説明

新規なオキサゾリジノン誘導体

本発明は式(I)のオキサゾリジノン誘導体
【化1】


(式中、Y、R3及びR4は明細書中に記載の通りである。)、それらの製造、その薬学的に許容される塩、式(I)の化合物を1又は2以上含有する医薬組成物、そして特に、オレキシン受容体拮抗薬としてのそれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)の新規なオキサゾリジノン誘導体及び医薬としてのそれら使用に関する。本発明はまた、本化合物の製造方法、式(I)の化合物を1又は2種以上含有する医薬組成物及び特にオレキシン受容体拮抗薬としてのそれらの使用を含む関連した側面に関する。
【背景技術】
【0002】
オレキシン類(オレキシンA又はOX−A及びオレキシンB又はOX−B)は、二つの研究グループによって1998年に発見された新規な神経ペプチド類であり、オレキシンAは、33個のアミノ酸ペプチドであり、オレキシンBは、28個のアミノ酸ペプチドである(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585)。オレキシン類は、外側視床下部の離散性神経細胞内で産生され、G蛋白質共役型受容体(OX及びOX受容体)に結合する。オレキシン−1受容体(OX)はOX−Aに対して選択的であり、オレキシン−2受容体(OX)はOX−Bと同様にOX−Aにも結合することができる。オレキシン類は、ラットにおいて食物消費を刺激し、食行動を調節する中枢フィードバック機構におけるこれらペプチド類のメディエーターとしての生理学的役割を示唆している(Sakurai T.ら、Cell、1998、92、573−585)。他方、オレキシン類は睡眠状態及び覚醒状態を調節しており、ナルコレプシー(睡眠発作)患者に対する潜在的な新規治療への道を開くものであるとも提唱されている(Chemelli R.M.ら、Cell、1999、98、437−451)。さらに、依存に関連する神経可塑性における腹側被蓋野においてのオレキシンシグナル伝達の重要な役割に対するin vitro及びin vivoにおける証拠が発表されている(S.L.Borglandら、Neuron、2006、49、589−601)。
【0003】
従って、オレキシン受容体は、文献から知られているように、気分変調性、気分、精神及び不安障害;糖尿病及び食欲、味覚、摂食又は摂水(Drinking)障害;視床下部疾患;生物及び概日リズム障害;神経障害、神経障害性疼痛及び下肢静止不能症候群等の疾患に関連した睡眠障害;精神障害に関連する不眠症;睡眠時無呼吸症;ナルコレプシー;突発性不眠症;錯眠;良性前立腺肥大;健常者並びに精神及び神経障害におけるすべての痴呆及び認知機能障害;並びに一般のオレキシン系機能障害に関連するその他の疾患等の病理学に多くの密接な関係をもっている可能性がある。化合物、(2R)−2−{(1S)−6,7−ジメトキシ−1−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−エチル]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−N−メチル−2−フェニル−アセタミド(WO2005/118548)は、現在、原発性不眠症に対して臨床開発中である。この化合物は、ラットにおいて、例えば、活動的覚醒(active wake)及び運動(locomotion)の両方の減衰により特徴づけられる覚醒度(alertness)を減じ;そしてREM及びNREM睡眠に費やされる時間を用量依存的に増大させることが示された(F.Jenckら、Nature Medicine 2007、13、150−155)。この化合物はまた、ラットモデルにおいて、記憶機能を強化することが示され(WO2007/105177)、そしてまた外傷後ストレス障害のラットモデルにおいて活性を有する(WO2009/047723)。
【0004】
本発明は、ヒトオレキシン受容体の非ペプチド性拮抗薬である、新規なオキサゾリジノン誘導体を提供する。これらの化合物は、特に、すべてのタイプの睡眠障害、ストレス関連症候群、依存症(向精神薬の使用、乱用、探索及び再燃)、健常者並びに精神及び神経障害における認知機能障害、摂食又は摂水障害を含む、オレキシン系に関連する疾患の治療における使用の可能性を特に有する。
【発明の概要】
【0005】
i) 本発明の第一の側面は式(I)の化合物から成る:
【0006】
【化1】

【0007】
式中、
Yは、CH、CHR又はCRを表し;
−R及びRは、独立に(C1−4)アルキルを表し;
は、Ar又はAr−Z−Ar(アステリスクは、分子の残りの部分に結合する結合を示す。)を表し;
−Arは、アリール又はヘテロアリールを表し、当該アリール又はヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、(C1−3)フルオロアルキル−チオ−及び(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;
−Arは、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し;
−Zは、結合、O又は−CH−O−(アステリスクはArに結合する結合を示す。)を表し;
−Arは、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択され(特に、置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ及び(C1−3)フルオロアルキルから選択され);
はアリール又はヘテロアリールを表し、当該アリール又はヘテロアリールは、独立に、1、2若しくは3個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択されるが;当該アリール又はヘテロアリールが二環である特定の場合には、当該アリール又はヘテロアリールは未置換であってもよく;
ただし、下記の化合物は除く:
2−(2−ブロモフェニル)−3−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−オキサゾリジノン(CAS199939−14−5);
2−(2−ブロモフェニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−オキサゾリジノン(CAS199939−13−4);
2−(2−ブロモフェニル)−3−(フェニルメチル)−4−オキサゾリジノン(CAS199939−09−8);及び
2−(4−メトキシフェニル)−3−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−4−オキサゾリジノン(CAS84711−84−2)。
【0008】
後者の化合物群は、L.Giraud、E.Lacote、P.Renaud;「Preparation of 2−arylbenzaldehyde derivatives via free−radical ipso−substitution of an amidomethyl group」Helv.Chim.Acta(1997)、80(7)、2148−2156;及びH.Aoyama、M.Sakamoto、K.Kuwabara、K.Yoshida、Y.Omote;「Photochemical reactions of .alpha.−oxo amides. Norrish type II reactions via zwitterionic intermediates」J.Am.Chem.Soc.(1983)、105(7)、1958−64により知られている。
【0009】
本特許出願において、波線により中断された結合は、記載された基の結合点を示す。例えば、下記の基、
【0010】
【化2】

