新規なHIVプロテアーゼ阻害剤
【課題】新規なHIVプロテアーゼ阻害剤の提供。
【解決手段】本発明は、各々のクラスターが6ないし12個のホウ素原子を有する置換されたボラン、カルボラン又はメタラカルボランクラスターを含む新規なHIVプロテアーゼ阻害剤を提供するものであり、個々のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの電荷は0、−1又は−2であり、阻害剤分子中のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの数は1ないし9個であり、メタラカルボラン阻害剤中のカルボランクラスターはコバルト、鉄、ニッケル及びルテニウムからなる群より選択される遷移金属原子に配位している。クラスター中に窒素、リン、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び硫黄のようなヘテロ原子が存在し得る。これらの阻害剤を含む医薬組成物及びインビトロ及びインビボの双方におけるこれらの使用。これらは高い有効性と安定性により特徴付けられる。
【解決手段】本発明は、各々のクラスターが6ないし12個のホウ素原子を有する置換されたボラン、カルボラン又はメタラカルボランクラスターを含む新規なHIVプロテアーゼ阻害剤を提供するものであり、個々のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの電荷は0、−1又は−2であり、阻害剤分子中のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの数は1ないし9個であり、メタラカルボラン阻害剤中のカルボランクラスターはコバルト、鉄、ニッケル及びルテニウムからなる群より選択される遷移金属原子に配位している。クラスター中に窒素、リン、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び硫黄のようなヘテロ原子が存在し得る。これらの阻害剤を含む医薬組成物及びインビトロ及びインビボの双方におけるこれらの使用。これらは高い有効性と安定性により特徴付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なHIVプロテアーゼ阻害剤及びインビトロ及びインビボの双方におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は独立してパリ及びワシントンにおいてAIDSの病原体として同定された(Barre−Sinoussi,F.,Chermann,J.C.,Rey,F.,Nugeyre,M.T.,Chamaret,S.,Gruest,J.,Dauguet,C.,Axler−Blin,C.,Vezinet−Brun,F.,Rouzinoux,C.,Rozenbaum,W.,Montagnier,L.(1983年)Science 220巻,868−871頁;Popovic,M.,Sarngadharan,M.G.,Read,E.,Gallo,R.C.(1984年)Science 224巻,497−500頁)。最近の18年間、活発なウイルス静力学の発展に向けた努力は、その疾患の治療に強力に貢献する多くの医薬品を導いた。しかし、科学者は依然として疾患の拡大の制御及び停止に成功していない。AIDSは依然として深刻な世界的問題である。特に開発途上国及び中央アフリカにおいて、この伝染病は、基本的社会及び国家的原則を危険にさらす破滅的な広がりを有している。
【0003】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はレンチウイルス属(genus Lentivirus)、レトロウイルス科(family Retroviridae)に属する。この科に属するウイルスは、ディプロイドRNAゲノムを含み、複製のために逆転写酵素を使用する。レトロウイルスは更に3つの属:オンコウイルス属、レンチウイルス属及びスプマウイルス属に分類される(Gelderblom,H.R.,P.A.Marx,M.Ozel,D.Gheysen,R.J.Munn,K.I.Joy及びG.Pauli(1990年)Morphogenesis and Fine Structure of Lentiviruses.In Pearl,Lawrence(編者).Rtroviral Proteinases:Control of Maturation and Morphogenesis)。レンチウイルス属は、ゆっくりと慢性疾患を引き起こすウイルスを含む。最も重要な代表は、HIV−1、HIV−2(両者は以降、一般的な略語HIVとして言及する。)及びサルレンチウイルスSIVである。
【0004】
成熟したHIVビリオンは直径が100ないし110nmの球形粒子である。このウイルスの核は、カプシドタンパク質により封入されているが、ゲノムの1本鎖RNAの2つのコピー、ヌクレオカプシドタンパク質(NC)及びウイルス酵素である逆転写酵素(RT)、インテグラーゼ(IN)及びプロテアーゼ(PR)から構成される。外部のカプシドは宿主細胞から誘導されたリン脂質膜から構成される。ボタン型構造は、膜貫通タンパク質(TM)中にまばらに包埋された糖化表面タンパク質(SU)の3つの分子から構成されるが、カプシドから滲出する(Gelderblom,H.R.,P.A.Marx,M.Ozel,D.Gheysen,R.J.Munn,K.I.Joy,及びG.Pauli(1990年)Morphogenesis and Fine Structure of Lentiviruses.In Pearl,Lawrence(編者).Retroviral Proteinases:Control of Maturation and Morphogenesis)。
【0005】
HIVゲノムは9種の種々の遺伝子をコード化する、約9.2kbのサイズの2つの同一のRNA分子により形成されている。このゲノムの基本構造は、全てのレトロウイルス
の性質であるが、3種の構造遺伝子、gag、pol及びenvから構成される。構造遺伝子に加えて、ウイルスの複製に関係する調節機能を有するタンパク質をコード化する6種の遺伝子がHIVゲノムにおいて同定されている。
【0006】
宿主細胞中におけるHIVの複製周期は幾つかの段階に分類される(Carrasco
L.,Sonenberg N.,Wimmwe E.(1993年)Regulation of Gene Expression in Animal Viruses,L.Carrasco,et al.編集,Plenum Press,New York):ウイルスカプシドの表面糖タンパク質(SU)は、タンパク質受容体CD4+を認識して高い親和性で結合するが、該受容体はT−リンパ球の表面に発現している。コレセプターに効果的に結合するために、宿主細胞の型に応じた特異性が必要である。ウイルスは、エンドサイトーシス又はウイルスカプシドと細胞表面の融合により細胞に入り、カプシドの内容物は細胞質中に入り込む。逆転写酵素(RT)はウイルスRNAを2本鎖DNA中に転写するが、それは酵素インテグラーゼ(IN)により宿主細胞の染色体中に組み込まれる。それによりウイルスは、宿主RNAポリメラーゼIIによるウイルス遺伝子の活性化及び転写の瞬間まで休眠状態(潜伏感染)で存続する。プロウイルスのmRNAに従って、ウイルスのポリタンパク質前駆体であるGag及びGag−Polがリボソームにおいて産生される。転写後に修飾されたポリタンパク質及びゲノムのRNAは、細胞表面の近くに集められ、出芽(budding)と呼ばれる過程の間、ビリオンは細胞から放出される。この未成熟な粒子において、ポリタンパク質前駆体であるGag及びGag−Polはウイルスにコードされたプロテアーゼ(PR)により切断され、機能性タンパク質を生産し、それにより成熟した感染性粒子が作られる。もしHIV PRが妨害されるか又はその活性が阻害される場合、該ビリオンは未成熟のままである。
【0007】
最も広範囲に試験されているのはHIV−1 PRである。それは同一の二つの非共有的に結合したサブユニットからなる二量体のアスパラギン酸プロテアーゼである。その単量体サブユニットの一次構造は、99個のアミノ酸から構成される。HIV PRの二次構造の知見に対する最も重要な貢献は、2回回転性のC2対称及び高い含有量のβ−構造
を開示する結晶学的構造解析(Wlodawer,A.,Miller,M.,Jaskolski,M.,Sathyanarayana,B.K.,Baldwin,E.,Weber,I.T.,Selk,L.M.,Clawson,L.,Schneider,J.,Kent,S.B.(1989年)Science 245巻,616−621頁)である。この分子の核における4つの鎖は、全てのアスパラギン酸プロテアーゼの特徴である“文字Ψ”の形状のリーフ(leaf)を形成する。活性部位(Asp25−Thr26−Gly27)の3残基はタンパク質鎖の屈曲部に位置し、その構造は水素結合網で安定化されている。
【0008】
HIV PRは、初めにポリタンパク質前駆体から自己触媒的に切断され、その後、9箇所の正確に特定された部位でこの前駆体を切断する。HIV PRは、切断された部位のアミノ酸配列がかなり異なるという事実にもかかわらず、特異的にこのウイルスポリタンパク質を切断する。特定のアミノ酸の隣のペプチド結合を加水分解する他のエンドペプチダーゼ(ペプシン、トリプシン、レニン)とは対照的に、HIV PRにおいては、その一次構造に関する類似性を特定することができない。基質の各々の側鎖と酵素の対応するサブサイト間の、独立した主に弱い相互作用の累積効果が原因となる特異性が推定されている。重要なのは、二次構造の疎水性相互作用、表面、極性、ポテンシャル等である(Poorman,R.A.,Tomasselli,A.G.,Heinrikson,R.L.,Kezdy,F.J.(1991年)J.Biol.Chem.266巻,14554−14561頁)。
【0009】
HIVプロテアーゼ阻害剤
HIVライフサイクルの幾つかの工程が治療処置の標的として選択されている。最も重要なものは、逆転写酵素(ジデオキシヌクレオシド、その類縁体及び非−核酸阻害剤)、宿主細胞へのビリオンの結合及び侵入(可溶性CD4受容体及びその誘導体、ポリアニオン系化合物、融合阻害剤)、インテグラーゼによる宿主染色体へのプロウイルスの組み込み、遺伝子tat及びrevのタンパク質生成物による転写の制御等である(総説:De
Clercq,E.(1998年)Collect.Czech.Chem.Commun.63巻,449−479頁)。本特許出願の対象である、レトロウイルス及び中でもその最も重要な酵素であるHIVプロテアーゼの成熟は、同様に、広範な研究及び医薬品の理論設計の対象である。チェコ共和国において7つの阻害剤が臨床使用のために承認されつつある:サクイナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、ロピナビル及びアタザナビル。全てのこれらの阻害剤は天然基質のHIV PRへの結合を競合的に阻害し、ビリオンの成熟を妨害することによりウイルスの感染性を減少させる。
【0010】
HIV PR阻害剤に対する抵抗性の進展
1995年ないし1996年にプロテアーゼ阻害剤が発売され、HAART療法(高活性抗レトロウイルス治療(high active antiretroviral therapy))の導入は、日和見感染の発現の緩和と死亡率の減少をもたらした。このことは、AIDSの十分な治療の進展における患者及び医師の希望を増大させた。不幸なことに、この新規医薬品の販売後すぐに、それらの限界もまた見出された。
【0011】
PR阻害剤が適用された場合、ウイルスの複製が抑制される。この複製が十分に抑制されなかった場合、この阻害剤に抵抗性のウイルスの少数がこの淘汰圧下で生き延びることができる。このことは、ウイルスの抵抗性をもたらす(Larder,B.,Richman,D.,Vella,S.(1998年)HIV resistance and implications of therapy,MediCom Inc.,Atlanta,USA)。現在までに、99−アミノ酸モノマーにおいて、少なくとも49の位置における突然変異が発見されている(Gulnik,S.,Erickson,J.W.,Xie,D.(2000年)Vitam.Horm.58巻,213−256頁)。
【0012】
抵抗性変種の急速な発生の原因となる基本的な要因は、HIVゲノムの自然変動(多形性)並びに潜伏期の間及び休眠状態の間の動的なウイルス複製である(Erickson,J.W.,Burt,S.K.(1996年)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36巻,545−571頁)。HIVの遺伝子変動性は多分、逆転写酵素の高いエラー率、ゲノム組み換え、及びヒト免疫機構の淘汰圧の組合せに由来する。
【0013】
ウイルスが、プロテアーゼ阻害剤に対するその抵抗性を増大させるために使用することができる、幾つかの可能な戦略が存在する。その中で最も重要なものは:結合に直接的に影響する酵素の結合部位における突然変異;結合に間接的に影響する酵素の結合部位の外側の突然変異;ポリタンパク質基質におけるHIV PRの切断部位の突然変異である。同様にHIV PRダイマーの安定性を減少し、それにより阻害剤への親和性が減少する突然変異は、抵抗性の一因となり得、最後に、同様に、例えば、読み枠のより効果的な移動を引き起こし得るプロテアーゼ領域の外側の突然変異である(Erickson,J.W.,Burt,S.K.(1996年)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36巻,545−571頁;Boden,D.,Markowitz,M.(1998年)Antimicrob.Agents Chemother.42巻,2775−2783頁)。
【0014】
これまでに知られているHIVプロテアーゼ阻害剤は、3つの基本的な群に分類するこ
とができる:(i)基質の遷移状態の等価体として設計された化合物(スタチン、ヒドロキシエチルアミン型、ヒドロキシメチレン型、ヒドロキシエチレン型、α,α´−ジフルオロケトン等)(ii)基質への幾何学的類似性をベースとして、理論設計を活用して提案された化合物(例えば、DMP阻害剤)(iii)例えば、生物材料から単離された天然物質のスクリーニングにより得られた、基質への偶発的な構造的類似性を有する化合物(Lebon,F.,Ledecq,M.(2000年)Curr.Med.Chem.7巻,455−477頁)。
【0015】
ウイルスプロテアーゼ阻害剤の設計は重要な問題である。基質が単純な有機分子である多くの他の酵素(例えば、酸化窒素(II)合成酵素の天然基質は、L−アルギニンであり、そのためNω−OH−Arg又はNω−Me−Argのような単純な修飾物が功を奏する阻害剤である。)とは対照的に、HIVプロテアーゼ阻害剤の設計は、遥かに複雑な課題である。その天然基質は、特定部位が認識されて切断され、ビリオンの機能的酵素及び構造タンパク質を産生するポリペプチドである。理論的には、分子モデリングの手法及び非経験的計算法の双方による特異的なHIVプロテアーゼ阻害剤の設計、並びに、同様に実践的な特異的なHIVプロテアーゼ阻害剤の設計は、低分子の基質が、天然のポリペプチドが示す酵素への親和性よりも高い親和性を示さなければならない場合、困難な問題を提示する。
【0016】
治療に用いられる全てのHIVプロテアーゼ阻害剤(サクイナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、ロピナビル及びアタザナビル)は、群(i)に分類され得る。これらはペプチド類似的な性質を有し、酵素の活性部位における競合的な阻害剤である。そのような化合物は通常好ましくない薬力学的特性(感染細胞において有効濃度レベルに到達するために、経口的にかなり高い薬量の医薬品を投与する必要がある。)を示し、後に抵抗性が来たされ得る。この抵抗性の問題を打開するために、HIV PRと既知の阻害剤の複合体のX線構造解析により得られた構造情報に基づく論理的設計により、最終的には、化学化合物のコンビナトリアル又は他のライブラリーのスクリーニングにより生み出すことができる、非−ペプチド性阻害剤を発見するために供された多数の試みがある。
【非特許文献1】Barre−Sinoussi,F.,Chermann,J.C.,Rey,F.,Nugeyre,M.T.,Chamaret,S.,Gruest,J.,Dauguet,C.,Axler−Blin,C.,Vezinet−Brun,F.,Rouzinoux,C.,Rozenbaum,W.,Montagnier,L.(1983年)Science 220巻,868−871頁
【非特許文献2】Popovic,M.,Sarngadharan,M.G.,Read,E.,Gallo,R.C.(1984年)Science 224巻,497−500頁
【非特許文献3】Gelderblom,H.R.,P.A.Marx,M.Ozel,D.Gheysen,R.J.Munn,K.I.Joy及びG.Pauli(1990年)Morphogenesis and Fine Structure of Lentiviruses.In Pearl,Lawrence(編者).Rtroviral Proteinases:Control of Maturation and Morphogenesis
【非特許文献4】Carrasco L.,Sonenberg N.,Wimmwe E.(1993年)Regulation of Gene Expression in Animal Viruses,L.Carrasco,et al.編集,Plenum Press,New York
【非特許文献5】Wlodawer,A.,Miller,M.,Jaskolski,M.,Sathyanarayana,B.K.,Baldwin,E.,Weber,I.T.,Selk,L.M.,Clawson,L.,Schneider,J.,Kent,S.B.(1989年)Science 245巻,616−621頁
【非特許文献6】Poorman,R.A.,Tomasselli,A.G.,Heinrikson,R.L.,Kezdy,F.J.(1991年)J.Biol.Chem.266巻,14554−14561頁
【非特許文献7】総説:De Clercq,E.(1998年)Collect.Czech.Chem.Commun.63巻,449−479頁
【非特許文献8】Larder,B.,Richman,D.,Vella,S.(1998年)HIV resistance and implications of therapy,MediCom Inc.,Atlanta,USA
【非特許文献9】Gulnik,S.,Erickson,J.W.,Xie,D.(2000年)Vitam.Horm.58巻,213−256頁
【非特許文献10】Erickson,J.W.,Burt,S.K.(1996年)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36巻,545−571頁
【非特許文献11】Boden,D.,Markowitz,M.(1998年)Antimicrob.Agents Chemother.42巻,2775−2783頁
【非特許文献12】Lebon,F.,Ledecq,M.(2000年)Curr.Med.Chem.7巻,455−477頁
【発明の開示】
【0017】
発明の開示
上述の欠点は、本発明のHIVプロテアーゼ阻害剤により排除されるが、該阻害剤は、各々のクラスターが6ないし12個のホウ素原子を有するボラン及び/又はカルボラン及び/又はメタラカルボランからなる群より選択されるクラスターを含み、個々のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの電荷は0、−1又は−2であり、阻害剤分子中のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの数は1ないし9個であり、メタラカルボラン阻害剤中のカルボランクラスターはコバルト、鉄、ニッケル及びルテニウムからなる群より選択される遷移金属原子に配位している。
【0018】
本発明の別の化合物は、窒素、リン、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子が前記クラスター内に存在し得る、前述のクラスターを含むHIVプロテアーゼ阻害剤である。
【0019】
本発明の最初の観点は、一般式(I)
(R1)nA(−X−Y−Z)m
(I)
(式中、Aは、アニオン性クラスターであるB10H10(2-)、B12H12(2-)、CB6H7(-)
、CB7H8(-)、CB9H10(-)、CB10H11(-)、CB11H12(-)、SiB11H12(-)、SiB11H11(2-)、SnB11H11(2-)、GeB11H11(2-)、7,8−C2B9H12(-)、7,9
−C2B9H12(-)、Si2B10H12(-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(C2B9H11)Co
(III)(C2B8H10)jCo(III)(C2B9H11)](2-)、[(1,2−C2B9
H11)2−3−Fe(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Fe(III)
](-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Ni(III)](-)、[1−(C5H5)Fe
(III)(CB10H11)](-)、[(C5H5)Co(III)(1,2−CB10H11)
](-)、[(C5H5)Ni(III)(1,2−CB10H11)](-)、[(C2B10H12)2M(III)](-)又は中性クラスターである1,2−C2B8H10、1,6−C2B8H10
、1,10−C2B8H10、1,2−C2B10H12、1,7−C2B10H12、1,12−C2
B10H12、P2B10H10、SB11H11、NB11H11、PB11H11、[(C5H5)(1,2
−C2B9H11)−3−Co(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Co(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)−3−Fe(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Fe(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)Ni(III)]、[(C5H5)Fe(II)(C3B8H11)]、[(C5H5)Ru(II)(C3B8H11)]、[(C3B8H11)2−Fe(II)]、[(C5H5)Fe
(II)(C3B7H10)]、[1−(C5H5)Fe(II)(PC2B8H10)]、[(C2B9H11)−Co(III)(C3B8H11)]、[(C2B10H12)−M(III)(C5H5)]を表わし、ここで、一般式−X−Y−Z及びR1で表される置換基は、クラスターAの炭素原子、ホウ素原子又はヘテロ原子に結合され、jは1ないし3を表わし、Mは、Fe、Co、Ni、Ruを表わし、及び、ここで、R1は、同一又は異なって、水素原子
、ハロゲン原子、メチル基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェニレン基、チオール基、メトキシ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群より選択され、mは、0、1又は2を表わし、nは、0ないし12を表わし、
【0020】
Xは、同一又は異なって、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−N(R3)−、−P(R3)−、−S−、炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基、−(CH2CH2O)q−、−O(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)q−、−(CH2CH2O)qCH2CH2
−、−(OCH2CH2)qN(R3)−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7)−、−(OCH2CH2)qN(R3)(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7
)(CH2CH2O)q−、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基を表し
、
[(1,2−C2B9H11)2−3−M(III)](-)型のメタラカルボランの場合、Xは、橋架け基である、>S、>N、>N(R3)+、>P、>O2P、>O2P(=O)、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基、独立して0ないし3個のR14で置換されたエタンジイル基の1つを表わし、置換基Yはこの橋架け基に結合し、ここで、Mは上記で定義されたものと同様であり、qは、0ないし12を表わし、
【0021】
ここでR3は、同一又は異なって、水素原子、A、−(CH2CH2O)q−A、−S(=O)k(R7)、−C(=O)(R5)、−S(=O)2N(R7)(R8)、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10で置換されたフェニル基、0ないし5個のR10で置換されたナフチル基、0ないし5個のR10で置換されたアダマンチル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし4個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここで、qは上記で定義されたものと同様であり、kは0、1又は2を表わし、
【0022】
ここでR10は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−C(=O)O(R7)、−C(=O)(R5
)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)
、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)C
(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S
(=O)2(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル
基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(
=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O)O(R7)、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、−C(R8)=N−O(R8)、0ないし5個のR11で置換された炭素原子数5ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここでkは、上記で定義されたものと同様であり、
【0023】
ここでR7は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR14で置換されたフェニル
基、0ないし3個のR14で置換されたフェニルメチル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルアミノカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数3ないし6のアルコキシアルキル基を表わし、R7が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用され
る如何なる基をも意味し、R7が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護するため
に通常使用される如何なる基をも意味し、
【0024】
ここでR14は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2NH2、−NH2、−C(=O)OH、−C(=O)(炭素原子数1ないし3のアルキル
)、−OH、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−C(=O)NH2、−O
C(=O)NH2、−NHC(=O)NH2、−S(=O)2NH2、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ニトロ基、炭素原子数1ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、
−B(OH)2、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−NH2で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O
)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、アリール(炭素原子数1ないし3のアルキル)基、炭素原子数5ないし14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同様の複素環を表わし、
【0025】
ここでR6は、炭素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、−C(=O)OH、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−O(R7)
、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、−N(R7)(
R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロ
キシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−S(=O)k(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、−NHS(=O)2(R8
