説明

新規なアルデヒド性ムスク及びその誘導体

アルデヒド性ムスク芳香族化学品と実質的に不揮発性の無臭アミンとのシッフ塩基を含む化合物であって、前記シッフ塩基化合物のイミン部分がカルボキシル基または前記化合物の混合物への酸化に対して安定であり、前記シッフ塩基化合物が経時的に前記アルデヒド性ムスクと前記不揮発性の無臭アミンとに生分解性である化合物;並びにこうした化合物またはその混合物を活性成分として含有する、改良された芳香、香りまたは臭気の放出特性を有する組成物、製品、調製物、または物品;明日で肥土性ムスク園も、並びに前記シッフ塩基の調製方法、並びに基体に芳香特性を付与する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルデヒドムスク芳香族化合物、その香料及び風味化合物、並びにこれらの誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
今日一般に使用され、ムスク様の芳香特性を有する、ほとんどの芳香化合物または香料化合物は、ケトン類、典型的にはメチルケトン類である。いわゆる「アルデヒドムスク類」、すなわち、ケトン性官能基の代わりにアルデヒドを含む芳香族または多環式のムスク類は、しばしばそのケトン性類似物よりも格段に有用性が高いが、本来的に、そのアルデヒド部分における対応するカルボン酸への酸化に対して不安定であり、よってその芳香特性を喪失する。この本来的な酸化不安定性のため、アルデヒド性ムスク類は一般的に歴史的及び学術上における興味の対象でしかなく、評判の悪い、比較的に使用されないものとなっている。こうした典型的なアルデヒド性ムスクは、米国特許第2450879号に開示されており、50年ほど昔、より安定なケトン性ムスク類によって取って代わられる前には、短期間に亘ってAmbralとして市販された2,4−ジ−tert−ブチル−5−メトキシベンズアルデヒドである。
【0003】
しかしながら、ケトンムスク類自体が、工業的に使用された場合にこれらが放出される先の環境中での比較的な安定性のために、昨今では不評を買っている。近年では、その環境に対する有害な影響のために、ケトンムスク類を禁止しようとする動きが起こっている。然るに、最近、欧州理事会はケトンムスク類の使用を厳しく規制している。XXIX Commission Directive 2003/16/EC of 19 February 2003 adapting to technical progress Annex III to Council Directive 76/768/EECを参照のこと。
【0004】
WWFは、最近、ムスクケトン類の禁止を要求している。http://www.ngo.grida.no/wwfneap/Publication/briefings/Musk.pdfを参照のこと。ここにはさらに、化粧品に関する欧州化学委員会が、ムスクキシレン及びムスクケトンに対するヒトの暴露は低減されるべきであると結論したことも開示されている。
【0005】
[http://www.fpinva.org/Summary/environmental_concerns.htm]には、ムスクケトン類のレベルは、その環境への影響のため、大幅に低減すべきであると開示されている。http://www.thenose.ch/acrobats/Musks_in_Perfumery.pdf; http://www.separationsnow.com/basehtml/SepH/1,0-5-7-0-43457-ezine-0-3,00.html; http://www.ospar.prg/documents/dbase/publications/p00200_BD%20on%20musk%20xylene.pdf; http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=11460697&dopt=Abstract;もまた参照のこと。
【特許文献1】米国特許第2450879号
【非特許文献1】XXIX Commission Directive 2003/16/EC of 19 February 2003 adapting to technical progress Annex III to Council Directive 76/768/EEC
【非特許文献2】http://www.ngo.grida.no/wwfneap/Publication/briefings/Musk.pdf
【非特許文献3】http://www.fpinva.org/Summary/environmental_concerns.htm
【非特許文献4】http://www.thenose.ch/acrobats/Musks_in_Perfumery.pdf
【非特許文献5】http://www.separationsnow.com/basehtml/SepH/1,0-5-7-0-43457-ezine-0-3,00.html
【非特許文献6】http://www.ospar.prg/documents/dbase/publications/p00200_BD%20on%20musk%20xylene.pdf
【非特許文献7】http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=11460697&dopt=Abstract
