説明

新規な第3級8−ヒドロキシキノリン−7−カルボキサミド誘導体およびその使用

一般式(I)の新規な第3級8−ヒドロキシキノリン−7−カルボキサミド誘導体、および医薬として許容されるその塩が開示される。これらの化合物は、抗真菌剤として有用である。詳細には、これらの化合物を、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、黒色麹菌クロカビおよびスコプラリオプシス−ブレビカウリスに対して試験した。これらの化合物は、鵞口瘡カンジダおよびカンジダ−グラブラタなどのカンジダ種に対しても活性を有する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗真菌剤として有用である、新規な第3級8−ヒドロキシキノリン−7−カルボキサミド誘導体および医薬として許容されるその塩ならびにそれらを調製する工程を提供する。詳細には、これらの化合物を、紅色白癬菌(Trichophyton Rubrum)、毛瘡白癬菌(Trichophyton Mentagrophytes)、黒色麹菌クロカビ(Aspergillus Niger)およびスコプラリオプシス−ブレビカウリス(Scopulariopsis Brevicaulis)に対して試験した。これらの化合物のうちの多くは、鵞口瘡カンジダ(Candida Albicans)およびカンジダ−グラブラタ(Candida Glabrata)などのカンジダ種に対しても活性を有する。
【背景技術】
【0002】
病原性真菌は、2つの範疇である、正常な対象に疾患を誘発することができる真菌と、それより侵襲性が低い、重篤な宿主にだけ疾患を生じることができる真菌に分けることができる。過去20年間に、侵襲性の日和見真菌感染症の発生率ならびに関連する罹患率および死亡率は、相当に増加した。これは主に、重体患者、例えば、血管内カテーテルおよび尿カテーテルを着け、完全静脈栄養および血液透析を受け、または換気システムに接続されてICU(集中治療室)にいるような者などの生存を増加させてきた、現代医学の大きな進歩に起因する。
【0003】
カンジダ種は一般に、ICUの患者のうちに院内血流感染症を引き起こす。英国のカンジダ血症の入院中の発生率は、100,000病床日数あたり約3例であり、すべての症例の40%から52%がICUで発生している(非特許文献1)。この種の真菌症は、かなりの罹患率および死亡率を伴うことが多い。寄与死亡率は約38%であるが、それは5%から71%の間で変動する可能性がある。ここ数年間で、ICUに入院する患者において侵襲性肺アスペルギルス症の発生率が上昇した。該疾患の発生率は、0.3%から5.8%の範囲であり、全死亡率は80%を超える(非特許文献2)。重篤患者は、ICUに滞在する間に免疫調節障害を発症する危険性があり、それにより、重篤患者は真菌感染症に弱くなる。慢性閉塞性肺疾患、ステロイドの長期使用、進行した肝疾患、長期の腎代償療法、溺水、および真性糖尿病などの危険因子が記載されている。
【0004】
また、免疫不全患者の数も、臓器および骨髄移植、自己免疫症候群、後天性免疫不全症候群(AIDS)ならびに腫瘍学の分野で特に激増した。
【0005】
骨髄移植集団のうちの約40%が、侵襲性真菌感染症を発症する(非特許文献3)。カンジダ種およびアスペルギルス種は、造血器腫瘍患者および骨髄移植患者では、院内の表在性および侵襲性真菌症の原因となる最も一般的な病原菌である。こうした患者では、全身性カンジダ症に関連する死亡率は極めて高い(50〜90%)。
【0006】
臓器移植に関しては、感染合併症は、肺移植患者において頻度が増大する。罹患性の増加は主に、免疫抑制療法に加えて、絶え間なく外部環境に曝されることに起因する。免疫抑制治療の強度に対応して、侵襲性真菌感染症は、手術後の最初の数日間に起こることがあり、その頻度は最初の2カ月間に最も多く6カ月後に減少するが、移植後数年経っても起こる可能性がある(非特許文献4)。
【0007】
侵襲性真菌感染症は、例えば腎臓および肝臓移植など、他の種類の臓器移植にも頻発し、5から50%の発生率が報告される(非特許文献5)。
【0008】
真菌症は、AIDSの患者における死因の主因の一つであり、こうした感染症の発生率および重症度は、疾患の進行および結果として起こるT細胞介在性免疫の障害のともに増加する。様々な真菌症の発生率は、居住地に存在する地域特有の日和見真菌に密接に関係している。一般的に言えば、AIDS患者に影響を及ぼす最も頻度が高い真菌症は、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、コクシジオイデス症およびパラコクシジオイデス症である(非特許文献6)。
【0009】
粘膜のカンジダ感染症も、非常によく見られる。通常の患者では、すべてのこうした真菌症は一般に自己限定性であるが、免疫抑制患者では高侵襲性となり、進行性の広範な播種をもたらす。
【0010】
さらに、現行の治療法に耐性がある微生物によって引き起こされる真菌症の増加が、ここ数年で明らかになった。この現象は、鵞口瘡カンジダによって引き起こされる真菌感染症とフルコナゾールおよび他のアゾールに関して、特に明らかである(非特許文献7)。
【0011】
現在利用できる抗真菌薬は、その限られた活性スペクトルおよびその使用に関連する重い副作用によって、十分に満足できるものではない。ポリエン系薬剤、例えばアムホテリシンBは、アスペルギルス属、接合菌類(Zygomycete)および他のカビ類に対していかなる方法でも活性を有し、侵襲性真菌症の治療に許可される投与量は、その毒性により一日あたり3〜5mg/kgである。侵襲性アスペルギルス症を患う、高度に免疫不全な患者において、リポソームカプセル化したアムホテリシンBを3mg/kgで毎日投与すると、50%の患者から良好な応答が得られ、また72%の12週生存率が得られた(非特許文献8)。この薬剤は、14〜16%の患者に腎毒性および低カリウム血症を誘発した。アムホテリシンBを10mg/kgで毎日投与すると、追加的な利益を何ら与えることなく、腎毒性の発生率が増加した(31%)。
【0012】
1970年代後半に導入されたアゾールは、エルゴステロール合成の遮断薬である。この系統に属する薬剤の使用は、その狭い活性スペクトルにより限定される。例えば、ボリコナゾールは、アムホテリシンBよりも侵襲性アスペルギルス症の治療に活性があるが、接合菌類に対して活性がない(非特許文献9)。アゾールの採用は、幾つかの副作用の誘発によっても限定される。アゾールは、哺乳動物のp450酵素と相互作用して他の薬剤の代謝に干渉し、加えて、ケトコナゾールなどの幾つかのアゾールは、心臓のカリウムチャネルKv1.5を遮断する可能性があり、QT延長および「トルサード・ド・ポワント」を引き起こす(非特許文献10)。
【0013】
テルビナフィンなどのアリルアミンは、スクアレンエポキシダーゼに結合し、阻害して、エルゴステロール合成を遮断する。これらの薬剤は、皮膚糸状菌(Dermatophyte)に対して極めて強力であるが、カンジダ種に対するその活性は極めて乏しい。場合によっては、アリルアミンでの治療後に重篤な皮膚の有害反応が起こる。最近の多国間症例対照試験(multinational case−control study)(euroSCAR)(非特許文献11)によると、テルビナフィン全身治療は、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP)の発症に強く関連することが明らかになった。この疾患は、通常白血球増加および発熱を伴う、多くの無菌性の非濾胞性膿疱の急速な発生によって特徴付けられる。AGEPは一般に、特定の薬剤を用いる患者の治療によるものであり、変化したT細胞活性に関係すると見られる。テルビナフィン治療は、皮膚筋炎、すなわち、紅斑、筋力低下、および間質性肺線維症によって特徴付けられる重篤な自己免疫性の結合組織病を誘発する恐れもある(非特許文献12)。加えて、様々な抗真菌薬物と同様に、テルビナフィンは重篤な肝損傷を引き起こす恐れがある(非特許文献13)。
【0014】
グリセオフルビンは、皮膚糸状菌感染症を治療するために1960年に導入されたベンゾフラン(benzofuran)である。該化合物は、微小管生成に干渉することにより、その静菌活性を誘導する。グリセオフルビンは爪真菌症の治療では限定された活性を示し、治療の中止をもたらす可能性がある重篤な副作用、例えば、悪心、下痢、頭痛、錯乱および疲労などを引き起こすことが多い(非特許文献14)。
【0015】
2種類のN−ヒドロキシピリドン、すなわちシクロピロックスオラミンおよびオクトピロックスは、多価カチオンをキレート化することによって主に作用して、金属依存性の酵素を阻害すると見られる。これらは、様々な真菌感染症に対して採用されるが、その使用は局所治療に限定される。
【0016】
