説明

新しいウレアウレタン化合物

【課題】特定のウレアウレタン化合物を用いることにより、画像保存性及び発色感度に優れた発色剤及び記録材料を安価に提供することができる。
【解決手段】下記式(II)で示されるウレアウレタン化合物。



(式中、Xはフェニル基を、Yはフェニレン基を表し、また、各残基は各々独立してメチル置換基を有していてもよい。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なウレアウレタン化合物に関する。また、本発明は、ウレアウレタン化合物を用いた新規な発色剤及びそれを用いた記録材料に関する。
本発明の発色剤は、例えば、熱、圧力などの記録エネルギーを用いた記録材料の発色剤として有用で、特に未発色部(地肌)及び発色画像の保存安定性を向上させた発色剤、及びそれを用いた記録材料、特に感熱記録材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱、圧力などの記録エネルギーを用いた化学的発色システムは数多く知られている。その中で、通常、無色又は淡色の染料前駆体と該染料前駆体と接触して発色する顕色剤との2成分発色系からなる発色システムは古くから知られており、広く記録材料に応用されている。例えば圧力エネルギーを用いた感圧記録材料や、熱エネルギーを用いた感熱記録材料、光エネルギーを用いた感光記録材料等がある。
【0003】
これまで普通紙感覚で極く一般的に用いられてきているのが圧力エネルギーを用いた感圧記録材料である。一般に感圧記録材料は、染料前駆体を適当な溶媒に溶解し、数ミクロンに乳化した後、マイクロカプセル化を行うことにより得られる。このマイクロカプセルを支持体上に塗布してなる上用紙と顕色剤を含む顕色剤層を他の支持体上に塗布してなる下用紙等を、マイクロカプセル塗布面と顕色剤塗布面とが対向するように重ね合わせ、筆圧又は打圧等を加えると、マイクロカプセルが破壊し、染料前駆体を含む内包物が放出される。この染料前駆体が顕色剤層に転移して顕色剤と接触し、発色反応が生じて画像が記録される。
【0004】
また近年、例えば、ファクシミリ、プリンター、レコーダーなどの各種情報機器において、熱エネルギーによって記録を行う感熱記録方式が多く採用されている。感熱記録方式に使用される感熱記録材料は、白色度が高い、外観、感触が普通紙に近い、発色感度等の記録適性が良い等、多くの優れた特性を備えており、また感熱記録方式は、装置が小型で、メインテナンスが不要であり、騒音の発生がないことなどの利点があり、計測用記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券等の自動券売機など広範囲の分野に用途を拡大してきた。
【0005】
感熱記録方式は、主に、2成分発色剤を含有する発色層を支持体上に設けてなる記録材料を用い、これに記録エネルギーとして熱を感熱ヘッド、ホットスタンプ、レーザー光等により加えることにより、記録材料上で感熱剤成分を相互に接触させ、発色記録する方法である。発色剤としては、無色又は淡色の電子供与性染料前駆体(特にロイコ染料)とフェノール性化合物のような酸性顕色剤を用いるものが多い。ロイコ染料を用いた記録材料としては、例えば、クリスタルバイオレットラクトンと4,4´−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)を感熱発色剤とする感熱紙(特許文献1など参照)等が挙げられる。
【0006】
これらの記録方式に用いられる染料前駆体及び顕色剤としては、それぞれ主に電子供与性化合物及び電子受容性化合物が用いられる。これは、電子供与性化合物である染料前駆体と、電子受容性化合物である顕色剤とが接触することにより、瞬間的に濃度の高い発色画像が得られること、また白色に近い外観が得られ、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、黒色等、各種の発色色相を得ることができる等々の優れた特性を持っているためである。しかしながら、その反面、得られた発色画像は耐薬品性に劣り、プラスチックシートや消しゴムに含まれる可塑剤又は食品や化粧品に含まれる薬品と接触すると、記録が容易に消失
したり、また、比較的短期間の日光暴露で記録が退色したり、さらには消失したりするなど、記録の保存安定性に劣るために、染料前駆体と顕色剤からなる発色剤は用途に一定の制約を受けており、その改良が強く望まれている。
【0007】
また近年ビスフェノールAを代表とするフェノール性化合物は、環境ホルモンの問題からその使用が問題とされており、非フェノール系の顕色剤が要望されている。
既にこの様な要望に対して、保存性の良い記録材料として、例えば、特許文献2や特許文献3には、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物からなる発色剤の組合せからなる記録材料が開示されている。この発明では、熱、圧力、光等の記録エネルギーを加えることにより2種の発色剤を接触し反応させる各種の記録材料が開示されている。また、発色剤を適宜選択することにより、赤、橙、黄、茶、褐色等の各種の色を発色することができることが記載されている。しかしながら、現在広く用いられている記録材料で強く要望されている黒発色については、いまだ不十分である。
【0008】
また、非フェノール系顕色剤を用いた感熱記録材料としては、特許文献4及び特許文献5に、無色又は淡色の染料前駆体とウレア化合物を含有する発色層を有する感熱記録体が開示されている。しかし、これらの記録体は発色濃度が低く保存性も不十分であった。
また、特許文献6には、無色又は淡色の染料前駆体とスルホニルウレア化合物を含む感熱発色層を有する感熱記録体が開示されている。しかし、これらの記録体は白色度が低く保存性も不十分であった。
【0009】
【特許文献1】米国特許第3539375号公報
【特許文献2】特開昭59−115887号公報
【特許文献3】米国特許第4521793号公報
【特許文献4】特開平8−2111号公報
【特許文献5】特開平8−2112号公報
【特許文献6】特開平5−116459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、発色剤の顕色剤として用いた場合に優れた性能を示す新規なウレアウレタン化合物を提供することを課題とする。
また、本発明は、各種のウレアウレタン化合物を用いることにより、画像保存性及び発色濃度に優れた新規な発色剤及びそれを用いた記録材料、特に感熱記録材料を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、ウレアウレタン化合物及び染料前駆体に各種の添加剤を加え、より性能を向上せしめた新規な発色剤及びそれを用いた記録材料に関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、各種発色剤化合物の合成についての鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物が驚くべき優れた性能を発現することを見いだし本発明を完成するに至った。また、特定の化合物が染料前駆体との組み合わせで驚くべき優れた性能を発現することを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0012】
下記式(II)で示されるウレアウレタン化合物である。
【0013】
【化1】

(式中、Xはフェニル基を、Yはフェニレン基を表し、また、各残基は各々独立してメチル置換基を有していてもよい。)
【発明の効果】
【0014】
特定のウレアウレタン化合物を用いることにより、画像保存性及び発色感度に優れた発色剤及び記録材料を安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明を行う。
本発明の第1に係る数式
10≧(A+B)≧3(ただし、A及びBは1以上の整数)
を満たすウレアウレタン化合物は、分子構造中にウレア基(−NHCONH−基)とウレタン基(−NHCOO−基)がそれぞれ少なくとも1以上存在し、かつウレア基とウレタン基の合計数が3以上でかつ10以下で存在する化合物である。
【0016】
従来、このような化合物は知られておらず、全く新規な化合物である。この新規化合物は、例えば、熱、圧力などの記録エネルギーを用いた記録材料に有用である。ウレアウレタン化合物の分子量は5000以下であることが好ましく、さらには2000以下であることが好ましい。また、ウレアウレタン化合物分子構造中のウレア基とウレタン基の比率は、1:3〜3:1が好ましく、特に1:2〜2:1が好ましい。
【0017】
本発明の第1に係るウレアウレタン化合物の合成方法は、ウレア基(−NHCONH−基)とウレタン基(−NHCOO−基)とが、ウレア基とウレタン基との合計数が3〜10となるように生成される方法であれば特に制限はないが、イソシアナート化合物とOH基含有化合物及びアミン化合物との反応で作る方法が容易であり好ましい。
すなわち、本発明の第1に係わるウレアウレタン化合物は、例えば少なくとも2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナートを出発物質として用い、そのイソシアナートの少なくとも1つのイソシアナト基を残して他のイソシアナト基とOH基含有化合物とを反応させてウレタン基を形成させ、次にこのウレタン化合物2分子の残ったイソシアナト基同士を水で反応させ結合させることによりウレア基とウレタン基の合計数が少なくとも3つのウレアウレタン化合物を得ることができる。
【0018】
また、例えば少なくとも2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナートを出発物質として用い、そのイソシアナートの少なくとも1つのイソシアナト基を残して他のイソシアナト基とOH基含有化合物とを反応させてウレタン基を形成させ、次に残ったイソシアナト基と2つ以上のアミノ基を有するアミン化合物とを反応させウレア基を形成させ、さらに残ったアミノ基にイソシアナート化合物を反応させることによって、ウレア基とウレタン基の合計数が少なくとも3つのウレアウレタン化合物を得ることができる。
【0019】
また、まずイソシアナト基とアミン化合物とを反応させてウレア基を形成させ、次に残ったイソシアナト基と2つ以上のOH基を有するOH基含有化合物とを反応させてウレタン基を形成させ、さらにイソシアナート化合物を反応させることによってもウレア基とウレタン基の合計数が少なくとも3つのウレアウレタン化合物を得ることができる。
この時、最後に反応するイソシアナートとして2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナート化合物を用い、残ったイソシアナト基と2つ以上のOH基を有するOH含有化合物又は2つ以上のアミノ基を有するアミノ化合物とを反応させる操作を順次繰り返すことによって、ウレア基とウレタン基の合計数が3〜10存在するウレアウレタン化合物を得ることができる。
【0020】
出発物質のイソシアナートはイソシアナト基を2つ以上持つものであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、o−トリジンジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、9−エチカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオホスファート、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4´,4´´−トリイソシアナトトリフェニルアミン、メタキシリレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート等が挙げられる。またジイソシアナートの2量体、例えばトルエンジイソシアナートの2量体であるN,N´(4,4´−ジメチル−3,3´−ジフェニルジイソシアナト)ウレトジオン(商品名デスモジュールTT)や3量体、例えば4,4´,4´´−トリメチル−3,3´,3´´−トリイソシアナト−2,4,6−トリフェニルシアヌレート等でもよい。またトルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の水アダクトイソシアナート、例えば1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレアやポリオールアダクト例えばトルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト(商品名デスモジュールL)やアミンアダクト体等でもよい。また特開平10−76757号明細書及び特開平10−95171号明細書(これらの公報の内容は参照することにより本明細書中に取り込まれる)に記載のイソシアナート化合物及びイソシアナートアダクト体化合物のうちイソシアナト基が2以上存在するものでもよい。
【0021】
特に好ましい例としてトルエンジイソシアナートを挙げることができる。トルエンジイソシアナートとしては、2,4−トルエンジイソシアナートが好ましいが、この他に2,4−トルエンジイソシアナートと2,6−トルエンジイソシアナートの混合物が一般に市販されており、安価に入手することが可能であり、これでもよい。これらのトルエンジイソシアナート異性体混合物は常温で液体である。
【0022】
ウレアウレタン化合物の出発物質であるイソシアナートと反応させ、ウレア基を形成させるアミン化合物としては、アミノ基を有する化合物であれば何でもよいが、例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、α−ナフチルアミン、アミノアントラセン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピ
ルアニリン、N−ブチルアニリン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、アセト酢酸アニリド、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル、p−アミノ安息香酸iso−プロピル、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−〔2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、4−(N−メチル−N−アセチルアミノ)アニリン、2,5−ジエトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2,5−ジメトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルエ
ーテル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルスルホン、3,3´,4,4´−テトラアミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾニトリル、4−フェノキシアニリン、3−フェノキシアニリン、4,4´−メチレンビス−O−トルイジン、4,4´−(p−フェニレンイソプロピリデン)−ビス−(2,6−キシリジン)、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロ−p−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、メトール、2,4−ジアミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−o−アミノフェノール硫酸塩、スルファニル酸、メタニル酸、4B酸、C酸、2B酸、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオリド、m−トルイレンジアミン、2−アミノチオフェノール、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル、ジフェニルアミン、p−アミノジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸、ベンジルエチルアニリン、1,8−ナフタレンジアミン、ナフチオン酸ソーダ、トビアス酸、H酸、J酸、フェニルJ酸、1,4−ジアミノ−アントラキノン、1,4−ジアミノ−2,3−ジクロロアントラキノン等の芳香族アミン類、さらに3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−S−トリアジン、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,3,5−トリアミノピリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン等の複素環化合物アミン類、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ステアリルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エタノールアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、t−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、メチルヒドラジン、1−メチルブチルアミン、メタンジアミン、1,4−ジアミノブタン、シクロヘキサンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−ブロモエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシメチルアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノブタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2−アミノエタンチオール、エチレンジアミン、ジエチレンドリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類などが挙げられる。
さらに上記アミン化合物の中でも特に下記式(VIII)の如き少なくとも1個のアミノ基を有するアニリン誘導体が好ましい。
【0023】
【化2】