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アルデヒド部分でのカルボン酸への酸化に対して安定であり、且つ環境に安全な生成物に生分解性であり、且つ経時的及び所望の通りに着臭剤アルデヒド性ムスクを放出することができる、アルデヒド性ムスク類の新規な誘導体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記及び他の目的は本発明によって実現されるが、その一つの実施態様は、アルデヒド性ムスク芳香化合物と実質的に不揮発性の無臭アミンとのシッフ塩基を含む化合物であって、前記シッフ塩基のイミン部分がカルボキシル基または前記化合物の混合物への酸化に対して安定であり、前記アルデヒド性ムスク芳香化合物は最高で18の炭素原子を有し、前記シッフ塩基化合物が経時的に前記アルデヒド性ムスクと前記不揮発性の無臭アミンとに生分解性である化合物に関する。
【0008】
本発明の別の実施態様は、アルデヒド性ムスク類を、そのアルデヒド基のカルボキシル基への酸化に対して安定化し、一方でその臭い、香り、及び風味特性を維持する方法であって、実質的に不揮発性のアミン類を用いてそのシッフ塩基を形成する工程を含む方法に関する。
【0009】
本発明の更なる実施態様は、活性成分として上述の化合物またはその混合物を含有する、改良された芳香、香りまたは臭気の放出特性を有する組成物、製品、調製物、または物品を含む。本発明の更に別の実施態様は、上述のシッフ塩基の1つ以上を用いる処理により、組成物、製品、または物品の味、香り、または臭い特性を付与、改良、増進、または変性する方法に関する。更なる実施態様は、新規なアルデヒド性ムスク類に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
上述の通り、アルデヒド性ムスク類は、そのアルデヒド基の、対応するカルボン酸への酸化に対する本来的な不安定性のために、ケトン性ムスクに対するその優れた有効性にもかかわらず不評を買っている。然るに、当該分野においては、こうした高度に有効なアルデヒド性ムスクを有効な用途に利用可能にする方法及び組成物が求められている。
【0011】
本発明は、アルデヒド性ムスク類の本来的な酸化不安定性が、アミンを用いてそのアルデヒド基を誘導してシッフ塩基、すなわちイミン類を生成させることによって矯正しうるとの発見のもとに予測される。この目的のための所定のアミン類の使用により、前記ムスク類が酸化に対して安定化されるのみならず、アルデヒド性ムスク類の芳香特性が所定の応用に向けて保護された組成物を生成させる。本発明のシッフ塩基は、時を経てゆっくりと生分解し、芳香アルデヒド性ムスクと、それ自体は実質的になんらの芳香も風味も環境に与えない不揮発性アミンとを放出する。
【0012】
所定の応用、例えば洗濯用洗剤については、芳香分子を、織物を構成するアミン基含有ポリマーに共有結合させることが知られている。洗剤で織物を洗浄すると、前記ポリマーは織物に付着し、濯ぎ及び乾燥のサイクルを切り抜ける。ポリマー−芳香シッフ塩基は、時を経てゆっくりと分解して着臭剤を放出し、よって前記織物に長期継続性の快適な香りをもたらす。米国特許、例えば第6699823号、第6511948号、第6413920号、及び第6566312号などには、この手段は「アルデヒド類」並びにケトン類に応用してよいことが開示されているが、従来技術には、当業者がアルデヒド性ムスクを誘導して、1)そのアルデヒド基のカルボキシル基への酸化分解に対して安定化させ、2)それ自体芳香性でなく、且つ3)時を経ると生分解して芳香アルデヒド性ムスクと非芳香アミンを生成する、シッフ塩基を生成させることを可能にするような開示は全くない。
【0013】
本発明の機構の如何なる理論に束縛されることも意図しない一方で、香料成分はイミン結合の断裂の際に放出され、アルデヒド性ムスク及び第一級アミン化合物の放出をもたらすと考えられる。これは、加水分解、光化学的開裂、酸化的開裂、または酵素的開裂のいずれかによって達成されると考えられている。芳香化合物の放出のための更に別の手段には高温が含まれ、例えば、シッフ塩基で処理した織物のアイロンがけ、乾燥機での乾燥、及び/または前記織物を身につける工程が、シッフ塩基の破壊に要する熱を供給する。
【0014】
本発明の組成物は、アルデヒド性ムスクの遅延放出が必要とされる応用において、またかかる応用のために利用可能である。これには、リンス、例えば柔軟化組成物、パーソナルクレンジング組成物、例えばシャワーゲル、消臭剤、バー、シャンプー等における使用のための組成物;独立型組成物、例えば消臭化組成物、殺虫剤などが含まれる。
【0015】
1つの好ましい応用は、本発明の化合物を織物と接触させる工程を含むものに関する。本発明の組成物は、例えば家庭での洗濯作業の、如何なる工程においても、例えば処理の前及び/または後用の組成物として、洗浄添加剤として、濯ぎ処理における使用に適した組成物として、好適である。明らかに、例えば織物を本発明の前処理組成物で処理した後に、濯ぎ処理及び/または乾燥処理における使用に適した組成物で処理するといった多重応用が実行可能である。濯ぎ処理における使用のために好適な組成物とは、柔軟化及び/または帯電防止の利点を与える、濯ぎ時添加柔軟剤組成物及び乾燥時添加組成物(例えばシート)並びにリンス添加剤を含むと理解される。
【0016】
本発明による誘導体のために好適なアルデヒド性ムスク類には、芳香族(ベンゼン性)及び多環式のムスク類が含まれる。
【0017】
本発明に好適な適当なアルデヒド性ムスク類は、2,4−ジ−tert−ブチル−5−メトキシベンズアルデヒド並びに、下式:
【化1】