【0011】
は7−メトキシ−キノリン−8−イル基である。
【0012】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素又は臭素、好ましくはフッ素又は塩素を意味する。
【0013】
「アルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、1〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分枝鎖の飽和アルキル基を意味する。「(Cx−y)アルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキル基を意味する。例えば、(C1−4)アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含む。(C1−4)アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec.−ブチル及びtert.−ブチルである。好ましくはメチル及びエチルである。最も好ましくはメチルである。置換基R及びRに対しては、好ましくはメチルである。(C1−4)アルキル基を表す置換基R15に対しては、好ましくはエチル、n−プロピルであり、そして特にイソプロピルである。
【0014】
「シクロアルキル」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、3〜6個の炭素原子を含む、環状飽和アルキル基を意味する。「(Cx−y)シクロアルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したシクロアルキル基を意味する。例えば、(C3−6)シクロアルキル基は、3〜6個の炭素原子を含む。(C3−6)アルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルである。好ましくはシクロプロピルである。
【0015】
「アルコキシ」という用語は、単独で使用される場合も、組み合わせて使用される場合も、アルキル基が前記部分で定義した通りである、アルキル−O−基を意味する。「(Cx−y)アルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。例えば、(C1−4)アルコキシ基は、「(C1−4)アルキル」という用語が前記の意味を有する、式(C1−4)アルキル−O−の基を意味する。(C1−4)アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec.−ブトキシ及びtert.−ブトキシである。好ましくはエトキシであり、そして特にメトキシである。Rの置換基としては、好ましい例はエトキシ及びメトキシである。フェニル基を表すArの置換基としては、好ましい例はメトキシ、エトキシであり、そして特にイソプロポキシである。
【0016】
「フルオロアルキル」という用語は、1又は2以上の(そして多分にすべての)水素原子がフッ素で置き換えられた、1〜3個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルキル基を意味する。「(Cx−y)フルオロアルキル」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したフルオロアルキル基を意味する。例えば、(C1−3)フルオロアルキル基は、1〜3個の炭素原子を含み、1〜7個の水素原子がフッ素で置き換えられている。フルオロアルキル基の代表的な例は、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチルを含む。好ましくは、トリフルオロメチル等の(C)フルオロアルキル基である。置換基R15に対しては、好ましい例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル及び2,2,2−トリフルオロエチル(特に、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル及び2,2,2−トリフルオロエチル)である。
【0017】
「フルオロアルコキシ」という用語は、1又は2以上の(そして多分にすべての)水素原子がフッ素で置き換えられた、1〜3個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。「(Cx−y)フルオロアルコキシ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、x〜y個の炭素原子を含む、前記部分で定義したフルオロアルコキシ基を意味する。例えば、(C1−3)フルオロアルコキシ基は、1〜3個の炭素原子を含み、1〜7個の水素原子がフッ素で置き換えられている。フルオロアルコキシ基の代表的な例は、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ及び2,2,2−トリフルオロエトキシを含む。好ましくは、トリフルオロメトキシ及びジフルオロメトキシ等の(C)フルオロアルコキシ基である。
【0018】
「アリール」という用語は、単独の場合も組み合わせの場合も、フェニル又はナフチル基を意味する。加えて、アリールという用語はまた、5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環も包含する。アリール基の例は、フェニル、ナフチル、インダニル、テトラヒドロナフチル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル及びクロメニルである。副態様において、例は、フェニル、ナフチル、インダニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニルである。別の副態様において、例はフェニル又はナフチルであり、特にフェニルである。アリール基は未置換であってもよく、又は明示的に定義するように置換されていてもよい。アリール基が、5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環であるサブグループは、好ましくは、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され、当該置換基は、メチル、メトキシ及びハロゲンから成る群より独立に選択される。
【0019】
置換基Arに対しては、アリール基の特定の例は、フェニル、2−ナフチル、6−メトキシ−ナフタレン−2−イル、1−ナフチル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、2−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、3−メチルフェニル、2−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3−フルオロ−4−メチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、4−フルオロ−3−メチルフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3−クロロ−6−フルオロフェニル、2−クロロ−4−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロ−フェニル、3,5−ジフルオロ−フェニル、2,5−ジフルオロ−フェニル、2,6−ジフルオロ−フェニル、3,4,5−トリフルオロ−フェニル、2−クロロ−3,6−ジフルオロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2−メトキシフェニル、2,3−ジメトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、3,4−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−エトキシフェニル、2−エトキシフェニル、4−(n−プロポキシ)フェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、4−tert.ブチル−フェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、2−ジフルオロメトキシ−フェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメチル−スルファニル−フェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−メチル−3−トリフルオロメチルフェニル、2−メチル−5−トリフルオロメチルフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェニル、4−tert.−ブトキシフェニル、4−(シクロプロピルメトキシ)−フェニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イルである。副態様において、例は、2−ナフチル、4−クロロフェニル、2−クロロフェニル、4−フルオロフェニル、2−フルオロフェニル、3−メチルフェニル、2−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、3−クロロ−4−メチルフェニル、4−フルオロ−3−メチルフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、4−クロロ−2−フルオロフェニル、4−クロロ−3−フルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2−クロロ−3,6−ジフルオロフェニル、4−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、4−エトキシフェニル、4−(n−プロポキシ)フェニル、4−イソプロポキシフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−ジフルオロメトキシフェニル、4−トリフルオロメチル−スルファニル−フェニル、4−トリフルオロメトキシフェニル、3−トリフルオロメトキシフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、2−メチル−3−トリフルオロメチルフェニル、2−メチル−5−トリフルオロメチルフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、2−フルオロ−3−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル、3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、3−クロロ−4−トリフルオロメトキシフェニル、4−(シクロプロピルメトキシ)−フェニル及びベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルである。
【0020】
置換基Rに対しては、アリール基の特定の例は、2−メトキシ−ナフタレン−1−イル、2,6−ジフルオロフェニル、2−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、2−フルオロ−6−メトキシフェニル、2−クロロ−6−メトキシフェニル、2−メトキシ−6−メチルフェニル、2−メトキシ−5−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3−クロロ−2,6−ジメトキシフェニル、2−クロロ−4,6−ジメトキシフェニル、2−フルオロ−4,6−ジメトキシフェニル、4−フルオロ−2,6−ジメトキシフェニル、2−エトキシ−6−メトキシフェニル、2,6−ジエトキシフェニル、2−イソプロポキシ−6−メトキシフェニル、3−フルオロ−2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシ−3−メチルフェニル、2,6−ジメトキシ−4−メチルフェニル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−6−メトキシフェニル、2−(2−ヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシフェニル、2−(3−ヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシフェニル、2−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−6−メトキシフェニル、2−(2−メトキシエトキシ)−6−メトキシフェニル、2,3,6−トリメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、2−メトキシ−6−トリフルオロメチルフェニル、6−メトキシ−インダン−5−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル、5−メトキシ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル、5−ブロモ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル、2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル及び6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イルである。副態様において、例は2−エトキシフェニル、2−フルオロ−6−メトキシフェニル、2−クロロ−6−メトキシフェニル、2−メトキシ−6−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2−エトキシ−6−メトキシフェニル、4−フルオロ−2,6−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシ−4−メチルフェニル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−6−メトキシフェニル、2−メトキシ−6−トリフルオロメチルフェニル、5−メトキシ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル及び6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イルである。別の副態様において、例は、2−エトキシフェニル、2−フルオロ−6−メトキシフェニル、2−クロロ−6−メトキシフェニル、2−メトキシ−6−メチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2−エトキシ−6−メトキシフェニル及び2−メトキシ−6−トリフルオロメチルフェニルである。
【0021】
置換基Arに対しては、「5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環」の特定のサブグループの例は、2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル(特に、ベンゾ[1,3] ジオキソール−5−イル)である。
【0022】
置換基Rに対しては、「5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環」の特定のサブグループの例は、6−メトキシ−インダン−5−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル、5−メトキシ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル、5−ブロモ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル、2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル及び6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル(特に5−メトキシ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル及び6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イル)である。
【0023】
置換基Rに対しては、「二環式アリール」の特定のサブグループの例は、ナフチル、インダニル、テトラヒドロナフチル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、クロマニル及びクロメニル(特に、ナフチル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル及び2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル)であり、これらは未置換であるか又は明示的に定義するように置換される。特定の例は、2−メトキシ−ナフタレン−1−イル、5−メトキシ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル及び6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−5−イルである。
【0024】
「ヘテロアリール」という用語は、単独の場合も組み合わせの場合も、酸素、窒素及び硫黄から独立に選択される1から最大限3個のヘテロ原子を含む、5−〜10−員の単環式又は二環式の芳香族環を意味する。そのようなヘテロアリール基の例は、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[2,1,3]オキサジアゾリル、ベンゾ[2,1,3]チアジアゾリル、ベンゾ[1,2,3]チアジアゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、シノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジル、4H−フロ[3,2−b]ピロリル、ピロロ[2,1−b]チアゾリル及びイミダゾ[2,1−b]チアゾリルである。ヘテロアリール基が、包括的な基Ar及びArに対して使用される5−〜6−員のヘテロアリールである場合には、特定の例は、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル及びピラジニルであり;特にピロリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル及びピラジニルである。ヘテロアリール基は未置換であってもよく、又は明示的に定義するように置換されていてもよい。
【0025】
置換基Arに対しては、ヘテロアリール基の特定の例は、チオフェニル、ピロリル、ピリダジニル、ピリジニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、キノキサリニル及びキノリニルであり、これらは、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換され;特にチオフェン−2−イル、1−メチル−ピロール−2−イル、6−エトキシ−ピリダジン−3−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−4−イル、2−エトキシ−ピリジン−5−イル、5−エトキシ−ピリジン−2−イル、ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、ベンゾ[b]チオフェン−5−イル、ベンゾフラン−2−イル、1H−ベンズイミダゾール−2−イル、1−メチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、1−メチル−1H−インドール−6−イル、1H−インドール−2−イル、1−メチル−1H−インドール−2−イル、1H−インドール−3−イル、1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−5−イル、キノキサリン−2−イル、キノキサリン−6−イル、キノリン−2−イル、キノリン−6−イル及びキノリン−7−イル(特に、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズオキサゾール−2−イル及びベンゾチアゾール−2−イル)である。
【0026】
置換基Rに対して、ヘテロアリール基の特定の例は、ピリジニル、ベンゾ[d]イソキサゾリル、ベンズオキサゾリル及びキノリニルであり、これらは、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換され;特に、2,4−ジメトキシピリジン−3−イル、3,5−ジメトキシピリジン−4−イル、6−メトキシ−3−メチル−ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル、6−メトキシ−2−メチル−ベンズオキサゾール−7−イル及び7−メトキシ−キノリン−8−イルである。
【0027】
置換基Rに対して、「二環式ヘテロアリール」の特定のサブグループの例は、ベンゾ[d]イソキサゾリル、ベンズオキサゾリル及びキノリニルであり、これらは、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換される。特定の例は、6−メトキシ−3−メチル−ベンゾ[d]イソキサゾール−7−イル、6−メトキシ−2−メチル−ベンズオキサゾール−7−イル及び7−メトキシ−キノリン−8−イルである。
【0028】
置換基Arに対して、「5−〜6−員のヘテロアリール」の特定のサブグループの例は、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル及びピラジニルであり、これらは、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換され;特に、ピロール−1−イル、ピラゾール−1−イル、チアゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、3−メチル−ピリジン−2−イル、4−メチル−ピリジン−2−イル、5−メチル−ピリジン−2−イル、6−メチル−ピリジン−2−イル、5−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−メトキシ−ピリジン−2−イル、6−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−5−イル、6−メチル−ピリダジン−3−イル及びピラジン−2−イルである。(置換基Arに対して、そして置換基R15に対しても準用されるが)好ましくは、チアゾリル、ピリジル及びピラジニルであり、これらは、未置換であるか、又は明示的に定義するように置換され;特に、チアゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、4−メチル−ピリジン−2−イル及びピラジン−2−イルであり;とりわけチアゾール−2−イル及びピリジン−2−イルである。
【0029】
置換基Arについて、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、好ましくは、Zと分子の残りの部分により、パラ(フェニル−1,4−ジイル等)配置(フェニル又は6−員のヘテロアリールの場合)又は1,3−配置(5−員のヘテロアリールの場合)で置換される。5−〜6−員のヘテロアリール基を表すArの特定の例は、ピリジル、特にピリジン−2,5−ジイル(Zは、2又は5位のいずれに結合してもよい。)である。
【0030】
「フルオロアルキル−チオ」という用語は、1又は2以上の(そして多分にすべての)水素原子がフッ素で置換された、1から3個の炭素原子を含む前記部分で定義したアルキル基であって、分子の残りの部分に硫黄原子を介して結合する当該アルキル基を意味する。「(Cx−y)フルオロアルキル−チオ」(x及びyは、それぞれ整数である。)という用語は、xからy個の炭素原子を含む、前記部分で定義したフルオロアルキル−チオ基を意味する。例えば、(C1−3)フルオロアルキル−チオ基は1から3個の炭素原子を含み、1から7個の水素原子がフッ素で置換されている。フルオロアルキル−チオ基の代表的な例はトリフルオロメチル−スルファニル(FC−S−)である。
【0031】
「(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシ」という用語は、1個の水素原子が、前記部分で定義した(C3−6)シクロアルキル基で置き換えられた、1〜4個の炭素原子を含む、前記部分で定義した(C1−4)アルコキシ基を意味する。(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシ基の代表的な例はシクロプロピルメトキシである。
【0032】
「ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ」という用語は、1個の水素原子がヒドロキシで置換された、1から4個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ基の代表的な例は、2−ヒドロキシ−エトキシ及び2−ヒドロキシ−プロポキシ(特に2−ヒドロキシ−エトキシ)である。
【0033】
「ジヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ」という用語は、2個の水素原子がヒドロキシで置換された、1から4個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。ジヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ基の代表的な例は2,3−ジヒドロキシ−プロポキシである。
【0034】
「(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシ」という用語は、1個の水素原子が、前記部分で定義した(C1−4)アルコキシ基で置換された、1から4個の炭素原子を含む、前記部分で定義したアルコキシ基を意味する。(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシ基の代表的な例は2−メトキシ−エトキシである。
【0035】
以下に、本発明のさらなる態様を記載する:
【0036】
2) 本発明のさらなる態様は、オキサゾリジノン部分の2位における立体中心が絶対(S)−配置にある式(IE1)の化合物でもある、態様1)に従う化合物に関する:
【0037】
【化3】

