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新型キトサンベースハイブリッド巨大分子および巨大分子を製造または使用するための方法
説明

新型キトサンベースハイブリッド巨大分子および巨大分子を製造または使用するための方法

【課題】新型キトサンベースハイブリッド巨大分子の合成および巨大分子を製造または使用するための方法を提供すること。
【解決手段】この巨大分子は、化学結合により繋ぎ止められている両親媒性キトサンおよびケイ素ベースカップリング剤を含む。ハイブリッド巨大分子を製造するための方法は、周囲環境下で容易に操作することができる。製造された巨大分子は、水性環境において自己集合されてナノ担体を形成することができ、その後の持続放出目的のために薬物を効率的に封入する能力を有する。この自己集合したハイブリッドナノ担体は、優れた生体適合性、薬物負荷能力および細胞内取込み効率という特徴を示した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新型キトサンベースハイブリッド巨大分子および巨大分子を製造または使用するための方法に関し、特に、水性環境において自己集合し、優れた生体適合性、薬物負荷能力および細胞内取込み効率という利点を有する新型キトサンベースハイブリッド巨大分子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の薬物担体系は、主に、2つの異なる機構を有する。1つは、薬物担体の表面に薬物を結合または吸着させることであり、もう1つは、薬物担体の内側に薬物を詰めることである。前者の方法は、薬物負荷能力がより低く、薬物を急速に放出する。後者の方法は、液体吸着および膨潤により薬物を容易に漏出させ、担体からの薬物放出を制御することが困難とすることのある選択される薬物担体の材料により影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
いくつかのよく使用されている薬物担体には、リポソーム、トランジスタパッケージ、ゼラチンパッケージおよび高分子ミセルなどがある。
【0004】
リポソーム技法は、リポソームの内側に薬物を詰め、薬物をゆっくりと放出させ、薬物が腸管の酵素と反応するのを防ぐ。
しかし、薬物の実際の放出時間および放出量を推定することは困難である。
トランジスタパッケージ技法は、内側に薬物を有するトランジスタを腫瘍領域に包埋し、薬物を直接集中させて腫瘍細胞に作用させ、薬物により破壊される正常細胞を減らす。 しかし、トランジスタを埋め込むために侵襲的手術プロセスが使用され、患者は、回復するのにある期間を要する。高分子ミセルは、人体へ薬物をゆっくりと放出し、特定の領域に薬物を集中させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある実施形態の1態様は、化学結合により固定されている両親媒性キトサンとケイ素ベース無機カップリング剤のコンジュゲートである新型キトサンベースハイブリッド巨大分子を提供することである。ハイブリッド巨大分子は、水性環境において自己集合して薬物を担持し、優れた生体適合性、より高い薬物負荷能力および良好な細胞内取込み効率という特徴を有する。
【0006】
ハイブリッド巨大分子は、両親媒性キトサンおよびケイ素ベース無機カップリング剤を含む。両親媒性キトサンは、カルボキシメチル基を含み、修飾されて親水性末端および疎水性末端を有しており、水または酸性溶液に可溶である。親水性末端は、カルボキシメチル含有分子、ポリエチレングリコール(PEG)、四級アンモニウム化合物およびスクシニル基からなる群から選択される化合物により修飾されている。疎水性末端は、ヘキサノイル、ポリカプロラクトン(PCL)、セチル基、パルミトイル基、コレステリル基、フタルイミド基およびブチルグリシドールエーテルからなる群から選択される化合物により修飾されている。ケイ素ベース無機カップリング剤は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)および3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)からなる群から選択され、1つの末端に少なくともアミノ基を有する。ある実施形態において、両親媒性キトサンのカルボキシメチル基とケイ素ベース無機カップリング剤のアミノ基は、1:0.01〜1:20の比を有する。別の実施形態において、両親媒性キトサンは、カルボキシメチル基および長鎖ヘキサノイル基により修飾されている。
【0007】
