説明

文書閲覧支援方法および文書閲覧支援システム並びに文書処理装置およびプログラム

【課題】リンクが付された文書の見栄えや判読性能などに支障を来たすことがないようにしつつ、リンク先アドレスをコード画像にして印刷用紙などに出力できるようにする。
【解決手段】文書処理装置3は、ホスト側装置100での閲覧に供される文書の用紙上への出力指示があった際に、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報のうち、このリンク情報に対応する機械可読コードの用紙上への出力を要するものを取得し、この取得したリンク情報のアドレス情報を機械可読コードに変換し、この変換した機械可読コードをリンク情報と対応付けて用紙上の所定場所に配置されるように印刷イメージを生成し、プリンタ200に送る。コード読取装置600は、用紙上に出力された機械可読コードを読み取る。可搬型文書閲覧装置500は、コード読取装置600が読み取った機械可読コードに基づいてリンク先のアドレスが示す文書を取得して閲覧可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書閲覧支援方法および文書閲覧支援システム並びにこれらに使用される文書処理装置およびプログラムに関する。より詳細には、いわゆるハイパーリンクが付された文書を、ハイパーリンク先のアドレスを示すコード画像を付して用紙などの出力媒体上に出力しておき、出力媒体上のコード画像を読み取ってハイパーリンク先の文書を取得して閲覧する仕組みに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、インターネットを用いて何か情報を収集する場合、関連するホームページを次々と表示装置に表示させて閲覧することがある。また、後で纏めるために関係あると思えるホームページを用紙に印刷することで、紙のファイルに整理することがある。
【0003】
ただし、印刷されたページの場合、後になってリンク先のページを閲覧しようとするときに非常に面倒である。すなわち、印刷されているURL(Uniform Resource Locators )をキーボードで入力するか、履歴から読み出すかして、その印刷されたページをコンピュータ上に再表示しなければならないからである。たとえば、パソコンから印刷したホームページ、あるいはリンクしているホームページを携帯電話などの携帯端末を利用して閲覧しようとする場合、印刷物にあるURLを直接手で入力しなければならず、その入力操作が煩わしい。
【0004】
この問題を解消する仕組みとして、たとえば、ハイパーリンク先をバーコードのイメージにして予めホームページに記録しておき、このページを印刷した場合は、その印刷した紙面中にあるバーコードを読み取ることにより、リンク先のページを表示可能とする技術がある。たとえば今日では、2次元バーコードリーダ機能が付いた携帯端末は着実に普及しつつあり、印刷物にホームページのアドレスの2次元バーコードが印刷されていれば、バーコードリーダで読み込むだけで、手でURLを入力する必要がなくなる。
【0005】
しかしながら、ハイパーリンク先をバーコードのイメージにして予めホームページに記録しておく従来の仕組みでは、このような技術を用いたホームページが広く一般に普及しない限りは、ごく一部のページでしか機能しないという難点がある。実際の所は、バーコードが必ずホームページにあるわけではないのが実情である。
【0006】
また、インターネットからHTML形式で記述された文書をダウンロードしてきたときに自動的にハイパーリンク先のバーコードを文書中に挿入するようなインターネット閲覧用ソフトを開発することも考えられる。しかしながら、このような仕組みでは、インターネット閲覧用ソフトは専用のソフトとなってしまい、一般に広く普及しているようなインターネット閲覧用ソフトを用いてインターネット上で公開されている文書を閲覧することはできないという難点がある。
【0007】
このような問題を解消する仕組みとして、たとえば特許文献1には、各種閲覧用ソフトを用いて一般的に使用することができる文書閲覧支援システムが提案されている。
【0008】
【特許文献1】特開2000−148340号公報
【0009】
この特許文献1に記載の仕組みでは、文書のハイパーリンクに関する情報を取得し、このハイパーリンクのリンク先のアドレスに関する情報のコードシンボルで光学的に読み取り可能なものを作成し、文書中でハイパーリンクが挿入されている位置またはその近傍にコードシンボルを挿入するようにしている。
【0010】
こうすることで、ハイパーリンクのリンク先のアドレスに関する情報のコードシンボルを作成して文書中に含めることができるため、文書を印刷して整理した場合は、印刷した紙面のコードシンボルを読み取ることにより、目的の文書のリンク先のアドレスを取得することができるので、目的の文書を文書閲覧手段で容易に再閲覧することができる。また、従来のようにホームページに予めバーコードのイメージデータを挿入しておくことは不要であるため、各種ホームページなどを対象に一般的に用いることができるし、文書閲覧手段(文書閲覧用ソフトにより当該機能は実現される)とは別のシステムにすることができ、電子化された文書を閲覧するための各種閲覧用ソフトとともに用いることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1に記載の仕組みでは、ハイパーリンク先のアドレスに関する情報のコードシンボルを作成して閲覧する文書そのものに挿入するものである点では、予めコードシンボルを文書中に挿入する従来の仕組みと基本的な相違が無い。予めコードシンボルを挿入しておくのか、後からコードシンボルを挿入するのかの違いでしかないのである。
【0012】
このため、ホームページのソースコードを直接変更し、ハイパーリンクが挿入されている位置または近傍へコードシンボルを挿入する必要があり、元のホームページの情報(HTML)を変更しなければならないし、コードシンボルが挿入された状態の文書が表示されることになる。
【0013】
このため、挿入したコードシンボルの画像(コード画像)が目障りとなる、コードシンボルが挿入されることで元の文書の見栄えが大幅に変わる、あるいは文書の内容の判読に支障を来たす、などの不具合を招く。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ハイパーリンクが付された文書の見栄えや判読性能などに支障を来たすことがないようにしつつ、ハイパーリンク先のアドレス情報をコード画像にして印刷用紙などに出力することのできる仕組みを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る仕組みにおいては、文書を所定の出力媒体上に出力する指示があった際に、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報のうち、このリンク情報に対応する機械可読コードの出力媒体上への出力を要するものを取得する。そして、この取得したリンク情報のアドレスに関する情報を機械可読コードに変換し、この変換した機械可読コードをリンク情報と対応付けて出力媒体上の所定の場所に配置した出力画像を印刷イメージとして生成するようにした。
【0016】
つまり、閲覧中の文書そのものに対してハイパーリンク先のアドレスに関する情報のコードシンボルを作成して挿入するのではなく、印刷イメージ上でコードシンボルを作成して挿入するようにしたのである。
【0017】
また本発明に係るプログラムは、出力画像を生成する文書処理技術を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介した配信により提供されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、印刷イメージ上でリンク先のアドレスを示すコード画像を作成して挿入するようにした。閲覧中の文書そのものに対してコード画像を挿入するのではないので、リンクが付された文書の見栄えや判読性能などに支障を来たすことがないようにしつつ、リンク先アドレスをコード画像にして印刷プレビュー画像として表示装置に表示したり、印刷用紙などに印刷出力することができる。出力された印刷イメージ上のコード画像を読み取れば、リンク先アドレスを簡単に取得でき、そのアドレス先から文書を取得して閲覧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0020】
<基本構成例;第1実施形態>
図1は、本発明に係る文書処理装置を備えてなる文書閲覧支援システムの基本構成例の第1実施形態を示す機能ブロック図である。この第1実施形態の文書閲覧支援システム1は、第1および第2の文書閲覧装置とコード読取装置とを備えてなるシステム構成において、ユーザが操作する端末であるユーザ端末側で、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報のアドレスを機械可読コードにして印刷イメージの所定部分に挿入することで印刷画像を生成し、この機械可読コードが挿入された文書の印刷画像を印刷イメージとしてユーザ端末の表示装置上に表示したりプリンタに送って用紙上に印刷出力する態様のものである。以下、具体的に説明する。
【0021】
文書閲覧支援システム1は、先ずユーザ端末であって電子化された文書を閲覧する第1の文書閲覧装置(画像出力装置の機能をも備える)の機能を持つホスト側装置100と、ホスト側装置100から送られて来る印刷画像データに基づいて所定の出力媒体に画像を形成する画像形成装置(画像出力装置の一例)としてのプリンタ200と、リンク先の情報を閲覧するための第2の文書閲覧装置であって、第1の文書閲覧装置の機能を持つホスト側装置100とは別の可搬型の文書閲覧装置(以下可搬型文書閲覧装置という)500と、プリンタ200により出力された出力媒体上の印刷イメージに存在するコード画像を読み取るコード読取装置600とを備えている。
【0022】
ホスト側装置100は、本発明に係る文書処理装置の機能を備えている。具体的には、先ず、リンク情報のアドレスをコード化して印刷イメージの所定箇所に挿入する文書処理装置3を構成する機能部分として、閲覧対象の文書を取得する文書取得部101と、ホスト側装置100の使用するための各種のユーザ指示を受け付けるユーザ指示受付部102と、文書取得部101が取得した文書の印刷画像生成指示をユーザ指示受付部102が受け付けた際に、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報を取得するリンク情報取得部104と、リンク情報取得部104により取得されたリンク情報のアドレスに関する情報を1次元や2次元のバーコードのような機械可読コードに変換するコード変換部106と、コード変換部106により生成(変換)された機械可読コードを印刷イメージ中の所定の場所にリンク情報と対応付けて挿入することで印刷画像を生成する機械可読コード挿入部108とを備えている。
【0023】
またホスト側装置100は、画像情報を表示装置(画像出力装置の一例)142に表示させるインタフェースの機能やマウスやキーボードなどの指示入力手段144との間のユーザ指示入力インタフェースの機能を具備したユーザインタフェース部140を備えている。
【0024】
機械可読コード挿入部108は、生成した機械可読コードが挿入された文書の印刷画像を印刷イメージとして表示装置142にユーザインタフェース部140を介して送ることで、その印刷イメージを表示装置142上で表示させる。あるいは、生成した機械可読コードが挿入された文書の印刷画像を印刷イメージとしてプリンタ200に送る。
プリンタ200は、ホスト側装置100から受け取った、機械可読コードが挿入された文書の印刷イメージに従って用紙などの出力媒体上に印刷(画像出力)する。
【0025】
<コード画像の印刷位置についての概要>
ここで、機械可読コード挿入部108は、コード画像を印刷する際の位置としては、出力されたコード画像とそれに対応する文書中のリンク部分との対応付けをユーザが認識できるようにするとともに、文書本体のページ画像に影響を与えないようにすることが好ましい。
