説明

新規な含フッ素不飽和シリルエーテル化合物及び該化合物を中間体とする含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法

【課題】 安全かつ容易に、安価なカルボニル化合物に対して直接トリフルオロプロペニル基が導入でき、かつ工業的スケールで効率良く含フッ素不飽和アルコール誘導体を得られることを特徴とする含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】非プロトン性溶媒中、ルイス塩基触媒存在下、カルボニル化合物をビニルシラン化合物と反応させて、一般式(1)で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物を含有する反応液を直接脱シリル化、または精製分離した後に脱シリル化して、一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体を得ることを特徴とする製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な含フッ素不飽和シリルエーテル化合物及び該化合物を中間体とする含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
含フッ素不飽和アルコール誘導体は医薬、農薬分野における重要な合成中間体である。
【0003】
一般式(2)
【0004】
【化1】

【0005】
(式中、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基又はアリール基であり、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を示す。なおR及びRが一体となって、ヘテロ原子の介在、若しくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。)
で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法としては、次に示す方法が挙げられる。
【0006】
即ち、
(1)2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンをノルマルブチルリチウムでリチオ化した後にアルデヒドと反応させ、反応液を加水分解する方法(非特許文献1)、
(2)塩化銅触媒存在下、アルデヒド化合物、2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペン、錫をジメチルホルムアミド若しくはピリジン−テトラヒドロフラン溶媒中で反応させ、反応液を加水分解する方法(非特許文献2)、
(3)2−トリフルオロメチルプロペン酸にメチルリチウムとクロロトリメチルシランを反応させることで得られる2−トリフルオロメチル−1−ブテン−3−オンをイーストにより還元する方法(非特許文献3)、
(4)含フッ素脂肪族基を有するα、β−不飽和ケトンに微生物を作用させ、不飽和アルコールへ選択的に変換する方法(非特許文献4)、等が知られている。
【0007】
しかしながら、前記(1)の方法ではマイナス90℃という超低温において反応を実施する必要があり、安全かつ容易に工業的スケールで製造するうえで問題があった。
【0008】
前記(2)の方法では多量の錫を使用する必要があり、反応後において多量に発生する副生物を除去しなければならないため反応操作が複雑となる点が問題であった。
【0009】
前記(3)の方法では原料となる2−トリフルオロメチルプロペン酸を得るのに2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンとマグネシウムを反応させなければならず、反応が多段階となり、イーストを作用させる為に収率は低かった。前記(4)の方法では反応時間が2日と長時間であり、さらに熟成時間を延長すると炭素−炭素二重結合も還元されてしまう為、目的とする化合物の収率が低下する、という問題点があった。
【0010】
前記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体以外の化合物の製造方法として、カルボニル化合物に対してパーフルオロアルキルメチルシランを用いて、パーフルオロアルキル基を導入する方法は公知である(特許文献1)。しかしながら、カルボニル化合物に対してビニルシラン化合物を用いて、トリフルオロプロペニル基を導入した例はこれまでに報告例がない。
【0011】
従って、安全かつ容易で、安価なアルデヒド化合物に対して直接トリフルオロプロペニル基が導入でき、かつ工業的スケールで効率良く製造し得る前記一般式(2)に示される含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法が望まれていた。
【特許文献1】ドイツ特許第3805534号明細書
【非特許文献1】J. Org. Chem., 33(1), 280(1967)
【非特許文献2】J. Chem. Soc., Chem. Commun., 3, 289(1994)
【非特許文献3】J. Fluorine Chem., 29(4), 431(1985)
【非特許文献4】Chem. Lett., 587(1985)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、カルボニル化合物をビニルシラン化合物と反応させて、安全かつ容易で、安価なカルボニル化合物に対して直接トリフルオロプロペニル基が導入でき、かつ工業的スケールで効率良く製造し得る前記一般式(2)に示される含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、非プロトン性溶媒中、ルイス塩基触媒存在下、カルボニル化合物をビニルシラン化合物と反応させて、得られた含フッ素不飽和シリルエーテル化合物を含有する反応液を直接脱シリル化、または精製分離した後に脱シリル化して前記一般式(2)に示される含フッ素不飽和アルコール誘導体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は下記の(1)〜(5)に関するものである。
