説明

新菌株シイタケGNA01

【課題】シイタケ菌株を提供する。
【解決手段】本発明は、新しい形状と味を有するシイタケ[Novel Lentinula edodes(Berk.) Pegler]である新菌株シイタケGNA01(寄託番号:KCCM11135P)、及びその菌株の栽培によって得られる子実体を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シイタケ菌株に係り、より具体的には、新しい形状と味を有するシイタケ[Lentinula edodes(Berk.) Pegler]である新菌株シイタケGNA01(寄託番号:KCCM11135P)、及びその菌株の栽培によって得られる子実体に関する。
【背景技術】
【0002】
キシメジ科(Tricholomataceae)シイタケ属(Lentinula)に属するシイタケ(学名: Lentinula edodes(Berk.) Pegler)は、イギリス人菌類学者Berkeleyによって日本で最初採集されて学会に知られた。韓国では、シイタケは、昔から「香蕈」、「磨菰」、「ブナ茸」など様々な名で呼ばれており、優れた味のおかげでマツタケ及びコウタケと共に韓国の3大主要食用茸として取り扱われてきた。
【0003】
シイタケは、春、夏、秋にわたってブナ類(クヌギ、モンゴリナラ、ナラなど)やアカシデ、クリなどの広葉樹の枯れ木又は枯れ枝に発生するが、かつて人工栽培に対する試みが行われた茸であって、他の茸とは異なり中間温性(最適温度22〜28℃、最高32℃)の生育条件を持つ。
【0004】
シイタケの菌糸は、よく発達しており、クランプコネクション(clamp connection)を有している。また、雌雄異株、4極性の菌類であって、胞子は発芽して一核の一次菌糸(monokaryon)を出し、2つの親和性の一次菌糸が原形質融合をして二次菌糸(hybrid strain、dikaryon)を形成する。二次菌糸は光条件の下で褐変、硬化して三次菌糸を形成した後、子実体を作ることが特徴である。菌糸の生長は、ヒラタケ菌よりは遅いが、ブナ類の原木ではよい。
【0005】
このように作られた子実体(fruitbody)は、図1及び図2に示すように、傘(pileus)、ひだ(lamella)及び柄(stipe)からなり、半被実(hemiangiocarpous)であり、傘の色は淡紫色又は茶褐色であり、ひだと柄は白色である。傘は丸く、柄は傘の中央の下についている。傘の直径は、栄養、環境及び品種によって3cm以下〜10cm以上と様々であるが、最初には丸く、縁部が内側にカールするが、さらに大きくなるほど平らになる。肉質は堅くて白く、乾くとシイタケ特有の香りが強くなる。ひだは細くて白色である。柄は白色又は茶褐色繊維質で強い。
シイタケのよく知られた機能性含有成分としては、レンチナン(lentinan)というβ−D−グルカン系物質がある。この物質が抗癌作用をすることが1970年代から知られ、薬理活性に関する研究が行われてきた(非特許文献1、非特許文献2)。栄養成分としては、粗タンパク質、糖脂質、灰分、炭水化物、繊維質、アミノ酸などの様々な物質が存在すると知られている。最近では、多様な茸食品類、茸スナック、濃厚発酵乳、茸スープなどに開発・利用されており(非特許文献3)、抗腫瘍、血圧降下、血糖降下、抗血栓などの生理活性成分に関する研究が盛んに行われている(非特許文献4、非特許文献5)。
ところが、シイタケは、他の茸とは異なり、一期作栽培期間が4〜5年と長く、研究費も多くかかるため、積極的な育種研究が行われていない状況である。よって、韓国内のシイタケ品種の育成は山林組合中央会の山林茸研究所と国立山林科学院などで行われている実情である。
現在、韓国内で育種されたシイタケ品種が極めて制限的であり、日本品種より優れた特性を持つ韓国品種が足りないので、新しい品種の育種が切実になった。また、2008年以後、UPOV(Union Internationale Pour la Protaection des Obtentions Vegetales)協約による植物新品種保護制度がシイタケにも適用されることにより、日本又は中国品種の使用の際にロイヤルティを支払うようになった。
