説明

新規な三環系アンジオテンシンIIアゴニスト

AT2受容体の選択的アゴニストとして有用であり、かくして、特にとりわけ胃腸管の疾患、例えば、消化不良、IBS及びMOF、並びに心臓血管疾患の治療において有用である、式(I)[式中、A、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、Z1、Z2、R4、及びR5は明細書に記載した意味を有する]の化合物、及びその製薬学的に許容される塩を提供する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

[式中、
Aは、-CH2-、-C(O) -、-C(O)-(CH2)-、又は-CH2-CH2-を表わす;
X1及びX2の1つが、-N-を表わし、他方が-C(R1)-を表わす;
X3が-N-又は-C(R2)-を表わす;
X4が-N-又は-C(R3)-を表わす;
R1、R2、及びR3は、H、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6アルキル、Ar1、Het1、C1-3アルキル-Ar2、C1-3アルキル-Het2、C1-3アルコキシ-Ar3、C1-3アルコキシ-Het3、ハロ、 -C(O)-C1-6アルキル、-C(O)-Ar4、又は-C(O)-Het4を独立に表わす;あるいは
R2及びR3が結合して、それらが結合している炭素原子と共に、1から3のヘテロ原子を任意に含有する5又は6員芳香環を形成して良い;
Ar1、Ar2、Ar3、及びAr4は、=O、-OH、シアノ、ハロ、ニトロ、C1-6 アルキル(任意に末端が-N(H)C(O)OR11aである)、C1-6アルコキシ、フェニル、-N(R12a)R12b、-C(O)R12c、-C(O)OR12d、-C(O)N(R12e)R12f、-N(R12g)C(O)R12h、-N(R12i)C(O)N(R12j)R12k、-N(R12m)S(O)2R11b、-S(O)nR11c、-OS(O)2R11d、及び-S(O)2N(R12n)R12pから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されている、C6-10アリール基を各々独立に表わす;
Het1、Het2、Het3、及びHet4は、=O、-OH、シアノ、ハロ、ニトロ、C1-6 アルキル(任意に末端が-N(H)C(O)OR11aである)、C1-6 アルコキシ、フェニル、-N(R12a)R12b、-C(O)R12c、-C(O)OR12d、-C(O)N(R12e)R12f、-N(R12g)C(O)R12h、-N(R12i)C(O)N(R12j)R12k、-N(R12m)S(O)2R11b、-S(O)nR11c、-OS(O)2R11d、及び-S(O)2N(R12n)R12pから選択される1つ以上の置換基によって任意に置換されており、酸素、窒素、及び/又は硫黄から選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する、4から12員へテロ環の基を各々独立に表わす;
R11aからR11dは、C1-6 アルキルを独立に表わす;
R12aからR12pは、H又はC1-6 アルキルを独立に表わす;
nは、 0、1、又は2を表わす;
Y1、Y2、Y3、及びY4は、-CH-又は-CF-を独立に表わす;
Z1は-CH-、-O-、-S-、-N-、又は-CH=CH-を表わす;
Z2は、-CH-、-O-、-S-、又は-N-を表わす;
ただし、以下の条件がある:
(a)Z1及びZ2は同一ではない;
(b)Z1が-CH=CH-を表わす際は、Z2は-CH-又は-N-のみを表わして良い;且つ
(c)Z1が-CH=CH-を表わし、且つ、Z2が-CH-を表わすという特定の場合以外では、 Z1及びZ2の1つが-CH-を表わす際は、他方は-O-又は-S-を表わす;
R4は-S(O)2N(H)C(O)R6、-S(O)2N(H)S(O)2R6、-C(O)N(H)S(O)2R6を表わすか、又はZ1が-CH=CH-を表わす際は、R4が-N(H)S(O)2N(H)C(O)R7又は-N(H)C(O)N(H)S(O)2R7を表わして良い;
R5は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6-アルキル、又はジ-C1-3-アルキルアミノ-C1-4-アルキルを表わす;
R6は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシ-C1-6-アルキル、C1-3 アルコキシ-C1-6-アルコキシ、C1-6アルキルアミノ、又はジ-C1-6アルキルアミノを表わす; 並びに
R7はC1-6アルキルを表わす]
の化合物、又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項2】
Aが-CH2-、-C(O)-CH2-、又は-CH2-CH2-を表わす、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
X3が-C(R2)-を表わす、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
X4が-C(R3)-を表わす、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R1が、水素、ハロ、C1-4アルキル(任意に1つ以上のフッ素原子で置換されている)、Ar1、Het1、又は-C(O)-C1-3アルキルを表わす、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R2がHを表わす、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R3がHを表わす、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
R2及びR3が結合して、任意に1つ又は2つのへテロ原子を含有するさらなるベンゼン環を形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物
【請求項9】
R2及びR3が結合して、さらなるベンゼン環又はピリジン環を形成する、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
Y1、Y2、Y3、及びY4の全てが-CH-である、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
Z1が-S-又は-CH=CH-を表わす、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
Z1が-S-を表わす、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
Z2が-CH-を表わす、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
R5がC1-4アルキルを表わす、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
