説明

断熱性紙容器の製造方法

【課題】
ガスバリア性を有する断熱性紙容器を製造する方法を提供する。
【解決手段】
紙容器2の胴部21を構成する断熱性紙容器用素材1は、低融点オレフィン系樹脂層12、ガスバリア層13、オーバーコート層14、含水澱粉粒を含む澱粉と接着剤との混合塗工層15、低融点オレフィン系樹脂からなる樹脂層16を、この順で紙製の基材11の外側表面に積層して構成されている。この断熱性紙容器用素材1の外面側が加熱、減圧吸引されて、含水澱粉と接着剤との混合塗工層15に含まれる澱粉粒中の水分の蒸発で、厚さの高い独立気泡の発泡層16aが形成される。本発明では断熱性紙容器用素材の巻取りを連続的に発泡させたブランクを作成した後に、成形加工して断熱性紙容器とする効率的な製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホット飲料用等のカップ、熱湯を注入することによって飲食し得る状態にする即席可食品用容器、さらには電子レンジ調理用の容器等に利用される紙容器を、紙容器全体を加熱することなく、即ち、原紙中の水分蒸発による発泡作用を用いずに、一方の面からの加熱と減圧吸引で発泡セルを形成した、ガスバリア性と断熱性を有する紙容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱性を有する紙容器の製造方法としては、原紙を基材とし、該基材にラミネートした熱可塑性樹脂(オレフィン系樹脂)層を、紙中の水分を蒸発させて発泡させ、断熱性紙容器とする方法は良く知られている。すなわち紙容器の内面側に相対的に融点の高いオレフィン系樹脂層をラミネート、また紙容器の外面側に相対的に融点の低いオレフィン系樹脂層をラミネートした素材構成から成る紙容器の全体を加熱し、紙中の水分の蒸発を利用して、紙容器外面側に、オレフィン系樹脂層の発泡層を設けて断熱紙容器にする方法である。
例えば、特許文献1では、紙容器全体を加熱し、紙中の水分を蒸発させ、この水蒸気を発泡剤として、熱可塑性樹脂膜を発泡させる方法が示されている。
更に、特許文献2では、発泡面を真空吸引して、発泡セルを紙表面から剥離させ、セルの高さを高める方法も提案されているが、紙中の水分の蒸発を利用するので、容器全体をオーブン中で加熱する等、生産性とコスト、エネルギー浪費の面で解決必要な要因が多数存在していた。
【0003】
また、原紙中の水分を用いないで断熱性を有する紙容器の製造方法としては、特許文献3にオレフィン系樹脂層、発泡性インキ(加熱により発泡する発泡剤、例えば、テトラアルキルシラン、クロロフルオロカーボン、ブタン等を樹脂製の中空球体の内部に充填させてなる発泡剤を含有する印刷インキ)を含有する塗布層、オレフィン系樹脂層の順で紙製の基材の上に積層してなる成形用ブランク板を用いて容器形成材料を成形し、得られた容器形成材料を加熱して発泡性インキを発泡させる方法が知られている。
さらに、特許文献4では、発泡シートと板紙とを部分的接着剤で接合した複合シートを形成し、発泡シートを加熱して、軟化した該シート側から真空吸引することによって発泡シートを成型金型に沿って成形して、高さの高い凸部を形成させている。
また、特許文献5では、板紙にシリコンオイル等の接合阻止剤をスポット状に塗布し、その上にフィルムをラミネートし、前記ラミネートフィルムの接合された面を加熱した後、ラミネートフィルムの接合阻止剤が塗布された部分を真空吸引により発泡させた構造が提案されている。
【0004】
熱可塑性樹脂層を、加熱後、真空吸引して、空気層を設ける方法は古くから行われ、例えば、緩衝材としてきわめて一般的に使われる、「エアキャップ」は、熱可塑性樹脂皮膜を加熱後、エアキャップのセルの形状をした凹みのあるロール表面で真空吸引して凹部を設け、しかるのちに、新たな熱可塑性樹脂層をラミネートして空気を凹部内に密封して、エアキャップとしている。該エアキャップは、断熱性も高く緩衝材、断熱材として広く使われている。しかし、厚くなり、紙容器用途では、使われていない。
【0005】
従来技術の、紙中の水分を利用する方法では、大型オーブンを用いた紙容器の加熱に広大なスペースを要し、また、加熱効率が悪く材料中の水分蒸発に時間がかかることからコストアップの要因になっていた。しかも、可燃性を有する容器形成材料の加熱時間は短く抑えることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭57−110439号公報
