説明

新規な有機発光化合物及びこれを含む有機発光素子

本発明は、新規な有機発光化合物及びこれを含む有機発光素子及び有機太陽電池に関し、発明による有機発光化合物は、青色の発光効率がよく、材料の寿命特性に優れ、素子の駆動寿命が非常に良好なOLED素子を製造することができる長所がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な有機発光化合物及びこれを含む有機発光素子及び有機太陽電池に関し、より具体的には、青色発光材料として用いられる新規な有機発光化合物及びこれをドーパントとして採用している有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
表示素子のうち、電界発光素子(electroluminescence device:EL device)は、自己発光型表示素子であって、視野角が広くてコントラストに優れるだけでなく、回答速度が速いという長所を有しており、1987年Eastman Kodak社は、発光層形成用の材料として、低分子の芳香族ジアミンとアルミニウム錯体を利用している有機EL素子を最初に開発した[Appl.Phys.Lett.51,913,1987]。
【0003】
有機EL素子において、発光効率、寿命などの性能を決定する最も重要な要因は発光材料であり、このような発光材料に求められるいくつかの特性としては、固体状態で高い蛍光量子収率を有し、電子と正孔の高い移動度を有し、真空蒸着時に容易に分解されず、均一で安定な薄膜を形成することが挙げられる。
【0004】
有機発光材料は、大きく高分子材料と低分子材料とに分けられるが、低分子系列の材料は、分子構造面で金属錯化合物と金属を含まない純粋有機発光材料がある。このような発光材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体などのキレート錯体、クマリン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ビススチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体などの発光材料が知られており、これらからは、青色から赤色までの可視領域発光が得られると報告されて、カラー表示素子の実現が期待されている。
【0005】
一方、青色材料の場合、出光興産のDPVBi(化学式a)以後、多くの材料が開発されて商業化されており、出光興産の青色材料システムとKodak社のジナフチルアントラセン(dinaphthylanthracene、化学式b)、テトラ(t−ブチル)ペリレン(tetra(t−butyl)perylene、化学式c)システムなどが知られているが、さらなる研究開発が必要であると判断される。今まで最も効率がよいと知られた出光興産のジストリル(distryl)化合物のシステムは、電力効率が6lm/W、素子寿命が30,000時間以上と良好であるが、駆動時間による色純度の低下により、フルカラーディスプレイに適用した場合、寿命がわずか数千時間に過ぎない。青色発光は、発光波長が長波長側に少しだけ移動しても、発光効率の側面では有利になるが、純青色を満足しないため、高品位のディスプレイには適用が困難であるという問題点を有しており、色純度、効率及び熱安定性に問題があって、研究開発が切実な部分である。
【0006】
[化学式a]

【0007】
[化学式b]

【0008】
[化学式c]

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明者らは、上記の従来の問題点を解決するために鋭意研究した結果、発光効率に優れ、寿命が画期的に改善された有機発光素子を実現するための新しい発光化合物を発明した。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題点を解決するために、既存のドーパント材料より発光効率及び素子寿命に優れ、適切な色座標を有する優れた骨格の有機発光化合物を提供することにあり、他の目的は、前記有機発光化合物を発光材料として採用する高効率及び長寿命の有機発光素子を提供することにある。また、本発明のさらに他の目的は、前記有機発光化合物を含む有機太陽電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記化学式1で表される有機発光化合物及びこれを含む有機発光素子に関し、本発明による有機発光化合物は、発光効率がよく、材料の色純度及び寿命特性に優れ、駆動寿命が非常に良好なOLED素子を製造することができる長所がある。
【0012】
[化学式1]


(前記化学式1中、
Aは、化学結合であるか、(C6−C60)アリーレンまたは(C2−C60)ヘテロアリーレンであり、
Arは、(C6−C40)アリーレン、(C2−C40)ヘテロアリーレンまたは

であり、
Arは、水素、(C1−C20)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)ヘテロアリール、(C2−C20)アルケニル、(C2−C20)アルキニル、(C3−C20)シクロアルキルまたは

であり、
及びRは、互いに独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキルまたはアダマンチルであるか、縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、縮合環を形成してもよく、前記アルキレンの炭素原子はO、S またはNRによって置換されてもよく、
は、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、アダマンチル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C1−C60)トリアルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルであり、
及びYは、互いに独立して、化学結合であるか、−(CR−、−N(R)−、−Si(R)(R)−、−O−、−S−、−Se−または−(R)C=C(R10)−であり、
乃至R10は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、アダマンチル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルであるか、RとR、RとR及びRとR10は、縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結されて縮合環を形成してもよく、
A及びArのアリーレン、ヘテロアリーレン、Arのアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びR乃至R10のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルまたはアダマンチルは、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルまたは下記構造の置換基から選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、