本発明によるハイブリッド巨大分子は、水性環境において自己集合して直径50〜500ナノメートルのミセルを形成し、ケイ素ベース無機カップリング剤は、ミセルのシェルを形成し、連続的かつ高度に多層化した(layer−by−layered)配置であり、厚さが4〜6ナノメートルの結晶化した原子層を有する。ハイブリッド巨大分子は、ハイブリッド巨大分子自己組織化および配置の原子を誘導するための内部疎水性力を有する。加えて、ミセルの結晶化した層は、水性環境におけるハイブリッド巨大分子の膨潤によってもたらされる担持薬物の漏出を低減するための物理的障壁である。
【0008】
本発明のある実施形態の別の態様は、有機両親媒性キトサン溶液を調製するステップと、有機無機複合体溶液を調製するステップと、透析するステップと、乾燥するステップとを含む新型キトサンベースハイブリッド巨大分子を製造するための方法を提供することである。有機両親媒性キトサン溶液の濃度は、0.1〜5%である。有機無機複合体溶液を調製するステップは、有機両親媒性キトサン溶液中に触媒を加えるステップをさらに含む。触媒は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)であってよい。
【0009】
本発明のある実施形態のさらに別の態様は、薬物溶液を調製するステップと薬物含有ミセルを調製するステップとを含む新型キトサンベースハイブリッド巨大分子を使用するための方法を提供することである。薬物は、抗癌薬、抗炎症薬、抗高血圧症薬、糖尿病薬、タンパク質薬、ペプチドベース薬またはヌクレオチドであってよい。薬物溶液は、薬物の特性に応じて最適な溶媒を加えることにより薬物ストック溶液から望ましい濃度に希釈してもよい。ある実施形態において、薬物ミセルは、80%を超える薬物負荷能力を有し、優れた生体適合性および細胞内取込み効率を有する。
【0010】
本発明の上の目的および利点は、下記の詳細な説明および添付の図面を再検討した後に当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明による新型キトサンベースハイブリッド巨大分子の構造式の図である。
【図2】キトサンベースハイブリッド巨大分子が自己集合してナノ担体を形成するステップを図示するフローチャートの図である。
【図3】本発明によるキトサンベースハイブリッド巨大分子および両親媒性キトサンの赤外スペクトルの図である。
【図4】本発明によるキトサンベースハイブリッド巨大分子および両親媒性キトサンの13C核磁気共鳴スペクトルの図である。
【図5】本発明によるキトサンベースハイブリッド巨大分子および両親媒性キトサンの29Si核磁気共鳴スペクトルの図である。
【図6】本発明による自己集合した巨大分子の走査電子顕微鏡写真の図である。
【図7】本発明による自己集合した巨大分子の透過電子顕微鏡写真の図である。
【図8】図7の部分的に拡大した図面の図である。
【図9】本発明による薬物ミセルの薬物累積放出量を示すダイヤグラムの図である。
【図10】異なる濃度のハイブリッドミセルと共にインキュベートされるヒト網膜色素上皮APRE−19の生存率を示すダイヤグラムの図である。
【図11A】カルボキシメチル基とアミノ基のモル比が異なるハイブリッドミセルと共にインキュベートされるヒト網膜色素上皮APRE−19の生存率を示すダイヤグラムの図である。
【図11B】カルボキシメチル基とアミノ基のモル比が異なるハイブリッドミセルと共にインキュベートしたヒト肺癌A−549の生存率を示すダイヤグラムの図である。
【図11C】カルボキシメチル基とアミノ基のモル比が異なるハイブリッドミセルと共にインキュベートしたヒト乳癌MCF−7の生存率を示すダイヤグラムの図である。
【図12】薬物含有ミセルの細胞内取込み効率を示す写真の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明する。
【実施例1】
【0013】
図1および2を参照すると、本発明による新型キトサンベースハイブリッド巨大分子は、化学結合により固定されている両親媒性キトサンおよびケイ素ベース無機カップリング剤を含む。両親媒性キトサンの骨格は、長い炭素鎖(I)を有し、修飾された親水性末端(II)および修飾された長鎖疎水性末端(III)を含む。ハイブリッド巨大分子は、有機−無機ハイブリッド分子であり、水性環境において自己集合してコアシェル型(core−shelled)ミセルを形成する。
【実施例2】
【0014】
本発明による新型キトサンベースハイブリッド巨大分子を製造するための方法は、ケイ素ベース無機カップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)を使用し、下記の
有機両親媒性キトサン溶液を調製するステップであって、脱イオン水50mL中に有機両親媒性キトサン0.25グラムを加え、周囲環境下で撹拌して有機両親媒性キトサン溶液を形成するステップ(両親媒性キトサンは、修飾された親水性末端および修飾された疎水性末端を有する)、
