説明

新規なカリウムチャネルブロッカー

本発明は、式(I)もしくはその塩またはこれらの製薬上許容される誘導体を提供する。式中、Xは、CH、OまたはNからなる群から選択され、Rは、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、Rは、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールまたはNRからなる群から選択され、Rは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノスルホニルまたはニトリルからなる群から選択され、Rは、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいスルホニル、置換されていてもよいスルファモイル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、Rは、水素であってもよいし、または、RおよびX(XがNであるとき)と一緒になって、一般式(II)を有する置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環を形成してもよい。Xは、C(=O)やC(Rであり、Xは、C(R、N(R9b)、OまたはSであり、RおよびRは、同一であるかあるいは異なり、それぞれ水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールを表し、R8aおよびR8bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、ヒドロキシル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり、R9aおよびR9bは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、ヒドロキシル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールであり、R9cは、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールである。ただし、XがOのとき、jは、0であり、XがNまたはCHのとき、Jは1であり、nは1、2または3である。当該化合物は、カリウムイオンチャネルの阻害剤として有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、カリウムチャネル阻害剤である式(I)の化合物に関する。この種の化合物は免疫修飾および、自己免疫、慢性炎症、代謝疾患などの治療のためのKv1.3阻害剤として有用でありうる。また、この種の化合物は不整脈の治療または予防のためのKv1.5阻害剤としても有用でありうる。上記化合物を含む薬剤組成物、並びに、自己免疫および炎症性疾患の治療や不整脈の治療におけるその用途もまた、提供される。
【背景技術】
【0002】
背景
イオンチャネルは、細胞膜の脂質二重層にまたがり、Na、K、Ca2+およびClなどの特定のイオンが通過できる水溶性の通路を提供するタンパク質である(Herbert, 1998)。カリウムチャネルは、イオンチャネルのうちで最大かつ最も多様なサブグループであり、膜電位の調節および細胞興奮性の制御において中心的な役割を担っている(Armstrong&Hille、1998)。カリウムチャネルはそのアミノ酸配列および生物物理学的特性に基づき、遺伝子ファミリー群に分類されている(命名法についてはGutman et al.、2003を参照)。
【0003】
カリウムチャネルを調節する化合物は、自己免疫疾患、炎症性疾患、心血管疾患、神経疾患、聴覚疾患、腎疾患および代謝介在疾患などの各種の疾患領域において複数の治療用途を有している(Shieh et al., 2000; Ford et al., 2002, Xie et al, 2004, Cahalan et al, 1997)。カリウムチャネルKv1.3は、ニューロン、血球、破骨細胞、マクロファージ、上皮、並びにTリンパ球およびBリンパ球などの多くの組織に見られる。さらに、Kv1.3を阻害することで、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症、肥満、糖尿病および炎症性腸疾患などの多くの自己免疫疾患に関与しているT細胞の機能が調節されることが明らかになっている(Beeton et al., 2006)。
【0004】
自己免疫疾患のためのKv1.3チャネルブロッカー
乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症、IBDなどの種々の自己免疫疾患の発症における自己反応性後期メモリーT細胞の役割は十分に確立されている。TEM細胞の活性化によってKv1.3チャネルの発現が相当程度アップレギュレートされ、その結果、Kv1.3が細胞からのカリウム流出の主要な経路となる。よって、Kv1.3を選択的にブロックすると細胞膜の脱分極およびCa2+流入が引き起こされ、サイトカイン産生並びに細胞増殖および細胞機能の阻害がもたらされる。このように、Kv1.3は自己免疫疾患の制御のための非常に興味深い新規な治療標的である。
【0005】
T細胞および自己免疫
T細胞は、細胞介在性免疫において中心的な役割を担っているリンパ球である。T細胞の主要な形態の1つはヘルパーT細胞(T)であり、このTはCD4+細胞としても知られ、自己免疫疾患の進行に重要な役割を果たしている。サイトカインであるインターロイキン2(IL−2)の産生を介して、CD4+T細胞は、細胞傷害性T細胞(CD8+)として知られるT細胞の第2の主要なタイプを生み出すことができる。ナイーブ(不活性)なCD4+T細胞およびCD8+T細胞は両方のタンパク質(CCR7+CD45RA+)を発現し、リンパ節へ進入するための鍵としてケモカイン受容体CCR7を用いる。リンパ節内部において、ナイーブT細胞は抗原と接触し、活性化プロセスを通じて、サイトカイン類を産生し増殖する「エフェクター」T細胞へと変化する。次の免疫応答が減弱すると、ほとんどのナイーブエフェクターは死滅するが、いくつかは長寿命のセントラルメモリー細胞(TCM)へと分化する。TCM細胞はナイーブ細胞と同様にリンパ節へ向かうのにCCR7を用い、そこで自身の同種抗原と遭遇する。抗原刺激によってTCM細胞は、サイトカイン類を産生し増殖する「TCMエフェクター」へと変化する。TCMエフェクターもまたナイーブエフェクターと同じ運命を辿り、その大多数は免疫応答が弱まった後に死滅し、さらなる抗原との接触のために長寿命の生存細胞をいくらか残すこととなる。抗原と繰り返し接触すると(自己免疫疾患または慢性感染で起こりうる)、TCM細胞は、短寿命の、CCR7およびCD45RAを発現していない「エフェクターメモリーT細胞」(TEM)へと分化し、抗原誘導活性化のためにリンパ節へ向かう必要がなくなる。CD8+TEM細胞の一部はCD45RAを再獲得してCCR7−CD45RA+TEMRA細胞となる。活性化によって、CD4+およびCD8+の双方のTEM細胞はTEMエフェクターへと変化し、これが炎症部位へと迅速に移動して大量の炎症性サイトカイン類、インターフェロン−γ(IFN−γ)および腫瘍壊死因子α(TNFα)を産生する。また、CD8+TEMエフェクターは大量のパーフォリンを有しており、よって非常に破壊的である(Wulff et al, 2003, Beeton et al, 2005)。
【0006】
T細胞および自己免疫疾患におけるKv1.3の機能的役割
ヒトT細胞は2つのKチャネル(Kv1.3およびIKCa1)を発現しており、これによって遺伝子転写、増殖およびサイトカイン分泌に必要とされる細胞質Ca2+レベルの持続的な上昇に必要なバランスのとれたカチオンの流出がもたらされる(Panyi et al, 2004, Chandy et al, 2004)。このKv1.3チャネルおよびIKCa1(KCa3.1としても知られている)チャネルは膜電位を調節しており、Tリンパ球におけるCa2+シグナル伝達を促進する。Kv1.3は膜の脱分極に応答して開き、静止膜電位を維持する(初期段階)。これに対し、IKCa1は細胞質Ca2+の増加に応答して開き、膜電位を過分極させる(Beeton et al, 2001)。Kチャネルを選択的に封鎖すると膜の脱分極が起こり、これによってCa2+の流入が阻害されてサイトカインの産生および細胞増殖が停止する。チャネルブロッカー毒素を用いた初期のインビトロでの研究によってKv1.3チャネルがT細胞活性化後のサイトカインIL−2の合成(遺伝子の活性化)および分泌に不可欠であることが明らかに示され(Price et al, 1989)、免疫不全における当該チャネルの阻害剤の潜在的な治療上の利用に理論的根拠が与えられている。自己免疫疾患の病態における自己反応性T細胞の役割は、動物モデルで明らかに示されている。他のいくつかの自己免疫疾患において疾患特異的な自己反応性T細胞がメモリー表現型を示すことも報告されている。自己反応性TEM細胞も乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症、IBD、白斑、ブドウ膜炎、天疱瘡、炎症性筋疾患、橋本病および強皮症に関与しているとされている(Beeton et al, 2005)。「後期の」メモリーT細胞およびメモリーB細胞は、多くの自己免疫疾患、移植拒絶反応および慢性の移植片対宿主病において疾患の進行および組織の損傷に関与しているとされている。Kv1.3チャネルの調節物質は、正常な免疫応答に悪影響を及ぼすことなく疾患誘導性のエフェクターメモリーT細胞およびメモリーB細胞の選択的なターゲティングを可能とすることができ、その結果、より一般的な免疫抑制を引き起こす物質よりも好ましい副作用プロファイルを有するものと考えられる。
【0007】
Koo et al, 1999によれば、Kv1.3ブロッカーであるマルガトキシン(MgTX)がインビボでの遅延型過敏症(DTH)の応答を効果的に抑制することが観察された。また、MgTXは感作されていない動物での初期の抗体応答を阻害する(二次的な抗体応答はMgTXの影響を受けない)ことも示されている。これらの最近の結果は、休止Tリンパ球ではKv1.3チャネルが支配的でその機能を調節しているのに対し、IKCa1チャネルは活性化前のTリンパ球においてより重要であるとの考え方にも合致している。コレオリド(Correolide)(Koo et al, 1999)およびPAP−1(Schmitz et al, 2005)はKv1.3チャネルをブロックする新規な免疫抑制剤であり、DTHモデルにおいても有効である。DTH応答に関与する細胞構成成分は自己免疫疾患および同種移植片拒絶反応においてみられるものと類似していることから、上記の結果は新規な免疫抑制剤としてのKv1.3チャネルブロッカーの開発に非常に有望である。
【0008】
「薬剤ターゲットとしての電位依存性イオンチャネル(Voltage Gated Ion Channels as Drug Targets)」においてTriggle et alにより記載されているように、1980年代の初めに多くの化合物がμM〜mMの濃度でKv1.3チャネルをブロックすることが報告された。これらの化合物としては、4−アミノピリジンおよびテトラメチルアンモニウムなどの古典的なKvチャネル阻害剤、並びに、カルシウム活性化カリウムチャネルブロッカーであるキニンおよびセテイジル(ceteidil)、フェノチアジン抗精神病薬であるクロルプロマジンおよびトリフルオロペラジン、古典的なカルシウムチャネル阻害剤であるベラパミル、ジルチアゼム、ニフェジピンおよびニトレンジピン、並びにβブロッカーであるプロプラノロールなどの他の非特異的な化合物が挙げられる。
【0009】
1980年代にはまた、サソリ、ヘビおよび他の海洋生物から抽出された天然産物がKv1.3チャネルの強力な阻害剤であることが見出されたが、これらは主に、複数のスルフィド結合によって安定化された短ペプチド(<70残基)であった。これらの強力な阻害剤のうち最初のものはサソリ(Leiurus quinquestriatus hebraeus)の毒から単離され、カリブドトキシン(ChTX)と名付けられた(Sands et al, 1989)が、他のサソリ毒のスクリーニングによってより強力なKv1.3阻害毒が同定され、これらの毒としてはマルガトキシン(MgTX)(Garcia et al, 1993)、アジトキシン−2(Garcia et al, 1994)、ホンゴトキシン(Koshchak et al, 1998)、ダイオウサソリ毒2(pandinus imperator toxin 2)(Pi2)(Peter et al, 2001)およびオーソキラス スクロビキュローサス(Orthochirus scrobiculosus)(OSK1)(Mouhat et al, 2005)などが挙げられる。OSK1(最も近縁の関連チャネルに対して300倍選択的である)を除き、サソリ毒はいずれもKv1.3に対して選択的ではない。
【0010】
これまでで最も強力で選択的なKv1.3ブロッカーの1つは、イソギンチャクから抽出された、スティコダクチラ ヘリアンサス(stichodactyla helianthus)毒(Shk)である(Pennington et al, 1996)が、これに関してはKv1.3の封鎖を介した自己免疫疾患の治療について報告されている(US 6,077,680)。Shkおよび、選択性プロファイルが改善されたその合成誘導体であるShk−Dap22はpMで活性を示す(Pennington et al, 1998)が、これらのペプチドはさらなる開発に対して好ましくない特性を有していることが判明した。
【0011】
近年ではより新規で選択的な小分子であるKv1.3チャネルブロッカーが自己免疫疾患の管理のために報告されている。これらの分子としては、イミノジヒドロキノリン類であるWIN173173およびCP339818(Nguyen et al., 1996)、ベンズヒドリルピペリジンであるUK−78,282(Hanson et al. 1999)、コレオリド(Felix et al., 1999)、シクロヘキシル置換ベンズアミドであるPAC(US-06194458, WO0025774)、スルファミドベンズアミドインダン(US-06083986)、ケリノン(Baell et al., 2004)、ジクロロプレニルピラゾロピリミジン(WO-00140231)、ソラレン類(Wulff et al., 1998., Vennekamp et al., 2004, Schmitz et al., 2005)およびイソインドリン類(WO2008/038051)が挙げられる。
【0012】
スルホンアミド類が、特に11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ タイプ1、CCR5、H3受容体および有糸分裂キネシン類の阻害剤として有用であることが報告されている。
【0013】
置換アリール第3級スルホンアミド類(4位がアミドで置換されたもの)が、2型糖尿病などの疾患における高血糖の治療および予防のための11−β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ タイプ1の阻害剤として特許請求されている(WO2004065351)。
【0014】
置換アリール第3級スルホンアミド類(3位が置換アルキル、アルコキシアミノ、スルホニル、アシル、アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルで置換されていてもよいもの)が、有効な抗癌剤としての有糸分裂キネシン類の阻害剤として特許請求されている(WO2007056078)。
【0015】
ベンジル基およびアミド基を有する置換1−3フェニルスルホンアミド類が、ウイルス性疾患の治療および/または予防、特にC型肝炎の治療に有用であるとして特許請求されている(WO2007/110171)。
【0016】
そのほか、スルホンアミドに対してメタ位にアルキルアミノ基を有するアリールスルホニルアミノベンゼン誘導体が、因子Xaの阻害剤であって動脈および静脈の血栓閉塞性疾患、炎症、癌および神経変性疾患の治療に有用であることが見出された(WO96/40100)。
【0017】
スルホンアミドに対してメタ位にアミド基を有する置換1,3−フェニルスルホンアミド類が、アルツハイマー病およびβ−アミロイドの産生に起因する関連疾患を治療および予防するための有効な手段としてのBACE阻害剤として特許請求されている(WO 2005/030709)。
【0018】
スルホンアミドに対してメタ位にエーテル基を有する置換1,3−フェニルスルホンアミド類も、肝臓X受容体(LXR)の活性に関連した疾患の治療または予防に有用なLXR調節剤として特許請求されている(WO2003082205)。
【0019】
スルホンアミドに対してメタ位にアルキルアミノ基を有する置換1,3−フェニルスルホンアミド類が、血栓症、虚血または炎症などのプロテアーゼ介在性疾患の治療に有用であるアミジノプロテアーゼの阻害剤として特許請求されている(WO1998/01422)。
【0020】
置換1,3−フェニルスルホンアミド類が、癌関連疾患の治療に有用でありうる微小管形成の阻害による細胞増殖の調節物質として特許請求されている(WO00/73264)。
【0021】
加えて、スルホンアミドに対してメタ位に置換アミノ基を有する置換1−3−フェニルスルホンアミド類が、胃疾患、関節炎、骨粗鬆症および尿失禁症の治療に有用であるウロテンシン−II(urotensin−II)受容体の拮抗薬および、CCR−9の拮抗薬として特許請求されている(WO2004/73634)。
【発明の概要】
【0022】
この度、驚くべきことに、後述する一般式(I)の化合物がカリウムチャネルの阻害剤として機能することが見出された。これらの化合物は、カリウムチャネルKv1.3を阻害し、カリウムチャネルKv1.3の阻害に関連した疾患を治療するのに特に有用である。本発明はKv1.3介在性の疾患の治療に限られず、上記化合物はKv1.5カリウムチャネルの阻害を伴う疾患治療(例えば、心房細動の治療)にも有用である(Marban, 2002, Brendel and Peukert, 2002)。
【0023】
すなわち、一形態において、本発明は式(I)の化合物もしくはその塩またはこれらの製薬上許容されうる誘導体を提供する:
【0024】
【化1】

