説明

新規な(メタ)アクリル酸脂環式エステル及びその製造方法

【課題】工業的に安定して製造可能な(メタ)アクリル酸脂環式エステルおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】脂環式不飽和化合物またはそのアルコール誘導体を原料とする(メタ)アクリル酸脂環式エステルであって、シクロペンタジエンとオレフィンとのDiels−Alder反応により得られる脂環式不飽和化合物またはそのアルコール誘導体と、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物または(メタ)アクリル酸無水物とを反応させることにより得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子材料、コーティング材料、インク材料、塗料材料等として用いられる(メタ)アクリル酸エステル及びその製造方法に関する。より詳細には、工業的に入手可能な脂環式不飽和化合物を原料とし、(メタ)アクリル酸脂環式エステルを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(メタ)アクリル酸脂環式エステルである(メタ)アクリル酸イソボルニルは、電子材料、コーティング材料、インク材料、塗料材料等として有用であることが知られている。しかしながら、(メタ)アクリル酸イソボルニルの原料であるカフェンは、天然物に由来しており、原料の安定供給に不安がある。そこで、従来より知られている(メタ)アクリル酸イソボルニルに代わって、工業的に安定して入手可能な原料のみから製造可能な(メタ)アクリル酸脂環式エステルの開発が強く要望されている。
工業的に安定して製造可能な(メタ)アクリル酸脂環式エステルとして、ジシクロペンタジエンを原料とする(メタ)アクリル酸脂環式エステル(例えば、特許文献1参照)や、アダマンタノールを原料とする(メタ)アクリル酸脂環式エステル(例えば、特許文献2参照)等の化合物が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭56−059736号公報
【特許文献2】特開平08−310995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のように、工業的に安定して入手可能な原料のみから製造可能な(メタ)アクリル酸脂環式エステルとして、様々な化合物の開発が試みられている。ジシクロペンタジエンやアダマンタノールを原料として得られる(メタ)アクリル酸脂環式エステルは、エステル部位の環構造が(メタ)アクリル酸イソボルニルよりも多くなることや、エステル部位が大きくなることから、(メタ)アクリル酸イソボルニルと同じ使用方法はできないといった問題も抱えていた。
本発明は、現状に鑑みてなされたものであり、工業的に入手可能な脂環式化合物を原料とし、幅広い用途に使用される(メタ)アクリル酸脂環式エステル及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、(メタ)アクリル酸脂環式エステルの原料として工業的に入手可能な脂環式化合物として、シクロペンタジエンとオレフィンとのDiels−Alder反応により得られる脂環式不飽和化合物及びそのアルコール誘導体に着目した。これらの脂環式不飽和化合物またはそのアルコール誘導体を原料とすることにより、工業的に安定して入手容易な原料のみから、(メタ)アクリル酸脂環式エステルを製造することが可能となることを見出した。
すなわち本発明は、
〔1〕 式(I):
【0006】
【化1】

【0007】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステル、
〔2〕 (メタ)アクリル酸と、式(II):
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される脂環式不飽和化合物とを反応させることを特徴とする上記式(I)で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルの製造方法、並びに
〔3〕 式(III):
【0010】
【化3】

【0011】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、−OH基、−OR基、塩素原子、臭素原子またはCH=CRCOO−基を表す。Rは、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。)
で表される(メタ)アクリレート類と、式(IV):
【0012】
【化4】

【0013】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される脂環式アルコールとを反応させることを特徴とする前記式(I)で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルの製造方法に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の(メタ)アクリル酸脂環式エステルは、電子材料、コーティング材料、インク材料、塗料材料等として有用である。また、本発明の(メタ)アクリル酸脂環式エステルの製造方法は、工業的に入手容易な原料のみを用いて容易に実施することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明を詳述する。本発明において、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味するものとする。
本発明の(メタ)アクリル酸脂環式エステルは、式(I):
【0016】
【化5】

