Array ( [harmful] => 0 [next] => Array ( [id] => A,2006-508048 [meishou] => 新規な二フッ化ジェミナル化合物、その製造方法およびその用途 ) [prev] => Array ( [id] => A,2006-508046 [meishou] => 銅により触媒されたアリール化 ) ) 新血管新生に関連する状態を治療する方法及び配合物

新血管新生に関連する状態を治療する方法及び配合物

本発明は、細胞又は組織に有効量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを送達することによって、組織内の新血管新生を阻害する方法を提供する。またここでは、被験体に有効量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを投与することによって、内皮細胞の超増殖及び/又は新血管新生に関連する疾病を治療する方法を提供する。患者を治療するためのキットも同様に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2002年8月5日に提出された米国仮出願番号60/401,130の米国特許法第119条(e)の下の利益を主張し、その内容はここに参照して本開示の中に組み込まれる。
【0002】
本発明は薬剤の分野におけるものである。特に,病気の予防及び治療のための抗血管形成薬剤の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
血管形成(angiogenesis)は、新しい血管構造が既存の毛細管からの増殖によって生じる過程である。本過程において、内皮細胞が、この支持体の蛋白質分解酵素による劣化につれて基底膜から分離する。それから、これら細胞は親血管から移動し、分離し、そして新たに分化した血管組織を形成する(Risau,(1997)Nature386:671−674;Wilting他,(1995)Cell. Mol. Biol. Res. 41(4):219−232)。多様な異なる生物学的要因が血管形成の制御において機能していることがわかっている(Bussolino他、 (1997) Trends IN Biochem Sci 22(7):251−256; Folkman and d’Amore, (1996) Cell 87:1153−1155)。これらとしては、成長因子、細胞表面受容器、プロテアーゼ、プロテアーゼ阻害剤及び細胞外基質蛋白質のような多様な機能を有する蛋白質が挙げられる(Achen and Stacker、(1998)Int.J. Exp. Pathol. 79:255−265;Devalaraja and Richmond、 (1999) Trends in Pharmacol. Sci.20(4):151−156;Hanahan、 (1997) Science 277:48−50;Maisonpierre他、 (1997) Science 277:55−60;Sun他、 (1996) Cell 87:1171−1180;Sato他、 (1995) Nature 376:70−74;Mignatti and Rifkin、 (1996) Enzyme Protein 49:117−137;Pintucci他、 (1996) Semin Thromb Hemost 22(6)517−524;Vernon and Sage、 (1995) Am.j. Pathol. 147(4):873−883; Brooks他、 (1994) Science 264:569−571; Koch他.、 (1995) Nature 376:517−519)。血管形成過程の複雑性及びその進行を制御する因子の多様性が、in vivoの血管形成を制御する、医療的処置のための一連の有用な点を提供する。
【0004】
血管形成は通常、胚発生の間、成長の間、そして傷の治癒や女性の生殖周期のような特別の場合において、注意深く制御された方法で生じる(Wilting and Christ、 (1996) Naturwissenschaften 83:153−164;Goodger and Rogers、 (1995) Microcirculation 2:329−343;Augustin他、 (1995) Am.j. Pathol. 147(2):339−351)。病的な血管形成の過程における重要なステップのうちのいくつかは、腫瘍成長および転移ガン、糖尿病性網膜症、慢性関節リウマチ、および乾癬のような他の炎症性の疾病を含む多くの人間の病気における中心的な役割を果たす(Folkman、 (1995) Nature Med.1(1):27−3 1;Polverini、 (1995) Rheumatology 38(2):103−112;Healy他、 (1998) Hum.Reprod.Update 4(5):736−396)。これらの場合、病気の進行は永続的且つ無秩序な血管形成により駆動される。例えば、関節リウマチにおいて、新しい毛細血管が関節を侵食し軟骨を破壊する。糖尿病性網膜症においては、網膜の毛細血管が硝子体を侵食し出血し失明を引き起こす。腫瘍成長及び転移は著しく血管形成依存である。ほとんどの主要な固形腫瘍は、成長が直径およそ1−2mmまで制限された、持続的無血管状態を経験する。このサイズまで、腫瘍細胞は受動拡散によって必要な酸素および栄養の供給を得ることができる。これらの微視的な腫瘍塊はついには血管形成のスイッチを入れることができ、周囲の血管を補充して、腫瘍塊に血管を通す毛細血管を発生し始め、これが腫瘍の持続的拡張及び悪性細胞の遠隔部への転移のための潜在力を与える。病的血管形成中に生じる生物学的事象の理解において重要な進歩が得られたが、生体内の血管形成を制御するのに役立つ有効な医薬合成物は現在存在しない。したがって、血管形成を制御することが可能な有効な治療法は、かなりの数の人間の疾病を緩和する可能性を持っている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
