断熱複合布
内側布層と、外側布層と、前記内側布層と前記外側布層とに囲まれた断熱性フィラー布層とを備える断熱複合布。前記断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性フィラー材として、片側又は両側に起毛面を有するテキスタイルファブリックを組み込む断熱複合布に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダウン構造(down fabric constructions)は大抵、2つの織布「シェル」層に囲まれた不織フィラー材を備える。これらの不織フィラー材は、比較的高いレベルの断熱をもたらすことが知られており、また、非常に良好な折畳み性能(packability)に加えて軽い。
【0003】
既知の幾つかの不織フィラー材、例えば、Albany International Corpから入手可能なPrimaloft(商標)及び3M Companyから入手可能なThinsulate(商標)は得てしてずれやすく、不織フィラー材の繊維が多くの場合に織布層から突き出る傾向にある。この繊維の移動を抑制するために、フィラー材を織布層の一方又は両方にキルティングすることが知られている。しかしながら、キルティングは、不織フィラー材を平らにする傾向があり、結果として、布構造の断熱を低減させるおそれがある。キルティングはまた布構造の伸縮を阻害する可能性がある。
【0004】
移動する繊維が織布層から突き出ないようにするため、織布層は大抵、1.0ft3/ft2/分未満、多くの場合、0ft3/ft2/分に近い通気性を有する非常に緊密な構造体から作られている。場合によっては、織布をカレンダー加工し、高圧下で加熱ロールに通し、緊密な織物構造(woven construction)中の間隙を封止する。或る特定の環境では、カレンダー加工前に化学的なシステムを織布に施して、織布における間隙の封止を助ける。このタイプの封止は、布構造の通気性を略0ft3/ft2/分に低減させ得る。結果として、得られる布構造体からなる衣服は、妥当な断熱を有するものの、芳しくない通気性、結果として、低い通気性を有する可能性がある。
【0005】
また、不織フィラー材は、圧縮を受けて平らになる傾向があり、結果として、断熱の低下を示す可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
概して、本発明は、断熱性フィラー材として、片側又は両側に起毛面を有するテキスタイルファブリックを組み込む断熱複合布に関する。
【0007】
本発明の一態様は、内側布層と、外側布層と、前記内側布層と前記外側布層とに囲まれた断熱性フィラー布層とを備える断熱複合布を提供する。前記断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0008】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記断熱性フィラー布層は、両面たて編みニット生地を含む。前記両面たて編みニット生地は、絹綿ビロード面を有する技術的に言うところの裏面(以下「技術裏面」と言う)と、ベロア面を有する技術的に言うところの表面(以下「技術表面」と言う)とを有する。前記断熱性フィラー布層は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記両面ニット生地は、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する。前記断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有するニット生地を含む。前記断熱性フィラー布層は、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地は表編み構造を有する。前記断熱性フィラー布層は、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。前記断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記断熱性布層は、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード(例えば約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤード、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤード、又は約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード)の重量を有する。前記断熱性フィラー布層が、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方にキルティングされる。前記断熱性フィラー布層は、前記断熱複合布の縁に沿って、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い付けられる。前記断熱性フィラー布層は、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層される。前記断熱性フィラー布層は、約0.1インチ〜約4.0インチ(約0.1インチ〜約0.2インチ、約0.15インチ〜約0.4インチ、約0.2インチ〜約1.0インチ、又は約3インチ〜約4インチ)の厚み(嵩)を有する。前記断熱性フィラー布層は、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。前記断熱性フィラー布層は、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸は、前記他の不連続領域を形成する糸よりも(than)相対的に細い。幾つかの例において、前記第1の不連続領域を形成する糸は、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。断熱性フィラー布層は、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記断熱性フィラー布層は疎水性布を含む。前記内側布層は織布を含む。内側布層は、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記内側布層は、前記外側布層の通気性と異なる通気性を有する。前記内側布層は、前記外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。前記内側布層は、前記外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。場合によっては、前記内側布層は、前記外側布層の通気性と同程度の通気性を有する。前記内側布層は、該内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記外側布層は、前記外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分(例えば約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分)の通気性を有する。場合によっては、内側布層及び外側布層の両方が、非常に高い通気性を有する(例えば各布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、少なくとも200ft3/ft2/分)。前記外側布層は織布を含む。断熱複合布は少なくとも一方向に伸縮を有する。前記外側布層、前記内側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つは、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む。前記伸縮材料は弾性糸及び/又は弾性繊維(例えばスパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含む。前記外側布層は、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記断熱複合布は、前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分(前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約100ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分、又は前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約80.0ft3/ft2/分)の通気性を有する。前記断熱性フィラー布層は、ステッチ糸又は裏糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸を含むように構成される。前記断熱複合布は、約0.2clo/oz2〜約3.0clo/oz2(例えば約0.8clo/oz2〜約1.6clo/oz2、約1.0clo/oz2〜約1.8clo/oz2、又は約1.0clo/oz2〜約3.0clo/oz2)の断熱をもたらす。前記内側布層、前記外側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される。前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備え得る。前記防水メンブレンは透湿メンブレンである。前記防水メンブレンは、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン又は電界紡糸メンブレンであり得る。
【0009】
本発明の別の態様は、第1の断熱複合布からなる第1の布部分を含む布製衣服を特徴とする。該第1の断熱複合布が、第1の内側布層と、第1の外側布層と、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる、第1の断熱性フィラー布層とを備える。前記第1の断熱性フィラー布層は、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0010】
本態様の実施態様は、以下の更なる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記第1の断熱性フィラー布層は、両面たて編みニット生地を含む。前記両面たて編みニット生地は、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む。前記第1の断熱性フィラー布層は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記両面ニット生地は、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する。前記第1の断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有するニット生地を含む。前記第1の断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記第1の断熱性フィラー布層は、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。場合によっては、前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地は表編み構造を有する。前記第1の断熱性フィラー布層は、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。前記第1の断熱性フィラー布層は、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード(例えば約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤード、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤード、又は約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード)の重量を有する。前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方にキルティングされる。前記第1の断熱性フィラー布層は、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とを連結する縫い目で固定される。前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に積層される。前記第1の断熱性フィラー布層は、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の断熱性フィラー布層は、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸は、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸は、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。第1の断熱性フィラー布層は、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記第1の断熱性フィラー布層は疎水性布を含む。前記第1の内側布層は織布を含む。第1の内側布層は、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性と異なる通気性を有する。前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。場合によっては、前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性と同程度の通気性を有する。前記第1の内側布層は、前記内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第1の外側布層は、前記第1の外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分(例えば約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第1の外側布層は織布を含む。第1の断熱複合布は少なくとも一方向に伸縮を有する。前記第1の外側布層、前記第1の内側布層及び前記第1の断熱性フィラー布層の少なくとも1つは、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維(例えば弾性糸及び/又は弾性繊維、例えばスパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含む。前記第1の外側布層は、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記第1の断熱複合布は、前記第1の断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約80ft3/ft2/分(例えば前記第1の断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約4.0ft3/ft2/分〜約20ft3/ft2/分)の通気性を有する。布製衣服は、第2の断熱複合布も備え、前記第1の布部分及び前記第2の布部分が、対照的な伸縮、対照的な耐水性、対照的な断熱性及び対照的な通気性から選択される1つ又は複数の対照的な特性を有する。前記第2の布部分は、第2の断熱複合布からなる。前記第2の断熱複合布は、第2の内側布層と、第2の外側布層と、前記第2の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる、第2の断熱性フィラー布層とを備える。前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。前記第2の断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む。前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む。前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。
【0011】
前記第2の断熱性布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード(例えば約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤード、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤード、又は約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード)の重量を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方にキルティングされる。前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とを連結する縫い目で固定される。前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に積層される。前記第2の断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第2の断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記第2の断熱性フィラー布層が疎水性布を含む。前記第2の内側布層が織布を含む。前記第2の内側布層が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記第2の外側布層が織布を含む。前記第2の断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する。前記第2の外側布層、前記第2の内側布層及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む。前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維(例えばスパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含む。前記第2の外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記第2の断熱複合布が、前記第2の断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第2の布部分が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、又はリブニット構造を有する。前記第2の布部分が、単層布又は積層複合布からなる。前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、リブニット構造又は織物構造を有する。前記第2の布部分が織布を含む。前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性と異なる通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第2の布部分を形成する布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第1の布部分よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する。前記第1の内側布層、前記第1の外側布層、前記第1の断熱性フィラー布層、前記第2の内側布層、前記第2の外側布層、及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される。前記第1の外側布層の内表面に積層され、かつ前記第1の外側布層と前記第1の断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備えていてもよい。前記防水メンブレンが透湿メンブレンである。前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン又は電界紡糸メンブレンである。前記布製衣服がリバーシブルであり、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層が、対照的な外観及び/又は表面テクスチャを有する。
【0012】
本発明の別の態様は、内側布層と外側布層とで断熱性フィラー布層を囲むことにより、断熱複合布を形成することを含む、方法を提供する。前記断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0013】
この態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い合わせることを含む。前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層させることを含む。本方法はまた、前記外側布層を、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ及び/又は赤外線放射の低減により処理することを含む。本方法はまた、前記断熱複合布から1つ又は複数の布要素を形成すること、及び該布要素を布製衣服に組み込むことを含む。本方法はまた、他の布から1つ又は複数の他の布要素を形成すること、及び該1つ又は複数の他の布要素を前記布製衣服に組み込むことを含む。前記他の布が、前記断熱複合布の通気性と異なる通気性を有する。前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。場合によっては、前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。前記他の布が、前記断熱複合布よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する。前記他の布が単層布又は積層布である。
【0014】
本発明の別の態様は、ハイブリッド複合布製衣服を製造する方法を特徴とする。本方法は、第1の断熱複合布から第1の布部分を形成すること、及び第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する他の布から第2の布部分を形成することを含む。本方法はまた、第1の布部分と第2の布部分とを繋ぎ合わせる(joining:結合させる)ことであって、ハイブリッド複合布製衣服を製造する、繋ぎ合わせることを含む。第1の断熱複合布は、第1の内側布層と、第1の外側布層と、第1の内側布層と第1の外側布層とに囲まれる第1の断熱性フィラー布層とを備える。第1の断熱性フィラー布層は、布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0015】
この態様の実施態様は、以下の更なる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記他の布は第2の断熱複合布である。前記第2の断熱複合布は、第2の内側布層と、第2の外側布層と、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とに囲まれる第2の断熱性フィラー布層とを備える。前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する。本方法はまた、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とで前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことにより、前記第2の断熱複合布を形成することを含む。前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む。前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層を積層することを含む。本方法はまた、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とで前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことにより、前記第1の断熱複合布を形成することを含む。前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む。前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層を積層することを含む。
【0016】
本発明の別の態様は、外側布層と、前記外側布層に取り付けた断熱性布層とを備える断熱複合布を提供する。前記断熱性布層が、前記外側布層に対向する起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0017】
