説明

新規な細胞障害性デプシペプチド

一般式(I)の化合物(式中、R1、R2、R3は、明細書中に定義した通りであり、R4基は、それぞれ独立に、NR2、OおよびSから選択される。)は、癌の治療に役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なデプシペプチド化合物、それらを含有する製剤組成物および抗腫瘍剤としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
海洋生物から得られたいくつかの環状ペプチドが開示されてきた(例えば、A. Rudiら、J. Nat. Prod.、2003年、66、575〜577頁、「Didmolamide A and B、two new cyclic hexapeptides from the marine Ascidian Didemnum molle」を参照)。
【0003】
特開平11-180997は、streptomyces nobilis属から得られる、次式の抗腫瘍化合物を開示している。ヒーラS3細胞におけるこの化合物のIC50は、14nMである。
【0004】
【化1】

【非特許文献1】A. Rudiら、J. Nat. Prod.、2003、66、575〜577頁、「Didmolamide A and B, two new cyclic hexapeptides from the marine Ascidian Didemnum molle」
【特許文献1】特開平11-180997
【非特許文献2】J. S. Panekら、「Studies directed toward the synthesis of Ulapualide A. Asymmetric Synthesis of the C8-C25 tris-oxazole fragment」、J. Org. Chem.、1996年、61巻、6496〜6497頁
【非特許文献3】J. S. Panekら、「Studies directed toward the total synthesis of kabiramide C: asymmetric synthesis of the C7-C19 fragment」、Tetrahedron Lett.、1998年、39巻、6143〜6146頁
【非特許文献4】J. S. Panekら、「Synthesis of the fully functionalized tris-oxazole fragment found in metabolites derived from marine organisms」、Tetrahedron Lett.、1997年、38巻、5445〜5448頁
【非特許文献5】G. Pattenden、「Synthetic studies with natural oxazoles and thiazoles」、J. Heterocyclic Chem.、1992年、29巻、607〜618頁
【非特許文献6】G. Pattendenら、「Synthesis of the tris-oxazole ring system of ulapualides」、Synlett.、1990年、36〜37頁
【非特許文献7】Y. Kisoら、「Convergent synthesis of (-)-mirabazole C using a chloroimidazolidium coupling reagent, CIP」、J. Org. Chem.、1996年、61巻、3350〜3357頁
【非特許文献8】P. Wipfら、「Total synthesis of (-)-thiangazole and structurally related polyazoles」、J. Org. Chem.、1995年、60巻、7224〜7229頁
【非特許文献9】P. Wipfら、「A new synthesis of highly functionalised oxazoles」、J. Org. Chem.、1993年、58巻、3604〜3606頁
【非特許文献10】B.E. ShirlingおよびD.Gotlieb、Int. J. Syst. Bacteriol.、16:313、1966年
【非特許文献11】American Type Culture Catalog、第17版、1989年、ロックヴィル、メリーランド、U.S.A.
【非特許文献12】S. A. Waksman、The Actinomycetes、II巻、331、1961年
【非特許文献13】G.O. GuerrantおよびC.W. Moss、Anal. Chem.、56:633、1984年
【非特許文献14】T. Hasegaw、M. TakizawaおよびS. Tanida、J.Gen.Appl.Microbiol.、29:319、1983年
【非特許文献15】D.J. Lane、Nucleic acid techniques in bacterial systematics、115、1991年
【非特許文献16】J. Felsenstein、Cladistics、5巻、164頁、1989年
【非特許文献17】NIH Publication、No.84、2635、In vivo cancer models、1976〜1982年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
癌は、動物およびヒトの主要な死因である。癌に罹患している患者に投与される有効で安全な抗癌薬を得るために、いくつかの努力がなされ、今もなお行われている。本発明によって解決すべき問題は、癌の治療に有用な化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一般式Iの化合物、または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体を対象とする。
【0007】
【化2】

【0008】
(式中、
R1基は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アジド、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルキリデン、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリール、置換または非置換の複素環基、および置換または非置換のアシルからなる群から選択され、
R3基は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アジド、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリール、置換または非置換の複素環基、および置換または非置換のアシルからなる群から選択され、
R4基は、それぞれ独立に、NR2、OおよびSから選択され、
R2基は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルコキシ、および置換または非置換のアシルからなる群から選択される。)
【0009】
本発明はまた、次式で表されるIB-01211と呼ばれる化合物を含めて、式Iの化合物を得ることに関する。
【0010】
【化3】