【特許文献2】特許第3722434号公報
【特許文献3】特開平06−099967号公報
【特許文献4】特開昭61−246041号公報
【特許文献5】特開2000−177039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来のような紙中の水分に依存した発泡方法ではなく、紙中の水分を発泡剤として使用せずに、熱可塑性樹脂層(オレフィン系樹脂)、および、水分保持材と接着剤の混合塗工層との複合層を発泡させて、更に、この発泡面を減圧吸引して発泡厚さを高くするとともに、ガスバリア性も付与した断熱性紙容器を安価で、効率的に製造する方法を提供する。
【0008】
即ち、紙容器用素材構成中に配置されたガスバリア層の更に外面側に、発泡層が設けられ、これを外面側から加熱と減圧吸引して、発泡させることで、断熱性の高い、ガスバリア性発泡断熱紙容器を製造する方法である。
本発明では、特願平2008−112975号の発泡のように、例えば、澱粉中に含まれている水分を加熱により気化させ、この気化した水分を発泡剤としてポリエチレンフィルム等の熱可塑性樹脂層を発泡させる基礎的な方法をもちいて、更にガスバリア性の高い素材と組み合わせ、熱可塑性樹脂層、および、水分保持材と接着剤の混合塗工層との複合層からなる発泡部を加熱、減圧吸引して、厚さの高い発泡セルを設ける製造方法を提案するものである。
即ち、特許第3722434号の、紙製素材全体を拘束して位置決めしながら、真空吸引を行い、その発泡セルの一部を紙表面から剥離し、隣接する発泡セルと相互作用して厚さの高い発泡セルにする方法では、紙表層を破壊し、真空吸引等で強く吸引する必要があり、エネルギーロスが多い。
【0009】
以上の問題に対して、容器形成材料を効率よく加熱し、熱可塑性樹脂層、および、水分保持材と接着剤の混合塗工層との複合層を発泡させて、この発泡層を減圧吸引して発泡厚さを高くするとともに、ガスバリア性を付与した断熱性の高い紙容器を効率的に製造する方法を提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために以下の(1)〜(6)の構成を採る。
(1)熱可塑性樹脂を含む樹脂層と、前記樹脂層に積層された澱粉を主とする水分保持層とを紙製の基材の外面側に備えた素材を、外面側から加熱して形成された発泡セルを減圧吸引して、該発泡セルを厚さ方向に延伸し、厚さの高い発泡セルを有する素材とした後、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【0011】
(2)紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の外面側を加熱して生じた発泡セルを減圧吸引して発泡セルを厚さ方向に延伸して得られる、厚さの高い発泡セルを有する素材とした後、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【0012】
(3)紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の巻き取りを、連続的に供給しながら、その外面側を連続的に遠赤外線ヒーター等で加熱して発泡セルを形成させてのち、連続的に該外面側の所定部を所定形状の断熱性紙容器用素材を有する金型内面の凹部で減圧吸引して発泡セルを厚さ方向に延伸し、同時に隣接の所定部を金型の凸部で押圧して、発泡セルを厚さ方向に押し潰して非発泡状態とした素材を、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【0013】
(4)紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の巻き取りを、連続的に供給しながら、その必要部のみを、ロール表面に部分的に設置された遠赤外線ヒーター等で加熱後、当該部をロール表面に配置された金型内面の凹部にて連続的に減圧吸引しながら、発泡セルを厚さ方向に延伸した素材を、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【0014】