【0024】
(式中、R、R、R及びRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコシキ基又はアミノ基を表し、X及びXは、各々独立して、アミノ基又は式(b)で示される基を表し、
【0025】
【化3】

【0026】
は−SO−、−O−、−(S)−、−(CH−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される基のいずれか、
【0027】
【化4】

又は存在しない場合を示す。nは1又は2である。)
【0028】
またイソシアナートと反応させ、ウレタン基を形成させるOH基含有化合物としてはOH基を有する化合物であれば何でもよいが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、4−フェニルフェノール、p,p´−ビフェノール、4−クミルフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−(2−ヒドロキシ)フェニル)スルホン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸メチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のフェノール類が挙げられる。ただし、これらのフェノール類としてはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。また、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−ペンタノール、3−ヘキサノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オール、ベンジルアルコール、4−ピリジンメタノール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロペンタノール、2−クロロエタノール、1−クロロ−3−ヒドロキシプロパン、グリセリン、グリセロール等のアルコール類、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、シュークローズ等のポリオール類が挙げられる。
【0029】
本発明の第2に係る式(I)〜(VI)のウレアウレタン化合物も全く新規な化合物である。この新規化合物は、例えば、熱、圧力などの記録エネルギーを用いた記録材料に有
用である。
【0030】
本発明の第2に係る式(I)のウレアウレタン化合物は製法に限定はないが例えば下記一般式(IX)のOH基含有化合物と下記一般式(X)のイソシアナート化合物及び下記一般式(XI)のアミン化合物とを、例えば下記反応式(A)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0031】
【化5】

【0032】
【化6】

【0033】
【化7】

【0034】
(式中、X及びZは各々独立に芳香族化合物残基又は複素環化合物残基又は脂肪族化合物残基を表し、各残基は置換基を有していてもよい。Yは、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ヘキサメチレン基、及び−φ−CH−φ−基からなる群から選ばれる一つを表し、−φ−はフェニレン基を示す。)
なお、本発明でいう脂肪族とは脂環式も含むものとする。
【0035】
【化8】

【0036】
本発明の第2に係る式(II)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが、例えば一般式(IX)のOH基含有化合物と下記一般式(XII)のイソシアナート化合物及び水とを、例えば下記反応式(B)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0037】
【化9】

【0038】
(式中、Yは、芳香族化合物残基又は複素環化合物残基又は脂肪族化合物残基を表す。また、各残基は置換基を有していてもよい。)
【0039】
【化10】

【0040】
本発明の第2に係る式(III)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが、例えば一般式(IX)のOH基含有化合物と一般式(XII)のイソシアナート化合物及び下記一般式(XIII)のアミン化合物とを、例えば下記反応式(C)又は(D)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0041】
【化11】

(式中、αは2価以上の価数を有する残基を表し、nは2以上の整数を表す。)
【0042】
【化12】

【0043】
【化13】

【0044】
本発明の第2に係る式(IV)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが、例えば一般式(XI)のアミン化合物と一般式(XII)のインシアナート化合物及び下記一般式(XIV)のOH基含有化合物とを、例えば下記反応式(E)又は(F)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0045】
【化14】

【0046】
(式中、βは2価以上の価数を有する残基を表し、nは2以上の整数を表す。)
【0047】
【化15】

【0048】
【化16】

【0049】
上記式(I)〜(IV)で表されるウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができる一般式(IX)〜(XIV)の化合物についてさらに詳しく述べる。
一般式(IX)で表されるOH基含有化合物としては、OH基を一つ以上持つ化合物であれば特に制限はないが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のモノフェノール類が挙げられる。また2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メドキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、4−フェニルフェノール、4,4´−ビフェノール、4−クミルフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´メチルフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´
−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド等のジフェノール類も挙げられる。ただし、これらのOH基含有化合物としてはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基が共存するとOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。またメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−ペンタノール、3−ヘキサノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オール、ベンジルアルコール、4−ピリジンメタノール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロペンタノール、2−クロロエタノール、1−クロロ−3−ヒドロキシプロパン、グリセリン、グリセロール等のモノアルコール類も挙げられる。またポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオールポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、シュークローズ等のポリオール類でもよい。これらのうち、好ましくはモノフェノール類が用いられる。
【0050】
一般式(X)のイソシアナート化合物としては、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナート等が挙げられる。これらのうち、トルエンジイソシアナート類が好ましい。
また、一般式(XII)のイソシアナート化合物としては、イソシアナト基を2つ以上持つものであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、o−トリジンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオホスファート、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4´,4´´−トリイソシアナトトリフェニルアミン、メタキシリレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート等が挙げられる。またジイソシアナートの2量体、例えばトルエンジイソシアナートの2量体であるN,N´−(4,4´−ジメチル−3,3´−ジフェニルジイソシアナート)ウレトジオン(商品名デスモジュールTT)や3量体、例えば4,4´,4´´−トリメチル−3,3´,3´´−トリイソシアナト−2,4,6−トリフェニルシアヌレート等でもよい。またトルエンジ
イソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の水アダクトイソシアナート、例えば、1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレアやポリオールアダクト、例えばトルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト(商品名デスモジュールL)やアミンアダクト体等でもよい。また特開平10−76757及び特開平10−95171の明細書に記載のインシアナート化合物及びイソシアナートアダクト体化合物のうち、イソシアナト基が2以上存在するものでもよい。特に好ましい例としてトルエンジイソシアナートを挙げることができる。
【0051】
一般式(XI)のアミン化合物としてはアミノ基を一つ以上持つ化合物であれば他に特に制限はないが、例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、α−ナフチルアミン、アミノアントラセン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル、p−アミノ安息香酸イソプロピル、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−〔2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロ−p−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、スルファニル酸、メタニル酸、4B酸、C酸、2B酸、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオリド、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル等の芳香族モノアミン類、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、ジアニシジン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p
−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´−ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン等の芳香族ジアミン類などが挙げられる。さらに3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−S−トリアジン、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,3,5−トリアミノピリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン等の複素環化合物アミン類、メチルアミン、エチルアミン、ステアリルアミン、アリルアミン、イソプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エタノールアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、t−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、メチルヒドラジン、1−メチルブチルアミン、メタンジアミン、1,4−ジアミノブタン、シクロヘキサンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−ブロモエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシメチルアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノブタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2−アミノエタンチオール、エチレンジアミン、ジエチレンドリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類等が挙げられる。これらのうち、好ましくは芳香族モノアミン類が用いられる。
【0052】
また一般式(XIII)のアミン化合物としてはアミノ基を2つ以上持つ化合物であれば特に制限はないが、例えば4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、ジアニシジン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビ
フェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン、トリジンベース、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類などが挙げられる。さらに上記アミン化合物の中でも特に下記式(VIII)の如き少なくとも2個のアミノ基を有するアニリン誘導体が好ましい。
【0053】
【化17】

【0054】
(式中、R、R、R及びRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコシキ基又はアミノ基を表し、X及びXはアミノ基又は式(b)で示される基を表し、
【0055】
【化18】

【0056】
は−SO−、−O−、−(S)−、−(CH−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される基のいずれか、
【0057】
【化19】

