断面が半ネイルヘッドまたはネイルヘッド状である複合材繊維製異形断面材の作製方法
本発明の目的は、少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有するプリフォームをT形に組み立てることによって生じる、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペースを埋めるための繊維製異形断面材の作製方法において、粉末を活性化する予備成形機であって、所望の異形断面材の形状に適合する形状の通路を繊維(28)が通過する予備成形機(30)に粉末を塗布した繊維(28)を供給したのち、前記繊維製異形断面材(32)を冷却し、所望の異形断面材の形状に適合する形状の空洞に通して形状を一致させる成形機(34)にプリフォーム成形した前記繊維を通過させることを特徴とする方法(32)である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断面が半ネイルヘッドまたはネイルヘッド状である複合材繊維製異形断面材の作製方法に関する。本発明はまた、前記方法を使用するための装置、ならびにこのようにして得られた異形断面材にも関する。
【背景技術】
【0002】
複合材部品のなかには、繊維を集めて成形型に入れたのちに樹脂マトリクスに含浸した繊維強化プリフォームから作製されているものがある。
【0003】
T形を得るために、図1に示した第1の実施形態では3つのプリフォームを組み立てる。この3つは、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム10と、ほかの2つの左右対称に配置するL形のプリフォーム12、12’であり、L形プリフォームはそれぞれ、もう一方のL形プリフォームに当接する第1のフランジと、ベースプレート10に当接する第2のフランジとを有する。L形プリフォーム12、12’は、フランジの接合箇所にある程度大きい曲率半径を有するため、3つのプリフォームの接合箇所にネイルヘッド形状のスペース14ができる。この場合、このスペース14は、1つの平面と2つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0004】
図2に示すもう一つの実施形態では、少なくとも3つのプリフォームを組み立てる。この3つは、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム20と、T形の足を形成し、最小側面がベースプレート20に当接する第2のプリフォーム22と、第1のフランジがベースプレート20に当接し、もう一方のフランジがプリフォーム22に当接する少なくとも1つのL形の第3のプリフォーム24である。プリフォーム24は、フランジの接合箇所にある程度大きな曲率半径を有するため、プリフォーム20〜24の接合箇所には半ネイルヘッド形状26のスペースができる。この場合、このスペース26は、2つの平面と1つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0005】
樹脂を正常に注入して部品の材質を良好に保つためには、スペース14または26に繊維強化材を充填する必要がある。
【0006】
一実施形態によれば、作業者は、断面が円形のストランド27が得られるように、プリプレグまたは粉末を塗布した炭素繊維をストランド状にする。このようにして作製したストランド27を、粘着テープなどを用いてスペース14または26内に設置したのち、前記ストランド27がほかのプリフォームと一体化するようにアイロンで加熱する。
【0007】
この実施形態は、ストランドの断面が略円形であることを考慮した上でスペース14または26を最適な形で充填することはできないため、満足のいくものではない。充填されていない空洞は、樹脂が優先的に通る通路となってこの樹脂が成形型を充填する結果、きわめて多孔質な領域および/または乾燥した領域が増大するリスクが高まる。
【0008】
もう一つの欠点によれば、図3に示すように、スペース14または26を充填するのに使用するストランド27の周囲にある部分的プリフォームは、プリフォームを組み立てる際、または成形型を封鎖する際に変形するため、このようにして得られた部品の機械的特性が繊維のうねりにより悪影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、本発明は、T形に組み立てたプリフォーム間にできるスペースを最適な方法で埋めることができる、断面が半ネイルヘッドまたはネイルヘッド状である複合材繊維製異形断面材の作製方法を提供し、複合材部品を得て前記複合材部品に求められる機械的特性を維持することにより、先行技術の欠点を緩和することを狙いとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このようにするため、本発明は、少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有するプリフォームをT形に組み立てることによって生じる、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペースを埋めるための繊維製異形断面材の作製方法において、粉末を活性化する予備成形機であって、所望の異形断面材の形状に適合する形状の通路を繊維が通過する予備成形機に粉末を塗布した繊維を供給したのち、前記繊維製異形断面材を冷却し、所望の異形断面材の形状に適合する形状の空洞に通して形状を一致させる成形機にプリフォーム成形した前記繊維を通過させることを特徴とする方法を目的とする。
【0011】
その他の特徴および利点は、添付の図を参照しながら一例として挙げた以下の説明文を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ネイルヘッド形状のスペースの範囲を定めるプリフォームの組立の第1の変形例を示す断面図である。