伝統的に、医薬化合物は、所望の医薬性質のため合成化合物のスクリーニング及びその後のin vivoでの毒性及び有効性の試験によって開発されている。この方法で選ばれた化合物はしばしば生体内での副作用を有し、またこのアプローチでは、疾病治療のための効果的な血管形成阻害薬の開発に成功していない。更に最近、分子生物学の技術が血管形成阻害薬の開発に適用されている。実験モデルにおいて血管形成を制御する、アンギオスタチンのような血管形成の蛋白質阻害薬が発見されている。それにもかかわらず、そのような蛋白質治療は生産が高額であり、配合及び対象への送達が困難であることがわかっている。現在のところ、蛋白質血管形成阻害薬は未だ患者向けの治療薬へと開発が進んではいない。したがって、患者に安全に投与可能で且つ血管の内皮細胞の病的成長の阻害に効果的な治療薬の必要性が存在する。本発明はこの目的に有用な配合物及び方法を提供し、また関連する利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
出願人は、スルフォラファン及びその誘導体が内皮細胞の成長及び増殖並びに血管新生(vascularization)の過程を阻害することを見出した。こうして、本発明は、病的度合いまで分裂している特定の細胞においてまたは組織において内皮細胞の増殖を阻害する方法を提供する。この発明はまた、組織内の新血管新生(neovascularization)を阻害する方法を提供する。各々の方法は、前記細胞または組織に、有効量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを送達することを必要とする。一側面において、前記方法は、癌の中で起きているような血管形成、新生血管新生または過度の細胞増殖を阻害するために知られている他の化合物、配合物または治療法と組み合わされる。そのような療法としては、これらに限定されないが、化学療法、放射線療法及び抗血管形成化合物の投薬が挙げられる。
【0007】
またここでは、内皮細胞の超増殖及び/又は新血管形成に関連する疾病を、有効量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグの被験体への投与によって治療する方法が提供される。一側面において、前記方法は、癌の中で起きているような血管形成、新生血管新生または過度の細胞増殖を阻害するために知られている他の化合物、配合物または治療法と組み合わされる。そのような療法としては、これらに限定されないが、化学療法、放射線療法及び抗血管形成化合物の投薬が挙げられる。患者を治療するためのキットも同様に提供される。
【0008】
さらに、スルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグと同一の、類似の又はより良い治療効果を有する新しい治療薬を毒呈するための選別法も提供される。前記選別法はスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグの抗増殖効果を前記薬と比較することを必要とする。
【0009】
更にその上、新血管新生、血管形成、新生物又はがんを治療又は予防する化合物、配合物又は治療法の治療又は治療の利益を強化する方法も提供される。そのような治療としては、これらに限定されないが、化学療法、放射線療法及び抗血管形成化合物の投薬が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この開示の全体にわたって、様々な出版物、特許および公開された特許明細書が、識別する引用により参照される。これら出版物、特許及び公開特許公報の開示は、ここで、本発明に関連する技術水準をより完全に説明するために、参照して本開示中に組み込まれる。
【0011】
本発明の実施は、他に明記されない場合、当業の技術の範囲内である(組換え技術を含む)分子生物学、微生物学、細胞生物学、生化学及び免疫学の従来技術を使用する。かかる技術は文献により完全に説明される。
【0012】
定義
ここで用いられているように、特定の用語は以下に定義される意味を有することができる。
【0013】
本明細書及びクレームに用いられるように、単数形「a」「an」及び「the」は、別な事項が文脈に明確記述されてない場合、複数の言及を含む。例えば、用語「細胞」は複数の細胞を含み、それらの混合物を含む。
【0014】
ここに用いられるように、用語「有する」は、配合物及び方法が記述された要素を含むが、それ以外のものを除外しない、ということを意味するよう意図されている。「から本質的に成る」が、配合物及び方法を定義するために用いられるとき、その組み合わせに、いかなる本質的に重要な他の要素も含まないことを意味するのである。このように、ここで定義されるように該要素から本質的に成る配合物は、リン酸緩衝生理食塩水や防腐剤などのような、分離及び精製方法からの痕跡量の異物並びに医薬的に許容できるキャリアを除外しないであろう。「から成る」は痕跡量の他の成分及びこの発明の配合物を投与する実質的な方法工程以上のものを除外することを意味するのである。これら移行用語のそれぞれによって規定される実施の態様はこの発明の範囲内である。
【0015】
用語「単離される」は、成分、細胞その他であってその中において化合物が通常、実質的に付随するものから分離されることを意味する。
【0016】
「被験体」又は「宿主」は、脊椎動物であり、好ましくは動物又は哺乳類であり、更に好ましくは人間の患者である。哺乳類としては、これらに限定されないが、マウス、サル、人間の患者、家畜、競技動物、及びペットが挙げられる。
【0017】
同義的に単数又は複数形で用いられる用語「がん」「新生物」及び「腫瘍」は、細胞を宿主生物にとって病的なものにする悪性転換をした細胞をいう。原発性がん細胞(すなわち悪性転換の位置の近くから得られた細胞)は、容易に、充分確立している技術、特に組織学の検査により非癌細胞から区別することができる。がん細胞の定義は、ここに用いられたように、原発性がん細胞だけでなくがん細胞の原種に由来したいかなる細胞をも含む。これは転移されたがん細胞、およびがん細胞に由来した試験管培養および細胞株を含んでいる。通常、固形腫瘍として現れるがんの一種をいうとき、「臨床的に検知できる」腫瘍は、例えばCATスキャン、核磁気共鳴映像法(MRI)、X線、超音波あるいは触診のような処置によって腫瘍塊に基づいて検知できるものである。生化学又は免疫学の所見はこの定義を満たすには単独では不十分かもしれない。
【0018】
ここに用いられるように、「阻害」は成長、内皮細胞の増殖、細胞分裂あるいは組織中の血管の形成を停止、遅延又は減速させることを意味する。阻害をモニタする方法としては、これらに限定されないが、内皮細胞増殖分析、血液量の決定による血管床の体積の測定、及び血管構造の密度の量的決定が挙げられる。培養物が細胞の混合物である場合、新血管新生は、血管形成要因、蛋白質分解酵素および内皮細胞特定細胞接着分子のような、内皮細胞の特定の標識を表す細胞の定量的測定によってモニタされる。