このため、日本又は中国品種を含んで従来の品種より優れた新しい優良新品種のシイタケ品種を至急開発することが求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Chihara et al., 1970
【非特許文献2】Tamura et al., 1997
【非特許文献3】You, 1998
【非特許文献4】Ohnuma ea al., 2000
【非特許文献5】Yaoita et al., 1998, 1999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、かかる問題点を解決するために研究努力した結果、新規なシイタケ菌株の育種に成功することにより、本発明を完成した。
【0008】
そこで、本発明の目的は、一般シイタケとは異なり、柄と傘がなく、全体形状が球状とされるように柄と傘が丸く一体形成された球状のシイタケを提供することにある。
本発明の他の目的は、シイタケ固有の香のみを有する一般シイタケとは異なり、シイタケ固有の香りだけでなく、甘味を有する新規なシイタケを提供することにある。
本発明の別の目的は、肉質が一般シイタケより堅く、貯蔵期間が一般シイタケより2倍以上長く、傘のひび割れがなくて一般シイタケより2倍以上生長できる新規なシイタケを提供することにある。
本発明の別の目的は、子実体の表面が白花茹の形で形成されて一般シイタケより商品性に優れた優秀品質の新規なシイタケを提供することにある。
本発明の別の目的は、不良な環境でも耐性が強く、高温低温の両方ともに強く、年中生産ができる新規なシイタケを提供することにある。
本発明の別の目的は上述した目的に制限されず、上述していない別の目的は以降の記載から当業者に明確に理解できるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、新菌株シイタケ[Lentinula edodes(Berk.) Pegler]GNA01を提供する。前記菌株は2010年11月23日付で韓国微生物培養所(韓国微生物保存センター)に寄託された(受託番号:KCCM11135P)。
【0010】
また、本発明は、請求項1の菌株から形成されたシイタケ子実体を提供する。
【0011】
好適な実施例において、前記子実体は傘と柄の区別が付かない球状である。
【0012】
好適な実施例において、前記子実体は甘味を有する。
【0013】
好適な実施例において、前記子実体の表面は白花茹の形で形成される。
【0014】
好適な実施例において、前記子実体は胞子が形成されない。
【0015】
好適な実施例において、前記子実体の一部を組織分離して繁殖する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、次の優れた効果を有する。
【0017】
まず、本発明によれば、一般シイタケとは異なり、柄と傘がなく、全体形状が球状とされるように柄と傘が丸く一体形成された球状の新規なシイタケを提供することができる。
また、本発明によれば、シイタケ固有の香りのみを有する一般シイタケとは異なり、シイタケ固有の香りだけでなく、甘味を有する新規なシイタケを提供することができる。
また、本発明によれば、肉質が一般シイタケより堅く、貯蔵期間が一般シイタケより2倍以上長く、傘のひび割れがなくて一般シイタケより2倍以上生長できる新規なシイタケを提供することができる。
また、本発明によれば、子実体の表面が白花茹の形で形成されて一般シイタケより商品性に優れた優秀品質の新規なシイタケを提供することができる。
また、本発明によれば、不良な環境でも耐性が強く、高温低温の両方ともに強く、年中生産ができる新規なシイタケを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】公知の一般シイタケの栽培状態を撮った写真である。
【図2】図1で栽培完了した一般シイタケ及びその中央断面を示す写真である。
【図3】本発明に係る新菌株シイタケ[Novel Lentinula edodes(Berk.) Pegler]GNA01の子実体の栽培状態を撮った写真である。
【図4】図3で栽培完了した本発明に係る新菌株シイタケGNA01の子実体及びその中央断面を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明で使用される用語はできる限り現在広く使用される一般な用語を選択したが、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もある。この場合には、単純な用語の名称ではなく、発明の詳細な説明に記載又は使用された意味を考慮し、その意味が把握されるべきであろう。
