説明

新規な置換されたインドール

本発明は、新規なアミロイド結合性化合物、および、生存している患者のアミロイド斑レベル変化を測定することによる該化合物の効果を測定するための方法に関する。より具体的には、本発明は、脳におけるアミロイド沈着をインビボで研究するためのポジトロン放射断層撮影(PET/)画像化のトレーサーとして本発明の化合物を用いることによりアルツハイマー病の診断を可能にする方法に関する。つまり、本発明は、新規アミロイド結合性化合物の診断薬としての使用に関する。本発明はさらにアルツハイマー病治療薬の臨床有効性を測定する方法に関する。具体的には、本発明は、新規なアリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体、組成物、ならびに治療使用およびこれらの化合物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、新規なアリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体、組成物、ならびにそのような化合物の治療使用および製造方法に関する。本発明はさらにH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、76Br、77Br、123I、124Iおよび131I同位体標識化アリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体化合物に関する。特に、本発明は、アリールまたはヘテロアリール置換インドールの11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、およびH同位体およびその調製方法に関する。
【0002】
本発明はまた生存している患者のアミロイド沈着を撮像するのに適している新規なアリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体に関する。より具体的には、本発明は、脳におけるアミロイド沈着をインビボで研究するためのポジトロン放射断層撮影[positron emission tomography](PET)画像化のトレーサーとして本発明の化合物を用いることによりアルツハイマー病の診断を可能にする方法に関する。本発明はさらにアルツハイマー病治療薬の臨床有効性を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
実験動物、健康人および患者を含めたさまざまな生存している被験者の生理および生化学についての基本ならびに診断情報を得るためには非侵襲的核画像化技術が用いられ得る。この技術は、そのような生存している被験者に投与された放射性トレーサーから放射される放射線を検出することができる精巧な画像化計測装置を使用することによってなっているものである。得られた情報は再構成されて、時間の関数としての放射性トレーサー分布を表示する平面および断層画像がもたらされ得る。適切に設計された放射性トレーサーを用いると、構造、機能、および、最も重要なこととして、被験者の生理および生化学についての情報を含有する画像がもたらされ得る。この情報の多くは他の手段では得ることができない。このような研究で用いられる放射性トレーサーは規定されたインビボ挙動をもつように設計されており、これにより被験者の生理または生化学に関してのまたはさまざまな疾患または薬物が有する被験者の生理または生化学に対しての効果に関しての特定の情報の測定が可能になっている。現在では、心機能、心筋血流量、肺灌流、肝機能、脳血流、局所的脳グルコースおよび酸素代謝などのことに関しての有用な情報を得るための放射性トレーサーが利用可能である。
【0004】
非侵襲的インビボ画像化撮像では、化合物は、ポジトロン放射またはガンマ線放射放射性核種で標識化され得る。最もよく使われるポジトロン放射(PET)放射性核種は11C、18F、15Oおよび13Nであり、これらはすべて加速器で生成されるものであり、半減期はそれぞれ20分、110分、2分および10分である。これら放射性核種の半減期は非常に短いので、それらを用いるのは現場に加速器を有する機関またはそれらの製造が非常に近いところにある機関でのみ実現可能であり、結果としてその使用は限定されている。実質的に米国のどの病院でもまた世界中の多くの病院で用いられ得るいくつかのガンマ線放射放射性トレーサーが利用可能である。そうようなものの中で最も広く使われているのが99Tc、201Tlおよび123Iである。
【0005】
典型的なPET研究では、少量の放射性トレーサーが、試験されている実験動物、健康人または患者に投与される。放射性トレーサーはこのあと被験者の血液中に循環し、いくつかの組織に吸収され得る。放射性トレーサーは特異的酵素変換のためまたはタンパク質などの高分子構造体への特異的結合によりそのような組織の一部に選択的に保持され得る。ポジトロン放射を検出するための精巧な画像化計測装置を用いて、身体のさまざまな組織における放射性トレーサーの量がこのあと非侵襲的に評定される。得られたデータは解析されてトレーサーがそのために設計されているインビボ生体プロセスについての定量的空間情報がもたらされる。PETは医薬研究調査員に薬物候補のインビボ生化学的変化または代謝効果を長期間に亘って評定する能力を授けることになるので、PETは薬物分布を測定するのに用いることができ、結果として研究下にある特定の薬物候補についての薬理および薬物動態評価を可能にしている。重要なこととしては、PETトレーサーは組織中での結合部位の存在を定量化するように設計され得るものであり、またそのように用いられるものである。結果としては、同位体標識化生化学物質が開発されたことおよび放射能を外部からの画像化により検出するための適切な検出デバイスが開発されたことにより薬物開発用PETトレーサーへの関心は拡大してきている。
【0006】
PETのような非侵襲核画像化技術は、脳卒中、パーキンソン病、癲癇、脳腫瘍およびアルツハイマー病を含めた、神経系の疾患および障害を研究する能力をもたらすのに特に重要であった。
【0007】
アルツハイマー病は最も一般的な認知症の形態である。アルツハイマー病は毎日の生活の正常な活動を妨げるのに十分深刻な知能の喪失を特徴とする神経疾患である。アルツハイマー病は普通老齢で発症し、記憶、理解、および発想などの認知機能が低下していくことで特徴づけられる。すべてのアルツハイマー病病理の形態は、アミロイドAβ−ペプチド蓄積によって特徴づけられる。Cai、L.ら、Current Medicinal Chemistry、2007年、14、19−52頁;Chandra、R.ら、J.Med.Chem.2007年、50、2415−2423頁;Qu、W.ら、J.Med.Chem.2007年、50、3380−3387頁;Cai、L.ら、J Med.Chem.2007年、50、4746−4758頁;およびQu、W.ら、J Med.Chem.2007年、50、2157−2165頁を参照されたい。PETならびに単フォトン放射断層撮影装置[single photon emission computed tomography](SPECT)は、脳におけるアミロイド沈着の蓄積をモニターしてそれをADの進行に相関させるのに有効である(Shoghi−Jadidら、The American Journal of Geriatric Psychiatry、2002年、10、24頁;Miller、Science、2006年、313、1376頁;Coimbraら、Curr.Top.Med.Chem.2006年、6、629頁;Nordberg、Lancet Neurol.2004年、3、519頁)。つまり、血液脳関門を迅速に横切ることができる、診断で用いられ得る強力な特異的結合特性および低非特異的結合特性を有する、および系から迅速にクリアランスされ得る非毒性のアミロイド結合性放射性トレーサーに対してニーズがある。そのような化合物は、アミロイド斑レベルの変化を測定することによって、アルツハイマー病患者が受けている治療プログラムの有効性をモニターするのにも用いられ得る。アミロイド結合の特性に関する背景議論についてはCoimbraら、Curr.Top.Med.Chem.2006年、6、629頁;Mathisら、J.Med.Chem.2003年、46、2740頁;Klunkら、Ann Neurol.2004年、55、306頁を参照されたい。化合物の例およびアルツハイマー病の治療で用いられている方法についてはWO2007/086800、WO2007149030、WO2007/002540、WO2007/074786、WO2002/016333、WO2003048137、WO2002085903、およびWO2004/083195を参照されたい。米国特許第6696039号、US2004/0131545、US6001331、WO2004/032975、WO2004/064869、US2005/0043377、WO2007/033080、US4038396、WO2006044503、WO2006044503、WO2007070173、およびUS3899506も参照されたい。
【0008】
本発明の同位体標識化化合物の主な使用は、インビボ解析技術であるポジトロン放射断層撮影においてであるが、同位体標識化化合物のいくつかはPET解析以外の方法に用いられ得る。特に、14CおよびH標識化化合物は、結合、受容体占拠、および共有結合標識を含む代謝研究を測定するためのインビトロ法ならびにインビボ法で用いられ得る。特に、いくつかの同位体標識化化合物は、磁気共鳴画像化、オートラジオグラフィー、および他の類似の解析ツールに有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2007/086800号
【特許文献2】国際公開第2007/149030号
【特許文献3】国際公開第2007/002540号
【特許文献4】国際公開第2007/074786号
【特許文献5】国際公開第2002/016333号
【特許文献6】国際公開第2003/048137号
【特許文献7】国際公開第2002/085903号
【特許文献8】国際公開第2004/083195号
【特許文献9】米国特許第6696039号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2004/0131545号明細書
【特許文献11】米国特許第6001331号明細書
【特許文献12】国際公開第2004/032975号
【特許文献13】国際公開第2004/064869号
【特許文献14】米国特許出願公開第2005/0043377号明細書
【特許文献15】国際公開第2007/033080号
【特許文献16】米国特許第4038396号明細書
【特許文献17】国際公開第2006/044503号
【特許文献18】国際公開第2007/070173号
【特許文献19】米国特許第3899506号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Cai、L.ら、Current Medicinal Chemistry、2007年、14、19−52頁
【非特許文献2】Chandra、R.ら、J.Med.Chem.2007年、50、2415−2423頁
【非特許文献3】Qu、W.ら、J.Med.Chem.2007年、50、3380−3387頁
【非特許文献4】Cai、L.ら、J Med.Chem.2007年、50、4746−4758頁
【非特許文献5】Qu、W.ら、J Med.Chem.2007年、50、2157−2165頁
【非特許文献6】Shoghi−Jadidら、The American Journal of Geriatric Psychiatry、2002年、10、24頁
【非特許文献7】Miller、Science、2006年、313、1376頁
【非特許文献8】Coimbraら、Curr.Top.Med.Chem.2006年、6、629頁
【非特許文献9】Nordberg、Lancet Neurol.2004年、3、519頁
【非特許文献10】Mathisら、J.Med.Chem.2003年、46、2740頁
【非特許文献11】Klunkら、Ann Neurol.2004年、55、306頁
【発明の概要】
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、新規なアミロイド結合性化合物、および、生存している患者のアミロイド斑レベルの変化を測定することによる、該化合物の効果を測定するための方法に関する。より具体的には、本発明は、脳におけるアミロイド沈着をインビボで研究するためのポジトロン放射断層撮影(PET)画像化のトレーサーとして本発明の化合物を用いてアルツハイマー病の診断を可能にする方法に関する。つまり、本発明は、診断薬としての新規なアミロイド結合性化合物の使用に関する。本発明はさらにアルツハイマー病治療薬の臨床有効性を測定する方法に関する。具体的には、本発明は、新規なアリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体、組成物、ならびにそのような化合物の治療使用および製造方法に関する。本発明は、さらに、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、76Br、77Br、123I、124Iおよび131I同位体標識化アリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体化合物、組成物、これらの調製方法、ならびにアルツハイマー病の治療における化合物の効果の測定および診断用PETトレーサーとしてのそれらの使用に関する。本発明は、血液脳関門を迅速に横切ることができる、低非特異的結合特性を有する、および系から迅速にクリアランスされる非毒性のアミロイド結合性化合物にも関する。本発明のこの態様および他の態様は、本明細書全体をレビューすると了解される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(発明の詳細な記述)
本発明の1つの態様で、式I:
【0013】
【化1】