)、−OCH2C(=O)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C(R8)=N−O(R8)、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテ
ロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし3個のR9で置換された同様の複素環
、他の末端が環の隣接炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR6が飽和炭
素原子に結合する場合、R6は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k及びR7は上記で定義されたものと同様であり、
【0026】
ここでR8は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、炭
素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数2ないし6のアルケニル基、フェニルメチル基、アミノ基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基(該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基からなる群から独立して選択される0ないし3個の基で置換されている。)を表わし、R8が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用される
如何なる基をも表わし、又は、R8が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護する
ために通常使用される如何なる基をも表わし、
【0027】
ここでR9は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表わし、
【0028】
ここでR6は、窒素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアル
キル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、C(R8)=N=O(R8)(式中、R7
及びR8は上記で定義されたものと同様である。)を表わし、
【0029】
R7及びR8はまた、基−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CH2CH2N(R9)CH2CH2−又は−CH2CH2OCH2CH2−を形成するように結合することができ、
【0030】
ここでR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、フェニルメチル基、フェネ
チル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、アジド基、ホルミル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−OCH2C(=O)OH、−C(=O)O(R7)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ない
し6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)
、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7
)(R8)、−N(R7)C(−O)N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−
N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2(R7)、−S(=O
)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のア
ルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、0ないし2個のR6で置換された−(炭素原子数
1ないし3のアルキル)アリール基、0ないし3個のR6で置換された炭素原子数5ない
し14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同
様の複素環を表わし、
ここで、k、R6、R7及びR8は上記で定義されたものと同様であり、
【0031】
ここでR11は、炭素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェネチル基、フェノキシ基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(NH2)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジ
オキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、−NHS(=O)−(R8)、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C
(=O)O(R7)、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)N(R7)N(R7)(
R8)、シアノ基、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のハロアルケニル基、炭素原子数2ないし4のハロアルキニル基、−N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−NO2、
−O(R7)、−N(R12)(R13)、−S(=O)k(R7)、−S(=O)kN(R7)
(R8)、−C(=O)N(R7)(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−C(=
O)(R5)、−OC(=O)(R5)、−OC(=O)O(R7)、フェニル基、−C(
=O)N(R7)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、−N(R7)(R8)、−C(
=O)N(R12)(R13)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−N(R7)C(=O)O(R7)、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基(該アルコキシ基は、R5、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、−OC(=O)O(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)又はヒドロキシル基からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、炭素原子数1ないし4のアルキル基(該アルキル基は、R5、=N(R8)、=NN(R7)C(=O)N(R7)(R8)又は−
N(R7)(R8)からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、0ないし4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし
4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルキニル基、酸素、硫黄及び窒素から
なる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環、他の末端が環の次の炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR11が飽和炭素原子に結合する場合、R11は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k、R5、R7及びR8は上記で定義されたものと同様であり、
【0032】
ここでR12は、同一又は異なって、水素原子又は炭素原子数1ないし3のアルキル基を表わし、
【0033】
ここでR13は、同一又は異なって、−C(=O)N(R7)(R8)、−C(=O)N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)C(=O)O(R7)、−C(=O)H、−C(=O)(R5)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、
−N(R7)(R8)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−N(R7)
C(=O)O(R7)を表わすか又はカルボキシル基を介して窒素原子に結合したアミド
により結合された1ないし3個のアミノ酸基を表わし、
ここでR5、R7及びR8は、上記で定義されたものと同様であり、
【0034】
ここでR11は、窒素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキ
ル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基又は−C(R8)=N−O(R8)を表わし、ここでR7及びR8は、上記で定義されたものと同様であり、
【0035】
ここでR11は、硫黄原子に結合する場合、=Oを表わし、
【0036】
ここでYは、同一又は異なって、R2及びR3からなる群から独立して選択される0ないし4個の置換基で置換された炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基;0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のシクロアルカンジイル基;−X−;−C(=
O)−;−(CH2CH2O)q−;−O(CH2CH2O)q−;−(OCH2CH2)q−;
−(CH2CH2O)qCH2CH2−;−S(=O)k−;−P(=O)(OR3)−X−;
−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−C(=O)−X−;−(CF2)q−;0ないし3個のR14で独立して置換されたフェニレン基を表わし、ここで、k、q、X、R3及びR14は上記で定義されたものと同様であ
り、
【0037】
ここでR2は、同一又は異なって、水素原子、−A、−X−A、−O(R7)、−S(R7
)、−N(R7)、−C(=O)O(R7)、ケト基、0ないし3個のR5で置換された炭
素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR5で置換された炭素原子数2ないし
8のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、0ないし5個のR14で独立して置換されたフェニル基、0ないし3個のR5で置換されたアルキニル基、炭素原子数1ないし8のパ
ーフルオロアルキル基、0ないし3個のR5若しくは0ないし3個のR6で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環、オリゴエチレングリコール、R6を表わし、ここでA、X、R5、R6、R7、R11及びR14は上記で定義されたものと同様であり、
【0038】
ここでR4は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR10で置換された炭素原子
数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、ここでR10及びR11は上記で定義されたものと同様であり、
【0039】
ここでZは、同一又は異なって、水素原子、A、−X−A、(−X−A)2、−C(=O
)−X−A、−CH(OH)−X−A、−CH(NH2)−X−A、−NH−A、−NH
−CH(OH)CH−NH−A、−S(=O)k−X−A、−O−P(=O)(OR3)−X−A、−O−P(=O)(N(R3)(R4))−X−A、R3、R7、R10、0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のアルキル基、−OH、−O(R3)、0ないし4個のR3で置換されたカリックス[4]アレン基を表わし、ここでk、A、X、R2、R3、R4、R7及びR10は上記で定義されたものと同様である。)で表されるHIVプ
ロテアーゼ阻害剤及びそれらの医薬的に許容される塩である。
【0040】
本発明の別の観点は、一般式(II)
(R1)nA(−X−Z)m
(I)
(式中、A、X、Z及びR1並びにm、nは上記で定義されたものと同様である。)で表
されるHIVプロテアーゼ阻害剤及びそれらの医薬的に許容される塩である。
【0041】
本発明の更なる別の観点は、同様にHIVプロテアーゼ阻害剤である新規化合物:
略称: 化合物:
GB−1 [8−HO−(CH2−CH2O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2
B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−8 [8−(OH−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−12 [8,8´−μ−O−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−16 [8−(O−P(=O)(OH)2)−(1,2−C2B9H10)(1´,2
´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−19 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−8´,10´−(OH)2−
(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−21 [(8−((C6H5)(OH)CH−CH−O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−22 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−23 [(C2B9H10)2−3−Fe]Na・4H2O
GB−24 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2−CH(OH)−CH2−8´´,8´´´−μ−NH−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H10)]
GB−25 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)4−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)3´´,3´´
´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−26 [8,8´−μ−(1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−27 [4,8´−8,4´−μ−(1,2−C6H4)2(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)−3,3´−Co]Na
GB−28 [8,8´−μ−((4−C6H5)−1,2−C6H3)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−29 [4,8´−μ−((4−CH3)−1,2−C6H4)−8,4´−μ−(
(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)
−3,3´−Co]Na
GB−30 [8,8´−μ−((4−CH3)(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−31 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−35 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−D,L−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−40 [(8−(C6H5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−41 [(8−((3−CF3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−42 [(8−((2−CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−43 [(8−((4−C(C6H5)3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−44 [(8−((4−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−45 [(8−(C6F5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−46 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CB10H10)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(
1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−47 [(8−((2−OCH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−48 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2CH2CH3)−CH2CH2OCH2CH2−8´
´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−49 [(8−((CB10H10)NH−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9
H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−50 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(CH2CH3)2−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−51 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−52 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2N(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−
Co]Na
GB−53 [(8−((CH2)6(CH)3CCH2−O−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−54 [(8−(C6F5O−(CH2)5O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−55 [(8−((C6H5CH2OCH2)2(HOCH2)C−CH2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−56 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−
8−(OCH2CH2)2OCH2C(C6H5CH2OCH2)CH2(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−57 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(SO2((4−CH3)−C6H5))−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´
,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−58 [(8−((C6H5CH2)2CH−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−59 [(8−((C6H5CH2)2CH−(CH2)5O−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−60 [(8−((5−(CH3)2N)−1−C10H6−SO2NH−(CH2−C
H2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]NaGB−61 [(8−((C2B10H11)−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−63 [(8−(C6H4(CO)(SO2)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−64 [(8−(C6H4(CO)(CO)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−65 [(8−(((4−CH3)−C6H4SO2)2N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−67 [(8−((4−NH2)−C6H4SO2NH−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−69 [(8−(NH3−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−70 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−71 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−N(CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11))2]Na2
GB−72 [(8−(カリックス[4]アレン−O−(CH2−CH2O)2)−1,2
−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−73 [1,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2
B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)2−カリックス[4]アレン]Na2
GB−74 [1,2,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−カリックス[4]アレン]Na3
GB−75 [1,2,3,4−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)4−カリックス[4]アレン]Na4
GB−76 [(8−((3−OH)(5−OH)−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−77 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2(−3−O−(C6H3(1−OH))−5−O)−CH2CH2O
CH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−78 [1,3,5−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−C6H3]Na3
GB−79 [((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−NH]Na2
GB−80 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−
8−(OCH2CH2)2NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´
−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−82 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−S−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−85 [(8−((2−CH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−87 [(8−(2,6−(CH2C6H5)2−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−88 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−89 [(8−((2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−90 [(8−((2−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−91 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2−SO2NH−(CH2−CH2
O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−92 [(8−((2−CH2CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2
)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−94 [(8−((2−Br)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−95 [(8−(2,4,6−(Br)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−96 [(8−Cl−1,2−C2B9H10)(8´−Cl−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−97 [(8−I−1,2−C2B9H10)(8´−I−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−98 [(8,9,12−(Cl)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Cl)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−99 [(8,9,12−(Br)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Br)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−102 [(8−(NH2(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−103 [(8−(NH2(C6H5CH2)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−104 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2C6H5)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2
B9H11)]Na
GB−105 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2OH)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−
O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−106 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(C(CH3)3)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O
−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
で表される化合物及びそれらの医薬的に許容される塩である。
これらの構造式は図1に描かれている。
【0042】
本発明に従う新規化合物、GB−21、GB−40、GB−41、GB−43、GB−44、GB−45、GB−49、GB−51、GB−52、GB−53、GB−54、GB−55、GB−58、GB−59、GB−60、GB−61、GB−63、GB−64、GB−65、GB−67、GB−70、GB−76、GB−82、GB−85、GB−87、GB−88、GB−89、GB−90、GB−91、GB−92、GB−94、GB−95、GB−102、GB−103の製造方法であって、
8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(式中、Lは、脱プロトン化されたヒドロキシ基及び/又はアミノ基及び/又は置換されたアミノ基及び/又はアミド基及び/又はスルホンアミド基及び/又はチオエーテル基からなる群より選択され、Y及びZは前記で定義されたと同様である。)で処理される工程を含む製造方法である。
【0043】
該方法は、他の化合物の文献中に記載されている(Plesek J.,Gruner