以下、添付図面及び好適な実施例を参照して本発明の技術的構成を詳細に説明する。
ところが、本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることも可能である。明細書全体にわたって本発明を説明するために使用される同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
本発明の技術的特徴は、傘と柄の区別が付かない球状のシイタケ子実体を形成することが可能な新しいシイタケ菌株GNA01にある。
すなわち、本発明は、新菌株シイタケ[Lentinula edodes(Berk.) Pegler]GNA01(寄託番号:KCCM11135P)を提供するが、新規なシイタケ菌株GNA01によって形成されたシイタケ子実体は傘と柄の区別が付かない球状を持つためである。
現在まで知られた全てのシイタケは、その品種を問わず傘と柄からなっているが、本発明の新規なシイタケ菌株GNA01によって形成されたシイタケ子実体は、傘と柄の区別が付かない球状を持つうえ、球状の子実体の肉質が従来の公知のシイタケの傘より味と香りだけでなく、歯応えにも優れる。特に、公知のシイタケとは異なり、シイタケ特油の香りの他に甘味を持っていてさらに向上した味を有し、子実体の表面が白花茹の形で覆われていて優れた商品性を有する。
本発明に係る菌株は、シイタケ単核菌株を交雑して新しい品種を開発しようとする過程で分離されたもので、後述するように2つのシイタケ単核親菌株を交雑して第1世代交配菌株を形成した後、形成された第1世代交配菌株と1つの単核親菌株を交雑して第2世代交配菌株を形成し、第1世代交配菌株と第2世代交配菌株を交雑して得られたものである。シイタケの場合、未だ系統関係が確立されていないので、本菌株の正確な系統的位置を確認することは不可能であるが、シイタケ単核菌株を交雑して形成されたものであるから、形態学的・生理学的・栽培的特性、特に形態学的特性を探索して新規なシイタケ[Lentinula edodes(Berk.) Pegler]GNA01と同定した。以下、本菌株の形態学的・生理学的・栽培的特性を説明する。
実施例1:新規なシイタケの分離及び形態学的特性の調査
1.第1世代交配菌株の形成
本発明のために、中国福建省三明真菌研究所L26とギョンウォン9015(939)を親菌株として使用した。
(1)単胞子の分離
L26とギョンウォン9015(939)シイタケの傘をそれぞれペトリ皿にのせ、24時間後に傘を除去した後、ペトリ皿上に落下したシイタケの胞子を滅菌水によって適正濃度に希釈し、ジャガイモ寒天培地に塗抹した。25℃で培養し発芽させた一次菌糸を楊枝によって分離した。それぞれの一次菌糸はさらにジャガイモ寒天培地に接種された。
接種されたジャガイモ寒天培地は25℃で14日間培養した後、それぞれの菌糸を一部採取し、顕微鏡でクランプの有無を確認し、クランプが見えない菌糸のみを10%グリセロール溶液に入れて冷蔵保管し、試験に使用した。
【0020】
(2)交配
純粋分離されて冷蔵保管中のそれぞれのシイタケの単胞子(一核)菌糸をジャガイモ寒天培地に接種して25℃で14日間培養した後、生育がよく菌糸体量が多いもののみを選抜して交配育種に使用した。選抜されたそれぞれの一核菌糸体、すなわちジャガイモ寒天培地で生長した菌糸体を直径1cmの円形に切り取り、単胞子(一核)菌糸と単胞子(一核)菌糸をそれぞれ1つずつ新しいジャガイモ寒天培地に3cmの間隔で接種する。接種されたジャガイモ寒天培地を25℃の恒温器で15〜20日間培養した後、菌糸を採取して顕微鏡で観察し、クランプが形成された菌株を交配株として確認した後、クランプ形成菌株を選抜する。
【0021】
(3)第1世代交配菌株の栽培試験
