説明

新規な物質及びその製造のための方法

【課題】本発明は、とりわけ、殺真菌剤による壁板の処理のための方法、及び処理された壁板に関する。
【解決手段】特に、本発明は、アニリノピリミジン殺真菌剤と他の殺真菌剤との相乗的な組み合わせによる壁板の処理に関する。本発明はまた、アニリノピリミジン殺真菌剤を含有する相乗的混合物による建築材料の処理を供する。より具体的には、アニリノピリミジン殺真菌剤はシプロジニルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁板及び建築物質を殺真菌剤で処理するための方法、及び該処理された壁板及び材料に関する。特に、本発明は、アニリノピリミジン殺真菌剤及びほかの殺真菌剤を含んで成る、殺真菌的な有効量の相乗作用性組成物による壁板の処理に関する。より具体的には、該アニリノピリミジン殺真菌剤はシプロジニルである。
【背景技術】
【0002】
本発明に関する真菌は、建築材料、例えば、壁板において成長することができる真菌である。真菌は多様な微生物であり、そしてこれらが成長する基材は、真菌の成長を支持する物質からこのような材料が作成することができるか、あるいはこれらに適用されていることから、建築材料を含んでよい。真菌の成長は、一般に、例えば、室内の水漏れ、又は外部の漏れにより、あるいは高湿度又は結露の部分により建築材料において発生しうる湿気を必要とする。真菌の成長はまた、食物原を必要とし、この場合、建築材料それ自体であってよく、あるいは建築材料に存在するよごれ又はほかの栄養物質であってよい。
【0003】
建築材料、例えば、壁板において成長できる真菌は、しばしば問題となる。このような真菌の明らかな影響としてはこれらが成長した材料の変色があげられ、しばしば不快な匂いを伴う。真菌はまた材料の物理的な破壊にも寄与する。近年、このような真菌は、ヒトの健康における関心の原因となってきている。多様な健康問題において、このような真菌が原因となっており、最も一般には、アレルギー反応を伴い、そしていくらかの場合には、ヒトの感染を伴う。このような建築材料において成長することができる一定の真菌はまた、発癌性を有すると考えられている。これらの真菌はヒトに対して拡大している脅威として明確に理解されている。
【発明の開示】
【0004】
出願人は、このたび、農業的な使用として以前から知られていた一定の殺真菌剤が、驚くべきことに、建築材料、例えば、壁板において成長/蔓延しうる真菌に対して有効であることを発見した。農業的使用は、作物植物又は収穫した農作物、例えば、種子に対する適用を意味する。本発明は、建築材料、特に壁板における真菌の制御において有意な前進を示す。
【0005】
出願人はまた、驚くべきことに、シプロジニルが、特定の殺真菌剤の一定の真菌に対する活性に相乗作用を与えることを発見した。より具体的には、特定の量のシプロジニルの添加は、壁板及び建築材料に有害な特定の真菌に対して特定の殺真菌剤の抗真菌活性を強力に増大することができる。
【0006】
本発明はまた、以下の特性を有する組成物の供給に関する:(a)建築物質の感染及びそれによる技術的な品質及び/又は表面上の外観に悪影響を及ぼす真菌に対する良好な有効性;(b)建築材料が使用される環境に良好な適合性を示す;(c)費用効率が高い方法において処方及び製造することができる;そして(d)妥当な期間における使用及び保存に好適である。
【0007】
上記に加えて、環境及び政府規制による圧力に照らして、材料の処理において使用するために、もはや許容できない特定の化合物を減少又は排除する要望が増大している。従って、本発明は、とりわけ、先行技術の組成物のいずれの欠点も含まない改善された組成物を提供することを追及する。
【0008】
本発明に従い、壁板における真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理するための方法であって、該壁板を:(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理することを含んで成る方法、が供される。
【0009】
アニリノピリミジン殺真菌剤は農薬用殺真菌剤のクラスである。シプロジニルはアニリノピリミジン殺真菌剤の例である。これは、2003年にThe British Crop Protection Council により出版されたThe Pesticide Manual, 第13版に記載されている。シプロジニルは、The Pesticide Manualの208にエントリーされている。
【0010】
本発明の特定に態様において、前記アニリノピリミジン殺真菌剤はシプロジニルである。
【0011】
本発明の更なる観点において、壁板における真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理するための方法であって、該壁板を殺真菌的に有効な量のアニリノピリミジン殺真菌剤で処理することを含んで成る方法、が供される。特定の態様において、前記アニリノピリミジン殺真菌剤はシプロジニルである。
【0012】
壁板(しばしば乾式壁又はプラスターボードとしても知られる)は建築物の内部の隔壁を製造するために一般的に使用される建築材料である。建築物は、住居用建築物、例えば、家及びアパート、並びに商業家屋、例えば、店舗、倉庫、ホテル及び工場等、また組織家屋、例えば、大学を含む。壁板は、内部の天井のために使用される物質である天井板を含む。壁板は、一般に0.5〜2cmの厚さの平板の形態であり、通常石膏コアを含み、通常両側が紙でコーティングされている。壁板は内壁を形成するための木枠に対して固定されているか、あるいは内部天井を形成するための天井円材に固定されている。壁板は多くの所望の特性を有し、例えば、比較的軽くかつ切り易く、そしてペイント又は壁紙で装飾し易い表面を有する。しかしながら、壁板は、建築物の内部区域にその使用が限定されていることにより、水に暴露された場合には特に問題となる。石膏は極めて水吸着性であり、一度湿ると乾燥するまでには長い時間がかかる。湿った石膏コアと該表面上の紙中のスターチ及びセルロースの組み合わせは真菌が成長するための理想的な基質を提供する。基本的に、この湿った石膏は、真菌のために便利な持続的な水の容器を提供し、一方紙は栄養を提供する。たとえ内部で使用される場合でも、壁板は、例えば、内部の配管の漏れ又は建築物の外部からの雨水の漏れ、あるいは持続した高い湿度又は結露によって水に暴露され得る。不幸なことに、このような漏れは一般に生じ、壁板における真菌の成長は継続的な問題である。
【0013】
真菌は、少なくともいわゆる「黒かび」と称される建築物の真菌蔓延と部分的に関係している。壁板は特に黒かびに影響を受けやすく、これはいくらかの区域における建築物において有意な問題となり、ヒトの健康問題に関係する。真菌は、これらが成長する材料の変色にも関係し、住居用家屋において特に問題となる。
【0014】
本発明の更なる観点において、壁板における真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理するための方法であって、該壁板を:(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理することを含んで成る方法、が供される。本発明のある態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとプロピコナゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとシプロコナゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとジフェノコナゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとチアベンダゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、追加的に、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントを含んで成る。
【0015】
本発明はまた、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物が、(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとから成る、方法を供する。
【0016】
本発明はまた、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物が、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとから成る、方法を供する。