B.,Hermanek S.,Baca J.,Marecek M.,Janchenova J.,Lhotsky A.,Holub K.,Selucky P.,Rais J.,Cisarova I.,Caslavsky J.,Polyhedron 2002年,21巻,975−86頁;Gruner B.,Plesek J.,Baca J.,Cisarova I.,Dozol J−F.,Rouquette H.,Vinas C.,Selucky P.,Rais J.,New J.Chem.2002年,26巻,1519−1527頁;Sivaev I.B.,Starikova Z.A.,Sjoberg S.,Bregadze V.I.,J.Organomet.Chem.2002年,649巻,1−8頁)が、しかし、ここでは新規化合物のための改良された方法が使用されている。
【0044】
本発明に従う新規化合物、GB−22、GB−25、GB−35、GB−46、GB−48、GB−50、GB−56、GB−57、GB−71、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−104、GB−105、GB−106の製造方法は、類似の方法の工程を含む。8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が、同様に化合物L−Y−Z又はL−Zで処理される。しかしながら該反応はより多くの活性プロトンがポリオール、アミン、アミド及びスルホンアミドで連続的に置換されるように繰り返し行われる。この方法において、調製された化合物は1個より多くのコバルト ビス(ジカルボリド)クラスターを含有する。シリカゲルにより液体クロマトグラフィーを用いて中間体を精製するのが好都合である。
【0045】
本発明に従う新規化合物GB−54及びGB−59の製造方法は、8−テトラヒドロフラン−コバルト ビス(ジカルボリド)が、脱プロトン化されたペンタフルオロフェノール又は脱プロトン化されたジベンジルメタノールで処理される工程を含む。
【0046】
本発明に従う新規化合物GB−19の製造方法は、化合物GB−31(カナスチド(Canastide))が、高温において硫酸溶液で処理される工程を含む。該生成物は結晶化及びシリカゲルによる液体クロマトグラフィーにより精製される。
【0047】
本発明に従う新規化合物GB−24の製造方法は、水素化ナトリウムで脱プロトン化され、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DME)に溶解された化合物[(1,2−C2B9H10)−3,3−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH]が室温においてエピクロロヒドリンで処理され、生成物がシリカゲルカラムによる反応混合物の精製により得られる工程を含む。
【0048】
本発明のもう一つの観点は、一般式(I)、(R1)nA(−X−Y−Z)mで表される
前記化合物及び/又は一般式(II)、(R1)nA(−X−Z)mで表される前記化合物
、好ましくは上記の新規化合物から選択される少なくとも1種のHIVプロテアーゼ阻害剤を含む、HIVに感染した患者の治療において使用するための及びAIDSの治療において使用するための医薬組成物である。
【0049】
新規な構成要素としてのクラスターホウ素化合物誘導体の導入は、他の阻害剤に対して耐性を有するHIVプロテアーゼ及びその突然変異体において非常に顕著な阻害特性をもたらす。それらはインビトロ及びインビボの双方において有用である。それらは高い有効性と安定性により特徴付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、実施例に記載された化合物の構造を示す図である。各化合物は、略称で表記される。
【図2】図2は、化合物GB−16とHIV−1プロテアーゼの相互作用のモデルを示す図である。
【図3】図3は、HIV−1プロテアーゼの活性部位の中へ挿入した化合物GB−24のモデルを示す図である。
【図4】図4は、阻害剤GB−16の存在下での基質濃度に対する酵素反応速度の依存性を図式的に表す図である。
【図5】図5は、プロウイルスのクローンNL4−3で形質転換された組織培養におけるGB−8、GB−12及びGB−16阻害剤の阻害効果を表す図である。
【図6】図6は、プロウイルスのクローンNL4−3で形質転換された組織培養におけるGB−48阻害剤の阻害効果を表す図である。
【実施例】
【0051】
本発明は、更なる限定と解釈されるべきでない以下の実施例により詳細に説明される。1.分子モデリング
2.新規化合物の合成
3.既知化合物の合成
4.インビトロにおける既知及び新規化合物の活性の試験
5.組織培養におけるHIVウイルス感染阻害の試験
【0052】
実施例において教示される全ての化合物の構造及び略称を図1に示した。灰色のボールは水素原子又は置換基を有するホウ素原子を表し、黒色のボールは水素原子又は置換基を有する炭素原子を表し、コバルト及び鉄原子はその原子記号で表記した。クラスター中の原子は標準の方法で番号を付した。NMRスペクトルにおける化学シフトはppmで表した。
【0053】
1.分子モデリング
本発明の基本的な哲学的コンセプトはボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターを含むHIVプロテアーゼ阻害剤である。医薬において、今まで、ホウ素中性子捕捉療法(NCBT)(Larson B.et al.(1997年)Advances in Boron Neutron Capture Therapy.第1巻、Elsevier Science B.V.;Soloway A.H.et al.(1998年)Chem.Rev.98巻、1515−1562頁;Hawthorne M.F.、Maderna A.(1999年)Chem.Rev.99巻、3421−3434頁;Hawthorne M.F.(1993年)Angew.Chem.Int.Ed.,32巻、950−984頁;Valliant J.F.et al.(2002年)Coord.Chem.Rev.232巻、173−230頁;Sivaev I.B.et al.(2002年)Russ.Chem.Bull.,Int.Ed.,51巻、1362−1374頁;Hawthorne M.F.,
Lee M.W.(2003年)J.Neurooncol.,62巻、33−45頁))のためにのみ設計及び使用されたこれらのクラスターは、タンパク質との選択的な相互作用のための、新規で活性的に重要な構造ユニットを意味し、またそのため、高い治療活性を伴う高い効果を有する安定な非−毒性の阻害剤の開発を意味する。
分子モデリングによるカルボランケージに基づく阻害剤のHIVプロテアーゼへの提案された結合様式の解析のために2化合物:GB−16及びGB−24が選択された。類似の化合物[8,8´−μ−プロパルギルチオ−(1,2−C2B9H10)2−3−Co]-が出発結晶構造(ケンブリッジ構造データベースコード:TENQAE)(Vohlidal et al.(1996年)Collect.Czech.Chem.Commun.,61巻、877−887頁)として使用された。分子モデリング手法により各結合鎖において、水素原子が付加され、硫黄原子はリン酸基で置き換えられた。付加された原子又は基は半経験的手法MNDOにより最適化された。化合物モデルは、QF34阻害剤テンプレート(プロテインデータバンクコード1IZI)(Weber J.,Mesters J.R.,Lepsik M.,Prejdva J.,Svec M.,Sponarova J.,Mlcochova P.,Skalicka K.,Strisovsky K.,Uhlikova T.,Soucek M.,Machala L.,Stankova M.,Vondrasek J.,Klimkait T.,Kraeusslich H.G.,Hilgenfeld R.,Konvalinka
J.(2002年)J.Mol.Biol.,324巻(4号)、739−754頁)に従って、野生型HIV−1の活性部位の中へ挿入された。
分子モデリング法の結果はメタラカルボランクラスターに基づく化合物が阻害剤のHIVプロテアーゼ活性部位中への結合のための立体的及び大きさの要件を満たすことを示した。更に、HIVプロテアーゼと阻害剤の複合体の構造は本発明の化合物の2つの特筆すべき利点を示した。第1に、阻害剤の酸素原子とプロテアーゼの酸素原子間の測定された距離からメタラカルボラン阻害剤の官能基が触媒的アスパラギン酸塩と橋架け水素結合を形成し得るような位置を占有することができることが明白である(図2)。第2に、HIVプロテアーゼ活性部位とメタラカルボラン阻害剤の間の顕著な表面補完性は、強力な結合を確実にする酵素の空洞(図3)との強力な疎水性相互作用を提供する。
【0054】
図2はGB−16化合物(1)とHIVプロテアーゼ活性部位の一部である触媒的アスパラギン酸塩Asp25及びAsp25´(2)の相互作用のモデルを示す。GB−16阻害剤の原子はボールとして示され、スティックは原子間の結合を表す。GB−16阻害剤原子の色表示は以下の通り:黒色のボールは炭素原子を表し、灰色のボールはホウ素原子を表し、白色のボールは酸素原子を表し、及びリン(P)原子及びコバルト(Co)原子はそれらの原子記号で表示される。小さな白色のボール及びそれらの間の白色線は、触媒的アスパラギン酸塩Asp25及びAsp25´を構成する原子及び結合を表す。番号を伴った線は触媒的アスパラギン酸塩の酸素原子とGB−16阻害剤の間の距離(オングストロームによる、1オングストローム=0,1nm)を表す。前記距離が2,5Åを超えないという事実で、GB−16の官能基と触媒的アスパラギン酸塩の位置が橋架け水素結合の形成のために最適であることが確かとなった。HIVプロテアーゼ活性部位(触媒的アスパラギン酸を除外した)はスティックモデル及び灰色の着色により示された。
【0055】
図3はHIV−1プロテアーゼ活性サイト中に挿入されたGB−24化合物のモデルを示す。阻害剤の表面がプロテアーゼの空洞に対して高い補完性を有するように思われる。主に疎水性表面のこの接近はGB−24阻害剤とHIV−1プロテアーゼの間の強力な結合を誘導する。阻害剤(1)のファンデアワールス表面は空間−充てんモデル(黒色)で示され、一方、HIVプロテアーゼの空洞はコノリー表面(灰色の点)として示される。HIVプロテアーゼの触媒的アスパラギン酸塩Asp25及びAsp25´(2)は黒色に着色され、一方、活性部位の残りは灰色で着色された。
【0056】
2.新規化合物の合成
新規化合物GB−21、GB−22、GB−25、GB−35、GB−40、GB−41、GB−43、GB−44、GB−45、GB−46、GB−48、GB−49、GB−50、GB−51、GB−52、GB−53、GB−54、GB−55、GB−56、GB−57、GB−58、GB−59、GB−60、GB−61、GB−63、GB−64、GB−65、GB−67、GB−70、GB−71、GB−76、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−82、GB−85、GB−87、GB−88、GB−89、GB−90、GB−91、GB−92、GB−94、GB−95、GB−102、GB−103GB−104、GB−105及びGB−106の一般的合成法。
化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(1.5mmol)(ここで、L、Y及びZは上記で定義される。)がベンゼン(1.5mL)及び1,2−ジメトキシエタン(3mL)中の水素化ナトリウム(80%、オイル保護)(0.1g、3.3mmol)の懸濁液へ添加された。8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)(0.50g、1.22mmol)又は8−テトラヒドロフラン−コバルトビス(ジカルボリド)(0.48g、1.22mmol)が、その後添加され、そして反応混合物は70℃まで加熱された。反応経過は、反応するコバルトビス(ジカルボリド)に関連するスポットが消失するまで薄層クロマトグラフィーにより観察された(シルフォール(Silufol)においてRf=0.6、溶離液CHCl3)。反応は通常5ないし10分で完結した。室温まで冷却し
た後、10mLのジエチルエーテルが添加され、混合物はその後、ろ紙を通してろ過され、それはその後、数mLのエタノールで洗浄された(残存するNaHの除去)。ろ液は真空下でエバポレートされ、残渣に20mLの水が添加され、残存する溶媒を除去するために懸濁液の約2mLがエバポレートされた。生成物はその後ジクロロメタン(総量10mL)で2回抽出された。相分離を加速するために塩化ナトリウムが添加されるべきである(0.2g)。合わされた有機画分はろ紙を通してろ過され、薄層クロマトグラフィーでチェックされた(シルフォール(Silufol)、アセトニトリル/クロロホルム 1:2 v/v)。単一スポットのみが存在する場合、ジクロロメタン溶液に対して2倍量のヘキサンが注がれ、該系は少なくとも2日間結晶化するために放置された。生成物はその後、結晶の形態又は固化オイルの形態で現れた。後者においては、上澄みが油層からデカントされるが、それはその後、50℃において真空下で脆弱な泡状物に変換された(約15分)。
初期の生成物のTLCが1スポットより多い場合、生成物はシリカゲルに付され、混合物の成分はアセトニトリル/クロロホルム(1:2 v/v)を用い混合物の緩徐な溶出により分離された。移動相のエバポレーションの後、該成分は上述のようにして後処理された。生成の収率はコバルトビス(ジカルボリド)の初期量に対してほぼ定量的であった。ナトリウム塩は通常1個のNa+カチオンに対して2分子の水の状態で結晶化した。
化合物GB−35、GB−46、GB−48、GB−50、GB−56、GB−57、GB−71、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−104、GB−105及びGB−106のために、前記手順は、ポリオール、ポリフェノール、アミン、アミド及びスルホンアミドにおける活性プロトンの置換が所望の程度に達するまで繰り返された。この手順により得られた化合物は、1つより多いコバルトビス(ジカルボリド)クラスターを含んでいた。
【0057】
新規化合物の一般的合成法に従って製造した化合物の特性
上述の方法により製造された化合物は、Y−Z基又はZ基の1H−NMRシグナル以外
は殆ど同一の分子の1H及び11B NMRスペクトルを有していた。全ての新規化合物は1H及び11B NMRスペクトルにより特徴付けられ、該データは以下に記載された一般的特徴に要約され得る。
1H−NMRスペクトルにおいて、2つのCHカルホ゛ラン基:4.23ppm(s,
H)及び3.10ppm(s,2H)が特徴的であり、同様にO−CH2CH2O−B基:4.11−3.60ppm(t,2H)及び3.81−3.20ppm(t,2H)、O
−CH2CH2O−基:両CH2−基が4.5−2.0ppm(m,4H)の範囲内で共鳴
した、が特徴的であった。水和水:約4.3ppmにおいて特徴的な幅広いシグナル。
11B NMR:強度比1:1:2:2:2:1であるシグナルの2個の6重線、即ち理論的に12個のシグナル。11個のシグナルが識別可能であり、2個のシグナルが通常合併される(例えば、−22.1ppmにおいて)。約23ppmのシグナルのみが1重線(B(8´)−O−に対応)であり、他は2重線である。スペクトルの例外的に広い範囲(
約52ppm、+22.93ppmから−28.42ppmまで)が置換されたジカルボリド配位子のスペクトルの範囲により決定された。未置換のジカルボリド配位子のシグナルはより狭い範囲(約22.5ppm)内であり、元のコバルトビス(ジカルボリド)のシグナルとの比較において僅かに移動しただけである。これに基づき、それらを識別することができるが、時々それらは置換された配位子のスペクトル中に隠される。
例として以下を実証する。
【0058】
GB−21
1H−NMR:400MHz、アセトン−d6、8.01(s,1H,HO−)、7.24−7.17(m,10H,重なった2個のフェニル基)、4.24(幅広s,2H,H2
O)、CHカルホ゛ラン:4.23(s,H)及び3.10(s,2H)、基O−CH2
CH2O−B:4.11(t,2H)及び3.81(t,2H)、基O−CH2CH2O−
:両CH2基は重なる:3.64−3.59(m,4H)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:23.92s(2B,B8)、5.5
7d(2B,B8´)、0.5d(2B,B10´)、−2.47d(2B,B10)、−4.6d(4B,B4´,7´)、−6.92d、−7.347d(8B,B9,12,9´,12´)、−8.63d(4B,B4,7)、−17.17d(4B,B5´,11´)、−20.21d(4B,B5,11)、−21.97d(2B,B6´)、−28.44d(2B,B6)。
【0059】
GB−22
1H−NMR:400MHz、アセトン−d6、7.33−7.24(非対称.m.,10H,2個のPh−基)、3.78(s,2H,2個のCH基)、2.65(s,8H,2×2H2O)、CHカルホ゛ラン:4.2(s,H)及び3.1(s,2H)、基O−C
H2CH2O−B:4.1(t,2H)及び3.8(t,2H)、基O−CH2CH2O−:両CH2基:3.6(m,4H)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:23.92s(2B,B8)、5.5
7d(2B,B8´)、0.5d(2B,B10´)、−2.47d(2B,B10)、−4.6d(4B,B4´,7´)、−6.92d、−7.347d(8B,B9,12,9´,12´)、−8.63d(4B,B4,7)、−17.17d(4B,B5´,11´)、−20.21d(4B,B5,11)、−21.97d(2B,B6´)、−28.44d(2B,B6)。
【0060】
GB−25
1H{11B選択的}NMR:400MHz、アセトン−d6、:4.15(2H,CHカルホ゛ラン)、4.104(4H,CHカルホ゛ラン)、3.790−3.712m(12H,CH2O−)、3.632m(4H,CH2O−)、[2.95](H10´)、[2.89](H4´,7´)、[2.69](H10)、[2.61](H8´)、[2.058](H9´,12´)、[1.846](H4,7,9,12)、[1.73](H6´)、[1.622](H5´,11´)、[1.541](H5,11)、[1.46](H6)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:23.92s(2B,B8)、5.5
7d(2B,B8´)、0.5d(2B,B10´)、−2.47d(2B,B10)、−4.6d(4B,B4´,7´)、−6.92d、−7.347d(8B,B9,12
,9´,12´)、−8.63d(4B,B4,7)、−17.17d(4B,B5´,11´)、−20.21d(4B,B5,11)、−21.97d(2B,B6´)、−28.44d(2B,B6)。
【0061】
GB−19の合成
Curchill AH,Reis JN,Francis JN,Hawthorne
MF(1970年)J.Am.Chem.Soc.92巻、4993−4994頁;St.Clair D,Zalkin A,Templeton DH.(1969年)Inorg.Chem.10巻、2080−2086頁中で記載されたようにして生成された[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Cs2(1g、13mmol)を60%(w/w)H2SO4の50mLと合わせ、その懸濁液をモノヒドロキシ誘導体のピークの約90%が消
失する(反応経過はGruner B.,Plzak Z.:J.Chromatogr.A(1997年)789巻、497頁中で教示される疎水性ボレートアニオン分析の方法を用いるHPLCにより観察された。)まで35時間125℃(浴の温度)まで加熱した。反応混合物を冷却した後、150mLの水を添加し、生成物をジエチルエーテル(3×20mL)中へ抽出した。合わされたエーテル層へ水(20mL)を添加し、エーテルを真空中でエバポレートした。該水溶液へ水10mL中の塩化セシウム(1.0g)溶液を添加し、結果として得られる懸濁液はろ去され、風乾された。固体物質は水(15mL)と合わされ、該懸濁液は85℃で水浴中で加熱された。固体相が溶解するまでエタノールを添加した。沈殿した結晶はろ去され真空中乾燥され、溶媒の混合物CH3CN−CH2Cl2 1:2に再溶解し、1:1までの勾配を有する移動相CH3CN−CH2Cl2 1:2でメルク(Merck)60μmカラムでの低圧クロマトグラフィーでクロマトグラフィーに付された。溶媒をエバポレートした後、固体相をエタノール−水(1:1)の熱い混合物中に溶解し、CsCl(500mg)を添加し、溶液を室温まで冷却して結晶化させるために2日間放置した。暗赤色の結晶をろ去し、エタノール−水混合物から再結晶した。収率:非対称的に置換された異性体390mg(37%)、中心のクラスターにおいて対称的に置換された異性体105mg(10.1%)。
対称的異性体:1H{11B選択的}NMR:400MHz、アセトン−d6、:3.564(4H,CHカルホ゛ラン)、3.336(2H,CHカルホ゛ラン)、[3.288](BH)、[2.775](BH)、[2.593](BH)、[2.406](BH)、[1.737](BH)、[1.740](BH)、[1.631](BH)、[1.550](BH)、[1.424](BH)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:28.28d(2B)、4.59d(
2B)、−2.23d(4B)、−4.16d(2B)、−7.85d(8B)、−8.89d(2B)、−18.98d(4B)、−22.92d(2B)。
二セシウム塩を以下に示す手順により二ナトリウム塩(GB−19)へ変換した:塩の100mgを3M HCl(10mL)とジエチルエーテル(10mLL)の間で振盪し、有機層を分離し、3M HCl(10mL)で2回振盪した。有機層をNa2CO3の10%水溶液の20mL、水の20mLでゆっくり3回振盪し、エーテル相を分離し、真空中、80℃でエバポレートし、乾燥した。
【0062】
GB−24の合成
著作物(Plesek J,Hermanek S,Base K,Todd LJ,F.WW.(1976年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.41巻、3509−3515頁;Plesek J,Rajabi FH,Vangani V,Fusek J.(1994年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.59巻、1326−1336頁)において教示されるようにして生成されたアミノ誘導体[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH]の二つの150mg(0.
44mmol)を2つのフラスコ中のジエチレングリコールジメチルエーテル(DME)(15mL)に溶解し、両方の溶液へ、広い比表面積(2m2g-1)を有する水素化ナト
リウム12mgを乾燥窒素雰囲気中、撹拌下で添加した。フラスコAにおける反応混合物を常温において1時間撹拌し、その後エピクロロヒドリン35μLをセプタムを介して添加し、反応混合物を常温で2時間撹拌した。フラスコBの内容物をカニューレによりフラスコAに添加した。反応混合物を常温で2時間撹拌し、その後、26時間還流下で撹拌した。反応混合物を冷却した後、クロマトッグラフィーのためのシリカゲル(メルク、2g)をフラスコ中へ添加し、溶媒をエバポレートした。反応生成物で覆われたシリカゲルをシリカゲルカラム(2×25cm)へ移し、生成物を未反応の出発物が洗い流されるまでベンゼン−ヘキサン 2:1混合物で溶出し、その後、ベンゼンで溶出した。RF=0.
37であるTLC(シルフォール(Silufol)、ベンゼン)の赤色スポットに対応する化合物を含む溶液を収集した。溶液をエバポレートし、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収率:105mg(32%)
1H NMR:400MHz、アセトン−d6、:7.41(2H,NH),4.791(2H,CH2),4.241(2H,CH),3.296(8H,CHカルホ゛ラン)。
11B NMR,128MHz,アセトン−d6:5.044s(4B)、−1.021d
(4B)、−8.66d、−9.891d、−11.15d(16B)、−15.77d(8B)、−25.59d(4B)。
【0063】
3.既知化合物の合成
GB−1
化合物は、水性ジオキサン中、確立された中性化合物8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)誘導体(Plesek J,Hermanek S,Franken A,Cisarova I,Nachtigal C.(1997年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.62巻、47−56頁)と水酸化ナトリウムとの反応による以下に示す手順下で調製された:8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)1.0gをジオキサン−水混合物4:6の50mLに溶解し、10%水酸化ナトリウム溶液10mLを添加した。反応混合物を2時間80℃まで加熱した。混合物を冷却した後、100mLの水を添加し、低い温度においてジオキサンをエバポレートし、その後3M HClを50mL添加した。水相をジエチルエーテル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×20mL)で洗浄し、分離した。50mLの水を添加した後、エーテルをエバポレートした。エタノールを生成物が溶解するまで添加し、生成物はその後、過剰の水性(CH3)3N.HClにより沈殿させ、ろ過し、真空中で乾燥した。(8−HO−(CH2−CH2O)2−1,2−C2B9H10)(1´,2´
−C2B9H11)−3,3´−Co](CH3)3NHの収率:0.99g、86%。
1H NMR:アセトン−d6、:4.27(2H,CHカルホ゛ラン)、4.11m(2H,CH2−O)、3.97s(2H,CH2)、3.81(2H,CH2−O)、3.6
4−3.59m(4H,2CH2−O)、3.10s(2H,2CHカルホ゛ラン)、[
2.95](H10´)、[2.79](H4´,7´)、[2.72](H10)、[2.90](9H,(CH3)3NH)、[2.48](H8´)、[2.06](H9´,12´)、[2.06,1.81](H4,7,9,12)、[1.73](H6´)、[1.68](H5´,11´)、[1.59](H5,11)、[1.49](H6)。
11B NMR:アセトン−d6:23.8s(B8)、5.2(B8´)(131)、0
.5(B10´)(135)、−2.5(B10)(139)、−4.6(B4´,7´)(142)、−7.0d、−7.5d(B9,12,9´,12´)(重複)、−8.7(B4,7)(176)、−17.2(B5´,11´)(150)、−20.3(B5,11)(150)、−22.1d(B6´)(重複)、−28.5(B6)(135)。
M.S.m/z=415.3
元素分析:%B計算値:41.22、実測:40.84、%Co計算値:12.49、実測:12.33
トリエチルアンモニウム塩は以下に示す手順によりナトリウム塩へ変換された:塩の1gを3M HCl(50mL)とジエチルエーテル(30mL)の間で振盪し、有機層を分離し、3M HCl(50mL)で2回洗浄した。有機層をNa2CO3の10%水溶液の50mL、水の50mLで3回洗浄し、エーテル相を分離し、エバポレートして乾燥した。生成物は真空中で乾燥した。文献において、異なった、より複雑な方法によるこの化合物の生成を見出すことができる(Sivaev IB,Starikova ZA,Sjoberg S,Bregadze VI.(2002年)J.Organomet.Chem.649巻、1−8頁)。
【0064】
GB−8
化合物は、文献中に教示される方法により、高温で希H2SO4を用いるコバルトビス(ジカルボリド)アニオンの直接ヒドロキシ化により生成された(Plesek J,Gruner B,Baca J,Fusek J,Cisarova I.(2002年)J.Organometal.Chem.649巻、181−190頁)。
【0065】
GB−12
コバルトビス(ジカルボリド)の橋架け誘導体は未置換のイオンとパラホルムアルデヒドの反応による既知の方法に基づき調製された(Plesek J,Hermanek S,Base K,Todd LJ,F.WW.(1976年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.41巻、3509−3515頁)。
【0066】
GB−16
文献において教示された通りの化合物は上述の化合物GB−8と塩化ホスホリルの反応及びそれに続く、事前に中間体の加水分解により調製された(Plesek J,Gruner B,Cisarova I,Baca J,Selucky P,Rais J.(2002年)J.Organometal.Chem.657巻、59−70頁)。
【0067】
GB−23
化合物は文献中で教示された方法により調製された(Hawthorne MF,Young DC,Wegner PA(1965年)J.Am.Chem.Soc.87巻、1818頁)。
【0068】
GB−26及びGB−27
化合物は、文献中で教示された方法により、AlCl3で触媒される高温でのベンゼン
とコバルトビス(ジカルボリド)の反応により調製された(Plesek J,Hermanek S.(1995年)Coll.Czech.Chem.Commun.60巻、1297−1302頁)。
【0069】
GB−28、GB−29及びGB−30
化合物は、文献中で教示された方法により、AlCl3で触媒される高温でのコバルト
ビス(ジカルボリド)とビフェニル(GB−28の場合)との、トルエン(GB−29の場合)との及び1,2−ジメチルベンゼン(GB−30の場合)との反応により調製された(Teixidor F.,Casensky B.,Dozol J.F.,Hermanek S.,Mongeot H.,Rais J.(1998年)Report
EC,EUR 18217 EN,Louxemburg)。
【0070】
GB−31
[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Cs2は、文献中で教示された方法により、強塩基条
件での[(C2B9H11)2Co]-と過剰なCoCl2の反応により調製された(J.N.