【0026】
出力されたコード画像とそれに対応する文書中のリンク部分との対応付けをユーザが認識できるようにするには、出力されたコード画像ごとに、リンク情報そのもの(URLそのものなど)もしくは対応付け用の番号や記号などの参照情報をコード画像の近傍に印刷するのがよい。
【0027】
また、文書本体のページ画像に影響を与えないようにするこのためには、たとえば、印刷出力しようとするコード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体の当該ページ画像外の上、下、左、あるいは右(以下単に上下左右ともいう)、つまりページ画像を取り囲む用紙の端部に配置することが考えられる。この場合、その上下左右の印刷領域を確保するべく、文書本体のページ画像を出力用紙サイズよりも変倍(たとえばA4サイズをB5サイズに)しておくことが必要となる。
【0028】
あるいは、プリンタドライバの設定にてヘッダやフッタを付ける設定をすることで、当該ページの出力用紙内にそのヘッダやフッタの領域を確保し、ヘッダやフッタの情報に影響を与えない位置にコード画像を印刷することも考えられる。この場合、文書本体のページ画像を縮小させる必要はない。
【0029】
あるいは、コード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体のページ画像が印刷される面とは異なる面に印刷することが考えられる。この場合、文書本体のページ画像が印刷される面と別の面であればよく、たとえば、文書本体のページ画像を印刷する用紙とコード画像を印刷する用紙とを、それぞれ別の用紙にすることに限らず、両面印刷機能を使って、それぞれを異なる面に印刷するようにしてもよい。これら場合、文書本体のページ画像を縮小させる必要がない。
【0030】
あるいは、複数のページ画像を均等に縮小し1枚の用紙の所定の割付位置に配置するNアップ(N−up)あるいはNインワン(N−in−1)と呼ばれるページ割付機能を使ってもよい。このNアップ時には、文書本体のページ画像は縮小して対応する割付面に印刷するが、縮小された文書本体のページ画像の割付面とは異なる割付面にコード画像を縮小せずに印刷するのがよい。
【0031】
あるいは、文書本体のページ画像を全く印刷せずに、コード画像のみを印刷してもよい。この場合、ページ画像は印刷されておらず、厳密には、「同じページに印刷する」あるいは「「別ページに印刷する」という概念とは異なる。ただし、文書本体のページ画像とは異なる面にコード画像を印刷するという点においては、「別ページに印刷する」を広義に捉えて、これに含めて考えてもよいともいえる。
【0032】
また、コード画像を印刷しても文書本体のページ画像の内容を読むのに影響を与えないように、ページ画像中の余白部分や上下左右の隅へ配置することも考えられる。これら場合、文書本体のページ画像を縮小させる必要がない。
【0033】
なお、上下左右の隅へ配置する場合に、文字や画像など文書本体の情報が存在する場合には、コード画像やその参照情報を優先させるべく、コード画像や参照情報で文書本体の情報を上書きするのがよい。
【0034】
なお、文書本体のページ画像に影響を与えないようにコード画像を印刷することに限らず、文書のリンク部の位置あるいはその近傍などにコード画像を配置して印刷してもよい。この場合、多くのケースでは、その印刷位置には、文字や画像など文書本体の情報が存在するので、上書きを行なうことになる。
【0035】
したがって、前述の上下左右の隅へ配置する場合を含めて、上書きを行なう際には、文書本体の情報がコード画像や参照情報に対して背景画像となるのであるが、その背景部分(好ましくはコード画像および参照情報を囲む少し広い領域;以下同様)を完全に消すことも考えられるし、コード画像の読み取りおよびデータ復元に悪影響を与えないレベルで、その背景部分のページ情報を薄く印刷する、いわゆるオーバーレイ出力にすることも考えられる。
【0036】
なお、このオーバーレイ出力にする際には、コード画像や参照情報の背景部分だけでなく、ページ画像全体を薄く印刷してもよいし、コード画像や参照情報の背景部分だけを薄く印刷し、その他の部分は通常濃度で印刷してもよい。
【0037】
<コード画像の読取りとリンク情報の復元>
コード読取装置600は、一例としては、リンク先の情報を閲覧するためのユーザ端末である可搬型文書閲覧装置500側に備えられるものであり、可搬型文書閲覧装置500と真に一体的にあるいは実質的に一体的に構成されることもある。たとえば、バーコード読取機能が備えられている真に一体的なカメラ付きの携帯電話(PHS(Personal Handy-phone System )を含む;)や、バーコードリーダユニットを装着可能な実質的に一体型ともいえる携帯端末などである。以下、これらを纏めてバーコード読取機能付きの携帯端末ともいう。
【0038】
このコード読取装置600は、表示装置142上に表示されている印刷イメージ中に存在する機械可読コードやプリンタ200により出力された出力媒体上の印刷イメージ中に存在する機械可読コードを読み取り、読み取った機械可読コードの情報を可搬型文書閲覧装置500やホスト側装置100に送る。コード読取装置600で、印刷イメージ上から1次元や2次元のバーコードなどの機械可読コード画像を読み取ることにより、文書閲覧支援手段としてのホスト側装置100や可搬型文書閲覧装置500は、ハイパーリンク部のリンク先のアドレスを簡単に取得することができる。
【0039】
これにより、文書閲覧支援手段(ホスト側装置100や可搬型文書閲覧装置500)は、そのアドレス先の文書を、たとえばインターネット上から取得して表示するように文書閲覧手段に指示する。これは、文書閲覧手段を実現するインターネット用ブラウザによっては、外部からの指示を受け付ける機能を有するものがあるので、かかる機能を用いれば実現できる。
【0040】
つまり、このような構成の文書閲覧支援システム1では、先ずホスト側装置100において、閲覧中の文書にリンク部分が存在するとき、そのリンク部分のアドレスのコード画像の出力指示をユーザより受け付けると、そのリンク情報のアドレスに関する情報を機械可読コードに変換して文書が印刷される用紙中の所定箇所(たとえばユーザ指示に従った箇所)に挿入し印刷イメージにする。次にコード読取装置600は、印刷書面のイメージ(印刷イメージ)上からコード画像を読み取り、その読み取った情報を可搬型文書閲覧装置500などに渡す。
【0041】
これにより、ホスト側装置100とは別のユーザ端末である可搬型文書閲覧装置500では、たとえば文書中のハイパーリンク部のリンク先のアドレスを簡単に取得することができる。そして、可搬型文書閲覧装置500は、そのアドレスの文書を、たとえばインターネット上から取得して、表示装置142とは別の表示部である可搬型文書閲覧装置500の表示部に、その文書を表示することができる。
【0042】
たとえば、ホスト側装置100で閲覧中の文書がHTML(Hypertext Markup Language )で記述されたホームページであって、そのホームページ中にハイパーリンク(リンク情報の一例)が設定されている場合に、可搬型文書閲覧装置500の一例としての携帯電話でリンク先の文書を閲覧しようとするに当たって、閲覧対象となり得る文書のアドレスを示すURL(Uniform Resource Locators ;アドレスの一例)をコード画像にして文書中の所定箇所に埋め込む。
【0043】
この際、プリンタドライバなどで、携帯用URLの機械可読コードの自動印刷設定がされている場合には、印刷対象のURL(もしくはリンク先)が携帯用サイトか否かを解析し、携帯端末用ホームページと識別できる場合はそれらを全て印刷出力対象とし、そのまま自動的にそのアドレスをコード化する。あるいは、自動識別できないURLの場合には、印刷時にコード画像としての印刷対象となり得るホームページ上のURLもしくはリンク先の一覧を表示し、ユーザからの出力指示を受け付け、その指示に従って印刷出力対象のものを決めるとよい。
【0044】
そして、その印刷物を会社や行楽先などの外出先へ持参し、印刷されたコード画像を、可搬型文書閲覧装置500およびコード読取装置600としてのバーコード読取機能付きの携帯端末で読み込む。これにより、インターネットから詳細な情報をダウンロードして、その携帯端末で閲覧することができるようになる。バーコード読取機能付きの携帯端末を利用するユーザが、印刷したホームページ中に存在するリンク先URLをその携帯端末へ入力するための入力手段を、安価で簡単に実現することができる。
【0045】
なお、このような第1の文書閲覧装置とは別の第2の文書閲覧装置を利用して、第2の文書閲覧装置側でリンク先の情報を閲覧する仕組みでの適用例に限らず、第1の文書閲覧装置を第2の文書閲覧装置としても利用することで、第1の文書閲覧装置としてのホスト側装置100自身で自己再帰的にリンク先の文書をダウンロードして閲覧する仕組みにも適用できる。
【0046】
たとえば、インターネットを用いて何か情報を収集する場合に、関連するホームページを次々と閲覧(ブラウズ)し、後で纏めるために関係のあると思えるページとともに、ページ中のハイパーリンク先をコード画像にして、つまりリンク情報としてのURLを示すコード画像にして、このコード画像を用紙に印刷して紙ファイルとして整理しておき、後になってリンク先の文書(ホームページ)を閲覧しようとするときに、印刷されているURLを示すコード画像を読み取ることで、リンク先のホームページを閲覧する際にも適用できるのである。
【0047】
<電子計算機を利用した装置構成例>
なお上記実施形態において、リンク情報のアドレスをコード化して印刷イメージの所定箇所に挿入することで印刷画像を生成する文書処理(特に印刷画像生成処理)の仕組みは、ハードウェア処理回路により構成することに限らず、その機能を実現するプログラムコードに基づき電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェア的に実現することも可能である。
【0048】
よって、本発明に係る文書処理方法(特に印刷画像生成方法)や文書処理装置(印刷画像生成装置の機能部分)を、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なプログラムあるいはこのプログラムを格納したコンピュータ読取可能な記憶媒体を発明として抽出することもできる。
【0049】
電子計算機に一連の文書処理(特に印刷画像生成処理)機能をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込マイコンなど)、あるいは、CPU(Central Processing Unit )、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0050】
記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの状態変化を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。
【0051】
たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクFDを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。
【0052】
また、ソフトウェアを構成するプログラムは、記録媒体を介して提供されることに限らず、記録媒体を用いずに、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
【0053】
たとえば、文書処理機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、ハードウェア処理回路にて構成する場合と同様の効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が文書処理の機能を実現する。