[式中、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
xは1乃至5である]
を有するものである
【0018】
ベンゼン性アルデヒド性ムスクの例は、下記の構造:
【化2】

を有する2,4−ジ−tert−ブチル−5−メトキシベンズアルデヒドである。
【0019】
適当な多環式ムスク類は、下記のいずれかの構造:
【化3】

[式中、
及びRは同一または相違して良く、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
mは1乃至4であり、nは1乃至6である]
を有するものである。
【0020】
こうした典型的な多環式ムスク類は、下記の構造:
【化4】

を有するものである。
【0021】
アルデヒド性ムスク類を用いてシッフ塩基を生成させるために好適なアミン類は、好ましくは比較的に低い蒸気圧及び高い分子量を有する、非芳香性で無臭の不揮発性アミン類、すなわち約12以上の炭素原子を含む芳香族または脂肪族のアミン類である。アルデヒド性香料化合物もしくは芳香化合物のシッフ塩基を生成させることが提唱されている。しかしながら、こうした全ての場合において揮発性アミン類、例えばアントラニル酸アルキルが使用されており、これはシッフ塩基が分解するとそれ自体が時として環境に不快な臭気を与え、よって当該芳香化合物の芳香特性に不利な影響を与える。本発明における使用に好適なアミンには、例えば、少なくとも1つの遊離の未変性第一級及び/または第二級アミノを含む、無臭であり低蒸気圧の脂肪族または芳香族のアミン、例えばアミノベンゼンスルホン酸、アントラニル酸、ファルネシルアミン、アミノ酸類が含まれるが、アミノ末端とアルデヒドとの反応によって依然として遊離のカルボン酸が残り、よって生成するシッフ塩基が不揮発性且つ無臭になるのである。一般的に、双性イオンを含む全てのアミノ基が有効である。「第一級及び/または第二級アミン」とは、少なくとも1つの第一級及び/または第二級のアミン、及び/またはアミド官能を含む成分を意味する。
【0022】
更に、少なくとも1つのアミン基を含むアミノ官能性ポリマー類を、本発明の実施に使用して良い。本発明の少なくとも1つの第一級アミン基を含むアミノ官能性ポリマー類の一般的構造は、下式:
(NH2)n--[B]
[式中、nは少なくとも1の指数であり、Bはポリマー骨格である。Bは任意に分枝状基を含む。本発明の実施に利用可能なアミノ官能性ポリマーには、第二級アミン基を含み、倍ポリマーが--NH2基に代えて1つ以上の--NH--基を含むこと以外は上述のものと類似の構造を有するものが含まれる。さらにまた、該ポリマー構造は、--NH2基と--NH--基とのうち1つ以上をさらに有して良い]
である。
【0023】
本発明のアミノ官能性ポリマーは、水素置換によって、もしくは別の好適な挿入によって主鎖に結合した、少なくとも1つの遊離の未変性第一級及び/または第二級アミノ基を含む。側鎖上に存在する未変性第一級及び/または第二級アミン基を含むアミノ官能性ポリマーもまた好適である。
【0024】
好ましくは、本発明のアミノ官能性ポリマーは、1つ以上のアミノ基、更に好ましくは10より多くのアミノ基を含む。本発明のアミノ官能性ポリマーは、好ましくは400乃至50000の分子量(MW)を示し、最も好ましくは600乃至40000の分子量を示す。
【0025】
前記アミノ官能性ポリマーは、直鎖状のホモ-、コ-ポリマーであって、任意に分枝状の、グラフト化した、及び/または架橋したものである。
【0026】
本発明における使用に好適なアミノ官能性ポリマーの好ましい例は、ポリビニルアミン類、その誘導体、そのコポリマー、アルキルポリアミン、ポリアミド酸、及びそのコポリマー、架橋ポリアミノ酸、アミノ置換ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレンビスアミンもしくはビスアミノアルキル、アミノアルキルピペラジン及び誘導体、N,N'-ビス-(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン、直鎖状もしくは分枝状の(TPTA)、並びにこれらの混合物から選択される。
【0027】
ポリアミノ酸は、アミノ官能性ポリマーの適切且つ好ましい種類の1つである。ポリアミノ酸類は、アミノ酸類または化学的に変性されたアミノ酸類から製造される。これらはアラニン、セリン、アスパラギン酸、アルギニン、バリン、スレオニン、グルタミン酸、ロイシン、システイン、ヒスチジン、リシン、イソロイシン、チロシン、アスパラギン、メチオニン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、グルタミン、グリシン、またはこれらの混合物を含有可能である。化学変性されたアミノ酸類においては、アミノ酸のアミンまたは酸性官能基が化学反応物と反応している。これは、前記アミノ酸のこれら化学アミン及び酸官能基をその後の反応において保護するため、または前記アミノ酸により優れた溶解性などの特定の特性を付与するためにしばしば行われる。こうした化学変種の例は、ベンジルオキシカルボニル、アミノ酪酸、ブチルエステル、及びピログルタミン酸である。アミノ酸及び小型アミノ酸フラグメントの一般的な変種の更なる例は、Bachem, 1996, Peptides and Biochemicals Catalogに見いだされる。
【0028】
好ましいポリアミノ酸類は、ポリリシン類、ポリアルギニン、ポリグルタミン、ポリアスパラギン、ポリヒスチジン、ポリトリプトファン、またはこれらの混合物である。リシンの側鎖中の第一級アミン官能基が、全てのアミノ酸の中で最も反応性のアミンであるため、最も好ましいのはその50%を超えるアミノ酸がリシンであるポリリシン類またはポリアミノ酸類である。好ましいポリアミノ酸は、500乃至10000000、より好ましくは5000乃至750000の分子量を有する。
【0029】
ポリアミノ酸は、架橋していて良い。架橋は、例えばリシンなどのアミノ酸の側鎖中のアミン基の、該アミノ酸上のカルボキシル官能との、またはPEG誘導体などのタンパク質架橋剤との縮合によって得られる。架橋した該ポリアミノ酸には、活性成分との反応のための遊離の第一級及び/または第二級アミノ基が依然残っている必要がある。好ましい架橋ポリアミノ酸は、20000乃至10000000、更に好ましくは200000乃至2000000の分子量を有する。