Francis and M.F.Hawthorne(1968年)J.Amer.Chem.Soc.,90巻、1663−1664頁;St.Clair D,Zalkin A,Templeton DH.(1969年)Inorg.Chem.10巻、2080−2086頁)ナトリウム塩の提供の手順は以下の通り(Plesek J,Base K.,Mares F.,Hanousek F,Stibr B.and Hermanek S.(1984年)Coll.Czech.Chem.Commun.49巻、2776−2789頁)。
【0071】
GB−69
化合物は、文献中で事前に教示されたように8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)から調製された(Sivaev I.B.,Starikova Z.A.,Sjoberg S.,Bregadze V.I.(2002年)J.Organomet.Chem.649巻、1−8頁)。
【0072】
GB−72、GB−73、GB−74及びGB−75
化合物は、文献中で教示された方法により、カリックス[4]アレンと8−ジオキサンコバルトビス(ジカルボリド)の反応により調製された(Gruner B.,Mikulasek L.,Baca J.,Cisarova I.,Bohmer V.,Danila C.,Reinoso−Garcia M.,Verboom W.,Reinhoudt D.N.,Casnati A,Ungaro R.Eur.J.Org.Chem.,近刊)。
【0073】
GB−96、GB−97、GB−98及びGB−99
化合物は、文献中で教示された方法により、コバルトビス(ジカルボリド)の直接ハロゲン化により調製される(Matel J.,Macasek F.,Rajec P,Hermanek S.,Plesek J.(1982年)Polyhedron 1巻、511−519頁)。
【0074】
4.インビトロにおける公知及び新規化合物の効力試験
最初に、公知及び新規化合物は、純粋な組み換えHIVプロテアーゼ及びウイルスのポリタンパク質の一つの開裂部位のアミノ酸配列から誘導される発色性ペプチド基質を用い、インビトロにおけるHIVプロテアーゼの特異的な活性を阻害するそれらの能力について試験された。試験は本発明の共同発明者の1人により公開された方法を用いて行われた(Konvalinka,L.,Litera,J.,Weber,J.,Vondrasek,J.,Hradilek,M.,Soucek,M.,Pichova,I.,Majer,P.,Strop,P.,Sedlacek,J.,Heuser,A.−M.,Kottler,H.and Kraeusslich,H.−G.(1997年).Eur.J.Biochem.250巻、559−566頁)。典型的な実験において、DMSOに溶解(DMSOの最終濃度が2.5%を超えないようなやり方で)された試験される阻害剤の種々の量が、0.3M塩化ナトリウムを含む酢酸緩衝液(pH4.7)の1mL中の純粋な組み換えHIVプロテアーゼ8nMへ添加され、反応は最終濃度が15μMになるまで、配列KARVNleF(NO2)EANle−NH2(ここで、Nleはノルロイシンを表し、F(NO2)はパラニトロフェニルアラニンを表す。)の発色
性基質の添加により開始された。反応経過は305nmにおける吸収の減少として分光光度法で観察された。試験化合物のIC50値は(Majer,P.,Urban,J.,Gregorova,E.,Konvalinka,J.,Novek,P.,Stehlikova,J.,Andreansky,M.,Sedlacek,J.and St
rop,P.(1993年)Arch.Biochem.Biophys.304巻、1−8頁)中で教示されるように、実験データから計算され、表1に示された。
GB−16の阻害試験はまた、野生型HIV−2プロテアーゼ、突然変異HIV−1 PR3/1及びカテプシンDについて行われた。結果を表2に示した。
更に、選択された新規化合物GB−48及びGB−80はHIV−プロテアーゼの耐性変異種を阻害する能力が試験された。表3は臨床的に使用される阻害剤サクイナビル、インジナビルの及び化合物GB−48及びGB−80の阻害定数(Ki値)を示す。全ての3種のプロテアーゼは、野生型HIV−1プロテアーゼよりも遥かに悪くサクイナビル及びインジナビルに結合した。耐性HIVプロテアーゼに対するGB−48及びGB−80の結合親和性は野生型に対する親和性と同程度であることが明らかであり、従って、臨床的に使用される阻害剤との比較において、GB−48及びGB−80は幾つかの耐性HIV−プロテアーゼに対する活性を維持する。
試験化合物(阻害剤タイプ)の作用機構は、異なった阻害剤濃度(Lineweaver−Burkeプロット)での初期反応速度の基質濃度に対する依存性から決定された。Lineweaver−BurkeプロットによるGB−16阻害剤の作用機構の決定の例を図4に示した。基質濃度に対する初期酵素反応速度の依存性は種々の阻害剤濃度(ここでは0及び15μM)において測定された。該測定は、0.3M NaClを含む0.1M 酢酸緩衝液中、37℃、pH4.7で行われた。y軸:初期酵素反応速度の逆数値、x軸:基質濃度(mol/dm3)の逆数値。GB−16阻害剤は、競合的阻害剤であ
った。
【表1】
【表2】
【表3】
【0075】
5.組織培養物におけるHIVウイルス感染性阻害の試験
組織培養物における化合物GB−8、GB−12及びGB−16の抗ウイルス活性は、公開された手法(Benyoucef S,Hober D,Shen L,Ajana
F,Gerard Y,Bocket−Mouton L,Mouton Y,Wattre P.(1996年)Microbiol Immunol.40巻(5号)、381−8頁)の2種の手法を変えたもので分析された。感染性のHIV粒子の産生及び感染性に対するHIVプロテアーゼ阻害剤の影響はこれらの分析により直接決定された。
化合物GB−8、GB−12及びGB−16の試験のために、ヘラ(HeLa)細胞が、ウイルスnef遺伝子の部位中にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むHIVウイルスのpNL−43株をコードするDNAにより形質転換された。全ての形質転換はデュプリケート(2回)で行われた。培地は形質転換に続く翌日に置き換えられ、DMSO中に溶解されたプロテアーゼ阻害剤が新鮮な培地中に添加された。コントロールは試験された細胞と同様のDMSO濃度において培養された。形質転換細胞の上澄液はレポーター細胞の感染のために次回で使用された。感染性は感染細胞における酵素β−ガラクトシダーゼ活性により定量化され、感染細胞は発色性のβ−ガラクトシダーゼ基質(X−gal)を用いて視覚化された。新規に形成されたビリオンのウイルスタンパク質は、SDS PAGEにより分離され、HIVカプシドタンパク質に対する抗体を用いて免疫化学的に視覚化された(ウエスタンブロット(Western blot))。
平行した実験において、HIVはプロウイルスクローンNL 4−3により形質転換した293個のT細胞に発現させた。全ての形質転換は、2回行われた。培地は形質転換に続く翌日に置き換えられ、DMSO中に溶解されたプロテアーゼ阻害剤が新鮮な培地中に添加された。コントロールは試験された細胞と同様のDMSO濃度において培養された。ウイルス感染性はTZM細胞(HIVウイルスにより産生されたTatタンパク質により活性化された、β−ガラクトシダーゼ遺伝子と結合したゲノム中にHIVからのLTRプロモーターを有するレポーター細胞)により細胞上澄液の滴定により定量化された。感染の2日後にレポーター細胞はメタノール/アセトン混合物により溶解され、固定化された
。感染細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性は発色性基質X−galの添加後の青色により視覚化された。典型的な実験結果を図5に示した。実験はGB−8、GB−12及びGB−16阻害剤がウイルス感染性を阻害することを実証した。GB−16阻害剤の10μM溶液は、HIV感染性を初期値の約27%まで減少した;同様の活性に到達するためにGB−8阻害剤の100μM溶液が必要であった。
化合物GB−48の試験のために、ウイルス株NL4−3により感染されたPM1細胞培養物を感染2日後に新鮮で未感染の細胞と共に1ないし10に分割した。未結合のウイルスを除去するために、細胞は事前加温された培地で感染後4時間洗浄された。細胞はその後、最終濃度0.74ないし60μMでDMSO中に溶解されたGB−48と共に40時間培養された。コントロールの細胞はGB−48処理細胞と同様の量のDMSOを用いて培養された。遊離ウイルスを捕獲するために、細胞は1500rpmで5分間遠心分離され、上澄液の10μLが滴定のために使用された。ウイルス感染性の変化は上述のようにTZM−細胞上の上澄液の滴定により解析された。感染の2日後にTZM−細胞はメタノール/アセトンにより溶解され、固定化された。感染細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性は発色性基質X−galの添加後の青色着色により視覚化された。全ての滴定は、2回の分析で行われた。ウイルス価及び標準偏差は三つの独立した滴定から計算された。活性試験の例を図6に示す。GB−48は6,6ないし60μMの濃度において強力にウイルス感染性を阻害した。これらの濃度において、ウイルス感染性に少なくとも3桁のウイルス価の低下が観察された。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明はHIVに感染した患者の治療のため及びAIDSの治療のために医薬産業において及び医薬品において利用可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なHIVプロテアーゼ阻害剤及びインビトロ及びインビボの双方におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は独立してパリ及びワシントンにおいてAIDSの病原体として同定された(Barre−Sinoussi,F.,Chermann,J.C.,Rey,F.,Nugeyre,M.T.,Chamaret,S.,Gruest,J.,Dauguet,C.,Axler−Blin,C.,Vezinet−Brun,F.,Rouzinoux,C.,Rozenbaum,W.,Montagnier,L.(1983年)Science 220巻,868−871頁;Popovic,M.,Sarngadharan,M.G.,Read,E.,Gallo,R.C.(1984年)Science 224巻,497−500頁)。最近の18年間、活発なウイルス静力学の発展に向けた努力は、その疾患の治療に強力に貢献する多くの医薬品を導いた。しかし、科学者は依然として疾患の拡大の制御及び停止に成功していない。AIDSは依然として深刻な世界的問題である。特に開発途上国及び中央アフリカにおいて、この伝染病は、基本的社会及び国家的原則を危険にさらす破滅的な広がりを有している。
【0003】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)はレンチウイルス属(genus Lentivirus)、レトロウイルス科(family Retroviridae)に属する。この科に属するウイルスは、ディプロイドRNAゲノムを含み、複製のために逆転写酵素を使用する。レトロウイルスは更に3つの属:オンコウイルス属、レンチウイルス属及びスプマウイルス属に分類される(Gelderblom,H.R.,P.A.Marx,M.Ozel,D.Gheysen,R.J.Munn,K.I.Joy及びG.Pauli(1990年)Morphogenesis and Fine Structure of Lentiviruses.In Pearl,Lawrence(編者).Rtroviral Proteinases:Control of Maturation and Morphogenesis)。レンチウイルス属は、ゆっくりと慢性疾患を引き起こすウイルスを含む。最も重要な代表は、HIV−1、HIV−2(両者は以降、一般的な略語HIVとして言及する。)及びサルレンチウイルスSIVである。
【0004】
成熟したHIVビリオンは直径が100ないし110nmの球形粒子である。このウイルスの核は、カプシドタンパク質により封入されているが、ゲノムの1本鎖RNAの2つのコピー、ヌクレオカプシドタンパク質(NC)及びウイルス酵素である逆転写酵素(RT)、インテグラーゼ(IN)及びプロテアーゼ(PR)から構成される。外部のカプシドは宿主細胞から誘導されたリン脂質膜から構成される。ボタン型構造は、膜貫通タンパク質(TM)中にまばらに包埋された糖化表面タンパク質(SU)の3つの分子から構成されるが、カプシドから滲出する(Gelderblom,H.R.,P.A.Marx,M.Ozel,D.Gheysen,R.J.Munn,K.I.Joy,及びG.Pauli(1990年)Morphogenesis and Fine Structure of Lentiviruses.In Pearl,Lawrence(編者).Retroviral Proteinases:Control of Maturation and Morphogenesis)。
【0005】
HIVゲノムは9種の種々の遺伝子をコード化する、約9.2kbのサイズの2つの同一のRNA分子により形成されている。このゲノムの基本構造は、全てのレトロウイルス
の性質であるが、3種の構造遺伝子、gag、pol及びenvから構成される。構造遺伝子に加えて、ウイルスの複製に関係する調節機能を有するタンパク質をコード化する6種の遺伝子がHIVゲノムにおいて同定されている。
【0006】
宿主細胞中におけるHIVの複製周期は幾つかの段階に分類される(Carrasco
L.,Sonenberg N.,Wimmwe E.(1993年)Regulation of Gene Expression in Animal Viruses,L.Carrasco,et al.編集,Plenum Press,New York):ウイルスカプシドの表面糖タンパク質(SU)は、タンパク質受容体CD4+を認識して高い親和性で結合するが、該受容体はT−リンパ球の表面に発現している。コレセプターに効果的に結合するために、宿主細胞の型に応じた特異性が必要である。ウイルスは、エンドサイトーシス又はウイルスカプシドと細胞表面の融合により細胞に入り、カプシドの内容物は細胞質中に入り込む。逆転写酵素(RT)はウイルスRNAを2本鎖DNA中に転写するが、それは酵素インテグラーゼ(IN)により宿主細胞の染色体中に組み込まれる。それによりウイルスは、宿主RNAポリメラーゼIIによるウイルス遺伝子の活性化及び転写の瞬間まで休眠状態(潜伏感染)で存続する。プロウイルスのmRNAに従って、ウイルスのポリタンパク質前駆体であるGag及びGag−Polがリボソームにおいて産生される。転写後に修飾されたポリタンパク質及びゲノムのRNAは、細胞表面の近くに集められ、出芽(budding)と呼ばれる過程の間、ビリオンは細胞から放出される。この未成熟な粒子において、ポリタンパク質前駆体であるGag及びGag−Polはウイルスにコードされたプロテアーゼ(PR)により切断され、機能性タンパク質を生産し、それにより成熟した感染性粒子が作られる。もしHIV PRが妨害されるか又はその活性が阻害される場合、該ビリオンは未成熟のままである。
【0007】
最も広範囲に試験されているのはHIV−1 PRである。それは同一の二つの非共有的に結合したサブユニットからなる二量体のアスパラギン酸プロテアーゼである。その単量体サブユニットの一次構造は、99個のアミノ酸から構成される。HIV PRの二次構造の知見に対する最も重要な貢献は、2回回転性のC2対称及び高い含有量のβ−構造
を開示する結晶学的構造解析(Wlodawer,A.,Miller,M.,Jaskolski,M.,Sathyanarayana,B.K.,Baldwin,E.,Weber,I.T.,Selk,L.M.,Clawson,L.,Schneider,J.,Kent,S.B.(1989年)Science 245巻,616−621頁)である。この分子の核における4つの鎖は、全てのアスパラギン酸プロテアーゼの特徴である“文字Ψ”の形状のリーフ(leaf)を形成する。活性部位(Asp25−Thr26−Gly27)の3残基はタンパク質鎖の屈曲部に位置し、その構造は水素結合網で安定化されている。
【0008】
HIV PRは、初めにポリタンパク質前駆体から自己触媒的に切断され、その後、9箇所の正確に特定された部位でこの前駆体を切断する。HIV PRは、切断された部位のアミノ酸配列がかなり異なるという事実にもかかわらず、特異的にこのウイルスポリタンパク質を切断する。特定のアミノ酸の隣のペプチド結合を加水分解する他のエンドペプチダーゼ(ペプシン、トリプシン、レニン)とは対照的に、HIV PRにおいては、その一次構造に関する類似性を特定することができない。基質の各々の側鎖と酵素の対応するサブサイト間の、独立した主に弱い相互作用の累積効果が原因となる特異性が推定されている。重要なのは、二次構造の疎水性相互作用、表面、極性、ポテンシャル等である(Poorman,R.A.,Tomasselli,A.G.,Heinrikson,R.L.,Kezdy,F.J.(1991年)J.Biol.Chem.266巻,14554−14561頁)。
【0009】
HIVプロテアーゼ阻害剤
HIVライフサイクルの幾つかの工程が治療処置の標的として選択されている。最も重要なものは、逆転写酵素(ジデオキシヌクレオシド、その類縁体及び非−核酸阻害剤)、宿主細胞へのビリオンの結合及び侵入(可溶性CD4受容体及びその誘導体、ポリアニオン系化合物、融合阻害剤)、インテグラーゼによる宿主染色体へのプロウイルスの組み込み、遺伝子tat及びrevのタンパク質生成物による転写の制御等である(総説:De
Clercq,E.(1998年)Collect.Czech.Chem.Commun.63巻,449−479頁)。本特許出願の対象である、レトロウイルス及び中でもその最も重要な酵素であるHIVプロテアーゼの成熟は、同様に、広範な研究及び医薬品の理論設計の対象である。チェコ共和国において7つの阻害剤が臨床使用のために承認されつつある:サクイナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、ロピナビル及びアタザナビル。全てのこれらの阻害剤は天然基質のHIV PRへの結合を競合的に阻害し、ビリオンの成熟を妨害することによりウイルスの感染性を減少させる。
【0010】
HIV PR阻害剤に対する抵抗性の進展
1995年ないし1996年にプロテアーゼ阻害剤が発売され、HAART療法(高活性抗レトロウイルス治療(high active antiretroviral therapy))の導入は、日和見感染の発現の緩和と死亡率の減少をもたらした。このことは、AIDSの十分な治療の進展における患者及び医師の希望を増大させた。不幸なことに、この新規医薬品の販売後すぐに、それらの限界もまた見出された。
【0011】
PR阻害剤が適用された場合、ウイルスの複製が抑制される。この複製が十分に抑制されなかった場合、この阻害剤に抵抗性のウイルスの少数がこの淘汰圧下で生き延びることができる。このことは、ウイルスの抵抗性をもたらす(Larder,B.,Richman,D.,Vella,S.(1998年)HIV resistance and implications of therapy,MediCom Inc.,Atlanta,USA)。現在までに、99−アミノ酸モノマーにおいて、少なくとも49の位置における突然変異が発見されている(Gulnik,S.,Erickson,J.W.,Xie,D.(2000年)Vitam.Horm.58巻,213−256頁)。
【0012】
抵抗性変種の急速な発生の原因となる基本的な要因は、HIVゲノムの自然変動(多形性)並びに潜伏期の間及び休眠状態の間の動的なウイルス複製である(Erickson,J.W.,Burt,S.K.(1996年)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36巻,545−571頁)。HIVの遺伝子変動性は多分、逆転写酵素の高いエラー率、ゲノム組み換え、及びヒト免疫機構の淘汰圧の組合せに由来する。
【0013】
ウイルスが、プロテアーゼ阻害剤に対するその抵抗性を増大させるために使用することができる、幾つかの可能な戦略が存在する。その中で最も重要なものは:結合に直接的に影響する酵素の結合部位における突然変異;結合に間接的に影響する酵素の結合部位の外側の突然変異;ポリタンパク質基質におけるHIV PRの切断部位の突然変異である。同様にHIV PRダイマーの安定性を減少し、それにより阻害剤への親和性が減少する突然変異は、抵抗性の一因となり得、最後に、同様に、例えば、読み枠のより効果的な移動を引き起こし得るプロテアーゼ領域の外側の突然変異である(Erickson,J.W.,Burt,S.K.(1996年)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36巻,545−571頁;Boden,D.,Markowitz,M.(1998年)Antimicrob.Agents Chemother.42巻,2775−2783頁)。
【0014】
これまでに知られているHIVプロテアーゼ阻害剤は、3つの基本的な群に分類するこ
とができる:(i)基質の遷移状態の等価体として設計された化合物(スタチン、ヒドロキシエチルアミン型、ヒドロキシメチレン型、ヒドロキシエチレン型、α,α´−ジフルオロケトン等)(ii)基質への幾何学的類似性をベースとして、理論設計を活用して提案された化合物(例えば、DMP阻害剤)(iii)例えば、生物材料から単離された天然物質のスクリーニングにより得られた、基質への偶発的な構造的類似性を有する化合物(Lebon,F.,Ledecq,M.(2000年)Curr.Med.Chem.7巻,455−477頁)。
【0015】
ウイルスプロテアーゼ阻害剤の設計は重要な問題である。基質が単純な有機分子である多くの他の酵素(例えば、酸化窒素(II)合成酵素の天然基質は、L−アルギニンであり、そのためNω−OH−Arg又はNω−Me−Argのような単純な修飾物が功を奏する阻害剤である。)とは対照的に、HIVプロテアーゼ阻害剤の設計は、遥かに複雑な課題である。その天然基質は、特定部位が認識されて切断され、ビリオンの機能的酵素及び構造タンパク質を産生するポリペプチドである。理論的には、分子モデリングの手法及び非経験的計算法の双方による特異的なHIVプロテアーゼ阻害剤の設計、並びに、同様に実践的な特異的なHIVプロテアーゼ阻害剤の設計は、低分子の基質が、天然のポリペプチドが示す酵素への親和性よりも高い親和性を示さなければならない場合、困難な問題を提示する。
【0016】
治療に用いられる全てのHIVプロテアーゼ阻害剤(サクイナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アムプレナビル、ロピナビル及びアタザナビル)は、群(i)に分類され得る。これらはペプチド類似的な性質を有し、酵素の活性部位における競合的な阻害剤である。そのような化合物は通常好ましくない薬力学的特性(感染細胞において有効濃度レベルに到達するために、経口的にかなり高い薬量の医薬品を投与する必要がある。)を示し、後に抵抗性が来たされ得る。この抵抗性の問題を打開するために、HIV PRと既知の阻害剤の複合体のX線構造解析により得られた構造情報に基づく論理的設計により、最終的には、化学化合物のコンビナトリアル又は他のライブラリーのスクリーニングにより生み出すことができる、非−ペプチド性阻害剤を発見するために供された多数の試みがある。
【非特許文献1】Barre−Sinoussi,F.,Chermann,J.C.,Rey,F.,Nugeyre,M.T.,Chamaret,S.,Gruest,J.,Dauguet,C.,Axler−Blin,C.,Vezinet−Brun,F.,Rouzinoux,C.,Rozenbaum,W.,Montagnier,L.(1983年)Science 220巻,868−871頁
【非特許文献2】Popovic,M.,Sarngadharan,M.G.,Read,E.,Gallo,R.C.(1984年)Science 224巻,497−500頁
【非特許文献3】Gelderblom,H.R.,P.A.Marx,M.Ozel,D.Gheysen,R.J.Munn,K.I.Joy及びG.Pauli(1990年)Morphogenesis and Fine Structure of Lentiviruses.In Pearl,Lawrence(編者).Rtroviral Proteinases:Control of Maturation and Morphogenesis
【非特許文献4】Carrasco L.,Sonenberg N.,Wimmwe E.(1993年)Regulation of Gene Expression in Animal Viruses,L.Carrasco,et al.編集,Plenum Press,New York
【非特許文献5】Wlodawer,A.,Miller,M.,Jaskolski,M.,Sathyanarayana,B.K.,Baldwin,E.,Weber,I.T.,Selk,L.M.,Clawson,L.,Schneider,J.,Kent,S.B.(1989年)Science 245巻,616−621頁
【非特許文献6】Poorman,R.A.,Tomasselli,A.G.,Heinrikson,R.L.,Kezdy,F.J.(1991年)J.Biol.Chem.266巻,14554−14561頁
【非特許文献7】総説:De Clercq,E.(1998年)Collect.Czech.Chem.Commun.63巻,449−479頁
【非特許文献8】Larder,B.,Richman,D.,Vella,S.(1998年)HIV resistance and implications of therapy,MediCom Inc.,Atlanta,USA
【非特許文献9】Gulnik,S.,Erickson,J.W.,Xie,D.(2000年)Vitam.Horm.58巻,213−256頁
【非特許文献10】Erickson,J.W.,Burt,S.K.(1996年)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.36巻,545−571頁
【非特許文献11】Boden,D.,Markowitz,M.(1998年)Antimicrob.Agents Chemother.42巻,2775−2783頁
【非特許文献12】Lebon,F.,Ledecq,M.(2000年)Curr.Med.Chem.7巻,455−477頁
【発明の開示】
【0017】
発明の開示
上述の欠点は、本発明のHIVプロテアーゼ阻害剤により排除されるが、該阻害剤は、各々のクラスターが6ないし12個のホウ素原子を有するボラン及び/又はカルボラン及び/又はメタラカルボランからなる群より選択されるクラスターを含み、個々のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの電荷は0、−1又は−2であり、阻害剤分子中のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの数は1ないし9個であり、メタラカルボラン阻害剤中のカルボランクラスターはコバルト、鉄、ニッケル及びルテニウムからなる群より選択される遷移金属原子に配位している。
【0018】
本発明の別の化合物は、窒素、リン、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子が前記クラスター内に存在し得る、前述のクラスターを含むHIVプロテアーゼ阻害剤である。
【0019】
本発明の最初の観点は、一般式(I)
(R1)nA(−X−Y−Z)m
(I)
(式中、Aは、アニオン性クラスターであるB10H10(2-)、B12H12(2-)、CB6H7(-)
、CB7H8(-)、CB9H10(-)、CB10H11(-)、CB11H12(-)、SiB11H12(-)、SiB11H11(2-)、SnB11H11(2-)、GeB11H11(2-)、7,8−C2B9H12(-)、7,9
−C2B9H12(-)、Si2B10H12(-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(C2B9H11)Co
(III)(C2B8H10)jCo(III)(C2B9H11)](2-)、[(1,2−C2B9
H11)2−3−Fe(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Fe(III)
](-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Ni(III)](-)、[1−(C5H5)Fe
(III)(CB10H11)](-)、[(C5H5)Co(III)(1,2−CB10H11)
](-)、[(C5H5)Ni(III)(1,2−CB10H11)](-)、[(C2B10H12)2M(III)](-)又は中性クラスターである1,2−C2B8H10、1,6−C2B8H10
、1,10−C2B8H10、1,2−C2B10H12、1,7−C2B10H12、1,12−C2
B10H12、P2B10H10、SB11H11、NB11H11、PB11H11、[(C5H5)(1,2
−C2B9H11)−3−Co(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Co(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)−3−Fe(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Fe(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)Ni(III)]、[(C5H5)Fe(II)(C3B8H11)]、[(C5H5)Ru(II)(C3B8H11)]、[(C3B8H11)2−Fe(II)]、[(C5H5)Fe
(II)(C3B7H10)]、[1−(C5H5)Fe(II)(PC2B8H10)]、[(C2B9H11)−Co(III)(C3B8H11)]、[(C2B10H12)−M(III)(C5H5)]を表わし、ここで、一般式−X−Y−Z及びR1で表される置換基は、クラスターAの炭素原子、ホウ素原子又はヘテロ原子に結合され、jは1ないし3を表わし、Mは、Fe、Co、Ni、Ruを表わし、及び、ここで、R1は、同一又は異なって、水素原子
、ハロゲン原子、メチル基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェニレン基、チオール基、メトキシ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群より選択され、mは、0、1又は2を表わし、nは、0ないし12を表わし、
【0020】
Xは、同一又は異なって、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−N(R3)−、−P(R3)−、−S−、炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基、−(CH2CH2O)q−、−O(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)q−、−(CH2CH2O)qCH2CH2
−、−(OCH2CH2)qN(R3)−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7)−、−(OCH2CH2)qN(R3)(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7
)(CH2CH2O)q−、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基を表し
、
[(1,2−C2B9H11)2−3−M(III)](-)型のメタラカルボランの場合、Xは、橋架け基である、>S、>N、>N(R3)+、>P、>O2P、>O2P(=O)、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基、独立して0ないし3個のR14で置換されたエタンジイル基の1つを表わし、置換基Yはこの橋架け基に結合し、ここで、Mは上記で定義されたものと同様であり、qは、0ないし12を表わし、
【0021】
