説明

断路器

【課題】保守作業を容易にすることのできる断路器を提供することを課題とする。
【解決手段】一対の電線C1,C2のそれぞれに電気的に接続される一対の導電部2,2と、一対の導電部2,2のそれぞれを支持する支持部3と、一方向に長手をなす導電ブレード4と、導電ブレード4をその長手方向が一対の導電部2,2同士を結ぶ仮想線に沿うように支持し且つ導電ブレード4を仮想線に沿って直線移動させて該導電ブレード4を前記一対の導電部2,2のそれぞれに電気的に接続した入状態と該導電ブレード4を前記一対の導電部2,2の何れか一方から縁切りした切状態とに切り替えるブレード支持部5とを備える断路器1であって、該ブレード支持部5は、前記導電ブレード4を入状態から切状態に切り替える際に、導電ブレード4を仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットするように構成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電施設等に設置される電路の開閉を行うための断路器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の断路器は、例えば、架台の上に設置されたベースと、柱状に形成され、該ベース上から起立した状態で設けられるとともに、自身の中心線を軸心として回転可能に構成される一対の絶縁支持部(例えば、支持碍子)と、一方向に長手をなして形成され、絶縁支持部のそれぞれの先端部に設けられる導電ブレードと、該絶縁支持部を駆動させる駆動機構とを備えており、一方の導電ブレードに、発電施設から送電される電力が通る経路(以下、電路という)における送電方向上流側又は送電方向下流側の何れか一方が電気的に接続されるとともに、他方の導電ブレードに、該電路における送電方向上流側又は送電方向下流側の何れか他方が電気的に接続される。
【0003】
また、この種の断路器は、導電ブレードの長手方向における一端部が絶縁支持部の上端部に固定されており、導電ブレードの長手方向と絶縁支持部の長手方向とが直交するように構成されている。さらに、この種の断路器は、絶縁支持部を回転させることで一対の導電ブレードの他端部同士を接触させた状態と離間させた状態とに切り替えることができるように構成されている。すなわち、前記断路器は、絶縁支持部を回転させることで電路を開いた状態と閉じた状態とに切り替えることができるように構成されている。
【0004】
従って、上記構成の断路器(所謂、水平一点切断路器)は、一対の導電ブレードを回転させることによって、電路上における当該断路器が設置されている位置よりも送電方向下流側を電源(発電施設)から切り離した状態と電源に接続した状態とに切り替えることができる(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、この種の断路器は、電路を開いた状態又は閉じた状態に切り替える際に、一対の導電ブレードのそれぞれが自身の一端部(絶縁支持部に設けられている側の端部)を中心として回転するように構成されているため、設置するにあたり、当該断路器を配置するために必要なスペースに加えて、一対の導電ブレードが回転するために必要なスペースも確保する必要がある。従って、この種の断路器は、十分なスペースを確保することができない場所には設置することができないため、設置可能な場所が限られるという問題があった。
【0006】
そこで、設置するために必要なスペースを抑えることができる断路器が提供されている(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)。
【0007】
かかる断路器は、筒状に形成された筒状支持部と、一方向に長手をなして形成され、該筒状支持部に挿通されるとともに、自身の長手方向で直線移動可能に構成された導電ブレードと、該筒状支持部の中心線上で且つ一方の開口端又は他方の開口端側の何れか一方側に配置される導電部と、該導電ブレードを駆動させるための駆動機構とを備えている。また、この種の断路器は、筒状支持部に、電路における送電方向下流側が電気的に接続され、導電部に、電路における送電方向上流側が接続されている。
【0008】
前記導電ブレードは、長手方向における一端側に駆動機構が取付けられており、長手方向に直線移動することで他端側が導電部に接触した状態と導電部から離間した状態とに切り替わることができるように構成されている。すなわち、この種の断路器は、導電ブレードを長手方向で直線移動させることで電路を開いた状態又は閉じた状態に切り替えることができるように構成されている。
【0009】
従って、この種の断路器は、導電ブレードが領域が筒状支持部と導電部との間で移動することになるため、導電ブレードが移動するために確保する必要となるスペースを抑えることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−89638号公報
【特許文献2】特開平6−84431号公報
【特許文献3】国際公開番号W02005/062325
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、この種の断路器は、上述のように、導電ブレードが筒状支持部に挿通されている状態で且つ一端部に駆動機構が取付けられている。そのため、例えば、劣化した導電ブレードを交換する場合、該導電ブレードから駆動機構を取り外した後に、該導電ブレードを筒状支持部から取り出し、新たな導電ブレードを筒状支持部に挿通させた後に、該導電ブレードに駆動機構を取付ける必要がある。すなわち、この種の断路器は、導電ブレードを交換するために、駆動装置の取外し、及び取り付け作業等が必要となる。従って、この種の断路器は、保守作業を行う際に、手間がかかることが問題となっている。
【0012】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、保守作業を容易にすることのできる断路器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る断路器は、一次側の電線及び二次側の電線のそれぞれに電気的に接続される一対の導電部と、絶縁性を有し、該一対の導電部のそれぞれを支持する支持部と、一方向に長手をなして形成される導電ブレードと、絶縁性を有し、該導電ブレードをその長手方向が前記一対の導電部同士を結ぶ仮想線に沿うようにして支持し、且つ、該導電ブレードを該仮想線に沿って直線移動させることで、該導電ブレードを前記一対の導電部のそれぞれに電気的に接続した入状態と、該導電ブレードを前記一対の導電部の何れか一方の導電部から縁切りした切状態とに切り替えるブレード支持部とを備える断路器であって、該ブレード支持部は、前記導電ブレードを入状態から切状態に切り替える際に、該導電ブレードを前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットさせるように構成されることを特徴とする。