【0054】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することで、文書処理を行なう機能が実現されるだけでなく、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(Operating Systems ;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理により文書処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
【0055】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって文書処理を行なう機能が実現される場合であってもよい。
【0056】
なお、文書処理を行なう機能を実現するプログラムコードを記述したファイルとしてプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、コンピュータで構成されるシステムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0057】
たとえば図2は、第1の文書閲覧装置(ホスト側装置100)側で、CPUやメモリを利用してソフトウェア的に文書処理を行なう機能を持つ文書処理装置を構成する、すなわちパーソナルコンピュータなどのコンピュータ(電子計算機)の機能を利用して文書処理をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
もちろん、このようなコンピュータを用いた構成に限らず、図1を用いて示したホスト側装置100の各機能部の処理をなす専用のハードウェアの組合せにより文書処理を行なう構成にすることもできる。ただし、ソフトウェアにより処理を実行させる仕組みとすることで、ハードウェアの変更を伴うことなく、処理手順などを容易に変更できる利点を享受できるようになる。
【0059】
たとえば、コンピュータシステム900は、コントローラ部901と、ハードディスク装置、フレキシブルディスク(FD)ドライブ、あるいはCD−ROM(Compact Disk ROM)ドライブ、半導体メモリコントローラなどの、所定の記憶媒体からデータを読み出したり記録したりするための記録・読取制御部902とを有する。
【0060】
コントローラ部901は、CPU(Central Processing Unit )912、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)913、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM(Random Access Memory)915、および不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)916を有している。NVRAM916には、たとえば、一時データなどを格納することができる。この場合、NVRAM916は、一時データ保存部として機能することとなる。
【0061】
上記において“揮発性の記憶部”とは、文書処理装置の主電源がオフされた場合には、記憶内容を消滅してしまう形態の記憶部を意味する。一方、“不揮発性の記憶部”とは、文書処理装置の主電源がオフされた場合でも記憶内容を保持し続ける形態の記憶部を意味する。記憶内容を保持し続けることができるものであればよく、半導体製のメモリ素子自体が不揮発性を有するものに限らず、バックアップ電源を備えることで、揮発性のメモリ素子を“不揮発性”を呈するように構成するものであってもよい。また、半導体製のメモリ素子により構成することに限らず、磁気ディスクや光ディスクなどの媒体を利用して構成してもよい。たとえば、ハードディスク装置を不揮発性の記憶部として利用できる。
【0062】
また、コンピュータシステム900は、ユーザインタフェースをなす機能部として、キーボードやマウスあるいは表示パネル部941aや操作キー部941bを具備した文書処理装置に備えられる操作パネル部941などを利用した指示入力部903と、操作時のガイダンス画面や処理結果などの所定の情報をユーザに提示する表示出力部904と、各機能部との間のインタフェース機能をなすインタフェース部(IF部)909とを有する。
【0063】
表示出力部904は、表示制御部942と表示装置とを備える。表示装置としては、たとえば、文書処理装置に備えられる操作パネル部941を利用することができる。あるいは、CRTやLCDなどでなるその他のディスプレイ部944を利用することもできる。なお、表示面上にタッチパネル943を有するディスプレイ部944とすることで、指先やペンなどで所定の情報を入力する指示入力部903を構成することもできる。
【0064】
なお、ホスト側装置100にて、プリンタ200で出力された印刷イメージ中のコード画像を読み取って文書中のリンク先の情報を表示させる構成とする場合には、コンピュータシステム900には、文書処理に供されるデータに対する所定のデータ処理を行なう機能部分も設けられる。たとえば、リンク先のアドレスがコード化されて印刷イメージ中に埋め込まれた画像を所定の出力媒体(たとえば印刷用紙)に出力するプリンタ200相当の画像形成部906と、その印刷イメージのコード画像部分を読み取るコード読取装置600相当の画像読取部(スキャナユニット)907とが設けられる構成とすることもできる。
【0065】
画像形成部906は、たとえば画像読取部907にて得られた画像信号により表される画像や受信した画像データに基づき、電子写真式、感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいは同様な従来の画像形成処理を利用して、普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する(印刷する)。このため、画像形成部906は、たとえばイエローY,マゼンタM,シアンC,ブラックKの2値化信号などの印刷出力用データを生成する画像処理部962と、たとえばラスタ出力スキャンベースやインクジェット方式などのプリントエンジン964とを備える。
【0066】
画像読取部907は、画像入力端末の機能を備えており、たとえばCCD固体撮像素子の全幅アレイを使用して、読取位置へ送られた原稿に光を照射することで、原稿上の画像を読み取り、この読み取った画像を表す赤R、緑G、青Bのアナログビデオ信号をデジタル信号へ変換する。
【0067】
インタフェース部909としては、処理データ(画像データを含む)や制御データの転送経路であるシステムバス991の他、たとえば、画像読取部907とのインタフェース機能をなすスキャナIF部997、画像形成部906や他のプリンタとのインタフェース機能をなすプリンタIF部996、およびインターネットなどのネットワークとの間の通信データの受け渡しを仲介する通信IF部999を有している。
【0068】
なお、文書処理のための各機能部分の全ての処理をソフトウェアで行なうのではなく、これら機能部分の一部を専用のハードウェアにて行なう処理回路908を設けてもよい。ソフトウェアで行なう仕組みは、並列処理や連続処理に柔軟に対処し得るものの、その処理が複雑になるに連れ、処理時間が長くなるため、処理速度の低下が問題となる。これに対して、ハードウェア処理回路で行なうことで、高速化を図ったアクセラレータシステムを構築することができるようになる。アクセラレータシステムは、処理が複雑であっても、処理速度の低下を防ぐことができ、高いスループットを得ることができる。
【0069】
このような構成において、CPU912は、システムバス991を介してシステム全体の制御を行なうものであり、いわゆるコントローラ部に対応する。ROM913は、CPU912の制御プログラムなどを格納する。RAM915は、SRAM(Static Random Access Memory )などで構成され、プログラム制御変数や各種処理のためのデータなどを格納する。また、RAM915は、所定のアプリケーションプログラムによって取得した電子ドキュメント(文字データのみに限らず画像データを含んでよい)や自装置に備えられている画像読取部907で取得した画像データ、さらには外部から取得した電子文書などを一時的に格納する領域を含んでいる。
【0070】
たとえば、文書処理機能をコンピュータに実行させるプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体を通じて配布される。あるいは、このプログラムは、CD−ROMではなくFDに格納されてもよい。また、MOドライブを設け、MOに前記プログラムを格納してもよく、またフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリカードなど、その他の記録媒体にプログラムを格納してもよい。さらに、他のサーバなどからインターネットなどのネットワークを経由してプログラムをダウンロードして取得したり、あるいは更新したりしてもよい。
【0071】
なお、プログラムを提供するための記録媒体としては、FDやCD−ROMなどの他にも、DVDなどの光学記録媒体、MDなどの磁気記録媒体、PDなどの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアカードなどの半導体メモリを用いることができる。記録媒体の一例としてのFDやCD−ROMなどには、文書処理機能を実現する際の、一部または全ての機能を格納することができる。
【0072】
また、ハードディスク装置は、制御プログラムによる各種処理のためのデータを格納したり、画像読取部907で取得した画像データや外部から受信した画像データなどを大量に一時的に格納したりする領域を含んでいる。また、ハードディスク装置、FDドライブ、あるいはCD−ROMドライブは、たとえば、CPU912にコンテンツ取得やアドレス取得あるいはアドレス設定などの処理をソフトウェアにて実行させるためのプログラムデータを登録するなどのために利用される。
【0073】
<現実的なシステム構成例;第1実施形態>
図3は、文書閲覧装置、画像形成装置(画像出力装置)、およびコード読取装置を備えてなる文書閲覧支援システムの現実的な構成例の第1実施形態を示す概略図である。また、図4は、画像形成装置に対しての画像入力端末や文書閲覧装置として機能するホスト側装置に用意されるドキュメント作成用のアプリケーションプログラム(印刷イメージを生成するプリンタドライバを含む)の処理を説明する図である。また図5は、機械可読コードの一例を示す図である。
【0074】
文書閲覧支援システム1は、ワープロソフトなどのドキュメント作成ツールで作成したドキュメントデータを、ページ記述言語(PDL:Page Description Language) に変換して、画像を表す多値階調信号としてのPDLデータをプリンタ側に送り、プリンタ側にて、描画展開した後に、処理済みの画像データを、画像形成装置の主要部をなす画像出力部(画像形成部あるいはプリントエンジンともいわれる)に渡す形態を採っている。
【0075】
図3に示すように、文書閲覧支援システム1は、一般ユーザが使用する端末であって、文書データを生成するパソコン(クライアントPC)などのユーザ端末として機能するホスト側装置100と、ユーザ端末として機能するホスト側装置100から出力された文書データに基づいて印刷出力処理をする画像形成装置の一例であるプリンタ200とが、ネットワーク(LAN)2により接続されて構成されている。
【0076】
ユーザ端末として機能するホスト側装置100は、文書や図形などの画像データを生成するデータ生成部110と、ユーザ端末として機能するホスト側装置100の各部の動作を制御する中央制御部120と、内部の通信網(LAN)との間のインタフェース機能をなし、特に本例ではプリンタ200との間のインタフェース機能をなすインタフェース部130とを有する。データ生成部110と中央制御部120とで、文書処理装置3が構成されることとなる。
【0077】
また、ユーザ端末として機能するホスト側装置100は、表示装置142との間のインタフェース機能をなすインタフェース部140と、インターネットなどの外部のネットワーク8との間のインタフェース機能をなすインタフェース部150とを備えている。