mは1〜3の整数であり、
nは1〜4の整数であり、
但し、

の炭素数の総和が19〜60個である。)
【0013】
本発明に記載の「アルキル」、「アルコキシ」及びその他の「アルキル」部分を含む置換基は、直鎖または分岐鎖の形態を全て含む。
【0014】
本発明に記載の「アリール」は、一つの水素除去により芳香族炭化水素から誘導された有機ラジカルであって、各環に、好ましくは4〜7個、より好ましくは5〜6個の環原子を含む単一または縮合環系を含む。具体的な例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インダニル(indenyl)、フルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニルなどを含むが、これに限定されない。
【0015】
本発明に記載の「ヘテロアリール」は、芳香族環の骨格原子としてN、O及びSから選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含み、その他の芳香族環骨格原子が炭素であるアリールグループを意味するもので、5員乃至6員単環ヘテロアリール、及び一つ以上のベンゼン環と縮合された多環式ヘテロアリールであり、部分的に飽和されてもよい。前記ヘテロアリール基は、環内のヘテロ原子が酸化されるか4級化されて、例えば、N−オキシドまたは第4級塩を形成する2価アリールグループを含む。具体的な例として、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、トリアジニル、テトラジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラザニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルなどの単環ヘテロアリール、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、ベンゾチアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノリジニル、キノキサリニル、カルバゾリル、フェナントリジニル、ベンゾジオキソリルなどの多環式ヘテロアリール及びこれらの対応するN−オキシド(例えば、ピリジルN−オキシド、キノリルN−オキシド)、これらの第4級塩などを含むが、これに限定されない。
【0016】
また、本発明に記載の「(C1−C60)アルキル」部分が含まれている置換基は、1〜60個の炭素数を有してもよく、1〜20個の炭素数を有してもよく、1〜10個の炭素数を有してもよい。 「(C6−C60)アリール」部分が含まれている置換基は、6〜60個の炭素数を有してもよく、6〜20個の炭素数を有してもよく、6〜12個の炭素数を有してもよい。 「(C3−C60)ヘテロアリール」部分が含まれている置換基は、3〜60個の炭素数を有してもよく、4〜20個の炭素数を有してもよく、4〜12個の炭素数を有してもよい。 「(C3−C60)シクロアルキル」部分が含まれている置換基は、3〜60個の炭素数を有してもよく、3〜20個の炭素数を有してもよく、3〜 7個の炭素数を有してもよい。 「(C2−C60)アルケニルまたはアルキニル」部分が含まれている置換基は、2〜60個の炭素数を有してもよく、2〜20個の炭素数を有してもよく、2〜10個の炭素数を有してもよい。
【0017】
また、本発明の有機発光化合物は、下記化学式2で表される化合物を含む。
【0018】
[化学式2]


(前記化学式2中、R、R、X及びYは、前記化学式1における定義と同一であり、
Ar乃至Arは、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルまたは下記構造から選ばれる置換基であり、Ar乃至Arは同時に水素ではなく、


乃至R10は、前記化学式1における定義と同一である。)
【0019】
前記

は、下記構造から選ばれるが、これに限定されるものではない。


(式中、R乃至R10は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、アダマンチル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルであるか、RとR、RとR及びRとR10は、縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結されて縮合環を形成してもよく、
前記R乃至R10のアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、アダマンチル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルから選ばれた一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよい。)
【0020】
また、前記Aは、化学結合であるか、下記構造から選ばれるアリーレンまたはヘテロアリーレンであるが、これに限定されるものではない。
【0021】

【0022】
(R11乃至R15は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルであるか、下記構造から選ばれる置換基であり、


乃至R10は、前記化学式1における定義と同一である。)
【0023】
また、前記R及びRは、互いに独立して、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、アダマンチル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、フェナントリル、アントリル、フルオランテニル、トリフェニレニル、ピレニル、クリセニル、ナフタセニル、ペリレニル、スピロビフルオレニル、テトラヒドロナフチル、アセナフテニル、インデニル、ピリジル、ビピリジル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キノリル、トリアジニル、ベンゾフリル、ジベンゾフリル、ベンゾチエニル、ジベンゾチエニル、ピラゾリル、インドリル、カルバゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、ピペリジニルまたはキナゾリニルから選ばれるシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであるか、下記構造から選ばれ、


前記R及びRのアリールまたはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、(C1−C60)アルコキシ、トリ(C6−C60)アリールシリルまたは(C6−C60)アリールからなる群から選ばれた一つ以上にさらに置換されてもよく、
21乃至R24は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであり、
Arは、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、フルオレニレン、フェナントリレン、アントリレン、フルオランテニレン、トリフェニレニレン、ピレニレン、クリセニレン、ナフタセニレン、ペリレニレン、スピロビフルオレニレン、テトラヒドロナフチレン、アセナフテニレン、インダニレン、ピリジルレン、ビピリジレン、ピロリレン、フリレン、チエニレン、イミダゾリレン、ベンゾイミダゾリレン、ピラジニレン、ピリミジニレン、ピリダジニレン、キノリレン、トリアジニレン、ベンゾフリレン、ジベンゾフリレン、ベンゾチエニレン、ジベンゾチエニレン、ピラゾリレン、インドリレン、カルバゾリレン、インデノカルバゾリレン、チアゾリレン、オキサゾリレン、ベンゾチアゾリレン、ベンゾオキサゾリレン、フェナントリジニレン、フェナントロリニレン、ピペリジニレン、キナゾリニレン、

または

から選ばれるアリーレンまたはヘテロアリーレンであり、
Arは、水素、(C1−C20)アルキル、(C6−C20)アリール、(C6−C20)アル(C1−C20)アルキル、(C2−C20)ヘテロアリール、(C6−C20)アル(C2−C20)アルケニルまたは(C6−C20)アル(C2−C20)アルキニルであり、
前記Arのアリーレン、ヘテロアリーレン及びArのアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、(C1−C60)アルコキシ、トリ(C6−C60)アリールシリル、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、





















または

から選ばれた一つ以上によってさらに置換されてもよく、
乃至R10は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであるか、RとR、RとR及びRとR10は、縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結されて縮合環を形成してもよく、
但し、