【0014】
上記構成の断路器は、ブレード支持部が導電ブレードを一対の導電部同士を結ぶ仮想線上で直線移動させることで一対の導電部のそれぞれに電気的に接続された入状態と、一対の導電部のそれぞれから縁切りされた切状態とに切替可能に構成されるため、導電ブレードを入状態にすることで一次側の電線及び二次側の電線からなる電路を閉じた状態にし、導電ブレードを切状態にすることで該電路を開いた状態にすることができる。
【0015】
そして、上記構成の断路器は、ブレード支持部が導電ブレードを入状態から切状態に切り替える際に、該導電ブレードを前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットするように構成されるため、該導電ブレードを入状態から切状態に切り替えると該導電ブレードが一対の導電部の間の領域外に移動する。すなわち、上記構成の断路器は、導電ブレードを入状態から切状態に切り替えると、導電ブレードが一対の導電部から離れた場所に移動する。これにより、上記構成の断路器は、導電ブレードがブレード支持部のみに支持された状態になるため、一対の導電部のそれぞれを分解することなく既設の導電ブレードを新たな導電ブレードに交換することができる。
【0016】
本発明の一態様として、前記ブレード支持部は、導電ブレードを入状態から切状態に切り替えるとともに、該導電ブレードを前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットさせるように構成されることが好ましい。
【0017】
このようにすれば、導電ブレードは、入状態から切状態に切り替えられる場合、前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされると、一対の導電部のそれぞれから同時に縁切りされることになる。また、導電ブレードは、切状態から入状態に切り替えられる場合、前記仮想線の延びる方向と直交する方向に移動すると、前記一対の導電部のそれぞれに同時に電気的に接続されることになる。
【0018】
従って、上記構成の断路器によれば、導電ブレードが一対の導電部の少なくとも何れか一方と接触しながら動くことを防ぐことができるため、移動に伴う導電ブレードの磨耗を抑制することができる。
【0019】
また、前記一対の導電部のそれぞれは、導電ブレードを挟持可能な挟持部を備え、該挟持部は、導電ブレードが切状態から入状態に切り替わる際にオフセットする方向と相反する方向に向けて開口するように構成されることが好ましい。このようにすれば、ブレード接続部は、仮想線の延びる方向と直交する方向に移動する導電ブレードを受け入れやすくなるため、投入不良を防ぐことができる。
【0020】
そして、前記導電部は、切状態から入状態に切り替えられた導電ブレードの長手方向における進行方向先端側の端部を挿入可能なブレード固定部を備えるようにしてもよい。このようにすれば、入状態の導電ブレードと導電部との接続が解除されてしまうことを防ぐことができる。
【0021】
本発明の他態様として、前記断路器は、前記導電ブレードが前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットする際に、該導電ブレードの姿勢を、その長手方向が前記仮想線の延びる方向と交差するように変更する姿勢変更手段を備えるようにすることが好ましい。このようにすれば、導電ブレードが一方の導電部に接触しながら移動することを抑えることができるため、導電ブレードの摩耗を抑えることができる。
【0022】
また、前記姿勢変更手段は、導電ブレードを入状態から切状態に切り替える際に、該導電ブレードをその長手方向における進行方向先端側を前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットし、該導電ブレードの長手方向における進行方向先端側に追従するように、該導電ブレードの長手方向における進行方向後端側をオフセットするように構成することが好ましい。
【0023】
このようにすれば、導電ブレードは、入状態から切状態に切り替えられる場合、前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされつつ、長手方向が前記仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更される。また、導電ブレードは、切状態から入状態に切り替えられる場合においても、前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされつつ、長手方向が前記仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更される。
【0024】
従って、上記構成の断路器によれば、導電ブレードが一対の導電部の少なくとも何れか一方と接触しながら動くことを防ぐことができるため、移動に伴う導電ブレードの磨耗をより抑制することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明に係る断路器によれば保守作業を容易に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第一実施形態に係る断路器の平面図を示す。
【図2】同実施形態に係る断路器の側面図を示す。
【図3】同実施形態に係る断路器の部分側面図を示す。
【図4】同実施形態に係る断路器の導電部を示す図であって、(a)は、導電部の平面図を示し、(b)は、導電部の正面図を示す。
【図5】同実施形態に係る断路器のベースの平面図を示す。
【図6】同実施形態に係る断路器の動作を説明する図であって、(a)は、導電ブレードを切状態から仮想線の延びる方向に沿って直線移動させた状態を示し、(b)は、導電ブレードを仮想線の延びる方向に沿って直線移動させつつ、該仮想線の延びる方向と直交する方向に移動させた状態を示し(c)は、導電ブレードを入状態にした状態を示す。
【図7】本発明の第二実施形態に係る断路器のベースの平面図を示す。