[式中、
は、1から3個の基R、R、またはRで置換されていてもよいピリジルであり、但し、R、RおよびRのうちの2つが水素であり、残りのR、RまたはRがN(R、ピペラジニルまたはメチルピペラジニルであり、RおよびRのうちの一方が水素である場合、RおよびRのうちの他方はメトキシまたはハロゲンではなく、
Rは、水素または−C1−6アルキルであり、前記アルキルはハロで任意に置換されており、
、R、R、R、およびRは、独立して、水素、−C5−10アリール、−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、CN、−(CHハロ、CF、−O(CHR、−O(CH5−10ヘテロシクリル、−C1−6アルキル、−OCF、−O(CHF、−(O(CH(CHハロ、−(O(CHORを表し、前記アルキル、アリール、およびヘテロシクリルは1から3個の基Rで任意に置換されており、
またはR、RおよびRのうちの2つがRピリジル上で互いに隣接する場合、それらはそれらが結合している原子と合わさってNR、O、またはSで中断されていてもよい9−10員ヘテロ環を形成していてよく、前記ヘテロシクリルは1から3個の基Rで任意に置換されており、
は、−CN、NO、ハロ、CF、−C1−6アルキル、−C1−6アルケニル、−C1−6アルキニル、−(CHハロ、−OR、−NRR、−C(=NR)NR,−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR,−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、または−C(=NOR)Rを表し、
nは、0−6を表し、
sは、1−6を表し、
pは、1−4を表す。]
で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステルが提供される。
【0014】
本発明の1つの態様は、Rが、水素、−C5−10ヘテロシクリル、−N(R、−(CHハロ、−O(CHR、−C1−6アルキル、−OCF、−O(CHFから独立に選択される1から3個の基R、R、およびRで置換されていてもよいピリジルであり、前記アルキル、アリール、およびヘテロシクリルが1から3個の基Rで任意に置換されている場合に実現される。
【0015】
本発明の1つの態様は、Rが置換されたピリジルである場合に実現される。本発明の1つの下位実施形態は、Rが、ハロ、メチルアミン、ピペラジニル、トリアゾリル、イミダゾリル、またはピラゾリルで置換されたピリジルでありそして他の可変部がいずれも最初に記載されているとおりである場合に実現される。本発明の1つの下位実施形態は、Rが、ハロ、好ましくはフッ素、で置換されたピリジルである場合に実現される。本発明の別の下位実施形態は、Rが、トリアゾリルで置換されたピリジルである場合に実現される。本発明の別の下位実施形態は、Rが、イミダゾリルで置換されたピリジルである場合に実現される。本発明のなお別の下位実施形態は、Rが、ピラゾリルで置換されたピリジルである場合に実現される。
【0016】
本発明の別の態様は、Rピリジル上で互いに隣接するR、RおよびRのうちの2つが、それらが結合している原子と合わさって、NR、O、またはSで中断されていてもよい、縮合環も含めた9−10員のヘテロ環を形成しており、前記ヘテロ環がRで任意に置換されている場合に実現される。本発明の1つの下位実施形態は、構造式II:
【0017】
【化2】

[式中、X−Xは、NまたはCHであり、但し、いずれの場合もX−Xのうちの1つのみがNであり、Xは、NR、−O−、CHまたはSであり、他の可変部はいずれも先に記載されているとおりである。]
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステルで実現される。本発明の別の下位実施形態は、XからXまでが合わさってピロロピリジニルを形成しており、他の可変部はいずれも先に記載されているとおりである場合に実現される。
【0018】
本発明の別の態様は、インドリル上のRおよびRが、水素、CN、−(CHハロ、−O(CHR、−O(CHハロ、−O(CH5−10ヘテロシクリル、O(CH6−10アリールまたは−C1−6アルキルからなる群から選択される場合に実現される。本発明の1つの下位実施形態は、RおよびRのうちの一方が水素であり、他方がO(CHF、F、Br、Cl、CN、メトキシ、メチル、ヒドロキシル、ベンジルオキシである場合に実現される。
【0019】
本発明のなお別の態様は、Rが、ハロ、−CN、NO、−C1−6アルキル、−OR、N(R)、−NRCOR、−NRCOR、または−C5−10ヘテロシクリルを表す場合に実現される。
【0020】
本発明の別の態様は、式IおよびIIの化合物が、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、76Br、77Br、123I、124Iおよび131I同位体標識されている場合に実現される。
【0021】
本発明の化合物の例は、
【0022】
【表1】






またはこれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステルである。
【0023】
本発明は、生存している患者のアミロイド斑レベルの変化を測定することによる、化合物の効果を測定するための方法にも関する。より具体的には、本発明は、脳におけるアミロイド沈着をインビボで研究するためのポジトロン放射断層撮影(PET)画像化のトレーサーとして本発明の化合物を用いてアルツハイマー病の診断を可能にする方法に関する。つまり、本発明は、新規アミロイド結合性化合物の診断薬としての使用に関する。本発明は、さらに、アルツハイマー病治療用医薬の製造におけるこの新規なアミロイド結合性化合物の使用に関する。本発明はさらにアルツハイマー病治療薬の臨床有効性を測定する方法に関する。具体的には、本発明は、新規なアリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体、組成物、ならびにそのような化合物の治療使用および製造方法に関する。本発明は、さらに、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36CL、82Br、76Br、77Br、123I、124Iおよび131I(好ましくは11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、およびH、より好ましくは11C、および18F)同位体標識化アリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体、組成物およびその調製方法に関する。本発明は、血液脳関門を迅速に横切ることができる、低非特異的結合特性を有する、および系から迅速にクリアランスされる非毒性のアミロイド結合性化合物にも関する。
【0024】
本発明の化合物は不斉中心、キラル軸およびキラル面を有し得るものであり、ラセミ体、ラセミ混合物として、ならびに個々のジアステレオマーとしても生成し得るものであり、光学異性体も含めたあらゆるあり得る異性体は、本発明に含まれる。(E.L.ElielおよびS.H.Wilen Stereochemistry of Carbon Compounds (John Wiley and Sons、New York 1994)(特に1119−1190頁)を参照されたい。)。
【0025】
任意の可変部(例えばアリール、ヘテロ環、R1a、Rほか)が任意の構成要素において1回より多く出現する場合、各出現におけるその定義は他のすべての出現とは独立したものである。また、置換基/または可変部の組合せは、そのような組合せが安定な化合物を生じる場合のみ許される。
【0026】
加えて、本明細書に開示されている化合物は互変異性体として存在し得るものであり、ただ1つの互変異性構造が図示されていても、いずれの互変異性体も本発明の範囲によって包含されるものとする。例えば、以下
【0027】
【化3】

