説明

新規な正孔注入または輸送用物質及びこれを用いた有機発光素子

【課題】有機発光素子の寿命、効率及び熱的安定性を画期的に高められる新規な化合物、及び前記化合物が有機化合物層に含まれている有機電気発光素子を提供する。
【解決手段】下記式化1で表される化合物。


更に、電極間に挟まれる上記化合物を含有する有機化合物層からなる有機発光素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光素子の寿命、効率及び熱的安定性を画期的に高められる新規な化合物及び前記化合物が有機化合物層に含まれている有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
21世紀は高度の情報化時代とも言われ、大量の情報を容易で且つ迅速に得られることが求められる。この理由から、マルチメディア向けの高性能フラット型ディスプレイの重要性が次第に高まりつつある。今までは、フラット型ディスプレイのほとんどを液晶ディスプレイが占めていた。ところが、より経済的でかつ高性能でありながらも、液晶ディスプレイと差別化した新規なフラット型ディスプレイを開発しようとする努力が全世界的に盛んに行われている。近年、次世代のフラット型ディスプレイとして脚光を浴びている有機電気発光素子は、液晶ディスプレイに比べて低い駆動電圧、早い応答速度、高い効率及び広い視野角などの長所を有している。また、有機電気発光ディスプレイは、モジュールの全体的な厚さを2mm以内に製造することができ、0.3mm以下のプラスチック基板の上での製造が可能になることから、ディスプレイの薄型軽量化の動きにも対応し易くなるだけではなく、量産時の製造コストが液晶ディスプレイの場合よりも安価であるというメリットもある。
【0003】
有機発光素子は、有機化合物よりなる有機物薄膜に陰極と陽極より注入された電子と正孔が励起子を形成し、このように形成された励起子から特定の波長の光が発せられる原理を用いたものであって、1965年にポープらによってアントラセンの単結晶から有機発光物質が始めて発見された。次いで、1987年にコダック社のタングによって有機材料を正孔輸送層と発光層の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機電気発光素子が開発された。これは、10V以下の低電圧にも拘わらず、1,000cd/m以上と高い発光輝度が得られるということから、ディスプレイ分野において大きな関心を集め始めた(Tang,C.W.;VanSlyke,S.A.Appl.Phys.Lett.1987,51,913)。この種の有機電気発光素子は、大きく蛍光を用いる方式と、理論的に蛍光効率の3倍まで示せる燐光を用いる方式とに大別できる。さらに、有機電気発光素子をなす物質の分子量によって、真空昇華の工程により素子を形成する低分子方式と、スピンコートやインクジェットプリント、ロール−コートなどの溶液工程を用いる高分子方式とに大別できる。
【0004】
通常の有機電気発光素子は、図1に示すように、陽極、正孔を陽極から受け入れる正孔注入層、正孔を搬送する正孔輸送層、正孔と電子が結合して発光する発光層、電子を陰極から受け入れて発光層に伝える電子輸送層、及び陰極よりなる。これらの薄膜層は真空蒸着法により形成されるが、有機電気発光素子を多層薄膜構造に製作する理由は、有機物質の場合に正孔の移動速度が電子の移動速度よりも遥かに高いため、適宜な正孔輸送層と電子輸送層を用いることにより、正孔と電子が発光層に効率よく伝えられ、且つ、発光層における正孔と電子間の密度にバランスを取らせる結果、発光効率を高められるからである。
【0005】
図1に基づき、従来の有機電気発光素子について説明すれば、下記の通りである。
【0006】
基板1は有機電気発光素子の支持体であって、基板としては、シリコンウェーハ、石英またはガラス板、金属板、プラスチック膜やシートなどが使われる。ここで、好ましくは、ガラス板やポリエステル、ポリメタクリレート、ポリスルホンなどの透明な合成樹脂製の板が使われる。
【0007】
基板1の上には、第1電極(陽極)2が設けられる。陽極は、正孔注入層3に正孔を注入するものであって、アルミニウム、金、銀、ニッケル、パラジウム、白金などの金属、インジウム−錫酸化物、インジウム−亜鉛酸化物などの金属酸化物、ハロゲン化金属、カーボンブラック、またはポリ(3−メチルチオフェン)、ポリピロール、ポリアニリンなどの伝導性高分子などが使われる。
【0008】
この陽極2の上には正孔注入層3が設けられる。この正孔注入層の物質には、陽極からの正孔注入の効率が高いこと、及び注入された正孔が効率良く輸送可能なことが求められる。このためには、イオン化電位が低く、且つ、可視光線に対する透明性が高いほか、正孔に対する安定性に優れていることが必須となる。
【0009】
正孔を注入する正孔注入物質として、陽極と安定した界面を保持しつつ熱的安定性に優れている化合物が使われる。その代表例としては、アメリカのコダック社により研究されてアメリカ特許第4,356,429号公報に開示されたポルフィリン系の銅錯化合物であるフタロシアニン(CuPc)が挙げられる。正孔注入層としては、CuPcが最も安定的であるために広く使われてきたものの、青色及び赤色領域における吸収が見られるため、フルカラーディスプレイの製作の場合に問題点として指摘されていた。このため、最近には、青色領域における吸収が見られない星形の芳香族アリールアミン系化合物が使われている(アメリカ特許第5,256,945号公報、日本特開1999−219788号公報、及び化学式4−12参照)。特に、青色領域における吸収が見られない星形のアミン類のうち、ガラス転移温度が100℃以上と安定性に優れている下記式8−12の物質が使われている。
【化1−1】

【化1−2】

【0010】
近年、ガラス転移温度がより高くて熱的安定性に優れている正孔注入物質が多数報告されているが、これらの物質のほとんどは、コダック社において正孔輸送物質として開発されたNPBから誘導された化合物であり、これらの物質は化学式13−17で表わされる(日本特開平9−301934号公報、アメリカ特許6,334,283号公報及び6,541,129号公報)。
【化2】

【0011】
また、日本特開2003−238501号公報には、1分子内に5以上の窒素原子を有する芳香族オリゴアミン誘導体が開示されている(化18,19)。
【化3】

【0012】
これらの以外にも、最近、日本特開2003−317966号公報及びアメリカ特許6,660,410号公報にカーバゾル基を含む物質が開示されているが、これらの物質は、燐光を用いた有機発光素子の発光層を形成するためのホストとして用いられることを特徴とし、既存のカーバゾルビフェニル(CBP)に比べて寿命が延びるということが主張されている(化20)。正孔注入層として使われる化合物は、下記式21−27で表わされる。
【化4】