【図8】同実施形態に係る断路器の動作の説明図であって、(a)は、導電ブレードを切状態から仮想線の延びる方向に沿って直線移動させた状態を示し、(b)は、導電ブレードを仮想線の延びる方向に沿って直線移動させつつ、該仮想線の延びる方向と直交する方向に移動させた状態を示し(c)は、導電ブレードを入状態にした状態を示す。
【図9】本発明の第三実施形態に係る断路器のベース及びブレード支持部を示す図であって、(a)は、ベースの平面図を示し、(b)は、ブレード支持部の正面図を示す。
【図10】同実施形態に係る断路器の動作の説明図であって、(a)は、導電ブレードを切状態にした状態を示し、(b)は、導電ブレードを仮想線の延びる方向に沿って直線移動させつつ、該仮想線の延びる方向と直交する方向に移動させている状態を示し(c)は、導電ブレードを入状態にした断路器を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の第一実施形態に係る断路器について添付図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る断路器は、一次側の電線(以下、一次側電線とする)と、二次側の電線(以下、二次側電線とする)とで構成される電路の開閉を行うものである。
【0028】
本実施形態に係る断路器は、図1及び図2に示す如く、一次側の電線C1及び二次側の電線C2のそれぞれが電気的に接続される一対の導電部2,2と、絶縁性を有し、該一対の導電部2,2のそれぞれを支持する支持部3と、一方向に長手をなして形成される導電ブレード4と、絶縁性を有し、該導電ブレード4をその長手方向が一対の導電部2,2同士を結ぶ仮想線(以下、単に仮想線という)に沿うようにして支持し、且つ、該導電ブレード4を該仮想線に沿って直線移動させることで、該導電ブレード4を一対の導電部2,2のそれぞれに電気的に接続した入状態と、該導電ブレード4を一対の導電部2,2の何れか一方の導電部2から縁切りした切状態とに切り替えるブレード支持部5とを備えている。
【0029】
また、ブレード支持部5は、直線移動に際し、仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットするようになっている。これに伴い、断路器1は、ブレード支持部5(導電ブレード4)移動軌跡を規定するガイドレール6を備えている。また、断路器1は、仮想線の延びる方向と直交する方向におけるブレード支持部5の動きを許容しつつ、該ブレード支持部5を仮想線が延びる方向に沿って移動させる駆動装置7を備えている。
【0030】
前記導電部2,2のそれぞれは、図4(a)及び図4(b)に示す如く、板状の導電部本体20と、一次側の電線C1又は二次側の電線C2(図4(a)においては、一次側の電線C1)が電気的に接続される電線接続部21と、導電ブレード4を挟持可能な挟持部22とを備えている。さらに、導電部2,2のうち、一方の導電部2(一次側の電線C1が電気的に接続される導電部2)は、導電ブレード4の入状態を維持させるためのブレード固定部23を備える。
【0031】
前記導電部本体20は、厚みが前記導電ブレード4の厚みよりも僅かに小さくなるように設定される。また、導電部本体20は、支持部3の上端部に取り付けられる。
【0032】
前記電線接続部21は、仮想線が延びる方向に沿って導電部本体20から延出するように設けられる。すなわち、一次側の電線C1が接続される電線接続部21は、導電部本体20から仮想線が延びる方向における一方向に向けて延出し、二次側の電線C2が接続される電線接続部21は、導電部本体20から仮想線が延びる方向における他方向に向けて延出している。
【0033】
従って、一次側の電線C1が接続される電線接続部21と、二次側の電線C2が接続される電線接続部21とは、仮想線の延びる方向において相反する方向に延びている(図1参照)。
【0034】
前記挟持部22は、導電ブレード4の一方の面(上面)に当接する上側板部220aと、導電ブレード4の他方の面(下面)に当接する下側板部220bとを備えており、上側板部220aと下側板部220bとが協働して導電ブレード4を挟み込むことができるように構成されている。また、挟持部22は、導電ブレード4が切状態から入状態に切り替わる際にオフセットする方向と相反する方向に向けて開口するように構成される。
【0035】
また、挟持部22は、複数の上側板部220a,220a…を備えており、該上側板部220a,220a…のそれぞれが仮想線の延びる方向に沿って並ぶように導電部本体20に設けられている。また、挟持部22は、複数の下側板部220b,220b…を備えており、該下側板部220b,220b…のそれぞれが上側板部220a,220a…のそれぞれに対応する位置で、仮想線の延びる方向に沿って並ぶように導電部本体20に設けられている。
【0036】
なお、挟持部22は、上側板部220aと下側板部220bとの数の対応がとれていれば、該上側板部220aと下側板部220bの数を特に問うものではないが、本実施形態では、4つの上側板部220aと、4つの下側板部220bとを備えるようにしている。
【0037】
具体的に説明すると、前記上側板部220aは、一方向に長手をなすように形成されている。そして、上側板部220aは、一方側の面(下面)の長手方向における一端部が導電部本体20の上面に当接するように設けられている。これにより、上側板部220aは、仮想線が延びる方向に直交する方向に向けて導電部本体20から延出した状態になっている。
【0038】
前記下側板部220bは、上側板部220aと同様に、一方向に長手をなすように形成されており、一方側の面(上面)の長手方向における一端部が導電部本体20の下面に当接するように設けられている。上述のように、下側板部220b,220b…のそれぞれは、上側板部220a,220a…のそれぞれに対応する位置に設けられているため、導電部本体20の厚みに相当する間隔を空けて一方側の面が上側板部220aの一方側の面と対向した状態になる。
【0039】
また、挟持部22は、上側板部220a及び下側板部220bが長手方向における他端部側が互いに離間する方向に湾曲するように形成されている。そのため、挟持部22は、導電部本体20から離れるにつれて、上側板部220aの一方側の面と下側板部220bの一方側の面との間隔が徐々に広くなるように構成されている。なお、導電部2においては、上側板部220a、導電部本体20、下側板部220bにボルトを挿通し、該ボルトの先端部にナットを螺合させることで、挟持部22が導電部本体20に固定されている。