エキノキャンディン(カスポファンギン、ミカファンギン、アニデュラファンギン)は、半合成のリポペプチドであり、最も新しく導入された抗真菌薬である。これらは、細胞壁の維持に必須な酵素であるβ−(1−3)−Dグルカンの合成を非競合的に阻害することによって作用し、侵襲性カンジダ症およびアスペルギルス症の静脈内治療に主に使用される。これらは、酵母菌に対して殺真菌性であるが、糸状菌に対しては静真菌性であるに過ぎない。加えて、これらは、ブラストミセス属(Blastomyces)およびヒストプラスマ属(Histoplasma)などの二形性真菌に対して全く活性がない。エキノキャンディンは許容性が良好であるが、動物生殖試験により胎児への有害作用が示された。こうした理由から、FDAはエキノキャンディンを胎児危険度分類Cとしてリスト表示している(非特許文献15、非特許文献16)。
【0017】
特許文献1は、HIVインテグラーゼ阻害活性を有する、汎用的で極めて広範な化合物類を開示している。この広範で汎用的な部類には、多種多様な置換基、例えば7位で置換されたカルボキサミド基などによって置換された、8−ヒドロキシキノリン誘導体が含まれる。該参考文献に開示される特定の化合物はいずれも本発明の化合物に構造的に類似していない。
【0018】
特許文献2は、HIVインテグラーゼ阻害活性を有する、汎用的で極めて広範な化合物類を開示している。実際には、該参考文献に開示される特定の化合物は、必ずピリジル環に置換基を有し、好ましくは3−(4−フルオロベンジル)−8−ヒドロキシキノリンである。該参考文献に開示される特定の化合物は、いずれも本発明の化合物に構造的に類似していない。
【0019】
特許文献3は、HIVインテグラーゼ阻害活性を有する、汎用的な抗ウイルス化合物類を開示している。該参考文献に開示される特定の化合物はいずれも本発明の化合物に構造的に類似していない。
【0020】
特許文献4は、HIVインテグラーゼ阻害活性を有する、汎用的な化合物類を開示している。実際には、該参考文献に開示される特定の化合物の大部分が、ナフチリジニル(naphthydridinyl)残基を有する。該参考文献に開示される特定の化合物はいずれも、本発明の化合物に構造的に類似していない。
【0021】
特許文献5は、HIVインテグラーゼ阻害活性を有する、汎用的で極めて広範な化合物類を開示している。該参考文献に開示される特定の化合物はいずれも本発明の化合物に構造的に類似していない。
【0022】
特許文献6および特許文献7は、2種類の殺菌剤の組み合わせを含み、そのうちの1種がキノリンまたはシンノリン化合物である、殺真菌性化合物を開示している。該参考文献に開示される特定の化合物はいずれも本発明の化合物に構造的に類似していない。
【0023】
特許文献8は、キノリン誘導体およびシトクロム複合体III阻害剤から作製される、相乗作用を持つ殺真菌性組成物を開示している。該参考文献に開示される特定の化合物はいずれも本発明の化合物に構造的に類似していない。
【0024】
特許文献9は、ウイルス、真菌または細菌感染症の治療に有用であると報告される、ピコリノイル誘導体を開示している。
【0025】
特許文献10は、ある種の第2級アミドを含む極めて広範な式により定義される抗真菌剤を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】欧州特許第1375486号明細書
【特許文献2】欧州特許第1541558号明細書
【特許文献3】国際公開第98/11073号パンフレット(米国特許第6310211号明細書)
【特許文献4】国際公開第02/30426号パンフレット
【特許文献5】国際公開第02/30930号パンフレット
【特許文献6】米国特許第0326330号明細書
【特許文献7】米国特許第0326328号明細書
【特許文献8】国際公開第96/32015号パンフレット
【特許文献9】米国特許第6194413号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第1669348号明細書
【特許文献11】独国特許第540842号明細書
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】Schelenz S., J. Antimicrob. Chemother. 2008; 61, Suppl 1, 31-34
【非特許文献2】Trof R. J. et al, intensive Care Med., 2007; 33, 1694-1703
【非特許文献3】Khan S. A., Wingard J. R., Natl. Cancer Inst. Monogr. 2001; 29, 31-36
【非特許文献4】Hamacher J. et al, Eur. Respir. J., 1999; 13, 180-186
【非特許文献5】Dictar M. O. et al, Med Mycol., 2000; 38 Suppl. 1, 251-258
【非特許文献6】Sarosi G. A., Davies S. F., West J. Med., 1996; 164, 335-340
【非特許文献7】Bastert J. et al, Int. J. Antimicrob. Agents, 2001; 17, 81-91
【非特許文献8】Cornely O. A. et al, Clin. Infect. Dis., 2007; 44, 1289-1297
【非特許文献9】Johnson L. B., Kauffman C. A., Clin. Infect. Dis., 2003, 36, 630-637
【非特許文献10】Dumaine R., Roy M. L., Brown A. M., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1998; 286, 727-735
【非特許文献11】Sidoroff A. et al, Br. J. Dermatol., 2007; 15, 989-996
【非特許文献12】Magro C. M. et al, J. Cutan. Pathol., 2008; 35, 74-81
【非特許文献13】Perveze Z. et al, Liver Transpl., 2007; 13, 162-164
【非特許文献14】Korting H. C. et al, Antimicrob. Agents Chemother., 1993; 37, 2064-2068
【非特許文献15】http://www.fda.gov/medwatch/SAFETY/2004/mar_PI/Cancidas_PI.pdf;
【非特許文献16】http://www.fda.gov/medwatch/safety/2007/Aug_PI/Mycamine_PI.pdf
【非特許文献17】Bioorg. Med. Chem., 14, 2006, 5742-5755
【非特許文献18】Synthesis, 12, 1997, 1425-1428
【非特許文献19】Jerry March, Advanced Organic Chemistry, 4th edition, John Wiley & Sons, 1992, pp. 417-425
【非特許文献20】Green T.W. and Wuts P.G.M. (1991) Protecting Groups in Organic Synthesis, John Wiley et Sons
【非特許文献21】National Committee for Clinical Laboratory Standards. Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing of Yeasts; Approved standard-Second Edition M27-A2. 2002; Vol. 22, No. 15
【非特許文献22】National Committee for Clinical Laboratory Standards. Reference Method for Broth Dilution Antifungal Susceptibility Testing of Filamentous Fungi; Approved standard M38-A. 2002; Vol. 22, No. 16
【発明の概要】
【0028】
有効な抗真菌薬への臨床的必要性がここ数年で激増していることは上記先行技術文献から明らかである。残念なことに、上記先行技術文献に開示されるものなど、現在利用できる薬剤は、その狭い作用スペクトル、薬物動態特性および重篤な副作用により、満足できるものではない。
【0029】
本発明は、強力な抗真菌活性を備えた、一般式(I)の化合物、または医薬として許容されるその塩および誘導体を特に提供する
【0030】
【化1】