(1) 一般式(1)
【0015】
【化2】

【0016】
(式中、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基又はアリール基であり、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基を示す。なおR及びRが一体となって、ヘテロ原子の介在若しくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。A、A及びAはそれぞれ互いに独立し、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい直鎖状若しくは分岐した炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物。
【0017】
(2) 非プロトン性溶媒中、ルイス塩基触媒存在下、一般式(3)
COR (3)
(式中、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基又はアリール基であり、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を示す。なおR及びRが一体となって、ヘテロ原子の介在若しくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。)
で示されるカルボニル化合物と一般式(4)
【0018】
【化3】

【0019】
(式中、A、A及びAはそれぞれ互いに独立し、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい直鎖状若しくは分岐した炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示されるビニルシラン化合物を反応させ、一般式(1)
【0020】
【化4】

【0021】
(式中、R、R、A、A及びAは前記定義に同じ。)
で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物を含有する反応液を直接脱シリル化、または精製分離した後に脱シリル化することを特徴とする一般式(2)
【0022】
【化5】

【0023】
(式中、R及びRは前記定義に同じ。)
で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法。
【0024】
(3) 前記一般式(3)で示されるカルボニル化合物がアルデヒド類であり、一般式
(4)で示されるビニルシラン化合物が(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシランであることを特徴とする前記(2)に記載の含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法。
【0025】
(4) 前記非プロトン性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記(2)又は(3)に記載の含フッ素不飽和アルコール化合物の製造方法。
【0026】
(5) 前記ルイス塩基触媒が、有機アミン化合物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属炭酸塩又はアンモニウム塩である前記(2)乃至(4)のいずれか1項に記載の含フッ素不飽和アルコール化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0027】
従来、前記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体を製造するためには、超低温での反応が必要であったり、使用する重金属量が多く大量の重金属廃棄物が生成したり、多段階での反応工程、収率が低い等の問題があった。従来法と比較して、本発明における製造方法は安全かつ容易に、安価なカルボニル化合物に対して直接トリフルオロプロペニル基が導入でき、かつ工業的スケールで効率良く前記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体を得ることが可能であり、工業的に利用価値は高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は前記一般式(2)に示される含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法に関するものであり、非プロトン性溶媒中、ルイス塩基触媒存在下、カルボニル化合物をビニルシラン化合物と反応させて、前記一般式(1)で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物を含有する反応液を直接脱シリル化、または精製分離した後に脱シリル化することを特徴とする製造方法である。
【0029】
前記一般式(1)で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物は新規化合物であり、前記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造中間体として有用である。
【0030】
