説明

料金収受システムおよびサーバ

【課題】環境への負荷や道路への負荷や道路利用時の安全性を考慮した料金の課金を実現する。
【解決手段】実施形態の料金収受システムは、計測手段と、記憶手段と、判定手段と、算出手段と、実行手段と、を備える。前記計測手段は、有料道路を利用する車両の重量を計測する。前記記憶手段は、前記車両が過積載であると判定する重量の閾値を記憶する。前記判定手段は、前記計測手段によって計測された重量と前記記憶手段に記憶された重量の閾値とを比較して、前記車両の過積載状態を判定する。前記算出手段は、前記車両に課金する道路利用料金を算出する。前記実行手段は、前記判定手段によって前記車両が過積載ではないと判定された場合を必要条件として、前記算出手段により算出された前記道路利用料金に対して所定の割引処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、料金収受システムおよびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
高速道路などの有料道路の道路利用者に対する道路利用料金の課金は、快適な道路利用の機会を提供するための保全・整備費用の確保、安全な道路利用の機会を提供するための危険行為の抑止、および環境への影響を考慮した環境負荷の低減の3つの目的を踏まえた上で行われる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−224630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の有料道路においては、走行する車両の車種と利用区間(走行距離)とに応じて道路利用料金の課金が行われており、走行する車両の車体そのものの重量や積載量などの道路への荷重が、路面、橋脚、基礎の状態に与える影響は考慮されずに、道路利用者に対する道路利用料金の課金が行われている。
【0005】
また、有料道路を走行する車両の車種と走行距離に応じて道路利用料金の課金を行う方法では、走行する車両の荷重が与える環境への負荷も道路利用料金に反映されていない。例えば、車両の重量や積載量が大きくなると、エンジンが排出するガスの量が相対的に増加するが、従来は、車両の重量や積載量は考慮されず、車種と走行距離とから道路利用料金が算出されていたため、環境への負荷を考慮した道路利用料金の課金が行われていない。
【0006】
このように、現状では、道路利用料金が車両の車種と走行距離とから算出されているため、車両の重量や積載量による道路の保全・整備費用の確保、および荷重、車両の重量や積載量による環境への負荷を踏まえて、道路利用料金を算出する手段がない。そのため、有料道路を利用する車両が一定の条件を満たした場合に、当該車両に課金する道路利用料金か一定額を割り引くサービスを行う際に、車両の重量が所定の重量よりも重い車両についてサービスを適用しないことで、車両の重量や積載量を考慮した道路利用料金の課金を行うことが効果的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の料金収受システムは、計測手段と、記憶手段と、判定手段と、算出手段と、実行手段と、を備える。前記計測手段は、有料道路を利用する車両の重量を計測する。前記記憶手段は、前記車両が過積載であると判定する重量の閾値を記憶する。前記判定手段は、前記計測手段によって計測された重量と前記記憶手段に記憶された重量の閾値とを比較して、前記車両の過積載状態を判定する。前記算出手段は、前記車両に課金する道路利用料金を算出する。前記実行手段は、前記判定手段によって前記車両が過積載ではないと判定された場合を必要条件として、前記算出手段により算出された前記道路利用料金に対して所定の割引処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本実施形態にかかる料金収受システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、入口料金所の構成を模式的に示す図である。
【図3】図3は、ICカードに記録される情報のデータ構成を示す図である。
【図4A】図4Aは、割引料金テーブルのデータ構成を示す図である。
【図4B】図4Bは、過積載判定テーブルのデータ構成を示す図である。
【図5】図5は、入口明細データDBに蓄積される入口明細データのデータ構成を示す図である。
【図6】図6は、フリーフローゲートの構成を模式的に示す図である。
【図7】図7は、出口料金所の構成を模式的に示す図である。
【図8】図8は、出口明細データDBに蓄積される出口明細データのデータ構成を示す図である。
【図9】図9は、利用履歴テーブルのデータ構成を示す図である。
【図10】図10は、日毎の利用明細情報のデータ構成を示す図である。
【図11】図11は、均一料金方式における、入口料金所およびフリーフローゲートの処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図12は、対区間料金方式における、入口料金所および出口料金所の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、料金中央サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図14は、均一料金方式における、入口料金所の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図15は、対区間料金方式における、出口料金所の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる料金収受システムの構成を示す図である。本実施形態にかかる料金収受システム1は、高速道路等の有料道路を管理する道路管理事業者10毎に設けられ、有料道路の利用料金を決定する料金中央サーバ15と、料金中央サーバ15により決定された利用料金を一般利用者や大口利用者などの利用者に請求するクレジットカード会社(支払代行業者)14と、車両2が有料道路に進入する際に通過する入口料金所3と、を備えている。また、車両2が走行した区間に関わらず均一の料金が課金される均一料金方式(例えば、名古屋高速道路など)の有料道路には、対区間料金方式(例えば、都市間高速道路など)の有料道路とは異なり、入口料金所3に加えて、有料道路における通過経路を特定するためのフリーフローゲート4が設けられている。一方、車両2が走行した区間に応じた料金が課金される対区間料金方式の有料道路には、入口料金所3に加えて、車両2が有料道路から出場する際に通過する出口料金所5が設けられている。
【0010】
次に、図1〜5を用いて、入口料金所3の構成について説明する。図2は、入口料金所の構成を模式的に示す図である。図3は、ICカード内のメモリに記録された情報のデータ構成を示す図である。図4Aは、割引料金テーブルのデータ構成を示す図である。図4Bは、過積載判定テーブルのデータ構成を示す図である。図5は、入口明細データDBに蓄積される入口明細データのデータ構成を示す図である。
【0011】
図2に示すように、入口料金所3における料金収受車線31の側部には、その入口側から矢印a方向に進入してくる車両2の位置や進行方向を検知するための車両検知器32、この車両検知器32よりも下流側に所定距離離れて設定され走行する車両2の重量を計測するための重量計測器33、路側無線装置34、車両2の運転者に対し料金や発進/停止などの案内を行う路側表示器35、車両2に対して発進/停止制御を行う発進制御装置(ゲート)36、および車種判別装置37がそれぞれ設置されており、これらは入口車線サーバ6にそれぞれ接続されている。入口車線サーバ6は、通信回線を介して料金中央サーバ(上位装置)15に接続されている。
【0012】
なお、本実施形態では、重量計測器33は、軸重処理装置によって車両2の道路に対する荷重を計測することにより、車両2の重量を計測するが、車両2の重量や積載量を計測できる手段であれば、これに限定するものではない。例えば、車両2自体に搭載された重量センサや道路に設置された荷重センサや、車両2を撮像した画像を取得して、当該取得した画像に含まれる車両2の画像から当該車両2の重量を算出する方法により車両2の重量を取得しても良い。道路への荷重は、道路にかかる負担を反映するものであり、道路の整備・保全に関する道路事業者の経済的負担の程度を推し量ることができる。また、同じ車種で同じ距離を走行する車両2であっても、当該車両2の積載量や車体の重量が大きい方がより多くの排気ガスを排出するため、道路への荷重は、環境への負荷を推し量ることにもつながる。
【0013】
車両2には、料金収受用の車載器39が搭載されている。車載器39は、外部の無線機器との間で通信を行うためのアンテナ(図示しない)を備え、入口料金所3に設置された路側無線装置34との間で狭域無線通信(DSRC:Dedicated Short Range Communication)を利用した無線通信によりデータの送受信を行うものであり、当該車載器39に装着されるICカードCに記録された情報や当該車載器39自身に記録された情報を路側無線装置34へ送信するようになっている。