【0019】
「配合物」は、活性剤と他の不活性な(例えば検出可能な薬剤又はラベル)又は免疫助成剤のような活性な化合物との組み合わせを意味する。
【0020】
「医薬配合物」は、当該配合物を試験管内、生体内又は生体外での診断や治療の使用に適したものにする不活性又は活性キャリアーと活性剤の組み合わせを含むことを意図している。
【0021】
ここに用いられるように、用語「医薬的に許容できるキャリアー」はリン酸緩衝生理食塩水溶液、水、および油/水あるいは水/油乳濁液のような乳濁液、といったような標準の医薬キャリアーおよび様々なタイプの湿潤剤のうちの何れかを包含する。
配合物はさらに安定剤及び防腐剤を含むことが可能である。
キャリアー、安定剤および免疫助成剤の例については、Martin, REMINGTON‘S PHARM. SD., 15TH ED. (Mack Publ. Co., Easton (1975))を参照すること。
【0022】
「有効量」は有益な又は所望の結果をもたらすに充分な量である。例えば、治療の量は所望のの治療効果を達成するものである。この量は、疾病の発症あるいは病徴を防ぐために必要な量である予防的に有効な量と同一であるか異なっていてよい。有効量は、1以上の投与、塗布あるいは投薬で与薬することが可能である。
【0023】
ここに用いられるように、他に明記されない場合、「スルフォラファン」はスルフォラファングルコシネート(SGS)を破壊してできたアグリコン生成物を意味するように意図され、それは、主としてアブラナ科の野菜(キャベツ、ブロッコリ、ブロッコリーの芽、メキャベツ、カリフラワー、カリフラワーの芽、チンゲン菜、緑葉カンラン、コラードの葉、キバナスズシロ、コールラビ、からし、カブ、赤いハツカダイコン、またオランダガラシ)中で見つかる。他に明記されない場合、その用語はスルフォラファンの誘導体、薬学的に許容できる塩類およびプロドラッグを含む。若いブロッコリーの芽及びカリフラワーの芽は、スルフォラファングリコシネート誘導体に特に富んでいる。スルフォラファングリコシネートはグリコシネートグルコラファニンとしても知られている。スルフォラファンは、C611NOS2の分子式および177.29ダルトンの分子量を有する。さらに、それは、4−メチルスルフィニルブチルイソチオシアネート及び(−)−1−イソチオシアナト−4(R)−(メチルスルフィニル)ブタンとしても知られる。グルタチオンS転移酵素及びキノン還元酵素のような過程II解毒酵素(ある発癌物質および他の有害親電子物質からの保護を提供する)を生じるその能力により、スルフォラファンが抗発がん性の性質を持っているかもしれないことが考えられる。
【0024】
本発明者は、スルフォラファンが内皮細胞成長を阻害し抗血管形成特性を有することを発見した。これらの発見に従って、この発明は、成長抑制する量のスルフォラファン又は薬学的に許容可能な誘導体、塩若しくはそのプロドラッグを細胞に送達することによって、内皮細胞の成長を阻害する方法を提供する。この発明は、さら抗血管導通の量のスルフォラファン又は薬学的に許容可能な誘導体、塩若しくはそのプロドラッグを組織に送達することによって組織における血管導通を阻害する方法を提供する。
【0025】
この方法は生体外または生体内で実施可能である。生体外で実施された時、内皮細胞あるいは血管導通された組織が、例えばいかに例証されるように、当業者に周知の条件下で培養される。細胞及び/又は組織は確立した細胞株のものが可能であり、あるいは被験体から得られた生検サンプルから培養することが可能である。それから、スルフォラファン又は薬学的に許容可能な誘導体、塩若しくはそのプロドラッグは培地に加えられ、医薬配合物の成分として送達される。
【0026】
ラセミ化合物のスルフォラファンの精製は以下に説明する。一側面においては、精製されたスルフォラファンはD体のみである。別の側面では、それはL体のみである。ラセミ化合物、D又はL体は各々市販されており、また、各々を単離する方法は当該技術において知られている。例えば、CHIRAL−AGP、CHIRAL−CBH及びCHIRAL−HAS、のようなHPLCのキラルカラムの使用がChrom Tech International(AB)から可能である。また、Perkins−ElmerはSulfadexキラル分離キットの下、キラル分離キットを販売している。
【0027】
塩類の例としては以下のものが挙げられる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、へプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭酸塩、沃酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、蓚酸塩、パルモエート、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩。
【0028】
塩類の他の例としては、Na+、NH4+およびNW4+(ここでWはC1-4アルキル基である)のような適切な陽イオンと組み合わせた本発明の化合物の陰イオンが含まれる。治療の使用のために、本発明の化合物の塩類は医薬的に許容できるものであろう。しかしながら、医薬的に許容可能でない酸と塩基との塩類は、例えば医薬的に許容できる化合物の調製又は精製に利用を見出すことができる。
【0029】
すべての治療が各個人にとって有効だとは限らず、故に、各患者に対する効能を測定する試験管内分析は有利であろう。本方法は、スルフォラファン療法が内皮細胞の病的増殖と関係する個別の被験体固有の疾患を治療するかどうか判断するこれらの手段を提供する。かかるものの例はここに提供される。例えば、組織生検材料を患者から分離し、細胞の成長及び増殖に有効な条件下で、ここで規定されるような有効量の医薬配合物又は治療と接触させる。従来の処置、例えばここに説明されるCPAE分析、によって判定されるような病的細胞の成長の阻害によって、当該発明の配合物及び/又は治療が有効に患者を治療できるということが示される。
【0030】