この態様の実施態様は、以下の更なる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記断熱性布層が、たて編みニット生地を含む。前記たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、平滑面を有する技術表面とを含む。前記断熱性布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有するニット生地を含む。前記ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術裏面と、平滑面を有する技術裏面とを有する。前記断熱性布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する。前記断熱性布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。前記断熱性布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記断熱性布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。幾つかの例において、前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。前記断熱性布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記断熱性布層が、両面たて編みニット生地又は丸編みニット生地を含む。前記断熱性布層が前記外側布層に積層される。前記断熱性布層が、キルティング、縫製、タッキング及び/又は超音波ボンディングによって前記外側布層に連結される。前記断熱性布層が、両面ファブリック、又は前記外側布層に対向する前記起毛面と反対側の平滑面とを有する片面テキスタイルファブリックである。前記外側布層が織布を含む。前記外側布層が、シングルジャージー構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する。前記外側布層及び前記断熱性布層の少なくとも一方が、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維(例えば弾性糸及び/又は弾性繊維)を含む。前記外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記断熱性布層が、前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記断熱性布層及び/又は前記外側布層が、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される。前記断熱性布層がまた、前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性布層との間に設けられる防水メンブレンを備え得る。前記防水メンブレンが透湿メンブレンであり得る。前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンであり得る。
【0018】
実施態様は以下の利点の1つ又は複数を含み得る。
【0019】
実施態様によっては、断熱複合布における断熱性フィラー材としてのテキスタイルファブリックの使用によって、移動する傾向にあり得る目の粗い(loose)繊維の使用を回避するのを助けることができる。これはまた、繊維の移動及びシェル生地を介する目の粗い繊維の貫通に対する懸念を減らすとともに、封止することなく、又はさもなければシェル生地の通気性を制限することなく、様々な開放性を有する様々な布をシェル層として使用することを可能にする。
【0020】
場合によっては、パイル(ベルベット)及び/又はベロア/フリースから作られ、裏糸(backing yarn)又はステッチ糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸(face
yarn)を含む、断熱性フィラー材を使用する。このタイプの構造は、圧縮後であっても断熱の維持を助けるような良好な弾力性を伴って、大きい厚み(嵩)をもたらすことができる。
【0021】
他の態様、特徴及び利点は、本明細書、図面及び特許請求の範囲中に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】断熱布製衣服の正面斜視図である。
【図2】断熱複合布の端部断面図である。
【図3】両面たて編みニット生地(double face warp knit fabric)の形態の断熱性フィラー布の端部断面図である。
【図4】裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地の形態の断熱性フィラー布の端部断面図である。
【図5】片面生地の形態の断熱性フィラー布の端部断面図である。
【図6】軽量構造を有する断熱複合布の端部断面図である。
【図7】中量構造を有する断熱複合布の端部断面図である。
【図8】重量構造を有する断熱複合布の端部断面図である。
【図9】ハイブリッド断熱布製衣服の正面斜視図である。
【図10】図9のハイブリッド断熱布製衣服の第1の布部分に使用される断熱複合布の一例の端部断面図である。
【図11】図9のハイブリッド断熱布製衣服の第2の布部分に使用される断熱複合布の一例の端部断面図である。
【図12】パイルの領域内に点在するパイルのない領域を含むパイル面を有する断熱性フィラー布の平面図である。
【図13A】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13B】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13C】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13D】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13E】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図14A】断熱複合布積層体の代替的な実施形態の端部断面図である。
【図14B】断熱複合布積層体の代替的な実施形態の端部断面図である。
【図14C】断熱複合布積層体の代替的な実施形態の端部断面図である。
【図15A】二層断熱複合布の端部断面図である。
【図15B】二層断熱複合布積層体の端部断面図である。
【図16】防水メンブレンを有する断熱複合布の端部断面図である。
【図17】対照的な耐水性の領域を有するハイブリッド断熱布製衣服の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
様々な図面中の同様の参照記号は同様の要素を示す。
【0024】
図1を参照すると、断熱布製衣服10は、縫い目11で縫い付けることによって繋ぎ合わせる複数の布要素から形成される。布要素は、左前身頃要素12及び右前身頃要素13、後ろ身頃要素14、襟要素16、並びに左袖要素17及び右袖要素18を含む。これらの布要素は各々、断熱複合布(「人工ダウン(technical down)」)からなる。図2は、布要素を形成するのに好適な断熱複合布20を示す。断熱複合布20は、使用者の身体側に身に付けられる布製衣服10の内表面を形成する内側「シェルライナー」布層21と、布製衣服10の外表面を形成する外側「シェル」布層22と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23とからなる。断熱性フィラー布層23を、内側布層21及び外側布層22の一方又は両方に縫い合わせ(例えば、(図2に示されるように)キルティングし、かつ/又はタックステッチ(tack stitches:なみ縫い)で連結させ)てもよく、又は場合によっては、留められていない断熱性フィラー布層23を、布製衣服10の縫い目11において、かつ/又は個々の布要素の縁に沿って固定する。代替的に又は付加的に、他の物理的な固定によって、例えば、スナッピング(snapping)、タッキング(tucking)、ジャンピング(jumping)と併せたタッキング、超音波ボンディング、積層等を介して、断熱性フィラー布層23を、内側布層21及び外側布層22の一方又は両方に取り付けてもよい。
【0025】
断熱性フィラー布層23は、片側又は両側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。断熱性フィラー布層23のテキスタイルファブリックは、ステッチ糸又は裏糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸(パイル)を含むように構成される。本明細書中で使用される場合、「パイル」という用語は、これらに限定されるものでないが、カットループ(cut loops)、編み機により切断されたループ、編み機により切り取られたループ、及び起毛繊維を含む、任意の所望の方法によって形成されるパイル面を含む。このタイプの構造は、圧縮を受けても断熱性フィラー布層23の断熱を維持するような良好な弾力性を伴って、大きい嵩をもたらすことができる。
【0026】
図3を参照すると、断熱性フィラー布層23は、絹綿ビロード(plush velvet)面33がもたらされるようにブラシがかけられるパイル糸からなる技術裏面(technical back)32と、裏糸及びステッチ糸からなる技術表面(technical
face)34とを含む、両面たて編みニット生地30から形成され得る。技術表面34の裏糸又はステッチ糸のいずれかを毛羽立たせて、フリース/ベロア35を形成してもよい。代替的に、場合によっては、パイル糸の幾らかを技術表面35でステッチ糸(stitch yarn)に重ね合わせ、ブラシがけ又は毛羽立たせて、技術表面35にフリース/ベロア35面を形成してもよい。好適な両面たて編みニット生地の構造に関する更なる詳細は、米国特許第6,196,032号(2001年3月6日発行)、同第6,199,410号(2001年3月13日発行)、同第6,832,497号(2004年12月21日発行)、同第6,837,078号(2005年1月4日発行)及び同第5,855,125号(1999年1月5日発行)(これらの開示の全体が参照により本明細書中に援用される)に見られ得る。好適な両面たて編みニット生地は、例えば、POLARTEC LLC(Lawrence MA.)からBOUNDARY(商標)という商品名で市販されている。
【0027】
代替的に又は付加的に、断熱性フィラー布層23は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地から形成されていてもよい。図4を参照すると、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地40は、起毛面又は毛羽立った面43を有する技術表面42と、カットループベルベット面45を形成するようにシンカーループが剪断される技術裏面44とを有する。裏編みテリーシンカーループニット構造を有する好適な両面ニット生地の構造に関する更なる詳細は、米国特許第6,131,419号(2000年10月17日発行)(この開示全体が参照により本明細書中に援用される)に見られ得る。
【0028】
また、図5を参照すると、断熱性フィラー布層23は、ステッチ糸又は裏糸54に包括的に垂直に位置付けられる表糸を有する技術表面52を含むように構成される片面生地50から形成され得る。
【0029】
代替的に又は付加的に、断熱性フィラー布層23は、スライバーニット構造を有する生地から形成されていてもよい。スライバーニット構造は、パイル状の生地を製造するような、繊維のスライバーの引通し(drawing-in)と併せた丸編みによって形成され得る。スライバーニット構造は、比較的粗い繊維(例えば、5dpf〜15dpf)の使用を可能にする。この比較的粗い繊維は、良好な弾力性及び圧縮抵抗をもたらすことができ、また、非常に高いパイル(例えば、3インチ〜4インチのパイル高さ)を発生させ得る。断熱性フィラー布層のスライバー生地を、技術裏面に起毛面を有する片面生地として、又は技術裏面及び技術表面に起毛面を有する両面生地として仕上げてもよい。概して、スライバーニット構造は、技術表面上で起毛する場合、「目こぼれ」を起こしやすく、また望ましくない美的外観(例えば、芳しくない仕上がり)を示すことがある。しかしながら、フィラー層として組み込まれる場合、起毛した技術表面の美的外観は、生地が外側「シェル」布層22と内側「シェルライナー」布層21とに囲まれるため、あまり重要でない。
【0030】
場合によっては、断熱性フィラー布層23が、伸縮及び回復を高めるための弾性材料を含んでいてもよい。例えば、断熱性フィラー布層23は、例えば裏糸又はステッチ糸に組み込まれる、弾性糸及び/又は弾性繊維を含んでいてもよい。実施例によっては、断熱性フィラー布層23は、弾性材料を含むことなく伸縮を有する。
【0031】
断熱性フィラー布層23は、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有し、比較的大きい厚み(嵩)(例えば、少なくとも約0.1インチ、例えば約0.1インチ〜約1.0インチの厚み)を有し、重量単位当たりの高い断熱(例えば、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2)を有する。
【0032】
断熱性フィラー布層23は、外側布層22(図2)に水を透過させる場合、保持も吸収もすることなく、また迅速に乾燥させることができると考えられる疎水性布からなり得る。
【0033】
内側布層21及び外側布層22(図2)はともに織布から作ることができる。代替的に、場合によっては、内側「シェルライナー」布層21及び/又は外側「シェル」布層22が代わりに、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地等のニット生地からなっていてもよい。内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、合成糸及び/又は合成繊維、再生糸及び/又は再生繊維、天然糸及び/又は天然繊維、並びにそれらの組合せから形成されていてもよい。
【0034】
場合によっては、内側布層21及び/又は外側布層22がまた、伸縮及び回復を高めるためにそれぞれの生地の構造内に組み込まれる、弾性糸及び/又は弾性繊維等の弾性材料を含み得る。内側布層21及び外側布層22内への弾性材料の組込みは、断熱性フィラー布層23も伸縮を有する場合に特に有益であることがあり、その結果、内側布層21及び外側布層22が、断熱性フィラー層23とともに伸縮及び移動することができ、使用者の快適性が高められる。
【0035】
断熱複合布20の透湿度及び通気性は、内側布層21及び/又は外側布層22の生地の間隙又は開放性によって制御することができる。場合によっては、例えば、断熱複合布20の通気性の制御は、内側「シェルライナー」布層21及び/又は外側「シェル」布層22を形成する生地の1つ又は複数のパラメータ(例えば、糸の繊度、番手及び/又は織密度(よこ糸(pick/fill)))を制御することによって実現することができる。代替的に又は付加的に、断熱複合布20の通気性の制御は、内側布層21及び/又は外側布層22の1つ又は複数の表面に、コーティング又は薄膜の積層24(図2)を施すことによって実現することができる。
【0036】
内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、断熱複合布20にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の範囲内の通気性を有する断熱複合布20を提供するように選択され得る。特定の構造に基づき、複合布20を種々の最終用途に適応させてもよい。例えば、断熱複合布20は、比較的高い身体活動状態で使用される比較的高い通気性を伴って、寒気対策用の断熱(cold weather insulation)をもたらすように構成され得る。この場合、内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、断熱複合布20にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って、約100ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する断熱複合布20を提供するように選択され得る。
【0037】
代替的には、断熱複合布20は、比較的低い身体活動状態で使用される比較的低い通気性を伴って、寒気対策用の断熱をもたらすように構成され得る。この場合、内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、断熱複合布20にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って、約1ft3/ft2/分〜約80ft3/ft2/分の通気性を有する断熱複合布20を提供するように選択され得る。試験法ASTM D−737の開示全体が参照により本明細書中に援用される。
【0038】
場合によっては、内側布層21が、外側布層22の生地よりも相対的に高い通気性を有し得る。使用者の身体側に身に付けられる内側布層21に、より高い通気性を有する生地を利用することは、大きな活動中の使用者の身体からの蒸気の移動及び蒸気の発散(transmission away)を高めることを助けることができ、過熱の防止を助ける。例えば、内側布層21は、内側布層21にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有していてもよく、外側布層22は、外側布層22にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分(例えば、約1ft3/ft2/分〜約30ft3/ft2/分)の通気性を有していてもよい。
【0039】
さらに、以下の実施例によって説明するが、これらは特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0040】
実施例1
図6は、軽量構造を有する断熱複合布20’の一例を示す。該布は、内側布層21’と、外側布層22’と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23’とを備える。内側布層21’及び外側布層22’はともに、メッシュ構造を有するニット生地からなる。内側布層21’及び外側布層22’のメッシュ構造は、複数の開口25を有する。断熱性フィラー布層23’は、約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤードの重量、及び約0.1インチ〜約0.2インチの嵩(厚み)を有する両面ニット生地(例えば、両面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する両面ニット、又は両面スライバーニット)からなる。断熱性フィラー布層23’は、内側布層21’及び外側布層22’の一方又は両方に縫い合わされる(例えば、キルティングされる)。軽量断熱複合布20’は、約0.8clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。
【0041】
実施例2
図7は、中量構造を有する断熱複合布20’’を示す。中量断熱複合布20’’は、メッシュ構造を有するニット生地からなる内側布層21’’と、織布からなる外側布層22’’と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23’’とを備える。断熱性フィラー布層23’’は、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤードの重量、及び約0.15インチ〜約0.4インチの嵩(厚み)を有する両面ニット生地(例えば、両面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する両面ニット、又は両面スライバーニット)からなる。断熱性フィラー布層23’’は、内側布層21’’及び外側布層22’’の一方又は両方に縫い合わされる(例えば、キルティングされる)。中量断熱複合布20’’は、約1.0clo/oz2〜約1.8clo/oz2の断熱をもたらす。
【0042】
実施例3
図8は、重量構造を有する断熱複合布20’’’を示す。高重量(heavy weight)断熱複合布20’’’は、内側布層21’’’と、外側布層22’’’と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23’’’とを備える。この重量構造では、内側布層21’’’及び外側布層22’’’がともに織布からなる。断熱性フィラー布層23’’’は、約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量、及び約0.2インチ〜約1.0インチの嵩(厚み)を有する両面ニット生地(例えば、両面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する両面ニット、又は両面スライバーニット)からなる。断熱性フィラー布層23’’’は、内側布層21’’’及び外側布層22’’’の一方又は両方に縫い合わされる(例えば、キルティングされる)。重量断熱複合布20’’’は、約1.0clo/oz2〜約3.0clo/oz2の断熱をもたらす。
【0043】
他の実施形態
或る特定の実施形態を上記で説明してきたが、他の実施形態も可能である。
【0044】
例えば、布製衣服全体が断熱複合布から構成されていてもよく、又は場合によっては、一部のセクションにのみ断熱複合布を含む布製衣服を形成してもよい。
【0045】
図9は、第1の布部分120と第2の布部分140とを備える、ジャケットの形態のハイブリッド断熱布製衣服110を示す。第1の布部分120は、使用者の肩領域を覆い、使用者の手首に向かって肘の下へと広がる。第1の布部分120は、縫い目111で縫い付けることによって繋ぎ合わせる複数の第1の布要素122からなる。第1の布要素122は、図2に関して上記に記載したような構造を有し得る第1の断熱複合布130から形成される。図10を参照すると、第1の断熱複合布130は、使用者の身体側に身に付けられる布製衣服110の内表面を形成する第1の内側布層131と、布製衣服110の外表面を形成する第1の外側布層132と、布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックからなる第1の断熱性フィラー布層134(図10には両面生地を示す)とを備える。第1の断熱性フィラー布層134は、第1の内側布層131と第1の外側布層132とに囲まれている。第1の断熱複合布130は、第1の断熱複合布130にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約80.0ft3/ft2/分(例えば、約4.0ft3/ft2/分〜約20.0ft3/ft2/分)の通気性を有する。
【0046】
第2の布部分140は、使用者の身体の下部胴体領域を覆い、繋ぎ合わせかつ縫い目111で縫い付けることによって第1の布要素122と繋ぎ合わせる複数の第2の布要素142からなる。第2の布要素142は、第1の断熱複合布130のように、図2に関して上記に記載したような構造を同様に有し得る第2の断熱複合布150から形成される。図11を参照すると、第2の断熱複合布150は、布製衣服110の内表面を形成する第2の内側布層151と、布製衣服110の外表面を形成する第2の外側布層152と、布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックからなる第2の断熱性フィラー布層154とを備える。図11には片面生地を示すが、第2の断熱性フィラー布層154は、代替的に又は付加的に、両面生地、例えば、第1の断熱性フィラー布層134の生地よりも相対的に小さい厚みを有する両面生地を含み得る。第2の断熱性フィラー布層154は、第2の内側布層151と第2の外側布層152とに囲まれている。第2の断熱複合布150は、第1の断熱複合布130の通気性と異なり、かつそれよりも相対的に大きい通気性を有するように構成される。第2の断熱複合布150は、第2の断熱複合布150にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。
【0047】
代替的に又は付加的に、第1の布部分120及び第2の布部分140は、対照的な伸縮を有し得る。例えば、第1の布部分120は、第2の布層140よりも(例えば、外側シェル、内側シェル層及び断熱性フィラーにおいて)大きい伸縮を有していてもよい。肩領域により大きい伸縮がもたらされることによって、例えば、腕を動かす際の着用者の快適性が高められ、抵抗は低減することができるが、他の部位、例えば第2の布部分は、非伸縮性であってもよい。
【0048】
場合によっては、第2の布要素142は代わりに、プレーンテキスタイルファブリック、例えば、シングルジャージー(編まれているもの又は編まれていないもの)、ダブルニット、リブ、たて編みニット、又は伸縮を有する及び/若しくは有しない織物のような丸編みニットからなっていてもよい。そうでなければ、別の代替物として、第2の布要素142は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地からなっていてもよい。第2の布要素142を形成するのに好適な生地は、例えば、POLARTEC LLC(Lawrence MA)からPOWER STRETCH(商標)及びBOUNDARY(商標)という商品名で市販されている。
【0049】
場合によっては、第2の布要素142は、外側布層及び内側布層;親水性バリアを含む、吸収−拡散−脱着による水蒸気の移行をもたらすとともに、風及び液体水に強いバリア;並びに/又は内側布層及び/若しくは外側布層に接着する接着剤層を有する積層複合布からなっていてもよい。好適な積層複合布は、例えば、POLARTEC LLC(Lawrence MA)からWINDBLOC(商標)及びPOWER SHIELD(商標)という商品名で市販されている。