【0014】
具体的には、車載器39には、料金収受用のETCカードと称されるICカードCが装着される。ICカードC内のメモリには、例えば、図3に示すように、当該ICカードC内に固定的に記録される情報としてカード情報(カードID)302が記録され、当該ICカードC内に動的に書きかえられる情報として、入口情報(入口料金所ID、入口料金所通過時刻)303、出口情報(出口料金所ID、出口料金所通過時刻)304、経路情報(フリーフローゲートID)305、処理結果情報(過積載判定結果)306などが記録される。
【0015】
路側無線装置34は、外部の無線機器との間で通信を行うための路側アンテナ40を備え、車両2に搭載された車載器39との間で狭域無線通信(DSRC)を利用した無線通信によりデータの送受信を行うものである。そして、路側無線装置34は、車載器39から送信される車載器情報やカード情報等を取得し、入口車線サーバ6に送る。さらに、路側無線装置34は、入口車線サーバ6から送られてくる入口情報や処理結果情報等を車載器39に送信して、当該入口情報や処理結果情報等を車載器39に装着されたICカードCに記録させる。
【0016】
車種判別装置37は、例えば、料金収受車線31を走行する車両2の少なくともナンバープレート部分を撮像した画像を取得する撮像手段としてのカメラ41を備えており、このカメラ41で取得した画像に対して所定の画像処理を施すことによりナンバープレート部分の画像を抽出し、抽出したナンバープレート部分の画像からナンバープレート上の車種区分やナンバープレート自体の大きさ等を認識することにより当該車両2の車種を判別する。そして、車種判別装置37は、判別した車両2の車種を入口車線サーバ6に送る。
【0017】
入口車線サーバ6は、CPU(Central Processing Unit)およびメモリなどを主体に構成されて全体的な制御を行うものである。本実施形態では、入口車線サーバ6は、入口情報や処理結果情報等を作成し、作成した情報を路側無線装置34を介して車載器39に送る処理を行う。
【0018】
また、均一料金方式の入口車線サーバ6は、車種判別装置37から送られてくる車両2の車種に基づき、道路利用料金(以下、通常料金とする)を算出する。なお、対区間料金方式においては、車種判別装置37から送られてくる車両2の車種および車両2が通過した区間に基づいて道路利用料金(以下、通常料金とする)が算出されるため、対区間料金方式の入口車線サーバ37においては、通常料金の算出は行われない。
【0019】
また、均一料金方式の入口車線サーバ6は、通常料金に対する割引処理を実行するための割引料金テーブルT1および有料道路を利用した車両2が過積載か否かを判定するための過積載判定テーブルT2を有している。割引料金テーブルT1および過積載判定テーブルT2は、料金中央サーバ15から予め配信され、図示しないメモリに格納される。ここで、割引処理は、有料道路を利用する車両2の重量が、当該車両2の車種毎に予め設定された重量以下である場合、つまり、有料道路を利用した車両2が過積載でないと判定された場合を必要条件として、通常料金からの割引を行う処理である。
【0020】
割引料金テーブルT1は、例えば、図4Aに示すように、通常料金に対して実行する割引処理の種別である割引種別(例えば、時間帯割引、日付割引など)と、当該割引種別の割引処理を実行する車両2の車種と、当該割引種別の割引処理の実行により通常料金から割り引く割引料金と、を対応付けて記憶する。なお、本実施形態では、均一料金方式の入口車線サーバ6では、時間帯割引および日付割引を行うため、図4Aに示す割引料金テーブルT1には、割引種別として、時間帯割引および日付割引のみが記憶されているが、他のサーバが有する割引料金テーブルT1には、異なる割引種別が記憶されているものとする。つまり、サーバ毎に有している割引料金テーブルT1に記憶される割引種別が異なる。例えば、均一料金方式の出口に設置されたフリーフローゲートサーバ4が有する割引料金テーブルT1には、特定経路割引および短区間割引が割引種別として記憶されている。また、対区間方式の出口車線サーバ8が有する割引料金テーブルT1には、特定区間割引、時間帯割引、および日付割引が、割引種別として記憶されている。さらに、料金中央サーバ15の割引料金テーブルT1には、利用頻度割引、大口利用者割引、および障害者割引が、割引種別として記憶されている。
【0021】
時間帯割引とは、入口車線サーバ6(または、後述する出口車線サーバ8)に予め登録されている時間帯に車両2が入口料金所3(または、出口料金所5)を通過した場合に行われる割引処理である。また、日付割引は、入口車線サーバ6(または、後述する出口車線サーバ8)に予め登録されている日付に車両2が入口料金所3(または、出口料金所5)を通過した場合に行われる割引処理である。特定経路割引は、車両2が特定経路に該当する地点に設置されたフリーフローゲート4を通過した後、有料道路の出口に設置されたフリーフローゲート4を通過した場合に行われる割引処理である。特定区間割引は、有料道路に含まれる特定区間が、車両2が通過した入口料金所3と出口料金所5の区間に含まれる場合に行われる割引処理である。短区間割引は、入口料金所3に隣接する出口であって、入口料金所3から所定区間内に位置する出口から有料道路を降りた場合に行われる割引処理である。利用頻度割引は、ICカードC毎に、有料道路の走行距離や有料道路の利用頻度に応じて行われる割引処理である。大口利用者割引は、後述する大口利用者IDマスタ12に予め登録された大口利用者IDと、路側無線装置34により車載器39から受信したカード情報(カードID)と、が一致した場合に行われる割引処理である。障害者割引は、後述する障害者IDマスタ13に予め登録された障害者IDと、路側無線装置34により車載器39から受信したカード情報(カードID)とが一致した場合に行われる割引処理である。
【0022】
過積載判定テーブルT2は、図4Bに示すように、車両2の車種と、当該車種の車両2が過積載であると判定する重量の閾値(以下、過積載重量とする)と、を対応付けて記憶する。
【0023】
均一料金方式の入口車線サーバ6は、車種判別装置37から送られてくる車両2の車種、重量計測器33により計測された車両2の重量、および過積載判定テーブルT2を利用して、車両2の過積載状態を判定する。そして、均一料金方式の入口車線サーバ6は、車両2の過積載状態を示す過積載判定結果(判定情報)を含む処理結果情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送る。さらに、均一料金方式の入口車線サーバ6は、車両2が過積載でないと判定された場合を必要条件として、割引料金テーブルT1を利用して、通常料金に対して所定の割引処理(時間帯割引または日付割引)を実行した割引適用料金(時間帯割引適用料金、日付割引適用料金)を算出する。
【0024】
一方、対区間料金方式の入口車線サーバ3は、車種判別装置37から送られてくる車両2の車種、重量計測器33により計測された車両2の重量、および過積載判定テーブルT2を利用して、車両2の過積載状態を判定する。そして、対区間料金方式の入口車線サーバ6は、車両2の過積載状態を示す過積載判定結果を含む処理結果情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送る。なお、対区間料金方式の入口車線サーバ3は、通常料金の算出を行わないため、割引料金テーブルT1を有しない。
【0025】
さらに、入口車線サーバ6には、入口料金所3を通過した車両2に課金する通常料金などを含む入口明細データを蓄積する入口明細データDB(データベース)7が接続されている。そして、入口車線サーバ6は、入口明細データDB7に蓄積された入口明細データを、通信回線を介して料金中央サーバ15に送る。図5に示すように、入口明細データDB7に蓄積される入口明細データは、路側無線装置34から送られてきたカード情報(カードID)、料金情報、通過履歴情報等を含むものである。
【0026】
料金情報は、有料道路を通過した車両2に課金する料金を示す情報である。具体的には、料金情報は、通常料金、通常料金に対して時間帯割引を実行した料金である時間帯割引適用料金、通常料金に対して日付割引を実行した料金である日付割引適用料金などを示す情報である。なお、対区間料金方式においては入口料金所3において通常料金の算出が行われないため、対区間料金方式の入口明細データDB7に蓄積される入口明細データには、料金情報が含まれないものとする。
【0027】
通過履歴情報は、車両2が通過した入口料金所3を識別するための入口料金所ID、車両2が入口料金所3を通過した時刻である入口料金所通過時刻、過積載判定結果などを含む処理結果情報など、入口料金所3の通過履歴を示す情報である。
【0028】