R5がイソ-ブチルを表わす、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R4が、-S(O)2N(H)C(O)R6、-S(O)2N(H)S(O)2R6、又は-C(O)N(H)S(O)2R6を表わす際に、R6が、n-ブトキシメチル、イソ-ブトキシ、又はn-ブトキシを表わす、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
R4が-S(O)2N(H)C(O)R6を表わす、請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
R6が、n-ブトキシメチル、イソ-ブトキシ、又はn-ブトキシを表わす、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
R6がn-ブトキシを表わす、請求項16から18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
製薬学的に許容される補助剤、希釈剤、又は担体との混合物中に、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含む、医薬製剤。
【請求項21】
医薬として使用するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項22】
AT2受容体の選択的なアゴニズムが望まれ、且つ/又は必要とされる、疾患の治療において使用するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項23】
AngIIの細胞内生産が不足している疾患の治療において使用するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項24】
AngIIの作用における増大が望まれるか又は必要とされる疾患の治療において使用するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項25】
AT2受容体が発現しており、それらの刺激が望まれるか又は必要とされる疾患の治療において使用するための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩。
【請求項26】
AT2受容体の選択的なアゴニズムが望まれ、且つ/又は必要とされる疾患の治療用の医薬の製造のための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項27】
AngIIの細胞内生産が不足している疾患の治療用の医薬の製造のための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項28】
AngIIの作用における増大が望まれるか又は必要とされる疾患の治療用の医薬の製造のための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項29】
AT2受容体が発現しており、それらの刺激が望まれるか又は必要とされる疾患の治療用の医薬の製造のための、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用。
【請求項30】
前記疾患が、胃腸管、心臓血管系、気道、腎臓、眼、女性の生殖(排卵)系、又は中枢神経系の疾患である、請求項26から29のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
前記疾患が、食道炎、バレット食道、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、消化不良(非潰瘍性消化不良を含む)、胃-食道の逆流、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、膵臓炎、肝臓疾患(肝炎を含む)、胆嚢疾患、多臓器不全、敗血症、口内乾燥、胃炎、胃不全麻痺、過酸症、胆管の疾患、セリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、下痢、便秘症、疝痛、嚥下障害、嘔吐、悪心、消化不良、シェーグレン症候群、炎症性疾患、喘息、閉塞性肺疾患(慢性閉塞性肺疾患を含む)、肺炎、肺高血圧症、成人呼吸促進症候群、腎不全、腎炎、腎性高血圧症、糖尿病性網膜症、早発網膜症、網膜微小血管新生、排卵不全、高血圧、心臓肥大、心不全、粥状動脈硬化、動脈血栓症、静脈血栓症、内皮機能不全、内皮損傷、バルーン拡張後狭窄、新脈管形成、糖尿病の合併症、微小血管不全、アンギナ、不整脈、間欠性跛行、子癇前症、心筋梗塞、再梗塞、虚血性病変、勃起不全、新生内膜増殖、認知障害、食物摂取障害(飢餓/満腹)、渇き、脳卒中、脳出血、脳塞栓、脳梗塞、肥大性の疾患、前立腺肥大、自己免疫疾患、乾癬、肥満、神経再生、潰瘍、脂肪組織過形成、幹細胞分化及び増殖、癌、アポトーシス、腫瘍、過栄養糖尿病、神経損傷、又は臓器拒絶である、請求項30に記載の使用。
【請求項32】
前記疾患が、非潰瘍性の消化不良、過敏性腸疾患、多臓器不全、高血圧、又は心不全である、請求項31に記載の使用。
【請求項33】
治療上有効量の、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を、AT2受容体の選択的なアゴニズムが望まれ、且つ/又は必要とされる疾患に罹っているか又は罹りやすいヒトに投与する工程を含む、AT2受容体の選択的なアゴニズムが望まれ、且つ/又は必要とされる疾患の治療方法。
【請求項34】
製薬学的に許容される補助剤、希釈剤、又は担体との混合物中に、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及びAT1受容体アンタゴニストを含む、医薬製剤。
【請求項35】
(a)製薬学的に許容される補助剤、希釈剤、又は担体との混合物中に、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含む医薬製剤;並びに
(b)製薬学的に許容される補助剤、希釈剤、又は担体との混合物中に、AT1受容体アンタゴニストを含む医薬製剤
という成分を含む部分からなり、成分(a)及び(b)の各々が他方と組み合わせて投与するために適切な形態で提供されるキット。
【請求項36】
製薬学的に許容される補助剤、希釈剤、又は担体との混合物中に、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩、及びアンジオテンシン変換酵素インヒビターを含む、医薬製剤。
【請求項37】
(a)製薬学的に許容される補助剤、希釈剤、又は担体との混合物中に、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を含む医薬製剤;及び
(b)製薬学的に許容される補助剤、希釈剤、又は担体との混合物中に、アンジオテンシン変換酵素インヒビターを含む医薬製剤
という成分を含む部分からなり、成分(a)及び(b)の各々が他方と組み合わせて投与するために適切な形態で提供されるキット。
【請求項38】
(i)R4が-S(O)2N(H)C(O)R6又は-S(O)2N(H)S(O)2R6を表わし、R6が請求項1で規定したとおりである式Iの化合物のための、式II
【化2】