【0078】
データ生成部110には、たとえば、文字や図形などでなる文書データを生成するためのアプリケーションプログラムが組み込まれる。文書としては、典型的な文書の他に、Webページ(ホームページ)も含まれる。
【0079】
なお、このアプリケーションプログラムには、自装置において文書データ本体を生成するアプリケーションの他に、文書閲覧支援という観点から、自装置において生成した文書や、インターネット上の電子化された文書などのインタフェース部150を介して接続される他装置にて生成された文書を自装置の表示媒体である表示装置142に表示させる文書閲覧支援ソフトも含み、特に本実施形態では、たとえば市販や配布がなされているインターネット用のブラウザも含まれる。つまり、この文書閲覧支援ソフトが、コンピュータを、文書閲覧手段として機能させることとなる。
【0080】
また中央制御部120には、ユーザ端末として機能するホスト側装置100の全体を制御するソフトウェアであるオペレーティングシステムOSやプリンタ200を制御するためのソフトウェアであるプリンタドライバが組み込まれる。本実施形態において、オペレーティングシステムOSは、処理対象となる文書情報を取得したり、取得した文書を解析してハイパーリンク部を探索したり、ハイパーリンク部のアドレス先の情報をコード画像にして文書の印刷イメージに埋め込むなどの文書閲覧支援手段としての機能を備えている、すなわち、コンピュータを文書閲覧支援手段として機能させるプログラムモジュールを具備している。
【0081】
これにより、ユーザ端末や文書閲覧装置として機能するホスト側装置100は、所定の処理をプログラムに基づいてソフトウェア的に実現するようになる。すなわち、所定の処理を実行する各機能部を構成するためのプログラムを格納したCD−ROMなどからプログラムを読み出して図示しないハードディスク装置などにインストールさせておき、ハードディスク装置からプログラムを読み出して図示しないCPUが所定の処理手順を実行することにより、各機能をソフトウェア的に実現することができる。
【0082】
なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。また、これらのプログラムや当該プログラムを格納した記憶媒体は、既存のシステムやアプリケーションプログラムあるいはプリンタドライバをバージョンアップするものとして提供されてもよい。あるいは、各機能部分をソフトウェア的に実現するパッチファイルなど、一部の機能に対応したオプションプログラムとして提供されてもよい。
【0083】
たとえば、ユーザ端末として機能するホスト側装置100に組み込まれているアプリケーションプログラムから、イメージ描画命令、グラフィック描画命令、フォント描画命令などの命令種別を持った描画命令が順次プリンタドライバに入力される。プリンタドライバは描画命令をプリンタ200が理解可能なプリント命令に変換してインタフェース部130に出力する。インタフェース部130に入力されたプリント命令は、ネットワーク2を通りプリンタ200に伝送される。プリンタ200は、受け取ったプリント命令に従って、用紙に画像を印刷(画像出力)する。
【0084】
たとえば、図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述い語(PDL:Page Description Language )の形式でプリント命令をプリンタ200に渡す。PDLで作成されている画像データは、ページ内の任意位置の画像、図形、文字を表現する描画命令およびデータを任意の順で配置した命令およびデータ列で構成されており、ページプリンタであるプリンタ200側では、受け取ったプリント命令に従って印刷するために、印刷前に出力単位ごと(1ページごと)に画像データをレンダリング(描画展開)する。
【0085】
ここで、ホスト側装置100のデータ生成部110に用意されるドキュメントDOC作成用のアプリケーションプログラム(以下文書データ生成ソフトウェア112という)においては、文書を表示装置142上で閲覧するための文書閲覧装置として機能させる構成として、図4に示すように、文書データ本体D1に対応した文書画像を生成する文書画像生成モジュール113を備える。文書画像生成モジュール113は、たとえば、ワープロソフトや製図ソフトなど、文書データを生成する文書データ生成手段および生成した文書データに基づく文書画像を表示装置142に表示させる文書閲覧手段としてコンピュータを機能させるプログラムモジュールである。
【0086】
また、文書データ生成ソフトウェア112は、専ら描画機能のみを実現するモジュールであって、取得した文書データ本体D1に基づく文書画像を表示装置142に表示させる文書閲覧手段としてコンピュータを機能させるプログラムモジュールとしての閲覧画像生成モジュール114を備える。たとえば、インターネットからダウンロードしたホープページを表示装置142上に表示させるWebブラウザが典型例である。
【0087】
また、中央制御部120に組み込まれるプリンタドライバは、閲覧中の文書中に存在するリンク情報のアドレス先を示すコード画像を生成し、文書の印刷イメージ上の所定位置に挿入するコード画像付加モジュール115を備えている。
【0088】
コード画像付加モジュール115は、リンク情報取得部104、コード変換部106、および機械可読コード挿入部108の機能をなすものである。このコード情報付加モジュール115は、入力される文書データ本体D1や印刷設定情報に従って、印刷イメージ用の印刷データ(たとえばPDLデータ)を生成する。すなわち、コード情報付加モジュール115は、文書データ本体D1を受け入れると、先ず文書中のリンク情報のアドレス先を示すコード画像(Code Image)CIを生成し、コード画像CIを含む文書の印刷データであるドキュメントDOCをプリンタ200に出力したり、その印刷イメージに対応する表示データを表示装置142に対して出力したりする。
【0089】
なお、ここでは、ユーザに操作画面を提示しその指示入力に基づいてユーザ端末として機能するホスト側装置100における印刷出力処理を制御するソフトウェアであるプリンタドライバによって、画像形成装置を制御する指示部や表示制御部を構成しているが、ソフトウェアに依らず、上述の処理を行なう指示部や表示制御部をハードウェア回路によって実現してもよい。このようなハードウェア回路の構成は当業者であれば容易に実現し得るものであるので、その構成の図示を割愛する。
【0090】
図4に示すように、コード情報付加モジュール115が出力するドキュメントDOC、すなわち、印刷用紙上や印刷プレビュー画面上に形成される文書の画像は、たとえばプリンタ200にて、印刷用紙上において、たとえば文字情報および図などを含む文書データ本体D1に対応する文書画像DOC_D1 として形成される。また、印刷用紙に形成される文書画像DOC_D1 には、文書データ本体D1中に存在するリンク情報に対してそのアドレス先を示すコード画像CIが付加された状態となる。なお、コード画像CIの印刷位置によっては、印刷用紙内の文書データ本体D1に対応する文書画像DOC_D1 の外側に、コード画像CI用の領域が確保される。
【0091】
なお、リンク先のアドレスは場合によっては50文字程度になる。その場合にコード画像として1次元バーコード(1-dimensional barcode;図5(A)参照)を使用すると、1方向にしか情報を記録できないため、印刷イメージ中に挿入する面積が広くなり、たとえ文書本体の判読に影響を与えない部分(用紙の余白部分や文書本体中の余白部分など)に挿入したとしても目障りとなることが懸念されるし、文書中のリンク部分もしくはその近傍に挿入する場合は文書本体の判読に大きな影響を与えてしまうことが懸念される。
【0092】
この問題を少しでも小さく抑えるには、水平、垂直(横・縦)方向に情報を記録できる2次元バーコード(2-dimensional barcode)を機械可読コードとして使用するのがよい。2次元バーコードを使用すると、1次元バーコードと比較して、数10倍〜数100倍というより多くの情報を記録することができる、誤り訂正が可能でバーコードが多少破損・汚損していても読み取れる、などの特徴がある。2次元バーコードを用いれば、比較的小さい面積に、この2次元バーコードを挿入でき、目障り感や文書本体の判読性能の低下を小さく抑えることができる。
【0093】
なお、2次元コードはその構造から、CODE49,CODE16K,PDF417など1次元バーコードを積み重ねたような形のスタック型2次元コード(図5(B)参照)と、QR(Quick Response)コードやデータマトリックス(データコード)やマキシコードなど碁盤上に白と黒の点を並べたような形のマトリックス型2次元コード(図5(C)参照)の2種類に大別することができる。
【0094】
<プリンタジョブのメニュー画面例>
図6〜図8は、文書閲覧支援装置としてのユーザ端末として機能するホスト側装置100において印刷指示(印刷プレビューを含む)を発する際のメニュー画面の一例を示す図である。これらのメニュー画面は、プリンタドライバによりオペレーティングシステムOS(Operating Systems )を介して表示デバイスである表示装置142に表示出力されるものであり、これらのメニュー画面上で、ユーザは印刷に必要な情報を設定することができる。
【0095】
たとえば、印刷指示を装置に発すると、プリンタドライバは、図6に示したような操作画面を表示装置142に表示する。操作画面は、詳細な設定を行なうための複数のメニュー画面の組合せからなり、各メニュー画面のタブをクリックすることで希望するメニュー画面が最前面に現われるようになっている。一例として、印刷範囲(ページ)や部数、拡大/縮小などの用紙や印刷関連の詳細な設定を指定するための詳細設定タブTB11、両面/片面,原稿サイズ,用紙種類,用紙トレイの選択や排出先の指定など、プリンタ本体の動作に関する項目の設定を指定するための用紙/出力設定タブTB12、画質,明るさなどの画質についての詳細な設定を指定するためのグラフィックス設定タブTB13、ページの割付方法を指定するためのレイアウト設定タブTB14が用意されている。図6では、レイアウト設定の操作メニューが最前面に表示されている。
【0096】
レイアウト設定メニューでは、複数ページを1枚に纏めて出力するか否かを指定するためのプルダウンメニューPD11が画面左側に表示される他に、文書中にコード画像CIが埋め込まれた状態のプレビュー(preview )画像PVを、後述するコード画像設定メニューにて設定されたコード画像の印刷位置に応じてコード画像位置が変化するようにして、画面の右側に表示するようになっている。
【0097】
また、画面の下部には、標準に戻すための設定画面を起動するボタンBT11、プリンタの状態を設定するための設定画面を起動するボタンBT12、綴じ代を設定するための設定画面を起動するボタンBT13の他に、本実施形態特有のボタンとして、コード画像(ここでは2次元バーコードの一例であるQRコード)の印刷設定画面を起動するQRコードボタンBT14が用意されている。さらにその下部には、操作方法を説明する画面(ヘルプ画面)を起動するためのヘルプボタンBT16、設定された状態を無効化するキャンセルボタンBT17、および設定された状態を確定させるOKボタンBT18が用意されている。
【0098】
たとえば、外出先で参照したいホームページがリンク付けされた閲覧中のホームページを印刷する場合、図6に示すプリンタドライバの設定画面でQRコードボタンBT14をクリックすることで、2次元バーコード印刷設定項目を設定するためのQRコード設定メニュー画面(図7参照)を起動する。
【0099】
図7に示すように、QRコード設定メニュー画面では、先ず、印刷時にQRコードを挿入して印刷するか否かを指示するチェック欄IM21が用意されている。このチェック欄IM21により、たとえばホームページ印刷時にホームページに埋め込まれたハイパーリンクのQRコードを自動で印刷する/しないの設定ができる。
【0100】