【図2】半ネイルヘッド形状のスペースの範囲を定めるプリフォームの組立のもう一つの変形例を示す断面図である。
【図3】図2に示したようなプリフォーム間のスペースを埋めるのに使用する、先行技術によるストランドを用いたプリフォームの組立を示す断面図である。
【図4】本発明による繊維製異形断面材を作製する装置の斜視図である。
【図5】本発明による繊維製異形断面材の予備成形および成形ができる図4の装置の部分図である。
【図6】本発明による装置の予備成形手段の断面図である。
【図7A】断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明の第1の変形例による予備成形手段の図である。
【図7B】断面がネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明のもう一つの変形例による予備成形手段の図である。
【図8A】断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明の第1の変形例による成形手段の図である。
【図8B】断面がネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明のもう一つの変形例による成形手段の図である。
【図9】成形手段のもう一つの変形例を示す図である。
【図10】本発明による繊維製異形断面材を作製するのに使用する繊維への粉末塗布手段の斜視図である。
【図11】本発明による繊維製異形断面材を作製するのに使用する繊維の貯蔵・繰出手段を示す断面図である。
【図12】本発明による断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材を組み入れるプリフォームの組立を示す断面図である。
【図13】湾曲した異形断面材を得ることができる成形手段のもう一つの変形例を示す図である。
【図14】湾曲した異形断面材を得ることができる成形手段のもう一つの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム10、およびほかの2つの左右対称に配置するL形のプリフォーム12、12’を有し、L形プリフォームはそれぞれ、もう一方のL形プリフォームに当接する第1のフランジと、ベースプレート10に当接する第2のフランジとを有する、T形に配置したプリフォームの組立の第1の変形例を示した。L形プリフォーム12、12’は、フランジの接合箇所にある程度大きい曲率半径を有するため、3つのプリフォームの接合箇所には断面がネイルヘッド形状のスペース14ができる。この場合、このスペース14は、1つの平面と2つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0014】
図2には、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム20と、T形の足を形成し、最小側面がベースプレート20に当接する第2のプリフォーム22と、第1のフランジがベースプレート20に当接し、もう一方のフランジがプリフォーム22に当接する少なくとも1つのL形の第3のプリフォーム24とを有する、T形に配置したプリフォームの組立のもう一つの変形例を示した。プリフォーム24は、フランジの接合箇所にある程度大きな曲率半径を有するため、プリフォーム20〜24の接合箇所には断面が半ネイルヘッド形状26のスペースができる。この場合、このスペース26は、2つの平面と1つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0015】
2つの変形例によれば、T形を形成するように組み立てたプリフォームの少なくとも1つは、前記プリフォームの接合領域箇所に曲率半径を有する。
【0016】
図4には、本発明による断面が半ネイルヘッドまたはネイルヘッド形状の繊維製異形断面材を作製することができる装置を示した。この装置は、粉末を塗布した繊維の供給手段28と、繊維製異形断面材32を得ることができる前記粉末の使用温度よりも高いまたは近似の温度である予備成形機30と、異形断面材32を冷却して前記異形断面材を所望の寸法にする成形機34を備えている。
【0017】
一実施形態によれば、粉末を塗布した繊維の供給手段28は、クリールスタンド40という支持台の上に載せた乾燥繊維38の複数の巻胴36(図11に表示)を有する第1の部分、および乾燥繊維38の粉末塗布手段42を有する第2の部分を備えている。
【0018】
巻胴36は、装置が正常に動作するように繊維の張りを調節する調節手段を備えていることが好ましい。図11に示した例によれば、巻胴36は、クリールスタンド40に固定した回転軸44およびロールの締め付けを調節することができるナット46を備えている。この締め付けによって、ロールから出る繊維の重みの作用でロールがひとりでに弛むのを回避し、装置の繊維を緊張させることができる。この緊張は、とりわけ粉末塗布手段42を正常に動作させるのに必要である。
【0019】
一実施形態によれば、粉末塗布手段は、図10に詳細に示した少なくとも1つの粉末塗布機を備えている。粉末塗布手段は、図4に示したように、2つの機械を備えることができる。
【0020】
この機械は、粉末を貯蔵するホッパー48および円筒部50を備え、この円筒部の表面には第1のスクレーパー52があることによって粉末が塗布され、乾燥繊維38はこの円筒部に当接する。繊維に粘着しない粉末は回収トレイ54内に落下する。余分な粉末を除去するため、第2のスクレーパー56を備えることが好ましい。
【0021】
例として、粉末は、熱硬化性樹脂粉末または熱可塑樹脂粉末とすることができる。
【0022】
その後、粉末を塗布した繊維28は、粉末を活性化する手段と、繊維製異形断面材32を得るのに繊維28を互いに加圧する手段とを備える予備成形機30の中を通過する。
【0023】
図5、6、7Aおよび7Bに示した一実施形態によれば、予備成形機30は2つのローラ58、58’を備え、その回転軸は、繊維28の進行方向に対して直角に配置し、好ましくは2つの軸を水平に配置する。