又は存在しない場合を示す。nは1又は2である。)
【0058】
また一般式(XIV)のOH基含有化合物としてはOH基を2つ以上持つ化合物であれば特に制限はないが、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p,p´−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、
4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド等のジフェノール類が挙げられる。ただし、これらのジフェノール類としてアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。またポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオールポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、シュークローズ等のポリオール類が挙げられる。
【0059】
本発明の第2に係る式(V)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが、例えばモノフェノール化合物と芳香族ジイソシアナート化合物及び下記一般式(XV)のジアミン化合物とを、例えば下記反応式(G)又は(H)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0060】
【化20】

(式中、ベンゼン環の水素原子は芳香族化合物残基又は脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよい。また、各残基は置換基を有していてもよい。γは−SO−、−O−、−(S)−、−(CH−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される基のいずれか、
【0061】
【化21】

又は存在しない場合を示す。nは1又は2である。)
【0062】
【化22】

【0063】
【化23】

【0064】
本発明の第2に係る式(VI)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが、例えばアニリン誘導体と芳香族ジイソシアナート化合物及び下記一般式(XVI)のジヒドロキシ化合物とを、例えば下記反応式(J)又は(K)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0065】
【化24】

(式中、ベンゼン環の水素原子は芳香族化合物残基又は脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよい。また、各残基は置換基を有していてもよい。δは−SO−、−O−、−(S)−、−(CH−、−CO−、−CONH−、−NH−、−CH(COOR)−、−C(CF−、−CR−のいずれか又は存在しない場合を示す。R、R及びRは各々独立してアルキル基を表し、nは1又は2である。)
【0066】
【化25】

【0067】
【化26】

【0068】
本発明の第2に係る式(V)及び(VI)のウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができる化合物について以下で詳しく説明する。
式(V)のウレアウレタン化合物を合成する時に用いることができるモノフェノール化合物としては、ベンゼン環に一つOH基が存在する化合物であれば特に制限はないが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のフェノール類が挙げられる。ただし、これらのフェノール類としてはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。
【0069】
また式(V)、(VI)のウレアウレタン化合物を合成する時に用いることができる芳
香族ジイソシアナート化合物としては、ベンゼン環に結合したイソシアナト基を2つ有する芳香族ジイソシアナートであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート等が挙げられる。特に好ましい例としてトルエンジイソシアナート類を挙げることができる。トルエンジイソシアナート類としては、2,4−トルエンジイソシアナートが好ましいが、この他に2,4−トルエンジイソシアナートと2,6−トルエンジイソシアナートの混合物が一般に市販されており、安価に入手することが可能であるがこれでもよい。これらのトルエンジイソシアナート異性体混合物は常温で液体である。
また式(V)のウレアウレタン化合物を合成する時に用いることができる一般式(XV)のジアミン化合物としては、例えば4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、ジアニシジン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´−ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン等の芳香族ジアミン類などが挙げられる。
【0070】
また式(VI)のウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができるアニリン誘導体としては、アミノ基をベンゼン環に一つ持つアニリン化合物であれば他に特に制限はないが、例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、α−ナフチルアミン、アミノアントラセン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル
、p−アミノ安息香酸イソプロピル、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、4−(N−メチル−N−アセチルアミノ)アニリン、2,5−ジエトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2,5−ジメトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロ−p−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオリド、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル等が挙げられる。
【0071】
また式(VI)のウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができる一般式(XVI)のジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、4,4´−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)の酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド等のジフェノール類が挙げられる。ただし、これらのジフェノール類としてはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。
【0072】
本発明の第2に係るウレアウレタン化合物を得るには、イソシアナートに該反応剤を有機溶媒中又は無溶媒にて混合し反応させた後、濾過により結晶を取り出せばよい。反応剤は目的に応じて単独又は複数種類用いてもよい。また溶媒はイソシアナト基及び反応剤の官能基との反応を起こさないものであれば何でもよく例えば、脂肪族系炭化水素、脂環族
系炭化水素、芳香族系炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、塩素化芳香族炭化水素、塩素化脂環族炭化水素、ケトン等が挙げられる。特に、イソシアナートを溶解し、且つ生成物の溶解度の小さいメチルエチルケトン、トルエンなどが好ましい。上記反応操作にて得られる生成物は必ずしも単品とは限らず、置換基の位置の異なる化合物の混合物として得られることもある。
【0073】
本発明の第2のウレアウレタン化合物の具体例として次のような化合物を例示することができる。((E−1)〜(E−43))
【化27】

【0074】
【化28】

【0075】
【化29】

【0076】
【化30】

【0077】
【化31】

【0078】
【化32】

【0079】
【化33】

【0080】
【化34】

【0081】
【化35】

【0082】
【化36】

【0083】
【化37】

【0084】
【化38】

【0085】
【化39】

【0086】
【化40】

【0087】
【化41】

【0088】
【化42】

【0089】
【化43】

【0090】
【化44】

【0091】
【化45】

【0092】
【化46】

【0093】
【化47】

【0094】
【化48】

【0095】
【化49】

【0096】
【化50】

【0097】
【化51】

【0098】
【化52】

【0099】
【化53】

【0100】
【化54】

【0101】
【化55】

【0102】
【化56】

【0103】
【化57】

【0104】
【化58】

【0105】
【化59】

【0106】
【化60】

【0107】
【化61】

【0108】
【化62】

【0109】
【化63】

【0110】
【化64】

【0111】
【化65】

【0112】
【化66】

【0113】
【化67】

【0114】
【化68】

【0115】
【化69】

【0116】
【化70】

【0117】
本発明の第2に係るウレアウレタン化合物は、例えば記録材料に有用である。
本発明の第3に係る顕色剤としてのウレアウレタン化合物は、分子中にウレア基(−NHCONH−基)とウレタン基(−NHCOO−基)がそれぞれ少なくとも1以上存在する化合物を言う。
これまでウレア基を持った化合物が顕色作用を示すことは知られていたが、発色濃度が低く保存性も低く実用的でなかった。ところが驚くべきことに、ウレア基とウレタン基が一分子中に同時に存在するウレアウレタン化合物は、無色又は淡色の染料前駆体の優れた顕色剤となり、両者を含有する発色剤及びそれを用いた記録材料は発色濃度も高く、保存性にも優れている。
【0118】
このようなウレアウレタン化合物が優れた顕色作用を示す機構は不明であるが、分子中のウレア基とウレタン基の相互作用によるものと推定される。
本発明の第3に係わる顕色剤としてのウレアウレタン化合物は、分子中にウレア基(−NHCONH−基)とウレタン基(−NHCOO−基)の両方が存在すればどの様な化合物でもよいが、芳香族化合物又は複素環化合物であることが好ましい。また、ウレア基とウレタン基の両端に芳香族化合物残基又は複素環化合物残基が直接結合しているものが好ましい。更に好ましくは分子中にウレア基(−NHCONH−基)とウレタン基(−NHCOO−基)の他にスルホン基(−SO−基)又はアミド基(−NHCO−基)又はイソプロピリデン基(−C(CH3)−基)がウレア基に直接結合せずに存在することが望ましい。
【0119】
また、ウレアウレタン化合物の分子量は5000以下であることが好ましく、さらには2000以下であることが好ましい。ウレアウレタン化合物中のウレア基及びウレタン基の数は合わせて20以下であることが好ましく、さらには10以下であることが好ましい
。また、当該ウレアウレタン化合物分子構造中のウレア基とウレタン基の比率は、1:3〜3:1が好ましく、特に1:2〜2:1が好ましい。
また感熱記録材料においては融点を持ったウレアウレタン化合物が好ましく、融点は好ましくは40℃から500℃、特に好ましくは60℃から300℃の範囲にあることが望ましい。
【0120】
本発明の第3に係わる顕色剤としてのウレアウレタン化合物の合成方法は、ウレア基(−NHCONH−基)とウレタン基(−NHCOO−基)が生成する方法であれば特に制限はないが、イソシアナート化合物とOH基含有化合物及びアミン化合物との反応で作る方法が容易であり好ましい。
すなわち、本発明に係る顕色剤としてのウレアウレタン化合物は、少なくとも2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナートを出発物質として、そのイソシアナートの少なくとも1つのイソシアナト基を残して他のイソシアナト基とOH基含有化合物とを反応させてウレタン基を形成させ、次に残ったイソシアナト基とアミン化合物とを反応させウレア基を形成させることができる。また、まずイソシアナト基とアミン化合物とを反応させてウレア基を形成させ、次に残ったイソシアナト基とOH基含有化合物とを反応させてウレタン基を形成させてもよい。
【0121】
出発物質のイソシアナートはイソシアナト基を2つ以上持つものであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、o−トリジンジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオホスファート、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4´,4´´−トリイソシアナトトリフェニルアミン、メタキシリレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、インプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート等が挙げられる。またジイソシアナートの2量体例えばトルエンジイソシアナートの2量体であるN,N´(4,4´−ジメチル−3,3´−ジフェニルジイソシアナト)ウレトジオン(商品名デスモジュールTT)や3量体、例えば4,4´,4´´−トリメチル3,3´,3´´−トリイソシアナト−2,4,6−トリフェニルシアヌレート等でもよい。またトルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の水アダクトイソシアナート、例えば1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレアやポリオールアダクト、例えばトルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト(商品名デスモジュールL)やアミンアダクト体等でもよい。また特願平8−225445号明細書及び特願平8−250623号明細書に記載のイソシアナート化合物及びイソシアナートアダクト体化合物のうち、イソシアナト基が2以上存在するものでもよい。
特に好ましい例としてトルエンジイソシアナートを挙げることができる。トルエンジイソシアナートとしては2,4−トルエンジイソシアナートが好ましいが、この他に2,4−トルエンジイソシアナートと2,6−トルエンジイソシアナートの混合物が一般に市販されており、安価に入手することが可能であるがこれでもよい。
【0122】
顕色剤としてのウレアウレタン化合物の出発物質であるイソシアナートと反応させ、ウレア基を形成させるアミン化合物としては、アミノ基を有する化合物であれば何でもよいが、例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチル
アニリン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、α−ナフチルアミン、アミノアントラセン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N−ブチルアニリン、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、アセト酢酸アニリド、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル、p−アミノ安息香酸イソプロピル、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、4−(N−メチル−N−アセチルアミノ)アニリン、2,5−ジエトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2,5−ジメトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−
クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´−ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルスルホン、3,3´,4,4´−テトラアミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾニトリル、4−フェノキシアニリン、3−フェノキシアニリン、4,4´−メチレンビス−O−トルイジン、4,4´−(p−フェニレンイソプロピリデン)−ビス−(2,6−キシリジン)、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロ−p−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、メトール、2,4−ジアミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−o−アミノフェノール硫酸塩、スルファニル酸、メタニル酸、4B酸、C酸、2B酸、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオリド、m−トルイレンジアミン、2−アミノチオフェノール、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル、ジフェニルアミン、p−アミノジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸、ベンジルエチルアニリン、1,8−ナフタレンジアミン、ナフチオン酸ソーダ、トビアス酸、H酸、J酸、フェニルJ酸、1,4−ジアミノ−アントラキノン、1,4−ジアミノ−2,3−ジクロロアントラキノン等の芳香族アミン類、さらに3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−S−トリアジン、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,3,5−トリアミノピリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン等の複素環化合物アミン類、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ステアリルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エタノールアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、t−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、メチルヒドラジン、1−メチルブチルアミン、メタンジアミン、1,4−ジアミノブタン、シクロヘキサンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−ブロモエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシメチルアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノブタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2−アミノエタンチオール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類などが挙げられる。
【0123】
さらに上記アミン化合物の中でも特に下記式(VIII)の如き少なくとも1個のアミノ基を有するアニリン誘導体好ましい。
【0124】
【化71】

