説明

料金自動収受機監視システム、料金自動収受機監視方法

【課題】料金自動収受機における処理待ちの時間を短縮することができる料金自動収受機監視システムを提供する。
【解決手段】複数の料金自動収受機が監視盤に接続されるグループが複数設けられた料金自動収受機監視システムにおいて、第1の監視盤と前記第1の監視盤とは異なるグループに属する第2の監視盤とを含み、前記第1の監視盤は、第1の料金自動収受機と配下の第1の監視盤とで通信を行っていることを検出し、かつ、第1の監視盤の配下の第2の料金自動収受機からアラームが発生していることを判定した場合には、第2の料金自動収受機を第1の監視盤とは異なるグループに属する第2の監視盤の配下とし、第2の料金自動収受機に対する操作権を第1の監視盤から第2の監視盤に移譲するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象である複数の機器に対し、複数の監視盤によって監視するシステムに関し、各監視盤から監視対象の機器に対する操作入力の権限を管理する料金自動収受機監視システム、料金自動収受機監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、有料道路の料金所においては、料金自動収受機と監視盤とが通信可能に接続され、料金自動収受機からの要求に応じて、オペレータが監視盤を介して各種操作指示を入力することで、料金自動収受機を離れた場所から操作していた。操作指示としては、例えば、監視盤から料金自動収受機に対して車両の料金の設定を行ったり、料金自動収受機に接続されたインターホンと監視盤のインターホンとの通信を確立してドライバーと監視盤のオペレータとの間で通話をさせたりすることがあげられる。
このようなシステムを、例えば、車線が複数(例えば8車線)ある場所に設置する場合には、監視盤と料金自動収受機との組み合わせをそれぞれの車線に設ける構成が一例としてあげられる。このシステムでは、各監視盤に1人ずつオペレータが配置することもできるが、交通量が少ない場合は、監視盤の台数よりも少ない人数のオペレータを配置する場合も考えられる。この場合、オペレータが配置されていない監視盤に対して料金自動収受機から操作要求が発生すると、手が空いているオペレータがその監視盤まで移動して対応しなければならないという問題がある。
【0003】
ここで、複数ある監視制御対象のそれぞれに対し、監視盤を複数台通信可能に接続し、複数の監視盤から監視制御対象を操作できるシステムを構築し、オペレータの移動を無くし、監視盤からいずれの料金自動収受機に対しても操作指示を行うことができる。しかし、このようなシステムでは、同じ料金自動収受機に対し、複数の監視盤から異なる操作指示が入力されると、場合によっては操作指示に矛盾が生じてしまうという問題がある。
このような問題を考慮したシステムが特許文献1に提案されている。
【0004】
この特許文献1のシステムでは、変電所構内において、同じ監視制御対象に対し、複数の監視盤から操作の入力を行う際に、監視制御対象範囲の設備に対して操作が同時に発生した場合に、排他制御を行うことによって、操作入力の重複を回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−178026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この特許文献1に示すシステムにおいては、監視制御対象範囲の設備に対して複数の監視盤から異なる操作が同時に入力されることを防止することができるが、これを上記の料金所に適用した場合に、例えば、ある監視盤のオペレータが、1台の料金自動収受機との間で操作や対応を行っている間、自身の配下にある他の料金自動収受機から監視盤に対して操作要求が発生した場合には、対応中の料金自動収受機との間での操作入力が終了した後に、次の料金自動収受機との間で操作入力の対応を行うこととなってしまう。そうすると、料金自動収受機の処理の順番待ちが発生してしまうので、この順番待ちが発生した料金自動収受機においては、料金精算が完了するまでにかかる時間が長引いてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、料金自動収受機における処理待ちの時間を短縮することができる料金自動収受機監視システム、料金自動収受機監視方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の料金自動収受機が監視盤に接続されるグループが複数設けられ、前記監視盤が自身のグループの配下である料金自動収受機に対して操作指示を入力可能な料金自動収受機監視システムにおいて、第1の監視盤と前記第1の監視盤とは異なるグループに属する第2の監視盤とを含み、料金自動収受機に対して操作指示が可能となる権限である操作権を管理する料金自動収受機監視システムであって、前記第1の監視盤は、前記複数の料金自動収受機のうち、前記第1の監視盤の配下の第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤との間で通信を行っているか否かを検出する通信検出部と、前記第1の監視盤の配下の料金自動収受機のうち前記第1の監視盤と通信を行っていない第2の料金自動収受機から通信の確立要求があるか否かを判定する通信要求判定部と、前記通信検出部と前記通信要求判定部との出力結果に基づいて、前記第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤とで通信を行っていることが前記通信検出部によって検出され、かつ、前記第1の監視盤の配下の前記第2の料金自動収受機から前記第1の監視盤に対して通信の確立要求があったことが前記通信要求判定部によって判定された場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第2の監視盤の配下とし、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に移譲するグループ管理部と、を有する。
