けレコード430を関連付けテーブル記憶部43から抽出する。そして、閲覧管理手段412は、抽出した関連付けレコード430の添付パス及びファイル名を関連付けた添付ファイルダウンロードボタンを、文書詳細画面データに含める。また、閲覧管理手段412は、文書コードを関連付けた一括ボタンを、文書詳細画面データに含める。
【0114】
そして、閲覧管理手段412は、文書詳細画面データをユーザ端末10に送信して、ユーザ端末10のディスプレイに、文書詳細画面180を表示する。この文書詳細画面180には、図9(d)に示すように、タイトル及びコメントが表示されている。更に、添付ファイルがある場合には、この文書詳細画面180に添付ファイルのタイトルが表示されており、このタイトルに対応してこの添付ファイルをダウンロードするためのダウンロードボタンが表示されている。更に、添付ファイルが複数ある場合には、文書詳細画面180には、これら添付ファイルを一括してダウンロードするための一括ボタンが含まれている。
【0115】
添付ファイルを1つずつダウンロードする場合には、各添付ファイルに対応するダウンロードボタンを選択する。この場合、ユーザ端末10は、ダウンロード要求を検索サーバ40に送信する。このダウンロード要求には、選択された添付ファイルのパスとタイトルとを含める。
【0116】
また、添付ファイルを一括してダウンロードする場合には、一括ボタンを選択する。この場合、ユーザ端末10は、ダウンロード要求を検索サーバ40に送信する。このダウンロード要求には、一括ボタンに関連付けられた文書コードを含める。
【0117】
そして、検索サーバ40の制御部41は、文書詳細表示した管理対象文書に添付ファイルが付加されているか否かについての判定処理を実行する(ステップS5−2)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、このインデックスレコード420の添付ファイル数が「0」であるか否かを判断する。ここで、添付ファイル数が「0」の場合(ステップS5−2において「NO」の場合)には、以下のステップS5−3〜S5−7の処理をスキップする。
【0118】
そして、検索サーバ40の制御部41は、ダウンロード要求の受信処理を実行する(ステップS5−3)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、受信した文書コード、又は添付ファイルのパス及びタイトルを一時的にメモリに記憶する。
【0119】
次に、検索サーバ40の制御部41は、一括ダウンロードの要求か否かについての判定処理を実行する(ステップS5−4)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、文書コードを受信した場合には、一括ダウンロードの要求であると判定する。なお、文書コードを受信しない場合(ステップS5−4において「NO」の場合)には、閲覧管理手段412は、後述するステップS5−5、S5−6をスキップする。
【0120】
ここで、一括ダウンロードの要求である場合(ステップS5−4において「YES」の場合)には、検索サーバ40の制御部41は、これに対応する圧縮ファイルがあるか否かについての判定処理を実行する(ステップS5−5)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、この文書コードに関連付けられた圧縮ファイルを圧縮ファイル記憶部45において検索する。ここで、圧縮ファイルを抽出した場合(ステップS5−5において「YES」の場合)には、閲覧管理手段412は、後述するステップS5−6をスキップする。
【0121】
ここで、該当する圧縮ファイルを抽出できない場合(ステップS5−5において「NO」の場合)には、検索サーバ40の制御部41は、圧縮ファイル生成処理を実行する(ステップS5−6)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、この文書コードを含む添付ファイルを、添付ファイル記憶部44から抽出する。閲覧管理手段412は、抽出したすべての添付ファイルを含む圧縮ファイルを生成して、圧縮ファイル記憶部45に記録する。この場合、閲覧管理手段412は、この圧縮ファイルを、文書コードを関連付けて、圧縮ファイル記憶部45に記録する。
【0122】
次に、検索サーバ40の制御部41は、ダウンロード処理を実行する(ステップS5−7)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、一括ダウンロードの要求の場合には、圧縮ファイルをユーザ端末10に送信する。また、一括ダウンロードの要求ではない場合には、検索手段411は、受信した添付パスに記憶されたファイル名の添付ファイルを、添付ファイル記憶部44から抽出し、ユーザ端末10に送信する。
