説明

新規なMCH受容体アンタゴニスト

本発明は、肥満症および関連疾患の治療に有用な式(I)


[式中、R1、Ra、Rb、R2、L1、R3、R4およびR5は定義されるとおりである。]
のメラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト化合物、またはその薬理学的に許容できる塩、鏡像異性体、ジアスレテオマーもしくはジアステレオマーの混合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学分野、特に肥満症および関連疾患の治療の分野に含まれる。
【背景技術】
【0002】
メラニン濃縮ホルモン(MCH)は、視床下部外側核群及び不確帯において産生される19アミノ酸神経ペプチドである。MCHの食欲促進の活性を支持する多くの証拠物が存在する。MCHR1--マウスは、痩身型及び異化亢進性であることが最近報告され、これはR1アイソフォームが、MCHの代謝作用の少なくともいくつかを媒介することを示している
【0003】
特許文献1はメラニン濃縮ホルモン受容体アンタゴニストとしてのピリミジノンを開示している。特許文献2はMCHアンタゴニストとして有用であると言われている化合物を開示している。Dyck,Bら(「A Thienopyridazinone−Based Melanin−Concentrating Hormone Receptor 1 Antagonist with Potent In Vivo Anorectic Properties」と題する非特許文献1)は、MCHアンタゴニストとして有用であると言われているチエノピリダジノン化合物を開示している。
【特許文献1】国際公開第03/033476号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2005/047293号パンフレット
【非特許文献1】Journal of Medicinal Chemistry(2006)49(13)3753−3756
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食習慣を良好に制御し、肥満症罹患の優位性を最小化し、肥満症および関連疾患の影響効果を治療及び/又は改善するための、強力な、選択的かつ治療上有効な薬剤の必要性が存在する。本発明は、肥満症および関連疾患の治療に有効なMCHアンタゴニストとしての、高い効力、選択性および/またはin vivo有効性を有する特に好ましい化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は式Iの化合物
【化1】

(式中、
「−−−−−」は任意に二重結合を形成してもよい結合であり、
1は独立に、水素、C1−C4アルキル、ハロ、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、および−O−C3−C4シクロアルキルからなる群から選択され、
aおよびRbは独立に、水素、フルオロ、クロロ、またはメトキシであり、
2は水素またはメチルであり、
1は結合、−OCH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、−C(O)NCH2CH2−、−C(O)CH2CH2−、NHC(O)CH2−および−NHC(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4は、それらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、β、γまたはδ位でL1と一緒になって、L1とともに4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にオキソ、ヒドロキシ、−OR6、C1−C4アルキル、ハロ、C1−C4ハロアルキル、−C1−C3アルキルアルコール、−C(O)C1−C3アルキル、C3−C6シクロアルキル、NR66’、およびC1−C4アルキルNR66’からなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素、ハロ、シアノ、メチルおよびメトキシであり、
6およびR6’は独立に水素、C1−C4アルキル、−C1−C3アルキルアルコール、−C1−C3ハロアルキル、およびC3−C4シクロアルキルからなる群から選択されるか、またはR6およびR6’はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ハロ、C1−C2アルキル,およびヒドロキシから選択される基で任意に置換された4〜6員の窒素含有複素環式環を形成する)
またはその薬理学的に許容できる塩、または鏡像異性体、ジアスレテレオマーもしくはジアスレテレオマーの混合物に関する。
【0006】
更に本発明は、以下の式の化合物
【化2】

(式中、
“−−−−−“は任意に二重結合を形成してもよい結合であり、
qは1または2であり、
1は独立に水素、C1−C4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、−O−C3−C8シクロアルキル、アミノ、−SO21−C4アルキルおよびC1−C4アルキルNR66’からなる群から選択され、
2は水素またはC1−C4アルキルであり、
Ar1は、各々、独立にC1−C4アルキル、−OC1−C4アルキル、ハロ、C1−C4ハロアルキルおよび−OC1−C4ハロアルキルからなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換されたチエニルまたはピリジルであり、
1は結合、−OCH2−、−OCHR7CH2−、−OCH2CHR7−、−OCHR7CH2CH2−、−OCH2CHR7CH2−、NR7CH2CH2、−NR7CH2CH2CH2、−C(O)NR7CHR8−、−C(O)NR7CH2CHR8−および−C(O)NR7CHR8CH2からなる群から選択され、
3およびR4は独立に水素、C1−C4アルキルからなる群から選択されるか、またはR3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された5〜7員の複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、β、γまたはδ位でL1と一緒になってL1とともに5〜7員の窒素含有複素環式基を形成し、この複素環式基は、独立にオキソ、ヒドロキシ、−OR6、C1−C4アルキル、−C(O)OC1−C4アルキル、C1−C4アルキルNR66’およびNR66’からなる群から選択される1〜3個の置換基で任意に置換され、
各R6およびR6’は独立に水素、C1−C4アルキル、ベンジル、C3−C8シクロアルキル、およびC4−C8アルキルシクロアルキルからなる群から選択され、
各R7は独立に水素およびC1−C4アルキルからなる群から選択されるか、または各R7はR3およびR4の1つまたは両方と一緒になって5〜7員の窒素含有複素環を形成し、
各R8は独立に水素およびC1−C4アルキルからなる群から選択されるか、または各R8はR3およびR4の1つまたは両方と一緒になって5〜7員の窒素含有複素環を形成する)
またはその薬理学的に許容できる塩、または鏡像異性体、ジアスレテレオマーもしくはジアスレテレオマー混合物にも関する。
【0007】
本発明は式Iの化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0008】
別の実施形態では、本発明の医薬組成物は肥満症および関連疾患の治療に使用できるするように適合させしていてもよい。
【0009】
本発明は肥満症および関連疾患の治療方法にも関する。この方法は、治療有効量の式Iの化合物をそれを必要とする患者に投与することを含む。
【0010】
本発明は肥満症および関連疾患の治療のための式Iの化合物の使用にも関する。
【0011】
本発明は治療用の式Iの化合物の使用にも関する。
【0012】
本発明は肥満症および関連疾患の治療用の医薬の製造のための式Iの化合物の使用にも関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本願明細書に開示され、及び/又は請求される本発明の目的のために、特に明記されない限り、下記の用語および定義が用いられる。
【0014】
本願明細書に記載の化合物の記述に使用される一般化学用語は通常の意味を有する。例えば、「C1−C4アルキル」という用語は、1〜4個の炭素原子の直鎖状又は分岐状の脂肪鎖などおよびその異性体を意味し、限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が含まれる。
【0015】
「C3−C6シクロアルキル」という用語は、3〜6個の炭素原子を有する、飽和炭素環式環を意味する。C3−C6シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルを包含する。同様に、「C3−C4シクロアルキル」という用語は、シクロプロピルおよびシクロブチルからなる群を意味する。「C3−C6ハロアルキル」という用語は、「C3−C5ハロアルキル」という用語などを包含する。
【0016】
「ハロ」という用語はハロゲン、すなわちクロロ、ブロモ、ヨード、及びフルオロを意味する。
【0017】
「C1−C4ハロアルキル」という用語は、可能なかつ示されている、または化学的に適切である限り、1、2、又は3個以上のハロゲン原子で置換されたC1−C4アルキル基を意味する。C1−C4ハロアルキルの例には、限定されないが、トリフルオロメチル、クロロエチル、及び2−クロロプロピルが含まれる。同様に、「C2−C3ハロアルキル」は、1個から最大可能な数までのハロゲン原子(クロロまたはフルオロが好ましい)で置換されたメチル基またはエチル基である。C1−C4ハロアルキルがC1−C3ハロアルキルおよびC2−C3ハロアルキルを包含することは当業者には明らかである。
【0018】
「C1−C4アルコキシ」基は、オキシ結合によって結合されるC1−C4アルキル部分(または示されているもの)である。アルコキシ基の具体例には、限定されないが、メトキシ(−OMe)、エトキシ(−OEt)、プロポキシ(−OPr)、イソプロポキシ(−OiPr)、ブトキシ(−OBu)などが含まれる。同様に、「C1−C3アルコキシ」という用語にはメトキシ(−OMe)、エトキシ(−OEt)、プロポキシ(−OPr)、イソプロポキシ(−OiPr)が含まれる。同様に、C1−C2アルコキシにはOMe基およびOEt基が含まれる。
【0019】
「C1−C4ハロアルコキシ」という用語は、アルキル部分の1個以上の水素原子がハロゲンで置換されているC1−C4アルコキシを包含する。ハロアルコキシ基の例は、例えば、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2−ハロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシを含む基を包含し、示された数の炭素原子を有する類似の基までおよびその基を含む。例えば、C1−C2ハロアルコキシは、OCF3およびOCH2CH2F基、ならびに1個または2個の炭素原子および適切な数のハロゲンを有する他の基を包含する。
【0020】
「C1−C3アルキルアルコール」というの用語は、一価ラジカルのアルコールを包含し、これにはメタノール、エタノール、プロパノール、およびイソプロパノールが含まれ、それが結合した基へ末端で付加した物として使用される。同様の用語は、示された数の炭素原子を有するアルコールをも包含する。例えば、C1−C2アルキルアルコールにはメタノールおよびエタノールが含まれる。
【0021】
本発明では、C1−C4アルキルというの用語は付記されたようなキラリティを生じる特別特定のアルキルをも包含することが想定されている。かかる得られたキラルな化合物もまた本発明の目的物である。
【0022】
「α」、「β」、「γ」または「δ」というの用語はそれぞれ、式Iで後ろ向きに数えてNR34の窒素から1、2、3または4番目の原子位置を意味する。「α」、「β」、「γ」または「δ」というの用語は、R3およびR4のうちの1つがL1鎖(リンカーL1)上の原子とともに複素環式環を形成する式Iの化合物上の位置を表す。本願明細書に開示され使用される4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するようなR3とR4との組合せまたはR3またはR4とL1との組合せがあるときは、必要に応じて一方または両方の組み合わされる基のCH基またはCH2基から1個または2個の水素原子を暗黙に引き抜くことを必要とすることは当業者には明らかである。さらに本願明細書で用いられる場合、R3およびR4のうちの1つがL1と一緒になって(4〜7員の)窒素含有複素環式環を形成する場合、R3およびR4の他方は、水素原子または上記環の任意の置換基のいずれかであることが想定されている。この任意の置換基は以下に定義されているか、または式Iの化合物の特定の具体的な基について示されているとおりである。
【0023】
「窒素含有複素環式」というの用語は、飽和、部分的に不飽和、完全に不飽和、または芳香族の4、5、6、もしくは7員環(または別に特定されるもの)を表し、前記環は任意に、酸素及び窒素からなる群から選択されるさらなるヘテロ原子を有する。代表的な複素環式基には、アゼチジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ジアゼパニルおよびピロリジニルが含まれる。このように、本願明細書中で使用される場合、4〜7員の窒素含有複素環式基というの用語は、別個にかつ/または集合的に4〜6員、5〜6員、5〜7員および4〜7員の窒素含有複素環式基を包含する。
【0024】
本願明細書で用いられる「オキソ」という用語は、環または鎖の一部であってカルボニル基を形成する炭素原子に結合される酸素原子を意味する。
【0025】
本発明は化学的に安定な化合物を提供し、当業者は、記載されかつ/または意図された化学的に安定な化合物を実現するための水素原子(複数個であってもよい)の暗黙の付加または引き抜きを含めて、化学的安定性に導く本願明細書において定義される範囲内の置換基の特定の組合せを理解している。
【0026】
用語「適切な溶媒」は、反応物質を十分に溶解して、内部で所望の反応を達成する媒体を与える、進行中の反応に対して不活性な任意の溶媒、又は溶媒混合物を意味する。
【0027】
本願明細書で用いられる「患者」という用語は、ヒト、ペット動物(犬、猫など)、および家畜動物を含む。
【0028】
本願明細書で用いられる「治療」及び「治療する」という用語は、肥満症もしくは関連疾患の病気の症状の進行を予防寛解、停止、制止抑止、遅延もしくは逆行させること、または肥満症もしくは関連疾患の病気の症状の重症度を低下させることを含む。
【0029】
本願明細書で用いられる「治療上有効量」というの用語は、本願明細書に記載される種々の病態の症状を治療することができる、本発明の化合物すなわち式Iの化合物の量を意味する。
【0030】
本願明細書で用いられる「薬理学的に許容できる」の用語は、形容詞として使用され、レシピエントである患者にとって実質的に無害であることを意味する。
【0031】
本願明細書で用いられる「肥満症関連疾患」又は「関連疾患」という用語は、肥満状態によって引き起こされる、悪化する、誘発される、又はそれに付随する症状、疾患又は状態を意味する。このような疾患、状態及び/又は症状には、限定されないが、摂食障害(過食症、神経性無食欲症等)、糖尿病、糖尿病性合併症、糖尿病性網膜症、鬱症、不安症、高血圧症、脳溢血、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、脳卒中、高脂血症、高トリグリセリド血症、高血糖症、及び高リポタンパク血症が含まれる。
【0032】
薬理学的に許容できる塩およびそれらの調製方法は当業者には周知である。例えば、P.Stahlら,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selections and Use(VCHA/Wiley−VCH,200);S.M.Bergeら,「Pharmaceutical Salts」 Journal of Pharmaceutical Sciences,Vol.66,No.1,January 1977を参照のこと。
【0033】
(本発明の特に好ましい化合物)
本発明の特定の化合物は特に興味深くかつ特に好ましい。以下の列挙した組は、特に好ましい化合物のいくつかの基を例示する。各々に列挙される基同士を組み合わせて、好ましい化合物のさらなる基を生成してもよいことが理解されるであろう。
【0034】
好ましいR1基は、独立にクロロ、フルオロ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびシクロプロポキシからなる群から選択される。より好ましくは、R1はフルオロ、クロロ、シクロプロポキシ、トリフルオロメトキシおよびメトキシからなる群から選択される。
【0035】
好ましくはRaおよびRbは、独立に水素、クロロ、フルオロまたはメトキシである。
【0036】
2は好ましくは水素である。
【0037】
好ましくはL1は結合、−OCH2CH2−,−OCH2CH2CH2−、−C(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2CH2−,−C(O)NHCH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択される。より好ましくはL1は結合、−OCH2CH2−,−OCH2CH2CH2−、−C(O)CH2CH2−,−NHC(O)CH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2−からなる群から選択される。特に好ましいL1は結合または−OCH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、−C(O)CH2CH2−または−NHC(O)CH2CH2−である。
【0038】
好ましくは、R3およびR4は互いおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、βまたはγ位でL1と一緒になって任意に置換された4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかから形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニルおよびジアゼパニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にメチル、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、シクロプロピル、シクロブチル、C(O)CH3、C1−C2ハロアルキル、C1−C2アルキルアルコールおよびNR66’からなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換されている。
【0039】
好ましくは、R5は水素、メチル、メトキシまたはシアノである。より好ましくは、R5は水素またはメチルである。最も好ましくは、R5は水素である。
【0040】
好ましいR6またはR6’は、独立に水素、C1−C4アルキル、C1−C2ハロアルキル、C1−C2アルキルアルコールおよびC3−C4シクロアルキルから選択される。互いおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、メチル、フルオロまたはヒドロキシで任意に置換された4〜6員の窒素含有複素環式環を形成するR6およびR6’基もまた好ましい。
【0041】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合、−C(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2CH2−、−C(O)NHCH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4は、それらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、βまたはγ位でL1と一緒になって、L1とともに4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニル、およびジアゼパニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、アミノ置換ピロリジニル、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3、およびNHC2−C3ハロアルキルからなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルである式Iの化合物もまた好ましい。
【0042】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合であり、
3およびR4は、それらが結合する窒素原子と一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、およびピペラジニルからなる群から選択される4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、その各々は独立にOH、フルオロ、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3、およびNHC2−C3ハロアルキルからなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルである式Iの化合物もまた好ましい。
【0043】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合、−C(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2CH2−、−C(O)NHCH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4は、それらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、βまたはγ位でL1と一緒になって、L1とともに4〜6員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニル、およびジアゼパニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は独立にOH、フルオロ、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、アミノ置換ピロリジニル、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3、およびNHC2−C3ハロアルキルからなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルである式Iの化合物もまた好ましい。
【0044】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合であり、
3およびR4は互いおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、およびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、その各々は、独立にOH、フルオロ、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、アミノ置換ピロリジニル、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3、NR66’、NHCH2CHF2、およびNHCH2CH2Fから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒になって、ヒドロキシ、フルオロ、およびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の窒素含有複素環式環を形成する式Iの化合物もまた好ましい。
【0045】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1はOCH2CH2−、−NHC(O)CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、または−C(O)NHCH2CH2−であり、
3およびR4は互いにと一緒になって、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、およびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素であり、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒になってヒドロキシ、フルオロおよびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の複素環式環を形成する式Iの化合物もまた好ましい。
【0046】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合であり、
3およびR4は互いにと一緒になって、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、およびピペラジニルから選択される4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、各窒素含有複素環式環は独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルであり、
6およびR6’は独立に水素、CH2CHF2、メチル、シクロプロピルまたはシクロブチルである式Iの化合物もまた好ましい。
【0047】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1はOCH2CH2−、または−OCH2CH2CH2−であり、
3およびR4は互いにと一緒になって、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、ジアゼパニルおよびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素であり、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒になってヒドロキシ、フルオロおよびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の複素環式環を形成する式Iの化合物もまた好ましい。
【0048】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1は−NHC(O)CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、または−C(O)NHCH2CH2−であり、
3およびR4は互いとに一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニルおよびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素であり、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒になってヒドロキシ、フルオロおよびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の複素環式環を形成する式Iの化合物もまた好ましい。
【0049】
1はクロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、またはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合、−OCH2CH2−、−NHC(O)CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4は互いおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、βまたはγ位でL1と一緒になって複素環式環を形成し、R3とR4との組合せまたはL1とR3およびR4のいずれかとの組合せにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、およびピペラジニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にメチル、フルオロ、OH、OCH3、NHCH2CH2F、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、およびN(シクロプロピル)2からなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素である式Iの化合物もまた好ましい。
【0050】
(本発明の化合物の調製)
式Iの化合物は当該分野で公知の種々の手順および以下に説明する手順によって調製することができる。以下のスキームの各ステップの生成物は、抽出、エバポレーション、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、粉砕、結晶化などを含む従来の方法により回収することができる。以下のスキームでは、明記されない限り、すべての置換基はこれまでに定義したとおりであり、適切な試薬は当該分野で周知であり、十分に認識されているものである。
【0051】
【化3】