【0009】
また、本発明は、上述した料金自動収受機監視システムにおいて、前記グループ管理部は、前記第2の料金自動収受機と前記第2の監視盤との通信が終了した場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第1の監視盤の配下とし、操作権を戻すことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述した料金自動収受機監視システムにおいて、通信が確立されていない第2の監視盤は、前記第1の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権の移譲要求を送信し、前記第1の監視盤は、前記第2の監視盤から操作権の移譲要求を受信した後、入力手段から操作権の移譲許可が入力された場合、前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権を移譲することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上述した料金自動収受機監視システムにおいて、通信が確立されていない第2の監視盤は、前記第1の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権の移譲要求を送信し、前記第1の監視盤は、前記第2の監視盤から操作権の移譲要求を受信した後、一定時間が経過した場合に、前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権を移譲することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上述した料金自動収受機監視システムにおいて、前記グループ管理部が、操作権のある前記第1の料金自動収受機に対する操作指示が入力部を介して入力され、操作入力された対象である前記第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤との間で通信が確立していることが前記通信検出部によって検出され、かつ、前記第1の監視盤との間で通信が確立していない前記第2の料金自動収受機から前記第1の監視盤に対して通信の確立要求があったことが前記通信要求判定部によって判定された場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第2の監視盤の配下とし、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に移譲する。
【0013】
また、本発明は、上述した料金自動収受機監視システムにおいて、前記グループ管理部が、前記第1の監視盤の配下にある発進制御機のゲートが開かれた場合、復帰条件が成立したと判定し、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第2の監視盤から前記第1の監視盤に復帰させる。
【0014】
また、本発明は、複数の料金自動収受機が監視盤に接続されるグループが複数設けられ、前記監視盤が自身のグループの配下である料金自動収受機に対して操作指示を入力可能な料金自動収受機監視システムにおいて、第1の監視盤と前記第1の監視盤とは異なるグループに属する第2の監視盤とを含み、料金自動収受機に対して操作指示が可能となる権限である操作権を管理する料金自動収受機監視システムで使用される料金自動収受機監視方法であって、前記第1の監視盤の通信検出部が、前記複数の料金自動収受機のうち、前記第1の監視盤の配下の第1の料金自動収受機と前記第1の料金自動収受機が接続された第1の監視盤との間で通信を行っているか否かを検出し、前記第1の監視盤の通信要求判定部が、前記第1の監視盤の配下の料金自動収受機のうち前記第1の監視盤と通信を行っていない第2の料金自動収受機から通信の確立要求があるか否かを判定し、前記第1の監視盤のグループ管理部が、前記通信検出部と前記通信要求判定部との出力結果に基づいて、前記第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤とで通信を行っていることが前記通信検出部によって検出され、かつ、前記第1の監視盤の配下の前記第2の料金自動収受機から前記第1の監視盤に対して通信の確立要求があったことが前記通信要求判定部によって判定された場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第2の監視盤の配下とし、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に移譲する。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、この発明によれば、第1の料金自動収受機と第1の監視盤とで通信を行っていることが通信検出部によって検出され、かつ、第1の監視盤の配下の第2の料金自動収受機から第1の監視盤に対して通信の確立要求があった場合に、第2の料金自動収受機を第1の監視盤とは異なるグループに属する第2の監視盤の配下にするようにしたので、対応可能な監視盤が自身の配下ではないグループに属していた料金自動収受機に対して操作指示の入力をすることが可能となる。これにより、料金自動収受機に対し、操作権限を柔軟に移譲することができ、料金自動収受機における監視盤からの処理待ち時間が長引いてしまうことを低減し、処理待ち時間を短縮することが可能になる。
