説明

新規なトリアリールアミンポリマー、その製造方法及び用途

【課題】有機溶剤に可溶で成膜性に優れ、有機EL素子用途としてキャリア輸送性に優れた新規な重合体を提供する。
【解決手段】


(式中、Arは縮合多環基であり、Aは置換若しくは無置換の炭素数6〜36のアリーレン基若しくはヘテロアリーレン基である。X及びXはハロゲン原子である。)で表される芳香族ジハライドと


(式中、Arはフェニレン基またはフルオレン基。)で表される芳香族一級アミンを、パラジウム化合物とホスフィンからなる触媒並びに塩基の存在下で重合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(EL)の正孔輸送層、正孔注入層または発光ホストとして好適な有機溶媒に可溶の新規なトリアリールアミンポリマーとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、図1に主な概略構成例を示すが、透明基板上に発光層、正孔または電子を輸送する層、陰極及び陽極の2つの電極からなる。
【0003】
有機EL素子に使用される材料として、前記発光層や正孔または電子を輸送する層に種々の低分子系材料や高分子系材料が用いられており、それぞれ真空蒸着法または湿式塗布法により有機EL素子が作製されている。しかし、真空蒸着法においては、複数の蒸着釜を連結した真空蒸着装置を必要とし、生産性が低く、将来的な大画面化を見据えた場合には製造コストが非常に高いといった問題があった。
【0004】
これに対し、高分子材料を溶剤に溶かしてスピンコート等の方法により成膜する湿式塗布法は、大気圧下の塗布または印刷による層形成が可能なため、設備コストが安く、また生産性に優れるといった利点がある。
【0005】
ところで、高分子系の有機EL材料としては、例えば、ポリ(p−フェニレンビニレン)やポリアルキルチオフェン等の導電性π共役ポリマーが知られており(例えば、特許文献1参照)、正孔輸送材料としては前記ポリチオフェン系の他、近年、トリアリールアミンを含むポリマーが報告されている(例えば、特許文献2〜6参照)。現在はポリチオフェン系化合物が広く使用されており、ポリチオフェンに酸基含有重合体をブレンドして水分散体化したものを陽極上へ塗布して正孔輸送層を形成している(例えば、特許文献7参照)。
【0006】
しかしながら、上記ポリチオフェンの水分散体は、水の乾燥工程、酸基による腐食、また不純物残存といった短所があり、満足のいく材料が得られていないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】特開平3−273087号公報
【特許文献2】特開平8−054833号公報
【特許文献3】特開平8−259935号公報
【特許文献4】特開平11−035687号公報
【特許文献5】特開平11−292829号公報
【特許文献6】特開平13−098023号公報
【特許文献7】特表2000−514590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明では、有機溶剤に可溶で成膜性に優れ、有機EL素子用途としてキャリア輸送性に優れた新規な重合体を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の本発明により達成される。
【0010】
すなわち、本発明は、下記一般式(1)
【0011】
【化1】

{式中Arは下記一般式(2)〜(4)
【0012】
【化2】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリール基である。mは1〜4の整数、aは0≦a≦2m+4の範囲となる整数である。)
のいずれかから選択される縮合環基である。Arは下記一般式(5)または(6)
【0013】
【化3】

[式中、Rは水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、または下記一般式(7)〜(10)
【0014】
【化4】