なお、図2では図示を省略しているが、入口料金所3には、車両2の軸数を計測する軸数検知装置、収受員に対して処理状況や処理結果などを通知するブース内表示装置、収受員に対して機器の故障を通知したり、システムの運用形態の切り換えを行ったりするための車線監視制御盤、現金などの従来方式による料金の収受を行うための料金収受機、ETCカードを処理するICカードリーダ装置なども設定されているが、これらは既に公知の技術であるため説明を省略する。
【0029】
次に、図1および図6を用いて、均一料金方式の有料道路の途中および出口に設けられたフリーフローゲート4の構成について説明する。図6は、フリーフローゲートの構成を模式的に示す図である。
【0030】
図6に示すように、フリーフローゲート4における車線61のガントリ(装置を設置するための鋼鉄製のゲート)には、路側無線装置63が設置されており、これらは同じくガントリに設置されているフリーフローゲートサーバ65に接続されている。
【0031】
車両2には、上述したように、料金収受用の車載器39が搭載されている。車載器39は、外部に無線機器との間で通信を行うためのアンテナ(図示しない)を備え、フリーフローゲート4に設置された路側無線装置63との間で狭域無線通信(DSRC)を利用した無線通信によりデータの送受信を行うものであり、当該車載器39に装着されたICカードCに記録された情報や車載器39自身に記録された車載器情報(車番情報、車種情報、車載器ID等)を路側無線装置63へ送信する。
【0032】
路側無線装置63は、外部の無線機器との間で通信を行うための路側アンテナ66を備え、車両2に搭載された車載器39との間で狭域無線通信(DSRC)を利用した無線通信によりデータの送受信を行うものである。そして、路側無線装置63は、フリーフローゲートサーバ65から送られてくる経路情報(フリーフローゲートID)等を車載器39に送信して、当該経路情報等を車載器39に装着されたICカードCに記録させる。
【0033】
フリーフローゲートサーバ65は、CPUおよびメモリなどを主体に構成されて全体的な制御を行うものである。本実施形態では、フリーフローゲートサーバ65は、経路情報等を作成し、作成した経路情報を路側無線装置63を介して車載器39に送る処理を行う。
【0034】
また、出口のフリーフローゲート4に接続されたフリーフローゲートサーバ65は、入口車線サーバ6と同様に、路側無線装置63から送られてくる車載器情報を利用して、通常料金を算出する。なお、通常料金の算出方法は、均一料金方式の入口車線サーバ6における方法と同様である。さらに、出口のフリーフローゲート4に設置されたフリーフローゲートサーバ65は、割引料金テーブルT1を有している。そして、出口のフリーフローゲート4に接続されたフリーフローゲートサーバ65は、路側無線装置63から送られた処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載でないと判定されたことを示している場合を必要条件として、割引料金テーブルT1を利用して、通常料金に対する所定の割引処理(特定経路割引、短区間割引)を実行する。
【0035】
さらに、出口のフリーフローゲート4に接続されたフリーフローゲートサーバ65には、当該出口のフリーフローゲート4を通過した車両2に課金する通常料金などを含む出口明細データを蓄積する出口明細データDB9が接続されている。そして、出口のフリーフローゲート4に接続されたフリーフローゲートサーバ65は、出口明細データDB9に蓄積された出口明細データを、通信回線を介して料金中央サーバ15に送る。なお、出口明細データDB9に蓄積された出口明細データの詳細については後述する。
【0036】
次に、図1、図7、および図8を用いて、出口料金所5の構成について説明する。図7は、出口料金所の構成を模式的に示す図である。図8は、出口明細データDBに蓄積される出口明細データのデータ構成を示す図である。
【0037】
図7に示すように、出口料金所5における料金収受車線71の側部には、その入口から矢印aの方向に進入してくる車両2の位置や進行方向を検知するための車両検知器72、路側無線装置73、車両2の運転手に対して料金や発進/停止などの案内を行う路側表示器74、および車両2に対して発進/停止制御を行う発進制御装置(ゲート)75がそれぞれ設置されており、これらは出口車線サーバ8にそれぞれ接続されている。出口車線サーバ8は、通信回線を介して料金中央サーバ(上位装置)15に接続されている。
【0038】
車両2には、上述したように、料金収受用の車載器39が搭載されている。車載器39は、外部の無線機器との間で通信を行うためのアンテナ(図示しない)を備え、出口料金所5に設置された路側無線装置73との間で狭域無線通信(DSRC)を利用した無線通信によりデータの送受信を行うものであり、当該車載器39の情報(車載器ID等)を路側無線装置73へ送信する。
【0039】
路側無線装置73は、外部の無線機器との間で通信を行うための路側アンテナ78を備え、車両2に搭載された車載器39との間で狭域無線通信(DSRC)を利用した無線通信によりデータの送受信を行うものである。そして、路側無線装置73は、車載器39から送信されてくる車載器情報やカード情報や入口情報や経路情報や処理結果情報等を取得し、出口車線サーバ8に送る。さらに、路側無線装置73は、出口車線サーバ8から送られてくる出口情報等を車載器39に送信して、当該出口情報等を車載器39に装着されたICカードCに記録させる。
【0040】
出口車線サーバ8は、CPUおよびメモリなどを主体に構成されて全体的な制御を行うものである。本実施形態では、出口車線サーバ8は、出口情報等を作成し、作成した情報を路側無線装置73を介して車載器39に送る処理を行う。
【0041】
また、出口車線サーバ8は、路側無線装置73から送られてくる入口情報や車両2の車種を利用して、車両2の車種および車両2が通過した区間に基づいて通常料金を算出する。
【0042】
また、出口車線サーバ8も、入口車線サーバ6と同様に、割引料金テーブルT1を有している。そして、出口車線サーバ8は、路側無線装置73から送られた処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載でないと判定されたことを示している場合を必要として、割引料金テーブルT1を利用して、通常料金に対する所定の割引処理(特定区間割引、時間帯割引、日付割引)を実行する。
【0043】
さらに、出口車線サーバ8には、出口料金所5を通過した車両2に課金する通常料金などを含む出口明細データを蓄積する出口明細データDB9が接続されている。そして、出口車線サーバ8は、出口明細データDB9に蓄積された出口明細データを、通信回線を介して料金中央サーバ15に送る。図8に示すように、出口明細データDB9に蓄積されている出口明細データは、路側無線装置73から送られてきたカード情報(カードID)、料金情報、通過履歴情報等を含むものである。
【0044】
料金情報は、有料道路を通過した車両2に課金する料金を示す情報である。具体的には、料金情報は、通常料金、通常料金に対して特定区間割引や時間帯割引や日付割引などの所定の割引処理を実行した料金(例えば、特定区間割引適用料金、時間帯割引適用料金、日付割引適用料金など)を示す情報である。なお、出口のフリーフローゲートサーバ65に接続された出口明細データDB9は、通常料金、通常料金に対して特定経路割引や短区間割引などの所定の割引処理を実行した料金(例えば、特定経路割引適用料金、短区間割引適用料金など)を示す料金情報を含む出口明細データを蓄積するものとする。
【0045】
通過履歴情報は、路側無線装置73から送られてきた入口情報(入口料金所ID、入口料金所通過時刻)、処理結果情報、車両2が通過した出口料金所5を識別するための出口料金所ID、車両2が出口料金所5を通過した時刻である出口料金所通過時刻など、出口料金所5の通過履歴を示す情報である。なお、出口のフリーフローゲートサーバ65に接続された出口明細データDB9には、入口情報、処理結果情報、車両2が通過したフリーフローゲート4を識別するためのフリーフローゲートIDなど、フリーフローゲート4の通過履歴を示す通過履歴情報を含む出口明細データを蓄積する。
【0046】
なお、図7では、出口料金所5には、車両2の軸数を計測する軸数検知装置、収受員に対して処理状況や処理結果などを通知するブース内表示装置、収受員に対して機器の故障を通知したり、システムの運用形態の切り換えを行ったりするための車線監視制御盤、現金などの従来方式による料金の収受を行うための料金収受機、ETCカードを処理するICカードリーダ装置なども設定されているが、これらは既に公知の技術であるため説明を省略する。
【0047】
次に、図1、図9、および図10を用いて、料金中央サーバ15の構成について説明する。図9は、利用履歴テーブルのデータ構成を示す図である。図10は、日毎の利用明細情報のデータ構成を示す図である。
【0048】
図1に戻り、料金中央サーバ15は、CPUおよびメモリなどを主体に構成されて全体的な制御を行うものである。本実施形態では、料金中央サーバ15は、利用履歴テーブルT3および利用明細情報T4を記憶する利用明細情報DB11を有する。
【0049】