【0031】
(式中、R1は、
a)−H、
b)−F、
c)−Cl、
d)−Br、
e)−NO2
f)−CF3
g)−C1〜C6アルキル、
h)−(X)−NR45
i)−CN、
j)−(Y)−R6
k)任意選択で置換されている、−(CH2n−アリール、または
l)任意選択で置換されている、−(CH2n−複素環(heterocycle)であり、
式中、Xは、
a)−(CH2n−、
b)−(SO2)−、
c)−(C=O)−、または
d)−(N−C=O)−であり、
式中、Yは、
a)−O−、
b)−S−、
c)−(SO2)−、
d)−(SO3)−、
e)−(C=0)−、
f)−(CO2)−、
g)−(CH2O)−、または
h)−(NHSO2)−であり、
式中、R2およびR3は、互いに独立に、
a)R2とR3が同時にはメチルではないという条件で、−C1〜C6アルキル、
b)任意選択で置換されている、−(CH2n−アリール、
c)任意選択で置換されている、−(CH2n−シクロアルキル、
d)任意選択で置換されている、−(CH2n−複素環、
e)−(CH2n−OR6
f)−(CH2n−CN、
g)−(CH2n−NR45
h)R2およびR3に結合された窒素原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成している、または
i)R2およびR3に結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、該単環複素環が、1つもしくは2つの任意選択で置換された飽和もしくは不飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合している
から選択され、
式中、R4およびR5は、互いに独立に、
a)−H、
b)−C1〜C6アルキル、
c)任意選択で置換されている、−(CH2n−アリール、
d)任意選択で置換されている、−(CH2n−シクロアルキル、
e)任意選択で置換されている、−(CH2n−複素環、
f)−(CH2n−OR6
g)−(CH2n−CN、
h)R4およびR5に結合された窒素原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成している、または
j)R4およびR5に結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、該単環複素環が、1つもしくは2つの任意選択で置換された飽和もしくは不飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された他の複素環と縮合している
から選択され、
式中、R6は、
a)−H、
b)−C1〜C6アルキル、
c)任意選択で置換されている、−(CH2n−アリール、
d)任意選択で置換されている、−(CH2n−シクロアルキル、または
e)任意選択で置換されている、−(CH2n−複素環であり、
式中、nは0から6までの整数である)。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書で使用される場合、用語「C1〜C6アルキル」は、1から6個の炭素原子を有する、直鎖または分岐鎖のアルキル基を意味し、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキルの異性体のすべて、ならびに、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル、n−プロピルおよびイソプロピル、エチルおよびメチルを含む。
【0033】
用語「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルから選択される、アルカンの環式環を意味する。
【0034】
用語「アリール」は、芳香族単環式および多環式炭素環系を指し、該多環系において個々の炭素環式環は、縮合していても、単結合を介して互いに結合していてもよい。適切なアリール基には、それだけには限らないが、フェニル、ナフチルおよびビフェニルが含まれる。
【0035】
用語「複素環」(および「複素環式」などの、その変形)は、概して、4から8員の単環式環、7から12員の二環式環系、または11から16員の三環式環系であって、これらのうちのいずれの環も飽和または不飽和であり、炭素原子と、N、O、およびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子とからなる環または環系を指し、窒素および硫黄のヘテロ原子は任意選択で酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されていてもよい。複素環式環は、結合により安定な構造が生じるのであれば、いずれのヘテロ原子または炭素原子に結合されてもよい。複素環式環が置換基を有する場合、安定な化学構造がもたらされるのであれば、該置換基は、ヘテロ原子であれ炭素原子であれ、環におけるいずれの原子に結合されてもよいと理解される。
【0036】
用語「単環複素環」(および「単環複素環式」などの、その変形)は、炭素原子と、N、O、およびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子とからなる、飽和または不飽和の4から8員の単環式環を指し、窒素および硫黄のヘテロ原子は任意選択で酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されていてもよい。複素環は、結合により安定な構造が生じるのであれば、いずれのヘテロ原子または炭素原子に結合されてもよい。複素環が芳香族の複素環である場合、該複素環は「芳香族複素環」と定義することができる。
【0037】
そうでないと明確に表記されない限り、「不飽和」環は、部分的または完全に不飽和な環である。例えば、「不飽和単環C6炭素環」は、シクロヘキセン、シクロヘキサジエンおよびベンゼンを指す。
【0038】
用語「置換された」は、単一または複数の置換が化学的に許容される程度までの、指定された置換基による一置換および多置換を含む。例えば、複数の置換基で置換された炭素環または複素環は、化学的に許容される程度まで、同一の環の原子に複数の置換基を有することができる。飽和複素環における環の硫黄原子は、例えば、1つの(−S(=O)−)基または2つのオキソ基(−SO2−)で典型的に置換される。
【0039】
「医薬として許容される塩または誘導体」は、親化合物の生物学的な効果および特性を有し、生物学的にまたはそれ以外に望ましくないことがない、これらの塩または誘導体を指す。かかる塩には、無機または有機酸を有するものが含まれ、例として、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。かかる誘導体には、エステル、エーテルおよびN−オキシドが含まれる。
【0040】
本発明の化合物およびその医薬として許容される塩または誘導体は、不斉中心を有することができ、明確に記載される場合を除き、立体異性体の混合物として、または個々のジアステレオマーもしくはエナンチオマーとして、本発明に含まれるすべての異性体型で存在することができる。
【0041】
「医薬として許容される」という語句は、本発明の化合物を含有する製剤に関して使用される場合、生理学的に許容可能で、哺乳動物などの動物(例えばヒト)に投与したときに、典型的には不都合な反応を生じない、分子的実体およびかかる製剤の他の成分を指す。好ましくは、本明細書で使用される場合、用語「医薬として許容される」は、FDAまたはEMEAなどの監督機関によって認可されている、または、哺乳類、最も好ましくはヒトにおける使用に関して、米国もしくはヨーロッパ薬局方または他の一般的に承認されている薬局方のリストに記載されていることを意味する。
【0042】
好ましくは、式(I)において、
1は、
a)−H、
b)−Br、または
c)−NO2であり、
2およびR3は、互いに独立に、
a)R2とR3が同時にはメチルではないという条件で、−C1〜C6アルキル、
b)任意選択で置換されている、−(CH2n−アリール、
c)任意選択で置換されている、−(CH2n−シクロアルキル、
d)任意選択で置換されている、−(CH2n−複素環、
e)−(CH2n−OR6
f)−(CH2n−CN、
g)R2およびR3に結合された窒素原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成している、または
h)R2およびR3に結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、該単環複素環が、1つもしくは2つの任意選択で置換された不飽和もしくは飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合している
から選択され、
6は、Hであり、
および/または、nは0から6までの、好ましくは0から2までの整数である。
【0043】
さらに好ましくは、式(I)において、
1は、Hであり、
2およびR3は、Hとは異なり、独立に、
a)R2とR3が同時にはメチルではないという条件で、−C1〜C6アルキル、
b)任意選択で置換されている、−(CH2n−アリールであり、または
c)R2およびR3に結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、該単環複素環が、1つもしくは2つの任意選択で置換された不飽和もしくは飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合されており、
および/または、nは0から6までの、好ましくは0から2までの整数である。
【0044】
本発明の好ましい実施形態によると、R2とR3は異なる。
【0045】
本発明の好ましい化合物には、それだけには限らないが、以下からなる群から選択される化合物が含まれる:
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(4−(2−フェニルプロパン−2−イル)ベンジル)キノリン−2−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(モルホリノ)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノン;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−フェネチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(インドリン−1−イル)メタノン;
N−(フラン−2−イルメチル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
N−(4−ブロモベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−フェニルキノリン−7−カルボキサミド;
N−(4−クロロフェニル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
N−エチル−8−ヒドロキシ−N−フェニルキノリン−7−カルボキサミド;
N−シクロヘキシル−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)キノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(1−メチルピロリジン−3−イル)キノリン−7−カルボキサミド;
N−(2−シアノエチル)−N−(フラン−2−イルメチル)−8−ヒドロキシキノリン−7−カルボキサミド;
N−(2−シアノエチル)−8−ヒドロキシ−N−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)キノリン−7−カルボキサミド;
N−エチル−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−プロピルキノリン−7−カルボキサミド;
(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(5−ブロモインドリン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−メトキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(5−ニトロインドリン−1−イル)メタノン;
8−ヒドロキシ−N−フェニル−N−プロピルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(オクタヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
N−(4−フルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
N−(3−ブロモベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)メタノン;
(4−tert−ブチルピペリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(S)−8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(1−フェニルエチル)キノリン−7−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)キノリン−7−カルボキサミド;
(3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
N−(2−ブロモベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−フェニルピペリジン−1−イル)メタノン;
((4aS,8S,8aR)−8−ヒドロキシ−オクタヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−メチルピペリジン−1−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−フェニルピペリジン−1−イル)メタノン;
(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル)−(8−ヒドロキシ−キノリン−7−イル)−メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−メチルピペリジン−1−イル)メタノン;
(R)−8−ヒドロキシ−N−(1−フェニルエチル)キノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−メチルピロリジン−1−イル)メタノン;
(2,5−ジメチルピロリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(3−フェニルピロリジン−1−イル)メタノン;
(3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(3−メチルピペリジン−1−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン;
(1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−(8−ヒドロキシ−キノリン−7−イル)−メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−ニトロインドリン−1−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(7−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン;
(ヘキサヒドロ−1H−イソインドール−2(3H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(3−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−イソプロピル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン
(6−クロロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(7−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン
(6−ブロモ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン。
【0046】
特に好ましい実施形態では、本発明の化合物は以下から選択される:
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン(実施例10);
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)メタノン(実施例6);
N−(4−ブロモフェニル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド(実施例29);
(デカヒドロ−1H−カルバゾール−9(9aH)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン(実施例49);
N−(4−クロロベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド(実施例56);
(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン(実施例70);
(7−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン(実施例61);
(5−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン(実施例71);
(6−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン(実施例72);
(5−クロロ−8−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン(実施例73);
(2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン(実施例74)。
【0047】
本発明の化合物は、以下の概略チャート1に表されるように、適切な8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸1−1(または酸ハロゲン化物もしくはエステルなどの酸誘導体)を、適したアミン1−2とカップリングさせることによって調製することができる。
【0048】
【化2】