(式中、R、R、R及びRは各々独立して水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基である。c、d、e及びfは0〜5の整数である。qは1または2の整数である。)
で表される基である。pは1または2の整数、bは0≦b≦4p+1の範囲となる整数である。R及びRは各々独立して炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数6〜18のアリール基である。]
のいずれかから選択される基である。Aは置換若しくは無置換の炭素数6〜36のアリーレン基若しくはヘテロアリーレン基である。nは1以上の整数である。}
で表される有機ELのキャリア輸送材料としての使用が期待されるトリアリールアミンポリマーとその簡便な製造方法に関する。
【0015】
本発明におけるポリアリールアミンは、n=1のモノマー、n=2のダイマー及びn=3のトリマーも含むが、好ましくはn=5以上のポリアリールアミンである。
【0016】
前記一般式(1)において、Aは前記の定義に該当すれば特に限定されるものではないが、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、フルオレン基、ナフタレン基、アントラセン基、フェナントレン基等を挙げることができる。より好ましくは下記一般式(11)または(12)で表される構造である。
【0017】
【化5】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリール基であり、隣り合う炭素原子と縮合環を形成してもよい。rは1または2の整数、gは0≦g≦4rの範囲となる整数である。)
前記一般式(2)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)及び(11)において、R〜Rは前記の定義に該当すれば特に限定されるものではないが、具体的には水素原子の他、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、4−メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、トリフルオロメチル基、アダマンチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、シクロヘキシルメチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等のアルコキシ基、また、フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,6−ジメチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、4−(トリフルオロメトキシ)フェニル基、3,4−(メチレンジオキシ)フェニル基、2−ビフェニル基、3−ビフェニル基、4−ビフェニル基、4−ターフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−メチルナフチル基、4−メチルナフチル基、9−アントラセニル基、9,9−二置換−2−フルオレニル基等のアリール基を挙げることができる。
【0018】
本発明の前記一般式(1)で表されるトリアリールアミンポリマーのArは前記一般式(2)〜(4)のいずれかから選択される縮合環基であり、特に、下記一般式(13)〜(17)の構造を有するトリアリールアミンポリマーが好ましい。
【0019】
【化6】

(式中、R10、R11、R12、R13、R14及びR15は各々独立して水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリール基である。nは1以上の整数である。)
前記一般式(13)〜(17)において、R10〜R15は前記の定義に該当すれば特に限定されるものではないが、具体的には前記明細書中で例示したR〜Rと同じ置換基を挙げることができる。
【0020】
本発明の前記一般式(1)で表されるトリアリールアミンポリマーは、主鎖部位に縮合環基を有するものであり、かつ高いキャリア輸送性を有するものである。この縮合環基を含むアミン系化合物が良好なキャリア輸送性を示す理由は定かではないが、縮合環基とアミン構造部位を共存させることによりキャリアの移動を担うパイ電子の共役が広がり、分子内のキャリア移動が起こりやすくなったこと、広がったパイ電子雲が分子間で重なりやすくなり、分子間のキャリア移動を起こりやすくしていることが1つの要因と考えられる。
【0021】
また、本発明の前記一般式(1)で表されるトリアリールアミンポリマーは、前記の定義に該当すれば特に限定されるものではないが、ポリマー末端が置換若しくは無置換のアリール基であることが、耐熱性の点から特に好ましい。
【0022】
本発明において、トリアリールアミンポリマーのポリスチレン換算の重量平均分子量は、500〜500,000の範囲が好ましく、溶解性及び成膜性の点からさらに好ましくはn=4以上の2,000〜100,000の範囲である。
【0023】
次に、本発明のトリアリールアミンポリマーの製造方法について説明する。
【0024】
本発明の前記一般式(1)で表されるトリアリールアミンポリマーは、下記一般式(18)
【0025】
【化7】

(式中、Arは上記一般式(2)〜(4)のいずれかから選択される縮合環基であり、Aは置換若しくは無置換の炭素数6〜36のアリーレン基若しくはヘテロアリーレン基である。X及びXはハロゲン原子である。)
で表される芳香族ジハライドと下記一般式(19)
【0026】
【化8】

(式中、Arは上記一般式(5)または(6)のいずれかから選択される基である。)
で表される芳香族一級アミンを、パラジウム化合物とホスフィンからなる触媒並びに塩基の存在下で重合させることにより、簡便かつ効率的に製造することができる。
【0027】
前記一般式(18)で表される芳香族ジハライドは特に限定されるものではないが、具体的には下記一般式(22)〜(29)を例示することができる。
【0028】
【化9】

(式中、X及びXはハロゲンである。)
前記一般式(19)で表される芳香族一級アミンは特に限定されるものではないが、具体的には下記一般式(30)〜(37)を例示することができる。好ましくは4位に炭素数1〜8の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基を有するアニリン誘導体である。
【0029】
【化10】