ここでR3は、同一又は異なって、水素原子、A、−(CH2CH2O)q−A、−S(=O)k(R7)、−C(=O)(R5)、−S(=O)2N(R7)(R8)、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10で置換されたフェニル基、0ないし5個のR10で置換されたナフチル基、0ないし5個のR10で置換されたアダマンチル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし4個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここで、qは上記で定義されたものと同様であり、kは0、1又は2を表わし、
【0022】
ここでR10は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−C(=O)O(R7)、−C(=O)(R5
)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)
、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)C
(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S
(=O)2(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル
基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(
=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O)O(R7)、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、−C(R8)=N−O(R8)、0ないし5個のR11で置換された炭素原子数5ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここでkは、上記で定義されたものと同様であり、
【0023】
ここでR7は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR14で置換されたフェニル
基、0ないし3個のR14で置換されたフェニルメチル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルアミノカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数3ないし6のアルコキシアルキル基を表わし、R7が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用され
る如何なる基をも意味し、R7が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護するため
に通常使用される如何なる基をも意味し、
【0024】
ここでR14は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2NH2、−NH2、−C(=O)OH、−C(=O)(炭素原子数1ないし3のアルキル
)、−OH、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−C(=O)NH2、−O
C(=O)NH2、−NHC(=O)NH2、−S(=O)2NH2、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ニトロ基、炭素原子数1ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、
−B(OH)2、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−NH2で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O
)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、アリール(炭素原子数1ないし3のアルキル)基、炭素原子数5ないし14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同様の複素環を表わし、
【0025】
ここでR6は、炭素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、−C(=O)OH、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−O(R7)
、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、−N(R7)(
R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロ
キシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−S(=O)k(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、−NHS(=O)2(R8
)、−OCH2C(=O)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C(R8)=N−O(R8)、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテ
ロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし3個のR9で置換された同様の複素環
、他の末端が環の隣接炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR6が飽和炭
素原子に結合する場合、R6は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k及びR7は上記で定義されたものと同様であり、
【0026】
ここでR8は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、炭
素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数2ないし6のアルケニル基、フェニルメチル基、アミノ基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基(該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基からなる群から独立して選択される0ないし3個の基で置換されている。)を表わし、R8が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用される
如何なる基をも表わし、又は、R8が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護する
ために通常使用される如何なる基をも表わし、
【0027】
ここでR9は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表わし、
【0028】
ここでR6は、窒素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアル
キル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、C(R8)=N=O(R8)(式中、R7
及びR8は上記で定義されたものと同様である。)を表わし、
【0029】
R7及びR8はまた、基−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CH2CH2N(R9)CH2CH2−又は−CH2CH2OCH2CH2−を形成するように結合することができ、
【0030】
ここでR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、フェニルメチル基、フェネ
チル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、アジド基、ホルミル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−OCH2C(=O)OH、−C(=O)O(R7)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ない
し6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)
、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7
)(R8)、−N(R7)C(−O)N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−
N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2(R7)、−S(=O
)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のア
ルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、0ないし2個のR6で置換された−(炭素原子数
1ないし3のアルキル)アリール基、0ないし3個のR6で置換された炭素原子数5ない
し14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同
様の複素環を表わし、
ここで、k、R6、R7及びR8は上記で定義されたものと同様であり、
【0031】
ここでR11は、炭素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェネチル基、フェノキシ基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(NH2)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジ
オキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、−NHS(=O)−(R8)、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C
(=O)O(R7)、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)N(R7)N(R7)(
R8)、シアノ基、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のハロアルケニル基、炭素原子数2ないし4のハロアルキニル基、−N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−NO2、
−O(R7)、−N(R12)(R13)、−S(=O)k(R7)、−S(=O)kN(R7)
(R8)、−C(=O)N(R7)(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−C(=
O)(R5)、−OC(=O)(R5)、−OC(=O)O(R7)、フェニル基、−C(
=O)N(R7)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、−N(R7)(R8)、−C(
=O)N(R12)(R13)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−N(R7)C(=O)O(R7)、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基(該アルコキシ基は、R5、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、−OC(=O)O(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)又はヒドロキシル基からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、炭素原子数1ないし4のアルキル基(該アルキル基は、R5、=N(R8)、=NN(R7)C(=O)N(R7)(R8)又は−
N(R7)(R8)からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、0ないし4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし
4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルキニル基、酸素、硫黄及び窒素から
なる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環、他の末端が環の次の炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR11が飽和炭素原子に結合する場合、R11は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k、R5、R7及びR8は上記で定義されたものと同様であり、
【0032】
ここでR12は、同一又は異なって、水素原子又は炭素原子数1ないし3のアルキル基を表わし、
【0033】
ここでR13は、同一又は異なって、−C(=O)N(R7)(R8)、−C(=O)N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)C(=O)O(R7)、−C(=O)H、−C(=O)(R5)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、
−N(R7)(R8)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−N(R7)
C(=O)O(R7)を表わすか又はカルボキシル基を介して窒素原子に結合したアミド
により結合された1ないし3個のアミノ酸基を表わし、
ここでR5、R7及びR8は、上記で定義されたものと同様であり、
【0034】
ここでR11は、窒素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキ
ル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基又は−C(R8)=N−O(R8)を表わし、ここでR7及びR8は、上記で定義されたものと同様であり、
【0035】
ここでR11は、硫黄原子に結合する場合、=Oを表わし、
【0036】
ここでYは、同一又は異なって、R2及びR3からなる群から独立して選択される0ないし4個の置換基で置換された炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基;0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のシクロアルカンジイル基;−X−;−C(=
O)−;−(CH2CH2O)q−;−O(CH2CH2O)q−;−(OCH2CH2)q−;
−(CH2CH2O)qCH2CH2−;−S(=O)k−;−P(=O)(OR3)−X−;
−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−C(=O)−X−;−(CF2)q−;0ないし3個のR14で独立して置換されたフェニレン基を表わし、ここで、k、q、X、R3及びR14は上記で定義されたものと同様であ
り、
【0037】
ここでR2は、同一又は異なって、水素原子、−A、−X−A、−O(R7)、−S(R7
)、−N(R7)、−C(=O)O(R7)、ケト基、0ないし3個のR5で置換された炭
素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR5で置換された炭素原子数2ないし
8のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、0ないし5個のR14で独立して置換されたフェニル基、0ないし3個のR5で置換されたアルキニル基、炭素原子数1ないし8のパ
ーフルオロアルキル基、0ないし3個のR5若しくは0ないし3個のR6で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環、オリゴエチレングリコール、R6を表わし、ここでA、X、R5、R6、R7、R11及びR14は上記で定義されたものと同様であり、
【0038】
ここでR4は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR10で置換された炭素原子
数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、ここでR10及びR11は上記で定義されたものと同様であり、
【0039】
ここでZは、同一又は異なって、水素原子、A、−X−A、(−X−A)2、−C(=O
)−X−A、−CH(OH)−X−A、−CH(NH2)−X−A、−NH−A、−NH
−CH(OH)CH−NH−A、−S(=O)k−X−A、−O−P(=O)(OR3)−X−A、−O−P(=O)(N(R3)(R4))−X−A、R3、R7、R10、0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のアルキル基、−OH、−O(R3)、0ないし4個のR3で置換されたカリックス[4]アレン基を表わし、ここでk、A、X、R2、R3、R4、R7及びR10は上記で定義されたものと同様である。)で表されるHIVプ
ロテアーゼ阻害剤及びそれらの医薬的に許容される塩である。
【0040】
本発明の別の観点は、一般式(II)
(R1)nA(−X−Z)m
(I)
(式中、A、X、Z及びR1並びにm、nは上記で定義されたものと同様である。)で表
されるHIVプロテアーゼ阻害剤及びそれらの医薬的に許容される塩である。
【0041】
本発明の更なる別の観点は、同様にHIVプロテアーゼ阻害剤である新規化合物:
略称: 化合物:
GB−1 [8−HO−(CH2−CH2O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2
B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−8 [8−(OH−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−12 [8,8´−μ−O−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−16 [8−(O−P(=O)(OH)2)−(1,2−C2B9H10)(1´,2
´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−19 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−8´,10´−(OH)2−
(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−21 [(8−((C6H5)(OH)CH−CH−O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−22 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−23 [(C2B9H10)2−3−Fe]Na・4H2O
GB−24 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2−CH(OH)−CH2−8´´,8´´´−μ−NH−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H10)]
GB−25 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)4−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)3´´,3´´
´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−26 [8,8´−μ−(1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−27 [4,8´−8,4´−μ−(1,2−C6H4)2(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)−3,3´−Co]Na
GB−28 [8,8´−μ−((4−C6H5)−1,2−C6H3)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−29 [4,8´−μ−((4−CH3)−1,2−C6H4)−8,4´−μ−(
(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)
−3,3´−Co]Na
GB−30 [8,8´−μ−((4−CH3)(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−31 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−35 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−D,L−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−40 [(8−(C6H5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−41 [(8−((3−CF3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−42 [(8−((2−CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−43 [(8−((4−C(C6H5)3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−44 [(8−((4−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−45 [(8−(C6F5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−46 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CB10H10)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(
1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−47 [(8−((2−OCH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−48 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2CH2CH3)−CH2CH2OCH2CH2−8´
´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−49 [(8−((CB10H10)NH−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9
H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−50 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(CH2CH3)2−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−51 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−52 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2N(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−
Co]Na
GB−53 [(8−((CH2)6(CH)3CCH2−O−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−54 [(8−(C6F5O−(CH2)5O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−55 [(8−((C6H5CH2OCH2)2(HOCH2)C−CH2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−56 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−
8−(OCH2CH2)2OCH2C(C6H5CH2OCH2)CH2(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−57 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(SO2((4−CH3)−C6H5))−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´
,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−58 [(8−((C6H5CH2)2CH−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−59 [(8−((C6H5CH2)2CH−(CH2)5O−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−60 [(8−((5−(CH3)2N)−1−C10H6−SO2NH−(CH2−C
H2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]NaGB−61 [(8−((C2B10H11)−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−63 [(8−(C6H4(CO)(SO2)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−64 [(8−(C6H4(CO)(CO)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−65 [(8−(((4−CH3)−C6H4SO2)2N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−67 [(8−((4−NH2)−C6H4SO2NH−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−69 [(8−(NH3−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−70 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−71 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−N(CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11))2]Na2
GB−72 [(8−(カリックス[4]アレン−O−(CH2−CH2O)2)−1,2
−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−73 [1,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2
B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)2−カリックス[4]アレン]Na2
GB−74 [1,2,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−カリックス[4]アレン]Na3
GB−75 [1,2,3,4−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)4−カリックス[4]アレン]Na4
GB−76 [(8−((3−OH)(5−OH)−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−77 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2(−3−O−(C6H3(1−OH))−5−O)−CH2CH2O
CH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−78 [1,3,5−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−C6H3]Na3
GB−79 [((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−NH]Na2
GB−80 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−
8−(OCH2CH2)2NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´
−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−82 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−S−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−85 [(8−((2−CH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−87 [(8−(2,6−(CH2C6H5)2−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−88 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−89 [(8−((2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−90 [(8−((2−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−91 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2−SO2NH−(CH2−CH2
O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−92 [(8−((2−CH2CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2
)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−94 [(8−((2−Br)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−95 [(8−(2,4,6−(Br)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−96 [(8−Cl−1,2−C2B9H10)(8´−Cl−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−97 [(8−I−1,2−C2B9H10)(8´−I−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−98 [(8,9,12−(Cl)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Cl)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−99 [(8,9,12−(Br)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Br)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−102 [(8−(NH2(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−103 [(8−(NH2(C6H5CH2)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−104 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2C6H5)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2