【0049】
あるいは、アミンとのカップリングを行う前に、カルボン酸のヒドロキシル基を保護し(非特許文献17もしくは非特許文献18または特許文献11)、最終ステップで脱保護することができる。
【0050】
カルボン酸にアミンをカップリングさせてカルボキサミドを形成する方法は、当技術分野で周知である。適切な方法は、例えば非特許文献19に記載されている。
【0051】
芳香族ヒドロキシル基を保護および脱保護する方法は、当技術分野で周知である。保護基は、有機合成の標準方法に従って操作される(非特許文献20)。
【0052】
以下のチャート2〜3は、チャート1に描かれた化学反応を説明し、さらに詳細に述べる。
【0053】
【化3】

【0054】
AがBrである場合、カルボン酸2−1(以降の調製物4で調製される)は、市販の8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸を酢酸中で臭素1当量と反応させることによって得られた(1998年3月19日公開の特許文献11)。
【0055】
AがFまたはClである場合、カルボン酸2−1は、対応する市販の出発材料である、5−ハロ−8−ヒドロキシキノリンから、1998年3月19日公開の特許文献11に記載される方法を使用して、調製することができる。
【0056】
AがNO2である場合、カルボン酸2−1は、対応するエチルエステルをHNO3とH2SO4の混合物と反応させ、続いてアルカリ加水分解することによって調製された。あるいは、A=NO2であるカルボン酸2−1は、3−アミノ−2−ヒドロキシ−5−ニトロ安息香酸を6N HCl中のプロペナールと反応させることによって調製された。
【0057】
チャート1の一般式1−2の化合物は、市販品として入手できる、または当業者に周知である従来の合成手順を使用して調製された。1−2が、市販されていないテトラヒドロキノリン(3−2)である場合、これらは、例えば、酸化白金とH2、またはZnと塩酸とを用いる従来の合成手順を使用することにより、対応するキノリン3−1を還元することによって得られた。
【0058】
【化4】

【0059】
適切に置換された市販されていないキノリン3−1の調製は、これ以上詳しくは述べない、従来の合成手順を使用することによって為された。こうした反応において、それ自体が当業者に既知である変異体を使用することもできる。
【0060】
記述した合成手順は、本質において代表的であるに過ぎず、代替の合成手順が有機化学における当業者に既知であることは、当業者には明白であろう。
【0061】
以下の実施例は、本発明およびその実施を説明する役目を果たすのみである。該実施例は、本発明の範囲または精神を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0062】
1.化学合成
特に示さない限り、すべての出発試薬は、市販品として入手できることが判明し、事前に精製を何もせずに使用した。本発明の化合物は、従来の合成手順を使用して容易に調製することができる。こうした反応において、それ自体が当業者には既知である変異体を使用することもできるが、変異体についてこれ以上詳細には述べない。さらに、本発明の化合物を調製する他の方法は、以降の反応スキームおよび実施例に照らせば、当業者には容易に明らかであろう。特に示さない限り、すべての変数は上で定義した通りである。
【0063】
「類似した」手順の使用が言及される場合、当業者には理解されるであろうが、かかる手順は、例えば、反応温度、試薬/溶剤の量、反応時間、後処理条件またはクロマトグラフィの精製条件などの、軽微な変更を含む可能性がある。
【0064】
本明細書、特に表および実施例に使用される略語を、表1にまとめる。
【0065】
【表1】