式(5)の中間体の生成は、スキーム1に図示される反応に従って実施することができる。
【0052】
スキーム1のステップ1では、式(1)のカルバメートはフリーデル−クラフツアシル化を用いて式(3)のラクタムに変換される。例えば、カルバメート(1)は過剰のオキシ塩化リンに溶解され、約100〜130℃にて五酸化リンで処理される。
【0053】
あるいはステップ2では、式(3)のラクタムは、MeOHまたはEtOHのようなアルコール溶媒中でヒドロシキアミンおよび過剰の酢酸ナトリウムで処理することによる式(2)のケトンの環拡大によって得ることができる。中間体のイミンは濾過によって単離され、約100〜150℃でポリリン酸のような強酸で処理され、ラクタム(3)を与える。
【0054】
ブロモ−チオフェン(4)を与えるチオフェン環の臭素化は酢酸、水または四塩化炭素のような適切な溶媒中で臭素で処理することにより実現される。
【0055】
式(4)のブロモ−チオフェンは、ステップ4で当業者には周知の適切な金属触媒クロスカップリング反応によって式(5)のアリールチオフェンへと官能化される。例えば、ブロモ−チオフェン(4)は、アセトニトリル、DMF、トルエン、水などのような溶媒中でアリールボロン酸処理される。このアリール化反応には炭酸カリウムのような塩基およびPd(OAc)2、Pd(PPh34またはPd(PPh32Cl2などのようなパラジウム触媒が使用され、通常はPPh3のようなホスフィン配位子が添加される。
【0056】
容易に理解されるように、式(1)および(2)の化合物は、当該分野で周知であり十分に認識されている手順を使用する本願明細書中に記載される方法と類似の方法によって容易に調製することができる。例えば、式(1)の化合物は、チオフェン−3−アセトニトリルをアミンに還元し、次いでクロロギ酸エチルと反応させることにより調製される。式(2)のケトンは、Aparajithan,K.ら,J.Heterocyclic Chem.1966,3,466に従って容易に調製される。
【0057】
【化4】

式(8)の化合物の生成はスキーム2に図示する方法に従って実施することができる。適切な式(9)の化合物は、XがClまたはBrであり、R2が式(I)について定義されるとおりであのる化合物である。適切な式(8)の化合物は、R1、Ra、RbおよびR2が式(I)で定義されたとおりであるの化合物である。
【0058】
スキーム2のステップ1では、式(6)のアシルアジドは熱条件下で式(7)のチエノピリジノンへと環化される。例えば、アシルアジド(6)はジオキサンに溶解され、Dowtherm A(登録商標)を含む予備加熱したフラスコ(230℃)に滴加される。式(7)のブロモ−チエノピリジノンは、上のスキーム1のステップ4で説明したような金属触媒クロスカップリング反応を使用してアリール−チエノピリジノンへと官能化される。
【0059】
スキーム2では、式(8)の化合物はステップ3、4および5に図示される方法によっても得ることができる。ステップ3では、式(9)の5−ハロチオフェンは、アリールボロン酸との金属触媒クロスカップリング反応を使用して式(10)のアリール−チオフェンに変換される。例えば、式(9)の5−ハロチオフェン(X=Cl)はエタノールのような溶媒に溶解され、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸セシウムのような塩基の存在下でアリールボロン酸で処理される。[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン)(3−クロロピリジル)]パラジウム(II)ジクロリドのようなパラジウム触媒が添加され、反応はほぼ室温〜選択した溶媒のほぼ還流温度の温度範囲で行われる。
【0060】
ステップ4では、式(10)のアセタールは、当該分野で一般に公知である酸性条件を使用して式(11)のアルデヒドに変換される。好ましい条件ではトリフルオロ酢酸が使用される。
【0061】
スキーム2のステップ5では、式(11)のアルデヒドは、酸性下で分子内縮合により環化し式(8)のチエノピリジノンを与える。好ましい条件では約50〜150℃の温度範囲で約1〜5時間、トリフルオロメタンスルホン酸が溶媒として使用される。生成物は、反応液を冷水に注ぎ込み、引き続いて濾過することにより単離される。
【0062】
容易に理解されるように、式(6)および(9)の化合物は、本願明細書中に記載される方法および手順または当該分野で周知である方法および手順によって容易に調製することができる。例えば、式(6)の化合物は、対応する酸(Gronowitz,S.;Ander,I. Chemica Scripta 1980,15,145)を酸塩化物に変換し、次いでアジ化ナトリウムと反応させて式(6)のアシルアジドを得ることにより調製される。式(9)の化合物は、5−ハロチオフェン−2−カルボン酸を2,2−ジエトキシエチルアミンでアシル化することにより調製される。
【0063】
【化5】

式(I)の化合物の生成は、スキーム3に図示する方法に従って実施することができる。適切な式(8a)の化合物は、R1、Ra、RbおよびR2が式(I)について定義されたとおりであるの化合物であり、適切な式(12)の化合物はL1、R3、R4およびR5が式(I)について定義されたとおりであり、XがBr、IまたはOS(O2)CF3(トリフレート)である化合物である。
【0064】
例えば、式(8a)の化合物は、アミドのBuchwaldアリール化(Yin,J.;Buchwald,S.J.J.Am.Chem.Soc.2002,124(21), 6043−6048)のような触媒的クロスカップリング条件を使用して、式(12)の化合物と反応させる。このクロスカップリング反応は、ジオキサン、トルエンまたはベンゼンのような非プロトン性溶媒中で塩基(例えばCs2CO3)、パラジウム試薬(例えば、Pd2dba3)およびホスフィン配位子(例えばXantphos)を使用する。反応は、ほぼ室温〜選択した溶媒のほぼ還流温度の温度範囲で行われる。
【0065】
あるいは、反応は銅が媒介する条件を使用して行われる。例えば、式(8a)の化合物はトルエンまたはジオキサンに溶解され、K2CO3または好ましくはCs2CO3(1.5〜2.0当量)、N,N’−ジメチル−エタン−1,2−ジアミン(0.2〜0.5当量)およびCuI(0.1〜0.5当量)を使用して式(12)の化合物で処理される。反応液は80〜110℃の温度で撹拌される。
【0066】
容易に認識されるように、式(12)の化合物は、本願明細書中に記載された方法と類似の方法により、または当該分野で周知であり確立された手順を使用することにより容易に調製することができる。例えば、式(12)の化合物は、フッ化ピリジルまたは塩化ピリジルをアルコールまたはアミンと求核置換反応させることにより調製される。アミド結合はピリジルカルボン酸のアルキルアミンによるアシル化によって調製される。L1がケトン官能性を含む式(12)の化合物は、Weinrebアミドと(5−ブロモ−2−ピリジニル)リチウムとを反応させることにより得ることができる。反応の性質および順序はL1の性質に依存することは当業者は理解しているであろう。同様に、式(12)の化合物を調製するために必要とされるステップは、部分的な式(12)の化合物を式(8a)の化合物と反応したのち、置換、アシル化、アリール化、アルキル化、還元的アミノ化などを後で実施して式(I)の化合物を提供することを含めて任意の順序で実施してよいことは理解される。このようにR3およびR4は、当該分野で公知の標準的な方法を用いてカップリングした後にさらに官能化してもよい。
【0067】
【化6】

式(17)の化合物の生成は、スキーム4に図示された方法に従って実施することができる。適切な式(13)の化合物は、R2が式(I)について定義されるとおりであり、XがBrまたはIである化合物である。
【0068】
スキーム4のステップ1では、式(13)のチオフェンラクトンは、典型的なWeinrebプロトコル(Basha,Anwer;Lipton,M.;Weinreb,Steven M. Tetrahedron Letters,1977,48,4171)を使用して式(15)のアミドに変換される。例えば、式(14)のアミノピリジンはCH2Cl2またはトルエンのような非プロトン性溶媒中に溶解され、ヘキサン中のMe3Alの2〜2.5M溶液で処理される。得られた溶液は約0℃〜室温の温度で撹拌され、次いで式(13)のラクトンで処理される。得られた溶液はほぼ室温〜110℃の範囲で約3〜24時間撹拌され、アミドが与えられる。
【0069】
スキーム4のステップ2では、式(16)のラクタムを生成する環化反応は以下で考察する少なくとも2つの方法によって実施することができる。
【0070】
第1の方法では、式(15)のアルコールは、脱離基(メシレートが好ましい)に変換される。これは、トリエチルアミンのような適切な塩基の存在下でのメタンスルホニルクロリドとの反応によって行うことができる。中間体のメシレートは、水系のワークアップにより単離され、すぐに極性の無水溶媒(例えばDMF)に溶解され、水素化ナトリウムのような塩基(1.5当量)で約0〜25℃で処理される。
【0071】
第2の方法では、Mitsunobu条件(Maligres,P.E.ら、J.Het.Chem.2003,40(2),229−241)も採用することができる。例えば、式(12)のアミドは適切な無水溶媒(THF、CH2Cl2、トルエンなど)に溶解され、約0℃〜室温の温度でトリアルキルホスフィンまたはトリアリールホスフィン(例えばMe3P、Bu3PまたはPh3P)およびジアルキルアゾジカルボキシレート(例えばDEADまたはDIAD)で処理される。
【0072】
スキーム4のステップ3では、式(16)のラクタムは、スキーム1のステップ4について説明したような金属触媒クロスカップリング反応を使用してさらに官能化され、式(17)のアリールチオフェンが得られる。
【0073】
容易に理解されるように、式(13)および(14)の化合物は、本願明細書中に記載される方法と類似の方法によって、または当該分野で周知であり確立された手順を使用して容易に調製することができる。例えば、2−チオフェン−3−イル−エタノールはトリホスゲンを使用してクロロギ酸エステルに変換することができ、次いでルイス酸(例えばAlCl3)を使用してラクトン(チオフェンラクトン)へ環化することができる。次にチオフェンラクトンは、例えばヨウ素およびビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼンで処理することによりハロゲン化され,式(13)の化合物を与える。化合物(13)を与えるチオフェンラクトンのハロゲン化は,2−ハロゲノ−チオフェンラクトンおよび3−ハロゲノ−チオフェンラクトンの混合物を生じる。所望の2−ハロゲノチオフェンラクトンフラクション画分(13、R2=H)は、クロマトグラフィーによって単離することができる(H1NMRによって確認できる)。R2がC1−C4アルキルである式(13)化合物は、上で得た3−ハロゲノチオフェンラクトンフラクション画分を使用することにより調製することができる。3−ハロゲノチオフェンラクトンは、例えば、(アルキルボロン酸との)Suzukiカップリングのようなカップリング方法を使用して、適切に置換されたアルキル基質でアルキル化され、3−アルキルチオフェンラクトンを与える。次いで3−アルキルチオフェンラクトンはハロゲン化され、R2がC1−C4アルキルである所望の式(13)の化合物を与える。式(14)の化合物は、アルコールまたはアミンによるp−ハロ−ニトロ−ピリジンの求核的芳香族置換により調製される。引き続いてニトロ基を還元することにより、式(14)のアミノピリジンが得られる。
【0074】
【化7】

