説明

文献情報からの研究分野間知識管理装置、方法、プログラム及び記録媒体

【課題】研究分野における論文や研究者のネットワークに注目して、統合的な情報をユーザに支援する研究は行われているが、研究分野に注目し分野を超えて俯瞰図的さらに部分的な各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、統合的にユーザに提供することはできなかった。
【解決手段】複数ユーザから入力される構造知識とそれに付随する定義知識、それらをフィルタリングした情報から、ウインドウ比較表示、階層化構造表示、ネットワーク分析情報表示、差分グラフ表示、エゴセントリックネットワーク表示、クリーク表示などの各表示装置を利用することで得られる俯瞰図的な構造知識、部分的構造知識、時系列的構造知識を複数人により構築し共有することで比較を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知識管理装置に関し、詳しくは、管理された知識構造から、ユーザの欲しい情報を条件入力による制約情報の獲得などのインタラクションによりフィルタリングを行い、得られた知識を定義知識を用いて研究分野を中心とした構造化(ノードとエッジから構成されるグラフ構造など)にすることで視覚化を行い、単に情報の統合だけでは見えてこなかった俯瞰図的な構造知識、部分的構造知識、時系列的構造知識を獲得する知識管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年ユビキタス・ロボット・ネットワーク社会など、社会がますます高度化、複雑化、多様化してきた。このような環境のなかで、各分野の研究も細分化され、それぞれの分野に分割されて研究が行われている。最近では、細分化されたこれらの研究を統合する目的で、各分野の知見を有機的に結合するグローバルな横断型科学技術が注目されている。
【0003】
従来、論文や研究者のネットワークに注目して、これらの情報をユーザに支援する研究は行われているが、研究分野に注目し、分野を超えて俯瞰図的に各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、統合的にユーザに提供することは行われていなかった。そのため関連の深い学会間の違いや、同じ会議の毎年の状況や変遷、研究分野間の協力関係、研究分野を中心とした他分野との関連性などの把握を行うことが難しかった。
【0004】
ここで、従来の知識管理装置には、Web情報の情報から関係ネットワークの抽出を目指したものや、研究者間情報の視覚化を行った研究がある(例えば、非特許文献1参照)。しかしこれらは、人間関係のネットワーク抽出を目指したものであり、本発明で目指す俯瞰図的な構造知識、部分的構造知識、時系列的構造知識獲得には限界がある。
【0005】
【非特許文献1】松尾豊,友部博教,橋田浩一,中島秀之,石塚満:Web上の情報からの人間関係ネットワークの抽出,人工知能学会誌,Vol.20,No.1E,pp.46−56,2005
【0006】
また、論文間の参照情報を考慮した関係論文の組織化を行った研究がある(例えば、非特許文献2参照)。しかしこれらの研究は論文間の参照関係の把握が目的であり、論文データから得られる研究分野などを軸にした構造化情報の獲得はできない。
【0007】
【非特許文献2】難波英嗣,奥村学:論文間の参照情報を考慮したサーベイ論文作成支援システムの開発,自然言語処理,Vol.6,No.5,pp.43−62,1999
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような従来の知識管理装置等は、例えば、論文間の参照関係を用いて、関連論文を組織化することを行っている。これらの研究は参照・非参照関係や論文の文書間の類似性に着目して対象の論文に対する関連論文を探索することが大きな目的のひとつであり、本発明の着眼点であるマクロの視点からのマイニングを行うことはできない。
【0009】
さらに、研究者間の人間関係を論文の情報を利用して、組織化する従来の知識管理装置等は、論文情報を利用して研究者間のコミュニティを探索することを目的としており、そこにマクロな視点からの情報獲得と、各研究者を単位としたミクロの視点からの研究のコミュニティを捉えることを目的としている。しかし、研究分野における概念は扱うことはできない。
【0010】
我々は先行研究として「相互作用研究の領域横断的関係を探る」と題して計測自動制御学会誌「計測と制御」特集号解説12月号に、また、「文献情報に基づく分野間ネットワーク分析」と題して、第20回人工知能学会全国大会論文集に、相互作用研究に特化して研究分野をノード、各文献に関連する研究分野間をエッジで結ぶネットワークを作成した調査として、その調査結果を報告している(非特許文献3、4参照)。しかし、これらの研究は、集めた文献により、ネットワークを構築し、視覚化したのみであり、複数グラフ間の比較や、階層構造的情報をもつ研究分野、複数の視点からの複数グラフ間の比較、完全グラフの表示などの有効な調査方法を持たなかった。
【0011】
【非特許文献3】片上大輔,小山友介:相互作用研究の領域横断的関係を探る,計測自動制御学会誌,Vol.44,No.12,pp.825−830,(2005)
【非特許文献4】片上大輔,田中貴紘,新田克己,高玉圭樹:文献情報に基づく分野間ネットワーク分析,第20回人工知能学会全国大会(JSAI2006),3G1−4,(2006).