【0017】
本発明のある態様において、前記相乗作用性組成物はシプロジニルとプロピコナゾールとから成る。本発明の更なる態様において、前記相乗作用性組成物はシプロジニルとシプロコナゾールとから成る。本発明の更なる態様において、前記相乗作用性組成物はシプロジニルとジフェノコナゾールとから成る。本発明のある態様において、前記相乗作用性組成物はシプロジニルとチアベンダゾールとから成る。
【0018】
本発明はさらに、上述の方法であって、ここで該真菌がアウレオバシジウム属(Aureobasidium sp)及びスタキボトリス属(Stachybotrys sp)から成る群から選択される方法を供する。
【0019】
特定の態様において、該方法はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)の真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0020】
本発明はさらに、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物がシプロジニルとプロピコナゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌が:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される方法を供する。特定の態様において、該方法はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0021】
本発明はさらに、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物がシプロジニルとシプロコナゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌が:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される方法を供する。特定の態様において、該方法はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0022】
本発明はさらに、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物がシプロジニルとジフェノコナゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌が:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される方法を供する。特定の態様において、該方法はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0023】
本発明はさらに、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物が、シプロジニルとチアベンダゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌がアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)である方法を供する。
【0024】
更なる態様において、上述の方法における使用のための相乗作用性組成物であって、ここで該組成物がシプロジニルとフルジオキソニルとを含んで成り、あるいはこれらから成る組成物を供する。
【0025】
更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、上述の殺真菌剤の組み合わせと、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含んで成り、あるいはこれらから成る組成物を供する。
【0026】
本明細書をとおして、スタキボトリス・アトラ(Stachybotrys atra)は、スタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)と互換性を有する。
【0027】
問題の真菌の例は:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・フミガツス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・れペンス(Aspergillus repens)、アスペルギルス・ベルシコロル(Aspergillus versicolor)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、クラドスポリウム・ヘルバルム(Cladosporium herbarum)、クラドスポリウム・スファエロスペルマム(Cladosporium sphaerospermum)、コニオホラ・プテアナ(Coniophora puteana)、キュルブラリア・ゲンチキュラタ(Curvularia genticulata)、ジプロジア・ナタレンシス(Diplodia natalensis)、エピデルモフィトン・フロッコスム(Epiderrnophyton floccosum)、エピデルモフィトン・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、グリオクラジウム・ビレンス(Gliocladium virens)、グロエオフィルム・トラベウム(Gloeophyllum trabeum)、フミコラ・グリセア(Humicola grisea)、レシトホラ・ムタビリス(Lecythophora mutabilis)、レンチヌス・シアチホルミス(Lentinus cyathifortnis)、レンチヌス・レピダス(Lentinus lepidus)、メンミオネラ・エチナタ(Memnionella echinata)、ムコル・インジキュス(Mucor indicus)、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、オリゴポルス・プラセンタ(Oligoporus placenta)、パエシロミセス・バリオチイ(Paecilomyces variotii)、ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・フニキュロスム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・オクロクロロン(Penicillium ochrochloron)、ペニシリウム・プルプロゲヌム(Penicillium. purpurogenum)、ペニシリウム・ピノフィルム(Penicillium pinophilum)、ペニシリウム・バリビレ(Penicillium variabile)、ペトリエラ・セチフェラ(Petriella setifera)、ファネロテャエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete、 chrysosporium)、ホマ・ビオラセア(Phoma violacea)、ポリア・プラセンタ(Poria placenta)、ロドトルラ・ルブラ(Rhodotorula rubra)、スキゾフィルラム・コミュネ(Schizophyllum commune)、スクレロホマ・フィトオフィラ(Sclerophoma phytiophila)、スコプラリオプシス・ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)、セルプラ・ラクリマンス(Serpula lacrymans)、スポロボロミセス・ロセウス(Sporobolomyces roseus)、スタキボトリス・アトラ(Stachybotrys atra)、スタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)、ステムフィリウム・デンドリチキュム(Stemphylium dendriticum)、トリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)、トリキュルス・スピラリス(Trichurus spiralis)、トリコフィトン・ルブルム8Trichophyton rubrum)、ウロクラジウム・アトルム(Ulocladium atrum)及びウロクラジウム・チャルタルム(Ulocladium chartarum)である。