(5)紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の巻き取りを、間歇的に供給しながら、遠赤外線ヒーター等で、必要部のみを加熱し、該部をプラテン表面に配置された金型等の凹部にて間歇的に減圧吸引しながら、発泡セルを厚さ方向に延伸した素材を、プラテン打ち抜き機等で、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
(6)そして、(1)〜(5)項の製造を可能にする、製造装置も本発明の基本技術を構成する。
【発明の効果】
【0015】
基材11の外面側にガスバリア層13、オーバーコート層14、混合塗工層15、樹脂層16を積層して形成された断熱性紙容器用素材1を紙容器2の胴部21として用いるに際し、断熱性紙容器用素材1からなる巻取りを外面側から加熱、減圧吸引して発泡セルを厚さ方向に延伸した後に、所定の形状のブランクに打ち抜き成型して紙容器2とする本願実施形態の製造方法によれば、高い断熱性と外部からの臭気移行を防止可能な胴部21を備えた紙容器2を、きわめて効率的に得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態の紙容器の製造に用いる断熱性紙容器用素材1の構成の概略を示す断面図である。
【図2】断熱性紙容器用素材を胴部に用いて構成された紙容器2を示す側面図である。
【図3】本発明の巻取り給紙・連続的全面加熱減圧吸引・発泡層形成装置の概念図である。
【図4】本発明の巻取り給紙・連続的部分面加熱減圧吸引・発泡層形成装置の概念図である。
【図5】本発明の巻取り給紙・間歇的部分面加熱減圧吸引・発泡層形成装置の概念図である。
【図6】本発明の減圧吸引用金型の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態の紙容器とその製造方法を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態での紙容器2の製造に用いる断熱性紙容器用素材1の構成の概略を示す断面図である。図2は、断熱性紙容器用素材を胴部21に用いて構成された紙容器2を示す側面図である。
【0018】
本実施形態の紙容器の製造方法では、断熱性紙容器用素材1を形成する断熱性紙容器用素材形成工程と、断熱性紙容器用素材を加熱して発泡層を形成する発泡層形成工程と、発泡層を減圧吸引する発泡セル延伸形成工程と、得られた発泡延伸した断熱性紙容器用素材から容器状の胴部21を形成する容器形成工程と、を含み構成されている。
【0019】
断熱性紙容器用素材形成工程では、図1に示すように、ガスバリア性PETフィルム層13と紙製の基材11とを貼り合わせるための低融点オレフィン系樹脂(熱可塑性樹脂)層12、ガスバリア性フィルム13とオーバーコート層14、水分保持材と接着剤の混合塗工層15、低融点オレフィン系樹脂層16が、この順で紙製の基材11の表面(外面)に積層される。また、基材11の裏面(内面側)には、高融点オレフィン系樹脂からなる樹脂層10が積層される。水分保持材と接着剤の混合塗工層15は、1〜3g(Dry)/mの塗布量となるように、印刷やコーティング等の手法を用いて形成される。また、樹脂層12は15〜20μm程度、樹脂層16は20〜70μm程度の厚さとなるように、それぞれ溶融樹脂の押出しコーティングやオレフィン系樹脂フィルムの貼着等の手法を用いて形成される。
また、加熱・発泡処理時に、接着剤は樹脂層16の内面部と一体となって複合層を形成し、同調して膨張・発泡するが、発泡終了後の冷却段階では、発泡セルの収縮を抑制させる機能も持たせる。そのため、冷却段階では、急激に貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E”)が上昇して、固化する。勿論、前述したように、加熱時には、Tgを超えた温度域で、貯蔵弾性率、損失弾性率は急激に低下し、柔らかくなって、低融点オレフィン系樹脂層16の発泡を阻害しない。
【0020】
発泡層形成工程では、断熱性紙容器用素材1の加熱処理、減圧吸引、次いで冷却処理が行われる。