【0030】
ポリアミノ酸またはアミノ酸は、例えば酸、アミド、塩化アシル等の他の反応物と、とりわけアミノカプロン酸、アジピン酸、エチルヘキサン酸、カプロラクタム、またはこれらの混合物と共重合化可能である。これらコポリマーに採用されるモル比は、1:1(反応物/アミノ酸(リシン))乃至1:20、より好ましくは1:1乃至1:10の範囲である。ポリリシン等のポリアミノ酸は、部分的にエトキシル化可能である。
【0031】
リシン、アルギニン、グルタミン、アスパラギンを含むポリアミノ酸類の例及び供給源は、Bachem, 1996, Peptides and Biochemicals Catalogに記載されている。
【0032】
活性成分との反応の前にポリアミノ酸が、塩形態で得られる。例えばポリリシンは、臭化水素酸ポリリシンとして供給可能である。臭化水素酸ポリリシンは、Sigma, Applichem, Bachem and Flukaから市販されている。少なくとも1つの第一級及び/または第二級アミン基を含む、本発明の目的に好適なアミノ官能性ポリマーの例は、以下の通りである。
【0033】
・約300−2.10E6のMWを有するポリビニルアミン;
・約600、1200、または3000のMW及び0.5のエトキシル化度を有するアルコキシル化ポリビニルアミン;
・ポリビニルアミンビニルアルコール−モル比2:1、ポリビニルアミンビニルホルムアミド−モル比1:2、及びポリビニルアミンビニルホルムアミド−モル比2:1;
・トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン;
・ビス-アミノプロピルピペラジン;
・ポリアミノ酸(L-リシン/ラウリン酸、モル比は10/1)、ポリアミノ酸(L-リシン/アミノカプロン酸/アジピン酸、モル比は5/5/1)、ポリアミノ酸(L-リシン/アミノカプロン酸/エチルヘキサン酸、モル比は5/3/1)、ポリアミノ酸(ポリリシン−コカプロラクタム);
・臭化水素酸ポリリシン;
・架橋ポリリシン;
・400乃至300000のMWを有するアミノ置換ポリビニルアルコール;
・例えばSigmaから入手可能なポリエチレンビス[アミン];
・例えばSigmaから入手可能なポリエチレンビス[6-アミノヘキシル];
・N,N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン
・直鎖状もしくは分枝状(TPTA);及び
・1,4-ビス-(3-アミノプロピル)ピペラジン(BNPP)。
【0034】
少なくとも1つの第一級及び/または第二級アミン基を含む、好ましいアミノ官能性ポリマー類は、
・600、1200、3K、20K、25K、または50Kの範囲のMWを有するポリビニルアミン類;
・400乃至300000の範囲のMWを有するアミノ置換ポリビニルアルコール;
・例えばSigmaから入手可能なポリオキシエチレンビス[アミン];
・例えばSigmaから入手可能なポリエチレンビス[6-アミノヘキシル];
・N,N'-ビス(3-アミノプロピル)-1,3-プロパンジアミン;
・直鎖状もしくは分枝状(TPTA);
・1,4-ビス-(3-アミノプロピル)ピペラジン(BNPP);
・架橋ポリリシン;
・臭化水素酸ポリリシン;
である。
【0035】
さらにまた、少なくとも1つの第一級及び/または第二級アミン基を含む、こうしたアミノ官能性ポリマー類及びアミン反応生成物は、織物の外観上の利点、特にカラーケア及び織物の摩耗に対する保護を与える。実際に、織物、例えば衣類、寝具、及びテーブルリネンなどの布製家庭用品の外観は、消費者が関心を寄せる分野の1つである。実際に、使用者による典型的な織物の使用、例えば織物の被服、洗浄、濯ぎ、及び/または乾燥機乾燥の際には、少なくとも部分的には色忠実度及び鮮明度の損失に起因しうる、該織物の外観の損失が観察される。
【0036】
色損失のこうした問題は、多数回の洗浄サイクルの後には更にいっそう深刻である。本発明の組成物は、いっそう優れた織物外観及び織物摩耗に対する保護、並びに洗濯された織物に対して、特に多数洗浄のサイクル後に、いっそう優れたカラーケアを提供することが判明している。
【0037】
したがって、本発明の組成物は、織物ケアと長期間に亘る芳香との利点を同時に提供することができる。
【0038】
さらにまた、シッフ塩基を形成するアミン基は、その基体を含む製造品をシッフ塩基で処理するとこれにシッフ塩基が結合しうるような基体を構成するものなどの分子の一部であって良い。経時的に、シッフ塩基の生分解により芳香アルデヒド性ムスクが放出されるが、その芳香には共に放出される不揮発性アミンの香りは混在しない。放出されるアルデヒド性ムスクの不安定性は、これが放出後にすぐさま嗅がれることからこうした応用においては重要ではない。こうした適切なアミン類には、ポリアミン類、例えばポリリシンまたは天然に産する硫酸プロタミン等が含まれる。
【0039】
本発明に付随する主な利点の1つは、従来工業的に使用されているメチルケトンムスク類が、対応するアルデヒド類よりも生分解性に劣り(環境中でより安定であり)、従って環境中で生物濃縮して前記環境を損なうという事実に関する。本発明によって誘導されるアルデヒド性ムスク類は、環境中では格段に不安定であるが、なぜならこれらは容易に酸化されて酸となり、これが水溶性または親水性であり、よってより生物濃縮しにくいためである。さらにまた、前記アルデヒド類は細菌などによってメチルケトン類よりも容易に分解されることが期待される(Biowin and MITI EPA-http://www.epa.gov/opptintr/exposure/docs/episuite.htmを参照のこと)。従って、本発明の誘導体によって放出されるアルデヒド性ムスク類は、環境中で生物濃縮する傾向をもたない。
【0040】
新規な香り及び風味の芳香化合物、並びに誘導体の製造方法、前記芳香化合物の使用、並びに前記芳香化合物を含む製造品がここに開示される。これらの新規な誘導体は、所定の芳香テーマを要求するありとあらゆる応用に利用を見いだす。本発明はまた、これら誘導体の混合物、その調製方法、及び様々な基体への応用のための芳香材料としてのその使用にも関する。
【0041】