【0038】
3) 本発明のさらなる態様は、オキサゾリジノン部分の2位における立体中心が絶対(R)−配置にある式(IE2)の化合物でもある、態様1)に従う化合物に関する:
【0039】
【化4】

【0040】
4) 本発明のさらなる態様は、YがCHR又はCRを表す、態様1)〜5)のいずれか1つに従う化合物に関し;各基が特定の副態様を形成する。
【0041】
5) 本発明のさらなる態様は、YがCHを表す、態様1)〜5)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0042】
6) 本発明のさらなる態様は、存在する場合にはRがメチルを表し、かつ存在する場合にはRがメチルを表す、態様1)〜4)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0043】
7) 本発明のさらなる態様は、RがArを表す、態様1)〜6)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0044】
8) 本発明のさらなる態様は、RがAr−Z−Ar(式中、アステリスクは分子の残りの部分に結合する結合を示す。)を表す、態様1)〜6)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0045】
9) 本発明のさらなる態様は、
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に、1又は2個の置換基により置換された)アリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、(C1−3)フルオロアルキル−チオ−及び(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシ(特に(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ)から成る群より独立に選択され;又は
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に、1又は2個の置換基により置換された)ヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ及び(C1−3)フルオロアルキル(特に(C1−4)アルキル)から成る群より独立に選択される、態様1)〜7)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0046】
10) 本発明のさらなる態様は、
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に、1又は2個の置換基により置換された)アリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシ、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ(特に(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ)から成る群より独立に選択される、態様1)〜7)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0047】
11) 本発明のさらなる態様は、Arがアリールを表す場合には、当該アリールが、
未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に、1又は2個の置換基により置換された)フェニルであり、当該置換基が(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、(C1−3)フルオロアルキル−チオ−及び(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシ(特に、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ)から成る群より独立に選択され;又は
未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換された(特に、未置換であるか又は1個の置換基により置換された)ナフチル(特に2−ナフチル)であり、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ(特に(C1−4)アルコキシ)から成る群より独立に選択され;又は
5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環(特に、インダニル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル又は2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル基)であって、(好ましくは)未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され、当該置換基がメチル、メトキシ及びハロゲンから成る群より独立に選択される、当該縮合したフェニル環である、態様1)〜7)、9)又は10)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0048】
12) 本発明のさらなる態様は、
Arが、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換されたヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ及び(C1−3)フルオロアルキル(特に(C1−4)アルキル)から成る群より独立に選択される、態様1)〜7)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0049】
13) 本発明のさらなる態様は、Arがフェニル(特にフェニル−1,4−ジイル)を表す、態様1)〜6)、8)又は11)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0050】
14) 本発明のさらなる態様は、Arが5−〜6−員のヘテロアリール(特に6−員のヘテロアリール)を表す、態様1)〜6)、8)又は11)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0051】
15) 本発明のさらなる態様は、ZがOを表す、態様1)〜6)、8)、11)、13)又は14)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0052】
16) 本発明のさらなる態様は、Zが結合を表す、態様1)〜6)、8)、11)、13)又は14)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0053】
17) 本発明のさらなる態様は、
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に未置換であるか又は1個の置換基により置換された)フェニルを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ(特にArは未置換のフェニルを表す。)から成る群より独立に選択され;又は
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に未置換であるか又は1個の置換基により置換された)5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択される(特に、置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ及び(C1−3)フルオロアルキルから選択される)、態様1)〜6)、8)、11)又は13)〜16)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0054】
18) 本発明のさらなる態様は、
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に未置換であるか又は1個の置換基により置換された)5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択される(特に、置換基が(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ及び(C1−3)フルオロアルキルから選択される)、態様1)〜6)、8)、11)又は13)〜16)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0055】
19) 本発明のさらなる態様は、
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された(特に未置換であるか又は1個の置換基により置換された)フェニルを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択される(特に、Arが未置換のフェニルである)、態様1)〜6)、8)、11)又は13)〜16)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0056】
20) 本発明のさらなる態様は、Rが、
−1又は2個の置換基により置換されたフェニルであり、一の置換基が、当該フェニルの4位における(C1−4)アルコキシ又は(C1−3)フルオロアルコキシであり、かつ他方(存在する場合)が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ(特にハロゲン)から成る群より選択され;又は
−Ar−Z−Ar(式中、アステリスクは分子の残りの部分に結合する結合を示す。)であり;式中、
Arは、フェニル又は6−員のヘテロアリールであって、パラ配置にて、Z及び分子の残りの部分により置換された当該フェニル又は6−員のヘテロアリールを表し、
ZはOを表し、そして
Arはフェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択される(特にArは、未置換のフェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表す)、態様1)〜6)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0057】
21) 本発明のさらなる態様は、
が、1、2又は3個の置換基により置換された(特に1又は2個の置換基により置換された)アリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され(特に、置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ及びヒドロキシ−(C1−4)アルコキシから選択され);当該アリールが二環である特定の場合には、当該アリールは未置換であってもよく;又は
が、1、2又は3個の置換基により置換された(特に1又は2個の置換基により置換された)ヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;(特に、置換基が、(C1−4)アルキル及び(C1−4)アルコキシから選択され)、当該ヘテロアリールが二環である特定の場合には、当該ヘテロアリールは未置換であってもよい、態様1)〜20)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0058】
22) 本発明のさらなる態様は、
が、1、2又は3個の置換基により置換された(特に1又は2個の置換基により置換された)アリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され(特に、置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ及びヒドロキシ−(C1−4)アルコキシから選択され);当該アリールが二環である特定の場合には、当該アリールは未置換であってもよい、態様1)〜21)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0059】
23) 本発明のさらなる態様は、
が、1、2又は3個の置換基により置換された(特に1又は2個の置換基により置換された)ヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;(特に、置換基が、(C1−4)アルキル及び(C1−4)アルコキシから選択され)、当該ヘテロアリールが二環である特定の場合には、当該ヘテロアリールは未置換であってもよい、態様1)〜21)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0060】
24) 本発明のさらなる態様は、Rがアリールを表す場合には、当該アリールが、
1、2又は3個の置換基により置換された(特に1又は2個の置換基により置換された)フェニルであり、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され(特に、置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ及びヒドロキシ−(C1−4)アルコキシから選択され);又は
未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換された(特に、1個の置換基により置換された)ナフチル(特に1−ナフチル)であり、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシ(特に(C1−4)アルコキシ)から成る群より独立に選択され;又は
5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環(特に、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル基)であって、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され(特に、1個の置換基により置換され)、当該置換基が、メチル、メトキシ及びハロゲン(特にメトキシ)から成る群より独立に選択される、当該縮合したフェニル環、である、態様1)〜22)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0061】
25) 本発明のさらなる態様は、Rが少なくとも1個の置換基により置換され、当該置換基が、分子の残りの部分へのRの結合点に対して、オルト位に結合し;Rがフェニル基を表す場合には、当該置換基は、好ましくは(C1−4)アルコキシ、(C1−3)フルオロアルコキシ及びヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ(特に(C1−4)アルコキシ)から成る群より選択され;そして、Rがフェニルとは異なる基を表す場合には、当該置換基は、好ましくはメトキシである、態様1)〜24)のいずれか1つに従う化合物に関する。
【0062】
26) 別の態様は、式(II)の化合物でもある、態様1)に従う式(I)の化合物に関し:
【0063】
【化5】