の炭素数の総和が19〜60個である。
【0024】
また、前記RとRがアルキレンまたはアルケニレンにより連結されて形成された

は、下記構造から選ばれるが、これに限定されない。
【0025】

【0026】
(R31乃至R33は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであるか、R31とR32は、縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結されて縮合環を形成してもよい。)
【0027】
本発明による有機発光化合物は、より具体的に下記の化合物で例示できるが、下記化合物が本発明を限定するものではない。
【0028】





























































【0029】
本発明による有機発光化合物は、例えば下記反応式1に示したように製造できるが、下記反応式に限定されるものではない。
【0030】
[反応式1]

【0031】
また、本発明は、有機太陽電池を提供して、本発明による有機太陽電池は、前記化学式1の有機発光化合物を一つ以上含むことを特徴とする。
【0032】
また、本発明は、有機発光素子を提供して、本発明による有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に介在される1層以上の有機物層と、からなる有機発光素子において、前記有機物層は、前記化学式1の有機発光化合物を一つ以上含むことを特徴とする。
【0033】
本発明による有機発光素子は、前記有機物層が発光層を含み、前記発光層は、前記化学式1の一つ以上の有機発光化合物を発光ドーパントとして、一つ以上のホストを含むことを特徴とし、本発明の有機発光素子に適用されるホストは、特に制限されないが、下記化学式3及び化学式4で表される化合物から選ばれることが好ましい。
【0034】
[化学式3]
(Ar11−L−(Ar12
【0035】
[化学式4]
(Ar13−L−(Ar14
【0036】
(前記化学式3及び化学式4中、
は、(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンであり、
は、アントラセニレンであり、
Ar11乃至Ar14は、互いに独立して、水素であるか、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルまたは(C6−C60)アリールから選ばれ、前記Ar11乃至Ar14のシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれた一つ以上の置換基を有するか有しない(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリール、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、
a、b、c及びdは、互いに独立して、0〜4の整数である。)
【0037】
前記化学式3及び化学式4のホストは、化学式5乃至化学式7で表されるアントラセン誘導体またはベンズ[a]アントラセン誘導体で例示できる。
【0038】
[化学式5]

【0039】
[化学式6]

【0040】
[化学式7]

【0041】
(前記化学式5乃至化学式7中、
101及びR102は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキルまたは(C3−C60)シクロアルキルであり、前記R101及びR102のアリールまたはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、
103乃至R106は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルまたは(C6−C60)アリールであり、前記R103乃至R106のヘテロアリール、シクロアルキルまたはアリールは、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、
及びZは、互いに独立して、化学結合であるか、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールまたはハロゲンから選ばれた一つ以上の置換基を有するか有しない(C6−C60)アリーレンであり、
Ar21及びAr22は、(C4−C60)ヘテロアリールまたは下記構造から選ばれるアリールであり、


前記Ar21及びAr22のアリールまたはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリールから選ばれた一つ以上の置換基によって置換されてもよく、
11は、(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレンまたは下記構造の化合物であり、


前記L11のアリーレンまたはヘテロアリーレンは、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールまたはハロゲンから選ばれた一つ以上によって置換されてもよく、
111、R112、R113及びR114は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであるか、隣接した置換基と縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環を形成してもよく、
121、R122、R123及びR124は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリールまたはハロゲンであるか、隣接した置換基と縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環を形成してもよい。)
【0042】
前記発光層の意味は、発光がなされる層であり、単一層でもよく、二つ以上の層が積層された複数の層でもよい。本発明の構成におけるホスト−ドーパントを混合して用いる場合、本発明の発光ホストによる発光効率の著しい改善を確認することができた。これは、0.5〜10重量%のドーピング濃度で構成することができるが、既存の他のホスト材料に比べ、正孔、電子に対する伝導性が非常に高く、物質安定性に非常に優れており、発光効率だけでなく、寿命も著しく改善させる特性を示している。
【0043】
従って、前記化学式5乃至化学式7から選ばれる化合物を発光ホストとして採択する場合、本発明の化学式1の有機発光化合物の電気的短所を相当補完する役割を果たすことができるといえる。
【0044】
前記化学式5乃至化学式7のホスト化合物は、下記構造の化合物で例示できるが、これに限定されるものではない。















【0045】
本発明の有機発光素子において、化学式1の有機発光化合物を含み、同時にアリールアミン系化合物またはスチリルアリールアミン系化合物からなる群から選ばれた一つ以上の化合物を含むことができ、アリールアミン系化合物またはスチリルアリールアミン系化合物の例として下記の化学式8の化合物があるが、これに限定されるものではない。
【0046】
[化学式8]

【0047】
(前記化学式8中、Ar31及びAr32は、互いに独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アリールアミノ、(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキルまたは(C3−C60)シクロアルキルであり、Ar31及びAr32は、縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環を形成し、
eが1である場合Ar33は、(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリールまたは下記構造から選ばれる置換基であり、




eが2である場合Ar33は、(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレンまたは下記構造から選ばれる置換基であり、




Ar34及びAr35は、互いに独立して、(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンであり、
191、R192及びR193は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであり、
fは1〜4の整数であり、gは0または1の整数であり、
前記Ar31及びAr32のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル、または前記Ar33のアリール、ヘテロアリール、アリーレンまたはヘテロアリーレン、または前記Ar34及びAr35のアリーレン及びヘテロアリーレン、またはR191乃至R193のアルキルまたはアリールは、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシルからなる群から選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよい。)
【0048】
前記アリールアミン系化合物またはスチリルアリールアミン系化合物は、より具体的に下記の化合物で例示できるが、下記化合物に限定されるものではない。
【0049】