【0066】
特に示さない限り、すべての温度は℃(摂氏温度)またはK(ケルビン)で表す。
【0067】
プロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルは、Brucker 300MHzで記録した。化学シフトは、百万分率(ppm、δ単位)で表す。分裂パターンは、見かけ上の多重度を記述し、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、quint(五重線)、sxt(六重線)、m(多重線)、br.s(幅広の一重線)と表す。
【0068】
LC−MSは、以下の条件下で記録した。
・方法A〜C:質量分析計シングル四重極ZQ(Waters)を接続した、Sample Managerを有するUPLCおよび2996PDA検出器(Waters)。ZQインターフェース:ESIポジティブモード。102から900amuまでのフルスキャン。キャピラリー3.2V、コーン25V、抽出器3V、RF0.3V、ソース温度115℃、脱溶媒温度350℃、ガス流量800L/時、コーン100L/時。カラム Aquity UPLC−BEH C18(50×2.1mm、1.7μm)。流速0.6mL/分、カラム40℃、注入量2μL。移動相:A相=水/CH3CN 95/5+0.1%TFA、B相=水/CH3CN=5/95+0.1%TFA。
【0069】
− 方法A:0〜0.25分(A:95%、B:5%)、3.30分(A:0%、B:100%)、3.30〜4.00(A:0%、B:100%)、4.10分(A:95%、B:5%)、4.10〜5.00分(A:95%、B:5%)。
【0070】
− 方法B:0〜1.00分(A:100%、B:0%)、1.50分(A:95%、B:5%)、3.50分(A:0%、B:100%)、3.50〜4.00(A:0%、B:100%、)、4.10分(A:100%、B:0%)、4.10〜5.00分(A:100%、B:0%)。
【0071】
− 方法C:0〜0.50分(A:95%、B:5%)、6.00分(A:0%、B:100%)、6.00〜7.00(A:0%、B:100%)、7.10分(A:95%、B:5%)、7.10〜8.50分(A:95%、B:5%)。
【0072】
・方法D:質量分析計シングル四重極ZQ(Waters)を接続した、Waters1525HPLCポンプ(Waters)および2996PDA検出器(Waters)。ZQインターフェース:ESIポジティブモード。102から900amuまでのフルスキャン。キャピラリー3.2V、コーン25V、抽出器3V、RF0.3V、ソース温度115℃、脱溶媒温度350℃、ガス流量600L/時、コーン100L/時。カラム X−bridge C18(50×2.1mm、3.5μm)。流速0.4mL/分、カラム40℃、注入量5μL。移動相:A相=水/CH3CN 95/5+NH3 pH9.5、B相=水/CH3CN=5/95+NH3 pH9.5。0〜1.00分(A:95%、B:5%)、7.50分(A:0%、B:100%)、7.50〜8.50分(A:0%、B:100%)、8.60分(A:95%、B:5%)、8.60〜9.60分(A:95%、B:5%)。
【0073】
・方法E:質量分析計シングル四重極ZQ(Waters)を接続した、Sample Managerを有するUPLCおよび2996PDA検出器(Waters)。ZQインターフェース:ESIポジティブモード。100から600amuまでのフルスキャン。キャピラリー3.25V、コーン26V、抽出器3V、ソース温度120℃、脱溶媒温度400℃、ガス流量800L/時、コーン100L/時。カラム Aquity UPLC−BEH C18(50×2.1mm、1.7μm)。流速0.5mL/分、カラム40℃、注入量2μL。移動相:A相=水/CH3CN 95/5+0.1%TFA、B相=水/CH3CN=5/95+0.1%TFA。0分(A:95%、B:5%)、0.30分(A:92%、B:8%)、1.50分(A:0%、B:100%)、1.50〜2.00分(A:0%、B:100%)。
【0074】
・方法F:質量分析計シングル四重極ZQ(Waters)を接続した、Waters1525HPLCポンプ(Waters)および2996PDA検出器(Waters)。ZQインターフェース:ESIポジティブモード。102から900amuまでのフルスキャン。キャピラリー3.2V、コーン25V、抽出器3V、RF0.3V、ソース温度115℃、脱溶媒温度350℃、ガス流量600L/時、コーン100L/時。カラム Synergy C18(20×2.0mm、2.5μm)。流速0.7mL/分、注入量2μL。移動相:A相=水/CH3CN 95/5+TFA0.1%、B相=水/CH3CN=5/95+TFA0.1%。0〜0.25分(A:95%、B:5%)、3.50分(A:0%、B:100%)、3.50〜4.50分(A:0%、B:100%)、4.60分(A:95%、B:5%)、4.60〜6.00分(A:95%、B:5%)。
【0075】
分取HPLC精製に使用するソフトウェア、カラムおよび条件
ソフトウェア
島津製作所 CLASS−VP 1.0.0.1
【0076】
カラム
使用したカラムは、Waters Symmetry Prep C18カラムであり、その寸法は、内径19mm×長さ300mmである。固定相の粒径は7μmである。
【0077】
溶媒
A.水性溶媒=水/CH3CN 90/10+0.05%TFA。
B.有機溶媒=CH3CN/水 90/10+0.05%TFA。
針洗浄溶媒(needle rinse solvent)=i−PrOH。
【0078】
方法
一方法のみ使用した(5〜100%B)。該方法の流速は20mL/分であり、実行時間は、28分間の勾配と、その後7分のカラム洗浄および再平衡化ステップを含む、35分間であった。
【0079】
調製物1:
【0080】
【化5】

【0081】
N−メチル−1−(4−(2−フェニルプロパン−2−イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩
ステップA:4−(2−フェニルプロパン−2−イル)ベンズアルデヒド
TFA(35mL)中に、プロパン−2,2−ジイルジベンゼン(3.93g、20mmol)と1−アザ−トリシクロ[3.3.1.1*3,7*]デカン(2.80g、20mmol)を含む懸濁液を、100℃で16時間加熱した。反応混合物を室温まで放冷し、冷水上に注ぎ、固体K2CO3でアルカリ性(pH=9)にした。この水溶液をEt2O(3×250mL)で抽出し、分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、石油エーテル:EtOAc 95:5)で精製し、標記化合物(3.47g、15.46mmol)を得た。
【0082】
1H-NMR(CDCl3)δ:10.00(s,1H);7.81(m,2H);7.42(m,2H);7.14-7.38(m,5H);1.74(s,6H).
【0083】
ステップB:N−メチル−1−(4−(2−フェニルプロパン−2−イル)フェニル)メタンアミン塩酸塩
メチルアミンの10Mエタノール溶液(4mL、40mmol)を、調製物1の4−(2−フェニルプロパン−2−イル)ベンズアルデヒド(2.24g、10mmol)の無水エタノール溶液(30mL)に添加し、得られた混合物を窒素下、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、次いでセライトのパッドを通して濾過し、この液体を減圧下で濃縮した。残留物を乾燥メタノール(25mL)に溶解し、0℃で、小部分ずつNaBH4(456mg、12mmol)で処理した。添加完了後、反応混合物を1時間40℃に加熱し、次いで窒素下、室温で一晩撹拌した。反応混合物をH2Oで反応停止させ、減圧下で濃縮した。残留物をH2OとEt2Oに分配し、分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。残留物を、次いで無水エタノールに溶解し、HClの4Nジオキサン溶液(4mL)を添加し、混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をiPrOHで摩砕し、標記化合物(1.71g、7.15mmol)を得た。
【0084】
1H-NMR(DMSO-d6)δ:9.25(br.s,2H);7.44(m,2H);7.10-7.36(m,7H);4.04(t,2H);2.51-2.57(m,3H);1.65(s,6H).
【0085】
調製物2:
【0086】
【化6】