【0025】
式中、
は、CH、OまたはNからなる群から選択され;
は、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールアルキルからなる群から選択され;
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリール、またはNRからなる群から選択され;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノスルホニルまたはニトリルからなる群から選択され;
は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいスルホニル、置換されていてもよいスルファモイル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキル、および置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され;
は、水素であってもよいし、または、RおよびX(X=Nのとき)と一緒になって、一般式(II)を有する置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環を形成してもよい:
【0026】
【化2】

【0027】
式中、
は、C(=O)またはC(Rであり;
は、C(R、N(R9b)、OまたはSであり;
およびRは、同一であってもよいし、異なってもよく、それぞれ水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、ヒドロキシル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよりアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、ヒドロキシル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールであり;
9bは、水素、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールであり;
ただし、
がOのとき、jは、0であり、
がNまたはCHのとき、jは1であり;
nは1、2、または3である。
本明細書で用いる場合、特記しない限り、以下の定義が適用されるものとする。
【0028】
「置換されていてもよい」との語は、ある基が同一であってもよいし異なってもよい1または2以上の置換基によって置換されていてもよいことを意味する。そうでないと特記しない限り、これらの置換基は、アルキル、シクロアルキル、−O−C(ハロゲン)(好ましくは、−OCF)、ビアリール、炭素環アリール、ヘテロ脂環、ヘテロアリール、アシル、アミジノ、アミド、アミノ、アルコキシアミノ、カルバモイル、カルボキシ、シアノ、エーテル、ヒドロキシル、イミノ、ハロゲン、ニトロ、スルファモイル、スルホニル、スルフィニル、スルフェニル、スルホンアミドまたはウレアから選択される。
【0029】
本明細書で用いられる場合、「アルキル基」との語は通常、C1−4のアルキル基またはアルキル部分(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチルおよびt−ブチル)などの、直鎖または分枝鎖のアルキル基または1〜6個の炭素原子(好ましくは、2、3、4または5個の炭素原子)を含有する部分である。アルキル基またはアルキル部分は、非置換であってもよいし、任意の位置で置換されていてもよい。通常、アルキル基またはアルキル部分は、非置換であるか、または1、2もしくは3個の置換基を有している。適当な置換基としては、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、アルカノイル、アルコキシ、スルホンアミド、ニトロ、アリールおよびヘテロアリールが挙げられる。アルキル部分はまた、「不飽和アルキル」部分であってもよく、これはアルキル部分が少なくとも1つのアルケンまたはアルキン部分を含有することを意味する。「アルケン」部分とは、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素二重結合からなる基を意味する。「アルキン」部分とは、少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−炭素三重結合からなる基を意味する。
【0030】
本明細書で用いられる場合、「シクロアルキル」との語は、3〜11個の炭素原子(すなわち、3、4、5、6、7、8、9、10または11個の炭素原子)からなる単環または二環の環または環系を意味する。当該環系は「飽和環」であってもよく、これはその環がアルケンまたはアルキン部分を含有しないことを意味する。シクロアルキル基はまた、「不飽和環」であってもよく、これは当該環系が少なくとも1つのアルケンまたはアルキン部分を含有し、かつ、当該環系が芳香族ではないことを意味する。上記シクロアルキル基は、本明細書で定義されるように、置換または非置換でありうる。上述した置換基に加えて、1または2以上の環炭素原子はまた、二重結合を介してNH、SおよびOから選択される基に結合してもよい。上記シクロアルキルの置換基は、追加の置換基がアルキルである場合を除き、C1−6アルキル基などの連結基を介して結合してもよい。連結基中のアルキル基の1または2以上の水素は、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、チオール、C1−6アルコキシ、C1−6アルキルチオ、C1−6アルキルアミノおよびC1−6ジアルキルアミノからなる群から選択される部分により置換されうる。
【0031】
本明細書で用いられる場合、「アリール基」との語は通常、フェニルまたはナフチルなどのC6−10アリール基である。好ましいアリール基は、フェニルである。アリール基は、非置換であるか、または任意の位置で置換されうる。通常、アリール基は、1、2、3または4つの置換基を有する。適当な置換基としては、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、トリフルオロメチル、アルキル、アルキルチオ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルカノイル、アミド、N−アルキルアミド、NN−ジアルキルアミノ、スルホンアミド、アリールおよびヘテロアリールが挙げられる。
【0032】
「炭素環式」との語は、1または2以上の共有結合で閉じた環構造を含有し、かつ、当該環の骨格を形成する原子がすべて炭素原子である化合物を意味する。よってこの語により、炭素環式はヘテロ環と区別される。炭素環式基には、非芳香族の炭素環である「シクロアルキル基」と、芳香族の炭素環である「炭素環アリール」基との双方が含まれる。当該炭素環基は、本明細書で定義されるように、置換されていてもよい。
【0033】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロ環」または「ヘテロシクロ」との語は、N、SおよびOから選択される1または2以上のヘテロ原子を含む、単環または二環の環または環系を意味する。当該環または環系は、ヘテロ原子に加えて、1〜6個の炭素原子(すなわち、1、2、3、4、5または6個の炭素原子)を含む。ヘテロ環基との語は、非芳香族のヘテロ環を意味する「ヘテロ脂環式」基と、芳香族のヘテロ環を意味する「ヘテロアリール」基との双方を含む。当該ヘテロ環部分は、非置換であってもよいし、本明細書で定義されるように置換されたものであってもよく、置換基は、互いに隣接するように位置するときには結合してシクロアルキルまたはヘテロ脂環式の環系(例えば、メチレンジオキシまたはジフルオロメチレンジオキシ)を形成してもよい。上記ヘテロ環の置換基は、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合しうる。上記ヘテロ環基はまた、窒素または硫黄が環中に存在する場合には、窒素および硫黄の酸化物をも含みうる。
【0034】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロアリール」との語は、N、SおよびOから選択される1または2以上のヘテロ原子を含む、単環または二環の環または環系を意味する。当該環または環系は、ヘテロ原子に加えて、3〜13個の炭素原子(すなわち、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13個の炭素原子)を含み、かつ、ヘテロ原子を含む少なくとも1つの芳香環を含有する。当該ヘテロアリール基はまた、窒素または硫黄が存在する場合には、窒素および硫黄の酸化物をも含みうる。単環のヘテロアリール基の例としては、以下に限定されないが、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、およびトリアジニルが挙げられる。二環のヘテロ環の例としては、以下に限定されないが、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾトリアゾニルなどが挙げられる。三環のヘテロ環の例としては、以下に限定されないが、チアントレニル、キサンテニル、フェノキサチイニル、カルバゾリル、カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、およびフェノキサジニルが挙げられる。当該ヘテロアリール基は、非置換であってもよいし、本明細書で定義されるように置換されていてもよい。置換基は、互いに隣接するように位置するときには結合してシクロアルキルまたはヘテロ脂環式の環(例えば、メチレンジオキシおよびジフルオロメチレンジオキシ)を形成してもよい。上記ヘテロアリールの置換基は、炭素原子またはヘテロ原子を介して結合しうる。
【0035】
本明細書で用いられる場合、「アリールアルキル」との語は、アリール−C1−6アルキルまたはC1−6アルキル−アリールの式の化学部分を意味し、これらの語は本明細書で定義されている。
【0036】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロアリールアルキル」との語は、ヘテロアリール−C1−6アルキルまたはC1−6アルキル−ヘテロアリールの式の化学部分を意味し、これらの語は本明細書で定義されている。
【0037】
本明細書で用いられる場合、「アシル」との語は、(CHC(=O)R(ここで、yは1〜6(すなわち、1、2、3、4、5または6)である)の式の化学部分を意味する。
【0038】
「アミジノ」との語は、(CHC(=NH)NRR’(ここで、yは1〜6(すなわち、1、2、3、4、5または6)である)の式を有する化学部分を意味する。
【0039】
「アミド」との語は、−C(=O)NRR’の式を有する化学部分を意味する「C−アミド」基と、−NRC(=O)R’の式を有する化学部分を意味する「N−アミド」基との双方を意味する。
【0040】
「アミン」または「アミノ」との語は、式−NRR’の化学部分を意味する。アミンの定義にはそのN−オキシドも含まれるものと理解される。
【0041】
「シアノ」基とは、式−CNの化学部分を意味する。
【0042】
本明細書で用いられる場合、「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」との語は、式−OHの化学部分を意味する。
【0043】
「ハロゲン」または「ハロ」との語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素からなる群から選択される原子を意味する。
【0044】
本明細書で用いられる場合、「アルカノイル」との語は、−C(=O)Rの式を有する化学部分を意味する。
【0045】
「スルホン」または「スルホニル」との語は、−S(=O)の式を有する化学部分を意味する。
【0046】
「スルフィニル」との語は、−S(=O)Rの式を有する化学部分を意味する。
【0047】
「スルフェニル」との語は、−SRの式を有する化学部分を意味する。
【0048】
「スルファモイル」基は、−NR−S(=O)NRR’の式を有する化学部分を意味する。
【0049】
「スルホンアミド」との語は、−S(=O)NRR’の式を有する化学部分を意味する「S−スルホンアミド」基と、−N−S(=O)R’の式を有する化学部分を意味する「N−スルホンアミド」基との双方を意味する。
【0050】
「チオカルボニル」との語は、(CHC(=S)R(ここで、yは1〜6(すなわち、1、2、3、4、5または6)である)の式を有する化学部分を意味する。
【0051】
本明細書で用いられる場合、「チオ」または「チオール」との語は、式−SHの化学部分を意味する。
【0052】
「チオアミド」との語は、(CHC(=S)NRR’の式を有する化学部分を意味する「C−チオアミド」と、(CHNRC(=S)R’の式を有する化学部分を意味する「N−チオアミド」との双方を意味する(ここで、yは1〜6(すなわち、1、2、3、4、5または6)である)。
【0053】
「ウレア」基とは、式−NRC(=O)NRR’の化学部分を意味する。
【0054】
RzおよびR’zは、それぞれ独立して、水素、C1−6アルキル、シクロアルキル,C1−6アルコキシ、アリール−C1−6アルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択される。
【0055】
化合物にかかわる好ましい実施形態において、
は、NRであるか、または式(III)、(IV)、(V)または(VI)を有する:
【0056】
【化3】

【0057】
式中、
およびRは、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、または置換されていてもよいC1−3アルキルであり;
A、Q、T、DおよびEは、同一であるかまたは異なり、それぞれC、またはNを表す(ただし、それぞれの場合において、A、Q、T、DまたはEの少なくとも1つはNである);
が式(III)の化合物から選択されるとき、Eは、OまたはSを表してもよい;
が式(IV)の化合物から選択されるとき、Aは、OまたはSを表してもよい。
【0058】
11およびR12は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいC1−3アルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか、あるいは、一緒になって置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環のヘテロ環または炭素環を形成してもよい。好ましくは、R11およびR12はアルキルであり、より好ましくはCHである。
13、R14、R15、R16およびR17は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、置換されていてもよいC1−3アルキルを表し、R13とR14との対、またはR14とR15との対、またはR15とR16との対、またはR16とR17との対のいずれかが、一緒になって、置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環のヘテロ環または炭素環を形成してもよい。
は、式(VII)の化合物から選択される:
【0059】
【化4】

【0060】
式中、
18、R19、R20、R21およびR22は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、置換されていてもよいC1−3アルキル、または置換されていてもよいアルコキシを表す。好ましくは、R19、R20およびR21は、同一であるかまたは異なり、それぞれH、Cl,FまたはCHであり;最も好ましくはClである。
【0061】
23およびR24は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ヒドロキシル、および置換されていてもよいC1−3アルキルを表す。
【0062】
はH、FまたはCHであり、好ましくはHまたはFである。
【0063】
がOまたはNであるとき、
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、置換フェニル、置換ベンジル、置換フェネチル、3−フェニルプロピル、メチルピリジン、置換ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、フェノキシエチル、ベンジルオキシエチル、アセチル、プロピオニル、置換ベンゾイル、フェナシル、イミダゾイル、ピラゾイル、ピリジノイル、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、tert−ブチルアセトアミド、ピリジルアセトアミド、シクロプロピルアセトアミド、シクロブチルアセトアミド、シクロペンチルアセトアミド、またはシクロヘキシルアセトアミドである。
【0064】
がNであるとき、Rは、好ましくは、XおよびRと一緒になって、上記で定義された一般式(II)を有する置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環を形成する。
【0065】
好ましい化合物は、式(VIII)の化合物である:
【0066】
【化5】

【0067】
式中、
は、NまたはOから選択され、
は、NR、置換イミダゾール、置換ピラゾール、置換ピロール、置換オキサゾール、置換オキサジアゾール、置換チアゾール、置換チアジアゾール、置換ピリジン、置換ピリミジン、置換ピラジン、置換ピリダジン、置換トリアジン、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、シアノフェニル、アミノフェニル、アセトアミドフェニル、置換テトラヒドロベンゾフラン、置換ベンゾピラン、置換ジヒドロベンゾジオキシン、置換ベンゾオキサジノン、置換ベンゾオキサジアゾール、置換ベンゾジオキソール、置換インドリン、置換インドール、置換インダゾールまたは置換ベンゾモルホリンから選択され、
およびRは、メチルであり、および
、R、R、R18、R19、R20、R21およびR22は、上記で定義された通りである。
【0068】
より好ましい化合物は、式(IX)の化合物である:
【0069】
【化6】