にある化合物Aの請求項には、互変異性構造B、およびその逆、ならびにそれらの混合物が含まれると理解する。
【0028】
本明細書で使われている、「アルキル」には、指定された数の炭素原子を有する分枝および直鎖飽和脂肪族炭化水素基のあらゆるものが含まれるものとし、「アルコキシ」は、酸素架橋を通して結合している指定された数の炭素原子のアルキル基を表す。本明細書で使われている「ハロゲン」または「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。
【0029】
好ましくは、アルケニルは、C−Cアルケニルである。
【0030】
好ましくは、アルキニルは、C−Cアルキニルである。
【0031】
本明細書で使われている、「シクロアルキル」には、指定された数の炭素原子を有する環状飽和脂肪族炭化水素基が含まれるものとする。好ましくは、シクロアルキルは、C−C10シクロアルキルである。そのようなシクロアルキル要素の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0032】
本明細書で使われている、「アリール」とは、少なくとも1つの環が芳香族である、各環が7員までの安定な一環式または二環式炭素環を意味するものとする。そのようなアリール要素の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリルまたはアセナフチルが挙げられる。
【0033】
本明細書で使われている、用語ヘテロシクリル、ヘテロ環またはヘテロ環式は、飽和か不飽和であり、炭素原子、および、N、0、およびSからなる群から選択される1から4個のヘテロ原子からなる安定な5−7員一環式もしくは安定な8−11員二環式へテロ環を表し、上記に定義されている任意のヘテロ環がベンゼン環に縮合されている二環式基はいずれも含まれる。ヘテロ環は、安定な構造の生成をもたらすヘテロ原子または炭素原子のところにおいて結合し得る。用語ヘテロシクリル、ヘテロ環またはヘテロ環式にはヘテロアリール部分構造も含まれる。そのようなヘテロ環式要素の例としては、限定するものではないが、アゼピニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニル スルホン、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾロピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニル スルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル、およびトリアゾリルが挙げられる。そのようなヘテロ環式要素の例の実施形態としては、限定するものではないが、アゼピニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニル スルホン、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、2−ピリジノニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニル スルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニルおよびトリアゾリルが挙げられる。
【0034】
好ましくは、ヘテロ環は、2−アゼピノニル、ベンゾイミダゾリル、2−ジアザピノニル、イミダゾリル、2−イミダゾリジノニル、インドリル、イソキノリニル、モルホリニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピロリジニル、2−ピペリジノニル、2−ピリミジノニル、2−ピロリジノニル、キノリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、チエニルおよびトリアゾリルから選択される。
【0035】
本明細書で使われている、「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環が芳香族であり、1から4個の炭素原子がN、0、およびSからなる群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられている、各環が7員までの任意の安定な一環式または二環式炭素環を意味するものとする。そのようなヘテロ環式要素の例としては、限定するものではないが、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、フリル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニルおよびトリアゾリルが挙げられる。
【0036】
別に具体的に定義されていない限り、本明細書で使われている、置換されたアルキル、置換されたシクロアルキル、置換されたアロイル、置換されたアリール、置換されたヘテロアロイル、置換されたヘテロアリール、置換されたアリールスルホニル、置換されたヘテロアリール−スルホニルおよび置換されたヘテロ環は、化合物の残りの部分への結合点に加えて1から3個の置換基を含有する部分構造を含む。好ましくは、そのような置換基は、限定するものではないが、F、Cl、Br、CF、NH、N(C−Cアルキル)、NO、CN、(C−Cアルキル)O−、(アリール)O−、−OH、(C−Cアルキル)S(O)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、フェニル、ピリジル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チエニル、フリル、イソチアゾリルおよびC−C20アルキルを含む群から選択される。
【0037】
本明細書で使われている、「インビボ加水分解性前駆体」とは、カルボキシ基またはヒドロキシ基を含有する式I化合物のインビボ加水分解性(または開裂性)エステルを意味する。例えば、アミノ酸エステル、C1−6アルコキシメチルエステル例えばメトキシメチル;C1−6アルカノイルオキシメチルエステル例えばピバロイルオキシメチル;C3−8シクロアルコキシカルボニルオキシ、C1−6アルキルエステル例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、アセトキシメトキシ、またはホスホルアミド酸環状エステル。
【0038】
「有効量」の例としては、医薬として使用するのに許容される毒性およびバイオアベイラビリティをもたらす、および/または原繊維生成に伴う細胞変性および毒性を防ぐ、アミロイド沈着インビボ画像化を可能にする量が挙げられる。
【0039】
医療で使用するためには、式Iの化合物の塩は薬学的に許容される塩とする。そうでない塩も、しかしながら、本発明による化合物またはその薬学的に許容される塩の調製で有用であり得る。本発明の化合物が酸性である場合、適する「薬学的に許容される塩」とは、無機塩基および有機塩基を含めた薬学的に許容される非毒性塩基から調製される塩のことを言う。無機塩基から誘導される塩としては、アルミニウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、銅塩、第二鉄塩、第一鉄塩、リチウム塩、マグネシウム塩、マンガン酸塩、第一マンガン塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩などが挙げられる。特に好ましいのは、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩およびナトリウム塩である。薬学的に許容される有機非毒性塩基としては、アルギニン、ベタインカフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルクアミン、グルコースアミン、ヒスチジン、ヒドラブアミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルクアミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミンレジン、プロカイン、プリネス、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミントリプロピルアミン、トロメトアミンなどのような、一級、二級ならびに三級アミン、天然に生じる置換されたアミンも含めた置換されたアミン、環状アミンおよび塩基性イオン交換樹脂が挙げられる。
【0040】
本発明の化合物が塩基性である場合、塩は、無機酸および有機酸を含めた、薬学的に許容される非毒性酸から調製され得る。そのような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。特に好ましいのは、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸および酒石酸である。
【0041】
上記に記載されている薬学的に許容される塩ならびに他の典型的な薬学的に許容される塩の調製についてはBergら、「Pharmaceutical Salts」、J.Pharm.Sci.、1977年:66:149によってより詳しく記載されている。
【0042】
本明細書に示されているように本発明には同位体標識化された本発明の化合物が含まれる。「同位体標識化」化合物、「放射線標識化」化合物、「トレーサー」化合物、「標識化トレーサー」化合物、「放射性リガンド」化合物または「検出可能アミロイド結合性」化合物とは、1つまたはそれ以上の原子が典型的に自然に見られる(すなわち、自然に存在している)原子質量または原子数とは異なる原子質量または原子数を有する原子によって置き換えられているまたは置換されている化合物である。本発明の化合物に組み込まれ得る適する放射性核種(すなわち「検出可能同位体」)としては、限定するものではないが、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、76Br、77Br、123I、124Iおよび131Iが挙げられる。本発明の同位体標識化化合物は、その特定の適用に適している技術で検出することを可能にする程度まで(またはそれ以上に)検出可能同位体で濃縮されていることのみを必要とする。本発明放射線標識化化合物に組み込まれる放射線核種は、その放射線標識化化合物の具体的な用途によって決まるものである。本発明の別の実施形態においては、放射線核種は、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、およびH(好ましくは、11C、および18F)によって代表される。
【0043】
本発明は、さらに、少なくとも1種の式Iの化合物および薬学的に許容される担体の有効量を含む医薬組成物に関する。組成物は、限定するものではないが、1種またはそれ以上の緩衝剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、滑剤、吸着剤、界面活性剤、防腐剤などを含み得る。組成物は、経口投与用固形剤、液剤、ジェル剤または懸濁剤として(例えば、飲薬、ボーラス剤、タブレット剤、パウダー剤、カプセル剤、マウススプレー剤、エマルジョン剤);非経口投与用固形剤、液剤、ジェル剤または懸濁剤として(例えば、皮下注射、筋肉内注射、静脈内注射、硬膜外注射);局所投与用固形剤、液剤、ジェル剤または懸濁剤として(例えば、クリーム剤、軟膏剤、制御放出パッチ剤、スプレー剤);膣内、直腸内、経皮、眼内、または鼻内投与用固形剤、液剤、ジェル剤または懸濁剤として製剤化され得る。
【0044】
本発明は、アミロイド画像化剤としての放射線標識化アリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体、および、それらを調製するための合成用前駆体化合物を提供するものである。化合物群式Iは、アルツハイマー病のような加齢関連疾患、ならびにダウン症候群およびベータアミロイド性血管症のような他の疾患に対して活性がある。本発明の化合物は、さまざまな認知欠損改善剤との組合せでも用いられ得る。つまり、本発明の別の実施形態では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル、または、式(I)の化合物を含む医薬組成物または製剤は、例えばドネペジル、メマンチン、タクリンほか同等薬ならびにこれらものの医薬的活性異性体および代謝産物を含めたアルツハイマー病治療で用いられる他の医薬的活性化合物(複数も)と並行して、または同時に、または順次にまたは別々に投与される。
【0045】
本発明は、さらに、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含む、患者におけるAβ関連病変を治療または予防する方法に関する。本発明は、認知症、統合失調症認知欠損[Cognitive Deficit in Schizophrenia]、軽度認知障害[Mild Cognitive Impairment]、加齢性記憶障害[Age Associated Memory Impairment]、加齢性認知能低下[Age−Related Cognitive Decline]、などの、神経変性障害の治療方法も提供する。
【0046】
本発明の究極の目的は、高い比放射能、および、アミロイド斑に対する高いアフィニティーからくる高い標的組織選択性を有する、PET画像化で有用な放射性医薬を提供することである。この組織選択性は、この高度に選択的な放射性医薬を標的因子(例えば微小粒子)とカップリングさせることによってさらなる改善を可能にするものである。
【0047】
本発明によれば、画像化剤として同位体標識化新規アリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体が用いられる、患者におけるベータアミロイド斑を画像化するための最も好ましい方法は、次のステップ:患者をPETカメラ中仰臥位に配置するステップ;患者の脳組織に十分な量(約10mCi)の同位体標識化アリールまたはヘテロアリール置換インドール誘導体を投与するステップを含む。脳部分の放射スキャンが行われる。頭部の放射スキャンを行うための技術は当業者には周知である。PET技術は、Freemanら、Freeman and Johnson’s Clinical Radionuclide Imaging.3rd.Ed.Vol.1 (1984);Grune & Stratton、New York;Ennis et Q.Vascular Radionuclide Imaging:A Clinical Atlas、John Wiley & Sons、New York (1983);に記載されている。
【0048】
用語「標識化トレーサー」とは、規定活性をインビボでモニターまたは検出するのに用いられ得る分子のことを言い、例えば、好ましいトレーサーは、ベータアミロイド斑が存在し得る部分に蓄積する分子である。好ましくは、標識化トレーサーは、例えば、ポジトロン放射断層撮影(PET)スキャンにより、生存している実験動物、健康人または患者(被験者と呼ばれる)で観測することができるものにする。適する標識としては、限定するものではないが、放射性同位体、蛍光色素、化学発光化合物、染料、およびタンパク質(酵素を含めて)が挙げられる。
【0049】
本発明は酵素や他の分子のインビボ活性の測定方法も提供する。より具体的には、標的活性を特異的にモニターするトレーサーが選択され、標識化される。好ましい実施形態においては、トレーサーは、脳および中枢神経系におけるアミロイドAβ−ペプチドの結合活性をモニターする。トレーサーは、興奮シナプス高速伝達、神経伝達物質放出調節、および長時間相乗作用を含めた、さまざまな神経プロセスを評価する手段を提供する。本発明は、疼痛、不安/落ち込み、薬物中毒と撤退、基底核障害、摂食障害、肥満、長期落ち込み、学習と記憶、シナプス可塑性の発達、低酸素性虚血性損傷と神経細胞死、癲癇発作、視覚処理、の生化学的機序、ならびにいくつかの神経変性障害の発病機序を研究するための手段を研究者に授けるものである。
【0050】
アルツハイマー病状態のバイオマーカー、予後のバイオマーカーおよび進行のバイオマーカーはすべてアルツハイマー病治療薬の一般診断利用のみならず臨床開発計画にも有用である。本発明は、患者達が新規なアルツハイマー治療のための臨床実験に入れられる際バイオマーカーに情報を提供して患者選択およびコホート割り当てに役立つものである。本発明は、正しい患者を適切なPhIIb実験コホートに入れるための疾患状態バイオマーカーのうちの1つとして役立つ。加えて、本発明は、先般のAD臨床実験を悩ませた1つの問題点である、プラセボ治療群でこの疾患は進行するという確率を増大させるための試験対象者エントリー基準[entry inclusion criterion]としての疾患予後についての1つのマーカーとして役立ち得る。最後に、本発明は、治療にある患者の臨床過程をモニターするための疾患進行についての1つのバイオマーカーとして役立ち得るものであり、治療薬剤による治療反応についての独立したバイオマーカー尺度を提供し得るものである。
【0051】
標識検出手段は当業者には周知である。例えば、同位体標識は、画像化技術、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを用いて検出され得る。好ましい実施形態においては、標識は、画像化技術、例えばポジトロン放射断層撮影(PET)、により被験者の脳中インビボで検出される。
【0052】
本発明の標識化化合物は、好ましくは、少なくとも1種の放射性核種を標識として含有する。ポジトロン放射放射性核種はすべて使用候補である。本発明の文脈では、放射性核種は、好ましくは、11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、およびHから選択され、より好ましくは、11C、および18Fから選択される。
【0053】
選択された検出法に応じてトレーサーは選択され得る。本発明の方法を実行する前に、本発明の標識化または無標識化化合物の診断有効量が、ヒトも含めた生存している身体に投与される。
【0054】
本発明のインビボ法を実行する前に投与されることになる本発明の標識化または無標識化化合物の診断有効量は、1kg体重当たり0.1ng−100mgの範囲内、好ましくは1kg体重当たり1ng−10mgの範囲内にある。
【0055】
本発明の別の実施形態により、先に記載されているヘテロ環式化合物の調製方法が提供される。例えば、先に記載したヘテロ環式化合物は、当技術分野で周知の合成化学手法(Comprehensive Heterocyclic Chemistry、Katritzky、A.R.およびRees、C.W.eds.、Pergamon Press、Oxford、1984年を参照されたい。)を用いて式1の置換されたヘテロ環前駆体から以下に略述されているようにして調製され得る。本発明の同位体標識化化合物は、基質分子に11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、およびHのような同位体を組み込むことによって調製される。組み込みは、試薬を原子炉、サイクロトロンなどのような放射能源に入れることによって試薬に含有されている1種またはそれ以上の原子が放射性になされた試薬を利用することで行われる。さらには、O、CI、14Br、ClCH14COClなどのような、多くの同位体標識化試薬が、市販されている。同位体標識化試薬はこのあと標準的有機化学合成手法で用いられて、同位体原子(または原子群)が、式Iの化合物に、以下に記載されているようにして組み込まれる。以下のスキームは式Iの化合物の製造方法を例示するものである。
【実施例】
【0056】
以下の化学についての説明ならびに実施例で使われている略記号については、
CHCl:ジクロロメタン
dppf:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
Boc:tert−ブトキシカルボニル
DIEA:ジイソプロピルエチルアミン
PMB:4−メトキシ−ベンジル
PMBBr:4−メトキシ−ベンジルブロミド
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
MeOH:メタノール
PS−PPh:ポリスチレントリフェニルホスフィン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMA:N,N−ジメチルアセトアミド
EtOAc:酢酸エチル
AD:アルツハイマー病[Alzheimer’s Disease]
NMR:核磁気共鳴[Nuclear Magnetic Resonance]
DMSO:ジメチルスルホキシド
である。
【0057】
本発明の化合物を調製するためのいくつかの方法が以下のスキームおよび実施例に例示される。出発物質および必須中間体については、一部のものは市販されており、そうでないのは文献の方法に従ってまたは本明細書に例示されているようにして調製され得るものである。Pd ENCat(商標)30はSigma−Aldrich(P.O.Box 2060、Milwaukee、WI 53201)から購入されたものである。
【0058】
本発明の化合物は以下のスキームに示されている反応を利用することによって調製され得るが、文献で知られているまたはこの実験手順に例示されている他の標準的操作によっても調製され得る。スキームに示されている置換基付番は請求項で使われている付番とは必ずしも相関しておらず、多くの場合、明確にするために、化合物には単一置換基が付けられて示されているが、本明細書先の定義では複数置換基が許されている。本発明の化合物を生成させるのに用いられている反応は本明細書のスキームおよび実施例に示されている反応を用いることによって調製されるが、文献で知られていてもよいまたはこの実験手順に例示されていてもよい、エステル加水分解、保護基開裂などの他の標準的操作によっても調製される。
【0059】
一部のケースにおいては、最終生成物は、例えば、置換基を操作することによって、さらに改変され得る。そのような操作としては、限定するものではないが、当業者にはよく知られている還元反応、酸化反応、アルキル化反応、アシル化反応、および加水分解反応が挙げられる。一部のケースにおいては、上記した反応スキーム実行順序を変えて、反応を促進させるまたは望まれていない反応生成物を回避することがある。以下の実施例は、発明がより完全に理解され得るように提供されているものである。これらの実施例は一例にすぎず、決して本発明を限定するものととるべきでない。
【0060】
【化4】