式(21)の化合物の生成はスキーム5に図示した方法に従って実施することができる。適切な式(18)、(14)および(21)の化合物は、すべての可変部分が式(I)と同意義である化合物である。
【0075】
スキーム5のステップ1では、式(18)のアミノチオフェンは、ザンドマイヤー反応に似た反応を使用して式(19)のブロモチオフェンに変換される。特に好ましい条件では、ほぼ室温〜溶媒の還流温度で、アセトニトリルのような不活性な溶媒の存在下でCuBr2および亜硝酸tert−ブチルが使用される。
【0076】
ステップ2では、式(19)のブロモチオフェンは、パラジウムが媒介するクロスカップリング反応において(トリメチルシリル)アセチレンと反応して、式(20)のエチニルチオフェンを与える。例えば、ブロモ−チオフェン(19)は、アセトニトリル、DMFまたはトルエンのような不活性溶媒中で、塩基(例えばジイソプロピルアミン)およびパラジウム触媒(例えばPd(OAc)2、Pd(PPh34またはPd(PPh32Cl2など)の添加を伴って、さらに通常はホスフィン配位子(例えばPPh3)の添加を伴って(トリメチルシリル)アセチレンと反応で処理される。好ましい条件では、約50〜150℃の温度でCuIの添加を伴ってDMFおよびPd(PPh32Cl2が使用される。約30分間マイクロ波反応器中で反応を行うことが最も好ましい。
【0077】
スキーム5のステップ3では、式(20)のエチニルチオフェンは式(14)のアミノピリジンと反応してアミドを与え、これは続いてin situで環化され式(21)のチエノピリジノンを与える。代表的な条件では、トルエンのような不活性溶媒中でMe3Alを使用する、スキーム4のステップ1について説明したWeinrebプロトコルが使用される。
【0078】
容易に理解されるように、これまでのスキームで図示した式(I)、(17)および(21)の化合物を調製するステップは、合成される特定の化合物、出発化合物および置換部分の相対的反応性に依存する。上記の反応を実施するために必要とされるまたは有益であり得る場合には、ある種々の保護および脱保護のステップも想定されている。例えば、式(12)および(14)の中間体は、本願明細書中に記載する種々のカップリングステップまたはアシル化ステップに先立って完全に合成されている必要はない。かかる中間体は、保護されたアミンまたはヒドロキシル官能性をも有していてもよい。これらの官能性は、後に脱保護され、さらに反応しされて本発明の化合物を与える。適切な保護基の選択および使用は当該分野で周知であり十分に認識されている(例えば、Protecting Groups in Organic Synthesis,Theodora Greene(Wiley−Interscience)を参照のこと)。
【0079】
(機能の実証)
これらのアッセイに有用な全てのリガンド、放射性リガンド、溶媒、及び試薬は、供与元から市販されているか、又は当業者によって容易に調製することができる。
【0080】
ヒトMCHR1の全長cDNAは、以下のプライマー:センス(5’−GCCACCATGGACCT GGAAGCCTCGCTGC−3’)、アンチセンス(5’−TGGTGCCCTGACTTGGAGGTGTGC−3’)を使用する標準的なポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)法によってヒト成体脳cDNAライブラリー(Edge Biosystems,Cat.38356)からクローン化した。PCR反応は、5μlの10×原液のPCR緩衝液、1μlの10mM dNTP混合物(最終濃度200μM)、2μlの50mM Mg(SO4)(最終濃度2mM)、0.5μlの各プライマー(最終濃度0.2μM)の20μM溶液、0.5ngのDNAを含む5μlの鋳型cDNA、0.5μlのPlatinum Taq High Fidelity DNAポリメラーゼ(Gibco Life Technologies)、及び36μlのH2Oを含む最終体積容量50μlで行った。PCR増幅は、Perkin Elmer 9600サーモサイクラーで行った。94℃で90秒間変性、94℃25秒間、55℃25秒間、及び72℃2分間増幅という順序を30回繰り返し、最後に72℃10分間で伸長工程を行った。所望のPCR産物(1.1Kb)をアガロースゲル電気泳動によって確認し、製造業者の説明書に従ってGeneclean(Bio101)によってゲルからバンドを抽出した。抽出後、cDNA断片をpCR2.1−TOPOプラスミド(Invitrogen Corp)にクローン化して、同一性及び配列を確認した。
【0081】
次いで、MCHR1を安定に発現する細胞株を作製するために、挿入断片をpcDNA(+)−3.1−ネオマイシン(Invitrogen)のXbaI及びNotI部位にサブクローニングした。Qiagen Maxi−prep kit(QIAGEN,Inc.)による精製後、Fugene 6(Roche Applied Science)によって、広宿主域のGタンパク質Gα15を予めトランスフェクトしたAV12細胞にプラスミドをトランスフェクトした。トランスフェクト細胞をG418(800μg/ml)によって10〜14日間選択し、単一コロニーを培養プレートから単離した。蛍光定量的イメージングプレートリーダー(FLIPR, Molecular Devices)でMCH刺激されたCa2+トランジェントを測定して、MCHR1発現のためにG418耐性コロニーを更に選択した。
【0082】
通常、各クローンを、100μlの増殖培地(ダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM)、5% ウシ胎児血清、2mM L−グルタミン、10mM HEPES、1mM ピルビン酸ナトリウム、0.5mg/ml ゼオシン、及び0.5mg/ml ジェネテシン)において、ウェルにつき60,000細胞で96ウェルプレートに播種したする。37℃で24時間後、培地を除去して50μlの色素添加緩衝液(25mM HEPES、分子プローブから0.04% Pluronate 127及び分子プローブからの8μM Fluo3 Both両方を含むハンクス液(HBSS))で置換した。室温で60分かけて添加色素添加緩衝液でインキュベートした後、色素添加緩衝液を吸引して、100μlのHEPES/HBBSと置換した。細胞プレートおよび緩衝液中に2μM MCHを含む化合物プレートをFLIPRに置き、初期リーディングを10秒間行った。FLIPR後、次いで2μM MCH(アッセイにおける最終濃度は1μM)を含む100μlの緩衝液を細胞プレートに移し、アゴニスト(1μM MCH)に応答した完全なカルシウム流出のピークについて105秒間測定を行った。ウェル毎のクローン細胞数の変化を修正するために、エピネフリンによって誘導される反応に対してMCH応答を正規化した。
【0083】
125I−MCH結合アッセイ及びGTPγ35S機能的結合アッセイには、クローン43と命名したクローンから単離した膜を使用した。通常、20個のコンフルエントなT225フラスコの細胞を、冷却リン酸塩緩衝食塩水(PBS)中で単層を洗浄し、細胞を同一溶液中に掻爬し、細胞ペレットを35ml(ペースト当たり10ml/g)での膜調製緩衝液、pH7.4(250mM ショ糖、50mM HEPES、pH 7.5、1mM MgCl2、及びプロテアーゼ阻害剤(調製した100mlの膜調製緩衝液につき1 Complete(登録商標)タブレット−EDTA(Roche Diagnostics)に再懸濁して細胞を処理した。細胞を5〜10ストロークのオーバーヘッドモーター付撹拌機に取り付けられたテフロン/グラス Potter−Elvehjem ホモジナイザーで粉砕し、260×gで、4℃で15分間遠心分離した。上清を集め、ペレットを膜調製緩衝液中に再懸濁し、再度粉砕し、260×gで、4℃で15分間を遠心分離した。これを全部で3回繰り返した。このペレットは捨ててもよい。合わせた上清を30,000×gで、4℃で60分間遠心分離した。膜ペレットを膜調製緩衝液に再懸濁し、約3〜5mg/ml(標準としてウシ血清アルブミンを用いたPierce BCAアッセイ法)のタンパク質濃度が得られた。一定量を−80℃で貯蔵した。
【0084】
MCHR1への化合物の結合は、125I−MCH、化合物、及びクローン43膜を使用する競合結合アッセイ法で評価した。アッセイ法は、96ウェルCostar 3632白色不透明ボトムプレートにおいて、25mM HEPES、pH 7.0、10mM CaCl2、2mg/ml ウシ血清アルブミン、0.5% ジメチルスルホキシド(DMSO)、4〜12μgのクローン43膜、200pM 125I−MCH(NEN)、2.5mgmlのコムギ胚芽凝集素シンチレーション近接アッセイ法ビーズ(WGA−SPAビーズ、Amersham社、現在GE Healthcare社)、及び段階的用量の試験化合物を含む200μlの総容量において簡単に実施した。0.1μMの非ラベルMCHの存在下において非特異的結合を評価した。Microbeta Trilux(Perkin Elmer Life and Analytical Sciences社)に密封されたプレートを配置し、12時間後計数して、結合した125I−MCHを計数して求めた。
【0085】
IC50値(125I−MCHの特異結合を50%まで減少させるのに必要な試験化合物濃度と定義)は、Excel(登録商標) (Microsoft社)を使用して4種類のパラメーターモデルにおける濃度−反応データ(最大反応、最小反応、ヒル係数、IC50)に濃度−反応データをフィッティングして求められる。Ki値は、Chengら、(酵素反応の50%を阻害(IC50)する阻害剤の阻害定数(Ki)と濃度の関係(Relationship between the inhibition constant(Ki)and the concentration of inhibitor which causes 50% inhibition(IC50)of an enzymatic reaction),Biochem.Pharmacol.,22:3099−3108(1973))に記載されているCheng−Prusoff近似値を用いてIC50値から算出される。例証された化合物は、結合アッセイ条件下で1μM未満のKiを示した。特に、実施例55の化合物は、約9nMの平均MCHR1のKiを示した。
【0086】
MCHで刺激されるクローン43膜に対するGTPγ35Sの結合を阻害する試験化合物の能力を測定して、MCH活性の機能的な拮抗を評価した。アッセイ法は、Costar 3632白色不透明ボトムプレートにおいて、50mM HEPES、pH 7.4、5mM MgCl2、10μg/ml サポニン、1.0mg/ml ウシ血清アルブミン、100mM NaCl,3μM GDP、0.3nM GTPγ35S、10nM MCH(EC90とほぼ等しい)、0.4mg/ml クローン43膜、5.0mg/mlコムギ胚芽凝集素シンチレーション近接アッセイ法ビーズ(WGA−SPAビーズ、Amersham社、現在GE Healthcare社)、及び段階的用量の試験化合物を含む200μlの総容量において簡単に実施した。プレートを封着し、4℃で16〜18時間放置した。1時間後、プレートを外界温度に平衡化させるために1時間放置後て、結合したGTPγ35SをMicrobeta Trilux(Perkin Elmer Life及びAnalytical Sciences社)において計数して求めた。
【0087】
IC50値(MCH刺激性GTPγ35結合を50%まで減少させるのに必要な試験化合物濃度と定義)は、Excel(登録商標) (Microsoft社)を使用して4種類のパラメーターモデルにおける濃度−反応データ(最大反応、最小反応、ヒル係数、IC50)に濃度−反応データをフィッティングして求められる。シルト解析による競合拮抗性の検証後、Leff及びDougal(Trends Pharmacol.Sci.(1993)14:110−112)により記載されているCheng−Prusoff近似値の修正値を用いて、各アンタゴニストに対するIC50及びMCHに対するIC50値(独立して測定)からKb値を算出した。例証された化合物は、本明細書に開示された機能アッセイ条件下で1μM未満のKb値を示した。特に、実施例5の化合物は約7nMのMCHR1 Kb値を示す。
【0088】
in vivoでの有効性を実証するために、体重450−500gの食餌誘発性の肥満の雄のロングエバンスネズミ(Harlan,IN)に、本発明の化合物を強制経口投与した。ビヒクルには、水中に10%アラビアゴム及び0.15%サッカリンを含有させた。
【0089】
12時間の昼夜逆転した周期(夜10:00/22:00)において温度調節された部屋(24℃)に、動物を個々に収容した。水及び食糧(Teklad 95217,Harlan,WI)は、自由任意に摂取可能であった。3日間夜が明ける暗くなる前に、化合物を、日に一度経口投与した。1日の摂食及び体重の変化を3日間測定した。実施例5の化合物は、ビヒクルで処理された対照群と比較した場合、10mg/kgで約11gの平均体重減少をもたらした。
【0090】
(有用性)
本発明の化合物は、MCHR1結合のアンタゴニストとして、MCHR1受容体が役割を担うことが明らかなヒト及び非ヒト(特にコンパニオンペット)動物における症状を治療するのに有用である。本発明の化合物のMCH活性を阻害することにより、食欲不振効果が得られる。すなわち、本発明の化合物は、肥満症の治療のための食欲抑止剤及び/又は体重減少薬として有用である。従って、これらの化合物は肥満症によって引き起こされるか、肥満症によって悪化するか、肥満症に由来するか、または肥満症に付随する症状を治療するのに有用である。
【0091】
非ヒト、非コンパニオンペット動物においては、本発明の化合物は、重量増加の減少、及び/又は飼料利用効率の改善、及び/又は除脂肪体重の増大に有用である。
【0092】
化合物は、経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、又は鼻腔内経路を含む種々の経路によって投与してもよい。これらの化合物は、投与に先立って製剤されていることが好ましい。特定の患者に対してどの製剤を使用するかの選択は主治医によって決定される。従って、本発明の別の態様は、有効量の式Iの化合物、またはその薬理学的に許容できる塩、および薬理学的に許容できる担体、希釈剤、または賦形剤を含んでなる医薬組成物である。
【0093】
投与される具体的な用量は、各状態に関連する個々の状況を取りまく特定の状況によって決定される。これらの状況は、投与の経路、患者の病歴、治療される病状又は徴候、それらの重症度、並びにレシピエントの年齢及び性別を含む。しかし、投与される治療用量は、関連した状況に照らして医師によって、又は非ヒトレシピエントについては獣医師によって決定されるということはが理解されるであろう。
【0094】
一般に、式Iの化合物の1日の有効最少量は、1日当たり約10〜200mgである。通常、有効最大量は、1日当たり約200〜1000mgである。正確な用量は、レシピエントを「用量滴定する」という医学分野の標準実務に従って、すなわち、低用量の化合物を最初に投与して、所望の治療効果が観察されるまで段階的に増大させて決定してもよい。
【0095】
本発明の医薬組成物は、これらの種々の経路に対して適合するようにすることができ、そして例えばタブレット、カプセル、カシェ剤、紙、トローチ剤、ウェハース、エリキシル剤、軟膏、経皮パッチ、エアロゾル、吸入剤、坐薬、液剤および懸濁剤の形態で患者に投与してもよい。かかる組成物中の全活性成分は、製剤の0.1 重量%〜99.9重量%を構成する (製剤、薬物送達方法などについての一般的な考察に関して、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Edition,Mack Publishing Co.(1990)を参照のこと)。
【実施例】
【0096】
以下の実施例は、提示されているスキームおよび/又はその公知の改変に基づいて本発明の化合物を調製するための手順ならびに出願人の能力の例証を示すに過ぎない。実施例は、生成又は得られる化合物の排他性及び網羅性を目的としない。本願明細書において使用する略号は、Aldrichimica Acta,Vol.17,No.1,1984に従って定義されており、それらは当該分野の当業者に一般に公知であるか、または最少の労力で確認することができるであろう。実験において使用する他の略号は以下のとおりである。N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、および室温(RT)。本発明の化合物名はChemDraw Ultra(登録商標)、バージョン7.0.1が与えたものである。塩は遊離塩基の名前に共役酸の名前を加えて命名した。
【0097】
(調製例1)
2−チオフェン−3−イル−エチルアミン塩酸塩
ボランメチルスルフィド錯体(30.4ml、304.4mmol)を、テトラヒドロフラン(450ml)中のチオフェン−3−イル−アセトニトリル(25.0g、203.0mmol)の溶液にゆっくり加えた。この反応液を還流温度で16時間加熱し、室温まで冷却した。泡立ちが観察されなくなるまで、メタノール(50ml)でこの反応液をゆっくりクエンチした。塩化水素を飽和させたメタノール(100ml)をこの混合物にゆっくり加えた。この混合物を室温で20分間撹拌し、その後真空中で濃縮した。メタノール(100ml)を混合物に加え、真空中で濃縮した。得られた固体をジエチルエーテル(200ml)に懸濁させ、濾過し、31.1g(94%)の粗な標題の化合物を得た。MS/ES m/z128.3[M+H]+
【0098】
(調製例2)
(2−チオフェン−3−イル−エチル)−カルバミン酸 エチルエステル
ジクロロメタン(400ml)中の2−チオフェン−3−イル−エチルアミン塩酸塩の懸濁液にジイソプロピルエチルアミン(54.0g、418.0mmol)を加え、この混合物を室温で40分間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、クロロギ酸エチル(22.7g、209.0mmol)を15分間かけて滴加した。添加終了後、反応液を0℃で1時間撹拌した。10%硫酸水素ナトリウム(500ml)で洗浄した。水性部分をジクロロメタン(2×100ml)で抽出し、合わせた有機部分をNa2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。100%ジクロロメタンを溶出液として用いてシリカゲルクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製し、22.6g(60%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z 200.3[M+H]+
【0099】
(調製例3)
5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化8】