【0040】
そして、一次側の電線C1が接続される導電部2に設けられた挟持部22と、二次側の電線C2が接続される導電部2に設けられた挟持部22とは、仮想線の延びる方向と直交する方向において、同一方向に向けて延びている。
【0041】
前記ブレード固定部23は、仮想線が延びる方向において、挟持部22と隣り合う位置に配置されており、導電部本体20と一体的に形成されている。ブレード固定部23は、挟持部22に向けて開口し、導電ブレード4の長手方向における一端部を挿入可能な凹部230を備えている。
【0042】
さらに、ブレード固定部23は、凹部230の内周面に形成され、導電ブレード4の長手方向における一端部を押圧できるように構成される押圧部231を備えている。該押圧部231は、凹部230の側面から中央部に向かって突状に湾曲する一対の凸部231a,231bを備えている。
【0043】
前記支持部3は、図2に示す如く、設置物(例えば、架台)B上に設けられる板状のベース30と、該ベース30から起立するように設けられる柱状の第一支持碍子31とを備えている。該第一支持碍子31は、柱状に形成され、長手方向における一端に台部310が設けられ、長手方向における他端に導電部支持台311が設けられたものであり、一対設けられている。
【0044】
また、第一支持碍子31は、台部310がベース30上に固定されることによって、該ベース30から起立した状態になっている。これに伴い、第一支持碍子31は、導電部支持台311の上端面がベース30の上面と平行をなした状態になっている。
【0045】
また、支持部3のベース30には、ガイドレール6が穿設されている。ここで、ガイドレール6について説明する。ガイドレール6は、図5に示す如く、仮想線に沿って真っ直ぐ伸びる第一レール部60と、該第一レール部60の先端部に連設され、仮想線の延びる方向と交差する方向に沿って延びる第二レール部61と、該第二レール部61の先端部から仮想線に沿って真っ直ぐ伸びる第三レール部62とを備えている。また、ガイドレール6は、第一レール部60と第二レール部61と第三レール部62との幅寸法が略同一となるように形成されている。
【0046】
第一レール部60は、ベース30における仮想線を境とする一方側に穿設されている。これに伴い、第二レール部61は、ベース30における仮想線を境とする一方側から、他方側に向かって延びるように形成されている。さらに、第三レール部62は、ベース30における仮想線を境とする一方側に穿設されている。
【0047】
前記導電ブレード4は、図1、及び図2に示す如く、長手方向における寸法が一次側の電線C1が電気的に接続された導電部2のブレード固定部23と、二次側の電線C2が電気的に接続された導電部2の挟持部22とを電気的に接続可能な寸法で形成されている。
【0048】
また、導電ブレード4は、長手方向における中央部がブレード支持部5に固定される。また、導電ブレード4は、長手方向における一端側(一次側の電線C1に取り付けられた導電部2に電気的に接続される側)の短部が先細りに形成されている。これにより、導電ブレード4は、長手方向における一端部をブレード固定部23の凹部230に挿入することができる。
【0049】
前記ブレード支持部5は、図2、及び図3に示す如く、柱状に形成され、長手方向における一端部における他端部にブレード支持台500が取付けられる第二支持碍子50と、該第二支持碍子50の長手方向における他端部から延出する第一軸部51と、該第一軸部51の先端部に設けられた可動ベース52とを備えている。これに伴い、ブレード支持部5は、該可動ベース52を支持するための補助ガイド53を備えている。
【0050】
前記第二支持碍子50及び可動ベース52は、外周部がガイドレール6の幅よりも大きくなるように形成されている。さらに、第一軸部51は、長手方向における寸法がベース30の厚みの寸法よりも大きくなるように設定されるとともに、直径がガイドレール6の幅の寸法よりも小さくなるように設定される。これにより、ブレード支持部5は、第一軸部51がガイドレール6に挿通され、第二支持碍子50及び可動ベース52によって抜け止めされた状態でベース30に取り付けられる。
【0051】
また、ブレード支持部5は、ベース30上から起立するように設けられた状態において、ブレード支持台500の上端面が前記ベース30の上面と平行するように構成されている。これにより、ブレード支持部5は、導電ブレード4をベース30の上面と平行となるように支持することができるように構成されている。
【0052】
前記駆動装置7は、図1及び図2に示す如く、可動ベース52に連結されており、仮想線の延びる方向と直交する方向における可動ベース52の動きを許容しつつ、該可動ベース52を仮想線が延びる方向に移動させることができるように構成されている。また、駆動装置7は、隣り合うベース30との間に一つずつ設けられている。
【0053】
具体的に説明すると、駆動装置7は、可動ベース52に取り付けられる連結部70と、該連結部70を介して可動ベース52に取り付けられる電動シリンダ71と、該電動シリンダ71を作動させるために必要となる電力を供給する電源接続端子箱72とを備えている。
【0054】
前記連結部70は、可動ベース52の長手方向に沿って長手をなすように形成されるガイド部700と、ガイド部700に取り付けられるスライド部701とを備えている(所謂、LMガイド)。
【0055】
前記ガイド部700は、可動ベース52の長手方向に沿って連続するガイド溝が形成されている。そして、スライド部701は、該ガイド溝に嵌るように形成された突部を備えている。これにより、連結部70は、ガイド部700とスライド部701とが、ガイド溝の延びる方向に沿って相対的に動くことができるように構成されている。
【0056】
前記電動シリンダ71は、スライド部701に取り付けられている。これにより、電動シリンダ71は、仮想線の延びる方向に直交する方向における可動ベース52の動きを許容しつつ、仮想線の延びる方向に沿って可動ベース52を動かすことができる。
【0057】
本実施形態に係る断路器の説明は、以上の通りであり、続いて、該断路器1を使用した電路の開閉動作について添付図面を参照しつつ説明する。なお、図6については、便宜上、駆動装置7の記載を省略している。
【0058】
まず、前記電路を開いた状態から閉じた状態にする動作について説明する。電路を開いた状態では、図1に示す如く、導電ブレード4は、その長手方向が仮想線の延びる方向に沿っている状態で、仮想線が延びる方向からオフセットされた場所(本実施形態では、仮想線を境とする一方側)に位置している。