ブナオガクズ:白樺オガクズ:フスマを3:1:1の比率で混合して水分を62%に調整し、850ccの茸栽培用瓶に580gずつ入れた後、2cmの棒で中央上部から底部まで打ち抜きして常圧105℃で70分間滅菌し、その後、高圧121℃で110分間滅菌した。滅菌の後、17℃まで冷却させた後、前記選抜された菌株を接種し、22℃にて50日間暗黒状態で培養した。培地を褐変室へ移送した後、水分含量を調節するために1回以上の打ち抜きをしながら60日間褐変を完了した。褐変済みの培地は、生育室へ移して浸水作業を行った後、17〜23℃、湿度85%〜90%で発茸及び生育などの栽培試験を行った。
【0022】
2.第2世代交配菌株の形成
(1)単胞子の分離
培養された第1世代交配菌株の子実体から得られた胞子を上述の単胞子分離方法と同様に処理して単胞子(一核)菌株を分離した後、冷蔵保管して試験に使用した。
(2)交配
既に純粋分離されて冷蔵保管中のL26の単胞子菌糸と第1世代交配菌株の単胞子菌糸を上述の交配方法と同様に処理し、第2世代交配菌株を選抜した。
【0023】
(3)第2世代交配菌株の栽培試験
第2世代交配菌株を上述した第1世代交配菌株の栽培方法と同様の方法で処理して栽培試験を行った。
【0024】
3.シイタケGNA01菌株の形成
(1)単胞子の分離
培養された第2世代交配菌株の子実体から得られた胞子を上述の単胞子分離方法と同様に処理して単胞子(一核)菌糸を分離した後、冷蔵保管して試験に使用した。
(2)交配
既に純粋分離されて冷蔵保管中の第1世代交配菌株の単胞子菌糸と第2世代交配菌株の単胞子菌糸を上述の交配方法と同様に処理してクランプ形成菌株としてのシイタケGNA01を選抜した。
【0025】
(3)シイタケGNA01菌株の栽培試験
シイタケGNA01菌株を上述の第1世代交配菌株の栽培方法と同様の方法で処理して栽培試験を行った。
4.新規なシイタケの選抜
前記栽培試験で生育した子実体の形状、色沢、太さ、味などを調査し、最も優れたものみを選抜するが、この際、数量が多い、子実体が完璧な球状である、肉質があまり堅くなくて緻密である、表面が殆ど白花茹の形で覆われているものを選抜した。菌株は2010年11月23日付で韓国微生物保存センターに寄託された(受託番号:KCCM11135P)。
5.新規なシイタケGNA01の形態的特性
シイタケGNA01は、柄と傘がなく、全体形状が球状とされるように柄と傘が丸く一体形成されている。柄と傘がなくて傘のひび割れがないから、一つ当たり150gまでも生長し、一般シイタケより2倍程度大きく生長する。組織は柔らかくて弾力性のある肉質型であり、乳白色である。味は、シイタケ固有の香りの他にも、甘味を有している。特に、噛むと、シコシコとした食感がある。肉質が一般シイタケより堅く、貯蔵期間が一般シイタケより2倍以上長い。表面は殆ど白花茹の形で覆われており、一般シイタケより花茹の形が非常に多いので、品質が極めて優れる。胞子が形成されていないので、子実体の一部を組織分離して繁殖させることができる。
実施例2:新規なシイタケGNA01の生理的特性の調査
(1)菌糸生長の最適温度:
ジャガイモ寒天培地上で生長した菌糸体を直径10mmのサイズに切り取った後、MCM寒天培地の正中央に接種し、温度別に培養した後、14日後に生長した菌糸体の直径を測定したところ、生育可能な温度範囲は5℃〜29℃であり、最適温度は昼には17〜23℃、夜には5〜10℃の付近であった。
(2)菌糸生長の最適温度:
菌糸の生長に適した最適酸度を解明するために、グルコースペプトン−イーストエクストラクト液体培地25mLをpH4〜8までそれぞれ調節した後、25℃で14日間静置培養し、その後、乾燥菌糸体の重量を測定したところ、菌糸生育の酸度範囲は4.5〜8であり、最適酸度はpH6.5付近であった。
実施例3.新規なシイタケGNA01の栽培
1.培地の調製
(1)原材料
<1>広葉樹のオガクズ(ブナ)
広葉樹のオガクズは、サイズが5mm以下で、色が鮮やかであり、水分が14〜18%、pHが左右8.0である。さらに、窒素の総体的含有量が0.3%以上で亜鉛やカドミウムの含有量が標準を超過するものは使用してはならない。樹種は、クヌギ12年〜15年産がよく、直径約12〜15cmのものだけを使用することが好ましい。オガクズの粒子比率は3〜5mm60%、2〜3mm30%、1〜2mm10%であることが好ましい。
【0026】
<2>白樺オガクズ
通常、培地には有機炭素源としての砂糖が必要であるが、本発明では砂糖の代わりに白樺20%を使用する。
【0027】
<3>フスマ