【0013】
正孔注入層3の上には正孔輸送層4が設けられる。この正孔輸送層は、正孔注入層から正孔を受けてその上に位置する有機発光層5に輸送する役割を果たし、高い正孔移動度と正孔に対する安定性を有し、電子を遮断する役割をも果たす。このような通常の要求条件のほかに車体表示用として応用する場合、素子に対する耐熱性があることが要されるため、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上の値を有する材料が好適に用いられる。かかる条件を満たす物質としては、NPB、スピロ−アリールアミン系化合物、フェリレン−アリールアミン系化合物、アザシクロヘプタトリエン化合物、ビス(ジフェニルビニールフェニル)アントラセン、シリコンゲルマニウムオキシド化合物、シリコン系アリールアミン化合物などがある。
【0014】
一方、正孔輸送層用有機単分子物質としては、高い正孔移動速度と電気的な安定性に優れているアリールアミン系が代表的に使われる。アリールアミン系物質の熱的安定性を高めるためのものとして、ナフチル置換体やスピロ基を導入した正孔輸送物質が報告されている(アメリカ特許第5,554,459号公報及び5,840,217号公報)。初期の正孔輸送層有機物質としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(TPD)が頻繁に使われていた。しかし、これは60℃以上では不安定であるために、ガラス転移温度がより高いN−ナフチル−N−フェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(NPD)系またはより多くの芳香族基が置換されたアミン類が使われている。特に、正孔輸送層有機単分子物質は、正孔移動速度が速い必要がある。さらに、これは、発光層と接して界面を形成するため、正孔輸送層−発光層の界面励起子の発生を抑えるためにイオン化ポテンシャルが正孔注入層と発光層との間の適正値を有する必要もあり、しかも、発光層から送られてくる電子を適宜に制御する能力が要される。
【0015】
正孔輸送層4の上には有機発光層5が設けられる。この有機発光層5は、陽極と陰極からそれぞれ注入された正孔と電子が再結合して発光する層であって、量子効率が高い物質よりなる。
【0016】
正孔と電子が結合して発光する発光層用有機単分子は、機能的な側面から、ホスト物質とゲスト用物質とに大別できる。通常、ホスト用またはゲスト用物質は単独で発光できるが、効率及び輝度が低く、同じ分子間のセルフパッキング現象のために各分子固有の特性ではなく、エキシマー特性が共に現れてしまうため、ホストにゲストをドープしてこれらの問題を補完している。
【0017】
まず、緑色発光層としては、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム塩(Alq)が独占的に使われており、効率を高めるためにキナクリドンやC545tなどの量子効率が高い物質をドープして用いる。青色発光層用有機物質は緑色発光体であるAlqに比べて融点が低くて初期状態の発光安定性に劣っており、寿命が短いという不都合を有している。また、ほとんどの青色発光層用物質は、純粋な青色ではなく薄青色を帯びるために、依然としてフルカラー化ディスプレイには不向きであり、緑色の場合のように発光効率を高めるためにフェリレンやジストリル系(DSA)アミンなどをドープして用いる。代表的な青色発光層用有機物質としては、芳香族炭化水素、スピロ型物質、アルミニウムを含む有機金属化合物、イミダゾール基を有する異型環化合物、ヒューズされた芳香族化合物などがあるが、これらはアメリカ特許第5,516,577号公報、5,366,811号公報、5,840,217号公報、5,150,006号公報及び5,645,948号公報に開示されている。赤色発光層の場合、バンドギャップが狭い赤色発光特性を示すことから、多量の緑色発光物質に赤色発光物質を少量ドープして用いているが、分子構造上の不都合のために依然として長寿命化に妨げとなっている。
【0018】
有機発光層5の上に設けられた電子輸送層6には、陰極7(第2電極)からの電子注入効率が高く、且つ、注入された電子を効率良く輸送できる物質が必要である。このためには、電子親和力と電子移動速度が高くて電子に対する安定性に優れている物質である必要がある。このような条件を充足する材料としては、テトラフェニルブタジエンなどの芳香族化合物(日本特開昭57−51781号公報)、8−ヒドロキシキノリンのアルミニウムなどの金属錯剤(日本特開昭59−194393号公報)、10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリンの金属錯剤(日本特開平6−322362号公報)、シクロペンタジエン誘導体(日本特開平2−289675号公報)、ビススチリルベンゼン誘導体(日本特開平1−245087号公報及び2−222484号公報)、フェリレン誘導体(日本特開平2−189890号公報及び3−791号公報)、p−フェニレン誘導体(日本特開平3−33183号公報, 日本特開平11−345686号公報 )、オキサゾール誘導体などが挙げられる。
【0019】
また、電子輸送層用有機単分子物質としては、電子に対する安定度と電子移動速度が相対的に高い有機金属錯剤が好適な候補物質として挙げられる。中でも、安定性に優れ、且つ、電子親和度が高いAlqが最適なものとして報告されている。さらに、電子輸送用物質としては、チッソ社により発表されたフラボンやシロール系の物質などが既に公知されている。
【0020】
これらの他に、電子注入層用有機物質としては特に目立つ候補物質がなく、主として電子輸送層用物質と陰極用金属を混合して用いる方法と、リチウムフルライド(LiF)などの無機物が使われている。
【0021】
陰極7は、有機発光層5に電子を注入する役割を果たす。陰極として用いる材料としては、前記陽極2に使われた材料がそのまま使用可能であるが、効率的な電子注入のためには仕事関数が低い金属を用いることが好ましく、より好ましくは、リチウム、セシウム、ナトリウム、錫、マグネシウム、インジウム、カルシウム、アルミニウム、銀などの適宜な金属、またはこれらの合金が使われる。
【0022】
しかしながら、前記それぞれの層に対する適宜な有機単分子物質を用いた有機電気発光ディスプレイは、全体的に素子の寿命が短く、保存耐久性及び信頼性が低いという不都合を有している。これらの原因としては、有機物質の物理化学的な変化、光化学的及び電気化学的な変化、陰極の酸化や剥離現象及び有機化合物の溶融、結晶化、熱分解現象などが挙げられる。
【発明の開示】
【0023】
従来の技術から分かるように、CuPCなどの有機金属錯剤とアリールアミン系及びカーバゾル基を含む正孔注入物質は、フルカラーの実現に難点を有するか、或いは、素子の安定性に不都合を抱いている。
【0024】
これを解決するために、本発明者らは、下記式1で表わされるカーバゾル基を含む新規な有機物質を合成し、この新規な物質を正孔注入及び輸送物質として適用した結果、既存の物質よりも効率性、素子の寿命特性及び熱的安定性に一層優れた結果を得るのに成功し、本発明はこれに基づくものである。
【0025】
また、前記従来の技術から分かるように、有機電気発光素子は、有機単分子物質の構造を適宜に変えて任意の発光色を得ることが可能であり、ホストゲストシステムによる各種の高効率の有機電気発光素子が提案されてはいるものの、実用化のレベルでの使用時に満足のいく輝度特性、寿命特性及び耐久性が得られ難いのが現状である。そこで、本発明の目的は、上記事情に鑑み、発光効率、安定性及び素子の寿命特性を画期的に高められる新規な正孔注入及び輸送層用物質とこれを用いた有機電気発光素子を提供するところにある。
【0026】
本発明の他の目的は、高いガラス転移温度を有し、熱的安定性に優れているほか、真空蒸着工程に要される昇華性を有する物質を提供するところにある。
【0027】
本発明は、下記式1で表わされる有機化合物及び前記化合物が有機化合物層に含まれている有機電気発光素子を提供する。
【化5】

