説明

新規な縮合ピラゾール誘導体

【課題】縮合ピラゾール誘導体の提供。
【解決手段】 式(1):


[式中、R1はアルキル基等、「−W4=W5−W6=W7−」は、式:−CR4=CR5−CR6=CR7−〔式中R4、R5、R6及びR7は各々独立して、式:−E−A等、式中Eは、単結合等、Aは水素原子又はアルキル基等を表す〕等、R8は、式:−OR11(R11は、水素原子等を表す)等、R9は1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基等、R10は、式:−[C(R13)R14]n−R15で表される基を表す(式中、R13及びR14は、各々独立して、水素原子等、nは1〜10の整数、R15はアルキル基等を表す)]で表される化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬として有用な新規な縮合ピラゾール誘導体に関する。より詳しくは、グルココルチコイド受容体機能調節剤(モジュレーター)、すなわち抗炎症薬、又は抗糖尿病薬として有用な新規な縮合ピラゾール誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
ステロイド性抗炎症薬は、抗炎症作用や免疫抑制作用が強く、炎症性疾患や過剰な免疫反応に基づく自己免疫性疾患に用いられる薬剤である。これらは核内受容体として知られるグルココルチコイド受容体(Glucocorticoid receptor、以下GRと略する。)に結合して、抗炎症作用や免疫調節作用を発揮することが知られている。古くは難治性炎症性疾患の一つであるリウマチに対して著効を示したステロイドであったが、その強い主薬効の一方で、糖代謝異常・副腎機能低下・骨代謝異常・易感染性などの強い副作用を示すことも明らかとなっている。そこで近年では、ステロイドと同等の抗炎症作用は保持したままで副作用が低減された新しい抗炎症治療薬として、新規のGR結合化合物(GRリガンド)が望まれている。
【0003】
ステロイド性抗炎症剤が示す抗炎症作用、並びに、糖代謝や骨代謝等の代謝性作用については、近年の研究の進展により、次のような分子メカニズムが、明らかになりつつある。
GRは通常細胞質内に留まっているが、GRリガンドであるステロイドが一度結合すると、GRは細胞質内から核内移行し、遺伝子の転写調節を行う。その際、AP1やNF-κB等の炎症性転写因子あるいは炎症性反応に関与する酵素に対して、GRが作用し、それらの活性抑制を行うことにより、抗炎症作用が発揮される。一方、GRが糖代謝・骨代謝等の代謝性作用を発揮する作用機構としては、GRがホモ2量体を形成し、標的遺伝子の近傍にあるグルココルチコイド応答配列(Glucocorticoid responsive element; GRE)と呼ばれる遺伝子配列に直接結合して転写調節を行うものと考えられている。
【0004】
上記のような知見に基づき、抗炎症作用を保持したまま、代謝性作用を低減した化合物探索の試みが報告されている。特にステロイド性抗炎症剤における副作用の低減に着目した場合、従来使用されてきたステロイド性抗炎症剤は、GREを介した転写調節に対して強いアゴニスト作用を示し、このアゴニスト作用が代謝性作用の本体と考えられている。従って、従来のステロイド性抗炎症剤より弱いアゴニスト作用を発揮する化合物、すなわち、GRのパーシャルアゴニストを探索することにより、副作用を軽減した化合物が見出せると考えられており、いくつかの非ステロイド性抗炎症化合物も報告されている(特許文献1を参照)。
【0005】
一方、クッシング症候群等、血中コルチゾール濃度が高い、あるいはGRが過剰に活性化されうる状態においては、GRの過剰な活性化を抑制することが有用である。また、免疫能低下やうつ病、糖代謝が亢進している状態においては、GRを介したグルココルチコイドの作用を抑制する化合物が、それらの異常な状態を正常化すると考えられ、GRアンタゴニストが報告されている(特許文献2を参照)。特に糖尿病においては糖新生の亢進が生じており、肝臓によるグルコースの過剰な産生が見られる。アミノ酸をグルコース前駆体へ変換する様々なトランスアミナーゼ、グルコース−6ホスファターゼおよびホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼ(PEPCK)等の発現をGRが上昇させることにより高血糖症が生じることが知られており、GRアンタゴニストは糖尿病治療薬になり得ることが期待されている。
【0006】
GRと相同性の高い核内受容体としては、AR(Androgen receptor,アンドロゲン受容体)、MR(Mineralocorticoid receptor,ミネラルコルチコイド受容体)、PR(Progesterone receptor,プロゲステロン受容体)等の核内受容体が広く知られている。いずれの核内受容体においても広く低分子リガンドの研究がなされているが、その中でもインドール骨格を有する化合物が核内受容体に対する作用を有することが報告されている(特許文献3を参照)。
【0007】
また、縮合ピラゾール骨格を有する薬剤としては、例えば、CRF(コルチコトロピン放出因子)アンタゴニストとして作用するインダゾール誘導体や、Rhoキナーゼ阻害剤として作用するインダゾール誘導体が、これまでに開示されている(特許文献4,5を参照)。
【0008】
【特許文献1】国際公開第2004/058733号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0235810号
【特許文献3】国際公開第2004/067529号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2004/050634号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2005/035506号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の解決しようとする課題は、GRが関与する病態全般、具体的には、炎症等の疾患に対する治療薬又は予防薬を提供することにある。詳しくは、GRに対してパーシャルアゴニスト性を示す化合物を、ステロイド性抗炎症薬に比べて副作用が軽減された非ステロイド性抗炎症薬として提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す縮合ピラゾール骨格を有する化合物、それらのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩が、GRモジュレーターとして機能することを見出し、本発明を完成させるに至った。

すなわち、本発明は、
〔1〕 式(1):
【0011】
【化1】

[式中、R1を伴う5員環Cyは、式(2):
【0012】
【化2】

で表される環、又は式(3):
【0013】
【化3】

で表される環を表し、
1は、置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルカノイル基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基を表し、
−W4=W5−W6=W7−は、以下の式(a)〜(h):
(a) −CR4=CR5−CR6=CR7−;
(b) −N=CR5−CR6=CR7−;
(c) −CR4=N−CR6=CR7−;
(d) −CR4=CR5−N=CR7−;
(e) −CR4=CR5−CR6=N−;
(f) −N=CR5−N=CR7−;
(g) −CR4=N−CR6=N−;
(h) −CR4=N−N=CR7
〔式中、R4、R5、R6及びR7は、各々独立して、同一又は異なって、式:−E−Aを表し、式中、Eは、単結合、又は以下の式1)〜14):
1) −C(R16)R17−,
2) −O−,
3) −S(=O)m−,
4) −S(=O)2NR16−,
5) −C(=O)−,
6) −C(=O)O−,
7) −C(=O)NR16−,
8) −C(=NR16)NR17−,
9) −NR16−,
10) −N(R16)C(=O)−,
11) −N(R16)S(=O)2−,
12) −N(R16)C(=O)N(R17)−,
13) −N(R16)S(=O)2N(R17)−,
14) −P(=O)(OR162
(式中、R16及びR17は、各々独立して、水素原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、又は炭素原子数が1〜3のアルコキシ基を表すか、又は式8)、12)及び13)においては、R16とR17は結合して、炭素原子数2〜4のアルキレン基を表してもよく、mは、0、1又は2を表す。)から選択される基を表し、
Eが単結合である時、Aは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、又は置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基を表し、
Eが前記式1)〜14)から選択される基を表す時、Aは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、又は置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基を表す。〕
から選択される基を表し、
8は、式:−OR11、又は−N(R11)R12で表される基を表し(式中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素原子数が1〜5のアルキル基を表す)、
9は、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、又は1つ以上のハロゲン原子で置換されたシクロアルキル基を表し、
10は、式:−[C(R13)R14]n−R15で表される基を表す(式中、R13及びR14は、各々独立して、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表すか、R13とR14が一緒になってオキソ基を表すか、又はR13とR14が結合して、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルカンを形成してもよく、当該シクロアルカンにおける1もしくは2個の−CH2−基は、−NH−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−及び−O−から選ばれる基によって、同一又は異なって、置き換えられていてもよく、
nは、1〜10の整数を表し、nが2〜10の整数である時、C(R13)R14は同一または異なってよく、
15は、水酸基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルチオ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、又は式:N(R18)R19で表される基(式中、R18及びR19は、独立して、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のアルカノイル基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基を表すか、又はR18とR19は結合して、それらが結合する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、0〜2個の酸素原子、0〜2個の硫黄原子及び1〜4個の窒素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む単環、二環もしくは三環の含窒素ヘテロ環を形成してもよい。)を表す。]
で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔2〕 R1を伴う5員環Cyが、式(2):
【0014】
【化4】