【0087】
8−ヒドロキシキノリン−7−カルボニルクロリド
塩化チオニル(906mg、7.61mmol)を、8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸(1.2g、6.34mmol)を含む乾燥DCM(18mL)の冷溶液に、滴下して添加した。反応混合物を放置して室温まで温め、次いで窒素下で4時間撹拌した。反応混合物を、次いで濃縮乾固して標記化合物(1.3g、6.26mmol)を得、これ以上精製を行うことなく次のステップで使用した。
調製物3:
【0088】
【化7】

【0089】
オクタヒドロ−1H−イソインドール
ステップA:ヘキサヒドロ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン
(3aR,7aS)−3a,4,7,7a−テトラヒドロ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(3.0g、9.9mmol)と10%Pd/C(300mg)とのMeOH溶液(100mL)を、パール装置(Parr apparatus)の中で、H2雰囲気中(300psi)で24時間振盪した。反応混合物を濾過し、この液体を濃縮乾固し、標記化合物(2.6g、16.99mmol)を白色粉末として得、これ以上精製を行うことなく使用した。
【0090】
1H-NMR(CDCl3)δ:8.16(br.s,1H);2.73-3.05(m,2H);1.64-1.98(m,4H),1.40-1.64(m,4H).
【0091】
ステップB:オクタヒドロ−1H−イソインドール
ヘキサヒドロ−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(1.0g、6.5mmol)の乾燥THF溶液(14mL)を、溶媒が穏やかに還流するような速度で撹拌される、乾燥THF(6mL)中のLiAlH4のスラリーに、滴下して添加した。得られた反応混合物を、20時間加熱還流し、次いで室温まで放冷した。反応混合物を氷浴で冷却し、H2O(1mL)、20%NaOH水溶液(2.5mL)、およびH2O(2mL)を順次添加した。この混合物を濾過し、減圧下でTHFを除去した。この水相をET2Oで抽出し、分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮乾固して、標記化合物(690mg、5.52mmol)を白色粉末として得、これ以上精製を行うことなく次のステップで使用した。
【0092】
LC−MS m/z(ESI+):126.1(MH+)、Rt=0.80分(方法E)。
【0093】
調製物4:
【0094】
【化8】

【0095】
5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸
氷酢酸(24mL)中に8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸(970mg、5.13mmol)を含む懸濁液に、臭素(819.8mg、5.13mmol)を滴下して添加した。反応混合物を1時間還流し、50℃まで放冷し、氷水上に注いだ。形成された黄色の固体を、ブフナー漏斗(Buchner funnel)で濾過し、H2Oで洗浄し、真空下で乾燥し、標記化合物(1.20g、4.51mmol)を淡褐色の固体として得、これ以上精製を行うことなく次のステップで使用した。
【0096】
1H-NMR(DMSO-d6)δ:9.90(dd,1H);8.58(dd,2H);8.12(s,1H);7.90(dd,1H).
【0097】
実施例1:
【0098】
【化9】

【0099】
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(4−(2−フェニルプロパン−2−イル)ベンジル)キノリン−2−カルボキサミド
TEA(42mg、0.42mmol)、EDC.HCl(80mg、0.42mmol)、HOBt(57mg、0.418mmol)および調製物1のN−メチル−1−(4−(2−フェニルプロパン−2−イル)フェニル)メタンアミン(50mg、0.21mmol)を、DCM(2.5mL)中に8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸(48mg、0.25mmol)を含む懸濁液に、順次添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物をH2Oで反応停止させ、次いでDCMで3回抽出した。分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、DCM:MeOH 95:5)で精製し、標記化合物(39mg、0.1mmol)を灰色の固体として得た。LC−MS m/z(ESI+):411.2(MH+)、Rt=2.42分(方法A)。
【0100】
1H-NMR(DMSO-d6,353K)δ:8.89(dd,1H);8.33(dd,1H);7.59(dd,1H);7.35-7.50(m,2H);7.11-7.32(m,9H);4.60(s,2H);2.88(s,3H);1.66(s,6H).
【0101】
上述のものと類似した手順に従い、本発明のさらなる化合物を調製した(表2)。
【0102】
【表2−1】

【0103】
【表2−2】

【0104】
実施例6:
【0105】
【化10】

【0106】
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)メタノン
THF(8mL)中に調製物2の8−ヒドロキシキノリン−7−カルボニルクロリド(70mg、0.35mmol)とデカヒドロイソキノリン(62.6mg、0.45mmol)とを含む溶液と、DIPEA(259mg、2.0mmol)とを一晩50℃で加熱撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残留物をDCMとH2Oに分配した。分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュクロマトグラフィ(シリカゲル、DCM:MeOH 98:2)、次いで分取HPLCにより精製した。生成物を含有する画分を合わせ、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で塩基性にし、減圧下でCH3CNを除去した。水相をDCMで抽出し、分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、標記化合物(49mg、0.16mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
【0107】
LC−MS m/z(ESI+):311.2(MH+)、Rt=2.64〜2.73分(方法C)。
【0108】
1H-NMR(DMSO-d6,353K)δ:8.89(dd,1H);8.33(dd,1H);7.59(dd,1H);7.44(d,1H);7.35(d,1H);3.56-4.22(m,2H);3.24(dd,1H);3.16(ddd,1H);1.02-2.12(m,12H).
【0109】
上述のものと類似した手順に従い、本発明のさらなる化合物を調製した(表3)。
【0110】
【表3−1】

【0111】
【表3−2】

【0112】
実施例10:
【0113】
【化11】

【0114】
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン
THF(10mL)中の、8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸(189mg、1.0mmol)とジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(162.2mg、1.0mmol)との混合物を、窒素下で4時間加熱還流した。反応混合物を室温まで放冷し、イソインドリン(95.3mg、0.80mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で3時間撹拌し、次いで室温で一晩放置した。反応混合物を、次いでH2Oおよび炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で反応停止させ、DCMで二回抽出した。分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、SPE−SIカートリッジ(2g、DCMからDCM:MeOH 99:1)により精製し、標記化合物を淡褐色の固体として得た(123mg、0.42mmol)。
【0115】
LC−MS m/z((ESI+):291.2(MH+)、Rt=3.47分(方法C)
【0116】
1H-NMR(DMSO-d6)δ:8.98(dd,1H);8.54(dd,1H);7.74(dd,1H);7.58(m,1H);7.53(m,1H);7.38-7.47(m,1H);7.17-7.37(m,3H);4.90(s,2H);4.69(s,2H).
【0117】
上述のものと類似した手順に従い、本発明のさらなる化合物を調製した(表4)。
【0118】
【表4−1】