(式中、R’はそれぞれ独立して水素原子、または炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルコキシ基である。)
また、本発明の前記一般式(1)で表されるトリアリールアミンポリマーは、その他の合成法として、下記反応式(38)で示されるボロン酸またはボロン酸エステル類と芳香族ハライドまたは芳香族トリフラート化合物との反応により合成することもできる。
【0030】
【化11】

(式中、Y及びZはそれぞれハロゲン原子とボロン酸若しくはボロン酸エステル、またはトリフルオロメタンスルホニルオキシ基とボロン酸若しくはボロン酸エステルの組み合せとなる基である。また、Ar及びArは前記と同じである。nは1以上の整数である。)
触媒成分として使用するパラジウム化合物は特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸ナトリウム四水和物、ヘキサクロロパラジウム(IV)酸カリウム等の4価のパラジウム化合物類、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、パラジウム(II)アセチルアセトナート、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロテトラアンミンパラジウム(II)、ジクロロ(シクロオクタ−1,5−ジエン)パラジウム(II)、パラジウム(II)トリフルオロアセテート等の2価のパラジウム化合物類、及びトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)クロロホルム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等の0価のパラジウム化合物類を挙げることができる。
【0031】
パラジウム化合物の使用量は特に限定されるものではないが、例えば、原料である芳香族ジハライドのハロゲン原子1モルに対し、パラジウム換算で通常0.00001〜20モル%の範囲であり、高価なパラジウム化合物を使用することから、好ましくは原料である芳香族ジハライドのハロゲン原子1モルに対し、パラジウム換算で0.001〜5モル%の範囲である。
【0032】
本発明の方法において、触媒成分として使用するホスフィン類は特に限定されるものではないが、例えば、トリエチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−sec−ブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、及びトリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(m−トリル)ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、トリメシチルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパン、ジフェニルホスフィノフェロセン等のトリアリールホスフィン等が挙げられる。これらのうち、触媒として特に高い反応活性を有することから、トリ−tert−ブチルホスフィンを使用することが好ましい。
【0033】
ホスフィンの使用量は特に限定されるものではないが、パラジウム化合物に対して通常0.01〜10000倍モルの範囲で使用すればよく、高価なトリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィンを勘案すれば、好ましくはパラジウム化合物に対して0.1〜10倍モルの範囲である。
【0034】
触媒の添加方法としては特に限定されるものではなく、反応系にそれぞれ触媒成分として単独で加えてもよいし、予めこれら触媒成分よりなる錯体の形に調製してから添加してもよい。
【0035】
塩基としては特に限定されるものではないが、例えば、ナトリウム、カリウムの炭酸塩、アルカリ金属アルコキシド等の無機塩基または3級アミン等の有機塩基が挙げられる。これらのうち、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、リチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドであり、それらは反応系にそのまま加えても、また、アルカリ金属、水素化アルカリ金属若しくは水酸化アルカリ金属とアルコールとからその場で調製して反応系に供してもよい。より好ましくはリチウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等の3級アルコキシドを反応系にそのまま加える方法である。
【0036】
塩基の使用量は特に限定されるものではないが、好ましくは反応系に添加する芳香族ジハライドや芳香族ハライドのハロゲン原子に対して0.5倍モル以上であり、反応終了後の後処理操作を考慮すれば、より好ましくはハロゲン原子に対して1〜5倍モルの範囲である。
【0037】
このようにして得られたポリマーは、原料やその仕込み比等の条件により異なるものの、原料由来のハロゲン、二級アミン末端部位が存在するため、耐熱性、耐色性の観点から末端をキャップ処理することが好ましい。そこで、ハロゲン、二級アミン末端それぞれに対応する一般式(20)
【0038】
【化12】

(式中、Ar及びArは各々独立して置換若しくは無置換の炭素数6〜60のアリール基である。)
で表される芳香族二級アミン及び/または一般式(21)
【0039】
【化13】

