説明

断熱材の施工方法及び断熱材の取付構造

【課題】本発明は、壁材と断熱材との間で結露が発生し難く、しかも断熱材の設置作業性を良好にした施工方法を提供する。
【解決手段】断熱材10の施工方法においては、断熱材10の断熱部Fがフェノールフォームにより形成されているので、ALCパネル1の裏面で突出する突起物(例えば、外壁パネル取付具3)に断熱材10を外側から押し付けるだけで、突起物3に馴染むように断熱材10を容易に変形させることができ、このことは、断熱材10の設置作業性を良好にする。この突起物3の近傍で、ALCパネル1に達するまで断熱材10にビス12が打ち込まれるので、突起物3の縁で隙間を無くすように断熱材10が突起物3に馴染んだ状態を、ビス12の打ち込みにより長期に渡って確実に保持させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁材の裏面側に、断熱部がフェノールフォームからなる断熱材を配置させる断熱材の施工方法及び断熱材の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特許第4043316号公報がある。この公報に記載された断熱材は、柱を挟むように配置され、柱と外壁パネルとの間にはスペーサが設けられている。そして、この断熱材は、スペーサの厚み分だけ、外パネルの裏面と断熱材との間に隙間が形成されるように施工される。
また、柱に拘わらず、外壁パネルの裏面側に突起物(例えば、外壁パネルをアングル材に固定するための取付金物)がある場合、図9に示すように、変形し難い硬質な断熱材100においては、取付金物101に当たる部分を矩形に切除した後、切除部100aから取付金具101が露出するように、外壁パネル102の裏面側に配置させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4043316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の断熱材の施工方法では、柱や取付金物101の位置を考慮して、寸法取りをした後、その寸法に合わせて断熱材100をその都度切除する必要があり、断熱材100の設置作業性が悪くなる。しかも、取付金物101を避けるような切除部100aが形成された断熱材100を設置する場合には、取付金具101が剥き出しになるので、その部分の断熱効率が落ちると同時に取付金具101に結露が発生し易くなり、発泡ウレタンによって切除部100aを埋める必要が生じ、断熱材100の設置作業性が悪くなる。
【0005】
本発明は、壁材と断熱材との間で結露が発生し難く、しかも断熱材の設置作業性を良好にした施工方法及び取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、壁材の裏面側に、断熱部がフェノールフォームからなる断熱材を配置させる施工方法であって、
壁材の裏面に断熱材を当接させる工程と、
壁材の裏面で突出する突起物に馴染むように断熱材を押し付ける工程と、
突起物の近傍で、壁材に達するまで断熱材にビスを打ち込む工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この断熱材の施工方法においては、断熱材の断熱部が比較的軟質なフェノールフォームにより形成されているので、壁材の裏面で突出する突起物に断熱材を外側から押し付けるだけで、突起物に馴染むように断熱材を容易に変形させることができ、このことは、断熱材の設置作業性を良好にする。断熱材の馴染み性によって、断熱材と突起物との隙間を可能な限り無くすことができ、この隙間による結露発生を確実に防止することができ、しかも、断熱ロスをも無くすことができる。さらに、この突起物の近傍で、壁材に達するまで断熱材にビスが打ち込まれるので、突起物の縁で隙間を無くすように断熱材が突起物に馴染んだ状態を、ビスの打ち込みにより長期に渡って確実に保持させることができる。
【0008】
また、断熱材は、断熱部の両面に面材が設けられていると好適である。
断熱材に面材があると、ビスの頭部が断熱材に、めり込み難くなるので、ビスの打ち込み量を精度良く行わなくても済み、作業性が良くなる。しかも、ビスの頭部による押し付け力を断熱材に確実に伝達することができる。
【0009】
また、突起物は、パネル取付用下地鋼材に壁材としての外壁パネルを固定するための外壁パネル取付具であり、外壁パネル取付具は、外壁パネルとパネル取付用下地鋼材とに架け渡される取付プレートと、外壁パネル側に一端が固定されて、他端が取付プレートから突出するボルトと、を有すると好適である。