(式中、R、R、R及びRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコシキ基又はアミノ基を表し、X及びXは各々独立して、アミノ基又は式(b)で示される基を表し、
【0125】
【化72】

は−SO−、−O−、−(S)−、−(CH−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される基のいずれか、
【0126】
【化73】

又は存在しない場合を示す。nは1又は2である。)
【0127】
またイソシアナートと反応させウレタン基を形成させるOH基含有化合物としてはOH基を有する化合物であれば何でもよいが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、4−フェニルフェノール、p,p´−ビフェノール、4−クミルフェノ
ール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−(2−ヒドロキシ)フェニル)スルホン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸メチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のフェノール類が挙げられる。ただし、これらのフェノール類としてアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。またメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソプロパノール、イソブタノール、インペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、2−ペンタノール、3−ヘキサノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オール、ベンジルアルコール、4−ピリジンメタノール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロペンタノール、2−クロロエタノール、1−クロロ−3−ヒドロキシプロパン、グリセリン、グリセロール等のアルコール類、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、シュークローズ等のポリオール類が挙げられる。
【0128】
本発明の第4に係る顕色剤としてのウレアウレタン化合物としては、本発明の第1のウ
レアウレタン化合物を用いることができる。その合成方法については、既に本発明の第1の説明で詳述した通りである。
【0129】
本発明の第5に係る顕色剤としてのウレアウレタン化合物としては、本発明の第2の一般式(I)〜(VI)のウレアウレタン化合物、及び一般式(VII)のウレアウレタン化合物を用いることができる。一般式(I)〜(VI)のウレアウレタン化合物の合成方法については、既に本発明の第2の説明で詳述した通りであるが、一般式(VII)のウレアウレタン化合物の合成法については、特に限定はないが、例えば一般式(IX)のOH基含有化合物と一般式(XII)のイソシアナート化合物及び一般式(XI)のアミン化合物とを、例えば下記反応式(L)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0130】
【化74】

【0131】
なお、一般式(VII)のウレアウレタン化合物のウレタン基と結合しているXの置換基としては、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アミド基、アルコキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、アセチル基、ハロゲン原子、ホルミル基、ジアルキルアミノ基、イソシアナト基が好ましい。
これら一般式(I)〜(VII)の顕色剤としてのウレアウレタン化合物のうち、好ましいものは一般式(II)〜(VI)の化合物であり、特に好ましいものは一般式(V)〜(VI)の化合物である。
【0132】
また、発明の第3に係る顕色剤としてのウレアウレタン化合物及び式(I)〜(IV)及び(VII)の顕色剤としてのウレアウレタン化合物においては、ウレア基又はウレタン基と結合している残基が脂肪族化合物残基の場合、発色濃度及び印字保存性能が低下することがあり、ウレア基又はウレタン基と結合している残基は、芳香族化合物残基又は複素環化合物残基であることが好ましい。しかし、脂肪族化合物残基が化合物中に導入されることによって生じる可能性のある発色濃度及び印字保存性能の低下は、ウレア基とウレタン基の数が増えることによって軽減され、式(III)、式(IV)の化合物ではウレア基あるいはウレタン基と結合している残基の中に脂肪族化合物残基が存在しても性能上の問題はほとんど生じない。
【0133】
本発明の顕色剤としてのウレアウレタン化合物は、通常常温固体の無色又は淡色の化合物である。
本発明の顕色剤としてのウレアウレタン化合物の分子量は5000以下であることが好ましく、さらには2000以下であることが好ましい。
本発明の顕色剤としてのウレアウレタン化合物中のウレア基及びウレタン基の数は合わせて20以下であることが好ましく、さらには10以下であることが好ましい。また、当該ウレアウレタン化合物分子構造中のウレア基とウレタン基の比率は、1:3〜3:1が好ましく、特に1:2〜2:1が好ましい。
【0134】
また感熱記録材料においては融点を持った化合物の方が好ましく、本発明の顕色剤としてのウレアウレタン化合物の融点は好ましくは40℃から500℃、特に好ましくは60℃から300℃の範囲にある。
顕色剤としてのウレアウレタン化合物を用いて記録材料を作成するに当たっては当該ウレアウレタン化合物の1種類又は必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
本発明の無色又は淡色の染料前駆体は、既に感圧記録材料や感熱記録材料に用いられる発色剤として公知の化合物であり、特に限定されるものではないが、電子供与性染料前駆体が好ましく、更にはロイコ染料が好ましく、特にトリアリールメタン系ロイコ染料、フルオラン系ロイコ染料、フルオレン系ロイコ染料、ジフェニルメタン系ロイコ染料などが好ましい。以下に代表的な染料前駆体を例示する。
【0135】
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニール−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等。
【0136】
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
【0137】
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等。
【0138】
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等。
【0139】
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等である。
【0140】
また、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジブチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジブチルアミノフタリド)、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7,−テトラクロロフタリド等の近赤外に吸収領域を持つ化合物等である。
【0141】
無色又は淡色の染料前駆体100重量部に対し顕色剤としてのウレアウレタン化合物は5〜1000重量部使用することが好ましく、さらに好ましくは20〜500重量部である。顕色剤としてのウレアウレタン化合物が5重量部以上であれば染料前駆体を発色させるには十分であり、発色濃度も高い。また、顕色剤としてのウレアウレタン化合物が1000重量部以下であれば、過剰の顕色剤としてのウレアウレタンの化合物が残りにくく、経済的にも有利であり好ましい。
【0142】
本発明の発色剤に、さらにイソシアナート化合物を加えることにより保存性が向上する。本発明の発色剤に加えて用いられるイソシアナート化合物とは、常温固体の無色又は淡色の芳香族イソシアナート化合物又は複素環イソシアナート化合物を指し、例えば、下記のイソシアナート化合物の1種以上が用いられる。
2,6−ジクロロフェニルイソシアナート、p−クロロフェニルイソシアナート、1,3−フェニレンジイソシアナート、1,4−フェニレンジイソシアナート、1,3−ジメチルベンゼン−4,6−ジイソシアナート、1,4−ジメチルベンゼン−2,5−ジイソシアナート、1−メトキシベンゼン−2,4−ジイソシアナート、1−メトキシベンゼン−2,5−ジイソシアナート、1−エトキシベンゼン−2,4−ジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,5−ジエトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,5−ジブトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、アゾベンゼン−4,4´−ジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,4´−ジイソシアナート、ナフタリン−1,4−ジイソシアナート、ナフタリン−1,5−ジイソシアナート、ナフタリン−2,6−ジイソシアナート、ナフタリン−2,7−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−ビフェニル−4,4´−ジイソシアナート、3,3´−ジメトキシビフェニル−4,4´−ジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアナート、ジフェニルジメチルメタン−4,4´−ジイソシアナート、ベンゾフェノン−3,3´−ジイソシアナート、フルオレン−2,7−ジイソシアナート、アントラキノン−2,6−ジイソシアナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、ピレン−3,8−ジイソシアナート、ナフタレン−1,3,7−トリイソシアナート、ビフェニ
ル−2,4,4´−トリイソシアナート、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4´,4´´−トリイソシアナトトリフェニルアミン、p−ジメチルアミノフェニルイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオホスファート等がある。これらのイソシアナートは、必要に応じて、フェノール類、ラクタム類、オキシム類等との付加化合物である、いわゆるブロックイソシアナートの形で用いてもよく、ジイソシアナートの2量体、例えば1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアナートの2量体、及び3量体であるインシアヌレートの形で用いてもよく、また、各種のポリオール等でアダクト化したポリイソシアナートとして用いることも可能である。また2,4−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の水アダクトイソシアナート、例えば、1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレアやポリオールアダクト、例えばトルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト(商品名デスモジュールL)やフェノールアダクトイソシアナート、アミンアダクトイソシアナート等、特開平10−76757号明細書、特開平10−95171号明細書記載のイソシアナート化合物及びインシアナートアダクト体化合物でもよい。
【0143】
無色又は淡色の染料前駆体100重量部に対しイソシアナート化合物は5〜500重量部使用することが好ましく、さらに好ましくは20〜200重量部である。イソシアナート化合物が5重量部以上で保存性の向上効果が十分であり、発色濃度も高い。また、イソシアナート化合物が500重量部以下で、過剰のインシアナート化合物が残りにくく、経済的にも有利であり好ましい。
またこれにイミノ化合物を加えることにより一層保存性が向上する。
【0144】
本発明の発色剤に加えることができるイミノ化合物とは、少なくとも1個のイミノ基を有する化合物で、常温固形の無色又は淡色の化合物である。目的に応じて2種以上のイミノ化合物を併用することも可能である。これらのイミノ化合物の例としては、特開平9−142032号公報に記載のものを挙げることができ、該公報の内容は参照することにより本明細書中に取り込まれている。これらの中でも特に、イミノイソインドリン誘導体が好ましく、さらに、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン、3−イミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン−1−オン、1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラブロモイソインドリンが好ましい。
【0145】
無色又は淡色の染料前駆体100重量部に対しイミノ化合物は5〜500重量部使用することが好ましく、さらに好ましくは20〜200重量部である。イミノ化合物が5重量部以上であれば保存性の向上効果が発揮される。また、イミノ化合物が500重量部以下であれば、過剰のイミノ化合物が残りにくく、経済的にも有利であり好ましい。
さらに本発明の発色剤にアミノ化合物を加えることにより地肌及び印字の保存性が向上する。加えることができるアミノ化合物とは、少なくとも1個の1級又は2級又は3級のアミノ基を有する無色又は淡色の物質である。これらのアミノ化合物の例としては、特開平9−142032号公報に記載のものを挙げることができる。これらの中でも特に下記式(VIII)の如き少なくとも1個のアミノ基を有するアニリン誘導体が好ましい。
【0146】
【化75】