特には:アルテルナリア・アルテルナリア(Alternaria alternata)、アルテルナリア・テヌイスシマ(Alternaria tenuissima)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・ベルシコロル(Aspergillus versicolor)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidiwn pullulans)、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides)、コニオホラ・プテアナ(Coniophora puteana)、グロエオフィルム・トラベウム(Gloeophyllum trabeum)、メムニオネラ・エチナタ(Memnionella echinata)、ムコル・インジキュス(Mucor indicus)、オリゴポルス・プラセンタ(Oligoporus placenta)、ペニシリウム・シトリヌム(Penicillium citrinum)、ペニシリウム・フニキュロスム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・ピノフィルム(Penicillium pinophilum)、スクレロホマ・フィチオフィラ(Sclerophoma phytiophila)、スタチボトリス・アトラ(Stachybotrys atra)、スタチボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)、及びウロクラジウム・チャルタルム(Ulocladium chartarum)に関する。
【0028】
本発明はさらに、上述の方法であって、前記壁板が、該壁板の製造工程において処理される方法を供する。
【0029】
本発明はさらに、上述の方法であって、前記殺真菌剤が、前記壁板の石膏コア中に含まれる方法を供する。
【0030】
本発明はさらに、上述の方法であって、前記殺真菌剤が、壁板の石膏コアの表面に適用される方法を供する。
【0031】
本発明はさらに、上述の方法であって、前記殺真菌剤が、壁板のペーパーコーティング中に含まれる方法を供する。
【0032】
本発明はさらに、上述の方法であって、前記殺真菌剤が製紙工程における紙中に含まれる方法を供する。
【0033】
本発明はさらに、上述の方法であって、前記殺真菌剤が前記紙が作成された後に適用される方法を供する。
【0034】
本発明はさらに、上述の方法であって、実質的に完成された壁板を殺真菌剤で処理する方法を供する。
【0035】
本発明はさらに、上述の方法であって、壁板が該壁板の取り付けの前に殺真菌剤で処理される方法を供する。
【0036】
本発明はさらに、上述の方法であって、壁板が該壁板の取り付けの後に殺真菌剤で処理される方法を供する。
【0037】
完成した壁板の処理は、その製造の一部として、又は別々の工程において、例えば、別々の処理プラントにおいて、あるいは該壁板が取り付けられる建築物又はその付近において、行うことができる。
【0038】
該処理は、建築材料の処理に関して本明細書中に言及されるものを含む多くの方法により行うことができる。特に、本発明の真菌剤/真菌剤群を含有する組成物による表面のブラッシング、ワイピング、ローリング又は好ましくはスプレイングである。真菌による蔓延がすでに現れているか、あるいは疑われる場合には、目に見えるカビ又は染色のいくらか又は全てを取り除くための慣習的なクリーニング材料、例えば、漂白剤及び/又は洗剤のいずれかを使用する洗浄工程により殺真菌剤の適用を行うことができる。本発明に従いあらかじめ処理された壁板を、例えば、殺真菌効果を増大又は延長するために、いずれかのこれらの方法により再度処理することもできる。該再処理及びそのための工程は、本発明の一部を形成する。
【0039】
本発明の更なる観点において、壁板の真菌汚染の予防及び/又は処理のための方法であって、該壁板を殺真菌的に有効量の上述の相互作用性組成物で処理することを含んで成る方法が供される。
【0040】
本発明の更なる観点において、壁板の真菌汚染の予防及び/又は処理のための方法であって、該壁板を殺真菌的に有効量の上述の相互作用性組成物で処理することから成る方法が供される。
【0041】
該処理は、予防的であってよく、すなわち視覚的な真菌の成長の前に行うことができ、あるいは処理的であってよく、すなわち真菌がすでに成長している壁板に対して行うことができる。
【0042】
本発明はさらに、上述の方法により得ることができる壁板を供する。
【0043】
本発明はさらに、上述の方法により得られた壁板を供する。
【0044】
本発明の更なる観点において、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理された壁板が供される。
【0045】
更なる態様において、該壁板は、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントと、から成る相乗作用性組成物で処理される。
【0046】
本発明はさらに、上述の壁板であって、殺真菌剤が石膏コア中に含まれる壁板を供する。これを達成するためには多くの方法が存在する。例えば、該真菌剤は、石膏が固まる前に石膏と混合することにより、石膏中に含ませることができる。
【0047】
本発明はさらに、上述の壁板であって、該殺真菌剤が壁板の石膏コアの表面に適用される壁板を供する。
【0048】
本発明はさらに、上述の壁板であって、殺真菌剤が壁板のペーパーコーティング中に含まれる壁板を供する。
【0049】
本発明はさらに、上述の壁板であって、殺真菌剤が、壁板が作成された後に適用される壁板を供する。
【0050】
本発明の更なる観点において、壁板における真菌の成長が予防されるように殺真菌的有効量の上述の相乗作用性組成物で処理された壁板が供される。
【0051】
本発明の更なる観点において、予め処理された壁板を再処理するための方法であって、該材料の真菌汚染が予防又は抑制されるように、該壁板に対して殺真菌的有効量の上述の相乗作用性組成物を適用することを含んで成る方法が供される。
【0052】
本発明の更なる観点において、予め異なる真菌剤で処理された壁板を処理するための方法であって、該壁板の真菌汚染が予防又は抑制されるように、該壁板に対して殺真菌的有効量の上述の相乗作用性組成物を適用することを含んで成る方法が供される。
【0053】
本発明の更なる観点において、シプロジニルとフルジオキソニルとを含んで成る、あるいはこれらから成る、相乗作用性組成物で処理された壁板が供される。
【0054】
特別な態様において、該壁板は、約50ppm〜1000ppmの濃度において存在する本発明に従う真菌剤を含んで成る。
【0055】
本発明に従う殺真菌剤を含有する組成物は、有機溶媒性であってよく、あるいは水性であってもよい。有機溶媒は比較的早い乾燥の利点を有するが、特に建築物内における低い空気汚染能及び低い臭気から水性組成物が好ましい。適当な水性組成物の1例は、エマルジョン濃縮物である。
【0056】
該組成物は、粉剤(DP)、水溶剤(SP)、水溶性粒剤(SG)、水和性微粒顆粒(WG)、水和剤(WP)、粒剤(GR)(徐放性又は速放性)、液剤(SL)、油剤(OL)、超微量剤(UL)、乳剤(EC)、分散剤(DC)、エマルジョン(水中油形(EW及び油中水形(EO)の両方)、マイクロエマルジョン(ME)、懸濁剤(SC)、エアロゾル、煙霧/燻煙製剤、カプセル懸濁剤(CS)及び当業者に周知な他の適用可能な製剤を含めた数多くの処方タイプの中から選択することができる。
【0057】
粉剤(DP)は、本発明に従う殺真菌剤を1又は複数のの固体希釈剤(例えば、天然粘土、カオリン、パイロフィライト、ベントナイト、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土(kieselguhr)、白亜、珪藻土(diatomaceous earths)、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム、硫黄、石灰石、小麦粉、タルク及びその他の有機並びに無機固体担体))と混合し、該混合物を細かい粉末になるまで機械的に粉砕することによって調製することができる。
【0058】
水溶剤(SP)は、該殺真菌剤を1又は複数の水溶性無機塩(例えば重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム又は硫酸マグネシウム))あるいは1又は複数の水溶性有機固体(例えば多糖類)、並びに任意的に水分散性/溶解度を改善させるための1又は複数の湿潤剤、1又は複数の分散剤又は前記作用物質の混合物を混合することによって調製可能である。その後該混合物は細かい粉末になるまで粉砕される。水和性微粒顆粒(SG)を形成するために、類似の組成物を造粒することもできる。