有機無機複合体溶液を調製するステップであって、キトサン溶液中に無機APTES溶液約160マイクロリットル(μL)を加え、窒素雰囲気下で撹拌し、十分に混合して有機無機複合体溶液を形成するステップ、
透析するステップであって、有機無機複合体溶液を24時間にわたって75%(v/v)エタノール中に置き、次いで、有機無機複合体溶液を24時間にわたって純粋なエタノール中に置いて透析生成物を得るステップ、
乾燥するステップであって、オーブン中で透析生成物を乾燥してハイブリッド巨大分子を形成するステップを含む。
【0015】
有機無機複合体溶液を調製するステップにおいて、両親媒性キトサンおよびAPTESは、1(モル/モル)の両親媒性キトサンのカルボキシメチル基とAPTESのアミノ基のモル比になるように調整される。さらに、触媒を加えて、両親媒性キトサンとAPTESの間の反応を増加させる。触媒は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)であり、反応量は、0.012グラムである。
【0016】
図3から5を参照すると、ハイブリッド巨大分子および従来の両親媒性キトサンのフーリエ変換赤外分光法(FTIR)ダイヤグラムは、従来の両親媒性キトサンのカルボキシメチル基のO−H結合が、1720cm-1に伸縮共鳴ピークを有し、ケイ素ベース無機カップリング剤により修飾した後に消失することを示している。このことは、両親媒性キトサンのカルボキシメチル基が、ケイ素ベース無機カップリング剤と反応していることを示している。2300〜2360cm-1、900〜950cm-1および1100cm-1のピークは、C=N、Si−OHおよびSi−OH伸縮共鳴バンドにそれぞれ帰属する。
【0017】
本発明のキトサンベースハイブリッド巨大分子のある実施形態と両親媒性キトサンの13C核磁気共鳴スペクトルを比較すると、本発明の巨大分子のダイヤグラムは、脂肪族基の(CH2)CH3炭素鎖とケイ素ベース無機カップリング剤のケイ素原子に連結しているエステル基の炭素鎖に帰属する11、23および44ppmにピークを有する。160〜170ppmのピークは、カルボニル基(C=O)を含有するアミノベース化合物によりもたらされる。したがって、ハイブリッド巨大分子は、両親媒性キトサンのカルボキシメチル基とケイ素ベース無機カップリング剤のアミノ基を固定することにより形成される。
【0018】
29Si核磁気共鳴スペクトルは、T1(−48〜−50ppm)、T2(−58〜−59ppm)およびT3(−66〜−68ppm)ピークが、(SiO)Si(CH23(OH)2、(SiO)2Si(CH23OHおよび(SiO)3Si(CH23基にそれぞれ帰属することを示している。T2およびT3のピーク面積は、T1より大きく、大部分の連結したシラン基が、加水分解および縮合されてSi−O−Si結合を形成し、わずかなシラン基のみが、ハイブリッド巨大分子の外側に露出していることを示している。
【0019】
図6から8を参照すると、走査電子顕微鏡写真は、ハイブリッド巨大分子が、水性環境において自己集合して直径が50〜100ナノメートルのミセルを形成することを示している。透過電子顕微鏡写真は、結晶化した二酸化ケイ素の層を示している。したがって、内部の疎水性力は、ハイブリッド巨大分子の原子を引き抜いて自己集合および組織化し、多層化した二酸化ケイ素シェルを形成する。二酸化ケイ素シェルは、連続的かつ高度に配置して4〜6ナノメートルの結晶様原子層を形成し、ハイブリッド巨大分子に封入されている薬物がハイブリッド巨大分子の水の吸着および膨潤によって漏出するのを防ぐ疎水性障壁である。本発明のハイブリッド巨大分子は、いかなる架橋剤も加えることなく周囲環境下で薬物担体を合成することが可能であることを示している。
【実施例3】
【0020】
この実施例では、(S)−(+)−カンプトテシン(CPT)の薬物が使用され、本発明のハイブリッド巨大分子を使用するための方法であって、下記の
薬物溶液を調製するステップであって、DMSO溶液5mL中にCPT20mgを加え、十分に混合して薬物ストック溶液を形成し、次いで、50μg/mLの最終濃度まで脱イオン水を加えることにより薬物ストック溶液を希釈し、30分にわたって室温にて撹拌して薬物溶液を形成するステップと、
薬物含有ミセルを調製するステップであって、本発明のハイブリッド巨大分子を薬物溶液に加え、24時間にわたって室温にて撹拌し、ハイブリッド巨大分子の内側に薬物を封入して薬物含有ミセル溶液を形成し、次いで、20℃にて8000rpmで薬物含有ミセル溶液を遠心分離し、薬物含有ミセル溶液からペレットを集めて乾燥して薬物含有ミセルを得るステップとを含む方法を例示する。
【0021】