【0070】
式中、
は、NまたはOから選択され、
は、NR、置換イミダゾール、置換ピラゾール、置換ピリジン、フェニル、フルオロフェニル、シアノフェニル、置換テトラヒドロベンゾフラン、置換ベンゾピラン、置換ジヒドロベンゾジオキシ、置換ベンゾオキサジノン、置換ベンゾオキサジアゾール、置換ベンゾジオキソール、置換インドリン、または置換ベンゾモルホリンであり、
は、HまたはFであり、
がNまたはOであるとき、Rは、メチルピリジン、置換ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、tert−ブチルアセトアミド、ピリジルアセトアミド、シクロプロピルアセトアミド、シクロブチルアセトアミド、シクロペンチルアセトアミド、またはシクロヘキシルアセトアミドであり、
がNであるとき、X、RおよびRは、一緒になって、置換ピペリジン、置換モルホリン、置換ピペラジン、置換ピロリジン、および置換イミダゾリジン−2−オンを形成し、並びに
、R、R19、R20およびR21は、上記に定義された通りである。
【0071】
本発明の特に好ましい化合物としては:
N−[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]アセトアミド
3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−アミド
N−[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−2−フェニルアセトアミド
N−[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−2−メトキシアセトアミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸ベンジル−[3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−ベンジル−N−[3−(3−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−ベンジル−N−[3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−ベンジル−N−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸ベンジル−[3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸ベンジル−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
N−ベンジル−3−シアノ−N−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸ベンジル−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
N−ベンジル−3−シアノ−N−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−ベンジル−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
2−メチル−2H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
2−メチル−2H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[4−フルオロ−3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−ベンジル−3−シアノ−4−フルオロ−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
2−メチル−2H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−4−フルオロ−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−a(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イルベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
が挙げられる。
【0072】
本明細書で用いられる場合、製薬上許容されうる塩は、製薬上許容されうる酸または塩基を有する塩である。製薬上許容されうる酸には、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸または硝酸などの無機酸、および、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp−トルエンスルホン酸などの有機酸が含まれる。製薬上許容されうる塩基には、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えば、カルシウムまたはマグネシウム)の水酸化物、並びに、アルキルアミン類、アリールアルキルアミン類またはヘテロ環状アミン類などの有機塩基が含まれる。
【0073】
本発明の化合物は、1または2以上の不斉中心を含みうる。疑いを避けるため、本明細書に記載の化学構造は、表記された化合物のすべての立体異性体(ラセミ混合物および非ラセミ混合物、並びに純粋なエナンチオマーおよび/またはジアステレオマー)を含むものとする。
【0074】
本明細書に記載の通り、本発明の化合物は種々の症状の治療に有用である。よって、第2の形態として、本発明は、医薬として用いるための、本明細書で定義される式(I)の化合物を提供する。好ましくは、当該化合物は、免疫学的障害(乾癬、関節リウマチおよび多発性硬化症など)などの、カリウムチャネルの阻害を必要とする症状の予防または治療に用いられる。
【0075】
さらに他の形態として、本発明は、本明細書で定義される式(I)の化合物の少なくとも1つ、および、1または2以上の賦形剤、担体または希釈剤を含む医薬製剤を提供する。
【0076】
本発明の組成物は、各活性成分の単回ごとの所定量を含有する単回用量の形態で提供されうる。かような単位は、化合物の5〜100mg/日(好ましくは、5〜15mg/日、10〜30mg/日、25〜50mg/日、40〜80mg/日、または60〜100mg/日のいずれか)を提供するように適用されうる。式Iの化合物については、100〜1000mg/日(好ましくは、100〜400mg/日、300〜600mg/日、または500〜1000mg/日のいずれか)の範囲の用量が提供される。かような用量は、単回の用量で、または、任意の回数の用量として提供されうる。最終的な用量は、治療される症状、投与経路、並びに患者の年齢、体重および症状に依存すると思われ、医師の裁量に委ねられるであろう。
【0077】
本発明の組成物は、任意の投与経路(例えば、経口(口腔内もしくは舌下など)、直腸、鼻、局所(口腔内、舌下もしくは経皮など)、膣、または非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内など)の経路)による投与に適合しうる。かような製剤は、薬学の技術分野において公知の任意の手法により、例えば、活性成分を担体または賦形剤と組み合わせることにより、調製されうる。
【0078】
経口投与に適した医薬製剤は、カプセルもしくは錠剤;粉末もしくは顆粒;水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液;食用のフォームもしくはホイップ;または、水中油型の液状乳剤もしくは油中水型の液状乳剤といった個別の単位として提供されうる。
【0079】
経皮投与に適した医薬製剤は、所定の期間にわたって、受容者の表皮に直接接触したままとされることを予定された個別のパッチとして提供されうる。例えば、活性成分は、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般的に記載されたイオントフォレシスによって当該パッチから送達されうる。
【0080】
局所投与に適した医薬製剤は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして製剤化されうる。
【0081】
眼または他の外部組織(例えば、口および皮膚)へ投与するためには、製剤は好ましくは局所の軟膏またはクリームとして塗布される。軟膏として製剤化される場合には、活性成分はパラフィン性または水混和性の軟膏基材とともに用いられうる。あるいは、活性成分は水中油型のクリーム基材または油中水型の基材を用いてクリーム中に製剤化されてもよい。
【0082】
眼への局所投与に適した医薬製剤としては点眼剤が挙げられ、この場合に活性成分は、適当な担体、特に水性溶媒中に溶解または懸濁される。
【0083】
口中への局所投与に適した医薬製剤としては、ドロップ、トローチ、および洗口剤が挙げられる。
【0084】
直腸投与に適した医薬製剤は、坐剤または浣腸剤として提供されうる。
【0085】
担体が固体である場合の鼻投与に適した医薬製剤としては、嗅ぐようにして服用される(すなわち、鼻に近づけて保持された粗粉末の容器からの鼻道を通した迅速な吸入による)、例えば20〜500ミクロンの粒子径を有する粗粉末が挙げられる。経鼻スプレーまたは経鼻ドロップとして投与するための、担体が液体である場合の適当な剤形としては、活性成分の水性または油性の溶液が挙げられる。
【0086】
吸入による投与に適した医薬製剤としては、種々のタイプの定量加圧式エアロゾル、ネブライザーまたは吸入器を用いることで生成しうる微粒子の粉末または霧が挙げられる。
【0087】
経膣投与に適した医薬製剤は、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォームまたはスプレーの製剤として提供されうる。
【0088】
非経口投与に適した医薬製剤としては、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および、製剤を予定された受容者の血液と等張にする溶質を含有してもよい水性または非水性の滅菌注射液;並びに、懸濁化剤および増粘剤を含有してもよい水性または非水性の滅菌懸濁液が挙げられる。上記製剤は、単回用量または複数回用量の容器(例えば、密封されたアンプルおよびバイアル)中で提供されることができ、滅菌された液状の担体(例えば、注射用水)を使用直前に添加するのみでよい凍結乾燥条件下で貯蔵されうる。即席注射用の溶液および懸濁液は、滅菌された粉末、顆粒および錠剤から調製されうる。
【0089】
好ましい単回用量製剤は、活性成分の1日量または本明細書において上述したそれ未満の量を含有するもの、あるいはその適当な画分である。
【0090】
特に上述した成分の他にも、製剤は、当該製剤のタイプに関する技術分野において従来用いられている他の剤をも含みうるものと理解されるべきである。例えば、経口投与に適した製剤は着香剤を含みうる。
【0091】
本発明の組成物は、カリウムチャネルの阻害を必要とする症状の治療に(例えば、免疫学的障害の治療に)用いられうる。よって、さらに他の形態として、本発明は、以下のものを提供する:
(i)少なくとも1つの本発明の化合物または本発明の医薬組成物の有効量を投与することを含むカリウムチャネルの阻害を必要とする疾患(例えば、免疫学的疾患)を治療または予防する方法、
並びに、
(ii)カリウムチャネルの阻害に用いるための薬剤の製造における、本発明の化合物の使用。
【0092】
特に、上記医薬は、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症およびその他の免疫学的疾患治療または予防に用いられるものである。
【0093】
第1の形態の好ましい実施形態は、変更すべきところは変更した上で、他のすべての形態にも当てはまるものである。
【0094】
式(I)の化合物は、公知の経路(例えば、以下のスキーム1〜6に示すもの)により調製されうる。
【0095】
【化7】

【0096】
がNであり、R、R、R、RおよびRが請求項1に記載された通りであるときの式(I)の化合物は、スキーム1に示されたように、式NRのアミンと、GがCl,Br、IまたはFであるときの式(X)の芳香族ハロゲンとの反応によって合成されうる。当該置換反応は、熱的に、必要に応じてマイクロウェーブでの加熱並びに必要に応じて溶媒の存在下に実行されうる。あるいは、当該置換は、式NRのアミンと式(X)の芳香族ハロゲンとの有機金属を介在する縮合により実行されうる。適当な条件としては、Buchwaldらによって開発された条件が挙げられる。このブッフバルト(Buchwald)カップリング反応は、ジオキサンなどの溶媒中に、ナトリウムtert−ブトキシドなどの塩基の存在下、酢酸パラジウムおよびジクロロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルなどに由来するパラジウム-有機ホスフィン錯体を用いて、実行されうる。上記反応は、室温、または必要に応じて加熱、または必要に応じてマイクロウエーブによる加熱によって、実行されうる。
【0097】
式(X)の化合物は、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミンまたはピリジン)の存在下、式(XI)の化合物と式RSOClのスルホニルクロリド類とから調製されうる。式RSOClの化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0098】
式(XI)の化合物は、式(XII)の化合物から、式R(=O)のケトンまたはアルデヒドの還元的アミノ化を介して、調製されうる。この反応は、イミンのインサイチュ(in situ)生成および還元を伴う1ポット方式、または還元の前にイミンを単離および生成する2段階プロセスを介して行われうる。イミンの生成は、酸触媒下で行われ、適当な触媒としては酢酸が挙げられる。還元は、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの適当な還元剤を用いて、室温から還流の温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて行うことができるが、この還元は、触媒の水素化を用いて行われてもよい。式(XII)の化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0099】
【化8】

【0100】
がNであり、RがHであり、およびRが置換されていてもよいアシルである(並びに、R、RおよびRが上記の通りである)ときの式(I)の化合物は、スキーム2に示されたように、式(XIII)の化合物と式RCOA(AはOH、ClまたはBrである)との反応から、合成されうる。AがOHであるとき、当該反応は、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはジメチルホルムアミドなどの溶媒中、室温から還流の温度の範囲、または必要に応じてマイクロウェーブによる加熱で、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(EDC)または2−(7−アザ−1H−ベンズトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3,−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)などの縮合剤の存在下での反応といった常法を用いて、行われうる。AがClまたはBrのとき、当該反応は、ピリジンまたはジイソプロピルアミンなどの塩基の存在下で、およびジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中に、室温、または必要に応じて加熱、または必要に応じてマイクロウェーブによる加熱で、実行されうる。式RCOAの化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0101】
がNであり、RがHであり、およびRが置換されていてもよいスルホニルである(並びに、R、RおよびRが上記の通りである)ときの式(I)の化合物は、式(XIII)の化合物と式RSOClとの反応から、合成されうる。当該反応は、ピリジン、またはジイソプロピルアミンなどの塩基の存在下で、並びにジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒中に、室温、または必要に応じて加熱、または必要に応じてマイクロウェーブによる加熱で、実行されうる。
【0102】
式(XIII)の化合物は、式(XIV)から、保護基(P)(好ましくは、tert−ブチルカルボキシ(BOC)基)を除去することにより、調製されうる。これは、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中に、酸性もしくは塩基性の加水分解、またはプロトリシス分解(例えば、トリフルオロ酢酸を用いた処理)を介した常法により作られうる。
【0103】
式(XIV)の化合物は、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミンまたはピリジン)の存在下、式(XV)の化合物と式RSOClのスルホニルクロリド類とから調製されうる。式RSOClの化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0104】
式(XV)の化合物は、式(XVI)の化合物から、式R(=O)のケトンまたはアルデヒドの還元的アミノ化を介して調製されうる。当該反応は、イミンのインサイチュ(in situ)生成およびその還元を伴う1ポット方式、または、還元する前に、イミンを単離および精製する2段階プロセスを介して行われうる。イミンの生成は酸触媒下で行われ、適当な溶媒としては酢酸が挙げられる。還元は、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの適当な還元剤を用いて、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて行うことができるが、この還元は、触媒的水素化を用いて行われてもよい。式(XVI)の化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0105】
【化9】