【0064】
式中、
は、CH、CH(CH)又はCH(CHを表し;
13は、
【0065】
【化6】

【0066】
を表し、
式中、
15は、(C1−4)アルキル又は(C1−3)フルオロアルキルを表し;
、V及びVはCHであり、かつVはCR17であり、任意にV、V、V及びVの1つ又は2つはNであってもよく;そして
17は水素又はハロゲンであるか;又は
15は、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より選択され(特にR15は未置換のフェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表す。);かつ
、V、V及びVの1つ又は2つは、CH又はNであり、かつ残りはCHであり;そして
14は、
【0067】
【化7】

【0068】
から成る群より選択される基を表し;
式中、
はCHを表し、かつWはCR17又はNを表すか、又は
はNを表し、かつWはCHを表し;
16は、メチル、(C1−3)アルコキシ、ハロゲン、(C1−2)フルオロアルコキシ又はトリフルオロメチル(特にメチル、メトキシ、エトキシ、フルオロ、クロロ又はトリフルオロメチル)を表し;
17は、水素、メチル又はフルオロ(特に水素)を表し;かつ
nは整数の1又は2を表し;
式(I)の化合物に対して記載された特徴、特に態様2)〜5)に記載された特徴は、式(II)の化合物にも準用される。
【0069】
27) 本発明のさらなる態様は、
15が、(C1−4)アルキル;(C1−3)フルオロアルキル;を表し、
、V及びVがCHであり、かつVがCR18であり、任意にV、V、V及びVの1つ又は2つはNであってもよく;かつ
18が、水素又はハロゲンである、態様26)に従う式(II)の化合物に関する。
【0070】
28) 本発明のさらなる態様は、
15が、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールであり、当該フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より選択され(特にR15が、未置換のフェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し);かつ
、V、V及びVの1つ又は2つがCH又はNであり、かつ残りがCHである、
態様26)又は27)に従う式(II)の化合物に関する。
【0071】
29) 本発明のさらなる態様は、
14が、
【0072】
【化8】