【0050】
場合によっては、収納性の向上又は圧縮(すなわち、断熱複合布の総容積の低減)は、断熱性フィラー布層に所定のパターンで間隙又はパイルの不存在(pile out)(すなわち、パイルのない領域)を有することによって実現することができる。例えば、図12は、パイルの領域66(例えば、少なくとも約2.0mmの高さを有するパイル)内に点在するパイルのない領域64を含む第1のパイル面62を有する起毛面ニット生地60を示す。断熱性フィラー布の表面積の約5%〜約70%がパイルのない領域によって占められ得る。
【0051】
上述のように、断熱性フィラー層の起毛面ニット生地は、パイル糸が所定のパターンで編成され、かつ一部の所定のセクションが間隙(パイル糸なし)を有する、たて編みダブルニードルバーラッシェル機により作られる構造を有していてもよい。例えば、図13Aは、パイルの領域214a間に点綴している間隙領域212a(例えば、パイルのない領域)を含む、技術裏面上に第1のパイル面210を有するこのような起毛面ニット生地200の一実施形態を示す。生地200はまた、技術表面上に第2のパイル面220(起毛後)を含む。図13Aに示されるように、第2のパイル面220も、パイルの領域214b間に点綴している間隙領域212b(例えば、パイルのない領域)を含む。上記のように、断熱複合布に組み込まれる場合、技術裏面上のパイル糸及び技術表面上のパイル糸(起毛後)は、外側「シェル」布層及び内側「シェルライナー」布層を離間させた状態にし、停滞空気を取り込み、断熱複合布の断熱を最大限のものにすると考えられる。パイルのない領域内におけるシェルとシェルライナーとの間に取り込まれる空気は、非常に小さい空気の移動又は風における静的条件で良好な温熱性(thermal)をもたらすと考えられる。
【0052】
動的(制御された通気性を有するシェル材料上に空気が流れるか又は風が吹く)条件では、間隙領域における断熱は低減する可能性がある。しかしながら、断熱の低下は、間隙領域212a及び212bに(相互連結パイルよりも低い)相対的に低いフリース/ベロアを設けることによって低減することができる。これは、相互連結パイルを生じさせないものの、技術表面(図13B)及び/又は技術裏面(図13D)に沿ってステッチ糸及び裏糸によって保持される更なるパイル糸230(好ましくは、1.0デニール未満の超極細繊維のように細いdpfで)を追加することによって、並びに、毛羽立たせることにより更なるパイル糸230を起毛させて技術表面にフリース/ベロアを生じさせること(図13C)、及び/又は毛羽立たせることにより更なるパイル糸230を起毛させて技術裏面にフリースを生じさせること(図13E)によって行うことができる。間隙領域内のこの低いフリース/ベロア(相互連結パイルによって形成されるものよりもはるかに低い)は、ねじれの改善及び(取り込まれた空気の停滞を維持する)空気の移動の低減を伴い、対流による熱的加熱の損失を低減させる。
【0053】
1つ又は複数の起毛面を有する断熱性フィラー布の実施形態を説明してきたが、例えばあまり断熱を必要としない一部の実施形態では、断熱性フィラー布が代わりに、片側又は両側がブラシがけによって仕上げ加工される表編みニット(regular knit)構造(片面又は両面)を有していてもよい。
【0054】
場合によっては、外側「シェル」布層、内側「シェルライナー」布層、及び/又は断熱性フィラー布層は、難燃性材料(例えば、難燃性繊維)からなり、かつ/又はそれを組み込み得るか、又は難燃性をもたらすように処理(例えば、化学的に処理)され得る。実施形態によっては、外側「シェル」布層を、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ及び/又は赤外線放射の低減(infrared radiation reduction)により処理する。
【0055】
断熱性フィラー布層を縫製によって内側布層及び外側布層の一方又は両方に取り付ける、断熱複合布の実施形態を説明してきたが、場合によっては、断熱性フィラー布層を内側布層及び外側布層の一方又は両方に積層させてもよい。図14Aは断熱複合布積層体320を示す。断熱複合布積層体320は、内側布層321と、外側布層322と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層323とを備える。断熱性フィラー布層323は、接着剤326で内側布層321及び外側布層322に接着される両面ニット生地からなる。接着剤は、断熱複合布積層体320の通気性を実質的に更に制限しないように塗布され得る。接着剤は、例えばドットコーティングパターンで塗布することができる。
【0056】
図14Bは、断熱性フィラー布層323が内側布層321にのみ積層される代替的な実施形態を示し、図14Cは、断熱性フィラー布層323が外側布層322にのみ積層される代替的な実施形態を示す。
【0057】
図15Aは、断熱複合布420の更に別の実施例を示す。図15Aの断熱複合布420は、外側「シェル」布層422と、内側の断熱性布層421とを備える。外側布層422は織布からなる。断熱性布層421は、起毛面423(パイル又はベロア)と反対側の平滑面424とを有する片面ニット生地(例えば、片面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する片面ニット、又は片面スライバーニット)からなる。断熱性布層421は、(例えば、縫製(例えば、任意のパターンにおけるキルティング、縫製、タッキング、超音波ボンディング又はタックステッチング)、積層、縫い目に沿って縫い付けることによる固定、又はスナッピングといった他の物理的な固定等によって)外側布層422に取り付けられる結果、起毛面423が外側布層422に対向する。断熱性布層421の平滑面424は、断熱複合布420の露出面を形成する。断熱複合布420は、上記の衣服のいずれかのような布製衣服に組み込むことができる。例えば、図14の断熱複合布420は、図9のジャケットの第1の布部分又は第2の布部分において使用することができると考えられる。布製衣服に組み込まれる場合、断熱性布層421の平滑面424は、使用者の身体側に身に付けられる衣服の内表面を形成するように配置され得る。
【0058】
断熱性布層421及び外側布層422のいずれか又は両方は、少なくとも一方向に伸縮を有し得る。場合によっては、例えば、断熱性布層421及び外側布層422のいずれか又は両方が、伸縮及び形状回復を高めるために弾性材料(例えば、スパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含むことができる。
【0059】
図15Aを更に参照すると、断熱複合布420の透湿度及び通気性は、外側布層422の生地の間隙又は開放性によって制御することができる。場合によっては、例えば、断熱複合布420の通気性の制御は、外側布層422を形成する生地の1つ又は複数のパラメータ(例えば、糸の繊度、番手及び/又は織密度(よこ糸))を制御することによって実現することができる。代替的に又は付加的に、断熱複合布420の通気性の制御は、外側布層422の片面又は両面に、コーティング又は薄膜の積層を施すことによって実現することができる。
【0060】
図15Bは、断熱複合布420’の更に別の実施例を示す。図15Bの断熱複合布420’は、外側「シェル」布層422と、内側の断熱性布層421’とを備える。図15Bに示されるように、断熱性布層421’は、接着剤426で外側布層422に接着して布積層体を形成する両面ニット生地からなる。代替的に又は付加的に、断熱性布層421’は、(任意のパターンにおける)キルティング、タッキング、超音波ボンディング等によって外側布層に連結していてもよい。
【0061】
断熱性布層421’及び外側布層422のいずれか又は両方は、少なくとも一方向に伸縮を有し得る。断熱複合布420’の透湿度及び通気性は、図15Aに関して上記に記載したように制御することができる。
【0062】
場合によっては、断熱複合布に耐水性を与えることができる。例えば、外側「シェル」布層が、非常に緊密な構造(例えば、緊密な織物構造)を有していてもよく、また耐久撥水剤(DWR)で処理されていてもよい。代替的に又は付加的に、断熱複合布に防水メンブレン(例えば、通気性防水メンブレン)を設けることができる。例えば、図16は、内側「シェルライナー」布層510と、外側「シェル」布層520と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層530とからなる断熱複合布500の一実施形態を示す。本実施例では、防水メンブレン540が、外側「シェル」布層520の内表面522に積層される。遮水バリア(water barrier)は、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン又は電界紡糸材料から作製することができる。好ましくは、断熱性フィラー布層530が、疎水性であり(例えば、疎水性糸/疎水性繊維からなる)、外側布層520に水を透過させる場合、保持又は吸収することなく、迅速に乾燥させることができると考えられる。
【0063】
防水性断熱複合布500は、布製衣服全体を形成するのに使用することができ、又は場合によっては、シルエットの一部又は複数の部分のみを形成してもよい。例えば、図17は、第1の布部分620と第2の布部分640とを備えるハイブリッド断熱布製衣服610を示す。第1の布部分620は、布製衣服の(例えば、着用者の上部胴体、肩を覆うように配置され、腕へと広がる)1つ又は複数の上部領域(すなわち、使用の際に雨に曝されやすいそれらの領域)に設けられる。第1の布部分620は第1の布要素622からなる。第1の布要素622は、図16に関して上記に記載したような構造を有し得る撥水性断熱複合布から形成される。
【0064】
第2の布部分640は、使用中に雨にさらされることがあまりない(例えば、使用者の身体の下部胴体領域及び背下部領域を覆うように配置される)下部領域に設けられる。第2の布部分640は、繋ぎ合わせかつ縫い目611で縫い付けることによって第1の布要素622と繋ぎ合わせる第2の布要素642からなる。第2の布要素642は、図2に関して上記に記載したような構造を有し得る第2の断熱複合布から形成される。
【0065】
実施形態によっては、リバーシブルの断熱複合布製衣服も提供することができる。例えば、断熱複合布製衣服は、図2に関して上記に記載したものと同様に、第1の布層と、布層と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層とからなる断熱複合布からなり得る。布製衣服はリバーシブルであってもよいため、第1の布層及び第2の布層がともに、任意に、外側「シェル」布層又は内側「シェルライナー」布層のいずれかの役割を果たすことができ、これによって、着用者は、リバーシブルの断熱複合布(「人工ダウン」)製衣服を着用することができると考えられる。第1の布層及び第2の布層は、異なる色の布、並びに/又は異なるパターン(例えば、カモフラージュ)及び/若しくは異なるテクスチャを有する布から作製することができる。
【0066】
ジャケットの形態の布製衣服を説明してきたが、本明細書中に記載される断熱複合布は、これらに限定されるものでないが、コート、オーバーブラウス(shell)、プルオーバー、ベスト、シャツ、パンツ、ブランケット(例えば、ホームテキスタイルブランケット又はアウトドアブランケット)等を含む様々なタイプの布製品にも援用することができることに留意されたい。
【0067】
場合によっては、断熱層(例えば、(例えば、図2、図6〜図8、図10、図11又は図14A〜図14Cのいずれか1つの)断熱性フィラー布層、又は(例えば、図15A又は図15Bのいずれか1つの)断熱性布層)は、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ(裏編み又は表編み)からなり得る。高いシンカー(例えば、2mm〜9mm)がテリーシンカーループを形成するのに使用され得る。この構造では、テリーシンカーループを、(間隙を有する)テリーシンカーループを含まない他のセクション(複数可)を有するとともに、所定のパターン又はデザインで設けてもよく、その結果、総重量が低減し、可撓性及び収納し易さ(折り畳み易さ)が促される。上述のように、テリーシンカーループは表編み構造及び裏編みで作製することができる。裏編みの場合、技術表面(ジャージー側)が仕上げ加工され、技術裏面はテリーシンカーループ(起毛していない状態)のままであるか、又は(表編み構造と同様に)技術表面(ジャージー側)を毛羽立たせずにテリーシンカーループが技術裏面上に存在する状態であってもよい。
【0068】
他の実施形態は添付の特許請求の範囲内である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱性フィラー材として、片側又は両側に起毛面を有するテキスタイルファブリックを組み込む断熱複合布に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダウン構造(down fabric constructions)は大抵、2つの織布「シェル」層に囲まれた不織フィラー材を備える。これらの不織フィラー材は、比較的高いレベルの断熱をもたらすことが知られており、また、非常に良好な折畳み性能(packability)に加えて軽い。
【0003】
既知の幾つかの不織フィラー材、例えば、Albany International Corpから入手可能なPrimaloft(商標)及び3M Companyから入手可能なThinsulate(商標)は得てしてずれやすく、不織フィラー材の繊維が多くの場合に織布層から突き出る傾向にある。この繊維の移動を抑制するために、フィラー材を織布層の一方又は両方にキルティングすることが知られている。しかしながら、キルティングは、不織フィラー材を平らにする傾向があり、結果として、布構造の断熱を低減させるおそれがある。キルティングはまた布構造の伸縮を阻害する可能性がある。
【0004】
移動する繊維が織布層から突き出ないようにするため、織布層は大抵、1.0ft3/ft2/分未満、多くの場合、0ft3/ft2/分に近い通気性を有する非常に緊密な構造体から作られている。場合によっては、織布をカレンダー加工し、高圧下で加熱ロールに通し、緊密な織物構造(woven construction)中の間隙を封止する。或る特定の環境では、カレンダー加工前に化学的なシステムを織布に施して、織布における間隙の封止を助ける。このタイプの封止は、布構造の通気性を略0ft3/ft2/分に低減させ得る。結果として、得られる布構造体からなる衣服は、妥当な断熱を有するものの、芳しくない通気性、結果として、低い通気性を有する可能性がある。
【0005】
また、不織フィラー材は、圧縮を受けて平らになる傾向があり、結果として、断熱の低下を示す可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
概して、本発明は、断熱性フィラー材として、片側又は両側に起毛面を有するテキスタイルファブリックを組み込む断熱複合布に関する。
【0007】
本発明の一態様は、内側布層と、外側布層と、前記内側布層と前記外側布層とに囲まれた断熱性フィラー布層とを備える断熱複合布を提供する。前記断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0008】
本態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記断熱性フィラー布層は、両面たて編みニット生地を含む。前記両面たて編みニット生地は、絹綿ビロード面を有する技術的に言うところの裏面(以下「技術裏面」と言う)と、ベロア面を有する技術的に言うところの表面(以下「技術表面」と言う)とを有する。前記断熱性フィラー布層は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記両面ニット生地は、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する。前記断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有するニット生地を含む。前記断熱性フィラー布層は、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地は表編み構造を有する。前記断熱性フィラー布層は、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。前記断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記断熱性布層は、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード(例えば約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤード、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤード、又は約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード)の重量を有する。前記断熱性フィラー布層が、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方にキルティングされる。前記断熱性フィラー布層は、前記断熱複合布の縁に沿って、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い付けられる。前記断熱性フィラー布層は、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層される。前記断熱性フィラー布層は、約0.1インチ〜約4.0インチ(約0.1インチ〜約0.2インチ、約0.15インチ〜約0.4インチ、約0.2インチ〜約1.0インチ、又は約3インチ〜約4インチ)の厚み(嵩)を有する。前記断熱性フィラー布層は、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。前記断熱性フィラー布層は、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸は、前記他の不連続領域を形成する糸よりも(than)相対的に細い。幾つかの例において、前記第1の不連続領域を形成する糸は、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。断熱性フィラー布層は、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記断熱性フィラー布層は疎水性布を含む。前記内側布層は織布を含む。内側布層は、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記内側布層は、前記外側布層の通気性と異なる通気性を有する。前記内側布層は、前記外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。前記内側布層は、前記外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。場合によっては、前記内側布層は、前記外側布層の通気性と同程度の通気性を有する。前記内側布層は、該内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記外側布層は、前記外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分(例えば約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分)の通気性を有する。場合によっては、内側布層及び外側布層の両方が、非常に高い通気性を有する(例えば各布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、少なくとも200ft3/ft2/分)。前記外側布層は織布を含む。断熱複合布は少なくとも一方向に伸縮を有する。前記外側布層、前記内側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つは、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む。前記伸縮材料は弾性糸及び/又は弾性繊維(例えばスパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含む。前記外側布層は、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記断熱複合布は、前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分(前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約100ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分、又は前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約80.0ft3/ft2/分)の通気性を有する。前記断熱性フィラー布層は、ステッチ糸又は裏糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸を含むように構成される。前記断熱複合布は、約0.2clo/oz2〜約3.0clo/oz2(例えば約0.8clo/oz2〜約1.6clo/oz2、約1.0clo/oz2〜約1.8clo/oz2、又は約1.0clo/oz2〜約3.0clo/oz2)の断熱をもたらす。前記内側布層、前記外側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される。前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備え得る。前記防水メンブレンは透湿メンブレンである。前記防水メンブレンは、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン又は電界紡糸メンブレンであり得る。
【0009】
本発明の別の態様は、第1の断熱複合布からなる第1の布部分を含む布製衣服を特徴とする。該第1の断熱複合布が、第1の内側布層と、第1の外側布層と、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる、第1の断熱性フィラー布層とを備える。前記第1の断熱性フィラー布層は、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0010】