【0024】
ローラ58、58’の少なくとも一方は、周縁部の表面に、繊維が通る溝60を備えている。
【0025】
下方のローラ58が溝60を備えていることが好ましい。
【0026】
ローラは、周縁部の表面同士が接して通路62を形成し、この通路の寸法が、仕上がる繊維製異形断面材の寸法に適合するように配置する。
【0027】
図6および7Aに示すような断面が半ネイルヘッド形状の繊維製異形断面材の場合、下方のローラ58は溝が直角のV字型であるのに対し、上方のローラ58’は周縁部の表面が、所望の仕上がりとなる繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状の湾曲形状である。
【0028】
図7Bに示すような断面がネイルヘッド形状の繊維製異形断面材の場合、下方のローラ58は溝がV字型でフランジは湾曲した凸状であり、溝の形状は、所望の仕上がりとなる異形断面材の凸状の湾曲形状に適合しているのに対し、上方のローラ58’は周縁部の表面が略直線である。
【0029】
変形例によれば、繊維に加圧するようにローラ58、58’の回転軸を接近させようとする手段を備えることができる。
【0030】
一実施形態によれば、粉末の活性化は、前記粉末の使用温度よりも高いまたは近似の温度で加熱することで得られる。この場合、ローラの少なくとも一方が抵抗などの加熱手段を備える。変形例では、このローラ58、58’は、粉末を塗布した繊維28を加熱するために備えることができる、温風を吹き付けるケースおよび/または手段の中に設置することができる。
【0031】
図5、8Aおよび8Bに示した一実施形態によれば、成形機34は2つのベルト64、64’を備え、このベルトは互いに協働して、予備成形機30から出てくる加熱した繊維製異形断面材を配置する空洞66を形成する。
【0032】
ベルト64、64’はそれぞれ、2つのプーリ70の間および70’の間に略直線の部分68および68’を有する。
【0033】
ベルト64、64’は、この略直線分68、68’が対面する部分で協働して空洞66を形成する。ベルト64、64’を互いに当接させて繊維製異形断面材に加圧するための手段72を設けると、ベルトの回転によって装置内の繊維と繊維製異形断面材とが連続的に駆動する。
【0034】
成形機によって、繊維製異形断面材を冷却することができ、この異形断面材の断面の寸法をプリフォーム間にできたスペース14または26に適合する正確な寸法にすることができる。
【0035】
図8Aに示したような断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材の場合、ベルト64は断面が直角のV字型の凹形状であるのに対し、もう一方のベルト64’は断面が、所望の仕上がりとなる繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状で、湾曲部のある突起形状である。
【0036】
図8Bに示したような断面がネイルヘッド形状の異形断面材の場合、ベルト64は断面がV字型の凹形状でフランジは湾曲した凸状であり、フランジの形状が、所望の仕上がりとなる異形断面材の凹状の湾曲形状に適合しているのに対し、もう一方のベルト64’は断面が略平面形状である。
【0037】
この2つの場合では、図9に示したように、異形断面材への粘着性を向上させるため、ケース74内に発生する低圧の影響を局地的に受ける孔の開いたベルト64、64’を少なくとも1つ使用することも可能である。
【0038】
この2つの場合では、図5および9に示したような直線の異形断面材、または図13および14に示したような湾曲した異形断面材を得ることができる。
【0039】
湾曲した異形断面材の場合、成形機34は前述したように、互いに協働して予備成形機30から出てくる加熱した繊維製異形断面材が配置する空洞66を形成する2つのベルト64、64’を備えている。
【0040】
ベルト64、64’はそれぞれ、2つのプーリ70の間および70’の間に成形部分68および68’を有する。図5に示した変形例とは逆に、この成形部分68、68’は直線ではなく、異形断面材が湾曲形状となるように湾曲している。
【0041】
直線の異形断面材を得ることができる変形例と同じく、成形部分68、68’が対面する部分でベルト64、64’は協働して空洞66を形成する。ベルト64、64’を互いに当接させて繊維製異形断面材に加圧するための手段72を設けると、ベルトの回転によって装置内の繊維と繊維製異形断面材とが連続的に駆動する。
【0042】
湾曲した異形断面材の場合、ベルト64および64’は、ベルトが協働する領域で湾曲している。
【0043】
図13に示した第1の変形例によれば、手段72は、摩擦係数の低い材料でできたブレーキパッド76の形状をとることができ、ベルト64、64’の一方(図13のベルト64’)と接触するこの手段の表面の形状は異形断面材の所望の曲率半径に適合する。
【0044】
図14に示したもう一つの変形によれば、手段72は、一連のローラ78の形状をとることができ、これらのローラの回転軸は、異形断面材の所望の曲率半径に応じて配置する。
【0045】
補足すると、本発明の装置は、例えば異形断面材を締め付ける少なくとも1つのクランプ、および異形断面材を切断する回転盤など、異形断面材を切断する手段80を備えることができる。
【0046】
本発明の方法により、プリフォームの組み立てで生じるスペースの形状に完全に適合する形状を持つ繊維製異形断面材を得ることができる。
【0047】
スペース14または26は繊維製異形断面材によって完全に埋まるため、樹脂が優先的に通る通路が生じるリスクが軽減し、それによって成形型を充填する際に起こる障害が抑えられ、その結果、多孔質の領域および/または乾燥した領域が発生するリスクが抑えられる。
【0048】