【0073】
を表し;
式中、WがCHを表し、かつWがCR17又はNを表すか;又は
がNを表し、かつWがCHを表し;
16がメチル、(C1−3)アルコキシ、ハロゲン、(C1−2)フルオロアルコキシ又はトリフルオロメチル(特にメトキシ又はエトキシ)を表し;
17が、水素、メチル又はフルオロ(特に水素)を表す;態様26)〜28)のいずれか1つに従う、式(II)の化合物に関し、W、W、R16及びR17の各組み合わせが特定の副態様を構成する。
【0074】
30) 本発明のさらなる態様は、WがCHを表し;WがCR17を表し;R16がメトキシを表し;かつR17が水素又はフルオロ(特に水素)を表す;態様29)に従う式(II)の化合物に関する。
【0075】
31) 本発明のさらなる態様は、YがCHを表す、態様26)〜30)のいずれか1つに従う式(II)の化合物に関する。
【0076】
32) 本発明のさらなる態様は、YがCH(CH)を表す、態様26)〜30)のいずれか1つに従う式(II)の化合物に関する。
【0077】
33) 本発明のさらなる態様は、YがCH(CHを表す、態様26)〜30)のいずれか1つに従う式(II)の化合物に関する。
【0078】
式(I)の化合物は、1又は2以上の不斉炭素原子などの、1又は2以上のキラル又は不斉中心を含んでいてもよい。従って、式(I)及び(II)の化合物は、立体異性体の混合物として、又は好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0079】
化合物、塩、医薬組成物、疾病等について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0080】
式(I)又は(II)の化合物に対するいかなる言及も、適切かつふさわしい意味合いになるように、そのような化合物の塩(特に、薬学的に許容される塩)にも言及しているものと理解されるべきである。
【0081】
「薬学的に許容される塩」という用語は、無毒性の無機若しくは有機酸及び/又は塩基付加塩を意味する。「Salt selection for basic drugs」、Int.J.Pharm.(1986)、33、201−217を参照してもよい。
【0082】
34) 別の態様は、下記から成る群より選択される、態様1)に従う、式(I)の化合物に関する:
3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−メチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−メトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−メチル−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2−クロロ−3,6−ジフルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−2−フルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−フルオロ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,6−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−メチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−メチル−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−メチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(2,4,6−トリメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−メチル−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(2,6−ジメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2−クロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,5−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−ジフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−ジフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−プロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(S)−5−メチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾチアゾール−2−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾチアゾール−2−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−シクロプロピルメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(S)−5−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−ジフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
(R)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5−メチル−3−(4−プロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−シクロプロピルメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−プロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−シクロプロピルメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−エトキシ−ベンジル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−エトキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメチル−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2−メトキシ−6−メチル−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−フルオロ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−クロロ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ビフェニル−4−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(6−フェノキシ−ピリジン−3−イルメチル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(5−フェノキシ−ピリジン−2−イルメチル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(ピラジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(6−メチル−ピリダジン−3−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(チアゾール−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−イソプロポキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−[2−メトキシ−6−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;及び
2−[2−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−6−メトキシ−フェニル]−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン。
【0083】
式(I)及び(II)の化合物及びこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、例えば、経腸又は非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
【0084】
医薬組成物の製造は、いずれの当業者にもよく知られた様式で(例えば、Remington、The Science and Practice of Pharmacy、21st Edition(2005)、Part5、「Pharmaceutical Manufacturing」[Lippincott Williams&Wilkinsにより出版]を見よ。)、記述された式(I)の化合物又はこれらの薬学的に許容される塩を、任意にその他の治療的に有益な物質と組み合わせて、適切な無毒の不活性な治療上許容される固体又は液体の担体材料及び必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、製剤投与形態とすることにより遂行することができる。
【0085】
本発明はまた、薬学的に活性な量の式(I)及び(II)の化合物を対象に投与することを含む、本明細書に記載した疾患又は障害の予防又は治療方法にも関する。
【0086】
いかなる疑義をも避けるために、化合物が特定の疾患の予防又は治療について有用であると記載されている場合には、そのような化合物は、同様に当該疾患の予防又は治療のための医薬の製造における使用に適している。
【0087】
式(I)及び(II)に従う化合物は、オレキシン系に関連する疾患の予防又は治療に有用である。
【0088】
オレキシン系に関連するそのような疾患は、すべてのタイプの睡眠障害、ストレス関連症候群、依存症(特に向精神薬の使用、乱用、探索及び再燃)、健常者並びに精神及び神経障害における認知機能障害、摂食又は摂水障害から成る群より選択してもよい。
【0089】
副態様において、オレキシン系に関連するそのような疾患は、すべてのタイプの不眠、ナルコレプシー及び過眠症、睡眠関連失調症、下肢静止不能症候群、睡眠時無呼吸症、時差症候群、交代勤務睡眠障害、睡眠相遅延又は前進症候群又は精神障害に関連する不眠症の他の障害を含む睡眠障害(特に、すべてのタイプの不眠、とりわけ原発性不眠症)から成る群より選択してもよい。
【0090】
別の副態様において、オレキシン系に関連するそのような疾患は、正常な、健康な、若年の、成人の又は老齢の集団において一時的に又は慢性的に生じ、また精神、神経、心臓血管及び免疫疾患において一時的に又は慢性的に生じるすべてのタイプの注意、学習及び記憶機能における欠損を含む認知機能障害から成る群より選択してもよい。
【0091】
別の副態様において、オレキシン系に関連するそのような疾患は、代謝機能不全;食欲調節不全;強迫的肥満;嘔吐・過食又は神経性食欲不振症を含む摂食障害から成る群より選択してもよい。
【0092】
別の副態様において、オレキシン系に関連するそのような疾患は、すべてのタイプの心理的又は身体依存並びにそれらに関連する耐性及び依存因子を含む依存症(特に、向精神薬の使用、乱用、探索及び再燃)から成る群より選択してもよい。
【0093】
摂食障害は代謝機能不全;食欲調節不全;強迫的肥満;嘔吐・過食又は神経性食欲不振症を含むものとして定義できる。この摂食の病理学的変形は、食欲障害(食物に対する誘惑又は嫌悪);エネルギーバランスの変調(摂取vs消費)、食品品質についての知覚障害(高脂肪又は高炭水化物、良味覚);食物入手可能性障害(無制限節食又は遮断)又は水分平衡障害から生じるかもしれない。摂水障害(Drinking disorders)は、精神障害における多飲症及びすべての他のタイプの過剰液体摂取を含む。
【0094】
睡眠障害は、すべてのタイプの錯眠、不眠症、ナルコレプシー及び過眠症、睡眠関連失調症、下肢静止不能症候群、睡眠時無呼吸症、時差症候群、交代勤務睡眠障害、睡眠相遅延症候群、睡眠相前進症候群又は精神障害に関連する不眠症を含む。
【0095】
不眠症は、加齢と関係付けられる睡眠障害;慢性不眠の間歇治療;環境による一過性の不眠症(新しい環境、騒音)又はストレス;悲嘆;疼痛又は病気による短期間の不眠症を含むものとして定義される。不眠症は、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作並びにすべてのタイプの恐怖症性不安及び回避性障害等の他のタイプ及びサブタイプの不安障害のみならず心的外傷後ストレス障害を含むストレス関連症候群をも包含する。
【0096】
依存症は、1又はそれ以上の報酬刺激に対する依存、特に1の報酬刺激に対する依存と定義される。そのような報酬刺激は、天然物に由来するものであっても、合成物に由来するものであってもよい。向精神薬の使用、乱用、探索及び再燃は、すべてのタイプの心理的又は身体依存並びにそれらに関連する耐性及び依存因子と定義される。
【0097】
認知機能障害は、正常な、健康な、若年の、成人の又は老齢の集団において一時的に又は慢性的に生じ、また精神、神経、心臓血管及び免疫疾患において一時的に又は慢性的に生じるすべてのタイプの注意、学習及び記憶機能における欠損を含む。
【0098】
さらに、本発明において、式(I)の化合物(化合物自体、その塩、当該化合物又はその塩を含む組成物、当該化合物又はその塩の使用等であるかを問わない。)に対して記載したいかなる特徴も、式(IE1)、式(IE2)及び式(II)の化合物に準用される。
【0099】
式(I)の化合物の製造
式(I)の化合物の製造
本発明のさらなる側面は、式(I)の化合物の製造のための方法である。本発明の式(I)の化合物は、下記のスキームに概説した一般的反応シークエンスに従って製造することができ、該スキーム中、Y、R、R、R、R、R15、R16、R17及びR18は、式(I)又は(2)について定義した通りである。本明細書で使用される他の略語は、明示的に定義されるか、又は実験の部において定義される通りである。いくつかの状況においては、包括的な基Y、R、R、R、R、R15、R16、R17及びR18は、下記のスキームに図示した構成と適合しないかもしれず、そのため、保護基(PG)の使用が必要となる。保護基の使用は、当該技術分野に周知である(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」T.W.Greene、P.G.M.Wuts、Wiley−Interscience、1999を見よ。)。この主題の目的のために、そのような必要な保護基は存在するものと仮定する。得られた化合物は、それ自体知られた方法により、その塩に変換してもよい。
【0100】
概して、すべての化学的変換は、文献に記載され、又は下記の手順に記載したような、よく知られた標準的方法論に従って行うことができる。
【0101】
式(I)のオキサゾリジン−4−オン誘導体(YはCH又はCHRである。)は、スキーム1に従って製造してもよい。
【0102】
【化9】

【0103】
Dean−Stark装置中において、そしてトルエン等の溶媒中、PTSA等の酸の存在下にて、アミド(1)をアルデヒド(2)に縮合させることにより、オキサゾリジン−4−オン誘導体(3)が得られる。NaH等の強塩基の存在下における、DMF等の非プロトン性溶媒中での、ハライド(4)を用いたアルキル化により、目的の式(I)の化合物が生成する。
【0104】
式(I)のオキサゾリジン−4−オン誘導体(YはCRである。)は、スキーム2に従って製造してもよい。
【0105】
【化10】