本態様の実施態様は、以下の更なる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記第1の断熱性フィラー布層は、両面たて編みニット生地を含む。前記両面たて編みニット生地は、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む。前記第1の断熱性フィラー布層は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記両面ニット生地は、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する。前記第1の断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有するニット生地を含む。前記第1の断熱性フィラー布層は、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記第1の断熱性フィラー布層は、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。場合によっては、前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地は表編み構造を有する。前記第1の断熱性フィラー布層は、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。前記第1の断熱性フィラー布層は、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード(例えば約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤード、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤード、又は約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード)の重量を有する。前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方にキルティングされる。前記第1の断熱性フィラー布層は、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とを連結する縫い目で固定される。前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に積層される。前記第1の断熱性フィラー布層は、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の断熱性フィラー布層は、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸は、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸は、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。第1の断熱性フィラー布層は、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記第1の断熱性フィラー布層は疎水性布を含む。前記第1の内側布層は織布を含む。第1の内側布層は、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性と異なる通気性を有する。前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。場合によっては、前記第1の内側布層は、前記第1の外側布層の通気性と同程度の通気性を有する。前記第1の内側布層は、前記内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第1の外側布層は、前記第1の外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分(例えば約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第1の外側布層は織布を含む。第1の断熱複合布は少なくとも一方向に伸縮を有する。前記第1の外側布層、前記第1の内側布層及び前記第1の断熱性フィラー布層の少なくとも1つは、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維(例えば弾性糸及び/又は弾性繊維、例えばスパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含む。前記第1の外側布層は、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記第1の断熱複合布は、前記第1の断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約80ft3/ft2/分(例えば前記第1の断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約4.0ft3/ft2/分〜約20ft3/ft2/分)の通気性を有する。布製衣服は、第2の断熱複合布も備え、前記第1の布部分及び前記第2の布部分が、対照的な伸縮、対照的な耐水性、対照的な断熱性及び対照的な通気性から選択される1つ又は複数の対照的な特性を有する。前記第2の布部分は、第2の断熱複合布からなる。前記第2の断熱複合布は、第2の内側布層と、第2の外側布層と、前記第2の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる、第2の断熱性フィラー布層とを備える。前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。前記第2の断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む。前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む。前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む。前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。
【0011】
前記第2の断熱性布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード(例えば約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤード、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤード、又は約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤード)の重量を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方にキルティングされる。前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とを連結する縫い目で固定される。前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に積層される。前記第2の断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第2の断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。前記第2の断熱性フィラー布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記第2の断熱性フィラー布層が疎水性布を含む。前記第2の内側布層が織布を含む。前記第2の内側布層が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記第2の外側布層が織布を含む。前記第2の断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する。前記第2の外側布層、前記第2の内側布層及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む。前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維(例えばスパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含む。前記第2の外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記第2の断熱複合布が、前記第2の断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第2の布部分が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、又はリブニット構造を有する。前記第2の布部分が、単層布又は積層複合布からなる。前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、リブニット構造又は織物構造を有する。前記第2の布部分が織布を含む。前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性と異なる通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第2の布部分を形成する布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記第2の布部分が、前記第1の布部分よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する。前記第1の内側布層、前記第1の外側布層、前記第1の断熱性フィラー布層、前記第2の内側布層、前記第2の外側布層、及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される。前記第1の外側布層の内表面に積層され、かつ前記第1の外側布層と前記第1の断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備えていてもよい。前記防水メンブレンが透湿メンブレンである。前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン又は電界紡糸メンブレンである。前記布製衣服がリバーシブルであり、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層が、対照的な外観及び/又は表面テクスチャを有する。
【0012】
本発明の別の態様は、内側布層と外側布層とで断熱性フィラー布層を囲むことにより、断熱複合布を形成することを含む、方法を提供する。前記断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0013】
この態様の実施態様は、以下のさらなる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い合わせることを含む。前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層させることを含む。本方法はまた、前記外側布層を、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ及び/又は赤外線放射の低減により処理することを含む。本方法はまた、前記断熱複合布から1つ又は複数の布要素を形成すること、及び該布要素を布製衣服に組み込むことを含む。本方法はまた、他の布から1つ又は複数の他の布要素を形成すること、及び該1つ又は複数の他の布要素を前記布製衣服に組み込むことを含む。前記他の布が、前記断熱複合布の通気性と異なる通気性を有する。前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する。場合によっては、前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する。前記他の布が、前記断熱複合布よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する。前記他の布が単層布又は積層布である。
【0014】
本発明の別の態様は、ハイブリッド複合布製衣服を製造する方法を特徴とする。本方法は、第1の断熱複合布から第1の布部分を形成すること、及び第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する他の布から第2の布部分を形成することを含む。本方法はまた、第1の布部分と第2の布部分とを繋ぎ合わせる(joining:結合させる)ことであって、ハイブリッド複合布製衣服を製造する、繋ぎ合わせることを含む。第1の断熱複合布は、第1の内側布層と、第1の外側布層と、第1の内側布層と第1の外側布層とに囲まれる第1の断熱性フィラー布層とを備える。第1の断熱性フィラー布層は、布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0015】
この態様の実施態様は、以下の更なる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記他の布は第2の断熱複合布である。前記第2の断熱複合布は、第2の内側布層と、第2の外側布層と、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とに囲まれる第2の断熱性フィラー布層とを備える。前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する。本方法はまた、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とで前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことにより、前記第2の断熱複合布を形成することを含む。前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む。前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層を積層することを含む。本方法はまた、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とで前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことにより、前記第1の断熱複合布を形成することを含む。前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む。前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層を積層することを含む。
【0016】
本発明の別の態様は、外側布層と、前記外側布層に取り付けた断熱性布層とを備える断熱複合布を提供する。前記断熱性布層が、前記外側布層に対向する起毛面を有するテキスタイルファブリックである。
【0017】
この態様の実施態様は、以下の更なる特徴の1つ又は複数を含み得る。前記断熱性布層が、たて編みニット生地を含む。前記たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、平滑面を有する技術表面とを含む。前記断熱性布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有するニット生地を含む。前記ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術裏面と、平滑面を有する技術裏面とを有する。前記断熱性布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む。前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである。前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する。前記断熱性布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する。前記断熱性布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する。場合によっては、前記断熱性布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する。幾つかの例において、前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い。場合によっては、前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する。前記断熱性布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。前記断熱性布層が、両面たて編みニット生地又は丸編みニット生地を含む。前記断熱性布層が前記外側布層に積層される。前記断熱性布層が、キルティング、縫製、タッキング及び/又は超音波ボンディングによって前記外側布層に連結される。前記断熱性布層が、両面ファブリック、又は前記外側布層に対向する前記起毛面と反対側の平滑面とを有する片面テキスタイルファブリックである。前記外側布層が織布を含む。前記外側布層が、シングルジャージー構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地を含む。前記断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する。前記外側布層及び前記断熱性布層の少なくとも一方が、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維(例えば弾性糸及び/又は弾性繊維)を含む。前記外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される。前記断熱性布層が、前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。前記断熱性布層及び/又は前記外側布層が、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される。前記断熱性布層がまた、前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性布層との間に設けられる防水メンブレンを備え得る。前記防水メンブレンが透湿メンブレンであり得る。前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンであり得る。
【0018】
実施態様は以下の利点の1つ又は複数を含み得る。
【0019】
実施態様によっては、断熱複合布における断熱性フィラー材としてのテキスタイルファブリックの使用によって、移動する傾向にあり得る目の粗い(loose)繊維の使用を回避するのを助けることができる。これはまた、繊維の移動及びシェル生地を介する目の粗い繊維の貫通に対する懸念を減らすとともに、封止することなく、又はさもなければシェル生地の通気性を制限することなく、様々な開放性を有する様々な布をシェル層として使用することを可能にする。
【0020】
場合によっては、パイル(ベルベット)及び/又はベロア/フリースから作られ、裏糸(backing yarn)又はステッチ糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸(face
yarn)を含む、断熱性フィラー材を使用する。このタイプの構造は、圧縮後であっても断熱の維持を助けるような良好な弾力性を伴って、大きい厚み(嵩)をもたらすことができる。
【0021】
他の態様、特徴及び利点は、本明細書、図面及び特許請求の範囲中に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】断熱布製衣服の正面斜視図である。
【図2】断熱複合布の端部断面図である。
【図3】両面たて編みニット生地(double face warp knit fabric)の形態の断熱性フィラー布の端部断面図である。
【図4】裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地の形態の断熱性フィラー布の端部断面図である。
【図5】片面生地の形態の断熱性フィラー布の端部断面図である。
【図6】軽量構造を有する断熱複合布の端部断面図である。
【図7】中量構造を有する断熱複合布の端部断面図である。
【図8】重量構造を有する断熱複合布の端部断面図である。
【図9】ハイブリッド断熱布製衣服の正面斜視図である。
【図10】図9のハイブリッド断熱布製衣服の第1の布部分に使用される断熱複合布の一例の端部断面図である。
【図11】図9のハイブリッド断熱布製衣服の第2の布部分に使用される断熱複合布の一例の端部断面図である。
【図12】パイルの領域内に点在するパイルのない領域を含むパイル面を有する断熱性フィラー布の平面図である。
【図13A】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13B】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13C】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13D】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図13E】間隙領域(すなわち、相対的にパイルが少ない領域又はパイルのない領域)を有する断熱性フィラー布を示す端部断面図である。
【図14A】断熱複合布積層体の代替的な実施形態の端部断面図である。
【図14B】断熱複合布積層体の代替的な実施形態の端部断面図である。
【図14C】断熱複合布積層体の代替的な実施形態の端部断面図である。
【図15A】二層断熱複合布の端部断面図である。
【図15B】二層断熱複合布積層体の端部断面図である。
【図16】防水メンブレンを有する断熱複合布の端部断面図である。
【図17】対照的な耐水性の領域を有するハイブリッド断熱布製衣服の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
様々な図面中の同様の参照記号は同様の要素を示す。
【0024】
図1を参照すると、断熱布製衣服10は、縫い目11で縫い付けることによって繋ぎ合わせる複数の布要素から形成される。布要素は、左前身頃要素12及び右前身頃要素13、後ろ身頃要素14、襟要素16、並びに左袖要素17及び右袖要素18を含む。これらの布要素は各々、断熱複合布(「人工ダウン(technical down)」)からなる。図2は、布要素を形成するのに好適な断熱複合布20を示す。断熱複合布20は、使用者の身体側に身に付けられる布製衣服10の内表面を形成する内側「シェルライナー」布層21と、布製衣服10の外表面を形成する外側「シェル」布層22と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23とからなる。断熱性フィラー布層23を、内側布層21及び外側布層22の一方又は両方に縫い合わせ(例えば、(図2に示されるように)キルティングし、かつ/又はタックステッチ(tack stitches:なみ縫い)で連結させ)てもよく、又は場合によっては、留められていない断熱性フィラー布層23を、布製衣服10の縫い目11において、かつ/又は個々の布要素の縁に沿って固定する。代替的に又は付加的に、他の物理的な固定によって、例えば、スナッピング(snapping)、タッキング(tucking)、ジャンピング(jumping)と併せたタッキング、超音波ボンディング、積層等を介して、断熱性フィラー布層23を、内側布層21及び外側布層22の一方又は両方に取り付けてもよい。
【0025】
断熱性フィラー布層23は、片側又は両側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである。断熱性フィラー布層23のテキスタイルファブリックは、ステッチ糸又は裏糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸(パイル)を含むように構成される。本明細書中で使用される場合、「パイル」という用語は、これらに限定されるものでないが、カットループ(cut loops)、編み機により切断されたループ、編み機により切り取られたループ、及び起毛繊維を含む、任意の所望の方法によって形成されるパイル面を含む。このタイプの構造は、圧縮を受けても断熱性フィラー布層23の断熱を維持するような良好な弾力性を伴って、大きい嵩をもたらすことができる。
【0026】
図3を参照すると、断熱性フィラー布層23は、絹綿ビロード(plush velvet)面33がもたらされるようにブラシがかけられるパイル糸からなる技術裏面(technical back)32と、裏糸及びステッチ糸からなる技術表面(technical
face)34とを含む、両面たて編みニット生地30から形成され得る。技術表面34の裏糸又はステッチ糸のいずれかを毛羽立たせて、フリース/ベロア35を形成してもよい。代替的に、場合によっては、パイル糸の幾らかを技術表面35でステッチ糸(stitch yarn)に重ね合わせ、ブラシがけ又は毛羽立たせて、技術表面35にフリース/ベロア35面を形成してもよい。好適な両面たて編みニット生地の構造に関する更なる詳細は、米国特許第6,196,032号(2001年3月6日発行)、同第6,199,410号(2001年3月13日発行)、同第6,832,497号(2004年12月21日発行)、同第6,837,078号(2005年1月4日発行)及び同第5,855,125号(1999年1月5日発行)(これらの開示の全体が参照により本明細書中に援用される)に見られ得る。好適な両面たて編みニット生地は、例えば、POLARTEC LLC(Lawrence MA.)からBOUNDARY(商標)という商品名で市販されている。
【0027】
代替的に又は付加的に、断熱性フィラー布層23は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地から形成されていてもよい。図4を参照すると、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地40は、起毛面又は毛羽立った面43を有する技術表面42と、カットループベルベット面45を形成するようにシンカーループが剪断される技術裏面44とを有する。裏編みテリーシンカーループニット構造を有する好適な両面ニット生地の構造に関する更なる詳細は、米国特許第6,131,419号(2000年10月17日発行)(この開示全体が参照により本明細書中に援用される)に見られ得る。
【0028】
また、図5を参照すると、断熱性フィラー布層23は、ステッチ糸又は裏糸54に包括的に垂直に位置付けられる表糸を有する技術表面52を含むように構成される片面生地50から形成され得る。
【0029】
代替的に又は付加的に、断熱性フィラー布層23は、スライバーニット構造を有する生地から形成されていてもよい。スライバーニット構造は、パイル状の生地を製造するような、繊維のスライバーの引通し(drawing-in)と併せた丸編みによって形成され得る。スライバーニット構造は、比較的粗い繊維(例えば、5dpf〜15dpf)の使用を可能にする。この比較的粗い繊維は、良好な弾力性及び圧縮抵抗をもたらすことができ、また、非常に高いパイル(例えば、3インチ〜4インチのパイル高さ)を発生させ得る。断熱性フィラー布層のスライバー生地を、技術裏面に起毛面を有する片面生地として、又は技術裏面及び技術表面に起毛面を有する両面生地として仕上げてもよい。概して、スライバーニット構造は、技術表面上で起毛する場合、「目こぼれ」を起こしやすく、また望ましくない美的外観(例えば、芳しくない仕上がり)を示すことがある。しかしながら、フィラー層として組み込まれる場合、起毛した技術表面の美的外観は、生地が外側「シェル」布層22と内側「シェルライナー」布層21とに囲まれるため、あまり重要でない。
【0030】
場合によっては、断熱性フィラー布層23が、伸縮及び回復を高めるための弾性材料を含んでいてもよい。例えば、断熱性フィラー布層23は、例えば裏糸又はステッチ糸に組み込まれる、弾性糸及び/又は弾性繊維を含んでいてもよい。実施例によっては、断熱性フィラー布層23は、弾性材料を含むことなく伸縮を有する。
【0031】