加熱処理では、断熱性紙容器用素材1が外面側から加熱され、水分保持材と接着剤の混合塗工層15に含まれる澱粉粒中の水分で樹脂層16に独立気泡が形成され、ついで減圧吸引で当該発泡部が延伸され厚さの高い独立気泡となる。加熱処理では、独立気泡が破れない程度に加熱、減圧吸引することで、独立気泡中に水蒸気を残留させる。次いで行われる冷却工程では、混合塗工層15中の接着剤が、発泡セルを収縮させぬように機能して、厚さの高い独立気泡を維持する。
【0021】
上述した製造方法で得られた紙容器によれば、断熱性紙容器用素材1を外面側から加熱することで、胴部21の基材11の外面側にある水分保持材と接着剤の混合塗工層15中の水分を効率的に加熱して蒸発させ、樹脂層16を発泡させて、その後に減圧吸引して、断熱層16aを形成することができる。このため、断熱性紙容器用素材1の加熱に必要な熱量を、断熱層16aの形成に必要なだけに抑えて、加熱効率を高めることができ、この結果、紙容器2の製造コストを低減することができる。
【0022】
グラビア印刷で含水澱粉を含む水分保持材と接着剤の混合塗工層15を網点状態で塗布すると、非網点部では樹脂層16とオーバーコート層14とが樹脂層16の溶融押し出し時に熱融着され、網点部を両層14と16で密封することになり、混合塗工層15から吹き出す水蒸気の逃げ場をなくし、樹脂層16をオーバーコート層14から剥離させ、網点部を容易に発泡させることができる。即ち、ガスバリア層13と、オーバーコート層14との一体層と樹脂層16で密封することで、混合塗工層15から吹き出す水蒸気の逃げ場をなくし発泡させる。しかも、安価な澱粉を発泡材として用いることで、紙容器3の製造コストを低く抑えることができる。また、澱粉には臭気の問題がなく、食品に混在しても人体に害もなくて、安全性が高い。更に接着剤も、FDA規格、IARC 3ランクに適合させたので、食品衛生性が高く、安全、安心な食品用紙容器3を提供できる。また、可燃ゴミとしても廃棄でき、環境汚染もない。
【0023】
ガスバリア層は、紙容器の内面側に配置しても、また外面側に配置してもよいが、内面側に配置し、外面側に配置しない場合は、外面側の熱可塑性樹脂層や、紙素材層に、各種臭気物質が吸着してしまい、紙容器に熱湯を注いだ場合、該臭気物質が、遊離して強い臭気となる場合があるので、極力。ガスバリア層を外側面に配置した紙容器がのぞましい。しかしながら、バリア層を内面側に配置しても、即席麺等の内容物に外部臭気が移行し、トラブルとなることはない。
【0024】
なお、発泡層形成用の水分保持材層は、発泡層を構成する樹脂層に積層されて、ガスバリア層の外面側に備えられているのであれば、断熱性紙容器用素材1の厚さ方向のどこに形成されていてもよく、例えば、図1に示す例では、基材11の外面、あるいはガスバリア層13、オーバーコート層14の外面の何れかに備えられていればよい。
【0025】
次に、発泡層形成工程で用いられる加熱、減圧吸引装置について図面を用いて説明する。
図3、図4、図5、は、発泡層形成装置の構成の概略を模式的に示す図である。
【0026】
断熱性紙容器用素材1の巻取り31を、アンリールスタンドに架け(図3)、連続的に供給しながら、外面側32を連続的に遠赤外線ヒーター33で加熱して発泡セルを形成させた。この際、非加熱面は冷却ロール34に捲廻し、冷却しながら行った。直ちに、該加熱面を、金型内蔵ロール面35の発泡セル形状の凹部に接触させ、減圧吸引して、発泡セルを厚さ方向に延伸する。同時に金型内の非減圧吸引部(凸部)は、発泡セルをロール&ベルトプレス38で押圧して、セルを厚さ方向に押し潰し、該部には実質的にセルのない、非発泡状態の連続皮膜とする。更に発泡面を冷風36で冷却し、ロータリーダイカッター37で打ちぬき、所定面のみが発泡したブランクを得た。
【0027】
素材の巻き取り41を、アンリールスタンドに架け、連続的に供給しながら、ロール表面に部分的に設置された遠赤外線ヒーター43で、加熱処理面側42の発泡必要部のみを加熱後、当該部を、ロール表面に配置された金型45内面の凹部にて連続的に減圧吸引しながら、発泡セルを厚さ方向に延伸し、更に発泡面を冷風36で冷却し、ロータリーダイカッター47で打ちぬき、所定面のみが発泡したブランクを得た。
【0028】