【0059】
水和剤(WP)は、該殺真菌剤を1又は複数の固体希釈剤又は担体、1又は複数の湿潤剤、及び好ましくは1又は複数の分散剤及び任意的に液体中での分散を促進するための1又は複数の懸濁剤と混合することにより、調製可能である。その後混合物は細かい粉末となるまで粉砕される。類似の組成物を造粒して水和性微粒顆粒(WG)を形成することもできる。
【0060】
粒剤(GR)は、本発明に従う殺真菌剤と1又は複数の粉末化された固体希釈剤又は担体の混合物を造粒することによってか、あるいは予め形成されたブランク顆粒から、多孔質顆粒状材料(例えば軽石、アタパルジャイト粘土、フラー土、珪藻土(kieselguhr)、珪藻土(diatomaceous earths)又はトウモロコシ軸粉末)中に本発明の殺真菌剤(又は適当な作用物質中のその溶液)を吸収させることによって、又は硬質コア材料(例えば、砂、ケイ酸塩、鉱物炭酸塩、硫酸塩又はリン酸塩)上に本発明の殺真菌剤(又は適当な作用物質中のその溶液)を吸着させ必要とあらば乾燥させることによって形成することができる。吸収又は吸着を助けるべく一般に使用される作用物質としては、溶剤(例えば脂肪族及び芳香族石油系溶剤、アルコール、エーテル、ケトン及びエステル)及び固着剤(例えばポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、糖及び植物油)が含まれる。1又は複数のその他の添加剤も同様に顆粒中に内含させることができる(例えば乳化剤、湿潤剤又は分散剤)。
【0061】
分散剤(DC)は、本発明の殺真菌剤を水又は有機溶剤、例えばケトン、アルコール又はグリコールエーテル中に溶解させることによって調製することができる。これらの溶液は界面活性剤(例えば水希釈を改善させるため又はスプレータンク内での結晶化を防ぐため)を含有していてよい。
【0062】
乳剤(EC)又は水中油型エマルジョン(EW)は(1又は複数の湿潤剤、1又は複数の乳化剤又は前記作用物質の混合物を任意に含有する)有機溶剤中に本発明の殺真菌剤を溶解させることによって調製可能である。EC中で使用するのに適した有機溶剤としては、芳香族炭化水素(例えばSOLVESSO 100、SOLVESSO 150及びSOLVESSO 200により例示されるアルキルベンゼン又はアルキルナフタレン;SOLVESSOは登録商標である)、ケトン(例えばシクロヘキサノン又はメチルシクロヘキサノン)及びアルコール(例えばベンジルアルコール、フルフリルアルコール又はブタノール)、N−アルキルピロリドン(例えばN−メチルピロリドン又はN−オクチルピロリドン)、脂肪酸のジメチルアミド(例えばC8−C10脂肪酸ジメチルアミド)及び塩素化炭化水素が含まれる。EC製品は、水に加えた時点で自然蔓延的に乳化して、適切な機器を通してのスプレー塗布を可能にするのに充分な安定性をもつエマルジョンを生成することができる。EWの調製には、液体として(室温で液体でない場合でも、標準的には70℃未満の適正な温度で融解可能である)が、又は溶解状態(それを適切な溶剤中に溶解させることによる)で本発明殺真菌剤を獲得すること、そしてその後エマルジョンを生成するべく高いせん断力の下で1又は複数のSFAを含有する水の中に結果として得られた液体又は溶液を乳化させることが関与する。EWにおいて使用するための適切な溶剤としては、植物油、塩素化炭化水素(例えばクロロベンゼン)、芳香族溶剤(例えばアルキルベンゼン又はアルキルナフタレン)及び低い水溶性をもつその他の適切な有機溶剤が含まれる。
【0063】
マイクロエマルジョン(ME)は、熱力学的に安定した等方性液体製剤を生成するべく1又は複数のSFAと1又は複数の溶剤の配合物と水を混合することによって調製可能である。本発明の殺真菌剤は、当初水中又は溶剤/SFAの配合物中のいずれかで存在する。ME内での使用に適した溶剤としては、EC又はEW中での使用のために上述したものが含まれる。MEは水中油形又は油中水形系のいずれかであってもよく(いずれの系が存在するかは伝導度測定により決定され得る)同じ製剤中で水溶性及び油溶性農薬を混合するのに適したものであり得る。MEは水中に希釈するのに適しており、マイクロエマルジョンとしてとどまるか又は従来の水中油形エマルジョンを形成する。
【0064】
懸濁剤(SC)は、本発明の殺真菌剤の細分割された不溶性固体粒子の水性又は非水性懸濁液を含んでよい。SCは、化合物の微粒子懸濁液を生成するべく、任意的に1又は複数の分散剤を伴って適切な媒質中で、本発明の殺真菌剤をボール又はビーズミル粉砕することによって調製可能である。組成物中に1又は複数の湿潤剤を内含させることができ、又粒子が沈降する速度を低減させるために懸濁剤を内含することが可能である。代替的には本発明の殺真菌剤を乾式ミル粉砕し、上述の作用物質を含有する水に添加して所望の最終生成物を生成することができる。
【0065】
エアロゾル製剤は、本発明の殺真菌剤及び適切な高圧ガス(例えばn−ブタン)を含む。本発明の殺真菌剤は、加圧されていない手動式スプレーポンプ中で使用するための組成物を提供するために適切な媒質(例えば、水又は水混和性液体、例えばn−プロパノール)の中に溶解又は分散されてもよい。
【0066】
本発明の殺真菌剤を乾燥状態で火工品用混合物と混合して、密閉空間内で該化合物を含有する煙霧を生成するのに適した組成物を形成することが可能である。
【0067】
カプセル懸濁剤(CS)は、EW製剤の調製と類似の要領で、ただし各油滴が重合体シェルによりカプセル化され該殺真菌剤そして任意的にそれ用の担体又は希釈剤を含有している油滴水分散が得られるような形で付加的な重合段を伴って、調製可能である。該重合体シェルは、界面重縮合反応によってか又は液滴形成手順によってのいずれかで生成することができる。該組成物は本発明の殺真菌剤の制御放出を提供できる。本発明の殺真菌剤は同様に、化合物の低速制御放出を提供するべく生物分解性重合体マトリクス中で処方されてもよい。
【0068】
該組成物は、(例えば、表面上の湿潤、保持又は分散;又は表面への吸着を改善することにより)該組成物の特性を改善するための1又は複数の添加剤を含むことができる。かかる添加剤には、界面活性剤、例えば或る種の鉱油又は天然植物油(例えば大豆油及び菜種油)などの油をベースとするスプレー添加剤、及びこれらとその他の生物増強アジュバント(本発明の殺真菌剤の作用を補助又は修飾しうる成分)との配合物、が含まれる。
【0069】
本発明の組成物は、生物活性を有するほかの化合物、例えば、同様の又は補完的な殺真菌活性を有する、あるいは殺虫活性及び/又は殺ダニ活性及び/又は殺藻活性を有する化合物を含有することができる。該殺真菌剤はまた他の殺真菌剤と組み合わせることができる。他の殺真菌剤との組み合わせは、より広い範囲の真菌を制御するために使用することができ、これは、複数の種類の真菌が存在する場合、あるいは種が知られていない場合に特に有用である。
【0070】
ほかの活性成分の添加は、より広いスペクトルの活性又は場所における増大した持続性を有する組成物を供し、(例えば、効果の速度を増大するか、または撥水性を克服することにより)本発明の殺真菌剤の活性に相互作用を与え、または該活性を補完し、あるいは個々の成分の体制の発達を克服又は予防する。
【0071】
本発明の組成物中に含むことができる殺真菌化合物の例としては、AC382042(N−(1−シアノ−1,2−ジメチルプロピル)−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)プロピオンアミド)、アシベンゾラール-S−メチル、アラニカルブ、アルジモルフ、アニラジン、アザコナゾール、アザフェニジン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ビロキサゾール、ビテルタノール、ブラスチシジンS、ボスカリド(ニコビフェンの新名称)、ブロムコナゾール、ブロノポル、ブピリマート、カプタホル、カプタン、カルベンダジム、塩酸カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、カルボン、CGA41396、CGA41397、キノメチオナート、クロルベンズチアゾン、クロロタロニル、クロロゾリナート、クロジラコン、銅含有化合物、例えば酸塩化銅、銅オキシキノラート、硫酸銅、銅タラート及びボルドー液、シアミダゾスルファミド、シアゾファミド(IKF−916)、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、デバカルブ、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