B9H11)]Na
GB−105 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2OH)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−
O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−106 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(C(CH3)3)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O
−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
で表される化合物及びそれらの医薬的に許容される塩である。
これらの構造式は図1に描かれている。
【0042】
本発明に従う新規化合物、GB−21、GB−40、GB−41、GB−43、GB−44、GB−45、GB−49、GB−51、GB−52、GB−53、GB−54、GB−55、GB−58、GB−59、GB−60、GB−61、GB−63、GB−64、GB−65、GB−67、GB−70、GB−76、GB−82、GB−85、GB−87、GB−88、GB−89、GB−90、GB−91、GB−92、GB−94、GB−95、GB−102、GB−103の製造方法であって、
8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(式中、Lは、脱プロトン化されたヒドロキシ基及び/又はアミノ基及び/又は置換されたアミノ基及び/又はアミド基及び/又はスルホンアミド基及び/又はチオエーテル基からなる群より選択され、Y及びZは前記で定義されたと同様である。)で処理される工程を含む製造方法である。
【0043】
該方法は、他の化合物の文献中に記載されている(Plesek J.,Gruner
B.,Hermanek S.,Baca J.,Marecek M.,Janchenova J.,Lhotsky A.,Holub K.,Selucky P.,Rais J.,Cisarova I.,Caslavsky J.,Polyhedron 2002年,21巻,975−86頁;Gruner B.,Plesek J.,Baca J.,Cisarova I.,Dozol J−F.,Rouquette H.,Vinas C.,Selucky P.,Rais J.,New J.Chem.2002年,26巻,1519−1527頁;Sivaev I.B.,Starikova Z.A.,Sjoberg S.,Bregadze V.I.,J.Organomet.Chem.2002年,649巻,1−8頁)が、しかし、ここでは新規化合物のための改良された方法が使用されている。
【0044】
本発明に従う新規化合物、GB−22、GB−25、GB−35、GB−46、GB−48、GB−50、GB−56、GB−57、GB−71、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−104、GB−105、GB−106の製造方法は、類似の方法の工程を含む。8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が、同様に化合物L−Y−Z又はL−Zで処理される。しかしながら該反応はより多くの活性プロトンがポリオール、アミン、アミド及びスルホンアミドで連続的に置換されるように繰り返し行われる。この方法において、調製された化合物は1個より多くのコバルト ビス(ジカルボリド)クラスターを含有する。シリカゲルにより液体クロマトグラフィーを用いて中間体を精製するのが好都合である。
【0045】
本発明に従う新規化合物GB−54及びGB−59の製造方法は、8−テトラヒドロフラン−コバルト ビス(ジカルボリド)が、脱プロトン化されたペンタフルオロフェノール又は脱プロトン化されたジベンジルメタノールで処理される工程を含む。
【0046】
本発明に従う新規化合物GB−19の製造方法は、化合物GB−31(カナスチド(Canastide))が、高温において硫酸溶液で処理される工程を含む。該生成物は結晶化及びシリカゲルによる液体クロマトグラフィーにより精製される。
【0047】
本発明に従う新規化合物GB−24の製造方法は、水素化ナトリウムで脱プロトン化され、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DME)に溶解された化合物[(1,2−C2B9H10)−3,3−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH]が室温においてエピクロロヒドリンで処理され、生成物がシリカゲルカラムによる反応混合物の精製により得られる工程を含む。
【0048】
本発明のもう一つの観点は、一般式(I)、(R1)nA(−X−Y−Z)mで表される
前記化合物及び/又は一般式(II)、(R1)nA(−X−Z)mで表される前記化合物
、好ましくは上記の新規化合物から選択される少なくとも1種のHIVプロテアーゼ阻害剤を含む、HIVに感染した患者の治療において使用するための及びAIDSの治療において使用するための医薬組成物である。
【0049】
新規な構成要素としてのクラスターホウ素化合物誘導体の導入は、他の阻害剤に対して耐性を有するHIVプロテアーゼ及びその突然変異体において非常に顕著な阻害特性をもたらす。それらはインビトロ及びインビボの双方において有用である。それらは高い有効性と安定性により特徴付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1は、実施例に記載された化合物の構造を示す図である。各化合物は、略称で表記される。
【図2】図2は、化合物GB−16とHIV−1プロテアーゼの相互作用のモデルを示す図である。
【図3】図3は、HIV−1プロテアーゼの活性部位の中へ挿入した化合物GB−24のモデルを示す図である。
【図4】図4は、阻害剤GB−16の存在下での基質濃度に対する酵素反応速度の依存性を図式的に表す図である。
【図5】図5は、プロウイルスのクローンNL4−3で形質転換された組織培養におけるGB−8、GB−12及びGB−16阻害剤の阻害効果を表す図である。
【図6】図6は、プロウイルスのクローンNL4−3で形質転換された組織培養におけるGB−48阻害剤の阻害効果を表す図である。
【実施例】
【0051】
本発明は、更なる限定と解釈されるべきでない以下の実施例により詳細に説明される。1.分子モデリング
2.新規化合物の合成
3.既知化合物の合成
4.インビトロにおける既知及び新規化合物の活性の試験
5.組織培養におけるHIVウイルス感染阻害の試験
【0052】
実施例において教示される全ての化合物の構造及び略称を図1に示した。灰色のボールは水素原子又は置換基を有するホウ素原子を表し、黒色のボールは水素原子又は置換基を有する炭素原子を表し、コバルト及び鉄原子はその原子記号で表記した。クラスター中の原子は標準の方法で番号を付した。NMRスペクトルにおける化学シフトはppmで表した。
【0053】
1.分子モデリング
本発明の基本的な哲学的コンセプトはボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターを含むHIVプロテアーゼ阻害剤である。医薬において、今まで、ホウ素中性子捕捉療法(NCBT)(Larson B.et al.(1997年)Advances in Boron Neutron Capture Therapy.第1巻、Elsevier Science B.V.;Soloway A.H.et al.(1998年)Chem.Rev.98巻、1515−1562頁;Hawthorne M.F.、Maderna A.(1999年)Chem.Rev.99巻、3421−3434頁;Hawthorne M.F.(1993年)Angew.Chem.Int.Ed.,32巻、950−984頁;Valliant J.F.et al.(2002年)Coord.Chem.Rev.232巻、173−230頁;Sivaev I.B.et al.(2002年)Russ.Chem.Bull.,Int.Ed.,51巻、1362−1374頁;Hawthorne M.F.,
Lee M.W.(2003年)J.Neurooncol.,62巻、33−45頁))のためにのみ設計及び使用されたこれらのクラスターは、タンパク質との選択的な相互作用のための、新規で活性的に重要な構造ユニットを意味し、またそのため、高い治療活性を伴う高い効果を有する安定な非−毒性の阻害剤の開発を意味する。
分子モデリングによるカルボランケージに基づく阻害剤のHIVプロテアーゼへの提案された結合様式の解析のために2化合物:GB−16及びGB−24が選択された。類似の化合物[8,8´−μ−プロパルギルチオ−(1,2−C2B9H10)2−3−Co]-が出発結晶構造(ケンブリッジ構造データベースコード:TENQAE)(Vohlidal et al.(1996年)Collect.Czech.Chem.Commun.,61巻、877−887頁)として使用された。分子モデリング手法により各結合鎖において、水素原子が付加され、硫黄原子はリン酸基で置き換えられた。付加された原子又は基は半経験的手法MNDOにより最適化された。化合物モデルは、QF34阻害剤テンプレート(プロテインデータバンクコード1IZI)(Weber J.,Mesters J.R.,Lepsik M.,Prejdva J.,Svec M.,Sponarova J.,Mlcochova P.,Skalicka K.,Strisovsky K.,Uhlikova T.,Soucek M.,Machala L.,Stankova M.,Vondrasek J.,Klimkait T.,Kraeusslich H.G.,Hilgenfeld R.,Konvalinka
J.(2002年)J.Mol.Biol.,324巻(4号)、739−754頁)に従って、野生型HIV−1の活性部位の中へ挿入された。
分子モデリング法の結果はメタラカルボランクラスターに基づく化合物が阻害剤のHIVプロテアーゼ活性部位中への結合のための立体的及び大きさの要件を満たすことを示した。更に、HIVプロテアーゼと阻害剤の複合体の構造は本発明の化合物の2つの特筆すべき利点を示した。第1に、阻害剤の酸素原子とプロテアーゼの酸素原子間の測定された距離からメタラカルボラン阻害剤の官能基が触媒的アスパラギン酸塩と橋架け水素結合を形成し得るような位置を占有することができることが明白である(図2)。第2に、HIVプロテアーゼ活性部位とメタラカルボラン阻害剤の間の顕著な表面補完性は、強力な結合を確実にする酵素の空洞(図3)との強力な疎水性相互作用を提供する。
【0054】
図2はGB−16化合物(1)とHIVプロテアーゼ活性部位の一部である触媒的アスパラギン酸塩Asp25及びAsp25´(2)の相互作用のモデルを示す。GB−16阻害剤の原子はボールとして示され、スティックは原子間の結合を表す。GB−16阻害剤原子の色表示は以下の通り:黒色のボールは炭素原子を表し、灰色のボールはホウ素原子を表し、白色のボールは酸素原子を表し、及びリン(P)原子及びコバルト(Co)原子はそれらの原子記号で表示される。小さな白色のボール及びそれらの間の白色線は、触媒的アスパラギン酸塩Asp25及びAsp25´を構成する原子及び結合を表す。番号を伴った線は触媒的アスパラギン酸塩の酸素原子とGB−16阻害剤の間の距離(オングストロームによる、1オングストローム=0,1nm)を表す。前記距離が2,5Åを超えないという事実で、GB−16の官能基と触媒的アスパラギン酸塩の位置が橋架け水素結合の形成のために最適であることが確かとなった。HIVプロテアーゼ活性部位(触媒的アスパラギン酸を除外した)はスティックモデル及び灰色の着色により示された。
【0055】
図3はHIV−1プロテアーゼ活性サイト中に挿入されたGB−24化合物のモデルを示す。阻害剤の表面がプロテアーゼの空洞に対して高い補完性を有するように思われる。主に疎水性表面のこの接近はGB−24阻害剤とHIV−1プロテアーゼの間の強力な結合を誘導する。阻害剤(1)のファンデアワールス表面は空間−充てんモデル(黒色)で示され、一方、HIVプロテアーゼの空洞はコノリー表面(灰色の点)として示される。HIVプロテアーゼの触媒的アスパラギン酸塩Asp25及びAsp25´(2)は黒色に着色され、一方、活性部位の残りは灰色で着色された。
【0056】
2.新規化合物の合成
新規化合物GB−21、GB−22、GB−25、GB−35、GB−40、GB−41、GB−43、GB−44、GB−45、GB−46、GB−48、GB−49、GB−50、GB−51、GB−52、GB−53、GB−54、GB−55、GB−56、GB−57、GB−58、GB−59、GB−60、GB−61、GB−63、GB−64、GB−65、GB−67、GB−70、GB−71、GB−76、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−82、GB−85、GB−87、GB−88、GB−89、GB−90、GB−91、GB−92、GB−94、GB−95、GB−102、GB−103GB−104、GB−105及びGB−106の一般的合成法。
化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(1.5mmol)(ここで、L、Y及びZは上記で定義される。)がベンゼン(1.5mL)及び1,2−ジメトキシエタン(3mL)中の水素化ナトリウム(80%、オイル保護)(0.1g、3.3mmol)の懸濁液へ添加された。8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)(0.50g、1.22mmol)又は8−テトラヒドロフラン−コバルトビス(ジカルボリド)(0.48g、1.22mmol)が、その後添加され、そして反応混合物は70℃まで加熱された。反応経過は、反応するコバルトビス(ジカルボリド)に関連するスポットが消失するまで薄層クロマトグラフィーにより観察された(シルフォール(Silufol)においてRf=0.6、溶離液CHCl3)。反応は通常5ないし10分で完結した。室温まで冷却し
た後、10mLのジエチルエーテルが添加され、混合物はその後、ろ紙を通してろ過され、それはその後、数mLのエタノールで洗浄された(残存するNaHの除去)。ろ液は真空下でエバポレートされ、残渣に20mLの水が添加され、残存する溶媒を除去するために懸濁液の約2mLがエバポレートされた。生成物はその後ジクロロメタン(総量10mL)で2回抽出された。相分離を加速するために塩化ナトリウムが添加されるべきである(0.2g)。合わされた有機画分はろ紙を通してろ過され、薄層クロマトグラフィーでチェックされた(シルフォール(Silufol)、アセトニトリル/クロロホルム 1:2 v/v)。単一スポットのみが存在する場合、ジクロロメタン溶液に対して2倍量のヘキサンが注がれ、該系は少なくとも2日間結晶化するために放置された。生成物はその後、結晶の形態又は固化オイルの形態で現れた。後者においては、上澄みが油層からデカントされるが、それはその後、50℃において真空下で脆弱な泡状物に変換された(約15分)。
初期の生成物のTLCが1スポットより多い場合、生成物はシリカゲルに付され、混合物の成分はアセトニトリル/クロロホルム(1:2 v/v)を用い混合物の緩徐な溶出により分離された。移動相のエバポレーションの後、該成分は上述のようにして後処理された。生成の収率はコバルトビス(ジカルボリド)の初期量に対してほぼ定量的であった。ナトリウム塩は通常1個のNa+カチオンに対して2分子の水の状態で結晶化した。
化合物GB−35、GB−46、GB−48、GB−50、GB−56、GB−57、GB−71、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−104、GB−105及びGB−106のために、前記手順は、ポリオール、ポリフェノール、アミン、アミド及びスルホンアミドにおける活性プロトンの置換が所望の程度に達するまで繰り返された。この手順により得られた化合物は、1つより多いコバルトビス(ジカルボリド)クラスターを含んでいた。
【0057】
新規化合物の一般的合成法に従って製造した化合物の特性
上述の方法により製造された化合物は、Y−Z基又はZ基の1H−NMRシグナル以外
は殆ど同一の分子の1H及び11B NMRスペクトルを有していた。全ての新規化合物は1H及び11B NMRスペクトルにより特徴付けられ、該データは以下に記載された一般的特徴に要約され得る。
1H−NMRスペクトルにおいて、2つのCHカルホ゛ラン基:4.23ppm(s,
H)及び3.10ppm(s,2H)が特徴的であり、同様にO−CH2CH2O−B基:4.11−3.60ppm(t,2H)及び3.81−3.20ppm(t,2H)、O
−CH2CH2O−基:両CH2−基が4.5−2.0ppm(m,4H)の範囲内で共鳴
した、が特徴的であった。水和水:約4.3ppmにおいて特徴的な幅広いシグナル。
11B NMR:強度比1:1:2:2:2:1であるシグナルの2個の6重線、即ち理論的に12個のシグナル。11個のシグナルが識別可能であり、2個のシグナルが通常合併される(例えば、−22.1ppmにおいて)。約23ppmのシグナルのみが1重線(B(8´)−O−に対応)であり、他は2重線である。スペクトルの例外的に広い範囲(
約52ppm、+22.93ppmから−28.42ppmまで)が置換されたジカルボリド配位子のスペクトルの範囲により決定された。未置換のジカルボリド配位子のシグナルはより狭い範囲(約22.5ppm)内であり、元のコバルトビス(ジカルボリド)のシグナルとの比較において僅かに移動しただけである。これに基づき、それらを識別することができるが、時々それらは置換された配位子のスペクトル中に隠される。
例として以下を実証する。
【0058】
GB−21
1H−NMR:400MHz、アセトン−d6、8.01(s,1H,HO−)、7.24−7.17(m,10H,重なった2個のフェニル基)、4.24(幅広s,2H,H2
O)、CHカルホ゛ラン:4.23(s,H)及び3.10(s,2H)、基O−CH2
CH2O−B:4.11(t,2H)及び3.81(t,2H)、基O−CH2CH2O−
:両CH2基は重なる:3.64−3.59(m,4H)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:23.92s(2B,B8)、5.5
7d(2B,B8´)、0.5d(2B,B10´)、−2.47d(2B,B10)、−4.6d(4B,B4´,7´)、−6.92d、−7.347d(8B,B9,12,9´,12´)、−8.63d(4B,B4,7)、−17.17d(4B,B5´,11´)、−20.21d(4B,B5,11)、−21.97d(2B,B6´)、−28.44d(2B,B6)。
【0059】
GB−22
1H−NMR:400MHz、アセトン−d6、7.33−7.24(非対称.m.,10H,2個のPh−基)、3.78(s,2H,2個のCH基)、2.65(s,8H,2×2H2O)、CHカルホ゛ラン:4.2(s,H)及び3.1(s,2H)、基O−C
H2CH2O−B:4.1(t,2H)及び3.8(t,2H)、基O−CH2CH2O−:両CH2基:3.6(m,4H)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:23.92s(2B,B8)、5.5
7d(2B,B8´)、0.5d(2B,B10´)、−2.47d(2B,B10)、−4.6d(4B,B4´,7´)、−6.92d、−7.347d(8B,B9,12,9´,12´)、−8.63d(4B,B4,7)、−17.17d(4B,B5´,11´)、−20.21d(4B,B5,11)、−21.97d(2B,B6´)、−28.44d(2B,B6)。
【0060】
GB−25
1H{11B選択的}NMR:400MHz、アセトン−d6、:4.15(2H,CHカルホ゛ラン)、4.104(4H,CHカルホ゛ラン)、3.790−3.712m(12H,CH2O−)、3.632m(4H,CH2O−)、[2.95](H10´)、[2.89](H4´,7´)、[2.69](H10)、[2.61](H8´)、[2.058](H9´,12´)、[1.846](H4,7,9,12)、[1.73](H6´)、[1.622](H5´,11´)、[1.541](H5,11)、[1.46](H6)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:23.92s(2B,B8)、5.5
7d(2B,B8´)、0.5d(2B,B10´)、−2.47d(2B,B10)、−4.6d(4B,B4´,7´)、−6.92d、−7.347d(8B,B9,12
,9´,12´)、−8.63d(4B,B4,7)、−17.17d(4B,B5´,11´)、−20.21d(4B,B5,11)、−21.97d(2B,B6´)、−28.44d(2B,B6)。
【0061】
GB−19の合成
Curchill AH,Reis JN,Francis JN,Hawthorne
MF(1970年)J.Am.Chem.Soc.92巻、4993−4994頁;St.Clair D,Zalkin A,Templeton DH.(1969年)Inorg.Chem.10巻、2080−2086頁中で記載されたようにして生成された[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Cs2(1g、13mmol)を60%(w/w)H2SO4の50mLと合わせ、その懸濁液をモノヒドロキシ誘導体のピークの約90%が消
失する(反応経過はGruner B.,Plzak Z.:J.Chromatogr.A(1997年)789巻、497頁中で教示される疎水性ボレートアニオン分析の方法を用いるHPLCにより観察された。)まで35時間125℃(浴の温度)まで加熱した。反応混合物を冷却した後、150mLの水を添加し、生成物をジエチルエーテル(3×20mL)中へ抽出した。合わされたエーテル層へ水(20mL)を添加し、エーテルを真空中でエバポレートした。該水溶液へ水10mL中の塩化セシウム(1.0g)溶液を添加し、結果として得られる懸濁液はろ去され、風乾された。固体物質は水(15mL)と合わされ、該懸濁液は85℃で水浴中で加熱された。固体相が溶解するまでエタノールを添加した。沈殿した結晶はろ去され真空中乾燥され、溶媒の混合物CH3CN−CH2Cl2 1:2に再溶解し、1:1までの勾配を有する移動相CH3CN−CH2Cl2 1:2でメルク(Merck)60μmカラムでの低圧クロマトグラフィーでクロマトグラフィーに付された。溶媒をエバポレートした後、固体相をエタノール−水(1:1)の熱い混合物中に溶解し、CsCl(500mg)を添加し、溶液を室温まで冷却して結晶化させるために2日間放置した。暗赤色の結晶をろ去し、エタノール−水混合物から再結晶した。収率:非対称的に置換された異性体390mg(37%)、中心のクラスターにおいて対称的に置換された異性体105mg(10.1%)。
対称的異性体:1H{11B選択的}NMR:400MHz、アセトン−d6、:3.564(4H,CHカルホ゛ラン)、3.336(2H,CHカルホ゛ラン)、[3.288](BH)、[2.775](BH)、[2.593](BH)、[2.406](BH)、[1.737](BH)、[1.740](BH)、[1.631](BH)、[1.550](BH)、[1.424](BH)。
11B NMR:(128MHz)アセトン−d6:28.28d(2B)、4.59d(
2B)、−2.23d(4B)、−4.16d(2B)、−7.85d(8B)、−8.89d(2B)、−18.98d(4B)、−22.92d(2B)。
二セシウム塩を以下に示す手順により二ナトリウム塩(GB−19)へ変換した:塩の100mgを3M HCl(10mL)とジエチルエーテル(10mLL)の間で振盪し、有機層を分離し、3M HCl(10mL)で2回振盪した。有機層をNa2CO3の10%水溶液の20mL、水の20mLでゆっくり3回振盪し、エーテル相を分離し、真空中、80℃でエバポレートし、乾燥した。
【0062】
GB−24の合成
著作物(Plesek J,Hermanek S,Base K,Todd LJ,F.WW.(1976年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.41巻、3509−3515頁;Plesek J,Rajabi FH,Vangani V,Fusek J.(1994年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.59巻、1326−1336頁)において教示されるようにして生成されたアミノ誘導体[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH]の二つの150mg(0.
44mmol)を2つのフラスコ中のジエチレングリコールジメチルエーテル(DME)(15mL)に溶解し、両方の溶液へ、広い比表面積(2m2g-1)を有する水素化ナト
リウム12mgを乾燥窒素雰囲気中、撹拌下で添加した。フラスコAにおける反応混合物を常温において1時間撹拌し、その後エピクロロヒドリン35μLをセプタムを介して添加し、反応混合物を常温で2時間撹拌した。フラスコBの内容物をカニューレによりフラスコAに添加した。反応混合物を常温で2時間撹拌し、その後、26時間還流下で撹拌した。反応混合物を冷却した後、クロマトッグラフィーのためのシリカゲル(メルク、2g)をフラスコ中へ添加し、溶媒をエバポレートした。反応生成物で覆われたシリカゲルをシリカゲルカラム(2×25cm)へ移し、生成物を未反応の出発物が洗い流されるまでベンゼン−ヘキサン 2:1混合物で溶出し、その後、ベンゼンで溶出した。RF=0.
37であるTLC(シルフォール(Silufol)、ベンゼン)の赤色スポットに対応する化合物を含む溶液を収集した。溶液をエバポレートし、生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。収率:105mg(32%)
1H NMR:400MHz、アセトン−d6、:7.41(2H,NH),4.791(2H,CH2),4.241(2H,CH),3.296(8H,CHカルホ゛ラン)。
11B NMR,128MHz,アセトン−d6:5.044s(4B)、−1.021d
(4B)、−8.66d、−9.891d、−11.15d(16B)、−15.77d(8B)、−25.59d(4B)。
【0063】
3.既知化合物の合成
GB−1
化合物は、水性ジオキサン中、確立された中性化合物8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)誘導体(Plesek J,Hermanek S,Franken A,Cisarova I,Nachtigal C.(1997年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.62巻、47−56頁)と水酸化ナトリウムとの反応による以下に示す手順下で調製された:8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)1.0gをジオキサン−水混合物4:6の50mLに溶解し、10%水酸化ナトリウム溶液10mLを添加した。反応混合物を2時間80℃まで加熱した。混合物を冷却した後、100mLの水を添加し、低い温度においてジオキサンをエバポレートし、その後3M HClを50mL添加した。水相をジエチルエーテル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×20mL)で洗浄し、分離した。50mLの水を添加した後、エーテルをエバポレートした。エタノールを生成物が溶解するまで添加し、生成物はその後、過剰の水性(CH3)3N.HClにより沈殿させ、ろ過し、真空中で乾燥した。(8−HO−(CH2−CH2O)2−1,2−C2B9H10)(1´,2´
−C2B9H11)−3,3´−Co](CH3)3NHの収率:0.99g、86%。
1H NMR:アセトン−d6、:4.27(2H,CHカルホ゛ラン)、4.11m(2H,CH2−O)、3.97s(2H,CH2)、3.81(2H,CH2−O)、3.6
4−3.59m(4H,2CH2−O)、3.10s(2H,2CHカルホ゛ラン)、[
2.95](H10´)、[2.79](H4´,7´)、[2.72](H10)、[2.90](9H,(CH3)3NH)、[2.48](H8´)、[2.06](H9´,12´)、[2.06,1.81](H4,7,9,12)、[1.73](H6´)、[1.68](H5´,11´)、[1.59](H5,11)、[1.49](H6)。
11B NMR:アセトン−d6:23.8s(B8)、5.2(B8´)(131)、0
.5(B10´)(135)、−2.5(B10)(139)、−4.6(B4´,7´)(142)、−7.0d、−7.5d(B9,12,9´,12´)(重複)、−8.7(B4,7)(176)、−17.2(B5´,11´)(150)、−20.3(B5,11)(150)、−22.1d(B6´)(重複)、−28.5(B6)(135)。
M.S.m/z=415.3
元素分析:%B計算値:41.22、実測:40.84、%Co計算値:12.49、実測:12.33
トリエチルアンモニウム塩は以下に示す手順によりナトリウム塩へ変換された:塩の1gを3M HCl(50mL)とジエチルエーテル(30mL)の間で振盪し、有機層を分離し、3M HCl(50mL)で2回洗浄した。有機層をNa2CO3の10%水溶液の50mL、水の50mLで3回洗浄し、エーテル相を分離し、エバポレートして乾燥した。生成物は真空中で乾燥した。文献において、異なった、より複雑な方法によるこの化合物の生成を見出すことができる(Sivaev IB,Starikova ZA,Sjoberg S,Bregadze VI.(2002年)J.Organomet.Chem.649巻、1−8頁)。
【0064】
GB−8
化合物は、文献中に教示される方法により、高温で希H2SO4を用いるコバルトビス(ジカルボリド)アニオンの直接ヒドロキシ化により生成された(Plesek J,Gruner B,Baca J,Fusek J,Cisarova I.(2002年)J.Organometal.Chem.649巻、181−190頁)。
【0065】
GB−12
コバルトビス(ジカルボリド)の橋架け誘導体は未置換のイオンとパラホルムアルデヒドの反応による既知の方法に基づき調製された(Plesek J,Hermanek S,Base K,Todd LJ,F.WW.(1976年)Collection Czechoslovak.Chem.Commun.41巻、3509−3515頁)。
【0066】
GB−16
文献において教示された通りの化合物は上述の化合物GB−8と塩化ホスホリルの反応及びそれに続く、事前に中間体の加水分解により調製された(Plesek J,Gruner B,Cisarova I,Baca J,Selucky P,Rais J.(2002年)J.Organometal.Chem.657巻、59−70頁)。
【0067】
GB−23
化合物は文献中で教示された方法により調製された(Hawthorne MF,Young DC,Wegner PA(1965年)J.Am.Chem.Soc.87巻、1818頁)。
【0068】
GB−26及びGB−27
化合物は、文献中で教示された方法により、AlCl3で触媒される高温でのベンゼン
とコバルトビス(ジカルボリド)の反応により調製された(Plesek J,Hermanek S.(1995年)Coll.Czech.Chem.Commun.60巻、1297−1302頁)。
【0069】
GB−28、GB−29及びGB−30
化合物は、文献中で教示された方法により、AlCl3で触媒される高温でのコバルト
ビス(ジカルボリド)とビフェニル(GB−28の場合)との、トルエン(GB−29の場合)との及び1,2−ジメチルベンゼン(GB−30の場合)との反応により調製された(Teixidor F.,Casensky B.,Dozol J.F.,Hermanek S.,Mongeot H.,Rais J.(1998年)Report
EC,EUR 18217 EN,Louxemburg)。
【0070】
GB−31
[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Cs2は、文献中で教示された方法により、強塩基条
件での[(C2B9H11)2Co]-と過剰なCoCl2の反応により調製された(J.N.