【0017】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される化合物である。
【0018】
式(I)において、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基であり、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。
前記式(I)で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルとしては、具体的には、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5,6−トリエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6,6−トリエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6−ジエチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6−ジエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5−ジエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6,6−ジエチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5,6,6−テトラメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5,6,6−テトラエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−5,6,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5−ジエチル−6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6,6−ジエチル−5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6−ジエチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5,6−トリエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6,6−トリエチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、6−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,6,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレート、5,5,6,6−テトラメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0019】
上記の(メタ)アクリル酸脂環式エステルは、工業的に入手容易な原料のみを用いて容易に実施することができ、電子材料、コーティング材料、インク材料、塗料材料等として有用な(メタ)アクリル酸脂環式エステルである。
【0020】
前記式(I)で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルの製造方法としては、(メタ)アクリル酸と、下記式(II)で表される脂環式不飽和化合物とを反応させる方法、または下記式(III)で表される(メタ)アクリレート類と、下記式(IV)で表される脂環式アルコールとを反応させる方法が容易に収率良く製造できる点で好ましい。
式(II):
【0021】
【化6】

【0022】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
式(III):
【0023】
【化7】

【0024】
(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、Rは、−OH基、−OR基、塩素原子、臭素原子またはCH=CRCOO−基を表す。Rは、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。)
式(IV):
【0025】
【化8】