チェック欄IM21がチェックされ印刷指示が発せられると、ホスト側装置100は、印刷時にホームページなどの閲覧中の文書の情報を解析し、コード画像を文書中の所定位置に埋め込んで印刷する。すなわち、このチェック欄IM21がチェックされた状態での印刷指示をユーザ指示受付部102が受け付けると、リンク情報取得部104は、ホームページなどの文書の情報を解析して文書の所定部分に対応付けられたリンク情報を取得し、コード画像にした印刷を要するリンク情報をコード変換部106に渡す。この際には、抽出される全てのリンク情報の内、印刷出力対象となるものを所定の判定条件に基づいて自動的に判断してもよいし、ユーザの選択指示を受け付けるようにしてもよい。
【0101】
なお、文書中のリンク情報の抽出に当たっては、閲覧に使用しているソフトウェア(たとえばブラウザ)から貰える場合と、貰えない場合とがある。貰える場合には、たとえば、HTML文書を閲覧中であれば、読込みを終了しようとする文書中にハイパーリンク部があるか否かを調べ、ハイパーリンク部があるときはリンク先のアドレス情報などを取得する。すなわち、HTML形式で書かれている文書を例に説明すると、リンク先のアドレスは、<a href=“リンク先のアドレス”>の形式で表されるが、閲覧画像生成モジュール114としてのブラウザソフトによってはリンク先のアドレスを取得するための手段が予め用意されているので、この場合、リンク情報取得部104は、ブラウザから自動的にリンク情報を簡単に取得することができるのである。
【0102】
一方、インターネット用のブラウザによっては、このような機能を有していないものもあり、この場合、リンク情報取得部104は、ブラウザから自動的にリンク情報を貰えないことになる。この場合、先ず、オペレーティングシステムOSがリンク情報取得部104として機能し、文書の読込みを終了しようとする文書を、文書閲覧手段として機能する閲覧画像生成モジュール114から取得する。あるいは、文書の読込みを終了しようとする文書のアドレスを取得して、それをもとにその文書のデータを取得するようにしてもよい。
【0103】
次に、リンク情報取得部104(オペレーティングシステムOS)は、取得した文書を解析して、ハイパーリンク部を検索していく。そしてハイパーリンク部があれば、リンク先のアドレス情報などを検索する。HTML形式で書かれている文書を例に説明すると、リンク先のアドレスは、<a href=“リンク先のアドレス”>の形式で表されているので、このアドレスの検索は容易に行なうことができる。
【0104】
また、QRコード設定メニュー画面では、コード画像の印刷位置を指定するための印刷位置設定欄が用意され、コード画像の印刷位置を設定可能になっている。この欄中の各種の情報は通常はハーフトーンで表示されユーザ操作を受け付けないようになっており、チェック欄IM21にチェックを入れることで、この印刷位置設定欄内の各種設定ができるようになっている。
【0105】
その設定項目としては、たとえば、同じページに印刷するか否かのチェック欄IM22および同じページに印刷する場合のコード画像の配置場所を指定するプルダウンメニューPD22と、別ページに印刷するか否かのチェック欄IM23および別ページに印刷する場合のページ位置を指定するプルダウンメニューPD23とが用意されている。
【0106】
プルダウンメニューPD22では、印刷対象ページと同一のページへコード画像を印刷するときの印刷位置を設定できるようになっており、一例としては、文書外であって用紙余白の上、下、左、右やヘッダもしくはフッタ、あるいは文書内の余白、コーナー、あるいはリンク部分もしくはその近傍の何れかを指定できるようになっている。
【0107】
プルダウンメニューPD23では、印刷対象ページと別のページへコード画像を印刷するときのページ位置を設定できるようになっており、一例としては、文書のページ画像は出力させずにコード画像のみを印刷する、先頭ページの前、最終ページの後、裏面の何れかを指定できるようになっている。
【0108】
また、QRコード設定メニュー画面では、リンク先の情報を閲覧するための第2の文書閲覧装置を指定するプルダウンメニューPD24が用意されている。可搬型文書閲覧装置500とコード読取装置600とが真にあるいは実質的に一体型のものである場合、コード画像を読み込むコード読取装置600の設定も可能となっている。
【0109】
このプルダウンメニューPD24は通常はハーフトーンで表示されユーザ操作を受け付けないようになっており、チェック欄IM21にチェックを入れることで、このプルダウンメニューPD24の操作ができるようになっている。ここでは、事前に登録してある閲覧装置の機種名リストの中から1つを選択することができるし、あるいは直接に機種名を入力することで、未登録のものを新規登録するとともに、それを第2の文書閲覧装置として設定することもできる。
【0110】
たとえば、このプルダウンメニューPD24で携帯電話のある機種が設定されると、リンク情報取得部104は、印刷対象の文書中から抽出される全てのリンク情報(ここではURLが典型例)について末尾に“/i”もしくは“/i/”が付されているか否かを判断する。そして、付されているもののみを選択することで、全リンク情報の中から、携帯電話用のリンク情報のみを印刷出力対象となるものとして自動的に抽出し、すなわち携帯端末用のリンク情報を自動識別し、抽出した携帯電話用のリンク情報のみをコード変換部106に渡す。
【0111】
また、リンク情報取得部104は、末尾に“/i”もしくは“/i/”が付されていないものについては、それらのリストを表示装置142上に提示し(図、ユーザの選択指示を受け付けることで(図8を参照)は、携帯端末用として自動識別できないリンク情報もコード変換部106に渡す。
【0112】
こうすることで、たとえば、携帯端末に対応したホームページである場合には自動的に選択したURLを、またホームページ上のリンク先のURLが携帯端末対応ある場合にはユーザ選択に基づくURLを、それぞれ印刷対象のものとし、自動的にユーザの指定箇所へ2次元バーコードなどのコード画像を付加して印刷することができる。この後、印刷物を外出先などへ持参し、印刷された2次元バーコードを、バーコードリーダ機能付き携帯端末(バーコード読取機能が備えられているカメラ付きの携帯電話を含む)で読み込むことにより、インターネットから詳細な文書情報(典型的にはホームページやPDF文書など)を簡単に閲覧することができる。
【0113】
あるいは、携帯電話以外のものが設定されると、リンク情報取得部104は、印刷対象の文書中から抽出される全てのリンク情報(ここではURLが典型例)のリストを表示装置142上に提示し、ユーザの選択指示を受け付けることで(図8を参照)、全リンク情報の中から印刷出力対象となるものを抽出し、抽出したリンク情報のみをコード変換部106に渡す。
【0114】
こうすることで、たとえば、ホスト側装置100にて、インターネットを用いて何か情報を収集する場合に、ファイルしておいた文書中に印刷されているURLを示すコード画像を読み取ることで、後になってリンク先の文書情報(典型的にはホームページやPDF文書など)を簡単に閲覧することができる。
【0115】
たとえば図8は、リンク情報(ここではURLが典型例)のリストを表示装置142上に提示する場合の表示例を示している。リンク情報取得部104は、このようにして、コード画像印刷対象となるURL一覧をユーザに提示する。ユーザは、この表示画面上で、URLごとに設けられているチェック欄にチェックを入れることで、コード画像の印刷対象とするURLを選択・指定する。
【0116】
<処理手順>
図9は、第1実施形態の構成例における処理手順の一例を示すフローチャートである。先ず、ホスト側装置100では、ユーザが、文書の画像イメージを表示装置142上に表示させて閲覧を行なっている(S10)。その過程で、閲覧中の文書を印刷物にする指示を発する。ユーザ指示受付部102は、その指示を受け付ける。
【0117】
その指示は、文書に対するファイル操作メニューにて印刷を指示したり印刷プレビューをユーザが指示することで、図6に示すプリンタドライバの操作画面を起動して行なう(S12)。この際に、外出先で参照したいホームページを印刷しようとする場合、プリンタドライバの設定で、QRコードボタンBT14をクリックすることで、図7に示すQRコード設定メニューを起動して、2次元バーコードとしてのQRコード印刷設定項目を指示する(S14)。
【0118】
たとえば、QRコード印刷を指示するチェック欄IM21にチェックを入れる。また、印刷位置指定欄にて、印刷対象ページと同一のページへ印刷するチェック欄にチェックを入れるとともに、その場合の印刷位置を指定する。あるいは、印刷対象ページと別ページへ印刷するチェック欄にチェックを入れるとともに、その場合の印刷位置を指定する。また、リンク先の文書の閲覧に使用する端末を指定する。
【0119】
QRコード印刷に関わる各種の設定が完了すると、ユーザは、図6に示した印刷設定用の操作画面にてOKボタンBT18を押下して印刷出力を発する。ユーザ指示受付部102は、その指示を受け付ける(S18)。
【0120】
次に、図6に示した印刷設定用の操作画面にてOKボタンBT18がクリックされたこと(印刷出力指示)をユーザ指示受付部102が受け付けると、リンク情報取得部104は、コード画像の印刷が必要か否かを、チェック欄IM21にチェックがされているか否かに基づいて判定する(S20)。チェックがされている場合には(S20−YES)、リンク情報取得部104は、図7に示した設定項目にしたがってコード画像の印刷が必要なリンク情報を抽出しコード変換部106に渡す(S22)。
【0121】
また、リンク情報取得部104は、必要に応じて、図8に示すURL選択画面を起動して、リンク情報のアドレス先をリスト表示して、閲覧中の文書に存在するハイパーリンクのうち、そのアドレス先を示すコード画像の印刷出力対象となるものの具体的な指定をユーザ指示受付部102を介してユーザから受け付け、コード変換部106に渡す(S24)。つまり、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報に対応したコード画像の生成指示をユーザ指示受付部102が受け付けた場合に限って、リンク情報取得部104は、そのリンク情報を取得する。
【0122】
次に、コード変換部106は、コード変換部106から受け取ったリンク情報をQRコードなどの機械可読コード画像に変換し機械可読コード挿入部108に渡す(S26)。機械可読コード挿入部108は、コード変換部106により生成(変換)された機械可読コードを、図7に示した印刷位置指定欄での設定項目に従った印刷イメージ中の所定の場所にリンク情報と対応付けて挿入することで印刷データを生成する(S28)。
【0123】
一方、図6に示した印刷設定用の操作画面にてOKボタンBT18がクリックされたとき、チェック欄IM21にチェックが入っていなければ(S20−NO)、プリンタドライバは、文書ページのみの通常の印刷イメージを表す印刷データの生成処理を行なう(S29)。
【0124】
次にプリンタドライバは、印刷イメージの出力指示が、表示装置142上へのプレビュー表示であるのか用紙への印刷出力であるのかを判定する(S30)。プリンタドライバは、印刷出力である場合は、印刷イメージをプリンタ200に送る(S30−YES,S32)。プリンタ200は、チェック欄IM21にチェックが入っている場合には、文書中のリンク先のアドレスを示すコード画像が埋め込まれた印刷イメージを印刷するし、チェック欄IM21にチェックが入っていない場合には、文書そのものの印刷イメージを印刷する。
【0125】
これにより、用紙上の印刷イメージ中に存在するコード画像を、可搬型文書閲覧装置500およびコード読取装置600の機能を持つバーコードリーダ機能付きの携帯端末で読み取ることで、リンク先の文書(典型的にはホームページ)を携帯端末の表示画面に表示することができる。
【0126】
また、プリンタドライバは、プレビュー表示である場合には、ユーザインタフェース部140を介して表示装置142に印刷イメージ送ることで、その印刷イメージを表示装置142上で表示させる(S30−NO,S34)。表示装置142は、チェック欄IM21にチェックが入っている場合には、文書中のリンク先のアドレスを示すコード画像が埋め込まれた印刷イメージを表示するし、チェック欄IM21にチェックが入っていない場合には、文書そのものの印刷イメージを表示する。