【0011】
IB-01211は、これを産生することができる微生物の菌株から得られる。好ましい方法は、制御された水中好気条件下で同化可能な炭素源および窒素源ならびに塩を有する水性栄養培地において、IB-01211を産生できる微生物の菌株を培養するステップと、次いでこの化合物を培養ブロスから回収し精製するステップを含む。
【0012】
本発明の他の化合物は、IB-01211から得るまたは合成によって生成することができる。したがって、本発明の化合物のオキサゾール/チアゾール/イミダゾールフラグメントは、下記の文献の教示を使用して合成することができる。J. S. Panekら、「Studies directed toward the synthesis of Ulapualide A. Asymmetric Synthesis of the C8-C25 tris-oxazole fragment」、J. Org. Chem.、1996年、61巻、6496〜6497頁;J. S. Panekら、「Studies directed toward the total synthesis of kabiramide C: asymmetric synthesis of the C7-C19 fragment」、Tetrahedron Lett.、1998年、39巻、6143〜6146頁;J. S. Panekら、「Synthesis of the fully functionalized tris-oxazole fragment found in metabolites derived from marine organisms」、Tetrahedron Lett.、1997年、38巻、5445〜5448頁;G. Pattenden、「Synthetic studies with natural oxazoles and thiazoles」、J. Heterocyclic Chem.、1992年、29巻、607〜618頁;G. Pattendenら、「Synthesis of the tris-oxazole ring system of ulapualides」、Synlett.、1990年、36〜37頁;Y. Kisoら、「Convergent synthesis of (-)-mirabazole C using a chloroimidazolidium coupling reagent、CIP」、J. Org. Chem.、1996年、61巻、3350〜3357頁;P. Wipfら、「Total synthesis of (-)-thiangazole and structurally related polyazoles」、J. Org. Chem.、1995年、60巻、7224〜7229頁;P. Wipfら、「A new synthesis of highly functionalised oxazoles」、J. Org. Chem.、1993年、58巻、3604〜3606頁。オキサゾール/チアゾール/イミダゾールフラグメントを合成した後、当分野の技術者にすでに周知の従来のペプチド合成法を使用してアミノ酸フラグメントが導入される。
【0013】
したがって、以下の構成成分を結合させることによってIB-01211を含む式Iの化合物を作成することができる。
【0014】
【化4】