【0106】
あるいは、XがNであり、R、R、R、RおよびRが請求項1に記載された通りであるときの式(I)の化合物は、スキーム3に示されたように、式(XVII)の化合物と式RSOClのスルホニルクロリド類とから調製されうる。一般的に、当該反応は、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中に、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミンまたはピリジン)の存在下での反応といった常法を用いて、行われうる。式RSOClの化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0107】
式(XVII)の化合物は、式R(=O)のケトンまたはアルデヒドの還元的アミノ化を介して調製されうる。当該反応は、イミンのインサイチュ(in situ)生成およびその還元を伴う1ポット方式、または還元する前に、イミンを単離および精製する2段階プロセスを介して行われうる。イミンの生成は酸触媒下で行われ、適当な溶媒としては酢酸が挙げられる。還元は、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの適当な還元剤を用いて、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて行うことができるが、この還元は、触媒的水素化を用いて行われてもよい。RがHである式(XVIII)の化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0108】
【化10】

【0109】
およびRが一緒になって、置換されていてもよい飽和または部分飽和の5員環を形成するときの式(XVIII)の化合物は、スキーム4に示されたように、式(XIX)の化合物から、ニトロ基の還元を介して合成されうる。当該還元は、塩酸の存在下で塩化スズ(II)などの適当な還元剤を介するか、または、室温もしくは加圧および必要に応じてマイクロウェーブによる加熱、ならびに必要に応じてギ酸アンモニウムのような水素当量の存在下で、パラジウム炭素などの適当な触媒を用いる触媒的水素化を介することにより、達成されうる。
【0110】
式(XIX)の化合物は、QがCHCl、CHBr、COHまたはC(O)Clであるときの式(XX)の化合物の環化を介して調製されうる。この環化は、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒の存在下、並びにピリジンまたは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で達成されうる。当該環化は、室温、または必要に応じて加熱、または必要に応じてマイクロウェーブによる加熱をすることで行われうる。
【0111】
式(XX)の化合物は、式(XXI)の化合物と、QがCOH、C(O)Cl、CHClまたはCHBr、またはXおよびQが一緒になってイソシアナート基であるときの式(XXII)の化合物との反応を介して、合成されうる。
【0112】
式(XXI)および式(XXII)の化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0113】
【化11】

【0114】
あるいは、RおよびRが一緒になり、置換されていてもよい飽和または部分飽和の5員環を形成するときの式(XVII)の化合物は、スキーム5に示されたように、式(XXIII)の保護基(P)を除去することにより、調製されうる。好ましい実施形態において、保護基は、tert−ブチルカルボキシ(BOC)基を用いる。当該保護基の除去は、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中、酸性もしくは塩基性の加水分解またはフロトリシス分解(例えば、トリフルオロ酢酸を用いて処理)を介した常法を用いて作られうる。
【0115】
式(XXIII)の化合物は、QがCOH、C(O)Cl、CHClまたはCHBrのときの式(XXIV)の化合物の環化を介して調製されうる。この環化は、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒の存在下、並びにピリジンまたは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で達成されうる。当該環化は、室温、または必要に応じて加熱、または必要に応じてマイクロウェーブによる加熱をすることで行われうる。
【0116】
式(XXIV)の化合物は、式(XXII)の化合物と、QがCOH、C(O)Cl、CHClまたはCHBr、またはXおよびQが一緒になってイソシアナート基であるときの式(XXV)の化合物との反応を介して、合成されうる。この反応は、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランなどの溶媒の存在下、並びにピリジンまたは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で達成されうる。当該環化は、室温、または必要に応じて加熱、または必要に応じてマイクロウェーブによる加熱をすることで行われうる。式(XXII)または式(XXV)の化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0117】
【化12】