もう一つの変形例によれば、異形断面材はその形状がスペース14または26の形状に完全に適合しているため、異形断面材と隣接するプリフォームの繊維の向きが変わることが少なくなり、それによってこのようにして得られた部品の機械的特性が変化するリスクも軽減することができる。
【0049】
本発明は、T形のプリフォームに限定されるものではなく、とりわけT形を2つ合わせた形状に等しいI形のプリフォームなど、ほかの形状のプリフォームにも適用することができる。
【図1−3】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断面が半ネイルヘッドまたはネイルヘッド状である複合材繊維製異形断面材の作製方法に関する。本発明はまた、前記方法を使用するための装置、ならびにこのようにして得られた異形断面材にも関する。
【背景技術】
【0002】
複合材部品のなかには、繊維を集めて成形型に入れたのちに樹脂マトリクスに含浸した繊維強化プリフォームから作製されているものがある。
【0003】
T形を得るために、図1に示した第1の実施形態では3つのプリフォームを組み立てる。この3つは、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム10と、ほかの2つの左右対称に配置するL形のプリフォーム12、12’であり、L形プリフォームはそれぞれ、もう一方のL形プリフォームに当接する第1のフランジと、ベースプレート10に当接する第2のフランジとを有する。L形プリフォーム12、12’は、フランジの接合箇所にある程度大きい曲率半径を有するため、3つのプリフォームの接合箇所にネイルヘッド形状のスペース14ができる。この場合、このスペース14は、1つの平面と2つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0004】
図2に示すもう一つの実施形態では、少なくとも3つのプリフォームを組み立てる。この3つは、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム20と、T形の足を形成し、最小側面がベースプレート20に当接する第2のプリフォーム22と、第1のフランジがベースプレート20に当接し、もう一方のフランジがプリフォーム22に当接する少なくとも1つのL形の第3のプリフォーム24である。プリフォーム24は、フランジの接合箇所にある程度大きな曲率半径を有するため、プリフォーム20〜24の接合箇所には半ネイルヘッド形状26のスペースができる。この場合、このスペース26は、2つの平面と1つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0005】
樹脂を正常に注入して部品の材質を良好に保つためには、スペース14または26に繊維強化材を充填する必要がある。
【0006】
一実施形態によれば、作業者は、断面が円形のストランド27が得られるように、プリプレグまたは粉末を塗布した炭素繊維をストランド状にする。このようにして作製したストランド27を、粘着テープなどを用いてスペース14または26内に設置したのち、前記ストランド27がほかのプリフォームと一体化するようにアイロンで加熱する。
【0007】
この実施形態は、ストランドの断面が略円形であることを考慮した上でスペース14または26を最適な形で充填することはできないため、満足のいくものではない。充填されていない空洞は、樹脂が優先的に通る通路となってこの樹脂が成形型を充填する結果、きわめて多孔質な領域および/または乾燥した領域が増大するリスクが高まる。
【0008】
もう一つの欠点によれば、図3に示すように、スペース14または26を充填するのに使用するストランド27の周囲にある部分的プリフォームは、プリフォームを組み立てる際、または成形型を封鎖する際に変形するため、このようにして得られた部品の機械的特性が繊維のうねりにより悪影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、本発明は、T形に組み立てたプリフォーム間にできるスペースを最適な方法で埋めることができる、断面が半ネイルヘッドまたはネイルヘッド状である複合材繊維製異形断面材の作製方法を提供し、複合材部品を得て前記複合材部品に求められる機械的特性を維持することにより、先行技術の欠点を緩和することを狙いとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このようにするため、本発明は、少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有するプリフォームをT形に組み立てることによって生じる、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペースを埋めるための繊維製異形断面材の作製方法において、粉末を活性化する予備成形機であって、所望の異形断面材の形状に適合する形状の通路を繊維が通過する予備成形機に粉末を塗布した繊維を供給したのち、前記繊維製異形断面材を冷却し、所望の異形断面材の形状に適合する形状の空洞に通して形状を一致させる成形機にプリフォーム成形した前記繊維を通過させることを特徴とする方法を目的とする。
【0011】
その他の特徴および利点は、添付の図を参照しながら一例として挙げた以下の説明文を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ネイルヘッド形状のスペースの範囲を定めるプリフォームの組立の第1の変形例を示す断面図である。
【図2】半ネイルヘッド形状のスペースの範囲を定めるプリフォームの組立のもう一つの変形例を示す断面図である。
【図3】図2に示したようなプリフォーム間のスペースを埋めるのに使用する、先行技術によるストランドを用いたプリフォームの組立を示す断面図である。
【図4】本発明による繊維製異形断面材を作製する装置の斜視図である。
【図5】本発明による繊維製異形断面材の予備成形および成形ができる図4の装置の部分図である。