【0012】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みてなされたものであり、研究分野に注目し、文献情報を利用することで俯瞰図的視点かつ部分的視点に基づいた各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、主に複数グラフ間の比較手段、階層構造情報での表示手段、2つのグラフの違いを表示する差分グラフ表示手段、複数の視点からの統一的比較手段、完全グラフ表示手段などを統合的に利用することで、従来不可能であった各種構造化情報を、ユーザの意図に応じて情報を提供することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る知識管理装置は、研究分野に注目し、分野を超えて俯瞰図的に各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、統合的にユーザに提供する知識管理装置である。この知識管理装置は、上述のような実情に鑑み、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力手段と、得られた知識から加工された各定義知識を作成する定義知識作成手段と、入力された各定義知識を蓄える定義知識記憶手段と、入力される知識から得られた各種定義知識を記録する定義知識記録手段と、蓄えられた知識をフィルタリングするフィルタリング手段と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録手段と、フィルタリングされた知識から構造化された情報を解析するネットワーク解析手段と、グラフモデルを用いて比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク表示、完全グラフを表示するクリーク表示などの視覚化を行うための表示手段と、フィルタリングや表示の条件や設定を入力するための操作情報を獲得する操作情報獲得手段とを備える。
【0014】
このような構成を備える知識管理装置は、知識入力手段によりユーザから研究に関連する情報を獲得し、定義知識作成手段により、定義知識、制約知識、カテゴリ知識、入力者知識、年代知識などの各定義知識を作成し、それらを定義知識記憶手段において記憶する。操作手段において、ユーザの関心を反映した条件情報を獲得する。前述の定義知識をフィルタリング手段において、操作手段より得られた条件情報によりフィルタリングを行う。フィルタリングされた定義知識はグラフモデル手段、ネットワーク解析手段に渡され、記録されたグラフモデルにより各種ネットワーク構造化される。またネットワーク解析手段により構築されたネットワークの解析データを計算する。制約手段において、操作手段により得られた条件から制約情報が作成され、表示手段に渡される。表示手段では、ネットワーク解析手段により得られたデータとグラフモデル記録手段により得られたグラフモデル、そして制約手段により得られた条件情報をもとに各ネットワークや各種解析情報を画面上に表示する。ユーザの操作情報の入力と、ユーザへの情報表示の繰り返しにより、ユーザの求める統合情報を提供することができる。
【0015】
また、本発明に係る知識管理方法は、上述のような実情に鑑み、知識管理装置が知識入力工程によりユーザからの知識入力情報を獲得し、定義知識作成工程が定義知識を作成し、定義知識記憶工程において各種定義知識を記録し、操作工程により得られた条件情報と定義知識を用いてフィルタリング工程においてフィルタリングを行い、得られた知識よりグラフモデル記憶工程によりグラフ化を行い、ネットワーク解析工程により解析データを算出し、制約工程により得られた条件とグラフ情報をもとに表示工程により比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク表示、完全グラフを表示するクリーク表示などの表示を行いユーザに出力する。このプログラムの実行により、知識管理方法は、各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、複数グラフ間の比較、階層構造情報での表示、複数の視点からの統一的比較などを統合的に利用することで、統合的にユーザに提供する。
【0016】
また、本発明に係る知識管理プログラムは、上述のような実情に鑑み、知識管理装置が知識入力工程によりユーザからの知識入力情報を獲得し、定義知識作成工程が定義知識を作成し、定義知識記憶工程において各種定義知識を記録し、操作工程により得られた条件情報と定義知識を用いてフィルタリング工程においてフィルタリングを行い、得られた知識よりグラフモデル記憶工程によりグラフ化を行い、ネットワーク解析工程により解析データを算出し、制約工程により得られた条件とグラフ情報をもとに表示工程により比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク表示、完全グラフを表示するクリーク表示などの表示を行いユーザに出力する。このプログラムの実行により、知識管理プログラムは、各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、複数グラフ間の比較、階層構造情報での表示、複数の視点からの統一的比較などを統合的に利用することで、統合的にユーザに提供する。
【0017】
