説明

新規な中間体及びそれを用いたエンテカビルの製造方法

本発明は抗ウイルス剤であるエンテカビル、[1−S−(1α,3α,4β)]−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチレンシクロペンチル]−6H−プリン−6−オンを高収率かつ低コストで製造する新規な製造方法及びそれに用いられる新規な中間体に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は抗ウイルス剤であるエンテカビルの新規な製造方法及びそれに用いられる有用な中間体に関する。
【0002】
[背景技術]
エンテカビル、[1−S−(1α,3α,4β)]−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチレンシクロペンチル]−6H−プリン−6−オンは、現在B型肝炎ウイルス感染の治療に用いられており、その構造は1S、2、3R、及び4S位置にそれぞれプリン、エキソメチレン、ヒドロキシメチル、及びヒドロキシ置換基を有するシクロペンタンからなる。エンテカビルの製造方法を開発するための多くの研究が行われてきた。
【0003】
例えば、米国特許第5,206,244号及び国際公開WO98/09964号は下記反応式1で表したようにエンテカビルを製造する方法を開示している:
【化A】

【0004】
しかし、前記方法は次のような問題があるが、1)ジシクロペンタジエンへの転換を防止するために、シクロペンタジエンモノマーを−30℃以下の温度に保持させなければならず;2)反応後の残留ナトリウムだけでなく、水分に対する反応の敏感性が問題を起こし;3)異性体の生成を防ぐため、式a)の中間体を得る工程が−70℃以下の極低温で行わなければならなく;4)(−)−IpcBH(ジイソピノカンフェイルボラン)がヒドロホウ素化に使われる時、デカンテーション(decantation)が要求され;5)式a)の中間体の工程が順調に進められず、;6)エンテカビルを精製するためにCHP20P樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーによる分離が求められる。
【0005】
国際公開WO2004/52310号及び米国特許公開第2005/0272932号は式66の中間体を用いてエンテカビルを製造する方法を開示しており、この中間体は反応式2で表したように製造される:
【化B】

【0006】
前記式66の中間体の製造方法は、−70℃以下の極低温で行わなければならなく、光学分割段階で得られた生成物が50%未満である。
【0007】
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
したがって、本発明の目的は高収率でエンテカビルを製造する新規な製造方法及びそれに用いられる中間体を提供することである。
【0008】
[課題を解決するための手段]
本発明の一態様によれば、
(1)式2のα−ヒドロキシケトン化合物をオレフイン化反応させて式3のエキソメチレン化合物を得る段階;
(2)式3のエキソメチレン化合物をプリン誘導体と光延反応させて式4のヌクレオシド化合物を得る段階;
(3)式4のヌクレオシド化合物の保護基を除去し、式5の化合物を得る段階;及び
(4)式5の化合物を加水分解させる段階
を含む、式1のエンテカビルの製造方法が提供される:
【化C】

【化D】

【化E】

【化F】

【化G】

【0009】
前記式中、
及びRは、それぞれ独立に水素またはヒドロキシ保護基であるか、もしくはR及びRが融合して環状のヒドロキシ保護基を形成することができ;
は、水素、アルキルシリル及びアリルシリルよりなる群から選ばれ;
Xは、クロロ、ヨード及びベンジルオキシよりなる群から選ばれる。
【0010】
前記方法において、出発物質として用いられる式2の化合物は、式6のケトン化合物を塩基の存在下でスルホン酸塩誘導体と反応させて式7のシリルエノールエーテルを製造した後、式7のシリルエノールエーテルを過酸化物で処理する段階を含む方法によって製造される:
【化H】

【化I】

【0011】
前記式中、R〜Rは、前記で定義した通りである。
【0012】
式2の化合物の製造に用いられる前記式6の化合物は、式8のシクロペンテノン化合物を(R)−メチル−CBS(Corey−Bakshi−Shibata)触媒の存在下でジメチルスルフィドボランと不斉還元反応させて式9の不斉シクロペンテノール化合物を得る段階;
式9の不斉シクロペンテノール化合物を塩基の存在下でシラン誘導体と反応させるか、または式9の不斉シクロペンテノール化合物の保護基を除去した後、カルボニルまたはアルコール誘導体で処理して式10のシクロペンテン化合物を得る段階;
式10のシクロペンテン化合物をボラン誘導体と反応させて式11のシクロペンタノール化合物を得る段階;及び
式11のシクロペンタノール化合物を1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードオキソール−3−(1H)−オンと酸化反応させる段階を含む製造方法によって製造される:
【化J】