基本的にAparajithan,K.;Thompson,A.C.;Sam,J.J.Heterocyclic.Chem.1966,3,466に記載されている手順に従って、標題の化合物を調製した。4,5−ジヒドロ−シクロペンタ[b]チオフェン−6−オン(Bonini,B.F.らEur.J.Org.Chem.2004,4442およびその中で引用される引用文献)(0.658g、4.77mmol)をMeOH(50ml)に溶解させ、ヒドロシキキシルアミン塩酸塩(0.365g、5.25mmol)およびNaOAc(2.35g、28.62mmol)を加えた。反応液を室温で一晩撹拌した。真空中で有機溶媒を除去し、残渣をEtOAc(60ml)で処理した。シリカゲルを通して濾過し、EtOAcで洗浄し、濃縮した。残渣をPPA(30g)で処理し、時おり撹拌しながら30分間にわたってオイルバス中で130℃に加熱した。反応液を室温まで放冷し、氷水(100ml)に注ぎ込んだ。CH2Cl2(3×150ml)で抽出した。合わせた有機層を0.1M NaOH(100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。75%EtOAc/ヘキサンで溶出してクロマトグラフィーによりこの物質を精製し、0.521g(71%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z 154.1[M+H]+
【0100】
代替的手順:5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
オキシ塩化リン(167ml)中の2−チオフェン−3−イル−エチル)−カルバミン酸 エチルエステル(22.5g、112.9mmol)の溶液に五酸化リン(32.1g、225.8mmol)を加え、反応液を110℃で3時間45分加熱した。混合物を室温まで冷却し、真空中で濃縮した。残渣をジクロロメタン(50ml)に溶解させ、300gの氷に注ぎ込んだ。5N 水酸化ナトリウムで混合物をpH=7に調整し、ジクロロメタン(4×100ml)で抽出した。合わせた有機部分を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮した。0%〜70%酢酸エチル/ヘキサンで溶出してシリカゲルクロマトグラフィーによって得られた残渣を精製し、8.38g(48%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z 154.3[M+H]+
【0101】
(調製例4)
2−ブロモ−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化9】

5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(4.80g、31.37mmol)をHOAc(40ml)および水(30ml)に溶解させた。0℃に冷却し、Br2(1.8ml、34.51mmol)を滴加した。反応液を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(100ml)で希釈し、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層を5%Na2SO3(2×50ml)、飽和NaHCO3(2×100ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、6.20g(85%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z (81Br)233.9[M+H]+
【0102】
(調製例5)
2−ブロモ−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化10】

(E)−3−(5−ブロモ−チオフェン−3−イル)−アクリル酸(Gronowitz,S.;Ander,I.Chemica Scripta 1980,15,145)(2.04g、8.79mmol)をCH2Cl2(30ml)に懸濁させた。オキサリルクロリド(1.5ml、17.58mmol)で処理し、続いてDMF(3滴)を加えた。反応液を室温で30分間撹拌して透明な溶液を得て、1.5時間撹拌を続けた。過剰の試薬および溶媒を真空中で除去した。得られた残渣を1,4−ジオキサン(10ml)に溶解させ、滴下ロートに入れ、水(10ml)およびアセトン(10ml)中のNaN3(1.8g、26.37mmol)の溶液に0℃で滴加した。添加する間、内部温度を5℃より低く維持した。混合物を0℃で1時間撹拌した。水(15ml)で希釈し、EtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層を合わせ、加熱することなく真空中で濃縮した。得られた残渣をEtOAc(50ml)に溶解させ、水(30ml)およびブライン(20ml)で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濾過し、加熱することなく真空中で濃縮し、粗なアシルアジド中間体を得た。
粗アシルアジドを1,4−ジオキサン(10ml)に溶解させ、Dowtherm A(登録商標)(15ml)を入れた、冷却器つきディーン−スタークトラップを備えるフラスコに取り付けた滴下ロートに入れた。Dowtherm A(登録商標)混合物を230℃に加熱し、アシルアジド溶液を滴加した。添加のあいだ反応液の内部温度は160℃に低下したが、後に230℃まで上昇した。低沸点溶媒をディーン−スタークトラップに集めた。反応液を230℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、ヘキサン(40ml)で希釈した。沈殿を濾過により集め、ヘキサン(2×20ml)で洗浄し、1.838g(91%)の標題の化合物を得た。1H NMR(DMSO−d6)δ 6.64(d,1H,J=6.8Hz),7.29(d,1H,J=6.8Hz),7.57(s,1H),11.64(bs,1H)。MS/ES m/z(81Br)229.8[M−H]-
【0103】
(調製例6)
5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸 (2,2−ジエトキシエチル)アミド
5−クロロチオフェン−2−カルボン酸(100g、0.60mol)およびジクロロメタン(1000ml)を、オーバーヘッドスターラー、窒素導入口/排出口、滴下ロートおよび熱電対を備えた3Lの3つ口丸底フラスコに加えた。得られた溶液を、4℃に冷却しながら窒素下で撹拌した。ジクロロメタン(35ml)中の2,2−ジエトキシエチルアミン(88.5ml、0.60mol)を、滴下ロートを介して12分間かけて添加した。1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(123g、0.64mol)を冷却した混合物に加えた。追加のジクロロメタン(165ml)を加え、反応混合物を室温で22時間撹拌した。反応液を水(1000ml)でクエンチし、得られた層を分離させた。水層をジクロロメタン(500ml)で逆抽出し、有機層を合わせた。硫酸ナトリウムで乾燥し、ジクロロメタン、次いで1%MeOHを含むジクロロメタン混合物、次いで10%MeOHを含むジクロロメタン混合物で溶出させてシリカゲル床を通して精製し、108g(65%)の標題の化合物を白色固体として得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 1.19(t,J=7.5Hz,6H),3.48−3.57(m,4H),3.68−3.74(m,2H),3.68−3.74(m,2H),6.37(bs,1H),6.85(d,J=3.5Hz,1H),7.26(d,J=3.5Hz,1H)。
【0104】
(調製例7)
5−(4−クロロフェニル)−チオフェン−2−カルボン酸 (2,2−ジエチルオキシエチル)アミド
5−クロロ−チオフェン−2−カルボン酸 (2,2−ジエトキシエチル)アミド(50.15g、0.18mol)、4−クロロフェニルボロン酸(29.84g、0.18mol)、炭酸カリウム(50g、0.36mol)、[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン)(3−クロロピリジル)]パラジウム(II)ジクロリド(4.40g、0.006mol)、およびEtOH(1000ml)を、オーバーヘッドスターラー、還流冷却器、窒素導入口/排出口、滴下ロートおよび熱電対を備えた2Lの3つ口丸底フラスコに加えた。得られたスラリーを35分間加熱し、活性炭(5.8g)を加え、さらに30分間加熱した。得られたスラリーをガラスのミクロファイバーフィルタを通して濾過し、固体をEtOH(500ml)でリンスした。15〜20%の溶媒が残るまで、減圧下で濾液から溶媒を除去した。この濾液に、水(1300ml)を加え、得られたスラリーを室温で1時間撹拌し、次いで0〜5℃で0.5時間撹拌した。スラリーを濾過し、固体を水(1000ml)でリンスし、乾燥して66gの粗5−(4−クロロフェニル)−チオフェン−2−カルボン酸(2,2−ジエチルオキシエチル)アミドを得た。ヘプタン(1625ml)中での粗5−(4−クロロフェニル)−チオフェン−2−カルボン酸 (2,2−ジエチルオキシエチル)アミドを1時間還流させ、次いでガラスのミクロファイバーフィルタを通して濾過した。濾液を丸底フラスコに移し、725mlの溶媒が残るまで溶媒を除去した。混合物を冷却条件下で40分間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、ヘプタン(100ml)でリンスし、乾燥して41g(64%)の白色固体を得た。1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 1.25(t,J=7.0Hz,6H),3.57−3.62(m,4H),3.73−3.79(m,2H),4.62(t,J=5.5Hz,1H),6.20(bs,1H),7.24(d,J=4.5Hz,1H),7.38(d,J=9.0Hz,2H),7.45(d,J=4.5Hz,1H),7.54(d,J=9.0Hz,2H)。
【0105】
(調製例8)
5−(4−クロロフェニル)−チオフェン−2−カルボン酸 (2−オキソエチル)アミド
水(21ml)、次いでトリフルオロ酢酸(100g)を、オーバーヘッドスターラー、窒素導入口/排出口および熱電対を備えた250mlの3つ口丸底フラスコに加えた。この撹拌したTFA溶液に、5−(4−クロロフェニル)−チオフェン−2−カルボン酸 (2,2−ジエチルオキシエチル)アミド(25g、0.07mol)を一度に加えた。反応混合物を4時間撹拌し、氷/水(1200ml)に注ぎ込み、1.25時間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、固体を水(500ml)およびヘプタン(500ml)でリンスし、乾燥して18.65g(95%)の標題の化合物を黄色〜白色固体として得た。LC−MS/ES m/z(35Cl) 278(M−H)-1H NMR(500MHz,CDCl3):δ 4.40(d,J=4.0Hz,2H),6.69(bs,1H),7.26(d,J=3.0Hz,1H),7.40(d,J=9.0Hz,2H),7.53−7.58(m,3H),9.78(s,1H)。
【0106】
(調製例9)
2−(4−メトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
【化11】