このような外壁パネル取付具を利用すると、取付プレートからボルトの頭部またはネジ部が突出することになるが、断熱材の断熱部がフェノールフォームからなるので、このボルトを断熱材にめり込ませることも、容易に馴染ませることもできる。これによって、取付プレートに断熱材を確実に接触させることができると同時に、ボルトにも断熱材を確実に接触させることができるので、取付プレートに結露が発生し難くなり、断熱ロスをも無くすことができる。また、ボルトのネジ部が断熱材にめり込む場合には、ボルトによる断熱材の位置を固定させることができる。このことは、突起物の近傍にビスを打ち込むまでの断熱材の位置ズレ防止として機能する。
【0010】
また、取付プレートには、凸状のリブが形成されていても好適である。
このように、取付プレートに凸状のリブがある場合でも、断熱材の馴染み性が発揮され、断熱材を取付プレートに可能な限り密着させることができ、断熱材と取付プレートとの隙間を可能な限り無くすことができるので、この隙間による結露発生を確実に防止することができ、しかも、断熱ロスをも無くすことができる。
【0011】
また、ビスの頭部により、ワッシャが断熱材に押し付けられると好適である。
このような構成を採用すると、ワッシャにより、ビスの頭部が断熱材にめり込むことを確実に防止し、これによって、ビスの頭部による押し付け力を断熱材に確実に伝達することができる。特に、断熱材に面材がある場合には、ワッシャと面材との協働で、ビスの頭部が断熱材に極めてめり込み難くなるので、作業性を更に向上させ、ビスによる押し付け力の維持を更に向上させることができる。
【0012】
また、ビスの頭部には、フランジが設けられていると好適である。
このような構成を採用すると、フランジにより、ビスの頭部が断熱材にめり込むことを確実に防止し、これによって、ビスの頭部による押し付け力を断熱材に確実に伝達することができる。特に、断熱材に面材がある場合には、フランジと面材との協働で、ビスの頭部が断熱材に極めてめり込み難くなるので、作業性を更に向上させ、ビスによる押し付け力の維持を更に向上させることができる。
【0013】
また、断熱材の表面の縁近傍で全周に渡って塗布された接着剤により、壁材と断熱材とを接着させると好適である。
このような構成を採用すると、断熱材と壁材との間の空気層を接着剤により確実に閉じ込めることができるので、断熱材と壁材との間で空気の流動を無くすことができる。
【0014】
本発明は、壁材の裏面側に、断熱部がフェノールフォームからなる断熱材が取り付けられた構造において、
壁材の裏面で突出した突起物に馴染むように断熱材が変形され、突起物の近傍で、壁材に達するまで断熱材にビスが打ち込まれていることを特徴とする。
【0015】
この断熱材の取付構造では、壁材の裏面で突出した突起物に馴染むように、断熱材が変形されているので、断熱材と突起物との隙間を可能な限り無くすことができるので、この隙間による結露発生を確実に防止することができ、しかも、断熱ロスをも無くすことができる。さらには、断熱材を突起物に馴染ませるためには、断熱材を外側から突起物に押し付けるだけでよいので、断熱材の設置作業性を良好にすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、壁材と断熱材との間で結露が発生し難く、しかも断熱材の設置作業性を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る断熱材の取付構造の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】断熱材の裏面に接着剤を塗布した状態を示す斜視図である。
【図3】ALCパネルに断熱材を固定した状態を示す斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図1のV−V線に沿う断面図である。
【図6】アングル材に断熱材が押し付けられた状態を示す斜視図である。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】他の外壁パネル取付具を適用した断熱材の取付構造を示す断面図である。
【図9】従来技術に係わる断熱材の取付構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る断熱材の施工方法及び断熱材の取付構造の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0019】
鉄骨造(S造)や鉄筋コンクリート造(RC造)の建物において、外壁パネルに相当する軽量気泡コンクリート(Autoclaved Light-weight Concrete)パネル(以下、「ALCパネル」という)1は、壁材として利用される。
【0020】