で表される環を表す、〔1〕に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔3〕 −W4=W5−W6=W7−が、式(a):−CR4=CR5−CR6=CR7−(式中、R4、R5、R6及びR7は〔1〕と同義である)を表す、〔1〕又は〔2〕に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔4〕 −W4=W5−W6=W7−が、式(d):−CR4=CR5−N=CR7−(式中、R4、R5及びR7は〔1〕と同義である)を表す、〔1〕又は〔2〕に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔5〕 R1が、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基で置換されたアルキル基、又は置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環で置換されたアルキル基を表す、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔6〕 R8が、式:−OR11で表される基を表す(式中、R11は〔1〕と同義である)、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔7〕 R11が、水素原子を表す、〔6〕に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔8〕 R9が、1〜7個のフッ素原子又は塩素原子で置換された炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔9〕 R9が、トリフルオロメチル基を表す、〔8〕に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔10〕 R10の式:−[C(R13)R14]n−R15において、R13及びR14が水素原子を表し、nが1又は2を表し、R15が式:N(R18)R19で表される基(式中、R18及びR19は〔1〕と同義である)を表す、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔11〕 R18及びR19が結合して、それらが結合する窒素原子と共に、置換されている飽和もしくは不飽和で単環もしくは二環の含窒素ヘテロ環を表す、〔10〕に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩;
〔12〕 〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩を、有効成分として含有するグルココルチコイド受容体機能調節剤;
〔13〕 〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有する、炎症性疾患もしくは糖尿病の治療薬又は予防薬;
に関する。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、グルココルチコイド機能調節剤(モジュレーター)、すなわち炎症性疾患もしくは糖尿病等の治療薬又は予防薬として有用な、新規な縮合ピラゾール骨格を有する化合物、それらのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩を提供することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明における各々の基の説明は、特に指示した場合を除き、その基が他の基の一部分である場合にも該当する。
尚、本明細書における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1又は複数、好ましくは1〜5個である。
【0017】
本明細書において、「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を挙げることができる。
【0018】
「アルキル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、又はデシル基等を挙げることができる。中でも好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキル基を挙げることができる。
【0019】
「アルケニル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数2〜6のアルケニル基が挙げられ、具体的には、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基(2−プロペニル基)、イソプロペニル基(1−メチルビニル基)、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3-ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチルアリル基、1−エチルビニル基、1−ペンテニル基、又は1−ヘキセニル基等を挙げることができる。中でも好ましくは、炭素原子数2〜4のアルケニル基を挙げることができる。
【0020】
「アルキニル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数2〜6のアルキニル基が挙げられ、具体的には、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、又は1−へキシニル基等を挙げることができる。中でも好ましくは、炭素原子数2〜4のアルキニル基を挙げることができる。
【0021】
「シクロアルキル基」としては、3〜10員の飽和の単環性〜三環性の脂肪族炭化水素環基が挙げられ、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基、ビシクロ[3,2,1]オクチル基、ビシクロ[2,2,2]オクチル基、又はアダマンチル基等を挙げることができる。中でも好ましくは、4〜6員の飽和のシクロアルキル基を挙げることができる。
【0022】
「シクロアルケニル基」としては、環内に1又は2個の二重結合を含む4〜10員の単環性〜三環性の脂肪族炭化水素基が挙げられ、具体的には、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロへプテニル基、又はシクロオクテニル基を挙げることができ、結合位置は特に限定されない。中でも好ましくは、4〜6員のシクロアルケニル基を挙げることができる。
【0023】
「アリール基」としては、炭素原子数6〜10のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、又は2−ナフチル基等を挙げることができる。
【0024】
「ヘテロアリール基」としては、0〜4個の窒素原子、0〜2個の酸素原子及び0〜2個の硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、単環の5員もしくは6員のヘテロアリール基又は二環の9員もしくは10員のヘテロアリール基が挙げられ、結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。具体的には、フリル基、チエニル基、ピロリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、フラザニル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイソオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、イミダゾピリジニル基、又はプリニル基等を挙げることができる。
【0025】
「アラルキル基」とは、アリールアルキル基とも呼ばれるが、「アラルキル基」としては、アリール基で置換された炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基が挙げられる。該アリール基及び該アルキル基としては前記と同じものが挙げられる。アラルキル基として、具体的には、ベンジル基(フェニルメチル基)、フェネチル基(2-フェニルエチル基)、3−フェニルプロピル基、2-フェニル-2-メチルエチル基、1-フェニルエチル基、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等を挙げることができる。
【0026】
「ヘテロアラルキル基」とは、ヘテロアリールアルキル基とも呼ばれるが、「ヘテロアラルキル基」としては、ヘテロアリール基で置換された炭素原子数1〜6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基が挙げられる。該ヘテロアリール基及び該アルキル基としては前記と同じものが挙げられ、ヘテロアリール基とアルキル基との結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。ヘテロアラルキル基として具体的には、2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−フリルメチル(フルフリル基)、3−フリルメチル基、2−チエニルメチル基、3−チエニルメチル基、2−ピリジルエチル基、3−ピリジルエチル基、又は4−ピリジルエチル基等を挙げることができる。
【0027】
「アルコキシ基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜10のアルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、1−メチルブトキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、又はデシルオキシ基等を挙げることができる。中でも好ましくは、炭素原子数1〜6のアルコキシ基を挙げることができる。
【0028】
「アルカノイル基」とは、アシル基とも呼ばれるが、「アルカノイル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数2〜10のアルカノイル基が挙げられ、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、又はデカノイル基等を挙げることができる。中でも好ましくは、炭素原子数2〜6のアルカノイル基を挙げることができる。
【0029】
「アルカノイルオキシ基」における「アルカノイル」は前記「アルカノイル基」と同義である。
【0030】
「アルコキシカルボニル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数2〜11のアルコキシカルボニル基が挙げられ、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、1−メチルブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、又はデシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。中でも好ましくは、炭素原子数2〜7のアルコキシカルボニル基を挙げることができる。
【0031】
「アルキルチオ基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜10のアルキルチオ基が挙げられ、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、1−メチルブチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、又はデシルチオ基を挙げることができる。中でも好ましくは炭素数1〜6のアルキルチオ基を挙げることができる。
【0032】
「アルキルスルフィニル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜10のアルキルスルフィニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、イソブチルスルフィニル基、sec−ブチルスルフィニル基、tert−ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、イソペンチルスルフィニル基、ネオペンチルスルフィニル基、tert−ペンチルスルフィニル基、1−メチルブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、ヘプチルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、ノニルスルフィニル基、又はデシルスルフィニル基を挙げることができる。中でも好ましくは炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基を挙げることができる。
【0033】
「アルキルスルホニル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜10のアルキルスルホニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、tert−ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、tert−ペンチルスルホニル基、1−メチルブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、又はデシルスルホニル基を挙げることができる。中でも好ましくは炭素数1〜6のアルキルスルホニル基を挙げることができる。
【0034】
「アルキレン」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜10のアルキレンが挙げられ、具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、1-メチルメチレン、1−メチルエチレン、テトラメチレン、オクタメチレン、デカメチレン等を挙げることができる。中でも好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキレンを挙げることができる。
【0035】
「飽和の脂肪族ヘテロ環基」としては、0〜4個の窒素原子、0〜2個の酸素原子及び0〜2個の硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、4〜10員の単環もしくは二環の飽和脂肪族ヘテロ環基が挙げられ、結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。具体的には、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、アゼパニル基、アゾカニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基、モルホリニル基、モルホリノ基、チオモルホリニル基、1−オキソチオモルホリニル基、1,1−ジオキソチオモルホリニル基、チオモルホリノ基、1−オキソチオモルホリノ基、1,1−ジオキソチオモルホリノ基、1,3−ジオキソラニル基、1,4−ジオキサニル基、デカヒドロキノリノ基、デカヒドロキノキサリノ、1,4−ジアザビシクロ[4.4.0]デカノ基、又はデカヒドロイソキノリノを挙げることができる。
【0036】
「不飽和の脂肪族ヘテロ環基」としては、0〜4個の窒素原子、0〜2個の酸素原子及び0〜2個の硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含み、1つもしくは2つの二重結合を含む芳香属性の無い5〜10員の単環もしくは二環の不飽和脂肪族ヘテロ環基が挙げられ、結合位置は化学的に安定であれば特に限定されない。具体的には、2−ピロリニル基、3−ピロリニル基、2−イミダゾリニル基、3−イミダゾリニル基、2−ピラゾリニル基、3−ピラゾリニル基、又はオクタヒドロキノリニル基等を挙げることができる。
【0037】
「飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基」とは、前記の「飽和の脂肪族ヘテロ環基」又は「不飽和の脂肪族ヘテロ環基」の任意の炭素原子に酸素原子が結合した基を表わす。
【0038】
「飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基」とは、前記の「飽和の脂肪族ヘテロ環基」又は「不飽和の脂肪族ヘテロ環基」の任意の炭素原子にカルボニル基が結合した基を表わす。
【0039】
「飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基」とは、前記の「飽和の脂肪族ヘテロ環基」又は「不飽和の脂肪族ヘテロ環基」の任意の炭素原子にスルホニル(SO2)が結合した基を表わす。
【0040】
「飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基」とは、前記の「飽和の脂肪族ヘテロ環基」又は「不飽和の脂肪族ヘテロ環基」の任意の炭素原子にスルフィニル(SO)が結合した基を表わす。
【0041】
「飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基」とは、前記の「飽和の脂肪族ヘテロ環基」又は「不飽和の脂肪族ヘテロ環基」の任意の炭素原子にチオ(S)が結合した基を表わす。
【0042】
「飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基」とは、前記の「飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基」又は「不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基」の環外の酸素原子上にカルボニル基が結合した基を表わす。
【0043】
「アロイル基」とは、アリールカルボニル基とも呼ばれるが、「アロイル基」としては、炭素原子数6〜10のアリール基を有するカルボニル基が挙げられ、具体的には、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、又は2−ナフトイル基等を挙げることができる。
【0044】
「シクロアルキルオキシ基」、「シクロアルキルカルボニル基」、「シクロアルキルオキシカルボニル基」、「シクロアルキルチオ基」、「シクロアルキルスルフィニル基」、及び「シクロアルキルスルホニル基」におけるシクロアルキル部分は前記と同義である。
【0045】
「シクロアルケニルオキシ基」、「シクロアルケニルカルボニル基」、「シクロアルケニルオキシカルボニル基」、「シクロアルケニルチオ基」、「シクロアルケニルスルフィニル基」、及び「シクロアルケニルスルホニル基」におけるシクロアルケニル部分は前記と同義である。
【0046】
「アリールオキシ基」、「アリールオキシカルボニル基」、「アリールチオ基」、「アリールスルフィニル基」、及び「アリールスルホニル基」におけるアリール部分は前記と同義である。
【0047】
「ヘテロアリールオキシ基」、「ヘテロアリールカルボニル基」、「ヘテロアリールオキシカルボニル基」、「ヘテロアリールチオ基」、「ヘテロアリールスルフィニル基」、及び「ヘテロアリールスルホニル基」におけるヘテロアリール部分は前記と同様である。
【0048】
「アラルキルオキシ基」、「アラルキルカルボニル基」、「アラルキルオキシカルボニル基」、「アラルキルチオ基」、「アラルキルスルフィニル基」、及び「アラルキルスルホニル基」におけるアラルキル部分は前記と同義である。
【0049】
「ヘテロアラルキルオキシ基」、「ヘテロアラルキルカルボニル基」、「ヘテロアラルキルオキシカルボニル基」、「ヘテロアラルキルチオ基」、「ヘテロアラルキルスルフィニル基」、及び「ヘテロアラルキルスルホニル基」におけるヘテロアラルキル部分は前記と同義である。
【0050】
「アルキル基」、「アルケニル基」、「アルキニル基」、「アルコキシ基」、「アルカノイル基」、「アルコキシカルボニル基」、「アルキルチオ基」、「アルキルスルフィニル基」、又は「アルキルスルホニル基」が置換されている場合の置換基としては、以下の(i)〜(v)の群から選択され、同一もしくは異なる置換基が1〜6個置換していてもよい:
(i)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ホルミル基、オキソ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2);
(ii)置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基;
(iii)アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基;
〔これらの基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基及び置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基から選択される置換基で置換されていてもよい。〕;
(iv)置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルチオ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基;
(v)置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルチオ基、置換もしくは無置換のアラルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルホニル基。
【0051】
「シクロアルキル基」、「シクロアルケニル基」、「シクロアルキルオキシ基」、「シクロアルキルカルボニル基」、「シクロアルキルオキシカルボニル基」、「シクロアルキルチオ基」、「シクロアルキルスルフィニル基」、「シクロアルキルスルホニル基」、「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基」、「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基」、「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基」、「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基」、「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基」、「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基」、又は「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基」が置換されている場合の置換基としては、以下の(vi)〜(ix)の群から選択され、同一もしくは異なる置換基が1〜5個置換していてもよい:
(vi)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、チオキソ基、ホルミル基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2);
(vii)置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルチオ基、アラルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルホニル基;
(viii)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基
〔これらの基は、以下の(1)〜(3):
(1)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基;
(2)アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基で置換されてもよい);
(3)シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルフィニル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ基、シクロアルケニルスルホニル基、シクロアルケニルチオ基、シクロアルケニルカルボニル基、シクロアルケニルオキシカルボニル基、シクロアルケニルスルフィニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アロイル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基、ヘテロアリールカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールスルフィニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、カルボキシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアルケニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基で置換されていてもよい)
から選ばれる同一もしくは異なる1〜5の置換基で置換されていてもよい。〕;
(ix)シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルコキシ基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルコキシカルボニル基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルスルフィニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基
〔これらの基は、以下の(1)〜(3):
(1)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、シアノ基、ニトロ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基;
(2)アルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、アルカノイルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基で置換されていてもよい);
(3)シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルフィニル基、シクロアルケニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アロイル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基、ヘテロアリールカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールスルフィニル基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アラルキルカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アラルキルチオ基、アラルキルスルフィニル基、アラルキルスルホニル基、ヘテロアラルキル基、ヘテロアラルキルオキシ基、ヘテロアラルキルカルボニル基、ヘテロアラルキルオキシカルボニル基、ヘテロアラルキルチオ基、ヘテロアラルキルスルフィニル基、ヘテロアラルキルスルホニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、カルボキシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアルケニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基で置換されていてもよい)
から選ばれる同一もしくは異なる1〜5の置換基で置換されていてもよい。〕。
【0052】
「アリール基」、「アリールオキシ基」、「アロイル基」、「アリールオキシカルボニル基」、「アリールチオ基」、「アリールスルフィニル基」、「アリールスルホニル基」、「ヘテロアリール基」、「ヘテロアリールオキシ基」、「ヘテロアリールカルボニル基」、「ヘテロアリールオキシカルボニル基」、「ヘテロアリールチオ基」、「ヘテロアリールスルフィニル基」、「ヘテロアリールスルホニル基」、「アラルキル基」、「アラルキルオキシ基」、「アラルキルカルボニル基」、「アラルキルオキシカルボニル基」、「アラルキルチオ基」、「アラルキルスルフィニル基」、「アラルキルスルホニル基」、「ヘテロアラルキル基」、「ヘテロアラルキルオキシ基」、「ヘテロアラルキルカルボニル基」、「ヘテロアラルキルオキシカルボニル基」、「ヘテロアラルキルチオ基」、「ヘテロアラルキルスルフィニル基」又は「ヘテロアラルキルスルホニル基」が置換されている場合の置換基としては、以下の(x)〜(xiv)の群から選択され、同一もしくは異なる置換基が1〜5個置換していてもよい:
(x)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2);
(xi)置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基;
(xii)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基
〔これらの基は、以下の(1)〜(4):
(1)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、オキソ基、シアノ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2);
(2)置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基;
(3)アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基
[この群の基は、以下の(a)もしくは(b):
(a)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基;
(b)シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルフィニル基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基、ヘテロアリールスルフィニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、カルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基で置換されていてもよいアルケニル基、カルボキシル基で置換されていてもよいアルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基で置換されていてもよいアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基で置換されていてもよい)
から選択される置換基で置換されていてもよい];
(4)シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルフィニル基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基、ヘテロアリールスルフィニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、カルボキシル基で置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基で置換されていてもよいアルケニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基で置換されていてもよい)
から選ばれる同一もしくは異なる1〜5の置換基で置換されていてもよい。〕;
(xiii)シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルカルボニル基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルフィニル基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基
〔この群の基は、以下の(1)〜(3):
(1)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、オキソ基、チオキソ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2);
(2) アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいスルファモイル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基で置換されていてもよい);
(3) シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルキル基、アルコキシ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいスルファモイル基で置換されていてもよい);
から選ばれる同一もしくは異なる1〜5の置換基で置換されていてもよい。〕;
(xiv)アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アロイル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基、ヘテロアリールカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールスルフィニル基
〔これらの基は、以下の(1)〜(3):
(1)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2);
(2)アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アルコキシカルボニル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもスルファモイル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基で置換されていてもよい);
(3) シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいスルファモイル基で置換されていてもよい)
から選ばれる同一もしくは異なる1〜5の置換基で置換されていてもよい。〕。
【0053】
または、「アリール基」、「ヘテロアリール基」、「アラルキル基」、「ヘテロアラルキル基」、「アリールオキシ基」、「アロイル基」、「アリールオキシカルボニル基」、「アリールチオ基」、「アリールスルフィニル基」、「アリールスルホニル基」、「ヘテロアリールオキシ基」、「ヘテロアリールカルボニル基」、「ヘテロアリールオキシカルボニル基」、「ヘテロアリールチオ基」、「ヘテロアリールスルフィニル基」、「ヘテロアリールスルホニル基」、「アラルキルオキシ基」、「アラルキルカルボニル基」、「アラルキルオキシカルボニル基」、「アラルキルスルホニル基」、「ヘテロアラルキルオキシ基」、「ヘテロアラルキルカルボニル基」、「ヘテロアラルキルオキシカルボニル基」、又は「ヘテロアラルキルスルホニル基」の2個の隣接する置換基が結合して、以下の式(T1)〜(T18):
【0054】
【化5】