血管形成即ち新しい血管の形成は新しい血管が形成される根本的な過程である。それは、生殖発生および創傷治癒のような本質的な生理学の現象に関与する。通常状態の下では、血管形成は高度に規制される。しかしながら、多くの疾病が永続的且つ無秩序な血管形成によって活動する。関節リウマチにおいて、新しい毛細血管が関節を侵食し軟骨を破壊する。糖尿病性網膜症においては、網膜の毛細血管が硝子体を侵食し出血し失明を引き起こす。腫瘍成長及び転移は血管形成依存である。ほとんどの主要な固形腫瘍は、到達可能な最大サイズが直径で1−2mmである、無血管で一見成長を休止した状態を経験する。このサイズまで、腫瘍細胞は単純な受動拡散によって必要な酸素および栄養素を得ることが可能である。これらの微視的な腫瘍塊は、周囲の成熟した宿主血管の補充により、やがて血管形成のスイッチを入れて成長する新しい毛細血管を発生させ始め、最終的には、腫瘍塊を浸透することができ、それにより腫瘍塊の容赦ない拡大及び血行性転移の潜在力を同様に推進する。血管形成のスイッチは、最初に、「腫瘍血管形成因子」(TAF)と呼ばれる成長因子の腫瘍細胞による異所性生産及び合成が引き金となって起きるという仮説が立てられた。
【0031】
この発明は、さらに、被験体に治療上の有効量のスルフォラファン(ラセミ体、D−又はL−)あるいはこれらの1つ以上を含んでいる医薬配合物を投与することにより、被験体の中で病的新血管新生に関連した病気を治療する方法を提供する。この文脈の中で用いられるように、「治療する」ことは新血管新生の縮小と同様に病的な新血管新生に関連した病状も緩和することを意味する。斯かる状態の例としては、これらに限定されないが、関節炎の状態、新生血管に基づく皮膚病的状態、糖尿病性網膜症、カポジ肉腫、加齢黄斑変性症、末梢欠陥拡張症、緑内障、ケロイド、コーニカルな拒絶反応、創傷肉芽化(wound granularization)、血管線維腫、オスラー−ウェーバー症候群、心筋の血管形成、乾癬および硬皮症が挙げられる。典型的な関節炎の条件は、関節リウマチと骨関節炎から成るグループから選ばれる。がんと固形腫瘍の治療については、「治療する」ことは、腫瘍のための及び/又は成長のため腫瘍によって必要とされる栄養の不足をもたらす、血管の成長の阻害を含む。腫瘍及び腫瘤はサイズが減少し、恐らく、消えるであろう。関節炎の状態の治療のための投薬は、軟骨、特に関節における血管形成の減少をもたらし、またこれら領域における可動性及び柔軟性の増加をもたらすであろう。乾癬の治療については、投薬により、痂皮形成、剥落、皮膚の表面下に見える血管のような皮膚科学的病徴が縮小するであろう。糖尿病性網膜症では、活性分画の投薬により、網膜における外来性血管の形成が減少し遮蔽のない視覚がもたらされるだろう。カポジ肉腫の治療では、活性分画の投薬により、血管の成長及び/又はさらなる形成を阻害し、それによって、生じる病巣及び/又は腫瘍の形成を阻害するであろう。
【0032】
マウス、ラット又は人間の患者のような被験体に前記活性分画が投与される時、薬剤を医薬的に許容できるキャリアに加えて被験体に全身、経口、経皮又は局所投与することが可能である。治療のための量は経験的に決定することができ、治療される病変、治療される被験体、および治療法の中で使用される分画の形式の毒性に応じて変わるだろう。活性分画は、経口、静脈内、腹腔内あるいは経皮的に送達することが可能である。動物に送達されると、当該方法はさらに活性分画の効能を確認するのに有用である。
【0033】
動物モデルの例として、ヌードマウス(Balb/c NCR nu/nu メス、Simonsen、Gilroy(カリフォルニア州))のグループに対し、各々、皮下に、ここに規定されるような約105から約109個の超増殖細胞の接種を行う。
移植片が定着されると、化合物は、例えば移植片周辺の皮下注射によって投与される。
移植片サイズの縮小を判定する測定は週に二度ノギスを使用して、二次元の中でなされる。
【0034】
Jackson研究所(Maine)からのMRL/lprマウス(MRL/MpJ−Faslpr)は、関節炎の状態における効能をテスト又はモニターするのに有用である。積極的な治療の利益としては、動物の関節および後脚の腫れ物の縮小、並びにX線によってモニターすることができる軟骨劣化の低減が挙げられる。
【0035】
ルイスラット(年齢8週、130−150g。Jackson研究所、Maine(アメリカ))のグループは牛のタイプII(BII)コラーゲンに免疫を有し、関節炎の状態を引き起こす。BIIは400μg/mlで0.1M酢酸に溶解する。それを、尾の付け根に、同体積のBIIおよびICFA(不完全なフロイントアジュバント)の20μg(100μl)の濃度の乳剤とともに経皮注入する。関節炎の状態が確立されると、4点基準の観察を、28日の期間の間、種種の肉体的病気に対して行う。適切なように、他の動物モデルも使用してよい。
【0036】
生体内投与は、治療の道程全体に渡り連続的にあるいは断続的に、一回分において達成することが可能である。投与の最も有効な手段及び量を決定する方法は、当業者によく知られており、治療に使用された配合物、治療の目的、治療する標的細胞および治療される被験体に応じて様々であるだろう。単一又は複合の投与は、治療する内科医によって選択されている投与量レベルおよびパターンで実行することが可能である。適切な製剤投薬量及び薬剤の投与の方法は以下に見ることができる。
【0037】
本発明の配合物及び医薬製剤は、医薬配合物中の有効成分のように、従来の処置に従い投与によって人間および他の動物を治療するために、薬剤および健康補助食品の製造において使用することが可能である。
【0038】
医薬配合物は、経口的に、経鼻的に、非経口的にあるいは吸入療法によって投与することができ、錠剤、舐剤、顆粒、カプセル、丸剤、アンプル、坐薬あるいはエアゾール型の形式をとることができる。さらに、それらは、水性又は非水性の希釈剤、シロップ、顆粒物、粉剤の中で有効成分の懸濁液、溶液及び乳濁液の形式をとってもよい。本発明の合成物に加えて、医薬配合物はまた、他の医薬的有効成分を含むことが可能である。
【0039】
特にまた、有効成分としてここにいう活性分画を、口、直腸、鼻、局所(経皮、エアゾール、頬及び舌下腺を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内・皮内を含む)及び肺を含む任意の適切な経路によって治療のため投与してよい。受容者の状態および年齢、および治療されている疾病に応じて好ましい経路が異なるであろうこともまた良いであろう。
【0040】