薬物含有ミセルを調製するステップにおいて、薬物の添加量は、薬物の特性およびタイプに依存する。この実施例では、CPTの量は、薬物溶液1ml当たり1.5mgである。
【0022】
この実施形態の薬物含有ミセルの薬物放出効率は、ある期間にわたって室温にてリン酸緩衝食塩水(PBS)に薬物含有ミセルを加え、上述の溶液を遠心分離し、光吸収を検出してCPTの放出効率を評価することにより検出される。
【0023】
図9を参照すると、CPTの累積放出量は、CPTの封入濃度が増加するにつれて減少する。CPTの粘度に関係している可能性がある。封入されるCPTが増加すると、薬物溶液の粘度も増加し、本発明のハイブリッド巨大分子の自己集合に影響を及ぼし、CPTの封入量を減少させる。従来の両親媒性キトサンと比較すると、本発明のハイブリッド巨大分子の薬物放出は、ミセルからの薬物拡散を抑え、薬物放出速度を効率的に制御するハイブリッド巨大分子の二酸化ケイ素シェルのためにより遅い。
【実施例4】
【0024】
実施例3のCPTミセルの生体適合性を使用し、本発明によるCPTミセルの毒性を立証する。
【0025】
この実施例では、ヒト網膜色素上皮APRE−19(Bioresource Collection and Research Center、Hsinchu City、Taiwan、BCRC No.60383から購入した)、ヒト肺癌A−549およびヒト乳癌MCF−7を使用し、CPTミセルの毒性を検出する。ヒト網膜色素上皮APRE−19は、1.2g/L重炭酸ナトリウム、2.5mM L−グルタミン、15mM HEPES、0.5mMピルビン酸ナトリウムおよび10%ウシ胎仔血清を含有するDEME培地(ダルベッコ変法イーグル培地)とHans F12培地の等体積混合物中でインキュベートする。ヒト肺癌A−549は、10%ウシ胎仔血清を含有するDEME培地中でインキュベートする。ヒト乳癌MCF−7は、1%ペニシリンまたはストレプトマイシンを含有するDEME培地中でインキュベートする。
【0026】
図10、11A、11Bおよび11Cを参照すると、ヒト網膜色素上皮APRE−19と共にインキュベートした異なる量のCPT(5、10、50、100および250μg/mL)を含有するCPTミセルは、ヒト網膜色素上皮APRE−19の細胞成長速度に有意差を示さない。しかし、異なる量のAPTES(両親媒性キトサンのカルボキシメチル基とAPTESのアミノ基のモル比は、それぞれ1:1(ラインB)、1:2(ラインC)、1:5(ラインD)および1:10(ラインE)である)を加えることにより形成されるハイブリッド巨大分子250μg/mlと共にインキュベートしたヒト網膜色素上皮APRE−19は、85%を超える生存率を減少させることはない。同様に、異なる量のAPTESを加えることにより形成されるハイブリッド巨大分子250μg/mlと共にインキュベートしたヒト肺癌A−549またはヒト乳癌MCF−7は、2日にわたって、90%を超える高い細胞生存率を有する。
【0027】
したがって、本発明のハイブリッド巨大分子は、優れた細胞生体適合性を有し、細胞に対して毒性はない。
【実施例5】
【0028】
この実施例では、本発明のハイブリッド巨大分子により製造され、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)と結合している薬物ミセルを、ある期間にわたって癌細胞と共にインキュベートし、次いで、細胞内取込み効率を検出するために4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)およびローダミン−ファロイジンで染色する。
【0029】
図12を参照すると、写真は、薬物ミセルの細胞内取込み効率を示している。4時間にわたってインキュベートした後、細胞の細胞質中への多くの薬物ミセルの侵入がある。大部分の薬物ミセルは、8時間で細胞により取り込まれる。本発明のハイブリッド巨大分子が細胞内に入るのが容易であるため、ハイブリッド巨大分子により封入された薬物がハイブリッド巨大分子と共に取り込まれることは明らかである。
【0030】
したがって、本発明のハイブリッド巨大分子は、水性環境において自己集合してミセルを形成し、優れた生体適合性および細胞内取込み効率という利点を有する。本発明のハイブリッド巨大分子を製造するための方法は、容易に操作される。ハイブリッド巨大分子は、大きな薬物負荷能力を有し、適切であり、薬物担体として適用する可能性を有する。
【0031】
本発明について、多くの実施形態および実施に関連して記載してきたが、本発明は、そのように限定されず、添付の特許請求の範囲の中にある様々な修正形態および等価形態を包含する。本発明の特徴は、特許請求の範囲の中のある種の組合せで表現されるが、これらの特徴は、任意の組合せおよび順序で配置することができることが企図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性環境において自己集合されてミセルを形成する新型キトサンベースハイブリッド巨大分子であって、