【0123】
次に、検索サーバ40の制御部41は、指定公開先の組織であるか否かについての判定処理を実行する(ステップS5−8)。具体的には、制御部41の閲覧管理手段412は、ユーザの所属組織コードと文書コードとが記録された公開範囲レコード350を、登録サーバ30を介して、公開範囲テーブル記憶部35から抽出する。この場合、ユーザの組織識別子と文書コードとが記録された公開範囲レコード350の閲覧状況データ領域に、未読フラグ又は既読フラグが記録されていた場合には、公開先の組織であると判定する。
【0124】
指定公開先の組織・階層である場合(ステップS5−8において「YES」の場合)には、検索サーバ40の制御部41は、未読か否かについての判定処理を実行する(ステップS5−9)。具体的には、制御部41は、公開範囲レコード350の閲覧状況データ領域に未読フラグが記録されている場合には、未読と判定する。
【0125】
ここで、未読と判定した場合(ステップS5−9において「YES」の場合)には、検索サーバ40の制御部41は、既読情報の登録処理を実行する(ステップS5−10)。具体的には、制御部41は、抽出した公開範囲レコード350の閲覧状況データ領域に、既読フラグを記録する。
【0126】
一方、指定公開先の組織・階層でないと判定した場合(ステップS5−8において「NO」の場合)、又は既読情報が記録されている場合(ステップS5−9において「NO」の場合)、検索サーバ40の制御部41は、既読情報の登録処理(ステップS5−10)をスキップする。
【0127】
以上、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1) 本実施形態では、文書管理システム20の制御部31は、文書登録処理において、ユーザ端末10から文書登録依頼を受信すると、管理対象文書、指定公開先の登録処理を実行する(ステップS1−6)。制御部31は、登録した管理対象文書に対して公開制限されている場合(ステップS1−7において「YES」の場合)には、上位組織及び公開先の特定処理を実行し、関連公開先の登録処理を実行する(ステップS1−8〜S1−10)。これにより、管理対象文書データを公開する組織としてユーザに設定されて登録した組織だけでなく、この組織の関連組織についても、登録者の負担をかけることなく公開に設定することができる。そして、関連組織の利用者も確実に管理対象文書を閲覧することができる。
【0128】
(2) 本実施形態では、文書管理システム20の制御部41は、インデックス生成処理のインデックスの登録処理において(ステップS3−2)、インデックスレコード420の公開範囲設定データ領域に公開制限フラグが記録されている場合には、この文書コードが記録されたすべての公開範囲レコード350を公開範囲テーブル記憶部35から抽出する。制御部41は、抽出した各公開範囲レコード350の公開組織コード及び公開等級コードのすべてを、このインデックスレコード420の全公開組織データ領域に記録する。制御部41は、検索処理(ステップS4−5)において、検索条件の組織識別子が全公開組織データ領域に記録され、検索条件のキーワードが文書検索本文データ領域に記録されたインデックスレコード420を抽出する。これにより、アクセス制限がされた管理対象文書を検索する場合であっても、インデックス情報からアクセス制限の有無を判定することができるので、アクセス制限された文書を高速に検索することができる。
【0129】
(3) 本実施形態では、文書管理システム20の制御部41は、閲覧管理処理において、ダウンロード処理(ステップS5−7)を実行した後、ユーザの所属組織が公開先の組織であり、未読の場合(ステップS5−9において「YES」の場合)には、既読情報の登録処理を実行する(ステップS5−10)。これにより、ユーザにおける閲覧状況を把握することができる。
【0130】
(4) 本実施形態では、文書管理システム20の制御部31,41は、文書登録処理及び文書検索処理において、ユーザの所属組織の特定処理を実行する(ステップS1−2,S4−2)。この処理においては、制御部31は、複数の社員レコード320を抽出することにより、ユーザが兼務者であった場合には、ログイン切り替え画面120をユーザ端末10のディスプレイに表示する。このログイン切り替え画面120において、閲覧したい所属組織が選択されると、制御部31は、選択された所属組織の所属組織コード及び等級コードを一時的にメモリに記憶する。これにより、ユーザが兼務者の場合には、閲覧する場合の所属組織を決定してから、管理対象文書を閲覧することができる。そして、兼務者についても、所属組織における閲覧状況を登録することができる。