【0050】
また、本発明の有機発光素子において、有機物層に、前記化学式1の有機発光化合物の他に、1族、2族、第4周期、第5周期遷移金属、ランタン系列金属及びd−遷移元素の有機金属からなる群から選ばれる一つ以上の金属をさらに含むこともでき、前記有機物層は、発光層の他に、電荷生成層を同時に含むことができる。
【0051】
本発明の化学式1の有機発光化合物を含む有機発光素子をサブピクセルとして、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、Au及びAgからなる群から選ばれる一つ以上の金属化合物を含むサブピクセル一つ以上を同時に並列にパターニングした独立発光方式のピクセル構造を有した有機電界発光素子を具現することもできる。
【0052】
また、前記有機物層に、前記有機発光化合物の他に、480〜560nmの波長を発光ピークとして有する化合物または560nm以上の波長を発光ピークとして有する化合物から選ばれる一つ以上を同時に含んで白色発光素子を形成することができ、480〜560nmの波長を発光ピークとして有する化合物または560nm以上の波長を発光ピークとして有する化合物は、下記化学式9乃至化学式15で例示できるが、これに限定されるものではない。
【0053】
[化学式9]

【0054】
(化学式9中、
は7族、8族、9族、10族、11族、13族、14族、15族及び16族の金属からなる群から選ばれ、リガンドL21、L22及びL23は、互いに独立して、下記構造から選ばれる。
【0055】









【0056】
(R201乃至R203は、互いに独立して、水素、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル置換または非置換の(C6−C60)アリールまたはハロゲンであり、
204乃至R219は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、(C2−C30)アルケニル、(C6−C60)アリール、モノまたはジ(C1−C30)アルキルアミノ、モノまたはジ(C6−C30)アリールアミノ、SF、トリ(C1−C30)アルキルシリル、ジ(C1−C30)アルキル(C6−C30)アリールシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル、シアノまたはハロゲンであり、前記R204乃至R219のアルキル、シクロアルキル、アルケニルまたはアリールは、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールまたはハロゲンから選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、
220乃至R223は、互いに独立して、水素、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキルまたは(C1−C60)アルキル置換または非置換の(C6−C60)アリールであり、
224及びR225は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールまたはハロゲンであるか、R224とR225は、縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結され、脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環を形成し、前記R224及びR225のアルキル、アリールまたは縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結されて形成された脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環は、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C30)アルキルシリル、トリ(C6−C30)アリールシリル及び(C6−C60)アリールから選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、
226は、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C5−C60)ヘテロアリールまたはハロゲンであり、
227乃至R229は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールまたはハロゲンであり、前記R226乃至R229のアルキル及びアリールは、ハロゲンまたは(C1−C60)アルキルによってさらに置換されてもよく、
Qは、



または

であり、R231乃至R242は、互いに独立して、水素、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキル、(C1−C30)アルコキシ、ハロゲン、(C6−C60)アリール、シアノ、(C5−C60)シクロアルキルであるか、R231乃至R242は、互いに隣接した置換基とアルキレンまたはアルケニレンにより連結され、(C5−C7)スピロ環または(C5−C9)縮合環を形成してもよく、R207またはR208とアルキレンまたはアルケニレンにより連結され、(C5−C7)縮合環を形成してもよい。)
【0057】
[化学式10]

【0058】
(前記化学式10中、
301乃至R304は、互いに独立して、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであるか、互いに隣接した置換基と縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環を形成し、前記R301乃至R304のアルキル、アリールまたは縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結されて形成された脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環は、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル及び(C6−C60)アリールから選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよい。)
【0059】
[化学式11]

【0060】
[化学式12]

【0061】
[化学式13]

【0062】
(前記化学式13中、
リガンドL24及びL25は、互いに独立して、下記構造から選ばれ、


は、2価または3価金属であり、
が2価金属である場合、hは0であり、Mが3価金属である場合、hは1であって、
Tは、(C6−C60)アリールオキシまたはトリ(C6−C60)アリールシリルであり、前記Tのアリールオキシ及びトリアリールシリルは、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールがさらに置換されてもよく、
Gは、O、SまたはSeであり、
C環は、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピリジンまたはキノリンであり、
D環は、ピリジンまたはキノリンであり、前記D環は、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル置換または非置換のフェニルまたはナフチルによってさらに置換されてもよく、
401乃至R404は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、トリ(C1−C60)アルキルシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルまたは(C6−C60)アリールであるか、隣接した置換基と(C3−C60)アルキレン、または(C3−C60)アルケニレンに結合されて縮合環を形成してもよく、前記ピリジン及びキノリンは、R401と化学結合を形成して縮合環を形成してもよく、
前記C環とR401乃至R404のアリール基は、(C1−C60)アルキル、ハロゲン、ハロゲン置換の(C1−C60)アルキル、フェニル、ナフチル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルまたはアミノ基によってさらに置換されてもよい。)
【0063】
[化学式14]

【0064】
(前記化学式14中、
Ar41及びAr42は、互いに独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アリールアミノ、(C1−C60)アルキルアミノ、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキルまたは(C3−C60)シクロアルキルであり、Ar41及びAr42は、縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環を形成し、
iが1である場合、Ar43は、(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリールまたは下記構造から選ばれる置換基であり、




iが2である場合、Ar43は、(C6−C60)アリーレン、(C4−C60)ヘテロアリーレンまたは下記構造から選ばれる置換基であり、




Ar44及びAr45は、互いに独立して、(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンであり、
491、R492及びR493は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであり、
jは1〜4の整数であり、kは0または1の整数であって、
前記Ar41及びAr42のアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールアミノ、アルキルアミノ、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル、または前記Ar43のアリール、ヘテロアリール、アリーレンまたはヘテロアリーレン、または前記Ar44及びAr45のアリーレン及びヘテロアリーレン、またはR491乃至R493のアルキルまたはアリールは、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C1−C60)アルキルオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルキルチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、(C1−C60)アルキルカルボニル、(C6−C60)アリールカルボニル、カルボキシル、ニトロ、ヒドロキシルからなる群から選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよい。)
【0065】
[化学式15]