【図6】本発明による装置の予備成形手段の断面図である。
【図7A】断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明の第1の変形例による予備成形手段の図である。
【図7B】断面がネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明のもう一つの変形例による予備成形手段の図である。
【図8A】断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明の第1の変形例による成形手段の図である。
【図8B】断面がネイルヘッド形状の異形断面材を得るのに適合した、本発明のもう一つの変形例による成形手段の図である。
【図9】成形手段のもう一つの変形例を示す図である。
【図10】本発明による繊維製異形断面材を作製するのに使用する繊維への粉末塗布手段の斜視図である。
【図11】本発明による繊維製異形断面材を作製するのに使用する繊維の貯蔵・繰出手段を示す断面図である。
【図12】本発明による断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材を組み入れるプリフォームの組立を示す断面図である。
【図13】湾曲した異形断面材を得ることができる成形手段のもう一つの変形例を示す図である。
【図14】湾曲した異形断面材を得ることができる成形手段のもう一つの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム10、およびほかの2つの左右対称に配置するL形のプリフォーム12、12’を有し、L形プリフォームはそれぞれ、もう一方のL形プリフォームに当接する第1のフランジと、ベースプレート10に当接する第2のフランジとを有する、T形に配置したプリフォームの組立の第1の変形例を示した。L形プリフォーム12、12’は、フランジの接合箇所にある程度大きい曲率半径を有するため、3つのプリフォームの接合箇所には断面がネイルヘッド形状のスペース14ができる。この場合、このスペース14は、1つの平面と2つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0014】
図2には、ベースプレートという略平面の第1のプリフォーム20と、T形の足を形成し、最小側面がベースプレート20に当接する第2のプリフォーム22と、第1のフランジがベースプレート20に当接し、もう一方のフランジがプリフォーム22に当接する少なくとも1つのL形の第3のプリフォーム24とを有する、T形に配置したプリフォームの組立のもう一つの変形例を示した。プリフォーム24は、フランジの接合箇所にある程度大きな曲率半径を有するため、プリフォーム20〜24の接合箇所には断面が半ネイルヘッド形状26のスペースができる。この場合、このスペース26は、2つの平面と1つの凹状の湾曲面からなる断面を持つ。
【0015】
2つの変形例によれば、T形を形成するように組み立てたプリフォームの少なくとも1つは、前記プリフォームの接合領域箇所に曲率半径を有する。
【0016】
図4には、本発明による断面が半ネイルヘッドまたはネイルヘッド形状の繊維製異形断面材を作製することができる装置を示した。この装置は、粉末を塗布した繊維の供給手段28と、繊維製異形断面材32を得ることができる前記粉末の使用温度よりも高いまたは近似の温度である予備成形機30と、異形断面材32を冷却して前記異形断面材を所望の寸法にする成形機34を備えている。
【0017】
一実施形態によれば、粉末を塗布した繊維の供給手段28は、クリールスタンド40という支持台の上に載せた乾燥繊維38の複数の巻胴36(図11に表示)を有する第1の部分、および乾燥繊維38の粉末塗布手段42を有する第2の部分を備えている。
【0018】
巻胴36は、装置が正常に動作するように繊維の張りを調節する調節手段を備えていることが好ましい。図11に示した例によれば、巻胴36は、クリールスタンド40に固定した回転軸44およびロールの締め付けを調節することができるナット46を備えている。この締め付けによって、ロールから出る繊維の重みの作用でロールがひとりでに弛むのを回避し、装置の繊維を緊張させることができる。この緊張は、とりわけ粉末塗布手段42を正常に動作させるのに必要である。
【0019】
一実施形態によれば、粉末塗布手段は、図10に詳細に示した少なくとも1つの粉末塗布機を備えている。粉末塗布手段は、図4に示したように、2つの機械を備えることができる。
【0020】
この機械は、粉末を貯蔵するホッパー48および円筒部50を備え、この円筒部の表面には第1のスクレーパー52があることによって粉末が塗布され、乾燥繊維38はこの円筒部に当接する。繊維に粘着しない粉末は回収トレイ54内に落下する。余分な粉末を除去するため、第2のスクレーパー56を備えることが好ましい。
【0021】
例として、粉末は、熱硬化性樹脂粉末または熱可塑樹脂粉末とすることができる。
【0022】
その後、粉末を塗布した繊維28は、粉末を活性化する手段と、繊維製異形断面材32を得るのに繊維28を互いに加圧する手段とを備える予備成形機30の中を通過する。
【0023】
図5、6、7Aおよび7Bに示した一実施形態によれば、予備成形機30は2つのローラ58、58’を備え、その回転軸は、繊維28の進行方向に対して直角に配置し、好ましくは2つの軸を水平に配置する。
【0024】
ローラ58、58’の少なくとも一方は、周縁部の表面に、繊維が通る溝60を備えている。
【0025】
下方のローラ58が溝60を備えていることが好ましい。
【0026】
ローラは、周縁部の表面同士が接して通路62を形成し、この通路の寸法が、仕上がる繊維製異形断面材の寸法に適合するように配置する。
【0027】
図6および7Aに示すような断面が半ネイルヘッド形状の繊維製異形断面材の場合、下方のローラ58は溝が直角のV字型であるのに対し、上方のローラ58’は周縁部の表面が、所望の仕上がりとなる繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状の湾曲形状である。