【0026】
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
前記式(II)で表される脂環式不飽和化合物は、R、R、R及びRで表される置換基が、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基又はエチル基であり、少なくとも1つはメチル基又はエチル基であれば、特に限定されるものではない。前記式(II)で表される脂環式不飽和化合物は、シクロペンタジエンとオレフィンとのDiels−Alder反応により得ることができる。
【0027】
シクロペンタジエンとしては、シクロペンタジエンそのものを用いてもよいが、反応器にジシクロペンタジエンやトリシクロペンタジエンを仕込み、熱分解によりシクロペンタジエンを生成させながら、Diels−Alder反応を行ってもよい。
オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、2−エチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2,3−ジメチル−2−ブテン、2−ペンテン、2−メチル−2−ペンテン、3−メチル−2−ペンテン、3−エチル−2−ペンテン、2,3−ジメチル−2−ペンテン、3−ジエチル−2−メチル−2−ペンテン、3−ヘキセン、3−メチル−3−ヘキセン、3−エチル−3−ヘキセン、3,4−ジメチル−3−ヘキセン、3,4−ジエチル−3−ヘキセン、3−エチル−4−メチル−3−ヘキセンが挙げられる。
【0028】
前記式(II)で表される脂環式不飽和化合物の代表例としては、具体的には、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチル−5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−5,6,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジエチル−6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが挙げられる。これらの脂環式不飽和化合物は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5,6,6−テトラメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンが好適に用いられる。
【0029】
前記式(III)で表される(メタ)アクリレート類は、Rで表される置換基が水素原子またはメチル基であり、Rで示される置換基が−OH基、−OR基、塩素原子、臭素原子またはCH=CRCOO−基であれば、特に限定されるものではない。ここで、Rで示される置換基は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分枝状のアルキル基である。
【0030】
前記式(III)で表される(メタ)アクリレート類としては、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸ブロマイド、(メタ)アクリル酸無水物が挙げられる。これらの(メタ)アクリレート類は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸無水物が好適に用いられる。
【0031】
前記式(IV)で表される脂環式アルコールは、前記式(II)で表される脂環式不飽和化合物より得ることができる。具体的には、脂環式不飽和化合物を過酸化水素や過酢酸を用いて酸化し、脂環式エポキシ化合物を得た後、これを接触還元する方法や、低級カルボン酸を脂環式不飽和化合物と反応させた後、加水分解する方法が挙げられる。
【0032】
前記式(IV)で表される脂環式アルコールの代表例としては、具体的には、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5,6−トリエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6,6−トリエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6−ジエチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6−ジエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5−ジエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6,6−ジエチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5,6,6−テトラメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5,6,6−テトラエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−5,6,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5−ジエチル−6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6,6−ジエチル−5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6−ジエチル−5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5,6−トリエチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6,6−トリエチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール等が挙げられる。これらの脂環式アルコールは、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5−エチル−6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、6−エチル−5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,6,6−トリメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール、5,5,6,6−テトラメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールが好適に用いられる。
【0033】
前記式(I)で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルの製造方法は、原料および反応方法により、例えば、
(1)(メタ)アクリル酸と脂環式不飽和化合物による方法(製法I)
(2)(メタ)アクリル酸と脂環式アルコールによる方法(製法II)
(3)(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と脂環式アルコールによる方法(製法III)
(4)(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と脂環式アルコールによる方法(製法IV)
(5)(メタ)アクリル酸無水物と脂環式アルコールによる方法(製法V)
に分けられる。以下、各製法に付いて説明する。
【0034】
(製法I)
(メタ)アクリル酸と脂環式不飽和化合物による製造方法では、酸触媒の存在下に反応を行うことが好ましい。
(メタ)アクリル酸と脂環式不飽和化合物の反応モル比は、具体的には、(メタ)アクリル酸/脂環式不飽和化合物のモル比が5/1〜1/5の範囲が好ましく、4/1〜1/4の範囲がより好ましく、3/1〜1/3の範囲がさらに好ましく、2/1〜1/2の範囲が特に好ましい。前記モル比の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