【化K】

【化L】

【化M】

【0013】
前記式中、R〜Rは前記で定義した通りである。
【0014】
また、本発明は式1のエンテカビルの製造に際して中間体として用いられる式2のα−ヒドロキシケトン化合物及び式6のケトン化合物を提供する:
【化N】

【化O】

【0015】
前記式中、R〜Rは前記で定義した通りである。
【0016】
[発明の効果]
本発明によれば、抗ウイルス剤であるエンテカビルを新規な中間体から高収率かつ低コストで容易に製造することができる。
【0017】
[発明を実施するための形態]
本発明によるエンテカビルの製造方法は、式6の不斉ケトン化合物を製造し、得られた式2のα−ヒドロキシケトン化合物を中間体として用いることを特徴とする。
【0018】
ここで、用語「ヒドロキシ保護基」は、例えば、トリチル、ベンジル、メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、ベンゾイル、置換ベンゾイル(例えばメトキシベンゾイルのようなアルコキシベンゾイル及びp−ニトロベンゾイルのようなニトロベンゾイル)、トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、テキシルジメチルシリル、アリル、メトキシメチル、(2−メトキシエトキシ)メチルまたはテトラヒドロピラニルを意味し、好ましくはトリチル、ベンゾイル、及びtert−ブチルジフェニルシリルであり、最も好ましくはトリチルである。
【0019】
また、用語「環状のヒドロキシ保護基」は、例えば、ベンジリデン、ナフチリデン、4−フェニルベンジリデン、環状アセタール、環状ケタール、環状炭酸エステル、環状オルト(ortho)エステル及び環状(1,1,3,3−テトライソプロピル)ジシロキサン−1,3−ジイルを意味し、好ましくはベンジリデン、ナフチリデン、4−フェニルベンジリデン及び環状ケタールであり、最も好ましくはナフチリデンである。
【0020】
出発物質として式8のシクロペンテノン化合物を用いて本発明により式1のエンテカビルを製造する方法が反応式3で示されているが、これに限定されない:
【化P】