【0028】
図7Bに示すような断面がネイルヘッド形状の繊維製異形断面材の場合、下方のローラ58は溝がV字型でフランジは湾曲した凸状であり、溝の形状は、所望の仕上がりとなる異形断面材の凸状の湾曲形状に適合しているのに対し、上方のローラ58’は周縁部の表面が略直線である。
【0029】
変形例によれば、繊維に加圧するようにローラ58、58’の回転軸を接近させようとする手段を備えることができる。
【0030】
一実施形態によれば、粉末の活性化は、前記粉末の使用温度よりも高いまたは近似の温度で加熱することで得られる。この場合、ローラの少なくとも一方が抵抗などの加熱手段を備える。変形例では、このローラ58、58’は、粉末を塗布した繊維28を加熱するために備えることができる、温風を吹き付けるケースおよび/または手段の中に設置することができる。
【0031】
図5、8Aおよび8Bに示した一実施形態によれば、成形機34は2つのベルト64、64’を備え、このベルトは互いに協働して、予備成形機30から出てくる加熱した繊維製異形断面材を配置する空洞66を形成する。
【0032】
ベルト64、64’はそれぞれ、2つのプーリ70の間および70’の間に略直線の部分68および68’を有する。
【0033】
ベルト64、64’は、この略直線分68、68’が対面する部分で協働して空洞66を形成する。ベルト64、64’を互いに当接させて繊維製異形断面材に加圧するための手段72を設けると、ベルトの回転によって装置内の繊維と繊維製異形断面材とが連続的に駆動する。
【0034】
成形機によって、繊維製異形断面材を冷却することができ、この異形断面材の断面の寸法をプリフォーム間にできたスペース14または26に適合する正確な寸法にすることができる。
【0035】
図8Aに示したような断面が半ネイルヘッド形状の異形断面材の場合、ベルト64は断面が直角のV字型の凹形状であるのに対し、もう一方のベルト64’は断面が、所望の仕上がりとなる繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状で、湾曲部のある突起形状である。
【0036】
図8Bに示したような断面がネイルヘッド形状の異形断面材の場合、ベルト64は断面がV字型の凹形状でフランジは湾曲した凸状であり、フランジの形状が、所望の仕上がりとなる異形断面材の凹状の湾曲形状に適合しているのに対し、もう一方のベルト64’は断面が略平面形状である。
【0037】
この2つの場合では、図9に示したように、異形断面材への粘着性を向上させるため、ケース74内に発生する低圧の影響を局地的に受ける孔の開いたベルト64、64’を少なくとも1つ使用することも可能である。
【0038】
この2つの場合では、図5および9に示したような直線の異形断面材、または図13および14に示したような湾曲した異形断面材を得ることができる。
【0039】
湾曲した異形断面材の場合、成形機34は前述したように、互いに協働して予備成形機30から出てくる加熱した繊維製異形断面材が配置する空洞66を形成する2つのベルト64、64’を備えている。
【0040】
ベルト64、64’はそれぞれ、2つのプーリ70の間および70’の間に成形部分68および68’を有する。図5に示した変形例とは逆に、この成形部分68、68’は直線ではなく、異形断面材が湾曲形状となるように湾曲している。
【0041】
直線の異形断面材を得ることができる変形例と同じく、成形部分68、68’が対面する部分でベルト64、64’は協働して空洞66を形成する。ベルト64、64’を互いに当接させて繊維製異形断面材に加圧するための手段72を設けると、ベルトの回転によって装置内の繊維と繊維製異形断面材とが連続的に駆動する。
【0042】
湾曲した異形断面材の場合、ベルト64および64’は、ベルトが協働する領域で湾曲している。
【0043】
図13に示した第1の変形例によれば、手段72は、摩擦係数の低い材料でできたブレーキパッド76の形状をとることができ、ベルト64、64’の一方(図13のベルト64’)と接触するこの手段の表面の形状は異形断面材の所望の曲率半径に適合する。
【0044】
図14に示したもう一つの変形によれば、手段72は、一連のローラ78の形状をとることができ、これらのローラの回転軸は、異形断面材の所望の曲率半径に応じて配置する。
【0045】
補足すると、本発明の装置は、例えば異形断面材を締め付ける少なくとも1つのクランプ、および異形断面材を切断する回転盤など、異形断面材を切断する手段80を備えることができる。
【0046】
本発明の方法により、プリフォームの組み立てで生じるスペースの形状に完全に適合する形状を持つ繊維製異形断面材を得ることができる。
【0047】
スペース14または26は繊維製異形断面材によって完全に埋まるため、樹脂が優先的に通る通路が生じるリスクが軽減し、それによって成形型を充填する際に起こる障害が抑えられ、その結果、多孔質の領域および/または乾燥した領域が発生するリスクが抑えられる。
【0048】
もう一つの変形例によれば、異形断面材はその形状がスペース14または26の形状に完全に適合しているため、異形断面材と隣接するプリフォームの繊維の向きが変わることが少なくなり、それによってこのようにして得られた部品の機械的特性が変化するリスクも軽減することができる。
【0049】
本発明は、T形のプリフォームに限定されるものではなく、とりわけT形を2つ合わせた形状に等しいI形のプリフォームなど、ほかの形状のプリフォームにも適用することができる。