【0066】
(前記化学式15中、
501乃至R504は、互いに独立して、水素、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロまたはヒドロキシルであるか、R501乃至R504は、隣接した置換基と縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環を形成してもよく、
前記R501乃至R504のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリールシリル、アルキルシリル、アルキルアミノ、アリールアミノ及び隣接した置換基と縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結されて形成した脂環族環及び単環若しくは多環の芳香族環は、ハロゲン、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C4−C60)ヘテロアリール、N、O及びSから選ばれた一つ以上を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリル、アダマンチル、(C7−C60)ビシクロアルキル、(C2−C60)アルケニル、(C2−C60)アルキニル、(C1−C60)アルコキシ、シアノ、(C1−C60)アルキルアミノ、(C6−C60)アリールアミノ、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリールオキシ、(C6−C60)アリールチオ、(C1−C60)アルコキシカルボニル、カルボキシル、ニトロまたはヒドロキシルから選ばれた一つ以上によってさらに置換されてもよい。)
【0067】
前記発光層に480〜560nmの波長を発光ピークとして有する化合物または560nm以上の波長を発光ピークとして有する化合物は、下記化合物で例示できるが、これに限定されるものではない。
【0068】


















































































































【0069】
本発明の有機電界発光素子において、一対の電極の少なくとも一方の内側表面に、カルコゲナイド(chalcogenide)層、ハロゲン化金属層、及び金属酸化物層から選ばれる一層(以下、これらを「表面層」という)以上を配置することが好ましい。具体的には、発光媒体層側の陽極表面にケイ素及びアルミニウムの金属のカルコゲナイド(酸化物を含む)層を、また発光媒体層側の陰極表面にハロゲン化金属層または金属酸化物層を配置することが好ましい。これにより、駆動の安定化が得られる。
【0070】
前記カルコゲナイドとしては、例えば、SiO(1≦X≦2)、AlO(1≦X≦1.5)、SiON、SiAlONなどが好ましく挙げられ、ハロゲン化金属としては、例えば、LiF、MgF、CaF、フッ化希土類金属などが好ましく挙げられ、金属酸化物としては、例えば、CsO、LiO、MgO、SrO、BaO、CaOなどが好ましく挙げられる。
【0071】
また、本発明の有機電界発光素子において、このように製造された一対の電極の少なくとも一方の表面に、電子伝達化合物と還元性ドーパントの混合領域、または正孔伝達化合物と酸化性ドーパントの混合領域を配置することも好ましい。このような方式により、電子伝達化合物が陰イオンに還元されるため、混合領域から発光媒体に電子を注入及び伝達しやすくなる。また、正孔伝達化合物は、酸化されて陽イオンになるため、混合領域から発光媒体に正孔を注入及び伝達しやすくなる。好ましい酸化性ドーパントとしては、各種ルイス酸及びアクセプター(acceptor)化合物が挙げられる。好ましい還元性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、希土類金属及びこれらの混合物が挙げられる。
【発明の効果】
【0072】
本発明による有機発光化合物は、青色の発光効率が良く、材料の寿命特性に優れており、素子の駆動寿命が非常に良好なOLED素子を製造することができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】OLED素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、本発明の詳細な理解を容易にするために、本発明の代表化合物を挙げて、本発明による有機発光化合物、その製造方法及び素子の発光特性を説明するが、これはただその実施様態を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0075】
[製造例]
[製造例1]化合物1の製造

【0076】
化合物Iの製造
丸底フラスコに、化合物a(6g、15.4ミリモル)、水素化ホウ素ナトリウム(Sodiumborohydride)(2.3g、60.7ミリモル)を入れ、エタノール(156ml)に溶かした後、3時間還流させる。反応が終了すると、フラスコに入っている溶液を氷水に入れ、エーテルで抽出する。無水硫酸マグネシウムで残りの水分を除去した後、カラムクロマトグラフィーで精製し、化合物Iを得た(6g、15.3ミリモル、収率=99.5%)。
【0077】
化合物IIの製造
丸底フラスコに、化合物I(6g、15.3ミリモル)を入れ、トリエチルホスファイト(Trietylphosphite)(50ml)に溶かした。0℃に冷却した後、ヨード(Iodine、I)(3.88g、15.2ミリモル)を添加して30分間攪拌した後、120℃に上げて12時間還流する。反応が終了すると、蒸留(distill)装置でトリエチルホスファイトを除去し、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物IIを得た(6.4g、12.2ミリモル、収率=80%)。
【0078】
化合物IIIの製造
丸底フラスコに、化合物b(2.5g、6.3ミリモル)を入れて真空乾燥した後、窒素ガスを満たす。THF(25ml)を加えて化合物bを溶かした後、−78℃に冷却させる。n−ブチルリチウム(4.7ml、7.5ミリモル)を徐々に添加した後、1時間低温を維持しながら攪拌する。−78℃でDMF(0.58ml、7.5ミリモル)を添加した後、1時間攪拌する。反応が終了すると、0℃で1M HClを添加した後、エチルアセテートで抽出し、無水硫酸マグネシウムで残りの水分を除去して乾燥させる。得られた物質をカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物IIIを得た(1.7g、5.0ミリモル、収率=80%)。
【0079】
化合物1の製造
丸底フラスコに、化合物II(2.5g、5.00ミリモル)と化合物III(1.7g、5.00ミリモル)を入れて真空乾燥した後、窒素ガスを満たす。THF(10ml)を加えて前記化合物を溶かし、0℃に冷却した後、カリウムtert−ブトキシド(t−BuOK)(5.7ml、5.7ミリモル)を徐々に添加して10分間攪拌する。温度を室温に上げた後、1時間攪拌する。反応が終了すると、エチルアセテートで抽出し、無水硫酸マグネシウムで残りの水分を除去して乾燥する。得られた物質をカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物1を得た(1.6g、2.3ミリモル、収率=50%)。
【0080】
[製造例2]化合物29の製造