【0021】
前記式中、R〜Rは前記で定義した通りである。
【0022】
以下、各段階別に反応式3で表される製造方法を具体的に説明する。
【0023】
<段階1>
式8のシクロペンテノン化合物を(R)−メチル−CBS(Corey−Bakshi−Shibata)触媒の存在下でジメチルスルフィドボラン(BMS;BHMeS)で処理して式9の不斉シクロペンテノール化合物を製造する。出発物質として用いられる式8のシクロペンテノン化合物は当該技術分野でよく知られた通常の方法の一つ(文献[Synthesis 2005, No.18, pp3035−3038]参照)によって製造されることができる。
【0024】
前記で使用された(R)−メチル−CBS触媒の量は、式8のシクロペンテノン化合物を基準として、好ましくは0.1〜0.2モル当量であり、ジメチルスルフィドボランの量は、式8のシクロペンテノン化合物を基準として、好ましくは1〜2モル当量である。前記反応は有機溶媒中で−10〜10℃、好ましくは−5〜0℃で、30分〜3時間行われ、前記有機溶媒として、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びこれらの混合物が挙げられる。前述の方法により製造された不斉シクロペンテノール化合物は少なくとも98.6%eeの純度を有する。
【0025】
<段階2>
前記段階1で得た式9の不斉シクロペンテノール化合物を塩基の存在下で、シラン誘導体で処理して式10のシクロペンテン化合物を製造する。
【0026】
前記反応に用いられる塩基としては、例えばイミダゾール、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、トリエチルアミン及びこれらの混合物、好ましくはイミダゾールである。ここで塩基の量は、式9の化合物を基準として、好ましくは1〜2.5モル当量である。
【0027】
前記シラン誘導体としては、例えばtert-ブチルジフェニルクロロシラン、クロロトリメチルシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン及びこれらの混合物が挙げられ、前記シラン誘導体の量は式9の化合物を基準として、好ましくは1〜2モル当量である。
【0028】
前記反応は、有機溶媒中で10〜30℃、好ましくは15〜25℃で、1〜3時間行われ、前記有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド及びこれらの混合物が挙げられる。前記反応終了後、前記反応混合物をヘキサン、酢酸エチル及びこれらの混合溶媒のような溶媒から−10〜0℃で結晶化させて固相の式10のシクロペンテン化合物を得ることができる。
【0029】
あるいは、R及びRが融合して、例えばナフチリデンを形成する場合、段階1で得た式9の不斉シクロペンテノール化合物の保護基を除去することで対応するシクロペンテンジオールを得た後、酸触媒の存在下でカルボニルまたはアルコール誘導体で処理して式10のシクロペンテン化合物を得る。
【0030】
前記酸触媒としては、例えばp-トルエンスルホン酸ピリジニウム、p-トルエンスルホン酸及びこれらの混合物が挙げられ、前記酸触媒の量は好ましくは0.1〜0.3モル当量である。
【0031】
前記カルボニル誘導体としては、例えばナフチルアルデヒド、ナフチルアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、4−フェニルベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒドジメチルアセタール及びこれらの混合物が挙げられ、前記アルコール誘導体としてはジメトキシプロパンが挙げられる。
【0032】
<段階3>
段階2で得た式10のシクロペンテン化合物をボラン誘導体で処理して式11のシクロペンタノール化合物を製造する。
【0033】
式10のシクロペンテン化合物との反応に用いられるボラン誘導体として、例えば(+)−IpcBH及び(−)−IpcBHが挙げられ、前記ボラン誘導体の量は式10のシクロペンテン化合物を基準として、好ましくは1〜3モル当量である。
【0034】
前記反応は有機溶媒中で−10〜30℃、好ましくは10〜25℃で、1〜5時間行われることができ、前記有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びこれらの混合物が挙げられる。前述した方法により製造された式11のシクロペンタノール化合物において、シクロペンタノール:ジアステレオマーの割合は10〜15:1である。
【0035】
<段階4>
段階3で得た式11のシクロペンタノール化合物を1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードオキソール−3−(1H)−オンで処理して酸化反応を行うことで式6のケトン化合物を製造する。
【0036】
1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードオキソール−3−(1H)−オンの量は、式5のシクロペンタノール化合物を基準として、好ましくは1〜1.5モル当量である。前記酸化反応は、有機溶媒中で0〜25℃、好ましくは15〜25℃で、30分〜2時間行われることができ、前記有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0037】
<段階5>
段階4で得た式6のケトン化合物を塩基の存在下で、スルホン酸塩誘導体で処理して式7のシリルエノールエーテル化合物を製造する。
【0038】
前記塩基としては、例えばトリエチルアミンのようなアミンが挙げられ、前記塩基の量は式6のケトン化合物を基準として、好ましくは1〜4モル当量である。