図1に示すように、ALCパネル1の上下端は、構造躯体に固定された下地鋼材としてのアングル材2に外壁パネル取付具3によって取り付けられている。この外壁パネル取付具3は、ALCパネル1とアングル材2とに架け渡される取付プレート4を備えている。この取付プレート4は、稲妻プレートとも呼ばれ、その中央で鋼板の折り曲げ加工によりアングル材2の厚みに相当する量だけ屈曲させられている。さらに、この取付プレート4には、縦方向に延在する凸状のリブ4aが設けられ、各リブ4aは、取付プレート4の補強を行っている。
【0021】
ALCパネル1にはボルト6が植設され、ボルト6の端部にはリング状のメガネ部6aが設けられている。ALCパネル1に設けられた筒状の穴部(図示せず)内にボルト6のメガネ部6aが挿入され、メガネ部6aは、これを貫通するように水平方向に延在する鋼棒8によってALCパネル1に固定される。この鋼棒8は、ALCパネル1内を水平方向に貫通することで、ALCパネル1に固定されている。
【0022】
ボルト6のネジ部6bは、取付プレート4に設けられた長穴4bから外部に突出し、ボルト6のネジ部6bにナット7を螺着させる。そして、ナット7を締め込むことで、取付プレート4がALCパネル1及びアングル材2に強く押し付けられ、ALCパネル1がアングル材2にしっかりと固定される。
【0023】
このような外壁パネル取付具3を利用すると、取付プレート4、ナット7及びボルト6が「突起物」となる。このような突起物は、従来において、断熱材10をALCパネル1の裏面に貼り付ける場合の支障になっていた。
【0024】
そこで、断熱材10の断熱部Fはフェノールフォームで形成され、このフェノールフォームとしては、本件出願人が開発して既に国際特許出願(特願2000−558158)済みのネオマ(登録商標)フォームがあり、断熱材としてまた気密材として好ましく使用されている。
【0025】
このフェノールフォームは、比較的軟質な材料であるため、少なくとも片面には、不織布やアルミ箔からなる変形可能な面材11が接着固定されている。このような面材11によって、接着剤がフェノールフォームに吸収されることがなく、他の部材に対する接着性能が向上し、特に、アルミ箔や特殊な処理が施された不織布は、不燃材として利用することができる。
【0026】
次に断熱材10の施工方法について説明する。
【0027】
図2に示すように、断熱材10の面材11の表面には、弾性タイプの接着剤Sがシーリングガン9によって塗布される。この接着剤Sは、シール性を高めるために、断熱材10の表面の縁近傍で全周に渡って塗布された部分S1と、全周部分S1内で十文字に塗布された部分S2とかなり、断熱材10の面材11とALCパネル1との間の空気層を接着剤により確実に閉じ込めることができ、ALCパネル1と断熱材10との間の空気層の流動を無くして、結露防止性を高めている。そして、接着剤Sが塗布された断熱材10の面材11は、図3に示すように、ALCパネル1の裏面に接着剤Sを介して密着するように固定される。
【0028】
このとき、外壁パネル取付具3がある部分では、断熱材10が少し盛り上がるようになっている。断熱材10の盛り上がりの部分を平にするように、図4及び図5に示すように、断熱材10を外側から手で強く押して、外壁パネル取付具3に断熱材10を押し付け、外壁パネル取付具3の形状に倣うように、断熱材10を変形させながら外壁パネル取付具3に断熱材10を馴染ませる。
【0029】
このとき、図4に示すように、取付プレート4からボルト6のネジ部6bが大きく突出しているが、断熱材10の断熱部Fがフェノールフォームからなり、面材11がアルミ箔や不織布からなるので、このボルト6のネジ部6bを断熱材10に容易にめり込ませることができる。これによって、取付プレート4に断熱材10の面材11を確実に接触させることができると同時に、ボルト6にも断熱材10の面材11を確実に接触させることができるので、取付プレート4に結露が発生し難くなり、断熱ロスをも無くすことができる。
【0030】
しかも、ボルト6のネジ部6bがめり込むことで、ボルト6による断熱材10の位置規制を達成させることができる。このことは、接着剤Sが硬化する前で、取付プレート4の近傍に金属製のビス12が打ち込まれるまでの間において、断熱材10の位置ズレ防止として機能する。そして、断熱材10の裏面側の変形は表面側に及ばす、断熱材10の表面側は、平らになっている。
【0031】
また、図5に示すように、取付プレート4に凸状のリブ4aがある場合でも、断熱材10の馴染み性が発揮されることで、断熱材10の面材11を取付プレート4に可能な限り密着させることができ、断熱材10と取付プレート4との隙間を可能な限り無くすことができるので、この隙間による結露発生を確実に防止することができ、しかも、断熱ロスをも無くすことができる。
【0032】