【0081】
化合物IVの製造
丸底フラスコに、4−ブロモベンズアルデヒド(2.5g、13.5ミリモル)、ボロン酸(6.4g、17.6ミリモル)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.78g、6.8ミリモル)、ポタシウムカーボネート(3.73g、27ミリモル)を入れ、これに、トルエン(120mL)、水(25mL)を入れて還流攪拌する。エチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウムで残りの水分を除去して乾燥させる。得られた物質をカラムで精製し、化合物IVを得た(4.5g、収率=79%)。
【0082】
化合物29の製造
丸底フラスコに、製造例1と同様の方法で合成した化合物II(2.5g、5.00ミリモル)と化合物IV(2.1g、5.00ミリモル)を入れて真空乾燥した後、窒素ガスを満たす。THF(10ml)を上記フラスコに入れて化合物を溶かし、0℃に冷却させた後、カリウムtert−ブトキシド(5.7ml、5.7ミリモル)を徐々に添加して10分間攪拌する。温度を室温に上げた後、1時間攪拌する。反応が終了すると、エチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウムで残りの水分を除去して乾燥させる。得られた物質をカラムで精製し、化合物29を得た(1.6g、収率=50%)。
【0083】
[製造例3]化合物565の製造

【0084】
化合物Vの製造
丸底フラスコに、出発物質である(4−ブロモフェニル)メタノール(6g、32.1ミリモル)を入れ、トリエチルホスファイト(60ml)に溶かす。0℃に冷却し、ヨード(7.57g、32.1ミリモル)を添加して30分間攪拌した後、120℃に上げて12時間還流する。反応が終了すると、蒸溜装置でトリエチルホスファイトを除去し、カラムで精製して化合物Vを得た(8.4g、収率=90%)。
【0085】
化合物VIの製造
丸底フラスコに、4−(9,9−ジフェニル−9H−フルオレン−4−イル)ベンズアルデヒド(4−(9,9−diphenyl−9H−fluoren−4−yl)benzaldehyde)(6g、14.2ミリモル)、水素化ホウ素ナトリウム(2.2g、56.8ミリモル)を入れてエタノール(130ml)に溶かした後、3時間還流する。反応が終了すると、フラスコに入っている溶液を氷水に入れ、エーテルで抽出する。硫酸マグネシウムで残りの水分を除去した後、カラムで精製して中間体アルコール化合物を5.8g(収率=96%)を得た。丸底フラスコに、中間体アルコール化合物(10g、23.6ミリモル)を入れ、トリエチルホスファイト(100ml)に溶かす。0℃に冷却し、ヨード(5.97g、23.6ミリモル)を添加して30分間攪拌した後、120℃に上げて12時間還流する。反応が終了すると、蒸溜装置でトリエチルホスファイトを除去し、カラムで精製して化合物VIを得た(12.1g、収率=88%)。
【0086】
化合物VIIの製造
丸底フラスコに、化合物V(2.5g、8.6ミリモル)、アルデヒド化合物(a)(3.3g、8.6ミリモル)を入れて真空乾燥した後、窒素ガスを満たす。THF(10ml)を上記のフラスコに入れて化合物を溶かし、0℃に冷却した後、カリウムtert−ブトキシド(10ml、9.9ミリモル)を徐々に添加して10分間攪拌する。温度を室温に上げた後、1時間攪拌する。反応が終了すると、エチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウムで残りの水分を除去して乾燥させる。得られた物質をカラムで精製し、化合物VIIを得た(3g、収率=65%)。
【0087】
化合物VIIIの製造
丸底フラスコに、化合物VII(2.5g、4.6ミリモル)を入れて真空乾燥した後、窒素ガスを満たす。THF(25ml)を上記のフラスコに入れて化合物を溶かした後、−78℃に冷却させる。ブチルリチウム(2.2ml、5.5ミリモル、2.5M soulion)をフラスコに徐々に添加した後、1時間低温を維持しながら攪拌する。−78℃でDMF(0.43ml、5.5ミリモル)を添加した後、1時間攪拌する。反応が終了すると、0℃で1M HClを添加した後、エチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウムで残りの水分を除去して乾燥させる。得られた物質をカラムで精製し、化合物VIIIを得た(2g、収率=86%)。
【0088】
化合物565の製造
丸底フラスコに、化合物VI(2.5g、4.7ミリモル)、化合物VIII(2.3g、4.7ミリモル)を入れて真空乾燥した後、窒素ガスを満たす。THF(10ml)を上記のフラスコに入れて化合物を溶かし、0℃に冷却した後、カリウムtert−ブトキシド(6ml、6.1ミリモル)を徐々に添加して10分間攪拌する。温度を室温に上げた後、1時間攪拌する。反応が終了すると、エチルアセテートで抽出し、硫酸マグネシウムで残りの水分を除去して乾燥する。得られた物質をカラムで精製し、化合物565を得た(3.3g、収率=79%)。
【0089】
前記製造例1乃至3の方法を利用して、有機発光化合物1乃至化合物580を製造し、製造された有機発光化合物のH NMR及びMS/FABデータを表1に示した。
【0090】
【表1】