【0061】
一般的反応スキーム1に示されているように、適切に置換された2−インドールボロン酸を、置換されたヘテロ環式ハロゲン化物と、パラジウム触媒カップリング条件下で反応させて対応するSuzukiカップリング生成物を得、これをTFAの作用下で脱保護する。この例では、出発物質はいずれも市販されている。
【0062】
【化5】

【0063】
(実施例1)
2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル
5−シアノ−インドール−1−Boc−2−ボロン酸(45mg、0.25mmol)、5−ブロモ−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(50mg、0.25mmol)、Pd ENCat(商標)30(32mg、0.013mmol)、dppf(7mg、0.013mmol)、1M CsCO水溶液(0.85mL、0.85mmol)、およびTHF(1.0mL)含有混合物を密封マイクロ波管中で150℃まで10分間マイクロ波加熱した。室温まで冷却させた後、その水層をピペットで除去し、残っている有機相を濾過し、濃縮した。残っている残留物をTFA(1mL)で2時間処理し、そのあと濃縮して、残留物を得、これを逆相HPLCで精製して2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル(4.4mg、0.017mmol、収率6.8%)を得た。ES MS(M+H)=259;H NMR(499MHz,DMSO):δ 12.16(1H,s)、11.82(1H,s)、8.79(1H,d,J=2.14Hz)、8.44(1H,d,J=2.10Hz)、8.05(1H,s)、7.56−7.53(2H,m)、7.43(1H,dd,J=8.37,1.57Hz)、7.05(1H,s)、6.55(1H,dd,J=3.42,1.65Hz);HRMS m/z 259.0989(C1610+H計算値259.0978)。
【0064】
【化6】

【0065】
一般的反応スキーム1に示されているように、適切に置換された2−インドールボロン酸を、5−ブロモ−2−フルオロピリジンと、パラジウム触媒カップリング条件下で反応させて対応するSuzukiカップリング生成物を得、これをTFAの作用下で脱保護する。得られる生成物をこのあとアミンまたは窒素含有へテロ環と塩基性条件下で反応させて最終生成物を得る。
【0066】
【化7】

【0067】
(実施例2)
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−5−メトキシ−1H−インドール
ステップ1:2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−5−メトキシ−1H−インドール
5−メトキシ−インドール−1−Boc−2−ボロン酸(235mg、0.85mmol)、5−ブロモ−2−フルオロピリジン(150mg、0.85mmol)、Pd ENCat(商標)30(107mg、0.043mmol)、dppf(24mg、0.043mmol)、1M CsCO水溶液(0.85mL、0.85mmol)、およびジオキサン(2.1mL)含有混合物を密封マイクロ波管中で150℃まで15分間マイクロ波加熱した。室温まで冷却させた後、その水層をピペットで除去し、残っている有機相を濾過した。残っている溶液を5つのバイアルに均等に分け、濃縮し、粗製の残留物を残し、これをTFA(1mL)で2時間それぞれ処理した。濃縮により2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−5−メトキシ−1H−インドール含有粗製残留物の5つの等しいバッチを得た。これはさらに精製することなく次のステップで用いた。ES MS(M+H)=243。
【0068】
ステップ2:2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−5−メトキシ−1H−インドール
ステップ1で得た粗製反応生成物の5分の1を1mLのDMFに溶解させ、そうして得られた溶液をイミダゾール(50mg、0.73mmol)およびCsCO(50mg、0.15mmol)で処理し、そのあと密封バイアル中で110℃に16時間加熱した。室温まで冷却させた後、反応混合物を濾過し、そのあと濃縮して、その粗製の残留物を逆相HPLCで精製して2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−5−メトキシ−1H−インドール(14mg、0.048mmol、収率28%)を得た。ES MS(M+H)=291;H NMR(499MHz,DMSO):δ 11.62(1H,s)、9.38(1H,s)、9.05(1H,d,J=2.35Hz)、8.50(1H,dd,J=8.58,2.40Hz)、8.31(1H,s)、8.05(1H,d,J=8.59Hz)、7.62(1H,s)、7.34(1H,d,J=8.78Hz)、7.08−7.05(2H,m)、6.82(1H,dd,J=8.77,2.44Hz)、3.78(3H,s);HRMS m/z 291.1237(C1714O+H計算値291.1240)。
【0069】
【化8】

【0070】
(実施例3)
6−メトキシ−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール
実施例2の第1のステップで得た2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−5−メトキシ−1H−インドール含有粗製反応生成物の5分の1を1mLのDMFに溶解させ、そうして得られた溶液を1,2,4−トリアゾール(50mg、0.72mmol)およびCsCO(50mg、0.15mmol)で処理し、そのあと密封バイアル中で110℃に16時間加熱した。室温まで冷却させた後、反応混合物を濾過し、そのあと濃縮して、その粗製の残留物を逆相HPLCで精製して6−メトキシ−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール(7.5mg、0.O5mmol、収率15%)を得た。ES MS(M+H)=292;H NMR(499MHz,DMSO):δ 11.62(1H,s)、9.41(1H,s)、9.02(1H,d,J=2.34Hz)、8.46(1H,dd,J=8.55,2.39Hz)、8.34(1H,s)、7.96(1H,d,J=8.54Hz)、7.34(1H,d,J=8.77Hz)、7.07(1H,d,J=2.42Hz)、7.03(1H,d,J=1.90Hz)、6.81(1H,dd,J=8.76,2.45Hz)、3.78(3H,s);HRMS m/z 292.1195(C1613O+H計算値292.1193)。
【0071】
【化9】