上述のような実情に鑑み、知識管理記録媒体が知識入力工程によりユーザからの知識入力情報を獲得し、定義知識作成工程が定義知識を作成し、定義知識記憶工程において各種定義知識を記録し、操作工程により得られた条件情報と定義知識を用いてフィルタリング工程においてフィルタリングを行い、得られた知識よりグラフモデル記憶工程によりグラフ化を行い、ネットワーク解析工程により解析データを算出し、制約工程により得られた条件とグラフ情報をもとに表示工程により比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク表示、完全グラフを表示するクリーク表示などの表示を行いユーザに出力する。この知識管理記録媒体に記録されているプログラムの実行により、各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、複数グラフ間の比較、階層構造情報での表示、複数の視点からの統一的比較などを統合的に利用することで、統合的にユーザに提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る知識管理装置は、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力工程と、得られた知識から加工された各定義知識を作成する定義知識作成工程と、入力された各定義知識を蓄える定義知識記憶工程と、入力される知識から得られた各種定義知識を記録する定義知識記録工程と、蓄えられた知識をフィルタリングするフィルタリング工程と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録工程と、フィルタリングされた知識から構造化された情報を解析するネットワーク解析工程と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示工程と、フィルタリングや表示の条件や設定を入力するための操作情報を獲得する操作情報獲得工程を有しており、この知識管理装置により、知識管理装置は各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、複数グラフ間の比較、階層構造情報での表示、複数の視点からの統一的比較などを統合的に利用することで、統合的にユーザに提供することができる。
【0019】
本発明に係る知識管理方法は、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力工程と、得られた知識から加工された各定義知識を作成する定義知識作成工程と、入力された各定義知識を蓄える定義知識記憶工程と、入力される知識から得られた各種定義知識を記録する定義知識記録工程と、蓄えられた知識をフィルタリングするフィルタリング工程と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録工程と、フィルタリングされた知識から構造化された情報を解析するネットワーク解析工程と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示工程と、フィルタリングや表示の条件や設定を入力するための操作情報を獲得する操作情報獲得工程を有しており、この知識管理方法により、知識管理装置は各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、複数グラフ間の比較、階層構造情報での表示、複数の視点からの統一的比較などを統合的に利用することで、統合的にユーザに提供することができる。
【0020】
また、本発明に係る知識管理プログラムは、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力工程と、得られた知識から加工された各定義知識を作成する定義知識作成工程と、入力された各定義知識を蓄える定義知識記憶工程と、入力される知識から得られた各種定義知識を記録する定義知識記録工程と、蓄えられた知識をフィルタリングするフィルタリング工程と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録工程と、フィルタリングされた知識から構造化された情報を解析するネットワーク解析工程と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示工程と、フィルタリングや表示の条件や設定を入力するための操作情報を獲得する操作情報獲得工程を実行させるものであって、このような知識管理プログラムの実行により、知識管理装置は各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、複数グラフ間の比較、階層構造情報での表示、複数の視点からの統一的比較などを統合的に利用することで、統合的にユーザに提供することができる。
【0021】