方法が生体内で実施される場合、病的な内皮細胞成長あるいは新血管新生は被験体において阻害される。治療上の有効量のスルフォラファン(ラセミ化合物、D−又はL−)、又は、その薬学的に許容可能な誘導体、塩若しくはプロドラッグは、その意図した結果を引き出すのに有効な量被験体に送達される。この発明は、さらに、被験体に治療上有効な量あるいは成長抑制する量のスルフォラファン(ラセミ化合物、D−又はL−)又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを投与することにより、被験体における病的な新血管新生に関連した病気を治療する方法を提供する。かかる状態としては、これらに限定されないが、関節炎の状態、新生血管に基づく皮膚病的状態、糖尿病性網膜症、再狭窄、カポジ肉腫、加齢黄斑変性症、毛細血管拡張症、緑内障、ケロイド、角膜移植拒絶、創傷肉芽化、血管線維腫、オスラー−ウェーバー症候群、心筋の血管形成、乾癬および硬皮症が挙げられる。典型的な関節炎の状態は、関節リウマチと骨関節炎から成るグループから選ばれる。
【0041】
スルフォラファンが、マウス、ラットあるいは人間の患者のような被験体に投与される場合、薬剤を医薬的に許容できるキャリアに加え、被験体に全身的、経口的、経皮的又は局所的に投与することが可能である。治療のための量は経験的に決定することができ、治療している病変、治療している被験体および治療される状態に応じて変わるであろう。
【0042】
薬物成分は単独で投与することが可能だが、それを、上に規定されるように、少なくとも1つの有効成分をそれのための1つ以上の医薬的に許容できるキャリアー及び随意に他の治療薬剤と一緒に含む医薬製剤として提示することが好ましい。キャリアーはそれぞれ、製剤の他の成分と互換性をもち患者にとって有害でないという意味において「許容可能」でなければならない。
【0043】
製剤は、経口、直腸、鼻、局所(経皮、頬、舌下腺を含む)、膣、非経口(皮下、筋肉内、静脈内及び皮内)並びに肺の投与に適切なものを含む。その製剤は、ユニット投薬量形式で便利なように示してもよく、薬学技術において周知の任意の方法によって調製してもよい。かかる方法は、有効成分をキャリアに混合する工程を含み、それは1つ以上の副成分を構成する。一般に、製剤は、液体のキャリアーあるいは微細に分割された固体キャリアーを備えた有効成分あるいは両方を一様且つ密に混合し、そして必要ならば、製品を成型することにより調製される。
【0044】
経口投与に適した本発明の製剤は、所定量の有効成分を各々含んだカプセル、カシェ剤又は錠剤のような個単位として、粉剤または顆粒として、水性又は非水性の液体の溶液又は懸濁液として、あるいは水中油型乳濁液又は油中水型乳濁液として、提供してよい。有効成分も大型丸薬、舐剤あるいはペーストとして提供してよい。
【0045】
錠剤は随意に1以上の副成分と共に、圧縮又は成型してよい。任意でバインダー(例えばポビドン、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルローズ)、潤滑性の不活性希釈剤、防腐剤、錠剤分解物質(例えばデンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、界面活性又は分散剤と混合した粉末や顆粒のような易流動状の有効成分を、適切な機械の中でを圧縮することにより圧縮された錠剤を調製して良い。適切な機械において、不活性薬品希釈剤で湿潤された粉末化合物の混合物を成型することにより、成型された錠剤を作成してよい。錠剤は、例えば、所望の放出プロフィールを与えるために様々な割合でヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用して、錠剤中の有効成分の放出率を遅くする又は制御するように、任意で被覆又は刻み目を施してよく、また配合してよい。錠剤には、胃以外に腸の部分において放出するために腸溶コーティングを任意で与えてよい。
【0046】
口内の局所投与に適した製剤は、たいてい蔗糖とアカシア又はトラガカントゴムといった風味付け基剤中に有効成分を有する舐剤、ゼラチンオ及びグリセリン又は蔗糖およびアカシアのような不活性基剤中に有効成分を有するトローチ、及び適切な液体キャリアー中に有効成分をする口内洗浄液、を含む。
【0047】
本発明による局所投与用の医薬配合物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアゾールあるいは油として配合してよい。あるいは、製剤は、有効成分と、任意で1以上の添加薬又は希釈剤を浸漬された包帯又は絆創膏のような、傷当て又は包帯剤を含んでよい。
【0048】
目あるいは他の外側組織、例えば口や皮膚、の疾病については、製剤は、有効成分を含有する局所軟膏かクリームとして好ましく適用される。軟膏に配合する場合、薬物はパラフィン系又は水溶性軟膏基剤とともに使用してよい。あるいは、薬成分は、水中油型クリーム基剤を有するクリームの中に配合してよい。
【0049】
もし望むならば、クリーム基剤の水相は、例えば、約30%w/wの多価アルコール、即ちプロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセリンおよびポリエチレングリコールのような2つ以上の水酸基を有するアルコール及びそれらの混合物、を含んでよい。望ましくは局所製剤は、皮膚あるいは他の影響を受けた領域を介して薬成分の吸収あるいは浸透を増強する化合物を含有してよい。そのような皮膚の浸透エンハンサーの例としては、ジメチルスルホキシド及び関連する類似物質が挙げられる。
【0050】
この発明の乳剤の油相は、任意の知られた形でで既知の成分から構成されてよい。
この相は単に乳化剤(他にはエマルジェントとして知られている)を含んでもよいが、望ましくは脂肪若しくは油又は脂肪と油との両方と少なくとも1の乳化剤との混合物を有する。好ましくは、水性乳化剤は油性乳化剤と共に含まれ、安定剤の役割をする。
また、それは油と脂肪の両方を含むと好ましい。
ともに、安定剤を有する又は有さない乳化剤はいわゆる乳化蝋を構築し、また、油及び/又は脂肪と一緒の蝋は、クリーム製剤の油分散相を形成する、いわゆる乳化軟膏基剤を構築する。
【0051】
本発明の製剤で使用するに適したエマルジェント及び乳化安定剤としては、トゥイーン60、スパン80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、グリセリンモノステアリン酸塩およびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0052】