本発明の誘導体を導入して良い適当な製造品の例には、香水及びコロン、キャンドル、芳香剤、洗浄組成物、及び殺菌剤が含まれる。
【0042】
本発明の化合物及び誘導体を導入して良い組成物、製品、調製物、及び物品には、キャンドル、芳香剤、香水、香料、コロン、石鹸、バスもしくはシャワーゲル、シャンプーもしくは別のヘアケア製品、化粧品調製物、ボディ用着臭剤、脱臭剤もしくは制汗剤、液体もしくは固体の織物洗浄剤もしくは柔軟剤、漂白製品(次亜塩素酸塩類)、殺菌剤、または家庭用もしくは工業用の万能洗浄剤、食品、風味剤、飲料、例えばビール及びソーダ、義歯洗浄剤(錠剤)、風味付きの経口送達製品、例えばロゼンジ、キャンディー、チューインガム、基質、薬剤などが含まれる。
【0043】
前記化合物は、香料成分として、単独でまたは混合物として、好ましくは当該芳香組成物の少なくとも約30重量%の範囲で、より好ましくは該組成物の少なくとも約60重量%の範囲で使用可能である。前記化合物は、その純粋状態でまたは混合物として、付加的成分なしに使用することさえ可能である。個別の化合物の嗅覚特性はその混合物中にも存在し、これら化合物の混合物は香料成分として使用可能である。このことは化合物混合物を使用することによって分離及び/または精製工程が回避可能である場合に特に有利である。
【0044】
本発明の誘導体は、従来の芳香化合物を含有可能な、さらには別の、天然または人工のいずれの香料も含有可能な、事実上あらゆる製造品中に含有可能である。その例には、漂白剤、洗剤、風味剤、及び香料、アルコール飲料を含む飲料等が含まれる。本発明の誘導体は、石鹸、シャンプー、ボディ用消臭剤及び制汗剤、布地を処理するための固体または液体の洗浄剤、織物柔軟剤、洗浄組成物、及び/または食器または様々な表面の洗浄のための家庭用もしくは工業用の万能洗浄剤等の応用に使用可能である。むろん、該化合物の使用は上述の製品に制限されず、これらは香料製造における現行の使用、すなわち石鹸及びシャワーゲル、衛生またはヘアケア用製品、並びにボディ用消臭剤、芳香剤、及び化粧品調製物の芳香付け、並びに精製香料(fine perfumery)、すなわち香水及びコロンにおいても使用される。本発明の製品はまた、食品、風味剤、飲料、例えばビール及びソーダ、義歯洗浄剤(錠剤)、風味付きの経口送達製品、例えばロゼンジ、キャンディー、チューインガム、基質、薬剤などに使用を見いだす。これらの使用を、以下により詳細に説明する。
【0045】
挙げた全ての応用において、本発明の誘導体は、単独で、互いに混合して、または当該分野で現在使用されている別の香料成分、溶媒、もしくはアジュバントとの混合物として使用可能である。これらの併用成分の性質及び種類は、ここでは更に詳細な説明を必要とせず、徹底的に挙げることはしないが、当業者であれば通常の知識により、また香り付けしようとする製品の性質及び所望の嗅覚効果の関数として、これを選択することができるであろう。
【0046】
これらの香料成分は、典型的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトライト、テルペンヒドロカーボン、硫黄及び窒素含有複素環化合物、並びに天然もしくは合成由来の精油といった多様な化学種に属する。これらの成分の多数が、ここにその全体、またはより最近の版の、または同種の別の研究の内容を、参照のために取り込むこととするS. Arctanderの著作、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, N. J., USA等の参考教本に開示されている。
【0047】
本発明の誘導体を様々な製品に導入することのできる割合の値は、広範囲に亘る。これらの値は、香り付けを所望する物品または製品の性質及び求める臭い効果、並びに、該化合物が現在当該分野で使用されている香料併用成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物として使用される場合には、所与の組成物中の併用成分の性質に依存する。
【0048】
例としては、本発明の誘導体は、典型的には、これらが導入される香料組成物の重量に対するこれら化合物の重量にして、約0.1乃至約10%の濃度、またはこれより高濃度で存在する。前記化合物が、前述の様々な消費製品の香り付けに直接適用される場合には、上述のものよりもずっと低い濃度が採用可能である。
【0049】
該化合物は、漂白剤及び活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、ハイポハライト(hypohalites)、特に次亜塩素酸塩、過酸化漂白剤、例えば過ホウ酸ソーダ等を含有する洗浄剤中に使用して良い。該化合物は、ボディ用消臭剤及び制汗剤、例えばアルミニウム塩を含有するものに使用可能である。これらの実施態様を、以下により詳細に説明する。
【0050】
ここに開示される誘導体に加えて、本組成物は、洗浄界面活性剤並びに、洗浄性能、洗浄しようとする基体の処理を補助または増強するための物質、または当該洗浄組成物の美観を修正するための物質(例えば香料、着色料、染料、等)を含む、1つ以上の任意の付加的洗浄成分を含む。ここで典型的には約0.5乃至約90重量%の濃度にて使用される合成洗浄界面活性剤の非限定的な例には、通常のC1-18アルキルベンゼンスルホネート(「LAS」)及び第一級の、分枝状及びランダムC10-20アルキルスルホネート(「AS」)等が含まれる。
【0051】
合成洗浄剤のみを組み入れた好ましい組成物は、約0.5乃至50%の洗浄剤レベルを有する。石鹸を含む組成物は、好ましくは約10乃至約90%の石鹸を含む。
【0052】
本組成物は、別の成分、例えば全て当業者には周知の、酵素、漂白剤、織物柔軟剤、転染防止剤、起泡抑制剤、及びキレート剤を含有可能である。
【0053】