断熱性フィラー布層23は、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有し、比較的大きい厚み(嵩)(例えば、少なくとも約0.1インチ、例えば約0.1インチ〜約1.0インチの厚み)を有し、重量単位当たりの高い断熱(例えば、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2)を有する。
【0032】
断熱性フィラー布層23は、外側布層22(図2)に水を透過させる場合、保持も吸収もすることなく、また迅速に乾燥させることができると考えられる疎水性布からなり得る。
【0033】
内側布層21及び外側布層22(図2)はともに織布から作ることができる。代替的に、場合によっては、内側「シェルライナー」布層21及び/又は外側「シェル」布層22が代わりに、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有するニット生地等のニット生地からなっていてもよい。内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、合成糸及び/又は合成繊維、再生糸及び/又は再生繊維、天然糸及び/又は天然繊維、並びにそれらの組合せから形成されていてもよい。
【0034】
場合によっては、内側布層21及び/又は外側布層22がまた、伸縮及び回復を高めるためにそれぞれの生地の構造内に組み込まれる、弾性糸及び/又は弾性繊維等の弾性材料を含み得る。内側布層21及び外側布層22内への弾性材料の組込みは、断熱性フィラー布層23も伸縮を有する場合に特に有益であることがあり、その結果、内側布層21及び外側布層22が、断熱性フィラー層23とともに伸縮及び移動することができ、使用者の快適性が高められる。
【0035】
断熱複合布20の透湿度及び通気性は、内側布層21及び/又は外側布層22の生地の間隙又は開放性によって制御することができる。場合によっては、例えば、断熱複合布20の通気性の制御は、内側「シェルライナー」布層21及び/又は外側「シェル」布層22を形成する生地の1つ又は複数のパラメータ(例えば、糸の繊度、番手及び/又は織密度(よこ糸(pick/fill)))を制御することによって実現することができる。代替的に又は付加的に、断熱複合布20の通気性の制御は、内側布層21及び/又は外側布層22の1つ又は複数の表面に、コーティング又は薄膜の積層24(図2)を施すことによって実現することができる。
【0036】
内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、断熱複合布20にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の範囲内の通気性を有する断熱複合布20を提供するように選択され得る。特定の構造に基づき、複合布20を種々の最終用途に適応させてもよい。例えば、断熱複合布20は、比較的高い身体活動状態で使用される比較的高い通気性を伴って、寒気対策用の断熱(cold weather insulation)をもたらすように構成され得る。この場合、内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、断熱複合布20にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って、約100ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する断熱複合布20を提供するように選択され得る。
【0037】
代替的には、断熱複合布20は、比較的低い身体活動状態で使用される比較的低い通気性を伴って、寒気対策用の断熱をもたらすように構成され得る。この場合、内側布層21及び外側布層22のそれぞれの生地は、断熱複合布20にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って、約1ft3/ft2/分〜約80ft3/ft2/分の通気性を有する断熱複合布20を提供するように選択され得る。試験法ASTM D−737の開示全体が参照により本明細書中に援用される。
【0038】
場合によっては、内側布層21が、外側布層22の生地よりも相対的に高い通気性を有し得る。使用者の身体側に身に付けられる内側布層21に、より高い通気性を有する生地を利用することは、大きな活動中の使用者の身体からの蒸気の移動及び蒸気の発散(transmission away)を高めることを助けることができ、過熱の防止を助ける。例えば、内側布層21は、内側布層21にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有していてもよく、外側布層22は、外側布層22にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分(例えば、約1ft3/ft2/分〜約30ft3/ft2/分)の通気性を有していてもよい。
【0039】
さらに、以下の実施例によって説明するが、これらは特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0040】
実施例1
図6は、軽量構造を有する断熱複合布20’の一例を示す。該布は、内側布層21’と、外側布層22’と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23’とを備える。内側布層21’及び外側布層22’はともに、メッシュ構造を有するニット生地からなる。内側布層21’及び外側布層22’のメッシュ構造は、複数の開口25を有する。断熱性フィラー布層23’は、約1オンス毎平方ヤード〜約4オンス毎平方ヤードの重量、及び約0.1インチ〜約0.2インチの嵩(厚み)を有する両面ニット生地(例えば、両面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する両面ニット、又は両面スライバーニット)からなる。断熱性フィラー布層23’は、内側布層21’及び外側布層22’の一方又は両方に縫い合わされる(例えば、キルティングされる)。軽量断熱複合布20’は、約0.8clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす。
【0041】
実施例2
図7は、中量構造を有する断熱複合布20’’を示す。中量断熱複合布20’’は、メッシュ構造を有するニット生地からなる内側布層21’’と、織布からなる外側布層22’’と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23’’とを備える。断熱性フィラー布層23’’は、約3オンス毎平方ヤード〜約8オンス毎平方ヤードの重量、及び約0.15インチ〜約0.4インチの嵩(厚み)を有する両面ニット生地(例えば、両面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する両面ニット、又は両面スライバーニット)からなる。断熱性フィラー布層23’’は、内側布層21’’及び外側布層22’’の一方又は両方に縫い合わされる(例えば、キルティングされる)。中量断熱複合布20’’は、約1.0clo/oz2〜約1.8clo/oz2の断熱をもたらす。
【0042】
実施例3
図8は、重量構造を有する断熱複合布20’’’を示す。高重量(heavy weight)断熱複合布20’’’は、内側布層21’’’と、外側布層22’’’と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層23’’’とを備える。この重量構造では、内側布層21’’’及び外側布層22’’’がともに織布からなる。断熱性フィラー布層23’’’は、約4オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量、及び約0.2インチ〜約1.0インチの嵩(厚み)を有する両面ニット生地(例えば、両面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する両面ニット、又は両面スライバーニット)からなる。断熱性フィラー布層23’’’は、内側布層21’’’及び外側布層22’’’の一方又は両方に縫い合わされる(例えば、キルティングされる)。重量断熱複合布20’’’は、約1.0clo/oz2〜約3.0clo/oz2の断熱をもたらす。
【0043】
他の実施形態
或る特定の実施形態を上記で説明してきたが、他の実施形態も可能である。
【0044】
例えば、布製衣服全体が断熱複合布から構成されていてもよく、又は場合によっては、一部のセクションにのみ断熱複合布を含む布製衣服を形成してもよい。
【0045】
図9は、第1の布部分120と第2の布部分140とを備える、ジャケットの形態のハイブリッド断熱布製衣服110を示す。第1の布部分120は、使用者の肩領域を覆い、使用者の手首に向かって肘の下へと広がる。第1の布部分120は、縫い目111で縫い付けることによって繋ぎ合わせる複数の第1の布要素122からなる。第1の布要素122は、図2に関して上記に記載したような構造を有し得る第1の断熱複合布130から形成される。図10を参照すると、第1の断熱複合布130は、使用者の身体側に身に付けられる布製衣服110の内表面を形成する第1の内側布層131と、布製衣服110の外表面を形成する第1の外側布層132と、布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックからなる第1の断熱性フィラー布層134(図10には両面生地を示す)とを備える。第1の断熱性フィラー布層134は、第1の内側布層131と第1の外側布層132とに囲まれている。第1の断熱複合布130は、第1の断熱複合布130にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約80.0ft3/ft2/分(例えば、約4.0ft3/ft2/分〜約20.0ft3/ft2/分)の通気性を有する。
【0046】
第2の布部分140は、使用者の身体の下部胴体領域を覆い、繋ぎ合わせかつ縫い目111で縫い付けることによって第1の布要素122と繋ぎ合わせる複数の第2の布要素142からなる。第2の布要素142は、第1の断熱複合布130のように、図2に関して上記に記載したような構造を同様に有し得る第2の断熱複合布150から形成される。図11を参照すると、第2の断熱複合布150は、布製衣服110の内表面を形成する第2の内側布層151と、布製衣服110の外表面を形成する第2の外側布層152と、布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックからなる第2の断熱性フィラー布層154とを備える。図11には片面生地を示すが、第2の断熱性フィラー布層154は、代替的に又は付加的に、両面生地、例えば、第1の断熱性フィラー布層134の生地よりも相対的に小さい厚みを有する両面生地を含み得る。第2の断熱性フィラー布層154は、第2の内側布層151と第2の外側布層152とに囲まれている。第2の断熱複合布150は、第1の断熱複合布130の通気性と異なり、かつそれよりも相対的に大きい通気性を有するように構成される。第2の断熱複合布150は、第2の断熱複合布150にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する。
【0047】
代替的に又は付加的に、第1の布部分120及び第2の布部分140は、対照的な伸縮を有し得る。例えば、第1の布部分120は、第2の布層140よりも(例えば、外側シェル、内側シェル層及び断熱性フィラーにおいて)大きい伸縮を有していてもよい。肩領域により大きい伸縮がもたらされることによって、例えば、腕を動かす際の着用者の快適性が高められ、抵抗は低減することができるが、他の部位、例えば第2の布部分は、非伸縮性であってもよい。
【0048】
場合によっては、第2の布要素142は代わりに、プレーンテキスタイルファブリック、例えば、シングルジャージー(編まれているもの又は編まれていないもの)、ダブルニット、リブ、たて編みニット、又は伸縮を有する及び/若しくは有しない織物のような丸編みニットからなっていてもよい。そうでなければ、別の代替物として、第2の布要素142は、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地からなっていてもよい。第2の布要素142を形成するのに好適な生地は、例えば、POLARTEC LLC(Lawrence MA)からPOWER STRETCH(商標)及びBOUNDARY(商標)という商品名で市販されている。
【0049】
場合によっては、第2の布要素142は、外側布層及び内側布層;親水性バリアを含む、吸収−拡散−脱着による水蒸気の移行をもたらすとともに、風及び液体水に強いバリア;並びに/又は内側布層及び/若しくは外側布層に接着する接着剤層を有する積層複合布からなっていてもよい。好適な積層複合布は、例えば、POLARTEC LLC(Lawrence MA)からWINDBLOC(商標)及びPOWER SHIELD(商標)という商品名で市販されている。
【0050】
場合によっては、収納性の向上又は圧縮(すなわち、断熱複合布の総容積の低減)は、断熱性フィラー布層に所定のパターンで間隙又はパイルの不存在(pile out)(すなわち、パイルのない領域)を有することによって実現することができる。例えば、図12は、パイルの領域66(例えば、少なくとも約2.0mmの高さを有するパイル)内に点在するパイルのない領域64を含む第1のパイル面62を有する起毛面ニット生地60を示す。断熱性フィラー布の表面積の約5%〜約70%がパイルのない領域によって占められ得る。
【0051】
上述のように、断熱性フィラー層の起毛面ニット生地は、パイル糸が所定のパターンで編成され、かつ一部の所定のセクションが間隙(パイル糸なし)を有する、たて編みダブルニードルバーラッシェル機により作られる構造を有していてもよい。例えば、図13Aは、パイルの領域214a間に点綴している間隙領域212a(例えば、パイルのない領域)を含む、技術裏面上に第1のパイル面210を有するこのような起毛面ニット生地200の一実施形態を示す。生地200はまた、技術表面上に第2のパイル面220(起毛後)を含む。図13Aに示されるように、第2のパイル面220も、パイルの領域214b間に点綴している間隙領域212b(例えば、パイルのない領域)を含む。上記のように、断熱複合布に組み込まれる場合、技術裏面上のパイル糸及び技術表面上のパイル糸(起毛後)は、外側「シェル」布層及び内側「シェルライナー」布層を離間させた状態にし、停滞空気を取り込み、断熱複合布の断熱を最大限のものにすると考えられる。パイルのない領域内におけるシェルとシェルライナーとの間に取り込まれる空気は、非常に小さい空気の移動又は風における静的条件で良好な温熱性(thermal)をもたらすと考えられる。
【0052】
動的(制御された通気性を有するシェル材料上に空気が流れるか又は風が吹く)条件では、間隙領域における断熱は低減する可能性がある。しかしながら、断熱の低下は、間隙領域212a及び212bに(相互連結パイルよりも低い)相対的に低いフリース/ベロアを設けることによって低減することができる。これは、相互連結パイルを生じさせないものの、技術表面(図13B)及び/又は技術裏面(図13D)に沿ってステッチ糸及び裏糸によって保持される更なるパイル糸230(好ましくは、1.0デニール未満の超極細繊維のように細いdpfで)を追加することによって、並びに、毛羽立たせることにより更なるパイル糸230を起毛させて技術表面にフリース/ベロアを生じさせること(図13C)、及び/又は毛羽立たせることにより更なるパイル糸230を起毛させて技術裏面にフリースを生じさせること(図13E)によって行うことができる。間隙領域内のこの低いフリース/ベロア(相互連結パイルによって形成されるものよりもはるかに低い)は、ねじれの改善及び(取り込まれた空気の停滞を維持する)空気の移動の低減を伴い、対流による熱的加熱の損失を低減させる。
【0053】
1つ又は複数の起毛面を有する断熱性フィラー布の実施形態を説明してきたが、例えばあまり断熱を必要としない一部の実施形態では、断熱性フィラー布が代わりに、片側又は両側がブラシがけによって仕上げ加工される表編みニット(regular knit)構造(片面又は両面)を有していてもよい。
【0054】
場合によっては、外側「シェル」布層、内側「シェルライナー」布層、及び/又は断熱性フィラー布層は、難燃性材料(例えば、難燃性繊維)からなり、かつ/又はそれを組み込み得るか、又は難燃性をもたらすように処理(例えば、化学的に処理)され得る。実施形態によっては、外側「シェル」布層を、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ及び/又は赤外線放射の低減(infrared radiation reduction)により処理する。
【0055】
断熱性フィラー布層を縫製によって内側布層及び外側布層の一方又は両方に取り付ける、断熱複合布の実施形態を説明してきたが、場合によっては、断熱性フィラー布層を内側布層及び外側布層の一方又は両方に積層させてもよい。図14Aは断熱複合布積層体320を示す。断熱複合布積層体320は、内側布層321と、外側布層322と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層323とを備える。断熱性フィラー布層323は、接着剤326で内側布層321及び外側布層322に接着される両面ニット生地からなる。接着剤は、断熱複合布積層体320の通気性を実質的に更に制限しないように塗布され得る。接着剤は、例えばドットコーティングパターンで塗布することができる。
【0056】
図14Bは、断熱性フィラー布層323が内側布層321にのみ積層される代替的な実施形態を示し、図14Cは、断熱性フィラー布層323が外側布層322にのみ積層される代替的な実施形態を示す。
【0057】
図15Aは、断熱複合布420の更に別の実施例を示す。図15Aの断熱複合布420は、外側「シェル」布層422と、内側の断熱性布層421とを備える。外側布層422は織布からなる。断熱性布層421は、起毛面423(パイル又はベロア)と反対側の平滑面424とを有する片面ニット生地(例えば、片面たて編みニット、起毛シンカーテリーループ構造を有する片面ニット、又は片面スライバーニット)からなる。断熱性布層421は、(例えば、縫製(例えば、任意のパターンにおけるキルティング、縫製、タッキング、超音波ボンディング又はタックステッチング)、積層、縫い目に沿って縫い付けることによる固定、又はスナッピングといった他の物理的な固定等によって)外側布層422に取り付けられる結果、起毛面423が外側布層422に対向する。断熱性布層421の平滑面424は、断熱複合布420の露出面を形成する。断熱複合布420は、上記の衣服のいずれかのような布製衣服に組み込むことができる。例えば、図14の断熱複合布420は、図9のジャケットの第1の布部分又は第2の布部分において使用することができると考えられる。布製衣服に組み込まれる場合、断熱性布層421の平滑面424は、使用者の身体側に身に付けられる衣服の内表面を形成するように配置され得る。
【0058】
断熱性布層421及び外側布層422のいずれか又は両方は、少なくとも一方向に伸縮を有し得る。場合によっては、例えば、断熱性布層421及び外側布層422のいずれか又は両方が、伸縮及び形状回復を高めるために弾性材料(例えば、スパンデックス糸及び/又はスパンデックス繊維)を含むことができる。
【0059】
図15Aを更に参照すると、断熱複合布420の透湿度及び通気性は、外側布層422の生地の間隙又は開放性によって制御することができる。場合によっては、例えば、断熱複合布420の通気性の制御は、外側布層422を形成する生地の1つ又は複数のパラメータ(例えば、糸の繊度、番手及び/又は織密度(よこ糸))を制御することによって実現することができる。代替的に又は付加的に、断熱複合布420の通気性の制御は、外側布層422の片面又は両面に、コーティング又は薄膜の積層を施すことによって実現することができる。
【0060】
図15Bは、断熱複合布420’の更に別の実施例を示す。図15Bの断熱複合布420’は、外側「シェル」布層422と、内側の断熱性布層421’とを備える。図15Bに示されるように、断熱性布層421’は、接着剤426で外側布層422に接着して布積層体を形成する両面ニット生地からなる。代替的に又は付加的に、断熱性布層421’は、(任意のパターンにおける)キルティング、タッキング、超音波ボンディング等によって外側布層に連結していてもよい。
【0061】
断熱性布層421’及び外側布層422のいずれか又は両方は、少なくとも一方向に伸縮を有し得る。断熱複合布420’の透湿度及び通気性は、図15Aに関して上記に記載したように制御することができる。
【0062】
場合によっては、断熱複合布に耐水性を与えることができる。例えば、外側「シェル」布層が、非常に緊密な構造(例えば、緊密な織物構造)を有していてもよく、また耐久撥水剤(DWR)で処理されていてもよい。代替的に又は付加的に、断熱複合布に防水メンブレン(例えば、通気性防水メンブレン)を設けることができる。例えば、図16は、内側「シェルライナー」布層510と、外側「シェル」布層520と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層530とからなる断熱複合布500の一実施形態を示す。本実施例では、防水メンブレン540が、外側「シェル」布層520の内表面522に積層される。遮水バリア(water barrier)は、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン又は電界紡糸材料から作製することができる。好ましくは、断熱性フィラー布層530が、疎水性であり(例えば、疎水性糸/疎水性繊維からなる)、外側布層520に水を透過させる場合、保持又は吸収することなく、迅速に乾燥させることができると考えられる。
【0063】
防水性断熱複合布500は、布製衣服全体を形成するのに使用することができ、又は場合によっては、シルエットの一部又は複数の部分のみを形成してもよい。例えば、図17は、第1の布部分620と第2の布部分640とを備えるハイブリッド断熱布製衣服610を示す。第1の布部分620は、布製衣服の(例えば、着用者の上部胴体、肩を覆うように配置され、腕へと広がる)1つ又は複数の上部領域(すなわち、使用の際に雨に曝されやすいそれらの領域)に設けられる。第1の布部分620は第1の布要素622からなる。第1の布要素622は、図16に関して上記に記載したような構造を有し得る撥水性断熱複合布から形成される。
【0064】
第2の布部分640は、使用中に雨にさらされることがあまりない(例えば、使用者の身体の下部胴体領域及び背下部領域を覆うように配置される)下部領域に設けられる。第2の布部分640は、繋ぎ合わせかつ縫い目611で縫い付けることによって第1の布要素622と繋ぎ合わせる第2の布要素642からなる。第2の布要素642は、図2に関して上記に記載したような構造を有し得る第2の断熱複合布から形成される。
【0065】
実施形態によっては、リバーシブルの断熱複合布製衣服も提供することができる。例えば、断熱複合布製衣服は、図2に関して上記に記載したものと同様に、第1の布層と、布層と、それらに囲まれる断熱性フィラー布層とからなる断熱複合布からなり得る。布製衣服はリバーシブルであってもよいため、第1の布層及び第2の布層がともに、任意に、外側「シェル」布層又は内側「シェルライナー」布層のいずれかの役割を果たすことができ、これによって、着用者は、リバーシブルの断熱複合布(「人工ダウン」)製衣服を着用することができると考えられる。第1の布層及び第2の布層は、異なる色の布、並びに/又は異なるパターン(例えば、カモフラージュ)及び/若しくは異なるテクスチャを有する布から作製することができる。
【0066】
ジャケットの形態の布製衣服を説明してきたが、本明細書中に記載される断熱複合布は、これらに限定されるものでないが、コート、オーバーブラウス(shell)、プルオーバー、ベスト、シャツ、パンツ、ブランケット(例えば、ホームテキスタイルブランケット又はアウトドアブランケット)等を含む様々なタイプの布製品にも援用することができることに留意されたい。
【0067】
場合によっては、断熱層(例えば、(例えば、図2、図6〜図8、図10、図11又は図14A〜図14Cのいずれか1つの)断熱性フィラー布層、又は(例えば、図15A又は図15Bのいずれか1つの)断熱性布層)は、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ(裏編み又は表編み)からなり得る。高いシンカー(例えば、2mm〜9mm)がテリーシンカーループを形成するのに使用され得る。この構造では、テリーシンカーループを、(間隙を有する)テリーシンカーループを含まない他のセクション(複数可)を有するとともに、所定のパターン又はデザインで設けてもよく、その結果、総重量が低減し、可撓性及び収納し易さ(折り畳み易さ)が促される。上述のように、テリーシンカーループは表編み構造及び裏編みで作製することができる。裏編みの場合、技術表面(ジャージー側)が仕上げ加工され、技術裏面はテリーシンカーループ(起毛していない状態)のままであるか、又は(表編み構造と同様に)技術表面(ジャージー側)を毛羽立たせずにテリーシンカーループが技術裏面上に存在する状態であってもよい。
【0068】
他の実施形態は添付の特許請求の範囲内である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱複合布であって、
内側布層と、
外側布層と、
前記内側布層と前記外側布層とに囲まれた断熱性フィラー布層と、