【0131】
(5) 本実施形態では、文書管理システム20の制御部41は、管理対象文書に付加された添付ファイルの一括ダウンロードの要求を受信し、圧縮ファイルが記録されていない場合(ステップS5−5において「NO」の場合)、圧縮ファイル生成処理を実行する(ステップS5−6)。これにより、添付ファイルについての初めての一括ダウンロード要求を受信した場合に、必要な圧縮ファイルのみを生成して保存することができる。
【0132】
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・ 上記実施形態においては、文書管理システム20の制御部41は、インデックス生成処理において、インデックスの登録処理を実行する(ステップS3−2)。これに加えて、検索サーバ40の制御部41は、管理対象文書の送信履歴に応じてインデックスを更新するようにしてもよい。この処理を図10に従って説明する。この場合、検索サーバ4
0に、管理対象文書の送信履歴を記録する利用履歴記憶部50を設ける。この利用履歴記憶部50は、履歴情報記憶手段として機能し、利用履歴レコードを記録する。利用履歴レコードは、文書詳細表示処理(ステップS5−1)を実行した場合に記録される。この利用履歴レコードには、管理対象文書の出力者の所属部署の組織識別子、社員コード、出力年月日、管理対象文書の種類コードが記録されている。
【0133】
そして、検索サーバ40は、インデックス更新処理を定期的に実行する。
まず、検索サーバ40の制御部41は、利用履歴の取得処理を実行する(ステップS6−1)。具体的には、制御部41は、直近所定期間の出力年月日が記録された利用履歴レコードを利用履歴記憶部50から取得する。
【0134】
次に、検索サーバ40の制御部41は、利用頻度に基づいて、組織・等級の優先順位の決定処理を実行する(ステップS6−2)。具体的には、制御部41は、取得した利用履歴レコードを用いて、組織、等級別にレコード数をカウントする。そして、制御部41は、組織、等級別にレコード数が多い順番に優先順位を決定する。
【0135】
次に、検索サーバ40の制御部41は、優先順位に基づいて並び替え処理を実行する(ステップS6−3)。具体的には、制御部41は、各インデックスレコード420の全公開組織データ領域に記録されている組織識別子、等級コードを、ステップS6−2において決定した優先順位の順番を用いて並び替える。これにより、インデックスレコード420において、利用実績が多い組織や等級が先に配置されるので、公開先組織における検索を効率的に行なうことができる。
【0136】
・ 上記実施形態においては、登録サーバ30の制御部31は、公開設定に基づいて上位組織の特定処理を実行する(ステップS1−8)。公開設定に基づいて特定する組織は、上位組織に限定されるものではない。例えば、上位、下位とは別に、公開設定される組織に対して予め関連組織を決めておくようにしてもよい。具体的には、公開先組織コードに対応して、関連する組織の組織コード(関連組織コード)を記録した関連組織テーブルを組織テーブル記憶部33に記憶しておく。そして、制御部31は、公開設定に基づいて上位組織の特定処理(ステップS1−8)の代わりに、関連組織の特定処理を実行する。
【0137】
この処理では、登録サーバ30の制御部31は、関連組織テーブルを用いて、公開設定された公開先組織コードに対応する関連組織コードを抽出する。この場合、1回の抽出処理で終了させてもよいし、抽出した関連組織コードの関連組織を、関連組織テーブルを用いて繰り返し抽出するようにしてもよい。そして、文書登録手段311は、抽出した関連組織コードを、公開範囲レコード350の公開組織コードデータ領域に記録する。なお、この処理を、上位組織の特定処理(ステップS1−8)と並行して行うようにしてもよい。これにより、上位組織に限らず、閲覧を許容する関連する組織に対しても公開設定を行なうことができる。
【0138】
また、関連組織テーブルを、文書種類毎や登録組織毎に設けてもよい。この場合には、登録文書の内容(文書種類や登録組織)に応じて、関連組織テーブルを特定し、この関連組織テーブルを用いて、関連組織コードを抽出する。これにより、管理対象文書の内容に応じて的確な関連組織を特定し、公開設定を行なうことができる。
【0139】
・ 上記実施形態においては、登録サーバ30の制御部31は、ユーザ端末10からの指示に応じて、公開設定する組織をユーザ端末10に表示する組織検索処理を実行する(ステップS1−4)。これに代えて、公開設定履歴に基づいて、新たな公開設定ができるようにしてもよい。この場合、登録組織、文書種類に対応させて、過去に公開設定が行なわれた公開先組織情報を公開設定履歴として記録しておく。そして、文書登録時に、制御