前式中、R1ないしR10は互いに同一または互いに独立的であり、それぞれ水素原子と、炭素数1−20の脂肪族炭化水素と、芳香族炭化水素、またはニトロ、ニトリル基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基またはアミノ基に置換された芳香族炭化水素と、芳香族置換体を有するシリコン基と、ヘテロ環芳香族炭化水素、またはニトロ、ニトリル基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基またはアミノ基に置換されたヘテロ環芳香族炭化水素と、炭素数1−20の炭化水素または炭素数6−24の芳香族炭化水素に置換されたチオフェン基と、または芳香族炭化水素に置換されたホウ素基と、よりなる群から選ばれた1種以上を1回または2回以上繰り返して含み、前記Arは、芳香族炭化水素またはニトロ、ニトリル基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基またはアミノ基に置換された芳香族炭化水素である。
【0028】
前式中、l,m及びnはそれぞれ1以上の整数であり、oは0以上の整数である。好ましくは、前記1,m,nは何れも1であり、oは0である。但し、R1,R2,R3,R4,R5及びR6がいずれも水素原子であり、前記Dも水素原子である場合は除かれる。
【0029】
前記芳香族炭化水素はフェニル、ビフェニル、テルフェニルなどの単環芳香族化合物、及びナフチル、アントラセニル、ペナントレン、ピレニル、ペリレニルなどの多環芳香族化合物などを含む。また、前記ヘテロ芳香族炭化水素は、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジル、ピリダジル、ピラジン、キノリン、イソキノリンなどを含む。
【0030】
好ましくは、前記式1で表わされる化合物は、下記式2aないし2eのうち何れかの化学式で表わされる。
【化6−1】

【化6−2】

【0031】
より好ましくは、前記化合物は、下記式3aないし3nのうち何れかで表わされる化合物でありうる。
【化7−1】

【化7−2】

【化7−3】

【0032】
前記式2aないし2e及び前記式3aないし3nにおいて、R1ないしR8は化1における定義と同様である。
【0033】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0034】
前記式1、2または3で表わされる有機化合物は、正孔注入及び輸送能を有する物質であって、これらは有機発光素子において正孔注入、正孔輸送及び発光のうち少なくとも何れかの作用が行える。
【0035】
具体的に、前記化合物はカーバゾル基を含む化合物であって、これらは正孔を容易に受け入れて輸送できるが、これは、前記カーバゾル基に存在する環構造及びカーバゾル基に結合されたアリール基の存在に起因することと考えられる。このため、前記化合物を含む有機物層は、正孔注入層や正孔輸送層として機能でき、前記化合物内において正孔と電子が結合されて発光する発光層としても機能できる。このため、前記化合物は、正孔注入、正孔輸送及び発光のうち少なくとも何れかの作用が行え、有機発光素子において前記化合物を含む層は、正孔注入層、正孔輸送層及び発光層のうち少なくとも何れかの層として作用可能である。さらに、これらは有機発光素子において正孔注入−輸送層、正孔注入−輸送−発光層として使用できる。
【0036】
より詳細には、前記化合物は、前記カーバゾル基のアリール基または前記カーバゾル基に結合された置換基としてのアリール基及びカーバゾル基によって正孔を安定的に受け入れて輸送可能になると考えられる。また、前記カーバゾル基に結合された置換基は、アミン基由来の置換基であって、かかる置換基は正孔の流れを妨げることなく正孔の移動及び本発明の化合物の構造を安定的に保持する。したがって、前記化合物を含む有機発光素子は、素子の安定性に優れている結果、寿命が長い。
【0037】
さらに、前記化合物の置換基であるR1−R10は、前記式の化合物が有機発光素子のうち有機物層において一定の機能が行える限り、他の置換基である場合にも本発明の範ちゅうに属するといえる。例えば、R1−R10がアルキル基であるか、あるいは、アルキル基に置換された置換体である場合、アルキル基の長さは特に制限されない。化合物中に含まれているアルキル基の長さは、化合物の共役長さには影響しないため、化合物の波長や素子の特性には直接的に影響しない。但し、付随的に化合物の有機発光素子への適用法、例えば、真空蒸着法または溶液塗布法の適用に影響することはある。このため、化学式に含まれるアルキル基の長さは、特に制限されない。
【0038】
前記式のR1−R10において、前記芳香族化合物の例としては、フェニル、ビフェニル、テルフェニルなどの単環芳香族化合物、及びナフチル、アントラセニル、ピレニル、ペリレニルなどの多環芳香族化合物などが挙げられる。前記ヘテロ芳香族化合物の例としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジル、ピリダジル、ピラジン、キノリン、イソキノリンなどがある。
【0039】
前記炭素数1ないし20の脂肪族炭化水素は、直鎖型の脂肪族炭化水素と分枝鎖型の脂肪族炭化水素を何れも含み、これらの例としては、メチル基、エチル基、ノーマルプロピル基、イソプロピル基、ノーマルブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、テルブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基と、スチリルなどの2重結合を有するアルケニル基、及びアセチレン基などの3重結合を有するアルキニル基がある。
【0040】
前記化合物の非制限的な例として、下記式28−260で表わされる化合物がある。
【化8−1】