【実施例1】
【0091】
本発明による有機発光化合物を利用したOLED素子の製造
本発明の発光材料を利用した構造のOLED素子を製造した。
【0092】
まず、OLED用ガラス1(三星−コーニング社製造)から得られた透明電極ITO薄膜2(15Ω/□)を、トリクロロエチレン、アセトン、エタノール、蒸溜水を順に使用して超音波洗浄を行った後、イソプロパノールに入れて保管した後用いた。
【0093】
次に、真空蒸着装備の基板フォルダにITO基板を設けて、真空蒸着装備内のセルに下記構造の4,4’,4”−トリス(N,N−(2−ナフチル)−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(4,4',4”−tris(N,N−(2−naphthyl)−phenylamino)triphenylamine;2−TNATA)を入れて、チャンバー内の真空度が10−6torrに至るまで排気した後、セルに電流を印加して2−TNATAを蒸発させて、ITO基板上に厚さ60nmの正孔注入層3を蒸着した。
【0094】

【0095】
次に、真空蒸着装備内の他のセルに、下記構造のN,N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(N,N'−bis(α−naphthyl)−N、N'−diphenyl−4、4'−diamine;NPB)を入れて、セルに電流を印加してNPBを蒸発させて、正孔注入層上に厚さ20nmの正孔伝達層4を蒸着した。
【0096】

【0097】
正孔注入層、正孔伝達層を形成した後、その上に発光層を次のように蒸着した。真空蒸着装備内の一方のセルに、ホストとして下記構造のジナフチルアントラセン(dinaphthylanthracene;DNA)を入れて、また他のセルには、ドーパントとして本発明による化合物(例:化合物436)を夫々入れた後、蒸着速度を100:1として、前記正孔伝達層上に厚さ30nmの発光層5を蒸着した。
【0098】

【0099】
次に、電子伝達層6として下記構造のトリス(8−ヒドロキシルキノリン)−アルミニウム(III)(tris(8−hydroxyquinoline)−aluminum(III);Alq)を20nm厚さに蒸着した後、電子注入層7として下記構造の化合物リチウムキノレート(lithium quinolate;Liq)を1〜2nmの厚さに蒸着した後、別の真空蒸着装備を利用して、Al陰極8を150nmの厚さに蒸着してOLEDを製造した。
【0100】

【0101】
材料別に各化合物は、10−6torr下で真空昇華精製して、OLED発光材料として用いた。
【0102】
[比較例1]従来の発光材料を利用したOLED素子の製造
前記実施例1と同様の方法により、正孔注入層、正孔伝達層を形成した後、前記真空蒸着装備内の他のセルに、青色発光材料であるジナフチルアントラセン(dinaphthylanthracene;DNA)を入れて、また他のセルには、青色発光材料である下記構造の化合物Aを夫々入れた後、蒸着速度を100:1として、前記正孔伝達層上に厚さ30nmの発光層を蒸着した。
【0103】


化合物A
【0104】
次に、実施例1と同様の方法により、電子伝達層と電子注入層を蒸着した後、別の真空蒸着装備を利用して、Al陰極を150nmの厚さに蒸着してOLEDを製造した。
【0105】
[比較例2]従来の発光材料を利用したOLED素子の製造
前記実施例1と同様の方法により、正孔注入層、正孔伝達層を形成した後、前記真空蒸着装備内の他のセルに、青色発光材料であるジナフチルアントラセン(dinaphthylanthracene;DNA)を入れて、また他のセルには、他の青色発光材料である下記構造の化合物Bを夫々入れた後、蒸着速度を100:1として、前記正孔伝達層上に厚さ30nmの発光層を蒸着した。
【0106】


化合物B
【0107】
次に、実施例1と同様の方法により、電子伝達層と電子注入層を蒸着した後、別の真空蒸着装備を利用して、Al陰極を150nmの厚さに蒸着してOLEDを製造した。
【実施例2】
【0108】
製造されたOLED素子の発光特性
前記実施例1と比較例1〜2で製造された、本発明による有機発光化合物と従来の発光化合物を夫々含有するOLED素子の発光効率を、夫々1、000cd/mで測定し、下記表2に示した。
【0109】
【表2】

【0110】
前記表2に示すように、本発明の有機発光化合物は、従来の発光化合物に比べ、高い効率及び色純度を具現することができることが分かった。特に、化合物437の場合、従来の発光材料に比べて20%以上向上されたことを確認することができた。これは、従来の発光化合物に比べ、フルオレンにバルキー(bulky)な置換基、好ましくはテルフェニル(terphenyl)の中間フェニル(phenyl)に立体障害を有する置換基が二重結合によって連結される場合、フェニル間の共役長(conjugation length)を短縮する効果により、素子の発光効率は維持しながらも、発光色はより純青色に移動する効果を表すといえる。特に、テルフェニル(terphenyl)の場合、中間のフェニルに置換基を導入することにより、効果をさらに加えることができた。
【0111】
上述のように、本発明の有機発光化合物は、高効率の青色発光材料として用いられることができ、既存のフルカラーOLEDの輝度、消費電力及び寿命面において優れた長所を有している。
【符号の説明】
【0112】
1 ガラス
2 透明電極
3 正孔注入層
4 正孔伝達層
5 発光層
6 電子伝達層
7 電子注入層
8 Al陰極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される有機発光化合物。
[化学式1]