【0106】
あるいは、硫酸等の強塩基の存在下、AcOとAcOHの混合物中において、シアンヒドリン(5)をアルデヒド(2)と縮合させることにより、例えば、5,5’−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン誘導体(6)が得られる(Stambach J.−P.ら、heterocycles、1997、45、9、1825−1831)。NaH等の強塩基の存在下における、DMF等の非プロトン性溶媒中での、ハライド(4)を用いたアルキル化により、式(I)の化合物が生成する。
【0107】
式R−CH−Lのハライド及び式R−CHOのアルデヒドは、市販されており、当該技術分野において周知であり、又は市販の前駆体から容易に得ることができる。カルボン酸、エステル、アミド、ニトリルの還元;アルコールの酸化;(例えば、メタン−/トルエン−スルホネートを介した)ハライド又は等価の活性化アルコールへの変換;又は芳香族ハライドの連続的メタル化/ホルミル化等の、前駆体の官能基をそのような必要とされるハライド又はアルデヒドに変換する手順は、当該技術分野において周知である(ヘテロアリール−含有基の前駆体についての文献:例えば、T.Eicher、S.Hauptmann「The chemistry of heterocycles:Structure、Reactions、Syntheses、and Applications」2nd Edition 2003、Wiley、ISBN978−3−527−30720−3;A.R.Katrizky、C.W.Rees、E.F.V.Scriven(Eds.)「Comprehensive heterocyclic Chemistry II」1996、Elsevier、ISBN0−08−042072−9を見よ。)。
【0108】
幾つかの場合においては、置換基は、適宜な(例えばフェノール性)前駆体分子上に最終段階で導入してもよい。そのようなフェノール前駆体のヒドロキシ基は、標準的手順を用いてアルキル化してもよく、又は、CuCl、2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,5−ジオン及びCsCO等の塩基の存在下、NMP等の非プロトン性溶媒中、式Ar−Lのハライド誘導体とのUllmann反応等の標準的手順を用いてアリール化してもよい(WO2006/0173049)。
【0109】
式R−CHOの幾つかの特定のアルデヒドの合成を、下記のスキーム3〜6中に記載する。
【0110】
市販の2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−オール(7)を、硫酸ジメチルを用いてメチル化することにより、6−メトキシ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン(8)(Guillaumet G.ら、Eur.J.Med.Chem. 1990、25、1、45−51)が得られる。TMDAの存在下、THF等の非プロトン性溶媒中にて、n−BuLi/DMFでホルミル化することにより、アルデヒド(9)が得られる(Guillaumet G.ら、J.heterocyclic.Chem.1989、26、1、193−197)。
【0111】
CO等の塩基の存在下、アセトン等の非プロトン性溶媒中で、市販のベンゾ[1,3]ジオキソール−5−オール(10)を、ヨウ化メチルを用いてメチル化することにより、5−メトキシ−ベンゾ[1,3]ジオキソール(11)が得られる(Schuda P.F.ら、J.Org.Chem. 1987、52、10、1972−1979)。TMDAの存在下、THF等の非プロトン性溶媒中での、n−BuLi/DMFを用いたホルミル化により、アルデヒド(12)が得られる(Guillaumet G.ら、J.heterocyclic.Chem.1989、26、1、193−197)。
【0112】
市販の7−ヒドロキシキノリン(13)のaq.NaOH中での、CHClとのRiemer−Tiemann反応により、アルデヒド(14)が得られる。硫酸ジメチルによるメチル化により、7−メトキシ−キノリン−8−カルバルデヒド(15)が得られる(US4,342,771)。
【0113】
【化11】

【0114】
式R−CHOのベンゾオキサゾール及びベンゾ[d]イソキサゾール アルデヒド誘導体は、例えば、スキーム4に従って合成してもよい。
【0115】
PTSAの存在下にて、市販の3−アミノ−2,6−ジヒドロキシ−安息香酸 メチルエステル(16)を、オルト酢酸トリエチルと反応させることにより、エステル(17)が得られる(WO2006/069155)。KCO等の塩基の存在下、アセトン等の非プロトン性溶媒中にて、硫酸ジメチルを用いてメチル化することにより、化合物(18)が得られる。THF等の非プロトン性溶媒中で、LAHにより還元することにより、アルコール(19)が得られ、それは、DCM中でMnOにより還元することができ、6−メトキシ−2−メチル−ベンゾオキサゾール−7−カルバルデヒド(20)を与える。
【0116】
AcOH中における、ウロトロピン(Urotropin)を用いた、3−メチル−ベンゾ[d]イソキサゾール−6−オール(21)のDuffホルミル化(Elkasaby M.A.ら、Indian Journal of Chemistry 1980、19B(7)、571−575)により、アルデヒド(22)が得られる(Kumari S.S.ら、Indian Journal of Chemistry 1986、25B(8)、870−871)。硫酸ジメチルによるメチル化により、6−メトキシ−3−メチル−ベンゾ[d]イソキサゾール−7−カルバルデヒド(23)が得られる。
【0117】
【化12】

【0118】
アルデヒドR−CHOの製造のためのさらなる合成方法を、スキーム5及び6に示す具体的な例について、以下に記載する。
【0119】
【化13】

【0120】
市販の3,5−ジメトキシピリジン(21)を、THF等の非プロトン性溶媒中で、n−BuLi/DMFを用いてホルミル化することにより、3,5−ジメトキシ−ピリジン−4−カルバルデヒド(22)が得られる(US6,555,557)。
【0121】
市販の2−クロロ−4−メトキシ−ピリジン−3−カルバルデヒド(23)を、MeOH中で、NaOMeと反応させることにより、2,4−ジメトキシ−ピリジン−3−カルバルデヒド(24)が得られる。
【0122】
【化14】

【0123】
市販の2−フルオロ−6−メトキシ−ベンズアルデヒド(28)を、EtOH中で、NaOHと反応させることにより、アルデヒド(29)が得られる(US4,367,234)。
【0124】
市販の1−フルオロ−3,5−ジメトキシ−ベンゼン(30)を、乾燥DMF中で、POClとのVilsmeier−Haack反応に付すことにより、アルデヒド(31)とアルデヒド(32)の約1/9の割合の混合物が得られる(Stanjeck V.ら、Helvetica Chimica Acta 1998、81、9、1596−1607)。
【0125】
式(I)又は(2)の化合物がエナンチオマーの混合物の形態で得られる場合には常に、エナンチオマーは、当業者に知られた方法、例えばジアステレオマー塩の形成及び分離、又はRegis Whelk−O1(R,R)(10μm)カラム、Daicel ChiralCel OD−H(5−10μm)カラム、又はDaicel ChiralPak IA(10μm)若しくはAD−H(5μm)カラム等のキラル固定相上のHPLC、を用いて分離することができる。キラルHPLCの典型的な条件は、0.8から150mL/分の流速における、溶出液A(EtOH。トリエチルアミン、ジエチルアミン等のアミンの存在下又は非存在下で)及び溶出液B(ヘキサン)の無勾配混合物である。
【実施例】
【0126】
実験の部
(本明細書で使用される)略語:
Ac アセチル(AcO=無水酢酸、AcOH=酢酸におけるように)
aq. 水性
Bn ベンジル
BSA ウシ血清アルブミン
CHO チャイニーズハムスター卵巣
conc. 濃縮された
d 日
DCM ジクロロメタン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
eq 当量
ES 電子スプレー
エーテル ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
FC シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー
FCS ウシ胎児血清
FLIPR 蛍光イメージングプレートリーダー
h 時間
HBSS ハンクス平衡塩溶液
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−ピペリジン−1−エタンスルホン酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
LAH 水素化リチウムアルミニウム
LC 液体クロマトグラフィー
M モル濃度
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析
MW マイクロ波
n−BuLi n−ブチルリチウム
NMP 1−メチル−2−ピロリドン
prep. 分取用
PTSA (パラ)p−トルエンスルホン酸
RT 室温
sat 飽和
保持時間
TBS tert−ブチルジメチルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TMDA N、N、N’、N’−テトラメチルエチレンジアミン
【0127】
I−化学
温度はすべて℃で示す。化合物は、LC−MSによって(HP 1100 Binary Pump及びDADを備えたFinnigan Navigator、カラム:4.6x50mm、Zorbax SB−AQ、5μm、120Å、2種の条件を用いて:
塩基性:溶出液A:MeCN、溶出液B:conc.NH水溶液(1.0mL/L)、5%から95%のCHCNへ;酸性:溶出液A:MeCN,溶出液B:TFA水溶液(0.4mL/L)、5%から95%のCHCNへ)、tはminで示す;TLCによって(Merck製TLC−プレート、Silica gel 60F254);又は融点によって特徴付ける。化合物は、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー又は分取用HPLC(カラム:X−terra RP18、50x19mm、5μm、勾配:0.5%のギ酸を含む10−95%MeCN水溶液)によって精製する。
【0128】
以下の実施例は、本発明の薬理学的に活性な化合物の製造を説明するが、その範囲を限定するものではまったくない。すべての実施例化合物は、ラセミ体として、又はオキサゾリジノン部分の2位における立体中心を制御することなく、エピマーとして合成された。
【0129】
A.1 オキサゾリジン−4−オン誘導体の合成
A.1.1 2−アリール−オキサゾリジン−4−オン誘導体の合成(Y=CH又はCHR)(一般的手順)
【0130】
【化15】

【0131】
各アルデヒド誘導体R−CHO(1.1eq)、各アミド(1.0eq)及びPTSA(0.01eq)の、乾燥トルエン(60mL/20mmol)中の混合物を、Dean−Stark装置内で12h還流攪拌する。トルエンを除いた後、残渣をDCM中に溶解し、水と塩水(brine)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、そして真空濃縮して、油状粗製物を得る。FC(EtOAc)により、所望の4−アリール−オキサゾリジン−4−オン誘導体を得る。
【0132】
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン
2,6−ジメトキシベンズアルデヒドのグリコールアミドとの反応により製造;LC−MS:t=0.41 min;[M+H]=224.31。
【0133】
2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン
2−エトキシベンズアルデヒドのグリコールアミドとの反応により製造;LC−MS:t=0.75min;[M+H]=207.97。
【0134】
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(S)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン
2,6−ジメトキシベンズアルデヒドの(S)−(−)−2−ヒドロキシプロピオンアミドとの反応により製造;LC−MS:t=0.45min;[M+H]=238.28。
【0135】
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン
2,6−ジメトキシベンズアルデヒドの(R)−(+)−ラクトアミドとの反応により製造;LC−MS:t=0.45min;[M+H]=238.21。
【0136】
A.1.2 2−アリール−オキサゾリジン−4−オン誘導体(Y=CR)の合成
【0137】
【化16】