【化8−2】

【化8−3】

【化8−4】

【化8−5】

【化8−6】

【化8−7】

【化8−8】

【化8−9】

【化8−10】

【化8−11】

【化8−12】

【化8−13】

【化8−14】

【化8−15】

【化8−16】

【化8−17】

【化8−18】

【化8−19】

【化8−20】

【化8−21】

【化8−22】

【化8−23】

【化8−24】

【化8−25】

【化8−26】

【化8−27】

【化8−28】

【化8−29】

【化8−30】

【0041】
前記式で表わされる有機化合物は、出発物質から3段階ないし8段階を経て合成可能である。このような合成法の一例として、前記化合物は、カーバゾルから製造できる。まず、カーバゾルをハロゲン原子またはハロゲン化ベンゼンにより処理してハロゲン及び/またはハロゲン化ベンゼンに置換された出発物質を製造した後、ここに前記式1のA,B,C,DまたはR1−R10に相当する物質を導入して前記出発物質のハロゲン原子と置換することにより、前記化合物を製造することができる。前記製造に当たり、触媒を用いることがある。前記ハロゲン原子には特に制限がなく、通常、ブロモ、塩素などを容易に使用することができる。
【0042】
この技術分野における当業者であれば、本発明による化合物の構造式に基づいて適宜な合成法が類推できるであろう。
【0043】
物質の代表的な合成例については、実施例の欄において一層詳細に説明する。
【0044】
図1は、有機電気発光素子の一実施の形態を示すものであり、本発明による前記式で表わされる有機化合物は、陽極と陰極との間の有機化合物層、つまり、正孔注入層、正孔輸送層、及び発光層のうち少なくとも何れかの層に含まれて使用できる。具体的に、正孔注入層、正孔輸送層、正孔注入及び輸送層、または正孔注入−輸送及び発光層に使用できる。
【0045】
一方、CBPなどのエネルギーバンドギャップが高いホスト物質にフェニルピリジンイリジウムなどの有機燐光物質をドープすることにより、高い効率を持つ素子を得るのに成功した。この結果は、今までのシングレット−シングレット転移による限界効率をトリプレット−シングレット転移により克服した例であって、本発明において提案する新規な正孔注入物質を燐光発光ホスト物質として適用する場合、一層高い発光効率と長い寿命を有する有機電気発光素子を得ることができる(C.Adachi,M.A.Baldo,and S.R.Forrest,Applied Physics Letter,77,904,2000.,C.Adachi,M.A.Baldo,S.R.Forrest,S.Lamansky,M.E.Thompsom,and R.C.Kwong,Applied Physics Letter,78,1622,2001)。
【0046】
本発明に従い前記式1−3及び28−260で表わされる有機化合物が有機物層に適用された有機電気発光素子は、効率特性と寿命特性が画期的に高められ、且つ、優れた素子安定性を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
前記式1に代表される有機化合物の合成方法とこれを用いた有機電気発光素子の製造は、後述する実施例及び比較例によって一層明らかになる。しかし、これらの実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲がこれらに限定されることはない。
【0048】
前記式1で表わされる化合物を合成するために、下記式aないしhで表わされる化合物を出発物質として使用することができる。
【化9】