【0119】
【表4−2】

【0120】
【表4−3】

【0121】
【表4−4】

【0122】
【表4−5】

【0123】
【表4−6】

【0124】
【表4−7】

【0125】
【表4−8】

【0126】
【表4−9】

【0127】
【表4−10】

【0128】
【表4−11】

【0129】
【表4−12】

【0130】
【表4−13】

【0131】
【表4−14】

【0132】
【表4−15】

【0133】
【表4−16】

【0134】
【表4−17】

【0135】
実施例60:
【0136】
【化12】

【0137】
(5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン
THF(10mL)中の、調製物5の5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸(150mg、0.56mmol)とジ(1H−イミダゾール−1-イル)メタノン(90.7mg、0.56mmol)との混合物を、窒素下で3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで放冷し、イソインドリン(53mg、0.45mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、次いでH2Oおよび炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で反応停止させ、DCMで二回抽出した。分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、SPE−SIカートリッジ(2g、DCMからDCM:MeOH99:1)により精製し、標記化合物(39.1mg、0.11mmol)を淡褐色の固体として得た。
【0138】
LC−MS m/z(ESi+):369.09(MH+)、Rt=2.21分(方法A)
【0139】
1H-NMR(DMSO-d6)δ:10.80(br.s,1H);8.96-9.07(m,1H);8.45-8.54(m,1H);7.76-7.87(m,2H);7.42(d,1H);7.18-7.37(m,3H);4.88(s,2H);4.71(s,2H).
【0140】
実施例61:
【0141】
【化13】

【0142】
(7−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン
THF(6mL)中の、8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸(100mg、0.53mmol)とジ(1H−イミダゾール−1−イル)メタノン(86mg、0.53mmol)との混合物を、窒素下で4時間加熱還流した。反応生成物を室温まで放冷し、7−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン塩酸塩(84.4mg、0.45mmol)およびTEA(0.062mL、0.45mmol)を添加した。得られた混合物を、120℃のMWオーブンで90分間、次いで140℃で2時間加熱した。反応混合物を、次いでH2Oおよび炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で反応停止させ、DCMで二回抽出した。分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を分取HPLCにより精製した。生成物を含有する画分を合わせ、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で塩基性にし、減圧下でCH3CNを除去した。水相をDCMで抽出し、分離した有機層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、標記化合物(19mg、0.06mmol)をオフホワイト色の固体として得た。
【0143】
LC−MS m/z(ESI+):323.1(MH+)、Rt=1.78分(方法A)
【0144】
1H-NMR(DMSO-d6)δ:8.88(dd,1H);8.36(dd,1H);7.61(dd,1H);7.47(d,1H);7.43(d,1H);7.25-7.36(m,1H);7.20(dd,1H);6.85(td,1H);3.62-3.78(m,2H);2.80(t,2H);1.93(m,2H).
【0145】
上述のものと類似した手順に従い、本発明のさらなる化合物を調製した(表5)。
【0146】
【表5−1】

【0147】
【表5−2】

【0148】
【表5−3】

【0149】
【表5−4】

【0150】
【表5−5】

【0151】
【表5−6】

【0152】
2.活性試験:方法および結果
抗真菌活性を試験するために使用される微生物
紅色白癬菌(ATCC28188、PBI International)、毛瘡白癬菌(ATCC9533、PBI International)、黒色麹菌クロカビ(ATCC16404、PBI International)、スコプラリオプシス−ブレビカウリス(ATCC36840、DSMZ)、鵞口瘡カンジダ(ATCC90028、PBI International)、カンジダ−グラブラタ(ATCC 90030、DSMZ)。
【0153】
調製および保存
菌株を凍結乾燥アンプルまたは凍結乾燥ペレットから調製した。懸濁液の単離をジャガイモ培地(PDA)上で行い、菌株の純度を試験した。次いで、微生物懸濁液をPDAプレート上に画線し、菌株の大量増殖を行った。
【0154】
インキュベーションは、30℃で48〜72時間(カンジダ属酵母)、および7〜10日間(糸状菌)であった。
【0155】
酵母のコロニーおよび糸状菌の分生子を、3〜5mLのRPMI1640+50%グリセロールで収穫し、一定分量を−80℃で凍結した。
【0156】
抗真菌薬感受性試験
化合物の最小発育阻止濃度(MIC)を、臨床研究所規格委員会(NCCLS)に従って開発された方法を使用する、微量液体希釈試験(broth micro−dilution susceptibility test)を通して決定した(非特許文献21)(非特許文献22)。
【0157】
0.165M 3−(N−モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)と10M NaOHとでpH7に緩衝化し、18gグルコース/リットルを補った、L−グルタミンを有するRPMI1640培地で、アッセイを行った。試験を、96穴の滅菌プレート(接種サイズ 1×105CFU/mL)で実施した。化合物の原液を、100%DMSO中12.8mg/mLで調製した。RPMI1640を使用して2倍希釈系列をプレート中に調製した。最終濃度は、1%DMSOで0.125から128μg/mLの範囲であった。
【0158】
MICは、視認できるいかなる増殖も妨げる抗真菌剤の最低濃度として定義され、酵母では48時間のインキュベーション後(35℃)、糸状菌では5日間のインキュベーション後(35℃)に決定した。
【0159】
結果
一実験2回から得られた値の相乗平均として計算された、最も好ましい化合物のMIC値を表6に示す。
【0160】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物、または医薬として許容されるその塩もしくは誘導体であって、
【化1】