1−ジオキシド、ジクロフルアニド、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコート、ジフルメトリム、ジヨードメチル-p-トリルスルホン(America, Dow由来)、O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジルチオホスファート、ジメフルアゾール、ジメトコナゾール、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジノカップ、ジチアノン、ジチオカルバメート、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ドデモルフ、ドジン、ドグアジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エチル(Z)−N−ベンジル−N([メチル(メチル−チオエチリデンアミノオキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニナート、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル(AC382042)、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、酢酸フェンチン、水酸化フェンチン、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル、フルモルフ、フルオロイミド、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアフォル、フォルペット、ホセチル-アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ガザチン、ヘキサコナゾール、ヒドロキシイソキサゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、3酢酸イミノクタジン、3−ヨード−プロピニルブチルカルバメート(IBPC)、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロパニルブチルカルバマート、イソプロチオラン、カスガマイシン、LY186054、LY211795、LY248908、マンコゼブ、マネブ、MBTメフェノキサム、メパニピリム、メプロニル、メタラキシル、メタラキシルM、メトコナゾール、メチラム、メチラム−亜鉛、メトラフェノン、MON65500(N−アリル−4,5−ジメチル−2−トリメチルシリルチオフェン−3−カルボキサミド)、ミクロブタニル、NTN301、ネオアソジン、ニッケルジメチルジチオカルバマート、ニトロタール−イソプロピル、ヌアリモール、2−O−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン(Skane M 8 Rohm & Hass)、オフレース、有機水銀化合物、オキサジキシル、オキサスルフロン、オキソリン酸、オクスポコナゾール、オキシカルボキシン、ペフラゾアート、ペンコナゾール、ペンシクロン、酸化フェナジン、リン酸、フタリド、ポリオキシンD、ポリラム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、水酸化プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロピオン酸、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピラゾホス、ナトリウム及び亜鉛ピリチオン(Omadine chemistry from Arch Chem)、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、ピロキシフル、ピロールニトリン、四級アンモニウム化合物、キノメチオナート、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム(MON65500)、S-イマザリル、シメコナゾール、シプコナゾール、ナトリウムペンタクロロフェナート、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、テトラコナゾール、チフルザミド、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファナート−メチル、チラム、チアジニル、チミベンコナゾール、トルクロフォス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリアズブチル、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリフォリン、トリフルミゾール、トリチコナゾール、バリダマイシンA、バパム、ビンクロゾリン、XRD−563、ジネブ、ジラム、ゾキサミド及び以下の化合物がある:
【化1】

【0072】
一部の混合物は、従来の同じ処方タイプには容易に適合しないほどに著しく異なる物理的、化学的又は生物学的特性を有する活性成分を含み得る。このような状況下では、その他の処方タイプを調製することができる。例えば、1つの活性成分が不水溶性固体であり、もう一方が不水溶性液体である場合であっても、(SCのものと類似の調製を用いて)懸濁剤として固体活性成分を分散させるが、(EWのものに類似した調製を用いて)エマルジョンとして液体活性成分を分散させることにより、同じ連続水相内に各々の活性成分を分散させることが可能である。結果として得られる組成物は、サスポエマルジョン(SE)製剤である。
【0073】
また、染料を該組成物中に含んでもよい。これは、処理された壁板と未処理の壁板とを区別するために有用となり得る。該壁板が新しい場合、これは倉庫管理者及び建設作業員のための単純な視覚的な識別を供する。染料はまた、殺真菌剤が適用された区域を認識するために既に設置された壁板に該組成物が適用される場合、例えば、広い区域を噴霧する場合にも有用となり得る。特に、複数の作業者が適用を行う場合、あるいは適用者が何日にもわたり適用工程を行う場合に、適用者がこれらの組成物を適用する場所を認識するために有用である。またこれは、何が処理されたかを監督者及び監視者が認識できるように容易な点検を可能にする。これはまた、特に壁板の表面に適用する場合に、適用された殺真菌剤の量の案内として色の濃さを利用することも可能である。色の濃さは視覚的に評価することができ、あるいは比色計を使用することもできる。
【0074】
本発明はさらに、上述の壁板を供えた建築物を供する。特定の態様において、前記建築物は仮設建築物である。更なる態様において、前記建築物は本建築物である。更なる態様において前記建築物は、複数の上述の壁板を供える。
【0075】
本発明の更なる観点において、壁板における真菌の成長を制御するための方法において、(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用が供される。
【0076】
本発明の更なる観点において、壁板における真菌の成長を制御するための方法において、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用が供される。
【0077】
本発明の更なる観点において、殺真菌的に処理された壁板の製造において、(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用が供される。
【0078】
本発明の更なる観点において、殺真菌的に処理された壁板の製造において、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用が供される。
【0079】
本発明の更なる観点において、殺真菌的量の(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、前記殺真菌剤を前記壁板に適用するための手段とを含んで成るキットであって、ここで該殺真菌剤の量が混合されると相乗作用性組成物が供されることを特徴とするキットが供される。
【0080】
本発明の更なる観点において、シプロジニルとフルジオキソニルとを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の、上述の使用が供される。
【0081】
本発明の更なる観点において、殺真菌的有効量の(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤(ここで該殺真菌剤の量が混合されると相乗作用性組成物を供する)と、壁板と、前記殺真菌剤を前記壁板に適用するための手段とを含んで成るキットが供される。