【0015】
(式中、R1、R2、R3、R4は、上記で定義した通りであり、ProtOHは、ヒドロキシ用の任意の保護基であり、ProtNHは、アミノ用の任意の保護基である。)
必要に応じて、個々の保護基を、他の反応性基で置き換えて、所望の結合を促進させることができ、これは、通常は、まずオキサゾール/チアゾール/イミダゾールフラグメントをアミノ酸フラグメントの一末端に結合させ、次いで環を閉じるように順に起こる。
【0016】
別の態様では、本発明は、式Iの化合物または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体を製薬上許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物を対象とする。
【0017】
別の態様では、本発明はさらに、式Iの化合物、または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラックもしくは立体異性体を、癌治療においてまたは癌治療用の医薬品の製剤において使用することを対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、先に記載した一般式Iの化合物に関する。
【0019】
これらの化合物において、置換基は、以下の指示(guidance)に従って選択することができる。
【0020】
アルキルおよびアルコキシ基は、1〜12個の炭素原子を有することが好ましい。アルキル基のもう1つの好ましいクラスは、1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子、最も好ましくは1,2,3または4個の炭素原子を有するものである。特に、メチル、エチル、イソプロピルを含むプロピル、ならびにイソブチル、sec-ブチルおよびterc-ブチルを含むブチルが、本発明の化合物において好ましいアルキル基である。本明細書で使用するアルキルという用語は、別段の修正がない限り、環式と非環式基の両方を指すが、環式基は、少なくとも3員の炭素環を含む。
【0021】
アルキリデン基は、分枝または非分枝であり、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するものでよい。アルキリデン基のもう1つの好ましいクラスは、1〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは1〜約6個の炭素原子、最も好ましくは1,2,3または4個の炭素原子を有するものである。特に、メチリデン、エチリデン、およびイソプロピリデンを含むプロピリデンが、本発明の化合物において好ましいアルキリデン基である。
【0022】
本発明の化合物の好ましいアルケニルおよびアルキニル基は、1つまたは複数の不飽和結合、および2〜約12個の炭素原子、より好ましくは2〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは2〜約6個の炭素原子、さらに好ましくは1,2,3または4個の炭素原子を有するものである。本明細書で使用するアルケニルおよびアルキニルという用語は、環式と非環式基の両方を指すが、一般的には直鎖または分枝状非環式基が、より好ましい。一般的な意味で、アルキリデンはアルケニルに含まれ、それらはどちらも二重結合を有する置換基である。
【0023】
本発明の化合物における適当なアリール基には、単環式および多環式化合物が含まれ、この多環式化合物は、別々のおよび/または縮合したアリール基が含まれる。典型的なアリール基は、1〜3個の別々のまたは縮合した環および6〜約18個の炭素原子でできた環を含む。特に好ましいアリール基には、置換または非置換のフェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントリルおよびアントラシルが含まれる。
【0024】
適当なアシル基としては、2〜約12個の炭素原子、より好ましくは2〜約8個の炭素原子、さらに好ましくは2〜約6個の炭素原子、さらに好ましくは2個の炭素原子を有するアルカノイル基が含まれる。他のアシル基としては、アルケニルアシル、アルキニルアシル、アリールアシル、ヘテロシクリルアシルがある。
【0025】
適当な複素環基には、複素芳香族基および複素脂環基が含まれる。本発明の化合物における適当な複素芳香族基は、N、OまたはS原子から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含み、例えば、8-クマリニルを含むクマリニル、8-キノリニルを含むキノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニルおよびベンゾチアゾールがある。本発明の化合物における適当な複素脂環基は、N、OまたはS原子から選択される1、2または3個のヘテロ原子を含み、例えば、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリノおよびピロリンジニル基がある。
【0026】
上記の基は、OR'、SR'、SOR'、SO2R'、NO2、NHR'、N(R')2、NHCOR'、N(COR')2、NHSO2R'、CN、ハロゲン、C(=O)R'、CO2R'、OC(=O)R'など1個または複数の適当な基で1箇所または複数の置換可能な位置が置換されていてもよく、各R'基は、それぞれ独立に、H、OH、NO2、NH2、SH、CN、ハロゲン、C(=O)H、C(=O)アルキル、CO2H、置換または非置換のC1〜C18アルキル、置換または非置換のC2〜C18アルケニル、置換または非置換のC2〜C18アルキニル、および置換または非置換のアリールからなる群から選択される。
【0027】
本発明の化合物における適当なハロゲン置換基には、F、Cl、BrおよびIがある。
【0028】
「医薬として許容される塩、誘導体、プロドラッグ」という用語は、医薬として許容される任意の塩、エステル、溶媒和物、水和物、または患者に投与する際に本明細書に記載される化合物を(直接的にまたは間接的に)提供することができる他の任意の化合物を指す。しかし、医薬として許容されない塩も、医薬として許容される塩の調製に使用することができるので、本発明の範囲に含まれることが理解されよう。塩、プロドラッグおよび誘導体の調製は、当技術分野で周知の方法によって行うことができる。
【0029】
例えば、本明細書で提供される化合物の医薬として許容される塩は、塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から従来の化学的方法によって合成される。一般に、こうした塩は、例えば、水もしくは有機溶媒中または両方の混合液中で、こうした化合物の遊離酸または塩基の形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製される。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。酸付加塩の例には、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの鉱酸付加塩、および例えば、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などの有機酸付加塩がある。アルカリ付加塩の例には、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムの塩などの無機塩、および例えば、エチレンジアミン、エタノールアミン、N,N-ジアルキレンエタノールアミン、トリエタノールアミン、塩基性アミノ酸の塩などの有機アルカリ塩がある。
【0030】
本発明の化合物は、遊離化合物または溶媒和物(例えば、水和物)として結晶形とすることができ、どちらの形も、本発明の範囲に含まれることを意図している。溶媒和の方法は、当技術分野で一般的に周知である。
【0031】
式Iの化合物のプロドラッグであるどんな化合物も、本発明の範囲および精神に含まれる。「プロドラッグ」という用語は、広い意味で使用され、生体内で本発明の化合物に転換されるそれらの誘導体を包含する。こうした誘導体は、当分野の技術者には容易に思いつくはずであり、例えば、遊離ヒドロキシ基がエステル誘導体に転換された化合物がある。
【0032】
上記の式Iで表される本発明の化合物には、その化合物の不斉性による光学異性体またはジアステレオ異性体が含まれ得る。単一の異性体および異性体の混合物も、本発明の範囲に含まれる。
【0033】
本発明の好ましい化合物は、一般式IIの化合物であり、
【0034】
【化5】