【0039】
前記スルホン酸塩誘導体としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸tert-ブチルジメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリル及びこれらの混合物が挙げられ、前記スルホン酸塩誘導体の量は、式6のケトン化合物を基準として、好ましくは1〜2モル当量である。
【0040】
前記反応は、有機溶媒中で−10〜10℃、好ましくは0〜5℃で30分〜2時間行われることができ、前記有機溶媒としてジクロロメタン、テトラヒドロフラン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0041】
<段階6>
段階5で得た式7のシリルエノールエーテル化合物を緩衝溶液中において過酸化物で処理して式2のα−ヒドロキシケトン化合物を製造する。
【0042】
前記過酸化物としては、例えばメタクロロ過安息香酸(mCPBA)、四酸化オスミウム及びこれらの混合物が挙げられ、前記過酸化物の量は、式7のシリルエノールエーテル化合物を基準として、好ましくは1.5〜2.3モル当量である。
【0043】
前記緩衝溶液としては、例えばリン酸ナトリウム塩水溶液、リン酸水素二ナトリウム塩水溶液及びこれらの混合物が挙げられ、前記塩の量は式7のシリルエノールエーテル化合物を基準として、好ましくは2〜5モル当量である。
【0044】
前記反応は、有機溶媒中で−30〜−5℃、好ましくは−25〜−10℃から2〜5時間行われることができ、前記有機溶媒としては、例えばジクロロメタン、ヘキサン、ペンタン及びこれらの混合物が挙げられる。
【0045】
<段階7>
段階6で得た式2のα−ヒドロキシケトン化合物をオレフイン化反応させて式3のエキソメチレン化合物を製造する。
【0046】
前記オレフイン化は、式2のα−ヒドロキシケトン化合物をナイステッド試薬(Nysted reagent)とTiClとの混合溶液、ウィッティヒ試薬(Wittig reagent)またはテッベ試薬(Tebbe reagent)と反応させることで行われる。
【0047】
ナイステッド試薬とTiClとの混合物は、好ましくは1:1のモルの割合を有し、前記反応は−40〜0℃、好ましくは−40〜20℃で、1〜5時間行われることが望ましい。前記式2のα−ヒドロキシケトン化合物で処理されるナイステッド試薬とTiClとの混合物のような反応混合物の量は、式2のα−ヒドロキシケトン化合物を基準として、好ましくは1〜2モル当量である。
【0048】
<段階8>
段階7で得た式3のエキソメチレン化合物をプリン誘導体と光延(Mitsunobu)反応させて式4のヌクレオシド化合物を製造する。
【0049】
前記プリン誘導体としては、例えば式12の2−アミノ−6−ハロプリン誘導体、6−O−ベンジルグアニン誘導体及びこれらの混合物が挙げられ、前記プリン誘導体の量は、式3のエキソメチレン化合物を基準として、好ましくは1〜2モル当量である。 前記プリン誘導体は、当該技術分野で広く知られた通常の方法のいずれか一つによって製造されてもよく、市販のものを用いてもよい。
【0050】
前記反応は、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルの存在下で−20〜0℃から1〜8時間行われることができ、前記トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルの量は、式3のエキソメチレン化合物を基準として、好ましくはそれぞれ1〜2モル当量である。
【0051】
<段階9>
段階8で得た式4のヌクレオシド化合物の保護基を除去して式5の化合物を製造する。
【0052】
前記脱保護は、当該技術分野でよく知られた通常の方法のいずれか一つにより行われ、より具体的に、好ましくはメタノール中で式4のヌクレオシド化合物を式4のヌクレオシド化合物1モル当量を基準として、p−トルエンスルホン酸(TsOH)0.1〜0.5モル当量と反応させることで行われる。前記反応は好ましくは20〜25℃で、2〜5時間行われる。
【0053】
次いで、前記反応混合物をテトラヒドロフラン中でテトラブチルアンモニウムフルオリド(TBAF)1〜3モル当量で処理する。前記反応は、好ましくは20〜25℃の温度範囲で1〜2時間行われる。
【0054】
<段階10>
段階9で得た式5の化合物を加水分解して式1のエンテカビルを製造する。
【0055】
前記加水分解は、当該技術分野でよく知られた通常の方法のいずれか一つにより行われ、より具体的に、好ましくは60〜80℃の温度で3〜5時間の間、式5の化合物を基準として2N 水酸化ナトリウム10〜20モル当量で処理することで行われることができ、更に、好ましくは塩酸水溶液でpH6.3に中和させる。
【0056】
また、本発明はエンテカビルの製造の際に、中間体として用いられる式2及び式6の化合物を提供する。
【0057】
したがって、本発明による方法は、式2及び式6の新規な化合物を中間体として使うことで、高収率でエンテカビルを容易に製造することができる。
【0058】
次に、製造例及び実施例によって本発明をより詳細に説明する。しかし、下記本発明の製造例及び実施例は、例示に過ぎず、本発明がこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0059】
実施例1:3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−トリチルオキシメチル−シクロ−ベンタノン(式6の化合物)の製造
(1−1)2−トリチルオキシメチル−シクロ−2−ペンテノール(式9の化合物)の製造