Francis and M.F.Hawthorne(1968年)J.Amer.Chem.Soc.,90巻、1663−1664頁;St.Clair D,Zalkin A,Templeton DH.(1969年)Inorg.Chem.10巻、2080−2086頁)ナトリウム塩の提供の手順は以下の通り(Plesek J,Base K.,Mares F.,Hanousek F,Stibr B.and Hermanek S.(1984年)Coll.Czech.Chem.Commun.49巻、2776−2789頁)。
【0071】
GB−69
化合物は、文献中で事前に教示されたように8−ジオキサン−コバルトビス(ジカルボリド)から調製された(Sivaev I.B.,Starikova Z.A.,Sjoberg S.,Bregadze V.I.(2002年)J.Organomet.Chem.649巻、1−8頁)。
【0072】
GB−72、GB−73、GB−74及びGB−75
化合物は、文献中で教示された方法により、カリックス[4]アレンと8−ジオキサンコバルトビス(ジカルボリド)の反応により調製された(Gruner B.,Mikulasek L.,Baca J.,Cisarova I.,Bohmer V.,Danila C.,Reinoso−Garcia M.,Verboom W.,Reinhoudt D.N.,Casnati A,Ungaro R.Eur.J.Org.Chem.,近刊)。
【0073】
GB−96、GB−97、GB−98及びGB−99
化合物は、文献中で教示された方法により、コバルトビス(ジカルボリド)の直接ハロゲン化により調製される(Matel J.,Macasek F.,Rajec P,Hermanek S.,Plesek J.(1982年)Polyhedron 1巻、511−519頁)。
【0074】
4.インビトロにおける公知及び新規化合物の効力試験
最初に、公知及び新規化合物は、純粋な組み換えHIVプロテアーゼ及びウイルスのポリタンパク質の一つの開裂部位のアミノ酸配列から誘導される発色性ペプチド基質を用い、インビトロにおけるHIVプロテアーゼの特異的な活性を阻害するそれらの能力について試験された。試験は本発明の共同発明者の1人により公開された方法を用いて行われた(Konvalinka,L.,Litera,J.,Weber,J.,Vondrasek,J.,Hradilek,M.,Soucek,M.,Pichova,I.,Majer,P.,Strop,P.,Sedlacek,J.,Heuser,A.−M.,Kottler,H.and Kraeusslich,H.−G.(1997年).Eur.J.Biochem.250巻、559−566頁)。典型的な実験において、DMSOに溶解(DMSOの最終濃度が2.5%を超えないようなやり方で)された試験される阻害剤の種々の量が、0.3M塩化ナトリウムを含む酢酸緩衝液(pH4.7)の1mL中の純粋な組み換えHIVプロテアーゼ8nMへ添加され、反応は最終濃度が15μMになるまで、配列KARVNleF(NO2)EANle−NH2(ここで、Nleはノルロイシンを表し、F(NO2)はパラニトロフェニルアラニンを表す。)の発色
性基質の添加により開始された。反応経過は305nmにおける吸収の減少として分光光度法で観察された。試験化合物のIC50値は(Majer,P.,Urban,J.,Gregorova,E.,Konvalinka,J.,Novek,P.,Stehlikova,J.,Andreansky,M.,Sedlacek,J.and St
rop,P.(1993年)Arch.Biochem.Biophys.304巻、1−8頁)中で教示されるように、実験データから計算され、表1に示された。
GB−16の阻害試験はまた、野生型HIV−2プロテアーゼ、突然変異HIV−1 PR3/1及びカテプシンDについて行われた。結果を表2に示した。
更に、選択された新規化合物GB−48及びGB−80はHIV−プロテアーゼの耐性変異種を阻害する能力が試験された。表3は臨床的に使用される阻害剤サクイナビル、インジナビルの及び化合物GB−48及びGB−80の阻害定数(Ki値)を示す。全ての3種のプロテアーゼは、野生型HIV−1プロテアーゼよりも遥かに悪くサクイナビル及びインジナビルに結合した。耐性HIVプロテアーゼに対するGB−48及びGB−80の結合親和性は野生型に対する親和性と同程度であることが明らかであり、従って、臨床的に使用される阻害剤との比較において、GB−48及びGB−80は幾つかの耐性HIV−プロテアーゼに対する活性を維持する。
試験化合物(阻害剤タイプ)の作用機構は、異なった阻害剤濃度(Lineweaver−Burkeプロット)での初期反応速度の基質濃度に対する依存性から決定された。Lineweaver−BurkeプロットによるGB−16阻害剤の作用機構の決定の例を図4に示した。基質濃度に対する初期酵素反応速度の依存性は種々の阻害剤濃度(ここでは0及び15μM)において測定された。該測定は、0.3M NaClを含む0.1M 酢酸緩衝液中、37℃、pH4.7で行われた。y軸:初期酵素反応速度の逆数値、x軸:基質濃度(mol/dm3)の逆数値。GB−16阻害剤は、競合的阻害剤であ
った。
【表1】
【表2】
【表3】
【0075】
5.組織培養物におけるHIVウイルス感染性阻害の試験
組織培養物における化合物GB−8、GB−12及びGB−16の抗ウイルス活性は、公開された手法(Benyoucef S,Hober D,Shen L,Ajana
F,Gerard Y,Bocket−Mouton L,Mouton Y,Wattre P.(1996年)Microbiol Immunol.40巻(5号)、381−8頁)の2種の手法を変えたもので分析された。感染性のHIV粒子の産生及び感染性に対するHIVプロテアーゼ阻害剤の影響はこれらの分析により直接決定された。
化合物GB−8、GB−12及びGB−16の試験のために、ヘラ(HeLa)細胞が、ウイルスnef遺伝子の部位中にβ−ガラクトシダーゼ遺伝子を含むHIVウイルスのpNL−43株をコードするDNAにより形質転換された。全ての形質転換はデュプリケート(2回)で行われた。培地は形質転換に続く翌日に置き換えられ、DMSO中に溶解されたプロテアーゼ阻害剤が新鮮な培地中に添加された。コントロールは試験された細胞と同様のDMSO濃度において培養された。形質転換細胞の上澄液はレポーター細胞の感染のために次回で使用された。感染性は感染細胞における酵素β−ガラクトシダーゼ活性により定量化され、感染細胞は発色性のβ−ガラクトシダーゼ基質(X−gal)を用いて視覚化された。新規に形成されたビリオンのウイルスタンパク質は、SDS PAGEにより分離され、HIVカプシドタンパク質に対する抗体を用いて免疫化学的に視覚化された(ウエスタンブロット(Western blot))。
平行した実験において、HIVはプロウイルスクローンNL 4−3により形質転換した293個のT細胞に発現させた。全ての形質転換は、2回行われた。培地は形質転換に続く翌日に置き換えられ、DMSO中に溶解されたプロテアーゼ阻害剤が新鮮な培地中に添加された。コントロールは試験された細胞と同様のDMSO濃度において培養された。ウイルス感染性はTZM細胞(HIVウイルスにより産生されたTatタンパク質により活性化された、β−ガラクトシダーゼ遺伝子と結合したゲノム中にHIVからのLTRプロモーターを有するレポーター細胞)により細胞上澄液の滴定により定量化された。感染の2日後にレポーター細胞はメタノール/アセトン混合物により溶解され、固定化された
。感染細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性は発色性基質X−galの添加後の青色により視覚化された。典型的な実験結果を図5に示した。実験はGB−8、GB−12及びGB−16阻害剤がウイルス感染性を阻害することを実証した。GB−16阻害剤の10μM溶液は、HIV感染性を初期値の約27%まで減少した;同様の活性に到達するためにGB−8阻害剤の100μM溶液が必要であった。
化合物GB−48の試験のために、ウイルス株NL4−3により感染されたPM1細胞培養物を感染2日後に新鮮で未感染の細胞と共に1ないし10に分割した。未結合のウイルスを除去するために、細胞は事前加温された培地で感染後4時間洗浄された。細胞はその後、最終濃度0.74ないし60μMでDMSO中に溶解されたGB−48と共に40時間培養された。コントロールの細胞はGB−48処理細胞と同様の量のDMSOを用いて培養された。遊離ウイルスを捕獲するために、細胞は1500rpmで5分間遠心分離され、上澄液の10μLが滴定のために使用された。ウイルス感染性の変化は上述のようにTZM−細胞上の上澄液の滴定により解析された。感染の2日後にTZM−細胞はメタノール/アセトンにより溶解され、固定化された。感染細胞のβ−ガラクトシダーゼ活性は発色性基質X−galの添加後の青色着色により視覚化された。全ての滴定は、2回の分析で行われた。ウイルス価及び標準偏差は三つの独立した滴定から計算された。活性試験の例を図6に示す。GB−48は6,6ないし60μMの濃度において強力にウイルス感染性を阻害した。これらの濃度において、ウイルス感染性に少なくとも3桁のウイルス価の低下が観察された。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明はHIVに感染した患者の治療のため及びAIDSの治療のために医薬産業において及び医薬品において利用可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々のクラスターが6ないし12個のホウ素原子を有するボラン及び/又はカルボラン及び/又はメタラカルボランからなる群より選択されるクラスターを含む、HIVプロテアーゼ阻害剤として使用するための化合物であって、個々のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの電荷は0、−1又は−2であり、阻害剤分子中のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの数は1ないし9個であり、メタラカルボラン阻害剤中のカルボランクラスターはコバルト、鉄、ニッケル及びルテニウムからなる群より選択される遷移金属原子に配位している
化合物。
【請求項2】
窒素、リン、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子が前記クラスター内に存在することを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項3】
一般式(I)
(R1)nA(−X−Y−Z)m
(I)
(式中、Aは、アニオン性クラスターであるB10H10(2-)、B12H12(2-)、CB6H7(-)
、CB7H8(-)、CB9H10(-)、CB10H11(-)、CB11H12(-)、SiB11H12(-)、SiB11H11(2-)、SnB11H11(2-)、GeB11H11(2-)、7,8−C2B9H12(-)、7,9
−C2B9H12(-)、Si2B10H12(-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(C2B9H11)Co
(III)(C2B8H10)jCo(III)(C2B9H11)](2-)、[(1,2−C2B9
H11)2−3−Fe(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Fe(III)
](-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Ni(III)](-)、[1−(C5H5)Fe
(III)(CB10H11)](-)、[(C5H5)Co(III)(1,2−CB10H11)
](-)、[(C5H5)Ni(III)(1,2−CB10H11)](-)、[(C2B10H12)2M(III)](-)又は中性クラスターである1,2−C2B8H10、1,6−C2B8H10
、1,10−C2B8H10、1,2−C2B10H12、1,7−C2B10H12、1,12−C2
B10H12、P2B10H10、SB11H11、NB11H11、PB11H11、[(C5H5)(1,2
−C2B9H11)−3−Co(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Co(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)−3−Fe(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Fe(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)Ni(III)]、[(C5H5)Fe(II)(C3B8H11)]、[(C5H5)Ru(II)(C3B8H11)]、[(C3B8H11)2−Fe(II)]、[(C5H5)Fe
(II)(C3B7H10)]、[1−(C5H5)Fe(II)(PC2B8H10)]、[(C2B9H11)−Co(III)(C3B8H11)]、[(C2B10H12)−M(III)(C5H5)]を表わし、ここで、一般式−X−Y−Z及びR1で表される置換基は、クラスターAの炭素原子、ホウ素原子又はヘテロ原子に結合され、jは1ないし3を表わし、Mは、Fe、Co、Ni、Ruを表わし、及び、ここで、R1は、同一又は異なって、水素原子
、ハロゲン原子、メチル基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェニレン基、チオール基、メトキシ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群より選択され、mは、0、1又は2を表わし、nは、0ないし12を表わし、
Xは、同一又は異なって、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−N(R3)−、−P(R3)−、−S−、炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基、−(CH2CH2O)q−、−O(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)q−、−(CH2CH2O)qCH2CH2
−、−(OCH2CH2)qN(R3)−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7)−、−(OCH2CH2)qN(R3)(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7
)(CH2CH2O)q−、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基を表し
、
[(1,2−C2B9H11)2−3−M(III)](-)型のメタラカルボランの場合、Xは、橋架け基である、>S、>N、>N(R3)+、>P、>O2P、>O2P(=O)、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基、独立して0ないし3個のR14で置換されたエタンジイル基の1つを表わし、置換基Yはこの橋架け基に結合し、ここで、Mはこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、qは、0ないし12を表わし、
ここでR3は、同一又は異なって、水素原子、A、−(CH2CH2O)q−A、−S(=O)k(R7)、−C(=O)(R5)、−S(=O)2N(R7)(R8)、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10で置換されたフェニル基、0ないし5個のR10で置換されたナフチル基、0ないし5個のR10で置換されたアダマンチル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし4個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここで、qはこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、kは0、1又は2を表わし、
ここでR10は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−C(=O)O(R7)、−C(=O)(R5
)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)
、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)C
(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S
(=O)2(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル
基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O)O(R7)、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、−C(R8)=N−O(R8)、0ないし5個のR11で置換された炭素原子数5ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここでkは、この請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR7は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR14で置換されたフェニル
基、0ないし3個のR14で置換されたフェニルメチル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルアミノカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数3ないし6のアルコキシアルキル基を表わし、R7が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用され
る如何なる基をも意味し、R7が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護するため
に通常使用される如何なる基をも意味し、
ここでR14は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2NH2、−NH2、−C(=O)OH、−C(=O)(炭素原子数1ないし3のアルキル
)、−OH、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−C(=O)NH2、−O
C(=O)NH2、−NHC(=O)NH2、−S(=O)2NH2、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ニトロ基、炭素原子数1ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、
−B(OH)2、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−NH2で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O
)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、アリール(炭素原子数1ないし3のアルキル)基、炭素原子数5ないし14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同様の複素環を表わし、
ここでR6は、炭素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、−C(=O)OH、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−O(R7)
、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、−N(R7)(
R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロ
キシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−S(=O)k(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、−NHS(=O)2(R8
)、−OCH2C(=O)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C(R8)=N−O(R8)、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテ
ロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし3個のR9で置換された同様の複素環
、他の末端が環の隣接炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR6が飽和炭
素原子に結合する場合、R6は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k及びR7はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR8は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、炭
素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数2ないし6のアルケニル基、フェニルメチル基、アミノ基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基(該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基からなる群から独立して選択される0ないし3個の基で置換されている。)を表わし、R8が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用される
如何なる基をも表わし、又は、R8が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護する
ために通常使用される如何なる基をも表わし、
ここでR9は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表わし、
ここでR6は、窒素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアル
キル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、C(R8)=N=O(R8)(式中、R7
及びR8はこの請求項の上記で定義されたものと同様である。)を表わし、
R7及びR8はまた、基−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CH2CH2N(R9)CH2CH2−又は−CH2CH2OCH2CH2−を形成するように結合することができ、
ここでR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、フェニルメチル基、フェネ
チル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、アジド基、ホルミル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−OCH2C(=O)OH、−C(=O)O(R7)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ない
し6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)
、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7
)(R8)、−N(R7)C(−O)N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2(R7)、−S(=O
)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のア
ルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、0ないし2個のR6で置換された−(炭素原子数
1ないし3のアルキル)アリール基、0ないし3個のR6で置換された炭素原子数5ない
し14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同
様の複素環を表わし、
ここで、k、R6、R7及びR8はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR11は、炭素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェネチル基、フェノキシ基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(NH2)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジ
オキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、−NHS(=O)−(R8)、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C
(=O)O(R7)、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)N(R7)N(R7)(
R8)、シアノ基、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のハロアルケニル基、炭素原子数2ないし4のハロアルキニル基、−N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−NO2、
−O(R7)、−N(R12)(R13)、−S(=O)k(R7)、−S(=O)kN(R7)
(R8)、−C(=O)N(R7)(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−C(=
O)(R5)、−OC(=O)(R5)、−OC(=O)O(R7)、フェニル基、−C(
=O)N(R7)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、−N(R7)(R8)、−C(
=O)N(R12)(R13)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−N(R7)C(=O)O(R7)、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基(該アルコキシ基は、R5、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、−OC(=O)O(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)又はヒドロキシル基からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、炭素原子数1ないし4のアルキル基(該アルキル基は、R5、=N(R8)、=NN(R7)C(=O)N(R7)(R8)又は−
N(R7)(R8)からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、0ないし4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし
4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルキニル基、酸素、硫黄及び窒素から
なる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環、他の末端が環の次の炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR11が飽和炭素原子に結合する場合、R11は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k、R5、R7及びR8はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR12は、同一又は異なって、水素原子又は炭素原子数1ないし3のアルキル基を表わし、
ここでR13は、同一又は異なって、−C(=O)N(R7)(R8)、−C(=O)N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)C(=O)O(R7)、−C(=O)H、−C(=O)(R5)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−
N(R7)(R8)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、−N(R7)
C(=O)O(R7)を表わすか又はカルボキシル基を介して窒素原子に結合したアミド
により結合された1ないし3個のアミノ酸基を表わし、
ここでR5、R7及びR8は、この請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR11は、窒素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキ
ル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基又は−C(R8)=N−O(R8)を表わし、ここでR7及びR8は、この請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR11は、硫黄原子に結合する場合、=Oを表わし、
ここでYは、同一又は異なって、R2及びR3からなる群から独立して選択される0ないし4個の置換基で置換された炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基;0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のシクロアルカンジイル基;−X−;−C(=
O)−;−(CH2CH2O)q−;−O(CH2CH2O)q−;−(OCH2CH2)q−;
−(CH2CH2O)qCH2CH2−;−S(=O)k−;−P(=O)(OR3)−X−;
−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−C(=O)−X−;−(CF2)q−;0ないし3個のR14で独立して置換されたフェニレン基を表わし、ここで、k、q、X、R3及びR14はこの請求項の上記で定義されたも
のと同様であり、
ここでR2は、同一又は異なって、水素原子、−A、−X−A、−O(R7)、−S(R7
)、−N(R7)、−C(=O)O(R7)、ケト基、0ないし3個のR5で置換された炭
素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR5で置換された炭素原子数2ないし
8のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、0ないし5個のR14で独立して置換されたフェニル基、0ないし3個のR5で置換されたアルキニル基、炭素原子数1ないし8のパ
ーフルオロアルキル基、0ないし3個のR5若しくは0ないし3個のR6で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環、オリゴエチレングリコール、R6を表わし、ここでA、X、R5、R6、R7、R11及びR14はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR4は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR10で置換された炭素原子
数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、ここでR10及びR11はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでZは、同一又は異なって、水素原子、A、−X−A、(−X−A)2、−C(=O
)−X−A、−CH(OH)−X−A、−CH(NH2)−X−A、−NH−A、−NH
−CH(OH)CH−NH−A、−S(=O)k−X−A、−O−P(=O)(OR3)−X−A、−O−P(=O)(N(R3)(R4))−X−A、R3、R7、R10、0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のアルキル基、−OH、−O(R3)、0ないし4個のR3で置換されたカリックス[4]アレン基を表わし、ここでk、A、X、R2、R3、R4、R7及びR10はこの請求項の上記で定義されたものと同様である。)で表さ
れる請求項1又は2に記載の化合物及びそれらの医薬的に許容される塩。
【請求項4】
一般式(II)
(R1)nA(−X−Z)m
(I)
(式中、A、X、Z及びR1並びにm、nは請求項3で定義されたものと同様である。)
で表される請求項1又は2に記載の化合物及びそれらの医薬的に許容される塩。
【請求項5】
GB−1 [8−HO−(CH2−CH2O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2
B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−8 [8−(OH−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−12 [8,8´−μ−O−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−16 [8−(O−P(=O)(OH)2)−(1,2−C2B9H10)(1´,2
´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−19 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−8´,10´−(OH)2−
(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−21 [(8−((C6H5)(OH)CH−CH−O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−22 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−23 [(C2B9H10)2−3−Fe]Na・4H2O
GB−24 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2−CH(OH)−CH2−8´´,8´´´−μ−NH−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H10)]
GB−25 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)4−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)3´´,3´´
´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−26 [8,8´−μ−(1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−27 [4,8´−8,4´−μ−(1,2−C6H4)2(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)−3,3´−Co]Na
GB−28 [8,8´−μ−((4−C6H5)−1,2−C6H3)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−29 [4,8´−μ−((4−CH3)−1,2−C6H4)−8,4´−μ−(
(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)
−3,3´−Co]Na
GB−30 [8,8´−μ−((4−CH3)(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−31 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−35 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−D,L−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−40 [(8−(C6H5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−41 [(8−((3−CF3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−42 [(8−((2−CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−43 [(8−((4−C(C6H5)3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−44 [(8−((4−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−45 [(8−(C6F5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−46 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CB10H10)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(
1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−47 [(8−((2−OCH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−48 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2CH2CH3)−CH2CH2OCH2CH2−8´
´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−49 [(8−((CB10H10)NH−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9
H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−50 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(CH2CH3)2−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−51 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−52 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2N(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−
Co]Na
GB−53 [(8−((CH2)6(CH)3CCH2−O−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−54 [(8−(C6F5O−(CH2)5O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−55 [(8−((C6H5CH2OCH2)2(HOCH2)C−CH2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−56 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2OCH2C(C6H5CH2OCH2)CH2(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−57 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(SO2((4−CH3)−C6H5))−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´
,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−58 [(8−((C6H5CH2)2CH−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−59 [(8−((C6H5CH2)2CH−(CH2)5O−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−60 [(8−((5−(CH3)2N)−1−C10H6−SO2NH−(CH2−C
H2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]NaGB−61 [(8−((C2B10H11)−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−63 [(8−(C6H4(CO)(SO2)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−64 [(8−(C6H4(CO)(CO)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−65 [(8−(((4−CH3)−C6H4SO2)2N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−67 [(8−((4−NH2)−C6H4SO2NH−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−69 [(8−(NH3−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−70 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−71 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−N(CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11))2]Na2
GB−72 [(8−(カリックス[4]アレン−O−(CH2−CH2O)2)−1,2
−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−73 [1,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2
B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)2−カリックス[4]アレン]Na2
GB−74 [1,2,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−カリックス[4]アレン]Na3
GB−75 [1,2,3,4−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)4−カリックス[4]アレン]Na4
GB−76 [(8−((3−OH)(5−OH)−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−77 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2(−3−O−(C6H3(1−OH))−5−O)−CH2CH2O
CH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−78 [1,3,5−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−C6H3]Na3
GB−79 [((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−NH]Na2
GB−80 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´
−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−82 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−S−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−85 [(8−((2−CH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−87 [(8−(2,6−(CH2C6H5)2−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−88 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−89 [(8−((2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−90 [(8−((2−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−91 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2−SO2NH−(CH2−CH2
O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−92 [(8−((2−CH2CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2
)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−94 [(8−((2−Br)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−95 [(8−(2,4,6−(Br)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−96 [(8−Cl−1,2−C2B9H10)(8´−Cl−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−97 [(8−I−1,2−C2B9H10)(8´−I−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−98 [(8,9,12−(Cl)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Cl)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−99 [(8,9,12−(Br)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Br)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−102 [(8−(NH2(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−103 [(8−(NH2(C6H5CH2)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−104 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2C6H5)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2
B9H11)]Na
GB−105 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2OH)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−
O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−106 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(C(CH3)3)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O
−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
からなる群より選択される化合物及びそれらの医薬的に許容される塩。
【請求項6】
請求項5に記載の新規化合物、GB−21、GB−40、GB−41、GB−43、GB−44、GB−45、GB−49、GB−51、GB−52、GB−53、GB−54、GB−55、GB−58、GB−59、GB−60、GB−61、GB−63、GB−64、GB−65、GB−67、GB−70、GB−76、GB−82、GB−85、GB−87、GB−88、GB−89、GB−90、GB−91、GB−92、GB−94、GB−95、GB−102、GB−103の製造方法であって、