上記酸触媒としては、具体的には、硫酸、塩酸、硝酸、ナフィオン(デュポン社登録商標)、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、トリフルオロメタンスルホン酸が好適に用いられる。
【0035】
上記酸触媒の使用量は、具体的には、脂環式不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜12重量部、特に好ましくは3〜10重量部の範囲内となるように使用すればよい。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0036】
本反応では、溶媒を使用する必要はないが、反応を阻害しないものであれば使用してもよい。該溶媒としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエンおよびキシレンが好適に用いられる。
上記溶媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸と脂環式不飽和化合物の合計質量の0〜300質量%、好ましくは0〜200質量%、さらに好ましくは0〜150質量%、特に好ましくは0〜100質量%の範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0037】
上記反応の反応温度は、具体的には、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、20℃〜130℃の範囲内がさらに好ましく、40℃〜120℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
【0038】
(製法II)
(メタ)アクリル酸と脂環式アルコールによる製造方法では、酸触媒の存在下に反応を行うことが好ましい。また、反応により生成する水を反応系外へ除去することが好ましい。
(メタ)アクリル酸と脂環式アルコールの反応モル比は、具体的には、(メタ)アクリル酸/脂環式アルコールのモル比が5/1〜1/5の範囲が好ましく、4/1〜1/4の範囲がより好ましく、3/1〜1/3の範囲がさらに好ましく、2/1〜1/2の範囲が特に好ましい。前記モル比の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0039】
上記酸触媒としては、具体的には、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の鉱酸およびその部分中和塩;タングステン酸、モリブデン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ酸、タングストリン酸、モリブドリン酸等のヘテロポリ酸およびその部分中和塩;メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の有機スルホン酸;フッ化ホウ素、塩化ホウ素、塩化アルミニウム、二塩化スズ、四塩化スズ等のルイス酸;スルホン酸基およびアルキルスルホン酸基の少なくとも一種のイオン交換機を有する酸性イオン交換樹脂;モルデナイト型、X型、Y型、β型、ZSM−5型等の酸性ゼオライト;等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、タングステン酸、モリブデン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ酸、タングストリン酸、モリブドリン酸、メタンスルホン酸およびパラトルエンスルホン酸が好適に用いられる。
上記酸触媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸に対して0.001〜30質量%、好ましくは0.005〜20質量%、さらに好ましくは0.01〜15質量%、特に好ましくは0.02〜10質量%の範囲内となるように使用すればよい。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0040】
上記生成水の除去方法としては、例えば、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法、乾燥剤の存在下で反応を行う方法等が挙げられる。これらの内、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法が好ましい。
上記共沸溶媒については、反応を阻害しないものであれば特に制限はなく、具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等を挙げることができる。これらの共沸溶媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびシクロヘキサンが好適に用いられる。
上記共沸溶媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸と脂環式アルコールの合計質量の0〜300質量%、好ましくは0〜200質量%、さらに好ましくは0〜150質量%、特に好ましくは0〜100質量%の範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0041】
上記反応の反応温度は、特に限定されるものではないが、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、20℃〜130℃の範囲内がさらに好ましく、40℃〜120℃の範囲内が特に好ましい。上記反応の反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
【0042】
(製法III)
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と脂環式アルコールによる製造方法では、エステル交換触媒の存在下に反応を行うことが好ましい。また、反応により生成するアルキルアルコールを反応系外へ除去することが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と脂環式アルコールの反応モル比は、具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類/脂環式アルコールのモル比が10/1〜1/5の範囲が好ましく、8/1〜1/3の範囲がより好ましく、6/1〜1/2の範囲がさらに好ましく、5/1〜1/2の範囲が特に好ましい。前記モル比の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0043】