前記一般式(1)、(2)、(3)において、Rで示されるアルキル基は、炭素数が1〜20の枝分かれがあっても良いアルキル基または炭素数が3〜20のシクロアルキル基が好ましく、炭素数が1〜10のアルキル基または炭素数が3〜10のシクロアルキル基がさらに好ましい。アルキル基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基などの置換基で置換されていてもよい。Rで示されるアルケニル基は、炭素数が2〜20の枝分かれがあっても良いアルケニル基または炭素数が3〜20のシクロアルケニル基が好ましく、炭素数が2〜10のアルケニル基または炭素数が3〜10のシクロアルケニル基がさらに好ましい。アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、アリル基などが挙げられる。アルケニル基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基などの置換基で置換されていてもよい。Rで示されるアラルキル基は、例としてベンジル基、ペンタフルオロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、p−ニトロベンジル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、α−フェネチル基等が挙げられる。Rで示されるアルキニル基は、例としてエチニル基、フェニルエチニル基、2−プロピニル基等が挙げられる。Rで示されるアリール基は、炭素数が6〜20のアリール基が好ましく、炭素数が6〜10のアリール基がさらに好ましい。アリール基はアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基などの置換基で置換されていてもよい。
【0031】
前記一般式(1)、(2)、(3)において、Rで示されるアルキル基は、炭素数が1〜20の枝分かれがあっても良いアルキル基または炭素数が3〜20のシクロアルキル基が好ましく、炭素数が1〜10のアルキル基または炭素数が3〜10のシクロアルキル基がさらに好ましい。アルキル基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基などの置換基で置換されていてもよい。Rで示されるアルケニル基は、炭素数が2〜20の枝分かれがあっても良いアルケニル基または炭素数が3〜20のシクロアルケニル基が好ましく、炭素数が2〜10のアルケニル基または炭素数が3〜10のシクロアルケニル基がさらに好ましい。アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、アリル基などが挙げられる。アルケニル基はハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基などの置換基で置換されていてもよい。Rで示されるアラルキル基は、例としてベンジル基、ペンタフルオロベンジル基、o−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、p−メチルベンジル基、p−ニトロベンジル基、ナフチルメチル基、フルフリル基、α−フェネチル基等が挙げられる。Rで示されるアルキニル基は、例としてエチニル基、フェニルエチニル基、2−プロピニル基等が挙げられる。Rで示されるアリール基は、炭素数が6〜20のアリール基が好ましく、炭素数が6〜10のアリール基がさらに好ましい。アリール基はアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アルコキシ基、アシルオキシ基などの置換基で置換されていてもよい。Rで示されるアルコキシ基は、炭素数が1〜20のアルコキシ基が好ましく、炭素数が1〜10のアルコキシ基がさらに好ましい。アルコキシ基の場合も上記のアルキル基の場合と同様の置換基により置換されていてもよい。Rで示されるアリールオキシ基は、炭素数が1〜20のアリールオキシ基が好ましく、炭素数が1〜10のアリールオキシ基がさらに好ましい。アリールオキシ基の場合も上記のアリール基の場合と同様の置換基により置換されていてもよい。Rで示されるアシル基は、炭素数が1〜20のアシル基が好ましく、炭素数が1〜10のアシル基がさらに好ましい。特に制限するわけではないが、例としてホルミル基、アセチル基、マロニル基、ベンゾイル基、シンナモイル基等が挙げられる。Rで示されるアルコキシカルボニル基は、炭素数が2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、炭素数が2〜10のアルコキシカルボニル基がさらに好ましい。アルコキシカルボニル基の場合も上記のアルコキシ基の場合と同様の置換基により置換されていてもよい。Rで示されるアリールオキシカルボニル基は、炭素数が7〜20のアリールオキシカルボニル基が好ましく、炭素数が7〜15のアリールオキシカルボニル基がさらに好ましい。アリールオキシカルボニル基の場合も上記のアリールオキシ基の場合と同様の置換基により置換されていてもよい。
【0032】
前記一般式(1)、(2)、(3)において、RおよびRが一体となって、ヘテロ原子の介在もしくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。
【0033】
前記一般式(1)、(4)において、A、A、Aはそれぞれ互いに独立し、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい直鎖状若しくは分岐した炭素数1〜4のアルキル基を表す。アルキル基の例としては、特に制限するわけではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
【0034】
前記一般式(1)で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物は、例えば2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ブテン、2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ペンテン、2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキセン、2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘプテン、3−フェニル−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン、3−(4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン、3−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン等が挙げられる。