【0127】
これにより、表示装置142上の印刷イメージ中に存在するコード画像を、可搬型文書閲覧装置500およびコード読取装置600の機能を持つバーコードリーダ機能付きの携帯端末で読み取ることで、リンク先の文書(典型的にはホームページ)を携帯端末の表示画面に表示することができる。
【0128】
つまり、リンク先のアドレスを示すコード画像が埋め込まれた印刷イメージを、用紙上に印刷するのか、プレビュー画像として表示装置142上に表示するのかに拘わらず、目的の文書のリンク先のアドレスを簡単に取得することができるので、目的の文書を可搬型文書閲覧装置500などの第2の文書閲覧装置で容易に再閲覧することができる。また、閲覧中の文書そのものに対してはコード画像(バーコードのイメージデータ)を挿入することは不要であるため、本実施形態の仕組みは、各種ホームページなどを対象に一般的に用いることができる。
【0129】
加えて、特許文献1に記載の仕組みとは異なり、印刷設定側のみの対処で実現するので、各種インターネット用ブラウザとは無関係に実現することができ、文書閲覧手段としての各種インターネット用ブラウザとともに用いることが可能となるし、閲覧中の文書中にコード画像が挿入されないので文書閲覧中にコード画像が目障りになることもない。
【0130】
つまり、ハイパーリンクのリンク先のアドレスに関する情報のコードシンボルを作成して、文書を印刷指示(印刷プレビューを含む)する際の印刷イメージ中に含めることができる。このため、表示されたプレビュー画面や印刷した紙面のバーコードを読み取ることにより、目的の文書のリンク先のアドレスを簡単に取得することができるので、目的の文書を文書閲覧手段で容易に再閲覧することが可能となる。
【0131】
また、従来のようにホームページに予めバーコードのイメージデータを挿入しておくことは不要であるため、この文書閲覧支援システムは各種ホームページなどを対象に一般的に用いることができる。さらに、閲覧中の文書中にコード画像を挿入するのではなく、印刷イメージで対処するので、文書閲覧中にコード画像が目障りになることもないという、特許文献1に記載の仕組みでは得ることのできない優れた効果を有するのである。
【0132】
<コード画像の印刷態様の具体例>
図10〜図16は、コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例を説明する図である。なお、何れも、HTMLで記述されたホームページ情報を対象として、そこに記述されているリンク先の情報に対応したQRコードを印刷する場合を例に示している。
【0133】
ここで、図10〜図14は、コード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体のページと同一ページにコード画像を印刷出力する態様である。また図15は、コード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体のページとは異なるページにコード画像を印刷出力する態様である。また図16は、文書本体のページ画像は出力せずに、コード画像のみを出力する態様である。以下、具体的に説明する。
【0134】
<用紙の端部>
図10に示す具体例(その1)は、同一ページにページ画像とコード画像とを印刷する態様であって、特に、文書本体のページ画像を取り囲む用紙の端部(上下左右)にコード画像を印刷する点に特徴を有している。
【0135】
すなわち、先ずページ画像を取り囲む用紙の上下左右の端部にコード画像を印刷する領域を確保するべく、印刷対象のページ画像(印刷対象範囲)を自動的に変倍しておく。たとえば、ページ画像サイズと出力用紙サイズがともにA4である場合、ページ画像サイズをより小さなサイズ、たとえばB5サイズに縮小する。
【0136】
そして、ページ画像を取り囲む用紙の端部(上下左右)であって、プリンタドライバで設定された位置に空き領域が確保されるように、そのB5サイズのページ画像を、A4サイズの用紙上の所定位置に割り付ける。これにより、用紙上でページ画像に対して余白を上下左右に作ることができ、その余白にコード画像を印刷することができるようになる。
【0137】
一例としては、プリンタドライバで左あるいは上が設定されたときには、図示するように、右下同士を合わせるとよい。これにより、A4サイズの用紙上で、B5サイズのページ画像を取り囲むように、空き領域が、上端と左端とに確保される。なお、図示を割愛するが、右あるいは下が設定されたときには、左上同士を合わせるとよい。
【0138】
この後、ホームページに記述されているリンク先の情報に対応したQRコードを、プリンタドライバの設定に従って、ページ画像を取り囲む用紙の端部に形成された空き領域(余白部分)に印刷する。
【0139】
このように、文書とそこに存在するリンク部分のアドレス情報に対応したコード画像とを同一の用紙かつ同一面に印刷する際に、用紙上の上下左右に余白を作り、その余白部分にコード画像を印刷するようにすることで、コード画像が文書本体のページ画像に影響を与えないようにすることができる。ただし、文書本体のページ画像を変倍させる必要があるので、特に縮小させる場合には、文書の中身を読む際に、文字が小さくなり判読性能が低下する可能性がある。
【0140】
なお、出力されたコード画像とそれに対応する文書中のリンク部分との対応付けをユーザが容易に認識できるように、出力するコード画像ごとに、リンク情報(URLやURIなどのリンク先のアドレス情報)そのもの、もしくはそれを示す番号や記号などを参照情報として、リンク部分と出力されたコード画像の近傍の双方に付するのがよい。この点は、後述する他の出力態様でも同様である。
【0141】
なお、携帯端末用リンクなど、文書中にURLやURIなどのアドレス情報が直接に記述されていれば、図10(B)に示すように、リンク部分に関してはその記述そのものを利用し、コード画像の近傍には、そのURLやURIを付することも考えられる。
【0142】
また、図10(C)に示すように、文書中にURLやURIなどのアドレス情報が直接に記述されているか否かに関わらず、そのリンク部分の近傍に番号や記号を付し、またコード画像の近傍には、その番号や記号を付することも考えられる。
【0143】
<ページ画像中の余白部分>
図11に示す具体例(その2)は、同一ページにページ画像とコード画像とを印刷する態様であって、特に、文書本体のページ画像中(つまり文書の印刷対象部分)の余白部分にコード画像を印刷する点に特徴を有している。
【0144】
すなわち、先ず出力対象のページ画像を解析し、コード画像を印刷するに足りる余白部分がページ画像内に存在するか否かを判断する。そして、コード画像を挿入しようとする十分な余白がページ画像内に存在する場合には、その余白部分にコード画像を印刷する。すなわち、印刷範囲内の余白部分へコード画像を印刷する。
【0145】
このように、文書とそこに存在するリンク部分のアドレス情報に対応したコード画像とを同一の用紙かつ同一面に印刷する際に、文書中に存在する余白部分にコード画像を印刷するようにすることで、コード画像が文書本体のページ画像に影響を与えないようにすることができる。加えて、図10に示した態様とは異なり、文書本体のページ画像を変倍(特に縮小)させる必要がなく、文書の中身を読む際に、文字が小さくなり判読性能が低下するといった不都合が生じない。
【0146】
一方、コード画像を挿入しようとする十分な余白がページ画像内に存在しない場合には、印刷できない旨をユーザに通知する。たとえば、その旨を示す警告メッセージを表示装置142上に表示する。
【0147】
<ページ画像の上下左右の隅>
図12に示す具体例(その3)は、同一ページにページ画像とコード画像とを印刷する態様であって、特に、文書本体のページ画像中(つまり文書の印刷対象部分)の上下左右の隅(つまり4つのコーナー)にコード画像を印刷する点に特徴を有している。
【0148】
すなわち、先ずページ画像中への出力対象となるコード画像の数が4つ以下であるか否かを判断する。これは、ページ画像の上下左右の隅にコード画像を1つずつ印刷する場合、最大でも4箇所しかコード画像の印刷領域を確保できないからである。そして、挿入しようとするコード画像の数が4つ以下の場合には、上下左右の隅にコード画像を印刷する。すなわち、印刷範囲内の4隅へコード画像を印刷する。なお、QRコードのように狭小面積のコード画像を印刷する場合には、ページ画像の上下左右の隅にそのコード画像を複数個(n個とする)ずつ印刷するようにすることは可能である。この場合、最大で4n箇所のコード画像の印刷領域を確保できる。
【0149】
このように、文書とそこに存在するリンク部分のアドレス情報に対応したコード画像とを同一の用紙かつ同一面に印刷する際に、印刷範囲内に存在する概ね余白部分と考えられる位置である4隅部分にコード画像を1つずつ印刷するようにすることで、コード画像が文書本体のページ画像に殆ど影響を与えないようにすることができる。加えて、図10に示した態様とは異なり、文書本体のページ画像を変倍(特に縮小)させる必要がなく、文書の中身を読む際に、文字が小さくなり判読性能が低下するといった不都合が生じない。
【0150】
また、図11に示した態様では、文書中の余白の何処にコード画像が埋め込まれているのかの判断が困難になる場合があるのに対して、この図12に示した態様では、予めコード画像が埋め込まれる位置を4隅に特定できるので、何処にコード画像が埋め込まれているのかの判断が容易である。
【0151】
一方、ユーザがQRコード化しようとするURLを5つ以上選択しているなど、ページ画像中への出力対象となるコード画像の数が5つ以上である場合には、印刷できない旨をユーザに通知する。たとえば、その旨を示す警告メッセージを表示装置142上に表示する。
【0152】
なお、上下左右の隅へ配置する場合に、文字や画像など文書本体の情報が存在する場合には、コード画像やその参照情報を優先させるべく、コード画像や参照情報で文書本体の情報を上書きするのがよい。この場合、コード画像および参照情報を囲む少し広い領域の背景部分を完全にマスク(消去)するとよい。あるいは、コード画像の読み取りおよびデータ復元に悪影響を与えないレベルで、少なくともその背景部分を薄く印刷するオーバーレイ出力を利用するのがよい。オーバーレイ出力を利用することで、文書内容の判読に不都合を生じさせないようにすることができる。また、一般的な文書の場合、4隅に重要な情報が記述されていることは希であるので、このようにしても文書内容の判読に不都合を殆ど生じさせないと考えてよい。
【0153】
<用紙のヘッダやフッタ>
図13に示す具体例(その4)は、同一ページにページ画像とコード画像とを印刷する態様であって、特に、プリンタドライバの設定にてヘッダやフッタを付ける設定をした際に、そのヘッダやフッタが記述される部分のヘッダやフッタに影響を与えない部分を余白部分として利用してコード画像を印刷する点に特徴を有している。
【0154】
すなわち、先ずプリンタドライバの設定にて、ファイル名やページ番号などを付加するためのヘッダやフッタを付ける設定がなされた際には、用紙の上下の端部に、ヘッダやフッタの情報を記述するに足りる分だけでなく、コード画像を印刷するに足りるだけの領域を確保する。事実上、印刷対象のページ画像(たとえばホームページ)の縦方向の印字可能領域が狭くなる。
【0155】
この後、ホームページに記述されているリンク先の情報に対応したQRコードを、プリンタドライバの設定に従って、ヘッダやフッタ部分であって、ヘッダやフッタの情報に影響を与えない余白部分に印刷する。すなわち、印刷対象文書の印字可能領域を狭めてヘッダやフッタの部分を設け、このヘッダやフッタの部分を余白部分として利用することで、印刷領域の印刷対象範囲外にコード画像を印刷する。
【0156】
このように、文書とそこに存在するリンク部分のアドレス情報に対応したコード画像とを同一の用紙かつ同一面に印刷する際に、ヘッダやフッタの部分を余白部分として利用してコード画像を印刷するようにすることで、コード画像が文書本体のページ画像に影響を与えないようにすることができる。