(式中、R、R、R及びRは、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコシキ基又はアミノ基を表し、X及びXはアミノ基又は式(b)で示される基を表し、
【0147】
【化76】

は−SO−、−O−、−(S)−、−(CH−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される基のいずれか、
【0148】
【化77】

又は存在しない場合を示す。nは1又は2である。)
【0149】
アミノ化合物は、単独でも、あるいは二種以上を混合して使用してもよく、耐可塑剤性における印字保存性を向上させるためには無色又は淡色の染料前駆体100重量部に対して1〜500重量部であることが好ましい。アミノ化合物の含有量が、ウレアウレタン化合物に対して1重量部以上であれば印字保存性の向上が得らる。また、500重量部以下であれば、性能の向上は十分でコスト的にも有利である。
本発明の発色剤において、さらに酸性顕色剤を加えることにより感度が向上し鮮明な発色の発色剤が得られる。
【0150】
本発明の発色剤を感熱記録材料として使用する場合の酸性顕色剤としては、一般に使用される電子受容性の物質が用いられ、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体又はその金属化合物、サリチル酸誘導体又はその金属塩、N,N−ジアリールチオ尿素誘導体、スルホニルウレア誘導体等が好ましい。特に好ましいものはフェノール誘導体であり
、具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリルなどを挙げることができる。またサリチル酸誘導体として4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクオクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等も挙げられる。またスルホニルウレア誘導体の例として4,4−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4−ビス(o−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルフィド、4,4−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテル、N−(p−トルエンスルホニル)−N´−フェニル尿素等のアリールスルホニルアミノウレイド基を一個以上含有する化合物も挙げられる。
【0151】
更に、地肌被りや熱応答性等の向上のために、N−ステアリル−N´−(2−ヒドロキシフェニル)ウレア、N−ステアリル−N´−(3−ヒドロキシフェニル)ウレア、N−ステアリル−N´−(4−ヒドロキシフェニル)ウレア、p−ステアロイルアミノフェノール、o−ステアロイルアミノフェノール、p−ラウロイルアミノフェノール、p−ブチリルアミノフェノール、m−アセチルアミノフェノール、o−アセチルアミノフェノール、p−アセチルアミノフェノール、o−ブチルアミノカルボニルフェノール、o−ステアリルアミノカルボニルフェノール、p−ステアリルアミノカルボニルフェノール、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−エチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、1,2,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−テトラ(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラ(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン等のフェノール化合物を添加することも可能である。
【0152】
無色又は淡色の染料前駆体100重量部に対し、上記の酸性顕色剤は5〜500重量部
使用することが好ましく、さらに好ましくは20〜200重量部である。酸性顕色剤が5重量部以上であれば、染料前駆体の発色が良く、発色濃度も高い。また、酸性顕色剤500重量部以下であれば、酸性顕色剤が残りにくく、経済的にも有利であり好ましい。
【0153】
本発明の発色剤を感圧記録材料として使用する場合も、酸性顕色剤を加えることによって画像濃度が向上し鮮明な発色の感圧記録材料が得られるようになる。
その酸性顕色剤としては、やはり電子受容性の物質が用いられるが、その例としては、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ベンナイト、ゼオライト、コロイダルシリカ、ケイ酸マグネシウム、タルク、ケイ酸アルミニウム等の無機化合物、又はフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、オクチルフェノール、フェニルフェノール、クロロフェノール、サリチル酸等、又はこれから誘導されるアルデヒド縮合ノボラック樹脂及びそれらの金属塩、3−イソプロピルサリチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシルサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−t−オクチルサリチル酸、3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3,5−ジ(α、α−ジメチルベンジル)サリチル酸、3−フェニル−5−(α、α−ジメチルベンジル)サリチル酸等のサリチル酸誘導体及びこれらの金属塩等が挙げられる。
【0154】
本発明の発色剤を、塗布などの方法で何らかの支持体上に発色層を形成せしめることにより、記録材料とすることができる。その構成は記録材料の種類によって異なる。
本発明の発色剤は、感熱記録材料、感圧記録材料など種々の記録材料として使用することができるが、特に感熱記録材料として好適である。
【0155】
記録材料が感熱記録材料である場合は、支持体上に加熱発色する感熱記録層を設ける。具体的には、上記のウレアウレタン化合物、ロイコ染料の如き無色又は淡色の染料前駆体、後記の熱可融性物質等を分散液の形にして他の必要な成分とともに支持体上に塗工し感熱記録層とする必要がある。分散液の調製は、これらのそれぞれの化合物の1種又は複数種を、水溶性高分子、界面活性剤など分散能を持つ化合物を含有する水溶液中でサンドグラインダー等で微粉砕することにより得られる。各分散液の粒子径は、0.1〜10μm、特に1μm前後とすることが好ましい。本発明で用いることができる分散能を持つ化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性高分子、縮合ナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム)、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、アルキルリン酸塩(例えば、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム)、特殊カルボン酸型高分子などのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、ジシアンアミドポリアミン、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも特にポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、メチルセルロースが好ましい。これらは、単独でも混合しても使用できる。特にウレアウレタン化合物を水性媒体中で湿式粉砕する際には、水性媒体の液温を60℃以下に維持し、pHが5〜10の中性領域で粉砕することが望ましい。また、ウレアウレタン化合物、無色又は淡色の染料前駆体を含有する塗液のpHは5〜12であることが好ましい。
【0156】
その他、感熱記録層には顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等を含有させることもできる。また、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止などの目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、さらに界面活性剤、蛍光染料等も必要に応じて含有させることができる。
【0157】
感熱記録層の形成に用いることができるバインダーとしては、例えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性バインダー、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体などのラテックス系水不溶性バインダー等が挙げられる。
【0158】
感熱記録層の支持体としては、紙が主として用いられるが、紙の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、ラミネート紙、合成紙、金属箔、又はこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。感熱記録層は単一の層で構成されていても複数で構成されていてもよい。例えば、各発色成分を一層ずつに含有させ、多層構造としてもよい。また、この感熱記録層上に、1層又は複数の層からなる保護層を設けてもよいし、支持体と感熱記録層の間に、1層又は複数の層からなる中間層を設けてもよい。この感熱記録層は、各発色成分又はその他の成分を微粉砕して得られる各々の水性分散液とバインダー等を混合し、支持体上に塗布、乾燥することにより得ることができる。塗布量は塗布液が乾燥した状態で1〜15g/mが好ましい。
【0159】
本発明の発色剤を感熱記録材料として使用する場合は、その感度を向上させるために、発色剤に熱可融性物質を含有させることができる。熱可融性物質は60℃〜180℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜140℃の融点を有するものが好ましい。例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、β−ナフチルベンジルエーテル、N−ステアリルウレア、N,N´−ジステアリルウレア、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール(p−メチルベンジル)エーテル、1,4−ジメトキシナフタレン、1−メトキシ−4−ベンジルオキシナフタレン、N−ステアロイルウレア、p−ベンジルビフェニル、1,2−ジ(m−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジメチルテレフタレート、メタターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸(p−クロロベンジル)エステル等が挙げられる。さらに、4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、4,4´−ジフルオロベンゾフェノン、ジフェニルスルホン、4,4´−ジクロロジフェニルスルホン、4,4´−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4´−ジクロロジフェニルジスルフィド、ジフェニルアミン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、1−(N−フェニルアミノ)ナフタレン、ベンジル、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンシオン等を用いてもよい。
これらのうち、好ましくはジフェニルスルホンが用いられる。
【0160】
前記熱可融性物質は、単独でも、又は二種以上を混合して使用してもよく、十分な熱応答性を得るためには、無色又は淡色の染料前駆体100重量部に対して10〜300重量部用いることが好ましく、さらに、20〜250重量部用いることがより好ましい。
記録材料が感圧記録材料である場合は、例えば、米国特許第2505470号公報、同2712507号公報、同2730456号公報、同2730457号公報、同3418250号公報等に開示されているような形態をとることができる。すなわち、染料前駆体を単独、又は、混合して、アルキル化ナフタレン、アルキル化ジフェニル、アルキル化ジフェニルメタン、アルキル化ジアリールエタン、塩素化パラフィン等の合成油、また、植物油、動物油、鉱物油等の単独又は混合物からなる溶媒に溶解し、これをバインダー中に分散するか、又はマイクロカプセル中に含有させた分散液を支持体上にバインダー等と共に塗布することにより得られる上用紙と、ウレアウレタン化合物(及びアミノ化合物及び/又は顕色剤等)の分散液を塗布した下用紙の塗布面どうしを重ね合わせた感圧記録紙や、さらに片面にウレアウレタン化合物の分散液を塗布し、もう一面に染料前駆体を塗布した中用紙を、上記の上用紙と下用紙の間に挟んだ感圧記録紙、又は、支持体の同一面に上記ウレアウレタン化合物(及びアミノ化合物及び/又は顕色剤)の分散液と上記染料前駆体を含む分散液を混合、あるいは多層に塗布したセルフタイプ、又は、染料前駆体、ウレアウレタン化合物(及びアミノ化合物及び/又は顕色剤等)の何れをもマイクロカプセル化して混合塗布したセルフタイプ等種種の形態が可能である。
【0161】
マイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号公報、同2800458号公報に開示されたコアセルベーション法、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報、同42−771号公報等に開示された界面重合法、特公昭36−9168号公報、特公昭51−9079号公報等に開示されたin−situ法、英国特許第952807号公報、同96−5074号公報等に開示された融解分散冷却法、米国特許第311140号公報、英国特許第930422号公報等に開示されたスプレードライング法などが採用できる。
上記各公報等における染料前駆体と顕色剤に、本発明の発色剤が対応する。
【0162】
感圧記録層の形成にあたっては、ウレアウレタン化合物等の各成分をそれぞれ溶媒に溶解して用いるか、又は分散して用いればよい。また、アミノ化合物及び/又は顕色剤を含めた発色系では、それぞれ単独で用いるか、ウレアウレタン化合物とアミノ化合物を併用し、必要により顕色剤も併用して溶媒に溶解又は分散して用いればよい。
なお、マイクロカプセルの形成において用いる前記の界面重合法では、油性と水溶性の2種類のモノマーを用いて界面で皮膜を形成させる。例えば、油相に多塩基酸クロリドを、水相に多価アミンを用いて界面にポリアミドの皮膜を、また、水相に多価ヒドロキシ化合物を用いてポリエステルの皮膜を、さらに油相に多価イソシアナートを用いた時、水相に多価アルコール、多価フェノールを用いてポリウレタンの皮膜を、また、水相に多価アミンを用いるとポリウレアの皮膜を形成させる方法が知られている。このようにマイクロカプセル製造に界面重合法を用いると、皮膜形成のために反応性モノマーの一つとして、イソシアナート化合物を使用する場合がある。
【0163】
この場合、該イソシアナート化合物はマイクロカプセルの被膜形成に消費されるものであって、直接発色画像に関与するものではなく、また、他の水溶性モノマーの使用が必須であり、これらの点で本発明で使用されるイソシアナート化合物の使用と区別されるものである。
マイクロカプセル化をしない化合物の分散液の調製は、それぞれの化合物の1種又は複数種を、水溶性高分子、界面活性剤など分散能を持つ化合物を含有する水溶液中で微粉砕することにより得られる。また、ウレアウレタン化合物はアミノ化合物、酸性顕色剤と同時に分散させてもよい。
【0164】
感圧記録材料に用いる支持体としては、紙が主として用いられるが、紙の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、ラミネート紙、合成紙、金属箔、又はこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。
バインダーとしては、通常用いられる種々のバインダーを用いることができるが、例えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性バインダー、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体などのラテックス系水不溶性バインダー等が挙げられる。
【0165】
さらに本発明に係る記録材料においては、ヒンダードフェノール化合物又は紫外線吸収剤を記録層に含んでもよい。例えば1,1,3−トリス(3´−シクロヘキシル−4´ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4´−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェル)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、p−オクチルフェニルサリシレート、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3´−ジフェニルアクリレート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボナートなどである。
【実施例】
【0166】
以下実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
なお、各物質の分析、各物性の評価は以下の方法で行った。
<IRスペクトル>
島津製FTIR−8100Mを用い拡散反射法にて測定した。
<マススペクトル>
日本電子製JMS−HX100を用い、マトッリクスはニトロベンジルアルコール、
1次ガスはキセノンを用いて測定した。
【0167】
<感熱紙発色感度>
大倉電機製印字試験機で、サーマルヘッドは京セラ製KJT−256−8MGF1を
用いて印可電圧24Vパルス幅1.5msecでの発色濃度を光学濃度計で測定した。
<耐可塑剤性>
感熱記録材料を塩化ビニルラップ又は塩化ビニルファイルにはさみ、上から300g/cmの荷重をかけ、40℃に24時間放置して、放置後に印字部及び未印字部(地肌)の濃度を目視評価し、印字濃度の消色の少ないものを印字保存性良好とした。
【0168】
<耐熱性>
感熱記録材料を60℃、25%RHの環境下に24時間放置して印字の退色濃度を目視評価し、退色の少ないものを印字保存性良好とした。
また、感熱記録材料を80℃、25%RHの環境下に24時間放置して印字の退色濃度を目視評価し、退色の少ないものを印字保存性良好とした。また、地肌部の発色濃度を目視評価し、発色の少ないものを地肌保存性良好とした。
【0169】
<感圧紙発色濃度>
上用紙と下用紙の塗布面を対向するように重ね合わせて加圧し、下用紙上に発色画像を得た。発色画像の濃度を濃度計マクベスRD917を用いて測定した。
<耐溶剤性>
発色濃度の評価で得た発色画像部にハンドクリーム(製品名:アトリックス(花王(株)社製))を薄く塗布し常温にて7日間放置後に印字部の濃度を目視評価し、印字濃度の
消色の少ないものを印字保存性良好とした。
【0170】
参考例1
2,4−トルエンジイソシアナート88.2gに溶媒としてメチルエチルケトン124gとジメチルホルムアミド15gを加え、これに4,4´−ジアミノジフェニルスルホン6.3gをメチルエチルケトン25gとジメチルホルムアミド3gで希釈して滴下し、25℃で8時間反応させた。反応後、メチルエチルケトンを濃縮除去した後トルエンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物10.0gを得た。次にこの化合物8.4gを取りフェノール33gとメチルエチルケトン180gを加え、さらにトリエチルアミン8.5mgを加えた後、25℃で7時間反応させた。反応後、トルエンを加え析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物10.0gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:990cm−1、1110cm−1、1320cm−1、1590cm−1、1700cm−1、3350cm−1に特性ピークが現れた。IRスペクトルを図1に示す。
マススペクトル測定の結果:m/z785に[M+H]が検出された。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−24)と推定される。
【0171】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール(ゴーセランL−3266(商品名)、日本合成化学工業(株)製)水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。分散直後の分散液の液温は25℃であった。また、この化合物の分散粒子径は0.9μmであった。
また、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
また、ジフェニルスルホン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
また、炭酸カルシウム10gを水30gと混合してスターラーで撹拌分散して、分散液を得た。
【0172】
これらの分散液を上記化合物分散液の乾燥固形分20重量部、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン分散液の乾燥固形分10重量部、ジフェニルスルホン分散液の乾燥固形分25重量部、炭酸カルシウム分散液の乾燥固形分40重量部、さらに固形分濃度16重量%のステアリン酸亜鉛分散液の乾燥固形分20重量部、さらに15重量%ポリビニルアルコールの乾燥固形分15重量部の割合(乾体基準)で撹拌混合して塗液を得た。