【0035】
式中、R1、R2、R3およびR4基は、上で定義したのと同意である。
【0036】
好ましいR1基は、置換または非置換のアルキルおよび置換または非置換のアルキリデンであり、より好ましくは、置換または非置換のC1〜C6アルキルおよび置換または非置換のC1〜C6アルキリデンであり、さらに好ましくは、イソプロピル、sec-ブチルおよびメチレンである。好ましいR2基は、Hおよび置換または非置換のアルキルであり、より好ましくは、Hである。好ましいR3基は、Hおよび置換または非置換のアリールであり、より好ましくは、Hおよびフェニルである。好ましいR4基は、Oである。
【0037】
式Iの特に好ましい化合物の1つは、以下の化合物IB-01211である。
【0038】
【化6】

【0039】
上記の化合物の好ましい立体化学は、以下の通りである。
【0040】
【化7】

【0041】
化合物IB-01211は、ES7-008と呼ばれる菌株の放線菌(actinomycete)から得ることが好ましい。この菌株の培養物を、スペインのバレンシア大学のColeccion Espanola de Cultivos Tipoに受託番号CECT3358で寄託した。この寄託は、ブダペスト条約の規定に基づいて行われた。
【0042】
微生物菌株ES7-008は、系統学的にはThermoactinomyces属に近い。この生物は、未同定のカイメン(marine sponge)から単離された。分類方法(taxonomic method)は、以下の通りである。
1.コロニー形態
ISP培地No.2,4,5および6:B.E. ShirlingおよびD.Gotlieb、Int. J. Syst. Bacteriol.、16:313、1966年
ATCC培地No.172:American Type Culture Catalog、第17版、1989年、ロックヴィル、メリーランド、U.S.A.
ツァペック寒天、ディフコ(Czapek Agar Difco)
ベネット寒天(Bennet Agar)、S. A. Waksman、The Actinomycetes、II巻、331、1961年
全ての培地に50%ASWを補充した。
2.生理特性
ISP培地No.1、ShirlingおよびGotlieb
NaCl耐性:0、2、4、5、7および10%NaClを有するATCC培地No.172
炭素利用:ISP-9、ShirlingおよびGotlieb
3.脂肪酸解析
B.E. ShirlingおよびD.Gotlieb、Int. J. Syst. Bacteriol.、16:313、1966年
4.全細胞糖(cell sugar)解析
G.O. GuerrantおよびC.W. Moss、Anal. Chem.、56:633、1984年
5.ジアミノピネリン酸解析
T. Hasegaw、M. TakizawaおよびS. Tanida、J.Gen.Appl.Microbiol.、29:319、1983年
全ての培養物を28℃でインキュベートし、結果を1週間おきに21日後まで記録した。
【0043】
この生物の記載は、以下の通りである。
【0044】
形態
28℃で21日経過後、人工海水(ASW)を補充したISP2および172ブロスにおける増殖を観察した。気中菌糸は、形成されなかった。基底菌糸は、分岐状であった。胞子は、内生胞子として固体培地と液体培地の両方に形成された。
【0045】
生理的性質
菌株ES7-008は、固体と液体のどちらの培地でも拡散性色素を形成しなかった。最適な増殖用の培地における最適NaCl濃度は、4%〜7%の範囲であった。塩が無い場合、ATCC172培地のようなリッチ培地組成物中でさえ、28℃で増殖は起こらなかった。最適増殖温度範囲は、28℃〜40℃であった。
【0046】
菌株ES7-008は、炭素源としてグルコース、メリビオース、キシロースおよびエタノールを利用することができる。フルクトース、スクロース、ラムノースおよびガラクトース上では、増殖は劣っていた。この生物は、アラビノース、マンノースまたはミオイノシトール上では増殖しなかった。
【0047】
化学組成
アミノ酸:
メソ-2,6-ジアミノピメリン酸は、菌株ES7-008の加水分解した細胞全体に存在した。
脂肪酸組成:
主要脂肪酸は、i-15:0、a-15:0、15:0、i-16:0、i-17:1、i-17:0およびa-17:0として同定された。菌株ES7-008および他の放線菌株の脂肪酸組成は、次表の通りであり、これらの組成は全脂肪酸含有量に対するパーセンテージとして示した。
【0048】
【表1】