【0138】
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン
アセトンシアンヒドリン(851mg)、2,6−ジメトキシベンズアルデヒド(1.58g)の、AcOH(10mL)中の溶液に、10℃にて、HSO(1mL)とAcO(0.5mL)を滴下する。反応混合物を、10℃にて40min、次いでRTにて10min攪拌する。反応混合物を粉砕した氷の上に注ぎ、そしてエーテルで3回抽出する。合わせた有機抽出物を10% aq.NaHCOで洗浄し、乾燥し(NaSO)、ろ過し、そして濃縮して、油状粗製物を得る。FC(EtOAc)により、表題化合物を茶色の油状物(1.3g、52%)として得る。LC−MS:t=0.47min;[M+H]=252.25。
【0139】
A.2 実施例の製造(方法A)
【0140】
【化17】

【0141】
各2−置換オキサゾリジン−4−オン誘導体(1.0eq)のDMF(1mL/0.1mmol)中の冷(0℃)溶液に、NaH(鉱油中50%)(2eq)を添加する。不活性雰囲気下で、反応混合物をRTにて30min攪拌する。次いで、各ハライド(1eq)を添加し、そして反応混合物を、70℃にて1.5h、次いでrtにて12h攪拌する。生成物をprep.HPLCで直接精製して、目的化合物を得る。
【0142】
表1に記載の実施例を、上記方法Aに従って合成した:
【0143】
【表1】

【0144】
【表2】

【0145】
【表3】

【0146】
【表4】

【0147】
【表5】

【0148】
【表6】

【0149】
【表7】

【0150】
実施例90
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(5−フェノキシ−ピリジン−2−イルメチル)−オキサゾリジン−4−オン
本化合物を、2−クロロメチル−5−フェノキシ−ピリジン塩酸塩(Kawasuji T.ら、Bioorganic&Medicinal Chemistry 2006、14、8430−8445及びWO2007/099317に記載の方法を用いて製造。)をハライドとして用いて、上記方法Aに従って製造した。LC−MS:t=0.72min;[M+H]=435.16。
【0151】
A.3 実施例の製造(方法B)
A.3.1 2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オンの製造
本化合物を、(4−ブロモメチル−フェノキシ)−tert−ブチル−ジフェニル−シラン(Petit G.R.ら、Journal of Medicinal Chemistry 2002、45、12、2534−2542に記載の方法を用いて製造。)をハライドとして用いて、上記方法Aに従って製造した。LC−MS:t=0.58min;[M+H]=358.20。
【0152】
A.3.2 実施例の製造(方法B)
表2に記載の実施例を、CuCl、2,2,6,6−テトラメチル−ヘプタン−3,5−ジオン及びCsCO等の塩基の存在下、NMP等の非プロトン性溶媒中における、式R15−Lの適宜なヘテロアリールハライド誘導体とのUllmann反応を介して、2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−ヒドロキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オンから製造した(WO2006/0173049)。
【0153】
【表8】

【0154】
A.4 実施例の製造(方法C)
A.4.1 2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オンの製造
A.4.1.1. 2−(2−ベンジルオキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オンの製造
市販の2−ヒドロキシイソ酪酸アミド(638.5mg、3eq)、2−ベンジルオキシ−6−メトキシ−ベンズアルデヒド(500mg)(Katritzky A.R.ら、ARKIVOC2001、2、3、3−12)の混合物を、240℃にて5min、マイクロ波照射を用いて加熱する(Lecolier S.ら、Chimica Therapeutica 1969、4,6、437−445)。粗製油状物を水中に注ぎ、そしてDCMで抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、ろ過し、そして濃縮して、粗製油状物を得る。FC(EA/n−ヘプタン:1/1から1/0へ)により、表題化合物を黄色の固体(0.41g、61%)として得る;LC−MS:t=0.65min;[M+H]=328.22。
【0155】
A.4.1.2. 2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オンの製造
2−(2−ベンジルオキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン(410mg)の、乾燥DMF(5mL)中の冷(0℃)溶液に、NaH90%(45mg、1.5eq)を少しずつ添加する。反応混合物を0℃にて15min攪拌し、次いで市販の1−(ブロモメチル)−4−フェノキシベンゼン(395mg、1.2eq)を添加し、そして反応混合物をRTにて1h攪拌する。反応混合物を水中に注ぎ、DCMで抽出する。合わせた有機抽出物を乾燥し(MgSO)、ろ過し、そして濃縮して、油状粗製物を得る。FC(EA/n−ヘプタン:0/1から4/6へ)により、2−(2−ベンジルオキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オンを無色の油状物(0.495g、77%)として得る;LC−MS:t=0.88min;[M+H]=510.33。
【0156】
この中間体を、EtOH中で、正常圧にて、Pd(OH)上で水素添加することにより、表題化合物を白色の固体(388mg、93%)として得る;LC−MS:t=0.75min;[M+H]=420.17。
【0157】
A.4.2. 実施例の製造(方法C)
2−(2−ヒドロキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン(0.05mmol)、CsCO(0.065mmol)の、乾燥DMF(0.1mL)中の混合物に、乾燥DMF(0.1mL)中の適宜なハライドアルキル化剤(0.1mmol)(例えば、1−ブロモ−3−ヒドロキシ−プロパン、2−メトキシ−エチルブロミド、2−ブロモプロパン、エチルブロミド)を滴下する。反応混合物を90℃にて30min攪拌する。生成物をprep.HPLCで直接精製して、目的の化合物を得る。
【0158】
表3に記載の実施例を、上記方法Cに従って合成した:
【0159】
【表9】

【0160】
II. 生物学的アッセイ
イン ヴィトロ アッセイ
式(I)の化合物のオレキシン受容体拮抗活性を、下記の実験方法に従って測定する。
【0161】
ヒトオレキシン−1受容体及びヒトオレキシン−2受容体を発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をそれぞれ300μg/mlのG418、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン及び10%熱不活性化牛胎児血清(FCS)を含む培地(L−グルタミン含有HAM F−12)で培養する。予め、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)に溶解した1%ゼラチンで被覆した384穴の黒色の透明底の滅菌プレート(Greiner)に1穴当り20、000個の細胞を播種する。播種したプレートは、5%のCO下、37℃で一晩インキュベートする。
【0162】
作働薬のヒトオレキシン−Aを、MeOH:水(1:1)中の1mM保存溶液として調製し、アッセイでの使用に際しては、0.1%牛血清アルブミン(BSA)、0.375g/lのNaHCO及び20mMのHEPESを含むHBSSに、3nMの最終濃度に希釈する。
【0163】
拮抗薬はDMSOに10mMの保存溶液として調製したのち、384穴のプレート中で、DMSOを用いて、次いで、0.1%牛血清アルブミン(BSA)、0.375g/lのNaHCO及び20mMのHEPESを含むHBSS中に希釈液を移すことにより希釈する。アッセイの日に、染色バッファー50ml(1%のFCS、20mMのHEPES、0.375g/lのNaHCO、5mMのプロベネシド(シグマ)及び3μMの蛍光カルシウム指示薬のfluo−4AM(10%のプルロン酸を含むDMSO中の1mM保存溶液)(モルキュラープローブス社製)を含むHBSS)を各ウェルに添加する。その384穴セルプレートを37℃で50分間、5%CO下でインキュベートし、続いて、測定前に、30〜120分間、rtにて平衡化する。
【0164】
蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR テトラ、Molecular Devices)内で、各ウェル10μlの容量の拮抗薬をプレートに添加し、10分間インキュベートし、最後に各ウェル10μlの作働薬を加える。各ウェルの蛍光を1秒間隔で測定し、各蛍光ピークの高さを、拮抗薬をビークルに代えた3nMのオレキシン−Aによって誘発される蛍光ピークの高さと比較する。各拮抗薬に対して、IC50値(作働薬による反応を50%抑制するために必要とされる化合物の濃度)を測定し、そして同じプレート上の対照化合物(a on−plate reference compound)について得られたIC50値を用いて標準化する。最適化条件は、ピペット操作のスピード及び細胞分裂レジメの調整により確立した。化合物の、算出されるIC50値は、各日の細胞アッセイ操作により変動する。この種の変動は、当業者に既知である。
【0165】
例示化合物の拮抗活性を表1に示す。
【0166】
【表10】