無水ジクロロメタン50mLを2Mのボラン−ジメチルスルフィド溶液42.3mLに添加して0℃に冷却した。これに(R)−メチル−CBS触媒4.23mLを加え、その結果得られた混合物を1時間攪拌した。2−トリチルオキシメチル−シクロ−2−ペンテノン15gを無水ジクロロメタン100mLに溶かして製造した溶液を3時間滴加して焼入れ(quenching)を行った。前記反応混合物に水75mLを滴加し、その結果得られた有機層を分離させた後、水100mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し濃縮をして標題化合物15g(収率99%、純度 98.6%)を得た。
【0060】
NMR(300MHz,CDCl): δ 7.70−7.23(m,15H),5.87(d,1H),4.78−4.75(q,1H),3.92−3.77(q,2H),2.52−2.48(m,1H),2.30−2.23(m,2H),2.12(d,1H),1.82−1.74(m,1H).
(1−2)tert−ブチル−ジフェニル−(2−トリチルオキシメチル−シクロ−2−ペンテニルオキシ)−シラン(式10の化合物)の製造
(1−1)で得た2−トリチルオキシメチル−シクロ−2−ペンテノール(式9の化合物)15gをジクロロメタン150mLに溶解させて製造した溶液に、イミダゾール7.2g及びTBDPSC l16.2mLを順次加えた後、前記混合物を室温で2時間攪拌した。反応終了後、前記反応混合物を水150mLで2回洗浄して得られた有機層を分離し、塩水150mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過し減圧濃縮した。その結果得られた残渣をヘキサンに溶かし、−10℃で結晶化して標題化合物24g(収率95%)を白色固体として得た。
【0061】
NMR(300MHz,CDCl): δ 7.50−7.17(m,25H),6.05(s,1H),4.72(t,1H),3.90−3.85(dd,1H),3.43−3.38(dd,1H),2.50−2.30(m,1H),2.20−2.05(m,1H),1.95(m,1H),1.73(m,1H),0.91(s,9H).
(1−3)3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−トリチルオキシメチル−シクロ−ペンタノール(式11の化合物)の製造
(+)−IpcBH 40gを無水テトラヒドロフラン90mLに溶解させて 0℃に冷却した。これに、(1−2)で得たtert−ブチル−ジフェニル−(2−トリチルオキシメチル−シクロ−2−ペンテニルオキシ)−シラン(式10の化合物)30gを無水テトラヒドロフラン90mLに溶解させて製造した溶液を1時間滴加して得られた混合物を室温で4時間攪拌した。反応終了後、これに3N水酸化ナトリウム水溶液67mLを0℃以下の温度に維持しながら5分間滴加した。これに30%過酸化水素水67mLを12℃以下の温度に維持しながら40分間滴加した。前記反応混合物を10℃以下の温度で1時間攪拌した後、これに10%亜硫酸水素ナトリウム150mLと飽和炭酸水素ナトリウム150mLとの混合物を加えて過量の過酸化物を除去した。前記反応混合物を酢酸エチル300mLで抽出し、その結果得られた有機層を分離し、炭酸水素ナトリウム溶液及び塩水300mLでそれぞれ洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し濃縮をした。その結果得られた残渣をHPLCで分離してオイル状の標題化合物26g(収率80%;シクロペンタノール:ジアステレオマーの割合=10:1)を得た。
【0062】
NMR(300MHz,CDCl): δ 7.57−7.21(m,25H),3.91−3.81(m,2H),3.12(dd,1H),2.74(br,1H),2.68(t,1H),2.34(m,1H),1.77−1.72(m,3H),1.53−1.48(m,1H),1.01(s,9H).
(1−4)3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−トリチルオキシメチル−シクロ−ベンタノン(式6の化合物)の製造
(1−3)で得た3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−トリチルオキシメチル−シクロ−ペンタノール(式11の化合物)14.3g(23.3mmol)をジクロロメタン150mLに溶解させて製造した反応液に、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードオキソール−3−(1H)−オン(DMP)11.9g(28mmol)を添加し、その結果得られた混合物を20℃で30分間攪拌した。前記反応混合物を水150mLで2回洗浄し、その結果得られた有機層を分離し、飽和炭酸水素ナトリウム溶液150mL及び塩水150mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し濃縮をした。その結果得られた残渣をHPLCで分離して標題化合物11g(収率77.5%)を得た。
【0063】
NMR(300MHz,CDCl): δ 7.62−7.18(m,25H),4.53(q,1H),3.34(dd,1H),3.02(dd,1H),2.53(m,1H),2.32(q,1H),2.18(m,1H),1.99−1.88(m,2H),0.89(9H).
実施例2:3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−トリチルオキシメチル−シクロベンタノン(式2の化合物)の製造