上記エステル交換触媒としては、具体的には、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等の酸化物;水酸化カルシウム、水酸化タリウム、水酸化スズ、水酸化鉛、水酸化ニッケル等の水酸化物;塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化スズ、塩化鉛、塩化ジルコニウム、塩化ニッケル等のハロゲン化物;炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸鉛、炭酸亜鉛、炭酸ニッケル等の炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウム等の炭酸水素塩;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ルビジウム、リン酸鉛、リン酸亜鉛、リン酸ニッケル等のリン酸塩;硝酸鉛、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル等の硝酸塩;酢酸鉛、酢酸亜鉛、酢酸ニッケル等のカルボン酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、バリウムメトキシド、バリウムエトキシド、テトラエトキシチタン等のアルコキシ化合物;リチウムアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート等のアセチルアセトナート錯体;ジブチルスズジクロライド、ジオクチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジスタノキサン、トリスタノキサン、ジブチルスズオキサイド、オクチルスズオキサイド等の錫化合物;チタンテトラエトキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラn−プロポキシド、チタンテトラn−ブトキシド、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン等のチタンテトラアルコキシド;等が挙げられる。これらのエステル交換触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、炭酸カリウム、炭酸セシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジブチルスズジクロライド、ジオクチルスズジクロライド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジスタノキサン、ジブチルスズオキサイド、オクチルスズオキサイド、チタンテトライソプロポキシド及びチタンテトラn−ブトキシドが好適に用いられる。
【0044】
前記エステル交換触媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類0.001〜30質量%、好ましくは0.005〜20質量%、さらに好ましくは0.01〜15質量%、特に好ましくは0.02〜10質量%の範囲内となるように使用すればよい。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0045】
前記生成アルキルアルコールの除去方法としては、例えば、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法、吸着剤の存在下で反応を行う方法等が挙げられる。これらの内、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法が好ましい。
前記共沸溶媒については、反応を阻害しないものであれば特に制限はなく、具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等を挙げることができる。また、過剰に用いた(メタ)アクリル酸アルキルエステル類を共沸溶媒とすることもできる。これらの共沸溶媒は、単独でも2種類以上を併用して用いてもよい。これらの中でも、ヘキサン、シクロヘキサンおよび過剰に用いた(メタ)アクリル酸アルキルエステル類が好適に用いられる。
前記共沸溶媒のうち、過剰に用いた(メタ)アクリル酸アルキルエステル類以外の共沸溶媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と脂環式アルコールの合計質量の0〜300質量%、好ましくは0〜200質量%、さらに好ましくは0〜150質量%、特に好ましくは0〜100質量%の範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0046】
前記反応の反応温度は、生成するアルキルアルコールの沸点あるいは共沸温度以上であることが好ましく、具体的には、40℃〜180℃の範囲内が好ましく、50℃〜170℃の範囲内がさらに好ましく、60℃〜160℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
【0047】
(製法IV)
(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と脂環式アルコールによる製造方法では、塩基触媒の存在下に反応を行うことが好ましい。
(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と脂環式アルコールの反応モル比は、具体的には、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物/アルコール類のモル比が5/1〜1/5の範囲が好ましく、3/1〜1/4の範囲がより好ましく、2/1〜1/3の範囲がさらに好ましく、1.5/1〜1/2の範囲が特に好ましい。前記モル比の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0048】
上記塩基触媒としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トルブチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらの塩基触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、トリエチルアミンおよびトルブチルアミンが好適に用いられる。
上記塩基触媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物1モルに対して0.5〜3モル、好ましくは0.6〜2モル、さらに好ましくは0.7〜1.5モル、特に好ましくは0.8〜1.3モルの範囲内となるように使用すればよい。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0049】
また、該反応は、反応熱が大きいため、反応の暴走を防ぐ必要がある。反応の防止方法としては、除熱装置を用いて反応する、原料の一方を連続的あるいは断続的に添加しながら反応する等の方法がある。これらの方法は、単独でも併用してもよい。
【0050】
本反応では、溶媒を使用する必要はないが、反応を阻害しないものであれば使用してもよい。該溶媒としては、具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメチルエチルケトンが好適に用いられる。
【0051】
上記溶媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物と脂環式アルコールの合計重量の0〜300質量%、好ましくは0〜200質量%、さらに好ましくは0〜150質量%、特に好ましくは0〜100質量%の範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0052】
上記反応の反応温度は、具体的には、0℃〜100℃の範囲内が好ましく、10℃〜80℃の範囲内がさらに好ましく、15℃〜60℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
【0053】
(製法V)
(メタ)アクリル酸無水物と脂環式アルコールによる製造方法では、無触媒あるいは塩基触媒の存在下に反応を行うことが好ましい。
(メタ)アクリル酸無水物と脂環式アルコールの反応モル比は、具体的には、(メタ)アクリル酸無水物/脂環式アルコールのモル比が5/1〜1/5の範囲が好ましく、4/1〜1/4の範囲がより好ましく、3/1〜1/3の範囲がさらに好ましく、2/1〜1/2の範囲が特に好ましい。前記モル比の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0054】
上記塩基触媒としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トルブチルアミン、ピリジン等が挙げられる。これらの塩基触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミンおよびトルブチルアミンが好適に用いられる。