(式中、Xはハロゲン原子であり、Arは置換若しくは無置換の炭素数6〜60のアリール基である。)
で表される芳香族ハライドをさらに反応させることにより、ポリマーの安定性を向上させることができる。
【0040】
前記一般式(20)で表される芳香族二級アミンは特に限定されるものではないが、具体的にはジフェニルアミン、ジ−p−トリルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン等を例示することができる。好ましくはジフェニルアミンである。
【0041】
前記一般式(21)で表される芳香族ハライドは特に限定されるものではないが、具体的には置換若しくは無置換のブロモベンゼン類(ブロモベンゼン、2−ブロモトルエン、3−ブロモトルエン、4−ブロモトルエン、2−ブロモ−m−キシレン、2−ブロモ−p−キシレン、3−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−o−キシレン、4−ブロモ−m−キシレン、5−ブロモ−m−キシレン、1−ブロモ−2−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−エチルベンゼン、1−ブロモ−4−プロピルベンゼン、1−ブロモ−4−n−ブチルベンゼン、1−ブロモ−4−tert−ブチルベンゼン、1−ブロモ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ブロモアニソール、3−ブロモアニソール、4−ブロモアニソール、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、2−ブロモビフェニル、3−ブロモビフェニル、4−ブロモビフェニル、9−ブロモアントラセン、9−ブロモフェナンスレン、N−メチル−3−ブロモカルバゾール、N−エチル−3−ブロモカルバゾール、N−プロピル−3−ブロモカルバゾール、N−ブチル−3−ブロモカルバゾール、2−ブロモフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジメチルフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジエチルフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジイソプロピルフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−ブチルフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−tert−ブチルフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−sec−ブチルフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン、2−ブロモ−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン等)、置換若しくは無置換のクロロベンゼン類(クロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、3−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−m−キシレン、5−クロロ−m−キシレン、1−クロロ−2−エチルベンゼン、1−クロロ−4−エチルベンゼン、1−クロロ−4−プロピルベンゼン、1−クロロ−4−n−ブチルベンゼン、1−クロロ−4−tert−ブチルベンゼン、1−クロロ−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−クロロアニソール、3−クロロアニソール、4−クロロアニソール、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、2−クロロビフェニル、3−クロロビフェニル、4−クロロビフェニル、9−クロロアントラセン、9−クロロフェナンスレン、N−メチル−3−クロロカルバゾール、N−エチル−3−クロロカルバゾール、N−プロピル−3−クロロカルバゾール、N−ブチル−3−クロロカルバゾール、2−クロロフルオレン、2−クロロ−9,9−ジメチルフルオレン、2−クロロ−9,9−ジエチルフルオレン、2−クロロ−9,9−ジイソプロピルフルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−ブチルフルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−tert−ブチルフルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−sec−ブチルフルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−ヘキシルルオレン、2−クロロ−9,9−ジ−n−オクチル−フルオレン等)、及び、置換若しくは無置換のヨードベンゼン類(ヨードベンゼン、2−ヨードトルエン、3−ヨードトルエン、4−ヨードトルエン、2−ヨード−m−キシレン、2−ヨード−p−キシレン、3−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−o−キシレン、4−ヨード−m−キシレン、5−ヨード−m−キシレン、1−ヨード−2−エチルベンゼン、1−ヨード−4−エチルベンゼン、1−ヨード−4−プロピルベンゼン、1−ヨード−4−n−ブチルベンゼン、1−ヨード−4−tert−ブチルベンゼン、1−ヨード−5−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、2−ヨードアニソール