[式中、A、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、Z1、Z2、及びR5は請求項1で規定したとおりである]
の化合物と式III
R6GL1 III
[式中、Gは-C(O)-又は(適当には)-S(O)2-を表わし、L1は適切な脱離基を表わし、R6は請求項1で規定したとおりである]
の化合物との反応;
(ii)R4が-S(O)2N(H)C(O)R6を表わし、R6がC1-6アルコキシ-C1-6-アルキルを表わす式Iの化合物のための、前記式IIの化合物と式IV
R6aCO2H IV
[式中、R6aはC1-6アルコキシ-C1-6-アルキルを表わす]
の化合物とのカップリング反応;
(iii)R4が-C(O)N(H)S(O)2R6を表わし、R6が請求項1で規定したとおりである式Iの化合物のための、式V
【化3】

[式中、A、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、Z1、Z2、及びR5は請求項1で規定したとおりである]
の化合物と式VI
R6S(O)2NH2 VI
[式中、R6は請求項1で規定したとおりである]
の化合物とのカップリング反応;
(iv)R4が-C(O)N(H)S(O)2R6を表わし、R6が請求項1に規定したとおりである式Iの化合物のための、式VII
【化4】

[式中、A、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、Z1、Z2、及びR5は請求項1で規定したとおりである]
の化合物と式VIII
R6S(O)2Cl VIII
[式中、R6は、請求項1で規定したとおりである]
の化合物とのカップリング反応;
(v)R4が-N(H)S(O)2N(H)C(O)R7を表わし、R7が請求項1で規定したとおりである式Iの化合物のための、式IX
【化5】

[式中、A、X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、Z1、Z2、及びR5は請求項1で規定したとおりである]
の化合物と、式X
R7C(O)N(H)S(O)2Cl X
[式中、R7は請求項1で規定したとおりである]
の化合物との反応;
(vi)R4が-N(H)C(O)N(H)S(O)2R7を表わし、R7が請求項1で規定したとおりである式Iの化合物のための、前記式IXの化合物と、式XI
R7S(O)2N(H)C(O)Rx XI
[式中、Rxは適切な脱離基を表わし、R7は請求項1で規定したとおりである]
の化合物との反応;
(vii)R4が-N(H)C(O)N(H)S(O)2R7を表わし、R7が請求項1で規定したとおりである式Iの化合物のための、前記式IXの化合物と、式XII
R7S(O)2NCO XII
[式中、R7は請求項1で規定したとおりである]
の化合物との反応;
(viii)R4が-S(O)2N(H)C(O)R6を表わし、R6がC1-6アルキルアミノを表わす式Iの化合物のための、前記式IIの化合物と、式XIII
R6bNCO XIII
[式中、R6bはC1-6アルキルを表わす]
の化合物との反応;
(ix)R4が-S(O)2N(H)C(O)R6を表わし、R6がジC1-6アルキルアミノを表わす式Iの化合物のための、R4が-S(O)2N(H)C(O)R6を表わし、R6がC1-6アルコキシを表わす式Iの対応する化合物と、式XIV
R6cN(H)R6d XIV
[式中、R6c及びR6dはC1-6アルキルを独立に表わす]
の化合物との反応;あるいは
(x)R1、R2、又はR3がハロを表わす式Iの化合物のための、R1、R2、及び/又は(適当には)R3が適当な脱離基を表わす式Iの化合物とハロゲン化物イオン源との反応
を含む、請求項1に記載の化合物の製造方法。
【請求項39】
請求項38に記載の式IIの化合物又はその保護された誘導体。
【請求項40】
請求項38に記載の式Vの化合物又はその保護された誘導体。
【請求項41】
請求項38に記載の式VIIの化合物又はその保護された誘導体。
【請求項42】
請求項38に記載の式IXの化合物又はその保護された誘導体。

【公表番号】特表2008−535898(P2008−535898A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−505954(P2008−505954)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【国際出願番号】PCT/GB2006/001319
【国際公開番号】WO2006/109048
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(503435505)ヴィコール・ファルマ・アーベー (6)
【Fターム(参考)】