【0049】
糖:
全細胞糖パターン(whole cell sugar pattern)は、特定のプロフィールを示さなかった。
【0050】
系統解析:
16S rDNAの部分配列決定を、以下の標準的手順で行った。液体窒素下でホモジナイズした後、生物のDNAを抽出した。真正細菌プライマーである27fおよび1492rを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応によって16S rDNA遺伝子を増幅した。プライマー357r、926rおよび1492rを使用して、部分配列を得た。本研究で使用したプライマーは全て、D.J. Lane、Nucleic acid techniques in bacterial systematics、115、1991年に記載されている。得られた部分配列は、以下の通りであった。
【0051】
【化8】

【0052】
Blastnアルゴリズムを使用して、この配列を遺伝子バンクの保管データ(Gene Bank depository)と比較した。系統発生検討は、J. Felsenstein、Cladistics、5巻、164頁、1989年によって開発されたPhylipパッケージを使用して行った。試料をブートストラップした後、共通系統樹(consensus phylogenetic tree)を作成した。菌株ES7-008をThermoactinomycesグループに分類した。Thermoactinomycesから菌株ES7-008を区別する特徴は、気中菌糸および増殖に必要な塩の欠如である。
【0053】
発酵:
ES7-008を制御された条件下で適切な培地で培養すると、ES7-008は化合物IB-01211を産生する。この菌株は、好気性および中温性の条件下、好ましくは28℃〜40℃およびpH6.0〜8.0の範囲で、水性栄養培地において増殖させることが好ましい。多種多様な液体培養培地を、生物の培養に使用することができる。有用な培地には、澱粉、デキストリン、糖蜜、グルコースなどの同化可能な炭素源、タンパク質、加水分解されたタンパク質、脱脂粕(defatted meal)、コーンスティープなどの同化可能な窒素源、ならびにナトリウム、マグネシウム、カリウム、アンモニウム、硫酸塩、塩化物、リン酸塩、炭酸塩など有用な無機アニオンおよびカチオンを含む培地がある。微量元素を加えることもできる。発酵培地に空気を供給して、通気を実現することが好ましい。機械式インペラーによって撹拌した。この生物の培養を行うのに、従来の発酵槽が十分適していることが分かった。産生量を増加させ泡立ちを抑えるために、栄養素およびpH調節剤ならびに消泡剤を、発酵の様々な段階で加えることが必要であり得る。
【0054】
化合物IB-01211は、ES7-008の凍結乾燥した菌糸体から出発して作成することができる。中温温度および好気性条件下、上記の成分のいくつかを含む培養培地を入れた振盪フラスコ中で原始細胞を培養することによって菌糸塊(mycelial mass)を得る。このステップは、必要に応じ数回繰り返すこともでき、集めた材料を接種材料として使用して、適当な培養培地を含む1個または複数の発酵槽に播種する。必要とされるブロス量に応じて、必要ならば、接種材料の増殖にまたは産生段階に、こうした槽を使用することができる。場合によっては、産生培地は、接種材料の増殖用に使用するものと異なっていてもよい。接種材料の増殖およびIB-01211の産生に使用できる開示された典型的な培地は、以下の表の通りである。
【0055】
【表2】