、3−ヨードアニソール、4−ヨードアニソール、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、2−ヨードビフェニル、3−ヨードビフェニル、4−ヨードビフェニル、9−ヨードアントラセン、9−ヨードフェナンスレン、N−メチル−3−ヨードカルバゾール、N−エチル−3−ヨードカルバゾール、N−プロピル−3−ヨードカルバゾール、N−ブチル−3−ヨードカルバゾール、2−ヨードフルオレン、2−ヨード−9,9−ジメチルフルオレン、2−ヨード−9,9−ジエチルフルオレン、2−ヨード−9,9−ジイソプロピルフルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−ブチルフルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−tert−ブチルフルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−sec−ブチルフルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−ヘキシルフルオレン、2−ヨード−9,9−ジ−n−オクチルフルオレン等)を例示することができる。好ましくはブロモベンゼン、クロロベンゼン、ヨードベンゼン等のハロベンゼンである。
【0042】
本発明の処理方法において、前記一般式(20)で表される芳香族二級アミン及び/または一般式(21)で表される芳香族ハライドは、前記一般式(18)で表される芳香族ジハライドと前記一般式(19)で表される芳香族一級アミンとの反応により得られるトリアリールアミンポリマーを製造してから加えて反応させてもよいし、トリアリールアミンポリマーを製造する過程で反応器内へ直接加えて反応させてもよい。好ましくは、ポリマー製造時の一定時間重合反応後に、反応器内へ逐次添加することにより反応させる方法である。
【0043】
本発明の処理方法において、前記一般式(20)で表される芳香族二級アミン及び/または一般式(21)で表される芳香族ハライドの添加量は、反応に用いるトリアリールアミンポリマーの分子量や重合反応条件により一定ではないため特に限定されるものではないが、重合反応時に直接加える場合には、原料である前記一般式(18)で表される芳香族ジハライドに対して0.01〜0.8倍モルの割合で添加することが好ましく、さらに好ましくは0.1〜0.5倍モルの割合である。
【0044】
本発明の処理方法において、触媒として用いるパラジウム化合物、ホスフィン並びに塩基の使用量は、反応に用いるトリアリールアミンポリマーの分子量により一定ではないため特に限定されるものではないが、例えば、重合反応時に芳香族二級アミン及び/または芳香族ハライドを直接加える場合においては、パラジウム化合物をさらに添加する必要はなく、簡略化が可能である。
【0045】
本発明のトリアリールアミンポリマーの製造は、通常は不活性溶媒存在下で実施することが好ましい。使用する溶媒としては、本反応を著しく阻害しない溶媒であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホトリアミド等を挙げることができる。これらのうち、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒である。
【0046】
本発明のトリアリールアミンポリマーの製造は、好ましくは常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で実施するが、例え加圧条件であっても実施することは可能である。
【0047】
本発明の方法において反応温度は、トリアリールアミンポリマーを製造することが可能な反応温度であれば特に限定されるものではないが、通常20〜300℃、好ましくは50〜200℃、より好ましくは100〜160℃の範囲である。
【0048】
本発明の方法において反応時間は、製造するトリアリールアミンポリマーにより一定ではないため特に限定されるものではないが、多くの場合、数分〜72時間の範囲から選択すればよい。好ましくは24時間未満である。
【発明の効果】
【0049】
本発明のトリアリールアミンポリマーは、キャリア移動度が非常に高く、有機エレクトロルミネッセンス素子の正孔輸送材料、バッファー材料、発光材料及び発光ホスト材料として極めて有用である。
【実施例】
【0050】
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0051】
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
【0052】
[元素分析]
元素分析計:パーキンエルマー全自動元素分析装置 2400II
酸素フラスコ燃焼−IC測定法:東ソー製 イオンクロマトグラフ IC−2001
[質量分析]
質量分析装置:日立製作所製 M−80B
測定方法:FD−MS分析
[NMR測定]
NMR測定装置:VARIAN Gemini−200
[赤外分光分析]
赤外分光分析装置:パーキンエルマー赤外分光分析装置 システム2000
測定方法:ヌジョール法
[GPC測定]
測定方法:東ソー製 HLC−8220;カラム:東ソー製 G5000HXL−G3000HXL
溶媒:THF、濃度:0.5重量%、流速:1.0ml/分
[ガラス転移温度測定]
測定装置:マックサイエンスDSC−3100
測定方法:標準試料=Al5.0mg、昇温速度=10℃/分(窒素雰囲気)
[紫外可視分光]
紫外可視分光測定装置:日立製作所製 紫外可視分光光度計
[光電子分光]
光電子分光測定装置:理研計器製 光電子分光法 AC−2
実験例1(2,6−ジ(4−クロロフェニル)ナフタレン(1−B)の合成)
【0053】
【化14】