を備え、前記断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、断熱複合布。
【請求項2】
前記断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項3】
前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む、請求項2に記載の断熱複合布。
【請求項4】
前記断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項5】
前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する、請求項4に記載の断熱複合布。
【請求項6】
前記断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項7】
前記断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項8】
前記断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項9】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項8に記載の断熱複合布。
【請求項10】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項9に記載の断熱複合布。
【請求項11】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項9に記載の断熱複合布。
【請求項12】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項8に記載の断熱複合布。
【請求項13】
前記断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項14】
前記断熱性布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項15】
前記断熱性フィラー布層が、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方にキルティングされる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項16】
前記断熱性フィラー布層が、前記断熱複合布の縁に沿って、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い付けられる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項17】
前記断熱性フィラー布層が、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層される、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項18】
前記断熱性フィラー布層が、約0.1インチ〜約4.0インチの厚み(嵩)を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項19】
前記断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項20】
前記断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項21】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項20に記載の断熱複合布。
【請求項22】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項20に記載の断熱複合布。
【請求項23】
前記断熱性フィラー布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす、請求項1〜22のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項24】
前記断熱性フィラー布層が疎水性布を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項25】
前記内側布層が織布を含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項26】
前記内側布層がニット生地を含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項27】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項26に記載の断熱複合布。
【請求項28】
前記内側布層が、前記外側布層の通気性と異なる通気性を有する、請求項1〜27のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項29】
前記内側布層が、前記外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項30】
前記内側布層が、前記外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項31】
前記内側布層が、該内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項32】
前記外側布層が、前記外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項33】
前記外側布層が織布を含む、請求項1〜32のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項34】
少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項35】
前記外側布層、前記内側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項1〜34のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項36】
前記伸縮材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項35に記載の断熱複合布。
【請求項37】
前記外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項1〜36のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項38】
前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項1〜37のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項39】
前記断熱性フィラー布層が、ステッチ糸又は裏糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸を含むように構成される、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項40】
約0.2clo/oz2〜約3.0clo/oz2の断熱をもたらす、請求項1〜39のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項41】
前記内側布層、前記外側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される、請求項1〜40のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項42】
前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備える、請求項1〜41のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項43】
前記防水メンブレンが透湿メンブレンである、請求項42に記載の断熱複合布。
【請求項44】
前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンから選択される、請求項42に記載の断熱複合布。
【請求項45】
布製衣服であって、
第1の断熱複合布からなる第1の布部分であって、該第1の断熱複合布が、
第1の内側布層と、
第1の外側布層と、
前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる、第1の断熱性フィラー布層と、
を備える、第1の布部分を備え、
前記第1の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、布製衣服。
【請求項46】
前記第1の断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項47】
前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む、請求項46に記載の布製衣服。
【請求項48】
前記第1の断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項49】
前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する、請求項48に記載の布製衣服。
【請求項50】
前記第1の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項51】
前記第1の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項52】
前記第1の断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項53】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項52に記載の布製衣服。
【請求項54】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項53に記載の布製衣服。
【請求項55】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項53に記載の布製衣服。
【請求項56】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項52に記載の布製衣服。
【請求項57】
前記第1の断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項58】
前記第1の断熱性フィラー布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有する、請求項45〜57のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項59】
前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方にキルティングされる、請求項45〜58のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項60】
前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とを連結する縫い目で固定される、請求項45〜58のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項61】
前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に積層される、請求項45〜58のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項62】
前記第1の断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項63】
前記第1の断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項64】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項63に記載の布製衣服。
【請求項65】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項63に記載の布製衣服。
【請求項66】
前記第1の断熱性フィラー布層が疎水性布を含む、請求項45〜65のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項67】
前記第1の内側布層が織布を含む、請求項45〜66のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項68】
前記第1の内側布層がニット生地を含む、請求項45〜66のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項69】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項68に記載の布製衣服。
【請求項70】
前記第1の内側布層が、前記第1の外側布層の通気性と異なる通気性を有する、請求項45〜69のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項71】
前記第1の内側布層が、前記外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項72】
前記第1の内側布層が、前記第1の外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項73】
前記第1の内側布層が、該内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項74】
前記第1の外側布層が、該第1の外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項75】
前記第1の外側布層が織布を含む、請求項45〜74のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項76】
前記第1の断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項45〜75のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項77】
前記第1の外側布層、前記第1の内側布層及び前記第1の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項45〜76のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項78】
前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項77に記載の布製衣服。
【請求項79】
前記第1の外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項80】
第2の布部分を更に備え、前記第1の布部分及び該第2の布部分が、対照的な伸縮、対照的な耐水性、対照的な断熱性及び対照的な通気性から選択される1つ又は複数の対照的な特性を有する、請求項45〜79のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項81】
前記第2の布部分が、第2の断熱複合布であって、該第2の断熱複合布が、
第2の内側布層と、
第2の外側布層と、
前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とに囲まれる、第2の断熱性フィラー布層と、
を備える、第2の断熱複合布からなる、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項82】
前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項83】
前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、請求項81又は82に記載の布製衣服。
【請求項84】
前記第2の断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項85】
前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む、請求項84に記載の布製衣服。
【請求項86】
前記第2の断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項87】
前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する、請求項86に記載の布製衣服。
【請求項88】
前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項89】
前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項90】
前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項91】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項90に記載の布製衣服。
【請求項92】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項91に記載の布製衣服。
【請求項93】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項91に記載の布製衣服。
【請求項94】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項90に記載の布製衣服。
【請求項95】
前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項96】
前記第2の断熱性布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有する、請求項81〜95のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項97】
前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方にキルティングされる、請求項81〜96のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項98】
前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とを連結する縫い目で固定される、請求項81〜96のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項99】
前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に積層される、請求項81〜96のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項100】
前記第2の断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項101】
前記第2の断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項102】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項101に記載の布製衣服。
【請求項103】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項101に記載の布製衣服。
【請求項104】
前記第2の断熱性フィラー布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす、請求項81〜103のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項105】
前記第2の断熱性フィラー布層が疎水性布を含む、請求項81〜104のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項106】
前記第2の内側布層が織布を含む、請求項81〜105のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項107】
前記第2の内側布層がニット生地を含む、請求項81〜105のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項108】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項107に記載の布製衣服。
【請求項109】
前記第2の外側布層が織布を含む、請求項81〜108のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項110】
前記第2の断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項81〜109のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項111】
前記第2の外側布層、前記第2の内側布層及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項81〜110のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項112】
前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項111に記載の布製衣服。
【請求項113】
前記第2の外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項81〜112のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項114】
前記第2の布部分がニット生地からなる、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項115】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、又はリブニット構造を有する、請求項114に記載の布製衣服。
【請求項116】
前記第2の布部分が、単層布又は積層複合布からなる、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項117】
前記単層布が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、リブニット構造又は織物構造を有する、請求項116に記載の布製衣服。
【請求項118】
前記第2の布部分が織布を含む、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項119】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性と異なる通気性を有する、請求項80〜118のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項120】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項119に記載の布製衣服。
【請求項121】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項119に記載の布製衣服。
【請求項122】
前記第2の布部分が、前記第2の布部分を形成する布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項119に記載の布製衣服。
【請求項123】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する、請求項80〜122のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項124】
前記第1の内側布層、前記第1の外側布層、前記第1の断熱性フィラー布層、前記第2の内側布層、前記第2の外側布層、及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される、請求項80〜123のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項125】
前記第1の外側布層の内表面に積層され、かつ該第1の外側布層と前記第1の断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備える、請求項45〜124のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項126】
前記防水メンブレンが透湿メンブレンである、請求項125に記載の布製衣服。
【請求項127】
前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンから選択される、請求項125に記載の布製衣服。
【請求項128】