2−ブロモ−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(1.024g、4.42mmol)、4−メトキシフェニルボロン酸(0.671g、4.42mmol)、Na2CO3(0.94g、8.83mmol)を水(10ml)、ジメトキシエタン(75ml)およびCH3OH(50ml)中で混合した。5分間窒素でパージした。Pd(PPh34(0.153g、0.1325mmol)を加え、得られた混合物を一晩還流させた。反応液を室温まで冷却し、水(100ml)で希釈した。EtOAc(3×100L)で抽出し、濃縮した。残渣をEtOAc(40ml)で処理し、固体を集め、EtOAc(20ml)およびEt2O(2×20ml)で洗浄し、標題の化合物(0.950g)を得た。濾液を濃縮し、得られた残渣をクロマトグラフィーで精製することにより、さらに生成物(0.140g)を得た。全収量は1.090g(95%)であった。MS/ES m/z 260.0[M+H]+
【0107】
(調製例10)
2−(4−フルオロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
N,N−ジメチルホルムアミド(21ml)、メタノール(5ml)および水(1ml)中の2−ブロモ−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.5g、2.15mmol)、4−フルオロフェニルボロン酸(0.30g、2.15mmol)、および炭酸ナトリウム(0.46g、4.30mmol)の脱気した溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.075g、0.065mmol)を加えた。この反応液を90℃で16時間加熱した。反応液を室温まで放冷させ、水(75ml)に注ぎ込んだ。得られた固体を濾過し、真空中、80℃で乾燥し、0.40g(75%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z 248.0[M+H]+
【0108】
適切なアリールボロン酸および2−ブロモ−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンまたは2−ブロモ−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンを使用して、基本的に調製例9または調製例10に記載したようにして、Suzukiカップリングの手順に従って下記の表中の中間体を調製した。
【表1】

【表2】

【0109】
(調製例29、代替的調製法)
トリフルオロメタンスルホン酸(3ml、0.03mol)および5−(4−クロロフェニル)−チオフェン−2−カルボン酸 (2−オキソエチル)アミド(1g、0.004mol)を、撹拌棒、ディーン−スタークトラップ、窒素導入口/排出口および熱電対を備えた25mlの3つ口丸底フラスコに加えた。反応混合物を95℃に2時間加熱し、40℃に冷却し、冷水(20ml、1.11mol)に注ぎ込んだ。混合物を10分間撹拌した。得られたスラリーを濾過し、固体を水(100ml)でリンスした。乾燥して粗2−(4−クロロフェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.95g、0.004mol)を褐色固体として得た。LC−MS/ES m/z(35Cl)262[M+H]+
【0110】
(調製例30)
(5’−ブロモ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−4−イル)−ジメチルアミン
【化12】

5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジン(1.00g、5.68mmol)およびN,N−ジメチル−ピペリジン−4−イル−アミン(1.50g、11.70mmol)を一緒に混合し、80℃に64時間加熱した。反応液をCH2Cl2(5ml)と1N NaOH(8ml)との間に分配した。有機相を集め、水相をさらなるCH2Cl2(2×20ml)で抽出した。有機溶液を合わせ、乾燥し、濾過し、濃縮した。5% MeOH(2N NH3)/CH2Cl2の溶出液を用いてフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、1.49g(92%)の標題の化合物を白色固体として得た。1H NMR(CDCl3)δ1.46(dq,2H,J=4.0,11.8Hz),1.86(br d,2H,J=12.8Hz),2.26(s,6H),2.32(m,1H),2.80(dt,2H,J=2.7,12.8Hz),4.23(br d,2H,J=13.2Hz),6.53(d,1H,J=8.9Hz),7.46(dd,1H,J=2.8,9.0Hz),8.13(d,1H,J=2.6Hz)。
【0111】
5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジンおよび適切なアミンまたはアルコールを使用して、基本的に調製例30に記載した手順に従い、下記の表中の中間体を調製した。
【表3】

【0112】
(調製例37)
[(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−ジメチルアミン
【化13】

アセトニトリル(91ml)中のジメチル−ピロリジン−3−(S)−イル−アミン(3.0g、26.3mmol)、5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジン(4.62g、26.3mmol)、炭酸カリウム(7.98g、57.8mmol)の混合物を80℃で一晩加熱した。混合物を室温まで放冷し、CH2Cl2を用いて濾過し、濃縮した。5% MeOH(2N NH3)/CH2Cl2を用いて溶出させるフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、3.55g(50%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(81Br)272.3[M+H]+
【0113】
適切なアミンおよび5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジンを使用して、基本的に調製例37に記載した手順に従い、下記の表中の中間体を調製した。
【表4】

【0114】
(調製例40)
(±)−3−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【化14】

ジクロロメタン(155ml)中のピロリジン−1,3−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル(10.0g、46.5mmol)の溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(8.3g、51mmol)を一度に室温で加えた。混合物を15分間撹拌した。N,O−ジメチルヒドロシキアミン塩酸塩(5.4g、55.8mmol)をゆっくり加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物をジクロロメタン(200ml)で希釈し、水(2×300ml)、ブライン(200ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、50〜100%酢酸エチル/ヘキサンで溶出し、10.8g(90%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z 203.0[M−tert−Bu+H]+
【0115】
(調製例41)
(±)−2−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−モルホリン−4−カルボン酸 tert−ブチルエステル
モルホリン−2,4−ジカルボン酸 4−tert−ブチルエステルを出発物質として使用して、基本的に調製例40に記載した手順に従い、標題の化合物を調製した。LC−MS/ES 219[M−tert−Bu+H]+
【0116】
(調製例42)
(±)−3−(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
J.Org.Chem.2004,69,250−262およびTetrahedron Letter 2000,41,4335−4338に見出されるようにして、標題の化合物を調製した。
無水トルエン(50ml)中の2,5−ジブロモピリジン(1.0g、4.2mmol)の懸濁液に、窒素下、−80℃でn−BuLi(3.2ml、5.1mmol)を滴加した。混合物を−80℃で2時間撹拌した。無水トルエン(10ml)中の3−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.4g、5.5mmol)の溶液をゆっくり加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで−10℃に加温した。混合物を飽和NH4Cl(1ml)でクエンチし、室温に加温した。有機層を分離し、濃縮した。10〜20% 酢酸エチル/ヘキサンで溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、0.61g(43%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(79Br)299[M−tert−Bu+H]+
【0117】
(調製例43)
(±)−2−(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−モルホリン−4−カルボン酸 tert−ブチルエステル
2−(メトキシ−メチル−カルバモイル)−モルホリン−4−カルボン酸 tert−ブチルエステルを出発物質として使用して、基本的に調製例42に記載した手順に従い、標題の化合物を調製した。LC−MS/ES (81Br)317.0[M−t−Bu+H]+
【0118】
(調製例44)
(±)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル−メタノン
ジオキサン(3.7ml)中の4M HCl中の3−(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(0.65g、1.8mmol)の溶液を0℃で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、混合物をCH2Cl2で希釈し、5N NaOH(15ml)で洗浄し、水層をCH2Cl2で逆抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。10% MeOH(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.4g(85%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(81Br)257.0[M+H]+
【0119】
(調製例45)
(±)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−モルホリン−2−イル−メタノン
2−(5−ブロモ−ピリジン−2−カルボニル)−モルホリン−4−カルボン酸 tert−ブチルエステルを出発物質として使用して、基本的に調製例44に記載した手順に従い、標題の化合物を調製した。GC(81Br)272[M+]。
【0120】
(調製例46)
(±)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−(1−メチル−ピロリジン−3−イル)−メタノン
メタノール(68ml)中の(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル−メタノン(0.35g、1.35mmol)の溶液に酢酸(0.15ml、2.7mmol)およびホルムアルデヒド(0.33g、4.1mmol、37%水溶液)を加えた。15分後、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(0.86g、4.1mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、CH2Cl2に溶解させ、飽和NaHCO3で洗浄した。水層をCH2Cl2で逆抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。5〜10% MeOH(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.17g(47%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(79Br)270[M+H]+
【0121】
(調製例47)
(±)−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−(4−メチル−モルホリン−2−イル)−メタノン
(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−モルホリン−2−イル−メタノンを出発物質として使用し、基本的に調製例46に記載した手順に従い、標題の化合物を調製した。GC−MS (81Br)286[M+]。
【0122】
(調製例48)
[(R)−1−(5−ブロモ−3−メチル−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−ジメチルアミン
封管中で2,5−ジブロモ−3−メチル−ピリジン(2.00g、7.97mmol)をジメチル−(R)−ピロリジン−3−イル−アミン(2.40g、20.72mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.39g、2.07mmol)と混合し、100℃で一晩加熱した。EtOAc(100ml)で希釈し、飽和NaHCO3(3×40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。2%NH32Oを含む1:1 CH3OH:EtOAcで溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、2.09g(99%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(79Br)284.3[M+H]+
【0123】
(調製例49)
[(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジン(5.20g、29.53mmol)および(S)−ピロリジン−3−イル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(5.50g、29.53mmol)をアセトニトリル(100ml)中に溶解させ、K2CO3(8.90g、64.96mmol)とともに3時間還流させた。反応混合物を濾過し、EtOAc(100ml)で洗浄した。濾液を濃縮し、40%EtOAc/ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより得られた粗生成物を精製し、2.76g(27%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(81Br)344.3[M+H]+
【0124】
(調製例50)
[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジン(6.26g、35.61mmol)および(R)−ピロリジン−3−イル−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(6.632g、35.61mmol)を使用して、基本的に調製例49に記載した手順に従って標題の化合物を調製し、3.77g(30%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(81Br)344.3[M+H]+
【0125】
(調製例51)
(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン
[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(9.17g、26.9mmol)をCH2Cl2(45ml)に溶解させ、TFA(10ml)を加え、室温で一晩撹拌した。過剰の試薬を真空中で除去した。残渣をCH2Cl2(100ml)で希釈し、1.0M NaOH(100ml)で洗浄した。水層をCH2Cl2(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮して6.03g(93%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)242[M+H]+
【0126】
(調製例52)
(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン
[(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを出発物質として使用して、基本的に調製例51に記載した手順に従い、標題の化合物を調製した。MS/ES m/z(79Br)242[M+H]+
【0127】
(調製例53)
(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−オール
マイクロ波反応器中、THF(50ml)中ので5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジン(10.33g、57.39mmmol)を(S)−3−ヒドロキシピロリジン(5.00g、57.39mmol)およびEt3N(9.2ml、68.87mmol)とともに120℃で45分間加熱した。EtOAc(150ml)で希釈し、飽和NaHCO3(2×50ml)および水(100ml)で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。100%EtOAcで溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、10.13g(72%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)244.0[M+H]+
【0128】
(調製例54)
メタンスルホン酸 (R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルエステル
(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−オール(6.8g、27.64mmol)、(Stenkamp,D.ら、国際公開第WO2005103032号パンフレットに従って調製した)をCH2Cl2(50ml)に溶解させ、0℃に冷却した。この混合物をEt3N(5.0ml、35.93mmol)、さらにMsCl(2.4ml、30.4mmol)で処理した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌した、CH2Cl2(100ml)で希釈し、H2O(100ml)およびブライン(100ml)で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。50〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するクロマトグラフィーによって粗生成物を精製し、8.86g(97%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)321.0[M+H]+
【0129】
(調製例55)
メタンスルホン酸 (S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルエステル
基本的に調製例54に記載した手順に従って、(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−オール(10.13g、41.19mmol)から標題の化合物を調製し、12.54g(94%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)321.0[M+H]+
【0130】
(調製例56)
(3R,3’S)−1’−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−フルオロ−[1,3’]ビピロリジニル
メタンスルホン酸 (R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルエステル(0.23g、0.71mmol)および(R)−3−フルオロ−ピロリジン塩酸塩(107mg、0.85mmol)をDMF(5ml)に溶解させ、Cs2CO3(0.69g、2.13mmol)を加えた。70℃に一晩加温した。EtOAc(100ml)で希釈し、H2O(3×100ml)で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。75〜100%EtOAc/ヘキサンで溶出するクロマトグラフィーによって組生成生物を精製し、0.22g(100%)の標題の化合物を得た。1H−NMR(CDCl3)δ 1.87−2.00(m,1H),2.00−2.09(m,1H),2.18−2.30(m,2H),3.40−3.80(m,9H),5.10−5.28(m,1H),5.34−5.40(m,1H),6.28(d,J=9.0Hz,1H),7.51(dd,J=9.0,2.4Hz,1H),8.18(d,J=2.4Hz,1H)。
【0131】
対応するアミンおよびメタンスルホン酸 (S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルエステルを使用して、基本的に調製例56に記載した手順に従い、以下の化合物を調製した。
【表5】

【0132】
(調製例58)
[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−シクロプロピル−アミン
メタンスルホン酸 (S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルエステル(3.07g、9.48mmol)およびシクロプロピルアミン(1.7ml、23.68mmol)をTHF(20ml)に溶解させた。130℃で6時間混合物をマイクロ波処理した。混合物をEtOAc(100ml)で希釈し、飽和NaHCO3(25ml)で洗浄した。有機部分をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。75〜100%EtOAc/ヘキサンの勾配で溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、1.638g(61%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(79Br)283.0[M+H]+
【0133】
(調製例59)
N−[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−2,2−ジフルオロ−アセトアミド
【化15】

[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(4.24g、12.43mmol)をCH2Cl2(10ml)に溶解させ、TFA(5ml)を加えた。室温で1時間撹拌した。過剰の試薬をエバポレーションした。得られた粗生成物をCH2Cl2(50ml)に溶解させ、0℃に冷却した。ジフルオロ酢酸(1.78g、18.64mmol)、EDCI(3.57g、18.64mmol)、HOBt(2.52g、18.64mmol)およびEt3N(5.2ml、37.3mmol)を加えた。反応液を0℃で30分間、次いで室温で一晩撹拌した。CH2Cl2(100ml)で希釈し、0.1M NaOH(2×50ml)およびH2O(100ml)で洗浄した。溶液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。100% EtOAcで溶出して粗生成物を精製し、1.98g(50%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)321.0[M+H]+
【0134】
(R)または(S)−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルを使用して、基本的に調製例59に記載した手順に従い、以下の中間体を調製した。調製例61については、無水トリフルオロ酢酸(1当量)およびトリエチルアミン(1.2当量)を使用した。
【表6】