滴下漏斗を装着した200ml丸底フラスコに、室温、窒素雰囲気下、2,6−ジヒドロキシナフタレン 4.8g(30mmol)、トルエン60ml及びピリジン18mlを仕込んだ。氷浴中にて冷却した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物22.0g(78mmol)をゆっくり滴下し、その状態でゆっくり昇温させながら終夜攪拌した。純水を加えて反応を終了させた後、この反応混合物にトルエンを加えて抽出した。さらに10%塩酸、純水、飽和食塩水の順に有機層を洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥、溶媒を減圧留去した。この時析出した固体に対し、ヘキサンを用いて洗浄することで淡褐色粉体を10.7g得た(84%)。NMR測定から目的物1−Aであることを確認した。
【0054】
H−NMR(CDCl):7.99(2H,d,9.2Hz),7.83(2H,d,2.6Hz),7.50(2H,dd,8.8,2.2Hz)
13C−NMR(CDCl):147.78, 132.30, 130.75, 121.46, 119.41, 115.51
冷却管、温度計を装着した200ml四つ口丸底フラスコに、室温下、1−A 4.3g(10mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(CPBA) 3.5g(21mmol)、THF80ml及び20%炭酸ナトリウム水溶液 43g(80mmol)を仕込んだ。この混合液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム462mg(0.4mmol)を添加し、その後窒素雰囲気下、温度を65℃まで昇温し、加熱攪拌しながら8時間熟成させた。反応終了後、この反応混合物を室温まで冷却し、トルエンを加えて有機層を抽出した。飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧留去後、析出した固体をジクロロメタンを用いて洗浄することで、淡黄色粉体として2.1g得た(収率60%)。FD−MS及びNMRから目的物1−Bであることを確認した。
【0055】
FD−MS=348
H−NMR(CDCl):8.15(2H,s),8.01(2H,d,8.4Hz),7.82(2H,d,8.0Hz),7.79(4H,d,8.0Hz),7.49(4H,d,8.4Hz)
実施例1(化合物39の合成)
冷却管、温度計を装着した100ml四つ口丸底フラスコに、室温下、1−B 698mg(2mmol)、4−オクチルアニリン 452mg(2.2mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド 576mg(6mmol)及びo−キシレン 10mlを仕込んだ。この混合液に予め窒素雰囲気下で調製したトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムクロロホルム錯体18.3mg(0.02mmol)及びトリ−tert−ブチルホスフィン 0.18mlのo−キシレン(3ml)溶液を添加した。その後窒素雰囲気下、温度を150℃まで昇温し、150℃で加熱攪拌しながら16時間熟成した。この後、ブロモベンゼンを加え、さらにこの状態で5時間加熱攪拌した。反応終了後、この反応混合物を室温まで冷却し、トルエン(5ml)及び純水(10ml)を加えた後、90%アセトン水溶液(250ml)の攪拌溶液へゆっくり加えた。ろ過により固体をろ別回収し、アセトン、水、アセトンの順番で洗浄した後、減圧乾燥した。さらにトルエンを用いたカラムクロマトグラフィーを行い、再度アセトンを用い再沈処理を行うことで淡黄色粉体を得た(88%)。得られた粉体を元素分析及び赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(39)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。元素分析及び赤外分光分析の測定結果をそれぞれ表1及び図2に示す。
【0056】
【化15】