【0072】
(実施例4)
5−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン
ステップ1:5−フルオロ−2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−1H−インドール
5−フルオロ−インドール−1−Boc−2−ボロン酸(237mg、0.85mmol)、5−ブロモ−2−フルオロピリジン(150mg、0.85mmol)、Pd ENCat(商標)30(107mg、0.043mmol)、dppf(24mg、0.043mmol)、1M CsCO水溶液(0.85mL、0.85mmol)、およびジオキサン(2.1mL)含有混合物を密封マイクロ波管中で150℃まで15分間マイクロ波加熱した。室温まで冷却させた後、その水層をピペットで除去し、残っている有機相を濾過した。残っている溶液を5つのバイアルに均等に分け、濃縮し、粗製の残留物を残し、これをTFA(1mL)で2時間それぞれ処理した。濃縮により2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロ−1H−インドール含有粗製残留物の5つの等しいバッチを得た。これはさらに精製することなく次のステップで用いた。ES MS(M+H)=231。
【0073】
ステップ2:5−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン
ステップ1で得た2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−5−フルオロ−1H−インドール含有粗製反応生成物の5分の1を33%メチルアミン/MeOH(2mL)で処理し、得られた溶液を密封バイアル中で80℃に16時間加熱した。室温まで冷却させた後、反応混合物を濾過し、そのあと濃縮して、その粗製の残留物を逆相HPLCで精製して5−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン(6.7mg、0.028mmol、収率16%)を得た。ES MS(M+H)=242;H NMR(499MHz,DMSO):δ 11.63(1H,s)、8.37(1H,s)、8.17(1H,s)、7.37(1H,dd,J=8.81,4.54Hz)、7.27(1H,dd,J=9.86,2.53Hz)、6.97−6.91(2H,m)、6.85(1H,s)、2.93(3H,s);HRMS m/z 242.1085(C1412FN+H計算値242.1088)。
【0074】
【化10】

【0075】
(実施例5)
6−メチル−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール
ステップ1:2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−6−メチル−1H−インドール
6−メチル−インドール−1−Boc−2−ボロン酸(234mg、0.85mmol)、5−ブロモ−2−フルオロピリジン(150mg、0.85mmol)、Pd ENCat(商標)30(107mg、0.043mmol)、dppf(24mg、0.043mmol)、1M CsCO水溶液(0.85mL、0.85mmol)、およびジオキサン(2.1mL)含有混合物を密封マイクロ波管中で150℃まで15分間マイクロ波加熱した。室温まで冷却させた後、その水層をピペットで除去し、残っている有機相を濾過した。残っている溶液を5つのバイアルに均等に分け、濃縮し、粗製の残留物を残し、これをTFA(1mL)で2時間それぞれ処理した。濃縮により2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−6−メチル−1H−インドール含有粗製残留物の5つの等しいバッチを得た。これはさらに精製することなく次のステップで用いた。ES MS(M+H)=227。
【0076】
ステップ2:6−メチル−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール
実施例4の第1のステップで得た2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−6−メチル−1H−インドール含有粗製反応生成物の5分の1を1mLのDMFに溶解させ、そうして得られた溶液を1,2,4−トリアゾール(50mg、0.72mmol)およびCsCO(50mg、0.15mmol)で処理し、そのあと密封バイアル中で110℃に16時間加熱した。室温まで冷却させた後、反応混合物を濾過し、そのあと濃縮して、その粗製の残留物を逆相HPLCで精製して6−メチル−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール(7.5mg、0.025mmol、収率15%)を得た。ES MS(M+H)=276;H NMR(499MHz,DMSO):δ 11.59(1H,s)、9.41(1H,s)、9.02(1H,d,J=2.33Hz)、8.47(1H,dd,J=8.55,2.39Hz)、8.33(1H,s)、7.95(1H,d,J=8.54Hz)、7.46(1H,d,J=8.05Hz)、7.23(1H,s)、7.06(1H,d,J=1.90Hz)、6.88(1H,d,J=8.10Hz)、2.42(3H,s);HRMS m/z 276.1246(C1613+H計算値276.1244)。
【0077】
【化11】

【0078】
(実施例6)
6−(3−フルオロプロポキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール
ステップ1:6−ベンジルオキシ−2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
6−ベンジルオキシ−インドール−1−Boc−2−ボロン酸(1g、2.72mmol)、5−ブロモ−2−フルオロピリジン(484mg、2.75mmol)、Pd(dppf)Cl・CHCl(56mg、0.068mmol)、1M CsCO水溶液(2.72mL、2.72mmol)、およびTHF(11mL)含有混合物を密封マイクロ波管中で150℃まで15分間加熱した。室温まで冷却させた後、その水層をピペットで除去し、残っている有機相を濾過し、そのあと濃縮して、6−ベンジルオキシ−2−(6−フルオロ−ピリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを含有する粗製残留物を得た。ES MS(M+H)=419。
【0079】
ステップ2:6−ベンジルオキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−1H−インドール
ステップ1で得た粗製残留物のDMF(10mL)中溶液に1,2,4−トリアゾール(376mg、5.44mmol)およびCsCO(886mg、2.72mmol)を加えた。得られた混合物をマイクロ波により150℃まで20分間加熱した。冷却させた後、得られた混合物を濾過し、濃縮し、水/EtOAcに分配させた。有機相を回収し、乾燥させ、濾過し、濃縮して粗製の残留物を得、これをCHClから結晶化させて、6−ベンジルオキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−1H−インドール(430mg、1.17mmol、2ステップで収率43%)を得た。これはさらに精製することなく用いた。ES MS(M+H)=368。
【0080】
ステップ3:6−ベンジルオキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
6−ベンジルオキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−1H−インドール(380mg、1.034mmol)のTHE(5mL)中溶液にBocO(0.266mL、1.24mmol)、EtN(0.173mL、1.24mmol)、およびDMAP(13mg、0.1mmol)を加え、得られた混合物を室温にて2時間撹拌した。水をそのあと加え(10mL)、そうして得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を乾燥(NaSO)させ、濾過し、濃縮して、6−ベンジルオキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを含有する粗製の混合物を得た。これはさらに精製することなく次のステップで用いた。ES MS(M+H)=468。
【0081】
ステップ4:6−ヒドロキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
前のステップで得た粗製6−ベンジルオキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−1H−インドールの10:1 MeOH/AcOH(10mL)中溶液にPd/C(1.1g、1.0mmol)およびギ酸アンモニウム(630mg、10mmol)を加えた。周囲温度にて2時間撹拌した後、得られた混合物をセライトで濾過し、真空で濃縮して6−ヒドロキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(270mg、0.715mmol、収率72%)を得た。ES MS(M+H)=378。
【0082】
ステップ5:6−(3−フルオロプロポキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール
6−ヒドロキシ−2−(6−[1,2,4]トリアゾール−1−イル−ピリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸テルトブチルエステル(30mg、0.079mmol)のDMF(1mL)中溶液にCsCO(78mg、0.24mmol)および3−フルオロ−1−ヨードプロパン(15mg、0.079mmol)を加えた。得られた混合物を周囲温度にて12時間撹拌し、そのあと濾過し、濃縮すると粗製の残留物が残り、これをTFA(1mL)に溶解させ、2時間撹拌した。この混合物を濃縮すると、粗製の残留物が得られ、これを逆相HPLCで精製して6−(3−フルオロプロポキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール(23.5mg、0.070mmol、収率88%)を得た。ES MS(M+H)=338;H NMR(499MHz,DMSO):δ 11.60(1H,s)、9.40(1H,s)、8.99(1H,d,J=2.32Hz)、8.43(1H,dd,J=8.56,2.38Hz)、8.33(1H,s)、7.94(1H,d,J=8.55Hz)、7.47(1H,d,J=8.62Hz)、7.05(1H,s)、6.93(1H,d,J= 2.14Hz)、6.73(1H,dd,J=8.61,2.24Hz)、4.73−4.58(2H,m)、4.12(2H,t,J=6.25Hz)、2.21−2.09(2H,m);HRMS m/z 338.1417(C1816FNO+H計算値338.1412)。
【0083】
(生物学的実施例)
ADヒト脳サンプルおよび非ADヒト脳サンプルからとったホモジネートを抗Aβ抗体6E10に対するそれらの免疫活性について評定した。AD群および非AD対照群には6E10免疫活性の最も高いレベルおよび最も低いレベルをそれぞれ選んだ。候補Aβ化合物を、公開されているアミロイドリガンドとのその構造的類似性から先ず選択し、そのあとAD脳ホモジネートへの[H]PIB結合との競合におけるアフィニティーの高さから選択した。これらの化合物を[H]で放射性同位体標識し、ヒトAD脳ホモジネートへの結合アフィニティーのみならずヒト非AD脳ホモジネートへの結合アフィニティーについても試験した。これらの候補から、ヒトAD脳ホモジネートに対するその結合アフィニティーに基づいて、および非AD対照ホモジネートへの結合が最少であることから、[H]−DMAB(以下にある構造を参照されたい。)を選択した。非置換性結合の割合が低いことも重要な判断基準であった。
【0084】
【化12】