【0157】
加えて、図10に示した態様とは異なり、文書本体のページ画像を変倍(特に縮小)させる必要がなく、文書の中身を読む際に、文字が小さくなり判読性能が低下するといった不都合が生じない。周知のように、ヘッダやフッタを付ける設定をすると、用紙上の印刷可能範囲は狭くなるが、ページ画像そのものは、改行位置が変わることがあっても、縮小されることはないからである。
【0158】
また、図11に示した態様では、文書中の余白の何処にコード画像が埋め込まれているのかの判断が困難になる場合があるのに対して、この図13に示した態様では、予めコード画像が埋め込まれる位置をヘッダやフッタに特定できるので、何処にコード画像が埋め込まれているのかの判断が容易である。
【0159】
<リンク部の位置やその近傍>
図14に示す具体例(その5)は、同一ページにページ画像とコード画像とを印刷する態様であって、特に、文書のリンク部の位置あるいはその近傍などにコード画像を配置して印刷する点に特徴を有している。
【0160】
この場合、多くのケースでは、その印刷位置には、文字や画像など文書本体の情報が存在するので、上書きを行なう。また、この際には、コード画像および参照情報を囲む少し広い領域の背景部分を完全にマスク(消去)するとよい。あるいは、コード画像の読み取りおよびデータ復元に悪影響を与えないレベルで、少なくともその背景部分を薄く印刷するオーバーレイ出力を利用するのがよい。
【0161】
このように、文書のリンク部の位置あるいはその近傍などにコード画像を配置して印刷すると、文書本体のページ画像に影響を与えてしまい、印刷物上で文書の中身を読む際に、文字や画像の判読性能が低下する可能性がある。しかしながら、表示画面上では不都合なく判読できるし、印刷物上での判読性能が低下するのは、ユーザが指示した結果であるから、許容されると考えてよい。特許文献1に記載の仕組みでは、閲覧対象の文書そのものにコード画像を挿入するので、表示画面上でも文書内容の判読に支障を来たし、この問題を解消し得ないのと大きく異なる。
【0162】
<Nアップ;異なる割付面>
図15に示す具体例(その6)は、コード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体のページ画像が印刷される面とは異なる面にコード画像を印刷する態様であって、特に、Nアップ機能を使って、ページ画像の割付面とは異なる割付面にコード画像を印刷する点に特徴を有している。
【0163】
たとえば図15に示すように、A4/1ページで印刷できるホームページを2アップで印刷する場合は、図9に示したQRコードの設定メニュー画面で「別ページに印刷」を設定してあると、先頭ページ(1ページ)の前または最終ページ(2ページ目)の後へQRコードを印刷したページを割り付けて印刷する。このときの印刷データ作成処理は、印刷対象となる文書(たとえばホームページ)のみを2アップの縮小イメージで作成した後で、QRコードを印刷したページを挿入する。
【0164】
QRコードを印刷したページは、好ましくはQRコードを縮小せずに元サイズで出力するのがよい。QRコードを縮小せずに印刷するのは、QRコードを縮小して印刷すると、コード読取装置600側でズーム機能を使った拡大処理や電子的な拡大処理の倍率が大きくなり、読取分解能を低下させる可能性があるので、その読取分解能を低下させないためである。
【0165】
なお、印刷対象の文書が複数ページ(以下各ページを文書本体ページという)に亘って印刷出力される場合に、その文書本体ページをNアップで縮小しつつ、その文書本体ページに存在するリンク先アドレスのコード画像を縮小せずに印刷出力するページ(文書本体ページごとにコード画像印刷ページという)とをどのように各割付面に割り付けるかに当たっては様々な態様を採ることができる。
【0166】
一例としては、先ず、印刷対象の各文書本体ページと対応する各コード画像印刷ページとを対応付けつつ印刷出力する態様と、ページの対応付けは無視し、全てのコード画像を纏めて出力する全コード画像印刷ページ(複数ページに亘ってもよい)を用意する態様の何れかを採り得る。
【0167】
前者の場合、たとえば、印刷対象の全文書本体ページ(たとえば3ページ分)に対して先頭ページの前や最終ページの後に全てのコード画像印刷ページを纏めて割り付ける態様を採ることもできる。なお、出力対象となるコード画像が存在しない文書本体ページ(たとえば2ページ目)に対応するコード画像印刷ページについては白紙ページとしてもよいし、存在しないものとして出力対象から外してもよい。
【0168】
あるいは、文書本体ページと対応するコード画像印刷ページとを隣接した割付面に順次割り付ける態様を採ることもできる。この場合、出力対象となるコード画像が存在しない文書本体ページ(たとえば2ページ目)に対応するコード画像印刷ページについては白紙ページとするのがよい。
【0169】
あるいは、ページの対応付けは無視し、全てのコード画像を纏めて出力する全コード画像印刷ページ(複数ページに亘ってもよい)を用意する態様の場合、たとえば、印刷対象の全文書本体ページ(たとえば3ページ分)に対して先頭ページの前や最終ページの後に全コード画像印刷ページを割り付ける態様を採ることもできる。
【0170】
<別用紙>
なお、図示を割愛するが、コード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体のページ画像が印刷される面とは異なる面にコード画像を印刷する態様であって、特に、文書本体ページが印刷される用紙とは別の用紙にコード画像を印刷する態様とすることもできる。
【0171】
この場合、Nアップの際と同様に、印刷対象の文書が複数ページに亘って印刷出力される場合に、文書本体ページとその文書本体ページに対応するコード画像印刷ページとをどのように各用紙に割り付けるかに当たっては様々な態様を採ることができる。
【0172】
一例としては、印刷対象の全文書本体ページ(たとえば3ページ分)に対して先頭ページの前や最終ページの後に全てのコード画像印刷ページを纏めて別用紙で印刷する態様を採ることもできる。なお、出力対象となるコード画像が存在しない文書本体ページ(たとえば2ページ目)に対応するコード画像印刷ページについては白紙ページとしてもよいし、存在しないものとして出力対象から外してもよい。
【0173】
あるいは、文書本体ページと対応するコード画像印刷ページとを隣接した用紙順(何れを先に印刷するかは不問である)で印刷する態様を採ることもできる。この場合、出力対象となるコード画像が存在しない文書本体ページ(たとえば2ページ目)に対応するコード画像印刷ページについては白紙ページを挿入するようにしてもよいし、存在しないものとして出力対象から外して、詰めて順次印刷するようにしてもよい。
【0174】
<裏面>
また、図示を割愛するが、コード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体のページ画像が印刷される面とは異なる面にコード画像を印刷する態様であって、特に、両面印刷機能を使って、文書本体ページが印刷される面とは反対側の面にコード画像を印刷する態様とすることもできる。
【0175】
この場合、印刷対象の文書が複数ページに亘って印刷出力される場合において、出力対象となるコード画像が存在しない文書本体ページ(たとえば2ページ目)が存在する場合には、文書本体ページとその文書本体ページに対応するコード画像印刷ページとをどのように各用紙の面に割り付けるかに当たっては様々な態様を採ることができる。
【0176】
一例としては、出力対象となるコード画像が存在しない文書本体ページ(たとえば2ページ目)に対応するコード画像印刷ページについては、白紙ページとするのがよい。また、出力対象となるコード画像が存在しない文書本体ページが連続する場合、偶数分は存在しないものとして出力対象から外して文書本体ページのみを詰めて順次印刷するようにしてもよい。さらに、残る奇数分は、文書本体ページの裏面に白紙ページとするのがよい。
【0177】
<コード画像のみ>
図16に示す具体例(その7)は、コード画像に対応するリンク先が記述されている文書本体のページ画像が印刷される面とは異なる面にコード画像を印刷する態様であって、特に、文書本体ページは印刷せずに、コード画像のみを印刷する点に特徴を有している。
【0178】
この場合、コード画像と文書中のリンク情報との対応付けを容易にするべく、参照情報としては文書中のリンク情報(典型例はURL)をコード画像の隣に印刷するのがよい。
【0179】
<基本構成例;第2実施形態>
図17は、本発明に係る文書処理装置を備えてなる文書閲覧支援システムの基本構成例の第2実施形態を示す機能ブロック図である。この第2実施形態の文書閲覧支援システム1は、第1および第2の文書閲覧装置とコード読取装置とを備えてなるシステム構成において、ユーザが操作する端末であるユーザ端末側ではなく、画像形成装置としてのプリンタ200において、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報のアドレスを機械可読コードにして印刷イメージの所定部分に挿入することで印刷画像を生成し、この機械可読コードが挿入された文書の印刷画像を印刷イメージとして用紙上に印刷出力する態様のものである。
【0180】
つまり、第1実施形態では、リンク先のアドレスを示すコード画像が挿入された文書の印刷イメージの形成処理を第1の文書閲覧装置側にて行なう場合について説明したが、プリンタ200に、リンク情報取得部104、コード変換部106、および機械可読コード挿入部108と同様の機能部を用意することで、プリンタ200側においてリンク先のアドレスを示すコード画像が挿入された文書の印刷イメージの形成処理を行なうこともできる。この場合、たとえば、文書データ本体(たとえばPDLデータで)と、出力対象となるリンク先のアドレス情報とをホスト側装置100側から受け入れてアドレス情報をコード化し文書本体に合成することでドキュメントDOCを生成し印刷用紙に出力する構成を採ることができる。以下、具体的に説明する。
【0181】
先ず、第2実施形態のホスト側装置100は、図示を割愛するが、第1実施形態の構成のコード変換部106および機械可読コード挿入部108を除いて、ほぼ同じ機能部が設けられる。リンク情報取得部104は、取得した印刷対象のリンク情報を印刷データと対応付けてプリンタ200に送る。
【0182】
一方、プリンタ200は、図示するように、印刷処理の中核をなすプリントエンジン部310の他に、本発明に係る文書処理装置の機能を備えている。具体的には、先ず、リンク情報のアドレスをコード化して印刷イメージの所定箇所に挿入する文書処理装置3を構成する機能部分として、閲覧対象の文書に対応した印刷データを取得する印刷データ取得部201と、印刷データ取得部201が取得した文書(具体的には文書の印刷対象範囲)の印刷画像生成指示をホスト側装置100が受け付けた際に、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報をホスト側装置100から取得するリンク情報取得部204と、リンク情報取得部204により取得されたリンク情報のアドレスに関する情報を1次元や2次元のバーコードのような機械可読コードに変換するコード変換部206と、コード変換部206により生成(変換)された機械可読コードを印刷イメージ中の所定の場所にリンク情報と対応付けて挿入することで印刷画像を生成する機械可読コード挿入部208とを備えている。機械可読コード挿入部208は、生成した印刷データをプリントエンジン部310に渡す。
【0183】
<現実的なシステム構成例;第2実施形態>
図18は、文書閲覧装置、画像形成装置、およびコード読取装置を備えてなる文書閲覧支援システムの現実的な構成例の第2実施形態を示す概略図である。また、図19は、ホスト側装置に用意されるドキュメント作成用のアプリケーションプログラム(印刷イメージを生成するプリンタドライバを含む)と、プリンタ200側に用意される描画展開処理用のアプリケーションプログラムの処理を説明する図である。