〔式中、RTは、存在しないか、1つまたは複数存在し、各々独立して、以下の(1)〜(3):
(1)ハロゲン原子、水酸基、オキソ基、カルボキシ基、同一もしくは異なる1又は2個の置換基で置換されていてもよいカルバモイル基、飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基;
(2)アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシ基
(この群の基は、ハロゲン原子、カルボキシル基又はアルコキシ基で置換されていてもよい);
(3)2つのRTが一緒になってメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレンもしくはブテニレンを表し、環を構成する1つまたは2つの炭素原子と結合し新たな環を形成する場合;
のいずれかを表し、Rxは水素原子またはアルキル基を表す。〕
で表わされる二価基を表していてもよい。
ここで、前記「飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基」における「飽和の脂肪族ヘテロ環」としては、例えば、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子を1または2個有する、5又は6員の飽和の脂肪族ヘテロ環が挙げられる。飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基として、例えばテトラヒドロフラニルオキシカルボニル基、テトラヒドロピラニルオキシカルボニル基、ジヒドロフラニルオキシカルボニル基、テトラヒドロチオピラニルオキシカルボニル基、テトラヒドロジオキソチオピラニルオキシカルボニル基、ピロリジニルオキシカルボニル基、ピペリジルオキシカルボニル基、ピペラジルオキシカルボニル基、イミダゾリジニルオキシカルボニル基、オキサゾリジニルオキシカルボニル基、又はチアゾリジニルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0055】
置換アミノ基、置換カルバモイル基、置換チオカルバモイル基、及び置換スルファモイル基における置換基としては、以下の(1)〜(3):
(1)アルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルケニル基
[この群の基は、以下の(a)もしくは(b):
(a) ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、オキソ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、及び同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基;
(b)シクロアルキル基、シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルホニル基、シクロアルケニル基、シクロアルケニルオキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールスルホニル基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールチオ基、ヘテロアリールスルホニル基、ヘテロアラルキル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、カルボキシル基で置換されてもよいアルキル基、カルボキシル基で置換されてもよいアルコキシ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいスルファモイル基で置換されていてもよい)
から選択される基で置換されていてもよい];
(2)アリール基、ヘテロアリール基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、シクロアルキル基、アロイル基、ヘテロアリールカルボニル基、アラルキルカルボニル基、ヘテロアラルキルカルボニル基、シクロアルキルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、ヘテロアラルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ヘテロアラルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基
〔この群の基は、以下の(a)又は(b):
(a)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基;
(b)アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、同一もしくは異なる1又は2個の置換基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基及び同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいスルファモイル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、又は同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基で置換されていてもよい)
から選ばれる同一もしくは異なる1〜5の置換基で置換されていてもよい。〕;
(3)2個の置換基が結合して、カルボキシ基、水酸基、アルキル基、アルコキシ基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよい炭素原子数2〜6個のアルキレンを形成し、当該アルキレンにおける任意の−CH2−は、−O−、−NR20−、−SO−、−SO2−、−S−及び−CO−から選ばれる二価基によって置き換えられていてもよい
〔ここで、R20は、以下の(a)又は(b):
(a)水素原子、
(b)アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基又はアルキルスルホニル基
(この群の基は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、及び同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基で置換されていてもよい)
を表す〕;
が挙げられ、同一もしくは異なる1又は2の置換基で置換されていてもよい。
【0056】
「R18とR19が結合して、それらが結合する窒素原子と共に形成する、飽和もしくは不飽和の単環、二環もしくは三環の含窒素ヘテロ環」としては、置換もしくは無置換の、0〜2個の酸素原子、0〜2個の硫黄原子及び1〜4個の窒素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、4〜14員の飽和もしくは不飽和の含窒素ヘテロ環を表す。「不飽和の含窒素ヘテロ環」は、環内に1もしくは2個の二重結合を有する非芳香族性の不飽和含窒素へテロ環を表す。具体的には、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、アゼパン、モルホリン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チオモルホリン、テトラヒドロピリミジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロチエノピリジン、テトラヒドロチアゾロピリジン、テトラヒドロピラゾロピリジン、テトラヒドロイミダゾピラジン、テトラヒドロトリアゾロピラジン、テトラヒドロピラゾロピラジン、ジヒドロピロロピリミジン、ジヒドロピロロピリダジン、ジヒドロピロロピリジン、テトラヒドロピロロピリジン、テトラヒドロフロピリジン、テトラヒドロイミダゾピリジン、テトラヒドロオキサゾロピリジン、テトラヒドロイソチアゾロピリジン、テトラヒドロイソオキサゾロピリジン、テトラヒドロイミダゾピリミジン、テトラヒドロトリアゾロピリミジン、テトラヒドロピラゾロピリミジン、テトラヒドロナフチリジン、テトラヒドロピリドピリミジン、テトラヒドロピリドピラジン、テトラヒドロピリドピリダジン、テトラヒドロイミダゾヂアゼピン、テトラヒドロトリアゾロジアゼピン、テトラヒドロピラゾロジアゼピン、テトラヒドロトリアゾロジアゼピン、テトラヒドロチエノアゼピン、ヘキサヒドロピロロアゼピン、テトラヒドロフロアゼピン、テトラヒドロチアゾロアゼピン、ヘキサヒドロイミダゾアゼピン、テトラヒドロオキサゾロアゼピン、テトラヒドロイソチアゾロアゼピン、ヘキサヒドロピラゾロアゼピン、テトラヒドロイソオキサゾロアゼピン、ヘキサヒドロトリアゾロアゼピン、ジヒドロイミダゾイミダゾール、ジヒドロイミダゾトリアゾール、ジヒドロイミダゾピラゾール、ジヒドロイミダゾトリアゾール、ジヒドロチエノピロール、テトラヒドロピロロピロール、ジヒドロフロピロール、ジヒドロピロロチアゾール、テトラヒドロピロロイミダゾール、ジヒドロピロロオキサゾール、ジヒドロピロロイソチアゾール、テトラヒドロピロロピラゾール、ジヒドロピロロイソオキサゾール、テトラヒドロピロロトリアゾール、イソインドリン、アザビシクロヘキサン、アザビシクロオクタン、アザビシクロヘプタン、アザビシクロノナン、またはテトラヒドロカルボリン等を挙げることができる。更に、かかる含窒素ヘテロ環基は、アリール基もしくはヘテロアリール基が縮合した飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基と一緒にスピロ環を形成してもよく、具体的には、式(S1)〜(S7):
【0057】
【化6】

等を挙げることができる。
「R18およびR19が結合して、それらが結合する窒素原子と共に形成する、飽和もしくは不飽和の単環、二環もしくは三環の含窒素ヘテロ環」が置換されている場合の置換基としては、上述の「飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基」が置換されている場合の置換基と同じものが挙げられ、同一もしくは異なる置換基が1〜5個置換していてもよい。置換基の結合位置は特に限定は無く、化学的に安定であれば炭素原子上又は窒素原子と結合している。:
当該置換基が炭素原子に結合している場合、好ましくは以下の(1)〜(4)のいずれかに記載の置換基が挙げられる:
(1)ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基;
(2)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルカノイルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいスルファモイル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基、及び同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいスルファモイル基より選択される基で置換されていてもよい);
(3)置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基;
(4)シクロアルキルオキシ基、シクロアルキルオキシカルボニル基、シクロアルキルチオ基、シクロアルキルスルフィニル基、シクロアルキルスルホニル基、飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基、飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基
(この群の基は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、ホルミル基、シアノ基、スルホ基(−SO2OH)、ホスホノ基(−PO(OH)2)、カルボキシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアルキル基、カルボキシル基もしくはアルコキシカルボニル基で置換されていてもよいアルケニル基、アルコキシ基、アルカノイル基、アルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアミノ基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基で置換されていてもよい)。
当該置換基が窒素原子に結合している場合、当該置換基としては、以下の(5)又は(6)に記載の置換基が挙げられる。
(5)アルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基又はアルキルスルホニル基及び同一もしくは異なる1又は2のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基
(この群の基は、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいアミノ基、及び同一もしくは異なる1又は2個のアルキル基で置換されていてもよいカルバモイル基から選択される置換基で置換されていてもよい);
(6)前記(3)及び(4)に記載の任意の基。
【0058】
式(1)において、R1を伴う5員環Cyは、式(2):
【0059】
【化7】

で表される環、又は式(3):
【0060】
【化8】

で表される環を表す。すなわち、式(1)の化合物としては、式(1−Cy2):
【0061】
【化9】

で表される化合物、又は式(1−Cy3):
【0062】
【化10】

が挙げられる。R1を伴う5員環Cyとして好ましくは、式(2):
【0063】
【化11】

で表される環が挙げられ、すなわち、式(1)の化合物の好ましい態様として、式(1−Cy2):
【0064】
【化12】

で表される化合物を挙げることができる。
【0065】
式(1)のR1として好ましくは、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基で置換されたアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で置換されたアルキル基が挙げられ、中でも置換もしくは無置換のベンジル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基で置換された炭素鎖1のアルキル基、すなわち置換もしくは無置換のシクロアルキル基で置換されたメチル基が特に好ましい。また、当該置換アリール基、置換ヘテロアリール基、置換アラルキル基、置換ヘテロアラルキル基、置換シクロアルキル基、置換シクロアルケニル基、置換シクロアルキル基で置換されたアルキル基、及び置換シクロアルケニル基で置換されたアルキル基の置換基として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、又はアルコキシ基が挙げられる。
【0066】
式(1)において、−W4=W5−W6=W7−として好ましくは、式(a):−CR4=CR5−CR6=CR7−(式中、R4、R5、R6及びR7は、各々独立して、同一又は異なって、式:−E−Aを表す)で表される基、及び式(d):−CR4=CR5−N=CR7−(式中、R4、R5及びR7は、各々独立して、同一又は異なって、式:−E−Aを表す)で表される基が挙げられる。
式:−E−Aにおいて、Eが、以下の式1)〜14):
1) −C(R16)R17−,
2) −O−,
3) −S(=O)m−,
4) −S(=O)2NR16−,
5) −C(=O)−,
6) −C(=O)O−,
7) −C(=O)NR16−,
8) −C(=NR16)NR17−,
9) −NR16−,
10) −N(R16)C(=O)−,
11) −N(R16)S(=O)2−,
12) −N(R16)C(=O)N(R17)−,
13) −N(R16)S(=O)2N(R17)−,
14) −P(=O)(OR162
(式中、R16及びR17は、各々独立して、水素原子、又は炭素原子数が1〜3のアルキル基を表すか、又は式8)、12)及び13)においては、R16とR17は結合して、炭素原子数2〜4のアルキレン基を表してもよい。mは、0、1、又は2を表す。)
で表される基である場合、式1)〜14)で表される2価基の右側にAが結合している。
本明細書において、2価基がいずれの向きに結合するかによって異なる化合物となる場合は、特別に指示のない限り、構造式に表される通りの向きに結合していることを意味する。
式1)、4)、及び7)〜14)中、R16及びR17における「炭素原子数が1〜3のアルキル基」は、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜3のアルキル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基を挙げることができる。
式8)、12)及び13)において、R16とR17が結合して炭素原子数2〜4のアルキレン基を表す場合、式8)、12)及び式13)の2価基として、具体的には、式(R1)〜(R9):
【0067】
【化13】

を挙げることができる。
【0068】
−W4=W5−W6=W7−における式(a):−CR4=CR5−CR6=CR7−で表される基として好ましくは、式:−CH=CH−C(−E−A)=CH−で表される基が挙げられ、中でも式:−CH=CH−C(NO2)=CH−、又は式:−CH=CH−C(CN)=CH−で表される基が特に好ましい。また、−W4=W5−W6=W7−における式(d):−CR4=CR5−N=CR7−で表される基として好ましくは、式:−CH=CR5−N=CR7−で表される基が挙げられる。すなわち、式(1)の化合物の好ましい態様として、式(1−Cy2−a)、式(1−Cy2−b)又は式(1−Cy2−c):
【0069】
【化14】