素材の巻き取り51を、アンリールスタンドに架け、間歇的に供給しながら、機械の流れ方向に部分的に設置された遠赤外線発生鋳込みヒーター(断熱用に必要な発泡形状に設定)53で、加熱発泡処理面52の必要部のみを加熱した。所定形状の鋳込みヒーターは給紙の流れ方向に間歇的、かつ多段に設置し、間歇的に給紙しながら、間歇的に鋳込みヒーターを近接させて、徐々に加熱、含水澱粉を含む接着剤との混合層15の水分を蒸発、発泡させ、鋳込みヒーターにつづいて設けられた減圧吸引装置で、金型55内面の凹部にて減圧吸引して、発泡セルを厚さ方向に延伸した素材の発泡面を冷風56で冷却し、プラテン打ち抜き機57で、所定形状に打ち抜いて、所定面のみが発泡したブランクを得る。
【0029】
特に次工程の容器成型時に、発泡したブランクをウイングでマンドレルに巻きつけるが、該ウイングで発泡表面がこすられて発泡部が脱落しないように、発泡部を設計する必要がある。また、容器胴部の頂部側、底部側は、ブランクをU字状の治具表面で導かれ擦られながら、U字状にカーリングさせるが、該治具で発泡表面がこすられて脱落しないように、配慮して発泡部位をきめる必要がある。概ね、ブランクの頂部側、底部側の各10〜20mm、必要に応じて、中央部の10〜20mmが発泡しないように、加熱、減圧吸引部を設計する。また、カップ成型以前に、擦られる部分を、ヒートシール機、あるいは超音波シールウエルダーで予め押圧して、発泡セルを消滅させ、可能な限り発泡前の樹脂膜状に戻して、対擦性を高めることも可能である。
【0030】
減圧吸引用の金型について図面を用いて説明する。
図6は減圧吸引形用金型の概略を模式的に示す図である。図6に示す発泡層減圧吸引形成用金型は、断熱性容器用素材1を加熱後に外面側から金型で覆って減圧吸引する。
金型内面は、種々な形状が可能である。直径1〜6mm、深さ1〜6mmの円形の凹部が1〜6mm間隔で連続して形成されてもよく、形状、深さ、間隔については、必要な断熱性レベルに応じて、各々組み合わせた凹部、即ち、発泡セル形状にすることが出来る。金型との剥離性を良くするため、フッ素樹脂焼付け加工(タフラム加工)等を行っても良い。
【0031】
容器形成材料2の外面側からの加熱は、遠赤外線ヒーターが望ましいが、熱風吹き付け、電磁波や電子線の照射により行ってもよい。例えば、電磁波発生装置(マグネトロン)で発生した電磁波を導波路を通して照射してもよい。また、容器形成材料2の外面をガスバーナーで直接加熱してもよい。電子線の照射には、例えば、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種の電子加速器を用いることができる。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の紙容器の製造方法の具体的な構成を実施例に基づいて説明する。
[実験1]
実施例1〜4及び比較例1〜2の各紙容器の、以下の諸データを表1に記載する。
(1)臭気;
※評価基準:4段階評価(試験人数は5人)
(◎)異臭無し (○)微かな異臭気 (△)異臭有り (×)強い異臭
1)食品への移り香:
紙容器内に、即席麺等の食品を所定量いれて、蓋材にて密封シールしてのち、デシケーター中に48時間保存した。同デシケーター中には、パラジクロロベンゼン、トリクロロアニソール等の強い臭気発生物質を並存させ、即席麺等の食品への移り香有無を評価した。
2)紙容器の臭気:98℃の熱水を350ml注入、経時後の紙容器の臭気有無を評価した。
(2)保持時間(断熱性);(試験人数は3人)
厚さ5mmの発泡ポリスチレン製の断熱シートの上に載置した後、紙容器3の内部に98℃の熱水を350ml注入、熱くて手にもてなくなるまでの時間を測定した。
(3)発泡セルの高さ;加熱前のフランク板との厚さ(高さ)の差異を実測した。
【0033】
<実施例1>
予め、アルミニウム蒸着ガスバリア性ポリエチレンテレフタレート(VM−PET)フィルム(王子特殊紙(株)製、厚さ:12μm、蒸着面に、蒸着金属とPETフィルムとの密着力を高める効果もある水系ポリエステル樹脂をオーバーコートしたフィルム)と、坪量300g/mの原紙からなる基材11の表面(外面側)とを、LLDPE(日本ポリエチレン社製「XM117」、メタロセン触媒品、厚さ20μm)を用いて、溶融樹脂の押出しコーティング法でサンドイッチラミネート(樹脂層12)して、ガスバリア層を有する断熱性紙容器用素材1の基本構造の巻取を作成した。
【0034】