【0035】
前記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体は、例えば
3−トリフルオロメチル−3−ブテン−2−オール、2−トリフルオロメチル−1−ペンテン−3−オール、2−トリフルオロメチル−1−ヘキセン−3−オール、2−トリフルオロメチル−1−ヘプテン−3−オール、1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール、1−(4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール、1−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール等
が挙げられる。
【0036】
前記一般式(3)で示されるカルボニル化合物は、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、バレルアルデヒド、ヘキサルデヒド、イソブチルアルデヒド、トリメチルアセトアルデヒド、シクロペンタンカルボキサルデヒド、シクロヘキサンカルボキサルデヒド、アクロレイン、3−ブチル−2−オン、ベンズアルデヒド、4−ニトロベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド、2−ベンゼンスルホニルアルデヒド、2-ベンゼンスルフィニルアルデヒド、4−クロロベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、2−フェニルプロピオンアルデヒド、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸フェニル、ジアセチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル等が挙げられる。


本発明のルイス塩基触媒は、電子対を与えて相手と化学結合を形成するルイス塩基であれば特に限定されないが、有機アミン化合物、金属フッ化物、金属炭酸塩又はアンモニウム塩が好ましく、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウム塩性フルオリドがさらに好ましい。触媒は通常の市販品を直接用いることができ、溶媒に均一に溶解した状態、あるいは一部が溶解した状態でも使用可能である。アルキル金属フッ化物はフッ化セシウム、フッ化カリウムが好ましく、溶媒への溶解、分散性の面からフッ化セシウム、比表面積が大きいスプレードライ製法によるフッ化カリウムがさらに好ましい。有機アミン化合物は、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリンが好ましい、アルカリ金属炭酸塩は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好ましく、炭酸カリウムがさらに好ましい。アンモニウム塩性フルオリドは、テトラブチルアンモニウムフルオリドが好ましい。
【0037】
本発明の反応は、反応に関与しない溶媒中で行う必要があり、非プロトン性溶媒が好ましい。プロトン性溶媒は反応に関与するため好ましくない。非プロトン性溶媒の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が挙げられる。この際、非プロトン性溶媒の概念にはヘプタン、ヘキサン、キシレン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジイソプロピルエーテル、アセトニトリルを含む。中でも反応収率が高く、取り扱いおよび工業的に入手が容易であることから、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルが好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドがさらに好ましい。これらは単独で使用し得るのみならず、2種類以上を混合して用いることも可能である。
【0038】
本発明で用いられる試薬はあらゆる慣用の方法に従って導入することができ、触媒をカルボニル化合物、ビニルシラン化合物、溶媒から成る混合物に投入することができる。またカルボニル化合物、ビニルシラン化合物を同時にまたは混合物として、溶媒および触媒から成る混合物に投入することもできる。またカルボニル化合物を溶媒、触媒、ビニルシラン化合物からなる三成分の混合物中に投入したり、あるいはビニルシラン化合物を溶媒、触媒、カルボニル化合物から成る三成分の混合物中に投入することも可能である。
【0039】
本発明で使用する試薬の量は、カルボニル化合物1molに対してビニルシラン化合物0.1〜10molであるのが好ましく、さらに好ましくは0.5〜2molである。またカルボニル化合物1molに対してルイス塩基触媒は0.005〜2molであるのが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.2molである。溶媒量は特に制限するわけではないが、使用するカルボニル化合物1gに対して溶媒1〜100gが好ましく、1〜20gがさらに好ましい。
【0040】
本発明のトリフルオロプロペニル化反応は、反応温度−20℃〜120℃で可能である。反応器は大気開放型の反応器、またはオートクレーブ等の密閉型の反応器のいずれも可能である。反応圧力は大気圧下、または加圧下のいずれも可能である。
【0041】
上記一般式(1)で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物の精製方法は、トリフルオロプロペニル化反応終了液を直接蒸留精製することができる。蒸留精製後の残渣液は直接トリフルオロプロペニル化反応の溶媒として循環使用、または残渣液を精製して反応溶媒として循環使用することが可能である。また精製はカラムクロマトグラフ法、または分取薄層クロマトグラフ法を適用することもできる。吸着剤は、例えばシリカゲル、アルミナ等を選択することができる。展開溶媒は、例えばヘキサン/酢酸エチル(0/100〜100/0)、ヘキサン/ジイソプロピルエーテル(0/100〜100/0)等を使用することができる。