前式中、Xはハロゲン原子を表わす。このとき、前記ハロゲン原子には特に制限はない。この実施例においては、前記式a−hにおいてXがBrであるものを出発物質として選択し、これらの製造は下記の製造例1ないし8に例示されている。
【0049】
<製造例1>前記式aで表わされる出発物質の製造
カーバゾル(5.00g,29.9mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(9.30g,32.9mmol)、KCO(16.5g,120mmol)、Cu(3.80g,59.8mmol)及び18−クラウン−6(0.40g,1.49mmol)を50mLのo−ジクロロベンゼンにおいて15時間還流した。反応が終わった後、実温に冷却させて沈殿物をろ過した。ろ過液を3回水洗いしてMgSOにより乾燥させた後、反応液を減圧下にて濃縮させた。反応混合液をカラムクロマトグラフィにより精製して出発物質である前記式aの化合物(5.85g,61%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)8.13−8.11(d,2H),7.71−7.69(d,2H),7.44−7.21(m,8H);MS[M+H]322
【0050】
<製造例2>前記式bで表わされる出発物質の製造
カーバゾル(5.00g,29.9mmol)、1−ブロモ−3−ヨードベンゼン(9.30g,32.9mmol),KCO(16.5g,120mmol),Cu(3.80g,59.8mmol)及び18−クラウン−6(0.40g,1.49mmol)を50mLのo−ジクロロベンゼンにおいて15時間還流した。反応が終わった後、実温に冷却させて沈殿物をろ過した。ろ過液を3回水洗いしてMgSOにより乾燥させた後、反応液を減圧下にて濃縮させた。反応混合液をカラムクロマトグラフィにより精製して出発物質である前記式bの化合物(5.85g,61%)を得た。MS[M+H]322
【0051】
<製造例3>前記式cで表わされる出発物質の製造
化学式aで表わされる出発物質(1.50g,4.66mmol)をジメチルホルムアミド(DMF,20mL)に溶解させてN−ブロモスクシンアミド(NBS,1.82g,10.2mmol)を入れた。反応混合物を50〜60℃において2時間反応させた後、水(15mL)を加えた。このようにして得られた沈殿物をろ過して水洗いした後、ジクロロメタン/n−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、出発物質である前記式cの化合物(1.93g,86%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)8.17(s,2H),7.75−7.74(d,2H),7.51−7.48(d,2H),7.38−7.35(d,2H),7.22−7.19(d,2H);MS[M+H]478
【0052】
<製造例4>前記式dで表わされる出発物質の製造
前記式bで表わされる出発物質(1.50g,4.66mmol)をジメチルホルムアミド(DMF、20mL)に溶解させてN−ブロモスクシンアミド(NBS,1.82g,10.2mmol)を入れた。反応混合物を50〜60℃において2時間反応させた後に水(15mL)を加えた。このようにして得られた沈殿物をろ過して水洗いした後、ジクロロメタン/n−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、出発物質である前記式dの化合物(1.93g,86%)を得た。MS[M+H]478
【0053】
<製造例5>前記式eで表わされる出発物質の製造
2,5−ジブロモニトロベンゼン(12.0g,42.7mmol)をジメチルホルムアミド(DMF,80mL)に溶解させてCu(6.0g,93.94mmol)を入れた後、反応混合物を120℃において3時間反応させた。これを実温まで冷却させた後、未溶解部分をろ過してろ液を濃縮させた。次いで、これをエタノールにより再結晶化させて4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(10.2g,60%)を得た。MS[M+]354
4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(6.1g,15.17mmol)をHCl 30ml/EtOH 75mlにおいて攪拌し、錫粉末 (7.2g,60.68mmol)を入れて24時間還流させた。これを実温まで冷却させた後、10%のNaOH溶液により中和し、エタノールにより再結晶化して4,4’−ジブロモ−2,2’−ジアミノビフェニル(3.5g,67%)を得た。MS[M+H]341
4,4’−ジブロモ−2,2’−ジアミノビフェニル(3.5g,10.23mmol)をリン酸に溶解させ、190℃において24時間加熱した。これを実温まで冷却させ、反応物をNaHCO(aq)に徐々に加えると、固体が得られる。これをろ過して前記式eの化合物2,7−ジブロモカーバゾル(2.2g,66%)を得た。MS[M+]323
【0054】
<製造例6>前記式fで表わされる出発物質の製造
3,6−ジブロモカーバゾル(1.63g,5.00mmol)、4−ブロモフェニルボロン酸(2.95g,15.0mmol)、2M炭酸カリウム溶液(10mL)及びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(29.0mg,0.25mmol)にTHF 100mLを加えた。前記混合物を還流状態で約24時間攪拌した後、実温まで冷却させた。反応混合液をトルエンと塩水に加えた後、トルエン層を分離してMgSOにより乾燥及びろ過した後、濃縮させた。反応混合液をカラムクロマトグラフィにより精製して出発物質である前記式fの化合物(1.15g,48%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)10.1(s,1H),7.77(s,2H),7.49−7.46(m,6H),7.37(d,4H),7.30(d,2H);MS[M+H]476
【0055】
<製造例7>前記式gで表わされる出発物質の製造
化学式f(1.43g,3.00mmol)、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン(1.87g,6.60mmol)、KCO(3.32g,24mmol)、Cu(0.76g,12.0mmol)及び18−クラウン−6(0.08g,0.30mmol)を10mLのo−ジクロロベンゼンにおいて15時間還流した。反応が終わった後、実温まで冷却させて沈殿物をろ過した。ろ過液を3回水洗いし、MgSOにより乾燥させた後、反応液を減圧下にて濃縮させた。反応混合液をカラムクロマトグラフィにより精製して出発物質である前記式gの化合物(1.02g,54%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)7.77(s,2H),7.49−7.40(m,8H),7.37(d,4H),7.30(d,2H),7.20(d,2H);MS[M+H]630
【0056】
<製造例8>前記式hで表わされる出発物質の製造
化学式c(2.40g,5.00mmol)、4−ブロモフェニルボロン酸(3.94g,20.0mmol)、2M炭酸カリウム溶液(20mL)及びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(58.0mg,0.50mmol)にTHF 100mLを加えた。前記混合物を還流状態で約24時間攪拌した後、実温まで冷却させた。反応混合液をトルエンと塩水に加えた後、トルエン層を分離してMgSOにより乾燥してろ過した後、濃縮させた。反応混合液をカラムクロマトグラフィにより精製して出発物質である化学式hの化合物(2.09g,59%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)7.77(s,2H),7.50−7.46(m,10H),7.37(m,6H),7.30(m,4H);MS[M+H]706
【0057】
<実施例1>化学式61で表わされる化合物の製造
化学式c(1.00g,2.08mmol)、ジフェニルアミン(1.16g,6.86mmol),pd(dba)(0.125g,0.13mmol),P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式61の化合物(1.16g,75%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.78(d,2H),6.96(m,14H),7.12(m,6H),7.25(s,2H),7.5−7.51(m,14H),7.65(d、2H);MS[M+H]745
【0058】
<実施例2>化62で表わされる化合物の製造
前記式c(1.00g,2.08mmol)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(1.50g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式62の化合物(1.46g,79%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.78(d,2H),6.96−7.12(m,14H),7.25(s,2H),7.5−7.51(m,8H),7.65−7.66(m,8H),7.80−7.81(m,6H),8.11−8.12(m,6H);MS[M+H]895
【0059】
<実施例3>前記式63で表わされる化合物の製造
前記式c(1.00g,2.08mmol)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(1.50g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式63の化合物(1.21g,65%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.78(d,2H),6.96−7.0(m,8H),7.12(m,3H),7.25−7.29(m,8H),7.51−7.73(m,16H),7.94−8.05(m,9H);MS[M+H]895
【0060】
<実施例4>前記式64で表わされる化合物の製造
前記式c(1.00g,2.08mmol)、N−フェニル−(9−フェナントレニル)アミン(1.85g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式64の化合物(0.93g,43%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.78(d,2H),6.96−6.97(m,8H),7.12(t,3H),7.25(s,2H),7.41(m,3H),7.5−7.51(m,8H),7.65(d, 2H),8.32−8.38(m,12H),8.62(d,6H),9.43(m,6H);MS[M+H]1045
【0061】
<実施例5>前記式65で表わされる化合物の製造
前記式c(1.00g,2.08mmol)、N−フェニル−(9−anthrenyl)アミン(1.85g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式65の化合物(1.24g,57%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.78(d,2H),6.96−6.6.98(m,8H),7.12(t,3H),7.23(s,2H),7.5−7.51(m,8H),7.65−7.66(m,7H),7.81−7.84(m,10H),8.14−8.15(m,12H);MS[M+H]1045
【0062】
<実施例6>前記式68で表わされる化合物の製造
前記式c(1.00g,2.08mmol)、ジ−(1−ナフチル)アミン(1.85g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式68の化合物(1.04g,48%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.78(d,2H),7.0−7.05(m,8H),7.25(s,2H),7.50−7.66(m,16H),7.80−7.81(m,12H),8.11−8.16(m,12H);MS[M+H]1045
【0063】
<実施例7>前記式69で表わされる化合物の製造
前記式c(1.00g,2.08mmol)、ジ−(2−ナフチル)アミン(1.85g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式68の化合物(0.89g,41%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.78(d,2H),7.0(d,2H),7.26−7.29(m,14H),7.5−7.53(m,16H),7.94−8.05(m,18H);MS[M+H]1045
【0064】
<実施例8>前記式71で表わされる化合物の製造
前記式c(1.50g,3.13mmol)、p,p’−ジトリアミン(ditolyamine)(2.03g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式71の化合物(1.31g,50%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)2.55(s,18H),6.48−6.70(m,16H),6.95−7.01(m,14H),7.2−7.35(m,4H);MS[M+H]829
【0065】
<実施例9>前記式72で表わされる化合物の製造
前記式c(1.50g,3.13mmol)、m,m’−ジトリアミン(1.96ml,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式72の化合物(1.55g,60%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)2.55(s,18H),6.48−6.70(m,16H),6.95−7.01(m,14H),7.2−7.35(m,4H);MS[M+H]829
【0066】
<実施例10>前記式89で表わされる化合物の製造
前記式c(1.50g,3.13mmol)、3−メチルジフェニルアミン(1.88g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式89の化合物(1.62g,66%)を得た。MS[M+H]787
【0067】
<実施例11>前記式95で表わされる化合物の製造
前記式c(1.50g,3.13mmol)、N−(3−メチルフェニル)−1−ナフチルアミン(2.40g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式95の化合物(1.92g,65%)を得た。MS[M+H]937
【0068】
<実施例12>前記式96で表わされる化合物の製造
前記式c(1.50g,3.13mmol)、N−(4−メチルフェニル)−1−ナフチルアミン(2.40g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式96の化合物(1.92g,65%)を得た。MS[M+H]937
【0069】
<実施例13>前記式101で表わされる化合物の製造
前記式c(1.50g,3.13mmol)、N−(3−メチルフェニル)−2−ナフチルアミン(2.40g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式101の化合物(1.92g,65%)を得た。MS[M+H]937
【0070】
<実施例14>前記式102で表わされる化合物の製造
前記式c(1.50g,3.13mmol)、N−(4−メチルフェニル)−2−ナフチルアミン(2.40g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式102の化合物(1.92g,65%)を得た。MS[M+H]937
【0071】