【0085】
PET放射性トレーサー候補化合物をこのあとAD脳ホモジネートへの結合における[H]−DMABとのアフィニティー競合のその高さから選択した。これらのPET放射性トレーサー候補化合物を試験して、それらが有効なPgP基質なのかを測定した。PgP基質活性がほとんどないそのようなPET放射性トレーサー候補化合物を[H]または[18F]で放射性同位元素標識し、ヒトAD脳ホモジネートへの結合アフィニティーならびにヒト非AD脳ホモジネートへの結合アフィニティーについてさらにはヒトAD脳スライスおよび非AD脳スライスを用いたオートラジオグラフ研究でも試験した。候補放射性リガンドを、ヒトAD脳ホモジネートへのその結合アフィニティーが強いことから、および非AD対照ホモジネートへの結合が最小なことから選択した。非置換性結合の割合が低いことも重要な判断基準であった。白質結合が最少なことは重要な判断基準であった。
【0086】
組織ホモジネート結合アッセイ:
臨床診断がアルツハイマー病(AD)または正常対照被験者(非AD)の死体解剖提供者から得られた冷凍ヒト脳サンプルをAnalytical Biological Services Inc.(住所:701−4 Cornell Business Park、Wilmington、DE 19801)から購入した。前頭皮質の脳ホモジネートを調製し、アリコートに分け、使用まで−70℃で保管した。
【0087】
比放射能が約80Ci/mmolの[H]−DMABを合成した。組織ホモジネート結合アッセイ用の放射性リガンドの最終濃度は1.5nMであった。脳ホモジネートをリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で元の10mg/mLから0.4mg/mL量に希釈し、200μLをアッセイに用いて50μg/アッセイ管の最終濃度にした。非標識化試験化合物を1mMでジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた。さまざまな濃度への試験化合物の希釈は2%DMSO含有PBSで行われた。全体結合を競合化合物の不存在下で確定して、非置換性結合を1μM非標識化セルフブロックの存在下で測定した。化合物希釈液(10X)を前記200μL脳ホモジネート希釈液が入っているアッセイ管に加え(各25μL/1管当たり、別々に)、そうしてこの管を室温にて10分間プレ温置した。そのあと放射性リガンド希釈液(10X)をこのアッセイ管に加えて(各25μL/1管当たり、別々に)、1管当たり250μLの最終量にした。温置を室温(25℃)にて90分間行い、そうしてこのあとこのアッセイサンプルをSkatron 12ウェルハーベスターを用いてGF/Cフィルター上に濾過し、5−5−5(約3×2m1)氷冷バッファー(PBS、pH7.4)の設定で洗浄した。SkatronハーベスターのGF/Cフィルターペーパーは使用前に室温にて1時間0.1%BSAにプレソークしたものである。フィルターをシンチレーションバイアル中に打ち抜き、Perkin Elmer Tri−Carb 2900TR上の2mL Ultima Gold中で1分間カウントした。データ分析はPrismソフトウエアで行われた。アッセイはすべて3複製で行い、またヒト組織使用研究指定実験室で行われた。
【0088】
インビトロオートラジオグラフィー:
臨床診断がアルツハイマー病(AD)または正常対照被験者(非AD)の死体解剖提供者から得られた冷凍ヒト脳サンプルを商業的供給者から購入した。極低温装置(Leica CM3050)を用いて冷凍脳スライス(20μm厚)を調製し、逐次順序で保存した。この組織スライスをSuperfrost Plusスライドガラス(Cat.# 5075−FR、Brain Research Laboratories、USA)上に置き、室温にて乾燥させ、そうして使用まで−70℃のスライドボックス中に保管した。インビトロオートラジオグラフィー用放射性リガンドの最終濃度は1.OnMであった。結合実験の日に、インビトロオートラジオグラフィー研究対象脳部分それぞれから隣接スライスを選択し、全体結合および非特異的結合(NSB)と表示した。これらのスライスをバイオセーフティーフード中で15分間室温で解凍させた。脳スライス中の放射性リガンドの全体結合を競合の不存在下で確定して、非特異的結合(NBS)を競合(1.0μM非標識化化合物)の存在下で測定した。脳スライスを最初にPBSバッファー(pH7.4)中で20分間室温にて前温置した。スライスをこのあと先に記載されている放射性リガンドまたは放射性リガンド+競合が入っている新鮮バッファーに移し、そうして90分間室温にて温置した。温置は、スライスを3回氷冷(4℃)洗浄バッファー(PBS、pH7.4)中で各洗浄を3分続けることで終了させた。洗浄の後、スライスを氷冷(4℃)脱イオン水中で簡単に濯ぎ洗いし、そうしてそのあと送風機により室温で完全に乾燥させた。スライスを密封カセット中でFuji Phosphor Image Plates(TR25、Fuji)に対面で配置して、室温で露光させた。1週間の露光の後、プレートをFuji BAS 5000 Scannerでスキャンし、そのスキャン画像をMCID 7.0ソフトウエアを用いて解析した。[H]−microscales(Amersham Biosciences、GE)、を用いて放射性リガンドの結合密度を定量した。スライス結合アッセイはすべてヒト組織使用研究指定実験室で行われた。
【0089】
これらの判断基準に適合する候補放射性リガンドを[18F]で放射性標識化した。この[18F]標識化放射性リガンドを脳への迅速摂取および脳からのクリアランスについてアカゲザルでインビボ特性評価した。最終PET放射性トレーサーの選択では、白質への保持の最小化は、重要な判断基準であった。
【0090】
アミロイド負荷の評定:
被験者にはミニメンタルステート検査[Mini−Mental State Examination]が実施されて、被験者が正常対照被験者であるのかAD患者であるのかが評定される。PET研究は、本明細書に記載されているPET放射性トレーサーを用いて、およびこの技術に精通している者には知られている方法を用いて、双方の患者群に行われる。アミロイド斑が蓄積すると知られている領域(例えば、前頭皮質領域)での放射性トレーサーの摂取および保持が、アミロイド斑が蓄積しない参照領域(例えば、小脳)での放射性トレーサーの摂取および保持と比較される。そのような領域対間の摂取および保持の差は正常対照被験者に比較してAD患者でより大きく、このより大きい差はAD患者でAβ斑負荷がより大きいことによるものである。第2の、実質的に同じPET研究により、試験・再試験(被験者間)変動が確立される。
【0091】
アミロイド斑を低減させるのに化合物が有効かを決定するためには、アミロイド斑低減化合物を投与する前にPET研究が行われる。治療薬化合物での治療過程がすんだ後、第2のPET研究が行われる。アミロイド斑が蓄積すると知られている領域でのPET放射性トレーサー摂取および保持の(試験・再試験変動よりも大きい)低減は、アミロイド斑負荷の低減を意味する。このような研究では、各被験者は、被験者自体の治療前対照としての役を果たす。
【0092】
本発明の化合物は、ヒトAD脳組織ホモジネートアッセイで0.1nM−1000nMのIC50値を有する。例えば、以下の化合物のIC50は、
【0093】
【表2】