【0042】
得られた含フッ素不飽和シリルエーテル化合物を脱シリル化して上記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体が得られる。
【0043】
またトリフルオロプロペニル化反応液を直接脱シリル化して、上記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体を得ることもできる。直接脱シリル化した後の含フッ素不飽和アルコール誘導体の精製方法は、反応液を脱シリル化後に直接蒸留精製できる。蒸留精製後の残渣液は直接トリフルオロメチル化反応の溶媒として循環使用、または残渣液を精製して反応溶媒として循環使用することが可能である。
【0044】
脱シリル化反応は、シリル基を脱離できる任意の条件を選択することができ、塩酸、硫酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等を用いた酸加水分解、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いたアルカリ加水分解等が挙げられる。
【0045】
脱シリル化により得られた上記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体は、一般的な手法によって反応液から単離および精製することができ、例えば反応液から溶剤抽出、乾燥、濃縮した後、蒸留精製またはシリカゲル、アルミナ等の吸着剤を用いたカラムクロマトグラフ法での精製、塩析、晶析、再結晶等が挙げられる。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0046】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた100mLフラスコに、N−メチル−2−ピロリドン(以下「NMP」と略称する)15g、ベンズアルデヒド 1.0g(9.4mmol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 1.9g(11mmol)を加えた。フッ化セシウム68mg(0.45mmol)を加えて、反応温度50℃で37時間反応した。19F−NMR内部標準法により定量分析したところ、3−フェニル−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン 1.5g(5.4mmol)、1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 0.65g(3.2mmol)を含む反応液18gを得た(収率91%)。
【0047】
取得した反応液18gに水27gを加えてジイソプロピルエーテル16gで3回抽出した後、水20gで2回水洗した。硫酸マグネシウム1.0gで乾燥した後、濾過して濾液を溶媒留去した。溶媒留去して2.1gの生成物を得た。そのうち0.90gを分取薄層クロマトグラフ法(PLCプレートシリカゲル、MERCK社、展開溶媒クロロホルム)で精製して、3−フェニル−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン 0.31g(1.1mmol)を得た。そのうち110mg(0.4mmol)をジイソプロピルエーテル3.5gに溶解して、10%塩酸水溶液2.0gを加えて、室温で27時間攪拌した。水層を除去して、水5.0gで3回洗浄した。ジイソプロピルエーテル7.3gを加えて硫酸マグネシウム0.7gで乾燥した後、濾過して濾液を溶媒留去して無色液体の1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 80mg(0.4mmol)を得た。
【0048】
3−フェニル−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン
分析値
H−NMR(CDCl,内部基準TMS)δ0.06(s,9H),5.35(s,1H),5.69(m,1H),5.84(m,1H),7.27−7.37(m,5H)
19F−NMR(CDCl,内部基準CFCl)δ−65.3(s,CF
マススペクトル(m/z)274
【0049】
1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール
分析値
H−NMR(CDCl,内部基準TMS)δ2.16(brd,1H),5.43(brd,1H),5.80(m,1H),5.93(m,1H),7.30−7.40(m,5H)
19F−NMR(CDCl,内部基準CFCl)δ−65.7(s,CF
マススペクトル(m/z)202
【実施例2】
【0050】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた100mLフラスコに、NMP14g、ベンズアルデヒド 1.1g(10mmol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 2.0g(12mmol)を加えた。炭酸カリウム70mg(0.51mmol)を加えて、反応温度50℃で120時間反応した。19F−NMR内部標準法により定量分析したところ、3−フェニル−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン 0.55g(2.0mmol)、1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 0.95g(4.7mmol)を含む反応液を得た(収率67%)。
【実施例3】