また、本発明に係る知識管理記録媒体は、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力工程と、得られた知識から加工された各定義知識を作成する定義知識作成工程と、入力された各定義知識を蓄える定義知識記憶工程と、入力される知識から得られた各種定義知識を記録する定義知識記録工程と、蓄えられた知識をフィルタリングするフィルタリング工程と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録工程と、フィルタリングされた知識から構造化された情報を解析するネットワーク解析工程と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示工程と、フィルタリングや表示の条件や設定を入力するための操作情報を獲得する操作情報獲得工程を知識管理記録媒体に実行させるためのプログラムが記録されており、この知識管理記録媒体に記録されているプログラムの実行により、知識管理装置は各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、複数グラフ間の比較、階層構造情報での表示、複数の視点からの統一的比較などを統合的に利用することで、統合的にユーザに提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。この実施の形態は、本発明を、ユーザから入力されるコンピュータサイエンスと経済学の研究の文献情報をもとに知識構造化を行いユーザへの統合情報の提供支援方法に適用したものである。
【0023】
図1に示すように、知識管理装置1は、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力部2と、得られた知識から加工された各定義知識を作成する定義知識作成部3と、入力された各定義知識を蓄える定義知識記憶部4と、フィルタリングや表示の条件や設定を入力するための操作情報を獲得する操作情報獲得部5と、蓄えられた知識をフィルタリングするフィルタリング部6と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録部7と、フィルタリングされた知識から構造化された情報を解析するネットワーク解析部8と、操作情報に制約条件をかける制約部9と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示部10とを備えている。
【0024】
このような構成において、定義知識記憶部4は、定義知識を記憶するものとして機能し、定義知識部11、制約定義知識部12、カテゴリ定義知識部13、入力者定義知識部14等からなる。
【0025】
知識管理装置1はこのような構成により、ユーザからの文献情報の入力内容に応じて、情報の知識構造化、ネットワーク分析情報をユーザに提供し、ネットワーク論的な視点から文献情報間の関連に応じて進化する情報が示す時間の流れの中での新しい知見を得るための支援を行う。以下、知識管理装置1を構成する上述の各構成部の詳細について説明する。
【0026】
知識入力部2は、知識管理装置1が文献の情報を収集する部分として構成されている。知識入力部2は、ユーザから入力される文献情報を獲得し、得られた情報を知識情報として定義知識作成部3に出力する。例えば、知識情報は文献のタイトル、著者名、雑誌名や会議名、年代、アブストラクト、入力者、その文献が関連するキーワードや研究分野などとする。知識情報は、これに限られるものではなく、文献や、ユーザが行いたい制約に関連する情報をすべて含むものとする。
【0027】
定義知識作成部3は、知識管理装置1が知識入力部2から入力された知識情報をもとに各種定義知識を作成する部分として構成されている。各定義知識はXMLで作成される。これはXMLに限られるものではなく、リレーショナルデータベース、テキスト情報などすべて含むものとする。作成された情報を各種定義知識として定義知識記憶部4に出力する。
【0028】
定義知識記憶部4は、知識管理装置1が定義知識作成部3から得られた各種定義知識を、定義知識部11、制約定義知識部12、カテゴリ定義知識部13、入力者定義知識部14などから構成される記憶部に各種定義知識を記憶する部分として構成されている。これらの知識は定義知識としてフィルタリング部6に出力する。
【0029】
定義知識部11は、文献に関連する主要な情報を記憶する場所として構成されている。主要な情報としては、文献のタイトル、著者名、雑誌名や会議名、年代、アブストラクト、関連キーワードなど、文献を特定する情報すべてを含むものとする。
【0030】
制約定義知識部12は、文献表示の制約に関連する主要な情報を記憶する場所として構成されている。文献表示の制約に関連する主要な情報としては、関連キーワードやユーザ定義の文献間の関連性など、ユーザへの表示の制約に関連する情報すべてを含むものとする。
【0031】
カテゴリ定義知識部13は、文献の関連するカテゴリに関連する主要な情報を記憶する場所として構成されている。カテゴリ知識は、文献の所属する研究分野を表す情報であり、知識入力部から入力された情報に基づいて定義知識作成部で作られるものでも、既存のリストを利用するものでもかまわないものとする。
【0032】
入力者定義知識部14は、文献を入力した入力者に関連する主要な情報である入力者知識を記憶する場所として構成されている。入力者知識は入力者に関連する情報であり、氏名、性別、年齢、所属、国籍などを記録するものとする。
【0033】
操作部5は、ユーザの欲しい情報を獲得するためのユーザの意図を条件情報としてインタフェースにより獲得する場所として構成されている。条件情報としては、定義知識記憶部4に記録される各種定義知識に応じて設定されるものであり、各定義知識の利用の有無を選択方式にて選ぶものである。インタフェースより得られた条件情報は、フィルタリングのための条件情報と、表示制約のための条件情報にわけられ、それぞれフィルタリング部6、制約部9に出力される。