で表される化合物を挙げることができる。式(1−Cy2−c)において、R5及びR7としては、各々独立して同一又は異なってハロゲン原子が特に好ましい。
【0070】
式(1)において、R8として好ましくは、式:−OR11で表される基が挙げられ、中でも水酸基が特に好ましい。
11及びR12における「炭素数原子が1〜5のアルキル基」とは、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、又はペンチル基を挙げることができる。当該アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、又は炭素原子数が1〜3のアルコキシ基が挙げられる。
【0071】
9における「1つ以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数が1〜6のアルキル基」としては、1〜7の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換された直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜6のアルキル基(具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、又はヘキシル基等を挙げることができる)が挙げられる。前記ハロゲン原子として、好ましくはフッ素原又は塩素原子を挙げることができる。
9における「1つ以上のハロゲン原子で置換された炭素原子数が3〜6のシクロアルキル基」としては、1〜5の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換された3〜6員の飽和のシクロアルキル基(具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、又はシクロヘキシル基を挙げることができる。)が挙げられる。前記ハロゲン原子として好ましくは、フッ素原子又は塩素原子を挙げることができる。
9として好ましくは、1〜5の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換された炭素原子数が1〜3のアルキル基が挙げられ、特に好ましくはトリフルオロメチル基が挙げられる。
【0072】
13及びR14における「アルキル基」としては、直鎖状もしくは分枝状の炭素原子数1〜3のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
13及びR14が結合してそれらが結合する炭素原子と共に形成するシクロアルカンとしては、3〜7員のシクロアルカンが挙げられ、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン又はシクロヘプタンが挙げられる。好ましくは、シクロブタン、シクロペンタン又はシクロヘキサンが挙げられる。
式(1)中のR10における式:−[C(R13)R14]n−R15中のnとして好ましくは、1〜6の整数が挙げられ、1〜2の整数が特に好ましい。
式(1)中のR10における式:−[C(R13)R14]n−R15として好ましくは、式:−CH2−R15、式:−(CH22−R15、式:−(CH23−R15、式:−CH2C(=O)−R15、又は式:−C(=O)−R15が挙げられ、中でも式:−CH2−R15が特に好ましい。
15として好ましくは、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、又は式:N(R18)R19で表される基が挙げられる。中でも、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、又は式:N(R18)R19で表される基が特に好ましい。
18及びR19として好ましくは、R18とR19が結合して、それらが結合する窒素原子と共に置換されている飽和もしくは不飽和の単環、又は二環の含窒素ヘテロ環を形成する場合が挙げられ、中でも式:N(R18)R19が置換されているピペリジノ基、置換されているテトラヒドロキノリニル基、置換されているテトラヒドロイソキノリニル基、置換されているテトラヒドロチエノピリジル基、置換されているテトラヒドロチアゾロピリジル基、置換されているテトラヒドロピラゾロピリジル基、置換されているピペラジニル基、又は置換されているテトラヒドロイミダゾピラジニル基を表す場合が特に好ましい。当該テトラヒドロチエノピリジル基としてはテトラヒドロチエノ[3,2-c]ピリジル基がより好ましく、テトラヒドロチアゾロピリジル基としてはテトラヒドロ[1,3]チアゾロ[5,4-c]ピリジル基がより好ましく、テトラヒドロピラゾロピリジル基としては4,5,6,7-テトラヒドロ-2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジル基がより好ましい。当該置換基として好ましくは、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルチオ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシカルボニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基が挙げられる。
【0073】
式(1)で表される本発明の化合物は、公知化合物から、以下に示す製造法1−11に示す方法、下記の製造法に類似の方法、又は当業者に周知の合成方法を適宜組み合わせて製造することができる。また、本明細書において、記載の簡略化のために次の略号を使用する場合がある。
Boc:tert-ブトキシカルボニル基
Cbz:ベンジルオキシカルボニル基
TMS:トリメチルシリル基
TBS:tert-ブチルジメチルシリル基
SEM:2−[(トリメチルシリル)エトキシ]メチル基
Ac:アセチル基
Me:メチル基
Et:エチル基
Pr:プロピル基
i−Pr:イソプロピル基
Bu:ブチル基
i−Bu:イソブチル基
t−Bu:tert−ブチル基
Ph:フェニル基
Bn:ベンジル基
Ms:メタンスルホニル基
TFA:トリフルオロ酢酸
Alloc:アリルオキシカルボニル基
【0074】
〔製造法1〕
式(1)で表される化合物のうち、式(1−11)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0075】
【化15】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、及びR15は、前記と同義である。M1は、ヘテロ元素(好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、典型金属、珪素原子等)を表す。Xは、脱離基(例えば、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子、メタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等)を表す。]
1)工程1
化合物(1−2)は、酸性溶媒中、公知または公知の合成法により得られる化合物(1−1)を亜硝酸ナトリウム等と反応させることにより製造することができる(例えば、J. Med. Chem. 2001, 44, 1021-1024、またはJ. Med. Chem. 1990, 33, 1781-1790 等を参照)。亜硝酸ナトリウムの使用量としては、化合物(1−1)に対して通常1〜50当量の範囲から選択される。酸性溶媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、臭酸等が挙げられ、好適には、塩酸が挙げられる。更にこれら酸性溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン等との混合溶媒として用いることもできる。反応温度としては、約−20℃〜約50℃の範囲から選択することができる。
2)工程2
化合物(1−4)は、工程1で得られた化合物(1−2)と化合物(1−3)を、不活性溶媒中、塩基と反応させることにより製造される。化合物(1−3)の使用量としては、化合物(1−2)に対して、通常1当量〜過剰量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等)、非プロトン性極性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)、ケトン類(アセトン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
塩基としては、例えば、炭酸アルカリ(炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、水素化アルカリ(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、水酸化アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、アルカリアルコキシド(ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等)、有機塩基(N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン,1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン等)が挙げられ、好適には、炭酸カリウム、カリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−2)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。反応温度としては、約−78℃〜約150℃の範囲から選択することができる。
3)工程3
化合物(1−6)は、不活性溶媒中、塩基の存在下または非存在下に、工程2で得られた化合物(1−4)を化合物(1−5)と反応させることにより製造することができる(例えば、Tetrahedron. 56, 7613 (2000)、またはChemistry Letters. 34, 88(2005) 等参照)。化合物(1−5)の使用量としては、化合物(1−4)に対して通常1〜10当量の範囲から選択される。塩基としては、例えばフッ化物(フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、テトラブチルアンモニウム フロリド等)、酢酸アルカリ(酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)等が挙げられ、好適には、酢酸リチウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−4)に対して通常0.1〜3当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、炭化水素類(トルエン、ベンゼン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランが挙げられる。反応温度としては、約−78℃〜約150℃の範囲から選択することができる。
4)工程4
化合物(1−7)は、不活性溶媒中、工程3で得られた化合物(1−6)を酸化反応させることにより製造することができる。不活性溶媒としては、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム)、N,N−ジメチルホルムアミド、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、ジクロロメタン等が挙げられる。反応温度としては、約−78℃〜約180℃の範囲から選択することができる。酸化反応としては、swern酸化、Dess−Martin酸化、クロム酸酸化、活性二酸化マンガン酸化が望ましく、文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989、実験化学講座(日本化学会編、丸善等参照)記載の方法に従って行うことができる。
5)工程5
化合物(1−8)は、不活性溶媒中、塩基の存在下、工程4で得られた化合物(1−7)とトリメチルスルホニウム ヨージドもしくはトリメチルスルフォキソニウム ヨージド等と反応させることにより製造することができる(例えば、Bull. Chem. Soc. Jpn., 68, 3591 (1995)、またはJ. Am. Chem. Soc. 86, 1899 (1964) 等を参照)。トリメチルスルホニウム ヨージドもしくはトリメチルスルフォキソニウム ヨージドの使用量としては、化合物(1−7)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。塩基としては、例えば炭酸アルカリ(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、水素化アルカリ(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)または水酸化アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)等が挙げられ、好適には、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−7)に対して通常1〜3当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、ケトン(アセトン等)、炭化水素類(トルエン、ベンゼン等)、またはこれらの混合溶媒が挙げられ、更にはこれらの不活性溶媒と水との混合溶媒も挙げられ、好適には、ジメチルスルホキシド、またはジクロロメタン−水混合溶媒等が挙げられる。反応温度としては、約−78℃〜約50℃の範囲から選択することができる。
6)工程6
化合物(1−11)は、不活性溶媒中、工程5で得られた化合物(1−8)と化合物(1−10)をルイス酸、ルイス塩基もしくは塩基いずれか一方の存在下または非存在下に反応させることにより製造することができる。
工程6の反応が炭素−ヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子)結合形成反応である場合、すなわち化合物(1−10)がアルコール類、フェノール類、チオール類、チオフェノール類、アミン類またはアニリン類である場合には、塩基としては、例えば、有機塩基(1−ヒドロキシベンズトリアゾール、N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン等)、または炭酸アルカリ(炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、水素化アルカリ(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)もしくは水酸化アルカリ(水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウム等)等の無機塩基が挙げられ、好適には、トリエチルアミン、炭酸カリウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(1−10)に対して通常1〜3当量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、アルコール系溶媒(エタノール、メタノール、2−プロパノール、ヘキサフルオロ2−プロパノール等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられ、好適には、2−プロパノール等が挙げられる。反応温度としては、約−78℃〜約180℃の範囲から選択することができる。
工程6の反応が炭素−炭素結合形成反応の場合には、通常は化合物(1−10)を不活性溶媒中で塩基と反応させた後に、化合物(1−8)との縮合反応を行う。塩基としては、アルカリ金属、有機銅試薬等が望ましく、文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989、実験化学講座(日本化学会編、丸善等参照)等)記載の方法により調製することができる。
7)工程7
化合物(1−9)は、不活性溶媒中、工程4で得られた化合物(1−7)から製造することができる。例えばWittig反応、Tebbe反応もしくはPetersonオレフィン化反応等の反応を、文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)記載の方法で行うことにより、製造することができる。好ましくはWittig反応が挙げられ、塩基としては、強塩基が好ましく、例えば、水素化アルカリ(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、アルカリアルコキシド(ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等)、アルカリ金属(n−ブチルリチウム、メチルリチウム、イソプロピルマグネシウムブロミド等)が挙げられ、好適には、カリウムtert-ブトキシド、n−ブチルリチウム等が挙げられる。塩基の使用量としては、メチルトリフェニルホスホニウム ブロミド等のホスホニウムハライドに対して、通常1当量〜3等量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。反応温度としては、約−78℃〜約100℃の範囲から選択される。
8)工程8
化合物(1−8)は、溶媒中、工程7で得られた化合物(1−9)を、文献(例えばJ. Am. Chem. Soc., 112, 2801 (1990)、J. Am. Chem. Soc., 119, 6189 (1997)、J. Am. Chem. Soc., 122, 3220 (2000)、J. Am. Chem. Soc., 123, 2933 (2001)等参照)記載の方法に従いエポキシ化することで、製造することができる。
【0076】
〔製造法2〕
式(1)で表される化合物のうち、式(1−11)もしくは式(2−8)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0077】
【化16】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R15、及びXは、前記と同義である。Prot1及びProt2は、水酸基の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.等参照)又はR11を表す。]
1)工程1
化合物(2−1)は、製造法1の工程7で得られた化合物(1−9)を原料に用い、溶媒中、酸化剤の存在下、四酸化オスミウム等と反応させることにより製造することができる(例えば、J. Org. Chem. 56, 4585 (1991)、Tetrahedron: Asymmetry. 14, 503 (2003) 等参照)。
2)工程2
化合物(2−2)は、不活性溶媒中、塩基の存在下、工程1で得られた化合物(2−1)を反応させることにより製造することができる。例えば、文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.) 、Tetrahedron: Asymmetry. 14, 503 (2003) 等)記載の方法により製造することができる。
3)工程3
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.) 、Tetrahedron: Asymmetry. 14, 503 (2003) 等)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程2で得られた化合物(2−2)から化合物(2−3)を製造することができる。この際用いる保護基は、工程2で用いた保護基とは異なる方法で脱保護可能な保護基を適宜選択することができる。
4)工程4
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.))に記載されている方法等によって一級水酸基の保護基(Prot1)のみを選択的に脱保護することで、工程3で得られた化合物(2−3)から化合物(2−4)を製造することができる。
5)工程5
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等によって、工程4で得られた化合物(2−4)から化合物(2−5)を製造することができる。
6)工程6
ステップ1)の縮合反応は、製造法1記載の工程6と同様の方法によって行われる。得られる化合物の水酸基の保護基を文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)に記載されている方法等によって、ステップ2)の脱保護を行うことにより、化合物(1−11)を得ることができる。
7)工程7
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989、Tetrahedron Lett., 40, 7879 (1999)等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、化合物(2−9)から化合物(1−8)を製造することができる。
8)工程8
文献(例えばTetrahedron: Asymmetry. 14, 503 (2003)、Tetrahedron Lett., 40, 7879 (1999)等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程4で得られた化合物(2−4)から化合物(2−6)を製造することができる。
9)工程9
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程8で得られた化合物(2−6)から化合物(2−7)を製造することができる。
10)工程10
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程9で得られた化合物(2−7)から化合物(2−8)を製造することができる。
11)工程11
工程5と同様の方法によって行われる。
12)工程12
文献(例えばTetrahedron. 52, 12761 (1996), Synthesis. 11, 1584 (1998), Synthesis. 1, 45 (2003), Comprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、製造法1の工程7で得られた化合物(1−9)から化合物(2−9)を製造することができる。
13)工程13
製造法1記載の工程6と同様の方法によって行われる。
【0078】
製造法3
式(1)で表される化合物のうち、式(3−4)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0079】
【化17】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R10、及びM1は、前記と同義である。]
1)工程1
化合物(1−2)を原料に用い、製造法1記載の工程2と同様の方法によって行われる。
2)工程2
製造法1記載の工程3と同様の方法によって行われる。
3)工程3
製造法1記載の工程4と同様の方法によって行われる。
4)工程4
製造法1記載の工程3と同様の方法によって行われる。
5)工程5
製造法1記載の工程3と同様の方法によって行われる。
6)工程6
製造法1記載の工程2と同様の方法によって行われる。
【0080】
製造法4
式(1)で表される化合物のうち、式(4−3)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0081】
【化18】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R13、R14、R15Xは、前記と同義である。M2は、金属元素(好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、典型金属等)を表す。]
1)工程1
化合物(4−1)は、溶媒中、製造法1の工程4で得られた化合物(1−7)と化合物(4−4)とを反応させることにより製造することができる(例えば、実験化学講座(日本化学会編、丸善)、Tetrahedron Lett., 40, 9333 (1999)等参照)。化合物(4−4)の使用量としては、化合物(1−7)に対して通常1〜10当量の範囲から選択される。溶媒としては、非プロトン性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等)、エーテル系溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等)、炭化水素類(トルエン、ベンゼン等)、またはこれらの混合溶媒、もしくはこれらと水との混合溶媒等が挙げられ、好適には、エーテル系溶媒が挙げられる。反応温度としては、約−78℃〜約150℃の範囲から選択することができる。
2)工程2
化合物(4−2)は、溶媒中、工程1で得られた化合物(4−1)と化合物(4−5)を触媒存在下、ヘック反応を用いて縮合させることにより製造することができる(例えば、Palladium Reagents and Catalysts, Jiro Tsuji著, John Wiley & Sons Ltd, 2004、J. Am. Chem. Soc. 123, 6989 (2001) 等参照)。尚、化合物(4−5)におけるR15としては、アリール基、ヘテロアリール基が望ましい。
3)工程3
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程2で得られた化合物(4−2)の還元反応を行うことにより、化合物(4−3)を製造することができる。
【0082】
製造法5
式(1)で表される化合物のうち、式(5−1)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0083】
【化19】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R13、R14、及びR15は、前記と同義である。]
1)工程1
化合物(5−1)は、溶媒中、製造法1の工程4で得られた化合物(1−7)と化合物(5−2)をアルドール反応させることにより製造することができる(例えば、Modern aldol reactions, Rainer Mahrwald著, John Wiley & Sons linc., 2004、Tetrahedron. 58, 8269 (2002)等参照)。
【0084】
製造法6
式(1)で表される化合物の中、化合物(6−2)、化合物(6−3)またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0085】
【化20】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、及びR10は、前記と同義である。R11h及びR12hは、各々独立して、置換もしくは無置換の炭素原子数が1〜5のアルキル基を表す]
1)工程1
文献(例えばSynth Commun. 24, 2419 (1999)、Tetrahedron Lett., 28, 6513 (1987)等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、製造法3の工程4で得られた化合物(3−4)から化合物(6−1)を製造することができる。
2)工程2
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)に記載されている方法等と同様な方法によって、工程1で得られた化合物(6−1)とアミン類とを反応させることによって、化合物(6−2)を製造することができる。
3)工程3
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.); Comprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989) に記載されている方法等によって、工程2で得られた化合物(6−2)のアミノ基のアルキル化化合物(6−3)を製造することができる。
【0086】
製造法7
式(1)で表される化合物のうち、化合物(7−4)、化合物(7−5)、もしくは化合物(7−6)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0087】
【化21】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R11、R12、及びR15は、前記と同義である。Protは、アミノ基の保護基(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.))もしくはR11をあらわす。]
1)工程1
文献(例えばJ. Org. Chem. 43, 4271 (1978)、Tetrahedron: Asymmetry. 8, 903 (1997)、J. Heterocycl. Chem. 28, 473 (1991)等参照)に記載されている方法等と同様な方法によって、製造法1の工程5もしくは工程8で得られた化合物(1−8)から化合物(7−1)を製造することができる。
2)工程2
文献(例えばTetrahedron. 51, 11515 (1995)、Synthesis. 15, 2254 (2002)等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程1で得られた化合物(7−1)から化合物(7−2)を製造することができる。
3)工程3
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様な方法によって、工程2で得られた化合物(7−2)から化合物(7−3)を製造することができる。
4)工程4
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)に記載されている方法等と同様な方法によって、工程3で得られた化合物(7−3)から化合物(7−4)を製造することができる。
5)工程5
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様な方法によって、工程4で得られた化合物(7−4)から化合物(7−5)を製造することができる。
6)工程6
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.)に記載されている方法等と同様な方法によって、工程2で得られた化合物(7−2)の脱保護をおこなうことにより化合物(7−6)を製造することができる。
【0088】
製造法8
式(1)で表される化合物のうち、化合物(8−2)もしくは化合物(8−4)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0089】
【化22】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R13、R14、R18、及びR19は、前記と同義である。]
1)工程1
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、製造法4の工程1で得られた化合物(4−1)から化合物(8−1)を製造することができる。好ましくは、オゾン分解を用いる方法が挙げられる。
2)工程2
文献(例えばJ. Org. Chem. 61, 3849 (1996)等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程1で得られた化合物(8−1)とアミン化合物(8−5)との還元的アミノ化を行うことにより、化合物(8−2)を製造することができる。
3)工程3
文献(例えばJ. Am. Chem. Soc. 119, 12386 (1997)、Tetrahedron Lett., 40, 7879 (1999) 等参照等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程1で得られた化合物(8−1)から化合物(8−3)を製造することができる。
4)工程4
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様の方法によって、工程3で得られた化合物(8−3)から化合物(8−4)を製造することができる。
【0090】
製造法9
式(1)で表される化合物のうち、化合物(9−3)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0091】
【化23】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R13、R14、R15、及びXは、前記と同義である。]
1)工程1
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様な方法によって、製造法8の工程1で得られた化合物(8−1)を還元することにより、化合物(9−1)を製造することができる。
2)工程2
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様な方法によって、工程1で得られた化合物(9−1)から化合物(9−2)を製造することができる。
3)工程3
文献(例えばComprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)に記載されている方法等と同様な方法によって、工程2で得られた化合物(9−2)から化合物(9−3)を製造することができる。
【0092】
製造法10
式(1)で表される化合物のうち、化合物(10−1)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0093】
【化24】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、R10、及びR11は、前記と同義である。]
1)工程1
文献(Protective Groups in Organic Synthesis 3rd Edition (John Wiley & Sons, Inc.); Comprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989) に記載されている方法等によって、化合物(3−4)から化合物(10−1)を製造することができる。例えば、塩基の存在下に化合物(3−4)をハロゲン化アルキル化合物等と反応させることができる。
【0094】
製造法11
式(1)で表される化合物のうち、化合物(11−3)もしくは化合物(11−5)で表される化合物またはその塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
【0095】
【化25】