【0082】
本発明の更なる観点において、上述のキットであって、ここで該相乗作用性組成物が、シプロジニルとフルジオキソニルとを含んで成るか、あるいはこれらから成るキットが供される。
【0083】
本発明の更なる観点において、壁板の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、殺真菌的有効量の(a)シプロジニルと(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る組成物が供される。
【0084】
本発明の更なる観点において、壁板の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、殺真菌的有効量の(a)シプロジニルと(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含んで成る組成物が供される。
【0085】
本発明の更なる観点において、壁板の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、殺真菌的有効量の(a)シプロジニルと(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とから成る組成物が供される。
【0086】
本発明の更なる観点において、壁板の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、殺真菌的有効量の(a)シプロジニルと(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとから成る組成物が供される。
【0087】
本発明の更なる観点において、壁板の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、殺真菌的有効量のシプロジニルとフルジオキソニルとを含んで成る組成物が供される。
【0088】
本発明の更なる観点において、壁板の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、殺真菌的有効量のシプロジニルと、フルジオキソニルと、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含んで成る組成物が供される。
【0089】
適当な担体及びアジュバントは、固体又は液体であってよく、例えば、天然又は再生鉱物、溶媒、分散剤、湿潤剤、粘着付与剤、増粘剤、結合剤又は肥料である。これらは、例えば、ポリマー物質内へのカプセル化により、例えば、乳剤、コーティング可能なペースト剤、直接噴霧性又は希釈性溶液、希釈エマルジョン、水和剤、可溶性粉末、粉剤、粒剤又はカプセルを形成するための既知の方法において慣習的に処方される。該組成物の性質によって、支配的な条件に従い、適用の方法、例えば噴霧、散布、ダスティング、分散、コーティング、又は注入が選択される。
【0090】
該製剤は、既知の方法において、典型的には、本発明の殺真菌剤を、増量剤、例えば、溶媒又は固体若しくは液体担体、並びに適当な場合には1又は複数の界面活性化合物(界面活性剤)と共に、親密に混合すること、粉砕すること、及び/又は押し出すことにより、調製することができる。
【0091】
本発明の更なる観点において、建築材料における真菌の成長/蔓延を予防及び/又は処理するための方法であって、前記物質を殺真菌的有効量のシプロジニルで処理することを含んで成る方法が供される。
【0092】
本発明の更なる観点において、建築材料における真菌の成長/蔓延を予防及び/又は処理するための方法であって、前記材料を上述の相乗作用性組成物で処理することを含んで成る方法が供される。本発明のある態様において、建築材料に適用される前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとプロピコナゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとシプロコナゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとジフェノコナゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとチアベンダゾールとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、シプロジニルとフルジオキソニルとを含んで成る。更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、追加的に殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントを含んで成る。
【0093】
本発明は更に、上述の方法であって、ここで該真菌がアウレオバシジウム属(Aureobasidium sp)及びスタキボトリス属(Stachybotrys sp)から成る群から選択される方法を供する。
【0094】
特定の態様において、該方法は、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0095】
本発明は更に、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物がシプロジニルとプロピコナゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌が:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される方法を供する。特定の態様において、該方法はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0096】
本発明は更に、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物がシプロジニルとシプロコナゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌が:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される方法を供する。特定の態様において、該方法はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0097】
本発明は更に、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物がシプロジニルとジフェノコナゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌が:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)から成る群から選択される方法を供する。特定の態様において、該方法はアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)及びスタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理する。
【0098】
本発明は更に、上述の方法であって、ここで前記相乗作用性組成物がシプロジニルとチアベンダゾールとを含んで成り、あるいはこれらから成り、そして該真菌が:アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)である方法を供する。
【0099】
本発明の更なる態様において、前記相乗作用性組成物は、上述の殺真菌剤の組み合わせと、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとを含んで成るか、あるいはこれらから成る。
【0100】
本発明の更なる観点において、建築材料の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る組成物が供される。
【0101】
本発明の更なる観点において、建築材料の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る組成物が供される。
【0102】
本発明の更なる観点において、建築材料の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、担体及び/又はアジュバントとから成る組成物が供される。
【0103】