医薬的乳濁薬剤の中で使用されるであろうほとんどの油の中への活性合成物の溶解度が非常に低いので、製剤に適した油又は脂肪の選択は所望の化粧特性の達成に基づく。したがって好ましくは、クリームは、チューブ又は他の容器からの漏出を回避するのに適した粘稠度を有する、油っぽくなく、汚れず、洗うことのできる製品であるべきである。ジイソアジピン酸塩、イソセチルステアリン酸塩、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、イソプロピルミリスチン酸塩、デシルオレイン酸塩、イソプロピルパルミチン酸塩、ブチルステアリン酸塩、2−エチルヘキシルパルミチン酸塩又はCrodamol CAPとして知られている分岐鎖エステルの混合物、のような直鎖あるいは分岐鎖の一又は二塩基アルキルエーテル二塩基のアルキル基のエステルが使用されてもよく、最後の3つが好ましいエステルである。これらは、単独であるいは要求される特性に応じた組み合わせの中で使用されてもよい。あるいは、白い柔軟なパラフィン、流動パラフィンあるいは他の鉱油のような高い融点の脂質を使用することが可能である。
【0053】
また、目への局所投与に適した製剤は、適切なキャリアー、特に有効成分のための水性溶剤、に有効成分が溶解又は懸濁された点眼薬を含む。直腸投与のための製剤は、例えばカカオバターやサリチル酸塩を有する適切な基剤を含んだ坐薬として提供してよい。
【0054】
膣投与に適した製剤は、プロドラッグ成分に加え、当技術において適切であると知られているようなキャリアーを含んでいるペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡あるいはスプレー製剤として提供してよい。
【0055】
キャリアーが固体である鼻投与に適した製剤は、例えば約20〜約500ミクロンの範囲の粒子径を有する粗粉末を含み、嗅ぎタバコを吸うように、即ち鼻に近づけた粉末の容器から鼻道を介して速やかに吸引することにより、投与される。例えば鼻腔用スプレー、点鼻、又はネビュライザーによるエアゾール投与のような投薬のためにキャリアーが液体である適切な製剤には、プロドラッグ成分の水溶液又は油性溶液が含まれる。
【0056】
非経口投与に適した製剤には、酸化防止剤、緩衝液、制菌剤及び製剤を対象の受容者の血液と等張にする溶質を含んでよい水性及び非水性の等張無菌注入溶液;並びに懸濁化剤及び増粘剤と、血液成分若しくは1以上の器官への化合物を対象とするよう設計されているリポソーム又は他の微小粒子系と、を含んでよい水性及び非水性無菌懸濁液が含まれる。製剤は、例えばアンプルやガラス瓶といったユニットドーズ又はマルチドーズ封入容器に入って提供しても良いし、使用直前に、例えば注入用水のような無菌の液体キャリアーの追加だけが必要な、冷凍乾燥された(凍結乾燥された)状態で保存しても良い。即席の注入溶液および懸濁液は、無菌の粉末、顆粒、および以前に記述された種類の錠剤から調製してもよい。
【0057】
好ましい単位量投薬製剤は1日分の量またはユニット、ここに上述されたような1日の副服用量、又は薬成分のその適切な分画を含んでいるものである。
【0058】
特に上に言及された成分に加えて、この発明の製剤が、問題の種類の製剤に関する当技術における従来の他の試剤を含んでよい、例えば経口投与に適したものが甘味料、増粘剤及び香料のようなさらなる試剤を含んでもよい、ということは理解されるはずである。
【0059】
スルフォラファン(ラセミ化合物又は光学的に純粋な組成)、そのプレドラッグ、塩又は誘導体及びその配合物はまた、獣医学の製剤の形で使用するために供してよく、それは例えば当技術における従来の方法によって調製してよい。
【0060】
本発明は、更に、新血管新生又は内皮細胞成長を阻害する治療薬をスクリーニングする方法を提供する。この選別は、
(a)前記薬を適切な細胞又は組織サンプルと接触させる工程と、
(b)前記適切な細胞又は組織サンプルの別のサンプルを治療上有効な量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグと接触させる工程と、
(c)前記工程(a)のサンプルの成長を前記工程(b)のサンプルの成長と比較する工程であって、前記工程(b)のサンプルと同じ又は類似する程度に成長を阻害する工程(a)のいずれの薬も新血管新生又は内皮細胞の成長を阻害する治療薬である工程を必要とする。
【0061】
また、本発明によって、被験体における病的新血管新生に関連する病状を治療するためのキットが提供される。このキットは、治療上有効な量のスルフォラファン(ラセミ体、(D)または(L))又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグと使用説明書とを含む。このキットは、がん及び固形腫瘍、関節炎の状態、新生血管に基づく皮膚病的状態、糖尿病性網膜症、カポジ肉腫、加齢黄斑変性症、再狭窄、毛細血管拡張症、緑内障、ケロイド、角膜移植拒絶反応、創傷肉芽化、血管線維腫、オスラーウェーバー症候群、心筋の血管形成、硬皮症、乾癬、関節リウマチ及び骨関節炎から成る群より選ばれる病状を治療するのに役立つ。
【0062】
以下の実施例は本発明を説明するが制限しないことを目的としている。
【実施例】
【0063】
実施例1
スルフォラファンの単離及び精製
スルフォラファンおよびスルフォラファンニトリルは、Matusheski他 (2001) J. Agric. Food Chem. 49:1867−1872に従いアブラナ科の種子から単離精製されている。(D,L)−スルフォラファンはKim, s. and Yi x., (1986) 3. Org. Chem 51:2613−2615に従い合成可能である。D−スルフォラファンはキラルクロマトグラフィーカラムを用いてラセミ混合物(D,L)−スルフォラファンから精製される。スルフォラファンは全てLKT Laboratories社から商業的に入手することが可能である。
【0064】
実施例2
スルフォラファンによる内皮細胞阻害分析
内皮細胞分析:
Connally他(1986) Anal. Biochem. 152:136−4を修正した(Liang and Wong (2000) 血管形成:分子から統合的薬理学へ、Maradoudakis著, Kluwer Academic/Plenum. Publishers, New York) D.T. Connolly他 (1986) Anal. Biochem. 152:136−140 手順に従い分析を行った。American Type Culture Collection (ATCC)から得た CPAE(牛の心肺動脈内皮細胞)は、最小必須培地10Eにおいてほぼ95%のコンフルエンスまで成長した。細胞を、0.25%のトリプシン溶液を備えた組織培養フラスコから放出し、10000細胞/ウェルの密度で同じ培地中24ウェルの組織培養シャーレの中で平板培養した。シャーレを5.0%のCO2培養器中において37℃で8時間培養した後。分析サンプル群および対照群を加えた。再現性を保証するために100μL/ウェルで2つの異なるウェルにそれぞれのサンプルを搭載した。60時間サンプルとともに定温培養した後、培地を吸引し、そして、細胞の数を細胞の酸性ホスファターゼの比色定量測定に基づいて測定した。