【0184】
プリンタ200は、システムバスを介してプリンタ200の各部の動作を制御するCPU(Central Processing Unit )212と、読出専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)213、随時書込みおよび読出しが可能であるとともに揮発性の記憶部の一例であるRAM(Random Access Memory)215、不揮発性の記憶部の一例であるRAM(NVRAMと記述する)216とを有している。NVRAM216には、たとえば、一時データなどを格納することができる。この場合、NVRAM216は、一時データ保存部として機能することとなる。
【0185】
また、プリンタ200は、ユーザインタフェースをなす機能部として、キーボードやマウスなどを有する指示入力部223と、操作時のガイダンス画面や処理結果などの所定の情報をユーザに提示する表示出力部224とを有する。
【0186】
また、プリンタ200は、ホストコンピュータなどのホスト側装置100との間のインタフェース機能をなすインタフェース部230と、本発明に係る画像処理装置の一実施形態である画像処理部240とを備える。
【0187】
画像処理部240は、PDLデータを解釈するインタプリタ部(PDL解釈部)250と、インタプリタ部250から受けとった解釈命令に基づいて描画展開することでビットマップデータを生成するレンダリング部(描画部)270とを有している。
【0188】
またプリンタ200は、印刷出力処理を制御する印刷制御部300と、印刷制御部300の指令に従って印刷出力処理を実行するプリントエンジン部310と、給紙部80から用紙をプリントエンジン部310に給送し排出する用紙搬送制御部320(図1の給紙部80に相当)とを備える。プリントエンジン部310とシステムバスとの間にはプリンタエンジンインタフェース部340が設けられる。
【0189】
印刷制御部300は、印刷を行なう際に、プリントエンジン部310と用紙搬送制御部320とを起動するとともに、出力単位分のビットマップデータを、プリントエンジン部310に供給する。用紙搬送制御部320は、印刷制御部300からの指示に基づいて所定の給紙トレイから用紙を取り込んでプリントエンジン部310に渡す。これと並行して、プリントエンジン部310は、プリンタエンジンインタフェース部340を介して供給されるビットマップデータ、具体的には、レンダリング部270により生成されたビットマップデータに基づいて、出力媒体としての印刷用紙上に画像を形成して出力する。
【0190】
ここで、レンダリング部270は、プリンタ200に入力された印刷データに基づいて描画展開処理を行なう一般的なレンダリング機能の他に、本実施形態特有の機能として文書処理装置3の機能部分を包含している。
【0191】
たとえば、図19に示すように、レンダリング部270は、ソフトウェアとして、文書データ本体D1に対応した印刷データに基づいて描画展開する際に、リンク情報のアドレス先を示すコード画像を生成し、文書の印刷イメージ上の所定位置に挿入するコード画像付加モジュール275を備える。コード画像付加モジュール275は、リンク情報取得部204、コード変換部206、および機械可読コード挿入部208の機能をなすものである。
【0192】
これにより、レンダリング部270は、文書の所定部分に対応付けられたリンク情報のアドレスを機械可読コードにして印刷イメージの所定部分に挿入し、機械可読コードが挿入された印刷イメージをプリントエンジン部310に渡す機能を果たすことになる。プリントエンジン部310は、レンダリング部270から受け取った、機械可読コードが挿入された文書の印刷イメージに従って用紙などの出力媒体上に印刷(画像出力)する。
【0193】
このように、リンク情報のアドレスをコード化して印刷イメージの所定箇所に挿入する機能を持つ文書処理装置3をプリンタ200側に設ける第2実施形態の構成であっても、第1実施形態と同様に、プリンタ200により出力された出力媒体上の印刷イメージ中に存在する機械可読コードをコード読取装置600で読み取り、読み取った機械可読コードの情報を可搬型文書閲覧装置500やホスト側装置100に送ることで、文書閲覧支援手段としてのホスト側装置100や可搬型文書閲覧装置500は、ハイパーリンク部のリンク先のアドレスを簡単に取得することができる。これにより、文書閲覧支援手段(ホスト側装置100や可搬型文書閲覧装置500)は、そのアドレス先の文書を、たとえばインターネット上から取得して表示することができる。
【0194】
なお、この第2実施形態の構成の場合、プリンタ200側に文書処理装置3を設けているので、ホスト側装置100側にて印刷プレビュー画像を表示し、その印刷プレビュー画像中のコード画像を読み取るということはできない。
【図面の簡単な説明】
【0195】
【図1】本発明に係る文書処理装置を備えてなる文書閲覧支援システムの基本構成例の第1実施形態を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の文書閲覧装置側で、コンピュータの機能を利用して文書処理をソフトウェア的に実現する場合のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】文書閲覧支援システムの現実的な構成例の第1実施形態を示す概略図である。
【図4】ドキュメント作成用アプリケーションプログラムの処理を説明する図である。
【図5】機械可読コードの一例を示す図である。
【図6】ホスト側装置において印刷指示を発する際のメニュー画面の一例を示す図(その1)である。
【図7】ホスト側装置において印刷指示を発する際のメニュー画面の一例を示す図(その2)である。
【図8】ホスト側装置において印刷指示を発する際のメニュー画面の一例を示す図(その3)である。
【図9】第1実施形態の構成例における処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例(その1)を説明する図である。
【図11】コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例(その2)を説明する図である。
【図12】コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例(その3)を説明する図である。
【図13】コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例(その4)を説明する図である。
【図14】コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例(その5)を説明する図である。
【図15】コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例(その6)を説明する図である。
【図16】コード画像を印刷出力する際の出力態様の具体例(その7)を説明する図である。
【図17】本発明に係る文書処理装置を備えてなる文書閲覧支援システムの基本構成例の第2実施形態を示す機能ブロック図である。
【図18】文書閲覧支援システムの現実的な構成例の第2実施形態を示す概略図である。
【図19】ホスト側装置とプリンタに用意されるアプリケーションプログラムの処理を説明する図である。
【符号の説明】
【0196】
1…文書閲覧支援システム、2…ネットワーク、3…文書処理装置、100…ホスト側装置(文書閲覧装置)、101…文書取得部、102…ユーザ指示受付部、104…リンク情報取得部、106…コード変換部、108…機械可読コード挿入部、110…データ生成部、112…文書データ生成ソフトウェア、113…文書画像生成モジュール、114…閲覧画像生成モジュール、115…コード情報付加モジュール、120…中央制御部、130…インタフェース部、140…ユーザインタフェース部、142…表示装置、144…指示入力手段、150…インタフェース部、200…プリンタ(画像出力装置)、201…印刷データ取得部、204…リンク情報取得部、206…コード変換部、208…機械可読コード挿入部、270…レンダリング部、300…印刷制御部、310…プリントエンジン部、320…用紙搬送制御部、340…プリンタエンジンインタフェース部、500…可搬型文書閲覧装置、600…コード読取装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子化された文書を閲覧するための文書閲覧装置に供される前記文書の所定の出力媒体上への出力指示があった際には、前記文書の所定部分に対応付けられたリンク情報のうち、このリンク情報に対応する機械可読コードの前記出力媒体上への出力を要するものを取得し、
この取得したリンク情報のアドレスに関する情報を機械可読コードに変換し、
この変換した機械可読コードを前記リンク情報と対応付けて前記出力媒体上の所定の場所に配置して出力し、
前記出力媒体上に出力された前記機械可読コードを読み取り、
この読み取った前記機械可読コードに基づいてリンク先のアドレスが示す文書を取得して文書閲覧装置にて閲覧可能にする
ことを特徴とする文書閲覧支援方法。
【請求項2】
電子化された文書を閲覧するための文書閲覧装置と、
前記文書に対応する画像を所定の出力媒体上に出力する画像出力装置と、
前記文書閲覧装置に供される前記文書の前記出力媒体上への出力指示があった際に、前記文書の所定部分に対応付けられたリンク情報のうち、このリンク情報に対応する機械可読コードの前記出力媒体上への出力を要するものを取得し、この取得したリンク情報のアドレスに関する情報を機械可読コードに変換し、この変換した機械可読コードを前記リンク情報と対応付けて前記出力媒体上の所定の場所に配置されるように出力画像を生成する文書処理装置と、
前記出力媒体上に出力された前記機械可読コードを読み取るコード読取装置とを備え、
前記コード読取装置が読み取った前記機械可読コードに基づいてリンク先のアドレスが示す文書を取得して前記文書閲覧装置にて閲覧可能にする
ことを特徴とする文書閲覧支援システム。
【請求項3】
電子化された文書を閲覧するための文書閲覧装置に供される前記文書に対応する出力画像を所定の出力媒体上に出力させる機能を備えた文書処理装置であって、
前記文書の前記出力媒体上への出力指示があった際に、前記文書の所定部分に対応付けられたリンク情報であって、このリンク情報に対応する機械可読コードの前記出力媒体上への出力を要するものを取得するリンク情報取得部と、
前記リンク情報取得部により取得されたリンク情報のアドレスに関する情報を機械可読コードに変換するコード変換部と、
前記コード変換部により生成された前記機械可読コードを前記リンク情報と対応付けて前記出力媒体上の所定の場所に配置されるように出力画像を生成する機械可読コード挿入部と
を備えたことを特徴とする文書処理装置。
【請求項4】
電子化された文書を閲覧するための文書閲覧装置に供される前記文書に対応する出力画像を所定の出力媒体上に出力させる処理をコンピュータを用いて行なうためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記文書の前記出力媒体上への出力指示があった際に、前記文書の所定部分に対応付けられたリンク情報であって、このリンク情報に対応する機械可読コードの前記出力媒体上への出力を要するものを取得するリンク情報取得部と、
前記リンク情報取得部により取得されたリンク情報のアドレスに関する情報を機械可読コードに変換するコード変換部と、
前記コード変換部により生成された前記機械可読コードを前記リンク情報と対応付けて前記出力媒体上の所定の場所に配置されるように出力画像を生成する機械可読コード挿入部と
して機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−148486(P2007−148486A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338195(P2005−338195)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】