(前記化学式1中、
Aは、化学結合であるか、(C6−C60)アリーレンまたは(C2−C60)ヘテロアリーレンであり、
Arは、(C6−C40)アリーレン、(C2−C40)ヘテロアリーレンまたは

であり、
Arは、水素、(C1−C20)アルキル、(C6−C20)アリール、(C2−C20)ヘテロアリール、(C2−C20)アルケニル、(C2−C20)アルキニル、(C3−C20)シクロアルキルまたは

であり、
及びRは、互いに独立して、(C1−C60)アルキル、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一又は二つ以上のヘテロ原子を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキルまたはアダマンチルであるか、縮合環を含むか含まない(C3−C60)アルキレンまたは(C3−C60)アルケニレンにより連結され、縮合環を形成してもよく、前記アルキレンの炭素原子はO、S またはNRによって置換されてもよく、
は、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一又は二つ以上のヘテロ原子を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、アダマンチル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C1−C60)トリアルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルであり、
及びYは、互いに独立して、化学結合であるか、−(CR−、−N(R)−、−Si(R)(R)−、−O−、−S−、−Se−または−(R)C=C(R10)−であり、
乃至R10は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノ、N、O及びSから選ばれた一又は二つ以上のヘテロ原子を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、アダマンチル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルであるか、RとR、RとR及びRとR10は、縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結されて縮合環を形成してもよく、
A及びArのアリーレン、ヘテロアリーレン、Arのアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びR乃至R10のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルまたはアダマンチルは、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選ばれた一又は二つ以上のヘテロ原子を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルまたは下記構造の置換基から選ばれる一又は二つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、


mは1〜3の整数であり、
nは1〜4の整数であり、
但し、

の炭素数の総和が19〜60個である。)
【請求項2】
下記化学式2で表される請求項1に記載の有機発光化合物。
[化学式2]


(前記化学式2中、R、R、X及びYは、前記請求項1における定義と同一であり、
Ar乃至Arは、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、N、O及びSから選ばれた一又は二つ以上のヘテロ原子を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリール、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルまたは下記構造から選ばれる置換基であり、Ar乃至Arは同時に水素ではなく、


乃至R10は、前記請求項1における定義と同一である。)
【請求項3】
前記Aは、化学結合であるか、下記構造から選ばれるアリーレンまたはヘテロアリーレンであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光化合物。


(R11乃至R15は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、N、O及びSから選ばれた一又は二つ以上のヘテロ原子を含む5員乃至6員のヘテロシクロアルキル、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、(C6−C60)アリール、(C2−C60)ヘテロアリール、(C6−C60)アル(C1−C60)アルキル、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリル、トリ(C6−C60)アリールシリルであるか、下記構造から選ばれる置換基であり、


乃至R10は、前記請求項1における定義と同一である。)
【請求項4】
前記

は、下記構造から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の有機発光化合物。


(R31乃至R33は、互いに独立して、水素、(C1−C60)アルキルまたは(C6−C60)アリールであるか、R31とR32は、縮合環を含むか含まない(C3−C12)アルキレンまたは(C3−C12)アルケニレンにより連結されて縮合環を形成してもよい。)
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の有機発光化合物を含むことを特徴とする有機発光素子。
【請求項6】
有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に介在される少なくとも1層の有機物層と、からなり、前記有機物層は、一又は二つ以上の請求項1乃至4の何れか一項に記載の有機発光化合物と、下記化学式3または化学式4から選ばれる一又は二つ以上のホストと、を含むことを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
[化学式3]
(Ar11−L−(Ar12
[化学式4]
(Ar13−L−(Ar14
(前記化学式3及び化学式4中、
は、(C6−C60)アリーレンまたは(C4−C60)ヘテロアリーレンであり、
は、アントラセニレンであり、
Ar11乃至Ar14は、互いに独立して、水素であるか、(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、ハロゲン、(C4−C60)ヘテロアリール、(C5−C60)シクロアルキルまたは(C6−C60)アリールから選ばれ、前記Ar11乃至Ar14のシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールは、(C1−C60)アルキル、ハロ(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれた一又は二つ以上の置換基を有するか有しない(C6−C60)アリールまたは(C4−C60)ヘテロアリール、ハロゲン置換または非置換の(C1−C60)アルキル、(C1−C60)アルコキシ、(C3−C60)シクロアルキル、ハロゲン、シアノ、トリ(C1−C60)アルキルシリル、ジ(C1−C60)アルキル(C6−C60)アリールシリルまたはトリ(C6−C60)アリールシリルからなる群から選ばれる一つ以上の置換基によってさらに置換されてもよく、
a、b、c及びdは、互いに独立して、0〜4の整数である。)
【請求項7】
有機物層に、アリールアミン系化合物またはスチリルアリールアミン系化合物からなる群から選ばれた一又は二つ以上の化合物、または1族、2族、第4周期、第5周期遷移金属、ランタン系列金属及びd−遷移元素の有機金属からなる群から選ばれる一又は二つ以上の金属をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項8】
有機物層は、発光層及び電荷生成層を含むことを特徴とする請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項9】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の有機発光化合物を含むことを特徴とする白色発光素子。
【請求項10】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の有機発光化合物を含むことを特徴とする有機太陽電池。

【図1】
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【公表番号】特表2012−507590(P2012−507590A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534395(P2011−534395)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【国際出願番号】PCT/KR2009/006351
【国際公開番号】WO2010/050779
【国際公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【出願人】(508223435)グレイセル・ディスプレイ・インコーポレーテッド (53)
【Fターム(参考)】