利用履歴テーブルT3は、図9に示すように、カード情報(カードID)と、当該カードIDにより識別されるICカードCが車載器39に装着された車両2が有料道路を走行した距離である走行距離と、当該カードIDにより識別されるICカードCが車載器39に装着された車両2が有料道路を利用した回数である利用頻度と、を対応付けて記憶する。
【0050】
また、利用明細情報T4は、図10に示すように、カード情報(カードID)と、当該カードIDにより識別されるICカードCが利用された日付と、その日付のICカードCの利用に対して課金される料金を示す課金情報と、を対応付けて記憶する。
【0051】
料金中央サーバ15は、入口車線サーバ6および出口車線サーバ8(または、フリーフローゲートサーバ65)から受信した入口明細データおよび出口明細データのうち、同一のカードID、入口料金所ID、および入口料金所通過時刻を含む入口明細データおよび出口明細データを抽出する。
【0052】
そして、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれる処理結果情報に含まれる過積載判定結果を取得し、当該取得した過積載判定結果に従って、車両2の過積載状態を判定する。処理結果情報に含まれる過積載判定結果が車両2が過積載でないと判定されたことを示している場合を必要条件として、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、障害者割引を受けることができるICカードCのカードID(以下、障害者IDとする)を記憶する障害者IDマスタ13に記憶されているか否かを判断する。料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、障害者IDマスタ13に記憶されている場合、抽出した入口明細データまたは出口明細データに含まれる料金情報を取得し、当該取得した料金情報が示す通常料金に対して障害者割引を実行した障害者割引適用料金を算出する。さらに、料金中央サーバ15は、算出した障害者割引適用料金を課金情報として、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDおよびその日の日付と対応付けて利用明細情報T4に記憶させる。
【0053】
一方、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、障害者IDマスタ13に記憶されていない場合、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、大口割引を受けることができるICカードCのカードID(以下、大口利用者IDとする)を記憶する大口利用者IDマスタ12に記憶されているか否かを判断する。そして、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、大口利用者IDマスタ12に記憶されている場合、抽出した入口明細データまたは出口明細データに含まれる料金情報を取得し、当該取得した料金情報が示す通常料金に対して大口利用者割引を実行した大口利用者割引適用料金を算出する。さらに、料金中央サーバ15は、算出した大口利用者割引適用料金を課金情報として、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDおよびその日の日付と対応付けて利用明細情報T4に記憶させる。
【0054】
抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、大口利用者IDマスタ12に記憶されていなかった場合、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれる料金情報のうち最も安価な料金情報を課金情報として、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDおよびその日の日付と対応付けて利用明細情報T4に記憶させる。これにより、複数の割引種別のうち最も割引料金が高い割引種別の割引処理が行われた割引適用料金が課金されることになるので、有料道路の利用者は複数の割引種別のうちいずれの割引種別の割引処理を行うかを指定しなくても、最も割引率の高い割引処理を受けることができる。
【0055】
さらに、料金中央サーバ15は、抽出した出口明細データに通過履歴情報として含まれる入口料金所IDおよび出口料金所ID(またはフリーフローゲートID)に基づいて、車両2が走行した距離を算出する。そして、料金中央サーバ15は、利用履歴テーブルT3において、抽出した出口明細データに含まれるカードIDと対応付けて記憶される走行距離に、算出した距離を加算する。さらに、料金中央サーバ15は、利用履歴テーブルT3において、抽出した出口明細データに含まれるカードIDと対応付けて記憶された利用頻度を1インクリメントする。
【0056】
料金中央サーバ15は、月の切り替わりの際、利用明細情報T4に記憶された課金情報のうち、同じカードIDと対応付けて記憶された課金情報の合計を算出する。そして、料金中央サーバ15は、利用履歴テーブルT3から、課金情報の合計を算出したカードIDと対応付けて記憶された走行距離および利用頻度を取得する。そして、料金中央サーバ15は、算出した課金情報に対して、取得した走行距離および利用頻度に応じた割引処理を実行する。そして、料金中央サーバ15は、月に1回、走行距離および利用頻度に応じた割引処理の実行結果を利用明細としてクレジットカード会社(支払代行業者)14に提供する。なお、料金中央サーバ15は、利用明細をクレジットカード会社(支払代行業者)14に提供した後、利用履歴テーブルT3においてカードIDと対応付けて記憶される走行距離および利用頻度を初期化するものとする。
【0057】
次に、図11を用いて、均一料金方式における、入口料金所3、フリーフローゲート4、及び出口料金所5の処理の流れについて説明する。図11は、均一料金方式における、入口料金所、フリーフローゲート、および出口料金所の処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
まず、入口料金所3における処理について説明する。車両検知器32により入口料金所3に進入してくる車両2が検知されると、重量計測器33は、車両2の軸重(重量)を計測する(ステップS1101)。次いで、車種判別装置37が、料金収受車線31を走行する車両2のナンバープレート部分の画像からナンバープレート上の車種区分やナンバープレート自体の大きさ等を認識することにより当該車両2の車種を判別する(ステップS1102)。
【0059】
入口車線サーバ6は、車種判別装置37により判別された車種および重量計測器33により計測された軸重を取得する。そして、入口車線サーバ6は、過積載判定テーブルT2から、取得した車種と対応付けて記憶された過積載重量を読み出し、計測された軸重と過積載重量とを比較して、車両2の過積載状態を判定する(ステップS1103)。計測された軸重が過積載重量より重く、車両2が過積載であると判定された場合(ステップS1103:Yes)、入口車線サーバ6は、車両2が過積載であると判定されたことを示す過積載判定結果を含む処理結果情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送ることにより、過積載判定結果をICカードCに記録する(ステップS1106)。一方、計測された軸重が過積載重量以下であり、車両2が過積載でないと判断された場合(ステップS1103:No)、入口車線サーバ6は、車両2が過積載でないと判定されたことを示す過積載判定結果を含む処理結果情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送ることにより、過積載判定結果をICカードCに記録するとともに、現在時刻またはその日の日付が、時間帯割引または日付割引について予め設定された割引条件を満たしているか否かを判断する(ステップS1104)。そして、過積載判定結果をICカードCに記録した後(ステップS1106)または現在時刻およびその日の日付が予め設定された割引条件を満たしていないと判断された場合(ステップS1103:No)、入口車線サーバ6は、判別された車種について予め設定された通常料金を算出するとともに、算出した通常料金を示す料金情報を含む入口明細データを作成する(ステップS1107)。
【0060】
また、現在時刻およびその日の日付が予め設定された割引条件を満たしていると判断された場合(ステップS1104:Yes)、入口車線サーバ6は、車種判別装置37により判別された車種および割引料金テーブルT1を参照して、通常料金に所定の割引処理を実行した料金を算出するとともに、算出した料金を示す料金情報を含む入口明細データを作成する(ステップS1105)。
【0061】
例えば、時間帯割引について予め設定された割引条件を現在時刻が満たしている場合、入口車線サーバ6は、割引料金テーブルT1から、割引種別:時間帯割引および判別された車種と対応付けて記憶された割引料金を読み出す。そして、入口車線サーバ6は、判別された車種について予め設定された通常料金から、読み出した割引料金を減算した時間帯割引適用料金を算出する。次いで、入口車線サーバ6は、算出した時間帯割引適用料金を示す料金情報を含む入口明細データを作成する。