【0118】
がOであり、およびR、R、R、RおよびRが請求項1に記載された通りであるときの式(I)の化合物は、スキーム6に示されたように、アルキル化のような常法により、式(XXVI)のフェノール類と式RBrの化合物とから調製されうる。一般的に、当該反応は、室温から還流温度の温度範囲で、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはジクロロメタンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて、塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下、実行されうる。あるいは、XがOであり、およびRが請求項に記載された通りであるときの式(I)の化合物は、式(XXVI)のフェノール類と式ROHの化合物から、アルキル化のような常法(例えば、光延カップリング(Mitsunobu1981))により調製されうる。光延カップリングは、トリフェニルホスフィンの存在下で、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)またはその他の適当な縮合剤を用いることで行われうる。一般的に、当該反応は、適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、アセトニトリルまたはジクロロメタン)中に、室温、または必要に応じて加熱、または必要に応じてマイクロウェーブによる加熱の条件下行われうる。
【0119】
式(XXVI)の化合物は、室温から還流温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて、塩基(例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミンまたはピリジン)の存在下、式(XXVII)の化合物と式RSOClのスルホニルクロリド類とから調製されうる。式RSOClの化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0120】
式(XXVII)の化合物は、Pが保護基(例えば、メチル)であるときの一般式(XXVIII)を有するフェノール類の脱保護により、調製されうる。一般的に、脱メチル化は、0度から還流温度の温度範囲で、ジクロロメタンやテトラヒドロフランなどの適当な溶媒中に、ハロゲン化ホウ素類(例えば、三臭素化ホウ素)を用いることにより、行われる。
【0121】
式(XXVIII)の化合物は式(XXIX)の化合物から、式R(=O)のケトンまたはアルデヒドの還元的アミノ化を介して、調製されうる。この反応は、イミンのインサイチュ(in situ)生成および還元を伴う1ポット方式、または、還元の前にイミンを単離および生成する2段階プロセスを介して行われうる。イミンの生成は、酸触媒下で行われ、適当な触媒としては酢酸が挙げられる。当該還元は、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリドまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの適当な還元剤を用いて、室温から還流の温度の温度範囲で、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジクロロメタンまたはトルエンなどの溶媒中での反応といった常法を用いて行うことができるが、この還元は、触媒の水素化を用いて行われてもよい。式(XXIX)の化合物は、市販されているか、または当業者に公知の公開されている常法により調製されうる。
【0122】
本発明の化合物は、カリウムチャネル(Kv)の阻害剤であり、よって治療上に有用であることが見出されている。かような化合物は、新規であると解され、本発明によるこれらの化合物もまた、提供される。後述する実施例は例示のためのものであり、当業者であれば、認識できるように、特定の試薬や条件は必要に応じて個々の化合物用に改変されうる。
【0123】
上述した反応において言及されている出発物質の多くは、市販の供給源から入手可能であるか、または参照文献において引用されている方法により製造されうる。
【実施例】
【0124】
HPLC分析には、以下の方法を用いた:
溶媒:[MeCN−0.05%HCOH:HO−0.1%HCOH]、10−95%勾配3min、95%2.5min;カラム:フェノメネックスジェミニ(Phenomenex Gemini)50x4.6mmi.d.、C18逆相;流速:0.75mL/min(別途記載のない場合)
溶媒:[MeCN−0.05%HCOH:HO−0.01%HCOH]、5−95%勾配5min、95%3min;カラム:フェノメネックスジェミニ(Phenomenex Gemini)50x4.6mmi.d.、C18逆相;流速:1.5mL/min(別途記載のない場合)
溶媒:[MeCN:HO−0.1%HCOH]、5−95%勾配3.5min、95%2min;カラム:フェノメネックスジェミニ(Phenomenex Gemini)50x3mmi.d.、C18逆相;流速:1mL/min(別途記載のない場合)
溶媒:[MeCN−0.05%HCOH:HO−0.1%HCOH]、5−95%勾配6min、95%3min;カラム:フェノメネックスジェミニ(Phenomenex Gemini)50x4.6mmi.d.、C18逆相;流速:1mL/min(別途記載のない場合)。
【0125】
分取HPLCによる精製には、以下の方法を用いた:
溶媒:[MeCN−0.05%HCOH:HO−0.1%HCOH]、5−95%勾配12min、95%3min;カラム:ウォーターズエックス−ブリッジ(Waters X−Bridge)100x19mmi.d.、C18逆相;流速:16mL/min(別途記載のない場合)
実施例1)N−ベンジル−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド(方法A)
i){3−[3−(2−クロロ-エチル)−ウレイド−フェニル]}−カルバミン酸tert−ブチルエステル
乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の(3−アミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.5g、2.4mmol)および1−クロロ−2−イソシアネート−エタン(0.25mL、2.9mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。水(50mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(溶離
液は10%酢酸エチルのジクロロメタン溶液)により粗残渣を精製し、標記化合物(1g)を得た。HPLC保持時間7.45min、質量スペクトル(ES+)m/z314(
M+H)。
【0126】
ii)[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の{3−[3−(2−クロロ-エチル)−ウレイド−フェニル]}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1g、3.2mmol)および炭酸カリウム(1.32g、9.6mmol)の溶液を、室温で一晩撹拌した。反応の進行が見られなかったため、水素化ナトリウム(260mg、6.5mmol、60%油に分散)を加え、室温で一晩を撹拌した。水(50mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧で濃縮した。HPLC保持時間7.0min、質量スペクトル(ES+)m/z295(M+NH)。
【0127】
iii)1−(3−アミノ−フェニル)−イミダゾリジン−2−オン
ジクロロメタン(10mL)中の[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(0.88g、3.2mmol)およびトリフルオロ酢酸(2mL)の溶液を、室温で5時間撹拌した。炭酸ナトリウム(20mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧で濃縮した(0.54g、96%)。HPLC保持時間1min、質量スペクトル(ES+)m/z178(M+H)。
【0128】
上記の方法に従い、適当な出発物質を用いて以下の化合物を合成した:
N−(3−アミノ−フェニル)−N−ベンジル−ベンゼンスルホンアミド
iv)1−(3−ベンジルアミノ−フェニル)−イミダゾリジン−2−オン
乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の1−(3−アミノ−フェニル)−イミダゾリジン−2−オン(0.27g、1.5mmol)、ベンズアルデヒド(0.17mL、1.7mmol)および酢酸(0.13mL、2.2mmol)の溶液を、室温で6時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(0.14g、3.8mmol)を加え、反応溶液を室温で一晩撹拌した。水(25mL)で反応混合物をクエンチし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧で濃縮した。HPLC保持時間7min、質量スペクトル(ES+)m/z268(M+H)。
【0129】
上記の方法に従い、適当な出発物質を用いて以下の化合物を合成した:
1−[3−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−フェニル]−イミダゾリジン−2−オン
(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
(4−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミン
1−[3−(4−クロロ-ベンジルアミノ)−フェニル]−ピロリジン−2−オン
1−[5−(4−クロロ-ベンジルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−ピロリジン−2−オン
(3−ベンジルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
v)N−ベンジル−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド(1)
乾燥ジクロロメタン(1mL)中の1−(3−ベンジルアミノ−フェニル)−イミダゾリジン−2−オン(25mg、0.1mmol)、ベンゼンスルホニルクロリド(39μL、31mmol)およびピリジン(27μL、34mmol)の溶液を、加熱し15時間還流させた。反応混合物を室温まで冷やし、水(10mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×7mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧で濃縮した。粗残渣を分取TLC(溶離液は1:1の酢酸エチル:ジクロロメタン)で精製し、標記化合物をオフホワイト色固体(9mg、24%)として得た。HPLC保持時間8.8min、質量スペクトル(ES+)m/z425(M+NH)。
【0130】
実施例1について記載した方法Aにより、適当な出発物質を用いて調製した他の化合物を、表1に列挙する。
【0131】
実施例2)N−ベンジル−N−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(方法B)
i)ベンジル−(3−ブロモ−フェニル)−アミン
乾燥テトラヒドロフラン中の3−ブロモアニリン(5g、29mmol)、ベンズアルデヒド(3.24mL、32mmol)および酢酸(2.49mL、44mmol)の溶液を、室温で3時間撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(2.755g、73mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。水(100mL)で反応混合物をクエンチし、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧で濃縮した。HPLC保持時間7.7min、質量スペクトル(ES+)m/z263(M+H)。
【0132】
ii)N−ベンジル−N−(3−ブロモ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
乾燥ジクロロメタン(50mL)中のベンジル−(3−ブロモ−フェニル)−アミン(2g、7.6mmol)、ベンジルスルホニルクロリド(3.2mL、25mmol)およびピリジン(2.2mL、27.5mmol)の溶液を、加熱し、15時間還流させた。反応混合物を室温まで冷やし、水でクエンチし、ジクロロメタン(3×75mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し(硫酸マグネシウム)、減圧で濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタンで溶出)で精製し、標記化合物を白色固体(1.45g、47%)として得た。HPLC保持時間4.93min、質量スペクトル(ES+)m/z402(M+H)。
【0133】
iii)N−ベンジル−N−(3−モルホリン−4−イル-フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(2)