少なくとも1つのカルボキシメチル基を含み、修飾された親水性末端および修飾された疎水性末端を有する両親媒性キトサン、および
少なくとも1つの末端にアミノ基を含むケイ素ベースカップリング剤を含み、
両親媒性キトサンのカルボキシメチル基とケイ素ベースカップリング剤のアミノ基のモル比が、1:0.01〜1:20である新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項2】
親水性末端が、カルボキシメチル基含有分子、ポリエチレングリコール(PEG)、四級アンモニウム化合物およびスクシニル基からなる群から選択される化合物により修飾されている、請求項1に記載の新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項3】
疎水性末端が、ヘキサノイル、ポリカプロラクトン(PCL)、セチル基、パルミトイル基、コレステリル基、フタルイミド基およびブチルグリシドールエーテルからなる群から選択される化合物により修飾されている、請求項1に記載の新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項4】
疎水性末端が、ヘキサノイル、ポリカプロラクトン(PCL)、セチル基、パルミトイル基、コレステリル基、フタルイミド基およびブチルグリシドールエーテルからなる群から選択される化合物により修飾されている、請求項2に記載の新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項5】
ケイ素ベースカップリング剤が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)および3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)からなる群から選択される、請求項1に記載の新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項6】
ケイ素ベースカップリング剤が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)および3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)からなる群から選択される、請求項4に記載の新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項7】
ケイ素ベースカップリング剤が、二酸化ケイ素である、請求項1に記載の新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項8】
ケイ素ベースカップリング剤が、二酸化ケイ素である、請求項6に記載の新型キトサンベースハイブリッド巨大分子。
【請求項9】
新型キトサンベースハイブリッド巨大分子を製造するための方法であって、
有機両親媒性キトサン溶液を調製するステップであって、少なくとも1つのカルボキシメチル基を有する有機両親媒性キトサンを水に加え、両親媒性キトサンを溶解して有機両親媒性キトサン溶液を形成するステップと、
有機無機複合体溶液を調製するステップであって、窒素ガスを適用しながら有機両親媒性キトサン溶液にケイ素ベースカップリング剤を加え、緩やかに混合して有機無機複合体溶液を形成するステップと、
透析するステップであって、透析膜により有機無機複合体溶液を透析して粗生成物を形成するステップと、
乾燥するステップであって、粗生成物の水を除去して新型キトサンベースハイブリッド巨大分子を形成するステップとを含む方法。
【請求項10】
有機両親媒性キトサン溶液が、0.1〜5%の濃度である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
両親媒性キトサンのカルボキシメチル基とケイ素ベースカップリング剤のアミノ基のモル比が、1:0.01〜1:20である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
有機無機複合体溶液を調製するステップが、
有機両親媒性キトサン溶液中に触媒を加えるステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
触媒が、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
有機両親媒性キトサンが、