[式中、R1を伴う5員環Cy、R1、−W4=W5−W6=W7−、R9、及びXは、前記と同義である。]
1)工程1
化合物(11−2)は、公知または公知の合成法により得られる縮合ピラゾール化合物(11−1)を、溶媒中、塩基存在下または非存在下にハロゲン化剤と反応させることにより製造される(例えばTetrahedron Letters. 43, 2695 (2002), Comprehensive Organic transformation, R. C. ラロック著, VCH publisher Inc., 1989等参照)。ハロゲン化剤としては、N-クロロスクシニルイミド、N-ブロモスクシニルイミド、もしくはN-ヨードスクシニルイミド等のN-ハロゲン化イミド類、塩素、臭素、またはヨウ素を挙げることが出来る。ハロゲン化剤の使用量としては、化合物(11−1)に対して、通常1当量〜過剰量の範囲から選択される。不活性溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン等)、非プロトン性極性溶媒(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等)、ケトン類(アセトン等)、またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。
塩基としては、例えば炭酸アルカリ(炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム等)、水素化アルカリ(水素化ナトリウム、水素化カリウム等)、水酸化アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等)、アルカリアルコキシド(ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等)、または有機塩基(N-メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン,1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ-5-エン、1,4-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン等)が挙げられ、好適には、炭酸カリウム、カリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン等が挙げられる。塩基の使用量としては、化合物(11−1)に対して通常1〜5当量の範囲から選択される。反応温度としては、約−78℃〜約150℃の範囲から選択することができる。
2)工程2
製造法1記載の工程2と同様の方法によって行われる。
3)工程3
化合物(11−5)は、溶媒中、工程2で得られた化合物(11−3)と化合物(11−4)を触媒存在下、鈴木-宮浦反応を用いてカップリングさせることにより製造することができる(例えば、Palladium Reagents and Catalysts, Jiro Tsuji著, John Wiley & Sons Ltd, 2004、Tetrahedron Letters 42, 4083 (2001), Chemistry Letters Vol.33, No.9, 1207 (2004)等参照)。
4)工程4
化合物(11−6)は、不活性溶媒中、工程2で得られた化合物(11−3)をハロゲン-金属交換したのちに(11−7)と反応させることにより製造することができる。ハロゲン-金属交換の方法としては、例えば、Angew. Chem. Int. Ed. 43, 3333 (2004), Angew. Chem. Int. Ed. 42, 4302 (2003), Angew. Chem. Int. Ed. 39, 4414 (2000)等の文献が挙げられる。
【0096】
以上において使用した原料や試薬などは、特に断らない限り、市販の化合物であるか、または公知の化合物から公知の方法を用いて製造することができる。
以上の各製造工程において、各反応の原料化合物が水酸基、アミノ基またはカルボキシル基のような、反応に活性な基を有する場合には、必要に応じて反応させたい部位以外のこれらの基を予め適当な保護基で保護しておき、それぞれの反応を実施した後またはいくつかの反応を実施した後に保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。水酸基、アミノ基、カルボキシル基などを保護する保護基としては、有機合成化学の分野で使われる通常の保護基を用いればよく、このような保護基の導入及び除去は通常の方法に従って行うことができる(例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene, P. G. M. Wuts共著、第3版、John Wiley & Sons, Inc. (1999)に記載の方法)。
例えば、水酸基の保護基としては、tert-ブチルジメチルシリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基などが挙げられ、アミノ基の保護基としてはtert−ブチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基などが挙げられる。このような水酸基の保護基は、塩基、硫酸、酢酸などの酸の存在下、含水メタノール、含水エタノール、含水テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることにより除去することができる。また、tert-ブチルジメチルシリル基の場合は、例えばフッ化テトラブチルアンモニウムの存在下、テトラヒドロフランなどの溶媒中で行うこともできる。アミノ基の保護基の除去は、tert−ブチルオキシカルボニル基の場合は、例えば、塩酸、トリフルオロ酢酸などの酸の存在下、含水テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、含水メタノールなどの溶媒中で反応させることにより行なわれ、ベンジルオキシカルボニル基の場合は、例えば、臭化水素酸などの酸存在下、酢酸などの溶媒中で反応させることにより行うことができる。
カルボキシル基を保護する場合の保護の形態としては、例えばtert−ブチルエステル、オルトエステル、酸アミドなどが挙げられる。このような保護基の除去は、tert−ブチルエステルの場合は、例えば塩酸の存在下、含水溶媒中で反応させることにより行われ、オルトエステルの場合は、例えば、含水メタノール、含水テトラヒドロフラン、含水1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒中、酸で処理し、引き続いて水酸化ナトリウムなどのアルカリで処理することにより行われ、酸アミドの場合は、例えば、塩酸、硫酸などの酸の存在下、水、含水メタノール、含水テトラヒドロフランなどの溶媒中で反応させることにより行うことができる。
また、以上の各製造法のうち、R1基を導入する工程において、位置異性体の混合物、すなわち、例えば前記式(1−Cy2)で表されるような1位窒素原子上にR1基を有する化合物と前記式(1−Cy3)で表されるような2位窒素原子上にR1基を有する化合物との混合物が得られることがある。この混合物から、必要によりシリカゲルカラムクロマトグラフィー、分別結晶などの公知の方法により、各位置異性体を単離・分割することが出来る。
【0097】
式(1)で表される化合物は、光学活性中心を有するものも含まれ、したがって、これらはラセミ体として、または、光学活性の出発材料が用いられた場合には光学活性型で得ることができる。必要であれば、得られたラセミ体を、物理的にまたは化学的にそれらの光学対掌体に公知の方法によって分割することができる。また公知の不斉反応を用い合成することもできる。好ましくは、光学活性分割剤を用いる反応によってラセミ体からジアステレオマーを形成する。異なるかたちのジアステレオマーは、例えば分別結晶などの公知の方法によって分割することができる。
また、式(1)で表される化合物は、互変異性体を有するものも含まれる。互変異性の例としては、式(13−1)や式(13−2)などが挙げられる。
【0098】
【化26】