8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(式中、Lは、脱プロトン化されたヒドロキシ基及び/又はアミノ基及び/又は置換されたアミノ基及び/又はアミド基及び/又はスルホンアミド基及び/又はチオエーテル基からなる群より選択され、Y及びZは請求項3で定義されたと同様である。)で処理される工程を含む製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の新規化合物、GB−22、GB−25、GB−35、GB−46、GB−48、GB−50、GB−56、GB−57、GB−71、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−104、GB−105、GB−106の製造方法であって、
8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が同様に化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(式中、L、Y及びZは請求項6で定義されたと同様である。)で処理され、結果として得られた生成物が精製の後に、更に8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)で処理され、この手順は、ポリオール、ポリフェノール、アミン、アミド及びスルホンアミドにおける反応性プロトンの置換が所望の程度に達するまで繰り返される工程を含む製造方法。
【請求項8】
請求項5に記載の新規化合物、GB−54及びGB−59の製造方法であって、
8−テトラヒドロフラン−コバルト ビス(ジカルボリド)が脱プロトン化されたペンタフルオロフェノール又は脱プロトン化されたジベンジルメタノールである化合物で処理される工程を含む製造方法。
【請求項9】
請求項5に記載の新規化合物、GB−19の製造方法であって、
[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−8´,10´−(OH)2−(1,2−C2B8H10)−3´´−Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Cs2(カナスチド(Canastide))が高温において硫酸溶液で処理される工程を含む製造方法。
【請求項10】
請求項5に記載の新規化合物、GB−24の製造方法であって、
水素化ナトリウムにより脱プロトン化され、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DME)に溶解された化合物[(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH]が常温においてエピクロロヒドリンで処理され、生成物がシリカゲルカラムにおける反応混合物の精製により得られる工程を含む製造方法。
【請求項11】
請求項3に記載の一般式(I)、(R1)nA(−X−Y−Z)mで表される前記化合物及
び/又は請求項4に記載の一般式(II)、(R1)nA(−X−Z)mで表される前記化
合物及びそれらの医薬的に許容される塩から選択される少なくとも1種のHIVプロテア
ーゼ阻害剤を含むHIV感染症及びAIDSの治療において使用するための医薬組成物。
【請求項12】
請求項5に記載の新規化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の少なくとも1種を含むHIV感染症及びAIDSの治療において使用するための医薬組成物。
【請求項1】
各々のクラスターが6ないし12個のホウ素原子を有するボラン及び/又はカルボラン及び/又はメタラカルボランからなる群より選択されるクラスターを含む、HIVプロテアーゼ阻害剤として使用するための化合物であって、個々のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの電荷は0、−1又は−2であり、阻害剤分子中のボランクラスター、カルボランクラスター又はメタラカルボランクラスターの数は1ないし9個であり、メタラカルボラン阻害剤中のカルボランクラスターはコバルト、鉄、ニッケル及びルテニウムからなる群より選択される遷移金属原子に配位している
化合物。
【請求項2】
窒素、リン、ケイ素、ゲルマニウム、スズ及び硫黄からなる群より選択されるヘテロ原子が前記クラスター内に存在することを特徴とする請求項1記載の化合物。
【請求項3】
一般式(I)
(R1)nA(−X−Y−Z)m
(I)
(式中、Aは、アニオン性クラスターであるB10H10(2-)、B12H12(2-)、CB6H7(-)
、CB7H8(-)、CB9H10(-)、CB10H11(-)、CB11H12(-)、SiB11H12(-)、SiB11H11(2-)、SnB11H11(2-)、GeB11H11(2-)、7,8−C2B9H12(-)、7,9
−C2B9H12(-)、Si2B10H12(-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Co(III)](-)、[(C2B9H11)Co
(III)(C2B8H10)jCo(III)(C2B9H11)](2-)、[(1,2−C2B9
H11)2−3−Fe(III)](-)、[(1,7−C2B9H11)2−3−Fe(III)
](-)、[(1,2−C2B9H11)2−3−Ni(III)](-)、[1−(C5H5)Fe
(III)(CB10H11)](-)、[(C5H5)Co(III)(1,2−CB10H11)
](-)、[(C5H5)Ni(III)(1,2−CB10H11)](-)、[(C2B10H12)2M(III)](-)又は中性クラスターである1,2−C2B8H10、1,6−C2B8H10
、1,10−C2B8H10、1,2−C2B10H12、1,7−C2B10H12、1,12−C2
B10H12、P2B10H10、SB11H11、NB11H11、PB11H11、[(C5H5)(1,2
−C2B9H11)−3−Co(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Co(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)−3−Fe(III)]、[(C5H5)(1,7−C2B9H11)−2−Fe(III)]、[(C5H5)(1,2−C2B9H11)Ni(III)]、[(C5H5)Fe(II)(C3B8H11)]、[(C5H5)Ru(II)(C3B8H11)]、[(C3B8H11)2−Fe(II)]、[(C5H5)Fe
(II)(C3B7H10)]、[1−(C5H5)Fe(II)(PC2B8H10)]、[(C2B9H11)−Co(III)(C3B8H11)]、[(C2B10H12)−M(III)(C5H5)]を表わし、ここで、一般式−X−Y−Z及びR1で表される置換基は、クラスターAの炭素原子、ホウ素原子又はヘテロ原子に結合され、jは1ないし3を表わし、Mは、Fe、Co、Ni、Ruを表わし、及び、ここで、R1は、同一又は異なって、水素原子
、ハロゲン原子、メチル基、ヒドロキシ基、フェニル基、フェニレン基、チオール基、メトキシ基及びトリフルオロメトキシ基からなる群より選択され、mは、0、1又は2を表わし、nは、0ないし12を表わし、
Xは、同一又は異なって、−O−、−C(=O)−、−CH2−、−N(R3)−、−P(R3)−、−S−、炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基、−(CH2CH2O)q−、−O(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)q−、−(CH2CH2O)qCH2CH2
−、−(OCH2CH2)qN(R3)−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7)−、−(OCH2CH2)qN(R3)(CH2CH2O)q−、−(OCH2CH2)qN+(R3)(R7
)(CH2CH2O)q−、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基を表し
、
[(1,2−C2B9H11)2−3−M(III)](-)型のメタラカルボランの場合、Xは、橋架け基である、>S、>N、>N(R3)+、>P、>O2P、>O2P(=O)、独立して0ないし3個のR14で置換されたフェニレン基、独立して0ないし3個のR14で置換されたエタンジイル基の1つを表わし、置換基Yはこの橋架け基に結合し、ここで、Mはこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、qは、0ないし12を表わし、
ここでR3は、同一又は異なって、水素原子、A、−(CH2CH2O)q−A、−S(=O)k(R7)、−C(=O)(R5)、−S(=O)2N(R7)(R8)、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10で置換されたフェニル基、0ないし5個のR10で置換されたナフチル基、0ないし5個のR10で置換されたアダマンチル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし4個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここで、qはこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、kは0、1又は2を表わし、
ここでR10は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−C(=O)O(R7)、−C(=O)(R5
)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)
、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)C
(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S
(=O)2(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル
基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O)O(R7)、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、−C(R8)=N−O(R8)、0ないし5個のR11で置換された炭素原子数5ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、
ここでkは、この請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR7は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR14で置換されたフェニル
基、0ないし3個のR14で置換されたフェニルメチル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルコキシカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数1ないし6のアルキルアミノカルボニル基、0ないし3個のR14で置換された炭素原子数3ないし6のアルコキシアルキル基を表わし、R7が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用され
る如何なる基をも意味し、R7が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護するため
に通常使用される如何なる基をも意味し、
ここでR14は、同一又は異なって、水素原子、ケト基、ハロゲン原子、シアノ基、−CH2NH2、−NH2、−C(=O)OH、−C(=O)(炭素原子数1ないし3のアルキル
)、−OH、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、−C(=O)NH2、−O
C(=O)NH2、−NHC(=O)NH2、−S(=O)2NH2、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のアルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ニトロ基、炭素原子数1ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、
−B(OH)2、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−NH2で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−OCH2C(=O
)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、アジド基、アリール(炭素原子数1ないし3のアルキル)基、炭素原子数5ないし14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同様の複素環を表わし、
ここでR6は、炭素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、−C(=O)OH、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−O(R7)
、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、−N(R7)(
R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロ
キシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、−S(=O)k(R7)、−S(=O)2N(R7)(R8)、−NHS(=O)2(R8
)、−OCH2C(=O)OH、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C(R8)=N−O(R8)、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテ
ロ原子を含む5ないし10員の複素環又は0ないし3個のR9で置換された同様の複素環
、他の末端が環の隣接炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR6が飽和炭
素原子に結合する場合、R6は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k及びR7はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR8は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基、炭
素原子数1ないし6のアルコキシ基、炭素原子数2ないし6のアルケニル基、フェニルメチル基、アミノ基、炭素原子数1ないし6のアルキル基、炭素原子数1ないし6のアルキル基(該アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基からなる群から独立して選択される0ないし3個の基で置換されている。)を表わし、R8が窒素原子に結合する場合、アミノ基を保護するために通常使用される
如何なる基をも表わし、又は、R8が酸素原子に結合する場合、ヒドロキシ基を保護する
ために通常使用される如何なる基をも表わし、
ここでR9は、同一又は異なって、水素原子又はメチル基を表わし、
ここでR6は、窒素原子に結合している場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニル
メチル基、フェネチル基、ヒドロキシ基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアル
キル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、C(R8)=N=O(R8)(式中、R7
及びR8はこの請求項の上記で定義されたものと同様である。)を表わし、
R7及びR8はまた、基−(CH2)4−、−(CH2)5−、−CH2CH2N(R9)CH2CH2−又は−CH2CH2OCH2CH2−を形成するように結合することができ、
ここでR5は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、フェニルメチル基、フェネ
チル基、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)−NH(NH2)、−B(OH)2、スルホンアミド基、アジド基、ホルミル基、フェノキシ基、フェニルメトキシ基、ニトロ基、シアノ基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、−OCH2C(=O)OH、−C(=O)O(R7)、−OC(=O)(R7)、−O(R7)、炭素原子数2ない
し6のアルコキシアルキル基、−S(=O)k(R7)、−NHC(=NH)NH(R7)
、−C(=NH)NH(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R8)C(=O)(R7)、=N−O(R8)、−N(R8)C(=O)O(R8)、−OC(=O)N(R7
)(R8)、−N(R7)C(−O)N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−N(R8)S(=O)2N(R7)(R8)、−N(R8)S(=O)2(R7)、−S(=O
)2N(R7)(R8)、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数2ないし4のア
ルケニル基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、−N(R7)(R8)で置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルアミノ基、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、0ないし2個のR6で置換された−(炭素原子数
1ないし3のアルキル)アリール基、0ないし3個のR6で置換された炭素原子数5ない
し14の炭素環残基、酸素、硫黄及び窒素からなる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし3個のR6で置換された同
様の複素環を表わし、
ここで、k、R6、R7及びR8はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR11は、炭素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェネチル基、フェノキシ基、炭素原子数3ないし10のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数7ないし10のアリールアルキル基、−C(=O)−NH(NH2)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、メチレンジオキシ基、エチレンジ
オキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、−NHS(=O)−(R8)、フェニルメトキシ基、ハロゲン原子、2−(1−モルホリノ)エトキシ基、−C
(=O)O(R7)、−C(=O)−NH(OH)、−C(=O)N(R7)N(R7)(
R8)、シアノ基、−B(OH)2、スルホンアミド基、ホルミル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のハロアルコキシ基、炭素原子数2ないし4のハロアルケニル基、炭素原子数2ないし4のハロアルキニル基、−N(R7)(R8)、−C(R8)=N−O(R8)、−NO2、
−O(R7)、−N(R12)(R13)、−S(=O)k(R7)、−S(=O)kN(R7)
(R8)、−C(=O)N(R7)(R8)、−OC(=O)N(R7)(R8)、−C(=
O)(R5)、−OC(=O)(R5)、−OC(=O)O(R7)、フェニル基、−C(
=O)N(R7)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、−N(R7)(R8)、−C(
=O)N(R12)(R13)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−N(R7)C(=O)O(R7)、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基(該アルコキシ基は、R5、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、−OC(=O)O(R7)、−C(=O)N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)又はヒドロキシル基からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、炭素原子数1ないし4のアルキル基(該アルキル基は、R5、=N(R8)、=NN(R7)C(=O)N(R7)(R8)又は−
N(R7)(R8)からなる群から独立して選択される0ないし4個の基で置換されている。)、0ないし4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルケニル基、0ないし
4個のR5で置換された炭素原子数2ないし4のアルキニル基、酸素、硫黄及び窒素から
なる群から独立して選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし6員の複素環、他の末端が環の次の炭素原子に結合しそれにより5−又は6−員環を形成する炭素原子数3ないし4の炭素鎖(該5−又は6−員環は、如何なる脂肪族炭素原子においても、ハロゲン原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、ヒドロキシ基、−N(R7)(R8)で置換され得る。)を表わすか、又はR11が飽和炭素原子に結合する場合、R11は=O又は=Sを表わすことができ、
ここで、k、R5、R7及びR8はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR12は、同一又は異なって、水素原子又は炭素原子数1ないし3のアルキル基を表わし、
ここでR13は、同一又は異なって、−C(=O)N(R7)(R8)、−C(=O)N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)NH(R8)、−C(=O)C(R5)2N(R7)C(=O)O(R7)、−C(=O)H、−C(=O)(R5)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)−
N(R7)(R8)、−C(=O)−(炭素原子数1ないし4のアルキル)、−N(R7)
C(=O)O(R7)を表わすか又はカルボキシル基を介して窒素原子に結合したアミド
により結合された1ないし3個のアミノ酸基を表わし、
ここでR5、R7及びR8は、この請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR11は、窒素原子に結合する場合、同一又は異なって、フェニル基、フェニルメチル基、フェネチル基、ヒドロキシル基、炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキル基、炭素原子数3ないし6のシクロアルキルメチル基、−CH2N(R7)(R8)、−N(R7)(R8)、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキ
ル基、炭素原子数1ないし4のハロアルキル基、炭素原子数1ないし4のアルコキシカルボニル基、−C(=O)OH、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1ないし4のアルキルカルボニル基又は−C(R8)=N−O(R8)を表わし、ここでR7及びR8は、この請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR11は、硫黄原子に結合する場合、=Oを表わし、
ここでYは、同一又は異なって、R2及びR3からなる群から独立して選択される0ないし4個の置換基で置換された炭素原子数1ないし10のアルカンジイル基;0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のシクロアルカンジイル基;−X−;−C(=
O)−;−(CH2CH2O)q−;−O(CH2CH2O)q−;−(OCH2CH2)q−;
−(CH2CH2O)qCH2CH2−;−S(=O)k−;−P(=O)(OR3)−X−;
−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−P(=O)(N(R3)(R4))−X−;−C(=O)−X−;−(CF2)q−;0ないし3個のR14で独立して置換されたフェニレン基を表わし、ここで、k、q、X、R3及びR14はこの請求項の上記で定義されたも
のと同様であり、
ここでR2は、同一又は異なって、水素原子、−A、−X−A、−O(R7)、−S(R7
)、−N(R7)、−C(=O)O(R7)、ケト基、0ないし3個のR5で置換された炭
素原子数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR5で置換された炭素原子数2ないし
8のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、0ないし5個のR14で独立して置換されたフェニル基、0ないし3個のR5で置換されたアルキニル基、炭素原子数1ないし8のパ
ーフルオロアルキル基、0ないし3個のR5若しくは0ないし3個のR6で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環、オリゴエチレングリコール、R6を表わし、ここでA、X、R5、R6、R7、R11及びR14はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでR4は、同一又は異なって、水素原子、0ないし3個のR10で置換された炭素原子
数1ないし8のアルキル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルケニル基、0ないし3個のR10で置換された炭素原子数2ないし8のアルキニル基、0ないし5個のR10若しくは0ないし5個のR11で置換された炭素原子数3ないし14の炭素環残基、又は、酸素、硫黄及び窒素からなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の複素環、又は0ないし2個のR11で置換された同様の複素環を表わし、ここでR10及びR11はこの請求項の上記で定義されたものと同様であり、
ここでZは、同一又は異なって、水素原子、A、−X−A、(−X−A)2、−C(=O
)−X−A、−CH(OH)−X−A、−CH(NH2)−X−A、−NH−A、−NH
−CH(OH)CH−NH−A、−S(=O)k−X−A、−O−P(=O)(OR3)−X−A、−O−P(=O)(N(R3)(R4))−X−A、R3、R7、R10、0ないし4個のR2で置換された炭素原子数1ないし10のアルキル基、−OH、−O(R3)、0ないし4個のR3で置換されたカリックス[4]アレン基を表わし、ここでk、A、X、R2、R3、R4、R7及びR10はこの請求項の上記で定義されたものと同様である。)で表さ
れる請求項1又は2に記載の化合物及びそれらの医薬的に許容される塩。
【請求項4】
一般式(II)
(R1)nA(−X−Z)m
(I)
(式中、A、X、Z及びR1並びにm、nは請求項3で定義されたものと同様である。)
で表される請求項1又は2に記載の化合物及びそれらの医薬的に許容される塩。
【請求項5】
GB−1 [8−HO−(CH2−CH2O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2
B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−8 [8−(OH−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−12 [8,8´−μ−O−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−16 [8−(O−P(=O)(OH)2)−(1,2−C2B9H10)(1´,2
´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na・nH2O
GB−19 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−8´,10´−(OH)2−
(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−21 [(8−((C6H5)(OH)CH−CH−O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−22 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−23 [(C2B9H10)2−3−Fe]Na・4H2O
GB−24 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2−CH(OH)−CH2−8´´,8´´´−μ−NH−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H10)]
GB−25 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)4−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)3´´,3´´
´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−26 [8,8´−μ−(1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−27 [4,8´−8,4´−μ−(1,2−C6H4)2(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)−3,3´−Co]Na
GB−28 [8,8´−μ−((4−C6H5)−1,2−C6H3)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−29 [4,8´−μ−((4−CH3)−1,2−C6H4)−8,4´−μ−(
(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H9)(1´,2´−C2B9H9)
−3,3´−Co]Na
GB−30 [8,8´−μ−((4−CH3)(5−CH3)−1,2−C6H4)−(1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−31 [(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−(1,2−C2B8H10)−3´´Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Na2
GB−35 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O−D,L−CH(C6H5)CH(C6H5)(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−40 [(8−(C6H5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−41 [(8−((3−CF3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−42 [(8−((2−CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−43 [(8−((4−C(C6H5)3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−44 [(8−((4−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−45 [(8−(C6F5O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1
´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−46 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CB10H10)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(
1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−47 [(8−((2−OCH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−48 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2CH2CH3)−CH2CH2OCH2CH2−8´
´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−49 [(8−((CB10H10)NH−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9
H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−50 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(CH2CH3)2−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−51 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−52 [(8−((4−CH3)−C6H4−SO2N(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−
Co]Na
GB−53 [(8−((CH2)6(CH)3CCH2−O−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−54 [(8−(C6F5O−(CH2)5O)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−55 [(8−((C6H5CH2OCH2)2(HOCH2)C−CH2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−56 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2OCH2C(C6H5CH2OCH2)CH2(OCH2CH2)2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−57 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2N(SO2((4−CH3)−C6H5))−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´
,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−58 [(8−((C6H5CH2)2CH−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−59 [(8−((C6H5CH2)2CH−(CH2)5O−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−60 [(8−((5−(CH3)2N)−1−C10H6−SO2NH−(CH2−C
H2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]NaGB−61 [(8−((C2B10H11)−O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−63 [(8−(C6H4(CO)(SO2)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−64 [(8−(C6H4(CO)(CO)N−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−65 [(8−(((4−CH3)−C6H4SO2)2N−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−67 [(8−((4−NH2)−C6H4SO2NH−(CH2−CH2O)2)−1
,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−69 [(8−(NH3−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−70 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−71 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−N(CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11))2]Na2
GB−72 [(8−(カリックス[4]アレン−O−(CH2−CH2O)2)−1,2
−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−73 [1,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2
B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)2−カリックス[4]アレン]Na2
GB−74 [1,2,3−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−カリックス[4]アレン]Na3
GB−75 [1,2,3,4−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)4−カリックス[4]アレン]Na4
GB−76 [(8−((3−OH)(5−OH)−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−77 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2(−3−O−(C6H3(1−OH))−5−O)−CH2CH2O
CH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na2
GB−78 [1,3,5−((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−C6H3]Na3
GB−79 [((1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2O)3−NH]Na2
GB−80 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´
−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−82 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−S−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−85 [(8−((2−CH3)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−87 [(8−(2,6−(CH2C6H5)2−C6H3O−(CH2−CH2O)2)
−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−88 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−89 [(8−((2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−
C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−90 [(8−((2−CH3)−C6H4−SO2NH−(CH2−CH2O)2)−
1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−91 [(8−(2,4,6−(CH3)3−C6H2−SO2NH−(CH2−CH2
O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]Na
GB−92 [(8−((2−CH2CH2−C6H5)−C6H4O−(CH2−CH2O)2
)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−94 [(8−((2−Br)−C6H4O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−95 [(8−(2,4,6−(Br)3−C6H2O−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]K
GB−96 [(8−Cl−1,2−C2B9H10)(8´−Cl−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−97 [(8−I−1,2−C2B9H10)(8´−I−1´,2´−C2B9H10)−3,3´−Co]Na
GB−98 [(8,9,12−(Cl)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Cl)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−99 [(8,9,12−(Br)3−1,2−C2B9H8)(8´,9´,12´−(Br)3−1´,2´−C2B9H8)−3,3´−Co]K
GB−102 [(8−(NH2(CH2CH2CH2CH3)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−103 [(8−(NH2(C6H5CH2)−(CH2−CH2O)2)−1,2−C2B9H10)(1´,2´−C2B9H11)−3,3´−Co]
GB−104 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2C6H5)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2
B9H11)]Na
GB−105 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(CH2CH2OH)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−
O−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
GB−106 [(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H11)−8−(OCH2CH2)2NH(C(CH3)3)−CH2CH2OCH2CH2−8´´−O
−(1´´,2´´−C2B9H10)−3´´,3´´´−Co(1´´´,2´´´−C2B9H11)]Na
からなる群より選択される化合物及びそれらの医薬的に許容される塩。
【請求項6】
請求項5に記載の新規化合物、GB−21、GB−40、GB−41、GB−43、GB−44、GB−45、GB−49、GB−51、GB−52、GB−53、GB−54、GB−55、GB−58、GB−59、GB−60、GB−61、GB−63、GB−64、GB−65、GB−67、GB−70、GB−76、GB−82、GB−85、GB−87、GB−88、GB−89、GB−90、GB−91、GB−92、GB−94、GB−95、GB−102、GB−103の製造方法であって、
8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(式中、Lは、脱プロトン化されたヒドロキシ基及び/又はアミノ基及び/又は置換されたアミノ基及び/又はアミド基及び/又はスルホンアミド基及び/又はチオエーテル基からなる群より選択され、Y及びZは請求項3で定義されたと同様である。)で処理される工程を含む製造方法。
【請求項7】
請求項5に記載の新規化合物、GB−22、GB−25、GB−35、GB−46、GB−48、GB−50、GB−56、GB−57、GB−71、GB−77、GB−78、GB−79、GB−80、GB−104、GB−105、GB−106の製造方法であって、
8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)が同様に化合物L−Y−Z又は所望によりL−Z(式中、L、Y及びZは請求項6で定義されたと同様である。)で処理され、結果として得られた生成物が精製の後に、更に8−ジオキサン−コバルト ビス(ジカルボリド)で処理され、この手順は、ポリオール、ポリフェノール、アミン、アミド及びスルホンアミドにおける反応性プロトンの置換が所望の程度に達するまで繰り返される工程を含む製造方法。
【請求項8】
請求項5に記載の新規化合物、GB−54及びGB−59の製造方法であって、
8−テトラヒドロフラン−コバルト ビス(ジカルボリド)が脱プロトン化されたペンタフルオロフェノール又は脱プロトン化されたジベンジルメタノールである化合物で処理される工程を含む製造方法。
【請求項9】
請求項5に記載の新規化合物、GB−19の製造方法であって、
[(1,2−C2B9H11)−3,3´−Co−8´,10´−(OH)2−(1,2−C2B8H10)−3´´−Co−(1´´,2´´−C2B9H11)]Cs2(カナスチド(Canastide))が高温において硫酸溶液で処理される工程を含む製造方法。
【請求項10】
請求項5に記載の新規化合物、GB−24の製造方法であって、
水素化ナトリウムにより脱プロトン化され、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DME)に溶解された化合物[(1,2−C2B9H10)−3,3´−Co(1´,2´−C2B9H10)−8,8´−μ−NH]が常温においてエピクロロヒドリンで処理され、生成物がシリカゲルカラムにおける反応混合物の精製により得られる工程を含む製造方法。
【請求項11】
請求項3に記載の一般式(I)、(R1)nA(−X−Y−Z)mで表される前記化合物及
び/又は請求項4に記載の一般式(II)、(R1)nA(−X−Z)mで表される前記化
合物及びそれらの医薬的に許容される塩から選択される少なくとも1種のHIVプロテア
ーゼ阻害剤を含むHIV感染症及びAIDSの治療において使用するための医薬組成物。
【請求項12】
請求項5に記載の新規化合物又はそれらの医薬的に許容される塩の少なくとも1種を含むHIV感染症及びAIDSの治療において使用するための医薬組成物。
【図1】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
【図6】
【公表番号】特表2007−520485(P2007−520485A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549842(P2006−549842)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【国際出願番号】PCT/CZ2005/000006
【国際公開番号】WO2005/073240
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506259324)ビソカ スコラ ケミッコ−テクノロジッカ ブイ プラゼ (1)
【出願人】(506259313)
【出願人】(506259302)
【出願人】(506259287)デパートメント オブ バイロロジー,ユニヴァーシティー オブ ハイデルベルグ (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【国際出願番号】PCT/CZ2005/000006
【国際公開番号】WO2005/073240
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(506259324)ビソカ スコラ ケミッコ−テクノロジッカ ブイ プラゼ (1)
【出願人】(506259313)
【出願人】(506259302)
【出願人】(506259287)デパートメント オブ バイロロジー,ユニヴァーシティー オブ ハイデルベルグ (1)
【Fターム(参考)】
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