前記布製衣服がリバーシブルであり、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層が、対照的な外観及び/又は表面テクスチャを有する、請求項45〜127のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項129】
断熱複合布を形成することを含む方法であって、
内側布層と外側布層とで断熱性フィラー布層を囲むことであって、該断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、囲むことを含む、断熱複合布を形成することを含む方法。
【請求項130】
前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い合わせることを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層させることを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項132】
前記外側布層を、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ及び/又は赤外線放射の低減により処理することを更に含む、請求項129〜131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記断熱複合布から1つ又は複数の布要素を形成すること、及び該布要素を布製衣服に組み込むことを更に含む、請求項129〜132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
他の布から1つ又は複数の他の布要素を形成すること、及び該1つ又は複数の他の布要素を前記布製衣服に組み込むことを更に含む、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記他の布が、前記断熱複合布の通気性と異なる通気性を有する、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記他の布が、前記断熱複合布よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する、請求項135〜137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記他の布が単層布又は積層布である、請求項135〜138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
ハイブリッド複合布製衣服を製造する方法であって、
第1の断熱複合布から第1の布部分を形成することであって、該第1の断熱複合布が、
第1の内側布層と、
第1の外側布層と、
前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる第1の断熱性フィラー布層であって、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、第1の断熱性フィラー布層と、
を備える、第1の布部分を形成すること、
前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する他の布から第2の布部分を形成すること、及び
前記第1の布部分と前記第2の布部分とを繋ぎ合わせることであって、前記ハイブリッド複合布製衣服を製造する、繋ぎ合わせること、
を含む、ハイブリッド複合布製衣服を製造する方法。
【請求項141】
前記他の布が、
第2の内側布層と、
第2の外側布層と、
前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とに囲まれる第2の断熱性フィラー布層と、
を備える第2の断熱複合布であり、前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックであり、前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とで前記第2の断熱性フィラー布層を囲むこと、
を含む、前記第2の断熱複合布を形成することを更に含む、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層を積層することを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とで前記第1の断熱性フィラー布層を囲むこと、を含む、前記第1の断熱複合布を形成することを更に含む、請求項140〜144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層を積層することを含む、請求項145に記載の方法。
【請求項148】
断熱複合布であって、
外側布層と、
前記外側布層に取り付いた断熱性布層と、
を備え、前記断熱性布層が、前記外側布層に対向する起毛面を有するテキスタイルファブリックである、断熱複合布。
【請求項149】
前記断熱性布層が、たて編みニット生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項150】
前記たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、平滑面を規定する技術表面とを含む、請求項149に記載の断熱複合布。
【請求項151】
前記断熱性布層が、裏編みテリーシンカーループ構造を有するニット生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項152】
前記ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術裏面と、平滑面を規定する技術裏面とを有する、請求項151に記載の断熱複合布。
【請求項153】
前記断熱性布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項154】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項153に記載の断熱複合布。
【請求項155】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項154に記載の断熱複合布。
【請求項156】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項154に記載の断熱複合布。
【請求項157】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項153に記載の断熱複合布。
【請求項158】
前記断熱性布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項159】
前記断熱性布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項160】
前記断熱性布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項161】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項160に記載の断熱複合布。
【請求項162】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項160に記載の断熱複合布。
【請求項163】
前記断熱性布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす、請求項148〜162のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項164】
前記断熱性布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項165】
前記断熱性布層が前記外側布層に積層される、請求項148〜164のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項166】
前記断熱性布層が、キルティング、縫製、タッキング及び/又は超音波ボンディングによって前記外側布層に連結される、請求項148〜164のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項167】
前記断熱性布層が、前記外側布層に対向する前記起毛面と反対側の平滑面とを有する片面テキスタイルファブリックである、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項168】
前記外側布層が織布を含む、請求項148〜167のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項169】
前記外側布層が、ニット生地を含む、請求項148〜167もいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項170】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項169に記載の断熱複合布。
【請求項171】
少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項148〜170のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項172】
前記外側布層及び前記断熱性布層の少なくとも一方が、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項148〜171のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項173】
前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項172に記載の断熱複合布。
【請求項174】
前記外側布層が、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項148〜173のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項175】
前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項148〜174のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項176】
前記断熱性布層及び/又は前記外側布層が、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される、請求項148〜175のいずれか一項に記載の断熱性複合布。
【請求項177】
前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備える、請求項148〜176のいずれか一項に記載の断熱性複合布。
【請求項178】
前記防水メンブレンが透湿メンブレンである、請求項177に記載の断熱性複合布。
【請求項179】
前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンから選択される、請求項177に記載の断熱複合布。
【請求項1】
断熱複合布であって、
内側布層と、
外側布層と、
前記内側布層と前記外側布層とに囲まれた断熱性フィラー布層と、
を備え、前記断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、断熱複合布。
【請求項2】
前記断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項3】
前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む、請求項2に記載の断熱複合布。
【請求項4】
前記断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項5】
前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する、請求項4に記載の断熱複合布。
【請求項6】
前記断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項7】
前記断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項8】
前記断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項9】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項8に記載の断熱複合布。
【請求項10】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項9に記載の断熱複合布。
【請求項11】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項9に記載の断熱複合布。
【請求項12】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項8に記載の断熱複合布。
【請求項13】
前記断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項14】
前記断熱性布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項15】
前記断熱性フィラー布層が、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方にキルティングされる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項16】
前記断熱性フィラー布層が、前記断熱複合布の縁に沿って、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い付けられる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項17】
前記断熱性フィラー布層が、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層される、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項18】
前記断熱性フィラー布層が、約0.1インチ〜約4.0インチの厚み(嵩)を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項19】
前記断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項20】
前記断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項21】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項20に記載の断熱複合布。
【請求項22】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項20に記載の断熱複合布。
【請求項23】
前記断熱性フィラー布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす、請求項1〜22のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項24】
前記断熱性フィラー布層が疎水性布を含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項25】
前記内側布層が織布を含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項26】
前記内側布層がニット生地を含む、請求項1〜24のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項27】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項26に記載の断熱複合布。
【請求項28】
前記内側布層が、前記外側布層の通気性と異なる通気性を有する、請求項1〜27のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項29】
前記内側布層が、前記外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項30】
前記内側布層が、前記外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項31】
前記内側布層が、該内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項32】
前記外側布層が、前記外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項28に記載の断熱複合布。
【請求項33】
前記外側布層が織布を含む、請求項1〜32のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項34】
少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項35】
前記外側布層、前記内側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項1〜34のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項36】
前記伸縮材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項35に記載の断熱複合布。
【請求項37】
前記外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項1〜36のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項38】
前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項1〜37のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項39】
前記断熱性フィラー布層が、ステッチ糸又は裏糸に包括的に垂直に位置付けられる表糸を含むように構成される、請求項1に記載の断熱複合布。
【請求項40】
約0.2clo/oz2〜約3.0clo/oz2の断熱をもたらす、請求項1〜39のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項41】
前記内側布層、前記外側布層及び前記断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される、請求項1〜40のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項42】
前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備える、請求項1〜41のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項43】
前記防水メンブレンが透湿メンブレンである、請求項42に記載の断熱複合布。
【請求項44】
前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンから選択される、請求項42に記載の断熱複合布。
【請求項45】
布製衣服であって、
第1の断熱複合布からなる第1の布部分であって、該第1の断熱複合布が、
第1の内側布層と、
第1の外側布層と、
前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる、第1の断熱性フィラー布層と、
を備える、第1の布部分を備え、
前記第1の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、布製衣服。
【請求項46】
前記第1の断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項47】
前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む、請求項46に記載の布製衣服。
【請求項48】
前記第1の断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項49】
前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する、請求項48に記載の布製衣服。
【請求項50】
前記第1の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項51】
前記第1の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項52】
前記第1の断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項53】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項52に記載の布製衣服。
【請求項54】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項53に記載の布製衣服。
【請求項55】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項53に記載の布製衣服。
【請求項56】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項52に記載の布製衣服。
【請求項57】
前記第1の断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項58】
前記第1の断熱性フィラー布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有する、請求項45〜57のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項59】
前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方にキルティングされる、請求項45〜58のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項60】
前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とを連結する縫い目で固定される、請求項45〜58のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項61】
前記第1の断熱性フィラー布層が、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に積層される、請求項45〜58のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項62】
前記第1の断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項63】
前記第1の断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項64】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項63に記載の布製衣服。
【請求項65】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項63に記載の布製衣服。
【請求項66】
前記第1の断熱性フィラー布層が疎水性布を含む、請求項45〜65のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項67】
前記第1の内側布層が織布を含む、請求項45〜66のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項68】
前記第1の内側布層がニット生地を含む、請求項45〜66のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項69】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項68に記載の布製衣服。
【請求項70】
前記第1の内側布層が、前記第1の外側布層の通気性と異なる通気性を有する、請求項45〜69のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項71】
前記第1の内側布層が、前記外側布層の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項72】
前記第1の内側布層が、前記第1の外側布層の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項73】
前記第1の内側布層が、該内側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項74】
前記第1の外側布層が、該第1の外側布層にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1ft3/ft2/分〜約100ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項70に記載の布製衣服。
【請求項75】