【0099】
本発明の化合物及びそのプロドラッグは、例えば水、メタノール、エタノール、アセトン等の溶媒中で、薬学上許容される酸又はアルカリと混合することで、塩にすることができる。薬学上許容される酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸塩、リン酸、硝酸等の無機酸、あるいは酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、アスコルビン酸等の有機酸が挙げられる。薬学上許容されるアルカリ付加塩としては、アンモニウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
また、本発明には、一般式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩の水和物、エタノール溶媒和物等の溶媒和物も含まれる。
【0100】
本発明において、プロドラッグ、すなわち生体内で酵素により代謝されて有効成分に変換される化合物としては、カルボキシル基をエステル化した化合物等が挙げられる。具体的なエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、ベンジルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、シレキセチル、メドキソミル、ピボキシル、プロキセチル、モフェチル (例えば、J. Med. Chem. 47, 2393 (2004) 等参照)等が挙げられる。これらの化合物は、常法に従って製造することができる(例えば、J. Med. Chem. 35, 4727 (1992)、WO 01/40180 等参照)。尚、プロドラッグは通常経口剤として用いられる。すなわち、本発明の化合物がカルボキシ基もしくは水酸基を有する場合、これらの基をエステルに変換した化合物もまた、本発明の範疇に含まれる。
また、本発明の化合物が生体内酵素により代謝されて、より生理活性の低い代謝体に変換される場合、当該化合物はアンテドラッグとして用いることができる。尚、アンテドラッグは通常局所投与剤として用いられる。
【0101】
本発明の新規な縮合ピラゾール誘導体、そのプロドラッグ又はその薬学上許容される塩は、グルココルチコイド機能調節剤(GRモジュレーター)として機能し、GRが関与する病態全般に対する治療薬及び予防薬として使用できる。
本発明における「グルココルチコイド機能調節剤」とは、グルココルチコイド受容体(GR)の機能を活性化または抑制する物質を表わし、例えばGRアゴニスト(パーシャルアゴニストを含む)、GRアンタゴニスト(パーシャルアンタゴニストを含む)などが挙げられる。具体的には、「GRモジュレーター」は、イン・ビトロ(in vitro)で、GRとデキサメサゾン等の公知ステロイド(天然及び合成ステロイドを含む)化合物の結合を阻害し、かつデキサメサゾン等の活性の抑制作用/亢進作用を示す物質である。
グルココルチコイド機能調節剤は、既存のステロイド性抗炎症薬が臨床利用されている以下の様々な疾患治療への応用が考えられる。1)下垂体不全・副腎不全などにより血中コルチゾールが異常低値を示すホルモン欠損症、ACTH高値を介する副腎酵素欠損症・デキサメタゾン抑制性高血圧症等、生理的なホルモン作用により改善される疾患;2)関節リウマチ・若年性関節リウマチ・全身性エリスマトーデス・全身性強皮症・多発性筋炎・皮膚筋炎・混合性結合組織病・血管炎症候群・ベーチェット病・成人スチル病・シェーグレン症候群等の膠原病関連疾患;3)特発性血小板減少性紫斑病・自己免疫性溶血性貧血・再生不良性貧血・赤芽球癆・血液貪食症候群・ホジキン病・非ホジキンリンパ腫・多発性骨髄腫・急性リンパ性白血病・慢性リンパ性白血病・発作性夜間ヘモグロビン尿症・血栓性血小板減少性紫斑病・レチノイド症候群・シタラビン症候群等の血液疾患;4)微小変化型ネフローゼ症候群・膜性腎症・巣状糸球体硬化症・IgA腎症・膜性増殖性糸球体腎炎・急速進行性腎炎症候群・多発性骨髄腫に伴う腎病変・クロオグロブリン血症における腎障害・急性間質性腎炎・薬剤性腎障害等の腎疾患;5)感染症(カリニ肺炎、マイコプラズマ肺炎)・慢性閉塞性肺疾患・間質性肺疾患(特発性間質性肺炎、急性間質性肺炎、成人呼吸促迫症候群、非特異性間質性肺炎, 閉塞性細気管支炎器質化肺炎)・気管支喘息・肺好酸球増多症候群(アレルギー性気管支肺アスペルギルス症・アレルギー性肉芽腫性血管炎・慢性好酸球性肺炎・急性好酸球性肺炎)・過敏性肺炎・サルコイドーシス・Goodpasture症候群・薬剤性肺炎・放射性肺炎・膠原病肺等の呼吸器疾患;6)多発性硬化症・急性散在性脳脊髄炎・重症筋無力症・慢性炎症性脱髄性多発神経炎・Lambert-Eaton筋無力症候群・HTLV-1関連脊髄症・結核性髄膜炎・中枢神経ループス・血管炎に伴うニューロパチー・シェーグレン症候群に伴う神経症状・Tolosa-Hunt症候群・神経サルコイドーシス・神経ベーチェット病・特発性末梢性顔面神経麻痺・頭部外傷や脳腫瘍に伴う脳浮腫・脊髄損傷等の脳神経疾患;7)甲状腺クリーゼ・バセドウ病眼症・亜急性甲状腺炎・薬剤による甲状腺機能亢進症・粘液水腫性昏睡等の甲状腺疾患;8)クローン病・潰瘍性大腸炎・腸管原発悪性リンパ腫・腸管ベーチェット病等の消化器疾患;9)急性肝炎・劇症肝炎・自己免疫性肝炎等の肝疾患。;10)アレルギー性結膜炎・花粉症・春季カタル・角膜移植後拒絶反応・虹彩炎・虹彩毛様体炎・Vogt-小柳-原田病・視神経炎等の眼科疾患;11)自己免疫性水疱症(天疱瘡、類天疱瘡、線状IgA水疱症、後天性表皮水疱症)・膠原病に伴う皮膚疾患・好中球性皮膚症(スウィート病・壊疽性膿皮症)・ウェーバークリスチャン病・スティーブスジョンソン症候群・中毒性表皮壊死症・皮膚血管炎・湿疹皮膚炎群・薬疹・蕁麻疹・多型浸出性紅斑・結節性紅斑・強皮症・円盤状エリテマトーデス・深在性エリテマトーデス・皮膚悪性リンパ腫・皮膚サルコイドーシス・円形脱毛症・苺状血管腫・痒疹群・掌蹠膿疱症・乾癬・虫刺され・中毒疹・ジベルばら色粃糠疹・扁平紅色苔癬・紅皮症・肥厚性瘢痕・ケロイド・肉芽腫症・アミロイド苔癬・円形脱毛症等の皮膚疾患;12)変形性関節症・痛風・偽痛風・腱あるいは腱周囲の炎症・絞扼性神経障害・椎間板ヘルニア等の整形外科関連疾患等の疾患の治療剤又は予防剤として有用である。
また、グルココルチコイド機能調節剤は、グルココルチコイドの作用を抑制することが期待される、以下の疾患治療への応用が考えられる。すなわち、1)クッシング症候群等、血中コルチゾール濃度が高い、あるいはGRが過剰に活性化されている状態にある疾患;2)HIV感染等に伴う、免疫能低下状態;3)精神神経疾患(不安障害、気分障害、統合失調症、認知症、各種疾患に伴う抑うつ・不安症状、月経前症候群);4)過剰なストレス状態に付随する変化;5)糖尿病等の治療又は予防剤として有用である。
また、本発明のグルココルチコイド機能調節剤は、GRパーシャルアゴニストとして、炎症性疾患に対する治療薬及び予防薬として使用できる。
【0102】
また本発明化合物は、その効果の増強を目的として、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗リウマチ剤、抗血栓剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー薬、β2刺激薬、ST合剤、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いることができる。
なお、免疫抑制剤としては、シクロホスファミド、メソトレキセート、シクロスポリンA等、抗炎症剤としては、インドメタシン、ブシラミン等、抗リウマチ剤としては、レフルノミド、スルファサラジン、リマカリブ等、抗血栓剤としてはワルファリン等、抗ヒスタミン剤としては、塩酸オロパタジン、塩酸フェキソフェナジン等、抗アレルギー薬としてはトラニラスト等、β2刺激薬としては硫酸サルブタモール、塩酸プロカテロール等、ST合剤としてはコトリモキサゾール等、糖尿病治療剤としてはインスリン抵抗性改善剤(ピオグリタゾンまたはその塩酸塩等)等、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤としては中枢性抗肥満薬(フェンテルミン等)や膵リパーゼ阻害薬(オルリスタット等)が挙げられる。
抗炎症作用・免疫調節作用を期待する上においては、併用薬剤として好ましくはメソトレキセート、インドメタシン、塩酸フェキソフェナジン等が挙げられ、糖尿病治療剤としては、好ましくはインスリン抵抗性改善剤等が挙げられる。
本発明化合物が、併用薬剤と組み合わされて使用される場合には、これらの薬剤の使用量は、薬剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。
【0103】
本発明化合物は、治療に使用する場合に、医薬組成物として、経口的または非経口的(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、局所的、経直腸的、経皮的、又は経鼻的、経肺的)に投与することができる。経口投与のための投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤などの剤形が挙げられ、非経口投与のための投与形態としては、例えば、注射用水性剤、注射用油性剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、エアロゾル剤、坐剤、貼付剤などの形態の製剤が挙げられる。これらの製剤は、従来公知の技術を用いて調製され、製剤分野において通常使用される無毒性かつ不活性な担体もしくは賦形剤を含有することができる。
用量は、個々の化合物により、また患者の疾患、年齢、体重、性別、症状、投与経路等により変化するが、通常は成人(体重50 kg)に対して、本発明の縮合ピラゾール誘導体、そのプロドラッグ、又はその薬学上許容される塩を、0.1〜1000 mg/日、好ましくは1〜300 mg/日を1日1回または2ないし3回に分けて投与する。また、数日〜数週に1回投与することもできる。
本発明化合物は、その効果の増強を目的として、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗リウマチ剤、抗血栓剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー薬、β2刺激薬、ST合剤、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤などの薬剤(併用薬剤)と組み合わせて用いることができる。本発明化合物及び併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としても良い。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
【0104】
以下に本発明を、実施例及び試験例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
【0105】
参考例1
6-ニトロ-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒド 6-nitro-1H-indazole-3-carbaldehyde
【0106】
【化27】

6-ニトロインドール(5.0g)の6N 塩酸(93ml)溶液に、亜硝酸ナトリウム(42.5g)の水(1000ml)溶液を25℃にて1時間かけて滴下した。さらに20時間撹拌した。反応溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮して得られた残渣にジエチルエーテルを加え、ろ過した。ろ液を乾燥させることにより表題の化合物(8.05g)を得た。(実施文献 J. Med. Chem. 2001, 44, 1021-1024.)
【0107】
参考例2
1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒド 1-benzyl-6-nitro-1H-indazole-3-carbaldehyde
【0108】
【化28】

参考例1で得られた6-ニトロ-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒド(955mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(30ml)溶液に水酸化カリウム(337mg)、ベンジルブロミド(1.03g)、沃化カリウム(10mg)を加えて25℃で4時間撹拌した。反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより表題の化合物(6.94mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 10.29 (s, 1H), 8.45 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 8.38 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 8.20 (dd, J= 8.9, 1.8 Hz, 1H), 7.41-7.34 (m, 3H), 7.34-7.28 (m, 2H), 5.78 (s, 2H).
【0109】
参考例3
1-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノール 1-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-2,2,2-trifluoroethanol
【0110】
【化29】

参考例2で得られた1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-カルボアルデヒド(694mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(20ml)溶液に(トリフルオロメチル)トリメチルシラン(739ul)、酢酸リチウム(16mg)を加えて0℃で1時間撹拌した。さらに25℃で1時間撹拌したのちに、反応溶液に1.0M テトラブチルアンモニウムフロリド(10ml)を加え25℃で1時間撹拌した。反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより表題の化合物(762mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.31 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 8.06 (dd, J= 8.9, 1.9 Hz, 1H), 7.97 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 7.39-7.29 (m, 3H), 7.25-7.20 (m, 2H), 5.68 (s, 2H), 5.58-5.49 (m, 1H), 3.45 (d, J= 6.3 Hz, 1H).
【0111】
参考例4
1-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン 1-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-2,2,2-trifluoroethanone
【0112】
【化30】

参考例3で得られた1-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノール(755mg)のeクロロホルム(40ml)溶液に、Dess−Martin試薬(1.09g)を加えて25℃で1週間撹拌した。反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより表題の化合物(175mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.48 (d, J= 8.9 Hz, 1H), 8.40 (d, J= 1.7 Hz, 1H), 8.25 (dd, J= 8.9, 1.7 Hz, 1H), 7.42-7.30 (m, 5H), 5.82 (s, 2H).
MS (ESI+) 350(M++1)
【0113】
参考例5
1-ベンジル-6-ニトロ-3-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]-1H-インダゾゾール 1-benzyl-6-nitro-3-[1-(trifluoromethyl)vinyl]-1H-indazole
【0114】
【化31】

メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(357g)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液に、25℃にてカリウム tert-ブトキシド(112mg)を加えた。25℃にて30分間撹拌後、参考例4で得られた1-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-2,2,2-トリフルオロエタノン(175mg)を加え、25℃で1時間撹拌した。反応溶液に飽和食塩水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより表題の化合物(135mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.30 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 8.06 (dd, J= 9.0, 1.9 Hz, 1H), 7.94 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 7.39-7.30 (m, 3H), 7.30-7.27 (m, 2H), 6.32-6.26 (m, 2H).
MS (ESI+) 348(M++1)
【0115】
参考例6
2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3-ブロモ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オール 2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3-bromo-1,1,1-trifluoropropan-2-ol
【0116】
【化32】

参考例5で得られた1-ベンジル-6-ニトロ-3-[1-(トリフルオロメチル)ビニル]-1H-インダゾゾール(69mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(4ml)、水(1ml)の混合溶液に、N-ブロモスクシンイミド(178mg)を加えて90℃にて10時間撹拌した。その後、反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより表題の化合物(73mg)を得た。
MS (ESI+) 445(M++1)
【0117】
参考例7
1-ベンジル-6-ニトロ-3-[2-(トリフルオロメチル)オキシラン2-イル]-1H-インダゾール 1-benzyl-6-nitro-3-[2-(trifluoromethyl)oxiran-2-yl]-1H-indazole
【0118】
【化33】

参考例6で得られた2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3-ブロモ-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-オール(73mg)のメタノール(10ml)溶液を0℃に冷却後、炭酸カリウム(41mg)を加えて0℃にて30分間撹拌した。その後、25℃にて2時間撹拌した。反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより表題の化合物(49mg)を得た。
MS (ESI+) 364(M++1)
【0119】
実施例1
エチル 3-[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}オキシ)-3-メトキシフェニル]プロパノエート ethyl 3-[4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}oxy)-3-methoxyphenyl]propanoate
【0120】
【化34】

参考例7で得られた1-ベンジル-6-ニトロ-3-[2-(トリフルオロメチル)オキシラン2-イル]-1H-インダゾール(72mg)のイソプロピルアルコール(3ml)溶液に、エチル 3-[3-メトキシ-4-(ピペリジン-4-イルオキシ)フェニル]プロパノエート(61mg)を加えて90℃で8時間撹拌した。反応溶液に水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより表題の化合物(81mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.30 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.27 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 8.01 (dd, J= 9.0, 1.9 Hz, 1H), 7.32-7.22 (m, 3H), 7.20-7.14 (m, 2H), 6.79 (d, J= 8.1 Hz, 1H), 6.73 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 6.68 (dd, J= 8.1, 2.0 Hz, 1H), 5.65 (s, 2H), 4.24-4.16 (m, 1H), 4.12 (q, J= 7.1 Hz, 2H), 3.82 (s, 3H), 3.78 (d, J= 13.5 Hz, 1H), 3.16 (d, J= 13.5 Hz, 1H), 2.93-2.70 (m, 2H), 2.88 (t, J= 7.5 Hz, 2H), 2.59 (t, J= 7.5 Hz, 2H), 2.50-2.40 (m, 2H), 1.92-1.70 (m, 4H), 1.23 (t, J= 7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 671(M++1)
【0121】
実施例2
3-[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}オキシ)-3-メトキシフェニル]プロパノイック アシッド 3-[4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}oxy)-3-methoxyphenyl]propanoic acid
【0122】
【化35】

実施例1で得られたエチル 3-[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}オキシ)-3-メトキシフェニル]プロパノエート(81mg)のテトラヒドロフラン(5ml)、メタノール(5ml)の混合溶液に1N 水素化ナトリウム水溶液(1ml)を加えて25℃で6時間撹拌した。反応溶液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて酸性にした後に、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液を減圧濃縮後、残渣として表題の化合物(55mg)を得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.30 (d, J= 1.9 Hz, 1H), 8.22 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.07 (dd, J= 9.0, 1.9 Hz, 1H), 7.36-7.27 (m, 3H), 7.24-7.19 (m, 2H), 6.81-6.70 (m, 3H), 5.70 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 5.59 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 4.42 (bs, 1H), 4.33 (d, J= 13.0 Hz, 1H), 3.89-3.75 (m, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.58 (d, J= 13.0 Hz, 1H), 3.54-3.43 (m, 1H), 3.39-3.24 (m, 2H), 2.92 (t, J= 7.5 Hz, 2H), 2.67 (t, J= 7.5 Hz, 2H), 2.25-1.75 (m, 4H).
MS (ESI+) 643(M++1)
【0123】
実施例1の化合物と同様に、構造式を表1〜2に示した実施例3〜19の化合物を製造した。
【0124】
【表1】