【0059】
そして、図6(a)に示す如く、電動シリンダ71の伸出量を縮めると、可動ベース52は、仮想線の延びる方向に沿って一方の導電部2から他方の導電部2(本実施形態では、二次側の電線C2が接続された導電部2から一次側の電線C1が接続された導電部2)に向かって直線移動する。これに伴い、第一軸部51も、第一レール部60の形状に沿って、仮想線が延びる方向に沿って、一方の導電部2から他方の導電部2に向かう方向に沿って直線移動する。これにより、導電ブレード4は、その長手方向が仮想線方向に沿った姿勢で一方の導電部2から他方の導電部2に向かう方向に沿って直線移動する。
【0060】
さらに、電動シリンダ71の伸出量を縮め続けると、図6(b)に示す如く、第一軸部51が第一レール部60から第二レール部61に移る。そうすると、第一軸部51は、第二レール部61の形状に沿って(仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて)移動することになる。上述のように、電動シリンダ71は、仮想線の延びる方向に直交する方向における動きを許容しつつ、仮想線の延びる方向で動かすことができるように構成されているため、可動ベース52も第一軸部51とともに、仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて移動することになる。
【0061】
従って、導電ブレード4は、その長手方向が仮想線の延びる方向と一致した姿勢のままで、仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて移動する。これにより、導電ブレード4は、長手方向における他端部が二次側の電線C2が接続された導電部2(挟持部22)に電気的に接続される。
【0062】
そして、電動シリンダ71の伸出量を縮め続けると、第一軸部51は、図6(c)に示す如く、第二レール部61から第三レール部62に移り、第三レール部62の形状に沿って再び真っ直ぐ進むことになる。そのため、導電ブレード4は、長手方向における一端部が一次側の電線C1が接続された導電部2(挟持部22)に電気的に接続される。また、導電ブレード4は、長手方向における一端部が凹部230に挿入されることによって押圧部231a,231bに押圧される(図4(a)参照)。
【0063】
これにより、前記断路器1では、導電ブレード4が一対の導電部2,2のそれぞれに電気的に接続された状態になり(入状態になり)、一次側の電線C1と二次側の電線C2からなる電路を閉じた状態になる。
【0064】
続いて、電路を閉じた状態から開いた状態にする動作について説明する。電路を閉じた状態の断路器1では、電動シリンダ71の延出量を増やすと、可動ベース52が一次側の電線C1側から二次側の電線C2側に向けて押されることになる。そうすると、ブレード支持部5及び導電ブレード4は、仮想線方向に真っ直ぐ移動することになり、導電ブレード4の長手方向における一端部が凹部230部及び挟持部22から抜き出されることになる。これにより、断路器1は、導電ブレード4が一次側の導電部2から縁切りされた状態になる。
【0065】
さらに、電動シリンダ71の延出量を増やすと、第一軸部51が第三レール部62から第二レール部61に移る。そうすると、第一軸部51は、第二レール部61の形状に沿って(仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて)移動することになる。これに伴い、導電ブレード4は、長手方向における他端部も挟持部22から縁切りされる。
【0066】
そして、電動シリンダ71の延出量を更に増やすと、第一軸部51は、第二レール部61から第一レール部60に移るため、再び真っ直ぐ進むことになる。これにより、導電ブレード4は、再び一対の導電部2,2のそれぞれから離れた場所に位置する状態になる。すなわち、導電ブレード4は、ブレード支持部5のみに支持されている状態になり、一次側の電線C1と二次側の電線C2からなる送電経路を開いた状態になる。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4がブレード支持部5のみに支持された状態にすることができるため、一対の導電部2,2のそれぞれを分解することなく既設の導電ブレード4を新たな導電ブレード4に交換することができる。従って、本実施形態に係る断路器1は、保守作業を容易に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0068】
また、本実施形態に係る断路器1によれば、挟持部22,22のそれぞれが導電ブレード4が切状態から入状態に切り替わる際にオフセットする方向と相反する方向に向けて開口するように構成されているため、仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて移動する導電ブレード4を導電部2,2に確実に電気的に接続することができる。これにより、本実施形態に係る断路器1は、導電ブレード4の導電部2,2への投入不良を防ぐことができる。
【0069】
そして、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4が長手方向における先端部がブレード固定部23の凹部230に挿入されると、該先端部が押圧部231に押圧された状態になる。そのため、本実施形態に係る断路器1によれば、入状態の導電ブレード4の導電部2,2に対する接続が地震等の影響によって解除されることを防ぐことができる。
【0070】
続いて、本発明の第二実施形態に係る断路器について、添付図面を参酌しつつ説明を行う。なお、本実施形態に係る断路器は、第一実施形態に係る断路器と基本的な構成が共通しているため、本実施形態において、第一実施形態と同一の構成或いは相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととし、相違する構成についてのみ説明する。
【0071】
本実施形態に係るガイドレール6は、図7に示す如く、導電ブレード4を仮想線が延びる方向に直交する方向に移動させるとともに、第三レール部62の長さ(仮想線が延びる方向における寸法)を第一実施形態の第三レール部62に比べて短く設定することで、一対の導電部2,2に対して同時に電気的に接続させることができる形状になっている。