ジオキサン(1mL)中のN−ベンジル−N−(3−ブロモ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(25mg、0.06mmol)、モルホリン(6.5μL、0.07mmol)、酢酸パラジウム(1mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2´,6´−ジメトキシビフェニル(2mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(21mg、0.22mmol)の溶液を、マイクロウェブ中にて、30分間100℃まで加熱した。反応生成物を濾過し、水(5mL)で薄め、ジクロロメタン(3×6mL)で抽出した。合わせた有機層を濾過し、減圧濃縮した。得られた残渣を分取TLC(溶離液はジクロロメタン)により精製し、標記化合物を黄色固体(18mg、71%)として得た。HPLC保持時間8.3min、質量スペクトル(ES+)m/z409(M+H)。
【0134】
実施例2について記載の方法Bにより、適当な出発物質を用いて調製した他の化合物を、表1に列挙する。
【0135】
実施例3)3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−アミド(方法C)
i)(3−ベンジルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
乾燥テトラヒドロフラン(30mL)中の(3−アミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1g、4.8mmol)、ベンズアルデヒド(0.54mL、5.3mmol)および酢酸(0.41mL、7.2mmol)の溶液を、室温で2時間撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム(0.172g、4.5mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧濃縮した。得られた粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、溶離液は酢酸エチル)により精製し、標記化合物をオフホワイト色固体(1.27g、89%)として得た。HPLC保持時間6.4min、質量スペクトル(ES+)m/z198(M+H−BOC)。
【0136】
ii)[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
乾燥ジクロロメタン(30mL)中の(3−ベンジルアミノ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.27g、4.3mmol)、ベンゼンスルホニルクロリド(1.79mL、14mmol)およびピリジン(1.24mL、15.3mmol)の溶液を、加熱し15時間還流させた。反応混合物を室温まで冷やし、水でクエンチし、ジクロロメタン(3×75mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧濃縮した。得られた粗残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、溶離液はジクロロメタン)により精製し、標記化合物を茶色の油(1.09g、58%)として得た。HPLC保持時間6.6min。
【0137】
上記の方法に従い、適当な出発物質を用いて以下の化合物を合成した:
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸ベンジル−(3−ブロモ−フェニル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸ベンジル−(3−ブロモ−フェニル)−アミド
iii)N−(3−アミノ−フェニル)−N−ベンジル−ベンゼンスルホンアミド
ジクロロメタン(22.5mL)中の[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(1.09g、2.49mmol)およびトリフルオロ酢酸(2.5mL)を室温で90分間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で薄め、ジクロロメタン(3×75mL)で抽出した。集めた有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧濃縮した。標記化合物を茶色の油(0.83g、99%)として得た。HPLC保持時間5.9min。
【0138】
iv)3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−アミド(3)
乾燥アセトニトリル(1mL)中のN−(3−アミノ−フェニル)−N−ベンジル−ベンゼンスルホンアミド(25mg、0.07mmol)、3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸(14mg、0.11mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(16mg、0.08mmol)、メルカプトベンゾチアゾール(2mg、0.007mmol)およびトリエチルアミン(25μL、0.18mmol)の溶液を、室温で15時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)でクエンチし、ジクロロメタン(3×7mL)で抽出した。合わせた有機層を減圧濃縮した。得られた粗残渣を分取TLC(SiO、溶離液は1:1の酢酸エチル/ジクロロメタン)により精製し、標記化合物をオフホワイト色固体(2.8mg、8%)として得た。HPLC保持時間5.6min、質量スペクトル(ES+)m/z447(M+H)。
【0139】
実施例3について記載した方法Cにより、適当な出発物質を用いて調製した他の化合物を、表1に列挙する。
【0140】
実施例4)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[4−フルオロ−3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド(方法D)
i)1−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−2−オン
2−フルオロ−5−ニトロアニリン(500mg、3.2mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.1ml、6.4mmol)の混合物を、窒素下、乾燥ジクロロメタン(10mL)中で撹拌した。反応中に4−クロロブチリルクロリドを、1分間以上をかけて滴下し、さらに2時間を撹拌した。反応混合物を水(50mL)とジクロロメタン(50mL)で分液し、有機層を集め、乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(SiO、溶離液はジクロロメタン)によって精製し、4−クロロ−N−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−ブチルアミド(537mg)を白色固体として得た。上記物質を乾燥テトラヒドロフラン中に再溶解させ、氷浴で冷却した。水素化ナトリウム(83mg、2mmol)を加え、室温で3時間反応させた。反応混合物を減圧濃縮し、ジクロロメタン(50mL)で残渣を溶解させ、水(50mL)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)した。減圧濃縮により、粗生成物の1−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−ピロリジン−2−オンを黄色固体(430mg)として得た。当該物質をジエチルエーテル(20mL)およびエタノール(2ml)の混合溶液中に懸濁した。その中に、塩化スズ(II)二水和物の濃塩酸溶液(20mL)を5分間以上かけて滴下し、室温で3時間撹拌させた。反応混合物をpH7に中和するために、2Mの水酸化ナトリウム(aq)を加えた。得られた反応溶液をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥(硫酸マグネシウム)した。減圧濃縮により、粗生成物の1−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(424mg、68%)を黄色固体として得た。HPLC保持時間3.3min、質量スペクトル(ES+)m/z195(M+H)。
【0141】
ii)1−[5−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−ピロリジン−2−オン
乾燥ジクロロメタン(25mL)中の1−(5−アミノ−2−フルオロ−フェニル)−ピロリジン−2−オン(0.34g、1.8mmol)、4−クロロベンズアルデヒド(0.25g、1.8mmol)およびナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.75g、3.6mmol)の溶液を、一晩撹拌した。水(25mL)で反応をクエンチし、分離したジクロロメタン層を乾燥(硫酸マグネシウム)し、減圧濃縮した。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(SiO、1:10の酢酸エチル/ジクロロメタンで溶出)により精製し、標記化合物を黄色の油(253mg、44%)として得た。HPLC保持時間4.4min、質量スペクトル(ES+)m/z319(M+H)。
【0142】
iii)1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[4−フルオロ−3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル)−アミド(4)
1−[5−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−ピロリジン−2−オン(32mg、0.1mmol)、1−メチルイミダゾール−4−スルホニルクロリド(54mg、0.3mmol)およびピリジン(24μL、0.3mmol)を、乾燥ジクロロメタン(3mL)中で18時間還流させた。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を分取HPLCで精製した。標記化合物を黄色の油(19.5mg、42%)として得た。HPLC保持時間4.3min、質量スペクトル(ES+)m/z464(M+H)。
【0143】
実施例4について記載の方法Dにより、適当な出発物質を用いて調整したその他の化合物を、表1に列挙する。
【0144】
実施例5)N−ベンジル−N−[3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド(方法E)
ジオキサン(4mL)中のN−ベンジル−N−(3−ブロモ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド(25mg、0.06mmol)、1−フェニル−ピペラジン(0.011mL、0.074mmol)、酢酸パラジウム(1mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2´,4´,6´−トリイソプロピルビフェニル(2mg)およびナトリウムtert−ブトキシド(21mg、0.22mmol)の溶液を、一晩還流させた。水(5mL)で反応をクエンチし、ジクロロメタン(3×6mL)で抽出した。有機層を合わせ、濾過後、減圧濃縮した。得られた残渣を分取TLC(SiO、溶出液はジクロロメタン)により精製した。標記化合物を黄色固体(23mg、77%)として得た。HPLC保持時間9.4min、質量スペクトル(ES+)m/z484(M+H)。
【0145】
実施例6)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アミド(方法F)
i)(4−クロロ-ベンジル)−(3−メトキシ−フェニル)−アミン
4−クロロベンズアルデヒド(3.41g、27.5mmol)を、無水ジクロロメタン(120mL)中における3−メトキシアニリン(3.38g、27.5mmol)の冷却撹拌溶液中に加えた。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(8.16g、38.5mmol)および酢酸(1.57mL、27.5mmol)を反応系に加え、窒素下、室温で一晩撹拌した。2Nの水酸化ナトリウム(aq)の添加により反応をクエンチし、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(100mL)、食塩水(100mL)で洗浄した後、減圧濃縮し、粗生成物を得た。得られた残渣をフラッシュクロマトグラフィ(SiO、石油/ジクロロメタン3:1で溶出)で精製し、標記化合物(4.4g、収率64%)を得た。HPLC保持時間8.4min、質量スペクトル(ES+)m/z248(M+H)。
【0146】
ii)3−(4−クロロ-ベンジルアミノ)−フェノール
三臭化ホウ素(2.59mL,27.4mmol)を、無水ジクロロメタン(90mL)中における(4−クロロ−ベンゼン)−(3−メトキシ−フェニル)−アミン(2.37g、9.6mmol)の冷却撹拌溶液中に滴下し、反応混合液を0℃にて1時間撹拌した後、室温で15時間撹拌した。反応を0℃に冷やし、飽和重曹水溶液(aq)(100mL)でクエンチした。水層を集め、さらにジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を減圧濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗残渣をフラッシュクロマトグラフィ(SiO,5%の酢酸エチル/ジクロロメタン溶液で溶出)で精製し、クリーム色の固体(1.58g、収率71%)を得た。HPLC保持時間4.55min、質量スペクトル(ES+)m/z234(M+H)。
【0147】
iii)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アミド