【0016】
また、本発明は、第1の料金自動収受機と第1の監視盤との通信が終了し、かつ、第2の料金自動収受機と第2の監視盤との通信が終了した場合に、第2の料金自動収受機を第1の監視盤の配下とするようにしたので、料金自動収受機と監視盤とが通信を行っている途中に操作権限が切り替わって通信が途中で切断されてしまうことを防止することができる。
【0017】
また、本発明は、第2の監視盤に通信の確立要求がなされた後に通信確立の許可信号を第2の監視盤から受信した場合に、第2の料金自動収受機を第2の監視盤の配下とするようにしたので、操作権限が切り替わることを第2の監視盤のオペレータに認識させた上で操作権限の切り替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施形態による料金自動収受機監視システムの構成を示す概略構成図である。
【図2】1台の監視盤に複数台の収受機の操作権を割り当てた場合を示す図である。
【図3】監視盤の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】監視盤に対して操作入力がなされた場合における監視盤の動作を説明するフローチャートである。
【図5】操作権移譲管理処理について説明するフローチャートである。
【図6】遠隔監視盤に操作権を移譲した場合を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態による料金自動収受機監視システムについて図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による料金自動収受機監視システムの構成を示す概略構成図である。
この図において、料金自動収受機監視システムは、複数台の料金自動収受機(以下、収受機と称する)が複数台の監視盤にLANを介して接続されている。ここでは、料金所Aには、4台の収受機a1、a2、a3、a4が、LAN100Aを介して4台の監視盤A1、A2、A3、A4に接続され、料金所Bには、4台の収受機b1、b2、b3、b4が、LAN100Bを介して4台の監視盤B1、B2、B3、B4に接続される。また、監視盤A1〜A4、監視盤B1〜B4は、それぞれWANネットワーク200A、WANネットワーク200Bを介して遠隔監視盤Cに接続される。
この監視盤A1には、収受機a1を操作する権限であるa1操作権が設定されており、監視盤A2〜A4についても、それぞれ収受機a2〜a4のいずれか1台に対する操作権がa2操作権、a3操作権、a4操作権として設定されている。また、監視盤B1〜B4についても、それぞれ収受機b1〜b4のいずれか1台に対する操作権としてb1操作権、b2操作権、b3操作権、b4操作権として設定されている。
これにより、1台の監視盤が1台の収受機に対して操作指示の入力を行うことができる。
【0020】
遠隔監視盤Cは、料金所A、Bから離れた場所に設けられており、これら料金所A、Bを遠隔にてモニタリングしており、権限の移譲があれば、その収受機に対して操作指示をすることが可能である。
【0021】
図2は、1台の監視盤に複数台の収受機の操作権を割り当てた場合を示す図である。この図では、料金所Aにおいて、監視盤A1に設定されていたa1操作権を監視盤A3に移譲されており、これにより、監視盤A3において、収受機a1および収受機a3の両方を監視し、いずれかの収受機に対して操作指示の入力をおこなうことが可能である。この操作権の移譲を行うことによって、収受機の台数よりも少ない数のオペレータにて、収受機を監視することが可能である。また、監視盤A3のオペレータは、監視盤A1まで移動することなく、収受機a1に対する操作指示の入力を行うことができる。なお、ここでいう移譲とは、一方の監視盤に設定されていた操作権を解除し、他方の監視盤に設定することであり、この操作権の有無は、一例として、フラグの書き込みを行うことによって行うことができ、フラグが1のときに操作権あり、フラグが0のときに操作権なし、として判定可能である。操作権の移譲があった場合には、このフラグが書き換えられることによって、どの監視盤に操作権があるかを識別可能である。
【0022】
このように、操作権の移譲を行うことによって、1台の監視盤が複数台の収受機を配下とするグループが構成される。ここで、監視盤は自身のグループ外の収受機すなわち、配下にない収受機に対しては、操作権がないので、操作指示を行うことができない。これにより、同じ収受機に対し、複数の監視盤から異なる操作指示が入力されてしまうことを防止することが可能となる。
【0023】
次に、監視盤の構成について、図面を用いてさらに説明する。図3は、監視盤の構成を示す概略ブロック図である。ここでは、監視盤A1の構成について説明するが、他の収受機においても同様の構成を有するものとして説明する。
この図において、通信検出部10は、複数の料金自動収受機のうち自身の監視盤の配下にある収受機と自身の監視盤との間で通信を行っているか否かを検出する。ここでいう通信は、単に通信が確立している場合だけでなく、収受機を利用するドライバーと監視盤のオペレータとの間で対応が発生する場合であればよい。