次いで、水分保持材の米澱粉(北越スターチ(株)製「ファィンスノウ」)に、接着剤としてアクリル樹脂系エマルジョン(澱粉に対して樹脂固形分50質量%、樹脂Tg:75℃)を添加した混合塗工層15を、グラビア印刷(シリンダーのセル深度60μm、レーザー彫刻)でパターン状にオーバーコート層14上に塗布(塗布量5g(Dry)/m)した。なお、米澱粉には、事前に水浸漬処理を常温で2時間又は50℃で30分間施し、処理前の粒径6μm、含水率13%を、処理後の粒径7μm、含水率51%に変化させている。次いで、厚さ60μmのLLDPE:XM117を押出しコーティング法でラミネートし、樹脂層16を形成した。
【0035】
更に、厚さ40μmのHDPE(日本ポリエチレン社製、高密度ポリエチレン)を溶融樹脂の押出しコーティング法で基材11の裏面(内面側)に積層し、樹脂層10を形成した。更に、ボブストチャンプレン社(スイス国)のレマニック115型の8色グラビア印刷機を用いて、樹脂層16表面に所定の文字、絵柄等を印刷したものを実施例1の素材巻取りとした。
【0036】
該巻取りを、アンリールスタンド31に架け(図3)、連続的に供給しながら、外面側32を連続的に遠赤外線ヒーター33で加熱して発泡セルを形成させた。この際、非加熱面は冷却ロール34に捲廻し、冷却しながら行った。直ちに、該加熱面を、金型内蔵ロール面35の発泡セル形状の凹部に接触させ、減圧吸引して、発泡セルを厚さ方向に延伸する。同時に金型内の非減圧吸引部(凸部)は、発泡セルをロール&ベルトプレス38で押圧して、セルを厚さ方向に押し潰し、該部には実質的にセルのない、非発泡状態の連続皮膜とする。この連続皮膜化は、紙容器に成型時の成型治具でこすられても、実質的には発泡セルがないので、表面の脱落を防止できて、有用である。更に発泡面を冷風36で冷却し、ロータリーダイカッター37で打ち抜き、所定面のみが発泡したブランクを得た。発泡層の厚さ方向の高さは0.8〜0.9mmであった。
【0037】
別途、坪量300g/mのコーティング原紙からなる基材の裏(容器内面側)に、厚さ20μmのLLDPE:XM117を押出しコーティング法でラミネートし、表(容器外面側)に、アルミニウム蒸着ガスバリア性PETフィルム(厚さ:12μm、王子特殊紙(株)製)をLLDPE:XM117(日本ポリエチレン社製,メタロセン触媒。厚さ20μm)を用いて、押出しコーティング法でサンドウィッチラミネート後、更に重ねて、該アルミニウム蒸着ガスバリア性PETフィルム上に、LLDPE:XM117(日本ポリエチレン社製,メタロセン触媒。厚さ20μm)をラミネートした。これを所定のサイズの円形状に打ち抜いて、ガスバリア性底板部22として容器形成材料2を得た。
これらフランクと底部を紙容器成型機にて一体化、容器形状として、紙容器(口部の直径:92mm,高さ:105mm:容量470ml)の断熱紙カップを得た。
【0038】
更に、紙容器性能を試験評価するために、ガスバリア性蓋材を準備した。即ち、紙(100g/m)の外面側(紙容器)にアルミニウム箔(20μm)と紙(100g/m)をLLDPE(20μm)でサンドウィッチラミネートして後、更にアルミニウム箔(20μm)上に、LLDPE(20μm)をラミネートした。更に紙の内面側(紙容器)にもLLDPE(20μm)をラミネートした。アルミニウム箔を構成中(外面側)に含むので、高いガスバリア性がある。この素材を所定形状に打ち抜き、試験評価用の蓋材とした。
また、紙容器内に、即席麺等の食品を所定量いれて、蓋材にて密封ヒートシールしてのち、デシケーター中に48時間保存した。同デシケーター中には、パラジクロロベンゼン、トリクロロアニソール等の強い臭気発生物質を並存させ、即席麺等の食品への移り香有無と紙容器自体の加温時の異臭有無を評価した。また、95℃の熱湯を350ml注入し、熱くて手にもてなくなるまでの時間(断熱性)を測定した。
【0039】
<実施例2>
実施例1の素材巻取りを、アンリールスタンドに架け、連続的に供給しながら、ロール表面に部分的に設置された遠赤外線ヒーター43で、加熱処理面側42の発泡必要部のみを加熱後、当該部を、ロール表面に配置された金型45内面の凹部にて連続的に減圧吸引しながら、発泡セルを厚さ方向に延伸し、更に発泡面を冷風46で冷却し、ロータリーダイカッター47で打ち抜き、所定面のみが発泡したブランクを得た。発泡必要な所定部のみ発泡させたので、非発泡部は、発泡の履歴がないので、堅固な層を形成し、容器形成時の治具による摩擦等の負荷に十分に耐えられ、実施例1のように、セルを押し潰して消滅させ、成型時の対摩擦性を改善する必要はなかった。