<実施例15>前記式113で表わされる化合物の製造
前記式d(1.00g,2.08mmol)、ジフェニルアミン(1.16g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式113の化合物(1.16g,75%)を得た。MS[M+H]745
【0072】
<実施例16>前記式114で表わされる化合物の製造
前記式d(1.00g,2.08mmol)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(1.50g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式114の化合物(1.46g,79%)を得た。MS[M+H]895
【0073】
<実施例17>前記式115で表わされる化合物の製造
前記式d(1.00g,2.08mmol)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(1.50g,6.86mmol)、pd(dba)(0.125g,0.13mmol)、P(t−Bu)(0.04g,0.2mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.80g,18.7mmol)をキシレン(40mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式115の化合物(1.21g,65%)を得た。MS[M+H]895
【0074】
<実施例18>前記式116で表わされる化合物の製造
前記式d(1.50g,3.13mmol)、3−メチルジフェニルアミン(1.88g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式116の化合物(1.62g,66%)を得た。MS[M+H]787
【0075】
<実施例19>前記式120で表わされる化合物の製造
前記式d(1.50g,3.13mmol)、N−(3−メチルフェニル)−1−ナフチルアミン(2.40g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式120の化合物(1.92g,65%)を得た。MS[M+H]937
【0076】
<実施例20>前記式121で表わされる化合物の製造
前記式d(1.50g,3.13mmol)、N−(3−メチルフェニル)−2−ナフチルアミン(2.40g,10.3mmol)、pd(dba)(0.19g,0.21mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.31mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.05g,10.96mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式121の化合物(1.92g,65%)を得た。MS[M+H]937
【0077】
<実施例21>前記式192で表わされる化合物の製造
1)前記式e(5.0g,15.38mmol)、ジ-テルト-ブチル-ジカーボネート(5.04g,23.08mmol)を50mLのTHFに溶解させて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.54mmol)を入れ、実温において24時間反応させた。反応が終わった後、反応液を濃縮させてエタノールにより再結晶させ、生成物(6.16g,94%)を得た。
2)前記1)により得られた物質(6.16g,14.49mmol)、ジフェニルアミン(5.89g,34.78mmol)、ソジウムテルト−ブトキシド(4.18g,43.47mmol)、pd(dba)(0.17g,0.29mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.29mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、化合物(5.88g,67%)を得た。
3)2)により得られた物質(5.88g,9.77mmol)をトリフルオロアセト酸/クロロホルム=50ml/50mlに溶解させて3時間還流させた。実温まで冷却させ、NaOH水溶液によりクエンチすることによりMCとして抽出した後、多数回水洗いした。次いで、結果物をマグネシウムサルフェートにより乾燥及び蒸発させた後、クルード副産物をカラムクロマトグラフィ(EA/Hex=1/9)により精製して化合物(2.9g,59%)を得た。
4)前記3)により得られた物質(2.9g,5.78mmol)、4−ブロモフェニル−ジフェニルアミン(1.36g,4.21mmol)、pd(dba)(0.05g,0.084mmol)、P(t−Bu)(0.017g,0.084mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.21g,12.63mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式192の化合物(1.5g,49%)を得た。MS[M+H]745
【0078】
<実施例22>前記式193で表わされる化合物の製造
1)前記式e(5.0g,15.38mmol)、ジ-テルト-ブチル-ジカーボネート(5.04g,23.08mmol)を50mlのTHFに溶解させて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.54mmol)を入れ、実温において24時間反応させた。反応が終わった後、反応液を濃縮させてエタノールにより再結晶化を行い、生成物(6.16g,94%)を得た。
2)前記1)により得られた物質(6.16g,14.49mmol)、N−フェニル−1−ナフチルアミン(7.63g,34.78mmol)、ソジウムテルト−ブトキシド(4.18g,43.47mmol)、pd(dba)(0.17g,0.29mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.29mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、化合物(6.0g,59%)を得た。
3)2)により得られた物質(6.0g,8.54mmol)をトリフルオロアセト酸/クロロホルム=50ml/50mlに溶解させて3時間還流した。実温まで冷却させ、NaOH水溶液によりクエンチしてMCとして抽出した後、多数回水洗いした。次いで、結果物をマグネシウムサルフェートにより乾燥及び蒸発させた後、クルード副産物をカラムクロマトグラフィ(EA/Hex=1/9)により精製して化合物(3.8g,74%)を得た。
4)前記3)により得られた物質(3.8g,6.31mmol)、4−ブロモフェニル−N−フェニル−1−ナフチルアミン(1.57g,4.21mmol)、pd(dba)(0.05g,0.084mmol)、P(t−Bu)(0.017g,0.084mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.21g,12.63mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式193の化合物(1.2g,32%)を得た。MS[M+H]895
【0079】
<実施例23>前記式194で表わされる化合物の製造
1)前記式e(5.0g,15.38mmol)、ジ-テルト-ブチル-ジカーボネート(5.04g,23.08mmol)を50mlのTHFに溶解させて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.54mmol)を入れ、実温において24時間反応させた。反応が終わった後、反応液を濃縮させてエタノールにより再結晶し、生成物(6.16g,94%)を得た。
2)前記1)により得られた物質(6.16g,14.49mmol)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(7.63g,34.78mmol)、ソジウムテルト−ブトキシド(4.18g,43.4mmol)、pd(dba)(0.17g,0.29mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.29mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、化合物(6.0g,59%)を得た。
3)2)により得られた物質(6.0g,8.54mmol)をトリフルオロアセト酸/クロロホルム=50ml/50mlに溶解させて3時間還流した。実温まで冷却させ、NaOH水溶液によりクエンチしてMCとして抽出した後、多数回水洗いした。次いで、結果物をマグネシウムサルフェートにより乾燥及び蒸発させた後、クルード副産物をカラムクロマトグラフィ(EA/Hex=1/9)により精製して化合物(3.8g,74%)を得た。
4)前記3)により得られた物質(3.8g,6.31mmol)、4−ブロモフェニル−N−フェニル−2−ナフチルアミン(1.57g,4.21mmol)、pd(dba)(0.05g,0.084mmol)、P(t−Bu)(0.017g,0.084mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.21g,12.63mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式194の化合物(1.2g,32%)を得た。MS[M+H]895
【0080】
<実施例24>前記式197で表わされる化合物の製造
1)前記式e(5.0g,15.38mmol)、ジ-テルト-ブチル-ジカーボネート(5.04g,23.08mmol)を50mlのTHFに溶解させて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.54mmol)を入れ、実温において24時間反応させた。反応が終わった後、反応液を濃縮させてエタノールにより再結晶し、生成物(6.16g,94%)を得た。
2)前記1)により得られた物質(6.16g,14.49mmol)、3−メチル−ジフェニルアミン(6.37g,34.78mmol)、ソジウムテルト−ブトキシド(4.18g,43.47mmol)、pd(dba)(0.17g,0.29mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.29mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、化合物(6.3g,69%)を得た。
3)2)により得られた物質(6.3g,10.0mmol)をトリフルオロアセト酸/クロロホルム=50ml/50mlに溶解させて3時間還流した。実温まで冷却させ、NaOH水溶液によりクエンチしてMCとして抽出した後、多数回水洗いした。次いで、結果物をマグネシウムサルフェートにより乾燥及び蒸発させた後、クルード副産物をカラムクロマトグラフィ(EA/Hex=1/9)により精製して化合物(3.8g,71%)を得た。
4)前記3)により得られた物質(3.8g,7.17mmol)、4−ブロモフェニル−(3−メチル)−ジフェニルアミン(1.42g,4.21mmol)、pd(dba)(0.05g,0.084mmol)、P(t−Bu)(0.017g,0.084mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.21g,12.63mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式197の化合物(1.2g,36%)を得た。MS[M+H]787
【0081】
<実施例25>前記式218で表わされる化合物の製造
1)前記式e(5.0g,15.38mmol)、ジ-テルト-ブチル-ジカーボネート(5.04g,23.08mmol)を50mlのTHFに溶解させて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.54mmol)を入れ、実温において24時間反応させた。反応が終わった後、反応液を濃縮させてエタノールにより再結晶化を行い、生成物(6.16g,94%)を得た。
2)前記1)により得られた物質(6.16g,14.49mmol)、ジフェニルアミン(5.89g,34.78mmol)、ソジウムテルト−ブトキシド(4.18g,43.47mmol)、pd(dba)(0.17g,0.29mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.29mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、化合物(5.88g,67%)を得た。
3)2)により得られた物質(5.88g,9.77mmol)をトリフルオロアセト酸/クロロホルム=50ml/50mlに溶解させて3時間還流した。実温まで冷却させ、NaOH水溶液によりクエンチしてMCとして抽出した後、多数回水洗いした。次いで、結果物をマグネシウムサルフェートにより乾燥及び蒸発させた後、クルード副産物をカラムクロマトグラフィ(EA/Hex=1/9)により精製して化合物(2.9g,59%)を得た。
4)前記3)により得られた物質(2.9g,57.8mmol)、4−ブロモフェニル−N−フェニル−1−ナフチルアミン(1.57g,4.21mmol)、pd(dba)(0.05g,0.084mmol)、P(t−Bu)(0.017g,0.084mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.21g,12.63mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式218の化合物(1.5g,45%)を得た。MS[M+H]795
【0082】
<実施例26>前記式219で表わされる化合物の製造
1)前記式e(5.0g,15.38mmol)、ジ-テルト-ブチル-ジカーボネート(5.04g,23.08mmol)を50mlのTHFに溶解させて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.19g,1.54mmol)を入れ、実温において24時間反応させた。反応が終わった後、反応液を濃縮させてエタノールにより再結晶化を行い、生成物(6.16g,94%)を得た。
2)前記1)により得られた物質(6.16g,14.49mmol)、N−フェニル−2−ナフチルアミン(7.63g,34.78mmol)、ソジウムテルト−ブトキシド(4.18g,43.47mmol)、pd(dba)(0.17g,0.29mmol)、P(t−Bu)(0.06g,0.29mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、化合物(6.0g,59%)を得た。
3)2)により得られた物質(6.0g,8.54mmol)をトリフルオロアセト酸/クロロホルム=50ml/50mlに溶解させて3時間還流した。実温まで冷却させ、NaOH水溶液によりクエンチしてMCとして抽出した後、多数回水洗いした。次いで、結果物をマグネシウムサルフェートにより乾燥及び蒸発させた後、クルード副産物をカラムクロマトグラフィ(EA/Hex=1/9)により精製して化合物(3.8g,74%)を得た。
4)前記3)により得られた物質(3.8g,6.31mmol)、4−ブロモフェニル−N−フェニル−1−ナフチルアミン(1.57g,4.21mmol)、pd(dba)(0.05g,0.084mmol)、P(t−Bu)(0.017g,0.084mmol)及びソジウムt−ブトキシド(1.21g,12.63mmol)をキシレン(30mL)に入れ、約3時間還流させた。反応が終わった後、実温まで冷却させて反応混合液をTHFとHOの混合液に加えた。有機層を層分離してMgSOにより乾燥した後、濃縮させた。カラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式219の化合物(1.2g,32%)を得た。MS[M+H]895
【0083】
<実施例27>前記式252で表わされる化合物の製造