(2−1)tert−ブチル−ジフェニル−[3−(1,1,2,2−テトラメチル−プロポキシ)−2−トリチルオキシメチル−シクロ−3−ペンテニルオキシ]−シラン(式7の化合物)の製造
実施例1で得た3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−トリチルオキシメチル−シクロ−ベンタノン(式6の化合物)5.4g(8.84mmol)を無水ジクロロメタン54mLに溶解させ、0℃に冷却した。これにトリエチルアミン4.9mL(35.4mmol)及びTBSOTf 3mL(13.3mmol)を順次滴加し、前記反応混合物を5℃で1時間攪拌した。反応終了後、前記反応混合物を1N 塩酸水溶液54mLで焼入れを行った。これに水75mLを滴加し、その結果得られた有機層を分離させた後、塩水54mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し濃縮をした。その結果得られた残渣をHPLCで分離して標題化合物5g(収率78%)を得た。
【0064】
NMR(300MHz,CDCl): δ 7.64−6.90(m,25H),4.61(s,1H),4.36(d,1H),2.99−2.87(m,2H),2.59(br s,1H),2.44(dd,1H),2.15(d,1H),1.04(s,9H),0.88(s,9H),0.17(s,3H),0.11(s,3H).
(2−2)3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−トリチルオキシメチル−シクロベンタノン(式2の化合物)の製造
(2−1)で得たtert−ブチル−ジフェニル−[3−(1,1,2,2−テトラメチル−プロポキシ)−2−トリチルオキシメチル−シクロ−3−ペンテニルオキシ]−シラン(式7の化合物)1g(1.38mmol)をジクロロメタン25mLに溶解させ、−25℃に冷却した。これにリン酸水素二ナトリウム0.98g(6.9mmol)及び77%のメタクロロ過安息香酸(mCPBA)0.71g(3.17mmol)を順次添加し、その結果得られた反応混合物を25℃で2.5時間攪拌した。中間体形成後、これに亜硫酸水素ナトリウム溶液1.23mL、亜硫酸水素ナトリウム1.68g及び重硫酸マグネシウム2.46gを−25℃で添加し、その結果得られた混合物を攪拌した。前記反応混合物を室温に加熱した。反応終了後、前記反応混合物をセライトで濾過した。その結果得られた残渣をHPLCで分離して標題化合物 0.6g(収率69.5%)を得た。
【0065】
NMR(300MHz,CDCl): δ 7.96−7.17(m,25 H),4.56(q,1H),3.99(q,1H),3.56(dd,1H),3.17(dd,1H),2.46−2.39(m,2H),0.93(s,9H).
実施例3:[1−S−(1α,3α,4β)]−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチレンシクロペンチル]−6H−プリン−6−オン(式1の化合物)の製造
(3−1)4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−メチレン−3−トリチルオキシメチル−シクロペンタノール(式3の化合物)の製造
反応器に20%の懸濁ナイステッド試薬(suspension Nysted reagent)2.4mL(1.26mmol)とテトラヒドロフラン6.4mLを順次滴加し、0℃に冷却した。これにTiCl 0.14mL(1.26mmol)を滴加し、その結果得られた混合物を攪拌した。前記反応混合物を−40℃に冷却した後、実施例2で得た3−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−5−ヒドロキシ−2−トリチルオキシメチル−シクロベンタノン(式2の化合物)0.527g(0.842mmol)をテトラヒドロフラン2.4mLに溶解させて製造した溶液を滴加した。前記反応混合物を室温で3.5時間攪拌した。反応終了後、前記反応混合物を20℃に冷却し、1N塩酸25mLを滴加しながら焼入れを行った後、ジクロロメタン25mLで抽出して有機層を分離した。前記分離された有機層を4%炭酸水素ナトリウム溶液20mL及び塩水溶液20mLで順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し濃縮をした。その結果得られた残渣をHPLCで分離して標題化合物0.184g(収率50%)を得た。
【0066】
1H NMR(CDCl): δ 7.64−7.60(m,4H),7.38−6.90(m,21H),5.35(s,1H),5.11(s,1H),4.34(d,2H),3.03(m,1H),2.91−2.77(m,3H),1.78(t,2H),1.03(s,9H).
(3−2)9−[4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−メチレン−3−トリチルオキシメチル−シクロペンチル]−6−クロロ−9H−プリン−2−イルアミン(式4の化合物)の製造
(3−1)で得た4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−メチレン−3−トリチルオキシメチル−シクロペンタノール(式3の化合物)55mg(0.088mmol)、トリフェニルホスフィン46mg(0.176mmol)及び2−アミノ−6−クロロプリン30mg(0.176mmol)をテトラヒドロフラン2.7mLに溶解させ、−20℃に冷却した。これにアゾジカルボン酸ジエチル28μl(0.176mmol)を添加した。反応終了後、得られた反応混合物をジクロロメタン10mLに入れて、水酸化ナトリウム水溶液2.7mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し濃縮をした。その結果得られた残渣を HPLCで分離して標題化合物45mg(収率66.9%)を得た。