これらブランクと底部を紙容器成型機にて一体化して、断熱紙カップを得た。
発泡層を厚さ方向の高さは0.8〜0.9mmであった。また、紙容器内に、即席麺等の食品を所定量いれて、実施例1と同様に即席麺等の食品への移り香有無を評価した。また、同様に熱湯を注入し、熱くて手にもてなくなるまでの時間を測定した。
【0040】
<実施例3>
実施例1の素材巻取りを、アンリールスタンドに架け、間歇的に供給しながら、機械の流れ方向に部分的に設置された遠赤外線発生鋳込みヒーター53で、加熱発泡処理面52の必要部のみを加熱し、該部をプラテン表面に配置された金型55内面の凹部にて減圧吸引して、発泡セルを厚さ方向に延伸した素材を、更に発泡面を冷風56で冷却し、プラテン打ち抜き機57で、所定形状に打ち抜いて、所定面のみが発泡したブランクを得た。発泡必要な所定部のみ発泡させたので、非発泡部は、発泡の履歴がないので、堅固な層を形成し、容器形成時の治具による摩擦等の負荷に十分に耐えられ、セルを押し潰して消滅させ、成型時の対摩擦性を改善する必要はなかった。
これらブランクと底部を紙容器成型機にて一体化、容器形状として断熱紙カップを得た。
発泡層を厚さ方向の高さは0.8〜0.9mmであった。また、紙容器内に、即席麺等の食品を所定量いれて、実施例1と同様に即席麺等の食品への移り香の有無を評価した。また、同様に熱湯を注入し、熱くて手にもてなくなるまでの時間を測定した。
【0041】
<実施例4>
坪量300g/mの原紙からなる基材11の表面(外面)の全面に、厚さ20μmのLLDPE:XM117を、溶融樹脂の押出しコーティング法でラミネートした。次いで、実施例1と同様に米澱粉と、接着剤の混合塗工層を塗布した。さらに、厚さ40μmのLLDPE:XM117をラミネートした。また、厚さ40μmのHDPE(高密度ポリエチレン)を押出しコーティング法で基材11の裏面(内面)に積層を形成した。
また、坪量300g/mのコーティング原紙からなる基材の表裏両面に、厚さ20μmのLLDPE:XM117を押出しコーティング法で積層した積層シートで底板部材を形成した。これらを基に、ガスバリア層を持たない、断熱性紙容器用素材をつくり、実施例1と同様に加熱、減圧吸引してのち、打ち抜いて得られたブランクを一体化、容器形状として、断熱紙カップを得た。発泡層を厚さ方向の高さは0.8〜0.9mmであった。また、紙容器内に、即席麺等の食品を所定量いれて、実施例1と同様に即席麺等の食品への移り香の有無を評価した。また、同様に熱湯を注入し、熱くて手にもてなくなるまでの時間を測定した。
【0042】
<比較例1>
実施例1において、減圧吸引処理を実施しないほかは、紙容器を作成し、性能を評価した。
【0043】
<比較例2>
厚さ1.5mmの発泡ポリスチレン樹脂紙容器3(容量470ml)を、比較のための紙容器3として準備した。
【0044】
結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
このように、基材11の外面側にガスバリア層13、オーバーコート層14、混合塗工層15、樹脂層16を積層して形成された断熱性紙容器用素材1を紙容器2の胴部21として用いるに際し、断熱性紙容器用素材1からなる巻取りを外面側から加熱、減圧吸引して発泡セルを厚さ方向に延伸した後に、所定の形状のブランクに打ち抜き成型して紙容器2とする本願実施形態の製造方法によれば、高い断熱性と外部からの臭気移行を防止可能な胴部21を備えた紙容器2を、きわめて効率的に得られることが明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の紙容器は、断熱性紙容器用素材1の加熱効率を高めて製造コストを低減でき、また、優れた断熱性を有することから、例えば、自動販売機等のホット飲料充填用のカップ、熱湯を注入して内填物を飲食する所謂即席可食品用容器、さらには電子レンジでの調理用の容器等として利用され、使い捨て用等に適した安価な断熱性紙容器として高度の利用価値を有する。
【符号の説明】
【0048】
1:断熱性紙容器用素材
10:熱可塑性樹脂HDPE
11:基材(紙)
12:熱可塑性樹脂LLDPE