【0034】
フィルタリング部6は、知識管理装置1が定義知識記憶部4から得られる各種定義知識と、操作部5から得られる条件知識をもとに各ユーザへ必要な情報を提供するためにフィルタリングをかけるように構成されている。フィルタリングされた情報を定義知識としてグラフモデル記録部7とネットワーク解析部8に出力する。フィルタリング方法としては、例えば全ての定義知識集合をIとすると、制約定義知識集合をIw、カテゴリ定義知識集合をIx、入力者定義知識集合をIy、年代定義知識集合をIzとす

文献を定義知識としてグラフモデル記録部7とネットワーク解析部8に出力する。フィルタリング方法は、これに限られるものではなく、定義知識記憶部4に蓄えられた知識と操作部5から得られた条件によって行われるフィルタリング手法はすべてフィルタリング方法として含まれるものとする。
【0035】
グラフモデル記録部7は、フィルタリング部6から得られた定義知識を元に知識構造化する場所として構成されている。グラフ表示の方法としては、既存の手法である、Kamada,Kawaiのモデルなどにより表示を行う。グラフ表示手法は、これに限られるものではなく、例えばJavaのDevelopment KitのGraph Layout、JUNGなどグラフ表示を行う手法はすべて含まれるものとする。得られたグラフはネットワーク解析部8と表示部10に出力される。
【0036】
ネットワーク解析部8は、フィルタリング部6から得られた定義知識とグラフモデル記録部7から得られたグラフ知識を元に分析手法を用いて解析を行う場所として構成されている。分析手法としては、ネットワーク分析手法を用いる。例えば、グラフ構造より得られたソシオグラムから、出次数、入次数、ネットワーク密度、クリーク、中心性、など各指標により、得られたネットワークの特徴を分析する。なお、上記においては、分析手法としてネットワーク分析法を用いたが、これに限られるものではなく、グラフ構造の特徴を算出できる情報であれば、全て分析手法として含まれるものとする。これにより得られたグラフ構造の特徴を解析データとして表示部10に出力する。
【0037】
制約部9は、操作部5から得られた条件入力情報をもとにユーザの制約を作成する場所として構成されている。操作部5から得られた条件情報をもとに、ウインドウ比較表示、階層化構造表示、差分グラフ表示、エゴセントリックネットワーク表示、クリーク表示などの各視覚化方法に必要な制約情報を作成し表示部10に出力する。
【0038】
表示部10は、ネットワーク解析部8から得られた解析データとグラフモデル記録部7から得られたグラフ情報、制約部9から得られた制約情報をもとにグラフ表示を行う場所として構成されている。ユーザの意図に応じて制約部9から異なった制約情報が得られるので、その都度表示を行うものとする。グラフ構造の表示の方法としては、文献情報15から研究分野16をノードとし、各文献に関連する研究分野間の関係をエッジ17とした知識構造化されたネットワークグラフ表示(図3)、比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示(図4上段)、任意の2つのネットワークの違いを強調比較する差分グラフ表示(図4下段)、選択ノードを中心に表示するエゴセントリックネットワーク表示(図5)、階層的構造グラフのための階層表示(図6)、完全グラフを表示するクリーク表示などを行う。得られた表示情報をディスプレイに表示し、ユーザに提供する。
【0039】
表示部10におけるネットワークグラフ表示は、図3の文献情報15から一般的にはキーワードなどで示される研究分野の中から、その文献内容を示す主題分野と、関連内容を示す関連分野を確定し、あらかじめ決められた研究分野16をノードとし、各主題分野と関連分野間の関係をエッジ17とした知識構造化されたネットワークグラフ情報の表示を行う。ここで、グラフ表示においては有向グラフであるか、無向グラフであるかはどちらでもよいものとする。
【0040】
表示部10における比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示は、図4の上段のように2つ以上のネットワークグラフ情報19の表示を行うことにより比較を可能とする。
【0041】
表示部10における任意の2つのネットワークの違いを強調比較する差分グラフ表示は、図4の21のように、18の2つの前記知識構造化されたネットワークグラフ情報から、その差異を表示するグラフであり、グラフ間の違いをその関係性の有無や程度に応じて、色や線種によって表示する。たとえば、両方のグラフにて関係性があり左のグラフが強い場合は、その程度に応じた太さで19のような実践で表示し、関係性があり右のグラフの方が関係が強い場合は、20のように点線で表示する。
【0042】
表示部10における選択ノードを中心に表示するエゴセントリックネットワーク表示は、図5のネットワークグラフ情報22のように、あるノードを中心としてネットワークを構築する。たとえば、23のノードを中心とした場合、23の研究分野に関連するノードのみを表示し、その関係性を複数のウインドウにて比較を行う。
【0043】