【0125】
【表2】

【0126】
実施例3
エチル [4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}オキシ)-3-メトキシフェニル]アセテート ethyl [4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}oxy)-3-methoxyphenyl]acetate
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.34 (s, 1H), 8.28 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 8.09 (d, J= 8.8 Hz, 1H), 7.35-7.14 (m, 5H), 6.90-6.85 (m, 3H), 5.73 (d, J= 15.3 Hz, 1H), 5.62 (d, J= 15.3 Hz, 1H), 4.50-4.35 (m, 2H), 4.16 (d, J= 7.2 Hz, 2H), 3.84 (s, 3H), 3.74-3.60 (m, 2H), 3.59-3.40 (m, 2H), 3.57 (s, 2H), 3.40-3.15 (m, 2H), 2.75-2.59 (m, 1H), 2.20-2.00 (m, 2H), 1.90-1.75 (m, 1H), 1.27 (t, J= 7.2 Hz, 3H).
MS (ESI+) 657(M++1)
【0127】
実施例4
エチル 3-[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}オキシ)-3,5-ジメトキシフェニル]プロパノエート ethyl 3-[4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}oxy)-3,5-dimethoxyphenyl]propanoate
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.31 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.25 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 8.01 (dd, J= 9.0, 1.6 Hz, 1H), 7.33-7.27 (m, 3H), 7.19-7.14 (m, 2H), 6.73, 6.39 (s, 2H), 5.65 (s, 2H), 4.13 (q, J= 7.1 Hz, 2H), 4.09-4.00 (m, 1H), 3.83, 3.78 (s, 6H), 3.77 (d, J= 13.6 Hz, 1H), 3.17 (d, J= 13.6 Hz, 1H), 3.00-2.84 (m, 1H), 2.88 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 2.85-2.75 (m, 1H), 2.60 (t, J= 7.4 Hz, 2H), 2.50-2.36 (m, 2H), 1.88-1.70 (m, 4H), 1.25 (t, J= 7.1 Hz, 3H).
MS (ESI+) 701(M++1)
【0128】
実施例5
エチル 3-[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}スルフォニル)フェニル]プロパノエート ethyl 3-[4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}sulfonyl)phenyl]propanoate
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 8.25 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.02 (dd, J= 9.0, 1.8 Hz, 1H), 7.74 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.40 (d, J= 8.2 Hz, 2H), 7.34-7.27 (m, 3H), 7.18-7.13 (m, 2H), 5.65 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 5.60 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 5.54 (bs, 1H), 4.13 (q, J= 7.2 Hz, 2H), 3.71 (d, J= 13.7 Hz, 1H), 3.11 (d, J= 13.7 Hz, 1H), 3.05 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 3.00 (bs, 1H), 2.90-2.80 (m, 1H), 2.66 (t, J= 7.6 Hz, 2H), 2.64-2.56 (m, 1H), 2.54-2.45 (m, 1H), 2.23-2.12 (m, 1H), 2.00-1.92 (m, 1H), 1.84-1.69 (m, 2H), 1.60-1.48 (m, 1H), 1.23 (t, J= 7.2 Hz, 3H).
MS (ESI+) 689(M++1)
【0129】
実施例6
エチル 3-{4-[(1-{2-[6-シアノ-1-(3-メチルベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル}ピペリジン-4-イル)オキシ]-3,5-ジメトキシフェニル}プロパノエート ethyl 3-{4-[(1-{2-[6-cyano-1-(3-methylbenzyl)-1H-indazol-3-yl]-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl}piperidin-4-yl)oxy]-3,5-dimethoxyphenyl}propanoate
MS (ESI+) 695(M++1)
【0130】
実施例7
エチル 3-{4-[(1-{2-[6-シアノ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-インダゾール-3-イル]-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル}ピペリジン-4-イル)オキシ]-3,5-ジメトキシフェニル}プロパノエート ethyl 3-{4-[(1-{2-[6-cyano-1-(tetrahydro-2H-pyran-2-yl)-1H-indazol-3-yl]-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl}piperidin-4-yl)oxy]-3,5-dimethoxyphenyl}propanoate
MS (ESI+) 675(M++1)
【0131】
実施例8
1-(3-メチルベンジル)-3-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(ピペリジン-1-イルメチル)エチル]-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 1-(3-methylbenzyl)-3-[2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-(piperidin-1-ylmethyl)ethyl]-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.29 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.35 (dd, J= 8.6, 1.3 Hz, 1H), 7.18 (dd, J= 7.5, 7.5 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 6.98-6.90 (m, 2H), 5.59 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 5.53 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 3.72 (d, J= 13.5 Hz, 1H), 3.10 (d, J= 13.5 Hz, 1H), 2.60-2.40 (m, 4H), 2.28 (s, 3H), 1.56-1.34 (m, 6H).
MS (ESI+) 443(M++1)
【0132】
実施例9
1-(3-メチルベンジル)-3-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イルメチル)エチル]-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 1-(3-methylbenzyl)-3-[2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-(pyrrolidin-1-ylmethyl)ethyl]-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.30 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.35 (dd, J= 8.5, 1.2 Hz, 1H), 7.19 (dd, J= 7.5, 7.5 Hz, 1H), 7.10 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 7.00-6.90 (m, 2H), 5.59 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 5.54 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 3.74 (d, J= 13.0 Hz, 1H), 3.40 (d, J= 13.0 Hz, 1H), 2.67-2.54 (m, 2H), 2.53-2.42 (m, 2H), 2.28 (s, 3H), 1.75-1.64 (m, 4H).
MS (ESI+) 429(M++1)
【0133】
実施例10
1-(3-メチルベンジル)-3-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(モルフォリン-4-イルメチル)エチル]-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 1-(3-methylbenzyl)-3-[2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-(morpholin-4-ylmethyl)ethyl]-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.26 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.36 (dd, J= 8.6, 1.2 Hz, 1H), 7.19 (dd, J= 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.10 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.94 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 5.79 (br, 1H), 5.55 (s, 2H), 3.78 (d, J= 13.7 Hz, 1H), 3.65-3.54 (m, 4H), 3.12 (d, J= 13.7 Hz, 1H), 2.63-2.43 (m, 4H), 2.29 (s, 3H).
MS (ESI+) 445(M++1)
【0134】
実施例11
1-(3-メチルベンジル)-3-{2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]エチル}-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 1-(3-methylbenzyl)-3-{2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-[(4-hydroxypiperidin-1-yl)methyl]ethyl}-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.27 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.36 (dd, J= 8.6, 1.2 Hz, 1H), 7.19 (dd, J= 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.93 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 5.55 (s, 2H), 3.77 (d, J= 13.6 Hz, 1H), 3.77-3.65 (m, 1H), 3.14 (d, J= 13.6 Hz, 1H), 2.88-2.76 (m, 1H), 2.68-2.57 (m, 1H), 2.53-2.33 (m, 2H), 2.29 (s, 3H), 1.88-1.69 (m, 2H), 1.60-1.40 (m, 2H).
MS (ESI+) 459(M++1)
【0135】
実施例12
3-{1-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル}-1-(3-メチルベンジル)-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 3-{1-[(dimethylamino)methyl]-2,2,2-trifluoro-1-hydroxyethyl}-1-(3-methylbenzyl)-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.29 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.35 (dd, J= 8.5, 1.2 Hz, 1H), 7.19 (dd, J= 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.98-6.91 (m, 2H), 5.59 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 5.54 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 3.66 (d, J= 13.4 Hz, 1H), 3.13 (d, J= 13.4 Hz, 1H), 2.28 (s, 9H).
MS (ESI+) 403(M++1)
【0136】
実施例13
1-(3-メチルベンジル)-3-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-{[4-(2-メチルフェノキシ)ピペリジン-1-イル]メチル}エチル)-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 1-(3-methylbenzyl)-3-(2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-{[4-(2-methylphenoxy)piperidin-1-yl]methyl}ethyl)-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.36 (d, J= 8.3 Hz, 1H), 7.18-7.07 (m, 3H), 7.04 (d, J= 7.4 Hz, 1H), 6.98-6.90 (m, 2H), 6.84 (dd, J= 7.4, 7.4 Hz, 1H), 6.76 (d, J= 7.4 Hz, 1H), 5.55 (s, 2H), 4.36 (bs, 1H), 3.80 (d, J= 13.5 Hz, 1H), 3.16 (d, J= 13.5 Hz, 1H), 2.88-2.70 (m, 2H), 2.60-2.50 (m, 1H), 2.47-2.35 (m, 1H), 2.24 (s, 3H), 2.22 (s, 3H), 1.95-1.67 (m, 4H).
MS (ESI+) 549(M++1)
【0137】
実施例14
3-{1-[(6,7-ジメトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル]-2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル}-1-(3-メチルベンジル)-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 3-{1-[(6,7-dimethoxy-3,4-dihydroisoquinolin-2(1H)-yl)methyl]-2,2,2-trifluoro-1-hydroxyethyl}-1-(3-methylbenzyl)-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.36 (dd, J= 8.5, 1.3 Hz, 1H), 7.20 (dd, J= 7.5, 7.5 Hz, 1H), 7.11 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.96 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 6.56 (s, 1H), 6.25 (s, 1H), 5.61 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 5.56 (d, J= 16.0 Hz, 1H), 3.92 (d, J= 13.7 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 3.73 (d, J= 14.6 Hz, 1H), 3.61 (d, J= 14.6 Hz, 1H), 3.31 (d, J= 13.7 Hz, 1H), 2.91-2.82 (m, 2H), 2.82-2.61 (m, 2H), 2.31 (s, 3H).
MS (ESI+) 551(M++1)
【0138】
実施例15
3-[1-(4,7-ジヒドロチエノ[2,3-c]ピリジン-6(5H)-イルメチル)-2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル]-1-(3-メチルベンジル)-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 3-[1-(4,7-dihydrothieno[2,3-c]pyridin-6(5H)-ylmethyl)-2,2,2-trifluoro-1-hydroxyethyl]-1-(3-methylbenzyl)-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.68 (s, 1H), 7.36 (dd, J= 8.5, 1.2 Hz, 1H), 7.22 (dd, J= 7.5, 7.5 Hz, 1H), 7.15-7.07 (m, 2H), 7.00 (s, 1H), 6.94 (d, J= 7.5 Hz, 1H), 6.76 (d, J= 5.1 Hz, 1H), 5.92 (bs, 1H), 5.57 (s, 2H), 3.98(d, J= 13.6 Hz, 1H), 3.79 (dd, J= 13.6, 13.6 Hz, 1H), 3.72 (dd, J= 13.6, 13.6 Hz, 1H), 3.30 (d, J= 13.6 Hz, 1H), 2.98-2.83 (m, 2H), 2.77-2.57 (m, 2H), 2.32 (s, 3H).
MS (ESI+) 497(M++1)
【0139】
実施例16
1-(3-メチルベンジル)-3-{2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-[(4-フェニルピペラジン-1-イル)メチル]エチル}-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 1-(3-methylbenzyl)-3-{2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-[(4-phenylpiperazin-1-yl)methyl]ethyl}-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.28 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.37 (dd, J= 8.5, 1.2 Hz, 1H), 7.30-7.15 (m, 3H), 7.11 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.96 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.90-6.80 (m, 3H), 5.90 (bs, 1H), 5.57 (s, 2H), 3.83(d, J= 13.6 Hz, 1H), 3.21 (d, J= 13.6 Hz, 1H), 3.16-2.98 (m, 4H), 2.80-2.60 (m, 4H), 2.30 (s, 3H).
MS (ESI+) 520(M++1)
【0140】
実施例17
1-(3-メチルベンジル)-3-{2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-[(メチルアミノ)メチル]エチル}-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 1-(3-methylbenzyl)-3-{2,2,2-trifluoro-1-hydroxy-1-[(methylamino)methyl]ethyl}-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.22 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H), 7.35 (dd, J= 8.5, 1.2 Hz, 1H), 7.21 (dd, J= 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.11 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.98 (s, 1H), 6.93 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 5.56 (s, 2H), 3.65 (d, J= 12.8 Hz, 1H), 3.35 (d, J= 12.8 Hz, 1H), 2.50 (s, 3H), 2.31 (s, 3H).
MS (ESI+) 389(M++1)
【0141】
実施例18
3-{1-[(ベンジルアミノ)メチル]-2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル}-1-(3-メチルベンジル)-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 3-{1-[(benzylamino)methyl]-2,2,2-trifluoro-1-hydroxyethyl}-1-(3-methylbenzyl)-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.17 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.37-7.21 (m, 6H), 7.17 (dd, J= 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.09 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H), 6.91 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 5.54 (s, 2H), 3.87 (d, J= 13.2 Hz, 1H), 3.82 (d, J= 13.2 Hz, 1H), 3.76 (d, J= 12.7 Hz, 1H), 3.37 (d, J= 12.7 Hz, 1H), 2.27 (s, 3H).
MS (ESI+) 465(M++1)
【0142】
実施例19
3-{1-[(シクロヘキシルアミノ)メチル]-2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル}-1-(3-メチルベンジル)-1H-インダゾール-6-カルボニトリル 3-{1-[(cyclohexylamino)methyl]-2,2,2-trifluoro-1-hydroxyethyl}-1-(3-methylbenzyl)-1H-indazole-6-carbonitrile
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.24 (d, J= 8.6 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 7.36 (dd, J= 8.6, 1.3 Hz, 1H), 7.20 (dd, J= 7.6, 7.6 Hz, 1H), 7.11 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 6.97 (s, 1H), 6.93 (d, J= 7.6 Hz, 1H), 5.56 (s, 2H), 3.71 (d, J= 12.8 Hz, 1H), 3.37 (d, J= 12.8 Hz, 1H), 2.50-2.39 (m, 1H), 2.31 (s, 3H), 1.99-1.70 (m, 2H), 1.75-1.64 (m, 2H), 1.64-1.54 (m, 1H), 1.33-0.97 (m, 6H).
MS (ESI+) 457(M++1)