カルボキシメチル基含有分子、ポリエチレングリコール(PEG)、四級アンモニウム化合物およびスクシニル基からなる群から選択される化合物により修飾されている親水性末端、および
ヘキサノイル、ポリカプロラクトン(PCL)、セチル基、パルミトイル基、コレステリル基、フタルイミド基およびブチルグリシドールエーテルからなる群から選択される化合物により修飾されている疎水性末端を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
ケイ素ベースカップリング剤が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)および3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
透析するステップが、20%エタノール溶液を使用し、少なくとも1日にわたって透析する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
新型キトサンベースハイブリッド巨大分子を使用するための方法であって、
薬物溶液を調製するステップであって、溶液に薬物を溶解し、十分に混合して薬物ストック溶液を形成し、次いで、薬物ストック溶液を希釈して薬物溶液を形成するステップと、
薬物含有ミセルを調製するステップであって、ハイブリッド巨大分子を薬物溶液に加えてハイブリッド巨大分子の内側に薬物を封入して薬物含有ミセル溶液を形成し、次いで、薬物含有ミセル溶液からペレットを遠心分離および乾燥して薬物含有ミセルを得るステップとを含む方法。
【請求項18】
水性環境において自己集合されてミセルを形成するハイブリッド巨大分子が、
少なくとも1つのカルボキシメチル基を含み、修飾された親水性末端および修飾された疎水性末端を有する両親媒性キトサン、および
少なくとも1つの末端にアミノ基を含むケイ素ベースカップリング剤を含み、
両親媒性キトサンのカルボキシメチル基とケイ素ベースカップリング剤のアミノ基のモル比が、1:0.01〜1:20である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
親水性末端が、カルボキシメチル基含有分子、ポリエチレングリコール(PEG)、四級アンモニウム化合物およびスクシニル基からなる群から選択される化合物により修飾され、疎水性末端が、ヘキサノイル、ポリカプロラクトン(PCL)、セチル基、パルミトイル基、コレステリル基、フタルイミド基およびブチルグリシドールエーテルからなる群から選択される化合物により修飾される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ケイ素ベースカップリング剤が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)および3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
ケイ素ベースカップリング剤が、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(APTMS)および3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
自己集合したミセルが、50〜500ナノメートルの直径を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
自己集合したミセルが、50〜500ナノメートルの直径を有する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
薬物が、抗癌薬、抗炎症薬、抗高血圧症薬、糖尿病薬、タンパク質薬、ペプチドベース薬またはヌクレオチドである、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
薬物が、抗癌薬、抗炎症薬、抗高血圧症薬、糖尿病薬、タンパク質薬、ペプチドベース薬またはヌクレオチドである、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
薬物含有ミセルを調製することが、
少なくとも1日にわたって室温にて薬物溶液を撹拌することを含む、請求項17に記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−131970(P2012−131970A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104447(P2011−104447)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(598139748)國立交通大學 (92)
【Fターム(参考)】