前記第1の外側布層が織布を含む、請求項45〜74のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項76】
前記第1の断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項45〜75のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項77】
前記第1の外側布層、前記第1の内側布層及び前記第1の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項45〜76のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項78】
前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項77に記載の布製衣服。
【請求項79】
前記第1の外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項45に記載の布製衣服。
【請求項80】
第2の布部分を更に備え、前記第1の布部分及び該第2の布部分が、対照的な伸縮、対照的な耐水性、対照的な断熱性及び対照的な通気性から選択される1つ又は複数の対照的な特性を有する、請求項45〜79のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項81】
前記第2の布部分が、第2の断熱複合布であって、該第2の断熱複合布が、
第2の内側布層と、
第2の外側布層と、
前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とに囲まれる、第2の断熱性フィラー布層と、
を備える、第2の断熱複合布からなる、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項82】
前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項83】
前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、請求項81又は82に記載の布製衣服。
【請求項84】
前記第2の断熱性フィラー布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項85】
前記両面たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、ベロア面を有する技術表面とを含む、請求項84に記載の布製衣服。
【請求項86】
前記第2の断熱性フィラー布層が、裏編みテリーシンカーループニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項87】
前記両面ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術表面と、カットループ面又はベロア面を有する技術裏面とを有する、請求項86に記載の布製衣服。
【請求項88】
前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有するニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項89】
前記第2の断熱性フィラー布層が、スライバーニット構造を有する両面ニット生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項90】
前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項91】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項90に記載の布製衣服。
【請求項92】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項91に記載の布製衣服。
【請求項93】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項91に記載の布製衣服。
【請求項94】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項90に記載の布製衣服。
【請求項95】
前記第2の断熱性フィラー布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項96】
前記第2の断熱性布層が、約1オンス毎平方ヤード〜約12オンス毎平方ヤードの重量を有する、請求項81〜95のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項97】
前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方にキルティングされる、請求項81〜96のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項98】
前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とを連結する縫い目で固定される、請求項81〜96のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項99】
前記第2の断熱性フィラー布層が、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に積層される、請求項81〜96のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項100】
前記第2の断熱性フィラー布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項101】
前記第2の断熱性フィラー布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項81に記載の布製衣服。
【請求項102】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項101に記載の布製衣服。
【請求項103】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項101に記載の布製衣服。
【請求項104】
前記第2の断熱性フィラー布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす、請求項81〜103のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項105】
前記第2の断熱性フィラー布層が疎水性布を含む、請求項81〜104のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項106】
前記第2の内側布層が織布を含む、請求項81〜105のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項107】
前記第2の内側布層がニット生地を含む、請求項81〜105のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項108】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項107に記載の布製衣服。
【請求項109】
前記第2の外側布層が織布を含む、請求項81〜108のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項110】
前記第2の断熱複合布が少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項81〜109のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項111】
前記第2の外側布層、前記第2の内側布層及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項81〜110のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項112】
前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項111に記載の布製衣服。
【請求項113】
前記第2の外側布層が、耐久撥水剤、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項81〜112のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項114】
前記第2の布部分がニット生地からなる、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項115】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、又はリブニット構造を有する、請求項114に記載の布製衣服。
【請求項116】
前記第2の布部分が、単層布又は積層複合布からなる、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項117】
前記単層布が、シングルジャージー構造、ダブルニット構造、リブニット構造又は織物構造を有する、請求項116に記載の布製衣服。
【請求項118】
前記第2の布部分が織布を含む、請求項80に記載の布製衣服。
【請求項119】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性と異なる通気性を有する、請求項80〜118のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項120】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項119に記載の布製衣服。
【請求項121】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項119に記載の布製衣服。
【請求項122】
前記第2の布部分が、前記第2の布部分を形成する布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約5ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項119に記載の布製衣服。
【請求項123】
前記第2の布部分が、前記第1の布部分よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する、請求項80〜122のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項124】
前記第1の内側布層、前記第1の外側布層、前記第1の断熱性フィラー布層、前記第2の内側布層、前記第2の外側布層、及び前記第2の断熱性フィラー布層の少なくとも1つが、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される、請求項80〜123のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項125】
前記第1の外側布層の内表面に積層され、かつ該第1の外側布層と前記第1の断熱性フィラー布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備える、請求項45〜124のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項126】
前記防水メンブレンが透湿メンブレンである、請求項125に記載の布製衣服。
【請求項127】
前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンから選択される、請求項125に記載の布製衣服。
【請求項128】
前記布製衣服がリバーシブルであり、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層が、対照的な外観及び/又は表面テクスチャを有する、請求項45〜127のいずれか一項に記載の布製衣服。
【請求項129】
断熱複合布を形成することを含む方法であって、
内側布層と外側布層とで断熱性フィラー布層を囲むことであって、該断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、囲むことを含む、断熱複合布を形成することを含む方法。
【請求項130】
前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に縫い合わせることを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記断熱性フィラー布層を囲むことが、前記断熱性フィラー布層を、前記内側布層及び前記外側布層の一方又は両方に積層させることを含む、請求項129に記載の方法。
【請求項132】
前記外側布層を、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ及び/又は赤外線放射の低減により処理することを更に含む、請求項129〜131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記断熱複合布から1つ又は複数の布要素を形成すること、及び該布要素を布製衣服に組み込むことを更に含む、請求項129〜132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
他の布から1つ又は複数の他の布要素を形成すること、及び該1つ又は複数の他の布要素を前記布製衣服に組み込むことを更に含む、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記他の布が、前記断熱複合布の通気性と異なる通気性を有する、請求項134に記載の方法。
【請求項136】
前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に大きい通気性を有する、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記他の布が、前記断熱複合布の通気性よりも相対的に小さい通気性を有する、請求項135に記載の方法。
【請求項138】
前記他の布が、前記断熱複合布よりも大きい伸縮を少なくとも一方向に有する、請求項135〜137のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
前記他の布が単層布又は積層布である、請求項135〜138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
ハイブリッド複合布製衣服を製造する方法であって、
第1の断熱複合布から第1の布部分を形成することであって、該第1の断熱複合布が、
第1の内側布層と、
第1の外側布層と、
前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とに囲まれる第1の断熱性フィラー布層であって、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックである、第1の断熱性フィラー布層と、
を備える、第1の布部分を形成すること、
前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する他の布から第2の布部分を形成すること、及び
前記第1の布部分と前記第2の布部分とを繋ぎ合わせることであって、前記ハイブリッド複合布製衣服を製造する、繋ぎ合わせること、
を含む、ハイブリッド複合布製衣服を製造する方法。
【請求項141】
前記他の布が、
第2の内側布層と、
第2の外側布層と、
前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とに囲まれる第2の断熱性フィラー布層と、
を備える第2の断熱複合布であり、前記第2の断熱性フィラー布層が、該布の少なくとも片側に起毛面を有するテキスタイルファブリックであり、前記第2の断熱複合布が、前記第1の断熱複合布の通気性と異なり、かつそれよりも大きい通気性を有する、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記第2の内側布層と前記第2の外側布層とで前記第2の断熱性フィラー布層を囲むこと、
を含む、前記第2の断熱複合布を形成することを更に含む、請求項141に記載の方法。
【請求項143】
前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記第2の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第2の内側布層及び前記第2の外側布層の一方又は両方に前記第2の断熱性フィラー布層を積層することを含む、請求項142に記載の方法。
【請求項145】
前記第1の内側布層と前記第1の外側布層とで前記第1の断熱性フィラー布層を囲むこと、を含む、前記第1の断熱複合布を形成することを更に含む、請求項140〜144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層をキルティングすることを含む、請求項145に記載の方法。
【請求項147】
前記第1の断熱性フィラー布層を囲むことが、前記第1の内側布層及び前記第1の外側布層の一方又は両方に前記第1の断熱性フィラー布層を積層することを含む、請求項145に記載の方法。
【請求項148】
断熱複合布であって、
外側布層と、
前記外側布層に取り付いた断熱性布層と、
を備え、前記断熱性布層が、前記外側布層に対向する起毛面を有するテキスタイルファブリックである、断熱複合布。
【請求項149】
前記断熱性布層が、たて編みニット生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項150】
前記たて編みニット生地が、絹綿ビロード面を有する技術裏面と、平滑面を規定する技術表面とを含む、請求項149に記載の断熱複合布。
【請求項151】
前記断熱性布層が、裏編みテリーシンカーループ構造を有するニット生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項152】
前記ニット生地が、起毛面又は毛羽立った面を有する技術裏面と、平滑面を規定する技術裏面とを有する、請求項151に記載の断熱複合布。
【請求項153】
前記断熱性布層が、テリーループが起毛していない状態のテリーシンカーループ生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項154】
前記テリーシンカーループ生地が裏編み構造を有する、請求項153に記載の断熱複合布。
【請求項155】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立ち仕上げを有し、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項154に記載の断熱複合布。
【請求項156】
前記テリーシンカーループ生地の技術表面が毛羽立っていない状態であり、技術裏面が毛羽立っていないテリーループのままである、請求項154に記載の断熱複合布。
【請求項157】
前記テリーシンカーループ生地が表編み構造を有する、請求項153に記載の断熱複合布。
【請求項158】
前記断熱性布層が、テリーシンカーループの領域内に点在するテリーシンカーループのない複数の不連続領域を含むテリーシンカーループ面を有する、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項159】
前記断熱性布層が、パイルの領域内に点在するパイルのない複数の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項160】
前記断熱性布層が、第1のパイル高さよりも相対的に大きい対照的なパイル高さを有する複数の他の不連続領域内に点在する、第1のパイル高さを有する複数の第1の不連続領域を含むパイル面を有する、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項161】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、前記他の不連続領域を形成する糸よりも相対的に細い、請求項160に記載の断熱複合布。
【請求項162】
前記第1の不連続領域を形成する糸が、1.0未満の単繊維デニール(dpf)を有する、請求項160に記載の断熱複合布。
【請求項163】
前記断熱性布層が、約0.2clo/oz2〜約1.6clo/oz2の断熱をもたらす、請求項148〜162のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項164】
前記断熱性布層が、両面たて編みニット生地を含む、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項165】
前記断熱性布層が前記外側布層に積層される、請求項148〜164のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項166】
前記断熱性布層が、キルティング、縫製、タッキング及び/又は超音波ボンディングによって前記外側布層に連結される、請求項148〜164のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項167】
前記断熱性布層が、前記外側布層に対向する前記起毛面と反対側の平滑面とを有する片面テキスタイルファブリックである、請求項148に記載の断熱複合布。
【請求項168】
前記外側布層が織布を含む、請求項148〜167のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項169】
前記外側布層が、ニット生地を含む、請求項148〜167もいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項170】
前記ニット生地が、シングルジャージー構造、たて編みニット構造又はメッシュ構造を有する、請求項169に記載の断熱複合布。
【請求項171】
少なくとも一方向に伸縮を有する、請求項148〜170のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項172】
前記外側布層及び前記断熱性布層の少なくとも一方が、伸縮材料及び/又は弾性材料の繊維を含む、請求項148〜171のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項173】
前記弾性材料が弾性糸及び/又は弾性繊維を含む、請求項172に記載の断熱複合布。
【請求項174】
前記外側布層が、耐久撥水剤(DWR)、耐摩耗性コーティング、カモフラージュ又は赤外線放射の低減により処理される、請求項148〜173のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項175】
前記断熱複合布にわたって水1/2インチの差圧下でASTM D−737に従って試験される、約1.0ft3/ft2/分〜約300ft3/ft2/分の通気性を有する、請求項148〜174のいずれか一項に記載の断熱複合布。
【請求項176】
前記断熱性布層及び/又は前記外側布層が、難燃性材料を含むか、又は難燃性をもたらすように処理される、請求項148〜175のいずれか一項に記載の断熱性複合布。
【請求項177】
前記外側布層の内表面に積層され、かつ前記外側布層と前記断熱性布層との間に設けられる防水メンブレンを更に備える、請求項148〜176のいずれか一項に記載の断熱性複合布。
【請求項178】
前記防水メンブレンが透湿メンブレンである、請求項177に記載の断熱性複合布。
【請求項179】
前記防水メンブレンが、多孔質疎水性メンブレン、非多孔質親水性メンブレン及び電界紡糸メンブレンから選択される、請求項177に記載の断熱複合布。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図13D】
【図13E】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15A】
【図15B】
【図16】
【図17】
【公表番号】特表2013−512118(P2013−512118A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539884(P2012−539884)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/043367
【国際公開番号】WO2011/066000
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(507165305)エムエムアイ−アイピーシーオー、エルエルシー (7)
【氏名又は名称原語表記】MMI−IPCO,LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/043367
【国際公開番号】WO2011/066000
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(507165305)エムエムアイ−アイピーシーオー、エルエルシー (7)
【氏名又は名称原語表記】MMI−IPCO,LLC
【Fターム(参考)】
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