【図1−3】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有するプリフォーム(10、12、12’、20、22、24)をT形に組み立てることによって生じる、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペース(14、26)を埋めるための繊維製異形断面材(32)の作製方法において、粉末を活性化する予備成形機であって、所望の異形断面材の形状に適合する形状の通路(62)を繊維(28)が通過する予備成形機(30)に粉末を塗布した繊維(28)を供給したのち、前記繊維製異形断面材(32)を冷却し、所望の異形断面材の形状に適合する形状の空洞(66)に通して形状を一致させる成形機(34)にプリフォーム成形した前記繊維を通過させることを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有するプリフォーム(10、12、12’、20、22、24)をT形に組み立てることによって生じる、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペース(14、26)を埋めるための繊維製異形断面材(32)の作製装置において、粉末を塗布した繊維(28)を供給する手段と、粉末を活性化し、所望の異形断面材の形状に適合する形状の通路(62)を前記繊維(28)が通過する予備成形機(30)と、前記所望の異形断面材の形状に適合する形状の空洞(66)に通して繊維製異形断面材(32)を冷却する成形機(34)とを備えることを特徴とする装置。
【請求項3】
前記予備成形機(30)は2つのローラ(58、58’)を備え、その回転軸は、前記繊維(28)の進行方向に対して直角に、周縁部の表面同士が接するように配置し、前記ローラ(58、58’)の少なくとも一方は周縁部の表面に、通路(62)を形成する溝(60)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項4】
溝が直角のV字型である第1のローラ(58)と、円周部の表面が、所望の仕上がりとなる繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状の湾曲形状である第2のローラ(58’)とを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項5】
溝がV字型でフランジは湾曲した凸状であり、溝の形状が、所望の仕上がりとなる異形断面材の凸状の湾曲形状に適合している第1のローラ(58)と、周縁部の表面が略直線である第2のローラ(58’)とを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項6】
前記成形機(34)は2つのベルト(64、64’)を備え、該ベルトは互いに協働して、前記予備成形機(30)から出てくる加熱した前記繊維製異形断面材を配置する空洞(66)を形成することを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項7】
断面が直角のV字型の凹形状である第1のベルト(64)と、断面が、所望の仕上がりとなる前記繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状で、湾曲部のある突起形状である第2のベルト(64’)とを備えていることを特徴とする、請求項6に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項8】
断面がV字型の凹形状でフランジは湾曲した凸状であり、フランジの形状が、所望の仕上がりとなる異形断面材の凹状の湾曲形状に適合している第1のベルト(64)と、断面が略平面形状である第2のベルト(64’)とを備えていることを特徴とする、請求項6に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項9】
前記ベルト(64、64’)を互いに当接させて前記繊維製異形断面材に加圧するための手段(72)を備えていることを特徴とする、請求項6から7のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材の作製装置。
【請求項10】
前記ベルト(64、64’)は、該ベルトが互いに協働し、前記予備成形機(30)から出てくる加熱した前記繊維製異形断面材を配置する空洞(66)を形成する領域で湾曲していることを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材の作製装置。
【請求項11】
少なくとも1つのベルト(64、64’)は孔が開いており、ケース(74)内に発生する低圧の影響を局地的に受けることを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材の作製装置。
【請求項12】
請求項2から11のいずれか一項に記載の装置を使用する請求項1に記載の方法で得られる繊維製異形断面材。
【請求項13】
少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有し、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペース(14、26)を形成するプリフォーム(10、12、12’、20、22、24)をT形に組み立てることによって得られる複合材部品であって、前記スペースを埋めるために請求項12に記載の異形断面材を有する複合材部品。
【請求項1】