【0065】
結果と議論:
【表1】

【表2】

【表3】

【0066】
スルフォラファンの各エナンチオマーは内皮細胞成長を阻害する。内皮細胞分析の結果により、内皮細胞分析へのスルフォラファンの追加が内皮細胞成長を著しく阻害することを証明することが示される。分析において、L−スルフォラファン、D−スルフォラファン及びD,L−スルフォラファンが全て、6.25μg/mLの濃度で内皮細胞増殖の92%を超える阻害を発現した。これらの結果は、スルフォラファンが非常に有効な内皮細胞成長阻害剤であることを示す。
【0067】
また、血管形成の阻害についての濃度依存性試験がL−スルフォラファン、D−スルフォラファン及びD,L−スルフォラファンについて行われ、図1に示された。非常に低い濃度でさえ、スルフォラファンが内皮細胞増殖の非常に強い阻害剤であることは、明らかである。
【0068】
実施例3
スルフォラファンによる種種のがん細胞株の阻害
がん細胞株
分析は下記の手順で行われた。使用されるがん細胞株、Lncap(前立腺)、SW480(大腸)およびHTB72(黒色腫)を、American Type Culture Collection(ATCC)から商業的に入手した。がん細胞は、25cm2フラスコにおいてそれぞれの培地中90%のコンフルエンスへ成長する。細胞はトリプシン処理され、計数され、1ml当たり10000細胞に希釈される。1mlの細胞を24ウェルの培養シャーレにそれぞれ加え、そして、細胞を、終夜付着させる。その後、試験サンプルは、50ulのH2O、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)あるいは1X培地の何れかに様々な濃度で加えられます。対照試料を含んでいるウェルは、同体積の溶液を受ける。細胞を、37℃及び5%CO2で60時間成長させる。培地を各々からよく取り除いて、分析を始めるために細胞を1mlのPBSで一度すすぐ。その後、500μlの基剤溶液(100mM酢酸ナトリウム、pH5.5の0.2%トリトンX−100、1mg/mlのp−ニトロフェニルリン酸塩)を加える。シャーレを37℃で2時間培養する。その後、1mlの0.1M水酸化ナトリウムを加え、光学濃度をマイクロプレートリーダにより410nmで読みとる。
【0069】
結果と議論
L−スルフォラファンによる様々ながん細胞株についての阻害分析の結果を表4〜6中で以下に示す。
【表4】

【表5】

【表6】

【0070】
我々はまた、L−スルフォラファンが、Lncap(前立腺癌細胞株)、SW480(大腸癌細胞系)及びHTB72(黒色腫細胞系)を含む多くのがん細胞株の増殖を阻害するだろうことを発見した。L−スルフォラファンは、極めて低濃度(6.25μg/ml)でこれらの細胞株の増殖を強力に阻害することを示した。それはLncap(前立腺癌細胞系)に対して特に有効に見えた。
【0071】
先述の発明は、明瞭な理解という目的のため、説明及び実施例によりかなり詳細に記述されたが、一定の変更および修正が行われるであろうことは当業者には明らかであるだろう。例えば、当業者に明らかなように、発明方法は、1以上の既知の抗腫瘍抗血管形成あるいは免疫増強の治療及び配合物(例えばサメ軟骨、チロスフィンゴシン、スフィンゴシン)と組み合わせることが可能である。したがって、発明の範囲は制限するように、明細書及び実施例により解釈されるべきではなく、添付のクレームによって規定される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】図1は、内皮細胞分析において、L−スルフォラファン、D−スルフォラファンおよびD、L−スルフォラファンによる内皮細胞増殖の濃度依存阻害を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内皮細胞の成長を阻害する方法であって、成長阻害量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを前記細胞に送達する工程を有する方法。
【請求項2】
前記スルフォラファンはD−スルフォラファン、L−スルフォラファン及びラセミ体D,L−スルフォラファンから成る群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スルフォラファンの誘導体は、スルフォラファンニトリルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
組織内の血管新生を阻害する方法であって、抗血管新生量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを前記組織に送達する工程を有する方法。
【請求項5】
前記スルフォラファンはD−スルフォラファン、L−スルフォラファン及びラセミ体D,L−スルフォラファンから成る群から選ばれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スルフォラファンの誘導体は、スルフォラファンニトリルである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
主要器官内の血管新生を阻害する方法であって、抗血管新生量のD−、L−又はラセミ体のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを前記組織に送達する工程を有する方法。
【請求項8】
前記送達する工程は、試験管内、生体内又は生体外である、請求項1、4又は7の何れか一項の方法。
【請求項9】
宿主内の病的新血管新生に関連する病状を治療する方法であって、治療上有効な量の抗血管新生量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを被験体に投与する工程を有する方法。
【請求項10】