本発明の更なる観点において、建築材料の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、担体及び/又はアジュバントとから成る組成物が供される。
【0104】
該相乗作用性組成物は上述の方法において建築材料に適用することができ、そして該殺真菌剤は実施例において規定される割合において適用することができる。
【0105】
「建築材料」は、建築等のために使用される材料を意味する。特に、建築材料は、構造木材、ドア、食器棚、貯蔵設備、カーペット、特に天然繊維カーペット、例えば、毛織物及び麻布、柔らかい備品、壁又は天井紙、及び他の表面、例えば、ペンキを塗った壁、床又は天井、塗料、プラスチック、木材(加工木材を含む)及び放射線強化木材(wood plastic composite)を含む。これに加えて、建築材料は、接着剤、封止剤、連結材料及びジョイント、並びに絶縁材料を含む。特定の態様において、建築材料は構造木材を意味する。更なる態様において、建築材料は加工木材を意味する。更なる態様において、建築材料は放射線強化木材を意味する。プラスチックは、プラスチックポリマー及びコポリマーを含み、例えば:アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ブチル・ゴム、エポキシ、フッ素重合体、イソプレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、塩化ポリビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、フッ化ポリビニリデン、ポリアクリル酸塩、ポリメチル・メタクリレート、ポリウレタン、ポリブチレン、ポリブチレン・テレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレン・エーテル、ポリフェニレン・サルファイド、ポリフタタミド、ポリスルフェン、ポリエステル、シリコーン、スチレンブタジエンゴム及びポリマーの組み合わせを含む。
【0106】
更なる態様において、建築材料は塩化ポリビニル(PVC)を意味する。更なる態様において、建築材料はポリウレタン(PU)を意味する。更なる態様において、建築材料は塗料を意味する。塗料は、例えば、塗膜形成要素及び担体(ここで担体は水及び/又は有機溶媒であってよい)、並びに任意的な染料を含んでよい。更なる態様において、建築材料は放射線強化木材(WPC)を意味する。放射線強化木材は当業界に周知な材料である。WPCの概説は以下の刊行物において見つけることができる−Craig Clemons - Forrest Products Journal. June 2002 Vol 52. No. 6. pp 10-18。
【0107】
「木材」は、木材及び木材加工品、例えば:誘導された木材製品、製材、ベニヤ板、ボール紙、フレークボード、積層梁、配向性ストランドボード、ハードボード、及びパーティクルボード;紙製食品ラップ、熱帯木材、構造木材、木げた、枕木、橋の構成要素、突堤、木製の乗り物、箱、パレット、コンテナ、電柱、木製フェンス、木製被覆材、木製の窓及び扉、ベニヤ板、ボール紙、建具、又は建築において家屋又はデッキを建造するために非常に一般的に使用される木製品又は住宅建設において一般に使用される木材製品、例えば、加工木材、構造物及び木工品を意味すると理解される。
【0108】
「建築材料」はまた、冷却潤滑剤、及び冷却及び暖房システム、空調及びエアーコンディショニングシステム及び生産工場の一部、例えば、冷却水サーキットを含む。
【0109】
「建築材料」の用語は、「工業材料」の用語と互換的である。
【0110】
本発明の方法は、本明細書中に記載された、真菌の成長/蔓延の予防又は処理において使用することができる。該真菌は、真菌又は建築材料を、慣習的な方法において、本発明の殺真菌剤/殺真菌剤群で処理することにより制御することができる。該真菌又は建築材料を本発明の殺真菌剤で処理することができる方法の例は:建築材料自体に前記殺真菌剤を含有すること、吸収させること、含浸させること、(閉鎖された圧力又は真空システムにおいて)前記材料を殺真菌剤で処理すること、建築材料を浸し塗りすること又は浸漬すること、あるいは例えば、カーテンコーティング、ローラー、ブラッシング、スプレー、霧吹き、ダスティング、分散又は注入適用により建築材料をコーティングすることによるものである。
【0111】
本発明の更なる観点において、処理された建築材料を製造するための方法であって、前記材料の真菌汚染が予防及び/又は抑制されるように殺真菌的有効量の該殺真菌剤/殺真菌剤群を前記材料に適用することを含んで成る方法が供される。
【0112】
本発明の更なる観点において、処理された建築材料を再処理するための方法であって、前記材料の真菌汚染が予防及び/又は抑制されるように殺真菌的有効量の該殺真菌剤/殺真菌剤群を前記材料に適用することを含んで成る方法が供される。
【0113】
本発明は更に、上述の方法により得ることができる建築物を供する。
【0114】
本発明の更なる観点において、前記材料における真菌の成長が予防されるように殺真菌的有効量の該殺真菌剤/殺真菌剤群で処理された建築材料が供される。
【0115】
本発明は更に、上述の建築材料を備える建築物を供する。特定の態様において、前記建築物は仮設建築物である。更なる態様において、前記建築物は本建築物である。
【0116】
本発明の更なる観点において、前記材料において、上述の真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理するために建築材料を処理する方法における、本発明の殺真菌剤/殺真菌剤群の使用が供される。
【0117】
本発明の更なる観点において、本発明の殺真菌剤/殺真菌剤群と、前記殺真菌剤/殺真菌剤群を建築材料に適用するための手段とを含んで成るキットが供される。
【0118】
本発明の更なる観点において、本発明の殺真菌剤/殺真菌剤群と、建築材料と、前記殺真菌剤/殺真菌剤群を前記建築材料に適用するための手段とを含んで成るキットが供される。
【0119】
本発明の更なる観点において、殺真菌剤がアニリノピリミジン殺真菌剤である、上述の壁板、建築材料、方法、使用、キット、組成物が供される。特定の態様において、前記殺真菌剤はシプロジニルである。
【0120】
本発明の更なる観点において、アニリノピリミジン殺真菌剤を含んで成る建築材料が供される。特定の態様において、前記殺真菌剤はシプロジニルである。更なる態様において、前記材料は、壁板;塗料;プラスチック;放射線強化木材;ニス;ステイン;ラッカー及び石膏から成る群から選択される。
【0121】
本発明は以下の実施例への言及により以下に説明される:
【実施例】
【0122】
MIC値産生
以下の化合物及び製剤が使用された:
【表1】

【0123】
全ての化合物は8つの割合、すなわち(100、50、12.5、3.1、1.6、0.8、0.2、0.05、0 mg ai/l)において試験した。
【0124】
使用した試験生物及び培地
【表2】

【0125】
異なる真菌の増殖:
スタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)、及びアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)は、胞子形成を抑制するようにPDA培地で別々に培養した。各真菌のために胞子懸濁液が産生された。
【0126】
使用された試験方法:24ウェルプレートにおける液体培養アッセイ。
単独(すなわち単一)のai試験のために、処方した殺真菌剤(100μl)を24ウェルプレートに充填し(8つの異なる割合:上述の100〜0.05mg ai/l最終体積)、そして100μlの蒸留水を添加した。その後、800μlの0.3%PDA培地をプレートに添加した。予め約100.000胞子/mlを含有する特定の真菌の胞子懸濁液をこの培地に添加した。該24ウェルプレートを密封し、そして24℃でインキュベートした。
【0127】
各生物の成長特性に従い、チェックウェルの表面が菌糸体で覆われる3〜6日後に評価を行った。該評価は成長の妨げに関する真菌の成長を評価することにより行った。該結果は抑制(check)に対する%活性として表す(0〜100%の値の成長)。その後、該結果を%成長阻害に変換した。EC95値及びMIC(最小阻害濃度)値を各化合物について導き出した。
【0128】
結果
各単独の化合物のために、殺真菌剤の濃度に対する阻害割合のグラフを描いた。このグラフから、95%活性に達成するために必要とされる殺真菌剤の濃度を推定した。また、最小阻害濃度を与えた濃度はMIC値として導いた。
【0129】
【表3】

【0130】
【表4】

【0131】