【0135】
(調製例62)
[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−(2,2−ジフルオロ−エチル)−アミン
N−[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−2,2−ジフルオロ−アセトアミド(1.98g、6.19mmol)をTHF(50ml)に溶解させ、0℃に冷却した。THF中の1.0M BH3−THF錯体(18.6ml、18.6mmol)を滴加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで4時間還流した。混合物を0℃に冷却し、CH3OH(5ml)および飽和NH4Cl(20ml)でクエンチした。混合物を0℃で5分間、次いで室温で30分間撹拌した。H2O(50ml)で希釈し、EtOAc(2×80ml)で抽出した。有機部分をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。50〜70%EtOAc/ヘキサンで溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、1.01g(50%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)306.0[M+H]+
【0136】
(調製例63)
[(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−(2,2−ジフルオロ−エチル)−アミン
テトラヒドロフラン(65ml)中のN−[(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−2,2−ジフルオロ−アセトアミド(8.3g、25mmol)の溶液に1M BH3−THF(78ml、78mmol)をシリンジによって加え、混合物を還流温度で一晩加熱した。反応液を0℃まで冷却し、ガスの発生が観察されなくなるまでゆっくりと5N NaOHでクエンチした。真空中で混合物を濃縮しTHFを除去した。残渣を水(150ml)で希釈し、CH2Cl2(3×150ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮した。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(35.4g、167mmol)をジクロロメタン(75ml)中の残渣に加えた。激しく撹拌しながら、トリフルオロ酢酸(150ml)を滴加した。10分後、混合物を真空中で濃縮し、CH2Cl2(150ml)で希釈した。混合物を氷浴中で冷却し、5N NaOHでpH9までゆっくりとアルカリ性にした。この塩基性混合物を一晩撹拌した。混合物を水(200ml)で希釈し、CH2Cl2(3×150ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮した。クロマトグラフィーにより精製し、6.38g(85%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)306.0[M+H]+
【0137】
(調製例64)
[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−(2,2,2−トリフルオロ−エチル)−アミン
N−[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド(1.25g、3.55mmol)を使用して、基本的に調製例62に記載した手順に従って標題の化合物を調製し、1.07g(93%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)324[M+H]+
【0138】
(調製例65)
[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−ジシクロプロピル−アミン
(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(1.60g、6.63mmol)をCH3OH(915ml)に溶解させた。(1−エトキシ−シクロプロポキシ)−トリメチル−シラン(2.7ml、13.49mmol)およびHOAc(1.9ml、33.15mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。NaBH3CN(4.2g、66.30mmol)を加え、一晩還流させた。混合物を0℃に冷却し、2.0M NaOH(15ml)でクエンチし、H2O(100ml)で希釈した。EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層を1.0M NaOH(50ml)、H2O(100ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。溶液をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。0.5% Et3N、5% CH3OHおよび95% CHCl3で溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、1.20g(56%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)322[M+H]+
【0139】
(調製例66)
N−[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−2−メトキシ−アセトアミド
メトキシアセチルクロリド(208μl、2.27mmol)を、ジクロロメタン(10ml)中の(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミン(0.5g、2.07mmol)およびトリエチルアミン(317μl、2.27mmol)の0℃の溶液に加えた。氷浴を取り除き、反応液を一晩撹拌した。反応混合物を10% NaHSO4水溶液(20ml)で洗浄した。有機部分を分離し、水性部分をジクロロメタン(2×10ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮した。クロマトグラフィー(0〜5% MeOH/CH2Cl2)を用いて精製し、525mg(81%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(79Br)314.0[M+H]+
【0140】
(調製例67)
2−[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルアミノ]−エタノール
滴下ロートによって、テトラヒドロフラン(5ml)中のヨウ素(727mg、2.86mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(5ml)中のN−[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−2−メトキシ−アセトアミド(500mg,1.59mmol)および水素化ホウ素ナトリウム(217mg、6.05mmol)の混合物に15分間かけて滴加した。無色の混合物を還流温度で一晩加熱し、室温まで冷却し、泡立ちが観察されなくなるまでMeOHでゆっくりクエンチした。この物質を真空中で濃縮した。1N NaOH(20ml)を残渣に加え、混合物をジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮した。クロマトグラフィー(0〜10%MeOH/CH2Cl2)を用いて精製し、120mg(26%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ESm/z(79Br)286.2[M+H]+
【0141】
(調製例68)
1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチル−ピペラジン
マイクロ波反応器中で、THF(10ml)中で2−フルオロ−5−ブロモピリジン(2.15g、12.22mmol)を1−メチル−ピペラジン(3.4ml、30.54mmol)とともに120℃で45分間加熱した。EtOAc(60ml)で希釈し、NaHCO3(2×30ml)およびブライン(20ml)で洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮し、2.01g(64%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(79Br)256[M+H]+
【0142】
(調製例69)
(±)−trans−4’−ヒドロキシ−[1,3’]ビピロリジニル−1’−カルボン酸 tert−ブチルエステル
6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸 tert−ブチルエステル(Syn.Comm.V26(8)p1499,1996に従って調製した)(1.25g、6.75mmol)をピロリジン(8ml)および水(12ml)に溶解させた。50℃に加温し、シールした容器密封容器中で3日間撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、エバポレーションした。0〜15%メタノール(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、1.73g(100%)の標題の化合物を黄色油状物として得た。1H NMR(CDCl3)δ 1.43(s,9H),1.77(m,4H),2.08(bs,1H),2.60(m,4H),2.72(bs,1H),3.27(m,1H),3.65(m,1H),4.29(m,1H)。
【0143】
(調製例70)
(±)−trans−3−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
基本的に調製例69に記載した手順に従い標題の化合物を調製し、0.676g(95%)の黄色油状物を得た。MS/ES m/z 231[M+H]+
【0144】
(調製例71)
(±)−cis−4’−フルオロ−[1,3’]ビピロリジニル−1’−カルボン酸 tert−ブチルエステル
4’−ヒドロキシ−[1,3’]ビピロリジニル−1’−カルボン酸 tert−ブチルエステル(573mg、2.24mmol)をジクロロメタン(15ml)に溶解させ、混合物を−78℃に冷却した。三フッ化ジエチルアミノ硫黄(504mg、3.13mmol)を滴加し、混合物を室温まで加温した。混合物を一晩撹拌した。溶液をエバポレーションし、0〜3%メタノール(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、520mg(89%)の標題の化合物を黄色油状物として得た。1H NMR(DMSO−d6):δ1.37(s,9H),1.61−1.67(m,4H),2.43−2.54(m,4H),2.86(bs,1H),3.30−3.41(m,1H),3.45−3.60(m,1H),5.09−5.25(m,1H)。
【0145】
(調製例72)
(±)−cis−3−ジメチルアミノ−4−フルオロ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
基本的に調製例71に記載した手順に従い標題の化合物を調製し、1.9g(78%)の生成物を黄色油状物として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.44(s,9H),2.28(s,6H),2.89(m,1H),3.29(m,1H),3.42−3.81(m,3H),5.26−5.35(m,1H)。
【0146】
(調製例73)
(±)−trans−[1,3’]ビピロリジニル−4’−オール
【化16】

4’−ヒドロキシ−[1,3’]ビピロリジニル−1’−カルボン酸 tert−ブチルエステル(751mg、2.93mmol)をジクロロメタン(13ml)に溶解させ、混合物を0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(2.5ml、33.1mmol)を加え、混合物を室温に1時間加温した。減圧下で揮発物を除去し、2連の10g SCXカートリッジにかけることにより精製した。この物質をメタノールで洗浄し、この物質をメタノール中の2Nアンモニアで溶出させ、460mg(99%)の標題の化合物を透明な油状物として得た。1H NMR(DMSO−d6)δ1.60(m,4H),2.31(s,1H),2.41(m,5H),2.53(m,1H),2.81(m,1H),2.93(m,1H),3.94(s,1H)。
【0147】
基本的に調製例73に記載したようにして、トリフルオロ酢酸を用いて対応するカルバメートを脱保護することにより、以下の化合物を調製した。
【表7】

【0148】
(調製例77)
(±)−trans−1’−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−[1,3’]ビピロリジニル−4’−オール
【化17】

[1,3’]ビピロリジニル−4’−オール(452mg、2.89mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解させ、5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジン(764mg、4.34mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.26ml、7.23mmol)を加えた。混合物を3日間還流させた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、ジクロロメタン(3×)で抽出した。有機フラクション画分を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、エバポレーションした。0〜7.5%メタノール(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、610mg(67%)の標題の化合物を黄色のフォーム状物として得た。MS/ES m/z(79Br)312.0[M+H]+
【0149】
5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジンおよび対応するピロリジンを使用して、基本的に調製例77のようにして以下の化合物を調製した。
【表8】

【0150】
(調製例81)
(±)−trans−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチルアミノ−ピロリジン−3−オール
6−オキサ−3−アザ−ビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.50g、8.10mmol)をメチルアミン(15ml、40%水溶液)に溶解させた。50℃に加温し、シールした容器密封容器中で一晩撹拌した。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、ジクロロメタン(3×)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、エバポレーションした。0〜10%メタノール(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、1.87g(97%)の3−ヒドロキシ−4−メチルアミノ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを黄色油状物として得た。
3−ヒドロキシ−4−メチルアミノ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(750mg、3.26mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解させ、混合物を0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(4ml、52.9mmol)を加え、混合物を室温に1時間加温した。減圧下で揮発物を除去し、10g SCXカートリッジにかけた。この物質をメタノールで洗浄し、この物質をメタノール中の2Nアンモニアで溶出させ、430mg(100%)の4−メチルアミノ−ピロリジン−3−オールを透明な油状物として得た。
4−メチルアミノ−ピロリジン−3−オール(430mg、3.29mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解させ、5−ブロモ−2−フルオロ−ピリジン(868mg、4.93mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.688ml、3.95mmol)を加えた。この混合物を3日間還流させた。混合物を飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、ジクロロメタン(3×)で抽出した。有機フラクション画分を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、エバポレーションした。2Nアンモニアとともに0〜7.5%メタノールを含むジクロロメタンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、352mg(37%)の標題の化合物を黄色のフォーム状物として得た。MS/ES m/z(79Br)272.0[M+H]+
【0151】
(調製例82)
(±)−trans−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−[(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ピロリジン−3−オール
1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−メチルアミノ−ピロリジン−3−オール(0.347g、1.28mmol)をジクロロエタン(10ml)に溶解させ、ベラトルアルデヒド(veratraldehyde)(212mg、1.28mmol)、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(405mg、1.91mmol)および酢酸(125ml、2.18μmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。飽和炭酸水素ナトリウムで希釈し、混合物をジクロロメタン(3×)で抽出した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、エバポレーションした。0〜9%メタノール(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより得られた残渣を精製し、390mg(72%)の標題の化合物を白色固体として得た。MS/ES m/z(81Br)424.0[M+H]+
【0152】
(調製例83)
(±)−cis−[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−フルオロ−ピロリジン−3−イル]−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−メチルアミン
(±)−trans−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−4−[(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−ピロリジン−3−オールを使用して、基本的に調製例71に記載した手順に従い、標題の化合物を調製し、181mg(97%)の透明な油状物を得た。MS/ES m/z(79Br)424.0[M+H]+
【0153】
(調製例84)
5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−カルボン酸 メチルエステル
2−(4−クロロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.351g、1.32mmol)および5−ブロモ−ピリジン−2−カルボン酸 メチルエステル(Song,J.;Yee,N.K.J.Org.Chem.2001,66,605)(0.345g、1.59mmol)をジオキサン(20ml)中で混合した。この溶液をXantphos(38mg、0.066mmol)およびCs2CO3(0.647g、1.97mmol)で処理した。窒素を5分間パージすることにより反応液を脱気した。Pd2(dba)3(12mg、0.0132mmol)を加え、反応混合物を一晩還流させた。EtOAc(100ml)および水(100ml)で希釈した。不溶の物質を濾過により集めた。水(2×20ml)およびEtOAc(2×20ml)で洗浄し、真空オーブン中で乾燥し、0.403g(76%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES (35Cl)399.0[M+H]+
【0154】
(実施例1)
4−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−2−メトキシ−N−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−ベンズアミド、塩酸塩
トルエン(5ml)中で5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−カルボン酸 メチルエステル(0.099g、0.25mmol)を2−ピロリジン−1−イル−エチルアミン(34mg)と混合した。Al(CH33(130μl、0.26mmol)を加え、混合物を60℃で一晩撹拌した。0℃に冷却し、水(5ml)でクエンチした。EtOAc(20ml)で希釈し、不溶の物質を濾別した。濾液をEtOAc(50ml)で希釈し、飽和NaHCO3(2×30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。10%CH3OH(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.058gを得た。この物質をCH2Cl2(5ml)に溶解させ、EtOH(118μl)中の1.0M HClで処理した。室温で5分間撹拌し、濃縮し0.051g(39%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES(35Cl)481.2[M+H]+
【0155】
(実施例2)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
【化18】