ここに開示される誘導体は、飲料中に導入可能であり、この飲料に様々な風味を付与することができる。前記飲料組成物は、コーラ飲料組成物であってよく、さらにコーヒー、紅茶、乳飲料、果汁飲料、オレンジ飲料、レモンライム飲料、ビール、麦芽飲料、または別の風味付け飲料であってもよい。該飲料は、液体または粉末形態をとりうる。該飲料組成物は、1つ以上の風味剤;人工着色料;ビタミン添加剤;保存料;カフェイン添加剤;水;酸味料;増粘剤;緩衝剤;乳化剤;及び/または果汁濃縮物をさらに含むことができる。使用して良い人工着色料には、カラメルカラー、黄色6号、及び黄色5号が含まれる。有用なビタミン添加剤には、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC(アスコルビン酸)、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、及び葉酸が含まれる。好適な保存料には、安息香酸ナトリウムまたはカリウムが含まれる。使用して良い塩には、塩化ナトリウム、カリウム、及びマグネシウムが含まれる。乳化剤の例としてはアラビアゴム及び純ゴムがあり、有用な増粘剤はペクチンである。好適な酸味料には、クエン酸、リン酸、及びリンゴ酸が含まれ、見込みのある緩衝剤には、クエン酸ナトリウム及びカリウムが含まれる。
【0054】
1つの実施態様においては、前記飲料は炭酸コーラ飲料である。そのpHは、一般的に約2.8であり、下記の成分:風味濃縮物(ここに開示される誘導体の1つ以上を含有、22.22ml)、80%リン酸(5.55g)、クエン酸(0.267g)、カフェイン(1.24g)、人工甘味料、砂糖またはコーンシロップ(味付けのため、実際の甘味料による)及びクエン酸カリウム(4.07g)が、これら組成物のための糖液の製造に使用可能である。飲料組成物は、例えば、前記糖液と炭酸水とを、50mlの糖液に対して250mlの炭酸水の割合で混合することによって調製可能である。ここに開示される誘導体の1つ以上を含む、風味付けした食品及び製薬組成物もまた調製可能である。前記誘導体は、当業者には周知の技術を用いて通常の食品に導入することができる。あるいはまた、該誘導体をポリマー粒子内に導入し、次にこれを、通常は固体または準固体の基体である、経口速達可能な基質材料内に、且つ/または前記材料の表面上に、分散させることができる。チュアブル組成物中に使用される場合には、該組成物が噛まれ、且つ口の中に維持されると、前記誘導体が経口送達可能な基質材料中に放出され、よって該組成物の風味を長持ちさせる。乾燥粉末及び混合物の場合の風味は、該製品が消費される際に得られ、または該組成物がさらに処理される際に基質材料中に放出可能である。二種類の風味剤がポリマー粒子と混合される場合には、前記化合物の同時放出及び完全消費が得られるように添加剤の相対量を選択することができる。
【0055】
1つの実施態様において、香料組成物は、経口送達可能な基体材料;前記経口送達可能な基体材料中に分散された複数の水不溶性ポリマー粒子(前記ポリマー粒子は個別に内部孔の網目構造を規定し、消化管中において非分解性である);及び前記内部孔網目構造に捕捉された、ここに記載の1つ以上の誘導体を含む。前記誘導体は、基体が噛まれて口の中で溶解されるか、または液体添加、乾燥ブレンド、撹拌、混合、加熱、焼成、及び調理からなる群より選択される更なる処理を経るに従って放出される。経口送達可能な基体材料は、ゴム、ラテックス材料、結晶化糖類、アモルファス糖類、フォンダン、ヌガー、ジャム、ジェリー、ペースト、粉末、乾燥ブレンド、乾燥食品ミックス、ベーカリー製品、衣用生地、パン生地、錠剤、及びロゼンジからなる群より選択可能である。
【0056】
風味のないガムベースを、本発明の誘導体またはここに開示した別の適当な誘導体と、所望の風味濃度に混合することができる。典型的には、ブレードミキサーを約11°Fに加熱し、前記ガムベースは柔らかくなるように予熱した後、このガムベースをミキサーに加えておよそ30秒間混合させる。その後風味付けした誘導体をミキサーに加え、適当な時間に亘って混合する。その後ガムをミキサーから取り除き、温かいうちにワックスペーパー上でスティック厚さに延ばす。
【0057】
1つの実施態様においては、ここに開示した誘導体を、制御された方式で香料を放出することのできる系中に導入する。これらには、基質、例えば芳香剤、洗濯洗剤、織物柔軟剤、消臭剤、ローション、及び別の家庭用品が含まれる。該香料は、一般的にここに開示される精油の1つ以上の誘導体であり、これらはそれぞれ別の量で存在する。ここにその内容の全体を参照のために取り込むこととする、米国特許第4587129号は、最高で90重量%の香料または精油を含むゲル物品の調製方法を開示している、前記ゲルは、ヒドロキシ(低級アルコキシ)2-アルケノエート、ヒドロキシ(低級アルコキシ)低級アルキル2-アルケノエート、またはヒドロキシポリ(低級アルコキシ)低級アルキル2-アルケノエートを有するポリマーと、ポリエチレン性不飽和架橋剤とから調製される。これらの物質は、継続的な遅延放出特性を有し、すなわち、これらは香料成分を長時間に亘って連続的に放出する。有利には、アルデヒド基を含むこれら誘導体の全てまたは一部を修飾してアセタール基を含むようにすることができ、これにより該製剤が、アセタールが加水分解してアルデヒド化合物を生成するにつれて所定期間に亘って香料を放出する。
【0058】
本発明のシッフ塩基化合物の形成は、以下の反応スキームに従って進行する。
-CHO + HN-R → R-CHOH-NH-R → RCHN-R + H
式中、Rはアルデヒド性ムスクの残基であり、Rはシッフ塩基を形成するアミンの残基である。
【実施例】
【0059】
アミンとムスクアルデヒドとの混合物を、適当な溶媒(例えばエタノール、ジプロピレングリコール、ジイソプロピルミリステート)中にて、薄膜クロマトグラフィーまたはNMRで判断してイミン形成が完了するまで撹拌する。酸(例えばパラトルエンスルホン酸)及び脱水剤(例えばモレキュラーシーブ/硫酸ナトリウム/硫酸マグネシウム)等の添加剤を使用して反応を促進して良い。縮合を進行させるためにも、高温を利用可能である。完了時には、反応を適当な方法(例えば、濾過して不溶性添加剤を除去する/洗浄して添加剤を除去する)で進行させ、濃縮して生成物を得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルデヒド性ムスク芳香族化学品と実質的に不揮発性の無臭アミンとのシッフ塩基を含む化合物であって、前記シッフ塩基のイミン部分がカルボキシル基または前記化合物の混合物への酸化に対して安定であり、前記シッフ塩基化合物が経時的に前記アルデヒド性ムスクと前記不揮発性の無臭アミンとに生分解性である化合物。
【請求項2】
前記アルデヒド性ムスクが下記の構造:
【化1】