である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

で表される化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル
[式中、
は、1から3個の基R、R、またはRで置換されていてもよいピリジルであり、但し、R、RおよびRのうちの2つが水素であり、残りのR、RまたはRがN(R、ピペラジニルまたはメチルピペラジニルであり、RおよびRのうちの一方が水素である場合、RおよびRのうちの他方はメトキシまたはハロゲンではなく、
Rは、水素または−C1−6アルキルであり、前記アルキルはハロで任意に置換されており、
、R、R、R、およびRは、独立して、水素、−C5−10アリール、−C5−10ヘテロシクリル、N(R、CN、−(CHハロ、CF、−O(CHR、−O(CH5−10ヘテロシクリル、−C1−6アルキル、−OCF、−O(CHF、−(O(CH(CHハロ、−(O(CHORを表し、前記アルキル、アリール、およびヘテロシクリルは1から3個の基Rで任意に置換されており、
またはR、RおよびRのうちの2つがRピリジル上で互いに隣接する場合、それらはそれらが結合している原子と合わさってNR、O、またはSで中断されていてもよい9−10員ヘテロ環を形成していてよく、前記ヘテロシクリルは1から3個の基Rで任意に置換されており、
は、−CN、NO、ハロ、CF、−C1−6アルキル、−C1−6アルケニル、−C1−6アルキニル、−(CHハロ、−OR、NRR、−C(=NR)NR,−NRCOR、−NRCO、−NRSO、−NRCONR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−COR、−CO、−CONR、−C(=NR)R、または−C(=NOR)Rを表し、
nは、0−6を表し、
sは、1−6を表し、ならびに
pは、1−3を表す。]。
【請求項2】
が、ハロ、メチルアミン、ピペラジニル、トリアゾリル、イミダゾリル、またはピラゾリルで置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、フッ素、トリアゾリル、またはイミダゾリルで置換されたピリジルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項4】
ピリジル上で互いに隣接するR、RおよびRのうちの2つが、それらが結合している原子と合わさって、NR、O、またはSで中断されていてもよい、縮合環も含めた9−10員のヘテロ環を形成しており、前記ヘテロ環はRで任意に置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
構造式II:
【化2】

で表される、請求項4に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル
[式中、X−Xは、NまたはCHであり(但し、いずれの場合もX−Xのうちの1つのみがNである)、Xは、NR、−O−、CHまたはSであり、他の可変部はいずれも先に記載されているとおりである。]。
【請求項6】
からXまでが、ピロロピリジニルを形成しており、ならびに他の可変部はいずれも先に記載されているとおりである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、水素、CN、−(CHハロ、−O(CHR、−O(CHハロ、−O(CH5−10ヘテロシクリル、O(CH6−10アリールまたは−C1−6アルキルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
およびRのうちの一方が水素であり、ならびに他方がO(CHF、F、Br、Cl、CN、メトキシ、メチル、ヒドロキシル、ベンジルオキシである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
式Iの化合物が、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18F、35S、36Cl、82Br、76Br、77Br、123I、124Iまたは131Iで同位体標識されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
6−(ベンジルオキシ)−2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−クロロ−2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−6−メチル−1H−インドール、
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−6−メトキシ−1H−インドール、
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−6−カルボニトリル、
5−フルオロ−2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−5−メチル−1H−インドール、
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−5−オール、
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−5−メトキシ−1H−インドール、
5−ブロモ−2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
2−[6−(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−5−カルボニトリル、
5−(6−クロロ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン、
N−メチル−5−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)ピリジン−2−アミン、
5−(6−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン、
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−6−カルボニトリル、
5−(5−フルオロ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン、
N−メチル−5−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)ピリジン−2−アミン、
5−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン、
5−(5−ブロモ−1H−インドール−2−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン、
2−[6−(メチルアミノ)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−5−カルボニトリル、
6−(ベンジルオキシ)−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インドール、
6−クロロ−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インドール、
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−6−メチル−1H−インドール、
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1H−インドール、
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インドール−6−カルボニトリル、
5−フルオロ−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インドール、
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5−メチル−1H−インドール、
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インドール−5−オール、
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−5−メトキシ−1H−インドール、
5−ブロモ−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インドール、
2−(6−フルオロピリジン−3−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル、
6−(ベンジルオキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−クロロ−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−メチル−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−メトキシ−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−6−カルボニトリル、
5−フルオロ−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−メチル−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−メトキシ−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−ブロモ−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−(ベンジルオキシ)−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−クロロ−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−メチル−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−メトキシ−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−6−カルボニトリル、
5−フルオロ−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−メチル−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−5−オール、
5−メトキシ−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−ブロモ−2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
2−[6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール−5−カルボニトリル、
6−(3−フルオロプロポキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−(3−フルオロプロポキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
6−(2−フルオロエトキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−(2−フルオロエトキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドール、
5−(6−メチル−1H−インドール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−インドール−6−カルボニトリル、
5−(5−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
5−(5−ブロモ−1H−インドール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−1H−インドール−5−カルボニトリル、
5−(6−メトキシ−1H−インドール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
5−(5−メチル−1H−インドール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、
5−(6−クロロ−1H−インドール−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
である化合物、またはこれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル。
【請求項11】
11C、13C、14C、18F、15O、13N、35S、H、およびHとして同位体標識されている、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
6−(3−フルオロプロポキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドールである、請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル。
【請求項13】
5−(3−フルオロプロポキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドールである、請求項10に記載の化合物、許容されるその塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル。
【請求項14】
6−(2−フルオロエトキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドールである、請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル。
【請求項15】
5−(2−フルオロエトキシ)−2−[6−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ピリジン−3−イル]−1H−インドールである、請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはインビボ加水分解性エステル。
【請求項16】
請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項17】
請求項1に記載の放射性標識化合物および薬学的に許容される担体を含むアミロイド沈着撮像用組成物。
【請求項18】
アミロイド斑凝集を阻害する有効量で請求項17の組成物を投与することを含む、哺乳動物のアミロイド斑凝集を阻害する方法。
【請求項19】
検出可能量の請求項1に記載の化合物を投与するステップおよび患者のアミロイド沈着への該化合物の結合を検出するステップを含む、患者のアミロイド沈着を測定するための方法。
【請求項20】
検出が、ポジトロン放射断層撮影(PET)画像化、単一光子排出コンピューター断層撮影(SPECT)、磁気共鳴撮像、またはオートラジオグラフィーを行うことによって行われる、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群、統合失調症認知欠損、およびアポリポタンパク質E4対立遺伝子ホモ接合体の治療を診断およびモニターするための請求項19に記載の方法。
【請求項22】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、統合失調症認知欠損、ダウン症候群およびアポリポタンパク質E4対立遺伝子ホモ接合体の予防および/または治療するための方法であって、治療を必要としている患者に請求項1に記載の化合物の治療有効量を投与することを含む、方法。
【請求項23】
アルツハイマー病、家族性アルツハイマー病、ダウン症候群、統合失調症認知欠損、およびアポリポタンパク質E4対立遺伝子ホモ接合体を治療および/または予防するための医薬の製造における、請求項1に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2011−521959(P2011−521959A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511800(P2011−511800)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/045403
【国際公開番号】WO2009/155024
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【Fターム(参考)】