タンパク質13.5%、粗脂肪3.8%、粗繊維10.4%、及び可溶炭水化物55.40%を含み、灰分が4.8%、水分が12.1%であり、それらの中でもビタミンB1の含有量が7.9mg/kgであり、16種のアミノ酸を含有したグルタミン酸の含有量が46%のフスマを補助材料として使用する。
(2)培地組成の比率
ブナオガクズ:白樺オガクズ:フスマを3:1:1(容積比)で混合して使用した。
(3)培地の混合
準備された乾燥原料を混合した後、水を入れて約2時間混合し、培地の水分含有量を60〜62%程度となるように調整して培地を調製した。調製された培地は4時間以内に使用することが好ましい。
2.充填(封入)
栽培用ビニル袋として長さ60cm*幅18cm*厚さ0.055mmのPP袋を使用して培地を充填するが、袋の長さ42cmにまで充填し、重量3.0kg〜3.2kgのものが好ましく、上部はカプセルの使用後に綿栓を用いて封入を完了した。
3.殺菌
常圧105℃で70分間殺菌した後、高圧殺菌を121℃で110分間(有効殺菌時間)行う。
4.放冷
7℃の滅菌冷却室で培地の温度が17℃となるまで冷却した。
【0028】
5.接種
培地の中央に打抜き機で打ち抜きした後、種菌を1袋当たり10g程度接種し、綿栓で封入した後、接種完了した。
【0029】
6.培養
培養ベンチに一つずつ展開し、良い空調施設のある所で22℃にて50日間培養した。湿度は60%に維持し、二酸化炭素の濃度は1200ppm以下に管理した。照度は暗黒培養で管理した。
【0030】
7.褐変
褐変室へ移送した後、水分の含量を調節するために1回以上の打ち抜きをしながら60日間褐変を完了した。打ち抜きは最初封入重量の30%程度に重量が減少できるように水分含量に応じて1回〜数回行われる。通常、一次打ち抜きは褐変室への移送後から10日前後に行い、それ以上の打ち抜きは水分含量に応じて行われる。
【0031】
8.栽培管理
褐変が60日のみで終わった培地は、生育室に移して浸水作業を行う。浸水の際に、温度が室温より10℃程度低い水を用いて8時間浸水させることが好ましい。この際、浸水の際に使用される水のpHは6.5であることが好ましい。浸水完了の後、菌床上に整理して発茸を開始した。生育室の最適温度は、昼には17〜23℃、夜には5〜10℃であることが好ましい。生育室の湿度は、初期発茸の際に85%〜90%を維持し、収穫の際には60%を維持する。通常、浸水後15日であれば、収穫を開始することができる。
【0032】
本発明は、上述したように好適な実施例を挙げて図示及び説明したが、これらの実施例に限定されず、本発明の精神を外れない範囲内において、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって多様な変更及び修正が可能であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新菌株シイタケ[Lentinula edodes(Berk.) Pegler]GNA01(寄託番号:KCCM11135P)。
【請求項2】
請求項1の菌株から形成されたシイタケ子実体。
【請求項3】
前記子実体は傘と柄の区別が付かない球状であることを特徴とする、請求項2に記載のシイタケ子実体。
【請求項4】
前記子実体は甘味を有することを特徴とする、請求項2に記載のシイタケ子実体。
【請求項5】
前記子実体の表面が白花茹の形で形成されたことを特徴とする、請求項2に記載のシイタケ子実体。
【請求項6】
前記子実体は胞子が形成されないことを特徴とする、請求項2に記載のシイタケ子実体。
【請求項7】
前記子実体の一部を組織分離して繁殖することを特徴とする、請求項6に記載のシイタケ子実体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−518582(P2013−518582A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551930(P2012−551930)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【国際出願番号】PCT/KR2011/009330
【国際公開番号】WO2012/081851
【国際公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【出願人】(512201649)
【Fターム(参考)】