【0051】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた100mLフラスコに、テトラヒドロフラン(以下「THF」と略称する)18g、ベンズアルデヒド 1.1g(10mmol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 2.2g(13mmol)を加えた。テトラブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液(1M)1.5mL(1.5mmol)を加えて、反応温度50℃で120時間反応した。10%塩酸水溶液10gを加えて、室温で24時間攪拌した。水30gを加えて、ジイソプロピルエーテル20gで3回抽出して、水20gで2回洗浄した。有機層を溶媒留去して無色液体の1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 0.57g(2.8mmol)を含む生成物を得た(収率28%)。
【実施例4】
【0052】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた100mLフラスコに、NMP14g、p−クロロベンズアルデヒド 1.4g(10mmol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 2.0g(12mmol)を加えた。フッ化カリウム(スプレードライ品)12mg(0.20mmol)を加えて、反応温度50℃で166時間反応した。19F−NMR内部標準法により定量分析したところ、3−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン 1.5g(4.8mmol)、1−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 0.70g(3.0mmol)を含む反応液17gを得た(収率78%)。
【0053】
取得した反応液17gに水30gを加えてジイソプロピルエーテル15gで3回抽出した後、水20gで2回水洗した。有機層を溶媒留去して2.3gの生成物を得た。そのうち0.90gを分取薄層クロマトグラフ法(PLCプレートシリカゲル、MERCK社、展開溶媒クロロホルム)で精製して、3−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン 0.11gを得た。そのうち63mg(0.21mmol)をジイソプロピルエーテル2.0gに溶解して、10%塩酸水溶液1.5gを加えて、室温で27時間攪拌した。水層を除去して、水5.0gで3回洗浄した。ジイソプロピルエーテル7.3gを加えて硫酸マグネシウム0.7gで乾燥した後、濾過して濾液を溶媒留去して1−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 40mg(0.17mmol)を得た。
【0054】
3−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン
分析値
H−NMR(CDCl,内部基準TMS)δ0.07(s,9H),5.31(s,1H),5.70(m,1H),5.85(m,1H),7.26−7.34(m,4H)
19F−NMR(CDCl,内部基準CFCl)δ−65.2(s,CF
マススペクトル(m/z)308
【0055】
1−(4−クロロフェニル)−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール
分析値
H−NMR(CDCl,内部基準TMS)δ2.16(brd,1H),5.43(brd,1H),5.80(m,1H),5.94(m,1H),7.28−7.38(m,4H)
19F−NMR(CDCl,内部基準CFCl)δ−65.7(s,CF
マススペクトル(m/z)236
【実施例5】
【0056】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた100mLフラスコに、NMP14g、n−ブチルアルデヒド 0.72g(10mmol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 2.0g(12mmol)を加えた。フッ化カリウム(スプレードライ品)12mg(0.20mmol)を加えて、反応温度50℃で166時間反応した。19F−NMR内部標準法により定量分析したところ、2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキセン 0.76g(3.2mmol)、2−トリフルオロメチル−1−ヘキセン−3−オール 0.49g(2.9mmol)を含む反応液を得た(収率61%)。
【実施例6】
【0057】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた100mLフラスコに、NMP14g、p−メトキシベンズアルデヒド 1.4g(10mmol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 2.0g(12mmol)を加えた。フッ化カリウム(スプレードライ品)12mg(0.20mmol)を加えて、反応温度50℃で166時間反応した。19F−NMR内部標準法により定量分析したところ、3−(4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン 1.4g(4.5mmol)、1−(4−メトキシフェニル)−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 0.53g(2.3mmol)を含む反応液を得た(収率68%)。
【実施例7】
【0058】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた2Lフラスコに、NMP1350g、ベンズアルデヒド 100g(0.95mol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 190g(1.1mol)を加えた。フッ化セシウム7.1g(47mmol)を加えて、反応温度50℃で18時間反応した。19F−NMR内部標準法により定量分析したところ、3−フェニル−2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−プロペン 137g(0.50mol)、1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 75g(0.37mol)を含む反応液1647gを得た(収率92%)。