表示部10における階層的構造グラフのための階層表示は、図6のネットワークグラフ情報24のように、すでに階層的構造を持つ文献情報(例えば、経済学分野では、JEL(Jornal of Economic Literature Classification System)CODE)という、すでに階層化された研究分野を示すコードがあり、論文投稿の際などにこれらのコードを利用する)の表現として、階層化された各階層の分野関係をグラフにて表示することを行う。
【0044】
表示部10における完全グラフを表示するクリーク表示は、研究分野関係における新しい大分類を構成する集合を視覚的に発見するために、たとえば図7のネットワークグラフ情報25のような知識構造化情報から、26のように完全グラフを抽出しネットワークを構築する。
【0045】
以上のように、知識管理装置1は、知識入力部2と、定義知識作成部3と、定義知識記憶部4と、操作部5と、フィルタリング部6と、グラフモデル記録部7と、ネットワーク解析部8と、制約部9と、表示部10より構成されている。
【0046】
次に本発明に係る知識管理装置1の動作について、図2を用いて詳しく説明する。知識管理装置1は、文献に関連する情報を収集する際に、ステップST1で知識入力部2によりユーザから入力される文献知識を獲得する。得られた知識をもとにステップST2で定義知識作成部3により、定義知識を作成しまとめて定義知識記憶部4に出力する。ステップST3では、定義知識記憶部3において、得られた定義知識をフィルタリングのために各種知識にわけて記憶する。ステップST4では、操作部5において、ユーザからユーザの意図を反映する知識のフィルタリングに関連する条件情報と、表示のための制約に関連する条件情報を獲得する。それらをフィルタリング部6と制約部9にそれぞれ出力する。ステップST5では、フィルタリング部6において、定義知識記憶部4にて得られた定義知識と、操作部5にて得られた条件情報により、ユーザに必要な情報を表示するためのフィルタリングを行う。フィルタリングされた定義知識をグラフモデル記録部7とネットワーク解析部8に出力する。ステップST6では、制約部9にて操作部5より得られた条件情報を制約に関連する情報に変換し制約情報として表示部10に出力する。ステップST7では、グラフモデル記憶部7にて、フィルタリング部6から得られた定義知識情報と記録されたグラフモデルをもとに、知識構造化を行う。得られた知識構造化情報をネットワーク解析部8および表示部10に出力する。ステップST8では、ネットワーク解析部8において、フィルタリング部6から得られた定義知識情報と、グラフモデル記録部7から得られた知識構造化情報を利用して、記録されたネットワーク分析手法により、解析を行う。得られた会席情報を表示部10に出力する。ステップST9では、表示部10にて、グラフモデル記録部7と制約部9より得られた知識構造化情報とネットワーク解析部8より得られた解析データをもとに各種情報をディスプレイに出力する。ステップST10にて、ユーザが欲しい情報が得られた場合は終了し、得られなかった場合はステップST4に戻り、操作部5にて、さらに必要な操作情報を追加/修正入力し、必要な情報が得られるまで手続きを繰り返す。
【0047】
これにより、知識管理装置1は各分野の構成の状況や、各研究分野間の関係、時系列的な構成の状況を、統合的にユーザに提供することができる。
【0048】
また、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の知識管理装置の要部を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の知識管理装置1の要部の動作を示したフローチャートである。
【図3】文献情報からの知識構造化情報を示した図である。
【図4】ウインドウ比較表示と差分グラフを示した図である。
【図5】あるノードを中心としたエゴセントリックグラフ(部分グラフ)を示した図である。
【図6】階層構造化情報を示した図である。
【図7】クリーク表示情報を示した図である。
【符号の説明】
1 知識管理装置、 2 知識入力部、 3 定義知識作成部、 4 定義知識記憶部、 5 操作部 6 フィルタリング部、 7 グラフモデル記録部、 8 ネットワーク解析部、 9 制約部、 10 表示部、 11 定義知識、 12 制約定義知識、 13 カテゴリ定義知識部、 14 入力者定義知識、 15 文献情報、 16 研究分野、 17 研究分野間の関係、 18 文献情報集合の知識構造化情報、 19 複数の知識構造化情報間の同じノード間に関する正の差分を表す形態、 20 複数の知識構造化情報間の同じノード間に関する負の差分を表す形態、 21 複数の知識構造化情報間により得られた差分知識構造化情報、 22 ある指定した研究分野を中心とした部分知識構造化情報、 23 指定された研究分野、 24 階層構造化情報をもつ知識構造化情報の表示、 25 知識構造化情報、 26 クリーク表示情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ユーザから入力される構造知識とそれに付随する関連知識を統合することで得られる定義知識、およびユーザからの表示制約に関する知識を入力とし、蓄えられた定義知識とグラフモデルから、複数ユーザから入力された表示制約を満たした知識構造化を行い、かつ、比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク(次ノードを中心としたネットワーク)表示、完全グラフを表示するクリーク(完全グラフ(complete