この収受機を利用するドライバーと監視盤のオペレータとの間で対応が発生する場合の一例としては、例えば、収受機と監視盤との間でインターホンを利用した通話を行っている場合や、収受機のレーンを通過する車種判別装置において車種誤判別アラームが発生し、そのアラームが収受機から監視盤に通知された場合であったり、車種判別結果と通行券の記録車種とが不一致であって、収受機から監視盤にアラームが通知された場合、通行券記録の車両番号とナンバープレートを読み取った結果の車両番号とが不一致であって、収受機から監視盤にアラームが通知された場合などがあげられる。
通信要求判定部20は、自身の監視盤の配下の料金自動収受機のうち、自身の監視盤と通信を行っていない他の料金自動収受機から通信の確立要求があるか否かを判定する。
【0024】
グループ管理部30は、LAN100を介して接続される収受機のうち、自身の配下である収受機がいずれであるかを管理しており、自身の配下の収受機に対し、操作指示の出力を許可する。また、グループ管理部30は、他の監視盤に対し、自身の配下にある収受機の操作権を移譲したり、あるいは、他の監視盤の配下にある収受機の操作権の移譲を受けて、その収受機を自身の配下とする。この操作権の有無の情報については、グループ管理部30内のメモリ領域内に記憶されており、これを参照することにより、収受機に対する操作権の有無を把握可能である。ここで記憶される情報の構成の一例としては、LAN100に接続された収受機の各識別情報を記憶しておき、その識別番号に対応づけて、自身の操作権の有無を示すフラグを設定しておくことがあげられる。操作権の移譲があれば、その移譲に応じて、フラグを書き換える処理をグループ管理部30が行う。
【0025】
通知部40は、収受機と通信が確立されていない監視盤に対し、その監視盤の配下ではない料金自動収受機から通信の確立要求があることを通知する。
通信部50は、LAN100やネットワーク200を介し、各収受機や監視盤、遠隔監視盤200と通信を行う。
入力部60は、テンキーや各種操作ボタンであり、このキーやボタンから入力されるオペレータの指示を操作指示として、通信部50によって収受機に送信する。また、入力部60は、グループ管理部30によって、操作権が自身の監視盤に与えられているものについてのみ、オペレータからの入力を受付可能である。
出力部70は、収受機のモニタリング状況等の各種情報を液晶表示装置やCRT(Cathode Ray Tube)等の表示装置によって画像を表示したり、スピーカによって音声を出力したりする。この出力部70がタッチパネルである場合には、入力部60と出力部70とが同じ装置によって構成される。
【0026】
通信切断制御部80は、収受機との間において確立した通信を切断するか否かを判定する。通信を切断するか否かの判断は、例えば、操作指示の終了を検出することによって行われる。この操作指示の終了は、例えば、収受機との対応が完了した場合や、操作指示の入力終了のボタンがオペレータによって押下された場合、収受機に位置に停止していた車両が発進したことを発進検知器によって検知した場合、収受機と監視盤とのインターホンによる通信が終了した場合等があり、その料金所の運用に応じて、いずれを操作終了の基準とするかについて、任意に設定可能である。
【0027】
次に、上述した構成における料金自動収受機監視システムの動作について説明する。ここでは、監視盤A1について説明するが、他の監視盤も同様の処理を行うものとする。図4は、監視盤に対して操作入力がなされた場合における監視盤の動作を説明するフローチャートである。
【0028】
まず、監視盤A1は、LAN100Aに接続され自身の配下の収受機の状態と他の監視盤からの通知の有無をモニタリングし(ステップS10)、画面上に表示する。この画面に表示された情報を確認したオペレータによって操作指示が入力されたか否かを判定し(ステップS11)、操作指示が入力されていなければ、操作権移譲管理処理に移行し、操作指示が入力された場合には、自身の監視盤が、操作対象の収受機に対する操作権を有しているか否かを判定する(ステップS12)。操作権がない場合には、操作入力の拒否すなわち、入力された指示に応じた処理は行わない(ステップS13)。
一方、操作権がある場合には、その操作指示に応じた処理を行う。すなわち、監視盤は、オペレータから操作指示が入力されると、操作入力された対象の収受機と通信を確立し(ステップS14)、収受機の状態を表す情報を出力部70に出力する。そして、この出力された情報に応じてオペレータから入力部60を介して入力される指示を、通信を確立した収受機に対して送信する(ステップS15)。そして、オペレータからの操作指示が終了したか否かを通信切断制御部80によって検出し(ステップS16)、操作指示が入力されていなければ、引き続き通信を維持し、終了指示が入力されていれば、通信を切断し(ステップS17)、処理を終了する。
【0029】
図5は、図4のステップS11の後の操作権移譲管理処理について説明するフローチャートである。
グループ管理部30は、操作権の取得必要性があるか否かを判定する(ステップS21)。ここでは、例えば、監視盤A1が他の収受機と通信を行っている場合であって、監視盤A1の配下の収受機からアラームが発生していることがモニタリングされたか否かが判定される。このアラームとしては、例えば、車種誤判別アラームの発生、車種別結果と通行券記録車種の不一致、通行券記録と車両番号とナンバープレート読み取り装置と読み取り番号の不意一致等がある。取得の必要性がない場合、すなわち、ここでは、例えば、監視盤A1が他の収受機と通信を行っていない場合、あるいは、監視盤A1が他の収受機と通信を行っているが、監視盤A1の配下の収受機からアラームが発生していない場合は、操作権移譲管理処理を終了する。