13:ガスバリア層(アルミニウム蒸着PETフィルム層)
14:オーバーコート樹脂層
15:水分保持材(含水澱粉)を含む接着剤との混合塗工層
16:熱可塑性樹脂LLDPE
2:紙容器
21:胴部
22:底板部
3:巻取り給紙・連続的全面加熱減圧吸引・発泡層形成装置
31:素材巻取り
32:発泡加熱処理面
33:遠赤外線発生ヒーター(ランプ)
34:冷却ロール
35:減圧吸引装置(吸引用金型内臓、装着)
36:冷却装置
37:ロータリーダイカッター
38:ロール&ベルトプレス
4:巻取り給紙・連続的部分面加熱減圧吸引・発泡層形成装置
41:素材巻取り
42:発泡加熱処理面
43:遠赤外線発生鋳込みヒーター(ランプ)
44:ベルトプレス
45:減圧吸引装置(吸引用金型装着)
46:冷却装置
47:ロータリーダイカッター
5:巻取り給紙・間歇的全面加熱減圧吸引・発泡層形成装置
51:素材巻取り
52:発泡加熱処理面
53:遠赤外線発生鋳込みヒーター
54:上部フレーム
55:減圧吸引用金型
56:冷却装置
57:プラテン打ち抜き機
58:受け台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂を含む樹脂層と、前記樹脂層に積層された澱粉を主とする水分保持層とを紙製の基材の外面側に備えた素材を、外面側から加熱して形成された発泡セルを減圧吸引して、該発泡セルを厚さ方向に延伸し、厚さの高い発泡セルを有する素材とした後、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【請求項2】
紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の外面側を加熱して生じた発泡セルを減圧吸引して発泡セルを厚さ方向に延伸して得られる、厚さの高い発泡セルを有する素材とした後、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【請求項3】
紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の巻き取りを、連続的に供給しながら、その外面側を連続的に遠赤外線ヒーター等で加熱して発泡セルを形成させてのち、連続的に該外面側の所定部を所定形状の断熱性紙容器用素材を有する金型内面の凹部で減圧吸引して発泡セルを厚さ方向に延伸し、同時に隣接の所定部を金型の凸部で押圧して、発泡セルを厚さ方向に押し潰して非発泡状態とした素材を、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【請求項4】
紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の巻き取りを、連続的に供給しながら、その必要部のみを、ロール表面に部分的に設置された遠赤外線ヒーター等で加熱後、当該部をロール表面に配置された金型内面の凹部にて連続的に減圧吸引しながら、発泡セルを厚さ方向に延伸した素材を、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。
【請求項5】
紙容器外面側から内面側に、順次、熱可塑性樹脂層、澱粉を主とする水分保持材層、熱可塑性樹脂層、紙層、熱可塑性樹脂層で構成され、更に澱粉を主とする水分保持材層より内側にガスバリア層を設けてなる断熱性紙容器用素材からなる断熱性紙容器の製造方法において、
該断熱性紙容器用素材の巻き取りを、間歇的に供給しながら、遠赤外線ヒーター等で、必要部のみを加熱し、該部をプラテン表面に配置された金型等の凹部にて間歇的に減圧吸引しながら、発泡セルを厚さ方向に延伸した素材を、プラテン打ち抜き機等で、所定形状のブランクに打ち抜いて、容器成型してなることを特徴とする断熱性紙容器の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−189019(P2010−189019A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33452(P2009−33452)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【出願人】(500104059)王子パッケージング株式会社 (21)
【Fターム(参考)】