ピリジン(520μL、6.4mmol)を、無水ジクロロメタン(22mL)中の3−(4−クロロ-ベンジルアミノ)−フェノール(500mg、2.2mmol)および1−メチルピラゾール-3-スルホニルクロリド(181mg、4.5mmol)の撹拌溶液に加えた。この反応を、窒素下、50℃にて48時間撹拌した後、水(50mL)でクエンチした。ジクロロメタン(3×25mL)で抽出し、有機層を合わせ、水(50mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を、テトラヒドロフラン/メタノール/水(1:1:1)の混合溶液(25mL)に溶解させ、水酸化リチウム(271mg、6.45mmol)で処理し、反応混合物を85℃にて2時間撹拌させた。反応を冷やし、2Mの塩酸(aq)を用いて、弱酸性までクエンチした。酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、有機層を合わせ、水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮し、白色固体(645mg、収率27%)を得た。HPLC保持時間5.59min、質量スペクトル(ES+)m/z378(M+H)。
【0148】
iv)1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−フェニル]−アミド(6)
2−(ブロモメチル)ピリジン塩酸塩(33.4mg、0.13mmol)を、無水ジメチルホルムアミド(2mL)中の1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アミド(34mg、0.09mmol)、ヨウ化カリウム(21.9mg、0.13mmol)および炭酸カリウム(18.2mg、0.13mmol)の撹拌溶液に加えた。反応を室温で16時間撹拌した。その後、減圧濃縮し、分取HPLCにて精製し、黄色の油(10mg、収率16%)を得た。HPLC保持時間2.86min、質量スペクトル(ES+)m/z470(M+H)。
【0149】
実施例6について記載した方法Fにより、適当な出発物質を用いて調製した他の化合物を表1に列挙する。
【0150】
実施例7)2−{3−[(4−クロロ−ベンジル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニル)−アミノ]−フェノキシ}−N−メチル−アセトアミド(方法G)
i){3−[(4−クロロ−ベンジル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニル)−アミノ]−フェノキシ}−酢酸tert−ブチルエステル
ブロモ酢酸tert−ブチル(87.3μL、0.596mmol)を、無水ジメチルホルムアミド(10mL)中の1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−ヒドロキシ−フェニル)−アミド(150mg,0.40mmol)および炭酸セシウム(388mg,1.191mmol)の撹拌溶液に加え、室温で16時間撹拌した。反応を酢酸エチル(10mL)で希釈し、水(3×20mL)で洗浄した。有機層を減圧濃縮し、粗生成物を得た。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィ(10%のメタノール/ジクロロメタンで溶出)で精製し、黄色の油(163mg、収率56%)を得た。HPLC保持時間6.47min、質量スペクトル(ES+)m/z509(M+H)。
【0151】
ii){3−[(4−クロロ−ベンジル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニル)−アミノ]−フェノキシ}−酢酸
トリフルオロ酢酸(3.5mL)を、無水ジクロロメタン(7mL)中の{3−[(4−クロロ−ベンジル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニル)−アミノ]−フェノキシ}−酢酸tert−ブチルエステル(163mg、0.33mmol)撹拌溶液に、0℃にて丁寧に加えた。反応を室温に戻し、室温で3時間撹拌した。その後、濃縮により黄色の油(212mg、TFA塩として)を得た。HPLC保持時間5.57min、質量スペクトル(ES+)m/z437(M+H)。
【0152】
iii)2−{3−[(4−クロロ-ベンジル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニル)−アミノ]−フェノキシ}−N−メチル−アセトアミド(7)
ジイソプロピルエチルアミン(48μL、0.28mmol)を、無水ジメチルホルムアミド(3mL)中の{3−[(4−クロロ−ベンジル)−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホニル)−アミノ]−フェノキシ}−酢酸(40mg、0.09mmol)、メチルアミン(46μL、メタノール中に2M、0.9mmol)およびHATU(35mg、0.09mmol)の撹拌溶液に加え、窒素下、50℃にて、18時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣を分取HPLCで精製し、白色固体(10mg、収率23%)を得た。HPLC保持時間2.69min、質量スペクトル(ES+)m/z449(M+H)。
【0153】
実施例7について記載した方法Gにより、適当な出発物質を用いて調製した他の化合物を表1に列挙する。
【0154】
実施例8
Kv1.3オートパッチ電気生理学手法
10μL/mL[100x]グルタミン、500μg/mL G418(ゲンタマイシン)、および1%HT添加物(50x、ヒポキサンチンおよびチミジン)を添加した、CHO細胞用のEx−cell302無血清培地中で、ヒトKv1.3のcDNA(pcDNA3.1中のもの)により安定的にトランスフェクトされた細胞を培養した。全細胞モードのオートパッチ技術を用い、これらの細胞により化合物を試験した。
【0155】
外部浴の溶液の含有物(mM):150NaCl、10KCl、1MgCl、3CaCl、10HEPES、pH7.4(NaOHによる)。パッチピペットを下記組成の電極溶液で満たした(mM):100K−Gluconate、20KCl、1MgCl、1CaCl、10HEPES、11EGTA、5ATP−Na、2グルタチオン、pH7.2(KOHによる)。
【0156】
化合物をDMSO(100%)に溶解させ、使用直前に外部浴中で1μMの濃度に調製した。実験はすべて室温(22〜24℃)にて行なった。
【0157】
6×10細胞の密度を有する細胞懸濁物(10mL)を15mL遠心チューブに分取し、使用前は4℃にて保存した。使用前にチューブを取り出し、1000rpmで4分間、室温にて遠心分離した。次いで上清を捨て、チューブの底に細胞ペレットを得た。次いで、1mLの冷たい(4℃)濾過された(0.22μm)0.05%BSA/外部浴溶液(0.05g BSA/100mL外部浴溶液)を用いて当該ペレットを再懸濁させた。チューブの底を手動で撹拌し、次いで静かに粉砕した。次いで細胞懸濁液を、14℃に温度制御されたオートパッチ(商標)培養器に入れ、定期的に粉砕した。
【0158】
一定長さのテフロンキャピラリーチューブを細胞懸濁液に漬け、陰圧により液柱を吸い上げた。Ag/AgCl参照電極を用いてこの液柱を電気的に接続した。ホウケイ酸ガラスパッチピペット(from1.5mmOD、thin−walled filamented、GC150−TF capillary glass、Harvard)を、DMZピペットガラス電極製作器(Zeitz Instruments)を用いて引き出し、ピペットの先端または本体に泡が残らないように気をつけながら内部ピペット溶液を用いて再充填した。パッチピペットは通常、2.5〜3.5MΩの抵抗を有していた。充填後、ピペットの先端および軸の一部(〜15mm)をシグマコート(Sigma)に漬けた。記録用ピペットをマルチウェルアレイ中に配置し、オートパッチ(AutoPatch)TM機器上に載せた。自動化パッチクランプおよび薬剤の投与についてはオペレータにより開始したが、その後は予めセットした条件および基準を満たす限りは実験をAutoPatch.exeにより継続した。
【0159】
細胞のパッチクランプの記録全体について、Pulseソフトウェア(v8.54またはv8.76、HEKA、Gemany)で制御されるEPC9またはEPC10増幅器(HEKA、Germany)、細胞アプリケータ、自動化薬剤投与システム(DAS)、バルブコントローラ(VF1)および吸引装置(すべて室温)を備えたAutoPatchTM装置を用いて行った。この装置は完全にautopatch.exeの制御下にあり、オペレータによる介入は水浴タンクを再充填したり技術的なミスによる細胞の損失を防止したりする必要がある場合のみ行った。
【0160】
灌流および薬剤投与の前に検証工程を行い、観測される電流が実験条件を満たすことを確認した。細胞には、外部溶液を〜2mL/分の流速で連続的に灌流させた。灌流チャンバは80〜85μLの可動体積を有しており、これにより薬液の迅速な交換が可能であった。
【0161】
電気生理学の電位ステップのプロトコールおよびデータの分析は以下のように行った。データについては5kHzでサンプリングし、2.5kHzのバンド幅で−3dBでフィルタリングした。細胞については−80mVの電位に維持した。500ミリ秒間の+30mVへの電位ステップを15秒毎に印加することで電流を発生させた。化合物を投与している間のhKv1.3電流のオンライン分析を、Pulse(v8.54またはv8.76、HEKA、Germany)、Excel(Microsoft、USA)およびAutoPatchTMのソフトウェアにより行い、電位ステップの間ずっと全電荷を測定した。薬剤の存在による電荷移動の阻害を、コントロールと比較して算出した。
【0162】
実施例9
Kv1.5オートパッチ電気生理学手法
外部浴の溶液の含有物(mM):150NaCl、10KCl、100グルコン酸カリウム、3MgCl、1CaCl、10HEPES、pH7.4。パッチピペットを下記組成の電極溶液で満たした(mM):160KCl、0.5MgCl、10HEPES、1EGTA、pH7.4(KOHによる)。
【0163】
化合物をDMSO(100%)に溶解させ、使用直前に外部浴中で1μMの濃度に調製した。実験はすべて室温(22〜24℃)にて行なった。
【0164】
100000細胞/mLの密度を有する細胞懸濁物(10mL)を15mL遠心チューブに分取し、使用の約1時間前にインキュベータ(37℃、5%CO)に移した。60分間インキュベート後、チューブを取り出し、1000rpmで4分間、室温にて遠心分離した。そこから上清9.5mLを捨て、チューブの底に細胞ペレットを得た。次いで、100μLの冷たい(4℃)濾過された(0.22μm)0.2%BSA/外部浴溶液(0.02g BSA/10mL外部浴溶液)を用いて当該ペレットを再懸濁させた。溶液が細胞で曇るまで、チューブの底を手動で静かに撹拌した。次いで、この細胞の再懸濁溶液100μLを、使用するまで4℃(Peltier型温度制御装置を用いた)にてベンチ上に保存した。
【0165】
一定長さのキャピラリーガラス(1B150F−4、WPI)を細胞懸濁液に漬け、毛細管作用により〜3cmの液柱を吸い上げた。当該キャピラリーの浸漬していない側の末端にAg/AgClワイヤを下ろした。次いで、キャピラリーの溶液が充填された側の末端の外側を乾燥させ、キャピラリーをAutoPatchTMにロードした。
【0166】
ホウケイ酸ガラスパッチピペット(from1.5mmOD、thin−walled filamented,GC150−TF capillary glass、Harvard)を、DMZピペットガラス電極製作器(Zeitz Instruments)を用いて引き出し、ピペットの先端または本体に泡が残らないように気をつけながら内部ピペット溶液を用いて再充填した。パッチピペットは通常、2.5〜3.5MΩの抵抗を有していた。充填後、ピペットの先端および軸の一部(〜15mm)をシグマコート(Sigma)に漬けた。次いで、記録用ピペットをAutoPatchTM中にロードした。自動化パッチクランプについてはオペレータにより開始したが、その後は予めセットした条件および基準を満たす限りは実験をAutoPatch.exeにより継続した。
【0167】
細胞のパッチクランプの記録全体について、Pulseソフトウェア(v8.54、HEKA、Gemany)で制御されるEPC9増幅器(HEKA、Germany)、トランスレータを2つ有するモーションコントローラ(Newport、UK)、バルブコントローラ(VF1)およびc−レベル吸引装置(すべて室温(22〜24℃))を備えたAutoPatchTM装置を用いて行った。この装置は完全にAutoPatch.exeの制御下にあり、オペレータによる介入は水浴タンクを再充填したり技術的なミスによる細胞の損失を防止したりする必要がある場合のみ行った。Rseriesが18MΩよりも大きい細胞については実験から除外した。
【0168】
灌流および薬剤投与の前に検証工程を行い、観測される電流が実験条件を満たすことを確認した。I>500pAの細胞のみを実験に用いた。細胞には、外部溶液を1.8〜2mL/分の流速で連続的に灌流させた。灌流チャンバは80〜85μLの可動体積を有しており、これにより薬液の迅速な交換が可能であった。化合物を投与している間のhKv1.5電流のオンライン分析を、AutoPatchTMのソフトウェアにより行った。電位ステップのプロトコールおよびデータの分析は、従来の電気生理学についての記載と同様に行った。
【0169】
電気生理学の電位ステップのプロトコールおよびデータの分析は以下のように行った。データについては5kHzでサンプリングし、2.5kHzのバンド幅で−3dBでフィルタリングした。細胞については−80mVの電位に維持した。1000ミリ秒間の0mVへの電位ステップを5秒毎に印加することで電流を発生させた。Pulsefitソフトウェア(v8.54、HEKA、Germany)を用いて電流を分析し、電位ステップの間ずっと全電荷を測定した。その他のプロットについてはすべて、Igor Pro(WaveMetrics)を用いて作成した。
【0170】
【表1−1】