[式中、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
xは1乃至5である]
を有するベンゼン性ムスクである、請求項1の化合物。
【請求項3】
前記アルデヒド性ムスクが、下記のいずれかの構造:
【化2】

[式中、
及びRは同一または相違して良く、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
mは1乃至4であり、nは1乃至6である]
を有する多環式ムスクである、請求項1の化合物。
【請求項4】
前記アミンが、少なくとも1つの遊離の未変性第一級及び/または第二級アミノを含む、無臭であり低蒸気圧の脂肪族または芳香族のアミンである、請求項1の化合物。
【請求項5】
前記アミンが、アミノベンゼンスルホン酸またはアントラニル酸である、請求項4の化合物。
【請求項6】
前記アルデヒド性ムスクが、2,4−ジ−tert−ブチル−5−メトキシベンズアルデヒドである、請求項1の化合物。
【請求項7】
前記アルデヒド性ムスクが、下記のいずれかの式:
【化3】


を有する、請求項1の化合物。
【請求項8】
活性成分として、請求項1の化合物または前記化合物の混合物を含有する、改良された芳香、香りまたは臭気の放出特性を有する組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項9】
前記化合物またはその混合物が、少なくとも30重量%の量で存在する、請求項8の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項10】
前記化合物またはその混合物が、少なくとも60重量%の量で存在する、請求項8の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項11】
香水、香料、もしくはコロン、石鹸、バスもしくはシャワーゲル、シャンプーもしくは別のヘアケア製品、化粧品調製物、ボディ用着臭剤、脱臭剤、もしくは制汗剤、芳香剤、液体もしくは固体の織物洗浄剤もしくは柔軟剤、漂白製品、殺菌剤、または家庭用もしくは工業用の万能洗浄剤の形態である、請求項8の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項12】
前記化合物またはその混合物が、当分野において現在使用されている別の芳香成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物として存在する、請求項11の芳香組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項13】
香水もしくはコロン、石鹸、バスもしくはシャワーゲル、シャンプーもしくは別のヘアケア製品、化粧品調製物、ボディ用脱臭剤もしくは制汗剤、芳香剤、織物洗浄剤もしくは柔軟剤、または家庭用の万能洗浄剤の形態である、請求項11に記載の芳香物品。
【請求項14】
前記化合物またはその混合物が、別の芳香成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である香水の形態である、請求項13の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項15】
請求項13のボディ用脱臭剤もしくは制汗剤組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項16】
前記化合物またはその混合物が、当分野において現在使用されている別の芳香成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物として存在する、請求項15のボディ用脱臭剤もしくは制汗剤組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項17】
請求項13の洗浄剤組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項18】
前記化合物またはその混合物が、別の洗浄剤成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項17の洗浄剤組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項19】
請求項13の漂白組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項20】
前記化合物またはその混合物が、別の漂白成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項19の漂白組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項21】
殺菌剤の形態である、請求項13の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項22】
前記化合物またはその混合物が、別の殺菌剤成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項21の殺菌剤組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項23】
活性成分として、請求項1の化合物またはその混合物を含有する、改良された風味または味特性を有する組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項24】
飲料の形態の、請求項23の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項25】
前記化合物またはその混合物が、別の飲料成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項24の飲料組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項26】
風味剤の形態の、請求項23の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項27】
前記化合物またはその混合物が、別の風味成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項26の風味組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項28】
食品の形態の、請求項23の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項29】
前記化合物またはその混合物が、別の食品成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項28の食品組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項30】
チューインガムの形態の、請求項23の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項31】
前記化合物またはその混合物が、別のチューインガム成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項30のチューインガム組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項32】
薬剤の形態の、請求項8の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項33】
前記化合物またはその混合物が、別の薬剤成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項32の薬剤組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項34】
経口送達可能なマトリックス材料の形態の、請求項23の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項35】
前記化合物またはその混合物が、別のマトリックス材料成分、溶媒、またはアジュバントとの混合物である、請求項34の組成物、製品、調製物、または物品。
【請求項36】
請求項1の化合物またはその混合物の風味有効量を添加することを含む、組成物、製品、調製物、または物品の、味または風味特性を付与、改良、増進、または変性する方法。
【請求項37】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、飲料の形態である、組成物36の方法。
【請求項38】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、風味剤の形態である、請求項36の方法。
【請求項39】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、食品の形態である、請求項36の方法。
【請求項40】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、チューインガムの形態である、請求項36の方法。
【請求項41】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、薬剤の形態である、請求項36の方法。
【請求項42】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、経口送達可能なマトリックスの形態である、請求項36の方法。
【請求項43】
請求項1の化合物またはその混合物の芳香、香料、もしくは臭気有効量を添加することを含む、組成物、製品、調製物、または物品の、芳香、香料、もしくは臭気特性を付与、改良、増進、または変性する方法。
【請求項44】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、香水の形態である、請求項43の方法。
【請求項45】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、ボディ用臭気剤、消臭剤、もしくは制汗剤の形態である、請求項43の方法。
【請求項46】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、洗浄剤の形態である、請求項43の方法。
【請求項47】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、漂白製品の形態である、請求項43の方法。
【請求項48】
前記組成物、製品、調製物、または物品が、殺菌剤の形態である、請求項43の方法。
【請求項49】
実装材料及び前記実装材料内に含まれる芳香、臭気、香料、味、もしくは風味を増進させる作用剤を含む製造品であって、前記作用剤が、これを添加しようとする組成物、調製物、製品、または物品の芳香、臭気、香料、味、もしくは風味の増進に有効であり、前記実装材料が、前記作用剤が芳香、臭気、香料、味、もしくは風味の増進に利用可能であることを示すラベルを含み、且つ前記作用剤が、請求項1の化合物またはその混合物である、製造品。
【請求項50】
アルデヒド性ムスク芳香族化合物を、そのアルデヒド基のカルボキシル基への酸化に対して安定化する方法であって、実質的に不揮発性且つ無臭のアミンを用いてそのシッフ塩基を形成し、これによて前記アルデヒド基をイミン部分に変換する工程を含む方法。
【請求項51】
前記アルデヒド性ムスクが、下記の構造:
【化4】