graph)を含み、かつ密度の高い部分ネットワーク)表示などの視覚化方法を備え、さらに得られた知識構造化情報からネットワーク分析を行い得られた分析情報をユーザへ提供することで得られる俯瞰図的な構造知識、部分的構造知識、時系列的構造知識を複数人により構築し共有することを目的とした知識管理装置であって、知識管理装置が、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力手段と、得られた知識から各定義知識を作成する定義知識作成手段と、各定義知識を蓄える定義知識記憶手段と、蓄えられた知識をユーザより得られた表示制約や設定を入力するための操作情報に基づきフィルタリングするフィルタリング手段と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録手段と、フィルタリングされた知識から知識構造化された情報を解析するネットワーク解析手段と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示手段と、フィルタリングのための操作情報を獲得する操作情報獲得手段とを備えたことを特徴とする知識管理装置。
【請求項2】
前記、定義知識作成手段は、知識入力手段から得られた知識に基づいて、フィルタリングと視覚化に用いるための、タイトル、著者名、カンファレンス名、ページ数、その他各文献に付随する情報を定義した定義知識、関連キーワード、ユーザ定義の文献間の関連性、その他ユーザへの表示の制約に関連する情報を定義した制約定義知識、文献の所属する研究分野の情報を定義したカテゴリ定義知識、文献を入力した入力者に関連する主要な情報を定義した入力者定義知識、文献の出版された年代に関連する主要な情報を定義した年代定義知識、その他文献に付随しフィルタリングに利用可能な知識を含む各定義知識を作成し、前記定義知識記憶手段に記録することを特徴とする請求項1記載の知識管理装置。
【請求項3】
前記フィルタリング手段は、前記定義知識記憶手段の各定義知識から得られる、全ての定義知識集合、すなわち制約定義知識集合、カテゴリ定義知識集合、入力者定義知識集合、年代定義知識集合のうち、操作情報より得られた制約に属し、操作情報より得られたカテゴリに属し、操作情報より得られた入力者に対応する文献を抽出することを特徴とする請求項1記載の知識管理装置。
【請求項4】
前記ネットワーク解析手段は、前記グラフモデル記録手段により得られた知識構造化されたネットワークを解析するための手段を持ち、前記フィルタリング手段を通して得られる定義知識と、前記グラフモデル記録手段が作成する知識構造化されたネットワークを入力とし、ノード情報、エッジ情報、階層構造を持つネットワークに関連する情報、部分グラフに関連する情報、完全グラフに関連する情報、その他知識構造化情報に関連する情報の各種ネットワーク解析手段を用いて解析情報を算出することを特徴とする請求項1記載の知識管理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記制約手段から得られる制約情報と、前記ネットワーク解析手段の結果から得られる解析データに応じて、ノード情報、エッジ情報への反映、階層構造を持つネットワークの階層表示、選択ノードに応じたローカルな視点からの部分グラフ表示、複数のグラフの同時比較、任意の二つのグラフの差分グラフ表示、完全グラフ表示、その他前記ネットワーク解析手段における解析データを表示する機能を特徴とする請求項1記載の知識管理装置。
【請求項6】
前記差分構造表示は、文献知識から得られた定義知識に基づき、研究分野をノードとし、各文献に関連する複数の研究分野間にエッジを張ることで得られる2つの知識構造化情報に関する違いを、ノードの近さ、大きさ、エッジの種類、エッジの太さ、エッジの色、エッジの方向などで表現した知識構造化情報に関する表示情報。
【請求項7】
前記エゴセントリック構造表示は、文献知識から得られた定義知識に基づき、研究分野をノードとし、各文献に関連する複数の研究分野間にエッジを張ることで得られる、同じノードを中心とした2つの知識構造化情報に関する違いを、ノードの大きさ、ノードの近さ、エッジの種類、エッジの太さ、エッジの色、エッジの方向などで表現した知識構造化情報に関する表示情報。
【請求項8】
前記階層化構造表示は、文献知識から得られた定義知識に基づき、階層的構造をもつ研究分野をノードとし、各階層ごとに各文献に関連する複数の研究分野間にエッジを張ることで得られる、知識構造化情報に関して、ノードの大きさ、ノードの近さ、エッジの種類、エッジの太さ、エッジの色、エッジの方向などで表現した知識構造化情報に関する表示情報。
【請求項9】
前記クリーク表示は、文献知識から得られた定義知識に基づき、研究分野をノードとし、各文献に関連する複数の研究分野間にエッジを張ることで得られる知識構造化情報から抽出した完全グラフを表現した知識構造化情報に関する表示情報。
【請求項10】