【0062】
また、日付割引について予め設定された割引条件を日付が満たしている場合、入口車線サーバ6は、割引料金テーブルT1から、割引種別:日付割引および判別された車種と対応付けて記憶された割引料金を読み出す。そして、入口車線サーバ6は、判別された車種について予め設定された通常料金から、読み出した割引料金を減算した日付割引適用料金を算出する。次いで、入口車線サーバ6は、算出した日付割引適用料金を示す料金情報を含む入口明細データを作成する。
【0063】
また、入口車線サーバ6は、ステップS1107またはステップS1105において作成された入口明細データを料金中央サーバ15に送信する(ステップS1108)。さらに、入口車線サーバ6は、入口料金所IDを含む入口情報を作成し、作成した入口情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送ることにより当該作成した入口情報をICカードCに記録する(ステップS1109)。
【0064】
次に、特定経路割引用のフリーフローゲート4における処理について説明する。フリーフローゲートサーバ65は、車両2が有料道路の途中に設置されたフリーフローゲート4を通過したかを判断する(ステップS1110)。そして、車両2が有料道路の途中に設置されたフリーフローゲート4を通過した場合(ステップS1110:Yes)、フリーフローゲートサーバ65は、経路情報を作成し、作成した経路情報を路側無線装置63を介して車載器39に送ることにより、ICカードCに経路情報を記録する(ステップS1111)。
【0065】
次に、有料道路の出口に設置されたフリーフローゲート4における処理について説明する。有料道路の出口のフリーフローゲート4に接続されたフリーフローゲートサーバ65は、車両2が出口に設置されたフリーフローゲート4を通過したか否かを判断する(ステップS1112)。車両2が出口のフリーフローゲート4を通過した場合(ステップS1112:Yes)、フリーフローゲートサーバ65は、路側無線装置73からICカードCに記録されたカード情報、入口情報、経路情報、および処理結果情報などを取得する(ステップS1113)。車両2が出口のフリーフローゲート4を通過しないで有料道路から降りた場合(ステップS1112:No)、車両2に課金する通常料金に対する所定の割引処理を実行せずに、処理を終了する。よって、車両2が出口のフリーフローゲート4を通過しないで有料道路から降りた場合には、フリーフローゲート4を通過することにより実行される所定の割引処理(短区間割引、特定経路割引)は行われない。
【0066】
そして、フリーフローゲートサーバ65は、取得した処理結果情報に従って、出口のフリーフローゲート4を通過した車両2の過積載状態を判定する(ステップS1114)。具体的には、フリーフローゲートサーバ65は、取得した処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載であると判定されたことを示している場合には、車両2が過積載であると判定する。出口のフリーフローゲート4を通過した車両2が過積載であると判定した場合(ステップS1114:Yes)、フリーフローゲートサーバ65は、通常料金に対する割引処理を実行せずに、処理を終了する。なお、本実施形態では、フリーフローゲートサーバ65は、取得した処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載であると判定されたことを示しているか否かに基づいて、車両2の過積載状態を判定しているが、これに限定するものではない。例えば、フリーフローゲートサーバ65は、入口料金所3の重量計測器33で計測された車両2の重量を示す重量情報を取得し、取得した重量と、過積載判定テーブルT2に記憶された過積載重量とを比較して、車両2の過積載状態を判定しても良い。この場合、フリーフローゲートサーバ65も、入口車線サーバ6と同様に過積載判定テーブルT2を有しているものとする。
【0067】
一方、出口のフリーフローゲート4を通過した車両2が過積載でないと判断した場合(ステップS1114:No)、フリーフローゲートサーバ65は、まず、取得した入口情報(入口料金所ID)が示す入口料金所3から出口のフリーフローゲート4までの区間が、短区間割引について予め設定された割引条件(予め設定された区間)を満たしているか否かを判断する(ステップS1115)。
【0068】
取得した入口情報(入口料金所ID)が示す入口料金所3から出口のフリーフローゲート4までの区間が、短区間割引について予め設定された割引条件(予め設定された区間)を満たしていると判断した場合(ステップS1115:Yes)、フリーフローゲートサーバ65は、車載器39自身に記録された車載器情報が示す車両2の車種について予め設定された通常料金に割引処理を実行して短区間割引適用料金を算出するとともに、算出した短区間割引適用料金を示す料金情報を含む出口明細データを作成する(ステップS1116)。具体的には、短区間割引について予め設定された割引条件を満たしている場合、フリーフローゲートサーバ65は、割引料金テーブルT1から、割引種別:短区間割引および判別された車種と対応付けて記憶された割引料金を読み出す。そして、フリーフローゲートサーバ65は、判別された車種について予め設定された通常料金から、読み出した割引料金を減算した短区間割引適用料金を算出する。次いで、フリーフローゲートサーバ65は、算出した短区間割引適用料金を示す料金情報を含む出口明細データを作成する。
【0069】
また、短区間割引の割引条件を満たしていないと判断した場合(ステップS1115:No)、フリーフローゲートサーバ65は、路側無線装置73から取得した情報に経路情報が含まれている否かにより、特定経路割引の割引条件を満たしているか否かを判断する(ステップS1117)。路側無線装置73から取得した情報に経路情報が含まれていなかった場合、特定経路割引の割引条件を満たしていないと判断して(ステップS1117:No)、フリーフローゲートサーバ65は、通常料金に対する割引処理を実行せずに、処理を終了する。
【0070】
一方、路側無線装置73から取得した情報に経路情報が含まれていた場合、特定経路割引の割引条件を満たしていると判断して(ステップS1117:Yes)、フリーフローゲートサーバ65は、車載器39自身に記録された車載器情報が示す車両2の車種について予め設定された通常料金に割引処理を実行した特定経路割引適用料金を算出するとともに、算出した特定経路割引適用料金を示す料金情報を含む出口明細データを作成する(ステップS1118)。具体的には、特定経路割引について予め設定された割引条件を満たしている場合、フリーフローゲートサーバ65は、割引料金テーブルT1から、割引種別:特定経路割引および判別された車種と対応付けて記憶された割引料金を読み出す。そして、フリーフローゲートサーバ65は、判別された車種について予め設定された通常料金から、読み出した割引料金を減算した特定経路割引適用料金を算出する。次いで、フリーフローゲートサーバ65は、算出した特定経路割引適用料金を示す料金情報を含む出口明細データを作成する。
【0071】
そして、フリーフローゲートサーバ65は、ステップS1116またはステップS1118において作成した出口明細データを、料金中央サーバ15に送信する(ステップS1119)。なお、図11に示す処理では、フリーフローゲートサーバ65においても割引処理を実行する例について説明したが、特定経路割引または短区間割引が実行されない有料道路である場合には、フリーフローゲート4および出口のフリーフローゲート4を設ける必要はない。
【0072】
次に、図12を用いて、対区間料金方式における、入口料金所3および出口料金所5の処理の流れについて説明する。図12は、対区間料金方式における、入口料金所および出口料金所の処理の流れを示すフローチャートである。
【0073】
まず、入口料金所3における処理について説明する。車両検知器32により入口料金所3に進入してくる車両2が検知されると、重量計測器33は、車両2の軸重(重量)を計測する(ステップS1201)。次いで、車種判別装置37が、料金収受車線31を走行する車両2のナンバープレート部分の画像からナンバープレート上の車種区分やナンバープレート自体の大きさ等を認識することにより当該車両2の車種を判別する(ステップS1202)。
【0074】