【0056】
ネズミ白血病細胞P-388に対する全ブロスアッセイまたはHPLCによって、IB-01211の産生をモニターすることができる。
【0057】
CHCl3:CH3OH:H2Oなど適切な混合溶媒で抽出することによって、菌糸塊(mycelial cake)から化合物IB-01211を単離することができる。活性は、下層で濃くなっている。抽出を2回繰り返して得た抽出物を合わせ、真空下で蒸発乾固することができる。
【0058】
従来のクロマトグラフ技術の適切な組合せを使用して、粗活性抽出物からIB-01211の分離および精製を行うことができる。
【0059】
分画は、画分の抗腫瘍活性、濃H2SO4中バニリンで視覚化したTLC、またはフォトダイオードアレイおよびMS検出器による分析HPLCを手引きとして行うこともできる。HPLC分析は、分析カラムシンsymmetry C18(5μ)および流速0.3ml/分のMeOH:H2O:HOAc(95:5:1)移動相を使用し室温で行い、260nmでプロットする。図9に示すように、この条件では、IB-01211の保持時間は、5.1分である。
【0060】
上記の化合物の重要な特徴は、それらの生物活性、特に細胞障害活性である。本発明で、本発明者らは、細胞障害活性を有するこうした化合物の新規な医薬組成物および抗癌剤としてのその使用を提供する。したがって、本発明はさらに、本発明の化合物、または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体を製薬上許容される担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0061】
医薬組成物の例には、経口、局所または非経口投与に適した任意の固体(錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒など)または液体(溶液、懸濁液またはエマルジョン)組成物が含まれる。
【0062】
本発明の化合物を含有する医薬組成物は、徐放性製剤におけるリポソームまたはナノスフェアのカプセル封入または他の標準的な送達手段によって送達することができる。
【0063】
本発明の化合物または組成物の投与は、静脈注射、経口製剤、腹腔内投与、静脈内投与などどんな適切な方法によっても可能である。注入時間(infusion time)は、24時間以内とすることが好ましく、より好ましくは1〜12時間、最も好ましくは2〜6時間である。夜間入院なしで治療が行える短時間注入(short infusion time)が、特に望ましい。しかし、注入は、12〜24時間または必要に応じてさらに長い時間になることもある。注入は、約1〜4週間の適当な間隔で行うことができる。
【0064】
こうした化合物の正確な用量は、個々の製剤、適用の形態、ならびに治療される特定の部位、宿主および腫瘍に応じて変わる。年齢、体重、性別、食事、投与の回数、排泄速度、宿主の病態、複合薬、反応感度および疾患の重さのような他の要因をも考慮に入れるべきである。投与は、最大耐量内で連続的にまたは定期的に行うことができる。
【0065】
本発明の化合物および組成物を、他の薬剤と一緒に使用して併用療法を行うことができる。他の薬剤は、同様の組成物の一部をなしてもよく、あるいは同時にもしくは別々(different time)に投与するための別の組成物として提供してもよい。
【0066】
(実施例)
(実施例1)
IB-01211の産生
接種材料の増殖:表1に記載したように、ES7-008の凍結培養物(frozen culture)または十分に増殖した斜面培養物(slant culture)(5重量%)を使用して、250ml振盪フラスコに入れた播種培地100mlに播種する。このフラスコを48時間インキュベートする。同一の培地500mlを含む2Lエルレンマイヤーフラスコに、第一期(first stage)接種材料を10重量%播種する。このフラスコを48時間インキュベートする。
【0067】
発酵工程:表1に記載したように、75Lの発酵槽に入れた産生培地50Lに、第二期接種材料2.5Lを播種する。400rpmの撹拌および0.5V/V.M.の気流で、96時間発酵を行う。
【0068】
(実施例2)
IB-01211の単離
回収した全ブロス8.5Lをフィルターにかけて、バイオマスと他の固形物に分けた。菌糸塊を、CHCl3:CH3OH:H2O(2:1:1)の混合溶媒(2.4L)で2回抽出した。活性は、下層で濃くなっていた。有機溶媒を濃縮し、真空下で蒸発乾固して粗抽出物4.8gを得た。
【0069】
溶離液としてn-ヘキサン-EtOAcとEtOAc-MeOHの混合液を使用して、この抽出物をシリカゲルVFC(真空フラッシュクロマトグラフィー(vacuum flash chromatography))システムに適用した。IB-01211(900mg)を含む抗腫瘍活性を有する画分を、EtOAc-MeOH(1:1)、EtOAc-MeOH(1:3)およびメタノールで溶離した。溶離液としてCHCl3-MeOHとEtOAc-MeOHの混合液を使用し、この活性画分をシリカゲルカラムのクロマトグラフィーに2回かけた。細胞障害活性は、最初のクロマトグラフィーにおいてCHCl3-MeOH (96:4)で溶離した画分(純粋なIB-01211化合物200mg)および第2のクロマトグラフィーにおいてEtOAc-MeOH(85:15〜8:2)で溶離した画分(純粋なIB-01211化合物60mg)から検出された。さらに、C18逆相クロマトグラフィーで精製することにより、MeOHで溶離した純粋なIB-01211化合物22mgを得た。
【0070】
様々なスペクトル特性の詳細な解析に基づいて、この純粋な化合物をIB-01211として同定した。図1に報告するように、UVスペクトルは、225nm、265nmおよび290nmの吸収を示す。赤外吸収スペクトルは、添付図面の図2に示す。IB-01211の1H NMR、13C NMRおよびDEPTスペクトルを、それぞれ図3、図4および図5に報告する。二次元NMR測定であるCOSY、HMQCおよびHMBCを、それぞれ図6、図7および図8に報告する。図9に報告するように、IB-01211のES-MSスペクトルは、731に(M+Na)ピークを示す。化合物IB-01211の1Hおよび13C NMRデータを、以下の表にまとめて示す。
【0071】
【表3】