【0067】
NMR(300MHz,DMSO−d6): δ 7.82(s,1H),7.61(d,4H),7.49−7.34(m,6H),7.26(s,15H),6.69(br s,2H),5.53(t,1H),4.91(s,1H),4.57(s,1H),4.40(s,1H),3.16(t,1H),3.06(t,1H),2.83(s,1H),2.11(d,2H),1.03(s,9H).
(3−3)4−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イル)−2−ヒドロキシメチル−3−メチレン−シクロペンタノール(式5の化合物)の製造
(3−2)で得た9−[4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−メチレン−3−トリチルオキシメチル−シクロペンチル]−6−クロロ−9H−プリン−2−イルアミン(式4の化合物)0.131g(0.168mmol)をメタノール2.6mLに溶解させ、0℃に冷却した。これにp−トルエンスルホン酸16mg(0.084mmol)を添加し、室温に昇温しながら30分間攪拌した。これに室温でTsOH 16mg(0.084mmol)を添加し、その結果得られた混合物を4時間攪拌した。反応終了後、水3mLを添加し、ジクロロメタン10mLで3回抽出して有機層を分離した。前記有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し濃縮をした。その結果得られた残渣をHPLCで分離して[3−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イル)−5−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−メチレン−シクロペンチル]−メタノール73mg(収率81%)を得た。
【0068】
NMR(300MHz,CDCl): δ 7.84(s,1H),7.65(dd,4H),7.45−7.35(m,6H),5.50(t,1H),5.21(d,3H),4.84(s,1H),4.52(d,2H),3.72(d,1H),3.45(td.1H),2.72(s,1H),2.59−2.49(m,1H),2.25−2.18(m,1H),1.09(s,9H).
次いで、[3−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イル)−5−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−2−メチレン−シクロペンチル]−メタノール73mg(0.137mmol)をテトラヒドロフラン0.7mLに溶解させて製造した溶液に、テトラヒドロフラン中にTBAF 1M溶液0.27mL(0.274mmol)を室温で滴加し、その結果得られた混合物を1.5時間攪拌した。 反応終了後、前記反応混合物を濃縮し、その結果得られた残渣をHPLCで分離して標題化合物34mg(収率84%)を得た。
【0069】
NMR(300MHz,MeOH−d4): δ 8.15(s,1H),5.62(t,1H),5.28(t,1H),4.82(t,1H),4.46−4.42(m,1H),3.85(dd,2H),3.33−3.31(m,1H),2.72(br s,1H),2.53−2.45(m,1H),2.30−2.27(m,1H).
(3−4)[1−S−(1α,3α,4β)]−2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[4−ヒドロキシ−3−(ヒドロキシメチル)−2−メチレンシクロペンチル]−6H−プリン−6−オン(式1の化合物)の製造
(3−3)で得た4−(2−アミノ−6−クロロ−プリン−9−イル)−2−ヒドロキシメチル−3−メチレン−シクロペンタノール(式5の化合物)34mg(0.115mmol)を2N 水酸化ナトリウム水溶液0.7mLに添加して得られた混合物を攪拌した。その結果得られた溶液を72℃に昇温して3.5時間攪拌した。反応終了後、前記反応混合物を0℃に冷却し、2N 塩酸収容液と1N 塩酸水溶液とを添加することで、pH6.3に調節した後、濃縮して標題化合物24mg(収率70%、純度 99%)を得た。
【0070】
NMR(300MHz,DMSO−d6): δ10.58 (s,1H),7.67 (s,1H),6.42 (s,2H),5.36 (t,1H),5.11 (s,1H),4.86 (d,1H),4.83 (t,1H),4.57 (s,1H),4.24 (s,1H),3.54 (t,2H),2.53(s,1H),2.27−2.18 (m,1H),2.08−2.01(m,1H).
以上、本発明を前記特定の実施例により説明したが、添付された特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内で本発明を多様に変形及び変化させ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)式2のα−ヒドロキシケトン化合物をオレフイン化反応させて式3のエキソメチレン化合物を得る段階;
(2)式3のエキソメチレン化合物をプリン誘導体と光延反応させて式4のヌクレオシド化合物を得る段階;
(3)式4のヌクレオシド化合物の保護基を除去して式5の化合物を得る段階;及び
(4)式5の化合物を加水分解させる段階
を含む、式1のエンテカビルの製造方法:
【化a】