この塗液を50g/mの秤量をもつ原紙上にバーコーターのロッド番号10番で塗布し、乾燥後スーパーカレンダーで処理して感熱記録材料を得た。
感度の評価結果は光学濃度1.3と良好であった。
地肌の熱による変色の度合い(耐熱性)の評価結果は変色が少なく良好であった。また、印字部の熱による退色も少なく良好であった。塩化ビニルラップによる耐可塑剤性の評価結果は変色が少なく良好であった。結果をまとめて表1に示す。
【0173】
参考例2
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてメチルエチルケトン57gを加え、これに4,4´−ジアミノジフェニルスルホン2.15gをメチルエチルケトン12gで希釈して滴下し、50℃で6時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後トルエン
を加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物4.1gを得た。次にこの化合物3.0gを取りフェノール11.8gとメチルエチルケトン78gを加え、さらにトリエチルアミン3mgを加えた後、25℃で4時間反応させた。反応後、トルエンを加え析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物3.9gを得た。この白色結晶のIR測定の結果は参考例1と同じであった。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−24)と推定される。
【0174】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール(ゴーセノールKL−05(商品名)、日本合成化学工業(株)製)水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、ジフェニルスルホンの代わりにp−ベンジルビフェニルを用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0175】
参考例3
2,4−トルエンジイソシアナート31.5gを60℃で撹拌しておき、これに4,4´−ジアミノジフェニルスルホン21.5gをメチルエチルケトン120mlで希釈して4時間で滴下し、引き続き60℃で2時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後トルエンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物47gを得た。次にこの化合物30gを取りフェノール9.5gとメチルエチルケトン95mlを加え、さらにトリエチルアミン30mgを加えた後、25℃で4時間反応させた。反応後、トルエンを加え析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物38.5gを得た。この白色結晶のIR測定の結果は参考例1と同じであった。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−24)と推定される。
【0176】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0177】
参考例4
2,4−トルエンジイソシアナート10.4gに溶媒としてメチルエチルケトン20gを加え、これに4,4´−ジアミノジフェニルスルホン3.7gをメチルエチルケトン30gで希釈して滴下し、常温で20時間反応させた。反応後、メチルエチルケトンを濃縮除去した後トルエンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物8.8gを得た。次にこの化合物4gを取りフェノール15gを加え、さらにジブチルチンジラウレートを若干量加えた後、50℃で4時間反応させた。反応後、トルエンを加え析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物5.2gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−24)と推定される。
【0178】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%メチルセルロース水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、ジフェニルスルホンの代わりにベンジルオキシナフタレンを用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0179】
参考例5
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物2gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを加えこれに4,4´−ジアミノジフェニルスルホン0.9gを加え50℃で22時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.3gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:550cm−1、1030cm−1、1110cm−1、1150cm−1、1590cm−1、1700cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−22)と推定される。
【0180】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、ジフェニルスルホンの代わりにシュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステルを用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0181】
参考例6
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物2gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを加えこれに3,3´−ジアミノジフェニルスルホン0.9gを加え50℃で22時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.5gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:620cm−1、880cm−1、1030cm−1、1300cm−1、1590cm−1、1700cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−19)と推定される。
【0182】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、ジフェニルスルホンの代わりにベンジルを用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0183】
参考例7
2,4−トルエンジイソシアナート10.4gに溶媒としてメチルエチルケトン20gを加え、これに3,3´−ジアミノジフェニルスルホン3.7gをメチルエチルケトン30gで希釈して滴下し、15℃で3時間反応させた。析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.3gを得た。次にこの化合物3.0gを取りフェノール15gを加え、さらにジブチルチンジラウレートを3mgを加えた後、50℃で3時間反応させた。反応後、反応液にヘキサンを加え析出した結晶を濾過により回収後洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物3.3gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:520cm−1、880cm−1、1030cm−1、1430cm−1、1590cm−1、1710cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−21)と推定される。
【0184】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイ
ントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、ジフェニルスルホンの代わりに1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0185】
参考例8
2,4−トルエンジイソシアナート27.8gに溶媒としてトルエン111gを加え、これにトルエン37gに溶解したアニリン7.4gを滴下して加え、10℃で8時間反応させた。反応後、析出した白色の固体を濾過により回収後、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物20.0gを得た。次にこの化合物6.6gを取り溶媒としてジメチルホルムアミド20gを加え、これに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2.7gを加え、15℃で5時間反応させた。反応後、反応液にアセトン8gを加え、さらに水160gを加えて析出した結晶を濾過により回収後、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物9.3gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:750cm−1、840cm−1、1020cm−1、1500cm−1、1600cm−1、1720cm−1、3320cm−1に特性ピークが現れた。IRスペクトルを図2に示す。
マススペクトル測定の結果:m/z763に[M+H] が検出された。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−30)と推定される。
【0186】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0187】
参考例9
2,4−トルエンジイソシアナート12.2gに溶媒としてトルエン90gを加え、これにトルエン30gに溶解したアニリン5.2gを滴下して加え、5℃で7時間反応させた。反応後、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物14gを得た。次にこの化合物4.3gを取り溶媒としてトルエン60gを加え、これに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.73gとトリエチルアミン0.043mgを加え、70℃で8時間反応させ、さらに80℃に昇温し1時間反応させた。反応後、反応液を室温まで冷却し、析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.0gを得た。この白色結晶のIR測定の結果は参考例8と同じであった。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−30)と推定される。
【0188】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0189】
参考例10
2,4−トルエンジイソシアナート61gに溶媒としてトルエン450gを加え、これにトルエン150gに溶解したアニリン26gを6時間で滴下して加え、5℃で7時間反応させた。反応後、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物70gを得た。次にこの化合物30gを取り溶媒としてトル
エン365gを加え、これに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン12.2gとトリエチルアミン0.3mgを加え、撹拌しながら60℃で4時間、続いて70℃で3時間、さらに昇温して80℃で3時間反応させた。反応後、反応液を室温まで冷却し、析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物42gを得た。この白色結晶のIR測定の結果は参考例8と同じであった。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−30)と推定される。
【0190】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0191】
参考例11
2,4−トルエンジイソシアナート27.8gに溶媒としてトルエン111gを加え、これにトルエン37gに溶解したアニリン7.4gを滴下して加え、10℃で8時間反応させた。反応後、析出した白色の固体を濾過により回収後、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物20.0gを得た。次にこの化合物2.8gを取り溶媒としてトルエン65gを加え、これに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.14gとジブチルチンジラウレート2.7mgを加え、60℃で7時間反応させた。反応後、反応液を濃縮した後、アセトンを加え、さらに水160gを加えて析出した結晶を濾過により回収後、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物3.5gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−30)と推定される。
【0192】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0193】
参考例12
2,4−トルエンジイソシアナート27.8gに溶媒としてトルエン111gを加え、これにトルエン37gに溶解したアニリン7.4gを滴下して加え、10℃で8時間反応させた。反応後、析出した白色の固体を濾過により回収後、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物20.0gを得た。次にこの化合物4.7gを取り溶媒としてメチルエチルケトン30gを加え、これに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.0gとジブチルチンジラウレート4.7mgを加え、75℃で4時間反応させた。反応後、反応液を濃縮した後、アセトンを加え、さらに水160gを加えて析出した結晶を濾過により回収後、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物3.0gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−30)と推定される。
【0194】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0195】
参考例13
2,4−トルエンジイソシアナート19.5gに溶媒としてトルエン155gを加え、これに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.2gを加え、80℃で12
時間反応させた。反応後、反応液を−20℃に冷却し析出した白色の固体を濾過により回収後、クロロベンゼンに溶解し、ヘキサンを加え析出した結晶を濾過により回収後、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物8.0gを得た。次にこの化合物4gを取り溶媒としてトルエン50gを加え、これにアニリン4gを加え、25℃で24時間反応させた。反応後、析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物5.0gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:750cm−1、1840cm−1、1020cm−1、1500cm−1、1600cm−1、1720cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−32)と推定される。
【0196】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0197】
参考例14
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物1.5gを取り溶媒としてトルエンを加えこれに2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン1.44gを加え50℃で16時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.3gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:750cm−1、840cm−1、1020cm−1、1500cm−1、1600cm−1、1700cm−1、3320cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−13)と推定される。
【0198】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0199】
参考例15
2,4−トルエンジイソシアナート40gに溶媒としてトルエン100gを加え、これにアニリン4.28gをトルエン40gで希釈して滴下し、5℃で1時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物12.2gを得た。次にこの化合物4gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを40g加え、これにフェノール4.23gをメチルエチルケトン10gで希釈して加え90℃で3時間反応した後、5℃で6日間冷却後析出した結晶を濾過により回収し、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.58gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。IR測定の結果:880cm−1、1000cm−1、1040cm−1、1440cm−1、1720cm−1、1720cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−1)と推定される。
【0200】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以
外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0201】
実施例1
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。
次にこの化合物5.4gを取り溶媒としてトルエンを加えこれに水0.9gを加え、さらにジブチルチンジラウレートを若干量加え常温で10時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.1gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:990cm−1、1030cm−1、1300cm−1、1480cm−1、1540cm−1、1720cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−17)と推定される。
【0202】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0203】
参考例16
2,4−トルエンジイソシアナート40gに溶媒としてトルエン100gを加え、これにアニリン4.28gをトルエン40gで希釈して滴下し、5℃で1時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物12.2gを得た。次にこの化合物5gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを40g加え、さらにジブチルチンラウレートを5mg加えた。これにp−メトキシフェノール2.58gをメチルエチルケトン10gで希釈して加え90℃で6時間反応した後、反応液をヘキサンに投入し、析出した結晶を濾過により回収し、一晩真空乾燥して白紫色結晶の化合物3.7gを得た。この白紫色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:840cm−1、1040cm−1、1440cm−1、1720cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−3)と推定される。
【0204】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0205】
参考例17
2,4−トルエンジイソシアナート40gに溶媒としてトルエン100gを加え、これにアニリン4.28gをトルエン40gで希釈して滴下し、5℃で1時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物12.2gを得た。次にこの化合物5gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを40g加え、さらにジブチルチンラウレートを5mg加えた。これにp−クレゾール2.22gをメチルエチルケトン10gで希釈して加え90℃で6時間反応した後、反応液をヘキサンに投入し、析出した結晶を濾過により回収し、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物3.7gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:880cm−1、1000cm−1、1040cm−1、1500cm−1、1720cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−4)と推定される。