前記スルフォラファンはD−スルフォラファン、L−スルフォラファン及びラセミ体D,L−スルフォラファンから成る群から選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記病状は、がん及び固形腫瘍、関節炎の状態、新生血管に基づく皮膚病的状態、糖尿病性網膜症、カポジ肉腫、加齢黄斑変性症、再狭窄、毛細血管拡張症、緑内障、ケロイド、角膜移植拒絶反応、創傷肉芽化、血管線維腫、オスラーウェーバー症候群、心筋の血管形成、乾癬および硬皮症から成る群より選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記病状は、前立腺がん、大腸がん及び黒色腫から成る群より選ばれる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記病状は、関節リウマチ及び骨関節炎から成るグループから選ばれた関節炎の状態である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記スルフォラファンの誘導体は、スルフォラファンニトリルである、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
被験体の主要器官内の病的新血管新生に関連する病状を治療する方法であって、治療上有効な量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグを被験体に投与する工程を有する方法。
【請求項16】
前記送達する工程は経口、静脈内、腹腔内又は経皮投与による、請求項9〜15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
有効量の抗血管形成剤を投与する工程を更に有する、請求項9〜15の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記宿主又は被験体は動物である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記動物は、ペット、家畜又は人間の患者からなる群から選ばれる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
被験体の全般的健康及び厚生を向上する方法であって、有効量のスルフォラファンを前記被験体に投与する工程を有する方法。
【請求項21】
前記量は健康補助食品として供給される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記宿主又は被験体は動物である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記動物は、ペット、家畜又は人間の患者からなる群から選ばれる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記スルフォラファンはD−スルフォラファン、L−スルフォラファン及びラセミ体D,L−スルフォラファンから成る群から選ばれる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記スルフォラファンの誘導体は、スルフォラファンニトリルである、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
新血管新生又は内皮細胞の成長を阻害する治療薬をスクリーニングする方法であって、
a.前記薬を適切な細胞又は組織サンプルと接触させる工程と、
b.前記適切な細胞又は組織サンプルの別のサンプルを治療上有効な量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグと接触させる工程と、
c.前記工程(a)のサンプルの成長を前記工程(b)のサンプルの成長と比較する工程であって、前記工程(b)のサンプルと同じ又は類似する程度に成長を阻害する工程(a)のいずれの薬も新血管新生又は内皮細胞の成長を阻害する治療薬である工程と、
を有する方法。
【請求項27】
前記接触させる工程は試験管内又は生体内である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記スルフォラファンはD−スルフォラファン、L−スルフォラファン及びラセミ体D,L−スルフォラファンから成る群から選ばれる、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記スルフォラファンの誘導体は、スルフォラファンニトリルである、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記工程a及びbのサンプルを有効量の抗血管形成剤と接触させる工程を更に有する、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
被験体における病的新血管新生に関連する病状を治療するためのキットであって、治療上有効な量のスルフォラファン又はその医薬的に許容できる誘導体、塩若しくはプロドラッグと使用説明書とを有するキット。
【請求項32】
前記病状は、がん及び固形腫瘍、関節炎の状態、新生血管に基づく皮膚病的状態、糖尿病性網膜症、カポジ肉腫、加齢黄斑変性症、再狭窄、毛細血管拡張症、緑内障、ケロイド、角膜移植拒絶反応、創傷肉芽化、血管線維腫、オスラーウェーバー症候群、心筋の血管形成、乾癬および硬皮症から成る群より選ばれる、請求項31に記載のキット。
【請求項33】
前記病状は、前立腺がん、大腸がん及び黒色腫から成る群より選ばれる、請求項31に記載のキット。
【請求項34】
前記病状は、関節リウマチ及び骨関節炎から成るグループから選ばれた関節炎の状態である、請求項31に記載のキット。
【請求項35】
前記スルフォラファンはD−スルフォラファン、L−スルフォラファン及びラセミ体D,L−スルフォラファンから成る群から選ばれる、請求項31に記載のキット。
【請求項36】
前記スルフォラファンの誘導体は、スルフォラファンニトリルである、請求項31に記載のキット。

【図1】
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【公表番号】特表2006−508047(P2006−508047A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−526444(P2004−526444)
【出願日】平成15年8月5日(2003.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2003/024455
【国際公開番号】WO2004/012677
【国際公開日】平成16年2月12日(2004.2.12)
【出願人】(505047142)ワクヴォム, リミテッド (1)
【Fターム(参考)】