上記塩基触媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸無水物1モルに対して0〜1モル、好ましくは0.005〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.3モル、特に好ましくは0.05〜0.2モルの範囲内となるように使用すればよい。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0055】
本反応では、溶媒を使用する必要はないが、反応を阻害しないものであれば使用してもよい。該溶媒としては、具体的には、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブチルおよびメチルエチルケトンが好適に用いられる。
【0056】
上記溶媒の使用量は、具体的には、(メタ)アクリル酸無水物と脂環式アルコールの合計質量の0〜300質量%、好ましくは0〜200質量%、さらに好ましくは0〜150質量%、特に好ましくは0〜100質量%の範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0057】
上記反応の反応温度は、具体的には、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、20℃〜130℃の範囲内がさらに好ましく、40℃〜120℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設定すればよい。
【0058】
前記製法I〜Vの反応は、バッチ式、連続式のいずれによっても行うことができる。前記製法I〜Vにおける反応系内の酸素濃度としては、1〜15%であることが好ましく、より好ましくは、2〜10%であり、更に好ましくは、3〜8%である。
前記製法I〜Vの(メタ)アクリル酸脂環式エステル製造反応は、重合禁止剤の存在下で反応させることが好ましい。本発明において、生成物である前記式(I)で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルおよび原料である式(III)で表される(メタ)アクリレート類は重合性化合物であり、これらの化合物の重合を抑制し、収率の点で好ましい。
【0059】
前記重合禁止剤としては、具体的には、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール等のキノン系重合禁止剤;
2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合禁止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−4−ベンゾイリオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等のアミン系重合禁止剤;ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等のジチオカルバミン酸銅系重合禁止剤;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル等のN−オキシル系重合禁止剤;等が挙げられる。これらは単独でも、あるいは2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。これらの中でも、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルおよび4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルが好適に用いられる。
【0060】
上記重合禁止剤の添加量は、用いる式(III)で表される(メタ)アクリレート類の種類にもよるが、該(メタ)アクリレート類の0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜1質量%、特に好ましくは0.01〜0.1質量%の範囲内となるように添加すればよい。前記重合禁止剤添加量の範囲が、収率の点、重合抑制の点および経済性の点で好ましい。
【0061】
本発明にしたがって製造された式(I)で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルは、反応溶液を精製することによって得ることができる。上記精製手段は特に限定されるものではないが、中和、水洗、抽出、ろ過、蒸留およびカラムクロマト等によって分離・精製することができる。これらの方法は組み合わせて実施してもよい。これらの内、蒸留法が特に好ましい。
【実施例】
【0062】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0063】
以下の実施例において、収率は、以下の装置、測定条件でガスクロマトグラフィー測定を行うことにより、求めた。
装置:ガスクロマトグラフ(製品名「GC−2014」、株式会社島津製作所社製)
測定条件:キャピラリーカラム (商品名 TC−WAX、GL Sciences Inc.製、長さ:30m、内径:0.53mm、膜厚:1.0μm)
ガス圧 キャリア(He)圧:1.1kgf/cm、水素圧:0.7kgf/cm、空気圧:0.6kgf/cm
スプリット比:10
昇温パターン:45℃にて5分間保持後、15℃/分にて昇温し、220℃にて10分間保持
ディテクター温度:220℃
インジェクション温度:220℃
試料打込み量:0.2μl
内部標準:シクロヘキサノン
試料:サンプル約1g 、内部標準約0.1g 及びアセトン約2gを精秤して混合
また、元素分析は、以下の装置により実施した。
炭素・水素・窒素同時定量装置(製品名「MICRO CORDER JM10」、株式会社ジェイ・サイエンス・ラボ社製)
【0064】
(実施例1)(製法Iによる5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートおよび6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの混合物の製造)
攪拌装置、冷却装置、温度計、ガス吹き込み管および滴下装置を取付けた500ml四つ口フラスコにアクリル酸 72g、トリフルオロメタンスルホン酸 2g、メトキシヒドロキノン 36mgおよびトルエン 100mlを添加し、液相部に7%酸素(窒素バランス)を導入および攪拌混合しながら、常圧下、温度60℃に昇温した。該反応溶液中に5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 22gをトルエン 50mlに溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、さらに2時間撹拌を続けた。得られた反応溶液を室温まで冷却後、2N水酸化ナトリウム水溶液200mlにより中和した後、脱イオン水100mlで3回洗浄した。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムにより脱水乾燥した後、エバポレーターにより溶媒を留去し、さらに減圧蒸留することにより、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートおよび6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの混合物を得た。GCにより分析した結果、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートおよび6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートを合わせた収率は93モル%であった。得られた物質の元素分析を行った結果、C:73.3%(理論値73.30%),H:9.0%(理論値8.95%),N:検出せず(理論値0.00%)であった。
【0065】