【0072】
続いて、該断路器1を使用した電路の開閉動作について添付図面を参照しつつ説明する。
【0073】
まず、電路を開いた状態から閉じた状態にする動作について説明する。図8(a)に示す如く、電動シリンダ71の伸出量を縮めることによって、導電ブレード4をその長手方向が仮想線方向に沿った姿勢で一方の導電部から他方の導電部に向かって直線移動させる。
【0074】
そして、電動シリンダ71の伸出量を縮め続けると、第一軸部51は、第一レール部60から第二レール部61に移る。これにより、第一軸部51は、第二レール部61の形状に沿って(仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて)移動することになるため、導電ブレード4は、仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて移動することになる。これに伴い、導電ブレード4は、図8(b)に示す如く、長手方向における一端側と他端側とが一対の導電部2,2(挟持部22,22)に対して同時に電気的に接続される。
【0075】
さらに、電動シリンダ71の伸出量を縮め続けると、第一軸部51は、図8(c)に示す如く、第二レール部61から第三レール部62に移り、第三レール部62の形状に沿って再び真っ直ぐ進むことになる。これにより、導電ブレード4は、一対の導電部2,2のそれぞれに電気的に接続された状態になり(入状態になり)、一次側の電線C1と二次側の電線C2からなる電路を閉じた状態になる。
【0076】
続いて、電路を閉じた状態から開いた状態にする動作について説明する。電動シリンダ71の延出量を増やすと、該電動シリンダ71によって可動ベース52は、仮想線の延びる方向における、一次側の電線C1に接続された導電部2側から二次側の電線C2に接続された導電部2側に向けて移動することになり、導電ブレード4の長手方向における一端部が凹部230から抜き出されることになる。
【0077】
そして、電動シリンダ71の延出量を増やすと、第一軸部51が第三レール部62から第二レール部61に移るため、導電ブレード4は、仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされるとともに、長手方向における一端部と他端部とが一対の導電部2,2(挟持部22,22)から同時に縁切りされる。
【0078】
さらに、電動シリンダ71の延出量を増やすと、第一軸部51は、第二レール部61から第一レール部60に移るため、再び真っ直ぐ進むことになる。これにより、導電ブレード4は、再び一対の導電部2,2のそれぞれから離れた場所に位置する状態になる。すなわち、導電ブレード4は、ブレード支持部5のみに支持されている状態になり、一次側の電線C1と二次側の電線C2からなる送電経路を開いた状態になる。
【0079】
以上のように、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4がブレード支持部5のみに支持された状態にすることができるため、一対の導電部2,2のそれぞれを分解することなく既設の導電ブレード4を新たな導電ブレード4に交換することができる。従って、本実施形態に係る断路器1は、保守作業を容易に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0080】
また、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4が入状態から切状態に切り替えられる場合、該導電ブレード4が仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされることで、一対の導電部2,2のそれぞれから同時に縁切りされることになる。そして、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4が切状態から入状態に切り替えられる場合、該導電ブレード4が仮想線の延びる方向と直交する方向に移動することで一対の導電部のそれぞれに同時に電気的に接続されることになる。
【0081】
従って、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4が前記一対の導電部2,2の少なくとも何れか一方と接触しながら動くことを防ぐことができるため、移動に伴う導電ブレード4の磨耗を抑制することができる。
【0082】
続いて、本発明の第三実施形態に係る断路器について、添付図面を参酌しつつ説明を行う。なお、本実施形態に係る断路器についても、第一実施形態に係る断路器と基本的な構成が共通しているため、本実施形態において、第一実施形態と同一の構成或いは相当する構成については、同一名称及び同一符号を付すこととし、相違する構成についてのみ説明する。
【0083】
本実施形態に係るブレード支持部5は、仮想線の延びる方向と直交する方向に移動するとともに、該導電ブレード4の姿勢をその長手方向が仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更させるように構成される姿勢変更手段(便宜上、採番しない)を備える。また、本実施形態に係るガイドレール6は、第三レール部62が仮想線の延びる方向と直交する方向に延びるように形成されている。
【0084】
前記姿勢変更手段は、図9(a)に示す如く、第一軸部51に設けられた第二軸部55と、ベース30に形成された第二ガイドレール8とを備えている。
【0085】
前記第二軸部55は、図9(b)に示す如く、接続部54を介して第一軸部51に設けられており、第二ガイドレール8内に位置している。これにより、第二軸部55は、可動ベース52が仮想線の延びる方向に沿って動くに伴って、ベース30の第二ガイドレール8を画定する部分に案内されて動くように構成されている。
【0086】
そして、本実施形態に係るブレード支持部5においては、前記第一軸部51が可動ベース52に対して自身の中心線を軸として回転可能に設けられている。これにより、ブレード支持部5は、第二ガイドレール8を仮想線の延びる方向と直交する方向に移動させると、第一軸部51が回転するように構成されている。すなわち、ブレード支持部5においては、第二ガイドレール8を仮想線の延びる方向と直交する方向に移動させると第一軸部51と共に第二支持碍子50が回転し、導電ブレード4も長手方向における中央部を中心として回転することになる。これにより、本実施形態に係る断路器1においては、導電ブレード4の姿勢をその長手方向が仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更できるようになっている。