入口車線サーバ6は、車種判別装置37により判別された車種および重量計測器33により計測された軸重を取得する。そして、入口車線サーバ6は、過積載判定テーブルT2から、取得した車種と対応付けて記憶された過積載重量を読み出し、計測された軸重が過積載重量以下であるか否かを判断する(ステップS1203)。計測された軸重が過積載重量より重いと判断された場合(ステップS1203:Yes)、入口車線サーバ6は、車両2が過積載であると判定されたことを示す過積載判定結果を含む処理結果情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送ることにより、過積載判定結果をICカードCに記録する(ステップS1204)。一方、計測された軸重が過積載重量以下であると判断された場合(ステップS1203:No)、入口車線サーバ6は、車両2が過積載でないと判定されたことを示す過積載判定結果を含む処理結果情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送ることにより、過積載判定結果をICカードCに記録する。次いで、入口車線サーバ6は、入口明細データを作成し、作成した入口明細データを料金中央サーバ15に送信する(ステップS1205)。さらに、入口車線サーバ6は、入口料金所IDを含む入口情報を作成し、作成した入口情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送ることにより当該作成した入口情報をICカードCに記録する(ステップS1206)。
【0075】
次に、出口料金所5における処理について説明する。車両検知器72は、出口料金所5に進入してくる車両2を検知する。車両検知器72により車両2が検知された場合、出口車線サーバ8は、路側無線装置73からICカードCに記録されたカード情報、入口情報、および処理結果情報などを取得する(ステップS1207)。さらに、出口車線サーバ8は、取得した入口情報や車種判別装置37から取得した車種等をもとに通常料金を算出する(ステップS1208)。
【0076】
そして、出口車線サーバ8は、処理結果情報に従って、出口料金所5を通過した車両2の過積載状態を判定する(ステップS1209)。具体的には、出口車線サーバ8は、取得した処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載であると判定されたことを示している場合には、車両2が過積載であると判定する。出口料金所5を通過した車両2が過積載であると判定した場合(ステップS1209:Yes)、出口車線サーバ8は、通常料金に対する割引処理を実行せずに、通常料金を含む出口明細データを作成し、作成した出口明細データを料金中央サーバ15に送信する(ステップS1214)。なお、本実施形態では、出口車線サーバ8は、取得した処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載であると判定されたことを示しているか否かに基づいて、車両2の過積載状態を判定しているが、これに限定するものではない。例えば、出口車線サーバ8は、入口料金所3の重量計測器33で計測された車両2の重量を示す重量情報を取得し、取得した重量と、過積載判定テーブルT2に記憶された過積載重量とを比較して、車両2の過積載状態を判定しても良い。この場合、出口車線サーバ8も、入口車線サーバ6と同様に過積載判定テーブルT2を有しているものとする。
【0077】
一方、出口料金所5を通過した車両2が過積載でないと判定した場合(ステップS1209:No)、出口車線サーバ8は、まず、取得した入口情報(入口料金所ID)が示す入口料金所3から出口料金所5までの区間が、特定区間割引について予め設定された割引条件(予め設定された区間)を満たしているか否かを判断する(ステップS1210)。
【0078】
取得した入口情報(入口料金所ID)が示す入口料金所3から出口料金所5までの区間が、特定区間割引について予め設定された割引条件(予め設定された区間)を満たしていると判断した場合(ステップS1210:Yes)、出口車線サーバ8は、路側無線装置73から車載器情報として送られてくる車両2の車種について、入口料金所3から出口料金所5までの区間に予め設定された通常料金に割引処理を実行して特定区間割引適用料金を算出するとともに、算出した特定区間割引適用料金を示す料金情報を含む出口明細データを作成する(ステップS1211)。具体的には、特定区間割引について予め設定された割引条件を満たしている場合、出口車線サーバ8は、割引料金テーブルT1から、割引種別:特定区間割引および判別された車種と対応付けて記憶された割引料金を読み出す。そして、出口車線サーバ8は、判別された車種について予め設定された通常料金から、読み出した割引料金を減算した特定区間割引適用料金を算出する。次いで、出口車線サーバ8は、算出した特定区間割引適用料金を示す料金情報を含む出口明細データを作成する。
【0079】
また、特定区間割引の割引条件を満たしていないと判断した場合(ステップS1210:No)、出口車線サーバ8は、現在時刻またはその日の日付が、時間帯割引または日付割引について予め設定された割引条件を満たしているか否かを判断する(ステップS1212)。現在時刻およびその日の日付が予め設定された割引条件を満たしていると判断された場合(ステップS1212:Yes)、出口車線サーバ8は、路側無線装置73から車載器情報として送られてくる車両2の車種および割引料金テーブルT1を参照して、通常料金に割引処理を実行した料金を算出するとともに、算出した料金を示す料金情報を含む出口明細データを作成する(ステップS1213)。
【0080】
そして、出口車線サーバ8は、ステップS1211またはステップS1213において作成した出口明細データを、料金中央サーバ15に送信する(ステップS1214)。
【0081】
次に、図13を用いて、料金中央サーバ15の処理の流れについて説明する。図13は、料金中央サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【0082】
料金中央サーバ15は、月が切り替わるまで、入口車線サーバ6からの入口明細データの受信、および出口車線サーバ8からの出口明細データの受信を繰り返す(ステップS1301)。
【0083】
また、料金中央サーバ15は、入口車線サーバ6および出口車線サーバ8から受信した入口明細データおよび出口明細データのうち、同一のカードID、入口料金所ID、および入口料金所通過時刻を含む入口明細データおよび出口明細データを抽出する。そして、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれる処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載であると判定されたことを示しているか否かにより、車両2の過積載状態を判定する(ステップS1302)。車両2が過積載であると判断した場合(ステップS1302:Yes)、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データまたは出口明細データに含まれる料金情報を取得し、当該取得した料金情報が示す通常料金を課金情報として、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDおよびその日の日付と対応付けて利用明細情報T4に記憶させる(ステップS1308)。なお、本実施形態では、料金中央サーバ15は、処理結果情報に含まれる過積載判定結果が、車両2が過積載であると判定されたことを示しているか否かに基づいて、車両2の過積載状態を判定しているが、これに限定するものではない。例えば、料金中央サーバ15は、入口料金所3の重量計測器33で計測された車両2の重量を示す重量情報を取得し、取得した重量と、過積載判定テーブルT2に記憶された過積載重量とを比較して、車両2の過積載状態を判定しても良い。この場合、料金中央サーバ15も、入口車線サーバ6と同様に過積載判定テーブルT2を有しているものとする。
【0084】
一方、車両2が過積載でないと判定した場合(ステップS1302:No)、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、障害者IDマスタ13に障害者IDとして含まれているか否かを判断する(ステップS1303)。抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、障害者IDマスタ13に含まれていた場合(ステップS1303:Yes)、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データまたは出口明細データに含まれる料金情報を取得し、当該取得した料金情報が示す通常料金に対して障害者割引を実行した障害者割引適用料金を算出する(ステップS1304)。また、料金中央サーバ15は、算出した障害者割引適用料金を課金情報として、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDおよびその日の日付と対応付けて利用明細情報T4に記憶させる(ステップS1308)。
【0085】
抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが障害者IDマスタ13に含まれていなかった場合(ステップS1303:No)、当該料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、大口利用者IDマスタ12に大口利用者IDとして記憶されているか否かを判断する(ステップS1305)。そして、料金中央サーバ15は、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、大口利用者IDマスタ12に記憶されている場合(ステップS1305Yes)、抽出した入口明細データまたは出口明細データに含まれる料金情報を取得し、当該取得した料金情報が示す通常料金に対して大口利用者割引を実行した大口利用者割引適用料金を算出する(ステップS1306)。また、料金中央サーバ15は、算出した大口利用者割引適用料金を課金情報として、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDおよびその日の日付と対応付けて利用明細情報T4に記憶させる(ステップS1308)。
【0086】
また、抽出した入口明細データおよび出口明細データに含まれるカードIDが、大口利用者IDマスタ12に記憶されていなかった場合(ステップS1305:No)、料金中央サーバ15は、抽出した出口明細データに通過履歴情報として含まれる入口料金所IDおよび出口料金所IDに基づいて、車両2が走行した距離を算出する。そして、料金中央サーバ15は、利用履歴テーブルT3において、抽出した出口明細データに含まれるカードIDと対応付けて記憶される走行距離に、算出した距離を加算する(ステップS1307)。
【0087】
料金中央サーバ15は、日付が切り替わるまで、ステップS1302〜ステップS1307に示す処理を繰り返す。
【0088】
月が切り替わると、料金中央サーバ15は、利用明細情報T4を参照して、カードIDと対応付けて記憶された課金情報に、当該カードID毎の走行距離および利用頻度に応じた割引を適用した料金を算出する(ステップS1309)。さらに、料金中央サーバ15は、算出した料金を含む利用明細をクレジットカード会社(または支払代行業者)14へ提供する(ステップS1310)。その後、料金中央サーバ15は、利用明細情報T4に記憶された走行距離および利用頻度を初期化する(ステップS1311)。
【0089】
なお、本実施形態では、有料道路の料金をクレジットカード(ETC機能付)により支払う場合(料金後納方式)における割引処理について説明したが、これに限定するものではなく、例えば、運転手から入口料金所3または出口料金所5において現金で支払う場合、運転手が予め購入したプリペイドカードで支払う場合(料金前納方式)、決済機能を備えた携帯電話で支払う場合等のいずれの支払方法においても同様の割引処理を実行することができる。ただし、ETC機能付のクレジットカードを利用して料金の支払を行うことにより、料金所付近の交通を阻害することなく、有料道路の利用者に対して自動的・効率的かつ着実に料金を課金することができる。
【0090】
このように本実施形態にかかる料金収受システム1によれば、有料道路を利用する車両2の重量を計測し、計測された重量と予め設定された過積載重量とを比較することにより、車両2の過積載状態を判定し、有料道路を利用した車両2に課金する通常料金を算出し、車両2が過積載でないと判定された場合を必要条件として、算出された通常料金に対して所定の割引処理を実行した割引適用料金を算出することにより、車両2の重量や積載量を考慮して料金が算出されるので、環境への負荷を考慮した料金の課金を実現することができる。また、過積載状態では割引が行われないので、過積載行為に対する経済的負担を強めることができ、これは道路への保全費の確保を可能とするとともに、過積載行為の抑止にも効果がある。したがって、安全な道路利用を期待することができる。
【0091】
(第2の実施形態)
本実施形態は、計測された車両の重量と過積載重量とを比較して、車両が過積載であると判定された場合を必要条件として、算出された通常料金に対して、有料道路を利用する車両の重量に応じた割増処理を実行するものである。なお、以下の説明では、第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略し、第1の実施形態と異なる箇所についてのみ説明する。
【0092】
均一料金方式の入口車線サーバ6は、重量計測器33により計測された車両2の重量と過積載重量とを比較して、車両2が過積載であると判定された場合を必要条件として、算出された通常料金に対して、計測された車両2の重量に応じた割増処理を実行する。具体的には、均一料金方式の入口車線サーバ6は、車両2の車種毎に、車両2の複数の重量と、当該重量の車両2に対して課金する通常料金に割り増す料金であって、当該重量が大きくなるに従い高くなる割増料金とを対応付けた割増料金テーブルを備える。なお、割増料金テーブル(図示しない)において、過積載以下の重量と対応付けて記憶された割増料金は、0円であるものとする。そして、均一料金方式の入口車線サーバ6は、重量計測器33により計測された車両2の重量が過積載重量よりも重く、車両2が過積載であると判定された場合を必要条件として、当該割増料金テーブルに記憶された複数の重量のうち、車種判別装置37から送られてくる車両2の車種と対応付けられ、かつ重量計測器33により計測された重量が超えた最大の重量と対応付けて記憶された割増料金を読み出す。次いで、均一料金方式の入口車線サーバ6は、算出された通常料金に対して、読み出した割増料金を加算する。
【0093】
言い換えると、均一料金方式の入口車線サーバ6は、重量計測器33に応じた通常料金に対する割増処理を実行するものとする。これにより、車軸の破損やタイヤの破裂などの車両2が破損することによる事故や、積載物の落下に付随する二次的な事故を発生させる虞がある過積載車両の道路利用を抑制することができる。
【0094】
また、本実施形態では、入口車線サーバ6は、重量計測器33により計測された車両2の重量を示す重量情報を含む処理結果情報を、路側無線装置34を介して車載器39に送る。これにより、入口車線サーバ6は、重量計測器33により計測された車両2の重量を示す重量情報を含む処理結果情報を、車載器39に装着されたICカードCに記録させる。
【0095】
さらに、本実施形態では、入口車線サーバ6は、重量計測器33により計測された車両2の重量を示す重量情報を含む処理結果情報を示す通過履歴情報を含む入口明細データを、通信回線を介して料金中央サーバ15に送る。
【0096】
対区間料金方式の出口車線サーバ8は、当該出口車線サーバ8の操作部から入力された車両2の重量と過積載重量とを比較して、車両2が過積載であると判定された場合(つまり、路側無線装置73から送られてくる処理結果情報に含まれる過積載判定結果が車両2が過積載であることを示している場合)を必要条件として、算出された通常料金に対して、路側無線装置73から送られてくる処理結果情報に含まれる重量情報が示す重量に応じた割増処理を実行する。具体的には、対区間料金方式の出口車線サーバ8は、車両2の車種毎に、車両2が通過した区間と、当該区間を通過した車両2に対して課金する通常料金と、を対応付けて記憶する通常料金テーブル、および上述した割増料金テーブルを備える。そして、対区間料金方式の出口車線サーバ8は、路側無線装置37から送られてくる入口情報の入口料金所IDにより識別される入口料金所3と出口料金所5との間の区間を特定する。また、対区間料金方式の出口車線サーバ8は、通常料金テーブルから、路側無線装置73から車載器情報として送られてくる車両2の車種、および特定した区間と対応付けて記憶された通常料金を読み出す。さらに、対区間料金方式の出口車線サーバ8は、割増料金テーブルに記憶された複数の重量のうち、路側無線装置73から車載器情報として送られてくる車両2の車種と対応付けられ、かつ路側無線装置73から送られてくる処理結果情報に含まれる重量情報が示す重量が超えた最大の重量と対応付けて記憶された割増料金を読み出す。そして、対区間料金方式の出口車線サーバ8は、読み出した通常料金に対して、読み出した割増料金を加算する。これにより、対区間料金方式の出口車線サーバ8は、通常料金に対して、車両2の重量に応じた割増処理を実行するものとする。
【0097】
次に、図14を用いて、均一料金方式における、入口料金所3の処理の流れについて説明する。図14は、均一料金方式における、入口料金所の処理の流れを示すフローチャートである。
【0098】
まず、車両検知器32により入口料金所3に進入してくる車両2を検知する(ステップS1401)。車両2が検知されると、重量計測器33は、車両2の軸重(重量)を計測する(ステップS1402)。その後、入口車線サーバ6は、路側無線装置34により情報が読み取れるか否かにより、検知された車両2が車載器39を有しているか否かを判断する(ステップS1403)。
【0099】
車両2が車載器39を有している場合(ステップS1403:Yes)、入口車線サーバ6は、車載器39と路側無線装置34との間での無線通信により、車載器39自身に記録された車載器情報等を取得する(ステップS1404)。そして、入口車線サーバ6は、車載器情報に含まれる車種情報が示す車種(若しくは車種判別装置37から送られてくる車種)に応じた通常料金を算出する(ステップS1405)。ここで、入口車線サーバ6は、重量計測器33により計測した軸重と過積載重量とを比較して、車両2が過積載であると判定された場合を必要条件として、当該算出した通常料金に対して、重量計測器33により計測した軸重に応じた割増処理を実行するものとする。