【0167】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物又はその塩:
【化1】

式中、
Yは、CH、CHR又はCRを表し;
−R及びRは、独立に(C1−4)アルキルを表し;
は、Ar又はAr−Z−Ar(アステリスクは、分子の残りの部分に結合する結合を示す。)を表し;
−Arは、アリール又はヘテロアリールを表し、当該アリール又はヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、(C1−3)フルオロアルキル−チオ−及び(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;
−Arは、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し;
−Zは、結合、O又は−CH−O−(アステリスクはArに結合する結合を示す。)を表し;
−Arは、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択され;
はアリール又はヘテロアリールを表し、当該アリール又はヘテロアリールは、独立に、1、2若しくは3個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択されるが;当該アリール又はヘテロアリールが二環である特定の場合には、当該アリール又はヘテロアリールは未置換であってもよく;
ただし、下記の化合物は除く:
2−(2−ブロモフェニル)−3−[(4−メトキシフェニル)メチル]−4−オキサゾリジノン;
2−(2−ブロモフェニル)−3−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}−4−オキサゾリジノン;
2−(2−ブロモフェニル)−3−(フェニルメチル)−4−オキサゾリジノン;及び
2−(4−メトキシフェニル)−3−[(4−メトキシフェニル)メチル]−5−メチル−4−オキサゾリジノン。
【請求項2】
YがCHR又はCRを表す、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換されたアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、(C1−3)フルオロアルキル−チオ−及び(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;又は
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換されたヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ及び(C1−3)フルオロアルキルから成る群より独立に選択される、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
Arがアリールを表す場合には、当該アリールが、
未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換されたフェニルであり、当該置換基が(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、(C1−3)フルオロアルキル−チオ−及び(C3−6)シクロアルキル−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;又は
未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換されたナフチルであり、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択され;又は
5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環であって、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され、当該置換基がメチル、メトキシ及びハロゲンから成る群より独立に選択される、当該縮合したフェニル環である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
ZがOを表す、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換されたフェニルを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択され;又は
Arが、未置換であるか又は1、2若しくは3個の置換基により置換された5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
が、
−1又は2個の置換基により置換されたフェニルであり、一の置換基が、当該フェニルの4位における(C1−4)アルコキシ又は(C1−3)フルオロアルコキシであり、かつ他方(存在する場合)が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より選択され;又は
−Ar−Z−Ar(式中、アステリスクは分子の残りの部分に結合する結合を示す。)であり;式中、
Arは、フェニル又は6−員のヘテロアリールであって、パラ配置にて、Z及び分子の残りの部分により置換された当該フェニル又は6−員のヘテロアリールを表し、
ZはOを表し、そして
Arはフェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択される、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
が、1、2又は3個の置換基により置換されたアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;当該アリールが二環である特定の場合には、当該アリールは未置換であってもよく;又は
が、1、2又は3個の置換基により置換されたヘテロアリールを表し、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;当該ヘテロアリールが二環である特定の場合には、当該ヘテロアリールは未置換であってもよい、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
がアリールを表す場合には、当該アリールが、
1、2又は3個の置換基により置換されたフェニルであり、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル、(C1−3)フルオロアルコキシ、ヒドロキシ−(C1−4)アルコキシ及び(C1−4)アルコキシ−(C1−4)アルコキシから成る群より独立に選択され;又は
未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換されたナフチルであり、当該置換基が、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より独立に選択され;又は
5−又は6−員の飽和した又は部分的に不飽和の、任意に1又は2個の酸素原子を含む非芳香環に縮合したフェニル環であって、未置換であるか又は1若しくは2個の置換基により置換され、当該置換基が、メチル、メトキシ及びハロゲンから成る群より独立に選択される、当該縮合したフェニル環である、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項10】
式(II)の化合物でもあり、
【化2】

式中、
は、CH、CH(CH)又はCH(CHを表し;
13は、
【化3】

を表し、
式中、
−R15は、(C1−4)アルキル又は(C1−3)フルオロアルキルを表し;
、V及びVはCHであり、かつVはCR17であり、任意にV、V、V及びVの1つ又は2つはNであってもよく;そして
17は水素又はハロゲンであるか;又は
−R15は、フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールを表し、当該フェニル又は5−〜6−員のヘテロアリールは、独立に、未置換であるか又は1個の置換基により置換され、当該置換基は、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ハロゲン、(C1−3)フルオロアルキル及び(C1−3)フルオロアルコキシから成る群より選択され;かつ
、V、V及びVの1つ又は2つは、CH又はNであり、かつ残りはCHであり;そして
14は、
【化4】

から成る群より選択される基を表し;
式中、
−WはCHを表し、かつWはCR17又はNを表すか、又は
はNを表し、かつWはCHを表し;
−R16は、メチル、(C1−3)アルコキシ、ハロゲン、(C1−2)フルオロアルコキシ又はトリフルオロメチルを表し;
−R17は、水素、メチル又はフルオロを表し;かつ
−nは整数の1又は2を表す;
式(I)の化合物又はその塩。
【請求項11】
下記からなる群より選択される請求項1に記載の化合物、又はその塩:
3−(4−クロロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−メチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−メトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−3−メチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−メチル−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2−クロロ−3,6−ジフルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−2−フルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−フルオロ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−フルオロ−4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,6−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(3−メチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3,4−ジフルオロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−フェニル)−3−(2−メチル−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3,4−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−メチル−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−フルオロ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−2−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−フルオロ−3−トリフルオロメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(2,4,6−トリメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−メチル−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(2,6−ジメチル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2−クロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(2,5−ジクロロ−ベンジル)−2−(2−エトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−ジフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−ジフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−プロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(S)−5−メチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾチアゾール−2−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−3−(4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾチアゾール−2−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−シクロプロピルメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(S)−5−メチル−3−ナフタレン−2−イルメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾオキサゾール−2−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−ジフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメチル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−メトキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
(R)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5−メチル−3−(4−プロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−シクロプロピルメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−イソプロポキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−プロポキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−(4−シクロプロピルメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−エトキシ−ベンジル)−(R)−5−メチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−3−(4−エトキシ−ベンジル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジメチル−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
3−(3−クロロ−4−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−2−(2−メトキシ−6−メチル−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−フルオロ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−クロロ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−メトキシ−6−トリフルオロメチル−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
3−ビフェニル−4−イルメチル−2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−トリフルオロメチルスルファニル−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(6−フェノキシ−ピリジン−3−イルメチル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(5−フェノキシ−ピリジン−2−イルメチル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(ピリジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(ピラジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(6−メチル−ピリダジン−3−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(チアゾール−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−[4−(ピリミジン−2−イルオキシ)−ベンジル]−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−イソプロポキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−(2−エトキシ−6−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;
2−[2−メトキシ−6−(2−メトキシ−エトキシ)−フェニル]−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン;及び
2−[2−(3−ヒドロキシ−プロポキシ)−6−メトキシ−フェニル]−5,5−ジメチル−3−(4−フェノキシ−ベンジル)−オキサゾリジン−4−オン。
【請求項12】
活性成分として、請求項1〜11のいずれか1項に記載の1又は2種以上の化合物又はその薬学的に許容される塩を、そして少なくとも一種の治療上不活性な賦型剤を含む医薬組成物。
【請求項13】
医薬として使用するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
すべてのタイプの睡眠障害、ストレス関連症候群、依存症、健常者並びに精神及び神経障害における認知機能障害、摂食又は摂水障害からなる群より選択される疾患の予防又は治療のための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
すべてのタイプの睡眠障害、ストレス関連症候群、依存症、健常者並びに精神及び神経障害における認知機能障害、摂食又は摂水障害からなる群より選択される疾患の予防又は治療のための医薬の製造において使用するための、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

【公表番号】特表2012−526797(P2012−526797A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510421(P2012−510421)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052068
【国際公開番号】WO2010/131192
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】