【0057】
【表1】

また、得られたポリマーをTHF系GPCにて分析した結果、ポリスチレン換算で重量平均分子量20,900及び数平均分子量13,500(分散度1.55)であった。ガラス転移温度は119℃を示した。紫外可視分光光度計及び光電子分光法を用い測定した結果、バンドギャップ2.8eV、HOMO準位5.4eV、LUMO準位2.6eVであった。
【0058】
実施例2(仕込比を変更した化合物39の合成)
実施例1において、4−オクチルアニリンの使用量を452mg(2.2mmol)から411mg(2mmol)に変更した以外は実施例1に従い、淡黄色粉体を得た(99%)。得られたポリマーは、ポリスチレン換算で重量平均分子量52,600及び数平均分子量27,500(分散度1.91)であった。
【0059】
実施例3(化合物41の合成)
実施例1において、1−B 698mg(2mmol)の代わりに化合物(40)
【0060】
【化16】

を799mg(2mmol)用いた以外は実施例1に従い、淡黄色粉体を得た(91%)。得られた粉体を元素分析及び赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(41)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。元素分析及び赤外分光分析の測定結果をそれぞれ表2及び図3に示す。
【0061】
【化17】

【0062】
【表2】

また、得られたポリマーは、ポリスチレン換算で重量平均分子量19,200及び数平均分子量12,300(分散度1.57)であった。ガラス転移温度は177℃を示した。紫外可視分光光度計及び光電子分光法を用い測定した結果、バンドギャップ2.7eV、HOMO準位5.5eV、LUMO準位2.8eVであった。
【0063】
実施例4(化合物43の合成)
実施例1において、1−B 698mg(2mmol)の代わりに化合物(42)
【0064】
【化18】

を799mg(2mmol)用いた以外は実施例1に従い、淡黄色粉体を得た(85%)。得られた粉体を元素分析及び赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(43)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。また、得られたポリマーは、ポリスチレン換算で重量平均分子量16,000及び数平均分子量10,000(分散度1.60)であった。
【0065】
【化19】

実施例5(化合物45の合成)
実施例1において、1−B 698mg(2mmol)の代わりに化合物(44)
【0066】
【化20】

を899mg(2mmol)用いた以外は実施例1に従い、淡黄色粉体を得た(83%)。得られた粉体を元素分析及び赤外分光分析により測定したところ、下記一般式(45)で表されるトリアリールアミンポリマーであることが確認された。また、得られたポリマーは、ポリスチレン換算で重量平均分子量18,500及び数平均分子量12,000(分散度1.54)であった。
【0067】
【化21】

実施例6(化合物(39)の電荷移動度の測定)
基板には2mm幅のITO(酸化インジウム錫)膜がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用いた(シート抵抗:20Ω/Sq)。この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。洗浄後の基板に、スピンコート法による有機材料の成膜及び真空蒸着法による陰極の蒸着を行い、移動度測定素子を作製した。
【0068】
スピンコート装置は、1H−D2(ミカサ社製)を用いた。またスピンコートする有機材料は、予めトルエンに溶解し、0.45μmフィルターに通した溶液を使用した。スピンコート装置に前記ITO基板をセットした後、実施例1で合成した化合物(39)のトルエン溶液を1〜5μmの厚みとなるように成膜した。触針式膜厚測定計(DEKTAK)で測定した成膜後の膜厚は1.4μmであった。この基板をペルジャー型バキュームオーブン(柴田科学社製、BV−001)で60℃、1時間真空乾燥した後、真空蒸着装置(EG−240、東京真空社製)内にセットし、1.7×10−6Torrまで減圧した後、ITOストライプと直交するように、2mm幅のAl膜を10nmの膜厚で真空蒸着した。これによって、移動度測定用の2mm角の動作エリアが得られた。この基板を酸素・水分濃度1ppm以下の窒素雰囲気グローブボックス内で封止した。封止は、紫外線硬化型エポキシ樹脂XNR5516(ナガセケムテックス社製)を用いた。
【0069】
電荷輸送材料の移動度測定は任意の方法で測定することができるが、今回は一般的な測定方法であるタイムオブフライト移動度測定法を用いた。移動度測定装置は、株式会社オプテル社製を用いた。測定は任意の温度で行い、337nmの窒素レーザをAl電極側から照射した時に発生した電荷のITO電極への移動速度から移動度を求めた。化合物(39)の電荷移動度を測定したところ、電界強度=約600(V/cm)1/2での移動度は1.5×10−3cm/V・secであった。
【0070】
実施例7(化合物(41)の電荷移動度の測定)
化合物(39)の代わりに化合物(41)を用いる以外は実施例6と同様の方法で素子を作成した。化合物(41)の電荷移動度を測定したところ、電界強度=約600(V/cm)1/2での移動度は1.8×10−3cm/V・secであった。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】有機EL素子の主な素子構成例を示す。
【図2】実施例1で得られた化合物(39)の赤外分光分析の測定結果を示す。
【図3】実施例3で得られた化合物(41)の赤外分光分析の測定結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるトリアリールアミンポリマー。
【化1】