【0100】
次いで、入口車線サーバ6は、算出した通常料金や割増処理適用料金を示す料金情報や、重量計測器33により計測された車両2の重量を示す重量情報を含む処理結果情報を示す通過履歴情報等を含む入口明細データを作成し(ステップS1406)、作成した入口明細データを料金中央サーバ15に送信する(ステップS1407)。
【0101】
一方、車両2が車載器39を有していない場合(ステップS1403:No)、入口車線サーバ6は、当該入口車線サーバ6のキーボードやマウス等の操作部から入力された車種(若しくは車種判別装置37から送られてくる車種)から、通常料金を算出する(ステップS1408)。ここで、入口車線サーバ6は、重量計測器33により計測した軸重と過積載重量とを比較して、車両2が過積載であると判定された場合を必要条件として、当該算出した通常料金に対して、重量計測器33により計測した軸重に応じた割増処理を実行するものとする。次いで、入口車線サーバ6は、車両2の運転手から支払われた現金による精算処理、若しくは運転手が予め購入したプリペイドカード等による精算処理を実行する(ステップS1409)。
【0102】
次に、図15を用いて、対区間料金方式における、出口料金所5の処理の流れについて説明する。図15は、対区間料金方式における、出口料金所の処理の流れを示すフローチャートである。
【0103】
まず、車両検知器72により出口料金所5に進入してくる車両2を検知する(ステップS1501)。車両2が検知されると、出口車線サーバ8は、路側無線装置73により情報が読み取れるか否かにより、検知された車両2が車載器39を有しているか否かを判断する(ステップS1502)。
【0104】
車両2が車載器39を有している場合(ステップS1502:Yes)、出口車線サーバ8は、車載器39と路側無線装置73との間での無線通信により、ICカードCに記録された入口情報や処理結果情報、および車載器39自身に記録された車載器情報等を取得する(ステップS1503)。そして、出口車線サーバ8は、取得した入口情報に含まれる入口料金所IDにより識別される入口料金所3から出口料金所5までの走行距離(または区間)を特定する(ステップS1504)。次いで、出口車線サーバ8は、路側無線装置73から車載器情報として送られてくる、および特定した走行距離(または区間)から、通常料金を算出する(ステップS1505)。ここで、出口車線サーバ8は、処理結果情報に含まれる過積載判定結果が車両2が過積載であることを示している場合を必要条件として、当該算出した通常料金に対して、処理結果情報に含まれる重量情報が示す重量に応じた割増処理を実行するものとする。次いで、出口車線サーバ8は、算出した通常料金を示す料金情報等を含む出口明細データを作成し(ステップS1506)、作成した出口明細データを料金中央サーバ15に送信する(ステップS1507)。
【0105】
一方、車両2が車載器39を有していない場合(ステップS1502:No)、出口車線サーバ8は、チケットを読み取る読取部(図示しない)から入力された入口情報に含まれる入口料金所IDにより識別される入口料金所3から出口料金所5までの走行距離(または区間)を特定する(ステップS1508)。次いで、出口車線サーバ8は、当該出口車線サーバ8の操作部から入力された車種、および特定した走行距離(または区間)から通常料金を算出する(ステップS1509)。ここで、出口車線サーバ8は、当該出口車線サーバ8の操作部から入力された軸重と過積載重量とを比較して、車両2が過積載であると判定された場合を必要条件として、当該算出した通常料金に対して、当該入力された軸重に応じた割増処理を実行するものとする。次に、出口車線サーバ8は、車両2の運転手から支払われた現金による精算処理、若しくは運転手が予め購入したプリペイドカード等による精算処理を実行する(ステップS1510)。
【0106】
このように本実施形態にかかる料金収受システム1によれば、有料道路を利用する車両2に課金する通常料金に対して、当該車両2の重量に応じた割増処理を実行することにより、車両2の重量に応じて異なる料金を有料道路の利用者に課金することができるので、道路への負荷、道路利用時の安全性、環境への負荷の全てを公正に考慮した道路利用料金の課金を実現することができる。
【0107】
以上説明したとおり、第1および第2の実施形態によれば、環境への負荷や道路への負荷や道路利用時の安全性を考慮した料金の課金を実現することができる。
【0108】
本実施形態の入口車線サーバ6、出口車線サーバ8、および料金中央サーバ15は、CPUなどの制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)
などの記憶装置と、HDD、CDドライブ装置などの外部記憶装置と、ディスプレイ装置などの表示装置と、キーボードやマウスなどの入力装置を備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0109】
本実施形態の入口車線サーバ6、出口車線サーバ8、および料金中央サーバ15で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0110】
また、本実施形態の入口車線サーバ6、出口車線サーバ8、および料金中央サーバ15で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の入口車線サーバ6、出口車線サーバ8、および料金中央サーバ15で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0111】
また、本実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0113】
1 料金収受システム
2 車両
3 入口料金所
5 出口料金所
6 入口車線サーバ
8 出口車線サーバ
15 料金中央サーバ
33 重量計測器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路を利用する車両の重量を計測する計測手段と、
前記車両が過積載であると判定する重量の閾値を記憶する記憶手段と、
前記計測手段によって計測された重量と前記記憶手段に記憶された重量の閾値とを比較して、前記車両の過積載状態を判定する判定手段と、
前記車両に課金する道路利用料金を算出する算出手段と、
前記判定手段によって前記車両が過積載ではないと判定された場合を必要条件として、前記算出手段により算出された前記道路利用料金に対して所定の割引処理を実行する実行手段と、
を備えた料金収受システム。
【請求項2】
前記車両の複数の重量と、当該重量が大きくなるに従い高くなる割増料金と、を対応付けて記憶する割増料金記憶手段を備え、
前記実行手段は、前記判定手段によって前記車両が過積載であると判定された場合を必要条件として、前記割増料金記憶手段に記憶された前記複数の重量のうち、前記計測手段により計測された重量が超えた最大の前記重量と対応付けて記憶された前記割増料金を、前記算出手段により算出された前記道路利用料金に加算して割増処理を実行する請求項1に記載の料金収受システム。
【請求項3】
有料道路を利用した車両の重量を示す重量情報、および前記車両に課金する道路利用料金を示す料金情報を取得する取得手段と、
前記車両が過積載であると判定する重量の閾値を記憶する記憶手段と、
前記取得手段により取得した前記重量情報が示す重量と前記記憶手段に記憶された前記閾値とを比較して、前記車両の過積載状態を判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記車両が過積載ではないと判定された場合を必要条件として、前記取得手段により取得した前記料金情報が示す道路利用料金に対して所定の割引処理を実行する実行手段と、
を備えたサーバ。
【請求項4】
有料道路を利用した車両の過積載状態を示す判定情報、および前記車両に課金する道路利用料金を示す料金情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した前記判定情報が前記車両が過積載ではないことを示している場合を必要条件として、前記取得手段により取得した前記料金情報が示す道路利用料金に対して所定の割引処理を実行する実行手段と、
を備えたサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−114494(P2013−114494A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260736(P2011−260736)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】