【0087】
本実施形態に係る断路器1の説明は、以上の通りであり、続いて、該断路器1を使用した送電経路の開閉動作について添付図面を参照しつつ説明する。
【0088】
まず、電路を開いた状態から閉じた状態にする動作について説明する。図10(a)に示す如く、電動シリンダ71の伸出量を縮めると、可動ベース52が仮想線の延びる方向に沿って一方の導電部2から他方の導電部2(本実施形態では、二次側の電線C2が接続された導電部2から一次側の電線C1が接続された導電部2)に向かって直線移動する。
【0089】
そして、電動シリンダ71の伸出量を縮め続けると、第一軸部51は、第一レール部60から第二レール部61に移る。これにより、第一軸部51が第二レール部61の形状に沿って(仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて)移動することになるため、導電ブレード4は、仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて移動する。
【0090】
そして、第二軸部55が第二ガイドレール8に案内されて移動することによって、第一軸部51が回転することになる。これにより、導電ブレード4は、図10(b)に示す如く、仮想線の延びる方向と直交する方向に向けて移動しつつ、長手方向が仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更される。
【0091】
さらに、電動シリンダ71の伸出量を縮め続けると、第一軸部51は、第二レール部61から第三レール部62に移り、第三レール部62の形状に沿って再び真っ直ぐ進むことになる。そのため、導電ブレード4は、長手方向における一端部が一次側の導電部2(挟持部22)に電気的に接続される。
【0092】
そして、第二軸部55は、第二軸部55が第二ガイドレール8の形状に沿って更に移動することになるため、第二支持碍子50が自身の中心線を軸として回転する。従って、導電ブレード4は、図10(c)に示す如く、仮想線の延びる方向と沿って真っすぐに進みつつ、長手方向が仮想線の延びる方向に沿って延びる姿勢に変更される。これにより、導電ブレード4は、長手方向における他端部が二次側の導電部2(挟持部22)に電気的に接続される。
【0093】
従って、導電ブレード4は、一対の導電部2,2のそれぞれに電気的に接続された状態になり(入状態になり)、一次側の電線C1と二次側の電線C2からなる電路を閉じた状態になる。
【0094】
続いて、電路を閉じた状態から開いた状態にする動作について説明する。電動シリンダ71の延出量を増やすと、該電動シリンダ71によって可動ベース52が仮想線方向に押されることになり、導電ブレード4の長手方向における一端部が一次側の電線C1が接続された導電部2(凹部230及び挟持部22)から抜き出されるとともに、長手方向が仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更されるため、長手方向における他端部が二次側の電線C2に接続された導電部2(挟持部22)から縁切りされる。
【0095】
そして、電動シリンダ71の延出量を増やすと、第一軸部51が第三レール部62から第二レール部61に移るため、導電ブレード4は、仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされるとともに、その長手方向が仮想線の延びる方向に沿って延びる姿勢に変更される。
【0096】
さらに、電動シリンダ71の延出量を増やすと、第一軸部51は、第二レール部61から第一レール部60に移るため、再び仮想線の延びる方向に沿って真っ直ぐに進むことになる。これにより、導電ブレード4は、再び一対の導電部2,2のそれぞれから離れた場所に位置する状態になる。すなわち、導電ブレード4は、ブレード支持部5のみに支持されている状態になり、一次側の電線C1と二次側の電線C2からなる送電経路を開いた状態になる。
【0097】
以上のように、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4がブレード支持部5のみに支持された状態にすることができるため、一対の導電部2,2のそれぞれを分解することなく既設の導電ブレード4を新たな導電ブレード4に交換することができる。従って、本実施形態に係る断路器1は、保守作業を容易に行うことができるという優れた効果を奏し得る。
【0098】
また、本実施形態に係る断路器1によれば、導電ブレード4が、入状態から切状態に切り替えられる場合、仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされつつ、長手方向が仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更される。また、導電ブレード4は、切状態から入状態に切り替えられる場合においても、仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットされつつ、長手方向が仮想線の延びる方向と交差する姿勢に変更される。従って、上記構成の断路器1によれば、導電ブレード4が一対の導電部2,2の少なくとも何れか一方と接触しながら動くことを防ぐことができるため、移動に伴う導電ブレード4の磨耗をより抑制することができる。
【0099】
尚、本発明に係る断路器は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0100】
上記第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態において、一方の導電部2(ブレード固定部23が設けられている導電部2)に一次側の電線C1が接続され、他方の導電部2に二次側の電線C2が接続されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、一方の導電部2に二次側の電線C2が接続され、他方の導電部2に一次側の電線C1が接続されてもよい。
【0101】