2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.2575g、0.98mmol)、[(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−ジメチルアミン(Goodfellow,V.ら、US2005012853)(0.3184g、1.18mmol)およびCs2CO3(0.64g、1.96mmol)をジオキサン(25ml)中で混合した。窒素で5分間パージすることにより懸濁液を脱気した。CuI(37mg、0.20mmol)およびN,N’−ジメチルエチレンジアミン(35mg)を加えた。反応混合物を100℃で一晩撹拌した。室温まで冷却し、EtOAc(100ml)で希釈した。H2O/NH32O(2×30ml/2ml)の溶液で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。2%NH32O、50%CH3OH/EtOAcで溶出することによって、クロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.258gを得た。この物質をCH2Cl2(5ml)に溶解させ、EtOH(0.57ml)中の1.0M HClで処理し、0.278g(58%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(35Cl)451.2(M+H)+
【0156】
適切な5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンまたは6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンおよび適切な5−ブロモピリジンを使用して、基本的に実施例2に記載したようにして、下記の表中の調製例および実施例を調製した。約0.1〜0.3当量のCuI、1.6〜2.0当量のCs2CO3および0.34〜0.4当量のN,N’−ジメチルエチレンジアミンを使用した。Stenkamp,D.ら、WO国際公開第2005103032号パンフレットに従って(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−オールを調製した。
【0157】
別のワークアップ法(実施例10〜62):冷却した反応混合物に濃NH4OH(5ml)を加えた。10分後、混合物を水(50ml)に注ぎ込んだ。得られた固体を濾過し、水(2×)さらにEt2O(2×)でリンスした。クロマトグラフィー(0〜10%MeOH/CH2Cl2)を用いて精製し、標題の化合物を得た。塩酸塩と記している場合には、1当量のエタノール中の1M塩化水素を加え、エーテルで沈殿させ、標題の化合物を濾別することにより、塩酸塩を調製した。
【0158】
別のワークアップ法(実施例63〜67、調製例93):粗反応混合物を室温に冷却し、濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄した。この溶液をエバポレーションし、0〜6%メタノール(2N NEt3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し白色固体を得た。この固体をメタノールに溶解させ、塩化アンモニウムを加えた。この混合物をエバポレーションし標題の化合物を得た。
【0159】
【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

*遊離塩基をCH3OHに溶解させEtOAc中の1.0M HClで処理することにより塩酸塩を得た。
**遊離塩基をジエチルエーテル中の1.0M HClで処理することにより、塩酸塩を得た。
【0160】
(実施例68)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
【化19】

[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−ジメチルアミン(6.8g、25.2mmol)、2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(6.5g、24.8mmol)、炭酸セシウム(16.3g、50.0mmol)および1,4−ジオキサン(230ml)をフラスコに入れた。混合物を11〜13℃に冷却し、15〜25分間、液面下に窒素を吹き込んだ。この混合物にヨウ化銅(I)(1.0g、5.3mmol)、次いで溶液1,4−ジオキサン(5ml)中のsym−ジメチルエチレンジアミン(0.9g、10.2mmol)の溶液を加えた。この混合物に5〜10分間、液面下に窒素を吹き込み、窒素下で98℃に加熱した。この反応液を98℃で一晩撹拌した。
反応液を11〜13℃まで冷却し、さらなる[1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−ジメチルアミン(0.5g、1.9mmol)を加え、10分間、液面下に窒素を吹き込んだ。この混合物にさらなるヨウ化銅(I)(1.0g、5.3mmol)およびsym−ジメチルエチレンジアミン(0.9g、10.2mmol)を加えた。反応混合物に5分間窒素を吹き込み、98℃で一晩撹拌した。
反応液を室温に冷却し、水(93ml)次いで水酸化アンモニウム(46ml)を加えた。混合物を室温で15分間撹拌し、濾過した。固体を水(46ml)でリンスし、ロート上フィルター上で真空/窒素で一晩乾燥し、6.9g(62%)を得た。生成物の一部(3.56g)を、5%MeOH(2N NH3)/CH2Cl2を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して3.31g(93%)の2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンを白色固体として得た。遊離塩基(3.06g、6.79mmol)をCH2Cl2(40ml)およびMeOH(1.5ml)の混合液物に溶解させた。この溶液をエタノール中の1M HCl(7.2ml、7.2mmol)で処理し、混合物を室温で1.5時間撹拌した。混合物をエーテル(50ml)で希釈し、固体を濾過により集めた。固体をさらなるエーテル(50ml)で洗浄し、真空下で乾燥し標題の化合物(3.38g)を黄色固体として得た。MS/ES m/z(35Cl)451.0[M+H]+
【0161】
(実施例69)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン塩酸塩
【化20】

4−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−7H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.67g、3.10mmol)およびトリフルオロ酢酸(2.31ml、31.04mmol)をジクロロメタン(20ml)中で混合し、室温で一晩撹拌した。混合物をSCXカラムにロードし、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄した。生成物をメタノール中の2M NH3で溶出し、真空中で濃縮した。残渣をクロマトグラフ(シリカゲル、MeOH中の0〜10%2M NH3:ジクロロメタンで溶出する)にかけ、996mg(73%)の2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンを得た。15mlのメタノール/ジクロロメタン(1:1)中の遊離塩基(350mg、0.80mmol)の溶液に塩化アンモニウム(45mg、0.85mmol)を加え、NH4Clが完全に溶解するまで溶液を超音波処理した。真空中で濃縮し、379mg(100%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(35Cl)438.0[M+H]+
【0162】
基本的に実施例69に記載した手順に従い、下記の表中の実施例を調製した。
【表19】

【0163】
(実施例74)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
4−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イルオキシ}−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(5.41g、10.02mmol)を1:1 MeOH:ジクロロメタン(80ml)の溶液に加えた。次いでジオキサン中の4M HCl(18.53ml、74mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応液を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。十分に乾燥させて、標題の化合物を定量的に得た。MS/ES m/z(35Cl)440.0[M+H]+
【0164】
(実施例75)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(1−メチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
【化21】

2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(500mg、1.14mmol)および酢酸(0.33ml、5.71mmol)をメタノール(40ml)中で混合した。0℃に冷却し、ホルムアルデヒド(0.25ml、3.42mmol、37%水溶液)を加え、5分間撹拌した。次いでシアノ水素化ホウ素ナトリウム(179mg、2.85mmol)を加え、一晩撹拌しながら反応液を室温に一晩加温した。溶液を真空中で濃縮し、ジクロロメタン、飽和NaHCO3水溶液および水で希釈した。有機層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した。有機抽出液を合わせ、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。残渣をクロマトグラフ(シリカゲル、0〜10%MeOH(2N NH3)/CH2Cl2で溶出する)にかけ、遊離塩基を得た。1:1 メタノール/CH2Cl2中の遊離塩基の溶液に1当量の塩化アンモニウムを加え、NH4Clが完全に溶解するまで溶液を超音波処理した。真空中で濃縮し、523mg(99%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(35Cl)452.0[M+H+]。
【0165】
基本的に実施例75に記載した手順に従い、下記の表中の実施例を調製した。
【表20】

【0166】
(実施例81)
6−[6−(1−アセチル−ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
ジクロロメタン中の2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(ピペリジン−4−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩(0.741g、1.56mmol)の混合物に、室温でピリジン(0.50ml、6.18mmol)を加えた。5分間撹拌した後、アセチルクロリド(0.16ml、2.33mmol)を混合物に加え、室温で一晩撹拌した。混合物を水で希釈し、ジクロロメタン(3×50ml)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(1〜3%メタノール/ジクロロメタン)を用いて残渣を精製し、高真空で濃縮して標題の化合物(0.678g、90%)を得た。MS/ES m/z(37Cl)483[M+]。
【0167】
遊離塩基の出発アミンを使用したこと以外は基本的に実施例81に記載した手順に従い、下記の表中の実施例を調製した。
【表21】

【0168】
(実施例84)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(1−シクロプロピル−ピロリジン−3(R)−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
シアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.044g、0.703mmol)を、酢酸(0.05ml)およびメタノール(10ml)中の2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(ピロリジン−3(R)−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.0745g、0.176mmol)および(1−エトキシ−シクロプロポキシ)−トリメチル−シラン(0.14ml、0.703mmol)の混合物に室温で加えた。80℃で一晩、混合物を還流させた。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、1.0M NaOHで洗浄した。有機相をメタノールで希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。2〜12%MeOH(2N NH3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーを使用して混合物を精製した。残渣をメタノールでリンスして粉状にし、白色固体を得た。この白色固体をジクロロメタン/メタノールに溶解させ、塩化アンモニウム(2mg)を加え、塩化アンモニウムが完全に溶解するまで得られた混合物を超音波処理した。溶液を濃縮し、一晩高真空で乾燥し所望の生成物(0.020g、23%)を得た。MS/ES m/z(35Cl)464.2[M+H+]。
【0169】
(実施例85)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((S)−3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.461g、1.759mmol)、および[(S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.660g、1.935mmol)を使用して、基本的に実施例2について記載した手順に従って標題の化合物を調製し、粗アミドカップリング生成物を得て、これを精製することなく次のステップで使用した。この物質をDMF(20ml)に溶解させ、溶液をNaH(60%、106mg、2.64mmol)で処理し、室温で1時間撹拌した。CH3I(164μl、2.64mmol)を加え、反応液を室温で3時間撹拌した。反応液を水(100ml)で希釈し、EtOAc(3×100ml)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物をCH2Cl2(10ml)に溶解させ、TFA(2.0ml)で処理し、室温で1時間撹拌した。過剰の試薬および溶媒を真空中で取り除いた。得られた残渣をCH2Cl2(50ml)に溶解させ、飽和NaHCO3(2×50ml)で洗浄した。有機部分をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(2%NH32O、50%CH3OH/EtOAcで溶出する)により粗生成物を精製し、0.569gの生成物を得た。基本的に実施例2に記載したようにして、この物質の塩酸塩を調製し、0.608g(73%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(35Cl)437.3[M+H]+
【0170】
(実施例86)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(0.530g、2.022mmol)および[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.759g、2.224mmol)を使用して、基本的に実施例85について説明した手順に従って標題の化合物を調製し、0.759gの生成物を得た。この物質の塩酸塩を、基本的に実施例1に記載したようにして調製し、0.587g(63%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(35Cl)437.3[M+H]+
【0171】
(実施例87)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((3R,3’R)−3−フルオロ−[1,3’]ビピロリジニル−1’−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン
メタンスルホン酸 (S)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イルエステル(3g、9.34mmol)および(R)−3−フルオロ−ピロリジン塩酸塩(1.00g、11.21mmol)をDMF(50ml)に溶解させ、Cs2CO3(9.13g、28.02mmol)を加えた。70℃に一晩加温した。ジクロロメタン(3×40ml)で希釈し、H2O(50ml)およびブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥し、濾過し、有機溶液を濃縮した。0〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、1.14g(39%)の(3R,3’R)−1’−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−フルオロ−[1,3’]ビピロリジニルを得た。
1,4−ジオキサン(20ml)中の2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(458mg、1.75mmol)、(3R,3’R)−1’−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−3−フルオロ−[1,3’]ビピロリジニル(550mg、1.75mmol)および炭酸セシウム(1.14g、3.50mmol)の混合物を脱気した。ヨウ化銅(I)(133mg、700μmol)およびsym−ジメチルエチレンジアミン(99μl、928μmol)を加えた。混合物を100℃で一晩加熱した。冷却した混合物に濃NH4OH(5ml)を加えた。10分後、混合物を水(20ml)に注ぎ込んだ。得られた固体を濾過し、水(2×)でリンスし、次いでEt2O(2×)でリンスした。クロマトグラフィー(0〜5%MeOH/CH2Cl2)を用いて精製し、610mg(71%)の標題の化合物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.95(m,1H),2.24(m,3H),3.59(m,8H),5.18(d,1H),5.40(brs,1H),6.44(d,1H),6.65(d,1H),7.22(d,1H),7.38(t,3H),7.60(m,3H),8.13(s,1H)。
【0172】
(実施例88)
6−[6−((R)−3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
【化22】