【0171】
【表1−2】

【0172】
【表1−3】

【0173】
【表1−4】

【0174】
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Mitsunobu, O “The Use of Diethyl Azodicarboxylate and Triphenylphosphine in Synthesis and Transformation of Natural Products”, Synthesis, 1-28.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物もしくはその塩またはこれらの製薬上許容される誘導体:
【化1】

式中、
は、CH、OあるいはNからなる群から選択され、
は、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよりヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、
は、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいヘテロアリールまたはNRからなる群から選択され、
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノスルホニルまたはニトリルからなる群から選択され、
は、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいヘテロシクロアルキル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいスルホニル、置換されていてもよいスルファモイル、置換されていてもよいアリール、置換されていてもよいアリールアルキルおよび置換されていてもよいヘテロアリールからなる群から選択され、
は、水素であってもよいし、あるいはRおよびX(X=Nの場合)と一緒になって、一般式(II)を有する置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環を形成してもよい:
【化2】

式中、
は、C(=O)またはC(Rであり、
は、C(R、N(R9b)、OまたはSであり、
およびRは、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、ヒドロキシル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリールまたは置換されていてもよいヘテロアリールであり;
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアミノカルボニル、ヒドロキシル、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルコキシ、置換されていてもよいアリールオキシ、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールであり;
9bは、水素、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールであり;
ただし、
がOのとき、jは0であり、
がNまたはCHのとき、jは1であり;
nは1、2、または3である。
【請求項2】
がNRから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が式(III)、(IV)または(V)から選択される、請求項1に記載の化合物:
【化3】

式中、
A、Q、T、DおよびEは、同一であるかまたは異なり、それぞれCまたはNを表し(ただし、それぞれの場合においてA、Q、T、DまたはEの少なくとも一つはNである)、
が式(III)であるとき、EはさらにOまたはSであってもよく、
が式(IV)であるとき、AはさらにOまたはSであってもよく、
11およびR12は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトリル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、置換されていてもよいC1−3アルキル、置換されていてもよいアリールアルキル、置換されていてもよいアリール、または置換されていてもよいヘテロアリールを表すか、あるいは一緒になって、置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環のヘテロ環または炭素環を形成する。
【請求項4】
が式(VI)である、請求項1に記載の化合物:
【化4】

式中、
13、R14、R15、R16およびR17は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、C1−3アルキルを表し、R13とR14との対、またはR14とR15との対、またはR15とR16との対、またはR16とR17との対のいずれかが、一緒になって、置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環のヘテロ環または炭素環を形成してもよい。
【請求項5】

【化5】

である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物:
18、R19、R20、R21およびR22は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよいアシル、ニトリル、置換されていてもよいC1−3アルキルまたは置換されていてもよいアルコキシを表し;および
23およびR24は、同一であるかまたは異なり、それぞれ水素、ヒドロキシルおよび置換されていてもよりC1−3アルキルを表す。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかの記載の式(VIII)の化合物:
【化6】

式中、
は、NR、置換イミダゾール、置換ピラゾール、置換ピロール、置換オキサゾール、置換オキサジアゾール、置換チアゾール、置換チアジアゾール、置換ピリジン、置換ピリミジン、置換ピラジン、置換ピリダジン、置換トリアジン、フェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル、シアノフェニル、アミノフェニル、アセトアミドフェニル、置換テトラヒドロベンゾフラン、置換ベンゾピラン、置換ジヒドロベンゾジオキシン、置換ベンゾオキサジノン、置換ベンゾオキサジアゾール、置換ベンゾジオキソール、置換インドリン、置換インドール、置換インダゾールまたは置換ベンゾモルホリンから選択され;
は、H、FまたはCHであり;
は、Oであるとき、
は、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、置換フェニル、置換ベンジル、置換フェネチル、3−フェニルプロピル、メチルピリジン、置換ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、フェノキシエチル、ベンジルオキシエチル、アセチル、プロピオニル、置換ベンゾイル、フェナシル、イミダゾイル、ピラゾイル、ピリジノイル、アセトアミド、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、tert−ブチルアセトアミド、ピリジルアセトアミド、シクロプロピルアセトアミド、シクロブチルアセトアミド、シクロペンチルアセトアミドまたはシクロヘキシルアセトアミドであり、より好ましくは、Rは、メチルピリジン、置換ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、メチルアセトアミド、ジメチルアセトアミド、エチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、tert−ブチルアセトアミド、ピリジルアセトアミド、シクロプロピルアセトアミド、シクロブチルアセトアミド、シクロペンチルアセトアミドまたはシクロヘキシルアセトアミドであり;
が、Nであるとき、
は、上記で定義されたとおりであり、または、
は、XおよびRと一緒になって、上記で定義された一般式(II)を有する置換されていてもよい飽和または部分飽和の5〜7員環を形成する;
、R、R18、R19、R20、R21およびR22は、上記で定義された通りである。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかの1項に記載の式(IX)の化合物:
【化7】

式中、
は、OまたはNから選択され、
は、NR、置換イミダゾール、置換ピラゾールまたは置換ピリジン、フェニル、フルオロフェニル、シアノフェニル、置換テトラヒドロベンゾフラン、置換ベンゾピラン、置換ジヒドロベンゾジオキシン、置換ベンゾオキサジノン、置換ベンゾオキサジアゾール、置換ベンゾジオキソール、置換インドリン、または置換ベンゾモルホリンであり;
は、HまたはFであり;
およびRは、メチルであり;
19、R20およびR21は、同一であるかまたは異なり、それぞれH、Cl、FまたはCHを表す。
【請求項8】
N−[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル-アミノ)−フェニル]−アセトアミド
3−メチル−3H−イミダゾール−4−カルボン酸[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−カルボン酸[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル-アミノ)−フェニル]−アミド
N−[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−2−フェニル−アセトアミド
N−[3−(ベンゼンスルホニル−ベンジル−アミノ)−フェニル]−2−メトキシ−アセトアミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸ベンジル−[3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−ベンジル−N−[3−(3−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−ベンジル−N−[3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−ベンジル−N−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸ベンジル−[3−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−フェニル]−アミド
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸ベンジル−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
N−ベンジル−3−シアノ−N−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸ベンジル−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
N−ベンジル−3−シアノ−N−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−ベンジル−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1,2−ジメチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
2−メチル−2H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−N−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド
2−メチル−2H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−7−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−イミダゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[4−フルオロ−3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル−(3−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−3−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−ベンジル−3−シアノ−4−フルオロ−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
2−メチル−2H−ピラゾール−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
1−メチル−1H−ピラゾール−4−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−3−シアノ−4−フルオロ−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
N−(4−クロロ−ベンジル)−N−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミド
ピリジン−3−スルホン酸ベンジル−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
ピリジン−3−スルホン酸(4−クロロ−ベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イルベンジル)−[3−(2−オキソ−イミダゾリジン−1−イル)−フェニル]−アミド
から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物、ならびに必要であれば、1または2以上の製薬上許容されうる賦形剤、希釈剤および/または担体を含む、医薬組成物。
【請求項10】
医薬に用いるための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
カリウムチャネルの阻害を必要とする疾患の予防または治療に用いるための、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記疾患が乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症または他の免疫学的疾患である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の少なくとも1つの化合物または請求項9に記載の医薬組成物を有効量で患者に投与することを含む、カリウムチャネルの阻害を必要とする疾患の予防または治療の方法。
【請求項14】
前記疾患が乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症または他の免疫学的疾患である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
カリウムチャネルの阻害に用いるための医療の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項16】
前記医薬が、乾癬、関節リウマチ、多発性硬化症または他の免疫学的疾患の治療に用いるためのものである、請求項15に記載の使用。

【公表番号】特表2012−500835(P2012−500835A)
【公表日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524446(P2011−524446)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002076
【国際公開番号】WO2010/023446
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(510190613)ゼンション・リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】XENTION LIMITED
【Fターム(参考)】