少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有するプリフォーム(10、12、12’、20、22、24)をT形に組み立てることによって生じる、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペース(14、26)を埋めるための繊維製異形断面材(32)の作製方法において、粉末を活性化する予備成形機であって、所望の異形断面材の形状に適合する形状の通路(62)を繊維(28)が通過する予備成形機(30)に粉末を塗布した繊維(28)を供給したのち、前記繊維製異形断面材(32)を冷却し、所望の異形断面材の形状に適合する形状の空洞(66)に通して形状を一致させる成形機(34)にプリフォーム成形した前記繊維を通過させることを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有するプリフォーム(10、12、12’、20、22、24)をT形に組み立てることによって生じる、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペース(14、26)を埋めるための繊維製異形断面材(32)の作製装置において、粉末を塗布した繊維(28)を供給する手段と、粉末を活性化し、所望の異形断面材の形状に適合する形状の通路(62)を前記繊維(28)が通過する予備成形機(30)と、前記所望の異形断面材の形状に適合する形状の空洞(66)に通して繊維製異形断面材(32)を冷却する成形機(34)とを備えることを特徴とする装置。
【請求項3】
前記予備成形機(30)は2つのローラ(58、58’)を備え、その回転軸は、前記繊維(28)の進行方向に対して直角に、周縁部の表面同士が接するように配置し、前記ローラ(58、58’)の少なくとも一方は周縁部の表面に、通路(62)を形成する溝(60)を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項4】
溝が直角のV字型である第1のローラ(58)と、円周部の表面が、所望の仕上がりとなる繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状の湾曲形状である第2のローラ(58’)とを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項5】
溝がV字型でフランジは湾曲した凸状であり、溝の形状が、所望の仕上がりとなる異形断面材の凸状の湾曲形状に適合している第1のローラ(58)と、周縁部の表面が略直線である第2のローラ(58’)とを備えていることを特徴とする、請求項3に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項6】
前記成形機(34)は2つのベルト(64、64’)を備え、該ベルトは互いに協働して、前記予備成形機(30)から出てくる加熱した前記繊維製異形断面材を配置する空洞(66)を形成することを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項7】
断面が直角のV字型の凹形状である第1のベルト(64)と、断面が、所望の仕上がりとなる前記繊維製異形断面材の湾曲した凹形状に適合する凸状で、湾曲部のある突起形状である第2のベルト(64’)とを備えていることを特徴とする、請求項6に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項8】
断面がV字型の凹形状でフランジは湾曲した凸状であり、フランジの形状が、所望の仕上がりとなる異形断面材の凹状の湾曲形状に適合している第1のベルト(64)と、断面が略平面形状である第2のベルト(64’)とを備えていることを特徴とする、請求項6に記載の繊維製異形断面材(32)の作製装置。
【請求項9】
前記ベルト(64、64’)を互いに当接させて前記繊維製異形断面材に加圧するための手段(72)を備えていることを特徴とする、請求項6から7のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材の作製装置。
【請求項10】
前記ベルト(64、64’)は、該ベルトが互いに協働し、前記予備成形機(30)から出てくる加熱した前記繊維製異形断面材を配置する空洞(66)を形成する領域で湾曲していることを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材の作製装置。
【請求項11】
少なくとも1つのベルト(64、64’)は孔が開いており、ケース(74)内に発生する低圧の影響を局地的に受けることを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載の繊維製異形断面材の作製装置。
【請求項12】
請求項2から11のいずれか一項に記載の装置を使用する請求項1に記載の方法で得られる繊維製異形断面材。
【請求項13】
少なくとも1つのプリフォームが該プリフォームの接合箇所に曲率半径を有し、断面がネイルヘッドまたは半ネイルヘッド形状のスペース(14、26)を形成するプリフォーム(10、12、12’、20、22、24)をT形に組み立てることによって得られる複合材部品であって、前記スペースを埋めるために請求項12に記載の異形断面材を有する複合材部品。
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2012−531325(P2012−531325A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516828(P2012−516828)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051314
【国際公開番号】WO2011/001080
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(509323440)エアバス オペレイションズ エスエーエス (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/FR2010/051314
【国際公開番号】WO2011/001080
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(509323440)エアバス オペレイションズ エスエーエス (13)
【Fターム(参考)】
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