【0206】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0207】
参考例18
2,4−トルエンジイソシアナート40gに溶媒としてトルエン100gを加え、これにp−メトキシアニリン5.66gをトルエン40gで希釈して滴下し、10℃で1時間反応させた。反応後析出した白紫色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白紫色結晶の化合物13.4gを得た。次にこの化合物5gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを65g加え、さらにジブチルチンラウレートを5mg加えた。これにフェノール2.37gをメチルエチルケトン15gで希釈して加え90℃で4時間反応した後、反応液を濃縮し、5℃で1日間冷却後析出した結晶を濾過により回収し、一晩真空乾燥して白紫色結晶の化合物2.50gを得た。この白紫色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:820cm−1、1030cm−1、1420cm−1、1730cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−6)と推定される。
【0208】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0209】
参考例19
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物5.0gを取り溶媒としてトルエン100gを加えこれにアニリン3.50gを加え25℃で3時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物5.5gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:890cm−1、1000cm−1、1030cm−1、1440cm−1、1720cm−1、3350cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−8)と推定される。
【0210】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0211】
参考例20
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これに
フェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物5.0gを取り溶媒としてトルエン100gを加えこれにp−トルイジン3.00gを加え25℃で3時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物5.5gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:870cm−1、1000cm−1、1030cm−1、1460cm−1、1720cm−1、3350cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−10)と推定される。
【0212】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
また、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグライダー(ベッセル用量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、さらに塗液に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン分散液を乾燥固形分10重量部の割合で加えた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0213】
参考例21
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物5.0gを取り溶媒としてトルエン100gを加えこれにp−クロロアニリン3.58gを加え25℃で6時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白紫色結晶の化合物7.0gを得た。この白紫色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:870cm−1、1030cm−1、1390cm−1、1540cm−1、1720cm−1、3350cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−11)と推定される。
【0214】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、3−ジブチルアミノ−6−メチル−アニリノフルオランの代わりにクリスタルバイオレットラクトンを用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0215】
参考例22
ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアナート10gに溶媒としてメチルエチルケトン120gを加え、これにアニリン3.72gをメチルエチルケトン15gで希釈して滴下し、25℃で3時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物11.8gを得た。次にこの化合物5gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを80g加え、これにフェノール2.06gをメチルエチルケトン15gで希釈して加え70℃で8時間反応した後、反応液を濃縮・冷却し、析出した結晶を濾過により回収し、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.7gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:890cm−1、1030cm−1、1420cm−1、1720cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−15)と推定される。
【0216】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
また、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、さらに塗液に4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン分散液を乾燥固形分10重量部の割合で加えた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0217】
参考例23
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物2.0gを取り溶媒としてトルエン30gを加え、これにパラフェニレンジアミン0.41gを加え50℃で10時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.3gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:840cm−1、1000cm−1、1200cm−1、1640cm−1、1720cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−28)と推定される。
【0218】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
また、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、さらに塗液にビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン分散液を乾燥固形分10重量部の割合で加えた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成した以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0219】
参考例24
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物2.0gを取り溶媒としてトルエン30gを加え、これにo−ジアニシジン0.90gを加え50℃で6時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.6gを得た。この白色結晶の分析値は以下の通り。
IR測定の結果:820cm−1、1000cm−1、1030cm−1、1320cm−1、1590cm−1、1710cm−1、3300cm−1に特性ピークが現れた。この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−29)と推定される。
【0220】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以
外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0221】
参考例25
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物2.7gを取り溶媒としてジメチルホルムアミドを30g加え、これに4,4´−ジアミノベンズアニリド1.2gを加え、さらにジブチルチンジラウレートを3mg加えて25℃で24時間反応した。反応液にメタノールを投入し析出した結晶を濾過により回収後洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.3gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−26)と推定される。
【0222】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0223】
参考例26
2,4−トルエンジイソシアナート40gに溶媒としてトルエン100gを加え、これにアニリン4.28gをトルエン40gで希釈して滴下し、5℃で1時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物12.2gを得た。次にこの化合物3gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを60g加えさらにジブチルチンジラウレートを若干量加えたのち、これに4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン(ビスフェノールS)1.4gをメチルエチルケトン10gで希釈して90℃で滴下し16時間反応した。反応後結晶を濾過により回収し、メチルエチルケトンで洗浄後一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.1gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−33)と推定される。
【0224】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0225】
参考例27
2,4−トルエンジイソシアナート40gに溶媒としてトルエン100gを加え、これにアニリン4.28gをトルエン40gで希釈して滴下し、5℃で1時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物12.2gを得た。次にこの化合物5gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを40g加え、さらにジブチルチンラウレートを5mg加えた。これにp−クロロフェノール2.64gをメチルエチルケトン10gで希釈して加え90℃で5時間反応した後、反応液をヘキサンに投入し、析出した結晶を濾過により回収し、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物1.1gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−5)と推定される。
【0226】
次にこの化合物1gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液4gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
次に、1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレア2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、さらに塗液に1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレア分散液を乾燥固形分10重量部の割合で加えた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0227】
参考例28
2,4−トルエンジイソシアナート40gに溶媒としてトルエン100gを加え、これにp−アミノアセトフェノン6.21gをトルエン30gとメチルエチルケトン30gで希釈して滴下し、25℃で20時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物13.0gを得た。次にこの化合物5gを取り溶媒としてメチルエチルケトンを65g加え、さらにジブチルチンラウレートを5mg加えた。これにフェノール2.28gをメチルエチルケトン15gで希釈して加え90℃で4時間反応した後、反応液を濃縮し、5℃で1日間冷却後析出した結晶を濾過により回収し、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物1.0gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−7)と推定される。
【0228】
次にこの化合物1gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液4gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
また、イミノ化合物である1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
また、イソシアナート化合物である4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル溶量400ml、アイメックス社製)、回転数1000rpmで1時間粉砕、分散して分散液を得た。
【0229】
さらに、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用い、さらに塗液に1,3−ジイミノ−4,5,6,7−テトラクロロイソインドリン分散液を乾燥固形分8重量部、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン分散液を乾燥固形分5.3重量部、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン分散液を乾燥固形分5.3重量部の割合でそれぞれ加えた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0230】
参考例29
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物2.0gを取り溶媒としてトルエン30gを加え、これに4,4´−ジアミノジフェニルエーテル0.75gを加え50℃で16時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.4gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−25)と推定される。
【0231】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0232】
参考例30
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物2.0gを取り溶媒としてトルエン30gを加え、これに4,4´−ジアミノジフェニルメタン0.74gをメチルエチルケトン10gと共に加え、50℃で10時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物2.1gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−27)と推定される。
【0233】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0234】
参考例31
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物1.5gを取り溶媒としてトルエン30gを加え、これにエチルアミン0.3gを加え、50℃で6時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物1.8gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−44)と推定される。
【0235】
次にこの化合物1gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液4gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0236】
参考例32
2,4−トルエンジイソシアナート150gを50℃で撹拌しておき、これに、4,4´−ジアミノジフェニルメタン17.2gとメチルエチルケトン120mlの溶液を4時間で滴下し、引き続き50℃で2時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後トルエンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物43gを得た。次にこの化合物30gを取りフェノール51.5gとメチルエチルケトン100mlを加え、さらにトリエチルアミン30mgを加えた後、50℃で20時間反応させた。反応後、トルエンを加え析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物38.5gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−27)と推定される。
【0237】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイ
ントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0238】
参考例33
2,4−トルエンジイソシアナート31.5gを60℃で撹拌しておき、これに、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン21.5gとメチルエチルケトン120mlの溶液を6時間で滴下した。引き続き、この反応液を25℃に冷却し、フェノール17.1gを加え、さらにトリエチルアミン30mgを加えて、25℃で4時間反応させた。反応後、メチルエチルケトンを留去し、得られた固体を粉砕後、一晩真空乾燥して淡黄色粉末状の化合物70gを得た。
この化合物の主要成分の構造式は前記の化合物(E−24)と推定される。
【0239】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0240】
比較例1
参考例1で合成したウレアウレタン化合物の代わりに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0241】
比較例2
2,4−トルエンジイソシアナート10gに溶媒としてトルエン50gを加え、これにアニリン30gを加え、25℃で3時間反応させた。反応後析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物17gを得た。
この化合物の主要成分の推定構造式は下記の化合物(C−1)である。
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0242】
比較例3
2,4−トルエンジイソシアナート10gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール30gを加えて100℃で3時間反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物15gを得た。
この化合物の主要成分の推定構造式は下記の化合物(C−2)である。
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール水溶液8gと共にペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
続いて、参考例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0243】
【化78】