10%塩酸水溶液100gを加えて、室温で18時間攪拌した。取得した反応液に水2000gを加えてジイソプロピルエーテル700gで2回抽出した後、水500gで2回水洗した。硫酸マグネシウム50gで乾燥した後、濾過して濾液を溶媒留去した。溶媒留去して190gの生成物を得た。減圧下、精密蒸留精製して無色液体の1−フェニル−2−トリフルオロメチル−2−プロペン−1−オール 114g(0.56mol)を取得した。沸点98〜100℃(2kPa)。
【実施例8】
【0059】
還流冷却管、温度計、攪拌機を備えた2Lフラスコに、NMP1350g、n−ブチルアルデヒド 68g(0.94mol)、(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシラン 190g(1.1mol)を加えた。フッ化セシウム7.1g(47mmol)を加えて、反応温度50℃で4時間反応した。19F−NMR内部標準法により定量分析したところ、2−トリフルオロメチル−3−トリメチルシロキシ−1−ヘキセン 0.76g(3.2mmol)、2−トリフルオロメチル−1−ヘキセン−3−オール 0.49g(2.9mmol)を含む反応液1590gを得た(収率58%)。反応液1120gに10%塩酸水溶液100gを加えて、室温で3時間攪拌した。取得した反応液に水1200gを加えてジイソプロピルエーテル600gで2回抽出した後、水300gで2回水洗した。硫酸マグネシウム30gで乾燥した後、濾過して濾液を溶媒留去した。溶媒留去して98gの生成物を得た。減圧下、精密蒸留精製して無色液体の2−トリフルオロメチル−1−ヘキセン−3−オール63g(0.38mol)を取得した。沸点68〜70℃(5kPa)。
【産業上の利用可能性】
【0060】
安全かつ容易に、安価なカルボニル化合物に対して直接トリフルオロプロペニル基が導入でき、かつ工業的スケールで効率良く前記一般式(2)で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体を得ることが可能であり、工業的に利用価値は高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基又はアリール基であり、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を示す。なおR及びRが一体となって、ヘテロ原子の介在若しくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。A、A及びAはそれぞれ互いに独立し、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい直鎖状若しくは分岐した炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物。
【請求項2】
非プロトン性溶媒中、ルイス塩基触媒存在下、一般式(3)
COR (3)
(式中、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基又はアリール基であり、Rは水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を示す。なおR及びRが一体となって、ヘテロ原子の介在若しくは非介在で環状構造の一部を形成してもよい。)
で示されるカルボニル化合物と一般式(4)
【化2】

(式中、A、A及びAはそれぞれ互いに独立し、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有してもよい直鎖状若しくは分岐した炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
で示されるビニルシラン化合物を反応させ、一般式(1)
【化3】

(式中、R、R、A、A及びAは前記定義に同じ。)
で示される含フッ素不飽和シリルエーテル化合物を含有する反応液を直接脱シリル化、または精製分離した後に脱シリル化することを特徴とする一般式(2)
【化4】

(式中、R及びRは前記定義に同じ)
で示される含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法。
【請求項3】
前記一般式(3)で示されるカルボニル化合物がアルデヒド類であり、一般式(4)で示されるビニルシラン化合物が(1−トリフルオロメチルビニル)トリメチルシランであることを特徴とする請求項2に記載の含フッ素不飽和アルコール誘導体の製造方法。
【請求項4】
前記非プロトン性溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は3に記載の含フッ素不飽和アルコール化合物の製造方法。
【請求項5】
前記ルイス塩基触媒が、有機アミン化合物、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属炭酸塩又はアンモニウム塩である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の含フッ素不飽和アルコール化合物の製造方法。

【公開番号】特開2008−7415(P2008−7415A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176126(P2006−176126)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(591180358)東ソ−・エフテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】