【化b】

【化c】

【化d】

【化e】

前記式中、
及びRは、それぞれ独立に水素またはヒドロキシ保護基であるか、もしくはR及びRが融合して環状のヒドロキシ保護基を形成することができ;
は、水素、アルキルシリル及びアリルシリルよりなる群から選ばれ;
Xは、クロロ、ヨード及びベンジルオキシよりなる群から選ばれる。
【請求項2】
前記ヒドロキシ保護基が、トリチル、ベンジル、メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、ベンゾイル、置換ベンゾイル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、イソプロピルジメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、テキシルジメチルシリル、アリル、メトキシメチル、(2−メトキシエトキシ)メチルまたはテトラヒドロピラニルよりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載のエンテカビルの製造方法。
【請求項3】
前記環状のヒドロキシ保護基が、ベンジリデン、ナフチリデン、4−フェニルベンジリデン、環状アセタール、環状ケタール、環状炭酸エステル、環状オルトエステル及び環状(1,1,3,3−テトライソプロピル)ジシロキサン−1,3−ジイルよりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載のエンテカビルの製造方法。
【請求項4】
前記オレフイン化反応が、式2のα−ヒドロキシケトン化合物をナイステッド試薬とTiClとの混合溶液、ウィッティヒ試薬またはテッベ試薬と反応させることで行われることを特徴とする請求項1記載のエンテカビルの製造方法。
【請求項5】
前記プリン誘導体が、式12の2−アミノ−6−ハロプリン誘導体、6−O−ベンジルグアニン誘導体及びこれらの混合物よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項1記載のエンテカビルの製造方法:
【化f】

前記式中、Xはクロロ、ヨード及びベンジルオキシよりなる群から選ばれる。
【請求項6】
前記式2の化合物が、式6のケトン化合物を塩基の存在下で、スルホン酸塩誘導体と反応させて式7のシリルエノールエーテルを得た後、前記式7のシリルエノールエーテル化合物を過酸化物で処理する段階を含む方法によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のエンテカビルの製造方法:
【化g】

【化h】

前記式中、R〜Rは、前記で定義した通りである。
【請求項7】
前記スルホン酸塩誘導体が、トリフルオロメタンスルホン酸tert-ブチルジメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、トリフルオロメタンスルホン酸トリエチルシリル及びこれらの混合物よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項6に記載のエンテカビルの製造方法。
【請求項8】
前記式6の化合物が、
式8のシクロペンテノン化合物を(R)−メチル−CBS(Corey−Bakshi−Shibata)触媒の存在下でジメチルスルフィドボランと不斉還元反応させて式9の不斉シクロペンテノール化合物を得る段階;
式9の不斉シクロペンテノール化合物を塩基の存在下でシラン誘導体と反応させるか、または式9の不斉シクロペンテノール化合物の保護基を除去した後、カルボニルまたはアルコール誘導体で処理して式10のシクロペンテン化合物を得る段階;
式10のシクロペンテン化合物をボラン誘導体と反応させて式11のシクロペンタノール化合物を得る段階;及び
式11のシクロペンタノール化合物を1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードオキソール−3−(1H)−オンと酸化反応させる段階を含む製造方法によって製造される請求項6に記載にエンテカビルの製造方法:
【化i】

【化j】

【化k】

【化l】

前記式中、R〜Rは前記で定義した通りである。
【請求項9】
前記シラン誘導体が、tert-ブチルジフェニルクロロシラン、クロロトリメチルシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン及びこれらの混合物よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項8に記載にエンテカビルの製造方法。
【請求項10】
前記カルボニル誘導体が、ナフチルアルデヒド、ナフチルアルデヒドジメチルアセタール、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドジメチルアセタール、4−フェニルベンズアルデヒド、4−フェニルベンズアルデヒドジメチルアセタール及びこれらの混合物よりなる群から選ばれることを特徴とする請求項8に記載にエンテカビルの製造方法。
【請求項11】
式2のα−ヒドロキシケトン化合物:
【化m】

前記式中、
及びRは、それぞれ独立に水素またはヒドロキシ保護基であるか、もしくはR及びRが融合して環状のヒドロキシ保護基を形成することができ;
は、水素、アルキルシリル及びアリルシリルよりなる群から選ばれる。
【請求項12】
式6のケトン化合物:
【化n】

前記式中、
及びRは、それぞれ独立に水素またはヒドロキシ保護基であるか、もしくはR及びRが融合して環状のヒドロキシ保護基を形成することができる。

【公表番号】特表2012−513988(P2012−513988A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−543432(P2011−543432)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007786
【国際公開番号】WO2010/074534
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(510316693)ハンミ・ホールディングス・シーオー.,エルティーディー. (10)
【氏名又は名称原語表記】HANMI HOLDINGS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#45, Bangi−dong, Songpa−gu, Seoul 138−828, Republic of Korea
【Fターム(参考)】