【0072】
(実施例3)
in vitro生物活性
抗腫瘍スクリーニング用生物検定
こうしたアッセイの最後は、被験試料に細胞を連続的に晒すことにより、in vitro腫瘍細胞培養物の増殖を中断させることである。以下のヒト細胞株を使用した。
【0073】
【表4】

【0074】
細胞計数による細胞増殖の抑制
テトラゾリウムアッセイMTSは、生細胞の代謝活性のあるミトコンドリアによってMTSが可溶性ホルマザン結晶に代謝還元されることに基づく。このため、この方法は、コールター計数または標準増殖曲線に基づく推定希釈の代わりに、各ウェルに100%の生細胞が可能になるように細胞濃度が確実に補正されるようにする生存染色法(viability staining)に基づいて細胞株をカウントすることを含む。
【0075】
薬剤を含む培地を処置の最後に取り除き、培養皿をPBSで1度洗浄処理した。その後、細胞を薬剤のない培地200μlで72時間インキュベートした。適当な時間インキュベートした後、MTS+PMS溶液25μlを各マイクロタイターウェルに加え、37℃で4時間インキュベートした。次いで、プレートをインキュベーターから取り出し、プレート撹拌器に(遮光のためのカバーをつけて)5分間置いた。分光光度計のプレート読取り器で490nmでの光学濃度を読み取った。データをソフトマックス(Softmax)を使用して解析した。
【0076】
データは、マイクロソフトエクセル(登録商標)を使用して三次元多項式回帰曲線から計算し、次いで手動で補間したIC50有効性(potency)として示される。
【0077】
以下の表に、本発明の化合物の生物活性に関するデータを示す。
【0078】
IB-01211の細胞障害活性(mol/l)
【0079】
【表5】

【0080】
(実施例4)
in vivo生物活性
ヒトの胸部、結腸および非小細胞肺腫瘍の異種移植片におけるIB-01211のin vivo解析
腫瘍移植
それぞれ異なる時間に、3つのヒト腫瘍細胞株MX-1(胸部)、HT-29(結腸)およびLX-1(非小細胞肺)を、約2〜3mm3の小苗(small seedling)としてレシピエントである雌胸腺欠損マウス(athymic mouse)の別々のグループにそれぞれ皮下注入した。次いで、腫瘍の大きさのグループ平均(group mean size)が100±15mm3になるまで、各種類の腫瘍を動物内部で増殖させ、その時点で、腫瘍を有するマウスを無作為にグループ分けした(実施日(staging day))。実施日はまた、薬剤投与の0日目(Day0)であった。
【0081】
被験物質投与の頻度および経路
被験物質を、実施日(Day0)に1回の静脈内(iv)ボーラス注射(すなわち、QDx1)で投与した。
【0082】
腫瘍測定
ノギスを使用して調査対象の全ての動物の腫瘍総量(tumour burden)を測定し、その頻度は1週間に少なくとも2回とした。
【0083】
データ解析
薬剤活性の手順(protocol)および基準は、こうした研究で使用するのと類似の腫瘍系用に国立癌研究所によって確立されたものから得た(NIH Publication、No.84、2635、In vivo cancer models、1976〜1982年)。薬剤で治療した動物の各グループの腫瘍体積の統計解析を、同実験で使用したビークル対照コホート(vehicle control cohort)との比較に基づいて、マン・ホイットニーのノンパラメトリック検定法に従って行った。
【0084】
腫瘍の長さ(L)および幅(W)を、ノギスを使用してミリメートル(mm)単位で測定し記録し、腫瘍体積を式:体積(mm3)=L×W2×0.5によって計算した。腫瘍を有する各胸腺欠損マウスおよび測定の指定日(D日目(dayD))ごとに個々の値を求めた。腫瘍実施日(tumour Staging Day)(0日目(Day0))の処置済み動物の腫瘍体積(T01)を、各観察日(TD1)の対応する腫瘍体積から差し引いた。これにより、前記処置済み胸腺欠損マウスにおける腫瘍体積の変化(Δ)が得られた(ΔT1=TD1-T01)。対照コホートの各メンバーに対する腫瘍体積の変化(ΔC)を、上記と同様にして計算した。
【0085】
腫瘍異種移植片から得た結果を、以下の表に示した。マウスを無作為に選んだ日(0日目(Day0))の腫瘍塊の平均体積は、100±15mm3であった。実際に、「腫瘍純増殖(net tumour growth)」は、X日目(DayX)の腫瘍の大きさと0日目(Day0)の腫瘍の大きさとの差である。パラメーターS.E.M.は、統計学において一般に使用され、N(大きさ)の実験値の分布における平均値の標準誤差を表す。
【0086】
ヒト胸部腫瘍(MX-1細胞株)異種移植片中にIB01211をin vivo投与した後の腫瘍の純増殖速度。
【0087】
【表6】