【0030】
一方、操作権の取得の必要性がある場合、監視盤A1は、監視盤A1から監視盤A3に操作権の移譲が可能か否かを判定する(ステップS22)。ここで、操作権の移譲が不可能である場合には、他の監視盤に移譲可能か順次判定するようにしても良いし、権利移譲管理処理を終了してもよい。
他方、監視盤A1から監視盤A3に操作権の移譲が可能である場合、すなわち、監視盤A3が他の収受機と通信を行っていない場合は、監視盤A1が監視盤A3にアラームが発生している収受機の操作権(例えば、操作権a1)を移譲する(ステップS23)。
この移譲が完了すると、監視盤A1では、監視盤A1のモニタリング画面に収受機a1の状態を表示され(ステップS24)。監視盤A3では、収受機a1に対する操作入力が可能になる(ステップS25)。
【0031】
そして、監視盤A3のグループ管理部30は、オペレータから入力される操作指示に応じた処理を行い、操作の復帰条件が成立したか否かを検出する(ステップS26)。この操作権の復帰条件としては、例えば、操作権の移譲が行われてから予め決められた一定時間が経過したか否か、収受機との通信が終了したか否か、監視盤の配下にある発進制御機のゲートが開いたか否かのいずれかの条件が成立した場合に復帰条件が成立したものとして判断される。そして、この復帰条件が成立した場合には、移譲元の監視盤に対し、操作権の移譲を通知し、操作権a1を監視盤A1に復帰させる(ステップS27)。ここで、操作権a1を戻してしまっても、その操作権a1が戻った収受機における処理は終わっているので、操作権a1を戻された側の監視盤A1が他の収受機と対応している途中であっても問題ない。
【0032】
なお、以上説明した実施形態において、操作権を移譲する場合において、収受機の状態をモニタリングしていた監視盤から、収受機と監視盤との間で通信を行っている監視盤に対して操作権の移譲の要求を送信するようにしてもよい。そして、操作権の移譲要求を受けて監視盤のモニタリング画面に表示させ、この画面を確認したオペレータによって権利移譲の許可を示す「OK ボタン」等が押下された場合、あるいは、一定時間が経過した場合に、要求の送信元の操作盤に対して許可通知を送信し、操作権を移譲するようにしてもよい。
なお、以上説明した実施形態においては、監視盤が操作権の移譲を管理する場合について説明したが、この操作権の移譲を管理する操作権移譲管理装置を別途設け、この操作権移譲管理装置が、各料金所の操作権の移譲管理を一括して行うようにしてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態においては、通信が確立していない監視盤に対して操作権を移譲する場合について説明したが、その移譲先の監視盤は、同一料金所内の監視盤であってもよいし、別の料金所の監視盤や、遠隔監視盤であってもよい。
また、上述したように、操作権の移譲を行うことにより、例えば、夜間や交通量が少ない場合などにおいて、図7に示すように、遠隔監視盤Cにおいて、例えば、料金所Aにおける操作権を遠隔監視盤Cに一部または全てを、予め移譲しておくことも可能である。
【0034】
また、図1における監視盤の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより操作権の移譲管理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0035】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0036】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0037】
A1、A2、A3、A4、B1、B2、B3、B4 監視盤
a1、a2、a3、a4、b1、b2、b3、b4 収受機
10 通信検出部
20 通信要求判定部
30 グループ管理部
40 通知部
50 通信部
60 入力部
70 出力部
80 通信切断制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の料金自動収受機が監視盤に接続されるグループが複数設けられ、前記監視盤が自身のグループの配下である料金自動収受機に対して操作指示を入力可能な料金自動収受機監視システムにおいて、第1の監視盤と前記第1の監視盤とは異なるグループに属する第2の監視盤とを含み、料金自動収受機に対して操作指示が可能となる権限である操作権を管理する料金自動収受機監視システムであって、
前記第1の監視盤は、
前記複数の料金自動収受機のうち、前記第1の監視盤の配下の第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤との間で通信を行っているか否かを検出する通信検出部と、
前記第1の監視盤の配下の料金自動収受機のうち前記第1の監視盤と通信を行っていない第2の料金自動収受機から通信の確立要求があるか否かを判定する通信要求判定部と、
前記通信検出部と前記通信要求判定部との出力結果に基づいて、前記第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤とで通信を行っていることが前記通信検出部によって検出され、かつ、前記第1の監視盤の配下の前記第2の料金自動収受機から前記第1の監視盤に対して通信の確立要求があったことが前記通信要求判定部によって判定された場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第2の監視盤の配下とし、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に移譲するグループ管理部と、を有する