(実施例2)(製法IIによる5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルアクリレートおよび6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの混合物の製造)
攪拌装置、温度計、ガス吹き込み管およびDean−Starkトラップを取付けた500ml四つ口フラスコに、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールと6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オールの混合物32g、アクリル酸 36g、フェノチアジン18.0mg、パラトルエンスルホン酸一水和物0.18gおよび共沸溶媒としてのトルエン100mlを添加し、液相部に7%酸素(窒素バランス)を導入および攪拌混合しながら、常圧下、還流条件まで昇温した。該反応溶液を還流条件下で5時間攪拌を続けた後、室温まで冷却し、炭酸ナトリウムにより触媒を中和した。固形分をろ別した後、エバポレーターにより溶媒を留去し、さらに減圧蒸留することにより、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルアクリレートおよび6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの混合物を得た。GCにより分析した結果、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルアクリレートおよび6−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートを合わせた収率は89モル%であった。
【0066】
(実施例3)(製法IIIによる5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの製造)
攪拌装置、温度計、ガス吹き込み管および精留塔を取付けた1L四つ口フラスコに、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール40g、アクリル酸メチル430gおよびメトキシヒドロキノン0.22gを添加し、液相部に7%酸素(窒素バランス)を導入および攪拌混合しながら、常圧下、還流することにより系内の水分を除去した。次いで、触媒としてチタンテトライソプロポキシド2.0gを加えた。塔頂温度を63〜65℃に保つように還流比を徐々に大きくし、6時間反応を続けた。得られた反応溶液に脱イオン水10gを加え、さらに30分攪拌し、加圧濾過により不溶物を濾過した。得られた液からエバポレーターによりアクリル酸メチルを留去し、さらに減圧蒸留することにより、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートを得た。GCにより分析した結果、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの収率は87モル%であった。
【0067】
(実施例4)(製法IVによる5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの製造)
攪拌装置、冷却装置、温度計、ガス吹き込み管および滴下装置を取付けた500ml四つ口フラスコに、塩化メチレン100ml、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール35gおよびトリエチルアミン28gを添加し、液相部に7%酸素(窒素バランス)を導入しながら、常圧下、室温で攪拌混合した。該反応溶液中にアクリル酸クロライド23g、メトキシヒドロキノン11.3mgを塩化メチレン30mlに溶解した溶液を室温で1時間かけて滴下した後、さらに2時間攪拌を続けた。得られた反応溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液150mlで洗浄後、脱イオン水100mlで3回洗浄した。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムにより脱水乾燥した後、エバポレーターにより溶媒を留去し、さらに減圧蒸留することにより、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートを得た。GCにより分析した結果、5,6−ジエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル アクリレートの収率は93モル%であった。
【0068】
(実施例5)(製法Vによる5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル メタクリレート製造)
攪拌装置、冷却装置、温度計、ガス吹き込み管および滴下装置を取付けた500ml四つ口フラスコに、トルエン100mlおよび5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オール35gを添加し、液相部に7%酸素(窒素バランス)を導入および攪拌混合しながら、常圧下、70℃に昇温した。該溶液中にメトキシヒドロキノン38.5mgを溶解させた無水メタクリル酸77gを2時間かけて滴下した。該反応溶液を95℃まで昇温し、該温度で2時間攪拌を続けた。得られた反応溶液を室温まで冷却後、0.2N水酸化ナトリウム水溶液150mlで4回洗浄した。得られた有機相を無水硫酸マグネシウムにより脱水乾燥した後、エバポレーターにより溶媒を留去し、さらに減圧蒸留することにより、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル メタクリレートを得た。GCにより分析した結果、5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル メタクリレートの収率は82モル%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】


(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステル。
【請求項2】
(メタ)アクリル酸と、式(II):
【化2】


(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される脂環式不飽和化合物とを反応させることを特徴とする式(I):
【化3】


(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルの製造方法。
【請求項3】
式(III):
【化4】


(式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、Rは、−OH基、−OR基、塩素原子、臭素原子またはCH=CRCOO−基を表す。Rは、炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基を表す。)
で表される(メタ)アクリレート類と、式(IV):
【化5】


(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される脂環式アルコールとを反応させることを特徴とする式(I):
【化6】


(式中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はエチル基を表し、少なくとも1つはメチル基又はエチル基である。)
で表される(メタ)アクリル酸脂環式エステルの製造方法。

【公開番号】特開2012−162495(P2012−162495A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24662(P2011−24662)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】