前記式c(1.00g,2.08mmol)、トリフェニルアミン−4−ボロン酸(1.99g,6.87mmol)、2M炭酸カリウム溶液(10mL)及びテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0.07g,0.06mmol)にTHF40mLを加えた。前記混合物を還流状態で約24時間攪拌した後、実温まで冷却させた。反応混合液をトルエンと塩水に入れた後、トルエン層を層分離してMgSOにより乾燥してろ過し、濃縮させた。反応混合液をカラムクロマトグラフィにより精製した後、エチルアセテートとn−ヘキサンにおいて再結晶化を行い、前記式252の化合物(1.15g,55%)を得た。HNMR(300MHz,CDCl)6.76−6.82(m,18H),6.92−6.95(m,6H),7.31−7.35(m,12H),7.53−7.60(m,10H),7.76−8.07(m,6H);MS[M+H]973
【0084】
<実施例28>有機発光素子の製造
ITO(インジウムチンオキシド)が1000Åの厚さに薄膜コーティングされたガラス基板を洗剤を溶かした蒸留水に入れ、超音波により洗浄した。このとき、洗剤としてはフィッシャ(Fischer Co.)社の製品を使用し、ミリポーア(Millipore Co.)社製のフィルタにより2次ろ過を行った蒸留水を使用した。ITOを30分間洗浄した後、蒸留水により2回繰り返して超音波洗浄を10分間行った。蒸留水による洗浄が終わった後、イソプロピルアルコール、アセトン、メタノールの順に超音波洗浄を行って乾燥させた後、プラズマ洗浄器に搬送させた。さらに、酸素プラズマを用いて前記基板を5分間洗浄した後、真空蒸着器に基板を搬送させた。
【0085】
このようにして得られたITO透明電極(第1電極に相当)の上に前記式61で表わされる化合物を600Åの厚さに熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。その上に正孔を搬送する物質であるNPB(400Å)を真空蒸着した後、発光層の役割と電子の注入及び搬送の役割を果たすAlqを500Åの厚さに真空蒸着して有機物層の薄膜形成を終えた。前記Alq層の上に順次に15Åの厚さにリチウムフルライド(LiF)と2500Åの厚さのアルミニウムを蒸着して陰極(第2電極に相当)を形成した。この過程において、有機物の蒸着速度は0.5〜1.0Å/秒を保持し、リチウムフルライドは0.2Å/秒、アルミニウムは2〜3Å/秒の蒸着速度を保持した。
【0086】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.17Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.87cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0087】
<実施例29>有機発光素子の製造
前記実施例28の方法と同様にして得られたITO透明電極の上に前記式62で表わされる化合物を800Åの厚さに熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。その上に正孔を搬送する物質であるNPB(400Å)を真空蒸着した後、発光層の役割と電子の注入及び搬送の役割を果たすAlqを300Åの厚さに真空蒸着して有機物層の薄膜形成を終えた。次は、前記実施例28と同様である。
【0088】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.86cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0089】
<実施例30>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式63で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0090】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.8cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0091】
<実施例31>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式64で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0092】
このようにして得られた電気有機発光素子に8.1Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.61cd/A明るさを示すスペクトルが見られた。
【0093】
<実施例32>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式69で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0094】
このようにして得られた電気有機発光素子に8.0Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.82cd/A明るさを示すスペクトルが見られた。
【0095】
<実施例33>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式71で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0096】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.6Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において4.4cd/A明るさを示すスペクトルが見られた。
【0097】
<実施例34>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式72で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0098】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において4.15cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0099】
<実施例35>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式89で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0100】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.5Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において4.3cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0101】
<実施例36>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式95で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0102】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.3Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において4.5cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0103】
<実施例37>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式96で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0104】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.2Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において4.4cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0105】
<実施例38>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式113で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0106】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において4.2cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0107】
<実施例39>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式114で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0108】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.6Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において4.1cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0109】
<実施例40>有機発光素子の製造
前記式61で表わされる化合物に代えて前記式120で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例28の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0110】
このようにして得られた電気有機発光素子に7.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.98cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0111】
<実施例41>有機発光素子の製造
前記実施例28の方法と同様にして得られたITO透明電極の上に前記式192で表わされる化合物を800Åの厚さに熱真空蒸着して正孔注入層を形成した。その上に正孔を搬送する物質であるNPB(300Å)を真空蒸着した後、発光層の役割と電子の注入及び搬送の役割を果たすAlqを300Åの厚さに真空蒸着して有機物層の薄膜形成を終えた。次の過程は、前記実施例28と同様である。
【0112】
このようにして得られた電気有機発光素子に6.7Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.7cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0113】
<実施例42>有機発光素子の製造
前記式192で表わされる化合物に代えて前記式193で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例41の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0114】
このようにして得られた電気有機発光素子に6.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.6cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0115】
<実施例43>有機発光素子の製造
前記式192で表わされる化合物に代えて前記式194で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例41の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0116】
このようにして得られた電気有機発光素子に6.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.5cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0117】
<実施例44>有機発光素子の製造
前記式192で表わされる化合物に代えて前記式197で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例41の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0118】
このようにして得られた電気有機発光素子に6.9Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.9cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0119】
<実施例45>有機発光素子の製造
前記式192で表わされる化合物に代えて前記式218で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例41の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0120】
このようにして得られた電気有機発光素子に6.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.8cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0121】
<実施例46>有機発光素子の製造
前記式192で表わされる化合物に代えて前記式219で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例41の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0122】
このようにして得られた電気有機発光素子に6.8Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.6cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0123】
<実施例47>有機発光素子の製造
前記式192で表わされる化合物に代えて前記式252で表わされる化合物を使用した以外は、前記実施例41の方法と同様にして電気有機発光素子を製造した。
【0124】
このようにして得られた電気有機発光素子に6.88Vの順方向電界を加えた結果、100mA/cmの電流密度において3.2cd/Aの明るさを示すスペクトルが見られた。
【0125】
以上の実施例から、本発明による化合物を正孔注入層として用いる電気有機発光素子は、6.88Vの順方向電界及び100mA/cmの電流密度において3.2−4.5cd/Aほどの明るさを示し、優れた電気発光効果が得られるということが分かる。すなわち、正孔を搬送する物質としてNPBを用い、発光層と電子注入及び搬送物質としてAlqを用いる電気有機発光素子において、正孔注入層として本発明による化合物を用いる場合、従来に比べて一層優れた電気発光効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明による新規な物質は、電気発光素子である有機薄膜電界発光(有機EL;organic electroluminescence)素子の有機化合物層に含まれることにより、発光効率の向上及び寿命の向上を両立できる。このため、これらは有機発光素子を含む電子素子の分野に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】通常の有機電気発光素子の構造例を示す図である。
【符号の説明】
【0128】
1:基板
2:陽極
3:正孔注入層
4:正孔輸送層
5:有機発光層
6:電子輸送層
7:陰極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式1で表わされる化合物。
【化1】