式中、Rは、
a)−H、
b)−F、
c)−Cl、
d)−Br、
e)−NO
f)−CF
g)−C〜Cアルキル、
h)−(X)−NR
i)−CN、
j)−(Y)−R
k)任意選択で置換されている、−(CH−アリール、または
l)任意選択で置換されている、−(CH−複素環、
から選択され、
式中、Xは、
a)−(CH−、
b)−(SO)−、
c)−(C=O)−、または
d)−(N−C=O)−、
から選択され、
式中、Yは、
a)−O−、
b)−S−、
c)−(SO)−、
d)−(SO)−、
e)−(C=0)−、
f)−(CO)−、
g)−(CHO)−、または
h)−(NHSO)−、
から選択され、
式中、RおよびRは、互いに独立に、
a)RとRが同時にはメチルではないという条件で、−C〜Cアルキル、
b)任意選択で置換されている、−(CH−アリール、
c)任意選択で置換されている、−(CH−シクロアルキル、
d)任意選択で置換されている、−(CH−複素環、
e)−(CH−OR
f)−(CH−CN、
g)−(CH−NR
h)RおよびRに結合された窒素原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成している、または、
i)RおよびRに結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、前記単環複素環は、1つもしくは2つの任意選択で置換された飽和もしくは不飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合している、
から選択され、
式中、RおよびRは、互いに独立に、
a)−H、
b)−C〜Cアルキル、
c)任意選択で置換されている、−(CH−アリール、
d)任意選択で置換されている、−(CH−シクロアルキル、
e)任意選択で置換されている、−(CH−複素環、
f)−(CH−OR
g)−(CH−CN、
h)RおよびRに結合された窒素原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成している、または、
j)RおよびRに結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、それが、1つもしくは2つの任意選択で置換された飽和もしくは不飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された他の複素環と縮合している、
から選択され、
式中、Rは、
a)−H、
b)−C〜Cアルキル、
c)任意選択で置換されている、−(CH−アリール、
d)任意選択で置換されている、−(CH−シクロアルキル、または、
e)任意選択で置換されている、−(CH−複素環、
から選択され、
式中、nは0から6までの整数である、
ことを特徴とする化合物、または医薬として許容されるその塩もしくは誘導体。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、
は、
a)−H、
b)−Br、または、
c)−NO2、
から選択され、
およびRは、互いに独立に、
a)RとRが同時にはメチルではないという条件で、−C〜Cアルキル、
b)任意選択で置換されている、−(CH−アリール、
c)任意選択で置換されている、−(CH−シクロアルキル、
d)任意選択で置換されている、−(CH−複素環、
e)−(CH−OR
f)−(CH−CN、
g)RおよびRに結合された窒素原子と一緒になって、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成している、または、
h)RおよびRに結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、前記単環複素環は、1つもしくは2つの任意選択で置換された不飽和もしくは飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合している、
から選択され、および/または、
は、Hである、
ことを特徴とする化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、
は、Hであり、および/または、
およびRは、互いに独立に、
a)RとRが同時にはメチルではないという条件で、−C〜Cアルキル、
b)任意選択で置換されている、−(CH−アリール、または、
c)RおよびRに結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、前記単環複素環は、1つもしくは2つの任意選択で置換された不飽和もしくは飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合している、
から選択されることを特徴とする化合物。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物であって、任意選択で置換された前記−(CH−アリールは、4−ハロ−ベンジルまたは4−ハロ−フェニルであることを特徴とする化合物。
【請求項5】
請求項3に記載の化合物であって、縮合され任意選択で置換された5〜8員の前記単環複素環は、ハロ置換および/またはヒドロキシ置換されたジヒドロキノリンであることを特徴とする化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、RはHであり、RおよびRは、これらに結合された窒素原子と一緒になって、任意選択で置換された5〜8員の単環複素環を形成しており、前記単環複素環は、1つもしくは2つの任意選択で置換された不飽和もしくは飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合していることを特徴とする化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、任意選択で置換された5〜8員の前記単環複素環は、1つもしくは2つの任意選択で置換された不飽和もしくは飽和の環、または、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1から3個含有する他の複素環と縮合していることを特徴とする化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物であって、nは0から2までの整数であることを特徴とする化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物であって、
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(4−(2−フェニルプロパン−2−イル)ベンジル)キノリン−2−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(モルホリノ)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(ピペリジン−1−イル)メタノン;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−フェネチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(インドリン−1−イル)メタノン;
N−(フラン−2−イルメチル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
N−(4−ブロモベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−(4−メトキシフェニル)−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(6,7−ジメトキシ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)キノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−フェニルキノリン−7−カルボキサミド;
N−(4−クロロフェニル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
N−エチル−8−ヒドロキシ−N−フェニルキノリン−7−カルボキサミド;
N−シクロヘキシル−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)キノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(1−メチルピロリジン−3−イル)キノリン−7−カルボキサミド;
N−(2−シアノエチル)−N−(フラン−2−イルメチル)−8−ヒドロキシキノリン−7−カルボキサミド;
N−(2−シアノエチル)−8−ヒドロキシ−N−((テトラヒドロフラン−2−イル)メチル)キノリン−7−カルボキサミド;
N−エチル−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
8−ヒドロキシ−N−メチル−N−プロピルキノリン−7−カルボキサミド;
(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(5−ブロモインドリン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−メトキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(5−ニトロインドリン−1−イル)メタノン;
8−ヒドロキシ−N−フェニル−N−プロピルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(オクタヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
N−(4−フルオロベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
N−(3−ブロモベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)メタノン;
(4−tert−ブチルピペリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(S)−8−ヒドロキシ−N−メチル−N−(1−フェニルエチル)キノリン−7−カルボキサミド;
N−ベンジル−8−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシエチル)キノリン−7−カルボキサミド;
(3,3−ジメチルピペリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
N−(2−ブロモベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−フェニルピペリジン−1−イル)メタノン;
((4aS,8S,8aR)−8−ヒドロキシ−オクタヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−メチルピペリジン−1−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−フェニルピペリジン−1−イル)メタノン;
(1,1−ジオキソ−チオモルホリン−4−イル)−(8−ヒドロキシ−キノリン−7−イル)−メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−メチルピペリジン−1−イル)メタノン;
(R)−8−ヒドロキシ−N−(1−フェニルエチル)キノリン−7−カルボキサミド;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−メチルピロリジン−1−イル)メタノン;
(2,5−ジメチルピロリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(3−フェニルピロリジン−1−イル)メタノン;
(3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(3−メチルピペリジン−1−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(ピロリジン−1−イル)メタノン;
(1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イル)−(8−ヒドロキシ−キノリン−7−イル)−メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−ニトロインドリン−1−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(7−(トリフルオロメチル)−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(5−ブロモ−8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン;
(ヘキサヒドロ−1H−イソインドール−2(3H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(2−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(3−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(4−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(8−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(6−イソプロピル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(6−クロロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(7−メチル−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)メタノン;
(6−ブロモ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
からなる群から選択されることを特徴とする化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物であって、
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(イソインドリン−2−イル)メタノン;
(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)(オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)メタノン;
N−(4−ブロモフェニル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(デカヒドロ−1H−カルバゾール−9(9aH)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
N−(4−クロロベンジル)−8−ヒドロキシ−N−メチルキノリン−7−カルボキサミド;
(5,7−ジフルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(7−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(5−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(6−フルオロ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(5−クロロ−8−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
(2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−4(3H)−イル)(8−ヒドロキシキノリン−7−イル)メタノン;
からなる群から選択されることを特徴とする化合物。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の化合物であって、医薬品として使用するためであることを特徴とする化合物。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載の化合物であって、抗真菌剤として使用するためであることを特徴とする化合物。
【請求項13】
請求項1から10のいずれかに記載の化合物であって、真菌感染症の治療および/または予防に使用するためであることを特徴とする化合物。
【請求項14】
請求項13に記載の化合物であって、前記真菌感染症は、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌、黒色麹菌クロカビ、スコプラリオプシス−ブレビカウリス、または、鵞口瘡カンジダもしくはカンジダ−グラブラタなどのカンジダ属に由来することを特徴とする化合物。
【請求項15】
請求項13に記載の化合物であって、前記治療または予防の受容者は、哺乳動物、好ましくはヒトであることを特徴とする化合物。
【請求項16】
少なくとも、請求項1から10のいずれかに記載の化合物を、少なくとも、医薬として許容される担体、賦形剤、および/または補助剤とともに含有する、医薬製剤。

【公表番号】特表2013−515755(P2013−515755A)
【公表日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546432(P2012−546432)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/070790
【国際公開番号】WO2011/080264
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(503459992)ポリケム・エスエイ (16)
【Fターム(参考)】