【0244】
【化79】

【0245】
比較例4
参考例1で合成したウレアウレタン化合物の代わりに1,3−ジフェニルウレアを用いた以外は、参考例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0246】
【表1】

1.感度は、光学濃度(OD値)の高いものほど良好。
2.耐可塑剤性(印字保存性)
◎〜退色がほとんど無い。
○〜色調に若干の変化があるが、かすれなどは無い。
△〜明らかに退色が生じている。
×〜印字の色が消滅している。
3.耐熱性(60℃、80℃印字保存性)
◎〜退色がほとんど無い。
○〜色調に若干の変化があるが、かすれなどは無い。
△〜明らかに退色が生じている。
×〜印字の色が消滅している。
4.耐熱性(80℃、地肌保存性)
◎〜地肌被りがほとんど無い。
○〜色調に若干の変化があるが、印字部の判読は可能。
△〜地肌被りのため印字部が読みにくい。
×〜地肌被りが激しく印字部の判読不能。
【0247】
参考例34
(1) 上用紙の作成
スチレン−無水マレイン酸共重合体を少量の水酸化ナトリウムと共に溶解したpH4.0の5%水溶液100重量部中に、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン2.5重量部を溶解した日石ハイゾールN−296(商品名、日本石油化学製オイル)80重量部を乳化させた。一方、メラミン10重量部、37%ホルマリン水溶液25重量部、及び水65重量部を水酸化ナトリウムでpH9.0とし、60℃に加熱したところ、15分で透明になり、メラミン−ホルマリン初期縮合物が得られた。この初期縮合物を前記乳化液に加え、60℃に保ちながら4時間撹拌を続けた後、室温まで冷却した。得られたマイクロカプセル分散液の固形分は45%であった。
このようにして得られたマイクロカプセル分散液を紙に塗布乾燥することにより上用紙を得た。
【0248】
(2) 下用紙の作成
参考例4と同様にして合成した化合物(主要成分の推定構造式は前記の化合物(E−22)である。)15gを取り、2重量%ポリビニルアルコール水溶液45gと共に常温にてペイントシェーカーで45分間粉砕、分散し、分散液を得た。
また、炭酸カルシウム60gを水90gと混合してスターラーで撹拌分散して、分散液を得た。
塗液は、上記化合物分散液40重量部、炭酸カルシウム分散液125重量部、さらに10重量%ポリビニルアルコール水溶液120重量部を混合、撹拌して調整して得た。
【0249】
この塗液を40g/mの秤量をもつ原紙上にバコーターのロッド番号10番で塗布し、下用紙を得た。
発色濃度の評価結果は光学濃度0.7と良好であった。
ハンドクリームによる耐溶剤性の評価結果は印字部の判読は可能であり良好であった。結果をまとめて表2に示す。
【0250】
比較例5
参考例22に使用したウレアウレタン化合物の代わりに顕色剤である活性白土を用いた以外は、参考例22と同様にして感圧記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表2に示す。
【0251】
【表2】

1.発色濃度は、光学濃度(OD値)の高いものほど良好。
2.耐溶剤性(ハンドクリーム)
◎〜退色がほとんど無い。
○〜色調に若干の変化があるが、かすれなどは無い。
△〜明らかに退色が生じている。
×〜印字の色が消滅している。
【産業上の利用可能性】
【0252】
特定のウレアウレタン化合物を用いることにより、画像保存性及び発色感度に優れた発色剤及び記録材料を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0253】
【図1】図1は参考例1で得られた白色結晶のIRスペクトルである。
【図2】図2は参考例8で得られた白色結晶のIRスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(II)で示されるウレアウレタン化合物。
【化1】



(式中、Xはフェニル基を、Yはフェニレン基を表し、また、各残基は各々独立してメチル置換基を有していてもよい。)

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−143740(P2006−143740A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−372042(P2005−372042)
【出願日】平成17年12月26日(2005.12.26)
【分割の表示】特願2005−156597(P2005−156597)の分割
【原出願日】平成11年9月3日(1999.9.3)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】