例2−相乗試験
2つの相乗試験のために、100μlの各真菌剤の混合物を24ウェルプレートに充填し(8つの異なる割合)、そして胞子懸濁液を含有する800μlの0.3%PDA培地を添加した(上記を参照のこと)。同時に2種の殺真菌剤の異なる割合を試験した。
【0132】
異なる真菌の増殖:
スタキボトリス・チャルタルム(Stachybotrys chartarum)及びアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)を、胞子形成を抑制するPDA培地で別々に培養した。各真菌のために胞子懸濁液が産生された。
【0133】
分析:
異なる殺真菌剤の混合物について、以下に記載されるコルビー方程式に基づき相乗性を計算した:
【0134】
式Iの化合物と1又は複数の式IIの化合物との活性成分の組み合わせの作用が、個々に適用された活性成分の作用の合計よりも大きい場合には相乗効果が存在する。
【0135】
与えられた2つの殺真菌剤の組み合わせについて、予想された殺真菌作用であるWeは以下のとおり計算することができる(COLBY, S. R. "Calculating synergistic and antagonistic response of herbicide combinations". Weeds 15, 20-22頁; 1967を参照のこと):
We=X+[Y×(100−X)/100]
式中:
X=未処理対照(=0%)による場合との比較における、割合xにおける式Iの化合物による処理の場合の%活性。
X=未処理対照による場合との比較における、割合yにおける式IIの化合物による処理の場合の%活性。
We=x+y kgの活性成分の割合における式Iの化合物及び式IIの化合物による処理後の予測活性(未処理対照による場合との比較における%活性)。
【0136】
実際に観察された活性が期待値Weよりも大きい場合、相乗効果が存在する。CDLの活性成分と上述の活性成分との組み合わせの相乗効果は以下の結果に示される。
【0137】
結果
以下の全ての割合はmg ai/l(すなわちppm)として表される。
【0138】
【表5】

【0139】
【表6】

【0140】
【表7】

【0141】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁板における真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理するための方法であって、該壁板を:(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理することを含んで成る方法。
【請求項2】
壁板における真菌の成長及び/又は蔓延を予防及び/又は処理するための方法であって、該壁板を:(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理することを含んで成る方法。
【請求項3】
前記相乗作用性組成物が、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントから成る、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記真菌が:アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp)及びスタキボトリス属(Stachybotrys sp)から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記壁板が該壁板の製造工程において処理される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記殺真菌剤が前記壁板の石膏コア中に含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記殺真菌剤が壁板の石膏コアの表面に適用される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記殺真菌剤が壁板のペーパーコーティング中に含まれる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記殺真菌剤が製紙工程における紙中に含まれる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記殺真菌剤が、前記紙が作成された後に適用される、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
実質的に完成した壁板が殺真菌剤で処理される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記壁板が、該壁板の取り付け前に殺真菌剤で処理される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記壁板が、該壁板の取り付け後に殺真菌剤で処理される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法により得ることができる壁板。
【請求項15】
(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理された壁板。
【請求項16】
(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理された壁板。
【請求項17】
前記相乗作用性組成物が、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、殺真菌的に許容される担体及び/又はアジュバントとから成る、請求項16に記載の壁板。
【請求項18】
前記殺真菌剤が石膏コア中に含まれる、請求項15〜17のいずれか1項に記載の壁板。
【請求項19】
前記殺真菌剤が壁板の石膏コアの表面に適用される、請求項15〜18のいずれか1項に記載の壁板。
【請求項20】
前記殺真菌剤が壁板のペーパーコーティング中に含まれる、請求項15〜19のいずれか1項に記載の壁板。
【請求項21】
前記殺真菌剤が、壁板が作成された後に適用される、請求項15〜20のいずれか1項に記載の壁板。
【請求項22】
請求項14〜21のいずれか1項に記載の壁板を備える建築物。
【請求項23】
壁板における真菌の成長を制御する方法における、(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用。
【請求項24】
壁板における真菌の成長を制御する方法における、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用。
【請求項25】
殺真菌的に処理された壁板の製造おける、(a)アニリノピリミジン殺真菌剤と、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用。
【請求項26】
殺真菌的に処理された壁板の製造おける、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物の使用。
【請求項27】
アウレオバシジウム属(Aureobasidium sp)及びスタキボトリス属(Stachybotrys sp)から成る群から選択される真菌による蔓延から建築材料を保護するための方法であって、該材料を:(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る、殺真菌的有効量の相乗作用性組成物で処理することを含んで成る方法。
【請求項28】
建築材料の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤とを含んで成る相乗作用性組成物。
【請求項29】
建築材料の処理における使用に適当な相乗作用性組成物であって、(a)シプロジニルと、(b)(b1)プロピコナゾール;(b2)シプロコナゾール;(b3)ジフェノコナゾール;及び(b4)チアベンダゾールから成る群から選択される殺真菌剤と、担体及び/又はアジュバントとから成る相乗作用性組成物。

【公表番号】特表2009−519307(P2009−519307A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545073(P2008−545073)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004604
【国際公開番号】WO2007/068893
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】