また、上記第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態において、導電部本体20の厚みを導電ブレード4の厚みよりも僅かに小さくなるように設定することで、上側板部220aの一方側の面と下側板部220bの他方側の面とが該導電部本体20の厚みに相当する間隔を空けて対向するようにしていたが、これに限定されるものではなく、例えば、上側板部220aの一方側の面と下側板部220bの他方側の面との間隔を導電ブレード4の厚みよりも僅かに小さくなるように設定できれば、導電部本体20の厚みが導電ブレード4の厚みよりも大きくなるようにしてもよい。
【0102】
また、上記第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態において、ガイドレール6は、支持部3の一構成であるベース30に穿設していたが、これに限定されるものではなく、ベース30とは別体の部材に穿設してもよい。
【0103】
また、上記第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態において、駆動装置7は、駆動装置7は、可動ベース52に取り付けられる連結部70と、該連結部70を介して可動ベース52に取り付けられる電動シリンダ71と、該電動シリンダ71を作動させるための電源接続端子箱72とを備えていたが、これに限定されるものではなく、例えば、仮想線の延びる方向に沿って動くことのできるアーム体がユニバーサルジョイントを介して可動ベース52に取り付けられていてもよい。
【0104】
また、上記第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態において、駆動装置7は、電動シリンダ71と、電源接続端子箱72とが別体で構成されていたが、これに限定されるものではなく、例えば、電動シリンダ71と、電源接続端子箱72とが一体的に構成されていてもよい。
【0105】
また、上記第一実施形態、第二実施形態、第三実施形態において、可動ベース52には、電動シリンダ71が取り付けられていたが、これに限定されるものではなく、例えば、可動ベース52に油圧シリンダを取り付けてもよい。但し、このようにする場合は、電源接続端子箱72に代えてオイルポンプを設けることが必要となる。
【0106】
また、上記第三実施形態において、第二ガイドレール8は、支持部3の一構成であるベース30に穿設していたが、これに限定されるものではなく、ベース30とは別体の部材に穿設してもよい。
【符号の説明】
【0107】
1…断路器、2…導電部、3…支持部、4…導電ブレード、5…ブレード支持部、6…ガイドレール、7…駆動装置、8…第二ガイドレール、20…導電部本体、21…電線接続部、22…挟持部、23…ブレード固定部、30…ベース、31…第一支持碍子、50…第二支持碍子、51…第一軸部、52…可動ベース、53…補助ガイド、54…接続部、55…第二軸部、60…第一レール部、61…第二レール部、62…第三レール部、70…連結部、71…電動シリンダ、72…電源接続端子箱、220a…上側板部、220b…下側板部、230…凹部、231…押圧部、310…台部、311…導電部支持台、500…ブレード支持台、700…ガイド部、700a…ガイド溝、701…スライド部、701a…突部、C1…一次側の電線、C2…二次側の電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次側の電線及び二次側の電線のそれぞれに電気的に接続される一対の導電部と、絶縁性を有し、該一対の導電部のそれぞれを支持する支持部と、一方向に長手をなして形成される導電ブレードと、絶縁性を有し、該導電ブレードをその長手方向が前記一対の導電部同士を結ぶ仮想線に沿うようにして支持し、且つ、該導電ブレードを該仮想線に沿って直線移動させることで、該導電ブレードを前記一対の導電部のそれぞれに電気的に接続した入状態と、該導電ブレードを前記一対の導電部の何れか一方の導電部から縁切りした切状態とに切り替えるブレード支持部とを備える断路器であって、該ブレード支持部は、前記導電ブレードを入状態から切状態に切り替える際に、該導電ブレードを前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットさせるように構成されることを特徴とする断路器。
【請求項2】
前記ブレード支持部は、導電ブレードを入状態から切状態に切り替えるとともに、該導電ブレードを前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットさせるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の断路器。
【請求項3】
前記一対の導電部のそれぞれは、導電ブレードを挟持可能な挟持部を備え、該挟持部は、導電ブレードが切状態から入状態に切り替わる際にオフセットする方向と相反する方向に向けて開口するように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の断路器。
【請求項4】
前記導電部は、切状態から入状態に切り替えられた導電ブレードの長手方向における進行方向先端側の端部を挿入可能なブレード固定部を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の断路器。
【請求項5】
前記導電ブレードが前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットする際に、該導電ブレードの姿勢を、その長手方向が前記仮想線の延びる方向と交差するように変更する姿勢変更手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の断路器。
【請求項6】
前記姿勢変更手段は、導電ブレードを入状態から切状態に切り替える際に、該導電ブレードの長手方向における進行方向先端側を前記仮想線の延びる方向と直交する方向にオフセットし、該導電ブレードの長手方向における進行方向先端側に追従するように、該導電ブレードの長手方向における進行方向後端側をオフセットするように構成されることを特徴とする請求項5に記載の断路器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−84417(P2013−84417A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222938(P2011−222938)
【出願日】平成23年10月7日(2011.10.7)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)