[前記式中、
R2 R2
| |
Aは、−[R1−N−] 又は −[R1−N−Ar−]であり、

R4 R4
| |
Bは、−[R3−N−] 又は −[R3−N−Ar−]であり、

R6 R6
| |
Cは、−[R5−N−] 又は −[R5−N−Ar−]であり、

R8 R10
| |
Dは、−[R7−N−] 又は −[R9−N−Ar−]であり、
R1ないしR10は、互いに同一または互いに独立的であり、水素原子;、炭素数1−20の脂肪族炭化水素;ニトロ基、ニトリル基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基またはアミノ基で置換された又は非置換の芳香族炭化水素;ニトロ、ニトリル基、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基またはアミノ基で置換された又は非置換のヘテロ環芳香族炭化水素;炭素数1−20の炭化水素又は炭素数6−24の芳香族炭化水素に置換されたチオフェン基;または芳香族炭化水素で置換されたホウ素基とからなる群から選択された一種以上を1回または2回以上繰り返して含み、
Arは、ニトロ基、ニトリル基、ハロゲン基、アルキル基、アルコキシ基またはアミノ基で置換された又は非置換の芳香族炭化水素であり、
1,m,nの各々は1であり、
oは0又は1の整数であり、
ここで、
R1,R2,R3,R4,R5及びR6が同時に水素原子であり、かつ、oが0である、式1で表される化合物が除かれ、
R5及びR6が水素原子であり、かつ、oが0である、式1で表される化合物が除かれ、及び
R5及びR6が水素原子であり、かつ、oが0である、式1で表される化合物が除かれ、並びに
R5及びR6がフェニルであり、かつ、oが0であり、
R2 R4
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Aが、R1−N−であり、 Bが、R3−N−である。]
【請求項2】
前記芳香族炭化水素が、フェニル、ビフェニル、テルフェニル、ナフチル、アントラセニル、ペナントレン、ピレニル及びペリレニルを含んでなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記ヘテロ芳香族炭化水素が、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、ピリジル、ピリダジル、ピラジン、キノリン及びイソキノリンを含んでなる、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が、下記式2a、2c、2d及び2eからなる群から選択される何れか一つで表わされるものである、請求項1に記載の化合物。
【化2】


〔上記式中、
l,m,n,o、及びR1ないしR8は、請求項1における定義と同様である。〕
【請求項5】
前記化合物が、下記式3a〜3d、3f〜3nからなる群から選択される何れか一つで表わされるものである、請求項1に記載の化合物。
【化3】



〔上記式中、R1ないしR8は、請求項1における定義と同様である。〕
【請求項6】
有機発光素子であって、
第1電極と、第2電極と、及びこれらの両電極間に挟まれる一以上の有機化合物層を備えてなり、
前記一以上の有機化合物層のうち少なくとも一層が、請求項1〜5の何れか一項に定義される化合物の少なくとも一種以上のものが含まれてなる、有機発光素子。
【請求項7】
前記有機化合物層が、正孔注入及び輸送機能を有する正孔注入及び輸送層である、請求項6記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記有機化合物層が、正孔注入、正孔輸送及び発光機能を有する正孔注入、輸送及び発光層である、請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記有機化合物層が、正孔注入機能を有する正孔注入層である、請求項6に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記有機発光素子が、下から順番に、基板と、陽極と、正孔注入層と、正孔輸送層と、有機発光層と、電子輸送層と、及び陰極と備えてなり、
前記有機化合物層が、前記正孔注入層、正孔輸送層及び発光層の群から選択された少なくとも一層である、請求項6に記載の有機発光素子。

【図1】
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【公開番号】特開2011−68659(P2011−68659A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256233(P2010−256233)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【分割の表示】特願2006−546860(P2006−546860)の分割
【原出願日】平成17年3月18日(2005.3.18)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】