【0088】
ヒト結腸腫瘍(HT-29細胞株)異種移植片中にIB01211をin vivo投与した後の腫瘍の純増殖速度。
【0089】
【表7】

【0090】
ヒト非小細胞肺腫瘍(LX-1細胞株)異種移植片中にIB01211をin vivo投与した後の腫瘍の純増殖速度。
【0091】
【表8】

【0092】
結論として、化合物IB01211の最大耐量(MTD)は、従来のCD-1マウスにおけるMTDと同量の3.5mg/Kgであり、in vivoでのヒト非小細胞肺腫瘍に対する有意な抗腫瘍効果はMTD0.43であることが実証され、胸部腫瘍に対してはMTD0.29で有意傾向を示したが、結腸腫瘍に対してはMTD0.14で有意傾向を示さなかった。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】精製済みIB-01211のHPLC/UVクロマトグラムおよびUVスペクトルを示す図である。
【図2】精製済みIB-01211のIRスペクトルを示す図である。
【図3】精製済みIB-01211の1H NMRスペクトルを示す図である。
【図4】精製済みIB-01211の13C NMRスペクトルを示す図である。
【図5】精製済みIB-01211のDEPTスペクトルを示す図である。
【図6】精製済みIB-01211のCOSY 45スペクトルを示す図である。
【図7】精製済みIB-01211のHMQCスペクトルを示す図である。
【図8】精製済みIB-01211のHMBCスペクトルを示す図である。
【図9】精製済みIB-01211のHPLC/MSクロマトグラムおよびESI-MSスペクトルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式Iの化合物、または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体。
【化1】

(式中、
R1は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アジド、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルキリデン、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリール、置換または非置換の複素環基および置換または非置換のアシルからなる群から選択され、
R3基は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、アジド、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリール、置換または非置換の複素環基および置換または非置換のアシルからなる群から選択され、
R4基は、それぞれ独立に、NR2、OおよびSから選択され、
R2基は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアルコキシおよび置換または非置換のアシルからなる群から選択される。)
【請求項2】
R1、R2、R3およびR4が、請求項1において定義した通りである次の式IIを有する、請求項1に記載の化合物。
【化2】

【請求項3】
R1が、それぞれ独立に、置換または非置換のアルキルおよび置換または非置換のアルキリデンから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
R2が、それぞれ独立に、Hおよび置換または非置換のアルキルから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R3が、それぞれ独立に、Hおよび置換または非置換のアリールから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
R4がそれぞれOである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
次式で表される請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物、または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体。
【化3】

【請求項8】
次式の立体化学を有する、請求項7に記載の化合物。
【化4】

【請求項9】
オキサゾール/チアゾール/イミダゾールフラグメントを合成すること、およびアミノ酸フラグメントを導入することを含む、請求項1に記載の化合物を生成する方法。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物を産生できる微生物の菌株を培養することを含む、前記化合物を生成する方法。
【請求項11】
調製される化合物が、次式のIB-01211である、請求項10に記載の方法。
【化5】

【請求項12】
前記微生物が、放線菌である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記微生物が、バレンシア大学(スペイン)のColeccion Espanola de Cultivos Tipoから受託番号CECT 3358で入手可能な、実質的に純粋な培養菌株ES7-008である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体、および製薬上許容される希釈剤もしくは担体を含む医薬組成物。
【請求項15】
医薬品の製剤における請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物、または医薬として許容されるその塩、誘導体、プロドラッグもしくは立体異性体の使用。
【請求項16】
前記医薬品の製剤が、癌の治療用である、請求項14に記載の使用。
【請求項17】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を有効量投与することを含む、癌の治療方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−536196(P2007−536196A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516466(P2006−516466)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002694
【国際公開番号】WO2005/000880
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505474795)
【Fターム(参考)】