このような馴染ませ作業完了後、取付プレート4の近傍にビス12を電動ドリルを使って断熱材10に打ち込む。このビス12は、断熱材10を貫通した後、ALCパネル1に螺着され、ビス12が貫通しているワッシャ13が、ビス12の頭部12aによって断熱材10の面材11に押し付けられる。
【0033】
ビス12の打ち込み数は、多くても効果を阻害するものではないが、1ヶ所程度の最小の本数でも適切な効果を上げることができる。
【0034】
また、図6及び図7に示すように、「突起物」としてのアングル材16の一片16aがALCパネル1の裏面側に沿って延在している場合であっても、アングル材16の一片16aの縁近くを断熱材10の外側から手で強く押すことで、断熱材10を変形させながらアングル材16の一片16aに馴染ませ、一片16aの縁と断熱材10との間の隙間を極めて小さくすることができる。この馴染ませ作業完了後、一片16aの縁の近傍において、ビス17を電動ドリルを使って断熱材10に打ち込む。このビス17は、断熱材10を貫通した後、ALCパネル1に螺着され、ビス17が貫通しているワッシャ18が、ビス17の頭部17aによって断熱材10の面材11に押し付けられる。
【0035】
ビス17の打ち込み数は、多ければ多い程良いが、断熱材10が浮き上がらないように、アングル材16に沿って所定間隔でビス17は打ち込まれる。また、断熱材10の縁や中央付近もビス17が打ち込まれて、断熱材10の取付け作業が完了する。
【0036】
このような断熱材10の施工方法においては、断熱材10の断熱部Fがフェノールフォームにより形成されているので、ALCパネル1の裏面で突出する突起物(例えば、外壁パネル取付具3やアングル材16)に断熱材10を外側から押し付けるだけで、突起物3,16に馴染むように断熱材10を容易に変形させることができ、このことは、断熱材10の設置作業性を良好にする。断熱材10の馴染み性によって、断熱材10と突起物3,16との隙間を可能な限り無くすことができ、この隙間による結露発生を確実に防止することができ、しかも、断熱ロスをも無くすことができる。
【0037】
さらに、この突起物3,16の近傍で、ALCパネル1に達するまで断熱材10にビス12,17が打ち込まれるので、突起物3,16の縁で隙間を無くすように断熱材10が突起物3,16に馴染んだ状態を、ビス12,17の打ち込みにより長期に渡って確実に保持させることができる。
【0038】
また、断熱材10に面材11があると、ビス12,17の頭部12a,17aが断熱材10に、めり込み難くなるので、ビス12,17の打ち込み量を精度良く行わなくても済み、作業性が良くなる。しかも、ビス12,17の頭部12a,17aによる押し付け力を断熱材10に確実に伝達することができる。
【0039】
また、ワッシャ13により、ビス12,17の頭部12a,17aが断熱材10にめり込むことを確実に防止し、これによって、ビス12,17の頭部12a,17aの頭部による押し付け力を断熱材10に確実に伝達することができる。特に、断熱材10に面材11がある場合には、ワッシャ13と面材11との協働で、ビス12,17の頭部12a,17aが断熱材10に極めてめり込み難くなるので、作業性を更に向上させ、ビス12,17による押し付け力の維持を更に向上させることができる。
【0040】
また、ALCパネル1の裏面側に、断熱部Fがフェノールフォームからなる断熱材10が取り付けられた構造において、ALCパネル1の裏面で突出した突起物3,16に馴染むように断熱材10が変形され、突起物3,16の近傍で、ALCパネル1に達するまで断熱材10にビス12,17が打ち込まれている断熱材10の取付構造では、ALCパネル1の裏面で突出した突起物3,16に馴染むように、断熱材10が変形されているので、断熱材10と突起物3,16との隙間を可能な限り無くすことができるので、この隙間による結露発生を確実に防止することができ、しかも、断熱ロスをも無くすことができる。
【0041】
さらには、断熱材10を突起物3,16に馴染ませるためには、断熱材10を外側から突起物3,16に押し付けるだけでよいので、断熱材10の設置作業性を良好にすることができる。さらに、この突起物3,16の近傍で、ALCパネル1に達するまで断熱材10にビス12,17が打ち込まれるので、突起物3,16の縁で隙間を無くすように断熱材10が突起物3,16の縁に馴染んだ状態を、ビス12,17の打ち込みにより長期に渡って確実に保持させることができる。
【0042】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0043】