部31が、登録組織や文書種類を取得した場合、登録組織や文書種類に対応した公開設定履歴を検索する。そして、公開設定履歴に記録されている公開先組織情報を、選択候補としてユーザ端末10に出力する。これにより、同種類の文書を登録する場合には、過去の実績を利用して、効率的に公開設定を行なうことができる。
【0140】
・ 上記実施形態においては、検索サーバ40の制御部41は、ユーザ端末10から、一括ダウンロードの要求を受信した場合(ステップS5−4において「YES」の場合)、ダウンロード処理(ステップS5−7)において、圧縮ファイルをユーザ端末10に送信する。制御部41は、圧縮ファイルを送信する代わりに、送信するファイルの容量が小さい場合には、添付ファイルをそのまま圧縮せずにユーザ端末10に送信するようにしてもよい。この場合、制御部41は、一括ダウンロードの要求を受信した場合、送信する添付ファイルの容量を合計する。制御部41は、合計した添付ファイルの容量が、予め定めた許容量以下の場合には、圧縮せずに、そのままユーザ端末10に送信し、許容量より大きい場合には、圧縮してユーザ端末に送信する。これにより、ファイル容量が少ない場合には、ファイルをそのまま送信することができるので、検索サーバ40の処理負荷やユーザ端末10における圧縮ファイルの解凍負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0141】
10…ユーザ端末、20…文書管理システム、30…登録サーバ、31…制御部、310…アクセス受入手段、311…文書登録手段、312…登録通知手段、313…人事連携手段、32…社員テーブル記憶部、33…組織テーブル記憶部、34…文書テーブル記憶部、35…公開範囲テーブル記憶部、36…添付ファイル記憶部、40…検索サーバ、41…制御部、411…検索手段、412…閲覧管理手段、413…インデックス登録手段、42…インデックステーブル記憶部、43…関連付けテーブル記憶部、44…添付ファイル記憶部、45…圧縮ファイル記憶部、50…利用履歴記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの所属組織を特定するための所属組織情報を記憶したユーザ組織情報記憶手段と、
各組織の関連組織情報を記憶した組織情報記憶手段と、
管理対象文書データを記憶する文書情報記憶手段と、
管理対象文書データの公開先組織を特定するための公開先情報を記憶する公開先情報記憶手段と、
管理対象文書データの公開を管理する制御手段とを備え、ユーザ端末に接続された文書管理システムであって、
前記制御手段が、
ユーザ端末から管理対象文書データを受信して前記文書情報記憶手段に記録し、この管理対象文書データの公開先組織を特定して、前記公開先情報記憶手段に登録する手段と、
前記登録した公開先組織の関連組織を、前記組織情報記憶手段を用いて特定し、前記関連組織情報を前記公開先情報記憶手段に登録する手段と、
ユーザ端末から管理対象文書データのダウンロード指示を受信した場合には、このユーザ端末のユーザの所属組織を、前記ユーザ組織情報記憶手段を用いて特定し、この所属組織が前記管理対象文書データの公開先組織として前記公開先情報記憶手段に登録されている場合には、前記ユーザ端末に、前記管理対象文書データを送信する処理を実行する手段と
を備えていることを特徴とする文書管理システム。
【請求項2】
前記管理対象文書データの文書識別子に対して、この管理対象文書データを検索するためのインデックス情報を記憶するインデックス情報記憶手段を更に備え、
前記制御手段が、
新たな管理対象文書データが前記文書情報記憶手段に登録された場合、前記管理対象文書データに関する検索用情報と、この管理対象文書データの公開先組織の識別情報とを含めたインデックス情報を生成し、前記インデックス情報記憶手段に登録する手段と、
前記ユーザ端末から検索条件を受信した場合、前記インデックス情報記憶手段を用いて、前記検索条件に一致する管理対象文書データであって、公開先組織の識別情報に、前記ユーザ端末のユーザの所属組織情報が含まれている管理対象文書データの文書識別子を検索し、抽出した文書識別子を一覧表示した検索結果を前記ユーザ端末に送信する手段と
を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の文書管理システム。
【請求項3】
管理対象文書データを送信したユーザの所属組織情報を含めた送信実績を記録する履歴情報記憶手段を更に備え、
前記インデックス情報には、文書識別子を検索する順番を特定する情報に関連付けられて公開先組織の識別情報が記録されており、