ことを特徴とする料金自動収受機監視システム。
【請求項2】
前記グループ管理部は、前記第2の料金自動収受機と前記第2の監視盤との通信が終了した場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第1の監視盤の配下とし、操作権を戻す
ことを特徴とする請求項1に記載の料金自動収受機監視システム。
【請求項3】
通信が確立されていない第2の監視盤は、前記第1の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権の移譲要求を送信し、
前記第1の監視盤は、前記第2の監視盤から操作権の移譲要求を受信した後、入力手段から操作権の移譲許可が入力された場合、前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権を移譲する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の料金自動収受機監視システム。
【請求項4】
通信が確立されていない第2の監視盤は、前記第1の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権の移譲要求を送信し、
前記第1の監視盤は、前記第2の監視盤から操作権の移譲要求を受信した後、一定時間が経過した場合に、前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に前記第2の料金自動収受機の操作権を移譲する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の料金自動収受機監視システム。
【請求項5】
前記グループ管理部は、
操作権のある前記第1の料金自動収受機に対する操作指示が入力部を介して入力され、操作入力された対象である前記第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤との間で通信が確立していることが前記通信検出部によって検出され、かつ、前記第1の監視盤との間で通信が確立していない前記第2の料金自動収受機から前記第1の監視盤に対して通信の確立要求があったことが前記通信要求判定部によって判定された場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第2の監視盤の配下とし、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に移譲する
ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の料金自動収受機監視システム。
【請求項6】
前記グループ管理部は、
前記第1の監視盤の配下にある発進制御機のゲートが開かれた場合、復帰条件が成立したと判定し、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第2の監視盤から前記第1の監視盤に復帰させる
ことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の料金自動収受機監視システム。
【請求項7】
複数の料金自動収受機が監視盤に接続されるグループが複数設けられ、前記監視盤が自身のグループの配下である料金自動収受機に対して操作指示を入力可能な料金自動収受機監視システムにおいて、第1の監視盤と前記第1の監視盤とは異なるグループに属する第2の監視盤とを含み、料金自動収受機に対して操作指示が可能となる権限である操作権を管理する料金自動収受機監視システムで使用される料金自動収受機監視方法であって、
前記第1の監視盤の通信検出部が、
前記複数の料金自動収受機のうち、前記第1の監視盤の配下の第1の料金自動収受機と前記第1の料金自動収受機が接続された第1の監視盤との間で通信を行っているか否かを検出し、
前記第1の監視盤の通信要求判定部が、
前記第1の監視盤の配下の料金自動収受機のうち前記第1の監視盤と通信を行っていない第2の料金自動収受機から通信の確立要求があるか否かを判定し、
前記第1の監視盤のグループ管理部が、
前記通信検出部と前記通信要求判定部との出力結果に基づいて、前記第1の料金自動収受機と前記第1の監視盤とで通信を行っていることが前記通信検出部によって検出され、かつ、前記第1の監視盤の配下の前記第2の料金自動収受機から前記第1の監視盤に対して通信の確立要求があったことが前記通信要求判定部によって判定された場合に、前記第2の料金自動収受機を前記第2の監視盤の配下とし、前記第2の料金自動収受機に対する操作権を前記第1の監視盤から前記第2の監視盤に移譲する
ことを特徴とする料金自動収受機監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−69347(P2013−69347A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−8819(P2013−8819)
【出願日】平成25年1月21日(2013.1.21)
【分割の表示】特願2008−29692(P2008−29692)の分割
【原出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】