{式中Arは下記一般式(2)〜(4)
【化2】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリール基である。mは1〜4の整数、aは0≦a≦2m+4の範囲となる整数である。)
のいずれかから選択される縮合環基である。Arは下記一般式(5)または(6)
【化3】

[式中、Rは水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、または下記一般式(7)〜(10)
【化4】

(式中、R、R、R及びRは各々独立して水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基である。c、d、e及びfは0〜5の整数である。qは1または2の整数である。)
で表される基である。pは1または2の整数、bは0≦b≦4p+1の範囲となる整数である。R及びRは各々独立して炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数6〜18のアリール基である。]
のいずれかから選択される基である。Aは置換若しくは無置換の炭素数6〜36のアリーレン基若しくはヘテロアリーレン基である。nは1以上の整数である。}
【請求項2】
一般式(1)において、Aが下記一般式(11)または(12)のいずれかから選択されるアリーレン基であることを特徴とする請求項1に記載のトリアリールアミンポリマー。
【化5】

(式中、Rは水素原子、炭素数1〜18のアルキル基若しくはアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリール基であり、隣り合う炭素原子と縮合環を形成してもよい。rは1または2の整数、gは0≦g≦4rの範囲となる整数である。)
【請求項3】
一般式(1)が、下記一般式(13)〜(17)のいずれかから選択される構造であることを特徴とする請求項1に記載のトリアリールアミンポリマー。
【化6】

(式中、R10、R11、R12、R13、R14及びR15は各々独立して水素原子、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリール基である。nは1以上の整数である。)
【請求項4】
ポリスチレン換算重量平均分子量が500〜500,000であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトリアリールアミンポリマー。
【請求項5】
ポリスチレン換算重量平均分子量が2,000〜100,000であることを特徴とする請求項4に記載のトリアリールアミンポリマー。
【請求項6】
トリアリールアミンポリマーの末端が置換若しくは無置換のアリール基であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトリアリールアミンポリマー。
【請求項7】
一般式(18)
【化7】

(式中、Arは上記一般式(2)〜(4)のいずれかから選択される縮合環基であり、Aは置換若しくは無置換の炭素数6〜36のアリーレン基若しくはヘテロアリーレン基である。X及びXはハロゲン原子である。)
で表される芳香族ジハライドと一般式(19)
【化8】

(式中、Arは上記一般式(5)または(6)のいずれかから選択される基である。)
で表される芳香族一級アミンを、パラジウム化合物とホスフィンからなる触媒並びに塩基の存在下で重合させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトリアリールアミンポリマーの製造方法。
【請求項8】
請求項7において得られたトリアリールアミンポリマーに対し、一般式(20)
【化9】

(式中、Ar及びArは各々独立して置換若しくは無置換の炭素数6〜60のアリール基である。)
で表される芳香族二級アミン及び/または一般式(21)
【化10】

(式中、Xはハロゲン原子であり、Arは置換若しくは無置換の炭素数6〜60のアリール基である。)
で表される芳香族ハライドを、パラジウム化合物とホスフィンからなる触媒並びに塩基の存在下で反応させることを特徴とする請求項6に記載のトリアリールアミンポリマーの製造方法。
【請求項9】
ホスフィンがトリ−tert−ブチルホスフィンであることを特徴とする請求項7乃至8に記載のトリアリールアミンポリマーの製造方法。
【請求項10】
芳香族ハライドがハロベンゼンであり、芳香族二級アミンがジフェニルアミンであることを特徴とする請求項8に記載のトリアリールアミンポリマーの製造方法。
【請求項11】
請求項1乃至6のいずれかに記載のトリアリールアミンポリマーを正孔輸送層、正孔注入層及び/または発光ホストとして用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−280385(P2008−280385A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123856(P2007−123856)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】