実施例2の化合物と同様に、構造式を表3に示した実施例20〜23の化合物を製造した。
【0143】
【表3】

【0144】
実施例20
[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}オキシ)-3-メトキシフェニル]アセティック アシッド [4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}oxy)-3-methoxyphenyl]acetic acid
MS (ESI+) 629(M++1)
【0145】
実施例21
3-[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}オキシ)-3,5-ジメトキシフェニル]プロパノイック アシッド 3-[4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}oxy)-3,5-dimethoxyphenyl]propanoic acid
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.26 (d, J= 1.8 Hz, 1H), 8.21 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.05 (dd, J= 9.0, 1.8 Hz, 1H), 7.38-7.19 (m, 5H), 6.75, 6.43 (s, 2H), 5.69 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 5.59 (d, J= 15.8 Hz, 1H), 4.33-4.23 (m, 2H), 3.94-3.75 (m, 1H), 3.86, 3.80 (s, 6H), 3.70-3.50 (m, 2H), 3.56 (d, J= 13.1 Hz, 1H), 3.35-3.24 (m, 1H), 2.91 (t, J= 7.5 Hz, 2H), 2.67 (t, J= 7.5 Hz, 2H), 2.06-1.79 (m, 4H).
MS (ESI+) 673(M++1)
【0146】
実施例22
3-[4-({1-[2-(1-ベンジル-6-ニトロ-1H-インダゾール-3-イル)-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル]ピペリジン-4-イル}スルフォニル)フェニル]プロパノイック アシッド 3-[4-({1-[2-(1-benzyl-6-nitro-1H-indazol-3-yl)-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl]piperidin-4-yl}sulfonyl)phenyl]propanoic acid
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.34 (d, J= 1.6 Hz, 1H), 8.15 (d, J= 9.0 Hz, 1H), 8.04 (dd, J= 9.0, 1.6 Hz, 1H), 7.70 (d, J= 7.9 Hz, 2H), 7.42 (d, J= 7.9 Hz, 2H), 7.35-7.28 (m, 3H), 7.23-7.15 (m, 2H), 5.69 (d, J= 15.5 Hz, 1H), 5.51 (d, J= 15.5 Hz, 1H), 4.24 (d, J= 13.0 Hz, 1H), 3.90-3.70 (m, 1H), 3.60-3.30 (m, 2H), 3.53 (d, J= 13.0 Hz, 1H), 3.10-2.80 (m, 2H), 3.02 (t, J= 7.3 Hz, 2H), 2.96 (t, J= 7.3 Hz, 2H), 2.23-1.63 (m, 4H).
MS (ESI+) 661(M++1)
【0147】
実施例23
3-{4-[(1-{2-[6-シアノ-1-(3-メチルベンジル)-1H-インダゾール-3-イル]-3,3,3-トリフルオロ-2-ヒドロキシプロピル}ピペリジン-4-イル)オキシ]-3,5-ジメトキシフェニル}プロパノイック アシッド 3-{4-[(1-{2-[6-cyano-1-(3-methylbenzyl)-1H-indazol-3-yl]-3,3,3-trifluoro-2-hydroxypropyl}piperidin-4-yl)oxy]-3,5-dimethoxyphenyl}propanoic acid
MS (ESI+) 667(M++1)
【0148】
試験例1
結合阻害試験
ヒトGRα蛋白を発現させるためのバキュロウイルスを感染させた昆虫細胞を、ほぼ等容量の結合バッファー(10 mM Tris-Cl, 1.5 mM EDTA, 10% glycerol, 5 mM DTT, 20 mM sodium molybdate, pH 7.6)で懸濁した。液体窒素で急速凍結し、常温で融解する操作を2回行い、細胞膜を破砕した。超遠心機にて4℃、10万gで1時間遠心し、得られた上清をヒトGRα蛋白を含む細胞質画分とした。
ポリプロピレン製96 ウエルプレート(コースター社製等)を氷上に置き、各ウエルにDMSOもしくは被検化合物を1μL入れた。結合バッファーで10 nMに希釈した3H-Dex(トリチウム化されたデキサメタゾン;アマシャム社製)・GR蛋白液(上記細胞質画分を結合バッファーで希釈したもの)を各50μL入れ、プレートミキサーで軽く攪拌した後、4℃で16〜20時間静置した(DMSO終濃度:1%)。
結合バッファーで懸濁したデキストランコート済み活性炭(シグマ社)5%溶液を50μLずつ各ウエルに入れ、プレートミキサーで30秒間軽く攪拌した。その後、4℃、2500回転で5分間遠心し、上清50μLの3Hカウントをトップカウント(パーキンエルマー社製)で測定した。各被験化合物とも2回ずつ測定した。
結合活性の計算は、以下の様に行った。デキサメタゾン(Dex)10μM存在下での3Hカウント平均値をNSB(non-specific binding=非特異結合)とし、次の計算式により各ウエルの結合阻害率を算出した。結合阻害率(%)=100×{1-(各ウエルcpm値-NSB)/(DMSOウエルcpm値平均-NSB)}(cpmとはcount per minuteの略である)この計算式により算出された各ウエルの結合阻害率平均値を計算し、各被験化合物の結合阻害率とした。
試験例2
TAT(チロシンアミノトランスフェラーゼ)アッセイ
α-MEM培地A(10%非動化FBS, 50μM 2-mercapto-ethanol添加)にて継代維持したH4-III-Eをα-MEM培地Aもしくはα-MEM培地B(phenol red不含, 10%非動化FBS, 50μM 2-mercapto-ethanol添加)で懸濁後、96ウエルプレートに2×104cells/100μL/ウエルで播種し、一晩培養した。培地上清を除去し被験化合物(α-MEM培地Aもしくはα-MEM培地Bで希釈)を100μL添加後、さらに一晩培養した。アゴニスト活性を測定する際は、被験化合物を単独で、また、アンタゴニスト活性を測定する際は、デキサメタゾンを0.005μM同時に添加して、デキサメタゾンによるTAT活性誘導作用を被検化合物がどの程度抑制するかを検討した。
プレートの培養上清を吸引除去し、細胞溶解液 (1% NP-40,0.2% TritonX-100,0.25% DOC,0.1% SDS,1mM EGTA,150mM NaCl,Tris(pH7.4), Protease inhibitor cocktail[2.5mg/ml aprotinin, 2.5mg/ml leupeptin,2.5mg/ml soybean trypsin inhibitor])を20μL添加後、TAT反応試薬(10N KOH, 0.125M KH2PO4, 0.5M α-ketoglutarate, 5mM Pyridoxal-5’phosphate, L-tyrosine)を150μL添加して、15分間37℃で反応させた。さらに10N KOHを20μL添加し、30分間37℃で反応させ、マイクロプレートリーダー(SPECTRA MAX250)で331nmの吸光度を測定した。
被験化合物を添加したウエルの吸光度平均値から、薬剤およびTAT反応液を加えていない薬剤未添加群の吸光度の平均値を引いた値に対して、5段階濃度のDex処理群(0.5nM〜5μM、公比10)の中で最大活性を示した群の吸光度を100%とし、以下の計算式に基づきアゴニスト活性(%)を算出した。アゴニスト活性(%) =100×[(薬剤処理群の吸光度)−(TAT反応試薬未添加群の吸光度)]/[(最大値を示したDex処理群の吸光度)−(TAT反応試薬未添加群の吸光度)]
一方、アンタゴニスト活性は次のように算出した。アンタゴニスト活性(%) =DexによるTAT活性上昇の阻害率(%) = 100−100×[(薬剤処理群の吸光度)−(薬剤未添加群の吸光度)]/[(Dex処理群の吸光度)−(薬剤未添加群の吸光度)]
表4及び表5に、試験例1の結合阻害試験の結果を示した。表4及び表5の結果から、本発明の化合物が、GR機能調節剤としての作用を有することがわかる。
【0149】
【表4】

【0150】
【表5】

【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明に係わる縮合ピラゾール誘導体及びそれらの薬学上許容される塩は、ステロイド性抗炎症薬に比べて副作用が軽減された非ステロイド性抗炎症薬、又は抗糖尿病薬として使用しうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

[式中、R1を伴う5員環Cyは、式(2):
【化2】

で表される環、又は式(3):
【化3】

で表される環を表し、
1は、置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルカノイル基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、又は置換もしくは無置換のスルファモイル基を表し、
−W4=W5−W6=W7−は、以下の式(a)〜(h):
(a) −CR4=CR5−CR6=CR7−;
(b) −N=CR5−CR6=CR7−;
(c) −CR4=N−CR6=CR7−;
(d) −CR4=CR5−N=CR7−;
(e) −CR4=CR5−CR6=N−;
(f) −N=CR5−N=CR7−;
(g) −CR4=N−CR6=N−;
(h) −CR4=N−N=CR7
〔式中、R4、R5、R6及びR7は、各々独立して、同一又は異なって、式:−E−Aを表し、式中、Eは、単結合、又は以下の式1)〜14):
1) −C(R16)R17−,
2) −O−,
3) −S(=O)m−,
4) −S(=O)2NR16−,
5) −C(=O)−,
6) −C(=O)O−,
7) −C(=O)NR16−,
8) −C(=NR16)NR17−,
9) −NR16−,
10) −N(R16)C(=O)−,
11) −N(R16)S(=O)2−,
12) −N(R16)C(=O)N(R17)−,
13) −N(R16)S(=O)2N(R17)−,
14) −P(=O)(OR162
(式中、R16及びR17は、各々独立して、水素原子、炭素原子数が1〜3のアルキル基、又は炭素原子数が1〜3のアルコキシ基を表すか、又は式8)、12)及び13)においては、R16とR17は結合して、炭素原子数2〜4のアルキレン基を表してもよく、mは、0、1又は2を表す。)から選択される基を表し、
Eが単結合である時、Aは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、又は置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基を表し、
Eが前記式1)〜14)から選択される基を表す時、Aは、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、又は置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基を表す。〕
から選択される基を表し、
8は、式:−OR11、又は−N(R11)R12で表される基を表し(式中、R11及びR12は、各々独立して、水素原子、又は置換もしくは無置換の炭素原子数が1〜5のアルキル基を表す)、
9は、1つ以上のハロゲン原子で置換されたアルキル基、又は1つ以上のハロゲン原子で置換されたシクロアルキル基を表し、
10は、式:−[C(R13)R14]n−R15で表される基を表す(式中、R13及びR14は、各々独立して、水素原子、アルキル基又はハロゲン原子を表すか、R13とR14が一緒になってオキソ基を表すか、又はR13とR14が結合して、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルカンを形成してもよく、当該シクロアルカンにおける1もしくは2個の−CH2−基は、−NH−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−及び−O−から選ばれる基によって、同一又は異なって、置き換えられていてもよく、
nは、1〜10の整数を表し、nが2〜10の整数である時、C(R13)R14は同一または異なってよく、
15は、水酸基、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルチオ基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルフィニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールチオ基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルフィニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環オキシ基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環チオ基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルフィニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基、又は式:N(R18)R19で表される基(式中、R18及びR19は、独立して、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のアルカノイル基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のアロイル基、置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアリールスルホニル基、置換もしくは無置換のアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキルスルホニル基、置換もしくは無置換のカルバモイル基、置換もしくは無置換のスルファモイル基、置換もしくは無置換のチオカルバモイル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環カルボニル基、置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環スルホニル基を表すか、又はR18とR19は結合して、それらが結合する窒素原子と共に、置換もしくは無置換の、飽和もしくは不飽和の、0〜2個の酸素原子、0〜2個の硫黄原子及び1〜4個の窒素原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む単環、二環もしくは三環の含窒素ヘテロ環を形成してもよい。)を表す。]
で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項2】
1を伴う5員環Cyが、式(2):
【化4】

で表される環を表す、請求項1に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項3】
−W4=W5−W6=W7−が、式(a):−CR4=CR5−CR6=CR7−(式中、R4、R5、R6及びR7は請求項1と同義である)を表す、請求項1又は2に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項4】
−W4=W5−W6=W7−が、式(d):−CR4=CR5−N=CR7−(式中、R4、R5及びR7は請求項1と同義である)を表す、請求項1又は2に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項5】
1が、置換もしくは無置換のアラルキル基、置換もしくは無置換のヘテロアラルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基で置換されたアルキル基、又は置換もしくは無置換の飽和もしくは不飽和の脂肪族ヘテロ環で置換されたアルキル基を表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項6】
8が、式:−OR11で表される基を表す(式中、R11は請求項1と同義である)、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項7】
11が、水素原子を表す、請求項6に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項8】
9が、1〜7個のフッ素原子又は塩素原子で置換された炭素原子数が1〜6のアルキル基を表す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項9】
9が、トリフルオロメチル基を表す、請求項8に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項10】
10の式:−[C(R13)R14]n−R15において、R13及びR14が水素原子を表し、nが1又は2を表し、R15が式:N(R18)R19で表される基(式中、R18及びR19は請求項1と同義である)を表す、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項11】
18及びR19が結合して、それらが結合する窒素原子と共に、置換されている飽和もしくは不飽和で単環もしくは二環の含窒素ヘテロ環を表す、請求項10に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩を、有効成分として含有するグルココルチコイド受容体機能調節剤。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物もしくはそのプロドラッグ、又はそれらの薬学上許容される塩を有効成分として含有する、炎症性疾患もしくは糖尿病の治療薬又は予防薬。

【公開番号】特開2008−247781(P2008−247781A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89808(P2007−89808)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】