[式中、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
xは1乃至5である]
を有するベンゼン性ムスクである、請求項50の方法。
【請求項52】
前記ムスクが、2,4−ジ−tert−ブチル−5−メトキシベンズアルデヒドである、請求項50の方法。
【請求項53】
前記アルデヒド性ムスクが、多環式ムスクである、請求項50の方法。
【請求項54】
前記多環式ムスクが、下記のいずれかの構造:
【化5】

[式中、
及びRは同一または相違して良く、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
mは1乃至4であり、nは1乃至6である]
を有する、請求項53の方法。
【請求項55】
前記アミンが、少なくとも1つの遊離の未変性第一級及び/または第二級アミノを含む、無臭であり低蒸気圧の脂肪族または芳香族のアミンである、請求項50の方法。
【請求項56】
前記アミンが、アミノベンゼンスルホン酸またはアントラニル酸である、請求項55の方法。
【請求項57】
前記アルデヒド性ムスクが、下記のいずれかの式:
【化6】

を有する、請求項50の方法。
【請求項58】
2,4−ジ−tert−ブチル−5−メトキシベンズアルデヒド以外の、ベンゼン性もしくは多環式のアルデヒド性ムスク芳香族化合物。
【請求項59】
下記の式:
【化7】

[式中、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
xは1乃至5である]
を有する、請求項58のベンゼン性アルデヒド性ムスク芳香族化合物。
【請求項60】
下記のいずれかの式:
【化8】

[式中、
及びRは同一または相違して良く、
Rは直鎖または分枝状鎖の、飽和または不飽和のヒドロカルビル基であり、好ましくは1乃至8の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニルであり、
mは1乃至4であり、nは1乃至6である]
を有する、請求項58の多環式アルデヒド性ムスク。
【請求項61】
下記のいずれかの式:
【化9】

を有する、請求項58のベンゼン性または多環式アルデヒド性ムスク芳香族化合物。

【公表番号】特表2008−504402(P2008−504402A)
【公表日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518270(P2007−518270)
【出願日】平成17年6月24日(2005.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/022279
【国際公開番号】WO2006/012215
【国際公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【出願人】(506426328)フレクシトラル・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】