例えば、図示しないが、ビスの頭部にフランジが形成されているものを利用してもよい。このようなビスを採用すると、フランジにより、ビスの頭部が断熱材10にめり込むことを確実に防止し、これによって、ビスの頭部による押し付け力を断熱材10に確実に伝達することができる。特に、断熱材10に面材11がある場合には、フランジと面材11との協働で、ビスの頭部が断熱材10に極めてめり込み難くなるので、作業性を更に向上させ、ビスによる押し付け力の維持を更に向上させることができる。
【0044】
また、図8に示すように、他の外壁パネル取付具20としては、ALCパネル1に埋込みナット22が固定され、この埋込みナット22にボルト21のネジ部21aが螺着されて、ボルト21の頭部21bが取付プレート4から突出するタイプのものがある。なお、埋込みナット22の先端には、鋼棒8を挿入するための貫通孔22aが設けられている。
【0045】
このような外壁パネル取付具20を利用すると、取付プレート4からボルト21の頭部21bが突出することになるが、断熱材10の断熱部Fがフェノールフォームからなるので、このボルト21の頭部21bを断熱材10に容易に馴染ませることができる。これによって、取付プレート4に断熱材10の面材11を確実に接触させることができると同時に、ボルト21の頭部21bにも断熱材10の面材11を確実に接触させることができるので、取付プレート4に結露が発生し難くなり、断熱ロスをも無くすことができる。
【0046】
本発明に適用される壁材としては、ALCパネルなどの外壁材や、間仕切りとして利用される内壁材などがある。
【0047】
本発明は、ボルト8や埋込みナット22を鋼棒8によって外壁パネル1に固定する場合に限定されない。
【符号の説明】
【0048】
1…ALCパネル(壁材)、2…アングル材(パネル取付用下地鋼材)、3…外壁パネル取付具(突起物)、4…取付プレート、4a…リブ、6…ボルト、7…ナット、10…断熱材、11…面材、12,17…ビス、12a,17a…頭部、13,18…ワッシャ、16…アングル材(突起物)、S…接着剤、F…断熱部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁材の裏面側に、断熱部がフェノールフォームからなる断熱材を配置させる施工方法であって、
前記壁材の裏面に断熱材を当接させる工程と、
前記壁材の裏面で突出する突起物に馴染むように前記断熱材を押し付ける工程と、
前記突起物の近傍で、前記壁材に達するまで前記断熱材にビスを打ち込む工程と、を備えたことを特徴とする断熱材の施工方法。
【請求項2】
前記断熱材は、前記断熱部の両面に面材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の断熱材の施工方法。
【請求項3】
前記突起物は、パネル取付用下地鋼材に前記壁材としての外壁パネルを固定するための外壁パネル取付具であり、
前記外壁パネル取付具は、前記外壁パネルと前記パネル取付用下地鋼材とに架け渡される取付プレートと、前記外壁パネル側に一端が固定されて、他端が前記取付プレートから突出するボルトと、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の断熱材の施工方法。
【請求項4】
前記取付プレートには、凸状のリブが形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の断熱材の施工方法。
【請求項5】
前記ビスの頭部により、ワッシャが前記断熱材に押し付けられることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の断熱材の施工方法。
【請求項6】
前記ビスの頭部には、フランジが設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の断熱材の施工方法。
【請求項7】
前記断熱材の表面の縁近傍で全周に渡って塗布された接着剤により、前記壁材と前記断熱材とを接着させることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の断熱材の施工方法。
【請求項8】
壁材の裏面側に、断熱部がフェノールフォームからなる断熱材が取り付けられた構造において、
前記壁材の裏面で突出した突起物に馴染むように前記断熱材が変形され、前記突起物の近傍で、前記壁材に達するまで前記断熱材にビスが打ち込まれていることを特徴とする断熱材の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−179229(P2011−179229A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44421(P2010−44421)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(390018717)旭化成建材株式会社 (249)
【Fターム(参考)】