前記制御手段が、
ユーザ端末に対して管理対象文書データを送信した場合には、ユーザの所属組織情報を含めた送信実績を履歴情報記憶手段に記録する手段と、
前記履歴情報記憶手段から送信実績を取得し、この送信実績に応じて、前記履歴情報記憶手段に記憶された各インデックス情報の前記公開先組織の識別情報の順番を並べ替えて更新する手段と
を更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の文書管理システム。
【請求項4】
前記公開先情報記憶手段には、前記公開先組織の識別情報に関連付けて、この管理対象文書データの閲覧状況情報が記録されており、
前記制御手段が、前記ユーザ端末に前記管理対象文書データを送信した場合、このユーザの所属組織を特定し、前記公開先情報記憶手段において、この所属組織に対応した閲覧
状況が未読の場合には、閲覧状況を既読に変更する既読記録手段とを更に備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の文書管理システム。
【請求項5】
前記制御手段が、
前記ユーザ組織情報記憶手段において、前記ユーザ端末のユーザについて複数の所属組織が登録されている場合には、前記ユーザ端末に、特定した所属組織を含めた組織選択画面を送信する手段と、
前記ユーザ端末から前記組織選択画面において選択された組織を、このユーザの所属組織として特定する手段と、
前記所属組織が公開先組織として前記公開先情報記憶手段に登録されている管理対象文書に関するデータを前記ユーザ端末に送信する手段とを更に備えたことを特徴とする請求項4に記載の文書管理システム。
【請求項6】
前記管理対象文書データに対して付加された添付ファイルを記憶する添付ファイル記憶手段と、
前記管理対象文書データに対して付加されたすべての添付ファイルを1つのファイルに圧縮した圧縮ファイルを記憶する圧縮ファイル記憶手段とを更に備え、
前記制御手段が、
前記ユーザ端末から前記管理対象文書データとともに添付ファイルを受信した場合には、この添付ファイルを、前記管理対象文書データと対応付け可能な状態で前記添付ファイル記憶手段に登録する手段と、
前記ユーザ端末から、管理対象文書データに付加されている複数の添付ファイルの一括ダウンロード要求を受信した場合には、前記ダウンロード要求の対象となる添付ファイルの圧縮ファイルを前記圧縮ファイル記憶手段において検索し、
圧縮ファイルが登録されていない場合には、前記管理対象文書データの添付ファイルを前記添付ファイル記憶手段から取得して、新たに圧縮ファイルを生成し、前記圧縮ファイル記憶手段に登録し、前記ユーザ端末に圧縮ファイルを送信することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の文書管理システム。
【請求項7】
ユーザの所属組織を特定するための所属組織情報を記憶したユーザ組織情報記憶手段と、
各組織の関連組織情報を記憶した組織情報記憶手段と、
管理対象文書データを記憶する文書情報記憶手段と、
管理対象文書データの公開先組織を特定するための公開先情報を記憶する公開先情報記憶手段と、
制御手段とを備え、ユーザ端末に接続された文書管理システムを用いて、前記管理対象文書データの公開を管理する文書管理方法であって、
前記制御手段が、
ユーザ端末から管理対象文書データを受信して前記文書情報記憶手段に記録し、この管理対象文書データの公開先組織を特定して、前記公開先情報記憶手段に登録する段階と、
前記登録した公開先組織の関連組織を、前記組織情報記憶手段を用いて特定し、前記関連組織情報を前記公開先情報記憶手段に登録する段階と、
ユーザ端末から管理対象文書データのダウンロード指示を受信した場合には、このユーザ端末のユーザの所属組織を、前記ユーザ組織情報記憶手段を用いて特定し、この所属組織が前記管理対象文書データの公開先組織として前記公開先情報記憶手段に登録されている場合には、前記ユーザ端末に、前記管理対象文書データを送信する処理を実行する段階と
を実行することを特徴とする文書管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−185780(P2012−185780A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50207(P2011−50207)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【特許番号】特許第5021819号(P5021819)
【特許公報発行日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【Fターム(参考)】