1,4−ジオキサン(20ml)中の2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(374mg、1.43mmol)、[(R)−1−(5−ブロモ−ピリジン−2−イル)−ピロリジン−3−イル]−シクロプロピル−アミン(404mg、1.43mmol)および炭酸セシウム(932mg、2.86mmol)の混合物を脱気した。ヨウ化銅(I)(162mg、851μmol)およびsym−ジメチルエチレンジアミン(150mg、1.70mmol)を加えた。混合物を100℃で一晩加熱した。濃NH4OH(5ml)および水(50ml)およびCH2Cl2で希釈した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(0〜10%MeOH/CH2Cl2)を使用して精製し、0.384g(64%)の6−[6−((R)−3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンを得た。
遊離塩基をMeOHおよびCH2Cl2に溶解させ、EtOH中の1N HClを加え、エバポレーションすることにより塩酸塩を調製した。塩をEt2Oに懸濁させ、濾過し0.386g(93%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(35Cl)423.0[M+H]+
【0173】
(実施例89)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
((R)−1−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イル}−ピロリジン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.367g、0.70mmol)をDMF(10ml)に溶解させた。混合物を60%NaH(33.7mg、0.84mmol)で処理した。得られた懸濁液を室温で1時間撹拌した。ヨードメタン(66μl、1.05mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。混合物を水(35ml)でクエンチし、EtOAc(3×40ml)で抽出した。合わせた有機層を水(3×30ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物をCH2Cl2(5ml)に溶解させ、TFA(3ml)で処理し、室温で1時間撹拌した。過剰の試薬を真空中で取り除いた。残渣をCHCl3(40ml)で希釈し、2.0M NaOH(30ml)で洗浄した。濁った有機層をCH3OH(1.0ml)で処理し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。10%CH3OH(2M NH3を含む)/CHCl3で溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.222g(72%)の2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンを得た。
遊離塩基をCH2Cl2に溶解させ、エタノール中のHClで処理することにより塩酸塩を調製した。エーテルを加えて生成物を沈殿させ、固体を濾過して標題の化合物を得た。MS/ES m/z(35Cl)439.2[M+H]+
【0174】
(調製例94)
メタンスルホン酸 (S)−1−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イル}−ピロリジン−3−イルエステル
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((S)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(1.246g、2.93mmol)をCH2Cl2(25ml)に溶解させた。0℃に冷却し、Et3N(0.61ml、4.39mmol)、次いでMsCl(0.25ml、3.22mmol)で処理した。0℃で15分間、および室温で2時間撹拌した。混合物をCH2Cl2(50ml)で希釈した。H2O(2×40ml)で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。10%CH3OH/CH2Cl2で溶出するクロマトグラフィーで粗生成物を精製し、1.21g(82%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(35Cl)504.0[M+H]+
【0175】
(調製例95)
メタンスルホン酸 (S)−1−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−7H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イル}−ピロリジン−3−イルエステル
基本的に調製例94に記載した手順に従って標題の化合物を調製し、0.44g(62%)を得た。MS/ES m/z(35Cl)502.0[M+H]+
【0176】
(実施例90)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−シクロプロピルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
マイクロ波反応器の中で、THF(15ml)中のメタンスルホン酸 (S)−1−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イル}−ピロリジン−3−イルエステル(1.22g、2.40mmol)およびシクロプロピルアミン(90.42ml、6.01mmol)を130℃で6時間加熱した。混合物をEtOAc(50ml)で希釈し、飽和NaHCO3(2×20ml)およびブライン(20ml)で洗浄した。有機部分をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。1%Et3Nを含む10%CH3OH/CHCl3で溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.61g(55%)の遊離塩基を得た。
CH2Cl2に溶解させ、エタノール中のHClで処理することにより、塩酸塩を調製した。エーテルを加えて生成物を沈殿させた。固体を濾過し、0.266g(64%)の標題の化合物を得た。MS/ES m/z(37Cl)466.2[M+]。
【0177】
(実施例91)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−シクロプロピルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
メタンスルホン酸 (S)−1−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−7H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イル}−ピロリジン−3−イルエステルを使用して、基本的に実施例98に記載した手順に従って標題の化合物を調製し、0.2047g(67%)の生成物を得た。MS/ES m/z(35Cl)463.0[M+H]+
【0178】
(実施例92)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジシクロプロピルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
((R)−1−{5−[2−(4−クロロ−フェニル)−7−オキソ−4,7−ジヒドロ−5H−チエノ[2,3−c]ピリジン−6−イル]−ピリジン−2−イル}−ピロリジン−3−イル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.393g、0.750mmol)をCHCl3(5ml)に溶解させ、TFA(2ml)で処理した。混合物を室温で30分間撹拌した。過剰の試薬を真空中で除去した。粗生成物をCH3OH(10ml)に溶解させ、HOAc(90.22ml、3.93mmol)および(1−エトキシ−シクロプロポキシ)トリメチルシラン(0.47ml、2.36mmol)で処理した。混合物を室温で10分間撹拌した。NaBH3CN(90.36g、5.69mmol)を加え、反応液を一晩還流させた。混合物をEtOAc(50ml)および2.0M NaOH(920ml)で希釈し、室温で5分間撹拌した。濾過し、混合物をEtOAc(30ml)で洗浄した。有機層を分離しさせ、Na2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。5%CH3OH(2M NH3)/CHCl3で溶出するクロマトグラフィーにより粗生成物を精製し、0.35g(93%)の2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジシクロプロピルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンを得た。
遊離塩基をメタノールに溶解させ、エタノール中の1M HClを加えることにより塩酸塩を調製した。溶液をエバポレーションし、標題の化合物を得た。MS/ES m/z(35Cl)505.2[M+H]+
【0179】
(実施例93)
2−(4−クロロ−フェニル)−6−(6−{(R)−3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−メチル−アミノ]−ピロリジン−1−イル}−ピリジン−3−イル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
メタノール(9ml)中の2−(4−クロロ−フェニル)−6−{6−[(R)−3−(2,2−ジフルオロ−エチルアミノ)−ピロリジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩(150mg、287μmol)、酢酸(49μl、360μmol)およびホルムアルデヒド(115μl、1.53mmol、37%水溶液)の室温の混合物にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(716μmol、45mg)を加え、この混合物を18時間撹拌した。混合物を濃縮し、CH2Cl2(5ml)と1N NaOH(5ml)との間に分配した。有機部分を分離し、水性部分をCH2Cl2(3×)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥し、濾過し、乾固するまで濃縮した。クロマトグラフィー(0%〜5%MeOH(2M NH3)/CH2Cl2)により精製し、116mg(80%)の2−(4−クロロ−フェニル)−6−(6−{(R)−3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−メチル−アミノ]−ピロリジン−1−イル}−ピリジン−3−イル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンを得た。ジクロロメタン(2ml)中の2−(4−クロロ−フェニル)−6−(6−{(R)−3−[(2,2−ジフルオロ−エチル)−メチル−アミノ]−ピロリジン−1−イル}−ピリジン−3−イル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(232μmol、116mg)の溶液にエタノール中の1M塩化水素(232μl、232μmol)を加え、混合物を室温で5分間撹拌した。混合物をEt2O(8ml)で希釈し、濾過した。固体をEt2O(2×)でリンスし、真空下、80℃で乾燥し100mg(80%)の標題の化合物を得た。LC−MS/ES m/z(35Cl)501.0[M+H]+
【0180】
(実施例94)
(±)−cis−2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(3−フルオロ−4−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
2−(4−クロロ−フェニル)−6−(6−{3−[(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−メチル−アミノ]−4−フルオロ−ピロリジン−1−イル}−ピリジン−3−イル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン(94mg、0.155mmol)をトリフルオロ酢酸(6ml)に溶解させ、混合物を一晩還流させた。溶液をエバポレーションし、残渣をメタノールを用いて10g SCXカラムにかけた。カラムをメタノールで洗浄し、粗生成物を2Nアンモニアを含むメタノールで溶出した。0〜10%メタノール(2N NEt3)/CH2Cl2で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりさらに精製して、黄色固体を得た。
この固体(27mg、59μmol)をエタノール(2ml)に溶解させ、塩化水素(44μl、177μmol、ジオキサン中の4M)を加えた。混合物をエバポレーションし30mg(38%)の標題の化合物を白色固体として得た。MS/ES m/z(35Cl)457.0[M+H]+
【0181】
(実施例95)
trans−2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(3−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩(異性体1)
および
(実施例96)
trans−2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(3−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩(異性体2)
3×25cm Chiralpak(登録商標)AD−H5μmカラムを使用し、0.2%ジメチルエチルアミンを含む30%アセトニトリル/70%メタノールで溶出して、(±)2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(3−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オンの鏡像異性体を精製し、2つのtrans異性体を得た。異性体1:TR=7.06分;異性体2:TR=7.98分。
各異性体をメタノール(3ml)に溶解させ、塩化アンモニウムを加え、混合物をエバポレーションし標題の化合物を白色固体として得た。LC−MS/ES m/z(35Cl)467.0[M+H]+。異性体1:LC−MS/ES m/z(35Cl)467.0[M+H]+;異性体2:LC−MS/ES m/z(35Cl)467.0[M+H]+

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式の化合物
【化1】

(式中、
「−−−−−」は任意に二重結合を形成してもよい結合であり、
1は独立に、水素、C1−C4アルキル、ハロ、C1−C4ハロアルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルコキシ、および−O−C3−C4シクロアルキルからなる群から選択され、
aおよびRbは独立に、水素、フルオロ、クロロ、またはメトキシであり、
2は水素またはメチルであり、
1は結合、−OCH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、−C(O)NCH2CH2−、−C(O)CH2CH2−、NHC(O)CH2−および−NHC(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4は、それらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、β、γまたはδ位でL1と一緒になって、L1とともに4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にオキソ、ヒドロキシ、−OR6、C1−C4アルキル、ハロ、C1−C4ハロアルキル、−C1−C3アルキルアルコール、−C(O)C1−C3アルキル、C3−C6シクロアルキル、NR66’、およびC1−C4アルキルNR66’からなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素、ハロ、シアノ、メチルおよびメトキシであり、
6およびR6’は独立に水素、C1−C4アルキル、−C1−C3アルキルアルコール、−C1−C3ハロアルキル、およびC3−C4シクロアルキルからなる群から選択されるか、またはR6およびR6’はそれらが結合する窒素原子と一緒になって、ハロ、C1−C2アルキル,およびヒドロキシから選択される基で任意に置換された4〜6員の窒素含有複素環式環を形成する)
またはその薬理学的に許容できる塩、または鏡像異性体、ジアスレテオマーもしくはジアスレテオマーの混合物。
【請求項2】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合、−C(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2CH2−、−C(O)NHCH2CH2−および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4はともにそれらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、βまたはγ位でL1と一緒になってL1とともに4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、アゼチジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニルおよびジアゼパニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、アミノ置換ピロリジニル、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3およびNHC2−C3ハロアルキルからなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合であり、
3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、およびピペラジニルからなる群から選択される4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、その各々は独立にOH、フルオロ、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3,およびNHC2−C3ハロアルキルからなる群から独立に選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルである、
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合、−C(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、−NHC(O)CH2CH2CH2−、−C(O)NHCH2CH2−、および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4はともにそれらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、βまたはγ位でL1と一緒になってL1とともに4〜6員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環はアゼチジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニルおよびジアゼパニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、フルオロ、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、アミノ置換ピロリジニル、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3およびNHC2−C3ハロアルキルからなる群から独立に選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合、−OCH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、−NHC(O)CH2−、−NHC(O)CH2CH2−、−C(O)NHCH2CH2および−C(O)NHCH2CH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4はそれらが結合する窒素原子と一緒になって任意に置換された4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、β、またはγまたはδ位でL1と一緒になって、L1とともに4〜6員の窒素含有複素環式環を形成し、R3とR4により形成されるかまたはL1とR3およびR4のいずれかにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環は、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニルおよびピペラジニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、フルオロ、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、アミノ置換ピロリジニル、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3およびNHC2−C3ハロアルキルからなる群から独立に選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合であり、
3およびR4は互いおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニルおよびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、その各々は、独立にOH、フルオロ、OC1−C3アルキル、OC1−C2ハロアルキル、NHC1−C2アルキルアルコール、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピル、N(シクロプロピル)2、アミノ置換ピロリジニル、フルオロ置換ピロリジニル、C(O)CH3、NR66’、NHCH2CHF2およびNHCH2CH2Fから独立に選択される1個または2個の基で任意に置換され、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒になって、ヒドロキシ、フルオロ、およびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の窒素含有複素環式環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1はOCH2CH2−、−NHC(O)CH2−、−NHC(O)CH2CH2−または−C(O)NHCH2CH2−であり、
3およびR4は互いにと一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニルおよびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素であり、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒になってヒドロキシ、フルオロおよびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の複素環式環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合であり、
3およびR4は互いにと一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニルおよびピペラジニルから選択される4〜7員の窒素含有複素環式環を形成し、各窒素含有複素環式環は、独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素またはメチルであり、
6およびR6’は独立に水素、CH2CHF2、メチル、シクロプロピルまたはシクロブチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1はOCH2CH2−または−OCH2CH2CH2−であり、
3およびR4は互いとに一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニル、ジアゼパニルおよびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素であり、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒なってヒドロキシ、フルオロおよびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の複素環式環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
1はクロロ、メトキシ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロまたはメトキシであり、
2は水素であり、
1は−NHC(O)CH2−,−NHC(O)CH2CH2−または−C(O)NHCH2CH2−であり、
3およびR4は互いにと一緒になってピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニルおよびピペラジニルから選択される4〜7員の複素環式環を形成し、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にOH、NR66’、ハロ、C1−C3アルキルおよびC1−C3ハロアルキルから選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素であり、
6およびR6’は独立に水素、メチル、エチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチルであるか、またはR6およびR6’は一緒になってヒドロキシ、フルオロおよびメチルから選択される基で任意に置換された4〜6員の複素環式環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
1はクロロ、フルオロ、トリフルオロメチルまたはシクロプロポキシであり、
aおよびRbは独立に水素、フルオロ、またはメトキシであり、
2は水素であり、
1は結合、−OCH2CH2−、−NHC(O)CH2−、−NHC(O)CH2CH2−および−C(O)NHCH2CH2−からなる群から選択され、
3およびR4は互いにおよびそれらが結合する窒素原子と一緒になって4〜7員の窒素含有複素環式環を形成するか、またはR3およびR4のうちの1つはNR34の窒素のα、βまたはγ位でL1と一緒になって複素環式環を形成し、R3とR4との組合せまたはL1とR3およびR4のいずれかとの組合せにより形成される各4〜7員の窒素含有複素環式環はアゼチジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピペリジニルおよびピペラジニルから選択され、各4〜7員の窒素含有複素環式環は、独立にメチル、フルオロ、OH、OCH3、NHCH2CH2F、NH2、NHCH3、N(CH32、NHシクロプロピルおよびN(シクロプロピル)2からなる群から選択される1個または2個の基で任意に置換され、
5は水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
以下からなる群から選択される化合物:
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((S)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−5−メチル−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−5−メチル−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−(4−ジメチルアミノ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2H−[1,2’]ビピリジニル−5’−イル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、二塩酸塩;
6−{6−[(S)−3−(2,2−ジフルオロ−エチルアミノ)−ピロリジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−2−(4−フルオロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−{6−[(R)−3−(2,2−ジフルオロ−エチルアミノ)−ピロリジン−1−イル]−ピリジン−3−イル}−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−フルオロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(3−(S)−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−メトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−メトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(3−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−シクロプロポキシ−フェニル)−6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−フルオロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−フルオロ−フェニル)−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−シクロプロポキシ−フェニル)−6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−シクロプロポキシ−フェニル)−6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩
2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[6−(S)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、二塩酸塩;
2−(2,4−ジフルオロ−フェニル)−6−[6−(R)−(3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、二塩酸塩;
(±)−trans−2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(3−ジメチルアミノ−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−ピロリジン−3−イルオキシ)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((S)−3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
6−[6−((R)−3−アミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロ−フェニル)−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩;
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−シクロプロピルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩、および
(±)−cis−2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−(3−フルオロ−4−メチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−5,6−ジヒドロ−4H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩。
【請求項13】
2−(4−クロロ−フェニル)−6−[6−((R)−3−ジメチルアミノ−ピロリジン−1−イル)−ピリジン−3−イル]−6H−チエノ[2,3−c]ピリジン−7−オン、塩酸塩。
【化2】

【請求項14】
肥満症および関連疾患の治療方法であって、それを必要とする患者に治療上有効量の請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項15】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の化合物および薬理学的に許容できる担体および/または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項16】
肥満症の治療のための、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項17】
食欲抑制剤としての、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
治療のための、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
肥満症治療用の医薬の製造のための、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2009−539876(P2009−539876A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514545(P2009−514545)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/070668
【国際公開番号】WO2007/146759
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(594197872)イーライ リリー アンド カンパニー (301)
【Fターム(参考)】