複数ユーザから入力される構造知識とそれに付随する関連知識を統合することで得られる定義知識、およびユーザからの表示制約に関する知識を入力とし、蓄えられた定義知識とグラフモデルから、複数ユーザから入力された表示制約を満たした知識構造化を行い、かつ、比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク(次ノードを中心としたネットワーク)表示、完全グラフを表示するクリーク(完全グラフ(complete graph)を含み、かつ密度の高い部分ネットワーク)表示などの視覚化方法を備え、さらに得られた知識構造化情報からネットワーク分析を行い得られた分析情報をユーザへ提供することで得られる俯瞰図的な構造知識、部分的構造知識、時系列的構造知識を複数人により構築し共有することを目的とした知識管理方法であって、知識管理方法が、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力手段と、得られた知識から各定義知識を作成する定義知識作成手段と、各定義知識を蓄える定義知識記憶手段と、蓄えられた知識をユーザより得られた表示制約や設定を入力するための操作情報に基づきフィルタリングするフィルタリング手段と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録手段と、フィルタリングされた知識から知識構造化された情報を解析するネットワーク解析手段と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示手段と、フィルタリングのための操作情報を獲得する操作情報獲得手段とを備えたことを特徴とする知識管理方法。
【請求項11】
複数ユーザから入力される構造知識とそれに付随する関連知識を統合することで得られる定義知識、およびユーザからの表示制約に関する知識を入力とし、蓄えられた定義知識とグラフモデルから、複数ユーザから入力された表示制約を満たした知識構造化を行い、かつ、比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク(次ノードを中心としたネットワーク)表示、完全グラフを表示するクリーク(完全グラフ(complete graph)を含み、かつ密度の高い部分ネットワーク)表示などの視覚化方法を備え、さらに得られた知識構造化情報からネットワーク分析を行い得られた分析情報をユーザへ提供することで得られる俯瞰図的な構造知識、部分的構造知識、時系列的構造知識を複数人により構築し共有することを目的とした知識管理プログラムであって、知識管理プログラムが、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力手段と、得られた知識から各定義知識を作成する定義知識作成手段と、各定義知識を蓄える定義知識記憶手段と、蓄えられた知識をユーザより得られた表示制約や設定を入力するための操作情報に基づきフィルタリングするフィルタリング手段と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録手段と、フィルタリングされた知識から知識構造化された情報を解析するネットワーク解析手段と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示手段と、フィルタリングのための操作情報を獲得する操作情報獲得手段とを備えたことを特徴とする知識管理プログラム。
【請求項12】
複数ユーザから入力される構造知識とそれに付随する関連知識を統合することで得られる定義知識、およびユーザからの表示制約に関する知識を入力とし、蓄えられた定義知識とグラフモデルから、複数ユーザから入力された表示制約を満たした知識構造化を行い、かつ、比較のための2つ以上の視覚化情報を同時に比較するためのウインドウ比較表示および、階層化された知識構造化情報を表示するための階層化構造表示、2つのグラフの違いを定義知識をもとに視覚化情報で表示する差分グラフ表示、あるノードを中心とするウインドウ比較表示を用いたエゴセントリックネットワーク(次ノードを中心としたネットワーク)表示、完全グラフを表示するクリーク(完全グラフ(complete graph)を含み、かつ密度の高い部分ネットワーク)表示などの視覚化方法を備え、さらに得られた知識構造化情報からネットワーク分析を行い得られた分析情報をユーザへ提供することで得られる俯瞰図的な構造知識、部分的構造知識、時系列的構造知識を複数人により構築し共有することを目的とした知識管理記録媒体であって、知識管理記録媒体が、ユーザからの知識入力を獲得する知識入力手段と、得られた知識から各定義知識を作成する定義知識作成手段と、各定義知識を蓄える定義知識記憶手段と、蓄えられた知識をユーザより得られた表示制約や設定を入力するための操作情報に基づきフィルタリングするフィルタリング手段と、フィルタリングされた知識を知識構造化するためのモデルを記録したグラフモデル記録手段と、フィルタリングされた知識から知識構造化された情報を解析するネットワーク解析手段と、グラフモデルを用いて視覚化するための表示手段と、フィルタリングのための操作情報を獲得する操作情報獲得手段とを備えたことを特徴とする知識管理記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−152739(P2008−152739A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−357218(P2006−357218)
【出願日】平成18年12月13日(2006.12.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】